JP2008533984A - キナーゼインヒビターを含む培養培地およびその使用 - Google Patents

キナーゼインヒビターを含む培養培地およびその使用 Download PDF

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Abstract

多能性細胞は、gp130アゴニスト(LIF)およびGSK3インヒビターを含む無血清培養培地中で自己再生状態に維持される。

Description

本発明は、多能性幹細胞における自己再生表現型の維持に関する。提供される方法および組成物は、胚性幹(ES)細胞のような多能性幹細胞、特に、マウスおよびヒトを含む、哺乳類の幹細胞の培養および単離に適する。特に、本発明は、マウスおよびヒトのES細胞の自己再生培養物、およびそのための方法および組成物に関する。
血清および白血病抑制因子(LIF)を含む培地の存在下でのインビトロ多能性幹細胞培養物の樹立および維持はよく知られている(Smithら、(1988) Nature 336: 688-90)。このような方法は、「許容的」なマウスの系統から多くの継代に亘って多能性胚性幹(ES)細胞を維持するために用いられてきた。多能性幹細胞培養物の維持および自己再生は、フィーダー細胞またはその抽出物(通常はマウス線維芽細胞)の存在下で幹細胞が培養される場合にさらに支持される。このような条件下では、培養物中で多くの継代に亘ってヒトES細胞を多能性状態に維持し得る。
ES細胞は、多くの場合において、維持され得るのみであり、あるいは血清または血清抽出物を含む培地を用いて(したがって、非限定である)、またはヒトES細胞を維持するために用いられる線維芽細胞フィーダー細胞のような他の細胞の存在を必要とする細胞培養条件を用いて最もよく維持される。しかし、何らかの不確定の構成成分は、培地中のものであろうとまたは例えばフィーダー細胞によって産生されるものであろうと、ES細胞の増殖および分化についての研究を潜在的に妨害し、または邪魔する。これは、ES細胞およびその子孫の治療および他の適用のための製造管理および品質管理規則の開発を妨げる。いくつかの限定されたES細胞の培地が知られているが、代替のおよび好ましくは改良された限定培地が必要とされる。
本出願人による先の出願WO−A−03/095628、およびより後の未公開出願において、(1)gp130のアゴニスト(例えばLIF)および(2)TGF−βスーパーファミリーまたはIdシグナリング経路のアゴニスト(例えばBMP4)を含む無血清培地中でES細胞のような多能性幹細胞を培養することは、複数の継代に亘って幹細胞の自己再生を促進するために用いられる。gp130シグナリングの存在下では、TGF−βスーパーファミリーまたはIdシグナリング経路のアゴニストは、分化前のシグナルよりもむしろ自己再生の刺激を驚くほど提供した。それにもかかわらず、多能性細胞を自己再生状態に維持する効率、およびフィーダー細胞から離してまたはフィーダー条件培地から離して多能性細胞を移すための培地は、常に改良されることが望まれる。
Sato Nら(Nat. Med. 2004年1月 10(1) 55-63頁)は、血清を含む培地中でのマウスおよびヒトES細胞に対する、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3(GSK3)インヒビターである6−ブロモインディルビン−3’−オキシムの効果を記載している。しかし、これらの効果は非常に短い時間枠に亘ってのみ観察され、あまりにも短いため確かな結論を引き出し得なかった。そして、その研究に用いられた非限定培地中の未知の因子の影響は重要であり得る。本発明の発明者らはその結果を反復することを試みたがこれに失敗し、そして実際にはそれらの記載と反対の効果を見出した(以下の比較例を参照のこと)。
ES細胞の培養培地の調製のためには、個々の培地構成成分をできる限り純粋な形態で提供することが望まれる。しかし、ほとんどの培地構成成分はサイトカインであり、その純度は、それらを細胞系で製造し、次に生産ブロスから可能性のある汚染物質を除去する必要によって損なわれる。いくつかのサイトカインに伴う別の問題は、それらが効果的および無毒性である濃度範囲が狭いことである。より広い範囲の濃度を有しおよび/またはより高い濃度でより毒性が低い培地構成成分は、非常に有用である。サイトカインはまた、貯蔵において安定性が限定され得、そしてより安定な培地構成成分が求められる。
本発明の目的は、当該技術分野における問題を克服しまたは少なくとも改善すること、好ましくは多くの継代に亘って該幹細胞の自己再生を支持し得る代替の、より好ましくは改良された、多能性幹細胞に適した培養方法および培養培地を提供することである。本発明のさらなる目的は、細胞の分化が制御される様式で誘導され得るまで多能性幹細胞の培養物のインビトロでの維持を可能にする代替の培養系を提供することである。本発明のよりさらなる目的は、多能性幹細胞の誘導および単離を増強し、かつES細胞の単離に対して抵抗性の生物からまたは多能性幹細胞がまだ単離されていない生物からのそれらの誘導および単離を促進する方法および組成物を提供することである。
発明の要約
本発明の第1の局面によれば、gp130シグナリングの存在下での多能性幹細胞でのGSK3の阻害は、細胞の自己再生を促進するために用いられる。
本発明によれば、ES細胞のような多能性幹細胞は、(例えば、小分子のGSK3インヒビターを用いる)GSK3の阻害と一致したgp130シグナリング経路のアゴニスト(例えばLIF)を含む培地、好ましくは無血清培地中で培養される。それによって、幹細胞の複数の継代に亘る自己再生が促進される。したがって、gp130シグナリングの存在下では、多能性細胞でのこのgsk酵素の阻害は自己再生の刺激を提供する。
本発明は、多くの適用を有する。gp130シグナリングとGSK3の阻害との組み合わせを用いて、多能性細胞、特にES細胞を増殖させ得、そしてその場合それらはフィーダー上で誘導されまたは増殖して、多能性細胞、特にES細胞を適応させ、フィーダーを伴わずに増殖させる。培養物中で幹細胞を増殖させる方法は、GSK3のインヒビターの存在下で細胞を培養する工程を含む。1以上のGSK3インヒビターを含む培養培地が調製され得る。ES細胞は、GSK3インヒビターおよびgp130アゴニストを用いて誘導され得る。
発明の詳細な説明
GSK3阻害とは、1以上のGSK3酵素の阻害をいう。特定の実施態様では、GSK−βが阻害される。GSK3−αインヒビターもまた適切であり、そして一般に本発明における使用のためのインヒビターは両方とも阻害する。広い範囲のGSK3インヒビターが公知であり、そして例証として、インヒビターCHIR98014、CHIR99021、AR−AO144−18、SB216763およびSB415286を用いてES細胞の自己再生を促進した。他のインヒビターが公知であり、そして本発明において有用である。ある実施態様のインヒビターは、GSK3−βおよびGSK3−αに特異的であり、erk2を実質的に阻害せず、そしてcdc2を実質的に阻害しない。インヒビターは、IC50値の比として測定した場合、マウスerk2および/またはヒトcdc2よりもヒトGSK3に対して好ましくは少なくとも100倍、より好ましくは少なくとも200倍、非常に好ましくは少なくとも400倍の選択性を有する。ここで、GSK3 IC50値とは、ヒトGSK3−βおよびGSK3−αについての平均値をいう。CHIR99021およびCHIR98014について良好な結果が得られ、これらは両方ともGSK3に特異的である。GSK3インヒビターの例は、Bennett Cら(J. Biological Chemistry, 277巻, 34号, 2002年8月23日, 30998-31004頁)およびRing DBら(Diabetes, 52巻, 2003年3月, 588-595頁)に記載されている。CHIR99021の使用に適した濃度は、0.01〜100、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.3〜3μMの範囲にある。
以下の実施例において、発明者らは、gp130シグナリングとともにGSK3インヒビターの存在下でマウスES細胞を培養し、自己再生を促進した。より詳細な下記の他の特定の実施例において、培養物中でマウス多能性細胞の自己再生を促進する方法は、(i)GSK3を阻害する工程、および(ii)gp130下流シグナリングを活性化する工程を含む。
1以上のgp130下流シグナリング経路の活性化は、gp130を介して作用するサイトカイン、例えばLIFレセプターのサイトカインまたは他のアゴニストの使用によって達成され得る。gp130を介して作用し得、したがってgp130シグナル伝達を活性化し得るサイトカインとしては、LIF、CNTF、カルジオトロフィン、オンコスタチンM、IL−6+sIL−6レセプターおよびハイパーIL−6が挙げられる。適切なサイトカインとしては、gp130に結合し得および/またはgp130を介してシグナリングを活性化し得る模倣物、融合タンパク質またはキメラが挙げられる。血清存在下でgp130を介して作用するサイトカインの役割は十分に確立されているが、血清不在下で未分化細胞を維持するそれらのサイトカインの能力は有限である。
本発明の利点は、GSK3インヒビターおよびgp130アゴニストの存在下では、多能性細胞が限定培地中で増殖し得ることである。したがって、本発明は、血清、血清抽出物、フィーダー細胞およびフィーダー細胞抽出物を含まない培地中でのES細胞の代替のおよび/または改良された培養を可能にする。
マウス(Bradleyら、(1984) Nature 309: 255-56)、アメリカミンク(Mol Reprod Dev (1992) 12月; 33(4): 418-31)、ブタおよびヒツジ(J Reprod Fertil Suppl (1991); 43: 255-60)、ハムスター(Dev Biol (1988) 5月; 127(1): 224-7)およびウシ(Roux Arch Dev Biol (1992); 201: 134-141)を含む多くの哺乳類ソース由来の胚性幹細胞が報告されている。本明細書の特定の実施例は、マウスおよびヒトのES細胞を用いる。本発明の方法および組成物が、他の哺乳類の多能性細胞培養物、したがって、霊長類(特にヒト)、齧歯類(特にマウスおよびラット)、および鳥類の多能性幹細胞、特にES細胞を含む他の哺乳類の多能性細胞培養物の培養への適応に適切であることが理解される。
本発明の第2の局面は、自己再生を促進するための多能性細胞、特にES細胞の培養方法を提供し、該方法は、
(1)GSK3のインヒビター;および
(2)gp130下流シグナリング経路のアクチベーター:
を含む培地中で該細胞を維持する工程を含む。
本発明の方法は、多能性細胞を増殖させるために一般的に用いられ得、血清を含まないおよび血清抽出物を含まない培地中でES細胞を増殖させる工程を含み、これらの細胞は、血清または血清抽出物の存在下で予め継代されている。好ましくは、このような方法はまた、フィーダー細胞および/またはフィーダー細胞抽出物の不在下で行われる。例えば、以下の工程を含むES細胞の培養が行われ得る:
gp130を介して作用するサイトカインおよび血清または血清の抽出物の存在下で、必要に応じてフィーダー上で、培養物中でES細胞を多能性状態に維持する工程;
少なくとも1回該ES細胞を継代する工程;
培地がフィーダー、血清および血清抽出物を含まないように、該培地から該血清または血清抽出物を除去する工程および(存在する場合)該フィーダーを除去する工程;および
続いて、GSK3のインヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターの存在下でES細胞を多能性状態に維持する工程。
血清または血清の抽出物が培地から除去される頃に、必要に応じて、分化を抑制する薬剤、例えばFGFレセプターインヒビターを培地に添加する。必要に応じて、Idタンパク質の存在下の細胞の維持と同時にまたはその後に分化のインヒビターが除去される。フィーダー細胞または抽出物が除去されると同時にまたはその前にまたはその後に、血清または抽出物は、除去され得る。
本発明は、ES細胞のトランスフェクトされた集団を得る方法もまた提供し、該方法は、
選択マーカーをコードする構築物でES細胞をトランスフェクトする工程;
該ES細胞をプレーティングする工程;
GSK3のインヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターの存在下で該ES細胞を培養する工程;および
該選択マーカーを発現する細胞を選択する工程、
を含む。
選択マーカーは、例えばEP−A−0695351に記載のように抗生物質耐性、細胞表面マーカーまたは他の選択マーカーをコードし得、そして好ましくは所望の細胞で選択マーカーを優先的に発現するプロモーターに作動可能に連結した選択マーカーをコードする核酸配列を含む。
さらなる実施態様において、本発明は、多能性(特にES)細胞の培養方法を提供し、該方法は、すべての細胞が単一の細胞の子孫である多能性(特にES)細胞のクローン集団を得るように、プレート上の個々のウェルのような培養容器へ個々の細胞を移す工程、および、GSK3インヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターの存在下で該細胞を培養する工程を含む。
一旦、ES細胞の安定で均一な培養物が得られると、培養条件は、外胚葉、中胚葉または内胚葉の細胞の運命から選択される1以上の細胞タイプへ細胞の分化を方向づけるように変更され得る。サイトカインおよびシグナリング因子の添加または除去は、特定の分化した細胞集団の高い効率での誘導を可能にし得る。非神経外胚葉の運命へのES細胞の分化は、gp130を介して作用するサイトカインおよびGSK3インヒビターの存在下でES細胞を維持すること、次いで、サイトカインを除去する一方、GSK3インヒビターを維持すること、および/または分化を方向づけ得るさらなるシグナリング分子を添加することによって達成され得る。上記の方法はすべて、必要に応じて、プロセスの産物である分化した細胞を得る工程および/または単離する工程を含む。
本発明のさらなる局面は、細胞培養培地を提供することである。ある培地は、多能性(特にES)細胞の自己再生のためであり、該培地は、GSK3のインヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターを含む。本発明の別の培地は、幹細胞培養培地であり、GSK3のインヒビターを含む。
本発明は、血清および血清抽出物を含まない培地を提供する。1つのこのような培地は、
基本培地;
GSK3インヒビター;
gp130下流シグナリング経路のアクチベーター;および
鉄トランスポーター;
を含み、ここで、該培地は、必要に応じて血清および血清抽出物を含まない。
ヒト多能性幹細胞に好適な培地は、gp130アゴニストを含まなくてもよい点で異なり得る。したがって、それは、GSK3インヒビター、およびFGFレセプターのアゴニストを含み、必要に応じてgp130下流シグナリング経路のアクチベーターが補充される。特定のヒト多能性幹細胞培地は、(a)GSK3インヒビター、および(b)FGF、および必要に応じて(c)LIFまたはハイパーIL−6を含む。マウス細胞のための培地に制限されないがこのようなヒト幹細胞以外の多能性幹細胞に好適な培地は、GSK3インヒビター、gp130下流シグナリング経路のアクチベーターおよびES細胞の分化のインヒビターを含む。非ヒト多能性幹細胞のための特定の培地は、(a)LIF、(b)GSK3インヒビターおよび(c)必要に応じてFGFのインヒビターを含む。培地構成成分の置換は、本明細書に記載のように行われ得る。
基本培地は、細胞のために炭素および/またはビタミンおよび/またはミネラルの必須ソースを供給する培地である。基本培地は、一般的にタンパク質を含まず、そして細胞の自己再生をそれ自体で支持し得ない。鉄トランスポーターは、鉄のソースを提供し、または培養培地から鉄を取り込む能力を提供する。適切な鉄トランスポーターとしては、トランスフェリンおよびアポトランスフェリンが挙げられる。培地は、1以上のインスリンまたはインスリン様増殖因子、およびアルブミン(好ましくは組換え体)またはアルブミン代替物をさらに含み、そしてフィーダー細胞およびフィーダー細胞抽出物を含まないことが好ましい。
本発明の特定の培地は、さらなる基本培地を含んでまたは含まずに、LIF、GSK3インヒビター、インスリン、アルブミンおよびトランスフェリンを含む。この培地では、LIFは、gp130シグナリングの他のアクチベーターによって置換され得る。しかし、好ましい培地は、gp130レセプター結合サイトカインであるLIFを含み、その適切な濃度は、一般的には10U/mlと1000U/mlとの間、より好ましくは50U/mlと500U/mlとの間、さらにより好ましくは100U/mlの範囲にある。GSK3インヒビターは、好ましくは本明細書により詳細に記載の通りである。
本発明は、胚盤胞から多能性細胞を誘導する方法をさらに提供し、該方法は、
(1)胚盤胞を得る工程;
(2)gp130下流シグナリングのアクチベーターの存在下で該胚盤胞を培養して内部細胞塊を得る工程;
(3)該内部細胞塊を解離する工程;
(4)該解離した内部細胞塊から1または複数の細胞を単離する工程;および
(5)該単離した1または複数の細胞をgp130下流シグナリングのアクチベーターおよびGSK3のインヒビターの存在下で培養する工程、
を含む。
好ましくは、本発明の方法は、胚盤胞をLIF中で、より好ましくは2〜4日の期間に亘って培養する工程を含む。単離した1または複数の細胞は、好ましくは無血清培地中で培養される。代表的には、細胞は凝集塊としてリプレーティングされる。胚盤胞はまた、好ましくは無血清培地中で、必要に応じてBMPレセプターのアゴニストの不在下で、培養される。
本発明によれば、細胞の培養は、接着培養で行われることがさらに好ましく、これは培養基材上に細胞接着タンパク質を含むことによって促進され得る。本発明によれば、単層培養で多能性細胞を培養することもまた好ましいが、必要に応じて、細胞を懸濁培養でまたはプレ細胞凝集塊として増殖させる;細胞をビーズ上であるいは膜のような他の適切な足場または他の3次元構造物上でもまた増殖させ得る。
本発明によれば、多能性細胞の培養のための培地のさらなる構成成分は、そしてこれは存在することが好ましいが、細胞の生存および/または代謝を促進する因子である。本発明の特定の実施態様において、細胞はインスリン存在下で培養される。代替因子は、インスリン様増殖因子、および代わりに用いられ得る他のこのような生存または/および代謝促進因子である。
本発明の実施例において用いられる培養培地は、好ましくは血清アルブミンもまた含む。これは、精製された形態または好ましくは組換え体の形態で用いられ得、そして組換え体の形態の場合には、これはサイトカインなどの可能性のある混入因子の不在という利点を有する。培養培地は、血清アルブミンを含む必要はなく、そしてこの構成成分は除外され得、あるいは別の嵩高いタンパク質またはWilesらに記載の合成ポリマー(ポリビニルアルコール)に置換され得る。
本発明の特に好ましい培地は、完全に限定されるものである。この培地は、不確定のいかなる構成成分、すなわち、その内容物が知られていない構成成分または特定されない不確定因子または変動因子を含み得る構成成分も含まない。完全限定培地を用いることの利点は、多能性細胞の培養および引き続く操作のための効率的および一貫したプロトコールが誘導され得ることである。さらに、細胞を多能性状態に維持することが、より高い効率およびより大きい予測性で達成可能であること、および限定培地を用いて培養される細胞で分化が誘導される場合、分化シグナルへの応答が、非限定培地が用いられる場合より均一であることがわかる。
本発明はまた、培養培地の調製のために、培養培地のための添加物として用いられ得る濃縮物、および構成成分のキットを提供し、得られる培地は、本発明と一致する。本発明の1つのキットは、第1および第2の容器を含み、第1の容器はgp130アゴニストを含み、そして第2の容器はGSK3インヒビターを含む。キットは、好ましくは、各容器の内容物が本発明の培養培地を得るように培養培地に添加され得るように処方される。キットは、好ましくは、それらのそれぞれの構成成分の濃縮されたストック溶液を含む。
本発明の方法はまた、分化した細胞を得る方法を含み、該方法は、記載のように多能性細胞を培養する工程、および細胞が分化することを可能にするまたは引き起こす工程を含む。ここで、細胞は、多能性幹細胞を含む他の細胞タイプと比較して所望の分化した細胞で差次的発現が可能である選択マーカーを含み、これによって、選択マーカーの差次的発現は、所望の分化した細胞の優先的な単離および/または生存および/または分割をもたらす。分化した細胞は、組織幹細胞または組織前駆細胞であり得、そして最終分化した細胞であり得る。
一般的に、本発明はまた、本明細書に記載の本発明の方法のいずれかに従って得られる細胞にも及ぶ。本発明の細胞は、創薬のためのアッセイに用いられ得る。本発明の細胞はまた、細胞治療のために用いられ得、したがって、本発明の方法は、gp130シグナリングとGSK3の阻害との組み合わせを用いて多能性細胞を誘導および/または維持す工程、そこから細胞治療のための細胞を誘導する工程および細胞治療でそれらの細胞を用いるために工程を含む。
本発明のさらなる局面は、LIFへの応答の減少またはLIFへの応答の不在を示す多能性細胞の培養、およびこのような細胞のための培養培地に関する。1つのこのような局面において、多能性細胞を培養する方法は、FGFレセプターのアゴニストおよびGSK3インヒビターを含む培地中で細胞を維持する工程を含む。FGFレセプターアゴニストは、好ましくはbFGFである。GSK3インヒビターは、好ましくは本発明の他の局面と関連して本明細書に記載の通りである。本発明の方法は、特にヒト多能性細胞に適する。
別のこのような局面は、多能性細胞、特にヒト細胞でEras遺伝子を発現させる工程、およびその細胞をGSK3インヒビターの存在下で培養する工程を含む。あるいは、GSK3インヒビターは、Erasが別に活性化される細胞、または等価なシグナル(例えば、トランスジーン上のEras遺伝子の発現、Eras発現の誘導、PI3キナーゼの過剰発現またはトランスジーン上のPI3キナーゼの発現)がある細胞の自己再生を促進するために用いられる。
本発明のこれらの局面のための培養培地は、FGFレセプターのアゴニストおよびGSK3インヒビターを含む。
本発明の多くの利点は、上記の通りでありまたは明らかである。比較的無毒性および細胞透過性である細胞培養構成成分が同定され得る。本発明において用いられるGSK3インヒビターは、特に、例えばタンパク質サイトカインの精製と比較して、容易に精製され得る。組換えタンパク質は、作成が高価であり得、そして小分子の培地構成成分は、より広い効果的な濃度範囲でより安価に生産され、かつ貯蔵がより安定であり得る。
以下に記載の特定の実施態様は、無血清の完全限定培地でCHIR99021およびLIFの組み合わせを用い、そしてほとんど分化していないマウスES細胞の自己再生を改善した。BMPの存在下でES細胞を培養する場合、いくつかの神経発生があることが時々報告される。これは、本発明の実施例においては見られなかった。
本発明は、ここで、特定の実施例においてさらに説明され、図によって示される。
(GSK−3βインヒビター、Eras、培養培地、およびES細胞の自己再生)
マウスおよびヒトES細胞を、他に断らない限りN2B27培地を用いて、そしてGSK−3βインヒビターであるCHIR99021、AR−AO144−18、SB216763およびSB415286の存在下または不在下で、種々の条件下で増殖させた。
N2B27培地の調製:
N2 100×ストック溶液。10mlについて:1mlのインスリン(最終濃度2.5mg/ml)を1mlのアポトランスフェリン(最終濃度10mg/ml)、0.67mlのBSA(最終濃度5mg/ml)、33μlのプロゲステロン(最終濃度2μg/ml)、100μlのプトレシン(最終濃度1.6mg/ml)、10μlの亜セレン酸ナトリウム(最終濃度3μM)および7.187mlのDMEM/F12と混合する。4℃で貯蔵し、そして1カ月以内に使用する。
DMEM/F12−N2培地:100mlのDMEM/F12に対して、1mlのN2 100×ストック溶液を添加する。DMEM/F12培地中のN2の各構成成分の最終濃度は:インスリン、25μg/ml;アポトランスフェリン、100μg/ml;プロゲステロン、6ng/ml;プトレシン、16μg/ml;亜セレン酸ナトリウム、30nM;BSA 50μg/mlである。4℃で貯蔵し、そして1カ月以内に使用する。
Neurolbasal/B27培地:100mlのNeurolbasalTM培地に対して、2mlのB27および0.5〜1mlの200mM L−グルタミンを添加する。4℃で貯蔵し、そして1カ月以内に使用する。
N2B27培地:DMEM/F12−N2培地をNeurolbasal/B27培地と1:1の比で混合する。0.1Mストックから0.1mMの最終濃度になるまでβ−メルカプトエタノールを添加する。4℃で貯蔵し、そして1カ月以内に使用する。
比較例1
GSK−3βインヒビターのみを含む、すなわちLIFを含まない無血清培地中でマウスES細胞を維持することを試みたが、この培地は、マウスES細胞の自己再生を維持するのに十分ではないことがわかった。それどころか、ES細胞はGSK−3βインヒビターのみでは死滅または分化した。
実施例1−マウスES細胞
1.無血清培地中では、LIF+GSK−3βインヒビターは、(1)N2B27培地、および(2)完全限定培地(DMEM/F12−N2)の両方で、マウスES細胞の自己再生を維持するのに十分であることがわかった。ES細胞は、LIF+BMP4を含む培地中よりもLIF+GSK−3βインヒビターを含む培地中でより速く増殖したため、ES細胞の自己再生は改善された。
2.LIF+GSK−3βインヒビターは、フィーダー依存性ES細胞がフィーダー細胞から離される場合に危機的状況に陥るのを防いだ。ES細胞は、次いで、LIF+GSK−3βインヒビターの存在下でうまく増殖した。
実施例2−ヒトES細胞
1.ヒトES細胞の自己再生を維持し得る条件が、
a)bFGF(10ng/ml)を含むN2B27培地およびフィーダー細胞(HS27ヒト包皮線維芽細胞)上で増殖させること;および
b)BMP4(5ng/ml)およびLIF(10ng/ml)ならびにbFGFを添加することを除いてa)と同じ:
であることがわかった。
2.ヒトES細胞を、Eras遺伝子の強制的な発現の後、フィーダーを含まないおよび条件培地を含まない条件で増殖させた:
a)bFGFを含むN2B27培地中で、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチンまたはマトリゲル上で増殖させること;
b)BMP4(5ng/ml)およびbFGFを添加することを除いてa)と同じ;および
c)GSK−3βインヒビターおよびbFGFを添加することを除いてa)と同じ。
したがって、ES細胞は、GSK3インヒビターとgp130シグナリングとの組み合わせ、またはErasシグナリングとGSK3インヒビターとの組み合わせで維持され、そして本発明はまた、培養方法およびそのための培地を提供する。
フィーダー細胞から離され、そして血清を含むLIF+CHIR99021で増殖させたE14.1A ES細胞を示す。 フィーダー細胞から離された場合の、LIFおよびCHIR99021を含まない血清中で危機的状況にある同じES細胞を示す。 無血清培地中のE14.1AマウスES細胞を示す。 限定DMEM/F12+N2培地中で増殖させたマウスES細胞を示す。 bFGF、LIFおよびBMP4を含むN2B27培地中で増殖させたhES181を示す。 eGFPを安定に発現するヒトES細胞(hES181)を示す。

Claims (44)

  1. (a)gp130アゴニスト、および(b)GSK3インヒビターを含む、培養培地。
  2. 前記gp130アゴニストが、LIF、CNTF、カルジオトロフィン、オンコスタチンM、IL−6+sIL−6レセプターまたはハイパーIL−6である、請求項1に記載の培養培地。
  3. 前記gp130アゴニストが、(a)LIF、(b)sIL−6RおよびIL−6、または(c)ハイパーIL−6である、請求項2に記載の培養培地。
  4. 前記GSK3インヒビターが、GSK−3βのインヒビターである、請求項1、2または3に記載の培養培地。
  5. 前記GSK3インヒビターが、cdc2および/またはerk2よりもGSK3に対して選択性である、請求項1から3のいずれかの項に記載の培養培地。
  6. 前記GSK3インヒビターが、cdc2よりもGSK3に対して少なくとも100倍選択性である、請求項5に記載の培養培地。
  7. 前記GSK3インヒビターが、cdc2よりもGSK3に対して少なくとも200倍選択性である、請求項5に記載の培養培地。
  8. 前記GSK3インヒビターが、cdc2よりもGSK3に対して少なくとも400倍選択性である、請求項5に記載の培養培地。
  9. N2培地を含む、前記いずれかの請求項に記載の培養培地。
  10. B27培地を含む、前記いずれかの請求項に記載の培養培地。
  11. 前記いずれかの請求項に記載のヒトES培養培地。
  12. 請求項1から10のいずれかの項に記載のマウスES細胞培養培地。
  13. Eras遺伝子を発現する多能性細胞のための培養培地の製造におけるGSK3インヒビターの使用。
  14. 前記培地が、マウスES細胞の培養のためである、請求項13に記載の使用。
  15. 前記培地が、ヒトES細胞の培養のためである、請求項13に記載の使用。
  16. 前記ヒトES細胞が、Eras遺伝子を発現するように遺伝子操作される、請求項13または15に記載の使用。
  17. 自己再生を促進するための多能性細胞の培養方法であって、
    (1)GSK3のインヒビター;および
    (2)gp130下流シグナリング経路のアクチベーター:
    を含む培地中で該細胞を維持する工程を含む、方法。
  18. 前記培地が、血清を含まないおよび血清抽出物を含まない、請求項17に記載の方法。
  19. 前記細胞が、マウス細胞である、請求項17または18に記載の方法。
  20. 前記細胞が、ヒト細胞である、請求項17または18に記載の方法。
  21. 多能性細胞の培養方法であって、
    gp130を介して作用するサイトカインおよび血清または血清の抽出物の存在下で、必要に応じてフィーダー上で、培養物中でES細胞を多能性状態に維持する工程;
    少なくとも1回該ES細胞を継代する工程;
    培地がフィーダー、血清および血清抽出物を含まないように、該培地から該血清または血清抽出物を除去する工程および(存在する場合)該フィーダーを除去する工程;および
    続いて、GSK3のインヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターの存在下でES細胞を多能性状態に維持する工程、
    を含む、方法。
  22. 前記細胞が、マウス細胞である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記細胞が、ヒト細胞である、請求項21に記載の方法。
  24. ES細胞のトランスフェクトされた集団を得る方法であって、
    選択マーカーをコードする構築物でES細胞をトランスフェクトする工程;
    該ES細胞をプレーティングする工程;
    GSK3のインヒビターおよびgp130下流シグナリング経路のアクチベーターの存在下で該ES細胞を培養する工程;および
    該選択マーカーを発現する細胞を選択する工程、
    を含む、方法。
  25. 前記細胞が、マウス細胞である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記細胞が、ヒト細胞である、請求項24に記載の方法。
  27. 血清および血清抽出物を含まない細胞培養培地であって、
    基本培地;
    GSK3インヒビター;
    gp130下流シグナリング経路のアクチベーター;および
    鉄トランスポーター、
    を含む、培地。
  28. GSK3インヒビター、およびFGFレセプターのアゴニストを含む、ヒト多能性幹細胞のための培養培地。
  29. gp130下流シグナリング経路のアクチベーターをさらに含む、請求項28に記載の培養培地。
  30. LIF、GSK3インヒビター、インスリン、アルブミンおよびトランスフェリンを含む、請求項28または29に記載の培地。
  31. (a)LIF、(b)GSK3インヒビターおよび(c)FGFを含む、請求項28から30のいずれかの項に記載のヒト多能性幹細胞の培地。
  32. (a)LIFまたはハイパーIL−6、(b)GSK3インヒビターおよび(c)FGFのインヒビターを含む、非ヒト多能性幹細胞のための培養培地。
  33. 胚盤胞から多能性細胞を誘導する方法であって、
    (1)胚盤胞を得る工程;
    (2)gp130下流シグナリングのアクチベーターの存在下で該胚盤胞を培養して内部細胞塊を得る工程;
    (3)該内部細胞塊を解離する工程;
    (4)該解離した内部細胞塊から1または複数の細胞を単離する工程;および
    (5)該単離した1または複数の細胞をgp130下流シグナリングのアクチベーターおよびGSK3のインヒビターの存在下で培養する工程、
    を含む、方法。
  34. 前記胚盤胞をLIF中で、2〜4日の期間に亘って培養する工程を含む、請求項33に記載の方法。
  35. 第1および第2の容器を含み、該第1の容器がgp130アゴニストを含み、そして該第2の容器がGSK3インヒビターを含む、キット。
  36. 前記gp130アゴニストが、(a)LIF、(b)sIL−6RおよびIL−6、または(c)ハイパーIL−6である、請求項35に記載のキット。
  37. 前記GSK3インヒビターが、GSK−3βのインヒビターである、請求項35または36に記載のキット。
  38. 前記GSK3インヒビターが、cdc2および/またはerk2よりもGSK3に対して選択性である、請求項35から37のいずれかの項に記載のキット。
  39. 前記GSK3インヒビターが、cdc2よりもGSK3に対して少なくとも100倍選択性である、請求項38に記載のキット。
  40. 前記GSK3インヒビターが、cdc2よりもGSK3に対して少なくとも200倍選択性である、請求項38に記載のキット。
  41. 多能性幹細胞の自己再生の促進におけるgp130シグナリングと組み合わせたGSK3インヒビターの使用。
  42. GSK3のインヒビターを含む、幹細胞培養培地。
  43. 前記インヒビターが、CHIR98014、CHIR99021、AR−AO144−18、SB216763およびSB415286から選択される、請求項42に記載の培地。
  44. GSK3のインヒビターの存在下で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞集団を増殖させる方法。
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