JP2008533204A - 病気又は症状の治療のためのドラッグ送達システム - Google Patents

病気又は症状の治療のためのドラッグ送達システム Download PDF

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Abstract

体(例えば眼)の組織に関連する病気及び症状は、それらの組織に治療薬を投与することによって効果的に治療、予防、抑制、開始を遅延、又は緩解をもたらすことができる。そのような組織に治療薬の持続的な送達をもたらすための固体のドラッグ送達システム及び方法がここに記載される。固体のドラッグ送達システムは、例えば、強膜と結膜との間に、あるいは強膜を介して、患者に配置することができる。ここに記載される方法は、患者の血管新生、脈絡膜の新生血管形成、加齢性黄斑変性、又は湿性の加齢性黄斑変性を治療又は予防するため、ラパマイシンの投与に使用される。固体のドラッグ送達システムはラパマイシン又は他の治療薬を含むことができる。増殖阻害剤、例えばラパマイシンを接眼装置の近傍に投与することによって眼の病気又は症状を治療する方法がさらに記載される。

Description

(分野)
ここに説明するものは、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されるものではない)に治療薬を送達することにより、病気又は症状を治療、予防、若しくは抑制する、又は病気又は症状の開始を遅らせる、若しくは病気又は症状の緩解を生じさせるための固体のドラッグ送達システムであり、また、対象であるヒトの眼にラパマイシン(シロリムス)を含む固体のドラッグ送達システムを配置することにより加齢性黄斑変性(AMD)を治療することを含むがこれに限定されるものではない。
(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/664,119号(発明の名称「DRUG DELIVERY SYSTEMS FOR TREATMENT OF DISEASES OR CONDITIONS」、2005年3月21日出願)及び米国仮特許出願第60/666,872号(名称「GLAUCOMA DRAINAGE DEVICES」、2005年3月30日出願)に関連するとともに、それらに基づく優先権を主張するものであり、各出願の内容は、全ての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される。
(背景)
眼の網膜は光を感知する杆状体と錐状体を含んでいる。網膜の中心には、直径約1/3〜1/2cmの黄斑がある。黄斑は、特に中心(窩)において、錐状体がより高密度であるため、詳細な視覚をもたらす。血管、神経節細胞、内顆粒層及び細胞、並びに網状層はすべて一方の側にずらされており(錐状体の上にあるのではなく)、それにより錐状体へのより直接的な光路が可能になる。
網膜の下には、線維組織内に埋め込まれた血管の集まりを含む脈絡膜と、脈絡膜層に重なる強く色素沈着した上皮がある。脈絡膜の血管は、網膜(特にその視細胞)に栄養を供給する。
現在治療法がないか又は現在の治療法が最良ではない種々の網膜疾患がある。ブドウ膜炎(眼球の血管膜(虹彩、毛様体、及び脈絡膜)の炎症)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、黄斑変性、黄斑水腫、糖尿病による増殖性網膜症、及び網膜剥離のような網膜疾患はすべて、一般的に通常の療法によって治療することが困難な網膜疾患である。
加齢性黄斑変性(AMD)は、60歳を超える人々にとって米国では深刻な視力障害の主要な原因である。AMDは、萎縮性の形態又はあまり一般的ではないが滲出性の形態のいずれかで起こる。AMDの萎縮性形態は「乾性AMD」とも呼ばれ、またAMDの滲出性形態は、「湿性AMD」とも呼ばれる。
滲出性AMDでは、脈絡毛細管板から伸びる血管が、ブルーフ膜の欠陥を通り、ときに、下にある網膜色素上皮を通る。これらの血管から漏れる漿液又は血液の滲出物が、網膜領域における血管結合組織の損傷をもたらし、神経網膜の付随的な変性、網膜色素上皮の剥離及び破れ、硝子体の出血、及び中心視覚の永久的な低下を伴う。AMDの患者において、顕著な視力低下の症例の80%を超えるものが、この過程に起因する。現在行われている又はこれから行われる治療には、レーザー光凝固術、光ダイナミック療法、VEGF抗体断片による治療、ペギル化アプタマーによる治療、及び特定の小分子薬剤による治療がある。
最近いくつかの研究は、AMDに伴う初期の又は再発性の血管新生病変を治療する際にレーザー光凝固術を使用することを報告している(Macular Photocoagulation Study Groups(1991) Arch.Ophthal.109:1220、Arch.Ophthal.109:1232、Arch.Ophthal.109:1242において)。残念ながら、中心窩下の病変をレーザー治療したAMDの患者は、3ヶ月のフォローアップでむしろ急激な視力の低下(平均3ライン)を被っている。さらに、治療後2年の眼は、治療されていない対照と比べて、わずかに視力がよくなっているにすぎなかった(それぞれ、20/320及び20/400の平均)。この手法のもう一つの欠点は、手術後すぐに視力が悪くなることである。
光ダイナミック療法(PDT)は、光線療法(患者に有益な反応をもたらすよう光を用いる治療のすべてを包含する用語)の一形態である。最適には、PDTは、望ましくない組織を破壊する一方、正常な組織を残す。典型的には、光増感剤と呼ばれる化合物が患者に投与される。通常、光増感剤自体は、患者に対して効果がほとんどないか全くない。光(しばしばレーザーからの)が光増感剤を含む組織に照射されると、光増感剤は活性化され、標的組織を破壊するようになる。患者に照射される光は特定の標的領域に制限されるため、PDTは異常な組織を選択的に狙うため使用することができ、従って、周りの健康な組織を残すことができる。現在PDTはAMDのような網膜疾患の治療に使用されている。現在PDTは、AMDの患者の中心窩下の脈絡膜新生血管形成に対する治療の主力となっている(Photodynamic Therapy for Subfoveal Choroidal Neovascularization in Age Related Macular Degeneration with Verteporfin(TAP Study Group)Arch Ophthalmol.1999 117:1329−1345)。
脈絡膜の新生血管形成(CNV)は、多くの場合、治療がやっかいであることが分かっている。通常のレーザー治療は、CNVを除去することができ、網膜の中心がおかされていない特定の場合に視力を維持するのに役立つが、それは、症例のわずか約10%にとどまっている。残念ながら、通常のレーザー光凝固術が成功した場合でも、眼の約50〜70%(3年にわたり50%、そして5年では>60%)で新生血管形成が再発する(Macular Photocoagulation Study Group,Arch.Ophthalmol.204:694−701(1986))。さらに、CNVを発症する多くの患者は、レーザー療法のよい候補ではない。というのも、CNVはレーザー治療にとって大きすぎ、また、その位置を特定することができないため、医師はレーザーのねらいを正確に定めることができないからである。光ダイナミック療法は、中心窩下CNVの新たな症例の最高50%において利用されるが、普通の病歴においてごくわずかな利益しかなく、また、中心窩下の病変に付随してすでに低下した視力を改善するよりもむしろ概して視力低下の進行を遅らせるものである。PDTは、予防効果のあるものでもなく、最終的なものとして信頼できるものでもない。通常、患者1人にいくつかのPDT治療が必要であり、また、ある特定の種類のCNVは、他のものよりあまりうまく推移しない。
従って、脈絡膜の新生血管形成を最適に予防するか又は顕著に阻害するのに使用でき、そして湿性AMDを予防及び治療するのに使用できる方法並びに固体のドラッグ送達システムが長年求められてきた。
AMDに加えて、脈絡膜の新生血管形成は、推定眼ヒストプラスマ症候群、近視性変性、網膜色素線条症、突発性中心性漿液性脈絡膜症、網膜及び又は脈絡膜の炎症、及び眼の外傷のような網膜疾患にも伴っている。新生血管形成に伴う血管新生による損傷は、糖尿病性網膜症、静脈閉塞、鎌状赤血球網膜症、未熟児網膜症、網膜剥離、眼の虚血及び外傷を含む広範囲の疾患において生じる。
ブドウ膜炎は、既存療法を用いての治療が困難であることが分かっているもう1つの網膜疾患である。ブドウ膜炎は、眼球の血管膜の任意の構成要素の炎症を示す一般用語である。眼球の血管膜は、虹彩、毛様体、及び脈絡膜から構成される。重なっている網膜の炎症(網膜炎と呼ばれる)又は視神経の炎症(視神経炎と呼ばれる)は、ブドウ膜炎を伴って起こる場合もあれば、伴わずに起こる場合もある。
最も一般的にブドウ膜炎は、前部、中間部、後部、広範性として解剖学的に分類される。後部ブドウ膜炎は、網膜炎、脈絡膜炎、又は視神経炎の多くの形態の任意のものを意味する。広範性ブドウ膜炎は、眼のあらゆる部分(前部、中間部、及び後部の構造を含む)を巻き込んだ炎症を意味する。
ブドウ膜炎の症状及び徴候は、とらえにくい場合があり、また炎症の部位及び重症度によってかなり変わってくる。後部ブドウ膜炎に関し、最も一般的な症状には、フローターの出現及び視力の低下がある。硝子体液中の細胞、網膜及び/又はその下の脈絡膜における白色又は黄白色の病変、滲出性網膜剥離、網膜脈管炎、及び視神経水腫が、後部ブドウ膜炎の患者に存在することもある。
特に認識されず又は不適当に治療された場合、ブドウ膜炎による眼の合併症は、深刻で回復不可能な視力の低下をもたらし得る。後部ブドウ膜炎の最も多い合併症には、網膜剥離、網膜、視神経又は虹彩の新生血管形成、及び類嚢胞黄斑水腫がある。
背景糖尿病性網膜症(BDR)で認められる硬質滲出物、漏出、及び膨潤が黄斑(視力にとって最も重要な網膜の中心5%)内でおこる場合、黄斑水腫(ME)が起こり得る。背景糖尿病性網膜症(BDR)は、網膜における微小循環の変化が引き起こす網膜の微小動脈瘤によって構成される。この微小動脈瘤は、通常、検眼鏡による試験で網膜中に散在した赤いスポットとして見られる、網膜症の最も初期の可視的変化であり、そこにおいて、小さく弱くなった血管が膨れ上がっている。背景糖尿病性網膜症のこれらの眼における所見は、綿毛状スポット、網膜内出血、網膜毛細管からの体液の漏出、及び網膜の滲出物へと進行する。また、血管の透過性の増加は、局所的な成長因子(例えば血管内皮成長因)のレベルの上昇に関係する。黄斑は錐体(色を検出する神経終末(それに昼間の視力は依存する))に富んでいる。網膜毛細管の透過性が上昇して黄斑に作用すると、ぼやけが中心視野の真ん中又はそのすぐ外側に生じ、幾分セロハンを介して見るような感じになる。数ヶ月にわたって視力低下が進む可能性があり、また、はっきりと焦点を合わせることができないため、視力低下は非常に不快なものとなり得る。MEは深刻な視覚障害の一般的な原因の1つである。
CNV並びにその関連疾患及び症状、さらには他の症状(例えば黄斑水腫及び慢性の炎症)を医薬によって治療する多くの試みがなされてきた。例えば、CNV及び湿性AMDの抑制にラパマイシンを使用することが米国特許出願第10/665203号(その内容はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に記載されている。眼の炎症性疾患を治療するためラパマイシンを使用することが、特許文献1(名称「眼の炎症を治療する方法」、発明者Prassad Kulkarni、University of Louisville Research Foundationに譲渡(その内容はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする))に記載されている。
特に慢性疾患(ここに記載されるものを含む)に対し、眼に治療薬を送達するため(例えば、AMD、黄斑水腫、増殖性網膜症、及び慢性の炎症のような疾患においてCNVを治療するため後部区分に送達するため)長く作用する方法が非常に必要とされている。治療薬を長期間送達する送達システムは、患者にとってより楽で便利である。というのも、固体のドラッグ送達システムを眼に配置する頻度が減るからである。
全身投与よりむしろ眼に直接治療薬を送達する方が、作用部位における治療薬の濃度が患者の循環器系における治療薬の濃度より高くなるので、有利である。また、後部区分の疾患を治療するため全身投与する場合、治療薬は望ましくない副作用を有し得る。従って、局所的なドラッグ送達は、効能を高める一方で、副作用及び全身毒性を少なくする。
米国特許第5,387,589号明細書
(概要)
ここに記載される方法及び固体のドラッグ送達システムは、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されるものではない)への治療薬の送達、あるいは、対象の眼への治療薬の送達を可能にするものである。複数の病気又は症状(眼の病気又は症状を含むがこれに限定されるものではない)を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるための種々の治療薬を送達する方法及び固体ドラッグ送達システムがここに記載される。また、眼の病気又は症状を治療するため接眼装置の近傍に増殖阻害剤を投与する方法がここに記載される。ある態様において、該接眼装置は、緑内障ドレナージ装置(緑内障排液装置)である。
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。ここで、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも1pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも10pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも1ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも100pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである。
治療薬を含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。ここで、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも1pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである。ある態様において該治療薬はリムス化合物である。ある態様において該治療薬は、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、シクロフィリン類、TAFA−93、RAD−001、テムシロリムス、AP23573、7−エピ−ラパマイシン、7−チオメチル−ラパマイシン、7−エピ−トリメトキシフェニル−ラパマイシン、7−エピ−チオメチル−ラパマイシン、7−デメトキシ−ラパマイシン、32−デメトキシ−ラパマイシン、2−デスメチル−ラパマイシン、ラパマイシンのモノエステル誘導体、ラパマイシンのジエステル誘導体、ラパマイシンの27−オキシム、ラパマイシンの42−オキソ類似体、二環式ラパマイシン、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、アリールスルホン酸ラパマイシン、スルファミン酸ラパマイシン、31位及び42位でのモノエステル、31位及び42位でのジエステル、30−デメトキシラパマイシン、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである。ある態様において、該治療薬は、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである。
少なくとも部分的に治療薬を透過させない裏打ち部を含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
固体のドラッグ送達システムがここに記載される。ここで、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも10pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである。ある態様において、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.05pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の治療薬を送達するものである。
ドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で治療薬(例えばラパマイシンがあるがこれに限定されない)を含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量でポリビニルピロリドンを含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量でポリアクリレートを含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
治療薬(例えばラパマイシンがあるがこれに限定されない)が、固体のドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で存在し、さらに、固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量で存在するポリビニルピロリドンを含み、かつ固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量でポリアクリレートを含む、固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
ある態様において、該固体のドラッグ送達システムは、20μg〜4mgのラパマイシンを含有する。ある態様において、該固体のドラッグ送達システムは、20μg〜2.5mgのラパマイシンを含有する。
ヒトである対象における湿性の加齢性黄斑変性を治療するための方法がここに記載され、該方法は、加齢性黄斑変性の治療が必要なヒトである対象の眼の近傍に、ここに記載される固体のドラッグ送達システムを配置することを包含する。
ヒトである対象における湿性の加齢性黄斑変性を予防するための方法がここに記載され、該方法は、加齢性黄斑変性の予防が必要なヒトである対象の眼の近傍に、ここに記載される固体のドラッグ送達システムを配置することを包含する。ある態様において、ヒトである対象は、該固体のドラッグ送達システムが投与される眼において湿性の加齢性黄斑変性を発症する危険性が高いと特定されたものである。ある態様において、ヒトである対象は、少なくとも一方の眼において乾性の加齢性黄斑変性を有している。ある態様において、ヒトである対象は一方の眼に湿性の加齢性黄斑変性を有しており、そして固体のドラッグ送達システムを、湿性の加齢性黄斑変性がない眼に投与する。
ある態様において、眼は強膜外面のある強膜を有するものであり、そしてここに記載される固体のドラッグ送達システムは、該強膜外面の近傍に配置されるか又は強膜弁内に配置される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、強膜と結膜の間に配置される。
治療薬、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリレートを含む固体のドラッグ送達システムがここに記載され、ここで該治療薬は、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、シクロフィリン類、TAFA−93、RAD−001、テムシロリムス、AP23573、7−エピ−ラパマイシン、7−チオメチル−ラパマイシン、7−エピ−トリメトキシフェニル−ラパマイシン、7−エピ−チオメチル−ラパマイシン、7−デメトキシ−ラパマイシン、32−デメトキシ−ラパマイシン、2−デスメチル−ラパマイシン、ラパマイシンのモノエステル誘導体、ラパマイシンのジエステル誘導体、ラパマイシンの27−オキシム、ラパマイシンの42−オキソ類似体、二環式ラパマイシン、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、アリールスルホン酸ラパマイシン、スルファミン酸ラパマイシン、31位及び42位でのモノエステル、31位及び42位でのジエステル、30−デメトキシラパマイシン、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである。
リムス化合物、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリレートを含む固体のドラッグ送達システムがここに記載される。
ある態様において、該治療薬は、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ポリエチレングリコールをさらに含む。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.01ng/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の治療薬を送達するものである。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、(a)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.5ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達すること、及び(b)固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.05ng/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で治療薬を送達することからなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の治療薬を送達するものである。
ある態様において、賦形剤成分は溶媒を含む。該溶媒は、該治療薬と混合する前又は後のいずれかにおいて、液体又は固体とすることができる。
ある態様において、賦形剤成分は放出改変剤を含む。
ある態様において、賦形剤成分は可溶化剤を含む。
一つの方法において、治療薬(例えばラパマイシンを含むがこれに限定されない)を含む固体のドラッグ送達システム、及び賦形剤成分は、眼の病気又は症状を治療、予防、若しくは抑制する、又は眼の病気又は症状の開始を遅らせる、若しくは眼の病気又は症状の緩解を生じさせるため、対象に配置される。
「詳細な説明」の項でさらに詳細に説明するとおり、該方法及び固体のドラッグ送達システムは、湿性AMDを治療、予防、若しくは抑制する、又は湿性AMDの開始を遅らせる、若しくは湿性AMDの緩解を生じさせるため治療上有効な量のラパマイシンを対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又はヒトである対象の眼に送達するのに用いることができる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムは湿性AMDを治療するため使用される。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムは湿性AMDを予防するため使用される。ある態様においてここに記載される方法及び固体のドラッグ送達システムは乾性AMDから湿性AMDへの移行を防止するため使用される。また、該方法及び固体のドラッグ送達システムは、CNVを治療、予防、若しくは抑制する、又はCNVの開始を遅らせる、若しくはCNVの緩解を生じさせるため治療上有効な量のラパマイシンを対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に送達するのに用いることができる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムはCNVを治療するため使用される。また該方法及び固体のドラッグ送達システムは、眼における血管新生を治療、予防、若しくは抑制する、又は眼における血管新生の開始を遅らせる、若しくは眼における血管新生の緩解を生じさせるため治療上有効な量のラパマイシンを対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に送達するのに用いることができる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムは、血管新生を治療するため使用される。ラパマイシンを用いて治療、予防若しくは抑制できる又は開始を遅らせる若しくは緩解を生じさせることができるその他の病気又は症状は、詳細な説明の「病気及び症状」の項に記載される。
「詳細な説明」でさらに詳細に説明するとおり、該方法及び固体のドラッグ送達システムは、湿性AMDを治療、予防、若しくは抑制する、又は湿性AMDの開始を遅らせる、若しくは湿性AMDの緩解を生じさせるため治療上有効な量のラパマイシン以外の治療薬を対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に送達するのに用いることもできる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムは湿性AMDを治療するため使用される。使用できる治療薬は、「治療薬」の項に詳細に記載される。そのような治療薬にはイムノフィリン結合性化合物があるがこれに限定されるものではない。使用できるイムノフィリン結合性化合物には、ここで「治療薬」の項においてさらに説明されるリムス族の化合物(ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、並びにそれらの誘導体、類似体、プロドラッグ、塩、及びエステルを含む)があるがこれに限定されるものではない。また、該方法及び固体のドラッグ送達システムは、CNVを治療、予防、若しくは抑制する、又はCNVの開始を遅らせる、若しくはCNVの緩解を生じさせるため治療上有効な量の治療薬を対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に送達するのに用いることができる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムはCNVを治療するため使用される。また該方法及び固体のドラッグ送達システムは、眼における血管新生を治療、予防、若しくは抑制する、又は眼における血管新生の開始を遅らせる、若しくは眼における血管新生の緩解を生じさせるため治療上有効な量の治療薬を対象(例えばヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に送達するのに用いることができる。ある態様において該方法及び固体のドラッグ送達システムは、血管新生を治療するため使用される。ラパマイシン以外の治療薬を用いて治療、予防若しくは抑制できる又は開始を遅らせる若しくは緩解を生じさせることができるその他の病気又は症状は、詳細な説明の「病気及び症状」の項に記載される。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、生分解性であってもよいし、非生分解性であってもよい。配置には、外科的切開において鉗子を用いる注入又は配置による固体のドラッグ送達システムの配置、ポリマーをベースとする固体のドラッグ送達システムによる送達、生分解性である固体のドラッグ送達システムによる送達、遅延放出性である固体のドラッグ送達システムによる送達、及び被覆された固体のドラッグ送達システムによる送達があるが、これらに限定されるものではない。
また固体のドラッグ送達システムは、所定の位置に該固体のドラッグ送達システムを固定するのを支援するための種々の手段を必要に応じて含んでもよい。一つの非限定的な具体例として、そのような固体のドラッグ送達システムは、眼の強膜外表面への配置のための生分解層を含むことができる。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、複数の突起を含む表面を有するものであり、該複数の突起は、眼の強膜外表面に該固体のドラッグ送達システムを固定するのを補助する。もう一つの非限定的具体例として、固体のドラッグ送達システムは、強膜又は他の組織に縫合される。
また必要に応じて、固体のドラッグ送達システムは、遅延放出性である固体のドラッグ送達システムとすることができる。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、一つ又は複数の治療薬(ラパマイシンを含むがこれに限定されない)を長期間送達するものであってもよい。そのような持続放出性(徐放性)送達システムの一つの非限定的具体例は、対象において病気又は症状を治療、予防若しくは抑制する、又は病気又は症状の開始を遅らせる、若しくは病気又は症状の緩解を生じさせるため有効な量を維持するのに十分な量で、対象又は対象の眼に一つ又は複数の治療薬を長期間送達する固体のドラッグ送達システムである。一つの非限定的具体例において、そのような送達システムは、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約9ヶ月、又は少なくとも約12ヶ月の間、治療薬を送達する。
他の放出持続期間は、「詳細な説明」に記載される。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンの様々な所定の濃度又はレベルと等価な量で治療薬を送達することができる。
通常、所望の効果を有する任意の量の治療薬を用いることができる。所望の効果を有する量又は大きさで、固体のドラッグ送達システムを、通常、投与することができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、一つ又は複数の治療薬を長期間送達するものであってもよい。そのような持続放出性(徐放性)送達システムの一つの非限定的具体例は、対象において病気又は症状を治療、予防若しくは抑制する、又は病気又は症状の開始を遅らせる、若しくは病気又は症状の緩解を生じさせるため有効な量を維持するのに十分な量で、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に一つ又は複数の治療薬を長期間送達する固体のドラッグ送達システムである。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)の病気又は症状を治療するため使用される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約9ヶ月、又は少なくとも約12ヶ月の間、治療薬を送達する。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、湿性の加齢性黄斑変性を長期間予防するため使用される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、乾性AMDから湿性AMDへの移行を長期間予防するため使用される。一つの非限定的具体例において、固体のドラッグ送達システムは、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約9ヶ月、又は少なくとも約12ヶ月の間、湿性の加齢性黄斑変性を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため十分な量で、ラパマイシンを対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)の硝子体、強膜、網膜、脈絡膜、黄斑、又はその他の組織に送達する。ある態様において、ラパマイシンのレベルはAMDを治療するのに十分なものである。ある態様において、ラパマイシンのレベルは、湿性AMDの開始を予防するのに十分なものである。他の放出持続期間は、「詳細な説明」に記載される。
接眼装置の配置を必要とする対象において眼の疾病を治療する方法がここに記載され、該方法は、該接眼装置の配置のため選択された部位の近傍に増殖阻害剤を含む製剤を投与することを包含する。ある態様において、該製剤は、該接眼装置の配置の前に、該接眼装置の配置と同時に又は該接眼装置の配置の後に、投与される。ある態様において、該増殖阻害剤は、リムス化合物又はその製薬上許容される塩又はエステルである。ある態様において該リムス化合物はラパマイシンである。ある態様において、該接眼装置は緑内障ドレナージ装置である。ある態様において、該接眼装置は、シャント、ステント、管、膜、弁、又はそれらの一つ以上の組み合わせを備える。ある態様において、該方法は、該接眼装置の近傍で細胞の増殖を低下させる。ある態様において、該製剤は、溶液、懸濁物、エマルション、自己乳化型製剤、その場でゲル化する製剤、又は固体のドラッグ送達システムである。ある態様において、該製剤は、該接眼装置の近傍に、少なくとも約30日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の増殖阻害剤を送達する。ある態様において、該製剤は、該接眼装置の近傍に、少なくとも約60日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の治療薬を送達する。ある態様において、該製剤は、該接眼装置の近傍に、少なくとも約90日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の治療薬を送達する。ある態様において、該増殖阻害剤はラパマイシンであり、かつ該接眼装置は緑内障ドレナージ装置である。
(詳細な説明)
固体のドラッグ送達システム、及び対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)又は対象の眼に治療薬を送達することに関する方法がここに記載される。これらの固体のドラッグ送達システム及び方法は、眼の病気又は症状(後部区分の病気又は症状(脈絡膜新生血管を含むがこれに限定されない)、黄斑変性、加齢性黄斑変性(AMD)(湿性AMD及び乾性AMDを含む)、網膜の血管新生、脈絡膜のブドウ膜炎、及び他の網膜増殖性疾患を含むがこれらに限定されない)を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため用いることができる。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システム又は方法は、眼の上述した病気又は症状を治療するために使用される。
ここに記載されるものは、(1)一種以上の治療薬を持続的に送達する固体のドラッグ送達システムを含む固体のドラッグ送達システム、(2)ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて対象(ヒトである対象を含むがそれに限定されない)又は対象の眼に送達することができる治療薬、(3)該治療薬の送達により治療する、予防する、抑制する、開始を遅延する、又は緩解を生じさせることができる病気又は症状、(4)治療の方法、(5)固体のドラッグ送達システムの送達及び方法のための投与経路、(6)ここに記載される固体のドラッグ送達システムを用いて対象又は対象の眼にラパマイシンを送達することによるCNV及び湿性AMDの治療、並びに(7)緑内障ドレナージ装置近傍への一種以上の増殖阻害剤の投与である。
治療薬を送達するための固体のドラッグ送達システム
この項では固体のドラッグ送達システムを記載する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、「治療薬」の項に記載される治療薬(ラパマイシンを含むがこれに限定されない)を含む。ここに記載される固体のドラッグ送達システムを用いた治療薬の送達は、ここに記載される病気及び症状を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため使用することができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、一種又は二種以上の治療薬を含むことができる。ここに明瞭に記載されるものに加えて、その他の固体のドラッグ送達システムを使用してもよい。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、治療薬成分及び賦形剤成分を含む。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、対象の眼に対して治療薬を持続的に送達することができる。該治療薬成分は一種以上の治療薬を含むことができる。該賦形剤成分は一種以上の賦形剤を含むことができる。該賦形剤成分は一種以上の固体又は液体の溶媒を含むことができる。ある態様において、該固体のドラッグ送達システムは、一種以上の可溶化剤、界面活性剤、安定剤、佐剤、放出改変剤、酸化防止剤などをさらに含む。
例えば治療薬は、0.05〜99%w/w、0.1〜70%、1〜50%、1.5〜25%、5〜20%、8〜15%、5〜10%、8〜15%、1〜5%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、又は70〜80%w/wとすることができる。「w/w」は、最終的な製剤の総重量に対する所定の成分の重量を意味する。
例えば賦形剤は、固体のドラッグ送達システムの総重量の5〜99.9%、10〜90%、5〜50%、1.5〜25%、5〜20%、8〜15%、5〜10%、8〜15%、1〜5%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、又は90〜99.9%とすることができる。必要に応じて、固体のドラッグ送達システムは、界面活性剤、安定剤、佐剤、酸化防止剤などを全体の0〜40重量%さらに含むことができる。
ここで使用する用語「約」は、通常、ここに記載される方法、例えば実施例の方法が使用される場合に得られる正確さの程度を指している。一方、製剤の成分の所定の量について「約」は、記載された量の90〜110%を意味する。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、「病気又は症状」の項に記載される病気又は症状を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため有効な量の治療薬を送達するため使用することができる。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、長期間、一種以上の治療薬を送達する。
通常、治療薬は、必要な送達期間の間、対象又は対象の眼に治療上有効な量の治療薬を送達できる任意の固体のドラッグ送達システムとして処方することができる。
賦形剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、賦形剤成分を含むことができる。賦形剤成分は、一種以上の賦形剤を含むことができる。ここで使用する「賦形剤」は、固体のドラッグ送達システムにおける治療薬以外の任意の物質である。例えば、賦形剤は、固体のドラッグ送達システムの製造を補助し、治療薬の可溶化を補助し、固体のドラッグ送達システムを配置する前及び後の両方において安定性を高め、標的組織への治療薬の送達を改変し、組織を介する又は組織への輸送を促進し、あるいは、固体のドラッグ送達システムに色又は香味を付与することができる。
ある態様において、賦形剤は、一種以上の溶媒、界面活性剤、可溶化剤、佐剤、放出改変剤、酸化防止剤などを含み得る。留意すべきことに、賦形剤の種類(例えば溶媒、安定剤、可溶化剤、又は界面活性剤)同士の間には重なりがあり、また同じ成分が一つより多い役割を果たすことがある。例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)は、当業者により安定剤又は溶媒のいずれかとみなすことができる。
ある態様において、賦形剤成分は溶媒成分を含む。溶媒は一種以上の溶媒を含み得る。溶媒は固体または液体の溶媒とすることができる。ここに記載される溶媒のいずれかを賦形剤成分中に用いることができる。
ある態様において、溶媒はポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは種々の名前で知られており、種々の調製物(例えば、マクロゴール類、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴラ(macrogola)、ブレオックス(breox)PEG、カルボワックス、カルボワックスセントリー(sentry)、ホダグ(Hodag)PEG、リポ(Lipo)、リポキソール(Lipoxol)、ルトロール(Lutrol)E、PEG、プルリオール(Pluriol)E、ポリオキシエチレングリコール、及びα−ヒドロ−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)があるがこれらに限定されるものではない)として入手することができる。ある態様において、溶媒成分は液体のポリエチレングリコールからなる。ある態様において、溶媒成分は低分子量のポリエチレングリコールからなる。ある態様において、溶媒成分はPEG300又はPEG400からなる。
ある態様では、固体のドラッグ送達システムを調製した後、溶媒は該固体のドラッグ送達システムにおいて実質的に存在しない。一つの非限定的な具体例として、溶媒は、治療薬に加えることができ、次いで、製造中又は製造後に除去される。ある態様では、固体のドラッグ送達システムの調製後、溶媒は該固体のドラッグ送達システムにおいて実質的に存在せず、そしてドラッグ送達システムは固体となっている。
ある態様において、賦形剤成分は可溶化剤成分を含む。該可溶化剤成分は、一種以上の可溶化剤からなる。ここに記載される可溶化剤のいずれかを賦形剤成分に使用することができる。ある態様において可溶化剤は界面活性剤である。
ある態様において、賦形剤成分は可溶化剤成分を含む。該可溶化剤成分は、一種以上の可塑剤からなる。任意の可溶化剤を賦形剤成分に使用することができる。ある態様において、可溶化剤成分は架橋された又は架橋されていないポリビニルピロリドン(PVP)かなる。
ある態様において、賦形剤はポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンは、種々の名称で知られており、種々の調製物(例えば、ポビドン、ポビドナム(povidonum)、コリドン、プラスドン、ポリ[1−(2−オキソ−1−ピロリジニル)エチレン]、ポリビドン、PVP、1−ビニル−2−ピロリドン重合体、及び1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマーがあるがこれらに限定されない)として入手することができる。ある態様においてPVPはPVP K−90である。
ある態様において、賦形剤成分は放出改変剤を含む。ある態様において放出改変剤は被膜形成ポリマー成分である。被膜形成ポリマー成分は、一種以上の被膜形成ポリマーからなる。任意の被膜形成ポリマーを賦形剤成分に使用することができる。ある態様において、被膜形成ポリマー成分は、水不溶性の被膜形成ポリマーからなる。ある態様において、被膜形成ポリマー成分は、アクリルポリマー(例えばポリメタクリレート(例えばEudragit RLがあるがこれに限定されない)があるがこれに限定されない)からなる。
ある態様において、賦形剤はポリアクリレートである。ある態様において、ポリアクリレートはポリメタクリレートである。ポリメタクリレートは種々の名称で知られており、そして種々の調製物(例えばメタクリル酸エステルのポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)分散物30%、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:2)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)分散物30%、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:2)、USPNF、メタクリル酸アンモニウム共重合体、メタクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体分散物などがあるがこれらに限定されない)として入手することができる。
可能性のある薬剤がここに記載される固体のドラッグ送達システムにおいて利用できるかどうか調べるため、当業者はここに記載される治療薬(ラパマイシンを含むがこれに限定されない)の任意のものをここに記載される可能な賦形剤成分若しくは薬剤の任意のもの、又は当該技術において知られる他の任意の賦形剤と混合することができる。得られた固体のドラッグ送達システムを適当な動物モデルに配置することができ(例えば、ウサギの眼の強膜に若しくはその近傍に、又はウサギの眼の強膜と結膜の間の領域に若しくはその近傍に配置することができ)、そして治療薬の平均濃度を長期間モニターすることができる。
治療薬用溶媒
使用可能な固体のドラッグ送達システムの一種は溶媒を含む。
ある態様において、治療薬が溶解する任意の溶媒を用いることができる。ある態様において溶媒は水性である。ある態様において溶媒は非水性である。「水性溶媒」は少なくとも約50%の水を含有する溶媒である。
ある態様において、溶媒は固体溶媒であり、そして得られる溶液は固溶体である。ある態様において、任意の固体溶媒が使用され、ここで治療薬が、該溶媒と合わされてウサギの眼の結膜下に配置されるとき、ここに記載されるとおり、治療薬の持続的放出がもたらされる。ある態様において、溶媒と治療薬は、混和、混合、機械操作、沈殿、又は当該技術において使用される何らかの他の方法により混ぜ和される。
通常、所望の効果を有する任意の濃度の治療薬を使用できる。溶媒成分は単一の溶媒であってもよいし、複数種の溶媒の混合物であってもよい。溶媒及び溶液の種類は、ドラッグ送達技術に精通している者によく知られている。例えば、以下を参照されたい:The Science and Practice of Pharmacy,Twentieth Edition,Lippincott Williams & Wilkins;20th edition(December 15,2000);Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Eighth Edition,Lippincott Williams & Wilkins(August 2004);Strickley,Solubilizing Excipeints in Oral and Injectable Formulations,Pharmaceutical Research,Vol.21,No.2,February 2004.
以前に述べたように、ある溶媒は可溶化剤としても働くことができる。
溶媒は固体のドラッグ送達システムに残存していてもよいし、固体のドラッグ送達システムの加工後、又は固体のドラッグ送達システムを対象の眼に又は対象の眼の近傍に配置した後、除去されてもよい。
使用できる溶媒には、DMSO、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリソルベート80、ベンジルアルコール、トリアセチン、ジアセチン、コーン油、乳酸エチル、グリセロールホルマール、エトキシジグリコール(Transcutol、 Gattefosse)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(Triglyme)、ジメチルイソソルビド(DMI)、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、及びポリグリコール化カプリルグリセリド(Labrasol,Gattefosse)、それらの任意の一以上の組み合わせ、又はそれらの任意の一以上の類似体若しくは誘導体があるがこれらに限定されるものではない。
ある態様において、溶媒は、グリセリン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド、グリセロールホルマール、エトキシジグリコール、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリアセチン、ジアセチン、コーン油、クエン酸アセチルトリエチル(ATC)、乳酸エチル、ポリグリコール化カプリルグリセリド、γ−ブチロラクトン、ジメチルイソソルビド、ベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、種々の分子量のポリエチレングリコール(例えばPEG300及びPEG400があるがこれらに限定されない)、又はプロピレングリコール、それらの任意の一以上の組み合わせ、又はそれらの任意の一以上の類似体若しくは誘導体である。
ある態様において、溶媒はポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは種々の名前で知られており、そして種々の調製物(例えば、マクロゴール類、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴラ(macrogola)、ブレオックス(breox)PEG、カルボワックス、カルボワックスセントリー(sentry)、ホダグ(Hodag)PEG、リポ(Lipo)、リポキソール(Lipoxol)、ルトロール(Lutrol)E、PEG、プルリオール(Pluriol)E、ポリオキシエチレングリコール、及びα−ヒドロ−ω−ヒドロキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)があるがこれらに限定されるものではない)として入手することができる。
ある態様においてポリエチレングリコールは液体のPEGであり、そしてPEG300又はPEG400の一つ以上である。
その他の溶媒には、治療薬を可溶化するのに十分な量のC〜C24脂肪酸がある。
リン脂質溶媒も使用することができ、例えば、レシチン、ホスファチジルコリン、又はリン酸のコリンエステルに結合したステアリン酸、パルミチン酸、及びオレイン酸の種々のジグリセリドの混合物、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、L−α−ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)がある。
溶媒のさらなる具体例には、例えば、アルコール類、プロピレングリコール、種々の分子量のポリエチレングリコール、プロピレングリコールエステル、脂肪酸(例えばオレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、カプリン酸、リノール酸など)でエステル化されたプロピレングリコール、中鎖モノ、ジ、又はトリグリセリド、長鎖脂肪酸、天然の油、及びそれらの混合物などの成分がある。溶媒系のための油状成分には、市販の油及び天然の油がある。油はさらに植物油又は鉱物油とすることができる。油は、非界面活性油の特徴を有することができ、それは典型的に親水性−親油性バランス価を有さない。中鎖トリグリセリドからなる市販の物質には、Captex 100、Captex 300、Captex 355、Miglyol 810、Miglyol 812、Miglyol 818、Miglyol 829、及びDynacerin 660があるがこれらに限定されない。市販のプロピレングリコールエステル組成物には、Captex 200及びMiglyol 840などがある。市販品Capmul MCMは、モノグリセリド及びジグリセリドを含む多くの可能な中鎖混合物の一つからなる。
その他の溶媒には、天然の油、例えばハッカ油及び種子油がある。典型的な天然油には、オレイン酸、ヒマシ油、ベニバナ種子油、大豆油、オリーブ油、ヒマワリ種子油、ゴマ油、及びピーナッツ油がある。大豆脂肪酸も用いることができる。完全に飽和した非水性溶媒の具体例には、中鎖〜長鎖脂肪酸のエステル(例えば約C〜約C24の鎖長を有する脂肪酸トリグリセリド)があるがこれに限定されない。脂肪酸の混合物を、天然油(例えばココナッツ油、パーム核油、ババスヤシ油など)から分離して精製してもよい。ある実施態様において、中鎖(約C〜約C12)トリグリセリド(例えばココナッツ油又はヤシ種子油から得られるカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)を使用できる。中鎖モノ及びジグリセリドも使用できる。その他の完全に飽和した非水性溶媒には、飽和ココナッツ油(典型的にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、カプリン酸、及びカプロン酸の混合物を含む)(Miglyolの商標でHulsから販売され、商品番号810、812、829及び840を有するものがある)があるがこれに限定されるものではない。さらにDrew Chemicalsが販売するNeoBee(商標)製品もある。非水性溶媒にはミリスチン酸イソプロピルがある。合成油の具体例には、6〜24の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、ヘキサン酸、オクタン(カプリル)酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、テトラデカン(ミリスチン)酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン(ステアリン)酸、ノナデカン酸、ヘプタデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、及びリグノセリン酸)のプロピレングリコールジエステル及びトリグリセリドがある。不飽和カルボン酸の具体例には、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸などがある。非水性溶媒は、脂肪酸のモノ、ジ及びトリグリセリルエステル又は混合グリセリド、及び/又はプロピレングリコールモノ又はジエステル(ここでグリセロールの1分子以上が種々の炭素原子長の脂肪酸でエステル化されている)を含むことができる。溶媒として有用な「非油性」の具体例にはポリエチレングリコールがあるがこれに限定されるものではない。
典型的な植物油には、綿実油、コーン油、ゴマ油、大豆油、オリーブ油、分画ココナッツ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、パーム核油、ババスヤシ油、ビーチナッツ油、亜麻仁油、菜種油などがある。植物油(コーン油を含むがこれに限定されない)のモノ、ジ及びトリグリセリドも使用することができる。
ポリビニルピロリドン(PVP)(架橋された又は架橋されていない)を溶媒として使用してもよい。さらなる溶媒には、C〜C24脂肪酸、オレイン酸、Imwitor 742、Capmul、F68、F68(Lutrol)、プルロニック類(PLURONICS)(例えばPLURONICS F108、F127、及びF68、Poloxamers、Jeffaminesがあるがこれらに限定されない)、Tetronics F127、シクロデキストリン類(例えばα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン(Captisol)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリソルビタン20、Cavitron、種々の分子量のポリエチレングリコール(PEG300及びPEG400があるがこれらに限定されない)があるがこれらに限定されるものではない。
蜜ろう及びd−α−トコフェロール(ビタミンE)を溶媒として使用してもよい。
固体のドラッグ送達システムに使用するための溶媒は、当該技術において知られている種々の方法により決定することができる。そのような方法には、(1)その溶解度パラメーター値を理論的に見積もり、当該分野における標準的な式を用いて治療薬に合うものを選択する方法、及び(2)溶媒における治療薬の飽和溶解度を実験に基づいて決定し、所望の溶解度を示すものを選択する方法があるがこれらに限定されるものではない。
ラパマイシンの可溶化
治療薬がラパマイシンの場合、ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを調製するため使用できる溶媒には、ここに記載される任意の溶媒、例えばDMSO、グリセリン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリビニルプロピレン、グリセリン、ポリソルベート80、ベンジルアルコール、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、グリセロールホルマール、エトキシジグリコール(Transcutol、 Gattefosse)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(Triglyme)、ジメチルイソソルビド(DMI)、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、種々の分子量のポリエチレングリコール(例えばPEG300及びPEG400があるがこれらに限定されない)、並びにポリグリコール化カプリルグリセリド(Labrasol,Gattefosse)があるがこれらに限定されるものではない。
さらなる溶媒には、C〜C24脂肪酸、オレイン酸、Imwitor 742、Capmul、F68、F68(Lutrol)、PLURONICS(例えばPLURONICS F108、F127、及びF68、Poloxamers、Jeffaminesがあるがこれらに限定されない)、Tetronics、 F127、β−シクロデキストリン、CMC、ポリソルビタン20、Cavitron、ソフチゲン(softigen)767、captisol、並びにゴマ油があるがこれらに限定されるものではない。
ラパマイシンを溶解するため使用できるその他の溶媒は、Solubilization of Rapamycin,P.Simamora et al.Int’l J.Pharma 213(2001)25−29(その内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)に記載されている。
他にも多くの溶媒が可能である。ラパマイシンに対してどの溶媒を用いればよいかを明らかにすることは、当業者にとって通常の技術である。
放出改変剤
ある態様において、放出改変剤は、固体のドラッグ送達システムからの治療薬の放出速度を高める。ある態様において、放出改変剤は、固体のドラッグ送達システムからの治療薬の放出速度を低下させる。
ある態様において、放出改変剤は、被膜形成ポリマー成分である。被膜形成ポリマー成分は、一種以上の被膜形成ポリマーを含むことができる。任意の被膜形成ポリマーを賦形剤に使用することができる。ある態様において、被膜形成ポリマー成分は、水不溶性の被膜形成ポリマーからなる。ある態様において、被膜形成ポリマー成分は、アクリルポリマーからなる。
ある態様において、放出改変剤はポリメタクリレートである。ポリメタクリレートは種々の名称で知られており、そして種々の調製物(例えばメタクリル酸エステルのポリマー、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)分散物30%、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:2)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(1:1)分散物30%、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:1)、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(1:2)、USPNF、メタクリル酸アンモニウム共重合体、メタクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体分散物などがあるがこれらに限定されない)として入手することができる。ある態様において、ポリメタクリレートはEudragit RLである。
安定剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムの賦形剤成分は安定剤を含むことができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システムに使用できる安定剤には、(1)ゼラチンのようなカプセル化材料に対して賦形剤の混和性を向上させる物質、(2)治療薬(ラパマイシン及び/又はラパマイシン誘導体を含むがこれらに限定されない)の安定性を向上させる(例えば結晶成長を防ぐ)物質、及び/又は(3)固体のドラッグ送達システムの安定性を向上させる物質があるが、これらに限定されるものではない。
安定剤には、脂肪酸、脂肪アルコール、アルコール類、長鎖脂肪酸エステル、長鎖エーテル、脂肪酸の親水性誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ボリビニルアルコール、炭化水素、疎水性ポリマー、吸湿ポリマー、及びそれらの組み合わせがあるが、これらに限定されるものではない。上記安定剤のアミド類似体も使用することができる。選択された安定剤は、固体のドラッグ送達システムの疎水性を変えることができ(例えばオレイン酸、ワックス)、又は、固体のドラッグ送達システムにおける種々の成分の混合を促進することができ(例えばエタノール)、処方物における水分濃度を調節することができ(例えばPVP)、相の移動性を調節することができ(室温より高い融点を有する物質(例えば長鎖脂肪酸、アルコール類、エステル類、エーテル類、アミド類など、又はそれらの混合物、ワックス)、かつ/又はカプセル化材料に対する処方物の混和性を向上させることができる(例えばオレイン酸又はワックス)。これらの安定剤のあるものは、溶媒/共溶媒として用いることができる(例えばエタノール)。安定剤は、治療薬(例えばラパマイシン)の結晶化を抑制するのに十分な量で存在してもよい。
安定剤の具体例には、飽和脂肪酸、モノエン脂肪酸、ポリエン脂肪酸、分枝脂肪酸、環含有脂肪酸、アセチレン型脂肪酸、ジカルボキシル脂肪酸、及び官能基含有脂肪酸(例えば、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸、デヒドロアビエチン酸)、脂肪アルコール類(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、セテリルアルコール)、その他のアルコール(例えばエタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール)、長鎖脂肪酸エステル、エーテル又はアミド(例えばステアリン酸グリセリル、ステアリン酸セチル、オレイルエーテル、ステアリルエーテル、セチルエーテル、オレイルアミド、ステアリルアミド)、脂肪酸の親水性誘導体(例えばポリグリセリル脂肪酸、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ワックスなどがあるが、これらに限定されるものではない。
ある態様において安定剤はポリビニルピロリドンである。ポリビニルピロリドンは、種々の名称で知られており、種々の調製物(例えば、ポビドン、ポビドナム(povidonum)、コリドン、プラスドン、ポリ[1−(2−オキソ−1−ピロリジニル)エチレン]、ポリビドン、PVP、1−ビニル−2−ピロリドン重合体、及び1−エテニル−2−ピロリジノンホモポリマーがあるがこれらに限定されない)として入手することができる。
ゲル化剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムの賦形剤成分はゲル化剤を含むことができ、それはゲルの形成を通じて最終的な固体のドラッグ送達システムの組織(テクスチャー)を変える。
使用できるゲル化剤には、カラギーナン、セルロースゲル、二酸化シリコンコロイド、ゼラチン、炭酸プロピレン、炭酸、アルギン酸、寒天、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー及びポリアクリルアミド、アラビアガム、エステルガム、グアーガム、アラビアガム、ガティ(ghatti)、カラヤガム、トラガカント、テラ(terra)、ペクチン、タマリンド種子、カラマツアラビノガラクタン、アルギン酸塩、ローカストビーン、キサンタンガム、デンプン、ビーガム(veegum)、トラガカント、ポリビニルアルコール、ゲランガム、ヒドロコロイド混合物、及びポビドンがあるが、これらに限定されるものではない。
佐剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムの賦形剤成分は、投与又は配置の指示される経路に適した一種以上の佐剤を含むことができる。治療薬と混合できる佐剤には、ラクトース、スクロース、デンプン粉、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム塩及びカルシウム塩、アラビアガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及び/又はポリビニルアルコールがあるが、これらに限定されるものではない。可溶化された固体のドラッグ送達システムが必要な場合、治療薬は溶媒又は可溶化剤(例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、メタノール、エタノール、DMSO、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガム、及び/又は種々の緩衝剤があるが、これらに限定されない)中に存在することができる。その他の佐剤及び投与形態は、製薬技術においてよく知られており、ここに記載される方法及び固体のドラッグ送達システムの実施に使用できる。担体又は希釈剤は、時間遅延材料(例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル単独、又はワックス若しくは当該技術においてよく知られた他の材料と組み合わせたもの)を含んでもよい。また、ここに記載されるとおり使用するための固体のドラッグ送達システムは、ゲル調製物、侵食性及び非侵食性のポリマー、微小球、並びにリポソームを含むこともできる。
使用できるその他の佐剤及び賦形剤には、C〜C10脂肪酸エステル(例えばsoftigen 767)、ポリソルベート80、Pluronic類、Tetronic類、Miglyol、及びTranscutolがあるが、これらに限定されるものではない。
添加剤及び希釈剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムの賦形剤成分は添加剤又は希釈剤(例えば製薬技術において通常利用されているもの)を含むことができる。そのようなものには、増粘剤、造粒剤、分散剤、香味剤、甘味剤、着色剤、及び安定剤(pH安定剤を含む)、その他の賦形剤、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、BHA、BHT、TBHQ、酢酸トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、没食子酸プロピルなど)、保存剤(例えばパラベン)等がある。典型的な保存剤には、ベンジルアルコール、エチルアルコール、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クロロブタノールなどがあるが、これらに限定されるものではない。いくつかの有用な酸化防止剤は、固体のドラッグ送達システムに対して酸素又は過酸化物を阻害する薬剤となり、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸パルミテート、α−トコフェロールなどを含むが、これらに限定されるものではない。増粘剤(例えばレシチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸アルミニウムなど)は、固体のドラッグ送達システムのテクスチャーを向上させることができる。
さらに、粘性のポリマーを懸濁物に添加することができ、眼(強膜を含むがこれに限定されない)における位置の設定を補助し、配置と操作を容易にすることができる。固体のドラッグ送達システムのある用途において、強膜にポケットを外科的に形成することができ、それにより、固体のドラッグ送達システムの注入又は配置を可能にする。懸濁物を形成するための治療薬物質の粒子は、既知の方法(ボールミル粉砕(例えばセラミックビーズを使用することによる)によるものがあるがこれに限定されない)により製造することができる。例えば、Cole Parmerボールミル(例えばLabmill 8000)を、Tosoh又はNorstone社から入手できる0.8mmYTZセラミックビーズとともに使用することができる。
その他多くの溶媒が可能である。本明細書の開示からラパマイシン用の溶媒を特定することは、当業者にとって通常の技術である。
可溶化剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムの賦形剤成分は、1種以上の可溶化剤を含むことができる。通常、任意の可溶化剤又は複数種の可溶化剤の組み合わせを、ここに記載される固体のドラッグ送達システムに使用することができる。
ある態様において、可溶化剤は、界面活性剤又は複数種の界面活性剤の組み合わせである。多くの可溶化剤及び界面活性剤が可能である。ある態様において、複数種の可溶化剤又は界面活性剤の組み合わせ(例えば様々な種類の可溶化剤又は界面活性剤の組み合わせがあるが、これに限定されない)を用いることができる。例えば、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤(例えば石鹸、スルホン酸塩)、陽イオン界面活性剤(例えばCTAB)、両性イオン界面活性剤、ポリマー界面活性剤、又は両性界面活性剤を使用することができる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システム用の可溶化剤又は界面活性剤は、可能性のある可溶化剤又は界面活性剤をここに記載される固体のドラッグ送達システムと混合し、対象に配置した後、固体のドラッグ送達システムの特徴を観察することにより、決定される。
界面活性剤の具体例には、脂肪酸エステル若しくはアミド若しくはエーテル類似体、又はその親水性誘導体、モノエステル若しくはジエステル又はその親水性誘導体、それらの混合物、それらのモノグリセリド若しくはジグリセリド又は親水性誘導体、又はそれらの混合物、モノグリセリド及び/又はジグリセリド又はその親水性誘導体に富む混合物、親水性成分で部分的に誘導体化された界面活性剤、その他のアルコール、ポリオール、糖又はオリゴ糖又は多糖、オキシアルキレンのオリゴマー若しくはポリマー若しくはブロックポリマー又はその親水性誘導体のモノエステル又はジエステル又は多エステル、又はそれらのアミド類似体、アミン、ポリアミン、ポリイミン、アミノアルコール、アミノ糖、ヒドロキシアルキルアミン、ヒドロキシポリイミン、ペプチド、ポリペプチドの脂肪酸誘導体、又はそれらのエーテル類似体があるが、これらに限定されるものではない。
親水性−親油性バランス(HLB)は、水及び油(又は検討されるエマルション系の二相)に対する界面活性剤の相対的で同時的な親和力を表すものである。
界面活性剤は、その分子の親水性部分と親油性部分とのバランスによって特徴づけられる。親水性−親油性バランス(HLB)の数値は、1〜40の任意の範囲で分子の極性を示し、最も一般的に使用される乳化剤は1〜20の値を有する。HLBが増加すると親水性が増加する。
使用できる界面活性剤には、10、11、12、13、又は14より大きなHLBを有するものがあるが、それらに限定されるものではない。界面活性剤の具体例には、水添植物油のポリオキシエチレン生成物、ポリエトキシル化ヒマシ油若しくはポリエトキシル化水添ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体など(例えば、Nikkol(ニッコール)HCO−50、Nikkol HCO−35、Nikkol HCO−40、Nikkol HCO−60(日光ケミカルズ株式会社から)、Cremophor(BASFから)(例えばCremophor RH40、Cremophor RH60、Cremophor EL)、TWEEN(ツイーン)類(ICI Chemicalsから)(例えばTWEEN 20、TWEEN 21、TWEEN 40、TWEEN 60、TWEEN 80、TWEEN 81)、Cremophor RH410、Cremophor RH455等)がある。
界面活性剤成分は以下より選択することができる:少なくとも1〜100のエチレンオキシド単位と、少なくとも12〜22の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪アルコール鎖とから形成される少なくとも1種のエーテルを有する化合物;少なくとも1〜100のエチレンオキシド単位と、少なくとも12〜22の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪酸鎖とから形成される少なくとも1種のエステルを有する化合物;少なくとも1〜100のエチレンオキシド単位と、少なくとも1種のビタミン又はビタミン誘導体とから形成される少なくとも1種のエーテル、エステル又はアミドを有する化合物;並びに2種以下の界面活性剤からなるそれらの組み合わせ。
界面活性剤のその他の具体例には、Lumulse GRH−40、TGPS、ポリソルベート−80(TWEEN−80)、ポリソルベート−20(TWEEN−20)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、グリセリルグリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリグリコール化グリセリドなど、又はそれらの混合物、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールエステル(例えばTagat TO、Tagat L、Tagat I、Tagat I2、及びTagat 0(Goldschmidt Chemical Co.,エッセン、ドイツにより市販))、エチレングリコールエステル(例えばステアリン酸グリコール及びジステアリン酸グリコール)、プロピレングリコールエステル(例えばミリスチン酸プロピレングリコール)、脂肪酸のグリセリルエステル(例えばステアリン酸グリセリル及びモノステアリン酸グリセリル)、ソルビタンエステル(例えばスパン類及びツイーン類)、ポリグリセリルエステル(例えば4−オレイン酸ポリグリセリル)、脂肪アルコールエトキシレート(例えばブリジ(Brij)系乳化剤)、エトキシル化プロポシキル化ブロックポリマー(例えばポロキサマー(Poloxamer)類)、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル(例えばPEG300リノール酸グリセリドすなわちLabrafil 2125CS、PEG300オレイン酸グリセリドすなわちLabrafil M1944CS、PEG400カプリル/カプリン酸グリセリドすなわちLabrasol、並びにPEG300カプリル/カプリン酸グリセリドすなわちSoftigen 767)、Cremophor(クレモフォール)類、例えばCremophor E、ポリオキシル35ヒマシ油、又はCremophor EL、Cremophor EL−P、Cremophor RH 4OP、ポリオキシ40水添ヒマシ油、Cremophor RH40、ポリオキシル60水添ヒマシ油すなわちCremophor RH60、モノカプリル/カプリン酸グリセロール(例えばCampmul CM10))、ポリオキシエチル化脂肪酸(PEG−ステアレート、PED−ラウレート、Brij(登録商標))、脂肪酸のポリオキシ化グリセリド、ポリオキシ化グリセロール脂肪酸エステル(例えばSolutol HS−15)、PEG−エーテル(Mirj(登録商標))、ソルビタン誘導体(TWEEN類)、ソルビタンモノオレエートすなわちSpan20、芳香族化合物(Triton(登録商標)類)、PEG−グリセリド(PECEOL(商標))、PEG−PPG(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール)共重合体(PLURONIC類(例えばPLURONIC F108、F127、及びF68があるがこれらに限定されない)、ポロキサマー(Poloxamer)類、ジェファミン(Jeffamine)類)、テトロニック(Tetronic)類、ポリグリセリン、PEG−トコフェロール、PEG−LICOL6−オレエート、プロピレングリコール誘導体、糖及び多糖のアルキル及びアシル誘導体(オクチルスクロース、ステアリン酸スクロース、ラウロイルデキストランなど)及び/又はそれらの混合物、エチレンオキシドと共重合されたポリアルコールのオレイン酸エステル又はラウリン酸エステルをベースとする界面活性剤、Labrasol Gelucire 44/14、ポリオキシエチレンステアレート、飽和ポリグリコール化グリセリド、又はポロキサマー類がある。これらのすべては市販されている。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ポリソルベート類(例えばポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)を含み得る。ポリオキシエチレンステアレートは、ステアリン酸ポリオキシル6、ステアリン酸ポリオキシル8、ステアリン酸ポリオキシル12、及びステアリン酸ポリオキシル20を含み得る。飽和ポリグリコール化グリセリドは、例えば、GELUCIRE 44/14又はGELUCIRE(商標)50/13(Gattefosse、ウェストウッド、ニュージャージー州、米国)である。ここで使用されるポロキサマーには、ポロキサマー124及びポロキサマー188が含まれる。
界面活性剤には、コハク酸d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000(TPGS)、ステアリン酸ポリオキシル8(モノステアリン酸PEG400)、ステアリン酸ポリオキシル40(モノステアリン酸PEG1750)、及びハッカ油が含まれる。
ある態様において、10より低いHLBを有する界面活性剤が使用される。必要に応じて、そのような界面活性剤は、補助界面活性剤としての他の界面活性剤と組み合わせて使用してもよい。10以下のHLBを有するいくつかの界面活性剤、混合物及び他の均等な組成物の具体例には、プロピレングリコール、脂肪酸グリセリル、グリセリル脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、グリセリルグリコールエステル、ポリグリコール化グリセリド、及びポリオキシエチルステリルエステルがある。プロピレングリコールエステル又は部分エステルは、市販品(例えばラウリン酸プロピレングリコールを含有するLauroglycol(ラウログリコール)FCC)の組成物を構成する。市販の賦形剤Maisine 35−1は長鎖脂肪酸(例えばリノール酸グリセリル)からなる。ポリオキシエチレンステアリルエーテルからなるAcconon Eのような製品を使用することもできる。Labrafil(ラブラフィル)M 1944 CSは、組成物がグリセリルグリコールエステルとポリエチレングリコールエステルの混合物を含む界面活性剤の一例である。
ラパマイシン用可溶化剤
多くの可溶化剤又は界面活性剤(ここに記載する任意の可溶化剤(例えばこの項の可溶化剤を含む)を限定されることなく含む)をラパマイシンに対して使用することができる。
ある態様において可溶化剤は界面活性剤である。ラパマイシンに対して使用できる界面活性剤の具体例は、限定されることなく、10、11、12、13、又は14より高いHLBを有する界面活性剤を含む。1つの具体例はCremophor ELであるが、これに限定されるものではない。ある態様において、界面活性剤は高分子界面活性剤であり、PLURONIC F108、F127及びF68、並びにTetronic類を含むがこれらに限定されるものではない。上述したように、いくつかの可溶化剤は溶媒としても機能し得る。本明細書の開示からラパマイシンに使用できる界面活性剤を特定することは当業者にとって通常の技術である。
粘度改変剤
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、粘度改変剤と組み合わせて配置することができ、あるいは、粘度改変剤をさらに含むことができる。
使用できる1つの典型的な粘度改変剤はヒアルロン酸である。ヒアルロン酸はグリコサミノグリカンである。それはグルクロン酸とグルコサミンの繰り返し配列からなる。ヒアルロン酸は体内の多くの組織及び器官に存在し、それら組織及び器官の粘性及び稠度に寄与している。ヒアルロン酸は、眼(眼の硝子体を含む)に存在し、またコラーゲンとともにその粘性に寄与している。ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ヒアルロン酸をさらに含むことができ、あるいは、ヒアルロン酸とともに投与することができる。
粘度改変剤の他の具体例には、ポリアルキレンオキシド類、グリセロール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、デキストラン、硫酸デキストラン、及びコラーゲンがあるがこれらに限定されるものではない。これらの粘度改変剤は化学修飾することができる。
使用できるその他の粘度改変剤には、カラギーナン、セルロースゲル、二酸化シリコンコロイド、ゼラチン、炭酸プロピレン、炭酸、アルギン酸、寒天、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー及びポリアクリルアミド、アラビアガム、エステルガム、グアーガム、アラビアガム、ガティ、カラヤガム、トラガカント、テラ、ペクチン、タマリンド種子、カラマツアラビノガラクタン、アルギン酸塩、ローカストビーン、キサンタンガム、デンプン、ビーガム、トラガカント、ポリビニルアルコール、ゲランガム、ヒドロコロイド混合物、及びポビドンがあるが、これらに限定されるものではない。当該技術において知られる他の粘度改変剤も使用することができ、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン、カラギーナン類、ガラクトマンナン類、ヒドロプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルキチンナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、キサンタンガム、及びゼインがあるが、これらに限定されるものではない。
製剤の他の成分
ここに記載される製剤は、種々の他の成分(例えば安定剤)をさらに含むことができる。ここに記載される製剤に使用できる安定剤には、(1)ゼラチンのようなカプセル化材料に対して賦形剤の混和性を向上させる物質、(2)治療薬(例えばラパマイシン及び/又はラパマイシン誘導体)の安定性を向上させる(例えばラパマイシンのような治療薬の結晶成長を防ぐ)物質、及び/又は(3)製剤の安定性を向上させる物質があるが、これらに限定されるものではない。なお、安定剤である成分と溶媒、可溶化剤又は界面活性剤である成分との間には重なりがあり、また、同じ成分が二つ以上の役割を果たす場合がある。
安定剤は、脂肪酸、脂肪アルコール、アルコール類、長鎖脂肪酸エステル、長鎖エーテル、脂肪酸の親水性誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ボリビニルアルコール、炭化水素、疎水性ポリマー、吸湿ポリマー、及びそれらの組み合わせから選択することができる。上記安定剤のアミド類似体も使用することができる。選択された安定剤は、製剤の疎水性を変えることができ(例えばオレイン酸、ワックス)、又は、製剤における種々の成分の混合を促進することができ(例えばエタノール)、製剤における水分濃度を調節することができ(例えばPVP)、相の移動性を調節することができ(室温より高い融点を有する物質(例えば長鎖脂肪酸、アルコール類、エステル類、エーテル類、アミド類など、又はそれらの混合物、ワックス)、かつ/又はカプセル化材料に対する製剤の混和性を向上させることができる(例えばオレイン酸又はワックス)。これらの安定剤のあるものは、溶媒/共溶媒として用いることができる(例えばエタノール)。安定剤は、治療薬(例えばラパマイシン)の結晶化を抑制するのに十分な量で存在してもよい。
安定剤の具体例には、飽和脂肪酸、モノエン脂肪酸、ポリエン脂肪酸、分枝脂肪酸、環含有脂肪酸、アセチレン型脂肪酸、ジカルボキシル脂肪酸、及び官能基含有脂肪酸(例えば、オレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、DHA、脂肪アルコール類(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、セテリルアルコール)、その他のアルコール(例えばエタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール)、長鎖脂肪酸エステル、エーテル又はアミド(例えばステアリン酸グリセリル、ステアリン酸セチル、オレイルエーテル、ステアリルエーテル、セチルエーテル、オレイルアミド、ステアリルアミド)、脂肪酸の親水性誘導体(例えばポリグリセリル脂肪酸、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、ワックス、ドコサヘキサエン酸、及びデヒドロアビエチン酸などがあるが、これらに限定されるものではない。
ここに記載されるとおり使用される治療薬(例えばラパマイシン)は、通常の製薬操作(例えば滅菌)に供することができ、また治療薬を含む組成物は、通常の佐剤(例えば保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤など)を含むことができる。また治療薬は、固体のドラッグ送達システムを製造するため、臨床用の製薬上許容される賦形剤を用いて製剤化することができる。
治療薬を使用して、ここに記載される症状のいずれかを治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるための薬剤を調製することができる。ある態様において、1種以上の治療薬を用いて、ここに記載される症状のいずれかを治療するための薬剤を調製する。ある態様において、1種以上の治療薬を用いて、ここに記載される症状のいずれかを予防するための薬剤を調製する。
ラパマイシンのような治療薬を含有する固体のドラッグ送達システムは、投与の指示される経路に適した1種以上の佐剤を含むことができる。治療薬と混合できる佐剤には、ラクトース、スクロース、デンプン粉、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム塩及びカルシウム塩、アラビアガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、及び/又はポリビニルアルコールがあるが、これらに限定されるものではない。可溶化された製剤が必要な場合、治療薬は溶媒(例えば種々の分子量のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、メタノール、エタノール、DMSO、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガム、及び/又は種々の緩衝剤があるが、これらに限定されない)中に存在することができる。その他の佐剤及び投与形態は、製薬技術においてよく知られており、ここに記載される方法及び固体のドラッグ送達システムの実施に使用できる。担体又は希釈剤は、時間遅延材料(例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル単独、又はワックス若しくは当該技術においてよく知られた他の材料と組み合わせたもの)を含んでもよい。また、ここに記載されるとおり使用するための製剤は、ゲル製剤、侵食性及び非侵食性のポリマー、微小球、並びにリポソームを含むこともできる。使用できるその他の佐剤及び賦形剤には、C〜C10脂肪酸エステル、例えばsoftigen 767、ポリソルベート80、Pluronic類、Tetronic類、Miglyol、及びTranscutolがあるが、これらに限定されるものではない。
当該技術において通常利用される添加剤又は希釈剤を、ここに記載される固体のドラッグ送達システムに必要に応じて加えることができる。そのようなものには、増粘剤、造粒剤、分散剤、香味剤、甘味剤、着色剤、及び安定剤(pH安定剤を含む)、その他の賦形剤、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、BHA、BHT、TBHQ、酢酸トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸、没食子酸プロピルなど)、保存剤(例えばパラベン)等がある。典型的な保存剤には、ベンジルアルコール、エチルアルコール、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クロロブタノールなどがあるが、これらに限定されるものではない。いくつかの有用な酸化防止剤は、製剤に対して酸素又は過酸化物を阻害する薬剤となり、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸パルミテート、α−トコフェロールなどを含むが、これらに限定されるものではない。増粘剤(例えばレシチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸アルミニウムなど)は、製剤のテクスチャーを向上させることができる。
ある態様において、治療薬はラパマイシンであり、そしてラパマイシンはRapamune(ラパミューン)として固体の剤形に製剤される。ある態様においてラパミューンは経口の投与形態として製剤される。
さらに、粘性のポリマーを懸濁物に添加することができ、位置の設定を補助し、配置と操作を容易にすることができる。固体のドラッグ送達システムのある用途において、固体のドラッグ送達システムの配置のため、強膜にポケットを外科的に形成することができる。強膜のヒドロゲル構造は、速度調節膜として作用することができる。
固体のドラッグ送達システムは、単位剤形として提供することが都合よく、通常の製薬技術によって調製することができる。そのような技術は、治療薬と1種又は複数種の医薬担体又は賦形剤とを合わせる工程を含む。有効成分と液体の担体若しくは細かく分割した固体の担体又はその両方とを均一かつ均質に合わせ、次いで必要に応じて生成物を成形することにより、製剤を調製することができる。
ある態様において、ここに記載される製剤は、1種以上の単位剤形で提供され、ここで該単位剤形は、投与の対象である病気又は症状を治療又は予防するのに有効な量の固体のドラッグ送達システムを含有するものである。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、1種以上の単位剤形で提供され、ここで該単位剤形は、投与の対象である病気又は症状をある期間治療又は予防するのに有効な量のここに記載されるラパマイシン製剤を含有するものである。
さらなる局面において、ここに記載されるような1種以上の単位剤形を含むキットがここに提供される。ある態様において、該キットは、1つ以上の包装と、1種以上の病気又は症状(限定されることなくここに記載される病気又は症状を含む)を治療するのに使用される説明書とを備える。ある態様において、該キットは、1つ以上の密封した容器又は密封した包装の中に、ここに記載される1種以上の単位剤形のいずれかを備える。ある態様において、該キットは、任意の1種以上の無菌の単位剤形を備える。
ある態様において、該単位剤形は、容器(例えば無菌の密封された容器又は包装があるが、これに限定されない)に入っている。ある態様において、該容器は、バイアル、アンプル、又は低容量のアプリケーターである。
1種以上の固体のドラッグ送達システムを含む1種以上の単位剤形を備えるキットがここに記載される。ある態様において、該キットは、1つ以上の容器を、その使用のための説明書とともに備える。ある態様において、キットは、1種以上の固体のドラッグ送達システムを容器又は包装内に備え、ここで該固体のドラッグ送達システムはラパマイシンを含み、そして該キットは、眼の病気又は症状の治療にあたって該固体のドラッグ送達システムを使用するための説明書をさらに備える。ある態様において、該固体のドラッグ送達システムは容器に入っており、そして、該容器は副次的な包装に入っている。
裏打ちされた固体のドラッグ送達システム
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、裏打ち材を備える。ある態様において該裏打ち材は生分解性である。ある態様において該裏打ち材は非生分解性である。ある態様において該裏打ち材は、1種以上の生分解性材料と1種以上の非生分解性材料との組み合わせである。
ある態様において、裏打ち材を有する固体のドラッグ送達システムは、所望の方向への拡散を促進するよう設計される。
ある態様において、ここに記載される裏打ちされた固体のドラッグ送達システムは、侵食性のインプラント(例えば、有効な治療薬を含むディスク、円筒体、繊維、又はフィルム)と、治療薬をほとんど又は全く含まない侵食性ポリマーからなる裏打ち材とを有する。第二の侵食性ポリマーは、該インプラントから該第二のポリマーの方向への治療薬の溶出が阻止又は減速され、該治療薬が主として一方向に送達されるように、選択することができる。
ある態様において、裏打ち層は、治療薬に対して少なくとも部分的に不透過性である。「少なくとも部分的に透過性」は、裏打ち材を介して固体のドラッグ送達システムを出ていく治療薬の速度が、裏打ち材のない部分を介して固体のドラッグ送達システムを出ていく治療薬の速度より低いことを意味する。
ある態様において、裏打ち層は、治療薬に対して実質的に不透過性である。ある態様において、非侵食性ポリマーが遮断層として使用され、そして裏打ち層は、対象に配置された後ある期間で除去される。
ここで使用される用語「実質的に不透過性」は、実質的に不透過性のバリアーを通過する治療薬の量が臨床上取るに足らないものであることを意味する。ある態様において実質的に不透過性のバリアーは、実用的な観点から治療薬に対して不透過性である。
裏打ち材を有する固体のドラッグ送達システムのある態様において、縫合糸が、裏打ち材と固体のドラッグ送達システムとの間に挟まれており、それにより、その構造物は縫合糸を介して強膜にしっかりと取り付けられるようになっている。ある態様において、裏打ち材は、固体のドラッグ送達システムが投与される対象において、局所的な毒性作用を起こさないような治療薬の量を可能にする。
一般的に、裏打ち材は、裏打ち材近傍の組織への治療薬の拡散を、裏打ち材がない状態での該組織への拡散に比べて少なくする任意の材料から構成することができる。ある態様において、裏打ち材は、治療薬に対して完全に不透過なものではなく、実用上薬剤の大部分が強膜表面の方向に溶出するような拡散の不均一性をもたらすものである。裏打ち材料は、治療薬に対して不透過性又はほぼ不透過性とすることができ、あるいは、治療薬に対して半透過性又は透過性としてもよい。一つの裏打ちされたポリマーインプラントにおいて、治療薬を含む固体のドラッグ送達システムの材料と裏打ち材とが同じであり、そして、治療薬含有ポリマーにおける治療薬の濃度は、裏打ち材における濃度より高くなっている。一つのそのようなインプラントにおいて、裏打ち材は、最初、治療薬を実質的に含んでいない。
ある態様において、裏打ち材は、固体のドラッグ送達システムを保持するような大きさと形にされており、そして眼の部位に存在する。ある態様において、裏打ち材は、薄く浅い皿又はカップの形状である。ある態様において裏打ち材は熱可塑性材料からなる。ある態様において、裏打ち材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(例えばVictrex(ビクトレックス)K90があるがこれに限定されない)からなる。
ある態様において、製剤が調製され、それが固体になる前に裏打ち材に配置される。例えば、該製剤は、1種以上の溶媒が蒸発させられる前に裏打ち材に配置される。そのような態様は、表2に示す製剤を含むことができるが、それに限定されるものではない。乾燥の前に、製剤のあるものは一般的に懸濁物であるが、必ずしもそうである必要はない。
ある態様において、製剤は対象に置かれる前に乾燥させられる。ある態様において、製剤は対象に置かれる際に乾燥していない。
遅延放出性の固体のドラッグ送達システムによる送達
治療薬を送達するため使用できる一つの固体のドラッグ送達システムは、遅延放出性の固体のドラッグ送達システムである。
一つの固体のドラッグ送達システムにおいて、治療薬放出の開始は、固体のドラッグ送達システムが眼に挿入された後、ある期間、遅らされる。この遅延により、例えば、固体のドラッグ送達システムの挿入によって生じた傷が治療薬の送達の前に治癒するよう時間を稼ぐことができる。そのような遅延は、治療薬自体が傷の治癒を阻害する場合に有利である。例えば、ラパマイシンのような線維芽細胞の増殖を阻害する治療薬は、傷の治癒を阻害する。使用できるそのような一つの遅延放出性の固体のドラッグ送達システムにおいて、治療薬の放出は、治療薬を含む固体のドラッグ送達システムをポリマーによって被覆することにより遅らされる。該ポリマーは、治療薬を含まないか、より少量の治療薬を含むものである一方、所定の時間内に侵食されるものである。従って、治療薬の放出は、該ポリマー被覆の実質的な部分が侵食されてなくなるまで、遅らされる。ここで使用する材料の「実質的な部分」は、該材料の80%を超えるものを指す。該ポリマー被覆は、治療薬に対して実質的に不透過性とすることができる。
本明細書の開示によれば、遅延放出技術に精通している者は、ここに開示される遅延放出を実現するため使用できる他の固体のドラッグ送達システムを明らかにすることができる。
送達される治療薬及び/又は治療又は予防される病気及び症状に応じて、治療薬送達開始前の遅延期間は、1時間、6時間、12時間、18時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、21日、28日、35日、又は42日とすることができる。他の遅延期間も可能である。使用できる遅延放出系は、当該技術に精通している者に知られており、コーティング又は貯留手段の使用を含むが、これらに限定されるものではない。
生体付着性の固体のドラッグ送達システムによる送達
使用できる一つの固体の送達システムは、生体付着性の表面を有する固体のドラッグ送達システムを配置することにより治療薬が送達されるものである。
固体のドラッグ送達システムの生体付着性の表面は、眼の領域の生体物質に付着することにより、固体のドラッグ送達システムが所定の位置に取り付けられるのを確実にすることができる。生体付着性の固体のドラッグ送達システムは、生体付着性のポリマー材料からなることができ、あるいは、生体付着性の表面を形成する生体付着性の材料で被覆された非生体付着性のポリマー材料からなることができる。生体付着性の表面を有する固体のドラッグ送達システムの調製は、当業者によく知られている。例えば、眼のドラッグ送達について生体付着性の任意の相変化ポリマー、J.Robinson et al.,Advanced Drug Delivery Review,16(1995)45−50(その内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)を参照。
使用できる生体付着性ポリマーには、以下のもの又は以下のものの混合物があるが、これらに限定されるものではない。種々の分子量のポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びアクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体、架橋されたポリアクリル酸(カルボポール類)、セルロース類(エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロースなど)、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、セルロースエステル類(酢酸セルロース、フタル酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースなど)、ガム類(アラビアガム、トラガカント、アラビアガム、ゲランガム、キサンタンガムなど)、ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリエチレンオキシド(polyox及び誘導体、ポリエチレングリコール、並びにポリエチレンオキシドのグラフトポリマー)、キトサン、並びにアルギン酸。
生体付着性ポリマーは、柔軟なフィルムを得るため、適当な可塑剤と混合してもよい。使用できる可塑剤には、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、グリセロールエステル(例えばモノオレイン酸グリセロール)、及びプロピレングリコールのエステル(例えばモノラウリン酸プロピレングリコール)、並びに水があるがこれらに限定されるものではない。
生体付着性の固体のドラッグ送達システムを組織上に配置する際、表面接触を向上させるため、非常に低い濃度の適当な湿潤剤を生体付着性ポリマーと混合してもよい。使用できる湿潤剤には、界面活性剤:コレステロール、ツイーン類及びスパン類、ポリソルベート80、並びにプルロニック類があるがこれらに限定されるものではない。
生体付着性ポリマーは、適当な賦形剤(例えば、すみやかに溶解する水吸収剤の糖/デンプン、例えばマンニトール、デキストロース、ラクトース、マルトデキストリン)と混合してもよい。固体のドラッグ送達システムが付着する組織は所定の水分量を有しているため、これらの糖/デンプンは、水分のより速やかな吸収を助け、初期の生体付着及び接触がより容易に得られると考えられる。
形状記憶の固体のドラッグ送達システム
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、形状記憶特性を有する固体のドラッグ送達システム(「形状記憶の固体のドラッグ送達システム」)からなるものであってもよい。ここで使用する形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、例えば形状記憶ポリマーからなり、肉眼でみえるその形が、第一の形状に加工又は成形することができ、次いで第二の形状に加工又は成形することができ、所定の条件にさらされるとき、第二の形状が第一の形状と類似するか同一である形に変化する又は戻るものを指す。形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、種々のポリマーからなることができる。形状記憶ポリマーについてのさらなる情報は、Alteheld et al.,Biodegradable,Amorphous Copolyester−Urethane Networks Having Shape−Memory Properties,Andew. Chem.Int.Ed.44:1188−1192(2005)(その内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)を参照されたい。
ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、24、20、15、10、6、4、2、又は1時間以内に、第一の形状と類似するか同一の形に変化する又は戻る。ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、45、30、20、又は10分以内に、第一の形状と類似するか同一の形に変化する又は戻る。
ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、形状記憶ポリマーを備え、そこにおいて該形状記憶の固体のドラッグ送達システムの第二の形状は、第一の形状よりも小さく、よりコンパクトであり、あるいはより圧縮されている。そのような態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、それを配置するため(例えば注入によって)、第一の形状より小さい、よりコンパクトな、あるいはより圧縮されたものにすることができる。
ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムの第二の形状は、第一の形状よりも全体的に直線的な形状である。そのような態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、それを配置するため(例えば注入によって)、第一の形状より全体的に直線的にすることができる。
ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、対象の眼の中又はその近傍に置かれた後、第一の形状と類似するか同一の形状に変化する又は戻る。
ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、透明又は実質的に透明である。ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、生侵食性(生分解性)である。ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、非生侵食性(非生分解性)である。ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは無定形である。ある態様において、形状記憶の固体のドラッグ送達システムは、星型ヒドロキシル−テレケリックコオリゴエステルから調製される。
ラパマイシンを含む治療薬の持続的送達
所定の病気又は症状を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため、治療上有効な量の治療薬の送達を長期間維持することが望ましい場合がある。治療、予防、若しくは抑制する、又は開始を遅らせる、若しくは緩解を生じさせる病気又は症状に応じて、この長期間は、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、少なくとも120日、少なくとも150日、少なくとも180日、少なくとも210日、少なくとも240日、少なくとも270日、少なくとも300日、少なくとも330日、又は少なくとも360日とすることができる。しかし、一般的に任意の長期間が可能である。治療上有効な量の薬剤を長期間送達するのに十分な薬剤濃度を対象又は対象の眼において長期間維持する固体のドラッグ送達システムにより、治療上有効な量の薬剤を長期間送達することができる。
治療上有効な量の治療薬を長期間送達することは、1種の固体のドラッグ送達システムを適用して達成してもよいし、あるいは、2種以上の固体のドラッグ送達システムを同時に又は互いにある期間をあけて適用することにより達成してもよい。そのような複合的適用の非限定的具体例として、湿性AMDの治療のために3ヶ月間ラパマイシンの治療量を維持することは、3ヶ月間ある治療量を送達する1つの固体のドラッグ送達システムを適用することにより、又は、複数の固体のドラッグ送達システムを順次適用することにより、達成することができる。最適な用量は、送達が必要な治療薬の治療量、送達が必要な期間、及びこれらの用件を満足するのに必要なシステムの大きさによって変わってくる。そのような持続的な治療薬の送達投与に精通する者は、本明細書の開示から、使用できる投与計画をいかにして決定すればよいか分かるはずである。
下記の特徴の1つ以上を有するインビボでの送達又はクリアランスの特性を示す固体のドラッグ送達システムがここに記載される。送達又はクリアランスの特性は、ウサギの眼の強膜と結膜の間の領域に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでの治療薬のクリアランスに関するものである。治療薬は、ここに記載される治療薬の任意のもの(例えばラパマイシンがあるがこれに限定されない)とすることができる。固体のドラッグ送達システムは、ここに記載される任意の固体のドラッグ送達システム(例えば実施例1で調製される固体のドラッグ送達システムがあるがこれに限定されない)とすることができる。ウサギの眼の硝子体の体積は、ヒトの硝子体の体積の約30〜40%である。治療薬の量は実施例2に記載される手法を用いて測定されるが、実施例2に記載される固体のドラッグ送達システム及び治療薬に限定されるものではない。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、下記の特徴を有するインビボでの硝子体に対する送達特性を有することができ、そこにおいて、該送達特性は、ウサギの眼の強膜と結膜の間の領域に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでの治療薬の送達に関するものである。
「インビボ平均百分率」レベル又は濃度は、所定の時点でウサギの複数の眼について治療薬の平均濃度が得られ、一つの時点における治療薬の平均濃度がもう一つの時点における治療薬の平均濃度で除算されることを意味する。インビボ平均百分率レベルのある態様において、治療薬はラパマイシンである。
ある態様において、配置後14日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して25%〜65%、より一般的には35%〜55%である。ある態様において、配置後14日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して25%より高く、より一般的には35%より高い。
ある態様において、配置後28日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して55%〜95%、より一般的には85%〜85%である。ある態様において、配置後28日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して55%より高く、より一般的には65%より高い。
ある態様において、配置後75日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して5%〜30%、より一般的には10%〜25%である。ある態様において、配置後75日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して5%より高く、より一般的には10%より高い。
ある態様において、配置後95日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して90%〜150%、より一般的には100%〜130%である。ある態様において、配置後95日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して90%より高く、より一般的には100%より高い。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、下記の特徴を有するインビボでの網膜脈絡膜に対する送達特性を有することができ、そこにおいて、該送達特性は、ウサギの眼の強膜と結膜の間の領域に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでの治療薬の送達に関するものである。
ある態様において、配置後14日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%〜20%、より一般的には5%〜10%である。ある態様において、配置後14日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%より高く、より一般的には5%より高い。
ある態様において、配置後28日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して5%〜45%、より一般的には15%〜35%である。ある態様において、配置後28日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して5%より高く、より一般的には15%より高い。
ある態様において、配置後75日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%〜35%、より一般的には10%〜20%である。ある態様において、配置後75日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%より高く、より一般的には10%より高い。
ある態様において、配置後95日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して1%〜15%、より一般的には4%〜10%である。ある態様において、配置後95日目で、インビボ網膜脈絡膜百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して1%より高く、より一般的には4%より高い。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、下記の特徴を有するインビボでの強膜からのクリアランス特性を有することができ、そこにおいて、該クリアランス特性は、ウサギの眼の強膜と結膜の間の領域に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでの治療薬の送達に関するものである。
ある態様において、配置後14日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して15%〜55%、より一般的には25%〜45%である。ある態様において、配置後14日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して15%より高く、より一般的には55%より高い。
ある態様において、配置後28日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して75%〜115%、より一般的には85%〜105%である。ある態様において、配置後28日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して75%より高く、より一般的には85%より高い。
ある態様において、配置後75日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%〜30%、より一般的には5%〜15%である。ある態様において、配置後75日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して2%より高く、より一般的には5%より高い。
ある態様において、配置後95日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して0.5%〜10%、より一般的には2%〜8%である。ある態様において、配置後95日目で、インビボ硝子体百分率レベルは、配置後1日目に存在するレベルに対して0.5%より高く、より一般的には2%より高い。
治療薬の平均濃度は、(1)実験(例えばウサギの眼の硝子体に固体のドラッグ送達システムを配置することがあるがこれに限定されない)を行い、(2)LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析)を用いてウサギの眼における治療薬のレベル(濃度)を測定し、そして(3)ウサギの眼において得られたレベルの平均をとることにより、求められる。この平均は、1より大きい任意の個数について行うことができる。ある態様において、2匹のウサギそれぞれの2つの眼における治療薬のレベルを加算し、それを4で割ることにより平均が求められる(そこにおいて、固体のドラッグ送達システムは分析されるそれぞれの眼に配置された)。
下記の特徴の1つ以上を有するインビボでの送達又はクリアランスの特性を示す固体のドラッグ送達システムがここに記載される。送達又はクリアランスの特性は、ウサギの眼の結膜下に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでの治療薬のクリアランスに関するものである。ある態様において、送達又はクリアランスの特性は、ウサギの眼の結膜下又は硝子体に固体のドラッグ送達システムを配置した後におけるインビボでのラパマイシンのクリアランスに関するものである。ウサギの硝子体の体積は、ヒトの硝子体の体積の約30〜40%である。治療薬の量は実施例2に記載される手法を用いて測定されるが、実施例2に記載される配合及び治療薬に限定されるものではない。
ある態様において、ここに記載されるインビボでの送達又はクリアランスの特性を有する治療薬には、治療薬の項に記載されるものがあるが、それらに限定されるものではない。ある態様において治療薬はラパマイシンである。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンと等価な濃度の治療薬を送達するため使用される。ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、治療薬の項に記載される治療薬の任意のものを、ラパマイシンと等価な濃度(例えば、実施例に記載される濃度)で含むことができるが、それに限定されるものではない。
ある期間にわたる治療薬の平均濃度は、該期間の間の典型的な時点についてそれぞれの時点における平均濃度を意味する。例えば、期間が30日である場合、平均濃度を5日おきに測定することができ、5日目の平均濃度について、5日目におけるいくつかの濃度測定値の平均を算出することができ、10日目の平均濃度について、10日目におけるいくつかの濃度測定値の平均を算出することができる等々である。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01pg/mLの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.001ng/mLの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01ng/mlの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、又は少なくとも90日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも1ng/mLの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、又は少なくとも90日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において少なくとも2.5ng/mLの治療薬の平均濃度を維持する。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.01pg/mgの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.1pg/mgの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも1pg/mgの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.01ng/mgの治療薬の平均濃度を維持する。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、少なくとも30日、少なくとも60日、又は少なくとも90日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.1ng/mgの治療薬の平均濃度を維持する。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ある期間にわたって、特定の組織に、ほぼ一定のレベルの治療薬を送達する。ここで使用する用語「ほぼ一定の」は、その長期にわたって平均レベルが1桁を越えて変動しないことを意味し、すなわち、該当する期間の間の時点における平均濃度の測定値について最大と最小の差が10倍未満であることを意味する。ある態様において、治療薬がラパマイシンであり、かつラパマイシンのレベルが特定の組織において所定の期間の間ほぼ一定である。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.001ng/mLを越える値でほぼ一定の平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.01ng/mLを越える値でほぼ一定の平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.1ng/mLを越える値でほぼ一定の平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.75ng/mLを越える値でほぼ一定の平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において1ng/mLを越える値でほぼ一定の平均濃度の治療薬をもたらす。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.001ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.005ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.01ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、14日目から28日目以降、75日目以降、95日目以降、又は107日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.03ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも0.001ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも0.005ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも0.01ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも0.03ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも0.1ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼への配置の後、42日目から63日目以降又は91日目以降との間において、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において少なくとも1.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.001〜15.0ng/mlの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.01〜10.0ng/mlの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の硝子体において0.1〜10.0ng/mlの平均濃度の治療薬をもたらす。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において0.001〜5.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において0.001〜1.25ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の網膜脈絡膜において0.01〜5.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において0.001〜10.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも28日、少なくとも75日、少なくとも95日、又は少なくとも107日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において0.01〜10.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、ウサギの眼へのその投与の後、少なくとも14日、少なくとも42日、少なくとも63日、又は少なくとも91日の間、治療薬を送達し、ウサギの眼の強膜において0.1〜200.0ng/mgの平均濃度の治療薬をもたらす。
治療薬
最も一般的に、ここに記載される病気又は症状を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるのに有用な現在知られている又はまだ発見されていない任意の化合物及び組成物が、ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法に使用するための治療薬となり得る。
使用できる治療薬には、多くのイムノフィリン族の細胞タンパク質を結合することにより作用する化合物がある。そのような化合物は「イムノフィリン結合性化合物」として知られる。イムノフィリン結合性化合物には、「リムス(limus)」族の化合物があるが、これに限定されるものではない。使用できる化合物の具体例には、シクロフィリン、シロリムス(ラパマイシン)及びその水溶性類似体SDZ−RAD(Novartis)、TAFA−93(Isotechnika)、タクロリムス、エベロリムス、RAD−001(Novartis)、ピメクロリムス、テムシロリムス、CCI−779(Wyeth)、AP23841(Ariad)、AP23573(Ariad)、及びABT−578(Abbott Laboratories)があるが、これらに限定されるものではない。使用できるリムス化合物の類似体及び誘導体には、米国特許第5527907号、第6376517号、及び第6329386号、並びに米国特許出願第09/950307号(それぞれの内容は、この引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)に記載されている化合物があるが、それらに限定されるものではない。また治療薬は、リムス化合物の類似体、プロドラッグ、塩、及びエステルも含む。
ここで用語ラパマイシン、ラパ、及びシロリムスは、同義なものとして交換可能に使用される。
使用できる他のラパマイシン誘導体には、7−エピ−ラパマイシン、7−チオメチル−ラパマイシン、7−エピ−トリメトキシフェニル−ラパマイシン、7−エピ−チオメチル−ラパマイシン、7−デメトキシ−ラパマイシン、32−デメトキシ−ラパマイシン、2−デスメチル−ラパマイシン、ラパマイシンのモノエステル誘導体及びジエステル誘導体、ラパマイシンの27−オキシム、ラパマイシンの42−オキソ類似体、二環式ラパマイシン類、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、ラパマイシンのアリールスルホネート及びスルファメート、31位及び42位におけるモノエステル及びジエステル、30−デメトキシラパマイシン、並びにVezina et al.,“Rapamycin(AY−22,989),A New Antifungal Antibiotic.I.Taxonomy Of The Producing Streptomycete And Isolation Of The Active Principle”J.Antibiot.(Tokyo)28:721−726(1975);Sehgal et al.,“Rapamycin(AY−22,989),A New Antifungal Antibiotic.II.Fermentaion,Isolation And Characterization”J.Antibiot.(Tokyo)28:727−732(1975);Sehgal et al.,“Demethoxyrapamycin(AY−24,668),A New Antifungal Antibiotic”J.Antibiot.(Tokyo)36:351−354(1983);及びPaiva et al.,“Incorporation Of Acetate,Propionate,And Methionine Into Rapamycin By Streptomycetes hygroscopicus”J Nat Prod 54:167−177(1991),WO92/05179,EP467606,Caufield et al.,“Hydrogenated Rapamycin Derivatives”米国特許第5023262号;Kao et al.,“Bicyclic Rapamycin”米国特許第5120725号;Kao et al.,“Rapamycin Dimers”米国特許第5120727号;Failli et al.,“Silyl Ethers Of Rapamycin”米国特許第5120842号;Failli et al.,“Rapamycin 42−Sulfonates And 42−(N−carboalkoxy)Sulfamates Useful As Immunosuppressive Agents”米国特許第5177203号;Nicolaou et al.,“Total Synthesis Of Rapamycin”J.Am.Chem.Soc.115:4419−4420(1993);Romo et al.,“Total Synthesis Of (−)Rapamycin Using An Evans−Tishchenko Fragment Coupling”J.Am.Chem.Soc.115:7906−7907(1993);及びHayward et al.,“Total Synthesis Of Rapamycin Via A Novel Titanium−Mediated Aldol Macrocyclization Reaction”J.Am.Chem.Soc.,115:9345−9346(1993)(これらのそれぞれの内容は、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に記載されたその他の誘導体があるが、これらに限定されるものではない。
リムス族の化合物を、固体のドラッグ送達システムに使用することができ、また、血管新生を介する眼の病気又は症状(脈絡膜の血管新生を含む)を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるための方法に使用することができる。リムス族の化合物は、AMD(湿性AMDを含む)を治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため使用できる。ラパマイシン並びにラパマイシンの誘導体及び類似体は、血管新生を介する眼の病気又は症状(脈絡膜の血管新生を含む)を予防、治療、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため使用することができる。ラパマイシンは、AMD(湿性AMDを含む)を予防、治療、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるため使用することができる。ある態様において、リムス族の化合物のメンバー又はラパマイシンが、湿性AMD又は血管新生を介する眼の病気又は症状(脈絡膜の血管新生を含む)を治療するため使用される。
使用できる他の治療薬には、以下の特許及び刊行物(それらの内容のそれぞれは、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に開示されたものがある。PCT公報WO2004/027027(2004年4月1日公開、名称「脈絡膜の新生血管形成を抑制する方法」、Trustees of the University of Pennsylvaniaに譲渡)、米国特許第5387589号(1995年2月7日発行、名称「眼の炎症を治療する方法」、発明者Prassad Kulkarni、University of Louisville Research Foundationに譲渡)、米国特許第6376517号(2003年4月23日発行、名称「視力及び記憶障害に対するピペコリン酸誘導体」、GPI NIL Holdings,Incに譲渡)、PCT公報WO2004/028477(2004年4月8日公開、名称「ステロイドを含む治療薬の網膜下投与の方法、脈絡膜及び網膜に薬動力学的作用を局在化する方法、並びに関連する網膜疾患の治療及び又は予防方法」、Innorx Incに譲渡)、米国特許第6416777号(2002年7月9日発行、名称「眼のドラッグ送達装置」、Alcon Universal Ltdに譲渡)、米国特許第6713081号(2004年3月30日発行、名称「眼の治療薬の送達装置及びその装置の製造及び使用方法」、Department of Health and Human Servicesに譲渡)、米国特許第5100899号(1992年3月31日発行、名称「ラパマイシン並びにその誘導体及びプロドラッグを用いた哺乳動物における移植拒絶の抑制方法」)。
使用できる他の治療薬には、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤)、スクアラミン、TPN470類似体及びフマジリン、PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤、Tie−1及びTie−2キナーゼ阻害剤、VEGF受容体キナーゼの阻害剤、Velcade(ベルケード)(商標)のようなプロテオソーム阻害剤(ボルテゾミブ(注射用)、ラニブズマブ(ルセンティス(Lucentis(商標))及び同じ標的に対する他の抗体)、ペガプタニブ(マキュゲン(Macugen(商標))、ビトロネクチン受容体拮抗薬(例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチド拮抗薬)、α−v/β−3インテグリン拮抗薬、α−v/β−1インテグリン拮抗薬、チアゾリジンジオン類(例えばロシグリタゾン又はトログリタゾン)、インターフェロン(γ−インターフェロン又はデキストラン及び金属配位を利用してCNVをねらうインターフェロンを含む)、色素上皮由来因子(PEDF)、エンドスタチン、アンギオスタチン、タムスタチン、キャンスタチン、酢酸アネコルタブ、アセトニド、トリアムシノロン、テトラチオモリブデート、脈管形成因子のRNAサイレンシング又はRNA干渉(RNAi)(VEGF発現を標的とするリボザイムを含む)、Accutane(アキュタン)(商標)(13−シス−レチノイン酸)、ACE阻害剤(キノプリル、カプトプリル、及びペリンドプリルを含むが、これらに限定されない)、mTOR(ラパマイシンの哺乳動物における標的)の阻害剤、3−アミノタリドミド、ペントキシフィリン、2−メトキシエストラジオール、コルヒチン類、AMG−1470、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えばネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、及び(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエテン、t−RNAシンターゼモジュレーター、メタロプロテアーゼ13阻害剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、カリウムチャネル遮断薬、エンドレペリン、6−チオグアニンのプリン類似体、環状過酸化物ANO−2、(組換え)アルギニンデイミナーゼ、エピガロカテキン−3−ガレート、セリバスタチン、スラミンの類似体、VEGFトラップ分子、アポトーシス阻害剤、Visudyne(ビスダイン)(商標)、snET2及びその他の光増感剤(光ダイナミック療法(PDT)とともに使用できる)、肝細胞増殖因子の阻害剤(増殖因子又はその受容体に対する抗体、c−metチロシンキナーゼの小分子阻害剤、HGFの切断物(例えばNK4))がある。
使用できる他の治療薬には抗炎症薬(例えば、非ステロイド性抗炎症薬、及びステロイド性抗炎症薬があるがこれらに限定されない)がある。ある態様において、固体のドラッグ送達システムに使用できる有効な薬剤には、ace−阻害剤、内因性サイトカイン、基底膜に影響を及ぼす薬剤、内皮細胞の成長に影響を及ぼす薬剤、アドレナリン作動薬又は遮断薬、コリン作動薬又は遮断薬、アルドースレダクターゼ阻害剤、鎮痛薬、麻酔薬、抗アレルギー薬、抗菌剤、血圧降下薬、昇圧薬、抗原虫薬、抗ウイルス薬、抗真菌剤、抗感染剤、抗癌薬、代謝拮抗薬、及び血管新生阻害剤がある。
使用できるステロイド性治療薬には、21−アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾル、デフラザコルト、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、エノキソロン、フルアザコルト、フルクロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、フォルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノ−アセテート、プレニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサアセトニド、及びそれらの誘導体の任意のものがあるが、これらに限定されるものではない。
ある態様において、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、及びトリアムシノロン、又はそれらの誘導体を用いることができる。固体のドラッグ送達システムは、2種以上のステロイド性治療薬の組み合わせを含んでもよい。
1つの非限定的な例において、ステロイド性治療薬は、固体のドラッグ送達システムの0.05重量%〜50重量%を構成することができる。もう1つの非限定的な例において、該ステロイドは、固体のドラッグ送達システムの0.05重量%〜10重量%、10重量%〜20重量%、30重量%〜40重量%、又は40重量%〜50重量%を構成する。
使用できる治療薬の他の具体例には、麻酔薬、鎮痛薬、細胞輸送/移動阻止剤(例えばコルヒチン類、ビンクリスチン、サイトカラシンB、及び関連化合物)、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤(例えばアセタゾールアミド、メタゾールアミド、ジクロルフェナミド、ダイアモックス、及び神経保護物質(例えばニモジピン及び関連化合物))、抗生物質(例えばテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、シプロフロキサシン、アミノシド類、ゲンタマイシン、エリスロマイシン及びペニシリン、キノロン、セフタジジム、バンコマイシン、イミペネム、抗真菌薬(例えばアンホテリシンB、フルコナゾール、ケトコナゾール及びミコナゾールなど)抗菌薬(例えばスルホンアミド、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファメチゾール及びスルフィソキサゾール、ニトロフラゾン、並びにプロピオン酸ナトリウム)、抗ウイルス薬(例えばイドクスウリジン、トリフルオロチミジン、トリフルオロウリジン、アシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、インターフェロン、DDI、AZT、ホスカルネット、ビダラビン、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、及び抗サイトメガロウイルス薬)、抗アレルギー薬(例えばクロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、セチリジン、ピリラミン、及びプロフェンピリダミン)、合成グルココルチコイド類及び鉱質コルチコイド類並びにより一般的にはコレステロール代謝に由来するホルモン形(DHEA、プロゲステロン、エストロゲン類)、非ステロイド性抗炎症薬(例えばサリチル酸エステル、インドメタシン、イブプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ピロキシカム、及びCOX2阻害剤)、抗新生物薬(例えばカルムスチン、シスプラチン、フルオロウラシル、アドリアマイシン、アスパラギナーゼ、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビン、デカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシド、エトラチナート、フィルグラスチン、フロキシウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、ロイプロリド、レバミゾール、リムスチン、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトマイシン、ミトタン、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、サルグラモスチン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、タキソール、テニポシド、チオグアニン、ウラシルマスタード、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビンデシン)、免疫学的薬剤(例えばワクチン及び免疫刺激剤)、インスリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン及びペプチド、並びにバソプレシン視床下部放出因子、β−アドレナリン遮断薬(例えばチモロール、レボブノロール及びベタキソロール)、サイトカイン類、インターロイキン類及び成長因子類、上皮成長因子、線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、形質転換成長因子β、毛様体神経栄養成長因子、グリア由来神経栄養因子、NGF、EPO、PLGF、脳神経成長因子(BNGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、及びそのような成長因子に対するモノクローナル抗体又はその断片、抗炎症薬(例えばヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、フルオロメトロン、ベタメタゾン、及びトリアムシノロン)、充血除去薬(例えばフェニレフリン、ナファゾリン及びテトラヒドラゾリン)、縮瞳薬および抗コリンエステラーゼ(例えばピロカルピン、カルバコール、フルオロリン酸ジイソプロピル、ホスホリン・ヨウ素、及び臭化デメカリウム)、散瞳薬(例えばアトロピン硫酸塩、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピン)、交感神経作用薬(例えばエピネフリン、並びに血管収縮剤及び血管拡張剤及び抗凝血薬(例えばヘパリン、フィブリノーゲン阻害剤、フィブリノリシン、抗凝血アクティベース、糖尿病治療薬(例えばアセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、トラザミド、トルブタミド、インスリン及びアルドースレダクターゼ阻害剤、ホルモン類、ペプチド類、核酸類、糖類、脂質類、糖脂質類、糖タンパク質類、及び他の高分子類(例えば内分泌ホルモン類(例えば脳下垂体、インスリン、インスリン関連成長因子、甲状腺、成長ホルモン))、熱ショックタンパク質、免疫応答修飾剤(例えばムラミルジペプチド、シクロスポリン類、インターフェロン類(α−、β−及びγ−インターフェロンを含む)、インターロイキン−2、サイトカイン類、FK506(エポキシ−ピリド−オキサアザシクロトリコシン−テトロン(タクロリムスとしても知られる)、腫瘍壊死因子、ペントスタチン、チモペンチン、形質転換因子β2、エリスロポエチン、抗新生タンパク質(例えば、抗VEGF、インターフェロン類)、抗体(モノクローナル、ポリクローナル、ヒト化など)又は抗体フラグメント、オリゴアプタマー類、アプタマー類及び遺伝子フラグメント(オリゴヌクレオチド、プラスミド、リボザイム、小さな干渉RNA(SiRNA)、核酸フラグメント、ペプチド類、免疫調節剤(例えばエンドキサン、サリドマイド、タモキシフェン)、抗血栓溶解薬及び血管拡張薬(例えばrtPA、ウロキナーゼ、プラスミン)、一酸化窒素供与体、核酸、デキサメタゾン、シクロスポリンA、アザチオプリン、ブレキナル、グスペリムス、6−メルカプトプリン、ミゾリビン、ラパマイシン、タクロリムス(FK−506)、葉酸類似体(例えばデノプテリン、エダトレキサート、メトトレキセート、ピリトレキシム、プテロプテリン、Tomudex(商標登録)、トリメトレキサート)、プリン類似体(例えばクラドリビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チアグアニン)、ピリミジン類似体(例えばアンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ドキシフルリジン、エミテフール、エノシタビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、テガフール)、フルオシノロン、トリアミノロン、酢酸アネコルタブ、フルオロメトロン、メドリゾン、並びにプレドニゾロンがあるが、これらに限定されるものではない。ある態様において免疫抑制剤はデキサメタゾンである。ある態様において免疫抑制剤はシクロスポリンAである。
ある態様において製剤は1種以上の治療薬の組み合わせを含む。
ここに記載される製剤に使用できる治療薬の他の具体例には、抗菌性抗生物質、アミノグリコシド類(例えば、アミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バムベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、フォーチミシン(類)、ゲンタマイシン、イセパマイシン、カナマイシン、マイクロノマイシン、ネオマイシン、ネオマイシンウンデシレネート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、トロスペクトマイシン)、アムフェニコール類(例えば、アジダムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール、チアンフェニコール)、アンサマイシン類(例えば、リファミド、リファンピン、リファマイシンsv、リファペンチン、リファキシミン)、P−ラクタム類(例えば、カルバセフェム類(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム類(例えば、ビアペネム、イミペネム、メロペネム、パニペネム)、セファロスポリン類(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフカペンピボキシル、セフクリジン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セロゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピローム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリルナトリウム、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン、セファロチン、セファピリンナトリウム、セフラジン、ピブセファレキシン)、セファマイシン類(例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、セフミノックス、セフォテタン、セフォキシチン)、モノバクタム類(例えば、アズトレオナム、カルモナム、チゲモナム)、オキサセフェム類、フロモキセフ、モキサラクタム)、ペニシリン類(例えば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシリン、アンピシリン、アパルシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、カルベニシリン、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリンナトリウム、メズロシリン、ナフシリンナトリウム、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタメートヨウ化水素酸塩、ペニシリンgベネタミン、ペニシリンgベンザチン、ペニシリンgベンズヒドリルアミン、ペニシリンgカルシウム、ペニシリンgヒドラバミン、ペニシリンgカリウム、ペニシリンgプロカイン、ペニシリンn、ペニシリンo、ペニシリンv、ペニシリンvベンザチン、ペニシリンvヒドラバミン、ペニメピサイクリン、フェネチシリンカリウム、ピペラシリン、ピバンピシリン、プロピシリン、キナシリン、スルベニシリン、スルタミシリン、タランピシリン、テモシリン、チカルシリン)、リチペネム、リンコサミド類(例えば、クリンダマイシン、リンコマイシン)、マクロライド類(例えば、アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンアシストラート、エリスロマイシンエストレート、グルコヘプタン酸エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、プロピオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン、ジョサマイシン、ロイコマイシン、ミデカマイシン、ミオカマイシン、オレアンドマイシン、プリマイシン、ロキタマイシン、ロサラミシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシン、トロレアンドマイシン)、ポリペプチド類(例えば、アンホマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンデュラシジン、エンビオマイシン、フサフンギン、グラミシジンs、クラミシジン(類)、ミカマイシン、ポリミキシン、プリスチナマイシン、リストセチン、テイコプラニン、チオストレプトン、ツベラクチノマイシン、チロシジン、チロスリシン、バンコマイシン、バイオマイシン、バージニアマイシン、亜鉛バシトラシン)、テトラサイクリン類(例えば、アピサイクリン、クロロテトラサイクリン、クロモサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、グアメサイクリン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、テトラサイクリン)、およびその他(例えば、シクロセリン、ムピロシン、ツベリン)、合成抗菌物質、2,4−ジアミノピリミジン類(例えば、ブロジモプリム、テトロキソプリム、トリメトプリム)、ニトロフラン類(例えば、フラルタドン、塩化フラゾリウム、ニフラデン、ニフラテル、ニフルフォリン、ニフルピリノール、ニフルプラジン、ニフルトイノール、ニトロフラントイン)、キノロン類および類似体(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、フルメキン、グレパフロキサシン、ロメフロキサシン、ミロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキソリン酸、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ピペミド酸、ピロミド酸、ロソキサシン、ルフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、トロバフロキサシン)、スルホンアミド類(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、クロラミン−b、クロラミン−t、ジクロラミンt、n2−ホルミルスルフィソミジン、n4−β−d−グルコシルスルファニルアミド、マフェニド、4’−(メチルスルファモイル)スルファニルアニリド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセタミド、フタリルスルファチアゾール、サラゾスルファジミジン、スクシニルスルファチアゾール、スルファベンザミド、スルファセタミド、スルファクロルピリダジン、スルファクリソイジン、スルファシチン、スルファジアジン、スルファジクラミド、スルファジメトキシン、スルファドキシン、スルファエチドール、スルファグアニジン、スルファグアノール、スルファレン、スルファロクス酸、スルファメラジン、スルファメータ、スルファメタジン、スルファメチゾール、スルファメトミジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファミドクリソイジン、スルファモキソール、スルファニルアミド、4−スルファニルアミドサリチル酸、n4−スルファニリルスルファニルアミド、スルファニリル尿素、n−スルファニリル−3,4−キシルアミド、スルファニトラン、スルファペリン、スルファフェナゾール、スルファプロキシリン、スルファピラジン、スルファピリジン、スルファソミゾール、スルファシマジン、スルファチアゾール、スルファチオ尿素、スルファトラミド、スルフィソミジン、スルフィソキサゾール)、スルホン類(例えば、アセダプソン、アセジアスルホン、アセトスルホンナトリウム、ダプソン、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリム、ソラスルホン、スクシスルホン、スルファニル酸、p−スルファニルベンジルアミン、スルホキソンナトリウム、チアゾールスルホン)、およびその他(例えば、クロフォクトール、ヘキセジン、メテナミン、メテナミンアンヒドロメチレン−クエン酸塩、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、スルホサリチル酸メテナミン、ニトロキソリン、タウロリジン、キシボルノール)、抗真菌性抗生物質、ポリエン類(例えば、アンホテリシンb、カンジシジン、デルモスタチン、フィリピン、フンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペシロシン、ペリマイシン)、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン類、ウンデシレン酸ネオマイシン、ピロールニトリン、シッカニン、ツベルシジン、ビリジン、合成抗真菌薬、アリルアミン類(例えば、ブテナフィン、ナフチフィン、テルビナフィン)、イミダゾール類(例えば、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロルダントイン、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール)、チオカルバメート類(例えば、トルシクラート、トリンダート、トルナフテート)、トリアゾール類(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、テルコナゾール)、アクリソルシン、アモロルフィン、ビフェナミン、ブロモサリチルクロラリニド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロックス、クロキシキン、コパラフィネート、ジアンタゾール二塩酸塩、エキサラミド、フルシトシン、ハレタゾール、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、プロピオン酸ナトリウム、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウジョチオン(ujothion)、ウンデシレン酸、プロピオン酸亜鉛、抗新生物薬、抗生物質及び類似体(例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシンf1、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カルビシン、カルチノフィリン、クロモマイシン類、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ピラルビシン、プリカマイシン、ポルフィロマイシン、プロマイシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ジノスタチン、ゾルビシン)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸類似体(例えば、デノプテリン、エダトレキサート、メトトレキサート、ピリトレキシム、プテロプテリン、Tomudex(登録商標)、トリメトレキサート)、プリン類似体(例えば、クラドリビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン)、ピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ドキシフルリジン、エミテフール、エノシタビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、タガフール)、抗炎症薬、ステロイド性抗炎症薬、アセトキシプレグネノロン、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドナート、エノキソロン、フルアザコルト、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、フォルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、酢酸ハロプレドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、ロテプレドノールエタボネート、マジプレドン、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルバート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノ−アセテート、プレニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル、プレドニリデン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ト
リアムシノロンベネトニド、およびトリアムシノロンヘキサセトニド、非ステロイド性抗炎症薬、アミノアリールカルボン酸誘導体(例えば、エンフェナム酸、エトフェナメート、フルフェナム酸、イソニキシン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルム酸、タルニフルメート、テロフェナメート、トルフェナム酸)、アリール酢酸誘導体(例えば、アセクロフェナク、アセメタシン、アルクロフェナク、アムフェナク、アントルメチングアシル、ブロムフェナク、ブフェキサマク、シンメタシン、クロピラク、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、フェルビナク、フェンクロジン酸、フェンチアザク、グルカメタシン、イブフェナク、インドメタシン、イソフェゾラク、イソキセパク、ロナゾラク、メチアジン酸、モフェゾラク、オキサメタシン、ピラゾラク、プログルメタシン、スリンダク、チアラミド、トルメチン、トロペシン、ゾメピラク)、アリール酪酸誘導体(例えば、ブマジゾン、ブチブフェン、フェンブフェン、キセンブシン)、アリールカルボン酸(例えば、クリダナク、ケトロラク、チノリジン)、アリールプロピオン酸誘導体(例えば、アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ベルモプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェノプロフェン、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、イブプロキサム、インドプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピケトプロレン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プロチジン酸、スプロフェン、チアプロフェン酸、キシモプロフェン、ザルトプロフェン)、ピラゾール類(例えば、ジフェナミゾール、エピリゾール)、ピラゾロン類(例えば、アパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、モラゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピペブゾン、プロピフェナゾン、ラミフェナゾン、スキシブゾン、チアゾリノブタゾン)、サリチル酸誘導体(例えば、アセトアミノサロール、アスピリン、ベノリラート、ブロモサリゲニン、アセチルサリチル酸カルシウム、ジフルニサル、エテルサラート、フェンドサール、ゲンチジン酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸イミダゾール、アセチルサリチル酸リジン、メサラミン、サリチル酸モルホリン、サリチル酸1−ナフチル、オルサラジン、パルサルミド、アセチルサリチル酸フェニル、サリチル酸フェニル、サラセタミド、サリチルアミドo−酢酸、サリチル硫酸、サルサラート、フルファサラジン)、チアジンカルボキサミド類(例えば、アンピロキシカム、ドロキシカム、イソキシカム、ロルノキシカム、ピロキシカム、テノキシカム)、ε−アセトアミドカプロン酸、s−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン、ベンダザック、ベンジダミン、a−ビスアボロール、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモルファゾン、フェプラジノール、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オキサセプロール、パラニリン、ペリソキサール、プロカゾン、スーパーオキシドジスムターゼ、テニダプ、およびジロイトンがあるが、これらに限定されるものではない。
治療薬は、他の治療薬及び療法(例えば、血管新生又は新生血管形成、特にCNVを治療、予防、若しくは抑制する、又はその開始を遅らせる、若しくはその緩解を生じさせるのに有用な薬剤及び療法があるが、それに限定されるものではない)と組み合わせて使用してもよい。ある態様において、さらなる薬剤又は療法は、血管新生又は新生血管形成、特にCNVの緩解をもたらすため使用される。そのようなさらなる薬剤及び療法には、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤)、スクアラミン、TPN470類似体及びフマジリン、PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤、Tie−1及びTie−2キナーゼ阻害剤、VEGF受容体キナーゼの阻害剤、Velcade(ベルケード)(商標)のようなプロテオソーム阻害剤(ボルテゾミブ(注射用)、ラニビズマブ(ルセンティス(Lucentis(商標))及び同じ標的に対する他の抗体)、ペガプタニブ(マキュゲン(Macugen(商標))、ビトロネクチン受容体拮抗薬(例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチド拮抗薬)、α−v/β−3インテグリン拮抗薬、α−v/β−1インテグリン拮抗薬、チアゾリジンジオン類(例えばロシグリタゾン又はトログリタゾン)、インターフェロン(γ−インターフェロン又はデキストラン及び金属配位を利用してCNVをねらうインターフェロンを含む)、色素上皮由来因子(PEDF)、エンドスタチン、アンギオスタチン、タムスタチン、キャンスタチン、酢酸アネコルタブ、アセトニド、トリアムシノロン、テトラチオモリブデート、脈管形成因子のRNAサイレンシング又はRNA干渉(RNAi)(VEGF発現を標的とするリボザイムを含む)、Accutane(アキュタン)(商標)(13−シス−レチノイン酸)、ACE阻害剤(キノプリル、カプトプリル、及びペリンドプリルを含むが、これらに限定されない)、mTOR(ラパマイシンの哺乳動物における標的)の阻害剤、3−アミノタリドミド、ペントキシフィリン、2−メトキシエストラジオール、コルヒチン類、AMG−1470、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えばネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、及び(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエテン、t−RNAシンターゼモジュレーター、メタロプロテアーゼ13阻害剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、カリウムチャネル遮断薬、エンドレペリン、6−チオグアニンのプリン類似体、環状過酸化物ANO−2、(組換え)アルギニンデイミナーゼ、エピガロカテキン−3−ガレート、セリバスタチン、スラミンの類似体、VEGFトラップ分子、肝細胞増殖因子の阻害剤(増殖因子又はその受容体に対する抗体、c−metチロシンキナーゼの小分子阻害剤、HGFの切断物(例えばNK4))、アポトーシス阻害剤、Visudyne(ビスダイン)(商標)、snET2及びその他の光増感剤(光ダイナミック療法(PDT)とともに)、並びにレーザー光凝固術がある。
治療、予防、若しくは抑制できる又は開始を遅らせる若しくはその緩解を生じさせることができる病気及び症状
ここに記載される治療薬、固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて治療、予防若しくは抑制できる又は開始を遅らせる若しくは緩解を生じさせることができる病気及び症状をここに記載する。ある態様において、ここに記載される治療薬を含む1種以上の固体のドラッグ送達システム又は方法を用いて、病気又は症状が治療される。特に断らないかぎり、治療の方法すべてを行うことができる対象は、特に限定されるものではないがヒトである対象を含むことを意図している。
通常、ここに記載される治療薬及び固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成が可能な任意の眼の病気又は症状について、治療、予防、若しくは抑制する又は開始を遅らせる若しくは緩解を生じさせることができる。眼の病気又は症状の例には、新生血管形成(網膜及び/又は脈絡膜の新生血管形成を含む)に伴う病気又は症状があるが、これに限定されるものではない。
ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成が可能な網膜及び/又は脈絡膜の新生血管形成に伴う病気又は症状には、糖尿病性網膜症、黄斑変性、湿性AMD及び乾性AMD、未熟児網膜症(水晶体後線維増殖症)、網膜炎又は脈絡膜炎を誘発する感染、推定眼ヒストプラズマ症、近視性変性、網膜色素線条症、及び眼の外傷があるが、これらに限定されるものではない。ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成が可能な眼の病気又は症状の他の具体例には、弾性線維性仮性黄色腫、静脈閉塞、動脈閉塞、頚動脈閉塞性疾患、鎌状赤血球貧血、イールズ病、近視、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、外傷、ポリープ状脈絡膜血管症、レーザー後の合併症、特発性中心性漿液性網脈絡膜症の合併症、脈絡膜炎症の合併症、ルベオーシス、ルベオーシスに伴う疾患(角の新生血管形成)、血管新生緑内障、ブドウ膜炎及び慢性のブドウ膜炎、黄斑水腫、増殖性網膜症及び血管結合組織又は線維組織の異常な増殖による病気又は症状(増殖性硝子体網膜症のすべての形態(手術後の増殖性硝子体網膜症を含む)を含む)(これらは、糖尿病に伴うものでも伴わないものでもよい)があるが、これらに限定されるものではない。
ブドウ膜炎の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため使用される場合、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、当該技術において知られるとおり、種々の経路により(例えば、眼への投与又は経口投与により)対象に配置することができる。配置の他の方法も、知られており、当該技術において通常の技術である。そのいくつかの具体例がここに挙げられている。
ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法を用いて治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成が可能な1つの病気は、湿性の形態のAMDである。湿性の形態のAMDは、血管が脈絡膜中のその正常な位置から網膜下の望ましくない位置に成長していることを特徴とする。それらの新しい血管からの漏出及び出血が、視力の低下さらに場合によっては失明をもたらす。
乾性の形態のAMDは、網膜色素上皮(すなわちRPE)が変性し、そして光受容細胞の死及び網膜下のドルーゼン(結晶腔)と呼ばれる黄色沈着物の形成をもたらすことに伴うものである。ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法は、乾性の形態のAMDから湿性の形態のAMDへの移行の予防又は遅延のため、用いてもよい。
「黄斑変性」は、黄斑及び網膜における線維性沈積物の過剰な蓄積及び網膜色素上皮の萎縮を特徴とする。ここで使用する場合、黄斑変性を「患う」眼は、黄斑変性の疾患に伴う少なくとも1つの検出可能な身体的特徴を眼が示していることを意味すると解される。ラパマイシンの投与は、過剰な血管新生(例えば、そのような治療がない場合に起こり得る加齢性黄斑変性(AMD))を制限すると考えられる。ここで使用する用語「血管新生」は、組織又は器官内に新しい血管が生成すること(「新生血管形成」)を意味する。眼又は網膜の「血管新生を介する病気又は症状」は、その1つであり、そこにおいて、新しい血管が眼又は網膜において病原性の態様で生成し、その結果、視力の低下や他の障害、例えばAMDに伴う脈絡膜の新生血管形成をもたらす。
ここに記載される固体のドラッグ送達システム(例えばラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムがあるがこれに限定されない)は、種々の免疫関連疾患及び症状(例えば宿主における器官移植拒絶、移植片対宿主の疾患、自己免疫疾患、炎症の疾患、過剰増殖性の血管疾患、固形腫瘍、及び真菌の感染があるが、これらに限定されない)の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成にも使用することができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システム(例えばラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムがあるがこれに限定されない)は、免疫抑制剤として使用できる。ここに記載される固体のドラッグ送達システム(例えばラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムがあるがこれに限定されない)は、移植される器官又は組織(例えば移植される心臓、肝臓、腎臓、脾臓、肺、小腸、膵臓、及び骨髄があるがこれらに限定されない)の拒絶の治療、予防、抑制、又は開始の遅延のため、使用してもよい。免疫関連疾患(例えば移植拒絶があるがこれに限定されない)の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成に使用される場合、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、当該技術において知られるとおり種々の経路(例えば経口投与)により対象に配置することができる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、眼の病気又は症状の予防又は開始の遅延のため使用され、ここで、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)は、眼の病気又は症状を引き起こす危険性が高くなっている。病気又は症状を引き起こす危険性が高くなっている対象は、その病気又は症状がその特定の対象において現れる可能性が高い1つ以上の徴候を有している。
ある態様において、湿性AMDを引き起こす危険性が高い対象は、少なくとも一方の眼において乾性AMDを伴っている。ある態様において、片方の眼で湿性AMDを引き起こす危険性が高い対象は、他方の眼が湿性AMDとなっている。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、CNVを引き起こす危険性が高い対象においてCNVを予防又はその開始を遅延するため(限定されえることなく例えば、対象(限定されることなく例えば一方の眼がAMDであるヒトである対象)の片方の眼においてCNVを予防又はその開始を遅延するため)使用される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、一方の眼がAMDである対象の片方の眼においてCNVを予防又はその開始を遅延するため使用される。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、リムス化合物(限定されることなく例えばラパマイシン)を含む。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、20/40以上の視力を有するヒトである対象の眼の周囲に(限定されることなく例えば結膜下に)投与される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、製剤が投与される眼が20/40以上の視力を有するヒトである対象の眼の周囲に(限定されることなく例えば結膜下に又は強膜を経由して)投与される。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、AMDの治療、予防、又は開始の遅延のため使用される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、乾性AMDの治療、予防、又は開始の遅延のため使用される。ある態様において、限定されることなく例えば非中心性地図状萎縮を有するヒトである対象に、中心性地図状萎縮を治療、予防又はその開始を遅延するため、ここに記載される固体のドラッグ送達システムが投与される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、リムス化合物(限定されることなく例えばラパマイシン)を含む。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、20/40以上の視力を有するヒトである対象の眼の周囲に(限定されることなく例えば結膜下に又は強膜を経由して)投与される。ある態様では、ここに記載される固体のドラッグ送達システムが投与され、そして、対象(限定されることなく例えばヒトである対象)はその病気又は障害を治療するため第2の療法によってさらに治療される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、湿性AMD又は乾性AMDの治療、予防、又は開始の遅延のため使用され、また、対象(限定されることなく例えばヒトである対象)は、ここに記載される製剤又は医薬製剤による治療の前、間又は後のいずれかにおいて、光ダイナミックレーザー療法などのレーザー療法で治療される。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ブドウ膜炎、アレルギー性結膜炎、黄斑水腫、緑内障、又はドライアイの1つ以上を治療するため使用される。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつドライアイの治療、予防、又は開始の遅延のため投与される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつアレルギー性結膜炎の治療、予防、又は開始の遅延のため投与される。
ある態様において、ここに記載される方法又は固体のドラッグ送達システムは、色素性網膜炎を治療するため使用される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつ色素性網膜炎の治療、予防、又は開始の遅延のため使用される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、神経保護作用を有し、かつ色素性網膜炎を治療するため使用される。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜分枝静脈閉塞(BRVO)、網膜血管の疾患及び症状、黄斑水腫、糖尿病性黄斑水腫、虹彩の新生血管形成、糖尿病性網膜症、又は角膜移植拒絶の1種以上を治療するため使用される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつこれらの病気又は症状の1種以上を治療、予防、又はその開始を遅延するため投与される。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、20/40以上の視力を有する眼の結膜下に投与される。
投与経路は本明細書においてさら改めて記載することとする。
ここに記載される方法を用いて治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成が可能な他の病気又は症状には、以下の特許及び刊行物(それらの内容のそれぞれは、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に開示されたものがある。PCT公報WO2004/027027(2004年4月1日公開、名称「脈絡膜の新生血管形成を抑制する方法」、Trustees of the University of Pennsylvaniaに譲渡)、米国特許第5387589号(1995年2月7日発行、名称「眼の炎症を治療する方法」、発明者Prassad Kulkarni、University of Louisville Research Foundationに譲渡)、米国特許第6376517号(2003年4月23日発行、名称「視力及び記憶障害に対するピペコリン酸誘導体」、GPI NIL Holdings,Incに譲渡)、PCT公報WO2004/028477(2004年4月8日公開、名称「ステロイドを含む治療薬の網膜下投与の方法、脈絡膜及び網膜に薬動力学的作用を局在化する方法、並びに関連する網膜疾患の治療及び又は予防方法」、Innorx Incに譲渡)、米国特許第6416777号(2002年7月9日発行、名称「眼のドラッグ送達装置」、Alcon Universal Ltdに譲渡)、米国特許第6713081号(2004年3月30日発行、名称「眼の治療薬の送達装置及びその装置の製造及び使用方法」、Department of Health and Human Servicesに譲渡)、米国特許第5536729号(1996年7月16日発行、名称「経口投与用ラパマイシン製剤」、American Home Products Corpに譲渡)、並びに米国特許出願第60/503840号及び第10/945682号。
所定量の固体のドラッグ送達システムを投与する場合、該固体のドラッグ送達システムの投与に使用することができる種々の器具又は装置の正確さには多少あいまいさが存在すると考えられる。従って所定量が特定される場合、それは目標とする量であると解される。
治療薬がラパマイシンである場合、固体のドラッグ送達システムは、湿性AMDの治療に有効なラパマイシンの量を硝子体において維持するよう、使用することができる。1つの非限定的な具体例において、ある期間にわたり10pg/ml〜2μg/mlの濃度のラパマイシンを硝子体において維持するようラパマイシンを送達するドラッグ送達システムが、湿性AMDの治療のため使用され得ると考えられる。もう1つの非限定的な具体例において、ある期間にわたり0.01pg/mg〜10ng/mgの濃度のラパマイシンを網膜脈絡膜において維持するようラパマイシンを送達するドラッグ送達システムが、湿性AMDの治療のため使用され得ると考えられる。治療薬の他の治療上有効な量も可能であり、それは、本明細書の開示から当業者によって容易に決定できることである。
治療薬がラパマイシンである場合、対象(限定されることなく例えばヒトである対象)又は対象の眼にある用量のラパマイシンを送達するため、ここに記載される固体のドラッグ送達システムを使用することができる。1つの非限定的な具体例において、20μg〜4mgの用量を含む固体のドラッグ送達システムを湿性AMDの治療のため使用することができると考えられる。
送達される治療薬成分の量は、ラパマイシンと等価な濃度で表すこともできる。ここで使用する用語「ラパマイシンと等価な濃度」は、ある病気又は症状(ここに記載される病気及び症状を含むが、それらに限定されない)を治療、予防、遅延、又は抑制するための特定の用量のラパマイシンとほぼ同じ効能をインビボで有する治療薬の濃度を指す。ある非限定的な例として、湿性AMDの治療において効力又は効能がラパマイシンの約25分の1であることが分かっている治療薬の場合、25ng/mlの該治療薬の濃度が、湿性AMDの治療に使用されるとき、1ng/mlのラパマイシンの濃度と等価になる。
例えば、種々の量又は濃度で病気のモデル系(例えばインビボ又はインビトロのモデル系)に治療薬を投与し、そして該モデル系での結果を種々の量又は濃度のラパマイシンの結果と比較することにより、当業者は、本明細書の開示に基づいて、ラパマイシンの量又は濃度と等価な所定の治療薬の量又は濃度を決定することができる。また、ラパマイシンと他の治療薬を比較して行われた実験について科学文献を検討することにより、当業者は、本明細書の開示に基づいて、ラパマイシンの量又は濃度と等価な所定の治療薬の量又は濃度を決定することができる。当然のことながら、例えば、異なる病気又は障害が評価される場合、あるいは、異なる種類の製剤が使用される場合、同じ治療薬であってもラパマイシンと等価なレベルが異なることがあり得る。眼の病気についてラパマイシンと他の治療薬を比較検討した科学文献の例には、Ohia et al.,Effects of steroids and immunosuppressive drugs on endotoxin−uveitis in rabbits,J.Ocul.Pharmacol.8(4):295−307(1992);Kulkarni,Steroidal and nonsteroidal drugs in endotoxin−induced uveitis,J.Ocul.Pharmacol.10(1):329−34(1994);Hafizi et al.,Differential effects of rapamycin,cyclosporine A,and FK506 on human coronary artery smooth muscle cell proliferation and signaling,Vascul Pharmacol.41(4−5):167−76(2004);及び米国特許出願第2005/0187241号があるが、これらに限定されるものではない。
例えば、湿性AMDのモデルにおいて、ある治療薬の効力又は効能が湿性AMDの治療においてラパマイシンの約10分の1であると分かっている場合、10ng/mlの該治療薬の濃度が、1ng/mlのラパマイシンの濃度と等価になる。あるいは、湿性AMDの治療においてある治療薬の効力又は効能がラパマイシンの約10分の1であると分かっている場合、該治療薬は、ラパマイシンの量に対して10倍の量で投与されることになる。
固体のドラッグ送達システムの調製方法
当該技術において当業者に知られている種々の方法を、ここに記載される固体のドラッグ送達システムの調製に使用することができる。その1つの方法において、固体のドラッグ送達システムは、治療薬を賦形剤(限定されることなく例えば溶媒)と混合し、必要に応じて他の1種又は複数種の賦形剤を加え、そして得られる固体のドラッグ送達システムを成形することにより、調製することができる。ある態様において、固体のドラッグ送達システムが調製された後は、該固体のドラッグ送達システムから溶媒が実質的に除去されている。ある態様において、溶媒は公知の乾燥方法により蒸発させられる。
固体のドラッグ送達システムを成形する種々の方法が使用され得る。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、型を用いて(ナイフ−オーバー−ロール)剥離コーティング紙又はポリエステルフィルムのシート上にフィルムとしてキャストされる。得られる固体のドラッグ送達システムは、その後ある大きさ及び形に、型で打ち抜くことができる。
ある態様において、治療薬及び1種又は複数種の賦形剤は、熱溶融により混合される。その混合物は、押出成形機及び型を介して送られ、固体のドラッグ送達システムとなる。また該混合物は、特定の形及び大きさの薄片に射出成形することもできる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、米国特許出願第60/772018号(2006年2月9日出願、代理人事件番号57796−30010.00、名称「安定な製剤、並びにその調製及び使用の方法」、その内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)に記載される方法によって安定にされる。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、米国特許出願第60/772018号(2006年2月9日出願、代理人事件番号57796−30010.00、名称「安定な製剤、並びにその調製及び使用の方法」、その内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)に記載される方法により調製されるか又は調製可能である。
治療の方法
特に明言しない限り、ここに記載される治療薬の任意のものが、ここに記載される病気又は症状の任意のものを治療、予防若しくは抑制する又はその開始を遅らせる若しくはその緩解を生じさせる方法に使用することができる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムの任意の1種以上を使用して、ここに記載される方法により、ここに記載される1種以上の治療薬を送達する。通常、治療薬は、治療上有効な量の治療薬を対象に又は必要な治療期間対象に送達できる任意の固体のドラッグ送達システムに、製剤化することができる。ある態様において、必要な治療期間は、病気又は症状の予測された期間の間有効量の治療薬を送達することが予測される徐放性の固体のドラッグ送達システムを1回投与することにより、満たされる。ある態様において、必要な治療期間は、固体のドラッグ送達システム(例えば徐放性製剤があるがこれに限定されない)を複数回投与することにより、満たされる。ある態様において、複数回の投与は、異なる時点で、同じ時点で異なる部位に、又はそれらの組合せにより、行われる。
ここで使用する用語、治療薬の投与により病気又は症状を「抑制する」は、該病気又は症状における少なくとも1つの検出可能な身体的特徴又は症状の進行が、治療薬の投与を行わない場合の該病気又は症状の進行と比べて、治療薬の投与後、遅らされる又は停止させられることを意味する。
ここで使用する用語、治療薬の投与により病気又は症状を「予防する」は、該病気又は症状における検出可能な身体的特徴又は症状が、治療薬の投与後、現れないことを意味する。
ここで使用する用語、治療薬の投与により病気又は症状の「開始を遅延する」は、該病気又は症状における少なくとも1つの検出可能な身体的特徴又は症状が、治療薬の投与を行わない場合の該病気又は症状の進行と比べて、治療薬の投与後、より遅い時点に現れることを意味する。
ここで使用する用語、治療薬の投与により病気又は症状を「治療する」は、該病気又は症状における少なくとも1つの検出可能な身体的特徴又は症状の進行が、治療薬の投与を行わない場合の該病気又は症状の進行と比べて、治療薬の投与後、遅らされる、停止させられる、又は逆行させられることを意味する。
ここで使用する用語、治療薬の投与により病気又は症状の「緩解を生じさせる」は、該病気又は症状における少なくとも1つの検出可能な身体的特徴又は症状の進行が、治療薬の投与後、ある程度逆行させられることを意味する。
当業者は、予防することが望ましい又は予防が必要な対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)を、本明細書の開示から、当該分野において確立されている方法及び基準により識別又は特定することができる。また当業者は、本明細書の開示から、当該分野において血管新生及び/又は新生血管形成を特定又は識別するため確立された基準に基づき、抑制又は治療が必要な個人又は個体を容易に診断することができる。
ここで使用される用語「対象」は、通常、ここに記載される治療薬の投与によって恩恵をうけることができる任意の動物を指す。ある態様において治療薬は哺乳動物である対象に投与される。ある態様において治療薬はヒトである対象に投与される。ある態様において治療薬は家畜動物である対象に投与することができる。ある態様において治療薬はモデル実験動物である対象に投与することができる。
ここに記載される投与のための治療薬の「有効な量」(本明細書において「治療上有効な量」ともいう)は、対象(ヒトである対象を含むがこれに限定されない)に投与されるとき必要な治療効果をもたらす治療薬の量を指す。異なる治療効果を得るには、異なる有効量の治療薬が必要となり得る。例えば、ある病気又は症状の予防に使用される治療薬の治療上有効な量は、その病気又は症状の治療、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成に使用される治療上有効な量と異なる場合がある。さらに、治療上有効な量は、扱う病気又は症状に精通している者にとってよく知られているとおり、対象の年齢、体重、及びその他の健康状態によって変わってくる。従って、治療上有効な量は、治療薬が投与される対象それぞれにおいて同じではない場合がある。
また、ある特定の病気又は症状を治療、予防若しくは抑制する又はその開始を遅延する若しくはその緩解を生じさせるための治療薬のある有効量は、本明細書において、該病気又は症状を治療、予防若しくは抑制する又はその開始を遅延する若しくはその緩解を生じさせるのに有効である治療薬の量も意味する。
治療薬のあるレベルが、「病気及び症状」の項に記載される病気及び症状の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため「治療上有効な量」であるかどうかを判定する方法の具体例として、例えば限定されることなく、対象とする病気又は症状のインビトロモデル又は動物モデルに固体のドラッグ送達システムを投与することができ、そしてその効果を観察することができる。さらに、治療薬の治療上有効な量を決定するため、ヒトの投与量決定臨床試験を行うことができる。
投与の経路
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、ここに記載される1つ以上の投与経路によって、対象(ヒトの対象を含むがこれに限定されない)に投与することができる。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、対象又は対象の眼に配置することができ、限定されることなく例えば、ヒトである対象において、トノン(テノン)下に配置でき、後強膜近傍に配置でき、あるいは、結膜に又は結膜の近傍に配置でき、強膜と結膜の間の領域に又はその領域の近傍に配置でき、あるいは、強膜に又はその近傍に配置できる。そのように配置された固体のドラッグ送達システムは治療薬を送達することができる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法は、病気又は症状を治療、予防若しくは抑制すべき又はその開始を遅延すべき若しくはその緩解を生成すべき領域の近傍に1種以上の治療薬を送達する。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システム及び方法は、対象の眼(黄斑及び網膜脈絡膜を含む)に1種以上の治療薬を、「病気及び症状」の項に記載される病気及び症状の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成に有効な量及び期間、送達する。
ここで使用する用語「網膜脈絡膜」及び「網膜脈絡膜組織」は、同義であり、眼の網膜と脈絡膜を合わせた組織を指す。
限定されることなくある具体例として、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、CNV及び湿性AMDの治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため有効な量及び期間、ヒトである対象において、トノン下、後強膜近傍、又は、結膜若しくは結膜の近傍、強膜と結膜の間の領域若しくはその領域の近傍、又は、強膜又はその近傍に、その組織への直接投与又は眼の周囲の経路のいずれかによって配置することができる。有効な量及び期間は、CNV及び湿性AMDの治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のそれぞれに応じて異なってくる場合があり、また、種々の送達の部位のそれぞれに応じて異なってくる場合がある。網膜のドラッグ送達のための典型的な眼の周囲の経路の詳細については、Periocular routes for retinal drug delivery,Raghava et al.,(2004),Expert Opin.Drug Deliv.1(1):99−114(その内容はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)を参照されたい。
投与経路には、鉗子を介する固体のドラッグ送達システムの配置、体内の媒質への注入による固体のドラッグ送達システムの配置、例えば、眼内への配置及び眼周囲への配置があるが、これらに限定されるものではない。
硝子体内投与は、いくつかの他の種類の眼の処置よりも侵襲性である。有害な作用の可能性があるため、硝子体内投与は、相対的に健康な眼の治療には最適でない場合がある。対照的に、眼の周囲での投与(例えば結膜下での投与)は、硝子体内投与より侵襲性がかなり低い。眼の周囲の経路によって治療薬を送達する場合、硝子体内投与を用いて治療する場合に比べて、より健康な眼の患者を治療することが可能になり得る。ある態様において、眼の病気又は症状の予防又は開始の遅延のため、結膜下への配置が用いられ、そこにおいて、対象の眼は20/40以上の視力を有している。
ここで使用する「結膜下」への配置又は注入は、強膜と結膜の間への配置又は注入を指す。本明細書において結膜下は「sub−conj」投与とも呼ばれる場合がある。結膜下送達は、治療薬を含む固体のドラッグ送達システムを結膜の下に又は強膜と結膜の間の領域に配置又は注入することによるものとすることができる。治療薬を配置する結膜下の部位への局部的な圧力のため、局部的な脈絡膜血流の減少による治療薬の後区への送達は上昇し得る。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、鉗子を用いる配置又は注入により配置することができる。ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、対象又は対象の眼への送達のため、眼、眼の周囲、又は他の領域における種々の位置に配置することができる。ある態様において、厚みが最大2mmであり長さが最大5mmである固体のドラッグ送達システムを、対象の眼に又は対象の眼の近傍に配置する。
治療薬を含む固体のドラッグ送達システムを硝子体内に配置すれば、硝子体及び網膜における治療薬の局部的濃度を高めることができる。さらに、硝子体における薬剤のクリアランスの半減期は、分子量とともに増加することが明らかになっている。
前眼房内送達、例えば眼の前眼房への配置又は注入による前眼房内送達を用いることもできる。
トノン下への配置は、眼の上部の周りのトノン(テノン)嚢(眼球鞘)及び上直筋の「腹部(膨らんだ部分)」に治療薬を配置又は注入することによるものとすることができる。
眼球後ろへの配置は、例えば4つの直筋の円錐区分及びそれらの筋間中隔に注入することによる、眼球の後ろへの配置を指す。
眼球周囲への配置は、4つの直筋及びそれらの筋間中隔の範囲の外(すなわち筋肉円錐の外)の位置とすることができる。
後強膜近傍への配置は、眼球に穴を開けることなく、強膜の外表面に直に接して黄斑の近く及び上に治療薬を配置することを指す。
網膜のドラッグ送達のため眼の周囲の経路を介する配置又は注入の典型的な方法又は部位の詳細については、Periocular routes for retinal drug delivery,Raghava et al.,(2004),Expert Opin.Drug Deliv.1(1):99−114(その内容はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)を参照されたい。
ある態様において、固体のドラッグ送達システムは、強膜を経由する送達のため、種々の手段(例えば、手術によって形成された強膜弁の内側への配置、及び強膜外表面近傍への配置があるがこれらに限定されない)により、眼のある領域に配置される。固体のポリマーインプラントを配置できる場所には、結膜下、トノン下、及び強膜内があるが、これらに限定されるものではない。
強膜弁への配置のある態様では、診療室、処置室、又は手術室のいずれかにおいて、標準的な手術前の方法で準備を眼に施すことができ、強膜を露出させ、そして、適当なメスにより弁の形成を行う。縫合が必要な場合もあれば不要な場合もある。強膜外表面近傍への配置のある態様では、診療室、処置室、又は手術室のいずれかにおいて、標準的な手術前の方法で準備を眼に施し、強膜を露出させ、そして固体のポリマーインプラントを、強膜外表面に配置するか又は取り付ける。
固体のドラッグ送達システムを投与するため使用できる投与経路には、対象(限定されることなく例えばヒトである対象)の眼に固体のドラッグ送達システムを配置することが含まれるが、これに限定されるものではない。固体のドラッグ送達システムは全身投与することができ、以下の送達経路が含まれるが、それらに限定されるものではない。直腸、膣、輸液、筋肉内、腹腔内、動脈内、髄腔内、気管支内、槽内、皮膚、皮下、皮内、経皮、静脈内、頚管内、腹内、頭蓋内、眼内、肺内、胸内、気管内、鼻、頬、舌下、経口、非経口、又は噴霧又はエーロゾル(エーロゾル噴射薬を用いた)。
1種以上の治療薬を含む固体のドラッグ送達システムは、種々の方法を用いて眼に直接投与することができる。そのような方法には、(1)注射器及び皮下針を使用する注射により固体のドラッグ送達システムを投与する方法、(2)特別に設計した器具又は装置を用いて固体のドラッグ送達システムを配置する方法、(3)固体のドラッグ送達システムを配置する前に、外科的にポケットを強膜内に形成し、固体のドラッグ送達システムの貯留所として機能させる方法があるが、これらに限定されるものではない。例えば、1つの投与法において、外科医によって眼の強膜内にポケットが形成され、次いで治療薬を含む固体のドラッグ送達システムが該ポケット内に配置される。
他の投与法には、治療薬を含む固体のドラッグ送達システムを網膜脈絡膜又は黄斑の1つ以上の近くに配置する方法があるが、これに限定されるものではない。
治療薬がラパマイシンである場合、硝子体に対して有効量のラパマイシンを送達又は維持するため、固体のドラッグ送達システムを使用することができる。1つの非限定的具体例では、硝子体において10pg/ml〜2μg/mlの濃度のラパマイシンをもたらすことができる量でラパマイシンを送達する送達システムが、湿性AMDの治療のため使用できると考えられる。もう1つの非限定的具体例では、網膜脈絡膜に0.01pg/mg〜10ng/mgの濃度のラパマイシンを送達する送達システムが、湿性AMDの治療のため使用できると考えられる。当業者によれば、他の有効量を容易に明らかにすることができる。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムを送達するため使用できる1つの方法は、注入による送達である。この方法において、固体のドラッグ送達システムは、対象(限定されることなく例えばヒトである対象)又は対象の眼への送達のため、対象又は対象の眼若しくはその近傍に注入又は移植することができる。注入には、眼内への配置若しくは注入又は眼の周囲への配置若しくは注入があるが、これらに限定されるものではない。
「眼の周囲」への投与経路は、眼の近く又は周りへの配置を意味する。対象の眼又はその近傍にある配置位置について、例えば前眼房内、眼周囲、例えば結膜下、トノン下、眼球後、眼球周囲、及び後強膜近傍の送達があるが、これらに限定されるものではない。
結膜下への配置は、治療薬を含む固体のドラッグ送達システムを結膜の下又は強膜と結膜の間に注入又は他の態様で配置することによるものとすることができる。トノン下への配置は、眼の上部の周りのトノン嚢(眼球鞘)及び上直筋の「腹部(膨らんだ部分)」に治療薬を含む固体のドラッグ送達システムを注入又は他の態様で配置することによるものとすることができる。眼球後ろへの配置は、眼球の後ろにおいて4つの直筋の円錐区分及びそれらの筋間中隔に注入又は他の態様で配置することによるものとすることができる。眼球周囲への配置は、4つの直筋及びそれらの筋間中隔の範囲の外(すなわち筋肉円錐の外)の位置とすることができる。後強膜近傍への配置は、眼球に穴を開けることなく、強膜の外表面に直に接して黄斑の近く及び上に治療薬を配置することによるものとすることができる。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、眼内に配置される。眼内配置は、眼の中への配置を含む。
固体のドラッグ送達システムが投与できる部位には、硝子体、眼房水、強膜、結膜、強膜と結膜の間、網膜脈絡膜、強膜の外表面、黄斑、又は対象の眼内又は眼の近傍のその他の領域があるが、これらに限定されるものではない。固体のドラッグ送達システムを配置するため使用できる方法には、注入があるが、これに限定されるものではない。
治療薬がラパマイシンである場合、AMDの治療に有効な量のラパマイシンを眼の組織(限定されることなく例えば網膜、脈絡膜、又は硝子体)に対して送達又は維持するため、固体のドラッグ送達システムを使用することができる。限定されることなく1つの具体例では、硝子体において0.1pg/ml〜2μg/mlの濃度のラパマイシンをもたらすことができる量でラパマイシンを送達する固体のドラッグ送達システムが、湿性AMDの治療のため使用できると考えられる。限定されることなくもう1つの具体例では、網膜脈絡膜に0.1pg/mg〜1μg/mgの濃度のラパマイシンを送達する固体のドラッグ送達システムが、湿性AMDの治療のため使用できると考えられる。当業者によれば、本明細書の開示に基づいて他の有効濃度を容易に明らかにすることができる。
AMD治療用ラパマイシンを送達するための硝子体内及び結膜下の固体のドラッグ送達システムの配置
ここに記載される1つの方法において、眼内の血管新生(例えばAMDにおいて見られるようなCNV)の予防、治療、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため、ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムは結膜下に配置される。ラパマイシンは、米国特許出願第10/665203号に記載されるように、ラット及びマウスのモデルにおいてCNVを抑制することが明らかにされている。ラパマイシンは、全身投与又は網膜下投与されるとき、Matrigel(マトリゲル)(商標)及びレーザーによって誘発されるCNVを抑制することが認められている。さらに、ラパマイシンの眼周囲への注入によってレーザーにより誘発されるCNVが抑制される。
眼の血管新生(例えばCNV)の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため眼(特に眼の硝子体)に投与できる他の治療薬には、ラパマイシン以外のリムス族の化合物のメンバー(例えばエベロリムス及びタクロリムス(FK−506)があるがこれらに限定されない)がある。
ここに記載するとおり、治療薬の用量は、扱われている症状、その症状が治療すべきものか、予防すべきものか、抑制すべきものか、開始を遅らせるべきものか、あるいは緩解を生じさせるべきものか、特定の治療薬、そして、他の臨床上の要因(例えば対象の体重及び健康状態、並びに治療薬の投与経路)によって変わってくる。当然のことながら、ここに記載される方法及び固体のドラッグ送達システムは、ヒトと家畜の両方に用途があり、さらには他の可能な動物にも用途がある。ある態様において、ここに記載される方法に使用されるラパマイシンの濃度は、組織の濃度で0.1pg/ml又はpg/mg、組織の濃度で1pg/ml又はng/mg以上、組織の濃度で0.01ng/ml又はng/mg以上、組織の濃度で0.1ng/ml又はng/mg以上、組織の濃度で0.5ng/ml又はng/mg以上、組織の濃度で少なくとも1ng/mL、組織の濃度で2ng/ml以上、組織の濃度で3ng/ml以上、組織の濃度で5ng/ml以上、組織の濃度で10ng/ml以上、組織の濃度で15ng/ml以上、組織の濃度で20ng/ml以上、組織の濃度で30ng/ml以上、又は組織の濃度で50ng/ml以上のラパマイシンをもたらすものである。使用される投与経路及び投与期間に応じてどのようにすれば適当な濃度に到達できるかは、当業者にとって明らかなことである。
通常、固体のドラッグ送達システムにおいて投与されるラパマイシンの量は、必要な時間、眼の病気又は症状を治療、予防若しくは抑制する又はその開始を遅延する若しくはその緩解を生じさせるのに十分な量である。
1つの方法において、20μg〜10mgの量のラパマイシンを含む本開示の固体のドラッグ送達システムが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、30μg〜9mgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、10μg〜90μgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、60μg〜120μgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、100μg〜400μgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、400μg〜1mgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、1mg〜5mgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、3mg〜7mgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、5mg〜10mgの量のラパマイシンが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。
もう1つの方法において、20μg〜10mgの量のラパマイシンを含む本開示の固体のドラッグ送達システムが血管新生の治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、30μg〜9mgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、10μg〜90μgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、60μg〜120μgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、100μg〜400μgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、400μg〜1mgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、1mg〜5mgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、3mg〜7mgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、5mg〜10mgの量のラパマイシンがヒトである対象に投与される。
1つの方法において、20μg〜10mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬を含む本開示の固体のドラッグ送達システムが湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、30μg〜9mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、10μg〜90μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、60μg〜120μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、100μg〜400μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬が湿性AMDの治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、400μg〜1mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、1mg〜5mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、3mg〜7mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、5mg〜10mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与される。
もう1つの方法において、20μg〜10mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬を含む本開示の固体のドラッグ送達システムが血管新生(限定されることなく例えば脈絡膜の新生血管形成)の治療のためヒトである対象に投与される。もう1つの方法において、30μg〜9mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、10μg〜90μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、60μg〜120μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、100μg〜400μgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、400μg〜1mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、1mg〜5mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、3mg〜7mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与され、もう1つの方法において、5mg〜10mgの量のラパマイシンと等価な量の治療薬がヒトである対象に投与される。
ここに記載される治療薬の送達は、投与経路及び投与期間に応じて、例えば、1ng/日〜100μg/日の用量範囲で、又はその範囲より高い若しくは低い用量で、行うことができる。ここに記載の方法に使用される固体のドラッグ送達システムのある態様において、治療薬は、0.1μg/日〜10μg/日の用量範囲で送達される。ここに記載の方法に使用される固体のドラッグ送達システムのある態様において、治療薬は、1μg/日〜5μg/日の用量範囲で送達される。ここに記載される種々の病気及び症状を治療、予防、抑制する又はその開始を遅延させる若しくはその緩解を生じさせるための種々の治療薬の用量は、臨床試験の使用によって正確に求めることができる。さらに、用量範囲には、米国特許第6376517号及び第5387589号(それらの内容は、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に開示されるものが含まれる。
ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、CNVの治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため、長期間、治療上有効な量のラパマイシンを、眼に配置するため、特に、結膜の近傍、強膜と結膜の間、外科的に導入された強膜弁内に配置するため、使用することができ、あるいは、強膜に又は強膜の近傍に取り付ける又は付着させることができ、あるいはトノン下、後強膜近傍、眼球後、又は上直筋の近傍に配置するため使用することができ、従って、湿性AMDの治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため使用することができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システムの特定の性質(限定されることなく例えば固体のドラッグ送達システムの形、大きさ、位置付け、及び成分)を変えることにより、ここに記載される固体のドラッグ送達システムを使用して、種々の長い期間にわたって治療上有効な量のラパマイシンを眼に送達することができ、例えば、治療量を少なくとも30日、少なくとも60日、少なくとも90日、少なくとも120日、少なくとも150日、少なくとも180日、少なくとも210日、少なくとも240日、少なくとも270日、少なくとも300日、少なくとも330日、又は少なくとも360日送達することができる。
特定の病気又は症状の治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のため、ある長期間治療上有効な量の治療薬を持続して送達することが望ましい場合がある。治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成がなされる病気又は症状に応じて、この持続期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも9ヶ月、又は少なくとも1年とすることができる。しかし通常、任意の持続期間の送達が可能である。長期間治療上有効な量の薬を送達するのに十分な濃度の薬を対象又は対象の眼において長期間維持する固体のドラッグ送達システムにより、治療上有効な量の薬を長期間送達することができる。
治療上有効な量の治療薬をある長期間送達することは、1種の固体のドラッグ送達システムを配置することにより、あるいは、2種以上の固体のドラッグ送達システムの投与の適用により達成することができる。そのような複合的適用の非限定的具体例として、湿性AMDの治療、予防、抑制、開始の遅延、又は緩解の生成のために3ヶ月間ラパマイシンの治療量を維持することは、3ヶ月間ある治療量を送達する1つの固体のドラッグ送達システムを配置することにより、又は、複数の固体のドラッグ送達システムを順次適用することにより、達成することができる。最適な用量は、送達が必要な治療薬の治療量、及び送達が必要な期間によって変わってくる。そのような持続的な治療薬の送達投与に精通する者は、本明細書の開示に基づいて、使用できる投与計画をいかにして決定すればよいか分かるはずである。
ここに記載される治療薬の送達は、投与経路及び投与期間に応じて、例えば、1ng/日〜100μg/日の用量範囲で、又はその範囲より高い若しくは低い用量で、行うことができる。ここに記載の方法に使用される固体のドラッグ送達システムのある態様において、治療薬は、0.1μg/日〜10μg/日の用量範囲で送達される。ここに記載の方法に使用される固体のドラッグ送達システムのある態様において、治療薬は、1μg/日〜5μg/日の用量範囲で送達される。ここに記載される種々の病気及び症状を治療、予防、抑制する又はその開始を遅延させる若しくはその緩解を生じさせるための種々の治療薬の用量は、臨床試験の使用によって正確に求めることができる。
治療上有効な量のラパマイシンを湿性AMDの対象に投与する場合、該ラパマイシンによって湿性AMDの治療、抑制又は緩解が可能になる。治療、抑制、又は緩解の生成に必要な治療上の有効量は異なる場合がある。湿性AMDの対象は、CNVの病変を有することがあり、治療上有効な量のラパマイシンの投与は、種々の効果(例えば、CNV病変の緩解、CNV病変の安定化、及び活性なCNV病変の進行の阻止があるが、これらに限定されない)をもたらし得ると考えられる。
治療上有効な量のラパマイシンを乾性AMDの対象に投与する場合、ラパマイシンは乾性AMDから湿性AMDへの進行を予防する又は遅くすることができると考えられる。
接眼装置近傍へ増殖阻害剤を投与する方法
ある態様において、眼の症状は、接眼装置の近傍に増殖阻害剤を投与することにより治療される。
ある態様において該接眼装置は緑内障ドレナージ装置である。
最も一般的に、緑内障ドレナージ装置は、眼房水から体液を排出するため使用することができる任意の装置である。緑内障ドレナージ装置には、シャント、ステント、管、膜、弁、又はそれらの組み合わせを含む装置があるが、これに限定されるものではない。緑内障ドレナージ装置には、米国特許第6007510号及び第6142969号(それらの内容はこの引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に記載されるもの、Optonol Ex−Press(商標) Miniature Glaucoma Implant(510(k)番号K012852)、Ahmed Glaucoma Valve(510(k)番号K980657)、OptiMed Glaucoma Shunt(510(k)番号K903462)、及びBaerveldt Glaucoma Shunt(510(k)番号K905129及びK955455)があるが、これらに限定されるものではない。さらなる緑内障ドレナージ装置には、米国特許出願第60/666872号(2005年3月30日出願、代理人事件番号57796−30007.00、名称「緑内障ドレナージ装置」)に記載されたものがあるが、これに限定されるものではない。
一旦患者に移植されると、接眼装置(例えば緑内障ドレナージ装置)は、細胞の増殖を引き起こし得、それは、装置が機能しなくなるようにしたり、有効期間を短くしたりする可能性がある。1種以上の増殖阻害剤とともに接眼装置を用いる方法及び装置をここに記載する。増殖阻害剤を緑内障ドレナージ装置にコーティングすることができ、あるいは緑内障ドレナージ装置の作製に使用する材料に増殖阻害剤を組み込むことができ、あるいは移植された緑内障ドレナージ装置の近傍に増殖阻害剤を送達するよう、増殖阻害剤の送達源を投与することができる。これらのことは、さらに米国特許出願第60/666872号(2005年3月30日出願、代理人事件番号57796−30007.00、名称「緑内障ドレナージ装置」)。ここに記載される方法、装置、及び組成物において、特に明言しない限り、1種以上の増殖阻害剤を使用することができる。使用できる増殖阻害剤は、ここに記載され、例えば、表題「接眼装置とともに使用するための増殖阻害剤」の項に記載されるものや米国特許出願第60/666872号(2005年3月30日出願、代理人事件番号57796−30007.00、名称「緑内障ドレナージ装置」)に記載されたものを含むが、それらに限定されるものではない。
ここに記載される方法、装置、及び組成物のある態様において、増殖阻害剤はラパマイシンである。
緑内障ドレナージ装置を1種以上の増殖阻害剤の送達源とともに使用する方法をここに記載する。緑内障ドレナージ装置の移植により引き起こされる細胞の増殖を抑えることができる量の増殖阻害剤をある期間ある位置に送達できる任意の送達源を通常使用することができる。ここに記載される固体のドラッグ送達システムに加えて、使用できる1種又は複数種の増殖阻害剤の送達源には、例えば1種又は複数種の増殖阻害剤を含む固体のインプラント、自己乳化型製剤、液体製剤、溶液、懸濁物、眼の媒質に置かれるとき1種又は複数種の増殖阻害剤を含むゲルを形成することができる製剤、その場でゲル化する製剤、乳剤、及び眼の媒質に置かれるとき1種又は複数種の増殖阻害剤を含む非分散性の集合体を形成できる製剤があるが、これらに限定されるものではない。使用できる1種又は複数種の増殖阻害剤の送達源には、以下の特許出願(それぞれの内容はこの引用によりそっくり本明細書に記載されたものとする)に記載される製剤及び装置が含まれるが、それらに限定されるものではない。出願第10/665203号(2003年9月18日出願、代理人事件番号559092000100、名称「脈絡膜の新生血管形成を抑制する方法」)、出願第10/945682号(2004年9月20日出願、代理人事件番号577962000100、名称「強膜を経由する送達」)、出願第60/651790号(2005年2月9日出願、代理人事件番号577963000200、名称「眼の治療のための製剤」)、出願第60/664040号(2005年3月21日出願、代理人事件番号577963000400、名称「病気又は症状を治療するための液体製剤」)、出願第60/664119号(2005年3月21日出願、代理人事件番号577963000500、名称「病気又は症状を治療するためのドラッグ送達システム」)、出願第60/664306号(2005年3月21日出願、代理人事件番号577963000600、名称「病気又は症状を治療するためのその場でゲル化する製剤及び液体製剤」)、出願第11/351844号(2006年2月9日出願、代理人事件番号57796−2000200、名称「眼の治療用製剤」)、出願第11/351761号(2006年2月9日出願、代理人事件番号57796−2000400、名称「病気又は症状を治療するための液体製剤」)、及び出願第60/772018号(2006年2月9日出願、代理人事件番号57796−3001000、名称「安定な製剤」)。
増殖阻害剤の送達源は、緑内障ドレナージ装置から離れていても、それに取り付けられていてもよい。限定されることなく具体例として、増殖阻害剤の送達源は、増殖阻害剤を放出することができる任意の固体のドラッグ送達装置又は他の製剤とすることができ、その固体の構造物は、緑内障ドレナージ装置に取り付けるか又は組み込むことができる。使用できる増殖阻害剤を放出することが可能な固体の構造物には、増殖阻害剤を含む貯留器があるが、これに限定されるものではない。
ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは緑内障を治療するため使用される。ある態様においてここに記載される緑内障治療用の固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつ外科手術による合併症を予防、抑制、又は遅延する外科用補助薬として使用される。ある態様において、ここに記載される緑内障治療用の固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつ外科手術によるインプラントの成果を高め又は持続させるため使用される。ある態様において、ここに記載される緑内障治療用の固体のドラッグ送達システムは、ラパマイシンのようなリムス化合物を含み、かつアルゴンレーザートラベクレクトミーの成果又は他の緑内障に関連する手術の成果を高め又は持続させるため使用される。ある態様において、ここに記載される固体のドラッグ送達システムは、神経保護作用を有し、そして緑内障を治療するため使用される。
増殖阻害剤の送達源は、該送達源を配置できる任意の方法(限定されることなく例えば固体のドラッグ送達システムの注入及び配置)を用いて眼の適当な位置に配置することができる。ここに記載される装置−送達源の組合せの1つにおいて、増殖阻害剤の送達源は強膜の外に配置することができ、そして強膜を介して増殖阻害剤を送達することができる。
ここに記載される装置と増殖阻害剤送達源の組合せの1つにおいて、該装置は、米国特許第6142969号の図1に示されるような装置の形態をとるか、又は、同特許の他の図に示されるような他の類似の装置形態をとる。そのような装置と送達源の組合せの1つにおいて、増殖阻害剤の送達源は、16の符号がついた管端部の近傍に配置できる固体の装置である。そのような装置と送達源の組合せのもう1つにおいて、増殖阻害剤の送達源は、図1において24の符号がついた部分の近傍に配置できる固体の装置である。そのような装置と送達源の組合せのもう1つにおいて、増殖阻害剤の送達源は、眼房水の体液に対して透過性又は半透過性の構造物である。そのような装置の1つにおいて、透過性又は半透過性の構造物は、図1において16の符号がついた管端部の近傍に配置される。そのような装置の1つにおいて、透過性又は半透過性の構造物は、網状の構造物又はスポンジ状の構造物であり、あるいは、増殖阻害剤を取り込んで増殖阻害剤の送達源として作用することができる多孔質の発泡構造物である。
ここに記載される緑内障ドレナージ装置の任意のもの、及びここに記載される増殖阻害剤の任意の1種以上を含むキットをここに記載する。
ここに記載される増殖阻害剤送達源の任意の1種以上とともにここに記載される緑内障ドレナージ装置を使用することによって眼房水から体液を排出する方法をここに記載する。ここに記載される増殖阻害剤の送達源と緑内障ドレナージ装置の組合せは、緑内障ドレナージ装置を単独で用いて対処することができる病気又は症状(例えば米国特許出願第60/666872号並びに米国特許第6007510号及び第6142969号に記載される病気及び症状があるが、それらに限定されるものではない)のいずれに対しても、その対処に使用することができる。
ある態様において、増殖阻害剤を含む固体のドラッグ送達装置又は製剤は、接眼装置の近傍に該固体のドラッグ送達システムを配置した後、少なくとも14日、少なくとも30日、少なくとも45日、少なくとも60日、少なくとも90日、又は少なくとも105日の期間、接眼装置の近傍で細胞の増殖を抑えるため有効な量の治療薬を送達する。
接眼装置とともに使用するための増殖阻害剤
ある態様において、ここに記載される方法及び製剤は増殖阻害剤を含む。ある態様において、増殖阻害剤は、所望の効果を有する任意の増殖阻害剤である。ある態様において、増殖阻害剤は、「治療薬」の項に記載される任意の増殖阻害剤である。ある態様において、増殖阻害剤は、「治療薬」の項に記載されるようなイムノフィリン結合性化合物又はリムス化合物である。ある態様において、増殖阻害剤は、「治療薬」の項に記載されるようなステロイド性薬剤であり、またある態様において、該ステロイド性薬剤は「治療薬」の項に記載される量で存在する。ある態様において、増殖阻害剤は、複数種の治療薬の組合せである。ある態様において、増殖阻害剤は、1種以上の他の治療薬(例えば併用療法に関して「治療薬」の項に挙げられた治療薬があるが、それらに限定されるものではない)と組み合わせて使用される。
ある態様において、増殖阻害剤は、以下の特許及び刊行物(それらの内容のそれぞれは、この引用により本明細書にそっくり記載されたものとする)に開示されたものの1種以上である。PCT公報WO2004/027027(2004年4月1日公開、名称「脈絡膜の新生血管形成を抑制する方法」、Trustees of the University of Pennsylvaniaに譲渡)、米国特許第5387589号(1995年2月7日発行、名称「眼の炎症を治療する方法」、発明者Prassad Kulkarni、University of Louisville Research Foundationに譲渡)、米国特許第6376517号(2003年4月23日発行、名称「視力及び記憶障害に対するピペコリン酸誘導体」、GPI NIL Holdings,Incに譲渡)、PCT公報WO2004/028477(2004年4月8日公開、名称「ステロイドを含む治療薬の網膜下投与の方法、脈絡膜及び網膜に薬動力学的作用を局在化する方法、並びに関連する網膜疾患の治療及び又は予防方法」、Innorx Incに譲渡)、米国特許第6416777号(2002年7月9日発行、名称「眼のドラッグ送達装置」、Alcon Universal Ltdに譲渡)、米国特許第6713081号(2004年3月30日発行、名称「眼の治療薬の送達装置及びその装置の製造及び使用方法」、Department of Health and Human Servicesに譲渡)、米国特許第5100899号(1992年3月31日発行、名称「ラパマイシン並びにその誘導体及びプロドラッグを用いた哺乳動物における移植拒絶の抑制方法」)。
ある態様において、増殖阻害剤は、ピロリジン、ジチオカルバメート(NFκB阻害剤)、スクアラミン、TPN470類似体及びフマジリン、PKC(プロテインキナーゼC)阻害剤、Tie−1及びTie−2キナーゼ阻害剤、VEGF受容体キナーゼの阻害剤、Velcade(ベルケード)(商標)のようなプロテオソーム阻害剤(ボルテゾミブ(注射用)、ラニビズマブ(ルセンティス(Lucentis(商標))及び同じ標的に対する他の抗体)、ペガプタニブ(マキュゲン(Macugen(商標))、ビトロネクチン受容体拮抗薬(例えばビトロネクチン受容体型インテグリンの環状ペプチド拮抗薬)、α−v/β−3インテグリン拮抗薬、α−v/β−1インテグリン拮抗薬、チアゾリジンジオン類(例えばロシグリタゾン又はトログリタゾン)、インターフェロン(γ−インターフェロン又はデキストラン及び金属配位を利用してCNVをねらうインターフェロンを含む)、色素上皮由来因子(PEDF)、エンドスタチン、アンギオスタチン、タムスタチン、キャンスタチン、酢酸アネコルタブ、アセトニド、トリアムシノロン、テトラチオモリブデート、脈管形成因子のRNAサイレンシング又はRNA干渉(RNAi)(VEGF発現を標的とするリボザイムを含む)、Accutane(アキュタン)(商標)(13−シス−レチノイン酸)、ACE阻害剤(キノプリル、カプトプリル、及びペリンドプリルを含むが、これらに限定されない)、mTOR(ラパマイシンの哺乳動物における標的)の阻害剤、3−アミノタリドミド、ペントキシフィリン、2−メトキシエストラジオール、コルヒチン類、AMG−1470、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えばネパフェナク、ロフェコキシブ、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、NS398、セレコキシブ、バイオックス、及び(E)−2−アルキル−2(4−メタンスルホニルフェニル)−1−フェニルエテン、t−RNAシンターゼモジュレーター、メタロプロテアーゼ13阻害剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、カリウムチャネル遮断薬、エンドレペリン、6−チオグアニンのプリン類似体、環状過酸化物ANO−2、(組換え)アルギニンデイミナーゼ、エピガロカテキン−3−ガレート、セリバスタチン、スラミンの類似体、VEGFトラップ分子、アポトーシス阻害剤、Visudyne(ビスダイン)(商標)、snET2及びその他の光増感剤(光ダイナミック療法(PDT)とともに使用できる)、肝細胞増殖因子の阻害剤(増殖因子又はその受容体に対する抗体、c−metチロシンキナーゼの小分子阻害剤、HGFの切断物(例えばNK4))の1種以上である。
実施例1(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システム)
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを以下の成分を用いて調製した(ここでパーセントは総重量に対する成分の重量の割合である)。47.7%ラパマイシン(LC laboratories(Woburn,MA)及びChunghwa Chemical Synthesis & BioTech.Co,Ltd(Taiwan)から入手)、23.25%PVP K90(BASFから入手)、23.25%Eudragit RL100(Rohm Pharma Polymersから入手)、及び5.8%PEG400(DOW Chemicalから入手)。簡単に説明すると以下のとおりである。Eudragit RL100を、ボトル中の純エタノールとPEG400の混合物に加えた。渦ミキサーを用いて激しく撹拌することによりEudragit RL100を溶解した。PVP90をPEG400、エタノール及びEudragit RL100の溶液に加えた。渦ミキサーを用いてPVP90をさらに溶解した。最後にラパマイシンを加え、そしてよく混合して均一な溶液を得た。この溶液は粘性及び粘着性を有するものであった。シリコーンで被覆したポリエステルフィルム上に、ロール−オーバーGardner Knife(ガードナーナイフ)を用いて、必要な厚みで、この溶液をフィルムとしてキャストした。湿ったフィルムを、フードの下、一夜乾燥して、エタノールを除去した(蒸発させた)。一旦エタノールを除去してから、フィルムを乾燥し、はがした。フィルムを型で裁断し(打ち抜き)、必要な直径を有する円形の薄片とした。
実施例2(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システムの結膜下配置)
実施例1に記載した固体のドラッグ送達システム約1.5〜2.5mgを、ニュージーランドホワイトラビットの眼の強膜と結膜の間の領域に配置した。簡単に説明すると以下のとおりである。バナス(vannas)鋏により結膜に小さな切れ目を入れて、固体のドラッグ送達システムを結膜下の空間に挿入し、結紮用摂子を用いて挿入した。固体のドラッグ送達システムを結膜の下に配置した後、結膜を一針又は二針縫うことにより閉じた。
図1は、固体のドラッグ送達システムを配置した後、1日目、14日目、28日目、75日目、95日目、及び107日目の硝子体(ng/ml)、網膜脈絡膜(ng/mg)、及び強膜(ng/mg)に存在するラパマイシンのレベル(濃度)を示している。
この分析は、眼を解剖して以下に特定する組織を取り出した後、LCMS(液体クロマトグラフィー質量分析)によって行った。1日目、14日目及び28日目の時点は、2匹のウサギのそれぞれについて2つの眼(それぞれの時点で4つの眼)の平均値を示している。75日目は、1匹のウサギの2つの眼の平均値を示している。95日目は、1匹のウサギ2つの眼ともう1匹のウサギの1つの眼の平均値を示している。107日目は、1匹のウサギの2つの眼の平均値を示している。
完全な硝子体をホモジナイズし分析した。硝子体の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した硝子体の体積で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して硝子体に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
結膜下への配置後、1日目、14日目、28日目、75日目、95日目、及び107日目の硝子体におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約11.35、約5.025、約8.325、約13、0.83、約6.43ng/mlであった。
完全な網膜脈絡膜をホモジナイズし分析した。網膜脈絡膜の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した網膜脈絡膜の質量で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して網膜脈絡膜に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日目、14日目、28日目、75日目、95日目、及び107日目の網膜脈絡膜におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約1.0716、約0.11975、約0.27775、約0.161、約0.07、約0.037ng/mgであった。
強膜を網膜脈絡膜と同様に分析した。強膜の試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいた可能性がある。従って、この測定は、おそらく強膜からのラパマイシンのクリアランスを示すものであったが、サンプリングのため多少不正確なものになった可能性がある。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日目、14日目、28日目、75日目、95日目、及び107日目の強膜におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約1.517、0.51、1.40675、0.1265、0.06、0.27ng/mgであった。
実施例3(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システム)
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを以下の成分を用いて調製した(ここでパーセントは総重量に対するものである)。10.2%ラパマイシン、89.8%PVP K90。ラパマイシン及びPVP K−90をエタノールに溶解した。フィルムを剥離被覆紙上にキャストし、乾燥して溶媒を蒸発させ、そして得られた薄片を所定の大きさと形に型で裁断した。
実施例4(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システムの結膜下配置)
実施例3に記載した固体のドラッグ送達システム約1mgを、実施例2に記載したとおり、ニュージーランドホワイトラビットの眼の強膜と結膜の間の領域に配置した。
図2は、固体のドラッグ送達システムを配置した後、1日目、5日目、7日目、及び8日目の硝子体に存在するラパマイシンのレベル(濃度)(ng/ml)を示している。
この分析は液体クロマトグラフィー及び質量分析によるものであった。すべての時点は、1匹のウサギの2つの眼の平均値を示している。
完全な硝子体をホモジナイズし分析した。硝子体の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した硝子体の体積で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して硝子体に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日目、5日目、7日目、及び8日目の硝子体におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約68.70、5.50、0.80、0.85ng/mlであった。
図3は、固体のドラッグ送達システムを配置した後、1日目、5日目、7日目、及び8日目の網膜脈絡膜に存在するラパマイシンのレベル(濃度)(ng/mg)を示している。
完全な網膜脈絡膜をホモジナイズし分析した。網膜脈絡膜の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した網膜脈絡膜の質量で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して網膜脈絡膜に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日目、5日目、7日目、及び8日目の網膜脈絡膜におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約0.285、0.025、0.0435、0.0165ng/mgであった。
実施例5(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システム)
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを以下の成分を用いて調製した(ここでパーセントは総重量に対する成分重量の割合である)。45.13%ラパマイシン(LC laboratories(Woburn,MA)及びChunghwa Chemical Synthesis & BioTech.Co,Ltd(Taiwan)から入手)、40.03%PVP K90(BASFから入手)、9.7%Eudragit RL100(Rohm Pharma Polymersから入手)、及び5.14%PEG400(DOW Chemicalから入手)。この固体のドラッグ送達システムは実施例1のとおり調製した。
実施例6(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システムの結膜下配置)
実施例5に記載した固体のドラッグ送達システム約1.5〜2.5mgを、実施例2に記載したとおり、ニュージーランドホワイトラビットの眼の強膜と結膜の間に配置した。
図4は、固体のドラッグ送達システムを配置した後、14日目、42日目、63日目、及び91日目の硝子体(ng/ml)、網膜脈絡膜(ng/mg)、及び強膜(ng/mg)に存在するラパマイシンのレベル(濃度)を示している。
この分析はLCMS(液体クロマトグラフィー−質量分析)により行った。14日目、42日目、63日目、及び91日目のそれぞれの時点は、2匹のウサギそれぞれの2つの眼(各時点において4つの眼)の平均値を示している。
完全な硝子体をホモジナイズし分析した。硝子体の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した硝子体の体積で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して硝子体に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、14日目、42日目、63日目、及び91日目の硝子体におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約5.7、約2.6、約5.7、約9.3ng/mlであった。
完全な網膜脈絡膜をホモジナイズし分析した。網膜脈絡膜の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した網膜脈絡膜の質量で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して網膜脈絡膜に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、14日目、42日目、63日目、及び91日目の網膜脈絡膜におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約3.3、6.3、約0.41、約0.27ng/mgであった。
強膜を網膜脈絡膜と同様に分析した。強膜の試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいた可能性がある。従って、この測定は、おそらく強膜からのラパマイシンのクリアランスを示すものであったが、サンプリングのため多少不正確なものになった可能性がある。
固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、14日目、42日目、63日目、及び91日目の強膜におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約164、14.6、1.75、2.1ng/mgであった。
実施例7(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システム)
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを以下の成分を用いて調製した(ここでパーセントは総重量に対する成分重量の割合である)。19.33%ラパマイシン、21.78%PVP K90、24.56%PEG 400、及び34.33%純エタノール。簡単に説明すると以下のとおりである。PVP及びラパマイシンを、ボトル中においてPEG400と純エタノールの混合物に加えた。そして混合物を激しく混合して均一な粘性懸濁物を得た。この粘性懸濁物を、スパーテルを用いてマイクロカップの形状の裏打ち材に塗布した。
このマイクロカップは、非生侵食性(非生分解性)の熱可塑性ポリエーテルエーテルケトンからなるものであった。マイクロカップは、Battenfeld Microsystem 50の装置を用いる射出成形により製造され、薄く浅いソーサーの形に成形されたものであった。マイクロカップはRapiwerks LLCによって調製された。
実施例8(ラパマイシンを含有する固体のドラッグ送達システムの結膜下配置)
実施例7に記載した固体のドラッグ送達システム約0.5mgを、実施例2に記載したとおり、ニュージーランドホワイトラビットの眼の強膜と結膜の間に配置した。固体のドラッグ送達システムの治療薬の部分を、強膜に対抗して配置した(なお、固体のドラッグ送達システムは、眼の水分のため付着する)。固体のドラッグ送達システムのマイクロカップの部分を結膜の方向に向け、結膜の方向へのラパマイシン拡散を制限した。
図5は、固体のドラッグ送達システムを配置した後、21日目、35日目、及び37日目の眼房水に存在するラパマイシンのレベル(濃度)(ng/ml)を示している。
ウサギが生きている間、29〜30ゲージ針をつけたツベルクリン注射器によってウサギの眼から約50μl〜約100μlを取り出した。取り出した眼房水の量を測定し、その試料を凍結し、後に分析した。分析は液体クロマトグラフィー質量分析によるものであった。すべての時点は、1匹のウサギの2つの眼の平均値を示している。
眼房水の平均濃度は、測定したラパマイシンの質量を、分析した眼房水の体積で割ることにより算出した。試料は固体のドラッグ送達システムを含んでいなかった。従って、この測定は、固体のドラッグ送達システムを介して眼房水に送達されたラパマイシンのレベルを示すものであった。
21日目の試料は、2匹のウサギそれぞれについて2つの眼(合計4つの眼)の平均値であった。35日目の試料は、ウサギの眼1つのものであった。37日目の試料は、2つの眼それぞれの平均値であった。固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、21日目、35日目、及び37日目の眼房水におけるラパマイシンの平均濃度はそれぞれ、約0.76、0.056、0.09ng/mlであった。
実施例9
ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムを以下の成分を用いて調製した(ここでパーセントは総重量に対する成分重量の割合である)。44.62%ラパマイシン(LC laboratories(Woburn,MA)及びChunghwa Chemical Synthesis & BioTech.Co,Ltd(Taiwan)から入手)、39.77%PVP K90(BASFから入手)、9.93%Eudragit RL100(Rohm Pharma Polymersから入手)、及び5.68%PEG400(DOW Chemicalから入手)。この固体のドラッグ送達システムは実施例1のとおり調製した。
固体のドラッグ送達システムは5℃で保存され、その結果、以下の表1に示す安定性を有した。
標準的なHPLCにより安定性を測定した。各時点で3つの試料を分析した。
表1
Figure 2008533204
実施例10(固体のドラッグ送達システム)
固体のドラッグ送達システムの実施例及び変形例(これらに限定されるものではない)を調製した。それらを表2に一覧として示す。
ここに引用したすべての文献(特許、特許出願、及び刊行物を含む)は、すでに援用したか否かにかかわらず、この引用により、それらの内容がそっくり本明細書に記載されたものとする。
表2 固体のドラッグ送達システム
Figure 2008533204
Figure 2008533204
Figure 2008533204
47.7%ラパマイシン、23.25%PVP K90、5.8%PEG400、及び23.25% Eudragitからなる固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日、14日、28日、75日、95日、及び107日でのウサギの眼の硝子体(ng/ml)、網膜脈絡膜(ng/ml)、及び強膜(ng/ml)におけるラパマイシンの濃度を示す図である。 10.2%ラパマイシン及び89.8%PVP K90からなる固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日、5日、7日、及び8日でのウサギの眼の網膜脈絡膜におけるラパマイシンの濃度(ng/ml)を示す図である。 10.2%ラパマイシン及び89.8%PVP K90からなる固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、1日、5日、7日、及び8日でのウサギの眼の硝子体におけるラパマイシンの濃度(ng/ml)を示す図である。 45.13%ラパマイシン、40.03%PVP K90、9.7% Eudragit RL100、及び5.14%PEG400からなる固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、14日、42日、63日、及び91日でのウサギの眼の硝子体、網膜脈絡膜、及び強膜におけるラパマイシンの濃度(ng/ml)を示す図である。 裏打ちを有する固体のドラッグ送達システムを結膜下に配置した後、25日、35日、及び37日でのウサギの眼の房水におけるラパマイシンの濃度(ng/ml)を示す図であり、ここで該固体のドラッグ送達システムは、19.33%ラパマイシン、21.78%PVP K90、24.56%PEG400、及び34.33%エタノールからなる。

Claims (47)

  1. ラパマイシンを含む固体のドラッグ送達システムであって、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも1pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである、固体のドラッグ送達システム。
  2. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも10pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  3. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも1ng/mlのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも100pg/mgのラパマイシン平均濃度を達成するのに十分な量でラパマイシンを送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量のラパマイシンを送達するものである、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  4. 治療薬を含む固体のドラッグ送達システムであって、該固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.01ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも1pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである、固体のドラッグ送達システム。
  5. 前記治療薬がリムス化合物である、請求項4に記載の固体のドラッグ送達システム。
  6. 前記治療薬が、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、シクロフィリン類、TAFA−93、RAD−001、テムシロリムス、AP23573、7−エピ−ラパマイシン、7−チオメチル−ラパマイシン、7−エピ−トリメトキシフェニル−ラパマイシン、7−エピ−チオメチル−ラパマイシン、7−デメトキシ−ラパマイシン、32−デメトキシ−ラパマイシン、2−デスメチル−ラパマイシン、ラパマイシンのモノエステル誘導体、ラパマイシンのジエステル誘導体、ラパマイシンの27−オキシム、ラパマイシンの42−オキソ類似体、二環式ラパマイシン、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、アリールスルホン酸ラパマイシン、スルファミン酸ラパマイシン、31位及び42位でのモノエステル、31位及び42位でのジエステル、30−デメトキシラパマイシン、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである、請求項4に記載の固体のドラッグ送達システム。
  7. 前記治療薬が、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである、請求項6に記載の固体のドラッグ送達システム。
  8. 前記固体のドラッグ送達システムは、少なくとも部分的に前記治療薬を透過させない裏打ち部を有する、請求項1または請求項7に記載の固体のドラッグ送達システム。
  9. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも10pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである、請求項4に記載の固体のドラッグ送達システム。
  10. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.05pg/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである、請求項9に記載の固体のドラッグ送達システム。
  11. 前記ドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で前記ラパマイシンが存在する、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  12. 前記固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量でポリビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  13. 前記固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量でポリアクリレートを含む、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  14. 前記ラパマイシンが前記固体のドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で存在し、さらに、該固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量でポリビニルピロリドンを含み、かつ該固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量でポリアクリレートを含む、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  15. 前記固体のドラッグ送達システムは、20μg〜4mgのラパマイシンを含有する、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  16. 前記固体のドラッグ送達システムは、20μg〜2.5mgのラパマイシンを含有する、請求項1に記載の固体のドラッグ送達システム。
  17. ヒトである対象における湿性の加齢性黄斑変性を治療するための方法であって、加齢性黄斑変性の治療が必要なヒトである対象の眼の近傍に、請求項1または請求項4に記載の固体のドラッグ送達システムを配置することを包含する、方法。
  18. ヒトである対象における湿性の加齢性黄斑変性を予防するための方法であって、加齢性黄斑変性の予防が必要なヒトである対象の眼の近傍に、請求項1または請求項4に記載の固体のドラッグ送達システムを配置することを包含する、方法。
  19. 前記眼は強膜外面のある強膜を有するものであり、かつ前記固体のドラッグ送達システムは、該強膜外面の近傍に配置されるか又は強膜弁内に配置される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記固体のドラッグ送達システムは、強膜と結膜の間に配置される、請求項17に記載の方法。
  21. 前記ヒトである対象は、前記固体のドラッグ送達システムが投与される眼において湿性の加齢性黄斑変性を発症する危険性が高いと特定されたものである、請求項18に記載の方法。
  22. 前記ヒトである対象は、少なくとも一方の眼において乾性の加齢性黄斑変性を有している、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ヒトである対象は、一方の眼に湿性の加齢性黄斑変性を有しており、かつ前記固体のドラッグ送達システムは、湿性の加齢性黄斑変性がない眼に投与される、請求項21に記載の方法。
  24. 治療薬、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリレートを含む固体のドラッグ送達システムであって、該治療薬が、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、シクロフィリン類、TAFA−93、RAD−001、テムシロリムス、AP23573、7−エピ−ラパマイシン、7−チオメチル−ラパマイシン、7−エピ−トリメトキシフェニル−ラパマイシン、7−エピ−チオメチル−ラパマイシン、7−デメトキシ−ラパマイシン、32−デメトキシ−ラパマイシン、2−デスメチル−ラパマイシン、ラパマイシンのモノエステル誘導体、ラパマイシンのジエステル誘導体、ラパマイシンの27−オキシム、ラパマイシンの42−オキソ類似体、二環式ラパマイシン、ラパマイシン二量体、ラパマイシンのシリルエーテル、アリールスルホン酸ラパマイシン、スルファミン酸ラパマイシン、31位及び42位でのモノエステル、31位及び42位でのジエステル、30−デメトキシラパマイシン、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである、固体のドラッグ送達システム。
  25. リムス化合物、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリレートを含む固体のドラッグ送達システム。
  26. 前記治療薬が、ラパマイシン、SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、CCI−779、AP23841、ABT−578、並びにそれらの製薬上許容される塩及びエステルからなる群より選択されるものである、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  27. ポリエチレングリコールをさらに含む、請求項26に記載の固体のドラッグ送達システム。
  28. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.1ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.01ng/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである、請求項26に記載の固体のドラッグ送達システム。
  29. 前記固体のドラッグ送達システムは、ウサギの眼の強膜と結膜の間に配置されるとき、
    (a)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の硝子体において少なくとも0.5ng/mlのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること、及び
    (b)該固体のドラッグ送達システムの投与後、少なくとも90日の期間、該ウサギの眼の網膜脈絡膜において少なくとも0.05ng/mgのラパマイシン濃度と等価な治療薬平均濃度を達成するのに十分な量で該治療薬を送達すること
    からなる群より選択される送達プロフィールで、ある量の該治療薬を送達するものである、請求項28に記載の固体のドラッグ送達システム。
  30. 前記ドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で前記治療薬が存在する、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  31. 前記固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量で前記ポリビニルピロリドンが存在する、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  32. 前記固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量で前記ポリアクリレートが存在する、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  33. 前記ポリアクリレートがポリメタクリレートである、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  34. 前記治療薬が前記固体のドラッグ送達システムの1%w/w〜60%w/wの量で存在し、前記ポリビニルピロリドンが該固体のドラッグ送達システムの15%w/w〜45%w/wの量で存在し、かつ前記ポリアクリレートが該固体のドラッグ送達システムの5%w/w〜30%w/wの量で存在する、請求項24に記載の固体のドラッグ送達システム。
  35. 少なくとも部分的に前記治療薬を透過させない裏打ち部を備える、請求項26に記載の固体のドラッグ送達システム。
  36. 接眼装置の配置を必要とする対象において眼の症状を治療する方法であって、該接眼装置の配置のため選択された部位の近傍に増殖阻害剤を含む製剤を投与することを包含する、方法。
  37. 前記製剤は、前記接眼装置の配置の前に、該接眼装置の配置と同時に又は該接眼装置の配置の後に、投与される、請求項36に記載の方法。
  38. 前記増殖阻害剤は、リムス化合物又はその製薬上許容される塩若しくはエステルである、請求項36に記載の方法。
  39. 前記リムス化合物がラパマイシンである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記接眼装置が緑内障ドレナージ装置である、請求項36に記載の方法。
  41. 前記接眼装置が、シャント、ステント、管、膜、弁、又はそれらの一つ以上の組み合わせを備える、請求項39に記載の方法。
  42. 前記方法は、前記接眼装置の近傍で細胞の増殖を低下させる、請求項36に記載の方法。
  43. 前記製剤は、溶液、懸濁物、エマルション、自己乳化型製剤、その場でゲル化する製剤、又は固体のドラッグ送達システムである、請求項36に記載の方法。
  44. 前記製剤は、前記接眼装置の近傍に、少なくとも約30日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の増殖阻害剤を送達する、請求項36に記載の方法。
  45. 前記製剤は、前記接眼装置の近傍に、少なくとも約60日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の前記治療薬を送達する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記製剤は、前記接眼装置の近傍に、少なくとも約90日の期間、細胞の増殖を低下させるのに有効な量の前記治療薬を送達する、請求項45に記載の方法。
  47. 前記増殖阻害剤はラパマイシンであり、かつ前記接眼装置は緑内障ドレナージ装置である、請求項36に記載の方法。
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