本発明の化合物
第一の態様において、本発明は構造
[ここで、
R1はHを表し;
R2は−NH2を表し;
LはOを表し;
MはCHであり;
nは1であり;
n’は0、1もしくは2であり;
Gはメチルもしくはトリフルオロメチルであり;
G’はメチルもしくはアミノであり;
Jはピリジルもしくはピリミジルであり;
Yはフェニル、ピリジルもしくはピリミジルである]
の化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩に関する。
第二の態様において、本発明は
6−(2,6−ジメチルフェニル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン)
(6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミン)
(N6−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−4,5’−ビピリミジン−2,6−ジアミン)
(6−フェニル−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン)
(6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン)
よりなる群から選択される化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩に関する。
別の態様において、本発明は式(I)
[式中、
R1はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルを表し;
R2は(C1〜C3)アルキル、シクロプロピル、O(C1〜C3)アルキルもしくはNR3R4を表し、
ここで、R3およびR4はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルであり;
R2aはHもしくはハロゲンを表し;
MはCHもしくはNを表し;
Lはカルボニル基、O、NR5、CR6R7もしくは場合によりハロゲンおよびOHから独立して選択される基で2回まで置換されていてもよい(C2〜C3)アルキレニルを表し;ここで、
R5はHもしくは(C1〜C3)アルキルであり;そして
R6およびR7は独立してH、CH3、ハロゲンもしくはOHであり;
Jは
よりなる群から選択される芳香環もしくは複素芳香環(heteroaromatic ring)を表し;
Yは
よりなる群から選択される芳香環もしくは複素芳香環を表し;
ここで、R8はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;
G”は(C1〜C3)アルキル、シクロプロピル、O(C1〜C3)アルキル、ハロゲン、CF3、CNおよびCO2R9よりなる群から選択される置換基を表し;
ここで、
R9はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
mは置換基G”の数を表し、そして0、1もしくは2であり;
Gは環J上に位置する置換基を表し;
G’は環Y上に位置する置換基を表し;
nは置換基Gの数を表し;そして
n’は置換基G’の数を表し;
nおよびn’は独立して0、1、2もしくは3であり、
1)環Jおよび環Yは各々、環JおよびY上に最大計4個の置換基まで、番号G1〜G2として以下に記載する置換基で3回まで独立して置換されることができ、
2)環Jおよび環Yは各々、環JおよびY上に最大計3個の置換基まで、番号G3〜G11として以下に記載する置換基で2回まで独立して置換されることができ、そして
3)環Jおよび環Yは各々、番号G12〜G37として以下に記載するものから選択される置換基で1回独立して置換されることができる
という条件に従い;
そしてさらなる条件
4)Jがフェニルである場合、GはOHもしくはアルキルチオ以外であり;そしてJがフェニルもしくはピリジルである場合、nは1、2もしくは3であり;
5)Jがフェニルであり、そしてGが以下に示すG4である場合、R2はNR3R4である
に従い;
GおよびG’部分は:
G1)ハロゲン;
G2)場合によりO(C1〜C2)アルキルで2回まで置換されていてもよいO(C1〜C4)アルキル;
G3)OH;
G4)場合によりヒドロキシルおよびシアノから選択される基で2回まで、もしくはハロゲンで3回まで独立して置換されていてもよい(C1〜C5)アルキル;
G5)OCF3;
G6)NHC(O)(C1〜C3)アルキル;
G7)NHSO2(C1〜C3)アルキル;
G8)NR10R11、ここで、
R10およびR11はH、CH3、シクロプロピル、ベンジル、NR12R13(ここで、R12およびR13は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルであり、ただし、R10とR11の両方が同時にNR12R13ではない)および場合によりハロゲンで3
回までそしてヒドロキシル、O(C1〜C3)アルキルおよびNR14R15から独立して選択される置換基で2回まで置換されていてもよい(C2〜C4)アルキル(ここで、R14およびR15は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルであるか、またはR14およびR15は一緒になって式
(式中、QはCH2、OもしくはNR16を表し、そしてR16はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す)の複素環を形成することができる)から独立して選択されるか、あるいは
R10およびR11は一緒になって場合によりOH、NR17R18(ここで、R17およびR18はHもしくは(C1〜C3)アルキルである)で、または場合によりハロゲン、OHもしくはO(C1〜C3)アルキルで2回まで置換されていてもよい(C1〜C3)アルキルで2回まで置換されていてもよい飽和した5〜6員のN含有環を形成することができる;
G9)(CH2)a−NR19R20、ここで、
R19およびR20は独立してH、(C1〜C5)アルキルもしくは(C3〜C6)シクロアルキルであるか、または一緒になって飽和した5〜6員のN含有環を形成することができ;そして
下付き文字「a」は1〜4の整数である;
G10)
、ここで、
Q’はOもしくはNR21であり;
R21はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルであり;そして
下付き文字[b]は1〜3の整数である;
G11)CH2NR22(CH2)cOCH3、ここで、
R22はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルであり;そして
下付き文字[c]は2〜4の整数である;
G12)OSO2NR23R24、ここで、
R23およびR24は独立してH、CH3または場合によりOHもしくはNR25R26で1回置換されていてもよい(C2〜C4)アルキルを表し、ここで、
R25およびR26は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G13)CN;
G14)NO2;
G15)シクロプロピル;
G16)OR27、ここで、
R27はフェニルもしくはベンジルを表す;
G17)S(C1〜C3)アルキル;
G18)CH=CH−(CH2)1〜3−OR5;ここで、
R5はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G19)
G20)
G21)C(O)NR28R29、ここで、
R28およびR29は独立してH、シクロプロピル(ただし、R28とR29の両方が同時にシクロプロピルではない)、
(ただし、この基は同時にR28とR29の両方を構成しない)および場合によりOHで2回まで置換されていてもよい(C1〜C3)アルキルから選択されるか;あるいは
R28およびR29は一緒になって場合によりOHで、または同様に場合によりOHもしくはO(C1〜C3)アルキルで2回まで置換されていてもよい(C1〜C3)アルキルで2回まで置換されていてもよい飽和した5〜6員のN含有環を形成することができる;
G22)
、ここで、
Q”はOもしくはNR30であり、そして
R30はH、シクロプロピル、または場合によりハロゲン、OHもしくはO(C1〜C3)アルキルで1回置換されていてもよい(C1〜C3)アルキルである;
G23)O−(CH2)d−NR31R32、ここで、
R31およびR32は独立してH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルであるか、または一緒になって飽和した5〜6員のN含有環を形成することができ;そして
下付き記号「d」は2〜4の整数である;
G24)
、ここで、
下付き記号「e」は2〜3の整数であり;そして
Q”’はOもしくはNR33であり;そして
R33はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルである;
G25)
、ここで、
QivはOもしくはNR34であり;そして
R34はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルである;
G26)C(O)NR35(CH2)fOR36、ここで、
R35はH、(C1〜C3)アルキルもしくはシクロプロピルであり;
R36は場合によりハロゲン、OHもしくはO(C1〜C3)アルキルで2回まで置換されていてもよい(C1〜C6)アルキルであり、そして
下付き記号「f」は2〜4の整数である;
G27)CO2R37、ここで、
R37はHもしくは(C1〜C3)アルキルである;
G28)場合によりハロゲン、(C1〜C3)アルキル、OR38、CN、CF3およびNR39R40から選択される2個までの基で置換されていてもよいフェニル、ここで、
R38はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
R39およびR40はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G29)NR41SO2NR42R43、ここで、
R41はHもしくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして
R42およびR43は独立してH、CH3または場合により−OHもしくはNR44R45で1回置換されていてもよい(C2〜C3)アルキルを表し、ここで、
R44およびR45は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G30)OC(O)−CH2−NR46R47、ここで、
R46およびR47は独立してH、(C1〜C3)アルキルもしくはCO2(t−ブチル)を表し、ただし、R46およびR47は両方が同時にCO2(t−ブチル)ではない;
G31)N(R48)C(O)R49、ここで、
R48はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
R49は(CH2)1〜3−CO2H、O(C2〜C4)アルキル、(CH2)1〜4−NR50R51(ここで、R50およびR51は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す)もしくはCH(R52)−NR53R54(ここで、R52は(CH2)1〜4−NH2、CH2OH、CH(CH3)OHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そしてR53およびR54は独立してHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す)を表す;
G32)C(O)−(C1〜C3)アルキル;
G33)(CH2)g−N(R55)−C(O)−R56、ここで、
gは1、2もしくは3を表し;
R55はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;
R56は場合によりOR57もしくはNR58R59で2回まで置換されていてもよい(C1〜C3)アルキルを表し、ここで、
R57はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し、そして
R58およびR59は各々Hもしくは(C1〜C3)アルキルを表し、または
R56は
を表し、ここで、
R60はハロゲン、(C1〜C3)アルキル、O(C1〜C3)アルキル、CN、OH、CF3もしくはNR61R62を表し、ここで、
R61およびR62はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
hは0、1もしくは2を表す;
G34)(CH2)i−N(R63)−C(O)−NR64R65、ここで、
iは1、2もしくは3を表し;
R63はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;
R64およびR65は各々Hもしくは(C1〜C3)アルキルを表すか;または
R64およびR65は一緒になって
を形成することができ、ここで、
QVはCH2、OもしくはNR66を表し、ここで、
R66はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G35)
、ここで、
jは1、2もしくは3を表し;
R67はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
R68はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G36)(CH2)k−N(R69)−SO2−R70、ここで、
kは1、2もしくは3を表し;
R69はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
R70は(C1〜C4)アルキルもしくは場合によりハロゲンでペルハロまでまたはOR71、CN、CF3もしくはNR72R73で3回まで置換されていてもよいフェニルを表し、ここで、
R71はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表し;そして
R72およびR73は各々Hもしくは(C1〜C3)アルキルを表す;
G37)CH=CH−(CH2)1〜3−NR74R75、ここで、
R74およびR75はHもしくは(C1〜C3)アルキルを表す
よりなる群から独立して選択される]
の化合物またはその製薬学的に許容しうる塩、溶媒和物、塩の溶媒和物もしくは立体異性体に関する。
これらの化合物の製薬学的に許容しうる塩ならびに例えばヒドロキシ基を含有する本発明の化合物のO−アシル誘導体、カルボキシル基を含有する本発明の化合物のエステル誘導体およびアミノ基を含有する本発明の化合物のアミド誘導体のようなこれらの化合物の一般に用いられるプロドラッグもまた、本発明の範囲内である。
下記のとおり理解される:
1)アルキル部分がアミノ、ヒドロキシル、アルコキシおよびハロゲン基のような置換基を保有し得る本発明の化合物において、このアルキル部分の単一の炭素原子はアミノ、ヒドロキシルおよびアルコキシから独立して選択される2個の基を同時に保有することはできず;そしてこのアルキル部分がハロゲンを保有する場合、それは同様にアミノ、ヒドロキシルもしくはアルコキシ置換基を同時に保有することはできない。
2)任意の部分が原子の数値域に関して定義され、そしてこの部分がさらにある数までの置換基を保有してもよい本発明の化合物において、可能な置換基の総数が原子の定義される数値域の下端で部分に利用可能な価数を上回る場合、置換基の数は利用可能な価数に限定される。例えば、(C1〜C3)アルキル部分が場合により3個までのハロゲンおよび2個までの他の特定の置換基を保有していてもよいと定義される場合、これは、C1−アルキル基が3個までの置換基(利用可能な価数)を保有することができ、それらは全てハロゲンであることができるが、その2個以下は他の特定の置換基であることができることを意味する。
式(I)の化合物は、所望の様々な置換基の位置および性質により、1つもしくはそれ以上の不斉中心を含有し得る。不斉炭素原子は、(R)もしくは(S)立体配置で存在することができる。好ましい異性体は、より望ましい生物学的活性を有する式(I)の化合物をもたらす絶対配置を有するものである。場合によっては、不斉はまた既定の結合、例えば特定の化合物の2つの芳香環に隣接する中心結合の周りの束縛回転によっても存在し得る。
分離された、純粋なもしくは部分的に精製された異性体もしくはそのラセミ混合物としての、上記のような不斉中心の性質によるかもしくは束縛回転によるいずれかの、全ての異性体(鏡像異性体およびジアステレオマーを包含する)は、本発明の範囲内に包含されるものとする。該異性体の精製および該異性体混合物の分離は、当該技術分野において既知である標準的な技術により成し遂げることができる。
上記に同定される用語は、全体にわたって以下の意味を有する:
「場合により置換されていてもよい」という用語は、そのように改変される部分が、0〜少なくとも最高数までの示される置換基を有し得ることを意味する。置換基は、該置換が化学的に可能でありそして化学的に安定である限り、そのように改変される部分上の任意のH原子を置換することができる。任意の部分上に2つもしくはそれ以上の置換基がある場合、各置換基は任意の他の置換基とは独立に選択され、従って、同じものであるかもしくは異なることができる。
「ハロゲン」という用語は、Cl、Br、FおよびIから選択される原子を意味する。
「(C1〜C2)アルキル」、「(C1〜C3)アルキル」、「(C1〜C4)アルキル」、「(C1〜C5)アルキル」および「(C1〜C6)アルキル」という用語は、それぞれ、約1個から約2個、約3個、約4個、約5個もしくは約6個までのC原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状飽和炭素基を意味する。そのような基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、n−ヘキシルなどが包含されるがこれらに限定されるものではない。
「アルキレニル」という用語は、本願において通常は約1〜約3個の炭素原子を有する、2価の直鎖状もしくは分枝鎖状飽和炭素鎖を意味する。そのような鎖には、メチレン(−CH2−)、エチレニル(−CH2CH2−)およびプロピレニル(−CH2CH2CH2−)などが包含されるがこれらに限定されるものではない。
「(C3〜C6)シクロアルキル」という用語は、約3〜約6個の炭素原子の飽和単環式アルキル基を意味し、そしてシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのような基が包含される。
製薬学的組成物
本発明はまた、製薬学的に許容しうる担体において本発明の化合物の少なくとも1種またはその塩もしくはプロドラッグを含んでなる製薬学的組成物にも関する。
過剰増殖性疾患を処置する方法
本発明はまた、哺乳類の過剰増殖性疾患を処置するために塩、プロドラッグを包含する上記の化合物およびその対応する製薬学的組成物を使用する方法にも関する。この方法は、患者の過剰増殖性疾患を処置するために有効な本発明の化合物またはその製薬学的に許容しうる塩もしくはプロドラッグの量を患者に投与することを含んでなる。本発明の目的のために、患者は特定の過剰増殖性疾患の処置を必要とする、ヒトを包含する哺乳類である。化合物もしくは組成物の製薬学的に有効な量は、処置する特定の過剰増殖性疾患に所望の結果をもたらすかもしくは影響を及ぼす量である。
過剰増殖性疾患には、乳房、気道、脳、生殖器官、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌のような充実性腫瘍ならびにそれらの遠隔転移が包含されるがこれらに限定されるものではない。これらの疾患にはまた、リンパ腫、肉腫および白血病も包含される。
乳癌の例には、浸潤性腺管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌および上皮内小葉癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
気道の癌の例には、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が包含されるがこれらに限定されるものではない。
脳腫瘍の例には、脳幹および視床下部(hypophtalmic)グリオーマ、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫、ならびに神経外胚葉性および松果体部腫瘍が包含されるがこれらに限定されるものではない。
男性生殖器官の腫瘍には、前立腺癌および睾丸癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。女性生殖器官の腫瘍には、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌、膣癌および外陰癌、ならびに子宮の肉腫が包含されるがこれらに限定されるものではない。
消化管の腫瘍には、肛門癌、結腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌および唾液腺癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
尿路の腫瘍には、膀胱癌、陰茎癌、腎臓癌、腎盂癌、尿管癌および尿道癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
眼癌には、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が包含されるがこれらに限定されるものではない。
肝臓癌の例には、肝細胞癌(線維層状バリアント(fibrolamellar variant)を有するもしくは有さない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合型肝細胞胆管癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
皮膚癌には、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
頭頸部癌には、喉頭癌/下咽頭癌/鼻咽頭癌/口腔咽頭癌、ならびに口唇癌および口腔癌が包含されるがこれらに限定されるものではない。
リンパ腫には、エイズ関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞性リンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が包含されるがこれらに限定されるものではない。
肉腫には、軟組織の肉腫、骨肉種、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫が包含されるがこれらに限定されるものではない。
白血病には、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病が包含されるがこれらに限定されるものではない。
これらの疾患はヒトにおいて十分に特性化されているが、他の哺乳類においても同様の病因で存在し、そして本発明の製薬学的組成物を投与することにより処置することができる。
本発明の化合物の有用性は、例えば、下記のインビトロ腫瘍細胞増殖アッセイにおけるインビトロでのそれらの活性により説明することができる。インビトロでの腫瘍細胞増殖アッセイにおける活性と臨床設定における抗腫瘍活性との間の関連は、当該技術分野において確立している。例えば、タキソール(Silvestrini et al.Stem Cells 1993,11(6),528−35)、タキソテール(Bissery et al.Anti Cancer Drugs 1995,6(3),339)およびトポイソメラーゼ阻害剤(Edelman et al.Cancer Chemother.Pharmacol.1996,37(5),385−93)の治療有用性は、インビトロ腫瘍増殖アッセイを用いて示された。
本願において、化合物、塩などに複数形が用いられる場合、これは単一の化合物、塩などもまた意味すると理解される。
塩は、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物からの、好ましくは有機もしくは無機酸との、例えば酸付塩塩のような式Iの化合物の特に製薬学的に許容しうる塩である。適当な無機酸は、例えば、塩酸のようなハロゲン酸、硫酸もしくはリン酸である。適当な有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸もしくはスルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、グルコン酸、グルコースモノカルボン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸(azeiaic acid)、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルカル酸、ガラクタル酸、アミノ酸、例えばグルタミン酸、アスパラギン酸、N−メチルグリシン、アセチルアミノ酢酸、N−アセチルアスパラギンもしくはN−アセチルシステイン、ピルビン酸、アセト酢酸、ホスホセリン、2−もしくは3−グリセロリン酸である。
本発明の化合物は、投与単位製剤において経口的に、皮膚に、非経口的に、注入により、吸入もしくは噴霧により、または舌下に、経直腸的にもしくは経膣的に投与することができる。「注入により投与される」という用語には、静脈内、関節内、筋肉内、皮下および非経口注入、ならびに注入技術の使用が包含される。皮膚投与には、局所適用もしくは経皮投与を包含することができる。1つもしくはそれ以上の化合物は、1つもしくはそれ以上の無毒の製薬学的に許容しうる担体および所望に応じて他の有効成分と会合して存在することができる。
経口使用を目的とする組成物は、製薬学的組成物の製造に関して当該技術分野に既知である任意の適当な方法に従って製造することができる。そのような組成物は、口当たりのよい製剤を提供するために希釈剤、甘味料、香料、着色剤および防腐剤よりなる群から選択される1つもしくはそれ以上の薬剤を含有することができる。
錠剤は、錠剤の製造に適当である無毒の製薬学的に許容しうる賦形剤と混合した有効成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチもしくはアルギン酸;ならびに結合剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクであることができる。錠剤はコーティングされていないことができ、もしくはそれらは胃腸管における崩壊および吸着を遅らせそしてそれによりさらに長い期間にわたって持続作用を提供するために既知の技術によりコーティングされることができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用いることができる。これらの化合物はまた、固形の迅速に放出される形態で製造することもできる。
経口用途の製剤はまた、有効成分を不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合するハードゼラチンカプセル剤として、または有効成分を水もしくは油媒質、例えばピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合するソフトゼラチンカプセル剤として製造することもできる。
水性懸濁剤の製造に適当な賦形剤と混合した活性物質を含有する水性懸濁剤もまた用いることができる。そのような賦形剤は沈殿防止剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムであり;分散剤もしくは湿潤剤は天然に存在するリン脂質、例えばレシチン、もしくは脂肪酸とアルキレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、もしくは長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、もしくはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような脂肪酸とヘキシトールから得られる部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、もしくは脂肪酸と無水ヘキシトールから得られる部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。水性懸濁剤はまた、1つもしくはそれ以上の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル、1つもしくはそれ以上の着色剤、1つもしくはそれ以上の香料、およびショ糖もしくはサッカリンのような1つもしくはそれ以上の甘味料を含有することもできる。
水の添加による水性懸濁剤の製造に適当な分散可能な散剤および顆粒剤は、分散剤もし
くは湿潤剤、沈殿防止剤および1つもしくはそれ以上の防腐剤と混合した有効成分を提供する。適当な分散剤もしくは湿潤剤および沈殿防止剤は、上記のとおりのものにより例示される。追加の賦形剤、例えば甘味料、香料および着色剤もまた存在することができる。
化合物はまた非水性液状製剤、例えば、有効成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはピーナッツ油に、または流動パラフィンのような鉱油に懸濁することにより調合することができる油状懸濁剤の形態であることもできる。油状懸濁剤は増粘剤、例えば蜜蝋、固形パラフィンもしくはセチルアルコールを含有することができる。口当たりの良い経口製剤を提供するために上記のもののような甘味料および香料を加えることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加により保存することができる。
本発明の製薬学的組成物はまた、水中油滴型エマルジョンの形態であることもできる。油相は植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば流動パラフィンまたはこれらの混合物であることができる。適当な乳化剤は天然に存在するゴム、例えばアカシアゴムもしくはトラガカントゴム、天然に存在するリン脂質、例えばダイズ、レシチン、および脂肪酸と無水ヘキシトールから得られるエステルもしくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、およびエチレンオキシドと該部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。エマルジョンはまた、甘味料および香料を含有することもできる。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールもしくはショ糖で調合することができる。そのような製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、ならびに香料および着色剤を含有することもできる。
化合物はまた、薬剤の直腸もしくは膣投与用の座薬の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温で固体であるが直腸もしくは膣温度で液体でありそしてそれ故に直腸もしくは膣において融解して薬剤を放出する適当な非刺激賦形剤と薬剤を混合することにより製造することができる。そのような物質には、ココアバターおよびポリエチレングリコールが包含される。
本発明の化合物はまた、当業者に既知である方法を用いて経皮的に投与することもできる(例えば:Chien;“Transdermal Controlled Systemic Medications”;Marcel Dekker,Inc.;1987.Lipp et al.WO94/04157 3Mar94を参照)。例えば、場合により浸透促進剤を含有する適当な揮発性溶媒における式Iの化合物の溶液もしくは懸濁液をマトリックス材料および殺菌剤のような当業者に既知である追加の添加剤と合わせることができる。滅菌後に、得られる混合物を既知の方法に従って投与形態物に調合することができる。さらに、乳化剤および水での処理で、式Iの化合物の溶液もしくは懸濁液をローションもしくは軟膏に調合することができる。
経皮送達系を加工処理するために適当な溶媒は当業者に既知であり、そしてエタノールもしくはイソプロピルアルコールのような低級アルコール、アセトンのような低級ケトン、酢酸エチルのような低級カルボン酸エステル、テトラヒドロフランのような極性エーテル、ヘキサン、シクロヘキサンもしくはベンゼンのような低級炭化水素、またはジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロトリフルオロエタンもしくはトリクロロフルオロエタンのようなハロゲン化炭化水素が包含される。適当な溶媒にはまた、低級アルコール、低級ケトン、低級カルボン酸エステル、極性エーテル、低級炭化水素、ハロゲン化炭化水素から選択される1つもしくはそれ以上の物質の混合物を包含することもできる。
経皮送達系のための適当な浸透促進剤は当業者に既知であり、そして例えば、エタノール、プロピレングリコールもしくはベンジルアルコールのようなモノヒドロキシもしくはポリヒドロキシアルコール、ラウリルアルコールもしくはセチルアルコールのような飽和もしくは不飽和C8〜C18脂肪アルコール、ステアリン酸のような飽和もしくは不飽和C8〜C18脂肪酸、酢酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸もしくはパルミチン酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルもしくはモノグリセリンエステルのような24個までの炭素を有する飽和もしくは不飽和脂肪エステル、またはアジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジイソプロピルもしくはフマル酸ジイソプロピルのような合計24個までの炭素を有する飽和もしくは不飽和ジカルボン酸のジエステルが包含される。追加の浸透促進剤には、レシチンもしくはケファリンのようなホスファチジル誘導体、テルペン、アミド、ケトン、尿素およびそれらの誘導体、ならびにジメチルイソソルビドおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなエーテルが包含される。適当な浸透促進製剤にはまた、モノヒドロキシもしくはポリヒドロキシアルコール、飽和もしくは不飽和C8〜C18脂肪アルコール、飽和もしくは不飽和C8〜C18脂肪酸、24個までの炭素を有する飽和もしくは不飽和脂肪エステル、合計24個までの炭素を有する飽和もしくは不飽和ジカルボン酸のジエステル、ホスファチジル誘導体、テルペン、アミド、ケトン、尿素およびそれらの誘導体、ならびにエーテルから選択される1つもしくはそれ以上の物質の混合物を包含することもできる。
経皮送達系のための適当な結合剤は当業者に既知であり、そしてポリアクリレート、シリコーン、ポリウレタン、ブロックポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ならびに天然および合成ゴムが包含される。セルロースエーテル、誘導体化ポリエチレンおよびケイ酸塩もまた、マトリックス成分として用いることができる。マトリックスの粘度を増加するために粘性のある樹脂もしくは油のような追加の添加剤を加えることができる。
式Iの化合物に関して本明細書に開示される用途の全ての処方計画について、毎日経口投薬量処方計画は、好ましくは0.01〜200mg/Kg総体重である。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注入を包含する注入および注入技術の使用による投与の毎日投薬量は、好ましくは0.01〜200mg/Kg総体重である。毎日直腸投薬量処方計画は、好ましくは0.01〜200mg/Kg総体重である。毎日膣投薬量処方計画は、好ましくは0.01〜200mg/Kg総体重である。毎日局所投薬量処方計画は、好ましくは毎日1〜4回の間投与する0.1〜200mgである。経皮濃度は、好ましくは0.01〜200mg/Kgの毎日用量を維持するために必要とされるものである。毎日吸入投薬量処方計画は、好ましくは0.01〜10mg/Kg総体重である。
投与の特定の方法は様々な因子により決まり、それらは全て、治療を施す場合に日常的に考慮されることが当業者により理解される。しかしながら、任意の既定患者の特定の用量レベルは、用いる特定の化合物の活性、患者の年齢、患者の体重、患者の一般的な健康、患者の性別、患者の食事、投与の時間、投与の経路、排出の速度、薬剤の組み合わせおよび治療を受けている症状の重症度が包含されるがこれらに限定されるものではない様々な因子により決まることもまた理解される。処置の最適な過程、すなわち、処置の形態および特定の日数にわたって与えられる式Iの化合物もしくはその製薬学的に許容しうる塩の毎日の投与回数は、通常の処置試験を用いて当業者が確認できることは、当業者によりさらに理解される。
本発明の化合物は、下記のとおり製薬学的製剤に転化することができる:
錠剤:
組成:
100mgの実施例1の化合物、50mgのラクトース(1水和物)、50mgのトウモロコシ澱粉(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF、Ludwigshafen,Germanyから)および2mgのステアリン酸マグネシウム。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよび澱粉の混合物を水におけるPVPの5%溶液(m/m)で粒状にする。乾燥後に、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を通例の錠剤プレス機(錠剤フォーマット、上記参照)を用いて成形する。加える成形力は、典型的に15kNである。
経口投与用の懸濁剤:
組成:
1000mgの実施例1の化合物、1000mgのエタノール(96%)、400mgのRhodigel(FMC,Pennsylvania,USAからのキサンタンゴム)および99gの水。
100mgの本発明の化合物の単一用量は、10mlの経口懸濁剤により提供される。
製造:
Rhodigelをエタノールに懸濁し、そして有効成分を懸濁液に加える。攪拌しながら水を加える。Rhodigelの膨潤が完了するまで攪拌を約6h続ける。
静脈内投与用の液剤:
組成:
1mgの実施例1の化合物、15gのポリエチレングリコール400および250gの注射用水。
製造
実施例1の化合物を攪拌しながら水にポリエチレングリコール400とともに溶解させる。溶液を濾過(孔径0.22μm)により滅菌し、そして加熱滅菌した注入ボトルに無菌条件下で分配する。これらを注入ストッパーおよびクリンプキャップで閉じる。
一般的な製造方法
本発明の化合物は以下に示す一般的な化学構造を有し、そして既知の化学反応および方法の使用により製造することができる。本発明の化合物の製造において利用する特定の方法は、所望の特定の化合物により決まる。特定のJおよびY部分の選択ならびに分子上の様々な位置で可能な特定の置換基のような因子は、全て本発明の特定の化合物の製造でたどられる経路において役割を果たす。これらの因子は、当業者により容易に認識される。
それにもかかわらず、以下の一般的な製造方法は、本発明の化合物を合成することにおいて読者を助けるために提示され、より詳細な特定の実施例は、実施例を記述する実験の項において以下に提示される。
これらの方法の全ての可変基(variable groups)は、それらが以下に特に定義されない場合、一般的な記述において記述したとおりである。既定の記号(すなわち、G、G’、M)を有する可変基もしくは置換基が既定の構造において1回より多く使用される場合、これらの基もしくは置換基の各々はその記号の定義の範囲内で独立して異なり得ることが理解される。
これらの一般的な方法内で、変記号Zは部分
と等しく、ここで、各可変基もしくは置換基は、その記号について定義される制限内で独立して異なってもよい。
これらの一般的な方法内で、変記号Eは部分
と等しく、ここで、各可変基もしくは置換基は、その記号について定義される制限内で独立して異なってもよい。
各々の請求される任意の官能基を有する本発明の化合物は、以下に記載する方法の各々で製造できないことが認識される。各方法の範囲内で、反応条件に安定である任意の置換基が用いられるか、もしくは反応に関与し得る官能基は必要に応じて保護された形態で存在し、そしてそのような保護基の除去は当業者に周知である方法により適切な段階で完了される。
式Iの追加の化合物は、存在する官能基の加工により他の式(I)化合物から製造する
ことができる。そのような加工には、加水分解、還元、酸化、アルキル化、アシル化、エステル化、アミド化および脱水反応が包含されるがこれらに限定されるものではない。そのような転化は、ある場合に、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis;Wiley:New York,(1999)に開示されそして引用することにより本明細書に組み込まれる方法による保護基の使用を必要とし得る。そのような方法は、所望の化合物の合成後にもしくは当業者に容易に明らかである合成経路における別の場所で開始される。
一般的方法A−ZおよびEが上記に定義したとおりである式5の本発明の化合物は、一般的方法「A」に示すような反応順序に従って都合よく製造することができる。従って、アミジンもしくはグアニジン1およびβ−ケトエステル2は商業的供給源から入手するか、もしくは公開された方法(アミジン1:Granik et al Russ Chem.Rev.1983,52,377−393;β−ケトエステル2:Tabuchi,H.et al.Synlett 1993,(9),651−2)に従って当業者により製造される。アミジンもしくはグアニジン1をアルコールおよびトルエンもしくはベンゼンのような還流混合溶媒においてβ−ケトエステル2で処理してピリミジノン中間体3を生成せしめる。アルコールは、典型的に、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールもしくはt−ブタノールのような低分子量アルコールである。化合物3をオキシ塩化リン、塩化チオニルもしくは五塩化リンのような塩素化剤で処理してクロロピリミジン中間体4を生成せしめる。中間体4をアルコール、水、DMF、DMA、アセトニトリル、アセトン、ジオキサンもしくはDMSOのような還流溶媒において式NHR1Zの求核試薬と反応させて式5[R2aがHである式(I)]の本発明の化合物を生成せしめる。そのような反応はまた、溶媒を含まない溶融物(melt)においてもしくは溶媒においてHCl、H2SO4のような酸またはトリエチルアミン、Cs2CO3、K2CO3、Na2CO3、K3PO4、Na3PO4、NaOH、KOH、NaH、NaNH2、KNH2またはナトリウムもしくはカリウムアルコキシドまたは1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のようなしかしこれらに限定されるものではない塩基による触媒作用を受けて行うこともできる。式5a[R2aがCl、BrもしくはIである(I)]の本発明の化合物は、Cl2、Br2もしくはI2でのハロゲン化により式5の化合物から製造することができる。式5a[R2aがFである(I)]の本発明の化合物は、フッ化物源、例えばKFを用いて求核置換反応によりR2aがCl、BrもしくはIである式(I)化合物から製造することができる。
一般的方法B−R1、R2、ZおよびEが既定のとおりである式5の化合物はまた、以下の一般的方法「B」に概説する代わりの反応順序によって製造することもできる。従って、市販されているかもしくは公開された方法(Bagli,J.et al,J.Med.Chem.1988,31(4),814−23)に従って当業者により製造されることができるジクロロピリミジン8をアルコール、水、DMFもしくはDMSOのような溶媒において式NHR1Zの求核試薬と反応させて中間体9を生成せしめる。そのような縮合はまた、HCl、H2SO4のような酸もしくは上記の塩基による触媒作用を受けて溶媒において行うこともできる。標準的なスズキカップリング条件(Pd(PPh3)4もしくはPdCl2(dppf)・CH2Cl2/塩基/溶媒)下で、化合物9をボロン酸もしくは式E−B(OR’)2(式中、R’はH、アルキルであるか、もしくは2つのR’は環を形成することができる)のエステルと反応させて本発明の化合物5を生成せしめる。
一般的方法C−R1、R2およびEが上記に定義したとおりであり、そしてZ、L’が以下に定義される式5の本発明の化合物はまた、以下の一般的方法「C」に概説する代わりの反応順序によって製造することもできる。従って、中間体4を上記の条件(一般的方法A)を用いて式6の求核試薬と反応させて中間体10を生成せしめる。化合物10を非プロトン性溶媒および塩基(一般的方法Aにおける塩基のような)において式7の芳香族中間体で処理して式5の本発明の化合物を生成せしめる。
一般的方法D−R1、R2およびZが上記に定義したとおりであり、そしてRDがG2、G12、G23、G24、G30もしくはベンジルである式13の本発明の化合物はまた、以下の一般的方法「D」に示すような反応順序によって製造することもできる。従って、標準的な条件(BBr3、Me3SiI、AlCl3/EtSHなどのような)を用いる中間体11(一般的方法AもしくはBもしくはC)の脱メチル化により中間体12を生成せしめる。続いて、化合物12は次にRD置換基を導入するためにアルキル化、アシル化もしくはスルファミル化を受け、そして式13の化合物を生成せしめることができる。これらの転化の標準的な反応条件を用いることができる、すなわち、塩基の存在下で式RD−ハロの試薬。さらに、ミツノブ反応(すなわち、DEAD/PPh3)を用いてO−アルキル化を行いRDがアルキルである本発明の化合物13を生成せしめることができる。
一般的方法E−R1、R2、G、G”、m、nおよびEが上記に定義したとおりであり、そしてM’がCHもしくはNである式16および17の本発明の化合物は、以下の一般的方法「E」に示すような反応順序によって製造することができる。従って、中間体14のシアノ基を加水分解することができ、そして得られるカルボン酸を標準的な条件下でNHR28R29、ピペリジンもしくはモルホリンのようなアミンとカップリングしてGE−1がG21、G25もしくはG26である化合物16を生成せしめることができる。本発明の化合物17は、LiAlH4もしくはBH3でのアミド16の還元、続いて任意のスルホニル化もしくはアシル化により製造することができる。あるいはまた、化合物17は、酢酸におけるH2/C上Pdのような還元剤による14の還元により製造されるアミン15のアルキル化もしくは還元的アミノ化により製造することができる。
一般的方法F−式17bの本発明の化合物は、トリエチルアミン、Cs2CO3、K2CO3、Na2CO3、K3PO4、Na3PO4、NaOH、KOH、NaH、NaNH2、KNH2、またはナトリウムもしくはカリウムアルコキシドまたは1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような塩基の任意の存在下で、GF−1−Hにより表される硫黄、窒素もしくは酸素求核試薬、例えば、チオール、アンモニア、モノもしくはジアルキルアミン、水または場合により置換されていてもよいアルコールでの式17aの化合物上のハロ置換基の置換により製造することができる。このようにして、GF−1がG2、G3、G8、G16、G17、G22、G23およびG24から選択される式(I)の化合物が製造される。さらに、式17cの化合物は、一般に塩基の存在下で、ハロゲン化アシルもしくはハロゲン化アルキルスルホニルのような適切な試薬を用いて、少なくとも1つのHが置換されることができる式17bの化合物のアシル化もしくはスルホニル化により製造することができる。このようにして、GF−2がG12、G29、G30およびG31から選択される式(I)の化合物が製造される。
中間体NHR1Zの製造のための一般的方法(a〜e)
方法a−M、G、G”、mおよびnが上記に定義したとおりであり、M’が独立してCHもしくはNであり、そしてL’がOもしくはNR5である式18の化合物は、以下の方法aに示すように都合よく製造することができる。一般に、中間体18は、中間体7および中間体6の芳香族置換反応により製造することができる。従って、アニリンもしくはアミノピリジン6をDMF、DMA、アセトニトリル、アセトン、ジオキサンもしくはDMSOのような非プロトン性溶媒および塩基において式7の芳香族中間体で処理して式18の中間体を生成せしめる(X=OTf、OMs、OTsの場合、参考文献Sammes,P.et al.J.Chem.Soc.Perkin Trans 1,1988,(12),3229−31を参照)。式18aの化合物は、NaBH4、NaBH3CNもしくはNaBH(OAc)3のような還元的アミノ化条件下でアルデヒドでの18の還元的アミノ化によって得ることができる。
方法b−あるいはまた、M、G、G”、mおよびnが上記に定義したとおりであり、M’が独立してCHもしくはNであり、そしてL’がO、NR5もしくはCH2である式18bの化合物は、以下の方法bに示すように都合よく製造することができる。従って、式20の芳香族中間体を非プロトン性溶媒において上記の塩基もしくはLDA、n−BuLi、t−BuLiで脱プロトン化し、続いて中間体19と反応させて式21の中間体を生成せしめる。当業者は化合物21のニトロ基を接触水素化、Fe/HOAcおよびSnCl2のような公開された方法に従って還元して中間体18bを生成せしめることができる。
方法c G、G”、mおよびnが上記に定義したとおりであり、P’が保護基であり、M’が独立してCHもしくはNであり、そしてR6がHもしくは(C1〜C3)アルキルである式25、26および27の4−置換されたアニリン化合物は、以下の方法cに概説するような反応順序によって製造することができる。従って、中間体22をフリーデル・クラフツアシル化条件(AlCl3のようなルイス酸)下で塩化アシル23で処理して式24の中間体を生成せしめる。化合物24は、R6MgBrでのグリニャール反応もしく
はLiAlH4での還元、続いて脱保護によりアニリン25に転化することができる。アニリン26は、N2H4/OH−、Pd/C/H2、Et3SiH/ルイス酸もしくはNaBH4/ルイス酸(参考文献Ono,A.et al,Synthesis,1987,(8),736−8を参照)のようなしかしこれらに限定されるものではない方法によるか、あるいはまたジチアンの形成およびその後のラネーニッケルでの脱硫化による24のカルボニル基の還元により得ることができる。ある場合において、アニリンの脱保護が26を得るために必要であり得る。化合物24のアミノ基の脱保護により、アニリン中間体27もまた得ることができる。
方法d G、G”、mおよびnが上記に定義したとおりであり、M’が独立してCHもしくはNであり、そしてR6がHもしくは(C1〜C3)アルキルである3−置換されたアニリン化合物30、30aおよび31は、以下の方法dに示すような反応順序によって都合よく製造することができる。従って、HNO3/H2SO4もしくはNaNO3/HClのようなしかしこれらに限定されるものではない標準的なニトロ化条件を用いる中間体28のニトロ化により中間体29を生成せしめる。SnCl2、Fe/HOAcのような還元剤もしくは接触水素化での29の還元によりアニリン30を生成せしめる。さらに、化合物29は、R6MgBrでの処理もしくはLiAlH4での還元、続いて上記の還元条件によりアニリン30aに転化することができる。アニリン31は、N2H4/NaOH、Pd−C/H2、Et3SiH/ルイス酸もしくはNaBH4/ルイス酸(参考文献Ono,A.et al,Synthesis,1987,(8),736−8を参照)のようなしかしこれらに限定されるものではない方法によるか、あるいはまたジチアンの形成およびその後のラネーニッケルでの脱硫化によるカルボニル基の還元により得ることができる。ある場合において、上記の方法によるニトロ基の還元がアニリン31を得るために必要であり得る。
方法e M、G、G”、m、n、R10およびR11が上記に定義したとおりであり、そしてReがG2、G16、G23およびG24である式36および37の化合物は、以下の方法eに示すような反応順序によって都合よく製造することができる。従って、中間体ピリジン32をm−CPBA、H2O2、CH3C(O)OOHもしくはCF3C(O)OOHのような試薬でN−オキシドに酸化し、続いてオキシ塩化リン、塩化チオニルもしくは五塩化リンのような塩素化剤で塩素化してクロロピリジン33を生成せしめる。化合物33は、NaHのような塩基の存在下でアルコールでの処理、続いてSnCl2、Fe/H+のような還元剤もしくは接触水素化でのニトロ基の還元によりアニリン36に転化することができる。アミンHNR10R11での化合物33の処理、続いて上記の試薬での得られる化合物34のニトロ基の還元により化合物37を生成せしめる。
これらの上記の方法を用いることにより、本発明の化合物を製造することができる。以下の特定の実施例は、本明細書に記述される本発明をさらに説明するために提示されるが、それらは決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
略語および頭字語
当該技術分野における通常の技量の有機化学者により利用される略語の総覧は、Journal of Organic Chemistryの各巻の第1号に表示され;この一覧表は、典型的に、Standard List of Abbreviationsという題の表に提示される。該一覧表に含まれる略語および当該技術分野における通常の技量の有機化学者により利用される全ての略語は、引用することにより本明細書に組み込まれる。
本発明の目的のために、化学元素は元素周期表(Periodic Table of
the Elements)、CASバージョン,Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986−87に従って同定される。
さらに特に、下記の略語が本開示の全体にわたって使用される場合、それらは以下の意味を有する:
2X 2回
3X 3回
AlMe3 トリメチルアルミニウム
Boc t−ブトキシカルボニル
n−BuLi ブチルリチウム
t−BuOK カリウムt−ブトキシド
calcd 計算された
セライト(R) 珪藻土濾過剤、Celite Corpの登録商標
CD3OD メタノール−d4
CHCl3−d クロロホルム−d
d ダブレット
DBU 1,8−ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO−d6 ジメチルスルホキシド−d6
EDCI 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイ
ミド
塩酸塩
EtSH エタンチオール
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Et3SiH トリエチルシラン
h 時間
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,
N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩Hex ヘキサン
1H NMR プロトン核磁気共鳴
HOAc 酢酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
m マルチプレット
m−CPBA 3−クロロペルオキシ安息香酸
MeOH メタノール
min 分
Me3SiI ヨウ化トリメチルシリル
MS ES エレクトロスプレーを有する質量分析
NaBH(OAc)3 トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
OMs O−メタンスルホニル(メシレート)
OTs O−p−トルエンスルホニル(トシル)
OTf O−トリフルオロアセチル(トリフリル)
Pd/C 炭素上パラジウム
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(PPh3)4 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PdCl2(dppf)・CH2Cl2
ジクロロメタンとの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体
RT 保持時間
rt 室温
Rf TLC移動率
s シングレット
t トリプレット
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
一般的な分析方法
本発明の代表的な化合物の構造を以下の方法を用いて確かめた。
電子衝撃質量スペクトル(EI−MS)は、J&W DB−5カラム(0.25μMコーティング;30mx0.25mm)を有するHewlett Packard 5890ガスクロマトグラフを備えたHewlett Packard 5989A質量分析計で得られた。イオン供給源を250℃で保ち、そしてスペクトルをスキャン当たり2秒で50〜800amuからスキャンした。
高速液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレー質量スペクトル(LC−MS)は、下記のいずれかを用いて得られた:
(A)クォータナリポンプ、254nmで設定した可変波長検出器、YMC pro C−18カラム(2x23mm、120A)、およびエレクトロスプレーイオン化を有するFinnigan LCQイオントラップ質量分析計を備えたHewlett−Packard 1100 HPLC。スペクトルは、供給源におけるイオンの数に従って可変イオン時間を用いて120〜1200amuからスキャンした。溶離剤は、A:0.02%
のTFAを有する水中2%のアセトニトリルおよびB:0.018%のTFAを有するアセトニトリル中2%の水であった。0.5分の初期保持および0.5分の95%Bでの最終保持とともに1.0mL/分の流速で3.5分にわたる10%Bから95%までの勾配溶出を用いる。全実行時間は6.5分である。
もしくは
(B)2台のGilson 306ポンプ、Gilson 215オートサンプラー、Gilsonダイオードアレイ検出器、YMC Pro C−18カラム(2x23mm、120A)、およびz−スプレーエレクトロスプレーイオン化を有するMicromass LCZ単一四重極質量分析計を備えたGilson HPLCシステム。スペクトルは、1.5秒にわたって120〜800amuからスキャンした。ELSD(蒸発光散乱検出器)データもまた、アナログチャンネルとして得られる。溶離剤は、A:0.02%のTFAを有する水中2%のアセトニトリルもしくはB:0.018%のTFAを有するアセトニトリル中2%の水のいずれかであった。0.5分の初期保持および0.5分の90%Bでの最終保持とともに1.5mL/分の流速で3.5分にわたる10%Bから90%までの勾配溶出を用いる。全実行時間は4.8分である。余分の切り替え弁をカラム切り替えおよび再生に用いる。
通常の1次元NMR分光法を400MHz Varian Mercury−plus分光計上で行う。サンプルをCambridge Isotope Labsから入手した重水素化溶媒に溶解し、そして5mm ID Wilmad NMRチューブに移した。スペクトルは、293Kで得られた。化学シフトはppmスケールで記録され、そして1HスペクトルではDMSO−d6の2.49ppm、CD3CN−d3の1.93ppm、CD3ODの3.30ppm、CD2Cl2−d2の5.32ppmそしてCHCl3−dの7.26ppmのような適切な溶媒シグナルを基準とした。
一般的なHPLC精製方法
分取逆相HPLCクロマトグラフィーは、典型的にはYMC Pro−C18 AS−342(150x20mm I.D.)カラムを用いて、Gilson 215システムを用いて行った。典型的に、使用する移動相は(A)0.1%のTFAを含有するH2Oおよび(B)アセトニトリルの混合物であって。典型的な勾配は下記のとおりであった:
実験実施例
クロロピリミジンアミン中間体の製造
中間体1A:4−クロロ−6−フェニルピリミジン−2−アミンの製造
エタノール(120mL)およびトルエン(20mL)中の炭酸グアニジン(3.60g、20mmol)の懸濁液を窒素下で1h還流させ、この期間中に約50mLの溶媒を蒸留により除いた。混合物を45℃に冷却した後に、3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸エチル(7.68g、40mmol)を加え、そして溶液を還流で一晩加熱した。所望の生成物は、反応中に白色の固体として沈殿した。水(50mL)を反応物に加え、そして混合物をさらに30分間還流させた。rtに冷却した後に、混合物を1NのHClで中和し、そして冷蔵庫に6h入れた。固体を濾過し、水、続いてエーテルで洗浄し、そして真空下で60℃で乾燥させて生成物を白色の固体(6.45g、86%)として生成せしめた。MS ES:188(M+H)+、計算値188;RT=0.91分;TLC(CH2Cl2/MeOH中2MのNH3 95/5)Rf=0.10。
上記の生成物(6.0g、32mmol)およびPOCl3(100mL)の混合物を還流で1h加熱した。POCl3の大部分を真空中で除き、そして残留物をEtOAcで希釈し、そして氷/飽和NaHCO3溶液上に注いだ。水層をEtOAcで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。粗有機濃縮物をEtOAc/エーテルから再結晶化させて生成物1Aを黄色がかった白色の粉末(2.8g、43%)として生成せしめた。MS ES:206(M+H)+、計算値206;RT=2.49分;TLC(CH2Cl2/MeOH中2MのNH3 95/5)Rf=0.72。(参考文献1:H.L.Skulnick,S.D.Weed,E.E.Edison,H.E.Renis,W.Wierenga,and D.A.Stringfellow、J.Med.Chem.1985,28,1854−1869)。
中間体1B:4−クロロ−6−(2−フリル)ピリミジン−2−アミンの製造
(2−フリル)ピリミジン−2−アミン中間体1Bは、炭酸グアニジンおよび3−(2−フリル)−3−オキソプロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:196(M+H)+、計算値196、RT=2.13分。
中間体1C:4−クロロ−6−(3−フリル)ピリミジン−2−アミンの製造
(3−フリル)ピリミジン−2−アミン中間体1Cは、炭酸グアニジンおよび3−(3−フリル)−3−オキソプロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:196(M+H)+、計算値196、RT=2.04分。
中間体1D:4−クロロ−6−(2−チエニル)ピリミジン−2−アミンの製造
段階1:3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルの製造
塩化メチレン(100mL)中の2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(12g、83.26mmol)およびチオフェン−2−カルボン酸(8.97g、70.0mmol)およびDMAP(17.10g、140mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、そして塩化メチレン(50mL)中のDCC(15.88g、76.96mmol)の溶液で処理した。反応物をrtで2h攪拌した。得られる沈殿物を濾過し、そして濾液を濃縮し、そしてEtOH(400mL)に再溶解した。この溶液にp−トルエンスルホン酸(32g)を加え、そして反応混合物を1h還流させた。溶媒を真空中で除いて粗有機濃縮物を生成せしめ、それを酢酸エチル(1000mL)に溶解し、そして水(300mL)で洗浄した。有機層を飽和水性重炭酸ナトリウム(200mL)、1Nの塩酸(200mL)、飽和水性塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜7%の酢酸エチル)を用いて精製して所望の生成物を無色の油(3.67g、27%)として生成せしめた。MS ES 199(M+H)+、計算値199;RT=2.12分;TLC(ヘキサン中25%の酢酸エチル)Rf=0.50。
段階2:表題化合物(2−チエニル)ピリミジン−2−アミン1Dの製造
(2−チエニル)ピリミジン−2−アミン1Dは、炭酸グアニジンおよび3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述した方法ものと同様の方法により製造した。MS ES:212(M+H)、計算値212、RT=2.42分;TLC(20%EtOAc−80%ヘキサン):Rf=0.29。
中間体1E:4−クロロ−6−(3−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミンの製造
段階1:3−オキソ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルの製造
この物質は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンおよび3−メトキシ安息香酸から出発して、1Dの製造における3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:表題化合物の製造
1Eは、炭酸グアニジンおよび3−オキソ−3−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述したものと同様の方法により製造する。
中間体1F:4−クロロ−6−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミンの製造
段階1:3−オキソ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルの製造
この物質は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンおよび4−メトキシ安息香酸から出発して、1Dの製造における3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:表題化合物の製造
1Fは、炭酸グアニジンおよび3−オキソ−3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述したものと同様の方法により製造する。
中間体1G:4−クロロ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−2−アミンの製造
段階1:3−オキソ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピオン酸エチルの製造
この物質は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンおよび4−(トリフルオロメチル)安息香酸から出発して、1Dの製造における3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:表題化合物の製造
この物質は、炭酸グアニジンおよび3−オキソ−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピオン酸塩から出発して、1Aについて記述したものと同様の方法により製造する。
中間体1H:4−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの製造
段階1:3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピオン酸エチルの製造
この物質は、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンおよび4−フルオロ安息香酸から出発して、1Dの製造における3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:表題化合物の製造
1Hは、炭酸グアニジンおよび段階1からの生成物、3−(4−フルオロフェニル)−3−オキソプロピオン酸エチルから出発して、1Aについて記述したものと同様の方法に
より製造する。
置換されたアニリン中間体の製造
中間体2A:{4−[(2−エチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの製造
THF(20mL)中のジイソプロピルアミン(12.1mL、86.2mmol)の−78℃溶液にヘキサン中のn−BuLi(1.60M、26.9mL、43.0mmol)の溶液を5分にわたって滴下して加えた。混合物を30分間攪拌し、次にTHF(20mL)中の4−クロロ−ピコリン(5.00g、39.2mmol)の溶液を30分にわたってゆっくりと加えた。反応混合物を−60℃まで温め、そして30分間攪拌し、この期間の後に10mLのTHF中のヨウ化メチル(2.44mL、39.2mmol)の溶液を20分の期間にわたって加えた。反応物を−60℃で30分間、そして−30℃で1.5h攪拌した。混合物を冷えたブラインに注ぎ込むことにより反応をクエンチした。混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして濃縮した。残留物の真空蒸留(10mmHg、70〜80℃)により5gの所望の2−エチル−4−クロロピリジンとイソプロピルアナログの4.5:1混合物を生成せしめた。
ジメチルアセトアミド(100mL)中のt−BuOK(5.43g、44.5mmol)、4−アミノフェノール(4.16g、38.2mmol)および2−エチル−4−クロロピリジン(4.5g、32mmol、20%のイソプロピルアナログを含有する)のよく攪拌した、脱気溶液を100℃で30h加熱した。反応混合物rtに冷却し、そして真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン(200mL)と0.1NのNaOH(200mL)の間で分配した。有機相を0.1NのNaOHで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空中で濃縮した。粗油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20%のEtOAc〜60%のEtOAc)により精製して3.22gの所望のエチル化合物2Aおよび465mgのイソプロピルアナログを生成せしめた。MS ES:215(M+H)+、計算値215、RT=0.19分。
中間体2B:{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの製造
{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(2B)は、4−アミノフェノールおよび4−クロロ−2−メチルピリジンから出発して、 4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した、MS ES:201(M+H)+、計算値201、RT=1.01分。
中間体2C:4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミドの製造
3−アミノフェノール(18.12g、0.17mmol)およびカリウムt−ブトキシド(12.07g、0.17mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(350mL)に懸濁し、そしてrtで30分間攪拌した。2−アミド−4−クロロピリジン(20g、0.13mmol)を加え、そして混合物を90℃で一晩攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチルと水の間で分配した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、そして蒸発乾固させた。粗黄褐色固体を酢酸エチルから再結晶化させて10.5g(27%)の所望の生成物2Cを生成せしめた。MS ES:230(M+H)+、計算値230、RT=1.29分。
中間体2D:4−(3−アミノフェノキシアミノ]フェノキシ)−N−メチル−ピリジン−2−カルボキサミドの製造
アニリン2Dは、3−アミノフェノールおよび4−クロロ−2−(N−メチルアミド)ピリジンから出発して、WO 00/42012(Bayer Corporation、RAFキナーゼ阻害剤としてのw−カルボキシアリール置換されたジフェニル尿素)に記述されている方法により製造した。MS ES:244(M+H)+、計算値244、RT=1.51分。
中間体2E:{4−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの製造
{4−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(2E)は、4−アミノフェノールおよび3,4,5−トリフルオロピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:223(M+H)+、計算値223、RT=0.50分。
中間体2F:4−(4−アミノフェノキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
4−(4−アミノフェノキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド(2F)は、4−アミノフェノールおよび4−クロロ−2−(N−メチルアミド)ピリジンから出発して、WO 00/42012(Bayer Corporation、RAFキナーゼ阻害剤としてのw−カルボキシアリール置換されたジフェニル尿素)に記述されている方法により製造した。MS ES:244(M+H)+、計算値244、RT=1.16分。
中間体2G:4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリルの製造
4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリル(2G)は、4−アミノ−3−フルオロフェノールおよび4−クロロ−2−シアノピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:230(M+H)+、計算値230、RT=2.85分。
中間体2H:4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリルの製造
4−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリル(2H)は、4−アミノ−2−フルオロフェノールおよび4−クロロ−2−シアノピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:230(M+H)+、計算値230、RT=2.18分。
中間体2I:4−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリルの製造
4−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリル(2I)は、4−アミノフェノールおよび4−クロロ−2−シアノピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法によ
り製造した。MS ES:212(M+H)+、計算値212、RT=1.23分。
中間体2J:{3−フルオロ−4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−アミンの製造
{3−フルオロ−4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−アミン(2J)は、4−アミノ−2−フルオロフェノールおよび4−クロロ−2−シアノピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:219(M+H)+、計算値219、RT=1.07分。
中間体2K:[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル]アミンの製造
1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(7.76g、55.0mmol)および炭酸カリウム(12.0g、86.8mmol)を無水DMF(100mL)に懸濁し、そして125℃で2h攪拌した。4−メトキシフェノール(6.21g、50.0mmol)を加え、そして混合物を125℃で4h強く攪拌した。rtに冷却した後に、反応混合物を氷水(1000mL)に注ぎ込み、そして30分間強く攪拌した。得られる黄色の固体を真空濾過により集め、そして水で洗浄して11.7gのニトロ中間体を生成せしめ、それを真空中で一晩乾燥させた。このニトロ中間体(8.00g、32.6mmol)をエタノール(180mL)に懸濁し、そして10%のPd/C(0.35g)を入れたフラスコに加えた。反応混合物を水素ガスで3回フラッシュし、そして次に水素雰囲気下でrtで一晩攪拌した。触媒を濾過により除き、そして濾液を濃縮した。得られる沈殿物を真空濾過により集めて白色の固体生成物(6.76g、96%)を生成せしめた。MS ES 216(M+H)+、計算値216、RT=1.24分;TLC(25%の酢酸エチル−ヘキサン)Rf=0.18。
中間体2L:4−[4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピリジン−2−カルボニトリルの製造
この物質は、4−アミノ−3−(トリフルオロメチル)フェノールおよび4−クロロ−2−シアノピリジンから出発して、2Cの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
中間体2M:{4−[(2−メチルピリミジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの製造
この物質は、4−アミノ−フェノールおよび4−クロロ−2−メチルピリミジンから出発して、2Cの製造について記述したものと同様の方法により製造する。
中間体2N:4−(4−アミノフェノキシ)−N−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)ピリジン−2−カルボキサミドの製造
4−(4−アミノフェノキシ)−N−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)ピリジン−2−カルボキサミドは、4−アミノフェノールおよびN−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)クロロピリジン−2−カルボキサミドから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(中間体2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:388(M+H)+、計算値388、RT=3.60分。
中間体2O:4−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニルアミンの製造
段階1.(4−フルオロ−フェニル)−(4−ニトロフェニル)−メタノンの製造
ニトロエタン(20mL)中の4−ニトロベンゾイルクロリド(2.3g、13mmol)の溶液に塩化アルミニウム(3.5g、26mmol)、続いてフルオロベンゼン(1.2mL、13mmol)を加えた。混合物をrtで4h攪拌し、次に6MのHClで注意深くクエンチした。反応混合物を希薄水性NaOHおよびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空中で濃縮して粗生成物を薄黄色の固体として生成せしめた。固体をヘキサンからの再結晶化により精製して(4−フルオロ−フェニル)−(4−ニトロフェニル)−メタノン(2.0g、65%)を生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.41−8.32(m、5H)、7.90(m、1H)、7.84(m、1H)、7.20(m、1H)。
段階2.1−フルオロ−4(4−ニトロベンジル)ベンゼンの製造
0℃でジクロロメタン(16mL)中の(4−フルオロ−フェニル)−(4−ニトロフェニル)−メタノン(2.0g、8.2mmol)の溶液にジクロロメタン(16mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸(1.4mL、16mmol)を加えた。次に、ジクロロメタン(16mL)中のトリエチルシラン(2mL、12mmol)の溶液を滴下して加え、発熱をもたらした。5分後に、追加のトリフルオロメタンスルホン酸(1.4mL、16mmol)、続いてトリエチルシラン(2.0mL、12mmol)を加えた。反応混合物をrtで2h攪拌し、次に冷えた飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ込み、そしてジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。ヘキサン中0〜10%の酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を白色の固体(260mg、14%)として生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.14(m、2H)、7.31(m、2H)、7.12(m、2H)、7.01(m、2H)、4.06(s、2H)。
段階3.表題化合物の製造
エタノール(4mL)および水(1.2mL)中の段階2において製造した生成物(260mg、1.1mmol)の溶液に鉄粉(188mg、3.40mmol)および塩化アンモニウム(36mg、0.70mmol)を加えた。反応物を85℃で2h攪拌し、rtに冷却し、そしてセライト(R)を通して濾過した。濾液を濃縮し、次にジクロロメタンにおいて希釈し、水で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させた。合わせた有機層を真空中で濃縮して4−(4−フルオロ−ベンジル)−フェニルアミンを薄褐色の油として生成せしめ、それは静置すると結晶化した(150mg、67%)。1H NMR(CHCl3−d)δ7.11(m、2H)、6.95(m、4H)、6.62(m、2H)、3.85(s、2H)、3.59(br s、2H)。
中間体2P:4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニルアミンの製造
段階1.(4−ニトロ−フェニル)−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イル)−酢酸エチルエステルの製造
DMF(10mL)中の(4−ニトロフェニル)酢酸エチル(760mg、3.6mmol)の溶液に60%の水素化ナトリウム(145mg、3.6mmol)を加えた。濃い紫色の反応混合物をrtで30分間攪拌し、次に4−フルオロ−2−トリフルオロメチル−ピリジン(500mg、3.0mmol)を加えた。70℃で2h加熱した後に、混合物を氷水上に注ぎ込み、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗
浄し、次に硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。残留物をヘキサン中10〜30%の酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、(4−ニトロ−フェニル)−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イル)−酢酸エチルエステルを粘性のある黄色の油(440mg、41%)として生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.70(d、J=5.1Hz、1H)、8.23(m、2H)、7.63(m、1H)、7.50(m、2H)、7.44(dd、J=5.0、1.6Hz、1H)、5.15(s、1H)、4.27(q、J=7.0Hz、2H)、1.30(t、J=7.1Hz、3H)。
段階2.4−(4−ニトロベンジル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンの製造
1滴の水を含有するメタノール(13mL)中の段階1において製造した生成物(440mg、1.24mmol)の溶液に、粉末にしたLiOH(36mg、1.5mmol)を加え、そして混合物をrtで一晩攪拌した。混合物を濃縮してメタノールを除き、ジクロロメタンにおいて希釈し、そして水で洗浄した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、そしてヘキサン中10〜25%の酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して4−(4−ニトロベンジル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンを薄黄色の固体(100mg、29%)として生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.65(d、J=4.7Hz、1H)、8.21(m、2H)、7.49(s、1H)、7.35(m、2H)、7.28(m、1H)、4.18(s、2H)。
段階3.表題化合物の製造
10%の炭素上Degussa Pd(15mg、0.14mmol)を窒素でフラッシュし、次にエタノール(2mL)において希釈した。次に、エタノール(2mL)およびピリジン(14mg、0.18mmol)中の4−(4−ニトロベンジル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(100mg、0.35mmol)の溶液を加え、そしてフラスコ上に水素バルーンを置く前に混合物を窒素で再びフラッシュした。混合物をrtで一晩攪拌し、次にセライト(R)を通して濾過し、そして濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、そしてヘキサン中50〜100%の酢酸エチルで溶出してシリカゲルプラグを通して濾過し、4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニルアミンを透明な無色の油(76mg、85%)として生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.57(d、J=5.0Hz、1H)、7.47(s、1H)、7.26(m、1H)、6.93(m、2H)、6.65(m、2H)、3.92(s、2H)、3.57(br s、2H)。
中間体2Q:4−(4−アミノ−ベンジル)−ピリジン−2−カルボニトリルの製造
段階1.4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピリジン−2−カルボニトリルの製造
ジクロロメタン(9mL)中の4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピリジン1−オキシド(1.0g、4.3mmol)の溶液にシアン化トリメチルシリル(2.3mL、17mmol)を加えた。5分後に、塩化ベンゾイル(1.0mL、8.7mmol)を滴下して加え、そして混合物をrtでさらに30分間攪拌した。水(10mL)を注意深く、続いて固体炭酸カリウム(2.1g)を加えた。30分後に、水相をジクロロメタンで抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。ヘキサン中5〜25%の酢酸エチルで溶出するカラムクロマトグラフィーでの残留物の精製により橙色の油を生成せしめた。次に、この油をトルエンで研和して4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピリジン−2−カルボニトリルを黄褐色の固体(353mg、34%)として生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.63(d、J=4.8Hz、1H)、8.21(m、2H)、7.49(m、1H)、7.32(m、3H)、4.15(s、2H)。
段階2.表題化合物の製造
10%の炭素上Degussa Pd(40mg、0.38mmol)を窒素でフラッシュし、次にエタノール(5mL)において希釈した。次に、エタノール(5mL)およびピリジン(42mg、0.52mmol)中の4−(4−ニトロ−ベンジル)−ピリジン−2−カルボニトリル(250mg、1.05mmol)を加え、そしてフラスコ上に水素バルーンを置く前に混合物を窒素で再びフラッシュした。混合物をrtで一晩攪拌し、次にセライト(R)を通して濾過し、そして濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、そしてヘキサン中50〜100%の酢酸エチルで溶出してシリカゲルプラグを通して濾過して、4−(4−アミノ−ベンジル)−ピリジン−2−カルボニトリル(134mg、61%)を生成せしめた。1H NMR(CHCl3−d)δ8.55(d、J=5.2Hz、1H)、7.46(s、1H)、7.30(d、J=4.8Hz、1H)、6.93(d、J=8.3Hz、2H)、6.66(d、J=8.2Hz、2H)、3.91(s、2H)。
中間体2R:4−(4−アミノフェノキシ)−2−クロロピリジンの製造
4−(4−アミノフェノキシ)−2−クロロピリジンは、4−アミノフェノールおよび2,4−ジクロロピリジンから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。MS ES:221(M+H)+、計算値221、RT=0.32分。
中間体2S:4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−フェニルアミンの製造
4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−フェニルアミンは、(4−ニトロフェニル)酢酸エチルおよび2−クロロ−4−ニトロ−ピリジンから出発して、4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニルアミン(中間体2P)について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(CHCl3−d)δ8.23(dd、J=5.1、0.5Hz、1H)、7.11(m、1H)、7.01(m、1H)、6.95(m、2H)、6.65(m、2H)、3.83(s、2H)。
中間体2T:4−[(4−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]アニリンの製造
無水DMF中の4−アミノフェノール(1.86g、17.05mmol)の溶液をDMF中のカリウムt−ブトキシド(2.10g、18.75mmol)の懸濁液に加えた。混合物をrtで1h攪拌した。4−ブロモ−2−フルオロピリジン(3.00g、17.05mmol)を反応混合物に加え、そしてそれを20h攪拌しながら90℃で加熱した。それをrtまで冷却し、そして反応をクエンチするために100mlの水をゆっくりと加えた。反応混合物を真空中で濃縮して残留物を生成せしめ、それをEtOAc(3X)で抽出し、そして水(3X)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮して粗生成物を生成せしめ、それをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:4)により精製して1.02g(23%)の中間体2Tを黄色の固体として生成せしめた。MS ES 265(M+H)+、計算値265、RT=2.52分;TLC(ヘキサン/EtOAc=6/4)Rf=0.26。
中間体2U:4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}アニリンの製造
N,N−ジメチルアセトアミド(250mL)中の4−アミノフェノール(41.6g、0.38mol)の冷えた(−5oC)脱気溶液をカリウムtert−ブトキシドで処理し、そして20℃に温めながら攪拌した。ジメチルアセトアミド(150mL)中の4−フルオロ−2−トリフルオロメチルピリジン(60g、0.36mol)を含有する溶液をゆっくりと加え、そして混合物を25℃で18h攪拌した。次に、反応混合物を真空中で濃縮し、そして残留物を強く攪拌した水(1L)に加えた。沈殿した固体を吸引濾過により集め、そしてイソプロパノール/エーテル(1:1)、続いてエーテルおよびヘキサンで洗浄した。黄色黄褐色の固体を乾燥させて72.8g(79%)の生成物を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ5.20(s、2H、−NH2)、6.62(m、2H)、6.86(m、2H)、7.04(dd、1H、J=5.6、2.4Hz)、7.24(d、1H、J=2.4Hz)、8.54(d、1H、5.7Hz)。MS ES 255(M+H)+、計算値255、RT=1.66分。
中間体2V:4−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボン酸メチルの製造
段階1.4−クロロピリジン−2−カルボン酸メチルHCl塩の合成
無水DMF(10.0mL)を40〜48℃でSOCl2(300mL)にゆっくりと加えた。溶液を10分間攪拌し、次にピコリン酸(100g、812mmol)を30分にわたって加えた。得られる溶液を72℃(活発なSO2発生)で16h加熱して黄色の固体を生成せしめた。得られる混合物をrtに冷却し、トルエン(500mL)で希釈し、そして200mLに濃縮した。トルエン添加/濃縮工程を2回繰り返した。得られるほぼ乾燥した残留物を濾過し、そして固体をトルエン(50mL)で洗浄し、そして高真空下で4h乾燥させて4−クロロピリジン−2−カルボニルクロリドHCl塩を黄色がかった白色の固体(27.2g、16%)として生成せしめた。この物質を取っておいた。
内部温度を55℃未満に保つ速度で上記からの赤色の濾液をMeOH(200mL)に加えた。内容物をrtで45分間攪拌し、5℃に冷却し、そしてEt2O(200mL)で滴下して処理した。得られる固体を濾過し、Et2O(200mL)で洗浄し、そして35℃で減圧下で乾燥させて4−クロロピリジン−2−カルボン酸メチルHCl塩を白色の固体(110g、65%)として生成せしめた:mp 108〜112℃;1H−NMR(DMSO−d6)δ3.88(s、3H);7.82(dd、J=5.5、2.2Hz、1H);8.08(d、J=2.2Hz、1H);8.68(d、J=5.5Hz、1H);10.68(br s、1H);MS ES 172(M+H)+計算値172。
段階2.表題化合物の製造
4−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボン酸メチルは、段階1の生成物および4−アミノフェノールから出発して、4−(3−アミノフェノキシ)ピリジン−2−カルボキサミド(2C)について記述したものと同様の方法により製造した。
本発明の化合物の製造
[実施例1]
N4−{4−[(2−エチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1A(75mg、0.35mmol)およびアニリン2A(72mg、0.35mmol)を濃塩酸(0.1mL)を含有する水(2mL)に懸濁し、そして100℃で17h攪拌した。rtに冷却した後に、混合物を1Nの水性水酸化ナトリウムで中和し、そして20分攪拌した。沈殿物を濾過により集め、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜5%のメタノール−塩化メチレン)により精製して43mg(32%)の表題化合物を黄色の固体として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.34(s、1H)、8.31(d、5.7Hz、1H)、7.91−7.93(m、2H)、7.86(d、J=8.8Hz、2H)、7.45−7.47(m、3H)、7.07−7.09(m、2H)、6.76(d、J=2.3Hz、1H)、6.68(dd、J=5.6Hz、1.3Hz、1H)、6.49(s、1H)、6.37(b、2H)、2.69(q、J=7.6Hz、2H)、1.19(t、J=7.4Hz、3H)、MS ES 384(M+H)+、計算値384、RT=1.87分;TLC(5/95 v/v メタノール−塩化メチレン)Rf=0.41。反応混合物はまた、Phenomenex Luna 5μ C18 150x30mmカラムで15分にわたる0.1%のTFAを含有する水中15%〜85%のアセトニトリルの溶出勾配を用いる分取HPLCにより精製して表題化合物をそのTFA塩として生成せしめることもできる。
表題化合物をMeOHもしくはジオキサンのような適切な溶媒に溶解すること、1NのHClもしくは1Nのメタンスルホン酸のいずれかの添加、および濾過により、対応するHClもしくはメタンスルホン酸塩が単離される。
[実施例2]
N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Bから出発して、この化合物は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.31(s、1H)、8.25(d、J=5.7Hz、1H)、7.89−7.92(m、2H)、7.83−7.86(m、2H)、7.42−7.48(m、3H)、7.04(d、J=8.9Hz、2H)、6.73(d、J=2.4Hz、1H)、6.67−6.69(m、1H)、6.47(s、1H)、6.34(s、2H)、2.37(s、3H);MS ES:370(M+H)+、計算値370、RT=1.41分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.33。
[実施例3]
4−{3−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボキサミドの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Cから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.43(s、1H)、8.50(d、J=5.6Hz、1H)、8.12(s、1H)、7.88−7.90(m、2H)、7.75(t、J=2.2Hz、1H)、7.70(s、1H)、7.60(d、J=8.4Hz、1H)、7.43−7.46(m、4H)、7.38(t、J=8Hz、1H)、7.19(dd、J=5.5Hz、1.5Hz、1H)、6.75(dd、J=7.5Hz、1.0Hz、1H)、6.48(s、1H)、6.38(b、2H);MS ES 399(M+H)+、計算値399、RT=2.64分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.27。
[実施例4]
4−{3−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Dから出発して、この物質は実施例1と同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.43(s、1H)、8.76−8.79(m、1H)、8.50(d、J=5.8Hz、1H)、7.88−7.90(m、2H)、7.75(t、J=2.0Hz、1H)、7.59(d、J=7.9Hz、1H)、7.42−7.47(m、4H)、7.38(t、J=8.0Hz、1H)、7.17−7.19(m、1H)、6.75(dd、J=8.0Hz、1.0Hz、1H)、6.48(s、1H)、6.38(s、2H)、2.78(d、J=4.8Hz、3H);MS ES 413(M+H)+、計算値413、RT=2.13分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.31。
[実施例5]
N4−{4−[(3,5−ジフルオロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−
フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Eから出発して、この化合物は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.24(s、1H)、8.63(s、2H)、7.88−7.90(m、2H)、7.74(d、J=9.0Hz、2H)、7.43−7.46(m、3H)、7.03(d、J=9.0Hz、2H)、6.44(s、1H)、6.31(b、2H);MS ES 392(M+H)+、計算値392、RT=2.27分。
[実施例6]
4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)ピリジン−2−カルボニトリル塩酸塩の製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Gから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。反応が完了した後に、固体を濾過し、そしてMeOHで洗浄して表題化合物を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ12.99(s、ブロード、1H)、10.51(s、ブロード、1H)8.63(d、J=6.0Hz、1H)、8.07(s、ブロード、1H)、7.88(m、2H)、7.79(d、J=2.4Hz、1H)、7.66(m、3H)、7.45(dd、J=11.2Hz、2.4Hz、1H)、7.30(d、J=3.2Hz、1H)、7.16(dd、J=8.8Hz、1.6Hz、1H)、6.82(s、ブロード、1H);MS ES:399(M+H)+、計算値399、RT=2.24分。
[実施例7]
N4−{3−フルオロ−4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Hから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.54(s、1H)、8.24−8.30(m、2H)、7.19(dd、J=7.6Hz、2.4Hz、2H)、7.44−7.48(m、3H)、7.23(t、J=9.2Hz、1H)、6.70−6.76(m、2H)、6.49(b、2H)、2.41(s、3H);MS ES 388(M+H)+、計算値388、RT=1.70分。
[実施例8]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリルの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Iから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ12.73(b、1H)、10.85(b、2H)、8.56(d、J=6.0Hz、1H)、7.94−7.96(m、2H)、7.83−7.85(m、2H)、7.71(d、J=2.4Hz、1H)、7.63−7.67(m、3H)、7.29(d、J=8.8Hz、2H)、7.18−7.21(m、1H)、6.65(s、1H);MS ES 381(M+H)+、計算値381、RT=2.22分。
[実施例9]
4−(3−{[2−アミノ−6−(3−フリル)ピリミジン−4−イル]アミノ}フェノキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
クロロピリミジン1Cおよびアニリン2Dから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.37(s、1H)、8.77(d、J=5.0Hz、1H)、8.50(d、J=5.0Hz、1H)、8.11(s、1H)、7.71−7.74(m、2H)、7.56−7.59(m、1H)、7.43(d、J=4.0Hz、1H)、7.36(t、J=8.0Hz、1H)、7.16−7.18(m、1H)、6.79−6.80(m、1H)、6.72−6.73(m、1H)、6.29(s、2H)、6.22(b、1H)、2.78(d、J=5.0Hz、3H);MS ES 403(M+H)+、計算値403、RT=1.99分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.27。
[実施例10]
4−(4−{[2−アミノ−6−(3−フリル)ピリミジン−4−イル]アミノ}−フェノキシ)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
クロロピリミジン1Cおよびアニリン2Fから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.31(s、1H)、8.76(d、J=5.0Hz、1H)、8.47(d、J=6.0Hz、1H)、8.12(s、1H)、7.85(d、J=7.2Hz、2H)、7.74(s、1H)、7.36(d、J=3.0Hz、1H)、7.10−7.14(m、3H)、6.81(s、1H)、6.18(s、2H)、6.23(s、1H)、2.78(d、J=5.0Hz、3H);MS ES 403(M+H)+、計算値403、RT=1.94分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.26。
[実施例11]
N4−[4−(4−ニトロフェノキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよび[4−(4−ニトロフェノキシ)フェニル]アミンから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H
NMR(DMSO−d6)δ9.36(s、1H)、8.23(d、J=9.2Hz、2H)、7.87−7.93(m、4H)、7.43−7.48(m、3H)、7.08−7.12(m、4H)、6.49(s、1H)、6.37(b、2H);MS ES 400(M+H)+、計算値400、RT=3.01分;TLC(5/95 メタノール−塩化メチレン)Rf=0.67。
[実施例12]
N4−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよび[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]アミンから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.24(s、1H)、7.90(dd、J=7.8Hz、1.8Hz、2H)、7.79(d、J=8.8Hz、2H)、7.45(m、3H)、7.39(d、J=8.4Hz、2H)、6.99(m、4H)、6.46(s、1H)、6.31(s、2H);MS ES 389(M+H)+、計算値389、RT=2.78分;TLC(CH2Cl2/MeOH中2MのNH3 95/5)Rf=0.33。
[実施例13]
N4−[4−(4−メトキシフェノキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Kから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.15(s、1H)、7.90(dd、J=9.6Hz、1.6Hz、2H)、7.70(m、2H)、7.44(m、3H)、6.93(m、4H)、6.88(d、J=8.8Hz、2H)、6.43(s、1H)、6.27(s、2H)、3.72(s、3H);MS ES 385(M+H)+、計算値385、RT=2.48分。
[実施例14]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]−2−フルオロフェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリルの製造
この物質は、2Hおよび1Aから出発して、実施例1に記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例15]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]−3(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリルの製造
この物質は、2Lおよび1Aから出発して、実施例1に記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例16]
N4−{4−[(2−メチルピリミジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この物質は、2Mおよび1Aから出発して、実施例1に記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例17]
N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1:6−(4−メトキシフェニル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この物質は、1Fおよび2Bから出発して、実施例1について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:4−[2−アミノ−6−({4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]フェノールの製造
上記の段階1からの中間体を塩化メチレン中BBr3で0℃で12h処理する。公開された方法(J.F.W.McOmie and D.E.West,Org.Synth.,Collect.Vol.V,412(1973))による処理(work−up)および精製後に、所望の化合物が得られる。
段階3:6−[4−(2−ブロモエトキシ)フェニル]−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
DMF中の段階2の生成物(1当量)の溶液に1,2−ジブロモエタン(1当量)およびK2CO3(3当量)を加える。混合物を一晩還流させる。rtに冷却した後に、混合物をEtOAcで希釈し、そして1NのNaOH、水およびブラインで順次洗浄する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮して粗生成物を生成せしめ、それをさらに精製せずに次の段階において使用する。
段階4:表題化合物の製造
DMF中の段階3からの生成物(1当量)、ピロリジン(2当量)およびK2CO3(8当量)の混合物を65℃で一晩攪拌する。溶媒を除き、そして残留物をEtOAcに溶解する。有機溶液を水で洗浄し、乾燥させ、そして蒸発燥固させる。残留物をシリカカラム上でクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を生成せしめる。
[実施例18]
4−[4−({2−アミノ−6−[4−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)フェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)フェノキシ]ピリジン−2−カルボニトリルの製造
これは、1F、2Iから出発しそして段階4におけるピペリジンを用いて、実施例17について記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例19]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸メチルの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Vから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.37(s、1H)、8.52(d、1H)、7.85(m、4H)、7.41(m、4H)、7.16(m、3H)、6.45(s、1H)、6.36(s、2H)、3.79(s、3H);MS ES 414(M+H)+、計算値414、RT=2.16分。
[実施例20]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸の製造
濃硫酸(150mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリル(20g、0.05mol、実施例8)を含有する溶液を70℃で12h加熱した。次に、反応混合物を−40℃に冷却し、そして水(30mL)を加え、続いて70℃で12h加熱した。溶液をrtに冷却し、そして強く攪拌した氷水(2L)に注ぎ込み、そして攪拌を2h続けた。次に、固体を吸引濾過により集め、水(500mL)で洗浄し、そして空気吸引により乾燥させた。次に、わずかに湿った物質を最小容量の熱い(90℃)N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、そして混合物がわずかに酸性と試験されるまでトリエチルアミンを加えた。次に、冷却した溶液を氷水(2L)に注ぎ込み、0.5〜1h攪拌し、そして沈殿した物質を吸引濾過により集めた。濾過ケーキを水、続いてイソプロパノール、ジエチルエーテル、そして最後にヘキサンで洗浄した。順次、空気乾燥させることによりカルボン酸を黄色がかった白色の固体、18.5g(90%)として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.40(s、1H)、8.53(d、1H、J=5.8Hz)、7.90(m、4H)、7.46(m、3H)、7.40(d、1H、J=7.1Hz)、7.16(m、1H、)、7.13(d、2H、J=9.1Hz)、6.50(s、1H)、6.40(s、2H)、3.30(br s、1H)、MS ES 400(M+H)+、計算値400、RT=1.71分。
表題化合物のHCl塩、(実施例78)は、1NのHClへの実施例20の添加により製造した。
[実施例21]
N4−(4−{[2−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
乾式DMA(3mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸(実施例20、0.15g、0.38mmol)の溶液にHATU(0.14g、0.38mmol)およびDIEA(0.15g、1.13mmol)を加えた。溶液をrtで0.5h攪拌し、続いてモルホリン(0.16g、1.88mmol)を加えた。得られる溶液をrtで一晩攪拌し、続いて分取HPLC分離により77mg(35%)の純粋な生成物を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.79(s、1H)、8.40(s、1H)、7.85(m、2H)、7.74(m、2H)、7.60(m、3H)、7.21(m、2H)、7.00(m、2H)、6.59(s、1H)、3.49(m、8H);MS ES 469(M+H)+、計算値469。
[実施例22]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}−N,N−ジメチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
この物質は、4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸およびジメチルアミンから出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例23]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}−N−(2−メトキシエチル)ピリジン−2−カルボキサミドの製造
この物質は、4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸および2−メトキシエチルアミンから出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造した。
[実施例24]
4−[4−({2−アミノ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)フェノキシ]−N−(2−メトキシエチル)ピリジン−2−カルボキサミドの製造
段階1:4−[4−({2−アミノ−6−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)フェノキシ]ピリジン−2−カルボン酸の製造
この物質は、2Iおよび1Gから出発して、実施例1および実施例20について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:表題化合物の製造
この物質は、2−メトキシエチルアミンおよび4−[4−({2−アミノ−6(トリフルオロメチル)フェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)フェノキシ]ピリジン−2−カルボン酸から出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する
[実施例25]
4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}−N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミドの製造
この物質は、4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸および2−メトキシエチル−N−メチルアミンから出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例26]
N4−[4−({2−[(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この物質は、4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸(実施例20)および1−メチルピペリジンから出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する。1H NMR(DMSO−d6)δ10.85(s、1H)、10.19(s、1H)、8.42(d、1H)、7.90(m、2H)、7.74(m、3H)、7.59(m、4H)、7.22(m、3H)、7.06(m、2H)、6.60(s、1H)、4.51(m、1H)、4.08(m、1H)、3.45(m、3H)、3.17(m、3H)、2.78(s、3H);MS ES 482(M+H)+、計算値482、RT=1.86分。
[実施例27]
N4−{4−[(2−{[(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
無水THF(50mL)中の実施例23からの4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}−N−(2−メトキシエチル)ピリジン−2−カルボキサミド(50mmol)の溶液を無水THF(150mL)中の水素化アルミニウムリチウム(100mmol、THF中1.0M)の氷浴において予冷した溶液に少しずつ加える。水素の発生が治まるまで反応物を0℃で30分間攪拌する。反応混合物を窒素下で48h還流させる。混合物を5〜10℃にし、そして水(3.8mL)、15%NaOH(3.8mL)および水(12mL)で注意深くクエンチする。混合物をEtOAcで抽出し、そして有機層を乾燥させ、そして濃縮して粗生成物を生成せしめ、それをシリカカラム上でクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を生成せしめる。
(参考文献:Org.Synth.Collect.,1988,Vol.VI,382−385)
[実施例28]
6−(4−フルオロフェニル)−N4−(4−{[2−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1:4−(4−{[2−アミノ−6−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}フェノキシ)ピリジン−2−カルボン酸の製造
この物質は、1Hおよび2Iから出発して、実施例1および20について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:6−(4−メトキシフェニル)−N4−(4−{[2−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この物質は、6−(4−フルオロフェニル)−N4−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]ピリミジン−2,4−ジアミンおよびピペリジンから出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する。
段階3:表題化合物の製造
この物質は、6−(4−メトキシフェニル)−N4−(4−{[2−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンから出発して、実施例27について記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例29]
6−(4−メトキシフェニル)−N4−(4−{[2−(モルホリン−4−イルメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1:4−(4−{[2−アミノ−6−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−4−イル]アミノ}フェノキシ)ピリジン−2−カルボン酸の製造
この物質は、1Fおよび2Iから出発して、実施例1および20について記述したものと同様の方法により製造する。
段階2:6−(4−メトキシフェニル)−N4−(4−{[2−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この物質は、段階1からの生成物から出発して、実施例21について記述したものと同様の方法により製造する。
段階3:表題化合物の製造
この物質は、段階2の生成物から出発して、実施例27について記述したものと同様の方法により製造する。
[実施例30]
N2−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−N4−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1:2,4−ジクロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジンの製造b
rtでエタノール(30mL)、トルエン(30mL)および2M水性重炭酸ナトリウム(96.7mL)の溶媒混合物中の3−メトキシフェニルボロン酸(9.8g、64.49mmol)の溶液にトリクロロピリミジン(11.83g、64.49mmol)を
加えた。得られる混合物を真空下で数分間脱気し、その後にフラスコを窒素でパージした。ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(2.4g、3.22mmol)を加え、そして得られる混合物を50℃で3h加熱した。冷却した反応混合物をシリカゲルパッドを通して濾過し、そしてパッドをアセトンで洗浄した。濾過したものを減圧下で蒸発させた。粗物質を0〜45%の酢酸エチル/ヘキサンの勾配で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して2,4−ジクロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジンを白色の固体(14.4g、65.4%)として生成せしめた。MS ES 255(M+H)+、計算値255、RT=3.35分。
段階2:[2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミンの製造
2,4−ジクロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジン(1.0g、3.92mmol)および4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニルアミン中間体2U(1.0g、3.92mmol)をイソプロパノール/水 2:8(40mL)の混合物に懸濁した。反応混合物を還流で24h加熱し、この時点でTLCは完了した反応を示した。反応混合物をフリットガラス漏斗で濾過した。粗残留物を両方の溶媒に0.1%のTFAを含有する0〜71%のアセトニトリル/水の勾配で溶出するHPLCにより精製した。[2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミンのTFA塩が黄色の油として得られ、それは静置すると凝固した(926mg、50.1%)。MS ES 473(M+H)+、計算値473、RT=3.98分。
段階3:表題化合物:N2−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−N4−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
[2−クロロ−6−(3−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−アミン(100mg、0.21mmol)およびエチルアミン(2M THF、1mL)をn−ブタノール(3mL)に溶解し、そして反応混合物を120℃で一晩加熱した。反応混合物を真空下で蒸発させ、そして粗残留物を両方の溶媒に0.1%のTFAを含有する10〜85%のアセトニトリル/水の勾配で溶出するHPLCにより精製した。N2−エチル−6−(3−メトキシ−フェニル)−N4−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミン(13.9mg、11%)のTFA塩がベージュ色の固体として得られた。1H NMR(アセトン−d6)δ10.36(br、1H)、10.06(Br、1H)、8.62(d、J=6Hz、1H)、8.00(br、1H)、7.53−7.51(m、1H)、7.47−7.31(m、2H)、7.19−7.12(m、3H)、6.66(s、1H)、3.94(s、3H)、
3.59−3.56(m、2H)、1.31(t、J=7Hz、3H)。MS ES 482(M+H)+、計算値482、RT=2.83分。
[実施例31]
4−[4−(2−アミノ−5−ブロモ−6−フェニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ピリジン−2−カルボニトリルの製造
rtで酢酸(4mL)中の4−[4−(2−アミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ピリジン−2−カルボニトリル(実施例8、200mg、0.53mmol)および酢酸ナトリウム(146.6mg、459.8mmol)の溶液に臭素(84mg、0.53mmol)を加えた。反応物を2h静置させ、この期間の後にジクロロメタン(20mL)、続いて水(20mL)を加えた。相を分離し、そして有機層を飽和重炭酸塩水溶液で洗浄した。合わせた有機抽出物をMgSO4上で乾燥させ、そして次に真空下で蒸発させた。粗物質を0〜60%のAcOEt/ヘキサンの勾配で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して4−[4−(2−アミノ−5−ブロモ−6−フェニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−フェノキシ]−ピリジン−2−カルボニトリルを橙色の固体(200mg、83%)として生成せしめた。1H NMR(DMSO d6)δ8.58(d、J=5Hz、1H、8.50(Br、1H)、7.90−7.86(m、2H)、7.67(d、J=2Hz、1H)、7.54−7.51(m、2H)、7.47−7.41(m、3H)、7.20−7.16(m、3H)、6.57(Br、2H).MS ES 459(M+H)+、計算値459、RT=2.85分。
[実施例32]
N4−{4−[2−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ピリジン−4−イルオキシ]−フェニル}−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
N4−[4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミン(実施例48、75mg、0.19mmol)をトルエン(1.5mL)に溶解した。次に、2−モルホリン−4−イル−エタノール(61mg、0.46mmol)、粉末にしたKOH(22mg、0.38mmol)および18−クラウン−6(20mg、0.08mmol)を加えた。混合物を90℃で一晩攪拌し、この期間の後にそれを水で希釈し、そして酢酸エチルおよびジクロロメタンの両方で抽出した。合わせた有機抽出物を濃縮し、そして残留物を分取HPLCにより精製して表題化合物(14mg、15%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.79(br s、1H)、9.99(br s、1H)、8.08(d、J=5.8Hz、1H)、7.90(m、2H)、7.77(dd、J=7.6、2.0Hz、2H)、7.64(m、3H)、7.21(d、J=8.9Hz、2H)、6.69(dd、J=5.8、2.1Hz、1H)、6.60(s、1H)、6.22(d、J=2.2Hz、1H)、4.57(t、J=5.1Hz、2H)、3.96(m、2H)、3.68(m、2H)、3.50(m、4H)、3.15(m、2H);MS ES:485(M+H)+、計算値485、RT=1.96分。
[実施例33]
6−フェニル−N4−[4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニル]−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Pから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ12.90(br s、1H)、10.82(br s、1H)、8.64(d、J=5.1Hz、1H)、7.83(m、3H)、7.74(m、2H)、7.64(m、4H)、7.31(d、J=8.3Hz、2H)、6.67(brs、1H)、4.11(s、2H);MS ES:422(M+H)+、計算値422、RT=2.51分。
[実施例34]
N4−[4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルメチル)−フェニル)−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよびアニリン2Sから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ12.80(br s、1H)、10.74(br s、1H)、8.29(dd、J=5.4、0.6Hz、1H)、7.83(m、2H)、7.67(m、2H)、7.63(m、3H)、7.41(m、1H)、7.30(m、3H)、6.61(br s、1H)、3.98(s、2H);MS ES:388(M+H)+、計算値388、RT=2.38分。
[実施例35]
4−[4−(2−アミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジル]−ピリジン−2−カルボニトリルの製造
クロロピリミジン1Aおよび中間体2Qから出発して、この物質は実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ12.74(br s、1H)、10.73(br s、1H)、8.63(d、J=4.9Hz、1H)、7.96(s、1H)、7.82(m、2H)、7.72(m、2H)、7.61(m、4H)、7.30(d、J=7.9Hz、2H)、6.61(s、1H)、4.05(s、2H);MS ES:379(M+H)+、計算値379、RT=2.35分。
[実施例36]
N4−[4−(2−アミノメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニル]−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
10%の炭素上Degussa Pd(15mg、0.14mmol)を窒素でフラッシュし、次にメタノール(1mL)において希釈した。次に、メタノール(2mL)中の4−[4−(2−アミノ−6−フェニル−ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジル]−ピリジン−2−カルボニトリル(実施例35、90mg、0.24mmol)および濃HCl(0.03mL)を加え、そして水素バルーンをフラスコ上に置く前に混合物を再び窒素でフラッシュした。混合物をrtで3h攪拌し、次にセライト(R)を通して濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製してN4−[4−(2−アミノメチル−ピリジン−4−イルメチル)−フェニル]−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミン(10mg、11%)を生成せしめた。1H NMR(CD3OD)δ8.50(d、J=5.3Hz、1H)、7.76(m、4H)、7.63(m、3H)、7.28(m、4H)、6.53(s、1H)、4.22(s、2H)、4.05(s、2H);MS ES:383(M+H)+、計算値383、RT=1.84分。
[実施例37]
6−フェニル−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
クロロピリミジン1Aおよび4−(2−トリフルオロメチル−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニルアミン2Uから出発して、表題化合物を実施例1について記述したものと同様の方法を用いて製造した。1H NMR(CD3OD)δppm6.59(1H、s)、7.16(1H、dd、J=5.6、2.4Hz)、7.29−7.33(2H、m)、7.42(1H、d、J=2.4Hz)、7.61−7.67(3H、m)、7.75−7.79(2H、m)、7.94(2H、s)、8.63(1H、d、J=5.7Hz)、10.79(1H、s);MS ES 424(M+H)+、計算値424、RT=2.48分。
[実施例38]
N4−(4−{[1−オキシド−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
CHCl3中の6−フェニル−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(0.10g、0.24mmol、実施例37)の溶液に、m−CPBA(77%、0.053g、0.24mmol)を加え、そして混合物をrtで一晩攪拌した。溶媒を真空中で除き、そして残留物をDMFに溶解し、そして分取HPLCにより精製して11mgの黄色がかった白色の固体(11%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.20(s、1H)、8.64(d、J=5.7Hz、1H)、7.93(s、1H)、7.86-7.92(m、2H)、7.52−7.56(m、2H)、7.41−7.49(m、5H)、7.30−7.39(m、2H)、7.24(dd、J=5.7Hz、1H)、6.71(s、1H)。MS ES 440(M+H)+、計算値440、RT=2.97分。
[実施例39]
N4−(4−{[2−(アミノメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン
氷酢酸(100mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリル(3.2g、8.4mmol、実施例8)および10%の炭素上パラジウム触媒(0.75g、Degussa、Germany)を含有する混合物を水素の消費が止まるまでParr水素化装置(3atmのH2)上で振盪した。珪藻土を通して懸濁液を濾過し、そして濾液を真空中で濃縮した。残留物をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、そして塩基性になるまでトリエチルアミンで処理し、次に強く攪拌した氷水に加えた。沈殿した固体を吸引濾過により集め、そして水、イソプロパノール、ジエチルエーテル、そして最後にヘキサンで洗浄した。生成物を空気吸引により乾燥させて黄褐色の粉末、2.36g(73%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δppm9.39(s、1H)、8.30(m、1H)、7.89(m、4H)、7.44(m、3H)、7.05(m、2H)、6.96(dm、1H)、6.69(dm、1H)、6.51(s、1H)、6.36(s、2H)、4.16(d、0.5H、J=5.8Hz、CH 2NH2)、3.73(s、1.5H、CH 2NH2)、3.28(br s、2H、NH2)、MS ES 385(M+H)+、計算値385 RT=1.75分。
TFA塩(実施例92)は、上記の反応混合物の分取HPLCにより得られた。
[実施例40]
N−[(4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]−フェノキシ}ピリジン−2−イル)メチル]メタンスルホンアミドの製造
塩化メタンスルホニル(0.040mL、0.52mmol)を0℃でピリジン(8.0mL)中のN4−(4−{[2−(アミノメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(実施例39、0.20g、0.52mmol)およびDMAP(0.064g、0.52mmol)の溶液に加えた。混合物をrtまで温めておき、そして一晩攪拌した。混合物を真空中で濃縮し、そして残留物をDMFに溶解し、そして分取HPLCにより精製して82mgの黄色がかった白色の固体(27%)を生成せしめた。1H NMR(CD3OD)δppm8.57(1H、d、J=6.8Hz)、8.00(2H、s)、7.77−7.80(2H、m)、7.63(3H、d、J=7.4Hz)、7.42(1H、d、J=2.5Hz)、7.29−7.33(3H、m)、6.58(1H、s)、4.54(2H、s)、3.04(3H、s);MS ES 463(M+H)+、計算値463、RT=1.17分。
[実施例41]
N−[(4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−イル)メチル]−4−フルオロベンズアミドの製造
N4−(4−{[2−(アミノメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(50mg、0.13mmol、実施例39)および4−フルオロベンゾイルクロリド(20.6mg、0.13mmol)をTHF(1mL)に懸濁し、そしてrtで24h攪拌した。TLCおよびLC−MSは、反応が完了したことを示した。混合物をEtOAcで抽出し、そして1N水酸化ナトリウム水溶液(2X)およびH2O(3X)で洗浄した。有機層を乾燥させ、そして濃縮して68mgの粗生成物を生成せしめた。残留物を分取TLC(CH3OH:EtOAc=2:8)により精製して38mg(58%)の表題生成物を黄色がかった油として得た。1H NMR(CD3OD)δ8.34(d、1H)、7.82(m、4H)、7.78(d、2H)、7.44(m、3H)、7.15(t、2H)、7.02(d、2H)、6.85(d、1H)、6.82(s、1H)、6.42(s、1H)、4.59(s、2H);MS ES 507(M+H)+、計算値507、RT=2.50分;TLC(MeOH/EtOAc=20/80)Rf=0.57。
[実施例42]
N’−[(4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−イル)メチル]−N,N−ジエチル尿素の製造
N4−(4−{[2−(アミノメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(50mg、0.13mmol、実施例39)および塩化ジエチルカルバミル(20.6mg、0.13mmol)をTHF(1mL)に懸濁し、そしてrtで24h攪拌した。TLCおよびLC−MSは、反応が完了したことを示した。混合物をEtOAcで抽出し、そして1Nの水酸化ナトリウム水溶液(2X
)およびH2O(3X)で洗浄した。有機層を乾燥させ、そして濃縮して72mgの粗生成物を生成せしめた。残留物を分取TLC(CH3OH:EtOAc=2:8)により精製して40mg(63%)の表題生成物を黄色がかった油として得た。1H NMR(CD3OD)δ8.28(d、1H)、7.84(m、3H)、7.81(s、1H)、7.48(m、3H)、7.05(d、2H)、6.84(m、1H)、6.75(s、1H)、6.44(s、1H)、4.39(s、2H)、3.23(m、4H)、1.20(t、6H);MS ES 484(M+H)+、計算値484、RT=2.37分;TLC(MeOH/EtOAc=20/80)Rf=0.4
[実施例43]
N4−[4−({4−[(2S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−2−イル}オキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
N4−{4−[(4−ブロモピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(75mg、0.17mmol)は、出発物質として中間体2Tおよび1Aを用いて実施例1の方法により製造した。次に、N4−[4−(4−ブロモ−ピリジン−2−イルオキシ)−フェニル]−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンを5mLの反応フラスコにおいて(S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(99.5mg、0.86mmol)と合わせ、そして24h攪拌しながら108℃で加熱した。TLCおよびLC−MSは、反応が完了したことを示した。rtに冷却した後に、反応混合物をEtOAcで抽出し、そして1Nの水酸化ナトリウム水溶液(2X)およびH2O(3X)で洗浄した。有機層を乾燥させ、そして濃縮して75mgの粗生成物を生成せしめた。残留物を分取TLC(CH3OH:EtOAc=2:8)により精製して32mg(40%)の表題生成物を黄色がかった油として得た。1H NMR(CD3OD)δ7.82(m、2H)、7.70(m、3H)、7.41(m、3H)、7.04(d、2H)、6.41(m、2H)、5.94(s、1H)、3.86(s、1H)、3.38(m、2H)、3.30(m、3H)、3.18(m、1H)、2.01(m、4H)、1.30(m、1H);MS ES 469(M+H)+、計算値469、RT=1.9分;TLC(EtOAc)Rf=0.2。
[実施例44]
N4−[4−({2−[(イソプロピルアミノ)メチル]ピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
アセトン(11.51mg、0.20mmol)、N4−(4−{[2−(アミノメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(80mg、0.21mmol、実施例39)およびチタン(IV)メトキシド(68.2mg、0.40mmol)をCH2Cl2(5mL)に懸濁し、そしてrtで24h攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(105mg、0.50mmol)を反応混合物に加え、そして混合物をrtでさらに24h攪拌した。セライト(R)パッドを通して混合物を濾過し、そしてCH2Cl2で洗浄した。少量のセライト(R)を濾液に加え、そして5mLの水を加えて反応をクエンチした。それを20分間攪拌した後に、CH2Cl2を真空中で除いた。残留物を酢酸エチルに溶解し、そして1NのNaOH(2X)および水(3X)で洗浄した。有機層を濃縮し、そして分取TLC(MeOH)により精製して36mg(42.2%)の表題生成物を白色の固体として生成せしめた。1H NMR(CD3OD)δ8.35(d、1H)、7.82(d、2H)、7.00(d、2H)、7.44(m、3H)、7.08(m、2H)、7.01(s、1H)、6.82(m、1H)、6.46(s、1H)、3.81(s、2H)、2.80(m、1H)、1.10(d、6H);MS ES 427(M+H)+、計算値427、RT=2.59分;TLC(MeOH)Rf=0.38。
[実施例45]
4−[4−(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イルアミノ)フェノキシ]ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシエチル)アミドの製造
クロロピリミジン1A(0.2g、0.97mmol)および中間体2N(0.38g、0.97mmol)をn−ブタノール(5mL)に懸濁し、そして80℃で12h加熱した。LC−MSは、反応が完了したことを示した。次に、反応混合物にKFを加え、そして加熱を80℃で5h続けた。溶媒を回転蒸発により除き、そして残留物を10%の炭酸ナトリウムで処理し、そしてEtOAc(20mLx3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させて固体を生成せしめ、それをメタノールで洗浄して純粋な生成物、0.19g(44%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.36(s、1H)、8.62(t、1H)、8.45(d、1H)、7.88(m、4H)、7.47(m、3H)、7.38(d、1H)、7.11(m、3H)、6.45(s、1H)、6.34(s、2H)、3.49(t、2H)、3.36(t、2H);MS ES 443(M+H)+計算値443。
[実施例46]
6−フェニル−N4−{4−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
トルエン(15mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリル(0.20g、0.53mmol、実施例8において製造した)、アジ化ナトリウム(0.051g、0.79mmol)およびトリエチルアミン(0.11g、0.79mmol)の混合物を100℃で2日間加熱した。次に、混合物を冷水で処理した。固体を濾過により集め、水およびメタノールで洗浄して純粋な生成物、0.14g(63%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.51(s、1H)、8.62(d、1H)、7.94(m、4H)、7.55(d、1H)、7.48(m、3H)、7.19(m、3H)、6.48(m、3H);MS ES 424(M+H)+計算値424。
[実施例47]
N4−{4−[2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
DMF(3mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボニトリル(0.2g、0.53mmol、実施例8において製造した)、エチレンジアミン(0.095g、1.58mmol)および硫黄(0.05g、1.58mmol)の混合物を80℃で3日間加熱した。次に、溶媒を減圧下で蒸発により除いた。残留物を分取HPLC、続いて分取TLC(EtOAc:NH4OH=99:2)により精製して純粋な生成物、0.01g(5%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.39(s、1H)、8.41(d、1H)、7.84(m、4H)、7.42(m、3H)、7.37(d、1H)、7.09(m、3H)、6.95(s、1H)、6.46(s、1H)、6.37(s、2H);MS ES 424(M+H)+計算値424。
[実施例48]
N4−[4−(2−クロロ−ピリジン−4−イルオキシ)−フェニル]−6−フェニル−ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
この化合物は、実施例1に記述した方法により2Rと1Aとの反応により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.40(s、1H)、8.22(d、1H)、7.85(m、4H)、7.45(m、3H)、7.11(m、2H)、6.88(m、2H)、6.46(s、1H)、6.36(s、2H);MS ES 390(M+H)+、計算値390、RT=2.27分。
[実施例49]
(S)−N4−{4−[2−(2−メトキシメチルピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
N4−{4−[(2−クロロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(0.15g、0.38mmol、実施例48において製造した)および(S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(2mL)の混合物を80℃で3日間加熱した。混合物をrtに冷却し、そして分取HPLCにより直接分離した。所望の画分を合わせ、10%の炭酸ナトリウムで中和し、そしてEtOAc(3X)で抽出した。抽出物をあわせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させて純粋な生成物、0.04g(22%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.24(s、1H)、7.89(m、3H)、7.78(m、2H)、7.42(m、3H)、7.00(m、2H)、6.44(s、1H)、6.34(s、2H)、6.10(m、1H)、5.85(d、1H)、4.06(m、2H)、3.40(m、1H)、3.21(s、3H)、3.08(m、4H)、1.82(m、4H);MS ES 469(M+H)+計算値469。
[実施例50]
2−アミノ−N−(4−{2−アミノ−6−[4−(2−トリフルオロメチルピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピリミジン−4−イル}フェニル)−3−ヒドロキシプロピオンアミドの製造
乾式N,N−ジメチルアセトアミド(10mL)中の(4S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−2,2−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−4−カルボン酸(0.56g、2.3mmol)の溶液にHATU(0.11g、2.87mmol)およびDIEA(0.742g、5.75mmol)を加えた。反応溶液をrtで1h攪拌した後に、6−(4−アミノフェニル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(0.84g、1.92mmol)を加えた。溶液をrtでさらに24h攪拌し、そして分取HPLCにより分離して固体の中間体を生成せしめ、それをメタノール(10mL)および濃HCl(0.5mL)でrtで12h処理した。得られる混合物をDMSOで希釈し、そしてHPLCにより精製して固体を生成せしめた。固体を飽和重炭酸ナトリウムおよびEtOAcと2h攪拌した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させて0.433g(43%)の純粋な生成物を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.34(s、1H)、8.59(d、1H)、7.88(m、4H)、7.76(d、2H)、7.37(s、1H)、7.16(m、3H)、6.45(s、1H)、6.36(s、2H)、4.88(t、1H)、3.56(m、2H)、3.39(m、1H);MS ES 526(M+H)+計算値526。
[実施例51]
4−{2−アミノ−6−[(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}フェノールの製造
段階1:6−クロロ−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
水(400mL)、イソプロパノール(100mL)および濃塩酸(5mL)中の2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(17.74g、0.11mol)および4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}アニリン(中間体2U)を含有する攪拌溶液を65℃で18h加熱した。反応物を0℃に冷却し、そして黄色−黄褐色の固体を吸引濾過により集め、そして水で洗浄した。濾過した生成物を熱いN,N−ジメチルホルムアミド(90℃)に溶解し、そして溶液がわずかに塩基性(pH〜8)になるまでトリエチルアミンをゆっくりと加えた。次に、溶液をrtに冷却し、強く攪拌した氷水(1.2L)に加え、そして攪拌を1h続けた。黄褐色の固体を吸引濾過により集め、そして水、イソプロパノール、ジエチルエーテル、そして最後にヘキサンで順次洗浄した。物質を空気吸引により乾燥させて薄黄褐色の固体、28.8g(77%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δppm9.46(s、1H)、8.59(d、1H、J=5.6Hz)、7.81(d、2H、J=9.0)、7.37(d、1H、J=2.4Hz)、7.17(d、2H、J=9.0Hz)、7.11(dd、1H、J=2.6、5.6Hz)、6.78(s、2H)、6.00(s、1H)。MS ES 382(M+H)+、計算値382 RT=2.93分。
段階2:表題化合物の製造
8mLのマイクロ波管に6−クロロ−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)−ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(0.2g、0.52mmol)、ボロン酸エステル(0.17g、0.79mmol)、PdCl2dppf−CH2Cl2錯体(0.023g、0.03mmol)、炭酸カリウム(0.18g、1.3mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(3mL)および水(1mL)を加えた。混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、そしてマイクロ波反応器において150℃で15分間加熱した。混合物を濾過し、そして濾液を分取HPLCにより分離した。所望の画分を合わせ、塩基性化し、そしてEtOAc(3X)で抽出した。次に、EtOAc抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させて45mg(20%)の純粋な生成物を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.75(s、1H)、9.22(s、1H)、8.58(d、1H)、7.86(d、2H)、7.76(d、2H)、7.35(s、1H)、7.12(m、3H)、6.78(m、2H)、6.39(s、1H)、6.20(s、2H);MS ES 440(M+H)+、計算値440。
[実施例52]
スルファミン酸、4−{2−アミノ−6−[4−(2−トリフルオロメチルピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピリミジン−4−イル}フェニルエステルの製造
ニートの(neat)イソシアン酸クロロスルホニル(0.166g、1.37mmol)に氷水浴において冷却しながらギ酸(97%、0.63g、1.37mmol)を滴下して加えた。気体の発生が止まるまで混合物をrtで攪拌した。得られる塩化スルファモイルを0℃で乾式N,N−ジメチルアセトアミド中の4−{2−アミノ−6−[(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル}フェノール(0.06g、0.14mmol、実施例51)の溶液に加えた。次に、反応混合物をrtで12h攪拌した。溶液をメタノールで希釈し、そして分取HPLCにより分離した。所望の画分を合わせ、飽和炭酸ナトリウムで塩基性化し、そしてEtOAc(3X)で抽出した。抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させて所望の生成物、0.025g(35%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.42(s、1H)、8.59(d、1H)、8.09(d、2H)、7.98(m、2H)、7.85(m、2H)、7.35(m、3H)、7.10(m、3H)、6.42(s、1H)、6.36(s、2H);MS ES 519(M+H)+計算値519。
[実施例53]
N4−[4−(2−アミノピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミンの製造
8mLのバイアルにPd2(dba)3(0.028g、0.03mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル(0.025g、0.070mmol)およびN4−{4−[(2−クロロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(0.20g、0.51mmol、実施例48)を加えた。バイアルを密封し、排気し、そして窒素を入れ戻した(back filled)。次に、THFをシリンジによって加え、続いてLiHMDS(THF中1M、0.72mL、0.72mmol)を加えた。混合物を65℃で一晩加熱した。次に、混合物をrtに冷却し、1NのHClで処理し、そしてrtで12h攪拌した。次に、混合物を1NのNaOHを用いて中和し、そして塩化メチレン(10mLx3)で抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして分取HPLCにより精製して0.035gの所望の生成物(18%)を生成せしめた。1H NMR(CD3OD)δ7.96(d、2H)、7.79(m、3H)、7.60(m、3H)、7.22(m、2H)、6.61(d、1H)、6.58(s、1H)、6.20(s、1H);MS ES 371(M+H)+ 計算値371。
[実施例54]
高速アナログ化(Analoging)(HSA)合成方法A
5mLのマイクロ波反応容器における2.3mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド中の1当量のクロロピリミジン(100mg、例えば化合物9 一般的方法B)、2当量のボロン酸(例えば一般的方法B)および0.06当量のPdCl2(dppf)CH2Cl2錯体の混合物に3.1当量の2M K2CO3水溶液を加えた。得られる混合物をN2を用いて10分間脱気した後に、バイアルを密封し、そしてマイクロ波反応器において150℃で20分間加熱した。反応混合物を濾過し、そしてPhenomenex Luna 5μ C18 150x30mmカラムを用いて15%〜85%のアセトニトリルで溶出する分取HPLCにより濾液を精製して最終生成物を生成せしめた。
[実施例55]
高速アナログ化(HSA)合成方法B
8mLのマイクロ波反応容器における2.3mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド中の1当量のクロロピリミジン(100mg、例えば化合物9 一般的方法B)、2当量のボロン酸(一般的方法B)および0.06当量のPdCl2(dppf)CH2Cl2錯体の混合物に3.1当量の2M K2CO3水溶液を加えた。得られる混合物をN2を用いて10分間脱気した後に、バイアルを密封し、そしてマイクロ波反応器において140℃で20分間加熱した。反応混合物を濾過し、そしてPhenomenex Luna 5μ C18 150x30mmカラムを用いて15%〜85%のアセトニトリルで溶出する分取HPLCにより濾液を精製して最終生成物を生成せしめた。
[実施例56]
高速アナログ化(HSA)合成方法C
窒素下で5mLのマイクロ波反応容器における2.5mLの無水N,N−ジメチルアセトアミドおよび0.5mLの水における2MのK2CO3中の1当量のクロロピリミジン(例えば化合物9 一般的方法B)、2当量のボロン酸(一般的方法B)および0.1当量のPdCl2(dppf)−CH2Cl2錯体の混合物をパーソナルマイクロ波反応器において140℃で20分加熱した。反応混合物を濾過し、そしてPhenomenex
Luna 5μ C18 150x30mmカラムを用いて0.1%のTFAを含有する15%〜85%のアセトニトリルで溶出する分取HPLCにより濾液を精製して最終生成物を生成せしめた。
[実施例57]
4−[2−アミノ−6−({4−[(2−クロロピリジン−4イル)オキシ]フェニル}アミノ)ピリミジン−4−イル]フェノールの製造
段階1:4−(2−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)フェニルtert−ブチルカーボネートの製造
2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(1.5g、9.15mmol)、t−ブチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルカーボネート(2.9g、9.15mmol)、PdCl2dppfCH2Cl2錯体(0.45g、0.55mmol)およびDME(14mL)の混合物に水(4mL)中の炭酸カリウム(3.2g、22.9mmol)の溶液を加えた。次に、混合物を脱気し、窒素でフラッシュし、そして80℃で一晩加熱した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして蒸発させた。残留物をカラム(2%MeOH:50%ヘキサン:48%EtOAc)により精製して0.64g(22%)の所望の生成物を生成せしめた。MS ES 322(M+H)+、計算値322、RT=3.37分。
段階2:表題化合物の製造
この物質は、4−(2−アミノ−6−クロロピリミジン−4−イル)フェニルtert−ブチルカーボネートおよび中間体2Rからの生成物から出発して、実施例1について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ9.79(s、1H)、9.25(s、1H)、8.22(d、1H)、7.86(m、2H)、7.74(m、2H)、7.09(m、2H)、6.95(m、2H)、6.80(m、2H)、6.39(s、1H)、6.23(s、2H);MS ES 406(M+H)+、計算値406、RT=2.74分。
[実施例58]
(3E)−4−(4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−イル)ブト−3−エン−1−オールの製造
N4−{4−[(2−クロロピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}−6−フェニルピリミジン−2,4−ジアミン(0.10g、0.26mmol、実施例48)、K2CO3(0.089g、0.64mmol)およびDMA(2.5mL)を小マイクロ波バイアルに入れた。混合物を10分間脱気し、その後に(3E)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブト−3−エン−1−オール(0.10g、0.33mmol)およびPd(dppf)Cl2CH2Cl2錯体(0
.012g、0.020mmol)を加えた。混合物をマイクロ波反応器において150℃で20分間加熱した。混合物を冷却し、濾過し、そして分取HPLCにより精製した。所望の画分の濃縮により0.016gの表題化合物(10%)を生成せしめた。MS ES:426(M+H)+、計算値426、RT=1.90分。
[実施例59]
(4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−イル)メタノールトリフルオロアセテート)の製造
rtで無水DMF(50mL)中の4−{4−[(2−アミノ−6−フェニルピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ}ピリジン−2−カルボン酸(748mg、1.87mmol、実施例20)の混濁溶液にカルボニルジイミダゾール(456mg、2.81mmol)を加えた。白色の懸濁液を80℃で一晩攪拌し、10mLの容量に濃縮し、そして無水THF(7mL)で希釈した。反応混合物を0℃に冷却し、そして水(10mL)を加えた。NaBH4(142mg、3.75mmol)を加えながら混合物を強く攪拌し、そして2hにわたって0℃からrtまで温めておき、その後にそれを氷浴中で濃HCl(1mL)でクエンチした。15分間攪拌した後に、混合物を0℃で飽和NaHCO3(20mL)の攪拌溶液にゆっくりと加えた。30分間攪拌した後に、それをEtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して黄色がかった白色のゴム状物(gum)を生成せしめた(420mg、85%純粋)。粗物質(100mg)を分取HPLC精製により精製して37mg(40%の収率)の表題化合物を無色のゴムとして生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.8(s、1H)、8.55(d、1H)、7.90(m、2H)、7.75(m、2H)、7.60(m、3H)、7.35(d、2H)、7.20(m、2H)、6.60(s、1H)、4.60(s、2H);MS ES 386(M+H)+計算値386、RT=1.73分。
[実施例335]
6−(2,6−ジメチルフェニル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
DMF(13mL)中の6−クロロ−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(1.0g、2.6mmol;引用することにより本明細書に組み込まれる、WO2003/099771に記述されている、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよび{4−[(2−トリフルオロメチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの縮合により入手可能)および1,3−ジメチルフェニルボロン酸(786mg、5.2mmol)の混合物に水性Na2CO3(2M、3.9mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(303mg、0.26mmol)を加えた。得られる混合物を10分間脱気し、その後にそれをマイクロ波反応器(Personal ChemistryによるEmrysオプティマイザー)に150℃で20分間入れた。得られる混合物をrtに冷却し、その後にそれを濾過し、そして不溶性物質をDMFですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、そしてEtOAcに溶解した。得られる混合物を水で洗浄し、そして有機層をNa2SO4上で乾燥させた。真空下での溶媒の除去により粗物質を生成せしめ、それをHex/EtOAc(1/1)で溶出する40M biotageで精製して表題化合物を黄色がかった白色の固体(657mg、56%)として生成せしめた:1H NMR(DMSO−d6):δ9.27(s、1H)、8.59(d、1H)、7.86−7.90(m、2H)、7.35(d、1H)、7.04−7.17(m、6H)、6.35(s、2H)、5.86(s、1H)、2.10(s、6H)ppm;MS ES 452(M+H)+、RT=2.76分。
[実施例336]
6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1:{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミンの製造
1Lの3口フラスコに4−アミノフェノール(44.9g、410mmol)を加え、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(600mL)で溶解させた。次に、攪拌した混合物を9℃に冷却し、そしてカリウムt−ブトキシド(46.18g、410mmol)を少しずつ加え;カリウムt−ブトキシドの添加を完了する前に溶液は緑色になり、凝固した。攪拌を再開し、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(400mL)中の4−クロロ−2−ピコリン(50g、390mmol)を含有する溶液をゆっくりと加え、そして混合物を90℃で17h加熱した。次に、混合物を45℃まで冷却させ、濾過し、そして真空中でほぼ濃縮乾固させて褐色の残留物を残した。残留物を強く攪拌した水(1L)に加
え、そして懸濁液を1hr攪拌した。次に、固体を吸引濾過により集め、そして少量のイソプロパノール、エーテルで洗浄し、そして乾燥させて{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(49.9g、64%)を薄黄褐色の固体として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ8.21(d、1H)、6.78(d、2H)、6.57−6.63(m、4H)、5.10(s、2H)、2.35(s、3H);MS ES 201(M+H)+、計算値201、RT=1.04分。
段階2:6−クロロ−N4−(4−{[2−メチルピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
{4−[(2−メチルピリジン−4−イル)オキシ]フェニル}アミン(47.5g、237mmol)および2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン(40.8g、249mmol)を水(900mL)および2−プロパノール(300mL)に懸濁した。次に、2Mの塩酸水溶液(23.7mL)を加え、そして次に混合物を95℃で17h加熱した。次に、混合物をrtに到達させ、そして固体を吸引濾過により集め、そして少量のイソプロパノールで洗浄した。次に、固体をDMFに再懸濁し、そして90℃で加熱した。次に、トリエチルアミン(20mL)を加え、そして混合物を90℃でさらに10分間攪拌した。次に、混濁が温度で持続するまで水を過剰に加えた。これを約5℃に冷却し、そして生じた沈殿物を吸引濾過により集め、水で洗浄し、そして40℃で真空オーブンにおいて乾燥させて所望の生成物(50g、64%)を薄黄褐色の固体として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.40(s、1H)、8.27(d、1H)、7.76(d、2H)、7.06(d、2H)、6.75(br s、2H)、6.72(d、1H)、6.66(s、1H)、5.98(s、1H);MS ES 328(M+H)+、計算値328、RT=1.45分。
段階3:表題化合物の製造:
DMF(30mL)中の6−クロロ−N4−(4−{[2−メチルピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(2.0g、6.1mmol)および2−アミノ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.6g、7.3mmol)の混合物に水性Na2CO3(2M、9.0mL)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(223mg、0.3mmol)を加えた。得られる混合物を10分間脱気し、その後にそれを80℃で一晩加熱した。得られる混合物をrtに冷却し、その後にそれを真空下で濃縮し、そしてEtOAcに溶解した。得られる混合物を水およびブラインで洗浄し、そして有機層をNa2SO4上で乾燥させた。真空下での溶媒の除去により粗物質を生成せしめ、それを最初に100%のEtOAcでそして次に95%のCH2Cl2および5%のMeOH中2Nのアンモニアで溶出する40M biotageで精製して表題化合物を黄色がかった白色の固体(1340mg、57%)として生成せしめた:1H NMR(DMSO−d6):δ9.20(s、1H)、8.51(dd、1H)、8.27(d、1H)、7.81−7.88(m、3H)、7.03−7.06(m、2H)、6.72(d、1H)、6.68(dd、1H)、6.47(dd、1H)、6.33(s、1H)、6.32(s、2H)、6.23(s、2H)、2.39(s、3H)ppm;MS ES 386(M+H)+、RT=1.06分。
[実施例337]
N6−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)−4,5’−ビピリミジン−2,6−ジアミンの製造
2.5mlの無水DMF中の6−クロロ−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(150mg、0.39mmol、実施例335を参照)、ピリミジン−5−イルボロン酸(97.37mg、0.79mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(45.41mg、0.04mmol)、炭酸ナトリウム(208.23mg、1.96mmol)の懸濁液を10分間脱気した。混合物を180℃で20分間マイクロ波条件下で反応させた。反応混合物を濾過し、そして濃縮した。残留物をEtOAc(6ml)で抽出し、そして1MのNaOH溶液(1mLx2)および水(1mLx3)で洗浄した。有機層を乾燥させて129mgの粗生成物を生成せしめた。粗生成物を分取TLC(Hex:EtOAc=2:8)により精製して38mg(23%)の表題化合物を黄色の固体として生成せしめた。1H NMR(CD3OD):δ9.28(s、2H)、9.20(s、1H)、8.54(d、1H)、7.88(d、2H)、7.32(d、1H)、7.15(m、3H)、6.56(s、1H)ppm;MS ES 426(M+H)+、計算値426、RT=2.35分;TLC(ヘキサン:EtOAc=1:9)Rf=0.25。
[実施例338]
6−フェニル−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
段階1.4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジンの製造
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−オール(3.0g、18.28mmol、Fluorochem Ltd.、UKから入手可能)をPOCl3(17mL)に懸濁し、そしてN,N−ジメチルアニリン(1.16mL、9.14mmol)を加えた。次に、混合物を2hr加熱還流させた。混合物を冷却し、そして砕いた氷に注ぎ込み、次にエーテルで2回抽出した。合わせた有機層を少量の水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮して4−クロロ−2−トリフルオロメチル)ピリミジン(2.5g、71%)を薄黄色の油(2.5g、71%)として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.05(d、1H)、8.14(d、1H);MS EI 182(M)+、計算値482、LCMS RT=2.25、GCMS RT=3.2分。
段階2.4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}アニリンの製造
DMF(40mL)中の4−アミノフェノール(1.64g、15mmol)の溶液にカリウムtert−ブトキシド(1.69g、15mmol)を加え、そして得られる混合物を室温で15分間攪拌した。次に、DMF(10mL)中の4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジンを加え、そして得られる混合物を室温で16h攪拌した。次に、水を加え、そして混合物を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして真空中で濃縮した。粗物質(crude)をBiotageフラッシュ40M(2:1、ヘキサン、酢酸エチル)を用いて精製して4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}アニリン(2.2g、63%)を生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ8.78(d、1H)、7.16(d、1H)、6.90(d、2H)、6.60(d、2H)、5.17(br s、2H);MS ES256(M+H)+、計算値256、RT=2.42分。
段階3.表題化合物の製造
4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}アニリン(1.0g、3.9mmol)および4−クロロ−6−フェニルピリミジン−2−アミン(806mg、3.9mol)を水(39mL)およびイソプロパノール(13mL)に懸濁し、そして混合物を95℃で17h加熱した。rtに冷却した後に、混合物を1Nの水性水酸化ナトリウムで中和し、そして20分間攪拌した。沈殿物を濾過により集めて6−フェニル−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(1.2g、72%)を黄色の固体として生成せしめた。1H NMR(DMSO−d6)δ9.35(s、1H)、8.85(d、1H)、7.85−7.91(m、4H)、7.42−7.47(m、3H)、7.30(d、1H)、7.18(d、2H)、6.48(s、1H)、6.38(br s、2H);MS ES 425(M+H)+、計算値425、RT=2.53分。
[実施例339]
6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンの製造
6−(6−アミノピリジン−3−イル)−N4−(4−{[2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミンは、実施例338(段階3)について記述したものと同様の方法により製造した。1H NMR(DMSO−d6)δ8.88(d、1H)、8.46(d、1H)、7.81−7.94(m、6H)、7.38(d、1H)、7.30(d、2H)、6.63(br s、2H)、6.46(br s、2H);MS ES 441(M+H)+、計算値441、RT=1.98分。
本発明の化合物の細胞傷害性活性
以下の項は、本発明の化合物を特性化するために、例えば細胞への化合物の細胞傷害性活性について試験するために用いることができるアッセイを記述する。
ヒト腫瘍細胞、例えばHCT116細胞を3.0x103細胞/ウェルで96ウェルプレートに接種し、そして10%のウシ胎仔血清(Hyclone、Logan、Utah、USA)および10mMのHEPESを含有する100mlのRPMI完全培地(Invitrogen Corporation、Grand Island、NY、USA)においてそして5%のCO2を有するインキュベーターにおいて37℃で16h培養する。各ウェルに、0.2%のDMSOとともに20mM〜60nMの濃度の化合物を含有する50mlの追加の増殖培地を加える。細胞を37℃でさらに72h培養する。20mlのAlamar Blue(Trek Diagnostic Systems,Inc.,Cleveland,Ohio,USA)試薬を各ウェルに加え、そして37℃で4hインキュベーションする。プレートを544nmの励起および590nmの発光波長でSpectraMax Gemini(Molecular Devices,CA,USA)において読み取る。IC50値は、パーセント阻害に対するlog薬剤濃度の線形回帰分析により決定する。
実施例の典型的なIC50を以下の表に示す。
本発明の他の態様は、本明細書もしくは本明細書に開示される本発明の実施の考察から当業者に明らかである。本明細書および実施例は例としてのみ考えられ、本発明の真の範囲および精神は以下の請求項により示されるものとする。