JP2008531605A - 遅延放出性医薬品経口剤、及びその作製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、遅延放出性医薬品経口剤、及びその作製方法に関する。遅延放出性剤形は、造粒された組成物内に1つ又は複数の活性成分を含み、さらに固体脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、飽和脂肪アルコールと飽和脂肪酸とのエステルの混合物、天然ワックス、合成ワックス、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ゴム、及びその混合物の群から選択された1つ又は複数の賦形剤、並びにpH依存性の溶解性を示す1つ又は複数のポリマー又はコポリマーを含む。本発明は、これらの遅延放出性剤形の作製方法にも関する。
Description
本発明は、遅延放出性医薬品経口剤、及びその作製方法に関する。
従来技術は、活性成分を含有する錠剤コアへの活性成分の放出を遅延させるための腸溶性フィルムコーティングの使用を教示し、したがって遅延放出性医薬品経口剤を提供する。
腸溶性フィルムコーティングを使用すると、医薬品経口剤の活性成分を、胃ではなく腸で放出させることが可能になる。実際に、このような活性成分は腸を経由してより良好に吸収される場合が多い。また、医薬品の多くは胃を刺激する恐れもある。他のものは、胃酸で、胃又は唾液酵素の作用によって化学変化を受け、それによってより有効でなくなる恐れがある。
腸溶性コーティングは、一般にpH感応性コーティングであり、胃を無傷で通過するようにより低いpHでは本質的に不透過性のままである。消化管のより高いpH領域、すなわち腸管では、コーティングは透過性になり、活性成分の放出が可能になる。このような腸溶性コーティングの例としては、Rohm Pharmaから商標Eudragit(登録商標)で販売されている、非常によく知られているコーティングが挙げられる。これらのコーティングは、様々なグレードで存在する。
しかし、腸溶性コーティングの使用は追加のコストを必要とし、その製剤及び適用には技術及びノウハウが必要である。さらに、可塑剤、流動促進剤、消泡剤、充填剤、及び顔料など、追加の賦形剤が、適切なコーティング特性を得るのに通常は必要である。例えば、コーティングは、厚すぎたり、脆弱すぎたり、薄すぎたり、粘着性が高すぎたりしてはいけない。これらすべてのパラメータによって、腸溶性コーティング剤形の製造における技術的要因及びコスト的要因が導入されている。
様々な公知の技法を使用して、腸溶性コーティングを施すことができる。乾式コーティング、スプレーコーティング、及びパンコーティングは、数例に過ぎない。腸溶性コーティングを圧縮錠コアに施し、或いは個々のビーズ若しくはペレットに施し、次いで錠剤に圧縮し、又はリザーバー型カプセル剤に配置する。
腸溶性コーティングを圧縮錠コアに施す場合、手順は、一般に活性成分の腸内放出を行うポリマー、並びに可塑剤、流動促進剤、消泡剤、充填剤、及び顔料を含む水性分散液/溶液又は有機溶液を調製するものである。活性成分の腸内放出を行うポリマーは、一般にセルロース誘導体、或いはアクリル酸及び/若しくはメタクリル酸、又はそのエステルのポリマー又はコポリマーなどである。メタクリル酸ポリマーの場合は、通常は約30℃に予熱され、全工程中、約25°〜35℃の温度に維持された、回転している錠剤にコーティングをスプレーする。錠剤硬化(tablet curing)とも呼ばれる後乾燥ステップは、フィルム融着に寄与し、フィルムコーティングの特性を改善する。
したがって、腸溶性コーティングの製剤及び適用を必要とすることなく、本質的に腸溶性コーティング剤形として挙動することができる経口剤を提供する新しい代替法は、医薬品分野において歓迎すべき革新となるはずである。
遅延放出の主題に関する従来技術は、非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)製剤に関するものが多い。
NSAIDは、世界中で最も一般に処方され、使用されている薬物の1つである。これを使用すると、治療上で利益があるにもかかわらず、消化性潰瘍、消化不良症状、出血のリスク、及び胃の穿孔など、報告されている胃腸管副作用のリスク増大を伴う(McGarty DM,Gastroentorology 1989,96,662;Hawkey C,BMJ 1990,300,278)。
NSAIDの長期使用を伴う胃腸管副作用の治療及び予防に有望な解決策は、
−NSAID放出を遅延させることによってNSAIDと酸性の胃液との接触を回避し、したがってNSAIDを胃ではなく主に腸で放出させること、
−NSAID治療と、プロスタグランジン類似体、H2−受容体アンタゴニスト、又はプロトンポンプ阻害剤などの抗潰瘍薬を組み合わせることである。
−NSAID放出を遅延させることによってNSAIDと酸性の胃液との接触を回避し、したがってNSAIDを胃ではなく主に腸で放出させること、
−NSAID治療と、プロスタグランジン類似体、H2−受容体アンタゴニスト、又はプロトンポンプ阻害剤などの抗潰瘍薬を組み合わせることである。
米国特許第5,698,225号は、NSAIDとプロスタグランジンの組合せ生成物を提案している。生成物には腸溶性コーティングが施されており、ジクロフェナク及びピロキシカムから選択されたNSAIDを含むコアと、それを包囲するプロスタグランジンを含むマントルコーティングから構成される。NSAIDのコアとプロスタグランジンのマントルコーティングの間に中間コーティングが存在する場合がある。
他の方法には、例えば流動層コーティング装置を使用して、メタクリル酸コポリマー溶液(例えば、Eudragit(登録商標))を、NSAID又は他の薬物、及び任意の必要な賦形剤の層にスプレーすることによって、コーティングされた顆粒を形成することが記述されている(米国特許第6,537,582号)。この方法は、錠剤又はカプセル剤に組み込む前にミリングを必要としない細かいビーズが生成されるように制御されている。これらのビーズには、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、並びにメタクリル酸及びその誘導体(例えば、メチルメタクリラート、例えばEudragrit.RTM(登録商標)、特にEudragrit(登録商標)L又はS)が含まれ得る。通常は、コーティングは、必要とされる特性をフィルムに付与するポリエチレングリコール、トリアセチン、又はフタル酸エステルなどの可塑剤を含む。
米国特許第6,365,184号及び米国特許出願公開第2004/0022846A1号には、酸感受性プロトンポンプ阻害剤及び1つ又は複数のNSAIDを固定された製剤で含む医薬品経口剤が記載されている。このプロトンポンプ阻害剤は、腸溶性コーティング層で保護されている。固定された製剤は、腸溶性コーティング積層錠剤、カプセル剤、又はマルチプルユニット打錠剤形の形である。
米国特許第6,287,600号には、NSAIDを含む医薬品組成物を安定化する手順が記載されている。製造時には、まずNSAID、例えばジクロフェナクナトリウムを、許容できる成分(希釈剤、結合剤)と流動層造粒機でブレンドすることによって顆粒化する。こうして得られた顆粒に、メタクリル酸コポリマーC型(NF)、トリアセチン、及び消泡剤1520−USを含有する腸溶性分散液で腸溶性コーティングを施す。次いで、腸溶性コーティングを施したジクロフェナク顆粒を、微結晶セルロースPH 102及び水素化ヒマシ油粉末とブレンドする。
上記から明らかなように、腸溶性コーティング系は、時間がかかり製造コストを上げる様々な技術的パラメータを伴う。コーティング成分選択、分散液調製、及び様々な技術的パラメータ(すなわち、温度範囲、液滴サイズ、可塑剤のタイプ及び含有量など)は時間のかかる操作であり、さらに、効率的な保護を得るためには、多くのコーティング層(すなわち、アンダーコーティング)の塗布が必要になる場合が多い。
腸溶性コーティング性能、脆性、及び粘着性によって、腸溶性コーティング系のクリティカルな欠点が強調される。本発明は、腸溶性コーティングを必要としないが、それにもかかわらず腸溶性コーティング生成物として挙動する製剤を提供することによって、従来技術に比べて改良を提供することを目標とする。
造粒技法も、当技術分野で周知である。出発粉末又は他の粒状材料を改質するための様々な方法が、医薬品分野で知られている。これらの方法では、粉末を、通常は結合剤材料と一緒に混合して、より大きな形崩れしない易流動性の凝集体又は顆粒にする。これは「造粒」と呼ばれる。例えば、溶媒を使用する「湿式」造粒方法は、一般に、湿式造粒塊の形成を可能にし、次いで溶媒をそれから蒸発させなければならないという条件下で、粉末を結合剤材料と組み合せ、水又は有機溶媒で湿潤させることを特徴とする。
溶融造粒技法も当技術分野で開発され、一般には、室温で固体又は半固体の(軟化又は溶融範囲が比較的低い)材料を使用して、粉末化材料又は他の材料の造粒を、本質的に水又は他の液体溶媒を添加せずに促進するものである。室温で固体又は半固体の材料をその溶融範囲内の温度に加熱すると、液化して、結合剤又は造粒媒体として働く。この液体は、関連する粉末化材料の表面上に広がり、冷却すると、当初の材料が結合した固体の造粒された塊を形成する。次いで、得られた顆粒を錠剤に圧縮し、又はカプセル化することができる。
米国特許第5169645号には、改善された流動諸特性を有するワックス含有組成物が記載されている。これらの特性は、溶融状態のワックスを、流動性を改善するいくつかの添加剤と混和し、続いて混合物を冷却し、造粒することによって得られる。その発明のいくつかの実施形態では、ワックスと添加剤の溶融組合せで、ワックスそれ自体しか溶融せず、他の場合には、ワックスと添加剤が共に溶融する。いずれの場合も、ワックスと添加剤の溶融組合せを冷却し、造粒すると、改善された流動性を有するワックス含有粒状薬物希釈剤が生じる。ワックス含有顆粒は、直接圧縮することができるが、薬物放出を遅延又は制御するためには使用されず、実際、唯一明示されたその目的は流動性を改善することである。
米国特許出願公開第2003/0068363号は、直接圧縮によって得られた錠剤を提供する。錠剤は、少なくとも60重量%の活性成分、及び約90℃より高い融点を有する粉末化ワックスを含む。この組成物は、活性成分の即時放出を行う。ワックスは、線状炭化水素、微結晶性ワックス、及びその混合物からなる群から選択される。錠剤は、水溶性非サッカリドポリマー結合剤を実質的に含まず、少なくとも1つの外部コーティングを含む。外部コーティングは、ゼラチン、イソマルト、単糖類、二糖類、多糖類(デンプンなど)、セルロース誘導体、シェラック、及び多面体アルコール(キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリトリトール、及びポリアルキレングリコールなど)からなる群から選択された材料を含む。錠剤は、天然結晶形の、鎮痛剤とすることができる活性成分を含有する。
明らかに、従来技術では、成分ミックスの一部分としてpH依存性材料を使用して、生成物を腸溶性コーティング生成物として挙動させる造粒技法、例えば溶融造粒技法がこれまで考慮又は適用されなかった。
現在の医薬品の別の欠点は、活性成分の光誘導分解である。この問題を改善する伝統的手法は、二酸化チタン白などの不透明化顔料を含有するコーティングで、固体剤形を被覆するものである。これらのコーティングは、一般的にポリマー及び添加剤を含み、その適用が容易になり、良好な機械的抵抗が得られる。顔料を活性及び不活性の粉末賦形剤と混合することも知られている。
米国特許第4,900,557号は、増量剤として使用される二酸化チタン、BaSO4、酸化鉄、及び還元鉄を含む徐放性コーティングペレット製剤を提供する。しかし、得られた顆粒に光保護特性を付与するために、光保護性顔料が溶融造粒において示唆又は使用されることは今までなかった。
遅延放出性経口剤は、造粒された組成物内に1つ又は複数の活性成分を含み、固体脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、飽和脂肪アルコールと飽和脂肪酸とのエステルの混合物、天然ワックス、合成ワックス、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ゴム、及びその混合物の群から選択された1つ又は複数の賦形剤、並びにpH依存性の溶解性を示す1つ又は複数のポリマー又はコポリマーをさらに含む。
この遅延放出性経口剤は、造粒された組成物を、顆粒外の賦形剤相が存在する場合それと共に一体化形状に圧縮して、コーティングを含む又は含まない圧縮錠などの一体化剤形とすることができ、或いは造粒された組成物及び顆粒外の賦形剤相を含有するカプセル剤とすることができる。
特定の実施形態では、1つ又は複数のポリマー又はコポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリラートコポリマー、エトキシエチルメタクリラート、シアノエチルメタクリラート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリメタクリラート、ポリ(メチルメタクリラート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、並びにグリシジルメタクリラートコポリマーなど、アクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマーである。
別の特定の実施形態では、1つ又は複数の賦形剤は、脂肪アルコール、飽和脂肪アルコール、又は固体脂肪族アルコールである。
さらに別の特定の実施形態では、活性成分は、NSAID、プロスタグランジン、及びその混合物から選択される。
本発明の遅延放出性経口剤は、さらに二酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化鉛、アゾ顔料、アントラキノン、フタロシアニン、テトラクロロイソインドリノン、キナクリドン、イソインドリン、ペリレン、及びピロロピロールなど、光不透過顔料を1つ又は複数含むことができる。
本発明の遅延放出性経口剤は、さらに充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、フロー剤、可塑剤、及びその混合物を含むことができる。剤形は、1つ又は複数の活性成分;充填剤、結合剤、崩壊剤、接着剤、湿潤剤、及びアジュバントからなる群から選択された1つ又は複数の賦形剤、並びにその混合物を含む顆粒外相も含むことができる。
本発明の遅延放出性経口剤は、
(a)加熱、又は適切な媒体での溶解によって、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤を得るステップと、
(b)前記ポリマー又はコポリマーの0%〜100%を、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤に添加し、それによって造粒液体を生成するステップと、
(c)前記1つ又は複数の活性成分を、前記ポリマー又はコポリマーの残部と混合し、それによって混合物を生成するステップと、
(d)顆粒が得られるように、前記混合物を前記造粒液体で造粒するステップと、
(e)場合によっては、前記顆粒を他の活性成分及び賦形剤とブレンドし、それによって最終混合物を得るステップと、
(f)前記顆粒又は前記最終混合物をカプセル化し、或いは前記顆粒又は前記最終混合物を錠剤に圧縮するステップと
を含む方法を使用して調製することができる。
(a)加熱、又は適切な媒体での溶解によって、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤を得るステップと、
(b)前記ポリマー又はコポリマーの0%〜100%を、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤に添加し、それによって造粒液体を生成するステップと、
(c)前記1つ又は複数の活性成分を、前記ポリマー又はコポリマーの残部と混合し、それによって混合物を生成するステップと、
(d)顆粒が得られるように、前記混合物を前記造粒液体で造粒するステップと、
(e)場合によっては、前記顆粒を他の活性成分及び賦形剤とブレンドし、それによって最終混合物を得るステップと、
(f)前記顆粒又は前記最終混合物をカプセル化し、或いは前記顆粒又は前記最終混合物を錠剤に圧縮するステップと
を含む方法を使用して調製することができる。
さらに、こうして調製された顆粒及び/又は圧縮錠に、コーティングを施すことができる。
すべての錠剤を、擬似胃液中で2時間維持し、その後USP装置IIを200rpmで使用して、擬似腸液に移した。
本発明は、腸溶性コーティングの製剤及び適用を必要とすることなく、本質的に腸溶性コーティング剤形として挙動することができる新規経口剤ビヒクルを提供する。剤形は、全範囲の活性成分を輸送することができるが、用量は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を含有する生成物に特に適している。
本発明による生成物は、酸性媒体での安定性が高いこと、高いpHにおいて活性成分の放出が速いことを特徴とする。放出は、顆粒のサイズ及び組成によって制御することができる。本発明による生成物を製造するための手順は、通常の腸溶性コーティング生成物の製造に比べて、単純でコスト効率が高い。
本発明は、遅延放出性医薬品経口剤、及びその作製方法に関する。遅延放出性剤形は、好ましくは錠剤である。遅延放出性剤形は、1つ又は複数の活性成分と、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、天然若しくは合成のワックス、及びpH依存性の可溶性ポリマーの群から選択された1つ又は複数の賦形剤との混合物を特徴とする。
したがって、一態様では、本発明は、経口剤、すなわち経口剤に製錠化される顆粒を提供する。活性成分は、好ましくはNSAIDである。活性成分は、固体脂肪族アルコール、飽和脂肪アルコールと飽和脂肪酸とのエステルの混合物、又は天然若しくは合成のワックス、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ゴム、或いはその混合物の群から選択された1つ又は複数の賦形剤の塊に本質的に均一に分散されている。顆粒は、pH依存性の溶解性を示すアクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマーも含む。
特定の一実施形態では、本発明は、特に有利な調製物は、溶融した脂肪アルコールにpH依存性ポリマーを添加し、この混合物を使用して活性成分を造粒することによって得られることを開示する。この技法は溶融造粒と呼ばれる。この溶融造粒は、まず溶融対象の材料に適した温度範囲、一般的には約50〜60℃で実施し、続いておよそ室温に冷却する。
上記の溶融造粒手順によって、pH依存性成分を含有するワックス質顆粒に活性成分が封入されている本質的に均質な調製物が生じる。ワックス質成分の疎水特性によって、活性成分が胃を通過中に本質的に不溶のままであることが確実になり、より高いpH値で顆粒の速い開放が行われる。
直径が850ミクロン未満の顆粒を得るために、調製された顆粒を適切な篩に通すことが有利である。
結合、崩壊、及び/又は滑沢性を改善するために使用することができる別の一般的な賦形剤を添加することができ、これらの賦形剤は当業者に周知である。
別の特定の実施形態では、本発明は調製法に関する。
i)少なくとも1つのpH依存性成分と、エチルアルコールに予め溶解させた少なくとも1つの飽和脂肪アルコールとを含む混合物から構成された塊に、1つ又は複数の活性成分を均一に分散させて、清澄な造粒液体を得、
ii)手順は、均質に混合された活性成分とポリマー成分を、加熱又は冷却することなく、予め調製された造粒液体を使用して造粒するものであり、
iii)次いで、直径が約1000ミクロン未満、好ましくは約850ミクロン未満の顆粒を得るために、得られた調製物を適切な篩に通し、
iv)得られた造粒された材料を、充填剤、結合剤、崩壊剤、アジュバントなどからなる外側の(又は顆粒外の)賦形剤相に含まれる1つ又は複数の追加の活性成分と共に使用して、錠剤を得ることができる。
i)少なくとも1つのpH依存性成分と、エチルアルコールに予め溶解させた少なくとも1つの飽和脂肪アルコールとを含む混合物から構成された塊に、1つ又は複数の活性成分を均一に分散させて、清澄な造粒液体を得、
ii)手順は、均質に混合された活性成分とポリマー成分を、加熱又は冷却することなく、予め調製された造粒液体を使用して造粒するものであり、
iii)次いで、直径が約1000ミクロン未満、好ましくは約850ミクロン未満の顆粒を得るために、得られた調製物を適切な篩に通し、
iv)得られた造粒された材料を、充填剤、結合剤、崩壊剤、アジュバントなどからなる外側の(又は顆粒外の)賦形剤相に含まれる1つ又は複数の追加の活性成分と共に使用して、錠剤を得ることができる。
この手法は、新規な溶融造粒手順を示す。pH依存性ポリマー材料と、疎水性セグメントをその構造中に含む賦形剤との組合せを使用して、活性成分の遅延放出を確実にすることができる胃液に不溶性の組成物に活性成分を封入することができる。活性成分がポリマー溶液又は分散液から得られたフィルム又はメンブランで包囲されている粒子、顆粒、又はビーズを生じる通常の腸溶性コーティング手順とは対照的に、本発明の調製法によって、実際の腸溶性コーティングがない場合に腸溶性保護が生成される。
本発明は、従来技術で周知の古典的な溶融造粒手順とも異なる。これらの従来技術手順とは対照的に、適切な賦形剤を含む活性混合物によって、造粒された活性成分がもたらされ、1つ又は複数の追加の活性成分と共に圧縮又はカプセル化することができる。
有利には、得られた顆粒に光保護特性が付与されるように、光保護性又は光不透過性の顔料又はフレークを溶融造粒方法に組み込めることも有利である。これによって、光保護性コーティングを圧縮剤形に施す必要性が回避される。本発明によれば、有機又は無機の顔料を有利に使用できる。溶融造粒の様々な段階で、例えば粉末ブレンド又は造粒液体溶液に顔料を組み込むことができる。
無機顔料の例は、二酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化鉛などである。好ましい光保護性顔料は二酸化チタンである。
有機顔料の例は、アゾ顔料、アントラキノン、フタロシアニン、テトラクロロイソインドリノン、キナクリドン、イソインドリン、ペリレン、ピロロピロール(顔料Red 254など)などである。
本発明の手順が、多数の医薬品活性分子で使用することができ、有利な流動性、製錠性、崩壊性、及び溶解性を有する調製物を生成することは特記に値する。
本発明のいくつかの実施形態では、pH依存性材料を含む本発明の経口剤の遅延放出は、医薬品として許容できるアクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマーで得られる。このようなポリマー及びコポリマーの非限定的例は、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリラートコポリマー、エトキシエチルメタクリラート、シアノエチルメタクリラート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリメタクリラート、ポリ(メチルメタクリラート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、並びにグリシジルメタクリラートコポリマーである。
今回、メタクリラート基に由来するポリマー、具体的にはカルボン酸官能基を含むアニオン性ポリマーを、溶融造粒方法に含めることができることが発見された。これは本発明の一態様である。
好ましい実施形態では、アクリルポリマーは、ある含有量のカルボン酸基を有するアクリル酸及びメタクリル酸のエステルの完全重合コポリマーとして記述される当技術分野で周知の1つ又は複数のアニオン性メタクリラートコポリマーを含む。このようなpH依存性ポリマーは合計で、組成物の全重量の約5%〜約50%、好ましくは約10%〜約30%、より好ましくは約12%〜約20%を構成する。望ましい溶解プロファイルを得るために、pHの変化に応じてプロトン化/脱プロトン化することができる異なる量のカルボン酸官能基など、様々な特性を有する様々な量のメタクリル酸コポリマーを組み込む必要があり得る。
さらに、一般にpH依存性コーティングを調製するために使用されるある種のメタクリル酸エステル型ポリマーを、本発明でpH依存性材料として使用できることも発見された。例えば、ジエチルアミノエチルメタクリラートと他の中性メタクリル酸エステルから合成されたコポリマーのファミリーがあり、メタクリル酸コポリマー又はポリマーメタクリラートとも呼ばれ、Rohm PharmaからEudragit(登録商標).RTM.として市販されている。
より一般的に、腸溶性コーティングで通常使用されるpH依存性ポリマー及びコポリマーを、本発明でpH依存性ポリマー及びコポリマーとして使用することができる。例えば、このようなコーティングは、通常はRohm Pharmaから商標名Eudragit RTM RL30D(登録商標)及びEudragit RTM RS30D(登録商標)で市販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含むことができる。これらの生成物は、低含有量の第四級アンモニウム基を含むアクリル酸及びメタクリル酸のエステルのコポリマーである(アンモニウム基と残部の中性(メタ)アクリル酸エステルのモル比)。これらの典型的なコーティングでは、望ましい溶解プロファイルを有する放出制御製剤を最終的に得るために、Eudragit RTM RL/RS(登録商標)分散液を所望の比で混合することができる。望ましい放出制御製剤は、例えば100%のEudragit RTM RL(登録商標)、50%のEudragit RTM RL(登録商標)と50%のEudragit RTM RS(登録商標)、及び10%のEudragit RTM RLと90%のEudragit RTM RSに由来する遅延コーティングから得ることができる。言うまでもなく、当業者は、例えばEudragit RTM L(登録商標)など、他のアクリルポリマーも使用できることを理解されよう。
本発明の好ましい経口剤は、さらに結合剤、崩壊剤、接着剤、及び湿潤剤からなる群から選択された1つ又は複数の医薬品として許容できる賦形剤を含むことができる。より好ましくは、このような組成物は、多粒状系組成物、特にマトリックス錠に圧縮され、胃液に対して特に抵抗性を示し、pH 5.5から薬物の即時放出を示す組成物の形である。
本発明の経口剤は、具体的には錠剤製剤向けの賦形剤として、1つ又は複数の医薬品として許容できる結合剤又は接着剤を場合によっては含む。このような結合剤及び接着剤は、好ましくは製錠化する粉末に十分な粘着を付与して、分粒、潤滑、圧縮、及び包装など、通常の加工操作を可能にするが、摂取時に錠剤の崩壊及び組成物の吸収をなお可能にする。適切な結合剤及び接着剤には、単独又は組合せで、アカシア;ビーンワックス(been wax)、ゼラチン;グルコース;α化デンプン(これに限定されない)などのデンプン(例えば、National(登録商標)1511及びNational(登録商標)1500);メチルセルロース(これに限定されない)などのセルロース;アルギン酸及びアルギン酸塩;PEG;グアーゴム;ポリサッカリド酸;ポビドン、例えばポビドンK−15(登録商標)、K−30(登録商標)、及びK−29/32(登録商標);並びにエチルセルロース(例えば、Ethocel(登録商標))が含まれ、より好ましいものは、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、天然若しくは合成のワックスのクラスである。このような結合剤及び/又は接着剤が存在する場合は合計で、組成物の全重量の約5%〜約60%、好ましくは約10%〜約50%、より好ましくは約12%〜約50%を構成する。
本発明の経口剤は、具体的には錠剤製剤向けの賦形剤として、1つ又は複数の医薬品として許容できる崩壊剤も場合によっては含む。適切な崩壊剤には、単独又は組合せで、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、PenWestのExplotab(登録商標))及びα化コーンスターチ(例えば、National(登録商標)1551、National(登録商標)1550、及びColorcon(登録商標)1500)を含めたデンプン;精製セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、FMCのAc−Di−Sol(登録商標))、アルギナート、クロスポピドン、及び寒天、グアーなどのゴムが含まれる。好ましい崩壊剤は、クロスカルメロースであり、合計で、組成物の全重量の約5%〜約30%、好ましくは約7%〜約25%、より好ましくは約8%〜約20%である。
本発明の経口剤は、錠剤の形、又は例えば顆粒含有カプセル剤など、他の形とすることができる。
錠剤を、例えば粘着防止コーティングやカラーコーティングなどの適切なコーティングで被覆して、錠剤の外側に望ましい特性を付与することもできる。また、他の標準的な腸溶性コーティング材料、例えばフタラート、例えば酢酸フタル酸セルロース、又は好ましくはヒドロキシプロピルアセタートフタラート若しくはポリビニルアセタートフタラートを使用することもできる。さらに、上記その他の材料の混合物を使用して、コーティングされた顆粒を生成することができる。
錠剤設計の例
異なる2つの手法を考慮した。第1の手法では、遅延放出特性が顆粒レベルで設計され、第2の手法では錠剤全体のレベルで設計されている。
異なる2つの手法を考慮した。第1の手法では、遅延放出特性が顆粒レベルで設計され、第2の手法では錠剤全体のレベルで設計されている。
A.遅延放出特性は顆粒レベルで保証されている:多粒状系物は、遅延放出特性を有する好ましい組成物から得られる。
(実施例1)
ジャケット付きのボウルに、活性成分(ジクロフェナクナトリウム)及びpH依存性ポリマーを入れ、混合して均質化した。脂肪アルコールを55℃で加熱することによって、造粒液体を得た。造粒液体を、混合粉末に組み込み、造粒プロセスを造粒が起こるまで継続した。次いで、造粒された材料を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却した。次いで、適切な粉砕機を使用して、造粒された材料をミリングした。次いで、ミリングした材料を、連続的に2mm及び0.850mmのスクリーンに通して篩にかけた。顆粒を適切な量の崩壊剤と混合し、得られた組成物を、シングルパンチプレスを使用して重量625mg、直径8.5mmの錠剤に圧縮した。最終製剤は70%の崩壊剤及び30%の顆粒(重量百分率で表す)を含有した(組成物分析:活性成分 12%、脂肪アルコール 15%、メタクリル酸ポリマー 3%)。
ジャケット付きのボウルに、活性成分(ジクロフェナクナトリウム)及びpH依存性ポリマーを入れ、混合して均質化した。脂肪アルコールを55℃で加熱することによって、造粒液体を得た。造粒液体を、混合粉末に組み込み、造粒プロセスを造粒が起こるまで継続した。次いで、造粒された材料を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却した。次いで、適切な粉砕機を使用して、造粒された材料をミリングした。次いで、ミリングした材料を、連続的に2mm及び0.850mmのスクリーンに通して篩にかけた。顆粒を適切な量の崩壊剤と混合し、得られた組成物を、シングルパンチプレスを使用して重量625mg、直径8.5mmの錠剤に圧縮した。最終製剤は70%の崩壊剤及び30%の顆粒(重量百分率で表す)を含有した(組成物分析:活性成分 12%、脂肪アルコール 15%、メタクリル酸ポリマー 3%)。
次いで、錠剤を、先に記述した手順に従って溶解試験にかけた(USP装置I、200rpm、2時間 SGF、2時間 SIF)。
図1に、結果を示す(実施例1)。
(実施例2)
脂肪アルコールを溶融し、激しく撹拌しながらメタクリル酸コポリマーと予備混合して、均質な分散液を得た。
脂肪アルコールを溶融し、激しく撹拌しながらメタクリル酸コポリマーと予備混合して、均質な分散液を得た。
ジャケット付きのボウルに、ジクロフェナクナトリウムを入れ、造粒が起こるまで撹拌を継続しながら、分散液を徐々に添加した。次いで、造粒された材料を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却した。次いで、適切な粉砕機を使用して、造粒された材料をミリングした。次いで、ミリングした材料を、連続的に2mm及び0.850mmのスクリーンに通して篩にかけた。顆粒を適切な量の崩壊剤(ジクロフェナク層の全質量の8〜20%である)と混合し、得られた混合物を錠剤に圧縮した。この調製物は、ジクロフェナク層の重量が215〜250mgとなり得た。
次いで、実施例2の錠剤を、先に記述した手順に従って溶解試験にかけた[USP装置I、200rpm、2時間 擬似胃液(SGF)、2時間 擬似腸液(SIF)]。
図1に、結果を示す(実施例2)。
図1は、錠剤崩壊を誘導するために、実施例1及び2に記載された2つの調製物と共に使用した崩壊剤のタイプ及び比率の影響も示す。
(実施例3)
ジクロフェナクナトリウム、及びpH依存性ポリマーの一部分(全量の30%)をボウルに入れ、混合して均質化した。脂肪アルコールをエタノールに溶解し、ポリマーの残部(70%)を組み込んで、造粒液体を得た。
ジクロフェナクナトリウム、及びpH依存性ポリマーの一部分(全量の30%)をボウルに入れ、混合して均質化した。脂肪アルコールをエタノールに溶解し、ポリマーの残部(70%)を組み込んで、造粒液体を得た。
造粒方法は、加熱ジャケットを使用せず、ミキサーを500rpmで、チョッパーを1200rpmで使用して造粒が起こるまで実施した。次いで、凝集体を任意の適切な手段で分解して、大きすぎる凝集体を粉砕し、好ましくは直径0.85mm未満の粉末及び小粒子の混合物を生成する。適切な量の崩壊剤を添加し、得られた混合物を錠剤に圧縮した。
次いで、実施例1で記載した手順に従って、実施例3の錠剤を3つの溶解試験である実施例3a、3b、及び3cにかけた。
図2に示す溶解プロファイル3a、3b、及び3cは、SIFでのジクロフェナク顆粒の開放時間の変調を、活性成分/pH依存性ポリマー/結合剤の比と関連させて示している。3つの調製物すべてにおいて、崩壊剤のタイプ及び比率を一定に保つことによって、顆粒の組成は随意に可変であることが判明した(表I)。
B.遅延放出特性は錠剤全体で保証されている:遅延放出特性を有する好ましい組成物は、溶融造粒方法によって得られ、酸性媒体中で水和する錠剤の能力を限定することによって、胃区域を通過するための保護をもたらす。その完全性を保持することによって、錠剤は遅延特性を確実にすることができる。
(実施例4)
脂肪アルコールをまず溶融した。ジャケット付きのボウルに、ジクロフェナクナトリウム及びメタクリル酸コポリマーを入れ、造粒が起こるまで混合を継続しながら、造粒された液体を徐々に添加した。次いで、造粒された材料を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却した。次いで、適切な粉砕機を使用して、造粒された材料をミリングした。次いで、ミリングした材料を、連続的に2mm及び0.85mmのスクリーンに通して篩にかけた。次いで、顆粒を錠剤に圧縮し、先に記載した条件で試験した(2時間 SGF、続いてSIF、200rpm、UPS装置II)。遅延放出特性は、マトリックス手法を使用した場合に、より明白であり、溶解プロファイルは、10時間を超えた後に完全な薬物放出を示している。
脂肪アルコールをまず溶融した。ジャケット付きのボウルに、ジクロフェナクナトリウム及びメタクリル酸コポリマーを入れ、造粒が起こるまで混合を継続しながら、造粒された液体を徐々に添加した。次いで、造粒された材料を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却した。次いで、適切な粉砕機を使用して、造粒された材料をミリングした。次いで、ミリングした材料を、連続的に2mm及び0.85mmのスクリーンに通して篩にかけた。次いで、顆粒を錠剤に圧縮し、先に記載した条件で試験した(2時間 SGF、続いてSIF、200rpm、UPS装置II)。遅延放出特性は、マトリックス手法を使用した場合に、より明白であり、溶解プロファイルは、10時間を超えた後に完全な薬物放出を示している。
C.1つ又は複数の顔料又はフレークの組込みによる顆粒の光保護
(実施例5)
ジャケット付きのボウルに、活性成分であるジクロフェナクナトリウム、及び溶融ポリマー(造粒液体)を入れ、均質に混合した。造粒液体は、エタノールを使用して予め調製された脂肪アルコール溶液に、少なくとも1つの顔料粉末を添加することによって得られ、最終的に55℃に加熱して、溶融を誘導した。造粒が起こるまで混合を継続しながら、液体を徐々に分散した。調製物を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却し、次いで連続的に2mm及び0.85mmのスクリーンに通して篩にかけた。造粒された活性成分を崩壊剤と混合することによって、最終混合物を得た。得られた調製物を錠剤に圧縮した。このとき、ジクロフェナク層の重量は200〜300mgとなり得た。崩壊剤の量は、錠剤に存在する活性成分の約5〜約35wt%となるように選択される。
ジャケット付きのボウルに、活性成分であるジクロフェナクナトリウム、及び溶融ポリマー(造粒液体)を入れ、均質に混合した。造粒液体は、エタノールを使用して予め調製された脂肪アルコール溶液に、少なくとも1つの顔料粉末を添加することによって得られ、最終的に55℃に加熱して、溶融を誘導した。造粒が起こるまで混合を継続しながら、液体を徐々に分散した。調製物を金属トレーに移し、22〜24℃に冷却し、次いで連続的に2mm及び0.85mmのスクリーンに通して篩にかけた。造粒された活性成分を崩壊剤と混合することによって、最終混合物を得た。得られた調製物を錠剤に圧縮した。このとき、ジクロフェナク層の重量は200〜300mgとなり得た。崩壊剤の量は、錠剤に存在する活性成分の約5〜約35wt%となるように選択される。
(実施例6〜8)
様々な量の顔料を使用して、上記の実施例5で示すようにして、顆粒を作製した。より詳細には、二酸化チタンを顆粒の全質量に対して4重量%、8重量%、及び15重量%に設定した。二酸化チタン及びフレーク(赤色#40レーキ)の混合物も使用して、造粒された活性成分に不透明性をもたらした。
様々な量の顔料を使用して、上記の実施例5で示すようにして、顆粒を作製した。より詳細には、二酸化チタンを顆粒の全質量に対して4重量%、8重量%、及び15重量%に設定した。二酸化チタン及びフレーク(赤色#40レーキ)の混合物も使用して、造粒された活性成分に不透明性をもたらした。
D.錠剤試験
顆粒の所望のタップ密度及びかさ密度は、通常約0.3g/ml〜約1.0g/mlである。錠剤摩損度は、標準試験で好ましくは約1.0%未満、より好ましくは0.8%未満、さらにより好ましくは約0.5%未満である。
顆粒の所望のタップ密度及びかさ密度は、通常約0.3g/ml〜約1.0g/mlである。錠剤摩損度は、標準試験で好ましくは約1.0%未満、より好ましくは0.8%未満、さらにより好ましくは約0.5%未満である。
複数の要因が、溶媒媒体中で薬物がその担体から溶解することに影響を及ぼすことが知られている。これらの要因には、溶媒媒体に提示される薬物の表面積、薬物の溶媒媒体での溶解性、及び溶媒媒体に溶解された材料の飽和濃度の推進力が含まれる。
SGF溶解媒体に配置されてから最初の2時間で、含有している薬物の実質的に5%未満が放出される溶解プロファイルを有する組成物は、遅延放出性組成物であるとみなされる。一方、即時放出組成物は、通常は、溶解媒体に配置されてから最初の1時間で含有している薬物の少なくとも50%を放出する。
本発明の一実施形態による錠剤は、SGFで2時間で約1%〜約3(又は5)%の溶解、SIFで最初の30分で約30%〜約70%の溶解、及びSIFで最初の1時間で少なくとも約90%の溶解を示す。本発明の好ましい錠剤は、SGFで2時間で約0.5%〜約2.5%の溶解、SIFで最初の30分で約60%〜約80%の溶解、及びSIFで1時間で少なくとも約95%の溶解を示す。本発明の最も好ましい錠剤は、SGFで2時間で約1.5%〜約2.5%の溶解、SIFで最初の30分で約75%〜85%の溶解、及びSIFで1時間で実質的に完全な溶解を示す。
Claims (27)
- 造粒された組成物内に1つ又は複数の活性成分を含む遅延放出性経口剤であって、
a)固体脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、飽和脂肪アルコールと飽和脂肪酸とのエステルの混合物、天然ワックス、合成ワックス、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ゴム、及びその混合物の群から選択された1つ又は複数の賦形剤、並びに
b)pH依存性の溶解性を示す1つ又は複数のポリマー又はコポリマー
をさらに含む遅延放出性経口剤。 - 1つ又は複数の活性成分、充填剤、結合剤、崩壊剤、接着剤、湿潤剤、及びアジュバントからなる群から選択された1つ又は複数の賦形剤、並びにその混合物を含む顆粒外相をさらに含む、請求項1に記載の遅延放出性経口剤。
- 剤形が一体化剤形であり、造粒された組成物、及び顆粒外相が存在する場合それを一体化形状に圧縮する、請求項1又は2に記載の遅延放出性経口剤。
- 剤形が圧縮錠である、請求項1から2までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 圧縮錠がコーティングで被覆される、請求項4のいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 剤形が、造粒された組成物、及び顆粒外相が存在する場合それを含有するカプセル剤である、請求項1又は2に記載の遅延放出性経口剤。
- 1つ又は複数のポリマー又はコポリマーが、アクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマーである、請求項1から6までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 1つ又は複数のポリマー又はコポリマーが、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリラートコポリマー、エトキシエチルメタクリラート、シアノエチルメタクリラート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリメタクリラート、ポリ(メチルメタクリラート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリラートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、並びにグリシジルメタクリラートコポリマーからなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 1つ又は複数のポリマー又はコポリマーがメタクリル酸ポリマーである、請求項1から7までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 1つ又は複数の賦形剤が脂肪アルコールである、請求項1から9までに記載の遅延放出性経口剤。
- 1つ又は複数の賦形剤が飽和脂肪アルコールである、請求項1から10までに記載の遅延放出性経口剤。
- 前記1つ又は複数の賦形剤が固体脂肪族アルコールである、請求項1から11までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 前記1つ又は複数の活性成分が、NSAID、プロスタグランジン、及びその混合物から選択される、請求項1から12までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 前記造粒された組成物が、1つ又は複数の光不透過顔料をさらに含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 前記光不透過顔料が、二酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化鉛、アゾ顔料、アントラキノン、フタロシアニン、テトラクロロイソインドリノン、キナクリドン、イソインドリン、ペリレン、及びピロロピロールからなる群から選択される、請求項14に記載の遅延放出性経口剤。
- 前記光不透過顔料が二酸化チタンである、請求項14又は15に記載の遅延放出性経口剤。
- 前記造粒された組成物が、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、フロー剤、可塑剤、及びその混合物をさらに含む、請求項1から16までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 造粒された組成物がコーティングで被覆される、請求項1から17までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 顆粒外相がクロスカルメロースを含む、請求項2から18までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 造粒された組成物が、直径が約1000ミクロン未満である顆粒を含む、請求項1から19までのいずれか一項に記載の遅延放出性経口剤。
- 顆粒の直径が約850ミクロン未満である、請求項20に記載の遅延放出性経口剤。
- a)固体脂肪族アルコール、飽和脂肪アルコールと飽和脂肪酸とのエステルの混合物、又は天然若しくは合成のワックス、水素化ヒマシ油、水素化植物油、ゴム、或いはその混合物の群から選択された1つ又は複数の賦形剤、
b)pH依存性の溶解性を示すアクリル酸及びメタクリル酸のポリマー及びコポリマー、並びに
c)1つ又は複数の光不透過顔料
を含む造粒された組成物に本質的に均一に分散されている1つ又は複数の活性成分と、
崩壊剤を含む顆粒外相と
を含む遅延放出性経口剤。 - 請求項1に記載の遅延放出性経口剤の作製方法であって、
a)加熱、又は適切な媒体での溶解によって、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤を得るステップと、
b)前記ポリマー又はコポリマーの0%〜100%を、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤に添加し、それによって造粒液体を生成するステップと、
c)前記1つ又は複数の活性成分を、前記ポリマー又はコポリマーの残部と混合し、それによって混合物を生成するステップと、
d)顆粒が得られるように、前記混合物を前記造粒液体で造粒するステップと、
e)場合によっては、前記顆粒を他の活性成分及び賦形剤とブレンドし、それによって最終混合物を得るステップと、
f)前記顆粒又は前記最終混合物をカプセル化し、或いは前記顆粒又は前記最終混合物を錠剤に圧縮するステップと
を含む方法。 - 請求項1に記載の遅延放出性経口剤の作製方法であって、
a)加熱、又は適切な媒体での溶解によって、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤を得るステップと、
b)前記ポリマー又はコポリマーの0%〜100%を、液体の形の前記1つ又は複数の賦形剤に添加し、それによって造粒液体を生成するステップと、
c)前記1つ又は複数の活性成分を、前記ポリマー又はコポリマーの残部と混合し、それによって混合物を生成するステップと、
d)注入可能なブレンドが得られるように、前記混合物を前記造粒液体とブレンドするステップと、
e)前記ブレンドを固化基材に注入するステップと、
f)前記基材上で前記ブレンドの固化がもたらされるステップと、
g)固化したブレンドを前記基材から取り除くステップと、
h)固化したブレンドを顆粒にミリングするステップと、
i)前記顆粒をカプセル化し、又は前記顆粒を錠剤形状に圧縮するステップと
を含む方法。 - 前記カプセル化又は圧縮ステップの前に、顆粒にコーティングを施すステップをさらに含む、請求項23又は24に記載の方法。
- ステップi)が顆粒を錠剤に圧縮するものであり、錠剤にコーティングを施すステップをさらに含む、請求項23から25までのいずれか一項に記載の方法。
- 請求項23から26までのいずれか一項に記載の方法によって生成された遅延放出性剤形。
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