JP2008530540A - 支持体への生体分子の光化学的結合のための方法 - Google Patents

支持体への生体分子の光化学的結合のための方法 Download PDF

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Abstract

固体支持体表面、例えばキャピラリの内部表面に、生体分子を結合するための方法および装置。特に本発明は、複数のバイオアッセイを同時に行うことができるように、溶融シリカキャピラリの内側に生体分子のパターン化されたアレイをつくるための化合物および方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は支持体(substrate)への生体分子の光化学的結合のための方法、および、このような方法の実施を可能にする装置に関する。
本発明は生体分子を例えばキャピラリ内部表面など固体支持体表面に結合する方法および装置に関する。特に本発明は、溶融シリカキャピラリ内部で生体分子のパターン化されたアレイを作り出し、複数のバイオアッセイを同時に行うことを可能とする化合物および方法に関する。
表面上の生体分子の固定化は、診断解析、ハイスループット・スクリーニングおよび、バイオエレクトロニクスセンシングを含む多くのバイオアッセイにおける重要なステップである[Zammatteo,N.ら、Biotechnol. Annu. Rev.2002年,8,85―101;Russo,G.ら、Oncogene 2003年,22,6497―6507;Ratner,D.M.ら、Chembiochem 2004年,5,379―382;Reimer,U.ら、Curr.Opin.Biotechnol.2002年,13,315―320;Xiao,Y.ら、Science 2003年,299,1877―1881;Yeo,W.S.ら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.2003年,42,3121―3124]。現在のほとんどのバイオアッセイ法では、各実験につき単一のサンプル分析物を一つのみ検出することが可能である。検出および識別を連続的に実施するストラテジーは可能であるが、単一のサンプルの中で複数の分析物を同時に識別できれば非常に有益である。例えば、複数の分析物の分析を連続してではなく並行して実行できれば、より迅速、安価に、テストごとのばらつきを抑えて環境試料の分析を行うことができる。薬剤スクリーニングだけでなく、トランスクリプトーム、プロテオーム解析でも、複数の分析物を検出、識別できることに関心のある別の領域がある。さらに、診断解析では多くの場合、正確に病理学を診断するためにいくつかの関連したファクターの測定が必要である。
複数分析物を検出、識別する最善のアプローチの一つは、固体支持体、すなわち分子アレイ上での検出可能エレメントの空間的隔離を利用することである。このアプローチでは、分析物は標識の検出または識別により検出または識別されるのではなく、支持体上の標識がアレイのどこに位置しているかにより検出および識別される。アレイの別々の領域に固定される生体分子または生物活性剤のタイプについての事前知識により、複数の分析物の識別、定量化が可能となる。分子アレイには、平面フォーマットが通常使用され、分子のロボット処理または光化学的処理およびそれに続く表面への付着によって位置的制御(すなわちマイクロ・パターニング)が達成される[Fodor,S.P.ら、Science 1991年,251,767―773;MacBeath,G.ら、Science 2000年,289,1760―1763;Okamoto T.ら、Nat Biotechnol.2000年4月;18(4):438―41;Lange SA.ら、Anal Chem.2004年3月15日;76(6):1641―7]。
マイクロ流体キャピラリ・フォーマットは平面フォーマットと比較して、サンプル量がずっと少なく、表面対体積比が高く、表面における動力学的反応が速く、自動流体送達の可能性があり多くのサンプルが同時分析されるなど、いくつかの利点がある[Delamarche E.ら、Science.1997年5月2日;276(5313):779―81;Sia SK.ら、Angew Chem Int Ed Engl.2004年1月16日;43(4):498―502;Zhan W.ら、Anal Chem.2002年9月15日;74(18):4647―52;Cousino MA.ら、Anal Chem.1997年9月1日;69(17):544A―549A]。キャピラリの閉じた幾何構造は、分子アレイングのための従来の固定化方法の使用が著しく限定するが、溶融シリカキャピラリは電気泳動[Horvath J,ら、Electrophoresis.2001年 ;22(4):644―55]およびフロースルー分析システム[Holt DB.ら、Anal Biochem.2000年12月15日;287(2):234―42;Narang U.ら、Anal Biochem.1998年1月1日;255(1):13―9;Koch S.ら、Biosens Bioelectron.2000年1月;14(10―11):779―84]において広く使われている。本出願人らの知る限りでは、現在までに報告されている唯一の方法は、感光性2―ニトロ―5[ll―(トリメトキシシリル)ウンデシル]オキシベンジルメトキシポリ―(エチレングリコール)プロピオン酸(NMPEG―シラン)によるキャピラリの被覆である。
この著者らは、シッフ塩基を介したタンパク質固定化のために使用できる、NMPEG―シランの照射により作られる、表面に結合したアルデヒド基のパターンを説明した(米国特許第5773308号明細書)。キャピラリ内のアレイングにおける問題を回避することに成功した他のストラテジーは、以下を含む:(1)タンパク質のマイクロシリンジ注入および物理吸着に基づくプラスチック・キャピラリ内部のパターニング[Misiakos K.ら、Biosens Bioelectron.1998年10月1日;13(7―8):825―30;Petrou PS.ら、Biosens Bioelectron.2002年4月;17(4):261―8];(2)平坦面上にパターン化された分子配列を囲むエラストマーのマイクロ流体チャネルの製造[Delamarche E.ら、Science.1997年5月2日;276(5313):779―81;Sia SK.ら、Angew Chem Int Ed Engl.2004年1月16日;43(4):498―502;Zhan W.ら、Anal Chem.2002年9月15日;74(18):4647―52];および、(3)マイクロチャネル内部への分子担持マイクロビーズの取り込み[Sato K.ら、Anal Chem.2001年3月15日;73(6):1213―8;Noda H.ら、Anal Chem.2003年7月1日;75(13):3250―5]。
米国特許第5,482,867号明細書は、光不安定な保護基を有するケージド・ビオチン類似体を支持体に結合することによって支持体の表面上に抗リガンドを固定する方法を記載する。保護基は、照射によりケージド・ビオチン類似体を、抗リガンドを非共有結合で固定できるビオチン類似体に変換して除去できる。マスキング、照射および固定化の一連のステップを実行して、異なる領域に結び付いた種々の抗リガンドを有するパターン化された支持体をつくることができる。類似の方法は、米国特許第5,412,087号明細書、米国特許第5,391,463号明細書、米国特許第5,451,683号明細書、米国特許第5,489,678号明細書、米国特許第4,562,157号明細書、米国特許第5,316,784号明細書、米国特許第5,252,743号明細書および米国特許第5,143,854号明細書に記載されている。
J.H.McAlearらによる米国特許第4,103,064号明細書および米国特許第4,103,073号明細書は、タンパク質の厚膜の付着およびそれに続く標準的なレジスト技術を用いたミクロリソグラフィック・パターニングを開示する。この方法は、(1)多くのステップを必要とする;(2)タンパク質と支持体の間に共有結合がない;(3)多くのレジストは、タンパク質を変性させることが知られているジグライムなどの有機溶媒の使用を伴う;(4)多くのレジストの現像には、タンパク質を変性させ得るアルカリ性現像液の使用を必要とする;(5)架橋剤グルタルアルデヒドは、タンパク質を変性させることが知られている、などの欠点を含む。
米国特許第出願公開第2003/0378440号明細書は、DNAプローブを用いてターゲットDNA分子およびmRNA分子のような核酸分子を検出する装置を開示し、ガラスで作られた円筒キャピラリより形成される流体通路、流体通路の内壁内に形成される複数の独立したプローブ領域、およびプローブ領域内で各々固定され互いに異なるDNAプローブを具備するDNAキャピラリを提供する。測定を行うには、開口部分を通じてサンプルをキャピラリ内へ導入し、反応させ、蛍光定量を行う。
以下の参考文献に図示されるように、ポリマーを表面上にグラフトするために光照射がしばしば用いられてきた:M.Ulbrichtら、Journal of Membrane Science,115,1996年,31―47;W.Yangら、J.Applied Polymer Science,第62巻,533―543,1996年;W.Yangら、J.Appl.Polym.Science,第162巻,545―555(1996年);G.Genshensら、European Polymer Journal,36,2000年,265―271。
いくつかの文献には、光除去が可能な保護基により保護された官能基を備えた分子とグラフトされる固体支持体が開示されている。選択的な光照射が、官能基の解放を可能にする。その後、遊離の官能基と生体分子の間にカップリング反応が行なわれる。この二段階の方法によって、種々の生体分子と支持体のパターン化されたグラフトが得られる(国際公開第98/34913号パンフレット、米国特許出願公開第2003/0148367号明細書)。しかし、二段階で操作する必要があるため、これらの方法は複雑で冗長である。
生体分子に支持体をグラフトする別の方法としては、放射線グラフトによる支持体上へのモノマー重合があり、モノマーのいくつかは生体分子に複合体化または共有結合で結合される。このような方法は、米国特許第5,034,428号明細書および米国特許第5,453,461号明細書に開示されている。しかし、この方法では支持体のパターン化されたグラフトができない。
米国特許第4,562,157号明細書は、診断に役立つ装置を開示する。二つ以上の生体分子がセンサに結合される。この装置は、以下の方法によって作られる。光励起性官能基を有する基が、センサ表面に共有結合により結合される。修飾された表面はマスクを通じて露光され、溶液中の生化学種は被照射区域に選択的に結合される。この方法により、タンパク質をプリントした回路の生産が可能となる。光活性化技術により、非常に小さな領域を正確に選択できる。担体は、光励起性基としてのN―(4−アジド―2−ニトロフェニル)−1,3−ジアミノプロパンとグラフトさせたシリカのスライスである。生体分子は、光励起性化合物の媒介によって、シリカ支持体に結合される。しかし、この文献に開示される方法は以下のようないくつかの不都合を伴う。
光活性剤は、アジドにより官能化された分子である。このような光活性剤は照射後に分解するという不都合があるが、例えばカルボニル光活性剤は、ターゲット分子と反応するまで繰り返し照射を受け、活性を保つことができる。
表面への生体分子の非選択的な結合が生じないなら、生体分子の照射による選択的なグラフトが理論的に可能である。しかし、実際には、この文献において教示されているように、光重合開始剤存在下において固体支持体上に直接グラフトがなされる際、このような非選択的グラフトが観察される。
Loweらによる米国特許第4,562,157号明細書には、シラン膜の光活性部分に堆積された、共有結合により結合された生体分子のパターンが記載されている。しかし、開示された方法では、シラン膜の非修飾部分への生体分子の非特異的結合の問題が克服されない。
非特異的グラフトが回避されるという条件で、固体支持体上に生体分子のパターン化されたグラフトを行うことが本発明の目的である。驚くべきことに、このような目的は以下の状況において達成された。
本発明は固体支持体への分子グラフトのための方法に関し、固体支持体自体が、分子の吸着に対し抵抗性を有するリンカーの層を含み、前記方法は、
−グラフトされる分子と光増感剤が可溶化された溶液と固体支持体を接触させるステップと、
−固体支持体の少なくとも一部を光照射するステップとを含む。
固体支持体の選択された部分の選択的な光照射によれば、支持体の非照射部分への非特異的結合を回避しながら、固体支持体上へ分子をグラフトさせる。本発明のまた別の目的は、この方法を用いて支持体の被照射部分への分子の特異的結合を得ることである。
驚くべきことに、光増感剤がグラフトされる分子とともに可溶化されると、結合の特異性が非常に高く、非特異的結合が回避される。これに対して、光増感剤が共有結合で固体支持体に結合されるか、単にその固体支持体上へ吸着された場合には、非特異的結合が生じることがわかった。
米国特許第5,773,308号明細書のようないくつかの先行技術文献に開示されたことに反して、グラフトは光照射の直接的な結果であり、更なるカップリングステップは必要ない。
本発明は、支持体に任意の有機分子を結合するために用いることができる。
本発明は特に、タンパク質、糖、脂質、ステロイド、酵素、ペプチド、グリコプロテイン、核酸(RNA、DNA)のような生体分子およびそれらの類似体の結合を目的とする。後者には、修飾塩基(A、T、U、C、G以外の)、糖(リボースまたはデオキシリボース以外の)またはバックボーン(ホスホジエステル結合以外の)を有するDNAに似た人工的に設計された化学分子を含む。
本発明は特に、生体分子を寄せ付けない性質を有する支持体への上記生体分子の結合に関する。このような支持体は、適当なリンカーの層の選択によって得られる。多くの場合生体分子は疎水性分子であり、支持体は親水性である。
分子の光化学的固定化のための提唱された方法は、ガラス、シリコン、溶融シリカ、ポリマー、金属、金属酸化物およびセラミックを含む様々な種類の支持体に用いることができる。支持体は、平坦面に限らず、ビーズ、マイクロタイタープレート、特にキャピラリから選択することもできる。
マイクロ流体キャピラリ・フォーマットは平面フォーマットと比較して、サンプル量がずっと少なく、表面積対体積比が高く、表面における動力学的反応が速く、自動流体送達の可能性があり多くのサンプルが同時分析されるなど、いくつかの利点がある。生体分子の結合のための固体支持体として使用できるキャピラリとしては、ガラス、シリコン、溶融シリカ、プラスチック(ポリマー)キャピラリなどが挙げられる。それらは180度閉じた、または一方から開いた円筒状や矩形の形状のような多様な幾何構造(例えば微小マシンで形成されたシリカチャネルまたはプラスチックモールド)をとることができる。一つの例は電気泳動およびフロースルー分析システムで広く使われている溶融シリカキャピラリである。このキャピラリは、閉じた幾何構造をとり、このために分子固定化の従来技術の使用が著しく制限されていたものである。
分子の光化学的結合の提唱された方法によれば、UV透過コーティングを有する標準的なフレキシブル溶融シリカキャピラリを分子固定化のために用いることができる。これらのキャピラリは、容易に操作され、様々な種類の化学修飾に使用する上で十分強力である。さらに、たとえばシランまたは/およびポリマーグラフトの用途を含む内部溶融シリカ表面の修飾の化学作用は十分に発揮される。UV透過コーティングの使用により、キャピラリ壁を通じて内部表面の照射を行うことができる。この被覆はキャピラリ内部の蛍光種の検出も可能とするが、それは分析システムおよびキャピラリ内のアレイの開発にとって重要なステップである。
キャピラリはPolymicro TechnologiesまたはFiberTech社などの商業的供給元から利用可能であり、(a)1ミクロン未満から数ミリメートルの内径および60ミクロンから数ミリメートルまでの外径を有する豊富なサイズ;(b)内側および外側の多様な幾何構造;(c)優れた化学的耐久性および強さ;(d)鋼より強いシリカおよび石英;(e)容易に切断できまたは切れる材料;(g)狭いが経済的な公差(tolerance)等のキャピラリを入手できる。
キャピラリの最も重要な利点の1つは、体積が小さいことである。例えば、外径363μmおよび内径100μmのキャピラリは、キャピラリ1cmあたり約78.5nlの充填容量を有する。それらは閉じた幾何構造をとるため、サンプル量がナノリットルでも蒸発の問題はない。さらに、キャピラリ内部の実験条件(温度、濃度等)を容易に制御できるため多様なバイオアッセイが可能となる。キャピラリのもう一つの利点は、サンプル調整、分析およびデータ処理を結合したラブオンチップ・分析マイクロシステムに組み込めることである。キャピラリの化学修飾も、固定化、パターニングおよび生体分子およびデータ集めの処理も自動化できる。
固体支持体自体は、生体分子の吸着に対し抵抗性を有する構成成分であるリンカーの層を含む。それは、合成親水性ポリ(オリゴ)マー(ポリ(オリゴ)エチレングリコール(PEG)およびポリアクリルアミド(PA)誘導体など)または天然ポリ(オリゴ)マー(タンパク質、ポリ(オリゴ)―炭水化物)とすることができる。
生体分子をはねつける性質を有するリンカーとしての使用に好ましいポリマーは、光増感剤によって容易に活性化できるアミノまたはH―供与基を含むポリマーである。このようなポリマーおよび固体支持体上へのそれらのグラフトを以下に記載する。
本発明において、生体分子を寄せ付けないリンカーは好ましくはポリマーブラシに基づき[図8B]、好ましくは高密度、親水性で、防汚性を呈し、すなわち、このような表面上への生体分子の非特異的吸着を阻止する。
理論的には、ポリマーのグラフト密度と関連して二つの制限状況が存在する[Alexsander,S.,J.Phys.(パリ),1977年,38,983;De Gennes,P.G.,Macromolecules,1980年,13,1069]:低いグラフト密度では、各鎖は、旋回の半径とほぼ同等の半径を有する半球を占めるように離れており(「キノコ」状、図8A)、高いグラフト密度では、ポリマーは、オーバーラップしないよう界面から伸び、ポリマーブラシを形成する[図8B][Milner,S.T.,Science,1991年,251,905]。
加えて、リンカー層をつくるために用いられるエンドグラフトポリマーは、溶液に自由に溶解した光重合開始剤、ベンゾフェノン、アントラキノン、チオキサントン、ベンジル等により光(例えば365nmの紫外線)照射時に容易に活性化され得るアミノまたはH―供与基を含む。活性化ポリマーブラシは、溶液中に溶解された目的分子と容易かつ高速に反応できる多くのフリーラジカルを含み、それらを共有結合によって表面に結合する。光重合開始剤は、溶液中に溶けた分子を活性化することもできるが、活性化は好ましくは、ポリマーのアミノまたはH―供与基の隣に位置するa―炭素に生じる点に留意する必要がある。しかしいずれの場合においても表面グラフトポリマーまたは遊離の生体分子の活性化時に、ポリマーと生体分子の間に共有結合的境界が形成される。表面グラフトポリマーは、固体支持体と固定化分子との間のリンカーの役割を果たす。
ポリマーブラシは、アミノまたはH―供与基を持つアクリルアミドまたはその誘導体、例えばN―(3―アミノプロピル)メタクリルアミド、N―[(3―ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、およびN―[トリス−(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミドなどから合成されることが好ましい。しかし、H―ドナーまたはアミノ基を持つ他のポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEGとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEOとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEGとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEOとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEGとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEOとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEGとポリアクリルアミド誘導体とのコポリマー、およびPEOとポリアクリルアミド誘導体とのコポリマーを表面修飾のために使用してもよい。
ポリマーブラシは、文献に記載された方法に従って調製できる[Hjerten,S.,J.Chromatogr.,1985年,347,191―198;Cobb,K.A.ら、Anal.Chem.,1990年,62,2478―2483;Herren,B.J.ら、J.Colloid Interface Sci.,1987年,115,46;Balachander,N.ら、Langmuir,1990年,6,1621;Burns,N.L.ら、Langmuir,1995年,11,2768;Fouassier,J.−P.,Photoinitiation,Photopolymerization,and Photocuring:Fundamentals and Applications,Carl Hanser Verlahg,ミュンヘン ウィーン ニューヨーク,1995年;Ulbrich,M.ら、J.Membrane Sci.,1996年,115,31―47;Yang,W.ら、J.Appl.Pol.Sci.,1996年,62,533―543;Yang,W.ら、J.Appl.Pol.Sci.,1996年,62,545―555;Geuskens,G.ら、European Polymer Journal,2000年,36,265―271]。第一のアプローチでは、ポリマー鎖は、修飾された固体支持体(ガラス、石英、シリカ、シリコン、PDMSまたはポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスルホン等の塑性物質など)から始まって重合する[Hjerten,S.,J.Chromatogr.,1985年,347,191―198;Cobb,K.A.ら、Anal.Chem.,1990年,62,2478―2483]。次に、プレ合成されたポリマー鎖を固体支持体にグラフトすることができる[Herren,B.J.ら、J.Colloid Interface Sci.,1987年,115,46;Balachander,N.ら、Langmuir,1990年,6,1621;Burns,N.L.ら、Langmuir,1995年,11,2768]。
光増感剤(PS)は、周囲光の中で安定し、光照射により活性化し得る化合物である。それらは、カルボニル基を含む光増感剤から優先的に選択される。例えば、水溶性ベンゾフェノン、アントラキノン、カンファキノン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノンイソ(チオ)シアネート、置換ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルベンジルブロミド、(ベンゾイルベンジル)―トリメチルアンモニウムクロリド、アントラキノン、アントラキノンを含むカルボン酸、ブロモメチル―アントラキノン、アントラキノンスルホン酸、カンファキノン―10―スルホン酸等を使用できる。
カルボニル基を含む光増感剤が選択されたのは、著しい化学的、光化学的な強さのためである;これらの分子は、周囲光において他の公知の光活性化合物より安定し、活性の有意な喪失を伴わずに水溶液中、330―365nm(カンファキノンは400―500)で繰り返し活性化できる。さらに、それらの化学的性質は周知であり、様々な誘導体を容易に合成できる。
ベンゾフェノンの主要励起状態、カルボニル中心n,π三重項ジラジカルは、有機残基から水素原子を引き抜いて、結果として生じるラジカルと架橋することができ、全体としての主反応はC―H結合への挿入である。通常高い光架橋率(80%以下)が得られる。
励起したアントラキノンも、最も低い励起状態として三重項n,π状態を有し、強力な電子受容体である。水素供与体の存在は、一段階の水素原子引抜による、または、二段階の電子/プロトン移動による急速なキニーネ還元につながる。いずれの場合においても、ラジカル対が、キニーネ上に、そして、水素供与体(例えば生体分子)上に生成される。励起したアントラキノンの水素原子引抜における相対的な効率は非常に高く、その結果、励起したアントラキノンはほとんど全ての露出したC―H基をラジカルにする。
カンファキノンは、UV光を強く吸収(π、π遷移)し、n,π遷移を示す低い吸着係数で、470nmのわずかな吸収を呈する。この後者の吸収帯により、カンファキノンを可視光増感剤として使用することが可能になる。
本発明によれば水溶性のPSが、水または有機溶媒の分子(好ましくは生体分子)溶液に共溶解される。この溶液の照射の結果、PSに依存した光増感と、生体分子および固体支持体表面からの反応種の生成が生じ、最終的に生体分子と個体支持体との間の共有結合が形成される。この方法の最も重要な利点は、合成親水性ポリ(オリゴ)マー(PEGおよびPA誘導体等)または天然ポリ(オリゴ)マー(タンパク質、ポリ(オリゴ)―炭水化物)などの、非特異的生体分子吸着に抵抗性のある様々な表面コーティングの使用が可能になることである。この方法は、図1で示される。
本発明の別形によれば、PSは、固体支持体にグラフトされる生体分子と物理的に結合する。結合は、非共有でも共有結合的でもよい。
(a)非共有の固定化の場合、PSは、疎水性、静電気的、またはアフィニティー相互作用を介して生体分子に結合される。アフィニティー相互作用は、各種のリガンド―タンパク相互作用(タンパク質)、相補的相互作用(核酸およびそれらの類似体)、またはその他(例えば、his―tag―Ni―ニトリロ三酢酸(NTA)またはビオチン―ストレプトアビジン)を含む。
(b)生体分子に対する光増感剤の共有結合の場合には、特異的化学反応が利用される。求電子―求核反応は最適の反応であるが、様々な種類の分子付加、ジスルフィド結合形成、重合など、他の反応を用いることもできる。タンパク質の場合、PS標識をタンパク質上の特定の部位に限定するためにアミノ酸を置換/導入/修飾し得る。
光増感剤の光増感活性の改善は、ラジカル種の安定化及び増幅を可能にする第三級アミン等の成分をさらに導入することによって達成され得る。この場合の光増感剤の活性は、励起三重項状態にあるカルボニル含有光増感剤などの光増感剤と第三級アミンとの相互作用によるラジカルの生成に基づいており、この反応は電荷移動中間体(通常は三重項エキシプレックス)を経る。中間体の電荷移動特性のため、その分解ステップは、PSおよび補助光増感剤のドナー―アクセプター能力に高度に依存している。この追加的な成分は、溶液に加えるかまたは表面に結合させることができ、後者の設定は、光化学反応を被照射表面区域に限定し、多量の生体分子の光化学的固定化をもたらす。もう一つの改善は、光増感剤および分子の溶液中に可溶化されるかまたは固体支持体に結合された第三級アミンの使用である。
使用できる各種光源には、水銀アーク灯、レーザ、カソード線管(CRT)、発光ダイオード(LED)、共鳴マイクロキャビティアノード(Resonant Microcavity Anodes)、フォトダイオード、広波長灯などが含まれる。
照射の後、非共有結合PSを取り除くために固体支持体の表面を洗浄し、空間分解照射を用いた場合には、手順を繰り返して他の生体分子を他の位置に結合することができる(表面パターニング)。好ましい方法は、
−支持体表面を洗浄するステップと、
−グラフトされる第二の分子と光増感剤が可溶化された溶液と固体支持体を接触させるステップと、
−固体支持体の別の領域を光照射するステップをさらに含む。
マスクを用いることで、分子、好ましくは生体分子の支持体へのPSに依存した光化学的結合を所定の領域に限定できる。修飾された支持体はその後、非結合生体分子を除去するために洗浄されればよい。フォトリソグラフィを使用すれば、サブミクロンの解像度での生体分子のパターニングが可能となる。マスキング、照射および洗浄のプロセスステップを、異なる表面領域上、異なる生体分子で繰り返し、複数の相互作用現象を同時に検出するための分子アレイとして使用できるパターン化された支持体をつくることができる。検出のため、空間分解信号を提供するために選択される様々な物理化学的検査法、たとえば蛍光、異なる種類の発光、および放射能ベース、SPR、質量分析方法等を検出ステップにおいて用いることができる。少なくとも二つの分子と一つの分析物との複数の相互作用現象を並行して検出するための方法であり、分子アレイの使用を含み、前記分子アレイが上記の通りの方法により得られる前記方法が、本発明のまた別の目的である。
固体支持体がキャピラリである場合は、水銀アーク灯および適切な干渉フィルタを備えた倒立顕微鏡上で照射を行うことができる。サンプルは、グラフトされる生体分子および光増感剤を溶解した溶液からなる。サンプルで満たされたキャピラリは顕微鏡ステージに載置され、焦点区域の連続した照射およびステージの横移動によりパターニングが行われる(図3a)。区域の長さはスリット開口により決定され、1μmから3mmの間で変化しうる。キャピラリレベルの光強度は、フィルタを用いて制御でき、その結果生体分子の光化学的結合率の制御が可能となる。プロセス全体を一つの装置に統合し、自動化できる。顕微鏡スライド保持器を備えたスライドマイクロアレイスキャナを用いてキャピラリの蛍光像を得られる。キャピラリをスキャンするために、スライドフォーマットの金属支持体は、キャピラリを定位置に保持するための三本の溝を有するものとして製造される(図3b)。
溶融シリカキャピラリ内部に生体分子を結合する通常の手順は以下を含む(図2):
(1)ピラニア(7:3(v/v)の濃硫酸と30%過酸化水素)等の活性洗浄液での洗浄によるキャピラリ内部表面の前洗浄。
(2)シラン誘導体による処理をより頻繁に第一のステップとするいくつかのステップを含みうるキャピラリ内部表面の化学修飾。このシランは概して二つの部分を含み、一つはシリカ表面への結合のために用いられ(例えばSi―H、Si―ClおよびSi―OR部分(moiety))、そして、もう一つの部分は、キャピラリ内部表面の物理化学的特性を変えるために(例えば親水性表面ではPEG、PA;疎水性表面ではn―アルキル、芳香族;光活性表面ではPSを有する残基等)、または後の修飾ステップを行うために用いられる(例えばカップリング反応のための化学反応性基、求核または求電子性の残基、重合反応のための不飽和およびハロゲン化された残基など)。非共有結合のシランの処理および洗浄の後、シラン修飾された表面を乾燥させて(真空の有無を問わず様々な温度で加熱することで行える)安定させる。必要な場所で次の修飾ステップを行う。結果として生じる被修飾表面の不均一性を減少するだけでなく、化学反応の効率を上げるために、すべての修飾ステップを、重力流またはシリンジポンプを用いて一定の試薬フローで行ってもよい。
(3)内部表面が修飾されたキャピラリは、生体分子の結合のために用いられる。上記の方法および化合物が使用される。キャピラリ内部表面に生体分子が結合された後、キャピラリは洗浄され、適当なバイオアッセイで使用される。
(4)バイオアッセイは分析物サンプルでキャピラリを満たし、表面に結合した生体分子と相互作用させ、この相互作用の結果を検出することにより行われる。
(5)検出は、アッセイ領域の下流(フロースルー分析システム)で行われてもよいし、キャピラリ内で直接(キャピラリ充填装置)行われてもよい。検出には、様々な光学的方法(吸光度、蛍光など)、および放射能ベース、電気化学的キャパシタンス法、マススペクトル分析などを用いることができる。
このプロトコルは任意のタイプの分子、特にオリゴヌクレオチド、タンパク質、糖および脂質のような生体分子のキャピラリ内の光化学的結合に適用できる。さらに、このようにして固定された分子は生物学的活性を保持し、様々なバイオアッセイにおいて用いることができる。
グラフトされた生物学的または化学的分子は、生化学反応を行うかまたは溶液中の分子に対してスクリーニングされる。
ここで使用しているように「生化学的」とは、少なくとも一つの基質および少なくとも一つの酵素を使用した反応、プロセスおよびプロトコルを表す。例えば、「生化学的」という用語は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような核酸増幅に関連したプロトコルや、マイクロシークエンシングのような遺伝子タイピングや、核酸のシークエンシングを指すために使用しうるが、これに限定されない。「生化学的」という用語は、酵素が触媒する他の反応も含む。ここで使用しているように、「化学的」とは、少なくとも一つのステップ中で酵素触媒を使用しない化学反応、プロセスまたはプロトコルを表す。例えば、酵素活性を含まないステップを少なくとも一つ有する有機または無機の分子合成または崩壊反応を表すために「化学的」という用語を使用できる。
ここで使用しているように、「生物学的」とは生体材料を含む反応、プロセスまたはプロトコルを指す。例えば、単一セル、単一セルの培養物、多くの接着細胞、単一セルまたは複数のセルからなる有機体または臓器の組織の一部を含むがこれに限らないプロセスを表すために「生物学的」という用語を用いることができる。本明細書で用いられる「生物学的」という用語は、単細胞または多細胞有機体を含む真核生物だけでなく、バクテリアまたはウイルスを含む原核生物を含む。
上記の通りに固体支持体を含み、生体分子の吸着をはじくリンカーの層、および可溶化された光増感剤を含む溶液を含み、前記溶液が固体支持体と接触している装置が、本発明のもう一つの目的である。前記装置を用いて、1)光増感剤の溶液の中に分子を可溶化し、2)固体支持体の選択された区域を照射することにより、分子、特に生体分子のパターン化されたアレイを調製することができる。前記装置は、上に開示される特性に従って理解される。より詳細には、以下の条件の一つ以上が満たされる:支持体は、UV透過コーティングを有する溶融シリカキャピラリから選択される;リンカー層は、以下より合成されるポリマーブラシから選択される:アクリルアミド、N―(3―アミノプロピル)メタクリルアミド、N―〔(3―ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N―[トリス−(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEGとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEOとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEGとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEOとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEGとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEOとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEGとポリアクリルアミド誘導体とのコポリマーおよびPEOとポリアクリルアミド誘導体とのコポリマー;光増感剤は、カルボニル含有光増感剤から選択される;第三級アミンは、光増感剤の溶液中に可溶化されるかまたは固体支持体に結合されることが好ましい。
1)上記通りの装置および2)光照射源からなるキットが、本発明のまた別の目的である。
前記キットは、蛍光、発光、放射能、SPRおよび質量分析検出手段から選択される少なくとも一つの検出手段を更に含むと有利である。
それは、水銀アーク灯および干渉フィルタを備えた倒立顕微鏡を更に含むことが好ましい。
前記装置を用いて、1)光増感剤の溶液の中に分子を可溶化し、2)固体支持体の選択された区域を照射することにより、分子、特に生体分子のパターン化されたアレイを調製することができる。それを用いてさらに、目的の分析物とグラフトされた分子の相互作用を検出することもできる。
実施例
1―照射および信号収集セットアップ
UV透過コーティングの標準のフレキシブル溶融シリカキャピラリを使用してアレイを構成する。キャピラリは363μmの外径および100μmの内径を有し、キャピラリ1cmあたり約314nlの充填容量を提供する。100Wの水銀アーク灯および365nm干渉フィルタを備えたオリンパス倒立顕微鏡(モデルIX60)上で照射を行う。
サンプルで満たされたキャピラリを顕微鏡ステージに載置し、焦点区域の連続照射およびステージの横方向移動によりアレイングを行った(図3a)。区域の長さは、スリット開口により決定され、160μmに固定された。結果として生じたキャピラリレベルの光強度は、約2mW/mmと測定された。顕微鏡スライド保持器を備えた4色マイクロアレイスキャナを用いてキャピラリの蛍光像を得た。キャピラリをスキャンするために、スライドフォーマットの金属支持体はキャピラリを保持するための幅400μmおよび高さ300μmの三本の溝を有するものとして製造された(図3b)。
2― 生体分子を寄せ付けない部分による溶融シリカキャピラリの内部表面のコーティング
95%のエタノール中3%のPEG―シラン(PEGS)またはジヒドロキシエチルアミノ―エチルシラン(DHEAS)の溶液を、2時間にわたり5μl/分の一定の試薬フローで使用して、ピラニアで前洗浄した溶融シリカキャピラリの内部表面をアミノ化した(図4)。その後、キャピラリをエタノール(2ml)で洗浄して非共有結合のシランを除去し、乾燥させ、2時間115℃で硬化させた。PEGSおよびDHEAS修飾キャピラリは、暗所に+4℃で保管された。
3― PEGS―およびDHEAS―キャピラリの内部表面上へのオリゴヌクレオチドの光化学的固定化およびパターニング
キャピラリを、オリゴヌクレオチド(50―600μM)および(4―ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド(BP―TMA、1―250mM)の溶液で満たした。顕微鏡セットアップ上での照射の後、キャピラリはSSC 2Xバッファーで洗浄され、更なるアッセイにおいて使用された。この方法の結果、キャピラリ内部表面へのオリゴヌクレオチドの結合が生じた(図5A)。
4― PEGS―およびDHEAS―キャピラリの内部表面上に固定されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション
PEGS―およびDHEAS―キャピラリ内に固定されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが図5Bに示されている。
5― PEGS―およびDHEAS―キャピラリ内部表面上へのタンパク質の光化学的固定化およびパターニング
PEGS―およびDHEAS―キャピラリ内のCy3およびCy5で標識したストレプトアビジンの固定化およびパターニングが図6に示されている。
6― キャピラリ・フォーマット内のイムノアッセイ
キャピラリ・フォーマット内のイムノアッセイを、ウィルスタンパク質ベース(PB)、および細菌リステリオリシンO(LLO)の2つの異なる抗原を使用して検討した。PBは、小児の胃腸炎および髄膜炎の原因となる病原体であるヒトアデノウイルスAd3の細胞侵入に関係する高抗原性カプシドタンパク質である。LLOは、遍在する食物性グラム陽性細菌であって、免疫不全者の敗血症および髄膜炎の原因となるリステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)の主要病原因子の1つである。組換えタンパク質およびそれらのウサギポリクローナル抗血清がイムノアッセイにおいて用いられた。
0.2mg/mlの抗原を4つのキャピラリ中に同時にアレイし、結果として生じたアレイを1%のBSAおよび0.025%のトゥイーン(Tween)を含むPBSで15分間洗浄した。次に、PBS/トゥイーンに含まれるa―PB(1:10000希釈)またはa―LLO(1:2000)抗血清、PBS/トゥイーン、さらに5μg/mlのIgG―FITCでキャピラリを連続処理した。図7は、キャピラリアレイが特定の抗血清を確実に識別できることを示している。この実験で用いた抗血清の希釈は、標準的なELISAアッセイのそれと同じものである。なお、抗血清希釈をα―PB(希釈)1:60000、α―LLO 1:10000とさらに高くしても測定可能な信号が得られ、キャピラリアレイの感度が示された点に留意すべきである。
ポリマー被覆表面上のタンパク質(酵素)の固定化
この実施例は、図9に関連し、本発明の一実施例を述べ、生化学反応を行うために光化学を介してポリマー被覆表面上にトリプシンのような蛋白分解酵素を固定化することに関する。溶融シリカキャピラリ(Polymicro Technologies、USA)の内部表面上にトリプシンを共有結合した。紫外線透過型で内径100μmおよび外径365μmの溶融シリカキャピラリを使用した。長さ10cmのキャピラリ(総容積0.785μl)が、テフロン(登録商標)チューブを備えた1mlのハミルトン・ガラスシリンジに接続された。キャピラリは、0.2Mの水酸化ナトリウムで30分間、そしてMiliQ水(ミリポア、フランス)で10分間、0.2Mの塩酸で30分間、最後に再びMiliQ水で10分間洗浄された。すべての洗浄を、シリンジポンプ(kd Scientific、USA)を用いて、10μl/分の流量で行った。その後、キャピラリを窒素でフラッシュし、80℃のオーブン中で1時間乾燥させた。キャピラリは、エタノールで10分間、その後トリクロロエチレンで同じく10分間洗浄された(流量10μl/分)。トリクロロエチレン中のγ―メタクリルオキシオキシプロピルトリメトキシシラン(シグマ-アルドリッチ、フランス)の10%の溶液を、2μl/分の流量で、3時間の間キャピラリに流入させ、その後キャピラリを純粋なトリクロロエチレンで10μl/分で30分間洗浄し、窒素でフラッシュし、110℃のオーブン中で3時間乾燥させた。MiliQ水中のN―[トリス―(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド(シグマ-アルドリッチ)の5%溶液(10ml)をアルゴンで3時間バブリングして脱気した。最終濃度がそれぞれ1mg/ml(過硫酸アンモニウム)および5mg/ml(TEMED)となるように、過硫酸アンモニウムとTEMED(N,N,N´,N´―テトラメチルエチレンジアミン、シグマ-アルドリッチ)をモノマー溶液に加えた。溶液は、均質化され、シラン化されたキャピラリに直ちに注入された。溶液は3時間の間キャピラリに押し込まれた。約30分後、溶液の粘性が高まり始め、溶液中にポリマー鎖が形成されていることを示した。3時間の重合の後、キャピラリは、MiliQ水で洗浄され、窒素でフラッシュされ、4℃で保管された。
50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)中にトリプシン(1.25mg/ml)およびベンゾフェノンの水溶性誘導体((4―ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド)(12.5mM)の溶液を調製した。この溶液を、5μl/分の流量で、修飾したキャピラリに押し込んだ。UVランプ(VL―215.L、2x15W、365nMチューブ、Fisher Bioblock Scientific)から約7cm離してキャピラリを配置し、紫外線(365nm)を30分間照射した。その後キャピラリを、50mMの塩化ナトリウムと0.05%のトゥイーンを含む50mMのリン酸バッファーで50μl/分の流量で1時間洗浄し、その後、同じ流量の50mMのリン酸ナトリウムバッファーで2時間洗浄した。キャピラリは使用前に、25の炭酸アンモニウムバッファー(pH7.8)で一晩洗浄/平衡化された(流量0.2μl/分で)。
25mMの炭酸アンモニウム(pH7.8)中のシトクロムC(濃度2μM(2nM/μl)および/または10μM(10nM/μl))の溶液を、10cmのトリプシン被覆キャピラリ(総容積0.785μl)に流量0.08μl/分(ペクレ数約40)および/または0.16μl/分(ペクレ数約80)で押し通した。各解析において、キャピラリを通過した15μlのトリプシン溶液はキャピラリ出口で回収された。スピードバック(speed-vac)でサンプルを乾燥させ、15μlの50%アセトニトリルと0.1%蟻酸中に再溶解させ、MALD1/TOF(マトリックス支援レーザ脱離イオン化、飛行時間型質量分析)により解析した(図9A、9B、9C)。いずれのサンプル中にも完全なシトクロムCは見られず、消化率が100%に近いことが示唆された点は注目に値する。
溶液中のオリゴヌクレオチドの検出
この実施例は、図10に関し、本発明の一実施例を述べ、溶液中の相補的オリゴヌクレオチドを検出するために、光化学を介してポリマー被覆表面上にオリゴヌクレオチドを固定化することに関する。ポリ{N―[トリス―(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド}のような親水性ポリマーによる溶融シリカキャピラリの修飾を、実施例2に記載したプロトコルに従って行った。
ポリ{N―[トリス―(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド}表面上にオリゴヌクレオチドを固定するため、オリゴヌクレオチド(アクチン_30mer、1908―1037NH、NH基は5´末端と結合)およびベンゾフェノンの水溶性誘導体((4―ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド)を含む溶液を用意した。オリゴヌクレオチドおよびベンゾフェノンの水溶性誘導体の最終濃度はそれぞれ200μMおよび100mMであった。溶液は、ポリマー被覆キャピラリに注入された。キャピラリは、倒立顕微鏡(オリンパス、日本)上に置かれ、スクエアマスク(150×150μm)を通じて、紫外線(365nm)で照射された。照射時間は、3秒から30秒の間であった(図10を参照)。各照射時間は、キャピラリ上の各スポットに対応する。対物レンズ(5x)でスクエアマスクに光を集中させ、紫外線のパワーは4mW/cmであった。照射の後、キャピラリを、テフロン(登録商標)チューブを備えた1mlハミルトン・シリンジに接続し、(シリンジポンプ(kd Scientific)を用いて)2mlの洗浄バッファー(2xSSC+0.1%SDS)で流量100μl/分で洗浄した。ポリマー被覆表面上に結合されたオリゴヌクレオチドを、Texas Redで標識されたアクチン・オリゴヌクレオチドに相補的オリゴヌクレオチドを用いてハイブリダイズした。相補的オリゴヌクレオチドの濃度は10nMであった。オリゴヌクレオチドは、0.5M塩化ナトリウム、10mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびサーモン精子DNA(pH8)100μg/mlを含むリン酸バッファー(1xPBS)中に溶解された。相補的オリゴヌクレオチドの溶液を振動させて20分間流量9μl/mlでキャピラリに(前/後に)押し通した。ハイブリダイゼーションの完了後、キャピラリは2mlの洗浄バッファー(2xSSC+0.1%SDS;流量−100μl/分)で洗浄された。キャピラリ内の蛍光シグナルは、Genetaq GS4(パーキン エルマー、USA)スキャナで615nmおよび42%のゲインで測定された。
溶液中のPCRアンプリコンの検出
この実施例は、図11に関し、本発明の一実施例を述べ、溶液中のPCRアンプリコンを検出するために、ポリマー被覆表面上にオリゴヌクレオチドを光化学を介して固定化することに関する。ポリ{N―[トリス―(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド}のような親水性ポリマーによる溶融シリカキャピラリの修飾を、実施例2に記載のプロトコルに従って準備した。
ポリ{N―[トリス―(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド}表面上のオリゴヌクレオチドの固定化のため、オリゴヌクレオチド(アクチン_50mer、1908―1057NH、NH基は5´末端と結合)およびベンゾフェノン((4―ベンゾイルベンジル)―トリメチルアンモニウムクロリド)の水溶性誘導体を含む溶液を調製した。オリゴヌクレオチド、およびベンゾフェノンの水溶性誘導体の最終濃度はそれぞれ200μMおよび100mMであった。溶液をポリマー被覆キャピラリに注入した。キャピラリは、倒立顕微鏡(オリンパス、日本)上に置かれ、スクエアマスク(150×150μm)を通じて、紫外線(365nm)を照射された。照射時間は、3秒から60秒の間であった(図11を参照)。各照射時間はキャピラリ上の各スポットに対応する。対物レンズ(5x)により光をスクエアマスクに集中し、紫外線のパワーは4mW/cmであった。照射後、キャピラリをテフロン(登録商標)チューブを備えた1mlのハミルトン・シリンジに接続し、(シリンジポンプ(kd Scientific、USA)を用いて)流量100μl/分の2mlの洗浄バッファー(2xSSCおよび0.1%SDS)で、洗浄した。ポリマー被覆表面上に結合されたオリゴヌクレオチドを、プレハイブリダイゼーションバッファー(20mMリン酸バッファー、1M NaCl、5.2mM KCl 0.1%トゥイーン、2x デンハートおよび20μg/mlのサーモン精子DNA)でプレハイブリダイズした。プレハイブリダイゼーションは、100μl/分で5分間振動させる方法(前/後に)により達成された。プレハイブリダイゼーション・ステップの後、キャピラリ内部表面に結合されたオリゴヌクレオチドを、PCR(アクチン)アンプリコンとハイブリダイズした。PCRアンプリコンは精製せず、PCRハイブリダイゼーションバッファー(1xPBS、0.5M NaCl、20mM EDTA、100μg/mlのサーモン精子DNA)に溶解した。アンプリコンの長さは680―bpであり、増幅されたDNAはTexas Red蛍光染料で標識された。PCRアンプリコンは、95℃でハイブリダイゼーション・ステップの前の5分間に変性された。PCRアンプリコンとキャピラリ表面にグラフトされたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、42℃で20分間、流量8μl/分で振動させる方法(前/後に)で行った。ハイブリダイゼーションの後、キャピラリは、流量100μl/分の2mlの洗浄バッファー(2xSSC+0.1%SDS)で洗浄された。キャピラリ内の蛍光シグナルは、Genetaq GS4(パーキン エルマー、USA)スキャナで、615nmおよびゲイン56%で測定された(図11)。
溶液中の光増感剤(PS)の使用による固体支持体上の生体分子の光化学的固定化。 溶融シリカキャピラリ内の生体分子の光化学的固定化。 キャピラリ内の生体分子パターニングおよびアッセイのための照射および信号収集セットアップ。 生体分子をはじく部分(PEG)を有するキャピラリ内部表面の修飾。 PEGS―およびDHEAS―キャピラリの内部表面上へのオリゴヌクレオチドの光化学的パターニングの動力学。 PEGS―およびDHEAS―キャピラリの内部表面上へのタンパク質の光化学的パターニングの動力学。 BP―キャピラリ内のイムノアッセイ。 キノコ状のポリマーの描写。 密集したポリマーブラシ形状のポリマーの描写。 シトクロムCからのペプチドマップのMALDI/TOFスペクトル。 シトクロムCからのペプチドマップのMALDI/TOFスペクトル。 シトクロムCからのペプチドマップのMALDI/TOFスペクトル。 アクチン相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。 アクチン相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。

Claims (26)

  1. 固体支持体に分子をグラフトするための方法であり、前記固体支持体が前記分子の吸着に対し抵抗性を有するリンカーの層を含み、前記方法が、
    −グラフトされる分子と光増感剤が可溶化された溶液と固体支持体を接触させるステップと、
    −固体支持体の少なくとも一部を光照射するステップと
    を含む方法。
  2. 前記分子が、タンパク質、核酸およびそれらの類似体、糖、脂質、ステロイド、酵素、ペプチド、グリコプロテインからなるリストから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記支持体がガラス、シリコン、溶融シリカ、ポリマー、金属、金属酸化物およびセラミックからなるリストから選択される、請求項1〜2のうちいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記支持体が平坦面、ビーズ、マイクロタイタープレートおよびキャピラリからなるリストから選択される、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記支持体がUV透過コーティングを有する溶融シリカキャピラリから選択される、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記リンカーの層が、合成親水性ポリ(オリゴ)マーおよび天然ポリ(オリゴ)マーから選択される、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記リンカーが、アミノまたはH―ドナー基を含むポリマーである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記リンカーが、アクリルアミド、N―(3―アミノプロピル)メタクリルアミド、N―〔(3―ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N―[トリス−(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEGとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEOとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEGとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEOとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEGとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEOとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEGとポリアクリルアミドの誘導体とのコポリマー、およびPEOとポリアクリルアミドの誘導体とのコポリマーから合成されるポリマーブラシから選択される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記光増感剤が、カルボニル基を含む光増感剤の中から選択される、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記光増感剤が、ベンゾフェノン、アントラキノン、カンファキノン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノンイソ(チオ)シアネート、置換ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルベンジルブロミド、(ベンゾイルベンジル)―トリメチルアンモニウムクロリド、アントラキノン、アントラキノン含有カルボン酸、ブロモメチル―アントラキノン、アントラキノンスルホン酸、カンファキノン10―スルホン酸から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記光増感剤が、共有結合または非共有結合により前記分子に結合される、請求項1〜10うちいずれか1項に記載の方法。
  12. 第三級アミンが、光増感剤および分子の溶液中に可溶化されるかまたは固体支持体に結合される、請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の方法。
  13. 照射が、水銀アーク灯、レーザ、CRT、LED、共鳴マイクロキャビティアノード(Resonant Microcavity Anodes)、フォトダイオード、広波長灯によって提供される、請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記支持体表面を洗浄するステップをさらに含む、請求項1〜13のうちいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記分子の前記支持体への前記光化学的結合が、マスクの使用により所定の領域に限定される、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の方法。
  16. −前記支持体の表面を洗浄するステップと、
    −グラフトされる第二の分子と光増感剤が可溶化された溶液と前記固体支持体を接触させるステップと、
    −前記固体支持体の別の領域を光照射するステップと
    をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 少なくとも2つの分子と1つの分析物との複数の相互作用現象を並行して検出するための方法であって、前記方法が分子アレイの使用を含み、前記分子アレイが請求項1〜16のうちいずれか1項に記載の方法により得られる、方法。
  18. 蛍光、発光、放射能、SPR、質量分析から選択される少なくとも一つの検出法に基づく検出ステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 固体支持体を含む装置であって、前記固体支持体が生体分子の吸着をはじくリンカーの層および可溶化された光増感剤を含む溶液を含み、前記溶液が前記固体支持体と接触している装置。
  20. 前記支持体が、UV透過コーティングを有する溶融シリカキャピラリから選択される請求項19に記載の装置。
  21. リンカーの層が、アクリルアミド、N―(3―アミノプロピル)メタクリルアミド、N―〔(3―ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N―[トリス−(ヒドロキシメチル)―メチル]アクリルアミド、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、PEGとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEOとポリプロピレングリコール(PPG)とのコポリマー、PEGとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEOとポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、PEGとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEOとポリジメチルシロキサン(PDMS)とのコポリマー、PEGとポリアクリルアミドの誘導体とのコポリマー、およびPEOとポリアクリルアミドの誘導体とのコポリマーから合成されるポリマーブラシから選択される、請求項19または請求項20に記載の装置。
  22. 前記光増感剤が、カルボニル含有光増感剤の中から選択される、請求項19〜21のうちいずれか1項に記載の装置。
  23. 第三級アミンが、前記光増感剤の溶液中に可溶化されるかまたは前記固体支持体に結合される、請求項19〜22のうちいずれか1項に記載の装置。
  24. 1)請求項19〜23のうちいずれか1項に記載の装置と、
    2)光照射源と
    からなるキット。
  25. 蛍光、発光、放射能、SPR、質量分析による検出手段から選択される少なくとも一つの検出手段をさらに含む、請求項24に記載のキット。
  26. 水銀アーク灯および干渉フィルタを備えた倒立顕微鏡をさらに含む、請求項24または請求項25に記載のキット。
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