JP2008530503A - 金属装入物質又は金属含有装入物質を溶解するための炉装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

主に2次エネルギーによって溶解プロセスを実施するためにカバー(6)を有する電極装置が炉(A,B)の容器下部(14,15)に旋回可能に取付け可能である、金属装入物質又は金属含有装入物質を溶解するための炉装置において、効率を向上させるために、 電極装置の旋回取外し時に、予備溶解容器(16)を構成するために容器下部(14,15)に容器上部(17)が旋回可能に取付け可能であり、この容器上部が、容器下部(14,15)の容器壁を本質的に上に向かって延長する容器壁(18)並びにカバー(7)を有する。

Description

本発明は、請求項1及び8の上位概念に記載の金属装入物質又は金属含有装入物質を溶解するための炉装置及び方法に関する。
特許文献1及び特許文献2から、相前後して精錬及び溶解を実施するツインタイプの電気アーク炉装置が公知である。両方の炉には鉄装入物質が交互に装入され、酸素を供給することによる非電気の熱エネルギーが導入され、精錬が実施される。引き続き、電気アークを介して熱エネルギーが導入され、その後、脱スラグされ、液状溶湯が出湯される。
相応の方法が、特許文献3によるツインタイプの炉装置でも実施される。このツインタイプの炉装置は、2つの炉以外に電極支持装置も独立した可倒パレット上に配設されており、第3の可倒パレットが、炉容器用の炉パレットのそれぞれ1つの炉パレットの傾倒運動に直接依存して傾倒可能であることによって際立っている。
2つの個々の可倒式の炉容器から成る炉装置内で、本質的に旋回可能な電極装置を介して鉄装入物質(スクラップ、DRI(direkt reduziert Eisen)又はHBI)を、バーナによる1次エネルギーの極僅かな使用を伴った電気エネルギーで溶解し、過熱し、所望の解析調整することも公知である。この場合、それぞれ使用されてない容器が冷え、これにより全エネルギー使用量が上昇することがそれほど有利でないことが分かった。更に、スクラップの高さが不十分であることにより、バーナを介しては限定的な熱伝導しか行なうことができないので、1次エネルギーの使用の効率はそれほど高くない。溶解中に放出されるCOガスは、大部分が未燃焼状態で排気ガスラインに流れ出る。
独国特許出願公開第44 34 369号明細書 欧州特許第0 717 115号明細書 独国特許出願公開第103 32 866号明細書
これから出発して、本発明の根本にある課題は、これら欠点を備えない炉装置及び方法を提供することにある。
この課題は、請求項1の特徴を有する装置及び請求項8の特徴を有する方法によって解決される。有利な発展形は、従属請求項に記載されている。
本発明の核心は、金属スクラップ及びDRI/HBI又は他の金属物質又は金属含有物質を溶解するために1次及び2次エネルギーを使用することにある。このため、好ましくは2つの容器と旋回可能な電極装置を有する炉装置は、付加的なカバーを有する別の容器上部の分だけ補足され、電極装置は、炉の容器下部に取り付けることができるように配設されている。ツインタイプの炉装置の場合、各炉には、この場合回転装置が付設されているか、両炉が、共通の回転装置によって操作される。
容器上部を通り容器下部の容器壁が本質的に上に向かって延長されることによって、元の高さ(オリジナルの高さ)もしくはツインタイプの炉の場合には他方の炉の高さよりも著しく高い炉高が得られる。このようにして、高い効率でのスクラップへの熱伝導が得られる。
従って、一方で、延長された容器下部により1次エネルギーを使用して(予備)溶解容器が得られ、他方で、電気の2次エネルギーにより別の溶解プロセスもしくは過熱が進行する炉が得られる。
有利な発展形によれば、容器上部の容器壁は、水冷されているか、耐火材料で内張りされている。水冷をするために、容器壁は、水が貫流させられているか、配管壁システムから成る。
容器下部及び/又は容器上部には、容器の周囲に沿って分配されて複数の高性能のバーナ/インジェクタが埋設されており、このバーナ/インジェクタにより、装入柱は、完全に溶解されるか、少なくとも容器上部が装入物質から解放されている場合に限って溶解される。装入物質の溶解後、カバーを付属させた容器上部が側方に旋回され、その固有のカバーを有する電極装置が旋回導入をされる。電気エネルギーによって、場合によってはバーナ並びに炭素インジェクタ及び酸素インジェクタによって支援されて、溶解が実施される。この時間中、ツインタイプの炉の場合の他方の容器では既に、再び装入物質が1次エネルギーによって溶解される。
本発明の更なる詳細及び利点は、従属請求項及び各図に図示した本発明の実施形を詳細に説明する後続の説明から分かる。
基礎1上には、炉装置の炉A及び同じ炉Bに対して下部構造2によって、それぞれカバー6,7を有する炉容器4,5用の可倒式の炉パレット3がそれぞれ配設されている(図1参照)。電極8は、炉変圧器9(図2参照)から大電流接続部10を介して変圧器外壁11を通って大電流ケーブル12によって供給を受ける。電極8は、旋回支柱13によって炉A又は炉B上に旋回させることができる。電極装置については、更に下で詳細に立ち入る。
2つの炉A及びBもしくは炉容器4,5のそれぞれは、相応の容器下部14,15を有し、この容器下部上に、交互に電極装置又は容器上部17を取り付けることができる。図示した位置で、炉Aの容器下部14上に電極カバー6が取り付けられている。炉Bの容器下部15上には、容器上部17が取り付けられており、この容器上部は、(予備)溶解又は(予備)加熱容器16として、容器下部15と比べると近い高さの垂直に延在する壁18を備える。上に向かって、容器上部17は、独立したカバー7によって閉鎖されている。容器下部15の周囲に沿って、バーナ19が配設されており(図2も参照)、このバーナによって1次エネルギーキャリヤが容器下部15内に入力される。空気又は酸素用のノズル20又はインジェクタは、装入柱の溶解中に生じるCOガスを適切に燃焼させるために、容器上部17の周囲に沿って配設されている。
容器上部17の容器壁18に沿って、水を貫流させた冷却用の配管21延在する。選択的又は同時に、壁18は、内側を耐火材料で内張りしてもよい。
電極装置は、支柱ガイドと電極コントロール用のリフトシリンダとを有するリフト支柱22と電極支持装置23によって調整される電極8を有する。更に、リフトシリンダ25によって高さ調整可能な(図2参照)カバー6用の支持アーム24が設けられている。電極コア部材は、26で指示されている。加えて、電極補完装置27も設けられている。
可倒パレット3と結合された排気管28には、旋回導入をした状態で再燃焼室30を有する固定式の排気管29を接続することができる。カバーにはそれぞれ排気ソケット31が配設されている。これら排気管並びにリフトシリンダを有する支持アーム昇降機の更なる詳細に関しては、特許文献3の開示内容を参照されたい。
炉AとBの炉パレット3間に第3の可倒パレット3が配設されており、この可倒パレット上に旋回支柱13と電極補完装置27が存在する。
以下で、カバー7を有する容器上部17並びに旋回メカニズムを説明する。32でカバー7を有する容器上部17の旋回用の旋回支柱が指示されている。各炉A及びBに、独立した旋回支柱32が付設されている。旋回支柱32は、個々に内側の中心の支持アーム33から成り、この支持アームの先端にバーナ34が取り付けられており、このバーナは、支持アームを通る配管を介して供給を受ける。バーナ34は、支持アーム33によって支持され、この支持アームは、ガイド支柱と結合され、ガイドローラ内に案内されている。支持アーム33とバーナ34の昇降運動は、が小戸支柱に内蔵された油圧シリンダを介して行なわれる。1次エネルギーの導入は、基本的に容器下部14,15の強力なサイドバーナ19又は容器下部14,15及び容器上部17の強力なサイドバーナ19,20を介してしか行なうことはできない。付加的に、1次エネルギーは、バーナ34によって導入することができる。
旋回装置は、更にカバーもしくは2つの支持アーム36を有する容器上部17用の昇降機35を有する。
支持アーム36に沿って、カバーを有する容器上部17用のリフトシリンダ37が配設されている。容器上部17を有するカバー7は、容器下部を介して旋回され、次にリフトシリンダ37を介してそれぞれのピストンロッドの運動により閉鎖位置に下に向かって移動する。38でコア部材は指示されている。
両図によって、溶解方法の異なったプロセス状態が図示される。炉Aで溶解又は過熱が本質的に2次エネルギーによって進行するのに対して、炉Bでは、1次エネルギーによって装入柱、特にスクラップ柱の溶解が同時に行なわれる。
このため、炉Bでは、旋回支柱32による昇降機35の旋回によってカバー7を有する容器上部17もしくは溶解容器16が容器下部15に取り付けられる。次にカバー7と容器上部17の結合が解除され、カバー7が旋回除去をされる。引き続き、装入物質が空の容器に装入される。DRI及びHBIは、カバー7の独立した開口を介して供給してもよい。装入物質は、このようにして装入され、容器上部17内に達した装入柱が生じる。次に、場合によってはバーナ34が旋回導入をされる。バーナ19もしくは34の操作により、装入柱は、少なくとも容器上部17が固体の装入物質から解放されている場合に限って、溶解される。引き続き、カバー7を有する容器上部17が再び旋回取外しをされ、電極装置が旋回導入をされる。次に電気エネルギーにより装入物質の更なる溶解又は過熱が行なわれる。
提案した発明により、金属スクラップ、DRI、HBI並びに他の金属物質又は金属含有物質の溶解用の1次エネルギー及び2次エネルギーの有利な利用が得られる。
本発明は、シングルタイプの炉装置にも、発展形においてはツインタイプの炉装置にも向けたものである。
ツインタイプの炉装置の概略図を示す。 炉カバーが炉容器Bから旋回取外しをされたツインタイプの炉装置の平面図を示す。
符号の説明
1 基礎
2 下部構造
3 炉及び電極支持装置用の可倒式のパレット
4 炉容器
5 炉容器
6 炉カバー
7 炉カバー
8 電極
9 炉変圧器
10 大電流接続部
11 変圧器外壁
12 大電流ケーブル
13 電極旋回用の旋回支柱
14 容器下部
15 容器下部
16 (予備)溶解容器
17 容器上部
18 容器壁
19 バーナ
20 ノズル
21 冷却配管
22 支柱ガイドと電極コントロール用のリフトシリンダとを有するリフト支柱
23 電極支持装置
24 電極内部カバー用の支持アーム
25 リフトシリンダ
26 電極内部カバー(電極コア部材)
27 電極補完装置
28 可倒式の排気管
29 固定式の排気管
30 再燃焼室
31 排気ソケット
32 カバーを有する容器上部の旋回用の旋回支柱
33 中心の支持アーム
34 バーナ
35 カバーを有する容器上部用の昇降機
36 カバーを有する容器上部用の支持アーム
37 カバーを有する容器上部用のリフトシリンダ
38 コア部材

Claims (13)

  1. 主に2次エネルギーによって溶解プロセスを実施するためにカバー(6)を有する電極装置が炉(A,B)の容器下部(14,15)に旋回可能に取付け可能である、金属装入物質又は金属含有装入物質を溶解するための炉装置において、
    電極装置の旋回取外し時に、容器下部(14,15)に容器上部(17)が旋回可能に取付け可能であり、この容器上部が、容器下部(14,15)の容器壁を本質的に上に向かって延長する容器壁(18)並びにカバー(7)を有すること、1次エネルギーを導入するためのバーナ(19,34)が、容器下部(14,15)及び/又は容器上部(17)に配設されていることを特徴とする炉装置。
  2. 旋回可能な容器上部(17)の容器壁(18)の高さ方向の広がりが、容器下部(15)の容器壁の高さ方向の広がりと等しいか、それよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の炉装置。
  3. バーナ(19)が、容器下部及び/又は容器上部の周囲に沿って横に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の炉装置。
  4. 容器上部(17)に、上から容器内に挿入可能である1次エネルギーを導入するためのバーナ(34)が付設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の炉装置。
  5. 容器上部(17)の容器壁(18)が、水冷されているか、耐火材料で内張りされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の炉装置。
  6. 容器下部(15)及び/又は容器上部(17)に、バーナ(19)又は空気及び/又は酸素を導入するためのノズル(20)又はインジェクタが配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の炉装置。
  7. 炉装置がツインタイプの炉装置を有し、一方の炉(A,B)の容器下部(14,15)にカバー(6)を有する電極装置が、それぞれ他方の炉(B)に容器上部(17)が、交互に取付け可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の炉装置。
  8. 1ステップで、主に2次エネルギーによって独立したカバー(6)を有する電極装置の旋回取付けをすることによって炉(A,B)が運転される、金属物質又は金属含有物質を溶解するための炉装置の、特に請求項1〜7のいずれか1つに記載の炉装置の運転をするための方法において、
    この方法が、
    −容器下部(15)の容器壁を本質的に上に向かって延長する容器壁(18)とカバー(7)を有する容器上部(17)を炉(A,B)に取り付けるステップと、
    −容器上部(17)内に達する装入柱によって装入物質を装入するステップと、
    −少なくとも、容器上部(17)が固体の装入物質から解放されている場合に限って、装入柱が溶解されるように、1次エネルギーを導入するステップと、
    −炉(A,B)の容器下部(15)から容器上部(17)とカバー(7)の旋回取外しをするステップと、
    −主に2次エネルギーによって装入物質の更なる溶解をするために電極装置の旋回導入をするステップと
    を有することを特徴とする方法。
  9. 1次エネルギーが、少なくとも横に配設されたバーナ(19)によって導入され、溶解時にこのバーナ(19)によって、還元又は若干だけ酸化を行なう炉内雰囲気が調整されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 装入柱内に生じるCOガスが、供給される空気及び/又は酸素によって適切に燃焼され、溶解エネルギーが燃焼エネルギーとして使用されることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
  11. 溶解工程を支援するために装入物質に炭素キャリヤが混合されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 主に2次エネルギーによる装入物質の更なる溶解が、バーナ(19)と炭素及び酸素インジェクタによる更なる1次エネルギーの導入によって支援されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の方法。
  13. ツインタイプの炉装置の炉(A,B)の一方で、1次エネルギーを導入して容器上部(17)の旋回取付けをすることによる溶解プロセスと、主に2次エネルギーにより電極装置の旋回取付けをすることによる溶解プロセス又は過熱とが交互に実施されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1つに記載の方法。
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