JP2008526849A - パーソナルケア組成物 - Google Patents

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Abstract

25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着は、水溶性ポリマーを、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として用いるときに改善される。そのようなパーソナルケア組成物により供給される香料の上部空間濃度も増加する。

Description

本発明は、パーソナルケア組成物で処理される基質(又は基材)(substrate)上への有為剤(benefit agent)の付着(deposition)を改善する方法に関し、またパーソナルケア組成物によって供給される香料(fragrance)の上部空間濃度(headspace concentration)を増加させる方法に関する。
有為剤、特に香水(perfume)又はフレーバーを感知できるように含有することは、消費者のパーソナルケア組成物を買うかどうかの決定に大いに影響する。香水又はフレーバー(ここでは一括して香料(fragrance)として表記する)を感知できるように含有することは、2つの場所では最も重要である。第一は、香料の上部空間濃度(パーソナルケア組成物で満たされた容器の上部に残された空間における濃度を意味する)は、大いに重要である。上部空間における香料の濃度は、そのパーソナルケア組成物の使用の前又は使用の間に、消費者により直接感知されうる。第二に、この組成物の使用後の基質の上、例えば毛髪又は皮膚の上に残される香料は、消費者にとって大いに重要である。第二の場合において、この組成物の使用後の基質の上に残されるその他の有為剤の量もまた重要である。中でも、毛髪又は皮膚の上の日光遮蔽(サンスクリーン)剤、保湿剤(moisturizing agent)又は皮膚軟化剤の付着は、大いに重要である。これらの要因が、消費者のその組成物を買うかどうかの決定に大いに影響する。消費製品において、コストを過度に上げることなく、感知できる香料の含有を増加させることに、幾多の研究努力が費やされてきた。
特許文献1には、香水の寿命を長くするための香水定着剤(perfume fixative)が開示されている。この香水定着剤は、本質的に、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース及び疎水性オイルで構成される。ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルセルロースは共に、その香水含有製品の重量について約0.5%より多くを構成すべきではない。香水定着剤は、香り付けされた皮膚残留製品(leave-on skin product)、具体的にはエタノール系(デオ)コロン、香水類、発汗防臭剤(デオドラント)及びヘアコロン用に意図されたものである。
特許文献2には、基質に有為剤を供給するための有為剤供給システム(delivery system)が開示されている。その有為剤供給システムには、ポリマー粒子及び、香水などの有為剤が含まれる。ポリマー粒子は水不溶性であって、平均粒径100nm〜50μmを有している。開示されたポリマー粒子は、ポリスチレン及びポリ(メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート)コポリマーである。特許文献2には、有為剤供給システムを形成するため、ポリマー粒子と有為剤とをマトリックス中に別々に添加することが開示されている。
多くのパーソナルケア組成物は、洗浄目的で、発泡剤として、その組成物の粘度を上昇させるため又はそれらの組合せのため、低分子量界面活性剤を含んでいる。この組成物の取り扱いを容易にし、組成物と、その組成物が適用される基質、例えば皮膚又は毛髪などとの間の接触時間を引き延ばすため、高い粘度が多くの用途にとって望ましい。
米国特許第6,172,037号明細書 米国特許出願公開第2004/0087476号明細書
本発明の1つの目的は、水系パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着を改善する方法を見出すことである。
本発明の別の目的は、水系(water-based)パーソナルケア組成物によって供給される香料の上部空間濃度を増加させる方法を見出すことである。
25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物において、低分子量界面活性剤の少なくとも一部が水溶性ポリマーで置換されれば、これらの目的が簡単な方法で達成されるということが、意外にも見出された。
本発明の1つの側面は、25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着を改善する方法であって、パーソナルケア組成物中に、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、水溶性ポリマーを組み込むことを含んでなる方法である。
本発明の別の側面は、25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ香料及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物によって供給される香料の上部空間濃度を増加させる方法であって、パーソナルケア組成物中に、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、水溶性ポリマーを組み込むことを含んでなる方法である。
本発明の別の側面は、25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着を改善するための水溶性ポリマーの使用であって、水溶性ポリマーが、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、用いる使用である。
本発明の別の側面は、25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ香料及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物によって供給される香料の上部空間濃度を増加させるための水溶性ポリマーの使用であって、水溶性ポリマーが、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、用いる使用である。
本発明のパーソナルケア組成物は水系である。本発明の組成物中の水の含有量は、一般に、組成物の合計重量に基づいて、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも80%である。その組成物は、少なくとも50mPa・s、典型的には少なくとも500mPa・s、好ましくは少なくとも1,000mPa・s、より好ましくは少なくとも2,000mPa・s、最も好ましくは少なくとも5,000mPa・sの粘度を有している。本発明の組成物は、一般に150,000mPa・s以下、好ましくは100,000mPa・s以下、より好ましくは少なくとも50,000mPa・s以下の粘度を有している。その粘度は、ブルックフィールド粘度計を用いて、25℃で測定される。本発明の方法は、ヘアケア組成物及びスキンケア組成物について特に有用である。
多くの公知パーソナルケア組成物において、低分子量界面活性剤の濃度は、パーソナルケア組成物の上記粘度が、その低分子量界面活性剤の存在のみにより達成されるように選ばれている。「水溶性ポリマーは、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物としてパーソナルケア組成物中に組み込まれる」なる表現は、組成物中の低分子量界面活性剤の濃度が、組成物の粘度、少なくとも50mPa・s、典型的には少なくとも500mPa・s、好ましくは少なくとも1,000mPa・s、より好ましくは少なくとも2,000mPa・s、最も好ましくは少なくとも5,000mPa・sを達成するために必要な濃度より低く、且つそのような低分子量界面活性剤の低めの濃度は、得られる組成物の粘度が、少なくとも50mPa・s、典型的には少なくとも500mPa・s、好ましくは少なくとも1,000mPa・s、より好ましくは少なくとも2,000mPa・s、最も好ましくは少なくとも5,000mPa・sとなるように、組成物中に十分な量の水溶性ポリマーを含むことによって補われることを意味する。
上記粘度を得るためにパーソナルケア組成物中に典型的に含まれる、低分子量界面活性剤の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも40%を、水溶性ポリマーにより置換し、変性パーソナルケア組成物を製造する。上記粘度を得るために、パーソナルケア組成物中に典型的に含まれる低分子量界面活性剤の好ましくは85%以下、より好ましくは75%以下、最も好ましくは60%以下を水溶性ポリマーにより置換し、変性パーソナルケア組成物を製造する。
好ましくは、低分子量界面活性剤と水溶性ポリマーとの重量比は、50:1〜1:2、より好ましくは25:1〜1:1、最も好ましくは10:1〜2:1である。変性パーソナルケア組成物中の低分子量界面活性剤及び水溶性ポリマーの合計量は、組成物が少なくとも50mPa・sの粘度を有するように、また好ましくは上記の範囲の粘度を有するように選択されるべきである。
変性パーソナルケア組成物中の低分子量界面活性剤の濃度は、組成物の合計重量に基づいて、1〜15%、より好ましくは2〜10%、最も好ましくは5〜10%である。水溶性ポリマーの濃度は、組成物の合計重量に基づいて、0.2〜12%、より好ましくは0.3〜10%、最も好ましくは1〜5%である。
本明細書で用いる用語「低分子量界面活性剤」は、2種又はそれ以上の異なるタイプの界面活性剤の組合せも包含する。本発明で用いる低分子量界面活性剤は、重量平均分子量Mw8000以下、好ましくは5000以下、より好ましくは2000以下を有する。最も好ましい界面活性剤は、分子量1000以下、好ましくは700以下の、非ポリマー性化合物、好ましくはモノマー性化合物である。重量平均分子量は、標準試験法ASTM D−4001−93(1999)に従い光散乱によって測定する。有用な低分子量界面活性剤は、一般に親水性の頭部と疎水性の尾部とを備えた化合物である。アニオン、カチオン、両性及びノニオン界面活性剤が有用である。
アニオン性界面活性剤としては、好ましくはカルボン酸、カルボン酸半エステル、スルホン酸の群からの、好ましくは脂肪酸、脂肪族アルキル硫酸及びアルキルアリールスルホン酸;長鎖アルコールの硫酸半エステル、アルキルエーテルスルホン酸、例えばアルキル硫酸;アルカンスルホン酸又はオレフィンスルホン酸;の群からの、1種又はそれ以上の物質が使用できる。列示した酸のアルカリ金属塩、好ましくはナトリウムもしくはカリウム塩;又はアンモニウム塩も有用である。従って、本明細書において遊離の酸が挙げられるときはいつでも、アルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩をも意味する。適切な界面活性を達成するため、それらの化合物は、そのアルキル基又はアルケニル基中に少なくとも6個の炭素原子を有するなどの長鎖炭化水素基を有するべきである。通常、アニオン性界面活性剤中の炭素鎖は、炭素原子6〜40、好ましくは8〜30、より好ましくは12〜22を含んでいる。好ましいカルボン酸は、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸(エナント酸)、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸(ペラルゴン酸)、デカン酸(カプリン酸)又はウンデカン酸である。より好ましくは脂肪酸、例えばドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキン酸)、ドコサン酸(ベヘニン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、トリアコタン酸(メリシン酸)など、並びに不飽和の種、9c−ヘキサデセン酸(パルミトレン酸)、6c−オクタデセン酸(ペトロセリン酸)、6t−オクタデセン酸(ペトロセライジン酸)、9c−オクタデセン酸(オレイン酸)、9t−オクタデセン酸(エライジン酸)、9c,12c−オクタデカジエン酸(リノール酸)、9t,12t−オクタデカジエン酸(リノライジン酸)及び9c,12,15c−オクタトリエン酸(リノレン酸)が使用される。脂肪酸の混合物、例えばココナッツ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸(tallow fatty acid)、硬化牛脂脂肪酸、パルミチン酸/ステアリン酸混合物及び大豆油脂肪酸などもまた有用である。アルキルリン酸エステル、長鎖アルコールの硫酸半エステル、アルキルエーテルスルホン酸、例えばアルキル硫酸;アルカンスルホン酸、オレフィンスルホン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは線状アルキルベンゼンスルホン酸塩もまた有用なアニオン性界面活性剤である。アルカンスルホン酸は、末端に結合したスルホン酸基(一級アルカンスルホン酸)又は、C鎖に沿って結合したスルホン酸基(二級アルカンスルホン酸)を含むことができる。脂肪族アルキル硫酸塩、例えばオクチル、デシル、ラウリル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシル硫酸ナトリウム塩など;及びアルキルアリールスルホン酸塩、例えばオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩などが好ましい。その他の有用なアニオン性界面活性剤は、一般式R(OCH2CH2nOSO3Mのものであって、RはC10〜C18アルキル基、nは1〜3で、Mはナトリウムであり;またジアルキルスルホコハク酸の塩、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩などである。好ましいアニオン性界面活性剤は、ラウリルエーテル2EO硫酸ナトリウム塩であって、EOはエチレンオキシドから誘導される単位を意味する。
有用なノニオン性界面活性剤は、例えばアルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、特に、好ましくは炭素原子8〜18を有する一級アルコールであり、アルコールのモル当たり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)であって、そのアルコールラジカルは線状であっても、また好ましくは2−位にメチルを有する分枝状であってもよく、或いはオキソアルコールラジカルに習慣的に起こるように、線状のラジカル及びメチル分枝状のラジカルを混合物として含んでいてもよい。しかしながら、特に炭素原子12〜18を有する天然起源のアルコール、例えばココナッツ、ヤシ、牛脂からのアルコール、又はオレイルアルコールから作製された線状のラジカルをもつエトキシル化物が好ましく、且つアルコールのモル当たりのEOの平均は2〜8である。好ましいエトキシル化アルコールには、例えば3EO又は4EOを有するC12〜C14アルコール、7EOを有するC9〜C11アルコール、3EO、5EO、7EO又は8EOを有するC13〜C15アルコール、3EO、5EO又は7EOを有するC12〜C18アルコール及びそれらの混合物、例えば3EOを有するC12〜C14アルコールと、5EOを有するC12〜C18アルコールとの混合物などが含まれる。表示されたエトキシル化の度合は、個々の製品について整数でも少数でもよい統計的な平均値を表す。これらのノニオン性界面活性剤に加えて、12より多いEOを有する脂肪族アルコールも使用できる。具体例は14EO、25EO、30EO又は40EOを有する牛脂アルコールである。その他のノニオン性界面活性剤は、C8〜C22脂肪アルコール、好ましくはC12〜C20脂肪アルコールのエトキシル化反応生成物であり、特にエチレンオキシド1〜30モル、好ましくはエチレンオキシド2〜20モル、特にはエチレンオキシド5〜10モルを有するC14〜C18脂肪アルコールである。好ましく使用されるノニオン性界面活性剤の更なる種類は、アルコキシル化された、好ましくはエトキシル化された、又はエトキシル化及びプロポキシル化された脂肪酸のアルキルエステル、好ましくはアルキル鎖中に炭素原子1〜4を有するアルキルエステル、特には脂肪酸のメチルエステルである。有用なノニオン性界面活性剤の更なる種類は、アルキルポリグリコシド(APG)である。好ましいアルキルポリグリコシドは、一般式RO(G)zを有している(式中、Rは線状又は分枝状、特には2−位にメチルを有する分枝状の、飽和又は不飽和の、C原子8〜22、好ましくは12〜18を有する脂肪族基を表し、GはC原子5又は6を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表すシンボルである)。グリコシド化の度合zは、1.0〜4.0、好ましくは1.0〜2.0、特には1.1〜1.5である。好ましく使用されるものは、線状アルキルポリグルコシド、即ちポリグリコールラジカルがグルコースラジカルで、アルキルラジカルがn−アルキルラジカルであるアルキルポリグリコシドである。適当なノニオン性界面活性剤の更なる種類は、一般式R−CO−N(R1)−[Z]のポリヒドロキシ脂肪酸アミドである(式中、R−COは炭素原子6〜22を有する脂肪族アシルラジカルを表し、R1は水素、炭素原子1〜4を有するアルキルラジカル又はヒドロキシアルキルラジカルを表し、[Z]は、炭素原子3〜10及びヒドロキシル基3〜10を有する線状又は分枝状のポリヒドロキシアルキル基を表す)。
有用なカチオン性界面活性剤は、カチオン性疎水性残基と、対カチオン(counter-cation)、例えば塩化物、硫酸塩又は酢酸塩とを有している。具体例には、テトラアルキルアンモニウムクロリド、アリールトリアルキルアンモニウムクロリド、テトラアルキルアンモニウムブロミド、アリールトリアルキルアンモニウムブロミド又はN−アルキルピリジニウムクロリドがある。
両性界面活性剤は、双性イオン性親水基を有している。それらの具体例には、アミノカルボン酸、ベタイン類及びスルホベタイン類が含まれる。
本発明のパーソナルケア組成物においては、低分子量界面活性剤は、少なくとも部分的に水溶性ポリマーにより置き換えられる。その水溶性ポリマーは、25℃、1気圧で、蒸留水100g中に、少なくとも1g、より好ましくは少なくとも3g、最も好ましくは少なくとも5gの水溶性を有する。この水溶性ポリマーは、“Kruss Tensiometer”(形式K14、Kruss USA,Charlotte,North Carolina,USA製)を用いて測定し、25℃、1気圧で0.2重量%水溶液として測定して、好ましくは65mN/m2より小さい、より好ましくは60mN/m2より小さい、最も好ましくは55mN/m2より小さい表面張力を有する。
水溶性ポリマーは、好ましくは1種もしくはそれ以上の多糖類、ゼラチン、ポリアミノ酸、例えばポリアスパラギン酸もしくはポリグルタミン酸;ポリ乳酸もしくはそのような重合酸の塩、又は、ポリアルキレンオキシド、例えば重量平均分子量少なくとも10,000を有するエチレンオイシドホモ−及びコポリマー並びに不飽和酸もしくはそれらの塩、例えばアクリル酸、メタクリル酸もしくはそれらの塩など、不飽和アミド、例えばアクリルアミドなど;ビニルエステル、ビニルアルコール、酢酸塩、例えば酢酸ビニルなど;アルキレンイミン、例えばエチレンイミンなど;オキシエチレンアルキルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、エチレンスルホン酸、ビニルアミン、ビニルピリジン、エチレン系不飽和硫酸塩もしくはスルホン酸塩を重合された形態で含むホモ−及びコポリマーよりなる群から選ばれる1種もしくはそれ以上の合成ポリマー又はこれらのポリマーの1種又はそれ以上の組合せである。
水溶性ポリマーは、好ましくは多糖類である。多糖類の具体例には、アラビアゴム、キサンタンゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、ガティゴム(gum ghatti)、カラギーナン、デキストラン、アルギン酸塩、寒天、ゲランゴム(gellan gum)、グアーゴムなどのガラクトマンナン、ペクチン、澱粉、澱粉誘導体、グアー誘導体及びキサンタン誘導体が含まれる。澱粉誘導体、グアー誘導体及びキサンタン誘導体は、欧州特許第0504870号B明細書第3頁、第25〜56行及び第4頁、第1〜30行により詳しく記載されている。有用な澱粉誘導体は、例えば澱粉のエーテル、例えばヒドロキシプロピル澱粉又はカルボキシメチル澱粉などである。有用なグアー誘導体は、例えばカルボキシメチルグアー、ヒドロキシプロピルグアー、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー又はカチオン化グアーである。好ましいヒドロキシプロピルグアー類及びその製造者は、米国特許第4,645,812号明細書第4〜6欄に記載されている。好ましい多糖類はセルロースエステル類又はセルロースエーテル類である。好ましいセルロースエーテル類は、カルボキシ−C1〜C3−アルキルセルロース、例えばカルボキシメチルセルロースなど;カルボキシ−C1〜C3−アルキルヒドロキシ−C1〜C3−アルキルセルロース、例えばカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースなど;C1〜C3−アルキルセルロース、例えばメチルセルロースなど;C1〜C3−アルキルヒドロキシ−C1〜C3−アルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はエチルヒドロキシエチルセルロースなど;ヒドロキシ−C1〜C3−アルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなど;混合ヒドロキシ−C1〜C3−アルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース又は、アルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロースなどであり、アルコキシ基は直鎖もしくは分枝であって、炭素原子2〜8を含む。最も好ましくは、パーソナルケア組成物には、水溶性セルロースエーテル、例えばメチル置換度DSmethoxyl1.2〜2.2、好ましくは1.5〜2.0を有するメチルセルロース、又はDSmethoxyl0.9〜2.2、好ましくは1.1〜2.0及びMShydroxypropoxyl0.02〜2.0、好ましくは0.1〜1.2を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。
水溶性ポリマーの粘度は、“Ubbelohde”粘度計を用いて、25℃で、2重量%水溶液として測定して、一般に100,000mPa・s以下、好ましくは25,000mPa・s以下、より好ましくは15,000mPa・s以下である。
水溶性ポリマーは、一般に、重量平均分子量少なくとも10,000、好ましくは少なくとも12,000、より好ましくは少なくとも15,000、最も好ましくは少なくとも18,000を有する。重量平均分子量についての好ましい上限は、主としてポリマーのタイプに依存する。一般に、水溶性ポリマーの重量平均分子量は5,000,000以下、好ましくは500,000以下、より好ましくは100,000以下である。重量平均分子量は、標準試験法ASTM D−4001−93(1999)に従い光散乱によって測定できる。
本発明のパーソナルケア組成物において、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、水溶性ポリマーを使用することが、その組成物の粘度を50mPa・sより低くすることなく、香料などの有為剤の、皮膚又は毛髪などの基質上への付着、及び香料の上部空間濃度を大いに改善する。
1種又はそれ以上の多種多様な有為剤、例えば香料、バイオコントロール剤、日光遮蔽剤、保湿剤、皮膚軟化剤又はそれらの組合せが、本パーソナルケア組成物には含まれうる。これらの有為剤は当技術分野では公知である。好ましい有為剤は以下に列挙するが、それらのリストは全てを包括するものではない。
香料には、本発明組成物の全体としての風味の知覚に役立つ種又は風味増進剤(flavor enhancers)、例えば香水及び香水の原料が含まれる。香料は、典型的には揮発性であり、250℃までの沸点を有している。伝統的に香料製造業で使用されている適当な香水の原料の開示は、“Perfume and Flavor Chemicals”、第I巻及び第II巻、S.Arctander,Allured Publishing、1994年刊(ISBN 0−931710−35−5)に見出すことができる。香料の具体例は、ミント、ジャスミン、樟脳、沼桧(white cedar)、橙皮(bitter orange peel)、ライ麦、テレビン、シナモン、ベルガモット、温州蜜柑、菖蒲、松、ラベンダー、月桂樹、丁子、ヒバ、ユーカリ樹、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、バラ、セージ、ゴマ、生姜、バジル、杜松(juniper)、レモングラス、ローズマリー、紫檀、アボカド、葡萄、グレープシード、ミルラ、きゅうり、クレソン、金盞花、ニワトコ、ゼラニウム、菩提樹の花、葉鶏頭、海藻、沈香(ginko)、朝鮮人参、人参、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、コンフリー、オートミール、ココア、ネロリ(neroli)、バニラ、緑茶、ペニーロイヤル、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネル油、龍脳(borneol)、リナロール、ゼラニオール、マツヨイグサ、チモール、スピラントール(spirantol)、ペネン(penene)、リモネン及びテレピノイド油などの精油及びその抽出物である。
バイオコントロール剤には、例えば殺生剤(biocide)、抗微生物剤(antimicrobial)、殺細菌剤、殺菌剤(fungicide)、殺藻剤(algaecide)、殺カビ剤(mildewcide)、消毒剤(disinfecticide)、消毒様漂白剤(sanitizer-like bleache)、防腐剤(antiseptic)、殺虫剤、昆虫又は蛾忌避剤、駆虫剤(vermicide)、植物成長ホルモン及びそれらの組合せが含まれる。典型的な抗微生物剤には、グルタルアルデヒド、シンナムアルデヒド及びそれらの混合物が含まれる。典型的な昆虫及び蛾忌避剤は、香水成分、例えばシトロネラール、シトラール、N,N−ジエチルメタトルアミド、ロタンジアル(Rotundial)、8−アセトキシカルボタナセノン(8-acetoxycarvotanacenone)及びそれらの混合物である。
好ましい皮膚軟化剤又は保湿剤は、グリセリン、トリグリセリド油、鉱油、ペトロラタム及びそれらの混合物であり、より好ましくはトリグリセリド、例えばヒマワリ種油などである。有用な皮膚軟化剤の具体例はまた、国際出願公開第03/075879号パンフレットの第3頁、第18〜31行及び第4頁、第1〜11行にも開示されており、それらの教示は引用により本明細書に組み入れるものとする。
有用な日光遮蔽剤の具体例は、オクチルメトキシル桂皮酸エステル(“Parsol MCX”)及びブチルメトキシベンゾイルメタン(“Parsol 1789”)である。有用な日光遮蔽剤のその他の具体例は、国際出願公開第03/075879号パンフレットの第4頁、第15〜31行及び第5頁にも開示されており、それらの教示は引用により本明細書に組み入れるものとする。
その他の好ましい水溶性の有為剤は、(a)シリコーンオイル及びその変性物、例えば線状及び環式ポリジメチルシロキサン類;(b)天然油脂を含む油脂、好ましくは植物油脂、例えばホホバ、大豆、ヒマワリ、米糠、アボカド、アーモンド、オリーブ、ゴマ、パージック(persic)、ヒマシ、ココナッツ及びミンク油;カカオ脂など;並びに動物油脂、例えば牛獣脂及びラードなど;上記の油を水素化して得られる硬化油;並びに合成のモノ−、ジ−及びトリグリセリド、例えばミリスチン酸グリセリド及び2−エチルヘキサン酸グリセリドなど;(c)ワックス、例えばカルナウバ、鯨蝋、蜜蝋、ラノリン及びそれらの誘導体など;(d)植物抽出物;(e)炭化水素、例えば液体パラフィン、ワセリン、微晶質ワックス、セレシン、スクワレン、プリスタン及び鉱油など;(f)高級アルコール、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール及び2−ヘキシデカノールアルコールなど;(g)脂質、例えばコレステロール、セラミド、蔗糖エステル及び欧州特許出願公開第556,957号明細書に記載されたような擬似(psuedo-)セラミドなど;(h)ビタミン類、ミネラル類及び皮膚栄養物、例えばミルク、ビタミンA、E及びKなど;ビタミンCアルキルエステルを含むビタミンのアルキルエステル;マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛及びその他の金属元素;(i)老化防止化合物、例えばα−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸など;又は列挙された有為剤の組合せである。
上記したように、本発明のパーソナルケア組成物は水系である。しかしながら、1種又はそれ以上の有機希釈剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、高級アルコール又はプロピレングリコールなどを含むことができる。もし1種又はそれ以上の有機希釈剤が存在するなら、それらの濃度は、パーソナルケア組成物の合計重量に基づいて、一般に20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
以下の実施例は本発明を例証するためのみのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。全ての百分率(%)は、別段の記述がない限り重量基準である。
実施例1〜14及び比較例A〜K
ヘアケア及びスキンケア組成物を、以下の表に列記した成分を用いて調製する。
下記の表に列記した組成物の成分は、次のとおりである。
低分子量界面活性剤
SLES−2:2EO単位を有するラウリル硫酸ナトリウム(EOはエチレンオキシドから誘導された単位を意味する);
ラウリル硫酸ナトリウム
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl betaine)
ヤシ油脂肪酸両性二酢酸二ナトリウム(Disodium Cocamphodiacetate);
CEMA:ヤシ油脂肪酸アミドMEA(ヤシ油脂肪酸モノメタノールアミン)、Uniqemaから購入可;及び
APG:アルキルポリグリコシド、Henkelから“Plantaren 2000”として購入可。
香水及びその他の有為剤:
香水1:Fragrance Resources Inc.(Bloomfield,New Jersey,USA)からの“White Tea Mod 4 Fragrance Oil”。
香水2:Fragrance Resources Inc.(Bloomfield,New Jersey,USA)からの“Musk Fragrance Oil”。
香水3:Fragrance Resources Inc.(Bloomfield,New Jersey,USA)からの“Citrus Fragrance Oil”。
サリチル酸:Aldrichから購入。
トリクロサン:Ciba Specialty Chemicalsから商品名“IRGASAN DP 300”として購入できる。
水溶性ポリマー:
METHOCEL E3LV:メトキシ置換28〜30%、ヒドロキシプロピル置換7〜12%を有し、粘度約3mPa・sを有するヒドロキシプロピルメチルセルロース。The Dow Chemocal Companyから商品名“METHOCEL E3LV”として購入できる。
METHOCEL 40−100:メトキシ置換18〜21%、ヒドロキシプロピル置換23〜31%を有し、粘度約12,000mPa・sを有するヒドロキシプロピルメチルセルロース。The Dow Chemocal Companyから商品名“METHOCEL 40−100”として購入できる。
METHOCEL E50:メトキシ置換28〜30%、ヒドロキシプロピル置換7〜12%を有し、粘度約50mPa・sを有するヒドロキシプロピルメチルセルロース。The Dow Chemocal Companyから商品名“METHOCEL E50”として購入できる。
METHOCEL 40−202:メトキシ置換28〜30%、ヒドロキシプロピル置換7〜12%を有し、粘度約4,000mPa・sを有するヒドロキシプロピルメチルセルロース。The Dow Chemocal Companyから商品名“METHOCEL 40−202”として購入できる。
“METHOCEL”セルロースエーテルの粘度は、“Ubbelohde”粘度計を用いて、25℃で、2重量%水溶液として測定される。
POLYOX WSR N−60K:“Ubbelohde”粘度計を用いて、25℃で、2重量%水溶液として測定して、2%濃度粘度2000〜4000mPa・sを有するポリエチレンオキシド。The Dow Chemocal Companyから商品名“POLYOX N−60K”として購入できる。
CELLOSIZE PCG−10:“Brookfield LVF”の4番回転子を用いて、25℃で、1重量%水溶液として測定して、粘度4400〜6000cPを有するヒドロキシエチルセルロース。The Dow Chemocal Companyから商品名“CELLOSIZE PCG−10”として購入できる。
香水の上部空間濃度は、次のようにして測定する:ヘア及びスキンケア組成物5gが10mL上部空間ガラス瓶に量り取られる。そのガラス瓶は、平衡に達するように2日間室温に放置する。上部空間の500μLが“Hewlett Packard 6890”ガスクロマトグラフ(GC)に注入され、全てのピークを比較のため表にする。GC条件は:“J&W Scientific Durabond−5”30m×内径0.32mm(0.32mm ID)×フィルム厚さ0.25μm(J&W Scientific,Bellefonte,PA製);ヘリウム一定ガス流2mL/分;温度履歴(profile):60℃で2分間、6℃/分で230℃まで加熱、そこで10分間保持;注入部位250℃;水素炎イオン化検出器275℃;試料温度は35℃である。
香水付着調査の基質としては、インビトロスキン(in-vitro skin)を使用する。3cm×6cmのスキンを使用する。インビトロスキンを水で湿し、以下の表Iに列記した組成物0.15mLを適用する。組成物はインビトロスキン上に30秒間塗り拡げ、次いで15秒間濯ぐ。濯ぎ水流量は、温度28〜32℃で1L/分である。そのインビトロスキンは、次にガラス瓶の中に置き、スキン上に付着した香水を抽出するため、ヘプタン2gを添加する。その抽出液の1μLをGCに注入する。ピーク面積を記録する。試料との比較のため、水/イソプロパノール50/50中香水125ppmの対照標準を調製する。対照標準のピーク面積を試料のピーク面積と比較する(内部標準計算)。
GC条件は:“Restek RTX−5MS”15m×内径0.25mm×フィルム厚さ0.25μm(Restek,Bellefonte,PA製);温度履歴:60℃で2分間、次いで10℃/分で275℃まで、そこで5分間保持、上部圧8psi(55kPa);入口温度250℃;水素炎イオン化検出器250℃、検出器構成流(detector make up flow)(ヘリウム)20mL/分。
Figure 2008526849
実施例1又は2と比較例Aとの間の比較は、低分子量界面活性剤の一部が水溶性ポリマーにより置換されているパーソナルケア組成物が、上部空間濃度及び有為剤の付着、例えば香水の付着の両方ともについて、大いなる改善を示すことを例証する。実施例2の組成物は、液体パーソナルケア組成物中に、比較例Aの組成物におけるよりも25%少ない香水濃度しか有していないが、香水の上部空間濃度及び香水の付着を意味する全体としての香水の利益は、実施例2の組成物において、比較例Aの組成物におけるよりも顕著に良好である。
低分子量界面活性剤の一部が水溶性ポリマーにより置換されている、水系パーソナルケア組成物の粘度も試験する。その粘度は、ブルックフィールド粘度計(型式:LVDVII、Brookfield Engineering Laboratories Inc.,Stoughton,Maryland,USA製)を用いて、25℃で測定する。組成及び結果を表IIに列記する。
Figure 2008526849
表IIにおける結果は、基質上への有為剤の付着を改善するため又は香料の上部空間濃度を増加させるため、その組成物の粘度を不満足なレベルまで低下させることなく、低分子量界面活性剤の実質的な部分が水溶性ポリマーにより置換されうることを例証する。
下記表IIIは、香水の上部空間を試験するための感覚調査の結果を示す。10人のパネリストが、比較例D及び、実施例4又は5の間のどちらの配合がより強い香りの上部空間であるか選択するように問われた。それらの結果は、低分子量界面活性剤の一部の置換物として水溶性ポリマーを含む本発明で用いられる組成物が、低分子量界面活性剤の部分的な置換物として水溶性ポリマーを含んでいない比較の組成物に比べて、より高い香水上部空間濃度を有していることを明らかに例証している。
Figure 2008526849
下記表IV〜VIIは、その他の香料、その他のタイプ及び濃度の水溶性樹脂、並びにその他の界面活性剤システムを含むヘアケア及びスキンケア組成物の、香水の上部空間を試験するための感覚調査の結果を示す。これらの結果も、低分子量界面活性剤の一部の置換物として水溶性ポリマーを含む本発明で用いられる組成物が、低分子量界面活性剤の部分的な置換物として水溶性ポリマーを含んでいない比較の組成物に比べて、より強い香水上部空間を有していることを明らかに例証している。
Figure 2008526849
Figure 2008526849
Figure 2008526849
Figure 2008526849
サルチル酸付着調査
大きさ3cm×6cmのインビトロスキンを、サルチル酸付着調査のための基質として使用する。インビトロスキンは水及び下表VIIIに列記した組成物0.15mLで濡す。組成物はそのスキン上に30秒間塗り拡げ、次いで15秒間濯ぐ。濯ぎ水流量は、温度28〜32℃で1L/分である。インビトロスキンは、次にガラス瓶の中に置き、スキン上に付着したサルチル酸を抽出するため、イソプロピルアルコール/水(重量で50/50)10gを添加する。
前記抽出物の10μLが、UV検出器(波長280)に連結した250mm×4.6um“Luna 5 C8 (2)”液体クロマトグラフィーカラムに注入する。サルチル酸のピーク面積を記録し、その濃度を標準検定曲線を用いて計算する。その液体クロマトグラフは“Waters 2690 Liquid Chromatograph (HPLC)”、Waters Corp.,Milford,MA製である。
そのHPLCの条件は:試料は0.45μフィルターを用いて濾過し、HPLCを用いて分析し、それぞれの試料について2回注入する。移動相:25%(v/v)アセトニトリル水溶液;カラム:“Luna 5μ C8”、250×4.60mm、Phenomenex,Torrance,CA製。注入:10μL;流量:1mL/分;検出器:UV/可視280nm。
結果は下表VIIIに列記する。
Figure 2008526849
実施例12と比較例Iとの間の比較は、低分子量界面活性剤の一部が水溶性ポリマーにより置換されているパーソナルケア組成物が、サルチル酸の付着などの有為剤の付着について大いなる改善を示すことを例証する。両方の配合はサリチル酸2%を含んでいる。
退色の調査
この調査には“European single−bleached hair tresses”(International Hair Importers & Products Inc.,Glendale,NY.製)が用いられる。ヘアトレス(hair tresses)は、L’Orealの商品(“Couleur Experte 6.6,Cherry Cordial,Bright Auburn”)を用いて、その製品で規定された製品使用説明書に従って染色される。
そのヘアトレス(hair tress)は、それらの退色性を調べるため多数回洗浄する。下表IXにおけるシャンプー1.0gが1分間そのヘアトレスに適用し、次いで水道水で1分間濯ぐ。ヘアトレスは垂直に掛け、そのシャンプーによる処理の繰り返しの前に空気乾燥する。ヘアトレスは、感覚パネル評価の実施の前にシャンプーで5回洗浄する。その結果は下表IXに列記する。
Figure 2008526849
実施例13と比較例Jとの間の比較は、低分子量界面活性剤の一部が水溶性ポリマーにより置換されているパーソナルケア組成物が、シャンプー配合物などのパーソナルケア組成物の退色性において大いなる改善を示すことを例証する。
トリクロサン(Triclosan)付着調査
下表Xに列記された組成物を、大きさ3cm×6cmのインビトロスキン上へのトリクロシン(Triclosin)付着調査に使用する。組成物は、サリチル酸付着調査と同様の方法で適用し、抽出する。
前記抽出物の10μLを、UV検出器(波長279)に連結した250mm×4.6um“Luna 5 C8 (2)”液体クロマトグラフィーカラムに注入する。トリクロサンのピーク面積を記録し、トリクロサン濃度が標準検定曲線を用いて計算する。結果は下表Xに列記する。
対照標準は、トリクロサンのエタノール母溶液(stock solution)(613ppm)を作製し、次いでそれから一連の希釈液とすることにより調製する。
HPLC:“Waters 2690 Liquid Chromatograph”、Waters Corp.,Milford,MA.製。
移動相:使用される移動相は、下表に明記した勾配を有する溶媒混合物である。カラム:“Luna 5μ C8”、250×4.60mm、Phenomenex,Torrance,CA.製;注入:10μL;流量:1mL/分;検出器:UV/可視280nm。
Figure 2008526849
Figure 2008526849
実施例14と比較例Kとの間の比較は、低分子量界面活性剤の一部を水溶性ポリマーにより置換されているパーソナルケア組成物がトリクロサンなどの有為剤の付着について大いなる改善を示すことを例証する。
本パーソナルケア組成物は残留製品(leave-on-product)であることができるが、本発明は、特に洗浄性製品に有用である。有用なパーソナルケア組成物はオーラルケア、ヘアケア又はスキンケア組成物であり、特にはヘア又はスキンケア組成物であり、最も好ましくはシャンプー、シャワーゲル、クレンザー、バブルバス及びボディー洗浄の配合物である。

Claims (13)

  1. 25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着を改善する方法であって、前記パーソナルケア組成物中に、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、水溶性ポリマーを組み込むことを含んでなる方法。
  2. 有為剤が香料、バイオコントロール剤、保湿剤又はエモリエントである請求項1に記載の方法。
  3. ヘアケア又はスキンケア組成物で皮膚又は毛髪を処理した後の、それらの上への有為剤の付着を改善する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ香料及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物によって供給される香料の上部空間濃度を増加させる方法であって、前記パーソナルケア組成物中に、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、水溶性ポリマーを組み込むことを含んでなる方法。
  5. 水溶性ポリマーが低分子量界面活性剤の少なくとも20%の置換物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 水溶性ポリマーが、25℃、0.2重量%水溶液として測定して、65mN/m2より小さい表面張力を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 水溶性ポリマーが多糖類である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 多糖類が、2重量%水溶液として25℃で測定して、25,000mPa・s以下の粘度を有する水溶性セルロースエーテルである請求項7に記載の方法。
  9. 低分子量界面活性剤:水溶性ポリマーの重量比が25:1〜1:1である請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 低分子量界面活性剤の濃度が2〜10%で、且つ水溶性ポリマーの濃度が0.3〜10%(各%はパーソナルケア組成物の合計重量に基づく)である請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. パーソナルケア組成物が、その組成物の合計重量に基づいて、少なくとも30%の水を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ有為剤及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物で基質を処理した後の、基質上への有為剤の付着を改善するための水溶性ポリマーの使用であって、前記水溶性ポリマーを、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として、用いる使用。
  13. 25℃で少なくとも50mPa・sの粘度を有し、且つ香料及び低分子量界面活性剤を含む水系パーソナルケア組成物によって供給される香料の上部空間濃度を増加させるための水溶性ポリマーの使用であって、前記水溶性ポリマーを、低分子量界面活性剤の少なくとも一部の置換物として用いる使用。
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