JP3696417B2 - 可溶化化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノンアルコールのフレグランス、化粧水などに有用な化粧料に関し、更に詳しくは可溶化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性担体に水に難溶性物質や不溶性物質を可溶化する技術は、化粧料の分野では非常に重要な技術であり、この技術は化粧水の製造などに応用されている。従来の可溶化技術では、ポリオキシエチレン硬化ひまし油を活性剤として、多価アルコールやエタノールを可溶化補助溶媒として使用したものであった。しかしながら近年、エタノールの使用については、環境科学面からの配慮と刺激発現可能性の面から控えられるようになってきており、エタノール含有量を著しく下げた場合、従来の可溶化の系では、可溶化が出来なくなってしまうことが殆どであった。可溶化域を広げるために界面活性剤量を多くすると、従来のポリオキシエチレンひまし油などの界面活性剤では、使用感に於けるべたつきが著しくなるなどの欠点が生じたり、低温からの常温への戻しによる状態変化等の安定性上好ましくない現象が生じやすくなる欠点があった。この様な現象は、ポリオキシエチレン硬化ひまし油を他の可溶化用の界面活性剤に変えても、この様な問題が同様に生じていた。即ち、エタノールの濃度が著しく低い系或いは存在しない系での水難溶性或いは水不溶性物質を可溶化する技術の開発が望まれていた。
【0003】
一方、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン等のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリン類は、洗浄料の分野で、洗浄補助剤として使用されているが、化粧水などの可溶化剤或いは可溶化助剤として使用されたことは全くなかった。従って、このものが水難溶性或いは水不溶性物質を可溶化するのに有用であることも全く知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、従来の技術では可溶化が困難な系での新規可溶化技術を提供することを課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
かかる状況に鑑みて、本発明者らは従来の技術では可溶化が困難な系での新規可溶化技術を求めて鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを可溶化剤或いは可溶化助剤として用いることにより、この様な可溶化が可能であることを見出し、発明を完成させるに至った。以下、本発明について、実施の形態を中心に更に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の必須成分であるポリオキシエチレン脂肪酸グリセリン
本発明の可溶化化粧料は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを必須成分として含有することを特徴とする。ここで脂肪酸残基としては、通常化粧料で使用されているものであれば特段の限定なく使用することが出来、例えば、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基、リチノレイン酸残基を始め、混合脂肪酸残基としては、牛脂由来脂肪酸残基、ヤシ油由来脂肪酸残基、水素添加牛脂由来脂肪酸残基、水素添加ヤシ油由来脂肪酸残基等が好ましく例示でき、これらの内では、ヤシ油由来脂肪酸残基と水素添加ヤシ油由来脂肪酸残基が特に好ましい。これはこの様な脂肪酸残基を有するポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンの可溶化作用が著しく優れたものであるからである。以下、この2つの脂肪酸残基を総称して、ヤシ油脂肪酸残基と呼ぶ。
【0007】
本発明の可溶化化粧料の必須成分であるポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンのポリオキシエチレンの好ましい平均付加モル数は、3〜15であり、更に好ましくは5〜10である。これは、この範囲にあるものの可溶化力が特に優れるためである。
【0008】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンは、通常の方法によって製造することが出来る。即ち、脂肪酸に塩化チオニルなどを反応させ、脂肪酸クロリドを作成し、これとグリセリンとをアルカリ存在下縮合し、脂肪酸モノグリセリドとなし、このフリーの水酸基にエチレンオキシドを触媒の存在下付加させれば得ることが出来る。ここで、ポリオキシエチレンの付加モル数は3〜15になるよう反応条件を調整することが好ましく、5〜10になるように調整することが更に好ましい。これは上記の如く、この様なものの可溶化特性が優れるためである。又、一方、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンの多くは既に化粧品原料として市販されており、このものを使用することもできる。この様な市販品の内、特に好ましい物は交洋ファインケミカル株式会社が取り扱っている、ハイバーオイルHEである。このものは、次に示す構造を有している。
【0009】
【化1】
ハイバーオイルHE
(但し式中、m+nは7であり、Rはヤシ油脂肪酸残基を表す。)
【0010】
これらのポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンは優れた可溶化作用或いは可溶化補助作用を有する。これらの作用を発揮するためには、化粧料全量に対して、0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜4重量%含有させるのが好ましい。これは、この程度の量でエタノールの存在しない系での可溶化が可能であるためである。又、4重量%まで含有させても、他の非イオン界面活性剤の様にべたつきを生じたりすることがない。
【0011】
(2)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを含有し、可溶化剤形であることを特徴とする。本発明で言う、可溶化剤形とは、水性成分中に油性成分が細かく分散されたものであって、透明〜半透明の外観を呈するものであり、ミセルによる可溶化系、ヘキサゴナルな液晶系、マイクロエマルジョン系の何れの系をも含むものを意味する。本発明の化粧料としては、化粧水やフレグランス、頭髪用化粧料などが好ましく例示でき、中でもフレグランスが特に好ましく例示できる。これは、可溶化系であるにもかかわらず香りの立ちが良いためである。フレグランスとしては、本発明の化粧料が、エタノールの存在しない系であっても、べたつきが無く、オーデコロン等として充分しよう出来るものであるから、エタノールを配合しないフレグランスに適用することが特に好ましい。
【0012】
本発明の化粧料に於いては、上記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリン以外に、本発明の効果を損ねない範囲に於いて、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。かかる任意成分としては、例えば、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリンや1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類、香料等が好ましく例示できる。但し、この中で、界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンの含有量との和が5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下であることが好ましい。又、フレグランスである場合には香料の含有量は、1〜5重量%含有することが、香りの立ちと保香性の面で好ましい。本発明の化粧料は、これらの成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。可溶化に際しては、マウントガウリングホモジナイザーやマイクロフルイダイザー等を使用することもできる。
【0013】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
【0014】
<実施例1〜3>
下記の表1に示す処方に従って、ノンエタノールフレグランスを作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、攪拌冷却してノンエタノールフレグランスを得た。これらのものについて、出来上がりの濁り具合をキセノンランプ色彩計にて蒸留水を100とした比透過率として測定した。これも表1に示す。更に、−10℃に2日置いた後、室温に戻したものの状態の判定結果(○:良好、△:一部問題あり、×:問題があり不可)、使用感の判定結果(○:良好、△:ややべたつきを感じる、×:べたつきが著しく不可)、香りの立ちの評価(○:良好、△:やや良好、×:不良)もしめす。この結果も表1に示す。この表より、本発明の化粧料が、安定性に優れた、フレグランスとしての使用感にも優れた化粧料であることがわかる。即ち、本発明により、従来可溶化が困難であった、ノンエタノール系で可溶化が出来ると共に、出来上がった化粧料の使用感も極めて優れたものであることがわかる。尚、表中の含有量の数字は重量部を表す。
【0015】
【表1】
【0016】
<実施例4〜7>
下記の表2に示す処方に従って、ノンエタノールフレグランスを作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、攪拌冷却してノンエタノールフレグランスを得た。これらのものについて、出来上がりの濁り具合をキセノンランプ色彩計における蒸留水に対する比透過率として測定した。これも表2に示す。更に、−10℃に2日置いた後、室温に戻したものの状態の判定結果(○:良好、△:一部問題あり、×:問題があり不可)、使用感の判定結果(○:良好、△:ややべたつきを感じる、×:べたつきが著しく不可)、香りの立ちの評価(○:良好、△:やや良好、×:不良)もしめす。この結果も表2に示す。この表より、本発明の化粧料が、安定性に優れた、フレグランスとしての使用感にも優れた化粧料であることがわかる。即ち、本発明により、従来可溶化が困難であった、ノンエタノール系で可溶化が出来ると共に、出来上がった化粧料の使用感も極めて優れたものであることがわかる。尚、表中の含有量の数字は重量部を表す。
【0017】
【表2】
【0018】
<実施例8>
以下に示す処方に従って、フレグランスを作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、このものをマントンガウリングホモジナイザーにかけ、攪拌冷却して、ノンエタノールフレグランスを得た。このものは、−10℃戻しが○、使用感○、香りの立ち○の評価であった。
水 88 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
香料 3 重量部
ポリオキシエチレン(10)ステアリン酸グリセリン 1 重量部
ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 3 重量部
【0019】
<実施例9>
以下に示す処方に従って、フレグランスを作成した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、このものをマイクロフルイダイザーにかけ(2パス)、攪拌冷却して、ノンエタノールフレグランスを得た。このものは、−10℃戻しが○、使用感○、香りの立ち○の評価であった。
水 88 重量部
1,3−ブタンジオール 5 重量部
香料 3 重量部
ポリオキシエチレン(15)オレイン酸グリセリン 1 重量部
ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油 3 重量部
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の技術では可溶化が困難な系での新規可溶化技術を提供することができる。
Claims (4)
- ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有し、かつポリオキシエチレンの平均付加モル数が3〜15であるポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを0.5〜4重量%含有し、前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンを含む界面活性剤の総含有量が5重量%以下であり、透明液状であることを特徴とする、可溶化フレグランス化粧料。
- 前記ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリンがポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリンであることを特徴とする、請求項1に記載の可溶化フレグランス化粧料。
- 水に難溶性及び/又は不溶性の成分を1重量%以上含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の可溶化フレグランス化粧料。
- エタノールを配合しないことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の可溶化フレグランス化粧料。
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