JP2008526562A - マーキング感度および画像コントラストが改善された発色組成物、ならびにそれに関連する方法 - Google Patents

マーキング感度および画像コントラストが改善された発色組成物、ならびにそれに関連する方法 Download PDF

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Abstract

改善されたマーキング感度および画像コントラストで顕色可能な、カラー画像を生成するための組成物および方法を開示しかつ記述する。特に、発色組成物が、ポリマーマトリックスおよびそこに溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、発色剤を含む発色剤相と、発色剤相と熱接触している放射吸収体とを含んでいてよい。とりわけ、発色剤相は、2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相内に微細に分散されていてよい。

Description

本発明は、包括的には、発色組成物に関する。より詳細には、本発明は、光エネルギーのようなエネルギーとの相互作用で、マーキング感度および画像コントラストが改善された画像を形成することのできる方法ならびに組成物に関する。
光または熱の形のエネルギーに曝されたときに色変化を生ずる組成物は、様々な基板上で画像を生成する場合に極めて有益である。光ディスクは、ソフトウェアならびにフォトグラフィック、ビデオおよび/またはオーディオデータのデータ記憶に関して、市場パーセントの多くを占めている。典型的に、光ディスクは、そのディスクの一面から読取りおよび/またはそこへ書き込みされ得るデータパターンが埋め込まれており、ディスクのもう一方の面には、グラフィック表示またはレーベルが印刷されている。
光ディスクの内容を識別するために、印刷パターンまたはグラフィック表示情報が、そのディスクの非データ面、つまりレーベル面に付与されていてよい。そのパターンまたはグラフィック表示はいずれも、装飾的であってよくかつそのディスクのデータ内容に関する関連情報を付与できる。過去においては、商業レーベル印刷は、スクリーン印刷法を用いて日常的に実行されてきた。この方法は、広範囲の様々なレーベル内容を提供できるが、ステンシルまたはステンシルの組合せを製作することならびに所望のパターンまたはグラフィック表示を印刷することに関連した固定費のため、約400未満の特注ディスクの生産ではコスト上無益となる傾向がある。
近年、消費者によるデータ記憶用光ディスクの顕著な利用拡大により、光ディスクの内容を反映するカスタマイズされた(専用の)レーベルを提供する必要性が高まってきた。ほとんどの消費者が利用できるレーベル表示の方法は、専門的な外観、品質および多様性を欠く手書きによる記載かまたはディスクに貼着可能な事前に印刷されたレーベルのいずれかに限定され、しかも、これらは高速での回転時にディスク性能に悪影響を及ぼす可能性もある。
最近になって、画像を形成するためにレーザのようなエネルギー源を使用して顕色させることのできる発色組成物が開発された。しかし、この発色組成物の多くは、顕色時間が比較的遅くなりかつ/または許容コントラストを下回るような顕色感度を呈する。したがって、発色組成物の、改善されたマーキング感度および画像コントラストを有するような改良の必要性は依然として存在する。
改善されたマーキング感度を有し、その上、急速顕色条件下でさえ改善された画像コントラストを有する画像を生成するのにも使用できる急速顕色可能な発色組成物を提供することは有益であろうと考えられている。本発明の一様相において、発色組成物は、ポリマーマトリックスおよびそこに溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、発色剤を含む発色剤相と、発色剤相と熱接触する放射吸収体とを含み得る。とりわけ、発色剤相は、2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相の内部に微細に分散されていてよい。
別の実施形態において、画像を形成する方法は、顕色前状態(予顕色状態)からその顕色前状態とは視覚的に異なる顕色後状態まで発色組成物を顕色させるのに十分な電磁放射を発色組成物に付与するステップを包含していてよい。発色組成物は、ポリマーマトリックスおよびこのマトリックス中に溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、発色剤を含む発色剤相と、発色剤相と熱接触している放射吸収体とを含んでいてよい。この態様でも、発色剤相は、2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相の内部に微細に分散されていてよい。
本発明のその他の様相および利点は、以下に続く詳細説明から明らかになろう。
以下、適例となる実施形態について言及し、その実施形態を記述するのに本書においては特有の言葉を用いる。しかし、それが、本発明の範囲を何ら限定しようとするものでないことが理解されるであろう。関連技術の当業者およびこの発明の所有権を有する者が考える、ここに説明される本発明の特徴の変更およびさらなる修正ならびにここで説明される本発明の原理のさらなる応用は、本発明の範囲内であると考えるべきである。さらに、本発明の具体的な実施形態を開示し説明する前に、本発明が、ここに開示のある程度変更され得る特定のプロセスおよび材料に限定されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の請求の範囲およびそれと同等のものによってのみ限定されるので、ここで用いられる用語が、具体的な実施形態を記述する目的でしか用いられず、限定を意図していないことを理解されたい。
本発明を説明しかつ範囲請求を行うに当たり、次の用語を使用する。
その前後関係が別途明確に指示されない限り、単数形の冠詞「a」、「an」および「the」は、複数の意味を包含する。したがって、例えば、「1つの放射吸収体」と言った場合、当該材料の1つ以上の言及を含む。
ここの使用に限り、用語「発色組成物」は、典型的に、発色剤、活性化剤、放射吸収体およびポリマーマトリックスを含む。これらの成分は、放射の曝露により作用して発色剤を顕色させ、これにより、無色の材料から色を作り出すか、または、第1の色から別の色へと色を変化させることができる。換言すれば、未顕色の発色剤は、無色であり得るかまたは顕色されると異なった色に変化する何らかの色を有していてよい。用語「発色組成物」は、4つの構成成分の存在を表すが、これらの組成物は、単一の相または層に存在していなくてもよい。例えば、放射吸収体は、顕色速度に関連する理由から、発色組成物中で1つのまたは両方の相と混ぜ合わせられることが好まれるとはいえ、別の層にあってもよい。
ここでの使用に限り、用語「発色剤」は、エネルギーの付与で色を変える任意の組成物を指す。発色剤は、典型的に、ロイコ染料、フォトクロミック染料等である。本発明の実施形態によれば、発色剤は、連続したポリマー相内に微細に分散されている不連続相の部分として存在する。用語「発色剤」は、色変化し得る材料ならびに無色またはより透明な状態から彩色状態になり得る材料を含むので、色が始めから生成されていることを示唆しない。
用語「活性化剤」は、エネルギー(例えば、レーザおよび放射吸収体によって発生する熱)が存在するときに、発色剤と反応するかまたは別法で発色剤と相互作用して発色組成物内で色を変更または生成し得る化合物または材料を指す。活性化剤は、発色剤と反応または相互作用して発色剤の色生成または色変化を起こさせる任意の材料であってよい。いくつかの実施形態においては、複合活性化剤,例えば、同等の性能値を有する複数活性剤系から一次活性化剤および二次活性化剤を有する系まで用いることができる。例えば、一実施形態において、活性化剤は、所定の種類のロイコ染料を顕色させるのに必要なプロトンを供与する酸性の化合物または材料であってよい。
ここで用いる限り、「放射吸収体」は、概して、特定波長での放射に曝されると熱を発生するか、周囲の分子にエネルギーを伝達できる放射感応性薬剤を指す。放射吸収体は、ロイコ染料および/または対応する活性化剤と混合されかつ/または熱接触すると、少なくとも部分的に発色剤を顕色させるのに十分なエネルギーを生ずるに足る量で存在し得る。
ここで用いる限り、「顕色する」、「顕色」またはこれらに類する用語は、例えば、無色または透明から彩色された状態へ、あるいは第1の色から第2の色へその外見の目に見える変化を生じさせるように発色剤に影響する相互作用または反応を指す。一実施形態において、発色剤は、酸性活性化剤によって還元されて色または色変化を生ずるロイコ染料であってよい。
本発明の目的として、用語「色」または「彩色された状態(カラーの)」は、黒色、白色または慣習的な色の様相を生じる特性を含む、好ましくは可視の吸光または反射特性を指す。換言すれば、用語「色」または「彩色された状態」は、黒色、白色または慣習的な色、ならびにその他の可視特性、例えば、真珠光沢、反射性、半透明性、透明性等を含む。
ここで用いる限り、「熱接触」は、放射吸収体と発色組成物(発色剤および/または活性化剤を含む)のその他の構成物との間の空間的関係を指す。例えば、放射吸収体がレーザ放射との相互作用によって加熱されると、吸収体によって発生されたエネルギーは、化学反応によるなどして、発色組成物の発色剤の色を暗くする、明るくする、彩色状態にするか(カラーにする)または可視の知覚特性の変化を生じさせるに十分であることが望ましい。熱接触は、放射吸収体と発色組成物のその他の構成物との間での、吸収体から発色剤および/または活性化剤へのエネルギー移動を可能にする密な近接を含むことができる。熱接触は、放射吸収体と発色組成物の1つ以上の他の構成物との間の実際的な接触、例えば、直接隣接する層での、またはその他の構成物のいくつかもしくは全てを含む混合物中での接触も含み得る。本発明の実施形態によれば、放射吸収体は、発色剤の相内に、ポリマー活性化剤の相内に、かつ/または発色剤/ポリマー活性化剤分散系に対して層をなして、存在していてよい。短い顕色時間を望む場合、一実施形態で、放射吸収体をポリマー活性化剤の相および発色剤の相と混合することで融解時間を短縮でき、これにより、相の急速な混合が得られる。
ここで用いる限り、用語「コーティング組成物」またはその他の類する語は、典型的には、そこに溶解または分散された種々の成分を有する担体を指す。この担体は、液体もしくはペースト状の担体であるか、またはそれ自体で発色組成物の成分の1つ、例えば、ポリマーマトリックス等になっていてよい。一実施形態において、この組成物は、ポリマー活性化剤の相に微細に分散された発色剤の相を含み得る。その他の成分もこれらの相の1つまたは両方の中に存在し得る。発色組成物は、一実施形態においてスピン被覆可能であるか、またはその他の塗布方法、例えば、オフセット、インクジェット,グラビア、ローラコーティング、スクリーン印刷、噴霧によるような印刷、もしくは当業者に周知のその他の塗布方法に適するよう構成することができる。コーティング組成物が基板に塗布された場合、それを、単に「コーティング」と呼ぶことがある。
ここで使用する限り、「光ディスク」は、CDおよび/またはDVDドライブ等において機械読取り可能なオーディオ、ビデオ、マルチメディアおよび/またはソフトウェアディスクを包含する。光ディスク形式の例は、書込み可能、記録可能および書換え可能なディスク、例えばDVD、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD−RAM、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RWおよびこれらに類するものを含む。その他の同様の形式、例えば、類似の形式および将来開発されるべき形式も包含していてよい。
ここで使用する限り、「グラフィック表示」は、光ディスク上で見られる任意の可視の文字または画像を含み得る。典型的に、グラフィック表示は、いつもそうとは限らないが、光ディスクの1つの面で目立って見られる。
ここで使用する限り、「データ」は、典型的に、本開示に関連しては、光ディスク上に含まれディジタル化または別法でそこに埋め込まれているノングラフィック情報を含む。データは、オーディオ情報、ビデオ情報、フォトグラフィック情報、ソフトウェア情報等を含み得る。あるいは、用語「データ」は、本発明の実施形態に従い発色組成物上に画像をマーク付けするために、コンピュータまたは他のプロセッサを使用して引き出される情報を記述するのに用いられることもある。
濃度、量およびその他の数値情報は、本明細書においては、範囲の形式で提示することもある。そのような範囲の形式は、単に便宜上かつ簡潔のために用いられるものであって、範囲の限界として明瞭に記された数値を含むだけでなく、その範囲内に包含される個々の数値または副次的な範囲を、その数値および副範囲が明瞭に記載されるかのように全て包含するものと柔軟に解釈されるべきであるとを理解されたい。例えば、約1μm〜約200μmというサイズ範囲は、1μm〜約200μmという明瞭に記載された限界を含むだけではなく、2μm、3μm、4μmのような個々のサイズ、および10μm〜50μm、20μm〜100μmといった副次的な範囲も含むと解釈されるべきである。
本発明によれば、発色組成物は、ポリマーマトリックスおよびそこに溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、発色剤を含む発色剤相と、発色剤相と熱接触する放射吸収体とを含んでいてよい。詳細には、発色剤相は、2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相内に微細に分散されていてよい。発色組成物は全体としては、顕色前状態および顕色後状態を有することができる。顕色前状態は、典型的に、顕色後状態とは視覚的に異なる第1の可視外観を有する。例えば、発色組成物は、顕色前状態では無色または第1の色を有することができ、顕色後状態では顕色後の第2の色をしている。
別の実施形態において、画像を形成する方法は、顕色前状態からその顕色前状態とは視覚的に異なる顕色後状態まで発色組成物を顕色させるのに十分な電磁放射を発色組成物に付与するステップを含んでいてよい。発色組成物は、ポリマーマトリックスおよびそれに溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、発色剤を含む発色剤相と、発色剤相と熱接触する放射吸収体とを含んでいてよい。やはり、発色剤相は、2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相内で微細に分散されていていよい。
例えばレーザの形態で適当な電磁放射が付与されると、放射吸収体および発色剤は、発色剤を顕色するに十分な程度加熱される。特に、本発明の組成物および方法によって、本発明の実施形態により発色組成物を顕色させるための所要エネルギーを低減することができる。例えば、小粒子を使用する場合、融解、拡散または所望の反応温度までの加熱には比較的低量のエネルギーしか必要でなく、よって、より短い書込み時間およびコントラストを達成することができる。具体的なポリマーマトリックス、発色剤、放射吸収体、活性化剤および発色組成物のその他の任意成分はそれぞれ、発色組成物の顕色特性および長期安定性に影響し得るものであり、その詳細は以下に説明する。
ポリマー活性化剤相
本発明の発色組成物は、少なくともポリマーマトリックスおよび活性化剤から構成されるポリマー活性化剤相を含む。一実施形態では、ポリマー活性化剤相は、酸性の(プロトン供与性)活性化剤が分散されているまたは好ましくは溶解されている放射硬化性ポリマーを含み得る。上述のように、発色剤相はポリマー活性化剤相内に微細に分散されている。種々のポリマーマトリックス材料は、発色組成物の顕色特性、例えば、顕色速度、光安定度および発色組成物を顕色するのに使用可能な波長に影響を与え得る。
許容されるポリマーマトリックス材料は、例として、UV硬化性ポリマー、例えば、アクリレート誘導体、オリゴマー、およびモノマーを含んでいてよい。これらの材料は、光パッケージ(photo package)の一部として含められるかまたは集められていることが多い。光パッケージは、ラッカーの硬化のための反応を開始させる光吸収種を含み得る。このような光吸収種は、UVまたは電子ビーム硬化システムを使用する硬化に対して感応性があってよく、例としては、ベンゾフェノン誘導体を含み得る。ラジカル重合モノマーおよびプレポリマーのための光開始剤のその他の例は、限定されることなく、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、アセトフェノンおよびベンゾインエーテルを含む。
本発明の特定の実施形態において、コーティングを硬化させるのに必要なエネルギー入力およびフラックスで、発色剤を顕色させないかまたは発色組成物の安定性を減少させない放射の一形態によって硬化するポリマーマトリックスを選択することが望ましい場合がある。よって、ポリマーマトリックスは、発色組成物の顕色波長とは異なる硬化波長で硬化性であってよい。例えば、一実施形態において、硬化波長は紫外線(UV)範囲であり、顕色波長は赤外線範囲であってよい。あるいは、硬化波長および顕色波長は、両方ともUV範囲であるが、硬化波長が発色組成物の望ましくない顕色を実質的に引き起こさない程度に十分異なっていてもよい。例えば、顕色波長として405nmという第1のUV波長を、ポリマーマトリックスの硬化波長として約200nm〜約380nmという第2のUV波長を選択することにより、発色組成物を早期に顕色させずにポリマーを硬化させる効果的な系を得ることができる。
放射硬化性ポリマーは、放射に曝されて硬化を開始させる特定の光開始剤を含んでいてよい。適切な光開始剤は、(以後に議論するが、)放射吸収体の吸収帯がカバーしない光吸収帯を有するべきであり、そうでない場合には、放射吸収が光開始剤の活性化を妨害し、これにより、コーティングの適切な硬化を妨げる可能性がある。したがって、1つの実際的な実施形態において、光開始剤の光吸収帯は、UV範囲内、例えば約200nm〜約380nmであり、吸収体の吸収帯はこの範囲外、例えば約390nm〜約1100nmであってよい。実際には、放射吸収体帯の下端は、ポリマー硬化に使用されるUV波長範囲と重複するであろう。しかし、発色剤の顕色に要するエネルギー束は、ポリマー硬化の開始に必要とされるものより約10倍大きいので、作用系の設計は可能である。さらに別の実施形態において、吸収体は2つの機能を有する、つまり、1つは硬化条件(比較的低エネルギー束)下でのUV硬化の感度の増大であり、そして他はマーキング作用中のマーキングエネルギーの提供である。このことは、硬化中のエネルギー束は、典型的には、マークを作るのに必要とされるものより大きさのオーダーが小さいために可能である。
カチオン重合樹脂をベースとしたポリマーマトリックス材料は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩およびメタロセン化合物を含む光開始剤を含み得る。硬化剤のさらなる例は、α−アミノケトン、α−ヒドロキシケトン、Ciba-GeigyからIrgacureおよびDarocure剤という名称で市販されているホスフィンオキシド、ならびに2−イソプロピルチオキサントンのような増感剤である。適当なポリマーマトリックスの1つの具体例は、Nor-Cote CDG−1000(UV硬化性アクリレートモノマーおよびオリゴマーの混合物)であり、これは、光開始剤(ヒドロキシケトン)および有機溶媒アクリレート、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、ベータフェノキシアクリル酸エチルおよびアクリル酸ヘキサメチレンを含有するもので、Nor-Coteから入手できる。ポリマーマトリックスのその他の適当な成分は、限定されることなく、アクリル化ポリエステルのオリゴマー、例えば、全てSartomer社から入手可能なCN293、CN294ならびにCN−292(低粘度ポリエステルアクリレートオリゴマー)、SR−351(トリメチロールプロパントリアクリレート)、SR−395(イソデシルアクリレート)およびSR−256(2(2−エトキシエトキシ)アクリル酸エチル)を含み得る。
加えて、バインダーがポリマーマトリックスの一部として含まれ得る。適当なバインダーは、限定されることなく、モノマーおよびオリゴマー由来のポリアクリレートのようなポリマー材料、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン、ポリエチレン、ポリフェノールまたはポリフェノールエステル、ポリウレタン、アクリル系ポリマーおよびこれらの混合物を含み得る。例えば、次のバインダーは、本発明の発色組成物に用いられ、酢酸酪酸セルロース、酢酸酪酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルブチラールおよびこれらの混合物を含み得る。
簡単に言えば、ポリマー活性化剤相のポリマーマトリックスは、単一のポリマーまたはポリマー群であってよい。ポリマーは、ポリマー活性化剤相の溶質として作用する、つまり、相の溶媒または別成分といった他の材料に溶解または分散されていていよい。複数のポリマーが存在する場合、そのポリマーは混合、架橋または組み合わられて(結合されて)いてよい。一実施形態において、ポリマーマトリックスは、放射硬化性ポリマーもしくはポリマー、オリゴマーおよび/またはモノマーの系等を含み得る。ポリマーマトリックスは、ポリマー活性化剤相に統合されてはいるが、多数のうちの任意の形態で存在することができる。
ポリマー活性化剤相は、発色剤相中で使用される発色剤に依存して、還元剤であってよい活性化剤も含む。使用し得る典型的な活性化剤は、様々な酸のうち任意のものを含む。例えば、活性化剤は、酸性のフェノール系化合物であってよい。さらに、これらの活性化剤は、分散系が作られかつ/または保存される条件下で、ポリマーマトリックスに容易に溶解可能であってよい。
適切な活性化剤の非限定的な例は、ビスフェノールA、ビスフェノールS、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、TG−SA(フェノール,4,4−α−スルホニルビス[2−(2−プロペニル)])およびポリフェノールを含む。活性化剤として使用できるその他の酸性材料の例は、任意のルイス酸を含む、限定されることなく、フェノール、カルボン酸、環式スルホンアミド,プロトン酸、塩化亜鉛、カルボン酸マグネシウム、カルボン酸亜鉛、カルボン酸カルシウム、遷移金属塩および約7.0未満のpKaを有するその他の化合物、ならびにそれらの混合物を含む。特定のフェノール系およびカルボキシル系の二次活性化剤は、限定されることなく、ホウ酸、シュウ酸、マレイン酸,酒石酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸、ステアリン酸、没食子酸、サリチル酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−キシレノール、チモール、p−t−ブチルフェニル、4−ヒドロキシフェノキシド、メチル−4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、ナフトール類、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、4−t−オクチルカテコール、4,4’−ブチリデンフェノール、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、2,2’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)、4,4’−s−ブチリデンジフェノール、ピロガロール、フロログルシン、フロログルシンカルボン酸、4−フェニルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−クロロフェニル)、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−エチレンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビスフェノールAおよびその誘導体(例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、p,p’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン)、4−ヒドロキシ安息香酸エステル、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル、フタル酸モノエステル、ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシアリールスルホン、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホネート、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、レゾルシノール、ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル、ビスフェノールスルホン、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(TG−SA)、ビスフェノールスルホン酸、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、ポリフェノール、サッカリン、4−ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、ベンジル−p−ヒドロキシ安息香酸(ベンザルパラベン)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、p−t−ブチルフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、およびp−ベンジルフェノールを含み得る。
典型的に、活性化剤は、発色組成物全体中に2wt%〜約80wt%含まれる。活性化剤はポリマー活性化剤相中に存在するので、ポリマー活性化剤相が少なくとも部分的に融解状態になりかつ発色剤相がポリマー活性化剤相と融解し合い始めるまでは、通常、活性化剤は大部分がこの相に留まるであろう。換言すれば、ポリマー活性化剤相に活性化剤を含ませることによって、活性化剤は、組成物が加熱されるまでは、実質的に発色剤相から分離状態で保持される。放射吸収体と接触するレーザエネルギーによる加熱で、ポリマー活性化剤相が融解状態となり、発色剤相の粒子がそこに融解する。融解により活性化剤が発色剤と接触し、これにより、発色剤、例えばロイコ染料の色変更が引き起こされる。
ポリマーマトリックスおよび活性化剤に加えて、ポリマー活性化剤相にはその他の任意の成分も存在していてよい。例えば、フルオラン型のロイコ染料(または他の類似の発色剤)を発色剤相中で使用する実施形態において、ポリマー活性化剤相は、前記2相を共に融解した後、すなわち、ロイコ染料がその顕色後の彩色状態である時に、フルオランロイコ染料を安定化させることができる安定化剤を含んでいてよい。具体的には、フルオランロイコ染料の顕色後の彩色状態は、開いたラクトン環を有していてよい。多くのロイコ染料をベースとしたサーモクロミックコーティングで起こり得る画像退色は、非晶質融解後からのロイコ染料の結晶化に関連し得るものである。したがって、非晶質相中の顕色後ロイコ染料を安定化させることができる芳香種によって、ロイコ染料の結晶化を遅らせる/妨げることによる画像の安定化が得られる。顕色後のロイコ染料、すなわち融解後のロイコ染料を安定化させるのに使用できる例示的な芳香安定化剤は、限定されることなく、ステアリン酸亜鉛、ヘキサン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛および酢酸亜鉛のような亜鉛塩と、カルシウムモノブチルフタレートおよびスルホニル尿素の誘導体のようなカルボン酸塩と、ビスフェノールA、スルホニルジフェノール、TG−SAおよびそれらの亜鉛またはカルシウム塩のようなフェノール系化合物とを含む。一般的なガイドラインとして、本発明の発色組成物は、このタイプのまたは別のタイプの安定化剤を約1wt%〜約40wt%含んでいてよい。好ましくは、安定化剤は、全組成物の約2wt%〜約20wt%含まれ得る。
発色剤相
本発明の発色組成物は、上述のポリマー活性化剤相内に分散された発色剤相を含み得る。典型的に、発色剤相は、ポリマーマトリックスに実質的に不溶性であり、室温ではポリマーマトリックスとは区別されもしくは境界で明瞭に分かれて存在し、ポリマーマトリックス中に微細に分散されている。その分散体は、2μm未満の平均粒子サイズを分散体中で達成することができるという条件で、ミキシング(混合)、ローリング(rolling、ロール撹拌)、ミリング(milling、ミル撹拌)等の既知の任意の方法によって製作された発色剤粒子を使用して形成することができる。ほとんどの場合、ポリマーマトリックス全体に発色剤相を均一に分散させることが望ましい。ポリマーマトリックス内で発色剤相を分散させることにより、ロイコ染料と活性化剤材料および/またはその他のエネルギー伝達材料との接触を増大させることができ、この点に関しては、より詳細に以下に議論する。さらに、ポリマーマトリックス中での発色剤相の分散体は、単一組成物、例えばペーストとして形成することができ、その後単一のステップで基板上に被覆することができる。ポリマーマトリックス中に分散されている発色剤相の体積は、使用される発色剤の濃度および種類、ならびに他の多数の要因、例えば所望の顕色速度、顕色される発色剤の所望の色強度等によって著しく変わり得る。しかし、一般的な指針として、ポリマーマトリックス中の発色剤相の体積パーセントは約1%〜約50%であり、約10%〜約30%である場合もある。
本発明の実施形態によれば、発色性相の粒子サイズは、多数の所望の諸性質に関連している。具体的には、ポリマー活性化剤相内で発色剤相を微細分散体、つまり2μm未満として含めることは、より大きな発色剤相粒子を利用する実施形態に優るいくつかの利点を有する。これらの利点は、粒子サイズを減じるにつれますます助長されると考えられる。この認識によれば、好ましい実施形態で、発色剤相の平均粒子サイズは約1.5μm未満、例えば約0.05μm〜約1.5μm、または約0.2μm〜約1.5μmであってよい。別の実施形態では、発色剤相の平均粒子サイズは、約0.05μm〜約1μmであってよく、さらに別の実施形態では、発色剤相の平均粒子サイズは約0.05μm〜約0.7μmである。これらの実施形態の各々において、典型的に、発色剤相は、ポリマー活性化剤中で区別されていて(distinct)かつ実質的に不溶性であり(典型的には室温で)、約90℃〜約350℃の熱が付与されると、ポリマー活性化剤相は少なくとも部分的に融解されて、このポリマー活性化剤相中で発色剤相は少なくとも部分的に融解する。同様の効果は、エネルギー源として光および吸収体を使用するエネルギーの供給によっても観察される。さらに、いくつかの実施形態において、より完全な融解は、画像のコントラストを改善もしくは高め得る。したがって、一実施形態において、ポリマー活性化剤相中での発色剤相の融解を完全にさえするような実質的な完全性が好まれる。
何らかの特定の理論に束縛されることなく、これらの極めて小さい発色剤相の粒子サイズがマーキング感度および/または画像コントラストの改善をもたらす、少なくとも2つの予測される理由がある。第一に、発色剤相の粒子のサイズを減ずることにより、表面積が大きくなり、よって、体積に対する表面積の比も増大する。体積に対する表面積の比が大きいほど、発色剤相の粒子のより迅速な融解ならびに融解された発色剤粒子と融解されたポリマー活性化剤相とのより迅速な混合が促進される。結果として、より速い画像形成が可能となる。さらに、より完全な混合を生じさせることによって、この種の技術に通常用いられる同じ書込み時間またはより速い書込み時間でも、より高いコントラストを達成することもできる。第2の利点は、発色組成物を全体として加熱するのに用いられる放射エネルギーの波長と比較した発色剤相の粒子サイズに関連している。例えば、光ディスクをマーク付けするのに使用される典型的なレーザは、約200nm〜約1200nm、すなわち0.2μm〜約1.2μmの波長である。使用されるレーザの波長に比べておおよそ同程度の大きさもしくはそれ以下である粒子を生成することにより、光の散乱が最小になるかまたは排除される。換言すれば、発色剤相の比較的大きい粒子と放射レーザとの相互作用によって引き起こされる光散乱は、レーザビームの部分反射をもたらし、不必要なエネルギー損失を生じさせる。画像形成放射の波長のやや大きめ(ほぼ同程度の大きさ)からそれを下回るまで粒子サイズを減ずることによって、光散乱および/またはエネルギーを消耗させる反射が軽減されるかまたは排除される。よって、改善された吸収効率を有するコーティングを得ることができ、これは、発色組成物のより高いマーキング感度、いくつかの実施形態におけるより高いコントラスト、およびより高速での画像書込み能に転換される。必須ではないが、1つの詳細な実施形態において、レーザエネルギーの波長は、レーザエネルギーの付与前では、発色剤相の粒子サイズ以上である。別の実施形態において、レーザエネルギーの付与以前の発色剤相の粒子サイズは、(波長に対する平均粒子サイズに基づいて)レーザエネルギーの波長の2倍以下である。
発色剤相は様々な材料を含み得るが、少なくとも1つの発色剤を含んでいなければならない。例示的な発色剤は、ロイコ染料、光発色性(フォトクロミック)染料等を含む。フルオランロイコ染料は、本発明の実施形態によれば特に実用的であることが示されているが、他のロイコ染料も使用することができる。本発明の1つの様相において、このロイコ染料は、フルオラン、フタリド、アミノトリアリールメタンまたはそれらの混合物であってよい。つまり、本明細書で議論された顕色基準が満たされるのであれば、任意のほとんどの公知の発色性染料が使用可能である。適切なロイコ染料は、限定されることなく、フルオラン、フタリド、アミノトリアリールメタン、アミノキサンテン、アミノチオキサンテン、アミノ−9、10−ジヒドロ−アクリジン、アミノフェノキサジン、アミノフェノチアジン、アミノジヒドロフェナジン、アミノジフェニルメタン、アミノヒドロケイ皮酸(シアノエタン、ロイコメチン)および対応するエステル、2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、インダノン、ロイコインダミン、ヒドロジン、ロイコインジゴイド染料、アミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン、テトラハロ−p,p’−ビフェノール、2(p−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、フェネチルアニリン、フタロシアニン前駆体(例えばSitaram Chemicals, Indiaから入手可能なもの)、ならびにこれらの混合物を含む。
上述のように、フルオラン型ロイコ染料は、本発明の発色組成物中への混合に極めて有用であることが分かっている。適切なフルオラン型ロイコ染料のいくつかの非限定例は、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(n−エチル−n−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、1(3H)−イソベンゾフラノン、4,5,6,7−テトラクロロ−3、3−ビス[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン(Nagase Co.,Ltdから入手可能なS−205)、およびこれらの混合物を含む。アミノトリアリールメタンロイコ染料も本発明に用いることができ、それらには、例えば、トリス(N、N−ジメチルアミノフェニル)メタン(LCV)、ジュウテロ(重水素化)−トリス(N、N−ジメチルアミノフェニル)メタン(D−LCV)、トリス(N、N−ジエチルアミノフェニル)メタン(LECV)、ジュウテロ−トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン(D−LECV)、トリス(N、N−ジ−n−プロピルアミノフェニル)メタン(LPCV)、トリス(N、N−ジン−ブチルアミノフェニル)メタン(LBCV)、ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−(4−ジエチルアミノ−2−メチル−フェニル)メタン(LV−1)、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−(4−ジエチルアミノ−フェニル)メタン(LV−2)、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン(LV−3)、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)(3,4−ジメトキシフェニル)メタン(LB−8)、アミノ部分に結合された異なるアルキル置換基を有しかつ各アルキル基がC〜Cアルキルから独立に選択されるアミノトリアリールメタンロイコ染料、アリール環上で1つ以上のアルキル基でさらに置換されている前出の任意の構造を有しかつ後者のアルキル基がC〜Cアルキルから独立に選択されるアミノトリアリールメタンロイコ染料を含む。その他の発色剤も本発明に関連して使用することができ、当業者に周知である。これらのロイコ染料のいくつかのタイプについてのより詳細な議論は、米国特許第3,658,543号および第6,251,571号に見出すことができ、これらの文献はそれぞれ全体として、参照により本願に組み込まれている。その例は、Chemistry and Applications of Leuco Dyes; Muthyala,Ramaiha,ed. ;Plenum Press, New York, London; ISBN:0-306-45459-9に見出され、これも参照により本願に組み込まれる。
典型的に、ロイコ染料は、本発明の発色組成物中に約1wt%〜約40wt%存在していてよい。この範囲を越える量も良好に使用できるが、組成物のその他の成分に依存して、約5wt%〜約20wt%の量もが適切なな結果をもたらすことが多い。
顕色時間を短縮しかつ付与される放射源に対する感度を上げるために、発色剤相はさらに、融解補助剤を含んでいてよい。適切な融解補助剤は、約50℃〜約150℃、およびしばしば約70℃〜約120℃の融解温度を有していてよい。融解補助剤は、典型的には、特定の発色剤と共に融解できかつこれと混合できる結晶性有機固形物である。例えば、発色剤もそのほとんどが、標準的な液体溶媒に可溶な固体微粒子として得られる。よって、発色剤および融解補助剤を混合して加熱して、融解混合物を形成することができる。冷却すると、発色剤および融解補助剤の発色剤相が形成され、次にそれを粉末に粉砕することができる。本発明のいくつかの実施形態において、発色剤と融解補助剤との割合は、ロイコ染料の顕色特性を妨げることなく発色剤相の融解温度を最小にするよう調節することができる。使用時、融解補助剤は、発色剤相の約2wt%〜約25wt%を含み得る。
本発明の発色組成物では、多数の融解補助剤を効果的に使用することができる。適切な融解補助剤の非限定例は、m−テルフェニル、p−ベンジルビフェニル、α−ナフチルベンジルエーテル、1,2−ビス(3,4)ジメチルフェニルエタンおよびこれらの混合物を含む。適切な融解補助剤は、本発明の調合および方法で使用されるロイコ染料および放射吸収体に対して十分な溶剤特性をもたらす芳香族炭化水素(またはそれらの誘導体)を含んでいてよい。発色剤および放射吸収体を溶解させることに加えて、融解補助剤も、発色剤の融解温度を下げるのを助け、非晶質状態中の発色剤相を安定させる(または発色剤相が個々の化合物へ再結晶化することを少なくとも減速する)ことができる。一般に、発色剤に対する高い溶解性および/または混和性を有していて、染料と共にガラス相または共結晶性相を形成し、かつ染料の融解特性を変える材料はどれもこのプロセスで有用である。例えば、芳香族炭化水素、フェノール系エーテル、芳香族酸エステル、長鎖(C6以上)脂肪酸エステル、ポリエチレンワックス等も適切な融解補助剤であり得る。
限定されることなく、安定化剤、抗酸化剤、非ロイコ着色剤、放射吸収体等のような追加の材料も発色剤相に含有させることができる。
放射吸収体
本発明の発色組成物に放射吸収体を含有させることもできる。放射吸収体は、典型的に、予め定められた曝露時間、エネルギーレベル、波長等で放射に曝されると発色組成物の顕色を最適化するのに使用可能な成分として存在させる。放射吸収体はエネルギーアンテナ(energy antenna)として作用し、エネルギー源と相互作用する時に周囲領域へエネルギーを供給することができる。放射吸収体によって所定量のエネルギーが与えられると、使用される特定の吸収体に対する放射波長および強度の整合が実行され、その系を最適化することができる。系の最適は、発色組成物の諸成分を選択するプロセスを含み、これにより、特定の電力での放射に対する一定時間の曝露下で急速に顕色可能な組成物が得られる。例えば、本発明の組成物は、所定のレーザエネルギーの波長、例えば405nm、650nm、780nm、980nmまたは1084nmで使用する顕色のために最適化することができ、この場合、放射に曝された発色組成物は、所定時間以内、例えば100μ秒以内で顕色する。しかし、「最適化された」とは、必ずしも、発色組成物が特定波長で最急速に顕色されることを示さず、組成物が所与の放射源を使って特定の時間枠内で顕色できることを示す。最適化された組成物は、長時間、すなわち数ヶ月から数年を上回る周囲光安定性も示し得る。よって、最適化された組成物は、顕色特性および安定性への影響に関して言えば、発色組成物の成分全てを合せることによって得られる。本発明の発色組成物の調合について説明すれば、各成分が顕色特性、例えば時間、色強度等に影響し得るので、最適化された組成物は様々な要因に依存していてよい。例えば、約780nmの最大吸収で放射アンテナを有する発色組成物は、780nmで最も急速に顕色する訳ではない。他の成分および特定の調合物が、放射アンテナの最大吸収に対応しない波長で最適となる組成物をもたらし得る。したがって、最適化された発色組成物を調合するプロセスは、エネルギーの特定の強度および波長を用いて許容可能な色変化を生成する所望の顕色時間を達成するための試験調合を含むことがある。
放射吸収体は、本発明の発色剤と熱伝導の関係を有するよう構成することができる。例えば、放射吸収体は、発色剤相、ポリマーマトリックスおよび/または分離層内に含まれていてよい。よって、放射吸収体は、発色組成物と混合されるかまたは熱接触状態となっていてよい。典型的に、放射吸収体は、発色剤相およびポリマー活性化剤相の両方に存在していてよい。このようにして、曝露領域にある実質的に全ての発色組成物が、急速かつ実質的に同時的に加熱され得る。あるいは、放射吸収体は、例えば、分離層として塗布することができ、この層は、任意に、スピンコーティングまたはスクリーン印刷可能であってよい。可視範囲で吸収されたいかなる光も、顕色の前または後で発色組成物のグラフィック表示または外観に悪影響を及ぼさないように、放射吸収体を選択することも考えられている。
適切な放射アンテナは、限定されることなく、アルミニウムキノリン錯体、ポルフィリン、ポルフィン、インドシアニン染料、フェノキサジン誘導体、フタロシアニン染料、ポリメチルインドリウム染料、ポリメチン染料、グアイアズレニル染料、クロコニウム染料、ポリメチンインドリウム染料、金属錯体IR染料、シアニン染料、スクアリリウム染料、カルコゲノピリロアリーリデン染料、インドリジン染料、ピリリウム染料、キノイド染料、キノン染料、アゾ染料およびそれらの混合物または誘導体のような多数の放射吸収体から選択することができる。その他の適切なアンテナも本発明に使用することができ、当業者にも知られており、「Infrared Absorbing Dyes」, Matsuoka, Masaru,ed., Plenum Press, New York, 1990(ISBN 0-306-43478-4)および「Near-infrared Dyes for High Technology Applications」, Daehne, Resch-Genger, Wolfbeis, Kluwer Academic Publishers(ISBN 0-7923-5101-0)に見出され、これらは参照により本願に組み込まれている。
可視範囲で吸収されたいかなる光もが顕色の前後のいずれかで発色組成物のグラフィック表示または外観に悪影響を及ぼさないように、放射アンテナを選択することにも考えられる。例えば、コーティングの顕色領域と非画像化または非顕色領域との間の可視コントラストを達成するために、発色剤は、背景とは異なる色を生成するように選択することができる。例えば、ブラック、ブルー、レッド、マゼンタ等の顕色の色を有する発色剤は、より黄色の背景に対して良好なコントラストを提供し得る。任意に、他の非発色剤の着色剤を、本発明の発色組成物に、または発色組成物が上に配置される基板に加えることができる。所与の市販製品に向くほとんどの任意の所望の背景を得るのに、公知のあらゆる非発色剤の着色剤を使用することができる。ここで議論される具体的な発色剤およびアンテナは、通常、別個の化合物ではあるが、前述のような活性は、発色剤の活性化および/または放射吸収作用に組み入れられるバインダーおよび/または発色剤の成分群によっても得ることができる。これらのタイプの発色剤/放射吸収体も本発明の範囲内にあるものと考えられる。
種々の放射アンテナは、特定の波長および範囲の電磁放射を吸収するためにアンテナとして作用し得る。一般に、所望の顕色波長でまたはその近辺で最大の光吸収を示す放射アンテナが、本発明での使用に適していてよい。例えば、本発明の一様相において、発色組成物は、一実施形態では約720nm〜約900nmの波長を有する赤外放射を用いる顕色の範囲内で最適化することができる。一般的なCD焼付けレーザは、約780nmの波長を有していて、発色組成物の部分を選択的に顕色することによる画像形成に適用することができる。赤外範囲での使用に適切であり得る放射アンテナは、限定されることなく、ポリメチルインドリウム、金属錯体IR染料、インドシアニングリーン、ポリメチン染料、例えばピリミジントリオンシクロペンチリデン、グアイアズレニル染料、クロコニウム染料、シアニン染料、スクアリリウム染料、カルコゲノピリロアリーリデン染料、金属チオレート錯体染料、ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料、オキシインドリジン染料、ビス(アミノアリール)ポリメチン染料、インドリジン染料、ピリリウム染料、キノイド染料、キノン染料、フタロシアニン染料、ナフタロシアニン染料、アゾ染料、六官能性ポリエステルオリゴマー、ヘテロ環式化合物およびこれらの組合せを含み得る。
使用し得るいくつかの具体的なポリメチルインドリウム化合物は、Aldrich Chemical Companyから市販されており、2[2−[2−クロロ−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム過塩素酸塩、2[2−[2−クロロ−3−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロペンテン−1−イル−エテニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム塩化物塩、2[2−[2−クロロ−3−[2−(1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−プロピル−2H−インドール−2−イリデン)−エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]−エテニル]−3,3−ジメチル−1−プロピルインドリウムヨウ化物塩、2[2−[2−クロロ−3−[(1,3−ジヒドロ−1、3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−1、3,3−トリメチルインドリウムヨウ化物塩、2[2−[2−クロロ−3−[(1,3−ジヒドロ−1、3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−1、3,3−トリメチルインドリウム過塩素酸塩、2[2−[3−[(1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−プロピル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−2−(フェニルチオ)−1−シクロヘキセン−1−イル]エテニル]−3,3−ジメチル−1−プロピルインドリウム過塩素酸塩、ならびにこれらの混合物を含む。あるいは、放射アンテナは、無機化合物、例えば酸化鉄、カーボンブラック、セレン等であってよい。ポリメチン染料またはその誘導体、例えばピリミジントリオンシクロペンチリデン、スクアリリウム染料、例えばグアイアズレニル染料、クロコニウム染料、またはその混合物も本発明で使用することができる。適切なピリミジントリオンシクロペンチリデン赤外アンテナは、例えば、2,4.6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン5−[2,5−ビス[(1,3−ジヒドロ−1、1,3−ジメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]シクロペンチリデン]−1,3−ジメチル−(9Cl)(Few Chemicals, Germanyから入手可能なS0322)を含む。
本発明の別の様相において、放射アンテナは、約600nm〜約720nmの波長範囲で、例えば約650nmで発色組成物の最適化ができるように選択することができる。この波長範囲の使用に適した放射アンテナの非限定例は、インドシアニン染料、例えば、3H−インドリウム,2−[5−(1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−プロピル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ペンタジエニル]−3,3−ジメチル−1−プロピル−ヨウ化物(Dye724 λmax642nm)、3H−インドリウム,1−ブチル−2−[5−(1−ブチル−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ペンタジエニル]−3,3−ジメチル−過塩素酸塩(Dye683 λmax642nm)、およびフェノキサジン誘導体、例えば、フェノキサジン−5−イウム,3,7−ビス(ジエチルアミノ)−過塩素酸塩(オキサジン1 λmax645nm)を含み得る。おおよそ所望の顕色波長のλmaxを有するフタロシアニン染料も使用することができ、例えば、ケイ素2,3−ナフタロシアニン ビス(トリヘキシルシリルオキシド)および2,3−ナフタロシアニンのマトリックス可溶性の誘導体(共にAldrich Chemicalから市販)、ケイ素フタロシアニンのマトリックス可溶性の誘導体(Rodgers, A. J. et al., 107 J. Phys. Chem. A 3503-3514, May 8, 2003に記載)、およびベンゾフタロシアニンのマトリックス可溶性の誘導体(Aoudia, Mohamed, 119 J. Am. Chem. Soc. 6029-6039, July 2, 1997に記載)、米国特許第6,015,896号および第6,025,486号(参考により本願に組み込まれる)に記載のようなフタロシアニン化合物、Cirrus715(Avecia, Manchester, Englandから市販のλmax=806nmを有するフタロシアニン染料)がある。
本発明のさらに別の様相では、発色組成物を顕色させるのに、約300nm〜約600nmのブルーおよびインジゴ波長を有するレーザ光を使用することができる。よって、本発明は、この範囲内の波長を放出する装置で使用される範囲内で最適化される発色組成物を提供できる。特定のDVDおよびレーザーディスク記録装置で用いられている最近開発された市販のレーザは、約405nmの波長のエネルギー供給する。したがって、適切な放射アンテナを使用する本発明の組成物は、既に市場に出回っているかまたは画像形成を達成するべく容易に改良される要素と共に使用するのに適している。ブルー(〜405nm)およびインジゴ波長での最適化に有用となり得る放射アンテナは、限定されることなく、アルミニウムキノリン錯体、ポルフィリン、ポルフィンおよびこれらの混合物または誘導体を含み得る。適切な放射アンテナの非限定の具体的例は、1−(2−クロロ−5−スルホフェニル)−3−メチル−4−(4−スルホフェニル)アゾ−2−ピラゾリン−5−オン二ナトリウム塩(λmax=400nm)、エチル−7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボン酸塩(λmax=418nm)、3,3’−ジエチルチアシアニンエチルスルフェート(λmax=424nm)、3−アリル−5−(3−エチル−4−メチル−2−チアゾリニリデン)ローダミン(λmax=430nm)(それぞれOrganica Feinchemie GmbH Wolfenから入手可能)、およびそれらの混合物を含み得る。適切なアルミニウムキノリン錯体の非限定の具体例は、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(CAS2085−33−8)およびトリス(5−クロロ−8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(CAS4154−66−1)のような誘導体、2−(4−(1−メチル−エチル)−フェニル)−6−フェニル−4H−チオピラン−4−イリデン)−プロパンジニトリル−1,1−ジオキシド(CAS174493−15−3)、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1,3,4−オキサジアゾール−5,2−ジイル)]ビスN,N−ジフェニルベンゼンアミン(CAS184101−38−0)、ビス−テトラエチルアンモニウム−ビス(1,2−ジシアノ−ジチオルト)−亜鉛(II)(CAS21312−70−9)、2−(4,5−ジヒドロナフト[1,2−d]−1,3−ジチオール−2−イリデン)−4,5−ジヒドロ−ナフトール[1,2−d]1,3−ジチオールを含むことができ、これらは全てSyntec GmbHから入手できる。具体的なポルフィリンおよびポルフィリン誘導体の非限定例は、エチオポルフィリン1(CAS448−71−5)、ジュウテロポルフィリンIX 2,4ビスエチレングリコール(D630−9)(Frontier Scientificから入手可能)、およびオクタエチルポルフィリン(CAS2683−82−1)、モルダントオレンジ(CAS2243−76−7)、メチルイエロー(CAS60−11−7)、4−フェニルアゾアニリン(CAS60−09−3)、アルシアンイエロー(CAS61968−76−1)のようなアゾ染料(Aldrich chemical社から入手可能)およびそれらの混合物を含み得る。
これらの実施形態の各々において、一般的に、放射吸収体は、発色性調合物中に全体として約0.001wt%〜約10wt%、そして、典型的には約0.5wt%〜約1wt%含まれ得るが、特定の放射吸収体のモル吸光係数に応じてその他の重量範囲も望ましいことがある。
その他の任意成分
本発明の発色組成物は、着色剤、液体ビヒクル、安定化剤、抗退色剤、可塑剤および当業者に周知の他の添加物といった様々な追加成分も含むことができる。
例えば、一実施形態において、還元剤を含めることが望ましいことがある。使用し得る具体的な還元剤活性化剤は、1−フェニル−3−ピロゾリドン(フェニドン)、ヒドラジン、ホルムアミド、ギ酸、ヘキサアリールビイミダゾール(HABI)、アスコルビン酸、フェノールおよび置換フェノール、例えば、ヒドロキノン、およびそれらの混合物を含む。
本発明の特定の実施形態において、コーティングのフレキシビリティ(たわみ性)、耐久性およびコーティング性能を改善するために可塑剤の添加が望まれることがある。可塑剤は、固体または液体の可塑剤であってよい。そのような適切な可塑剤は、米国特許第3,658,543号(参照により本願に組み込まれる)に例示されているように当業者に周知である。可塑剤の具体例は、限定されることなく、セルロースエステル、例えばo−フェニルフェノールエチレンオキシド付加物(E. I. Du Pont de Nemours & Co., Wilmington, DEからMERPOL2660として市販されている)、ポリエチレングリコールおよび置換フェノールエチレンオキシド付加物、例えばノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)−エタノール(Aldrich Chemical Co.からIGEPAL CO 210として市販されている)、アセテート、ブチレート、セルロースアセテートブチレート、およびこれらの混合物を含む。可塑剤は、ポリマーマトリックスおよび発色剤相のいずれかまたは両方に含まれていてよい。
特定の市販品を製造するのにその他の添加物も利用することができ、例えば、画像に所望の追加色を付与するために着色剤を含有させる。一実施形態において、このような着色剤は、背景色を与えることができる非発色剤であってよい。一実施形態において、任意の着色剤は、標準の顔料および/または染料であってよい。例えば、乳白剤顔料またはその他の着色剤の利用により、基板に背景色を与えることができる。任意の着色剤は、その存在によって発色剤の少なくともいくらかの顕色を妨げられない限り、発色組成物に添加し、下刷りしまたは上刷りすることができる。
別の実施形態において、発色組成物は、実質的に透明または半透明である溶液に作ることができる。特定の発色剤、ポリマーマトリックスおよび/または使用のために選択された他の成分と和合性のある適当な任意の液体キャリア、例えば、界面活性剤を含むアルコールを用いることができる。液体キャリアは、限定されることなく、溶媒、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールまたはその他のアルコールおよびジオール類、水、界面活性剤、ならびにこれらの混合物を含み得る。発色組成物が溶液の形態で作製される場合、彩色コーティングを、基板の少なくとも一部分の上に、発色組成物の下に下刷りするのが望ましいことがある。任意のカラー(彩色された)コーティングは、溶液層の下側に目に見え得る背景色を生ずる。この彩色コーティングは、その他の顔料および/または染料のような様々な着色剤を含んでいてよい。
本発明の一実施形態では、発色組成物を基板に塗布することができる。この組成物は、スピンコーティング、スクリーン印刷、スパッタリング、噴霧コーティング、インクジェット等のような任意の既知技術を用いて基板に塗布することができる。ポリマー、紙、金属、ガラス、セラミックおよびそれらの組合せまたは複合のような様々な基板を使用することができる。一実施形態では、発色組成物は、光ディスクに塗布することができ、よって、その選択部分がレーザまたはその他の放射源を用いて続いて顕色され得る。適切なコーティング厚は、約1μm〜約15μmであってよい。
発色組成物は、基板への塗布に使われる多数の方法で作製することができる。大抵、液体キャリアを使用し、公知の溶媒除去プロセスによって少なくとも部分的に除去することができる。典型的に、液体キャリアの少なくとも一部分が、コーティングプロセス完了後に追い払われるかまたは蒸発させられている場合もある。あるいは、いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックスをキャリアとして使用できるので、液体キャリアを使用する必要がない。さらに、潤滑剤、界面活性剤、および耐湿性を付与する材料といった様々な追加成分を添加して、発色組成物に機械的保護を提供することもできる。その他のオーバーコート組成物も使用でき、これは、当業者に周知である。
本発明の一様相において、発色組成物は、スピンコーティングまたはスクリーン印刷可能であってよい。望ましい発色性特性およびスピンコーティング性をもたらすために、粘度および固体含量といった種々の因子も考慮され得る。本発明の発色組成物は、約10wt%未満の固体を含むことができ、この割合は、典型的に良好なコーティング特性を与える。例えば、一様相において、スピンコーティング可能な発色組成物の固体含量は、約5wt%〜約9wt%であってよい。
顕色のための放射付与
発色組成物を基板に塗布すると、本発明の発色組成物が顕色する条件が変わり得る。例えば、電磁放射波長、熱流束および曝露時間が変わり得る。付与されるエネルギー量は、選択される発色剤および特定の放射吸収体の顕色反応の活性化エネルギーに部分的に依存する。しかし、付与されるエネルギーは、典型的には、発色剤を顕色させるのに十分なものであり、発色組成物を化学的に分解させるかまたは基板を損傷させることもない。そのようなエネルギーレベルは、典型的に、発色組成物の分解に要するエネルギーを十分下回る。スポットサイズ、焦点およびレーザ出力といった変数も、特定の任意のシステム設計に影響し、これらを、所望する結果に基づいて選択することができる。その後、所定の値に設定されたこれらの変数により、信号プロセッサから受信されたデータに従って、放射源は、その電磁照射を発色組成物に向けることができる。さらに、発色剤および/または放射吸収体の濃度および相互の近接も、顕色時間および顕色画像の光学濃度に作用するように変えることができる。
通常、表面に形成される画像は、デジタル式に格納され、ラスター化またはスパイラル化することができる。得られたデータは放射源に伝えられ、光ディスクがスピン運動している間、発色組成物の一部が放射に曝される。前述のように、任意の数の電磁放射源を使用することができる。
本発明の発色組成物は、約15mW〜約100mWの出力消費を有するレーザを使って顕色させることができるが、この範囲外の出力を有するレーザも使用することができる。典型的には、約30mW〜約50mWの出力消費を有するレーザは、市場で容易に入手でき、ここに記述された発色組成物を使って十分に機能する。レーザによって生成されるスポットサイズは、結局は単一点で基板と接触する放射によって決定され得る。スポットサイズは、円形、長方形またはその他の形状であってよく、最大寸法で約1μm〜約200μm、多くの場合約5μm〜約60μmの範囲であるが、それより小さいかまたは大きいサイズも用いることができる。さらに別の様相において、垂直の長径および短径にわたり測定して5〜25μm×50μmのスポットサイズは、解像度と顕色速度との間で良好な釣り合いを提供し得る。
熱流束もまた可変の変数であり、一実施形態で約0.05J/cm〜約5.0J/cm、第2の実施形態で約0.3J/cm〜約0.5J/cmであってよい。一般に、約0.5J/cm未満の熱流束も使用できる。本発明の発色組成物は、放射吸収体、発色剤およびポリマーマトリックスの濃度およびタイプを調節することによって、最適化することができる。上記範囲にある熱流束は、いくつかの実施形態において、ドット当り約15μ秒〜約1m秒での最適化組成物中の発色剤の顕色を可能にする。前述のように、発色剤相の粒子サイズが小さいことが1つの理由となり、この組成物の感度が改善され、これが、より速い画像書込みを助成する。したがって、本発明の発色組成物は、一実施形態では約200μ秒以内で、いくつかの実施形態では約50μ秒以内で顕色できるように最適化することができる。本発明の実施形態によれば、実用的な顕色時間の例示的な範囲は、約15μ秒〜約200μ秒である。当業者は、以上のおよびその他の変数を調節して、様々な解像度および顕色時間を得ることができる。
基板が光ディスクであるかまたはその他の可動の基板である実施形態において、曝露時間は、その基板の移動速度に依存するであろう。より具体的には、そのような実施形態では、上記の曝露時間は、基板上の一点が放射に曝される間の時間を意味する。例えば、回転方向に沿った50μmのスポットサイズは、一端部でスタートして対向する端部まで進むスポットにわたって進む、基板上の単一点となるであろう。よって、全曝露時間は、放射が、基板もしくは発色組成物上の特定の点と接触する平均時間である。
発色組成物にエネルギーを与えるために任意のレーザを使用できる。現在、多くのレーザのタイプが知られている。特に有益なものは、光ディスクの読込みおよび/または書込みデバイス中に組み込むことのできる市販品、特に200nm〜1200nmの波長範囲のものを含む。しかし、本発明の実施形態によれば、この範囲外の波長も包含される。使用可能な例示的なレーザのタイプは、クリプトン−フッ化物エキシマ(レーザ)(249nm)、キセノン−塩化物エキシマ(308nm)、窒素ガス(337nm)、溶液中の有機染料(300nm〜1000nm、調整可能)、クリプトンイオン(335nm〜800nm)、アルゴンイオン(450nm〜530nm)、ヘリウムネオン(543nm、632.8nmおよび1150nm)、半導体GaInP系(670nm〜680nm)、ルビー(694nm)、半導体GaAlAs系(750nm〜900nm)、ネオジウムYAG(1064nm)、半導体InGaAsP系(1300nm〜1600nm)、水素−フッ化物化学(2600nm〜3000nm)等を含む。上記に加えて、例えば、375nm、405nm、408nm、440nm、635nm、638nm、650nm、660nm、670nm、685nm、780nm、785nm、810nm、830nm、850nm、980nm、1084nm、1310nmおよび1550nmの波長を有するこれらのおよびその他の市販レーザも利用できる。レーザのエネルギーが本発明の実施形態による発色組成物に対して作動できるのであれば、上記のレーザタイプ等は、本発明の実施形態により使用できる。
実施例
以下の実施例は、本発明の例証となる実施形態を説明するものである。しかし、以下の説明は、本発明の原理の応用の単なる例示または説明にすぎないことを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱しなければ、多数の修正および代替の組成物、方法およびシステムが、当業者によって案出可能である。添付の請求の範囲は、前述の修正および配置構成を網羅する。特定のものに関して本発明を上述したが、以下の実施例は、本発明の実用的な実施形態であると現在考えられていることに関連してさらなる詳細を提供するものである。
実施例1
a)発色剤相のための発色剤粒子(不連続相)の調製
約10gのm−ターフェニル(加速剤)をビーカー中で融解させ、その融解物を約110℃まで加熱した。その融解物に、BK400約100gを、絶えず撹拌しながら少しずつ増加させて添加した。添加したBK400は、Nagase Corporationから入手可能なロイコ染料(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン)である。その構造を式1として下に示す。
Figure 2008526562
その混合物の温度を約170℃〜180℃まで上げた。BK400が融解物中に完全に溶解するまで(通常、約10〜15分掛かる)撹拌を続け、加速剤/ロイコ染料の溶液が形成された。次に、その融解物に、Cirrus−715(放射吸収体のIR染料)約1.8gを絶えず撹拌しながら添加した。Cirrus−715が融解物中で完全に溶解して、ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイ(共晶)を生成するまで、加熱および撹拌をさらに約2〜3分続けた。ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイの温度を約190℃以下に維持し、次いで、予備冷却されたアルミニウム箔内張りの冷凍機トレー中へ注ぎ入れた。凝固した融解物を粉砕して粗い粉末にし、粉砕されたアロイの体積加重平均粒子サイズが約1.5μm未満になり、その後に発色剤相となる発色剤粒子が得られるまでジェットミルによる粉砕を行った。
b)ポリマー活性化剤相(連続相)の調製
m−ターフェニル約50gをビーカー中で融解させた。次いで、融解したm−ターフェニルに、Cirrus−715(放射吸収体であるIR染料)約50gを溶解させ、その間、融解物の温度を約150℃〜160℃まで上げた。得られたm−ターフェニル/Cirrus−715アロイを冷却し、粗い粉末に粉砕した。次に、4−ヒドロキシフェニル−4’−イソプロポキシフェニルスルホン(活性化剤)約8gと、m−ターフェニル/Cirrus−715アロイ1.7gと、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(一次活性化剤)約3.7gとを、Nor−Cote CDG000 UV−ラッカー(UV−硬化性アクリレートのモノマーおよびオリゴマーの混合物またはパケット(packet))49gに溶解させて、ラッカー/アンテナ/活性化剤溶液すなわちポリマー活性化剤相を形成した。
c)発色組成物(微細分散体)の調製
(a)微細に粉砕された発色剤粒子約31を、(b)ポリマー加速剤相約60gと混合することにより、UV−硬化性ペーストを調製した。このペーストを約6μm〜約8μmの厚さで基板上へスクリーン印刷して、画像形成コーティングを含む画像形成媒体を形成した。この画像形成コーティングを、水銀ランプによりUV硬化させた。UV硬化結像コーティング上への直接的なマーキングを、約780nmの波長を有する45mWレーザを用いて実施した。約20μm×45μmのマークを、約30μ秒〜約150μ秒の様々なエネルギー付与時間を使って生成させた。適切なエネルギーが付与されると、画像形成コーティングの発色組成物は、緑がかった透明な外観から黒色に色変化した。
実施例2
a)発色剤相のための発色剤粒子(不連続相)の調製
m−テルフェニル(加速剤)約10gをビーカー中で融解させ、その融解物を約110℃まで加熱した。融解物に、BK400約100gを絶えず撹拌しながら少しずつ増加させて添加した。添加したBK400は、Nagase Corporationから入手可能なロイコ染料(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン)であり、その構造は上記の式1に挙げている。次いで、その混合物の温度を約170℃〜180℃まで上げた。融解物中のBK400の完全な溶解(通常、約10〜15分掛かる)が達成されて加速剤/ロイコ染料の溶液融解物が形成されるまで撹拌を継続した。次に、その融解物に、IR780−ヨウ化物(放射吸収体であるIR染料)約1.2gを絶えず撹拌しながら添加した。IR780−ヨウ化物は、3H−インドリニウム,2−[2−クロロ−3−[91,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1−プロピル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−1−シクロヘキセン−1イル]エチリデン]−3,3−ジメチル−1−プロピル−,ヨウ化物(9Cl)としても知られ、以下の式2で示される。
Figure 2008526562
IR染料が融解物中で完全に溶解されてロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイ(共晶)を生成するまで、加熱および撹拌をさらに約2〜3分続けた。ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイの温度を約190℃以下に維持した。次いで、ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイを、予備冷却されたアルミニウム箔内張りの冷凍機トレーの中へ注ぎ入れた。凝固した融解物を粉砕して粗い粉末にし、予粉砕された粉末は、1mmジルコニアビーズを含むNetzschのMini-Zetaビーズミルを用いて水性分散物(固体〜15%)中で粉砕した。平均粒子直径が約0.9μm〜約1.0μmの値まで低減した時、ミル破砕操作を停止した。スラリー中の粒子を集め、凍結乾燥させ、その後に発色剤相を形成する発色剤粒子を得た。
b)ポリマー活性化剤相(連続相)の調製
m−テルフェニル約50gをビーカー中で融解させた。次いで、Cirrus−715(放射吸収体のIR染料)約50gを融解したm−テルフェニルに溶解させ、その間、融解物の温度を約150℃〜160℃まで上げた。得られたm−テルフェニル/Cirrus−715アロイを冷却し、粉砕して粗い粉末とした。次に、4−ヒドロキシフェニル−4’−イソプロポキシフェニルスルホン(活性化剤)約8gと、m−テルフェニル/Cirrus−715アロイ1.7gと、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(一次活性化剤)約3.7gを、Nor−Cote CDG000 UV−ラッカー(UV−硬化性アクリレートのモノマーおよびオリゴマーの混合物またはパケット)49gに溶解させて、ラッカー/アンテナ/活性化剤溶液すなわちポリマー活性化剤相を形成した。
c)発色組成物(微細分散物)の調製
(a)微細に粉砕された発色剤粒子約31を、(b)ポリマー加速剤相約60gと混ぜ合わせることによりUV−硬化性ペーストを調製した。このペーストを約6μm〜約8μmの厚さで基板上へスクリーン印刷して、画像形成コーティングを含む画像形成媒体を形成した。その媒体上のコーティングを水銀ランプでUV硬化させた。得られるコーティングは、乳白色の半透明の外観を持っていた。UV硬化画像形成コーティング上の直接的なマーキングは、約780nmの波長を有する45mWレーザーを使って実施した。約20μm×45μmのマークを、約25μ秒〜約130μ秒の様々なエネルギー付与時間を使って生成した。適当なエネルギーを付与されると、画像形成コーティングの発色組成物は緑がかった透明な外観から黒色に色が変化した。
実施例3
a)発色剤相に使われる発色剤粒子(不連続相)の調製
m−テルフェニル(加速剤)約10gをビーカー中で融解させ、その融解物を約110℃まで加熱した。その融解物に、BK400約100gを、少しずつ増分させて絶えず撹拌して添加した。添加されたBK400は、Nagase Corporationから入手可能なロイコ染料(2’−アニリノ−3’−メチル−6’−(ジブチルアミノ)フルオラン)であり、その構造は上記の式1に示す。その混合物の温度を約170℃〜180℃まで上昇させた。融解物中のBK400の完全な溶解(通常、約10〜15分掛かる)が達成されて加速剤/ロイコ染料の溶液融解物が形成されるまで撹拌を継続した。次に、その融解物に、Cirrus−715(放射吸収体のIR染料)約1.8gを、絶えず撹拌しながら加えた。Cirrus−715が融解物中で完全に溶解され、ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイ(共晶)を生成するまで、加熱と撹拌をさらに約2〜3分続けた。ロイコ染料/アンテナ/加速剤アロイの温度を約190℃以下に維持し、次いで、予備冷却されたアルミニウム箔内張りの冷凍機トレーの中へ注いだ。凝固した融解物を粉砕して粗い粉末にし、次いで、粉砕されたアロイの体積加重平均粒子サイズが約1.5μm未満になるまで、ジェットミルにより粉砕した。次に、この予備粉砕された粉末をさらに、1mmジルコニアビーズを含むNetzsch Mini-Zetaビーズミルを使って水性分散物(〜15%固体)に粉砕した。平均粒子直径が約0.9μm約〜約1.0μmの値まで低減したとき、ミル操作を停止した。生成するスラリーを、次いで、平均粒子サイズが約0.2μm〜約0.3μmに低減されるまでタングステンカーバイド0.1mmビーズを使用するNetzsch Mini-Zetaビーズミルで粉砕した。最終的に発色剤相となる発色剤粒子を含有する生成スラリーを集め、凍結乾燥した。
b)ポリマー活性化剤相(連続相)の調製
4−ヒドロキシフェニル−4’−イソプロポキシフェニルスルホン 約87gの活性化剤をビーカー中で融解させた。次いで、IR780−ヨウ化物(化式2に示された放射吸収体のIR染料)約13gを、融解された活性化剤に溶解させ、その間、融解物の温度を約150℃〜160℃まで上げた。得られた活性化剤/放射吸収体アロイを冷却し粗い粉末に粉砕した。次に、活性化剤/放射吸収体アロイの粉末約7gと4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(一次活性化剤)約3.7gを、Nor-Cote CDG000 UV−ラッカー(UV−硬化性アクリレートのモノマーおよびオリゴマーの混合物またはパケット)49gに溶解させて、ラッカー/アンテナ/活性化剤溶液すなわちポリマー活性化剤相を形成した。
c)発色組成物(微細分散物)の調製
(a)微細に粉砕された発色剤粒子約31を、(b)ポリマー加速剤相約60gと混ぜ合わせることによりUV−硬化性ペーストを作製した。当該ペーストを約6μm〜約8μmの厚さで基板上へスクリーン印刷して画像形成コーティングを含む画像形成媒体を形成した。その媒体上のコーティングを水銀ランプでUV硬化させた。得られたコーティングは、感知し得る緑がかった色相をもつ透明色であった。UV硬化画像形成コーティング上の直接的なマーキングは、約780nmの波長を有する45mWレーザを使って実施した。約20μm×45μmのマークを、約15〜20μ秒乃至約100μ秒の様々なエネルギー付与時間を使って生成した。適当なエネルギーを付与すると、画像形成コーティングの発色組成物は緑がかった透明色な外観から黒色に色変化した。
実施例4
2μm以下の平均粒子サイズをもつ共晶(実施例1〜3)の上記発色組成物は、同様に顕色させた場合、比較的大きい平均粒子サイズ、例えば5μmをもつ材料より著しく高いコントラストと感度を示した。このことを示すために、種々の比較材料を、各材料が異なったミリングの度合いから生ずる異なった粒子サイズを利用したことを除き、実施例1に準じて調製した。詳細には、調製した粒子サイズは、表1に示すように、2μmおよび5μm、ならびに表2と表3に示すように、3.7μm、2.3μm、1.5μm、および0.25μmであった。
下の表1において、可読マーク(ΔL>10)は、極めて高速(より低いエネルギー入力)で、より小さい粒子サイズを有する組成物を使って得られた。
Figure 2008526562
下の表2および表3において、粒子サイズは、書込み速度とコントラスト性能に影響を与えることが示された。詳細には、下の表2では、書込み速度に関する試験条件、すなわちコントラストΔL≧20でマーク付けするのに必要な最大780nmレーザスポット線速度(レーザ出力=38mW/マーキング密度=1040トラック/インチ)、という条件を構築した。この分析の結果を、下記に示す。
Figure 2008526562
表3において、コントラストを、レーザスポット線速度=0.6m/secで780nmレーザー(パワー=38mW;マーキング密度=1040トラック/インチ)によってマーク付けして測定した。その結果を下に示す。
Figure 2008526562
上述の構成は、本発明の原理の応用を提示したものであることを理解されたい。本発明は、本発明の例示的な実施形態(群)に関連して説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することがなければ、多数の修正および代替的な構成を得ることができる。特許請求の範囲に記載の本発明の原理および概念から逸脱することなく、多数の修正が可能であることは、当業者に明らかであろう。

Claims (27)

  1. 発色組成物において、
    a)ポリマーマトリックスおよび該ポリマーマトリックス中に溶解された活性化剤をを含むポリマー活性化剤相と、
    b)発色剤を含む発色剤相であって、前記発色剤相が2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相内に微細に分散されているものと、
    c)発色剤相と熱接触する放射吸収体と
    を含む、発色組成物。
  2. 前記発色組成物が、顕色前状態および顕色後状態を有し、前記顕色前状態が、前記顕色後状態とは視覚的に異なる外観を有し、前記発色組成物が、顕色前状態では無色であるかまたは第1の色を有し、顕色後状態では顕色後の第2の色である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリマーマトリックスが放射硬化性ポリマーを含み、該放射硬化性ポリマーが、前記発色組成物に色変化または顕色を起こさせる顕色波長と異なる硬化波長で硬化可能である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ポリマー活性化剤相が、さらに芳香族安定化剤を含み、該芳香族安定化剤が、顕色後状態において前記発色剤を安定化するように構成されている、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記発色剤相の平均粒子サイズが、約1.5μm未満である、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記発色剤相の平均粒子サイズが、約0.05μm〜約1μmである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記発色剤相の平均粒子サイズが、約0.05μm〜約0.7μmである、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記発色剤相が、室温でポリマー活性化剤相中で区別されかつ実質的に不溶性であり、約90℃〜約350℃の温度を生じさせる熱または光エネルギーの付与により、前記ポリマー活性化剤相が、少なくとも部分的に融解するかまたは相転移し、前記発色剤相が、前記ポリマー活性化剤相中で、少なくとも部分的に融解するかまたは相転移する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記発色剤相が、さらに、約50℃〜約150℃の融解温度を有する融解補助剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記発色剤がフルオランロイコ染料である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記放射吸収体が、ポリマー活性化剤相または発色剤相の少なくとも1つの中で分散または溶解されている、請求項1に記載の組成物。
  12. ポリマー、紙、金属、ガラス、セラミックス、およびこれらの組合せまたは複合物からなる群から選択される基板に塗布される、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記基板が光ディスクである、請求項12に記載の組成物。
  14. 画像を形成する方法であって、発色組成物に、顕色前状態から該顕色前状態とは視覚的に異なる顕色後状態まで前記発色組成物を顕色させるのに十分な電磁放射を付与することを含む方法であって、
    前記発色組成物が、
    a)ポリマーマトリックスおよび該ポリマーマトリックス中に溶解された活性化剤を含むポリマー活性化剤相と、
    b)発色剤を含む発色剤相であって、前記発色剤相が2μm未満の平均粒子サイズでポリマー活性化剤相内に微細に分散されているものと、
    c)発色剤相と熱接触する放射吸収体と
    を含む、方法。
  15. 前記電磁放射を、前記発色組成物が分解しないように一定期間にわたりかつ一定エネルギーレベルで付与する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記電磁放射がレーザエネルギーである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記電磁放射を、a)約0.05J/cm〜約5J/cmで、b)約15μ秒〜約200μ秒間で、かつc)約15mW〜約100mWの出力レベルで付与する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記電磁放射を、約10μm〜約60μmのスポットサイズで付与する、請求項14に記載の方法。
  19. 前記電磁放射が、約200nm〜約1200nmの波長を有する、請求項14に記載の方法。
  20. 前記発色組成物を、約1μm〜約15μmの厚みで基板に塗布する予備ステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  21. 前記ポリマーマトリックスが放射硬化性ポリマーを含む、請求項14に記載の方法。
  22. 前記発色剤相の平均粒子サイズが約1.5μm未満である、請求項14に記載の方法。
  23. 前記発色剤相の平均粒子サイズが約0.05μm〜約1μmである、請求項14に記載の方法。
  24. 前記発色剤相の平均粒子サイズが約0.05μm〜約0.7μmである、請求項14に記載の方法。
  25. 前記放射吸収体の第1部分が、前記ポリマー活性化剤相内に分散または溶解されており、前記放射吸収体の第2部分が、前記発色剤相内に分散または溶解されている、請求項14に記載の方法。
  26. 前記電磁放射がレーザエネルギーであり、該レーザエネルギーの波長が、レーザエネルギーの付与以前の発色剤相の粒子サイズ以上である、請求項14に記載の方法。
  27. 前記電磁放射がレーザエネルギーであり、該レーザエネルギーの付与以前の発色剤相の粒子サイズが、前記レーザエネルギーの波長の2倍以下である、請求項14に記載の方法。
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