JP2008526153A - 分解能の改善された精密時間追跡 - Google Patents

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Abstract

本発明は、マルチパス環境に適した受信機内で時間ドリフトを補償するための補償方法および回路に関する。時間ドリフトは、同じ無線リンク、たとえばユーザ機器と基地局の間の接続の無線リンクに属する経路の複数のグループに共通の第1成分と、グループに属する各個々の経路について有効な第2成分とに分離される。第1成分は、第1帯域幅を有する第1フィードバック手段を使用することによって処理され、第2成分は、第2帯域幅を有する第2フィードバック手段を使用することによって処理され、第1帯域幅は、第2帯域幅より高い値に設定される。それによって、各経路を個々に追跡することに対する専用のループの帯域幅は、より低速とし、環境条件に合わせて調整することができ、その結果、時間分解能を改善するために干渉緩和の原理を適用することが可能になる。

Description

本発明は、ユニバーサル移動通信システム(UMTS―Universal Mobile Telecommunications System―)におけるRAKE受信機など、マルチパス環境で動作するのに適した受信機における時間ドリフトを、マルチパス・ダイバシティを利用することによって補償するための補償回路および補償方法に関する。
UMTS通信システムにおいては、従来の基地局装置に対応する少なくとも1つのノードBと、ユーザ機器(UE―User Equipment―)と呼ばれる移動端末とが規定される。ノードBもUEも、送信機と受信機を含む。ノードBは、ノードB送信機を用いて、ダウンリンクにおいてUE受信機に信号を送る。UE送受信機では、UE送信機を用いて、アップリンクにおいてノードB受信機に信号を送る。いくつかのUEが単一のノードBと通信する可能性がある。この場合には、これらのUEが同じセルにあると言われ、セルは、UEが所与のノードBによるサービスを受ける地理上の領域を表す。
いわゆるソフト・ハンドオーバの状況では、UEは、異なるノードBに属する2つのセルの、重なり合うセル受信可能範囲[coverage area]内にあり、その結果、UEとこれらのノードBとの通信は各ノードBからの2つのエア・インターフェース・チャネル(または2つの無線リンク)を別々に介して同時に行なわれる。何れのチャネルまたは信号も最大比合成[maximal ratio combining]RAKE処理によってUE部で受信される。そのようなRAKE処理では、遅延分散エネルギー[delay dispersive energy]が、有意なエネルギーが到達する遅延位置に割り振られた複数のいわゆるRAKEフィンガ(相関受信機)を使用することによって組み合わされる。これを達成するために、有意なエネルギーが到達する時間遅延位置が、最初の獲得段階で識別され、相関受信機、またはRAKEフィンガが、これらのピークに割り振られる。マルチパス遅延プロファイルを獲得するための測定グリッドは1チップ期間程度であり、更新レートは、数十ミリ秒程度である。チップは、拡散シンボルに対応しており、チップ周期の持続時間は、UMTS伝送で用いられる広帯域時分割多元接続(WCDMA)変調で使用される拡散動作の帯域幅伸長係数[bandwidth expansion factor]にほぼ等しい係数分の一だけ、シンボル周期の持続時間より小さい。帯域幅伸長係数は、シンボル周期当たりのチップ数に等しく、拡散率と呼ばれる。各相関受信機内では、受信信号の、変化の速い位相および振幅値が追跡され、除去される。最後に、復調され位相調整されたシンボルが、活動状態のRAKEフィンガすべてにわたって組み合わされ、さらに処理するためにデコーダに提供される。チャネル補償されたシンボルは、遅延位置すべてについてエネルギーを回復するために、共に単に合計することができる。次いで、無線周波数信号が復調され、デジタル・ベースバンド信号を生成する。そのベースバンド信号は、当該のユーザに対して意図された有用な情報データを回復するように処理される。
UMTS受信機内での時間同期に関して、重要な側面は、その受信機が動作しなければならない最大速度と、受信機(Rx)発振器と送信機(Tx)発振器との間で同期されていないことによる時間ドリフトとを含む。受信機の移動は、送信機と受信機の間の距離の結果としての伝播遅延に依存する、受信シンボルの時間ドリフトに通じる。一方、一般にRx発振器は、Tx発振器と完全に同期されず、これはまた、受信機それ自体に使用されているローカル・クロックの時間ドリフトを暗示する。具体的には、上記の第2側面(Tx/Rx周波数オフセット)は、UEがソフト・ハンドオーバで動作している可能性があり、その結果、複数のノードBと、複数の物理接続が同時に活動状態となる可能性があるUMTSのようなシステムにおいてクリティカルなものとなるおそれがある。そのような場合には、周波数オフセット推定および補償など諸技法が受信機部で使用される場合ですら、異なるノードB間の周波数オフセットを、受信信号によって除去できない。さらに、周波数オフセットによるドリフトに対処することができると、ローカル発振器、およびそれらを制御するための回路の諸要件およびコストが緩和される。
移動通信チャネル内の無線伝播は、信号エネルギーの複数の反射、回折、減衰によって特徴付けられる。これらは、建物、丘陵など、自然の障害物によって引き起こされ、いわゆるマルチパス伝播を生じる。マルチパス伝播は、様々な伝播経路が、数マイクロ秒にわたって延在する遅延プロファイルを有するため、信号エネルギーを広げる。一方、受信機がほんの短い距離を渡って移動したときでも、高速フェージングと呼ばれる信号の打消しが発生する。信号の打消しは、ある瞬間の、ある経路に沿った位相シフトおよび減衰を説明する、幾つかの加重されたフェーザ[weighted phasors―重付けされた複素振幅―]の総和として最もよく理解される。このマルチパス・フェージング環境は、時間同期のタスクにとってのさらなる挑戦課題を表す。RAKE受信機内で可能な限りダイバシティ利得を達成するために、分解可能な経路を、使用されている伝送帯域幅の可能な最良の利益を達成するように追跡し組み合わせなければならない。したがって、相対的な遅延が1チップ(すなわち、帯域幅の逆数)程度である経路を受信機が確実に区別し追跡できるようにしなければならない。マルチパスの筋書きでは、フェージングのため、より強い経路が、より弱い周囲の経路より優位に立つことができ、その結果、時間追跡は、より弱い経路を追跡することができない。したがって、改良された精密時間同期が望まれている。
文献米国特許出願公開第2002/0034218A1号は、判断統計を有する時間追跡ユニットが近くの干渉経路からの影響を緩和し補正している、拡散スペクトル時間追跡方式[scheme]を開示している。干渉緩和は、時間追跡ユニットの判断統計に対する干渉の貢献が最小限に抑えられるように時間追跡ユニットのパラメータを適切に選択することによって達成される。干渉打消しは、時間追跡ユニットの判断統計に対する干渉経路からの作用を評価し差し引くことによって達成される。判断統計はまず、チャネルにより導入される位相歪みがほぼ一定のままである時間の間、パイロット信号のまたは復調済みデータ信号の既知のシンボル・ストリームをコヒーレント平均[coherently averaging]することにより形成される。それに続く非コヒーレント平均化[non-coherent averaging]はその判断から位相依存性を除去するため最も単純な手段[implementation]を提供する。非コヒーレント平均化は、基本的にはコヒーレント平均化された信号の大きさを平均することにより実行される。更新レートは判断統計にフェージングに対する耐性[immunity]を与えるための要件によって下に有界であり、連続する更新レート間の時間ドリフトを適切に0.5サンプル未満にするための要件によって上に有界である。両者を満たすことができない場合にはいつでも、後者の要件が前者より優先する。これは、高周波オフセットの存在下で、また低速時に、この従来技術で提案されている手法は、不十分な性能をもたらすことになる。
本発明の目的は、密な経路を追跡する上での能力という点で所望の時間分解能を達成することができ、一方、高い残留周波数オフセットおよびノイズに対する所望の程度の抵抗力をも確保する、改良された時間同期方式を提供することである。
この目的は、請求項1で特許請求されている補償回路、および請求項7で特許請求されている補償方法によって達成される。
したがって、時間同期の分解能は、周波数オフセットによる時間ドリフトを、伝播条件の変化による時間ドリフトから分離することによって改善される。共通のドリフトおよび差分ドリフト[differential drift]が、異なる帯域幅を用いてフィードバックを提供することによって追跡される2重フィードバック[dual feedback]構造が提案される。この構造は、周波数オフセット時間ドリフトをドップラー分散による時間ドリフトから、これら2つの時間ドリフトの異なる特性に依拠することによって分離するように働く。無線リンク用に経路が1つしかないときでさえ、「共通ループ」は、依然として「高いレート」でその経路に対して作用する。したがって、「受信経路すべて」または「経路のグループ」という表現は、ハードウェアの複雑度に応じて少なくとも1つの経路をカバーすると考えられ、無線リンクに属しており、受信機は、少なくとも1つの無線リンクから、またハードウェア/ソフトウェアの複雑度に応じて管理することができる。
提案されている解決策は、受信される経路の数に関して、完全に透明な形で適用することができる。経路数は、場合によって、さらに接続中でさえ非常に変わりやすく、一方、受信することができる経路の最大数に対応するフィンガ数は、考慮することができる無線リンクの最大数のように、ハードウェア/ソフトウェアの複雑度によって制約されることに留意されたい。
時間ドリフトは、少なくとも1つのインコヒーレントなアーリー・レイト・ゲートから得ることができる。それにより、提案されている処理は、従来のインコヒーレントなアーリー・レイト・ゲートによって得られるアーリー・レイト誤差に適用することができ、その結果、ハードウェア修正が最小限に抑えられる可能性がある。さらに、異なる受信経路が、RAKE受信機のそれぞれのフィンガを備えることができる。これは、従来のインコヒーレントなアーリー・レイト・ゲートから返された測定値を後処理することによって、提案されている手順を従来のRAKE受信機内で実装することができる利点を提供する。したがって、この手順は、受信機内でプロセッサを制御する特定のソフトウェア・ルーチンを提供することによって実装され得る。
第1および第2フィードバック手段を、2重ループの遅延ロック・ループ(DLL)内で設けることができる。それにより、2重ループ構成が達成され、ループの一方は高速であり、無線リンクに属する受信経路すべてについて同じコマンドを生成し、一方、他方のループは低速であり、各受信経路について個々のコマンドを生成する。
さらに、前記第1および第2フィードバック手段の処理出力に応答して、前記少なくとも2つの異なる受信経路のすべてに対して共通の制御信号を印加し、前記少なくとも2つの異なる受信経路の個々の経路に個々の制御信号を印加するために、制御手段を設けることができる。この場合には、共通の制御信号および個々の制御信号は、遅延制御のためのアップ・コマンドおよびダウン・コマンドを備えることができる。したがって、制御手段は、従来の受信機アーキテクチャの実質的な修正を必要とすることなしに、受信経路すべてについて、かつ/または個々の受信経路について、処理出力を処理すること、また、制御信号を生成することが可能である。
干渉緩和は、その少なくとも2つの異なる受信経路に共通の第1成分を処理するための処理ステップの処理結果に適用されてよい。それにより、干渉緩和原理が差分時間ドリフトに適用され、差分時間ドリフトは、共通の時間ドリフトが補償された後で、残留時間ドリフトに対応する。
少なくとも2つの受信経路の経路強度を時間ドリフトのそれぞれに接続する係数を推定することができる。第1実施例により、この推定は経路強度と時間ドリフトのそれぞれとの間で相互分散[cross variance]を決定することに基づいても良い。代替する第2実施例として、この推定は少なくとも2つの受信経路の異なる経路間での相対遅延を推定することに基づいても良い(予測結合係数―predicted coupling coefficient―)。
第1帯域幅と第2帯域幅との比を、環境条件に適合させても良い。それにより、周波数オフセット、ドップラー分散など、環境条件の影響を考慮し、時間同期の着想を最適化する、または微調整することができる。
次に、本発明について、添付の図面を参照して、好ましい実施形態に基づいてより詳細に述べる。
次に、好ましい実施形態について、周知の、複雑度の低い、CDMA信号を受信するための受信機構造であるUMTSのRAKE受信機に関連して述べる。この受信機は、送信信号の、いくつかの散乱および反射された複製を識別し、それらのそれぞれに別個の相関器、いわゆるRAKEフィンガを割り当てることによって、可能な限り信号電力を収集しようと試みる。フィンガ出力は、送信されたシンボルについて推定値を生み出すように、重み付けされ、強め合うように組み合わされる。
あらゆるRAKE受信機における重要なタスクは同期であり、同期は、各RAKEフィンガにおける、チャネルによって誘発される減衰、位相シフト、経路遅延の推定および補償を意味する。経路遅延推定は、通常、2つのステップで実行される。すなわち、粗い獲得では、検出された経路が、RAKE受信機の異なるフィンガに割り当てられ、典型的には、このステップでは、2分の1チップの同期の誤差が許される。粗い獲得の後で、精密追跡により、経路遅延に対してフィンガの正確な同期が可能になる(典型的には、8分の1チップの平均誤差を達成することができる)。多くの注目を受けている1つの追跡構造は、アーリー・レイト・ゲート・タイミング誤差検出器である。デジタル補間器/デシメータは、推定されたタイミングの瞬間に、チップ・レートの整数倍であるレートでデータ・ストリームを生成し、その後で、そのデータ・ストリームは逆多重化され、検出経路および同期経路に供給され、同期経路は、検出経路に対してチップ周期の整数分の一だけシフトされる。この時間シフトは、しばしば、アーリー・レイト・ゲート・タイミング・オフセットと呼ばれる。同期経路では、拡散シーケンスとの相関およびシンボルレート・サンプリングが早いデータ・ストリームおよび遅いデータ・ストリームに対して実行され、その早いデータ・ストリームは、遅いデータ・ストリームを1サンプルだけ遅延させることによって生成される。さらに、データ変調および複素チャネル・フェーザ効果は、定時サンプルを、複素共役の再構築済みパイロット・シンボル、または、チャネル・フェーザ(チャネル推定によって提供されたもの)で乗じることによって補償される。異なる実装代替方法に従って、アーリー・レイト・サンプルには、推定チャネル・フェーザを乗じても、乗じなくてもよい。この場合には、本発明者らは、このようにして周波数オフセットおよびチャネル推定誤差の影響を除去することによって、これらのサンプルが単に2乗される場合を考える。次いで、ロー・パス・フィルタを通され2乗された早いサンプルと遅いサンプルとの差が、アーリー・レイト誤差を計算するために使用される。
従来のアーリー・レイト構造の考慮すべき欠点の1つは、マルチパス・フェージング環境内でのその感度である。タイミング・ジッタの増大を受けるほかに、隣接するRAKEフィンガからの遅延推定値は、それらの遅延差がチップ期間程度にある場合、同じ値に収束する傾向がある。その場合には、中央制御ユニットは、より弱い電力を有するこのRAKEフィンガを検出プロセスから除去することになる。結果として得られるビット誤差性能は、受信機が信号電力およびダイバシティを失うことにより大きく劣化し、さらに、残りのフィンガは、2つの経路の、結果的に生じる包絡線を追跡することになるため、大きなマルチパス歪みを受ける。したがって、受信機性能を高めるために、改良された構造が必要である。
好ましい実施形態によれば、従来のUMTS受信機が、1チップ程度の相対遅延を有する経路を追跡する上での能力という点で所望の時間分解能を達成し、一方、高い残留周波数オフセットおよびノイズに対する所望の程度の抵抗力をも確保するように改善される。これは、時間ドリフトを2つの主成分、すなわちすべての経路またはフィンガに共通の成分と、各個々の経路またはフィンガについて有効な成分とに分離することによって達成される。したがって、共通の誤差と差分誤差が分離され、一方、共通の誤差は、より高い帯域幅を有するループを使用することによって処理および補償される。共通の誤差は大抵、周波数オフセットによる作用を含む。各経路を個々に追跡することに対する、したがって差分誤差に対する専用のループの帯域幅は、より低いものとし、環境条件に合わせて調整することができる。このループは、共通のドリフトを補正した後で、残留時間ドリフトを追跡することを担当する。これは、個々のループの帯域幅をドップラー分散に対して寸法設定[dimensioning]すること、次いで、時間分解能を改善するために干渉緩和の原理を適用することを可能にする。
提案されている2重ループ遅延ロック・ループ(DLL)では、無線リンクに属するすべての経路またはフィンガについて共通コマンド(CC)を生成する早い方のループ(共通ループ)の帯域幅と、各経路またはフィンガについて個々のコマンドを生成する遅いループ(差分ループ)の帯域幅との比は、環境条件(周波数オフセット対ドップラー分散)に適合させることができる。
上記の原理は、従来のRAKE受信機アーキテクチャ内で実装することができ、従来のRAKE受信機アーキテクチャは、フィンガ当たりインコヒーレントなアーリー・レイト・ゲート相関器を実装し、標準的な仕様によって実装されることになる他の基本機能から必要とされる希望波受信電力(RSCP―Received Signal Coded Power―)の測定値を提供することができる。ハードウェア/またはソフトウェアの複雑度は、同様の問題を解決する他の解決策に比べて、このように非常に限られる。
図1は、好ましい実施形態によるRAKE受信機の概略的なブロック図を示す。この受信機は、複数のRAKEフィンガ12−1から12−nを備え、それぞれが従来のアーリー・レイト・ゲート13と、従来の定時処理ユニット14とを備え、どちらもその後に、それぞれのロー・パス・フィルタ15が続く。ロー・パス・フィルタ15は、デジタル・フィルタ、たとえば、有限インパルス応答(FIR―Finite Impulse Response―)フィルタまたは無限インパルス応答(IIR―Infinite Impulse Response―)フィルタとして実装されてよく、上のロー・パス・フィルタは、ロー・パス・フィルタの出力値を2乗する2乗手段をさらに備えることができる。
アーリー・レイト・ゲート13は、上のロー・パス・フィルタ15部で濾波および2乗される誤差値ERを生成する。定時処理ユニット14は、受信信号電力のRSCP値を生成し、このRSCP値もまた、下のロー・パス・フィルタ15によって濾波される。各RAKEフィンガの誤差値ERおよびRSCP値は、共通ループと差分ループとを備える処理機能またはユニット16に供給され、共通ループは、無線リンクに属するRAKEフィンガすべてに供給される共通コマンド(CC)を生成し、差分ループは、それぞれのRAKEフィンガに個々に供給される差分コマンド(DC)を生成する。
図1の中央における点線は、特定のハードウェア上で実装される部分としての左部分、すなわちRAKE受信機部を、典型的なコントローラを表す右部分から分離する。左部分の特定のハードウェアは、従来の構造を有することができ、一方、右部分の機能は、コントローラ上で実装することができる。したがって、処理ユニット16によって実行される処理機能は、処理ユニット16のメモリ内で格納されたソフトウェア・ルーチンによって制御されても、その処理機能に従ってデジタル信号処理を実行するためのハードウェア構造として実装されてもよい。
図2は、図1のRAKE受信機内で実行される追跡手順の概略的なブロック図を示す。サンプリング・コントローラ機能とRSCPおよび誤差計算機能とを有するRAKE受信機部分40は、それぞれのRAKEフィンガにおける追跡誤差または時間ドリフトに対応する誤差値Err−1からErr−nを生成し、対応するRSCP値RSCP−1からRSCP−nを生成し、これらのRSCP値は、差分追跡および干渉緩和を実行するように構成された第1フィードバック機能またはユニット30に供給される。差分フィードバック・ユニット30は、低速差分ループSDLを介してコマンド組合せ機能10に供給されるコマンド信号を生成する。さらに、RAKEフィンガの出力誤差Err−1からErr−nおよび対応するRSCP値RSCP−1からRSCP−nは、共通の追跡用の共通フィードバック機能またはユニット20に供給され、そのフィードバック機能またはユニットは、第1共通ループFCLを介してコマンド組合せユニット10に供給される出力コマンドを生成する。コマンド組合せユニット10では、差分フィードバック・ユニット30および共通フィードバック・ユニット20によって生成されたコマンドが組み合わされ、RAKE受信機ユニット40に供給され、それにより、2重フィードバック・ループを閉じて、時間同期のための共通および差分同時追跡[joint common and differential tracking]を可能にする。
好ましい実施形態の基本的な側面は、残留周波数オフセットによる時間ドリフトと、ノードBに対するUEの運動による時間ドリフトとが、異なる特性を有することである。残留周波数オフセットの結果としては、所与の無線リンク、すなわちノードBとUEとの物理接続について、その無線リンクに属する経路すべてにおける時間ドリフトは基本的に同じであり、この成分による経路間の相対遅延は、実質的に変化しない。相対運動による時間ドリフトは、到着する方向に、また運動の速度に依存するため、経路ごとに異なる。異なる特性は、その接続または無線リンクについて予見される最大速度および最大周波数オフセットに対して与えられる要件によって開始して、変化率について導出することもできる。これらの差に基づいて、図2の構造は、時間追跡のために導出された。基本的には、同じ無線リンクに属する経路に対する共通ドリフト追跡は、所与の無線リンクに属する経路(すなわちRAKEフィンガ)すべてに共通する時間ドリフト、主に周波数オフセット・ドリフトを推定し補償するように実行される。さらなる差分ループまたは差分ドリフト追跡は、共通ループによって補償されない可能性がある個々の時間ドリフトを推定し補償するために適用される。次いで、干渉緩和処理は、差分フィードバック・ユニット30内の差分ループによって処理される誤差を濾波するように適用され、これは、このループが機能するために必要とされる、より小さい帯域幅によって可能である。
差分フィードバック・ユニット30についての積分長、すなわち帯域幅は、周波数オフセットを考慮する必要がなく、速度の逆数に直接比例する、次いで時間ドリフトに反比例するチャネル・コヒーレンス時間を考慮する必要があるにすぎない。それにより、この追跡方式は、後で述べるように、ドップラー帯域幅推定と共に使用されたとき一般化することができる。
共通フィードバック・ユニット20は、たとえばヴィ・アウェ[V. Aue]、ジー・フェットウェイス[G. Fettweis]の「解決できないマルチパスに対処可能なRAKE受信機用の非コヒーレント追跡方式[A non-coherent tracking scheme for the Rake Receiver that can cope with unresolvable multi-path]」IEEE、1999年、に述べられているように、RAKE受信機用の非コヒーレント追跡方式に基づくことができる。
好ましい実施形態によれば、異なる経路の時間的な「等距離」、また諸経路の相対遅延が変化しない可能性があることなど、上記の従来型非コヒーレント追跡方式の基本的な制約が除去されている。また、後でわかるように、同時誤差について考慮される式は、好ましい実施形態において異なるものである。
図2による好ましい実施形態の構造によって暗示される利点は、以下の式で与えられるように、チャネル・コヒーレンス時間とドップラー帯域幅との関係から開始して導出することができる。
Figure 2008526153
ドップラー帯域幅BDは、以下の式で表されるように、UEとノードBとの相対速度に比例し、受信信号の波長λに反比例する。
Figure 2008526153
UEとノードBとが相対運動または移動する場合には、UEとノードBの間で伝播経路の長さが変化することによる経路遅延におけるドリフトが発生する。受信機が補償することができる最小ドリフトTRに対応する距離Dは、
D=TR・c (3)
によって与えられる。
受信機に許される時間分解能は、サンプリング・レートにリンクされ、そのサンプリング・レートは、典型的には、WCDMA変調を使用するシステムについての伝送帯域幅またはチップ・レートの逆数の倍数であることに留意されたい。
積分時間は、コマンドを生成する前に同期誤差を処理するために受信機にとって使用可能な時間であり、以下のように導出することができる。
Figure 2008526153
式(2)を使用することにより、以下の式を得ることができる。
Figure 2008526153
また、式(1)から、その式を得ることができる。
Figure 2008526153
次に、相対速度だけによる時間ドリフトの存在下で、チャネル・コヒーレンス時間に比例する積分時間を選択することが可能であることがわかる。積分時間が周波数オフセットによって上に有界である場合、この可能性は保証されない。以下で述べられるように、この特性は、従来のアーリー・レイト・ゲート13によって返される誤差の処理に、干渉打消しのための、複雑度の低い方法を追加し、次いで時間分解能を高めるために使用することができる。
高速共通ループFCLのタスクは、経路のグループに共通する時間ドリフトの成分を、各経路についての残留ドリフトが、低速差分ループSDLによって効率的に処理されることになる所望の統計的特性を有するような形で、追跡することである。共通ループ追跡のために可能な手法のうちの1つの特性を導出するために、経路遅延がΔτiだけドリフトしていること、および共通のドリフトΔτCは、補償することができ、すべての経路について同じであることが想定されている。
最大比合成を使用する受信機では、不完全な同期による損失は、完全な同期の場合における(合成後の)総信号電力と、合成後に使用可能であり同期誤差を含む信号電力との差として表すことができると仮定すると、共通ループを駆動する誤差についての以下の形態を導出することができる。
Figure 2008526153
この式(6)は、共通ループにとって最適な誤差が各RAKEフィンガにおいて測定されたアーリー・レイト(非コヒーレント)誤差Eiの和であることを表し、上式で、chiは、経路iについてのチャネル・フェーザを示す。
以下では、共通のドリフトが高速共通ループFCLによって補償された後で各信号経路のドリフトを追跡するための手段として、個々の経路の追跡に焦点を合わせる。これらの誤差は徐々に変化しつつあり、それらを検出するために、チャネル・コヒーレンス時間に比例する積分間隔を仮定することができる。この仮説では、経路強度と誤差の間の依存性を表す以下の式を導出することができる。
Figure 2008526153
上式において、Ei,Mは、測定された誤差の平均値を示し、Ei,Tは、真の誤差の平均値を示し、βi,jは、経路間の相対遅延に依存する係数を示し、Rjは、所与の経路の強度の平均値を示す。所与の間隔での式(7)における誤差および経路強度の測定を仮定すると、この式(7)は、Ei,TをEi,Mから導出するために使用することができ、同期誤差に対する他の経路によって引き起こされる干渉を、この誤差それ自体に基づいて次のサンプリング・ポイントを計算する前に除去することができる。
式(7)を使用し、以下の式を導出することができることがわかる。
Figure 2008526153
上式において、Crossは、誤差と経路強度の間の相互共分散を示し、Varは、分散を示す。誤差および経路強度についての小文字は、瞬間的な数量を、またはチャネル・コヒーレンス時間より小さい間隔に対して計算された平均値を指すことを示す。他方の側で式(8)において暗示される統計は、チャネル・コヒーレンス時間より大きい間隔に対して抽出される。
誤差と経路強度の平均値間の依存性を与える係数β11、β12、…が次式によって与えられることを示すことができる。
Figure 2008526153
上式で、t+ s1、t- s1は、第1経路1上の遅いサンプルおよび早いサンプルについての早いサンプリング時間および遅いサンプリング時間であり、
Figure 2008526153
は、経路1および経路2についての推定遅延である。式(9)は、良好なサンプリング条件の場合に真の遅延の近似として使用することができる推定遅延に関する。経路遅延用に使用される値は、前のステップでの推定遅延であり、現在の遅延についての予測として使用される。これは、同期誤差がゼロである仮定に等しい。
補償または追跡手順の、複雑度の低い実装について考慮することができ、この実装において、予測係数だけが考慮される。この縮小された解決策は、測定された相関をも使用するものほどロバストでない可能性がある。しかし、UMTSのために与えられたテスト条件で実行されたリンク・レベルのシミュレーションでは、この解決策は、依然として非常に良好な性能を導くことができ、したがって提案されている手順の、複雑度が低減された変形形態を表すことができることが示されている。
以下では、予測された係数と測定された係数とを、これらの2つの推定値の信頼性に基づいてマージするための可能な手順について述べる。
これまで、所与の経路に対して測定された経路強度と誤差の間の結合係数を決定するために、2つの方法について述べた。βP i,jが予測された係数であり、βM i,jが測定された係数である場合、これら2つをマージしβi,jについて最良の推定を得るための最適な方法は、予測された係数および測定された係数のそれぞれの分散を考慮して導出することができる。それに次いで最適な、測定された係数についてバリアントの計算だけを必要とする方法が、以下で与えられる。
式(8)における相互相関項は、たとえばIIRフィルタを用いて、RSCP値と誤差との積を濾波することによって計算または決定することができる。この演算を実行することによって、フィルタの出力のバリアントを推定することができる。
σ2 M,i,jがβM i,jの分散を示すものと仮定すると、以下の2つの係数を定義することができる。
Figure 2008526153
次いで、係数βi,jは、以下の式によって得ることができる。
Figure 2008526153
この手順の性能改善のためのバージョンは、密な経路による経路強度に対する作用を考慮することによって導出することができる。これらの作用は、時間分解能が1チップより低いとき重要となる可能性がある。この場合には、RSCPと誤差との相互相関の他に、異なる経路のRSCP間の相互相関項が重要となる可能性があり、それらを無視することによって、誤差は有意な[relevant]ものとなる。
図3は、図1における処理ユニット16を制御するソフトウェア・ルーチンのための基本的な演算およびそれぞれの例を含む、提案されている補償または追跡手順の概略的な流れ図を示す。
ステップS101では、誤差値Err[i]およびRSCP値Rscp[i]が、伝送チャネルの各スロットについて決定される。得られた誤差値およびRSCP値は、共通ループ・ステップ102で処理され、共通の誤差Err_Cおよび共通のRSCP値RSCP_Cが、RAKEフィンガすべてにわたって絶対値を合計することによって得られる。次いで、共通コマンドCommand_Cが生成され、このコマンドは、共通の誤差Err_Cの符号、すなわちアップ・コマンドまたはダウン・コマンドに対応する。この共通コマンドは、ステップS103で、図1におけるすべてのRAKEフィンガ12−1から12−nに供給される。次いで、差分ループ・ステップ104が実行され、このステップでは、個々の、または差分誤差Err_acc_filt[i]が各RAKEフィンガについて計算され、これらの誤差の符号に基づいて、個々のRAKEフィンガ用の差分コマンド(すなわち、アップ・コマンドまたはダウン・コマンド)が決定され、ステップ105で個々のRAKEフィンガ12−1から12−nに供給される。図3では、Rscp[I]は、フィンガiのRSCP値を示し、Err[i]は、フィンガiの誤差値を示し、N_frame_Cは、共通ループのためのフレーム数を示し、N_frame_:I:は、差分ループのためのフレーム数を示す。
図4は、予測結合係数B(i,j,RL)を、各経路についての結合係数として決定するためのソフトウェア・ルーチンの実装例を示し、RLは無線リンクを示し、Finger[RL]は、その無線リンクに割り振られた各フィンガのための識別子を示す。
図5は、結合係数の上記予測の際に使用することができるベータ値の表を示す。
要約すれば、同時誤差が、共通ループを駆動するために導出される。この誤差の特性から、その誤差が、チャネル・コヒーレンス時間に対して短い間隔に対して計算された場合ですら、チャネル変動による短期作用は見えないということになる。したがって、共通ループは、差分ループより高い帯域幅を用いて機能することができる。共通のドリフトの推定値を導出するために、より洗練された方法を適用することができること、また、好ましい実施形態において導出された推定値は、複雑度と性能の間で良好な兼ね合いを表すことは、指摘しておく価値がある。差分ループによって処理される残留誤差を参照すると、式(7)で示されているように、所与の経路に対して測定されたアーリー・レイト誤差と、密な経路の電力との間で線形の依存性を考慮することができる。この関係は、測定について考慮される間隔がチャネル・コヒーレンス時間に対して大きい場合に保たれ、チャネル・コヒーレンス時間は、ノードBに対するUEの速度に依存する。
経路強度を、各経路に対して測定された誤差に接続する係数を推定するために、2つの方法が提供される。経路強度と(測定された)誤差との相互分散のオンライン計算に基づく第1方法と、この依存性の係数が経路間の推定相対遅延によって計算される(予測相互相関係数)第2方法である。さらに、測定相互相関と予測相互相関とをマージするため、また、密な経路の影響によって、各経路に対して計算された誤差における項を除去するための方法が与えられる。予測された係数だけが使用される、複雑度を低減するために可能な兼ね合いについて概説され、提案されている手順を実装するための第1ステップとして考慮されている。さらに、本手順が基づくいくつかのパラメータをオンライン適合させるための基準について述べられており、これは、追跡応答時間対分解能を最適化するための伝播条件を考慮することができる。追跡する個々の経路について実行される測定は、共通追跡ループが基づく推定値を洗練するために使用することができる。すなわち、非常に密な経路の場合には、式(6)によって与えられる共通の誤差の式がバイアスされ、そのバイアスは、徐々に変化しつつある、また個々のループによって処理される各経路のRSCPおよびβi,j係数を考慮することによって除去することができる。より精力的な経路[energetic path]に対する周波数オフセットの作用を主に追跡する共通ループ出力は、周波数オフセット推定それ自体を洗練するために使用することができ、周波数オフセット推定は、共通のドリフトに関係し、一般的には、受信機の別個のユニット内でも実行される。複雑度を増大することによって本手順の性能を高めることが可能であり、その高められた性能は、1チップ未満の相対遅延を有する経路を追跡するための能力において意図される。より単純な形態にある場合でさえ、本手順は、1チップ未満の相対遅延、たとえば0.8チップにある経路を別々に追跡することが可能である。
図6は、遅延対フレームを示す、また1チップ差にある4つの経路に対応する3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)条件の特定伝播事例番号3における追跡結果に関する図を示す。初めに、同期誤差が、最も強い2つの経路上に存在する。精力的な経路上のこの同期誤差は、共通ループによって高速で追跡される。次いで、約30番フレームから開始して位置合わせが達成されるように、差分ループが、3番経路および4番経路のタイミングを補正する(低速補正)。その点から、共通ループは、シミュレーションにおいて700Hzに等しいと仮定される残留周波数オフセットによる共通のドリフトを追跡している。
図7は、好ましい実施形態の経路処理なしで、従来のアーリー・レイト・ゲートを用いて得られた同じ性能を示す。図7から推定することができるように、1番経路および2番経路、ならびに3番経路および4番経路は、それぞれ50フレームと70フレーム後に、互いに1つにつぶれる。これは、従来の方式の時間分解能が十分でないことを示す。
図8は、3.500Hzの非常に高い周波数オフセットでの性能を示す同様の図を示している。DLLは依然として追跡し、初期の同期誤差から回復することさえ可能である。
最後に、図9は、たとえば0.8チップなど1チップより近い経路を追跡するための、提案されている追跡または補償手順の能力を示す。
本発明は、上記の好ましい実施形態に制限されず、マルチパスのシナリオに適した受信機内で時間ドリフトを補償または追跡するための任意の追跡または補償手順に適用することができることに留意されたい。したがって、好ましい実施形態は、添付の特許請求の範囲内で変わる可能性がある。
さらに、上述の実施形態は、本発明を限定するのではなく例示するものであること、また、当業者なら、従属請求項で定義される本発明の範囲から逸脱することなしに、多数の代替の実施形態を設計することができることに留意されたい。特許請求の範囲内では、括弧内に配置されたどの参照符号も、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきでない。「備えている[comprising]」および「備える[comprises]」などの単語は、任意の請求項内の、または、本明細書全体における要素またはステップ以外の要素またはステップの存在を排除しない。ある要素の単数形の参照は、そのような要素の複数形の参照を排除せず、逆も同様である。ある種の対抗手段が互いに異なる従属請求項内に記載されている場合、これは、これらの対抗手段の組合せを利点として使用することができないことを示していない。
好ましい実施形態による受信機アーキテクチャを示す図である。 好ましい実施形態による共通および差分同時追跡回路の概略的なブロック図である。 好ましい実施形態による補償方法の実装例を示す図である。 好ましい実施形態で使用される予測結合係数を決定するためのプログラム・ルーチンの例を示す図である。 予測結合係数用に使用されるβ係数のリストを示す図である。 標準的な伝播の場合に関する同期結果を示す概略図である。 好ましい実施形態による処理なしの、1チップの相対遅延で4つの経路を含む3GPP仕様書から抽出された標準的な伝播の場合に関する同期結果を示す概略図である。 高周波オフセットの標準的な条件における同期結果を示す概略図である。 1チップ未満の経路間の相対遅延の場合について時間追跡性能を示す図である。

Claims (15)

  1. マルチパス受信機環境内で時間ドリフトを補償するための補償回路において、
    前記時間ドリフトの第1成分を、より高い帯域幅で処理するように構成され、前記第1成分が、無線リンクに共通であり、前記無線リンクに属する経路すべてに影響を及ぼすことが可能である、第1フィードバック手段と、
    前記時間ドリフトの第2成分を、より低い帯域幅で処理するように構成され、前記第2成分が、前記無線リンクに属する前記経路の各個々の経路についてそれぞれ有効である、第2フィードバック手段と、を備える補償回路。
  2. 前記時間ドリフトが、少なくとも1つのインコヒーレントなアーリー・レイト・ゲートから得られる、請求項1に記載の補償回路。
  3. 前記少なくとも2つの受信される経路が、RAKE受信機のそれぞれのフィンガを備える、請求項1または2に記載の補償回路。
  4. 前記第1および第2フィードバック手段が、2重ループ遅延ロック・ループ内で設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の補償回路。
  5. 前記第1および第2フィードバック手段の処理出力に応答して、各グループが無線リンクに属する、受信される経路の複数のグループに、共通の制御信号を、また、個々の経路に個々の制御信号を印加するための制御手段をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の補償回路。
  6. 前記共通の制御信号および前記個々の制御信号が、遅延制御のためのアップ・コマンドおよびダウン・コマンドを備える、請求項5に記載の補償回路。
  7. マルチパス環境に適した受信機内で時間ドリフトを補償するための方法であって、
    経路の少なくとも1つのグループに共通の第1成分と、少なくとも2つの受信経路の少なくとも1つのグループの各個々の経路について有効な第2成分とに前記時間ドリフトを分離するステップと、
    第1帯域幅を有する第1フィードバック手段を使用することによって、前記第1成分を処理するステップと、
    第2帯域幅を有する第2フィードバック手段を使用することによって、前記第2成分を処理するステップと、
    前記第1帯域幅を前記第2帯域幅より高い値に設定するステップと、を含む方法。
  8. 前記時間ドリフトをアーリー・レイト誤差決定ステップから導出するステップをさらに備える、請求項7に記載の方法。
  9. 前記処理ステップb)の処理結果に干渉緩和を適用するステップをさらに備える、請求項7または8に記載の方法。
  10. 経路強度と経路誤差を接続する係数を推定するステップをさらに備える、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記推定が、前記経路強度と前記経路誤差の間の相互分散を決定することに基づく、請求項10に記載の方法。
  12. 前記推定が、前記少なくとも2つの受信経路の異なる経路間の相対遅延を推定することに基づく、請求項10に記載の方法。
  13. 前記第1帯域幅と前記第2帯域幅との比を環境条件に適合させるステップをさらに備える、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. プロセッサ装置のメモリ内にロードされたとき、前記プロセッサ装置を制御し、請求項7から13のいずれか一項に記載のステップを実行するように適合されたコード手段を備えるコンピュータ・プログラム製品。
  15. コンピュータ可読記憶媒体を備える、請求項14に記載のコンピュータ・プログラム製品。
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