JP2008525712A - 流体機械の混練及び変位の方法及び機構並びにその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、流体機械の混練及び変位の方法及び機構並びにその使用に関する。本発明は、内燃機関、ポンプ、圧縮機、モータ、駆動、冷却、計量、及び他の分野に適している。混練及び変位プロセス中、混練キャビティ内で混練輪が逆方向に公転及び自転して、混練及び変位運動を合成し、これは、ロータ運動と比較して大幅に低い速度、運動量モーメント、及び損失率を有し、潤滑不要である。混練及び変位の方法及び機構で動作する流体機械は、ガス及び液体の両方で用いることができ、広く用いられる。

Description

[発明の分野]
本発明は、流体機械のルードン容積変化方法及び容積変化機構並びにその応用に関する。上記流体機械は、容積形流体機械の省略形である。「ルードン容積変化方法」及び「ルードン容積変化運動」は、革新的概念である。本発明は、動的機械、伝動、流体運搬及び流体制御等を含む多くの分野に関する。本発明は、エネルギー、交通、化学工業、機械、採鉱、水利、環境保護、都市国土建設、サービス産業等、多くの産業に適用することができる。本発明は、特に流体機械の分野に関し、より詳細には、動作原理に関する限りは容積形流体機械に関する。しかしながら、本発明は、既存の容積形流体機械にも非容積形流体機械にも属さない。本発明は、革新的な運動タイプ及び構造に関連する。
流体機械は、流体媒体によって作動し、機能ごとに3つのタイプに分類することができる。第1のタイプの流体機械は、流体分野又は熱力学的状態に関する変換規則を用いて、仕事をエネルギーに、又は逆にエネルギーを仕事に変換するものであり、例えば、動力消費による加圧プロセスの特性を有するポンプ及び圧縮機、流体の減圧又は同時膨張による仕事付与プロセスの特性を有する水タービン、燃焼機関、蒸気タービン、ガスタービン、並びに様々な高温及び低温ガスターボ膨張機関を含む。第2のタイプの流体機械は、流体を介して動力又はエネルギーを伝達、制御、及び分配するものであり、例えば、仕事エネルギー変換又は逆変換を同時に利用する動力分配及び動力制御の特性を有する、油圧トルクコンバータ(減速器及び加速器)及び油圧伝動機(調速機)を含む。第3のタイプの流体機械は、エネルギーを増減させて流体質量を運搬し、流体パラメータを計測又は制御するものであり、例えば、計量ポンプ、定比分配ポンプ、パラメータ調節ポンプ、パラメータロッキング制御ポンプ等を含む。
流体機械は、運動タイプごとに、従来の直線並進タイプ、回転タイプ、及び本発明のルードンタイプに分類することができる。エネルギーで分類する場合、容積形及び非容積形の2つのタイプしかない。容積形の流体機械は、流体の位置エネルギーを利用し、圧力が重要なパラメータである。非容積形の流体機械は、流体の運動エネルギーを利用するか又は流体を付勢し、速度が重要なパラメータである。非容積形の回転羽根車を除く全ての流体機械が、容積形に属する。容積形の流体機械は、様々な構造及び機能を有する。
容積形流体機械は、少なくとも1つの作動キャビティを含む。この少なくとも1つの作動キャビティの可動キャビティ壁構造は、周期的に移動し、キャビティの形状及び容積がそれに伴って連続的に変わる。このタイプの周期運動は、容積変化運動と呼ばれる。流体は、容積変化運動と共にキャビティに流入し、且つそこから流出する。エネルギー放出又は付勢のプロセスの結果として、流体の比エネルギーが変わり、流体の圧力がそれに従って増減するか、又は代替的に、流体の比容積がそれに従って変わる。
容積変化運動は、容積形流体機械に必須且つ十分である。容積変化運動は、容積形流体機械の基本的特徴であり、その構造原理、機能、及び特性を決定する。
容積形流体機械は、下限速度によって制限されないため、最も広い適応性及び柔軟性を有し、理論上及び実践上においても流体機械のいかなる機能要件も満たすことができる。
流体機械は、国家経済の全産業分野に広く適用される。あらゆる種類の流体機械が、工業、農業、交通、日常生活等において用いられ、これらに必須である。
流体機械は、社会生産及び生活における主要なエネルギー設備である。これは、水、電気、及び空気システムの中核設備として稼働する。これは、人体の心臓と同じくらい重要である。
流体機械は、社会生産及び生活における主要な駆動設備である。気体、液体、及び固体の状態の原料及び製品の運搬、旅行、並びに日常の交通のほぼ全てが、流体機械によって駆動される。
流体機械は、主要なエネルギー消費設備である。石油、天然ガス、及び石炭等、人間が開発した大半の鉱物エネルギー源は、内燃機関、ガスタービン、及び外燃機関等の流体機械によって消費される。水力、風力エネルギー、地熱エネルギー、海洋エネルギー、生物エネルギー等の他の自然エネルギー源、及び核エネルギー等の他の新たなエネルギー源のほぼ全ては、流体機械によって吸収及び変換する必要がある。
流体機械は、主要な汚染源である。流体機械は、産業革命以来、特に前世紀以来、広く用いられており、歴史上最も深刻な環境汚染を引き起こしてきた。温室効果ガスの大半は、力学的動力機械としての流体機械から直接的又は間接的に生じる。これらの機械は、一酸化炭素、二酸化炭素、及びNO等の有毒且つ有害なガスも放出する。流体機械の技術の多く、さらには大半が、未熟であり、生態学的文明に関して改良及び改修する必要がある。
流体機械を改修することは、緊急課題であり、人類の持続可能な発展に関係する。流体機械の技術革新には、エネルギー危機及び環境危機の解決が望まれるであろう。
[発明の背景]
流体機械の技術的特徴及び既存の技術状態を検討することによって、いくつかの重要な結論を得ることができる。
容積形流体機械は、位置エネルギーを利用することによって理論上かなりの利点を有する。位置エネルギーは速度とは無関係であるため、作動流速は油圧基準に従うことができる。水力損失は、非常に低いレベルまで、さらには理論上は所望に応じたいかなる低レベルまでにも制御し低下させることができる。油圧効率は、油圧基準内で95%を超えることができ、低速での作動時には98%に達することさえできる。300年間にわたって非容積形流体機械が損失を被ってきた油圧効率のボトルネックは、容積形流体機械にはほとんどない。容積形流体機械で得ることができる速度適応性及び一定流量から得ることができる差圧により、上記機械は、理論上特有の適応性及び柔軟性を有することができる。
しかしながら、現在の容積形流体機械は、上述の利点を利用しておらず発展もさせていない。従来の設計には、複雑な構造、深刻な摩擦損失、低い内部機械効率、及び低い押しのけ効率等のようないくつかの問題がある。内部機械効率及び押しのけ効率は、全効率の乗積要因である。2つの因子の両方又は一方が或る程度まで低下すると、全効率の上限を制限するボトルネックとなるだろう。さらに、既存の容積形流体機械には、厳しい精度要件があり、製造費が比較的高い。その複雑な構造のせいで故障率も高い。これらの欠点が、容積形流体機械の発展を制限している。
内部機械効率又は他の関連因子による制限下では、現在の容積形流体機械の大半の効率は50%未満である。内燃機関の効率は約40%であり、圧縮機及び真空ポンプの効率は約30%である。油圧伝動システムの効率は、機械伝動システムの効率よりもはるかに低い。このように低い効率は、容積形機械の不適切な容積変化運動に主に起因する。不適切な運動学的設計が、不適切な構造設計及び悪い動特性をもたらす。現在の容積形流体機械の2つの容積変化運動タイプ、すなわち直線並進及び回転の特性及び欠点を簡単に分析したものを、以下に記載する。
第1に、古くからあり頻繁に用いられる直線並進(直線往復運動)の主な問題を分析する。
この容積変化運動の主な欠点として明らかなのは、直線並進の移動軌跡自体が閉鎖されていないため、周期的ではないことにより、閉鎖軌跡の周期性を生むために別の逆運動を加える必要が生じることである。これは非常に不利である。非効率な逆運動が加わるだけで、時間単位当たりの内部機械損失はほぼ2倍になり、機能密度は半分に低下する。
別の深刻な問題は、直線並進容積変化運動の機構動力学特性が悪いことである。直線並進で用いられるピストン・リンク・クランク機構は、複雑な構造であるだけでなく、内部力学系の自己平衡性もない。平衡性を得るためには外力を用いなければならない。高速で揺動する二力部材として働くことで、負荷、クランク軸の拘束力、及びリンクの慣性力(変速のプロセスにおける慣性反力)の合力が、大きく且つ移動方向に直交する動的力を発生させる。これは様々な問題を引き起こす。この力が原因で、ピストンピンの嵌合面における拘束力及び摩擦力が増加するため、ピストンの摩擦損失、クランク軸ジャーナルの嵌合面における損失、及びクランク軸軸受における損失も対応して増加する。より詳細には、この非自己平衡性により、ピストン・キャビティ壁の対に垂直負荷力が加わると共に大きな摩擦対が加わる。摩擦力の不均一な分布が嵌合面に加えられ、ピストンリングに対するシール力負荷よりも何倍も大きなその値が、より大きな摩擦損失をもたらし、それに対応してより厳しい潤滑要件及び冷却要件をもたらす。潤滑不良である場合、摩擦がシリンダの擦り傷及び焼付きを引き起こす可能性がある結果として、機械が損傷を受ける。さらに、外部周期的時変平衡力及びトルクが、機械の振動及び構造疲労を引き起こす可能性がある。振動は、この種の機械が発生する騒音汚染の主な原因の1つである。したがって、力学系の自己平衡性のない直線並進の容積変化運動が、大きな損失、激しい振動、複雑で扱い難い構造、厳しい潤滑要件等の多くの問題を有し、効率、コスト、及び環境汚染の点で低い性能をもたらすことが分かる。特に、潤滑問題は、機械の信頼性の低下に直接つながる。厳しい潤滑要件は、製造費及び運転費を増加させる。
典型的な直線並進の容積変化機械である内燃機関では、シリンダ壁温度に対する潤滑の制限が、境界層の完全燃焼の温度条件を損なわせる。シリンダ壁の冷却強化によって生じる低い妥協温度の状況では、境界層の混合ガスが十分に燃焼できず、潤滑油膜が部分揮発及び炭素堆積を引き起こす可能性がある。不安定な冷却、始動時及び変速プロセス時の熱衝撃、並びに遅い熱応答が、この問題を悪化させる可能性がある。不完全燃焼により油が浪費され、燃焼効率が低下し、内部のファウリング及び排気汚染が生じる。排気汚染は、主に一酸化炭素及び黒煙の排出を指す。煙は、炭素粒、潤滑油の揮発性液滴、及びそのゲル等の吸収性粒状物質を含む。これらの汚染物質は、青空を汚染し、人間の生活環境及び生物圏に有害であり得る。さらに、潤滑を維持するための冷却システムは製造費及び運転費を増加させ、水冷システムには霜割れ事故が起こりやすい。
内燃機関に加えて、直線並進の容積変化は、ガス圧縮機、真空ポンプ、及びプランジャタイプの油圧伝動装置等の流体機械に広く適用される。この種の機械の内部機械効率は、ピストン、リンク、及びクランクから成る容積変化機構の複雑性と、機構力学系の非自己平衡性によって生じる摩擦損失とによって低下する。機構の摩擦損失は、低機械効率の主な原因の1つである。
圧縮機及び真空ポンプのような機械における圧縮プロセスは、熱プロセスである。ガスの内部エネルギー及び温度は、ガスシリンダの容積変化の圧縮プロセス中に高まる。しかしながら、熱が発散し難いことで、断熱圧縮が引き起こされる。断熱圧縮の動力消費は、概して、等温圧縮の約1倍を超える。これは、高圧縮比の場合にはさらに大きくなる。したがって、低効率であることが想像できる。多くの往復タイプの圧縮機及び真空ポンプの効率は約30%であり、断熱圧縮は明らかにこの重要な原因である。正確には、圧縮機及び真空ポンプのような種類の機械では、内部機械効率の制約及び断熱圧縮により生じる熱効率因子の制約という2つのボトルネックがある。熱効率因子は、出口における絶対温度に対する入口における絶対温度の比として定義される。これは、瞬間効率の乗積因子ではなく、作動媒体が冷却された後の安定状態の比エネルギーを考慮した実際の効率の乗積因子である。この因子は、50%よりも低く、高圧縮比ではさらに低い場合がある。圧縮機及び真空ポンプのような流体機械の効率を高めるために、容積変化設計時に冷却問題を解決して、等温圧縮を達成しなければならない。既存の技術は、この点で成功していない。
ベーンポンプ及びスライドベーンモータ、並びにプランジャポンプ及びプランジャモータは、既存の技術の回転流体伝動設備の2つのタイプであり、後者は、油圧伝動で主流の設備である。これらは回転構造を有するが、これらの容積変化機構の運動タイプは直線並進であるか、又は回転と組み合わせた直線並進と呼ぶべきである。これらの容積変化原理は異なる。ベーンポンプ及びスライドベーンモータは、回転ロータ内で半径方向に伸縮して偏心キャビティを分割するベーンを利用し、ブレード間の扇形領域の容積を周期的に変える。プランジャポンプ及びプランジャモータは、回転ロータの小キャビティ内でのプランジャの半径方向又は軸方向並進を利用して、小キャビティの容積を変える。後者は、これと協働する正確な円筒面又は端面分配構造を必要とする。
これら2種類の機械は、単純な構造及び小さな動反力を有するが、そのブレード及びプランジャのいずれにも力学系の自己平衡性がないため、平衡性を保つために外部拘束力が必要となる。これらの種類の2つの機械における機械的摩擦の共通する特性は、摩擦を発生させる拘束力が最大になることである。ベーンポンプのブレードの半径方向拘束力は、最大慣性力に事前設定された弾性押圧力を加えたものに等しい。ブレードが後退するとき、負荷の差圧と半径方向拘束力のモーメントによって生じるブレード滑り面の動摩擦抵抗とによって発生するブレードのスライドの動摩擦抵抗を加えるべきであり、滑り面の摩擦抵抗は、負荷の差圧及び半径方向動摩擦モーメントの反力の分布に関連付けられる。プランジャの応力は、ブレードと同様であるが、運動とは逆方向の全負荷力を加えるべきである。これら2つの機械の2つのタイプの摩擦損失では、スライド又は小キャビティにおける摩擦はあまり大きくない。摩擦損失の大半は、ロータの移動方向に発生し、摩擦速度は、容積変化運動の最大線速度に等しく、最大化もされる。摩擦損失の力及び速度因子の両方が最大化される。そのため、摩擦損失は確実に最大化される。摩擦係数のみが調整可能な因子である。したがって、これらの2種類の機械では、内部機械損失の値が大きく、潤滑に大きく依存する。
ベーンポンプは全て、小さな押しのけ量を有する。プランジャポンプは、より広く適用される。垂直拘束力及び摩擦力の(負荷力に対する)発生比は、ピストン・リンク機構と比較して何倍も大きい。同じ潤滑及び摩擦係数の場合、その機構摩擦損失率はより高く、この種の機械の効率に影響を及ぼす。プランジャポンプ及びプランジャモータの効率は、系統化の利点を有する油圧伝動の発展を妨げるため、長期的に見て機械伝動に取って代わることはできない。油圧伝動の効率が機械伝動の効率に近いか又はそれよりも高い場合、機械伝動は駆動チェーンが長いためコストがかかり全効率があまりよくないことから、油圧伝動が確実に採用されるであろうし、自動車の製造費が大幅に減るであろう。
第2のタイプの現在の容積変化、すなわち回転容積変化にも、効率のボトルネックがある。
回転容積変化は、螺旋運動、歯車噛合い運動、及び偏心輪回転に細分することができる。一般に、回転容積変化の機構は、機構の摩擦損失を減らすことを容易にする力学系の自己平衡の特性を有する。しかしながら、別のタイプの内部機械損失が、回転容積変化運動において目立った問題となる。その容積損失は、状況によっては大きすぎる場合がある。具体的な分析は以下の通りである。
螺旋チャネル内のシール位置は、螺旋運動中に移動し続け、これが出口端と入口端との間に連通したキャビティの容積にプラス及びマイナス鋸歯状波の相補的変化を発生させる。実際の作動キャビティは、螺旋ランナと端キャビティとの間の接続の瞬間切り替えと、シール位置の連続移動によって生じるこれらの間の接続部の長さの変化とによって容積変化運動が行われる、螺旋チャネルだけである。容積変化運動は、鋸歯状波状のキャビティの容積変化をもたらし、その容積変化機構はスクリュステムである。スクリュステムの円筒面は、動的シール面である。漏れ流によって回転中に発生する限界摩擦損失は、線速度の3乗に正比例するため、内部機械損失が大きくなって効率を低下させる。通常は高粘度流体の運搬に用いられるスクリュポンプは、内部機械効率が低いが、既存の技術には代わるものがない。スクリュ圧縮機は、シール媒体として潤滑油を用いる。摩擦から生じるその内部機械損失は、シール面積が大きいためやはり大きい。明らかに、内部機械効率は、やはりこの種の機械の効率ボトルネックである。
歯車噛合いタイプの容積変化運動は、バックラッシの連続移動及び噛合い点におけるバックラッシの消滅という特性を有する。流体の出口端と接続されるキャビティでは、歯車の回転が、幾何学的関係によって位相差が決まるパルス増減を重ねた連続脈動変化を発生させる。入口端と接続されるキャビティでは、補償変化が生じる。それらの変化率は非常に小さい。螺旋運動と同様に、実際の作動キャビティは、連続的に移動するバックラッシだけである。このタイプでは、瞬間流量が一定ではなくパルス関数として変化し、実際の容積変化運動がキャビティのパルス状並進であることが異なる。作動キャビティの瞬間容積は、連続フィルタリング後のディラックのデルタ関数(δ関数)シーケンスの応答として表現することができる。歯車ポンプ又は歯車モータは、良好な力学系の自己平衡性及び可逆性を有する。これらは、構造が単純でありコストが少ないため、長い間用いられてきた。この容積変化方法は、以下の問題を発生させる。容積変化によって得られる比押しのけ量(運動空間に対する押しのけ量の比)が非常に小さいため、シール面の相対サイズが大きくなり、高次の指数に関連する内部機械損失も大きくなる。出力の高周波パルスも不利である。動作の際には、端面における限界摩擦によって主に生じる内部機械損失、噛合い点の周りに主に存在する容積損失、及び噛合い点に主に存在する水力損失から成る、3種類の損失が同時に現れる。これらの3つの損失の比率は、具体的な状況に従って変わるが、内部機械損失が中心的である。回転速度が高い場合、水力損失が大きくなり、キャビテーション腐食の損傷を引き起こし得る。容積損失は、低粘度及び低速で大きい。内部機械損失は、歯車噛合いタイプの容積変化の効率ボトルネックである。このボトルネックは克服し難いため、主にこのタイプの容積変化では効率を向上させることが不可能である。
偏心輪手段の回転容積変化方法は、キャビティ内の偏心的に取り付けられたロータのボア占有範囲が、ロータの回転によってボアをスイープすることを意味する。この設計は最近開発されたものであり、その様々な新規設計が特許文献に記載されている。偏心輪回転は、明らかに、螺旋運動及び歯車噛合いよりも適応性が高い。その容積効率及び油圧効率は、その優れた構造及び設計によって向上させることができる。したがって、これは或る程度の利点を有する。しかしながら、以下のような2つの問題がある。
第1に、回転容積変化運動の速度は高すぎる。ロータがボアをスイープするとき、シール面の相対速度は、関連の尺度及びロータの回転速度に正比例する。ボアスイープの効果の経済的設計には、所定の回転速度及びサイズが必要であるため、それに対応して大きな損失が生じる。まず、ロータの端面及び漏れ流が限界摩擦を発生させ得る。極小さな面積での摩擦力は、線速度の2乗に正比例する。その積分後、端面摩擦損失は直径の5次指数に正比例し、回転速度の3乗にも正比例する。したがって、これは、内部機械損失の大半を構成する。ロータの円筒面と高圧キャビティを低圧キャビティから分離する仕切りとの間の摩擦損失は、内部機械損失の別の部分を構成し、線速度に正比例する。損失を減らす唯一の方法は、速度を低下させることであるが、これは機械の経済効率に損害を与える可能性がある。
第2に、偏心輪の回転容積変化方法は、固定質点のエルゴード的機能運動によって形成される大軌跡運動である。ロータにおける質点の線速度の平均及び分散は非常に大きい。したがって、ロータの運動量モーメントは大きすぎ、悪い動特性をもたらす。偏心ロータは、動的平衡の点での設計も困難にし得る。
非容積形流体機械は、本発明の技術分野に属さないかもしれないが、本発明は、本発明の目的が多分野に跨る特性を有するため、非容積形流体機械にも適用することができる。本発明は、応用分野が全く同じであるため、非容積形流体機械にも代替的に適用することができる。非容積形流体機械は、単純な構造、平衡応力、及び高い動力密度を有するため、常に関心が持たれていた。この種の機械の既存の問題は、液体媒体に関して大きな水力損失及び低い効率というボトルネックがあることである。流体運動学的規則に関して速度に依存して作動するこの機械には、2種類の水力損失、すなわち局所抵抗損失及び進行抵抗損失がある。それらの比エネルギー及び動力損失は、それぞれ速度の2乗及び3乗に正比例する。技術の発展によって全局所損失をなくすことができるとしても、進行損失は永遠になくすことができない。
水力損失の影響を受けないガス媒体では、非容積形流体機械へのさらなる効率制限がある。ガスタービンを例とすると、その油圧効率は約90%であるが、その効率は、速度−遠心力−羽根車の強度−ガスの温度−熱サイクルの効率という制約の鎖によって制限されており、これが速度によって生じる熱サイクル効率ボトルネックを発生させるため、長期的に見て1サイクルの熱効率は50%を超えることができない。複合サイクルの熱効率は60%に達することができるが、そのプロセス及びシステム構成の複雑性が製作費をほぼ1倍増加させる。複合サイクルの熱効率の限界は70%であり、ブレードの冷却技術を含めてこの限界に達するための材料及び技術を得るには100年かかるというのが、専門家の予測である。複合サイクルの出力の一部は、熱電気と共に発生する低品質且つ低温の熱である。このサイクルは、現在のところ好ましいが、将来的には必ずしも競争力があるものではない。
非容積形流体機械の改修を試みる過程で、技術的改良がなされてきてはいるが、本質的な制限の克服が困難であることが分かる。
効率ボトルネックに加えて、現在の流体機械の別の深刻な問題は、その技術目標及び製品の単調性である。すなわち、1つのタイプの製品が特定の条件で1つの目的でしか用いられず、具体的なパラメータでさえも大半の条件では変更できない。
しかしながら、多用性が必要とされており、これは製品の適応性及び使用価値を評価する尺度とみなされている。多用性の高い製品ほど、ユーザにとっての価値が高い。ユニバーサルレンチに固定レンチとは異なる使用価値があることは明らかである。しかしながら、現在の流体機械におけるユーザの需要はほとんど問題にされていない。これまで、ほぼ全ての種類の製品の機能が単調であり、製品の応用パラメータも事前設定されている(変更不可能である)。例えば、流体相が事前設定されており、ガス又は液体機械を代替的に用いることができない。別の例では、20メートルの揚程を有する水ポンプは100メートルの揚程で用いることは不可能である。100メートルの揚程を有する水ポンプを20メートルの揚程で用いる場合、効率が大幅に低下することになるだろう。このような自由度は、既存の技術では提供されておらず、提供することもできない。
現在の流体機械での多用性の欠如は、条件価値が0に戻される、すなわち、使用価値を実現する条件が現れなければリアルタイムの価値は0に等しいという結果をもたらす。これは数学的論理であり、社会的に大きな浪費を発生させ得る。製造業者の製品、流通商品、及びユーザの手元にある設備の全てが、使用価値に変わる自然資源及び社会的労働力を消費する。単調性によって、使用価値は条件付き確率を有する価値になる。条件が現れない場合、使用価値はない。世界的な複雑性により、多くの場所及び時間において多くの条件が存在しなくなることがあり、価値が0に戻るという非統計的損失をもたらす。
多様性の欠如による別の結果は、高額なことである。その理由は単純である。多様性の欠如により、結果的にタイプ及び仕様が複雑になり、生産ロットがほとんどない多くの製品タイプができる。また、商業的製造の原理に従って、高額になることは避けられない。例えば、流体機械の分野、非容積形の羽根車機械、及び半径方向流タイプに属する遠心ポンプは、中国企業の製品カタログでは10,000種類を超える。製品設計、生産組織、流通、及び用途の複雑性が、常に購入及び保守の高コストを招いている。
流体機械は大型であり、種々の機能及び数オーダをカバーする種々のパラメータを有する多くのタイプがあり、人間の生産及び生活の大半の分野で用いられている。遠心ポンプの例によって計算及び概算すると、全世界に10万を超えるタイプ及び仕様の流体機械がある。多用性のある設計が実現されれば、需要を満たすのに数千タイプしか必要にならなくなるであろう。平均バッチは10倍を超えて増加させることができる。コストは半分に減らすことができ、設備のストックは1/3以下に減らすことができ、自然資源の消費も同程度減らすことができる。具体的な量を正確に計算することはできないが、大量となるのは確実である。
多様性の欠如は、容積形及び非容積形の流体機械の両方において、長い間普遍的に存在している。歴史に伴って莫大な劣性浪費が存在している。従来の経済理論によれば、製造業者、事業家、及びユーザは、価値が0に戻りコストが高くなるという前述の損失を共に負う。しかしながら、この損失を負うのは実際には全人類である。多様性の欠如は、自然資源の消費を数倍に増加させ、その結果、深刻な資源浪費及び環境汚染が同程度増加する。これは、人類の生態学的利益及び持続可能な発展の未来に対する貸越しである。
要約すると、流体機械の分野には、低効率、環境汚染、及び多様性の欠如等の問題がある。多用性欠如問題の深刻さは、大半の人々には知られていないか、又は実際問題ではなく理論上の問題としかみなされていない。又は、この問題は、認識されてはいるが実際に解決することができない。
特に、容積形流体機械の効率問題に関して、その2つのタイプの容積変化運動に明らかな欠点がある。機構摩擦の内部機械損失は、直線並進機構において深刻であり、厳しい潤滑、燃焼衝突、及び環境汚染等の派生問題につながる。限界摩擦の内部機械損失は、回転式機械における主な損失である。これらの2つの運動はいずれも、機械損失を被る。わずかに改修しても大きな収益を得ることはできないことは明らかである。効率ボトルネックは、新たな容積変化方法を求め、障害を避けることによってしか克服することができない。
新たな容積変化方法が、直線並進機構における機構摩擦問題を解決するだけでなく、回転式機械における限界摩擦の問題も解決すると共に同時に他の派生問題も解決して内部機械効率を実質的に高めることができれば、容積形流体機械の効率ボトルネックを克服することができる。
予測される克服は、容積形流体機械だけでなく、流体機械の全分野にも適用される。非容積形流体機械も速度−効率という制約の鎖によって制限されているからである。ガスタービンの複合サイクル並びに様々な新規プロセス及び設計がますます完璧になってきているにもかかわらず、画期的な発明が提案されない限り改良できる点は少なくなる。全ての用途において、非容積形流体機械は、容積形流体機械で置き換えることができる。効率、環境保護、及びコスト等の主な技術経済性能に関する利益があれば、この置き換えを人々の主観的目的で変えることはできない。
新たな容積変化方法が、単調性の問題も解決し、流体機械の大半の製品を多機能且つ多用途向けにすれば、状況は改善されるように思われる。流体機械のタイプ及びシリーズのオーダが減り、製品価値実現の条件付き確率のオーダが増え、ユーザの装置の有用性が高まり、保管量が大幅に減り、製造業者における製品バッチの数が増え、コストが大幅に減り、価格が低下するであろう。すると、資源消費及び環境汚染が大幅に減るであろう。
1.定義
ルードン:剛性体が軸の周りを回転する運動を公転と呼ぶ。同時に、剛性体は、自らの質量中心に近い平行軸を中心に逆方向に回転し、これを自転と呼ぶ。公転速度及び自転速度の絶対値が同じか又は近い場合、これらを組み合わせると、ルードンと呼ばれる並進運動又は近似並進運動になる。自転及び公転の瞬間角速度の絶対値が常に等しい場合、純粋ルードンが生じる。剛性体の各質点は、円形に同期して移動する。
ルードン軸、ルードン中心:公転運動の軸をルードン軸と呼び、ルードン軸をその垂直平面上に投影したものをルードン中心と呼ぶ。
ルードン直径、ルードン半径:自転軸の公転軌跡の直径及び半径を、それぞれルードン直径及びルードン半径と呼ぶ。剛性体の全質点が移動する円軌道の直径は、ルードン直径に等しい。線速度は、ルードン半径と公転の角速度との積に等しい。ルードン半径が非常に小さい場合、線速度は非常に小さいため、運動量モーメント及び運動エネルギーが大幅に減り、均一に分布される。その結果、運動損失のオーダが減る。
ルードンロータ:これは、ルードン運動を行う軽量化された円筒形構成部品であり、軸受によってクランク軸の偏心部分に取り付けられる。これは、クランク軸の回転に伴って公転すると同時に、慣性によって自動的に自転する。これら2つの運動がルードンを構成する。
クランク軸:これは、ルードンロータを拘束して力及びモーメントを伝える剛性の回転構成部品である。これは、二軸又は多軸円筒形部品から成る。ルードン軸を軸とする円筒形部品を主軸又はルードン軸と呼び、他の円筒形部品はルードンロータを拘束するのに用いられる偏心軸と呼ばれ、これらの軸は自転軸である。
ルードンキャビティ:これは通常、ルードンロータのルードン運動を囲んで、ルードンロータと接線嵌合関係を形成することができる、円筒形のキャビティである。
ルードン比:これは、ルードンキャビティの直径に対するルードン半径の比、すなわち正規化ルードン半径δである。これは、ルードン力学の基本パラメータである。
ルードン速度比、ルードン運動量比、ルードン運動量モーメント比、ルードン運動エネルギー比、ルードン端面損失比、ルードン円筒面損失比:これらは、ルードンキャビティと同じ密度、角速度、及び形状を有するルードンロータ円筒面又は本体全体に対する、純粋ルードン運動中のルードンロータのパラメータに対応する比である。線速度の比をルードン速度比と呼ぶ。運動量の比をルードン運動量比と呼ぶ。運動量モーメントの比をルードン運動量モーメント比と呼ぶ。運動エネルギーの比をルードン運動エネルギー比と呼ぶ。端面の限界摩擦損失の比をルードン端面損失比と呼ぶ。円筒面の単位面積上の限界摩擦損失の比をルードン円筒面損失比と呼ぶ。
ルードン力学:これは、ルードンの運動学及び動力学とその応用とを研究する特殊な科目である。本発明で用いられるルードン力学の主な法則は、ルードン速度比=δ、ルードン運動量比≒1.5δ、ルードン運動量モーメント比≒2δ、ルードン運動エネルギー比≒2δ、ルードン端面損失比≒2.5δ、ルードン円筒面損失比≒δ、である。
揺動ルードン:これは、実際に得られるタイプのルードン運動である。その自転には、同じ周期の小振幅揺動運動が重ねられるが、平均角速度は不変であり、その運動量モーメント及び運動エネルギーは、小さなオーダしか増加しない。揺動ルードンは、様々な制約に応じて、単純調和タイプ及び均一加速タイプ等に分類することができる。単純調和タイプの駆動モーメントは角変位の調和関数であり、ルードンロータにおけるその質点の運動軌道は楕円形である。揺動ルードンは、油圧効率の向上に寄与し、高粘度媒体に特に適している。
転動ルードン:これは、別の実際に得られるタイプのルードン運動である。その自転の角速度は、限られたわずかな大きさだけ公転の角速度よりも大きく、これにより、ルードンロータ及びルードンキャビティの接線における線速度が常に0となる。その角速度の増分率は、ルードン比に等しく、その運動量モーメント及び運動エネルギーの増分量は、やはり小さなオーダである。転動ルードンは、ルードンキャビティの柔軟な圧力シールに寄与する。これは、差圧が大きい場合の容積効率の向上に特に適している。
ルードン容積変化方法:これは、比エネルギーの増減を伴って連続的に作動流体の充填とその後の作動キャビティからの排出とを行うように容積形流体機械の作動キャビティがその形状及び容積を周期的に変える、一種の運動及びそれを実現する方法である。その運動特性は、作動キャビティの可動壁が周期的なルードン運動を行うことである。
ルードン容積変化機構:これは、ルードン容積変化方法の容積変化運動を実現する運動機構であり、ルードン機構と、ルードンロータ及びその移動空間を含むルードンキャビティと、変圧キャビティを定圧キャビティから分離する仕切板とから成る。
ルードン機構:これは、ルードンロータと、軸受によってルードンロータを拘束するクランク軸とから成る移動機構である。クランク軸は、ルードン機構の堅個な拘束系であるため、1回転の自由度しか有さない。したがって、ルードンロータは、関連する公転自由度を得る。独立した自転は、慣性及び摩擦力の制約によって柔軟に駆動されるか、又は別の剛性拘束体によって堅固に抑制される。しかしながら、ルードン運動を形成する自転自由度があれば十分である。ルードン機構の質点の運動空間及び速度は小さいが、占有空間の移動空間及び機能速度は、中継機構によって1オーダ増幅される。これに対応する機能の効果は、同じだけ増幅される。
従動仕切板:これは、ルードンロータと一体的に接続されるか、又はルードンロータと同期して移動してその円筒面とのシール接触を保つ、平面状の構成部品である。これは、変圧キャビティ及び定圧キャビティの仕切構造であり、ルードン軸が通る平面上で移動するか又はそれと平行である。
変圧キャビティ:これは、容積変化のプロセス中に流体の圧力又は比エネルギーが変わる作動キャビティである。この変化は、圧縮性流体では連続的であり、非圧縮性流体では段階的である。
変圧キャビティの内中心角:これは、変圧キャビティ側のルードンロータの円筒面に対応するルードンロータの中心角である。
変圧キャビティの内弦割面:これは、内側中心角に対応する弦割面であり、ルードンロータの同等受圧面でもある。
定圧キャビティ:これは、容積変化のプロセス中に流体の圧力及び比エネルギーが変わらない作動キャビティである。流体の運動は定圧プロセスであり、これは次の周期の圧力変化プロセスのための同期準備プロセスである。
ルードンキャビティのシールライン:これは、外側円筒面とルードンキャビティとの接触によって生じると共に公転と同期して回転する接線である。
コック:これは、揺動ルードン機構の従動仕切板用の拘束構成部品であり、軸を通るスロットを有するシリンダであり、固定軸の周りを有限振幅で回転することができ、ルードンロータ又はルードンキャビティと堅固に接続された従動仕切壁をコック軸を通して拘束することができる。
占有空間:これは、ルードン運動中のルードンロータのリアルタイムの位置及び占している有空間の呼称である。
ボアスイープ、ボア加圧:これは、作動キャビティの容積変化を引き起こす機能運動を特に指す。ボアスイープは、ルードンロータの占有空間がルードンキャビティのボアの壁に対して接線方向に回転する回転である。ボア加圧は、転動ルードン中のルードンロータの空間占有運動である。
中継機構:これは、ルードンロータの占有空間及びルードンキャビティシールラインの運動のような大きな機能運動を、元の位置が連続的に入れ替わる質点の小さな運動によって実現することができる機構であり、これは中継器のようなものである。
力学系の自己平衡特性:これは、容積形流体機械に関して、容積変化機構内又は内部機構と外部関連機構との間の対偶の力及びモーメントが軸受によってのみ伝えられる特性である。
流体機械:これは、流れ場又は熱力学的状態の遷移及び変化規則を利用して仕事をエネルギーに、又はエネルギーを仕事に変え、流体によって機械動力を伝達、制御、及び分配する機械である。流体を搬送、分配、計量、及び制御する機械も、流体機械に属する。流体機械は、運動タイプごとに3つのタイプ、すなわち従来の直線並進、回転、及び本発明のルードンに分類することができる。エネルギータイプで分類する場合、速度タイプの回転羽根車を除く全ての流体機械が、圧力タイプの容積形である。
機構の摩擦損失:これは、流体機械の容積変化運動中の機構の対偶における動摩擦によって引き起こされる機械動力損失である。本発明では、これは力学系の非自己平衡特性によって引き起こされる摩擦損失を特に指す。
限界摩擦損失:これは、流体機械の容積変化運動中に、機構の非チャネル運動面と漏れた流体との間の摩擦によって消費される機械動力を指す。
内部機械損失:流体機械の運動機構によって得られる軸動力を、内部動力と呼ぶ。内部動力のうち、機械的摩擦によって消費される部分を内部機械損失と呼び、これは機構の摩擦損失及び限界摩擦損失を含む。前者はさらに、軸受損失及び機構摩擦損失という2つの部分に分けることができる。
比水力損失、水力損失:流体機械のチャネルを流れる流体の単位質量によって生じる流体力学的損失の和を、比水力損失と呼ぶ。これは、流速の2乗に正比例する。比水力損失と流れとの積を水力損失と呼び、これは冪次元を有し、その値は流速の3乗に正比例する。
ルードン流体機械:これは、ルードン容積変化機構を含み、この機構によって主な目的機能を実現する流体機械である。これは、動力、駆動及び制動、流体伝達、計量、状態及び流体状態制御等のタイプに分類することができる。これは、燃焼機関、水力発電機、油圧モータ及び空気圧モータ、水ポンプ、油ポンプ、二相流ポンプ、ファン及び圧縮機、真空ポンプ、二相流真空ポンプ、油圧トルク対流放熱器、複合動力分割器、油圧ブレーキ、ロッキングパラメータ制御ポンプ、パラメータ調節ポンプ、流量制御ポンプ、定比ポート装置、ランダムエネルギー交換機セット、及びランダムエネルギー流積分装置のような多くの機械に適用することができる。
回転ルードン及び回転ルードン機構:回転ルードンは、ルードン参照系がルードン軸の周りを公転方向とは逆方向であるが同じ角速度で回転する一種のルードンである。静止座標系では、ルードンキャビティ及びルードンロータは、静止ルードン軸及び自転軸の周りを同じ方向に別々に回転し、ルードンはこれらの間での差動運動である。回転ルードン機構は、静止クランク軸及びクランク軸の偏心部分上の回転ルードンロータを含む。そのルードンキャビティは、ルードン軸の周りを回転するシリンダである。
回転ルードン流体機械:ルードン容積変化機構が一体となって回転するルードン流体機械を、回転ルードン流体機械と呼ぶ。その従動仕切壁は、ルードンキャビティと堅固且つ気密に接続され、ルードンキャビティと一体的に回転する。ルードンロータは、ルードンキャビティに対して揺動ルードン運動を行い、これは、静止座標系においてわずかな揺動が重ねられる回転である。
ルードン内燃機関:これは、ガス膨張作動機構がルードンする内燃機関であり、付加的なガス燃焼発生構成部品を有する一種のルードン流体機械である。これは、本発明の重要な用途である。これは、ルードン容積変化機構と、同軸駆動式ルードン定比分配ポンプセットと、タイミングノズルと、同期作動する定容加熱インパルス燃焼室とから成る。これには、高圧縮比、高効率、高動力密度、低汚染、潤滑不要、長寿命等の利点があり、これらは従来の燃焼機関とは比べ物にならない。
ルードン水力機関:これは主に、ルードン容積変化機構から成る位置エネルギー駆動式の水力機関である。
ルードンモータ:これは、流体圧力によって直接駆動されるルードン容積変化機関であり、ルードン流体機械の重要な応用例である。油圧モータ及び空気圧モータは、各分野の応用例である。
ルードン空気圧モータ:これは主に、ルードン容積変化機構から成る位置エネルギー駆動式の空気圧モータである。これは、気相の作動物質のためのルードンモータの応用例である。インパルス弁を備えた空気圧モータが最も効率的である。
ルードン油圧モータ:これは、ルードン容積変化機構から成る位置エネルギー駆動式の油圧モータである。これは、液相の作動物質のためのルードンモータの応用例であり、従来の油圧モータよりもはるかに効率がよい。
ルードン流体ブースタポンプ:これは、流体にエネルギーを与えるために流体を加圧するルードン容積変化機構を備える機械ポンプである。これは、ルードン流体機械の重要な応用例である。これは、媒体の相に応じて、液体ブースタポンプ、二相流ポンプ、圧縮機、真空ポンプ、及び二相流真空ポンプに分類することができる。
圧縮性流体用ルードンブースタポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプまたは応用例の呼称である。これは、気相及び気液二相流体の加圧作動に用いることができる。
断熱圧縮:これは、その圧縮プロセス中に圧縮ガスが外部環境と熱を交換しない圧縮プロセスである。拡散吸熱物質が存在しない場合、瞬間補完的な圧縮プロセスが断熱圧縮である。
等温圧縮:これは、その圧縮プロセス中に圧縮ガスが周囲環境に圧縮熱を放出して不変温度を保つ圧縮プロセスである。進行の遅い圧縮プロセスと、十分な熱容量及び十分に大きな表面積を有する吸熱物質が広く分散する瞬間圧縮プロセスとを、等温圧縮とみなすことができる。
ルードン圧縮機:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプ又は応用例の呼称である。これは、気相及び気液二相流体の加圧に用いることができ、等温圧縮を実現することができる。
ルードンファン、ルードンエアブロア、ルードン通風機:これらは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプ又は応用例の呼称である。これらは、低圧の気相流体の搬送に用いることができる。
ルードン二相流ブースタポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプ又は応用例の呼称である。これは、気液二相流体の加圧に用いることができ、種々の気液比に広い適応性がある。
ルードン真空ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つのタイプである。これは、大気圧を負圧に減圧する気相流体の減圧に用いられる。入口は、真空負荷に接続される。
ルードン二相流真空ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプ又は応用例の呼称である。これは、気液流体の真空圧送に用いられる。その入口は、真空負荷に接続される。
ルードン油圧ブースタポンプ、ルードン水ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプ又は応用例の呼称である。これは、液体流体の加圧に用いられる。これは、一般に作動流体から独立している場合、ルードン水ポンプと総称される。
ルードン油圧ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードンブースタポンプの1つの設計タイプである。これは油圧伝動に用いられ、その作用圧力は比較的高いか又は非常に高い。
ルードン油圧伝動システム:これは、ルードン油圧ポンプ及びルードン油圧モータから成り、動力を伝えて回転速度及びトルクを変える効率的な伝動システムである。その変速比の要件の範囲内には、いかなる理論的限度も手順的限度もない。簡便性、効率、及び優れたメンテナンス性といった特性が顕著であるため、自動車、列車、船舶、及び他の機械のような乗り物に適用した場合、効率を高めることができ、コストを大幅に減らすことができる。
ルードン油圧減速機:これは、ルードン油圧ポンプ及びルードン油圧モータから成り、回転速度を減らしトルクを増大させる効率的な伝動システムである。これは、バイパス絞り・締切り弁のクラッチを含んでいてもよい。
ルードン油圧変速機:これは、同軸上に取り付けられた可変容量形ルードン油圧ポンプセット及び可変容量形ルードン油圧モータセットから成り、回転速度及びトルクを調整する、効率的な油圧変速機である。これには、バイパス絞り・締切り弁のクラッチが設けられてもよい。
バイパス絞り・締切りクラッチ:これは、ルードン油圧伝動システムで付随的に実現される仮想クラッチの1つの設計である。手動又は自動の時間プログラムされた制御絞り・遮断弁が、ポンプとモータとの間の高圧管及び低圧管に取り付けられ、その短絡、絞り、締切りの状態は、伝動切断、緩衝、及び接続の機能に対応する。適切な絞り時間のプログラムにより、高接続緩衝を実現することができ、特殊な伝動チェーンクラッチが不要である。
ルードン計量ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成り、加圧、減圧、又は制御の積分機能を有する、流体の容積流量又は変換質量流量の直接読取検出、感知、及び積分に用いられる計量ポンプである。連動式計量ポンプが、定比分配装置を構成する。
ルードン計量ブースタポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成り、流体の計量及び増圧の積分機能を有する計量ブースタポンプ又は構成部品である。
ルードン空気計量ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードン計量ポンプ又は構成部品であり、空気の容積流量又は変換質量流量を計量する。
ルードン燃料計量ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成り、ガス又は油の容積流量又は変換質量流量を計量する。
ルードン計量圧縮機:これは、ルードン容積変化機構)から成り、空気の質量流量を計量して空気を圧縮する。
ルードン燃料計量ブースタポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成るルードン計量ブースタポンプ又は構成部品であり、ガス又は油の質量流量を計量して圧縮する。
ルードン定比分配ポンプセット:これは、ルードン容積変化機構から成るルードン計量ポンプセットであり、比率要件に従って流体材料の容積流量又は変換質量流量の分配を制御する。
ルードン定比分配モータ・ポンプセット:これは、ルードン容積変化機構から成るルードン計量モータ・ポンプセットであり、必要な比率に応じて流体材料の容積流量又は変換質量流量の分配を制御する。これは、減圧流体によって駆動される。
ルードン大気圧燃焼定比分配ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成る大気圧燃焼分配ポンプセットであり、最適化された空燃比に従って流れを分配する。
ガスストーブ用ルードン定比分配装置:これは、ルードン容積変化機構から成る大気圧燃焼分配制御装置であり、最適化された空燃比に従って流体を分配する。これは、調整弁の後の圧縮ガスによって駆動される。
ルードン流体エネルギー交換機:これは、少なくとも1つの回路から少なくとも1つ又は複数の他の回路に流体圧力エネルギーを伝える連動式モータ・ポンプセットである。
ルードン水力水ポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成り、水力によって駆動される水ポンプである。また、これは、連動式ルードン水力機関・水ポンプセットでもある。
ルードン水力流量可変ポンプ:これは、高落差小流量の水を利用して低揚程大流量の水を駆動するルードン油圧水ポンプである。これは、圧力を減らして流量を増やすというニーズを満たす。これは、交換ループを取り付けることによって水力圧力可変ポンプに変えることができる。
ルードン水力圧力可変ポンプ:これは、低落差大流量の水を利用して高揚程小流量の水を駆動するルードン油圧水ポンプである。これは、圧力と揚程とを増やすというニーズを満たす。これは、交換ループを取り付けることによって水力流量可変ポンプに変えることができる。
ルードンランダムエネルギー流積分システム:これは、リアルタイムのランダム流体エネルギーを圧力エネルギーに転換してそれを集中利用のために蓄積することができるルードン流体機械及びその分配システムである。このシステムは、風力エネルギー、水力、及び生産プロセス中の流体の冗長圧力エネルギーを収集して利用するのに用いられる。
水力積分により蓄積されたエネルギーを利用するルードン発電システム:これは、ルードン水力機関及び空気圧縮機が同軸上に取り付けられた小型自然エネルギーシステムである。このシステムは、作動すると圧縮空気を生成し、続いてこれが管を通して搬送された後で空気タンクに蓄積される。圧縮空気を用いる場合、これを放出するだけでルードン空気圧モータが駆動され、これが作動している数値制御励起発生器を駆動する。
ルードン高適応性風力システム:これは、大出力及び低コストの風力システムである。連動式高適応性風力羽根車から成るルードン圧縮機であるユニットが、分布して取り付けられてリアルタイムで圧縮空気を送り出し、これが管を通して空気タンクに集められて、最適に運転している1つのルードン空気圧モータ・数値制御励起発生器セットを駆動する。
回転ルードン油圧車輪:これは、油圧によって駆動される一種の単純且つ効率的な車輪である。車輪ハブは、ルードン軸の周りを逆方向に公転するルードンモータの回転シリンダであり、ルードン軸は、静止キャリッジ軸であるため、シャーシの接続が簡単である。
ルードン二相流熱ポンプ圧縮機:これは、ルードン二相流圧縮機である。気液二相流循環であるため、熱伝達が強化される。絞り管が減圧のためのルードンモータと交換される場合、絞り熱がなくなり、圧力エネルギーを再循環させることができる。
重力流、階段微小液体シール:重力流と呼ばれる下降流を減らす方法が、ルードン二相熱ポンプシステムの蒸発器の管路構造において採用される。重力とは逆方向のいくつかの階段が設定されており、これを階段微小液体シールと呼ぶ。
過冷蒸気、過熱蒸気:圧力が飽和圧力よりも高い蒸気を過冷蒸気と呼ぶ。圧力が飽和圧力よりも低い蒸気を過熱蒸気と呼ぶ。飽和圧力は、温度の単値単調関数である。
過冷蒸発、過熱凝縮:過冷蒸気を発生させる冷却蒸発プロセスを過冷蒸発と呼び、その圧力は飽和圧力よりも高い。過熱蒸気の凝縮プロセスを過熱凝縮と呼び、その圧力は飽和圧力よりも低い。
温水器用ルードン二相流熱ポンプ圧縮機:これは、ソーラーボード及び空気熱交換ボードからの熱を一体型蓄熱タイプの定温水タンクに圧送するために、ルードン二相流圧縮機を用いる。気液二相媒体が循環し、ルードンモータが減圧を行う。
制冷係数、変熱係数:熱圧送プロセス中の仕事に対する、冷却機によって低温熱源から吸収される熱の比を、制冷係数と呼ぶ。熱圧送プロセス中の仕事に対する、熱ポンプが高温熱源に放出する熱の比を、変熱係数と呼ぶ。これら2つの係数は、高温熱源又は低温熱源の絶対温度に正比例し、熱圧送の温度差に反比例する。
ルードン内燃機関定比分配ブースタポンプ:これは、ルードン容積変化機構から成る内燃機関計量ブースタポンプセットであり、最適化された空燃比に従って流れを分配する。これは、ルードン内燃機関、燃焼ガスタービン、及び往復式内燃機関のための分配及び加圧構成部品として用いられる。燃焼ガスタービン及び往復式内燃機関の用途は、ウォーム車輪圧縮機を個別に取り外し、対応して2行程で外部空気圧縮を行うように変えられる。これは、ポンプセットの入口及びルードンキャビティ内に冷水を吹き付けることによって、等温圧縮を実現する。二相流の出力は、分離・緩衝・調整装置によって分離される。冷水流は、ルードンフィードバックモータに流入してその圧力エネルギーを再循環させる。流れは、適宜調整される。
ルードンフィードバックモータ:これは、ルードン等温圧縮機の冷却液のエネルギーを再循環させるモータである。その入口は、分離・緩衝コントローラの冷却水の出口に接続される。
分離・緩衝・調整装置:これは、流れの重力分離、緩衝、及び適応制御の機能を有する、等温圧縮機の冷却液のための分離装置である。冷却水の流れは、定液位フロート弁によって閉ループ制御される。
ルードンガスストーブ定比分配器:これは、ルードン容積変化機構から成る大気圧燃焼分配コントローラであり、最適化された空燃比に従って流れを分配する。これは、減圧ガスによって駆動される。代替的に、これは、空気余裕係数の微調整締切り弁を備えていてもよい。
空気余裕係数:燃料及び空気の物理的及び化学的パラメータが分配される状況において、燃焼反応の最低空燃比は、酸素の質量流量の下限及び有効燃焼組成物の質量流量の上限に従って計算される。実際の空気流が最低空燃比で必要な流れを超える増分パーセンテージを、空気余裕係数と呼ぶ。
低抵抗絞り弁:これは、空気余裕係数の調整に用いられる低抵抗減圧調整弁である。その調整の下限は空燃比の下限として設計され、上限は最大余裕係数によって決まる。分配器の押しのけ量比は、その上限に従って設計される。
多用性パラメータ:これらは、ルードン流体機械の多用性を特徴付けるパラメータである。これは、基本パラメータ及び非基本パラメータに分類することができる。基本パラメータは、耐圧、軸強度(トルク)、速度限界、及び押しのけ量を含む。非基本パラメータは、水ポンプの最高揚程、最高速度、及び揚程と流量と動力と回転速度との間の関係、空気圧縮機の最大圧力、最高回転速度、及び圧力と流量と回転速度との間の関係、水力機関の最高落差、落差と流量との間の関係、回転速度、及び動力、ブロアの最高回転速度、風量と回転速度との間の関係、及び動力と回転速度との間の関係等のような、多用性空間の任意の他のパラメータであり得る。
安全パラメータ、強度パラメータ、上限パラメータ:これら3つのパラメータ、すなわち、耐圧、軸強度、及び速度限界は、流体機械の構造強度を特徴付け、キャビティの最大耐圧、主軸の最大トルク及び回転速度に対応している。
多用性基本パラメータ:これらは、耐圧、軸強度、速度限界、及び押しのけ量というわずか4つのパラメータである安全パラメータ及び押しのけ量を含む。安全パラメータを不等式パラメータと呼び、押しのけ量を方程式パラメータと呼ぶ。
方程式パラメータ:これは押しのけ量であり、汎用流体機械の多用性基本パラメータにおける唯一の機能パラメータである。これは、機能指標方程式における一定パラメータである。
指標方程式:これは、未知変数が圧力、流量、及び動力であるプロセス方程式である。圧縮性流体及び非圧縮性流体では、これは、加熱力及びポテンシャル流のエネルギー及び流量連続性の方程式に対応する。これは、一連の安全条件不等式と共に機能パラメータを解くために用いることができる。これら3つの未知変数の2つのみが独立している。
定流特性:これは、流量が回転速度に正比例しており、定速の結果として定流が得られるという、ルードン流体機械の出力特性の1つである。しかしながら、圧力は負荷に適応し、流量とは無関係である。
圧力適応性、動力適応性:これらは、出力圧力が流量とは無関係であり負荷に適応するという特性である。動力は、負荷圧力及び回転速度によって決まる。
圧力多用性:これは、ルードン流体機械の安全限界内の圧力及び動力の多用性であり、耐圧、軸強度、及び速度限界に対応する圧力上限内で自由に選択される圧力及び回転速度の任意の組み合わせで経済的に効率的であるという適応性である。
媒体多用性:これは、ルードン流体機械の安全条件限界内で同じ相を有する流体の多用性であり、耐圧、軸強度、及び速度限界に対応する圧力上限内で自由に選択される非禁制化学物質の任意の不変媒体に関して経済的に効率的であるという適応性である。
相多用性:これは、ルードン流体機械の安全条件限度内での流体の相の多用性であり、耐圧、軸強度、及び速度限界に対応する圧力上限内で自由に選択される非禁制化学物質の流体相に関して経済的に効率的である適応性である。これは、圧力多用性を含む。
流体機械の多用性:ルードン流体機械は、タイプ及びシリーズ計画によって与えられる、多機能性と、可逆性と、圧力多用性、媒体多用性、及び相多用性の技術的特性とを有する。これは、多用性を有する設計でなければならず、多用性の銘板が付けられる。
ルードン多用途流体機械:これは、多用性を有するように計画及び設計され、多用性基準に関するパラメータが表記された多用途ルードン流体機械である。これは、タイプ及びシリーズ計画によって与えられた圧力及び動力に上限のない、多機能性と、相多用性と、連続適合性とを有する。
[発明の概要]
本発明は、上述の問題を解決することを目的とする。
本発明の第1の目的は、新たな運動タイプ及び新たな機構を含む容積形流体機械の新たな容積変化運動方法を設計して、この種の機械の効率を大幅に向上させることである。流体機械の応用複雑性を考慮して、容積変化運動のいくつかの派生的タイプ及び対応する構造も関連し、これらはこの新たな方法の力学的原理から推論及び演繹される。
本発明の第2の目的は、容積形流体機械の様々な用途を、その新たな容積変化方法の設計と同期して設計することである。その機能及び性能は、或る物体として設計される応用で試験することができ、新たな概念及び新たな特性を定義するのに必要且つ十分である。本発明の用途設計は、概念の視覚化に属し、視覚化の程度は、当業者の実施能力に応じて決まる。多くの用途は、既存の技術では実現することができない。
本発明の第3の目的は、流体機械の新たな容積変化方法の用途設計において機能及び条件機能を組み合わせることである。機能多用性、パラメータ多様性、及び媒体多用性を含む流体機械の多用性は、この目的に基づいて定義及び設計される。一般的には、この目的は、流体機械を多機能機械として設計することである。1つの機械を様々な用途で用いることができ、これは、この機械が機関だけでなく、水ポンプ、又は圧縮機又は真空ポンプ等でもあり得ることを意味する。
流体機械の技術分野における本質的且つ普遍的な革新の需要は、本発明の目的で考慮されており、対応する理論的基礎を設定する要件も適切に認識されている。或る種の機械に関する或るタイプの運動方法を発明する場合、運動は機械の中核であるため、当該機械を発明する全作業が必然的に伴う。機械の運動は、運動モード、運動機構、運動原理、及び運動の機能に関連する。非常に多くの用途で有利に用いることができる単純な技術的解決手段の構成を試みることが課題である。本発明には非常に多くのものが含まれるため、本明細書に再三現れる内容及び文章の表現を簡略化する必要がある。
本発明の解決手段は、容積形流体機械のルードン容積変化方法である。この方法は、ルードン容積変化運動、ルードン機構及びその構造、ルードン及びルードン容積変化運動の力学的原理、並びにルードン容積変化流体機械の機能設定、性能設定及び用途分類等を含む。
ルードン容積変化方法では、キャビティの容積変化運動は、公転及び該公転と逆方向だが同じ速度の自転の組み合わせによるルードン運動にある。ルードン容積変化機構は、容積形流体機械に含まれ、ルードン機構と、ルードンキャビティと、従動仕切板とから成る。ルードン機構のルードンロータは、ルードンキャビティ内でルードンすると共に、ルードンキャビティの内壁と接して三日月形の円筒キャビティを形成する。ルードンキャビティは、仕切板によって変圧キャビティ及び定圧キャビティに分けられる。これら2つのキャビティは、一方が入口及び出口の一方と接続されているとき、他方が入口及び出口の他方と接続される。2つのキャビティの容積は、周期的且つ相補的に変化する。流体容積は、圧力の連続的増減又は段階的増減と、圧縮性流体の比容積の連続的増減とを伴って、変圧キャビティの容積変化運動中に能動的に増加又は受動的に減少する。定圧キャビティの容積変化運動は、定圧下で流体を圧送して出入りさせるだけである。容積形流体機械の機能は、2つのキャビティの一方の容積変化運動によって直接行われる。他方のキャビティの容積変化運動は、補助的なプロセスである。
変圧キャビティ及び定圧キャビティはいずれも、ルードンキャビティの内面、ルードンロータの外面、及び従動仕切板のシール面から成り、2つのキャビティは、ルードンキャビティ及び従動仕切板のシールラインによって分離される。ルードン機構がルードンキャビティ内でルードン運動を行うと、ルードンロータの占有空間が公転によってルードン軸の周りを回転する。ルードンロータの占有空間の回転は、連続中継ボアスイープ運動またはボア加圧運動を形成する。したがって、変圧キャビティ及び定圧キャビティの位置及び容積は、周期的に変わる。
主軸が1周期回転すると、変圧キャビティの容積は、0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減る。これは、可変圧力変化及び可変容積変化の作動周期を形成し、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢する。定圧キャビティの容積は、最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増え、定圧下で流体を圧送して出入りさせる。このプロセスは、変圧プロセスと同期して進められる。
上述のルードン容積変化方法は、ルードン容積変化のモード、ルードン運動の運動特性、容積変化機構の構成、ルードン容積変化の実施、及び流体の運動に対するその作用を含む。
ルードン運動は、速度低下を目的とすると共に力学の基本概念からの演繹に基づいて、1つのタイプの容積変化運動として流体機械に導入される。この運動タイプは、優れた機構動特性及び有利な摩擦損失率を有する。分析を以下に示す。
純粋ルードンの円筒ルードンロータを、同じ比を有する円筒ロータと比較する。半径をR、シリンダの高さをH、密度をρ、角速度をω、ルードン比をδと仮定すると、
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの円周面の線速度は、それぞれωδR及びωRであり、速度間の比は、以下に等しい。
Figure 2008525712
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの運動量の微分は、それぞれ(ωδR)ρ2πrHdr及び(ωr)ρ2πrHdrであり、運動量間の比は以下に等しい。
Figure 2008525712
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの運動量モーメントの微分は、それぞれ(ωδR)δRρ2πrHdr及び(ωr)rρ2πrHdrであり、運動量モーメント間の比は以下に等しい。
Figure 2008525712
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの運動エネルギーの微分は、それぞれ0.5(ωδR)ρ2πrHdr及び0.5(ωr)ρ2πrHdrであり、運動エネルギーの比は以下に等しい。
Figure 2008525712
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの端面損失の微分は、それぞれδ(ωδR)2πrdr及びδ(ωr)2πrdrであり、端面損失間の比は以下に等しい。
Figure 2008525712
ルードンロータ及び同じ比を有するロータの比円筒面損失は、それぞれδ(ωδR)及びδ(ωr)であり、比円筒面損失間の比は以下に等しい。
Figure 2008525712
上記の計算及び演繹から、ルードン容積変化が、運動学的性能及び動力学的性能で何オーダもの利点を有すると結論付けることができる。これらの性能は全て、機構の動的性質及び流体の限界摩擦損失の定性的判断及び概算を行う際に単純且つ迅速に得ることができる。その上、ルードン容積変化機構を設計する際に、これらの比を用いて、機能と性能との間の関係を概算及び調整することができる。
ルードン機構において実際に用いられるルードンロータ及び回転機構において実際に用いられるロータは、多くの形状で設計することができ、中実であってはならない。したがって、実際の比較パラメータは各場合で異なるが、誤差は大きくならない。上記の分析は、オーダのみに基づいており、オーダに基づいた評価にのみ用いられる。
ルードン容積変化機構は、機能及び性能のさらなる設計を含む、種々の運動、制約、及び構造等を伴って設計することができる。これらは全て、以下で説明する。
本発明のルードン容積変化方法にはルードン機構が含まれる。この機構はルードンロータ及びルードンロータを拘束するクランク軸から成る。ルードンロータは、軸受によってクランク軸の偏心部に取り付けられる。クランク軸の回転が、ルードンロータの公転を発生させ、ルードンロータは、偏心軸の回りを慣性に基づいて、公転の方向と逆方向に公転の角速度と近いか又は同一の角速度で同時に回転して自転を形成する。公転及び自転が組み合わさってルードン運動になる。
ルードン機構は、ルードン容積変化運動の中核部分であるが、その構造は単純である。その基本構造は、ルードンロータ及びクランク軸という2つの部品を含むだけである。ルードンロータは、円筒形の外部シール面を有する軽量化された回転体である。偏心部と主軸部との間の軸距離は、ルードン半径、すなわち公転の半径である。
ルードンロータは、旋削プロセスで製造され、研削によってさらに加工され得る。低温媒体に用いられる場合、これは、ポリテトラフルオロエチレン等のエンジニアリングプラスチックによって射出成形されてもよく、又は化粧張りによって射出成形されてもよい。大動力用のクランク軸は、一体的な実体鍛錬後の切削によって製造される。小動力用のクランク軸は、偏心輪及びキー溝を有する平軸によって組み立てられ、偏心輪は、偏心軸部を構成する。ルードンロータが転がり軸受によってクランク軸と接続される構造は、軸受損失を減らすのに有利である。
本発明によるこのルードン容積変化方法には、1つのタイプのルードン容積変化機構が含まれる。この機構は、ルードン機構、従動仕切板、及びルードンロータを収容する静止ルードンキャビティから成る。ルードンキャビティの内面、ルードンロータの外面、及び従動仕切板のシール面は、互いに離隔した変圧キャビティ及び定圧キャビティを囲む。
作動時には、ルードンロータは、変圧キャビティ及び定圧キャビティの位置及び容積を周期的に変えるように、ルードンキャビティ内でルードンして連続中継ボアスイープ運動またはボア加圧運動を発生させる。主軸が1回転すると、変圧キャビティの容積は、0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減る。これは、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢する可変圧力・可変容積周期を形成する。定圧キャビティの容積は、最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増える。流体は、定圧下で仕切り板の傍のアクセス口を通して圧送して出入りさせられる。アクセス口の有効断面積は、流量の瞬間変化と共に対応して増減する。
ルードンロータは、流体圧力等の外力及び自己慣性動反力をリアルタイムで積分することにより、主軸に対する合力及びモーメントを形成する。合力は、主軸に対する軸受の拘束力によって平衡が取られる。瞬間軸動力の線形因子としてのこのモーメントは、作業機械では主軸の回転方向と逆方向であり、動力発生機械では主軸の回転方向と同じ方向である。これは主軸の回転周期において0値点を1つだけ有する。
上述のルードン容積変化機構は、基本設計に属し、そのシェルは静止している。従動仕切板は、この設計において多くの拘束形式を有し、異なる拘束形式は異なる運動特徴及び運動効果をもたらすだろう。
本発明によって記載されるこのルードン容積可変方法には、別のタイプのルードン容積変化機構が含まれる。この機構は、ルードン機構、従動仕切板、及びルードンロータを収容するルードンキャビティから成る。ルードンキャビティの内面、ルードンロータの外面、及び従動仕切板のシール面は、互いに隔離された変圧キャビティ及び定圧キャビティを囲む。機構全体が、ルードン軸の周りを公転の方向とは逆方向に公転と同じ角速度で回転する。したがって、クランク軸は静止している。
ルードン容積変化機構の従動仕切板は、ルードンキャビティと堅固に一体接続されて動的平衡性を一体的に保つ。従動仕切板は、ルードンロータにおいて、スロットを有するコック内に拘束されると共にコック内で拘束的に引き抜き及び挿入されることができる。コックは、限られた範囲内で回転することができる。流体用の出口及び入口は、従動仕切板の傍のルードンロータの表面上にあり、導流チャネルに接続される。これらは、シールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する変圧キャビティ及び定圧キャビティであり得る前方キャビティ及び後方キャビティとそれぞれ接続される。ルードンロータは、回転座標系において同じ周期を有する小さな振幅揺動と組み合わせた揺動ルードンを行う。ルードンキャビティ及び従動仕切板は、静止座標系においてルードン軸の周りを回転してルードンロータと流体用の出口及び入口とが静止座標系において自転軸を中心に回転する。自転軸は、静止クランク軸の偏心部である。流体用の流出管及び流入管は、拡張したクランク軸の端を通る。ルードンキャビティを拘束する軸受は、静止クランク軸の端に取り付けられ、その中心線はルードン軸と一致する。
回転座標系において、ルードンロータは、変圧キャビティ及び定圧キャビティの位置及び容積を周期的に変えるように、ルードンキャビティ内でルードンして連続中継ボアスイープ運動又はボア加圧運動を発生させる。主軸が1回転すると、変圧キャビティの容積は、0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減る。それは、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢する可変圧力変化及び可変容積変化の周期を形成する。定圧キャビティの容積は、最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増える。流体を定圧下で圧送して出入りさせる。
ルードンキャビティ及び堅固に接続された従動仕切板は、流体の圧力及び機構の摩擦力をリアルタイムで積分して、ルードン軸に作用する合力及びモーメントを形成する。合力は、ルードンキャビティ上で軸受の拘束力によって平衡が取られる。瞬間軸動力の線形因子として、モーメントは、作業機械用のルードンキャビティの回転方向と逆方向であり、動力発生機械用のルードンキャビティの回転方向と同じ方向である。これは、主軸の回転周期において0値点を1つだけ有する。
上述のルードン容積変化機構のハウジング(ルードン参照系)は、ルードン軸の周りを公転方向とは逆方向に、但し同じ角速度で回転する。したがって、ルードン機構は回転ルードンを行い、主軸は静止している。この種の機構は、広く適用することもでき、多くの用途で特別な利点を有する。従動仕切板と回転ルードンキャビティとは、全体として気密に接続され、一体的に回転して動的平衡を保つ。
本発明によるルードン容積変化方法において、容積変化運動と、ルードン容積変化機構及びその質点の実際の移動とは、異なる軌道で異なる速度での異なる物体の相関運動に分離される。ルードン容積変化機構のルードン自由度は、剛性拘束体又は可撓性拘束体と組み合わせた剛性拘束体によって実現される。ルードン容積変化機構と大きな速度差を有する容積変化運動との間の関連は、ルードン容積変化機構の質点運動の中継機構によって実現される。上記のように構成されたルードン容積変化運動は、以下の新たな機構及び特性を有するように計画される。これらの機構及び特性は、容積形流体機械の具体的設計に組み込まれて内部機械損失につながる因子を適宜なくすか又は減らすことにより、それに対応して内部機械損失をなくすか又はそのオーダを減らす。容積変化運動のパラメータは、具体的設計時に望まれる機能に従って設計されて実際の質点及び機構の運動パラメータが容積変化運動のパラメータに従って決定される。数学的計画を用いて具体的設計を最適化する場合、ルードン比δを最適化パラメータとして用いると共に指標方程式及び拘束不等式に含んで、効率のような、目的の指標及び効率を最適化する。上述の機構及び特性は、以下に説明する。
A.ルードン容積変化機構は、小振幅及び低速でルードンする。質点は、小振幅及び低速で円運動又は楕円運動を行い、ルードンロータの占有空間は、大振幅及び高速でボアスイープ運動を行う。占有空間の運動は、作動キャビティの容積変化をもたらす。質点の運動は、容積形流体機械の運動学的及び動力学的指標と関連した分析要素である。ルードン容積変化機構は、質点の連続集合であると共に性能指標及びその境界条件の計算方法を決定するための運動組織体としての役割を果たす。
B.運動機構の力学系の自己平衡性を形成及び使用して、作動キャビティの円筒壁に作用する垂直な圧力をなくすことで内部機械摩擦損失をなくす。老化及びランダム因子によって引き起こされる機構摩擦問題を、付加的な措置を取らずにその自己修復機構によって迅速且つ自動的になくすことができる。その前提は、摩擦力のオーダが低く、摩擦速度がルードン速度のオーダを減らしたものであるということである。したがって、内部機械摩擦損失は、高次の小さな品質として事前設定される。したがってそれは、停止及び熱損傷事故を防止するのに十分である。
C.質点及びルードンロータの実際の押しのけ量、速度、運動量、及び慣性動反力を1オーダ近く減らすように、運動量モーメント及び運動エネルギーを2オーダ近く減らすように、端面限界摩擦の前記内部機械損失を3オーダ近く減らすか又は実質的になくすように、数学的計画前にルードン比δの事前選択範囲を決定する。
ルードン容積変化方法でのルードン運動の本質的特徴は、容積変化運動と質点及び容積変化機構の実際の移動とが、異なる運動軌道で異なる速度での異なる物体の相関運動に分離されることである。容積変化機構及び容積変化機構から生じる特性は、動作原理及び有利な性能の基礎である。この基礎の応用を設計に組み込むことができる。機能パラメータ及び性能パラメータは、従来の数学的計画によって設計される。機能パラメータは主に経済的に効率的である影響を及ぼし、性能パラメータは主に効率性能に影響を及ぼし、使用時の経済性能である。これら2種類のパラメータの最適化は、主にルードン比δによって調整される。数学的計画による設計のみが最も経済的である。ルードン容積変化技術の最大潜在力を、数学的計画によって発展させることができる。
磨耗の自己修復機構は、重要なソフトの設計である。この設計を利用することによって、機構摩擦損失をなくすことができ、オーバーホールの寿命を延ばすことができる。これは、革新的な機能設計であり、革新的な設計方法でもある。
本発明によるルードン容積変化方法は、容積変化運動の運動状態及び応用特性の、特に損失に関連するパラメータの定量的計画及び定量的設計を実行して、運動状態、応用特性、及びパラメータを用いることで作動キャビティ内における潤滑及び潤滑装置を不要にする。
a.ルードン容積変化の運転状態、動的品質、及び損失特性を決定するパラメータは、ルードン速度比=δ、ルードン運動量比≒1.5δ、ルードン運動量モーメント比≒2δ、ルードン運動エネルギー比≒2δ、ルードン端面損失比≒2.5δ、ルードン比円筒面損失比≒δである。
b.液体媒体では、作動キャビティの円筒壁に機械摩擦がなく、端面の壁に機械摩擦損失がない。ガス媒体では、場合によっては設けられるシールリングが低速でルードンし、機械摩擦損失は、同じ条件での従来技術の機械の機械摩擦損失よりもオーダが減る。推定機構摩擦損失は約10%である。
c.作動キャビティの端面及び円筒面における動的シール領域では、限界摩擦損失は、同じ条件での従来技術の機械の限界摩擦損失よりも2オーダ減る。推定値は1%未満である。
上述の内容は、ルードン容積変化方法の運転状態及び応用特性、特に損失及び効率指標を含むパラメータの定量的計画及び定量的設計の主要部分を説明している。これらの運転状態及び応用特性は、本発明のルードン容積変化の運動タイプが、容積形流体機械の2種類の内部機械損失、すなわち機構摩擦及び限界摩擦をなくすか又は大幅に減らすことができることを示す。したがって、効率ボトルネックが克服される。
上述の運転状態及び応用特性を利用することによって、潤滑及び潤滑装置が作動キャビティ内で用いられないという全く新しい技術提案が本発明で提示される。潤滑を用いない設計によって、製造及び動作のコストを減らすことができる。主な効果は、環境汚染をなくすことができることである。背景の分析で述べたように、内燃機関の汚染は、潤滑に対する需要が大きいことから生じる。潤滑が不要なことは、本発明の機能であり設計でもある。この機能又は設計には、内燃機関の汚染を低減するための重要な価値がある。
本発明によるルードン容積変化方法に含まれる第1のルードン容積変化機構は、一種の派生的構造も含む。この種の構造では、従動仕切板は、直線並進スロット内に拘束される。ばね又はガスばねが従動仕切板の外端に設けられ、ばね又はガスばねは、ルードンロータの円筒面に従動仕切板を押し付けてシールを形成するように、一定の推進め力又は押しのけ量に伴って変化する推進め力を従動仕切板に加える。ルードンロータとルードンキャビティとの間の摩擦力及びルードンロータと従動仕切板との間の摩擦力のうち大きい方の摩擦力によって、静摩擦が形成される。2つの摩擦がルードンロータの自転軸に加えるモーメントの代数和は、0又は交項関数である。ルードンロータは、転動ルードン運動又は揺動ルードン運動を行う。
上述のルードン容積変化機構のハウジングは静止している。従動仕切板は、ルードンロータと接続されると共に、これに対してシールをしている間は常に、直線並進を行う。従動仕切板は、ガイドスロット又は玉が設けられたガイドスロット内で並進することができる。ガイドスロット及びルードンキャビティの出口及び入口には、動的シールが設けられる。従動仕切板は、自己慣性力を減らして応答速度を高めるために軽量構造である。可撓性の拘束体により、ルードンモータに交変力の振れを可能にする自由度が与えられる。これは、単純な拘束を提供し、効率の向上を助ける。液体媒体では、ルードンロータの応力はより複雑である。液体の摩擦力モーメントは、ルードンキャビティの摩擦力モーメントとは逆方向であり、仕切板の交変力の成分は増加する。
本発明によるルードン容積変化方法に含まれる第1のルードン容積変化機構は、別の派生構造も含む。この種の構造では、従動仕切板は、直線並進スロット内に拘束される。ばね又はガスばねは、ルードンロータの円筒面に従動仕切板を押し付けてシールを形成するように、一定の推進め力又は押しのけ量に伴って変化する推進め力を従動仕切板に加える。ルードンロータは、キャビティ壁の可撓フィルムに弾性的に押し付けられる。安定状態では、ルードンロータの自転軸に作用する摩擦力モーメントは、ルードンロータ及び従動仕切板の動摩擦モーメントに適応するように等しい。したがって、ルードンロータの自転が低速且つ正方向の回転に重ねられて、転動ルードンを形成する。転動タイプの静的シールがルードンロータとキャビティ壁との間に設けられる。
上述のルードン容積変化機構のハウジングは、静止しており、従動仕切板は、やはり直線並進を行う。違いは、ルードンキャビティの可撓フィルムの作用がガス媒体の場合のようにルードンロータの転動ルードンを引き起こすことである。
本発明によるルードン容積変化方法に含まれる第1のルードン容積変化機構は、別の再び組み合わせられた構造も含む。この構造では、従動仕切板及びルードンロータは、全体的に堅固且つ気密に接続される。ルードンロータの円筒面と従動仕切板との交点は、小さな局所抵抗係数を有する滑らかに湾曲した遷移面になるように面取りされ得る。従動仕切板は、スロットが設けられたコック内にルードンロータの外側で拘束されると共に、コック内で拘束的に引き抜き及び挿入することができる。コックは、限られた範囲内で回転することができる。ルードンロータは、動作時に揺動ルードンを行う。
上述のルードン容積変化機構のハウジングは、やはり静止している。しかしながら、従動仕切板とルードンロータとが堅固に接続され、仕切板がキャビティ外部のコックに拘束されている構造では、ルードンロータは、クランク軸の傍で別の剛性の拘束体によって拘束される。剛性の拘束体は、ルードンロータのルードン自由度を損なわない。しかしながら、ルードンロータは、揺動ルードンに拘束される。揺動ルードンは、液体媒体の効率向上に好ましい。欠点は、動的力が高速で増加させられることであり、その瞬間に慣性を減らすか又は回転速度を制御することに留意する必要がある。
本発明によるルードン容積変化方法のルードン運動タイプ、ルードン機構、ルードン容積変化機構、及びその様々な派生的タイプに従って、様々な容量形流体機械を設計することができる。これらの機械は、ルードン容積変化機構を含むことと、当該機構によってその主な機能を果たすこととを特徴とする。
これらの機械が運転すると、ルードン機構のルードン運動が、ルードンロータの占有空間の回転と、変圧キャビティ及び定圧キャビティの周期的変化及び変換とを引き起こす。ルードン流体機械の運転タイプは、ルードンロータが流体を駆動するか、或いは流体がルードンロータを駆動するかに従って、ポンプタイプ及びモータタイプと別々に呼ばれる。これに対応して、運転タイプに完全に応じて、変圧キャビティは、ルードンキャビティシールラインの前方又は後方にあり、定圧キャビティは、ルードンキャビティシールラインの後方又は前方にある。機械的構造に違いはない。これは、本発明の特徴であり、したがって、ルードン容積変化の流体機械は、機能の可逆性と流れ方向及び回転方向の可逆性とを含む完全な可逆性を有する。一括で説明はできないが、上記可逆性により、ルードン流体機械の運動、状態パラメータ、及び動特性は、運転タイプと関係がある。「代替的に」という接続詞は、本明細書では複数の選択肢が利用可能である場合に用いられる。
ルードン容積変化運動中の機構と流体との間の力及びトルクの発生規則を、次に簡単に説明し、これに基づいて、本発明の作動原理及びその負荷特性の定性分析を行う。
主軸の入力トルクが回転と同じ方向である場合、トルクは正のトルクと定義される。明らかに、入力トルクが正であるときはポンプである。その変圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方に位置し、変圧キャビティ内の圧力は、後方の定圧キャビティよりも高い。主軸の入力トルクが回転とは逆方向である場合、トルクは負のトルクである。入力トルクが負であるときはモータである。変圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方に位置し、変圧キャビティ内の圧力は、前方の定圧キャビティよりも高い。2つのキャビティ間の差圧のため、ルードンロータの円筒面に対する流体圧力のベクトル積分が0に等しくなるのではなく、自転軸に向けられて角速度の半分の速度で前方に回転する力を発生させ、その力の値は、差圧及び変圧キャビティの内弦割面の面積に正比例する。この力は、ルードン軸(すなわち、主軸)に対するトルクを発生させ、このトルクは、この力に正比例すると共に変圧キャビティの中心角の半分の正弦に正比例する。上述の違いによれば、このトルクは、負荷トルクに対する反作用トルクであり、その値は負である。又は、これは駆動トルクであり、その値は正である。トルクには正弦関数因子があり、その角速度は半減するため、0〜2πの周期で0〜πの半波周期を有するトルク関数が得られる。変圧キャビティ及び定圧キャビティの周期的変換により、半波周期は全周期に変換される。
非圧縮性流体の場合、変圧キャビティの圧力は、時間窓の境界で段階的に変化し、生み出されるトルク関数は、周波数二分割並進タイプの調和関数である。圧縮性流体の場合、変圧キャビティの容積変化のプロセスは、概して、多変量熱プロセスであり、断熱プロセス又は等温プロセスといった特殊な場合も含まれる。流体圧力は、容積変化のプロセスと共に連続的に指数関数的に変化する。キャビティの容積変化の規則が導入された後、時間変化的規則の複雑性が増す。したがって、トルク関数は、複雑性を増し、調和関数ではなくなる。しかしながら、周期性及び周期の長さは影響を受けない。
往復式機械と比較して、壁での機械摩擦損失がなくなるだけでなく、周期が2倍になるため軸系の瞬間損失及び平均損失の比も半分になる。変圧キャビティの内弦割面の面積も、中心角の半分の正弦因子を含むため、トルク関数は、この中心角の半分の正弦の2乗因子を含み、その符号は変わらない。往復式機械と比較して、トルクの一定の符号の特性が、軸及び軸受の応力状態を大幅に改善することができ、応力のピーク値及びその変化率は大幅に低下する。このタイプのルードンは、運動量及び運動量モーメントのオーダを減らす機構動特性の利点を有するだけでなく、負荷力及びトルク特性の利点も有する。いずれの利点も、クランク軸の強度の要件を減らすのに好ましい。したがって、より小さなサイズのクランク軸を用いることができる。さらに、軸系の損失がさらに減る。
ルードンの分析において、ルードンロータの表面に対する流体圧力のベクトル面積分が、ルードン機構の仕事発生の分析の基礎となる。これは、往復空気シリンダよりもはるかに複雑である。定圧キャビティには仕事発生プロセスがない。出口及び入口のチャネルが適切に設計されれば、流体運動学の問題を無視することができる。したがって、圧力はどの場所でも等しいとみなされる。
本発明は、多くの態様で顕著に示される特に有効な効果を有する。ルードン容積変化から直接生じる効果を以下で分析する。
第1に、本発明は、機構力学系の自己平衡性及び流れ場の回転構造により、機械摩擦、流れ場の水力損失等に関連した大きな利点を有し、これは往復並進の欠点を克服するのに十分である。
第2に、回転タイプの容積変化と比較して、ルードンキャビティ内のルードンロータの線速度は1オーダ減り、運動量モーメント及び運動エネルギーは2オーダ減り、限界摩擦損失は3オーダ減る(99%を超える減少)。したがって、本発明は、限界摩擦損失に関連して、往復運動及び回転運動の両方を超える利点を有する。
第3に、ルードン機械の発生力が半分の角速度で回転することで、周期の長さが2倍になり、時間の利用率が100%まで上昇する。平均トルクは大きく、瞬間トルクは小さい。したがって、動力密度の指数及び損失の償却率の指数が往復式機械よりも1倍大きい。
ルードン容積変化方法の他の特性及び関連する長所は、以下の通りである。
(1)往復並進タイプの容積変化と比較して、ピストンも、コンロッドも、出口及び入口の弁機構も有さないことで、構造を大幅に簡略化する。その重要な利点は、垂直な圧力及び摩擦損失が本質的になくなることである。流体の出口及び入口の局所チャネル特性は、何倍も改善され、入口の絞り損失は非常に小さい。
(2)非容積形の回転羽根車機構と比較して、本発明は、水力損失のオーダが減るという利点、並びに出力圧力が速度と無関係であるため、低速及び極低速に適しているという利点を有する。
(3)本発明を内燃機関に適用する場合、空気の吸入、圧縮、及び燃焼を完全に分離することができる。局所的及び全体的な最適化を完全に実現することができる。さらに、本発明は、膨張及び仕事付与のプロセスと排気のプロセスとを同時に組み合わせるという利点、並びに一定容量の吸熱及び加圧という利点を有する。動力密度は2倍になり得る。効率もほぼ2倍になり得る。
(4)本発明は、ポンプ及びモータとして用いる場合、静圧に依存して作動するため、回転速度及び流体速度から独立して運転することができる。低速で作動する特性により、非チャネル限界摩擦及びチャネル水力損失のオーダが減る。本発明には、環境条件及び仕事条件に先例のない広い適応性がある。
しかしながら、ルードン容積変化方法の仕事発生力及びトルクが依然として0値点を有するため、脈動が依然として存在し、脈動の基本周波数は回転周波数に等しい。容積の変化率及び流量の両方も、同じ周波数の脈動を有する。互いに相補的な2つの構造を用いて、高速運転時の脈動をなくさなければならない。さらに、運動量モーメントはすでに1オーダ減っているが、高速運転時には機構の動的負荷が大きくなるため、動的平衡の設計及び実験が依然として望まれる。
本発明の有利な効果は、上述の効果に限定されない。本発明のいくつかの特殊な特徴及び効果は、既存の技術の機能又は性能の制限が克服される場合のように、特定の機能及び性能を改良して、非常に価値があり且つ何らかの新たな広い分野に適用することができる新たな機能及び性能を生み出すことができるという点で、特に有利である。例えば、容積形流体機械は、低効率であることが定流特性を無意味にするという理由から、経済的に用いることができない。実際には、製品の出力圧力は、既存の往復空気圧縮機のように一定の値で設定される。この現象は、効率拘禁と呼ばれ、これは、低効率により良好な特性を利用することができないことを特に意味し、無価値に思われる現象である。本発明は、容積形流体機械の効率を大幅に向上させ、定流特性の価値を得るため、これを用いて圧力適応性及び媒体相多用性等の特性が設計される。効率は、圧力及び媒体相の変化と共に変わるが、この変化はわずかであり許容可能である。効率の向上により、多用性を有する設計が可能になり、新たな展望等が生まれる。本発明の特性及び機能効果を、続いて表1に列挙する。
Figure 2008525712
表1を参照すると、項目1〜項目7は、ルードン容積変化移動の特徴及び効果の概要であり、項目8〜項目12は、ルードン容積変化機構の特徴及び効果の概要であり、項目13〜項目24は、ルードン容積変化方法を採用する容積流体機械の特徴及び効果の概要である。
項目22は、機能可逆性の特徴及びそのプラス効果を説明している。機能可逆性は、流体機械の一般化を拡張するのに重要な部分であり、比較的実現し易い部分でもある。既存の技術での製品には、可逆性を有するものがいくつかあるが、大抵の場合、機能可逆性はいくつかの技術的リンクによって妨げられる。本発明は、一般化及び完全性を目標とし、したがってこれらの貴重な特徴を得る。
容積形流体機械は、定流特性を有するが、この特性は、既存の技術では常に曖昧な特性として扱われる。本発明は、この特性の潜在力を利用し、ルードン容積変化方法の多くの新たな特性と組み合わせられる。また、本発明をプラス効果を与える一種の技術設計に適用して、2種類の多用性、すなわち圧力動力多用性及び媒体相多用性である項目23及び項目24の2つの特徴を形成することができる。これら2つの多用性は、タイプ及びシリーズの簡略化、仕様価値及び利用率の向上、及び総所有費の削減等のプラス効果を有する。
表1から得られる本発明のプラス効果の概要から、全体像を見ることができる。いくつかの特徴及び効果の重要性を説明するのに、言葉を足す必要があるであろう。特に、実際の設計を導入することによってのみ実現することができ、また大きな価値のある特徴及び効果について、詳述すべきである。以下は、本発明の重要な態様のそれぞれの効果を説明するためにやはり表1の参照符号を用いる、補完的説明である。
項目1は、本発明の中核であるルードン容積変化運動に関する。ルードンロータの小さなルードン、質点の低速運動、及び占有空間の高速回転の運動分離及び関連性は、損失のオーダを減らすことができる効果を有すると共に第3の運動タイプの流体機械を作り出す、非常に革新的な運動設計である。
項目3は、ルードン速度の範囲の定量的判定に関する。ルードン速度及びルードン比の定義及び計算と、ルードン速度の設計上の使用範囲の実証とによって、本発明の損失低減及び効率向上の大きさ並びに値の基礎が確立される。したがって、これは本発明の重要な理論的態様である。簡潔にするために、証明のプロセスの詳細は省略する。
項目4は、ルードンロータのルードン運動及びその質点の運動の分析に関し、これは、ルードン速度、ルードン運動量、ルードン運動量モーメント、ルードン運動エネルギー等の概念を形成する。これらは、ルードン容積変化運動の運動学及び動力学の分析に非常に有用なルードン力学の基本概念であり、非常に簡潔である。これらの概念を用いることによって、損失低減効果に対する定性的及び定量的判断を迅速に行うことができ、これは本発明の理解に非常に重要である。
項目5は、質点運動の連続中継機構のための設計に関し、これは、波及び変調理論に対する視覚的理解を比喩的に用いたものである。それは、機能運動と実際の質点運動との分離を実現するための技術的路線であり技術的鍵である。摩擦損失と速度との間の既知の関係から導き出すことができるように、損失は、ルードン比の冪関数又は多項式関数である。本発明のプラス効果は全て、質点運動の中継機構から得られる。
項目7は、ルードン速度及びルードン比の概念を限界摩擦の分析及び概算に適用し、これにより、本発明が限界摩擦損失に関連して既存の回転容積変化運動を超える大きな利点を有することを判断及び証明することができる。限界摩擦損失は、2又は3オーダ減らすことができ、これは、回転容積変化運動を超える本発明の効果の利点を証明するのに十分である。
項目12は、ルードン機構の力学系自己平衡機構の設計及び利用に関し、これは、ルードンキャビティ壁の垂直力及び機構摩擦損失をなくす鍵となる。これは、往復容積変化運動の機構摩擦タイプ内部機械損失のボトルネックの克服につながり、自己修復機構に必要な条件を形成する。
項目13に記載されているように、キャビティの機能摩擦損失がなく、これは項目12の効果である。上述のように、これにより、往復内部機械効率ボトルネックが克服される。これは、無潤滑の前提条件を形成し、これは新たな技術的展望を生む。
項目14は、老化変形によって生じる形状及び位置誤差の自己修復機能に関し、これは、摩擦損失比が10−3のオーダまで減り瞬間的であることに基づいた設計である。したがって、停止及び熱損失故障の危険をなくすことができ、実行可能性を確実にすることができる。自己修復機能は、非常に価値のある革新である。既存の技術では、変形、磨耗、及び老化によって摩擦、漏れ等の問題が生じると、機械のオーバーホールが必要である。オーバーホールのコストは、新製品の価格の半分に相当する。機械が自己修復機能を有していれば、寿命を延ばすことができる自己保険機能を有するようなものであろう。
磨耗及び変形は徐々に増えるため、摩擦は常に小さなオーダである。自己磨耗に対する自己修復機構は、上述の特性を低速運動並びに漏れ圧力拡大特性及びその緩いシール要件の前提と組み合わせて用いる適切な設計である。その効果として、摩擦損失が生じると、停止又は熱損失故障の危険を伴わずに短時間で無意識的に自然にそれ自身によって摩擦損失をなくすことができる。本発明が、自動車又は列車のルードン機関及びルードン伝動システムに適用される場合、平均故障間隔及びオーバーホール周期を数倍延長することができ、経済利益は数え切れないほど大きい。この自己修復機構を用いることによって精度要件が減るため、本発明の機構の製造費を減らすことができる。
項目15に記載されているように、変圧キャビティ及び定圧キャビティは、互いに相補的であり、互換性があり、且つ並行に作動し、これは本発明の特殊設計である。本発明では、変圧キャビティ及び定圧キャビティの位置は不確定であり、用途に応じて決まる。すなわち、互換性が考慮されている。これらの相補的関係及び互換性により、非常に良好な協働が生まれることで、空間及び時間利用率が100%に達し、完全な応用可逆性が得られる。
項目16は、変圧キャビティ及び定圧キャビティが並行に作動する特性の結果として、時間及び空間利用率が100%であるという効果に関し、これは効率向上に大きく寄与する。往復式機械の効率が非常に低い理由は、その時間及び空間利用率が非常に低いからである。例えば、内燃機関の4行程では、1行程でのみ動力が作られ、総時間の平均仕事量は、動力行程の平均動力を4で割ったものである。したがって、動力密度も4で割られる。全行程に損失がある。4行程の損失の和を1動力行程に加えて効率を計算すると、損失率は4倍になる。この演算は、関連パラメータの定義から得られ、配分と呼ばれる。往復タイプと比較して、本発明の100%の時間及び空間利用率の効果は、時間利用率、空間利用率、及び動力密度が2倍になり、これらは往復タイプの2倍であり、損失配分率が50%に減ることである。既存の4行程往復タイプと比較して、並行圧縮のための本発明の空間要件を考慮すると、内燃機関の場合、100%の時間及び空間利用率の効果は、時間利用率が往復タイプの4倍である3倍に増え、空間利用及び動力密度が往復タイプの2倍である2倍になり、損失配分率が50%に減ることである。
項目17に記載されているように、限界摩擦損失の低減は99%を超え、これは、回転容積変化流体機械の限界摩擦タイプ内部機械効率のボトルネックを克服できることを意味する。本発明の機械損失は、主に軸受損失であり、効率は96%を超えることができる。したがって、本発明の機械効率は、95%を超えるはずである。既存の技術の回転容積変化方法の場合、機械効率は80%を超えることがほとんどなく、歯車噛合いタイプの場合、機械効率は概して60%を超えない。
項目18に記載されているように、作動キャビティは潤滑不要であり、これにより製造費及び使用費を減らすことができる。より重要な効果は、内燃機関の場合、キャビティ壁温度(カルノーサイクルの冷却源温度ではない)を排気温度(カルノーサイクルの実際の冷却源温度)よりも上昇させ得る潤滑油に配慮する必要がないことである。水冷システムは必要ない。キャビティ内の放射損失は減り、境界層燃焼はより十分なものになるであろう。これらは全て、効率の向上に好ましい。環境保護効果は、一酸化炭素が大幅に減り、潤滑油の霧及びそのゼラチン等の黒色すす成分が現れなくなることである。したがって、汚染が大幅に低減するであろう。
本発明は、効率を大幅に向上させることができるため、内燃機関汚染低減の分野にさらに大きく寄与することができる。効率の向上は、これと反比例して温室効果ガスの放出を減らすことができるため、効果は著しく大きい。
項目22は、本発明の包括的方案において特に留意される機能の完全可逆性に関する。そのプラス効果は、非熱動力エネルギー変換機を2つの方法で用いることができることであり、これは機械の使用価値を数倍高める。
項目23は、容積形流体機械の定流特性から演繹される圧力適応性に関する。この特性は、顧客にとって大きな経済利益をもたらすように、技術設計に推奨され、且つ適用される。最大圧力強度、軸強度、及び軸系強度は、タイプ計画及びシリーズ計画及び製品設計時に決定することができ、公称指標として容易に用いることができる。顧客は、定流特性を用いることによって、効率を低下させることなくこの指標の範囲内で調整を行うと共に所望に応じて圧力又は動力を決定することができる。これは既存の技術にはないものである。
項目24は、圧力及び軸強度内での異なる相の流体の多用性を実現することに関し、これは圧力適応性及び動力適応性に関して一般的な応用である。したがって、装置の使用価値が高まり、総所有費が減る。これは、企業及び個人ユーザの両方にとって好評な技術である。ポンプが水を圧送できるだけでなく、圧縮機及び二相流真空ポンプ等としても働けば、非常に価値のある所有物となるであろう。しかしながら、これは既存の技術では可能でない。例えば、真空ポンプで空気を圧送すると、空気が水を含んでいる場合にポンプが焼けてしまうだろう。
項目22〜項目24はそれぞれ、ルードン容積変化機械の多用性の一態様である。これは1つの内部特性であり、1つの可能性である。活用されるまでは、この特性は、専門家によって認識、利用、及び実施されるだけであり、全てのユーザが利用できる製品特性となることはできない。本発明の第3の目的は、流体機械の多用性を定義及び設計すること、すなわち上述の内部特性を利用することである。本発明の方法のための用途設計の作業として、特定の要件及び応用方法を後に説明する。
本発明の水力効率向上に対する効果は、表1の項目19〜項目21にも簡単に要約されている。水力効率は、流体機械の包括的効率の乗積因子である。非容積形流体機械では、水力効率は決定的因子である。容積形流体機械でも、水力効率は、液体媒体、特に高粘度液体媒体にとって重要な分析因子である。
既存の技術における直線並進容積変化運動及びその構造の設計は、非常に悪い水力特性を伴う。主な水力損失は、頻繁に開閉される入口及び出口において生じる。入口及び出口において急激に断面が拡大するチャネルは、大きな局所抵抗係数を有し、開閉プロセス中の動的変化も、損失を増やす要因である。その上、バックドラフト運動によって流速及び方向が頻繁に変わり、これはモーメント及び運動エネルギーの損失を必然的に引き起こす。水力損失が大きいため、直線並進運動は概して、高粘度又は非圧縮性の液体作動媒体には適さない。液体は通常、回転容積変化機械で用いられる。3つの回転容積変化タイプのうち、歯車噛合いタイプの機械の水力損失が最大であり、その次はスクリュタイプである。偏心ロータ回転タイプは、最良の効果を有するはずである。
本発明には、水力効率の向上という明らかな利点がある。回転タイプと比較して、本発明の入口及び出口の流れ場設計は、局所的な力によって生じる損失をなくすことができる。その適応性のある可変断面機構が、瞬間流量の増加と共に局所抵抗係数を小さくすることができ、これは入口領域及び出口領域の水力損失を大幅に減らす。流体は、キャビティ内を接線方向に流れるため、方向連続性に優れている。さらに、回動ルードンの場合を除いて、ルードンロータの接線速度は常に正であり、その接線速度は、揺動ルードンの90度〜270度の中心角領域のルードン速度よりも高い。これらは全て、相対速度の低下に好ましく、水力損失を減らす。
ルードン容積変化運動のための特殊で有利な機構は、ルードンキャビティシールラインの漏れのエネルギーフィードバック及びその低感度である。これは、従来の容積効率の概念によって表現することができない。漏れは容積効率に影響を及ぼすが、漏れプロセス中に失われる圧力エネルギーの大部分を、フィードバックによって再循環させることができる。再循環機構は、漏れ流の位置エネルギーが、漏れ前の速度低下及び圧力上昇プロセス中に高効率の運動エネルギーに変換され、失われていない運動エネルギーが、漏れ後に分流圧力上昇機構によって圧力位置エネルギーに変換されてルードンロータに作用するものである。発電機では、この種の新たに変換された位置エネルギーは、流体を吸引中の定圧キャビティの前方で圧力上昇をもたらすことができ、この圧力上昇がルードンロータの動的領域に作用して、軸動力消費を減らす。動的機械では、上記位置エネルギーは、流体を排出中の定圧キャビティの後方で圧力低下をもたらすことができ、この圧力低下がルードンロータの動的領域に作用して、軸動力入力を増大させる。この種の機構により、ルードンキャビティシールラインのシール要件が緩和され、容積効率を包括的効率の線形要素ではなくする。その影響冪指数は1未満であり、対応する効率公式を修正すべきである。
ルードン容積変化方法の容積形機械の場合、その回転速度は、用途によっては非常に低い場合があり、その圧力は、用途によっては非常に高い場合がある。特に、いくつかの新たに開発された用途では、低速且つ高圧の特性が顕著である。この時点で、容積効率は決定的因子となる。本発明の設計は、満足のいく容積効率を得るために、低速の動的シール又は静的シールを採用することによって容積効率を向上させることである。静的シールは、ルードンロータがキャビティの可撓フィルム上を転動して静的シールを形成する転動ルードンによって実現される。転動ルードンは、高い差圧を有するガス媒体に非常に適している。
以下は、添付図面による本発明のルードン容積変化方法の簡単な説明である。添付図面は、寸法を記さないが具体的な用途とみなすことができる3つの設計も含む。押しのけ量、流量、モーメント、及び動力を計算する方程式も対応して示す。
図1を参照すると、運動軌道平面上で、円筒形の剛性体が角速度ωで軸Oの周りを公転しながら、角速度−ωで自らの軸を中心に反時計方向に自転する。定義されたように、剛性体は純粋ルードンプロセスを行う。図示のように、剛性体の自転軸が位置Aに位置するとき、剛性体の半径方向線分ACは公転中心Oに向く。剛性体が角度αだけ公転すると、自転軸は位置Bに達し、それと同時に剛性体の自転運動は角度−αだけ回転する。したがって、半径方向線分ACは、BDの位置にくるであろう。BDは、AC及びその延長線OAと同一平面上にある。BD、OA、及びこれらの共通の交線OBは、同じ絶対値を有する一対の錯角を形成する。したがって、BDはACと平行であり、且つ同じ方向を向く。この単純な特徴は非常に重要であり、剛性体が並進運動状態にあり、剛性体上のいかなる線分も周期的移動サイクル中に互いに平行に移動することを証明する。これは、純粋ルードンを発生させるのに十分且つ必要な条件である。
図1から分かるように、公転軸及び自転軸を含む平面上では、自転が角速度−ωで行われるため、ルードンの中心から一定の距離にあるルードン剛性体の質点の線速度は、ωに正比例すると共に自転軸までの距離に正比例する代数量によって相殺される。質点と自転軸との間の距離が相対的に長くなれば、質点運動の線速度は線形に低下するであろう。この特徴が、本発明のルードン減速機構を形成する。ルードン減速機構は、一般的な機械の機構運動における動静力学的利点を有する。流体機械の機構運動を形成するのに用いられる場合、これは、流体運動学のさらに多くの利点を有するであろう。
図2を参照すると、軌道平面上に、ルードンシリンダ質点の運動軌道と自転軸の公転軌道との関係が示されている。この図では、影付きの円1は、シリンダの観察開始位置から見たシリンダ面の投影円であり、円2、3、4は、それぞれルードン中心角がπ/2、π、及び3π/2だけ回ったときのシリンダ面の投影円である。公転軌道5は、ルードン中心Pを中心としたシリンダの公転運動軌道の円であり、PQはルードン半径である。円6は、ルードン中のルードン体シリンダ面の質点Eの運動軌道である。円6が円1と接する点Eは、質点の観察開始位置である。円2、3、4との円6の交点F、H、及び接点Gは、ルードン中心角がπ/2、π、及び3π/2だけ回ったときの質点Eの位置に対応する。これは、ルードン特徴に従った幾何学的形状で証明するのが容易である。円6が公転軌道5と一致することも証明することができる。実際には、純粋ルードン剛性体上のいかなる質点の運動軌道も円である。質点の運動は、公転と同じ線速度で公転と同期し、その線速度は、ルードン半径と公転角速度との積に等しい。この特徴を用いて、ルードン剛性体上の質点の運動軌道及び線速度の瞬間値を求めることができる。線速度の瞬間値は、速度ベクトルの大きさ及び方向で構成される。
図中の包絡円7は、シリンダの運動軌道の包絡線であり、これはシリンダが占有し得る全ての空間の投影を囲む。また、これは、ルードンシリンダの全ての占有空間を包含する。ルードンシリンダの占有空間の和は、やはりシリンダであり、これはルードンの別の重要な特徴であり、ルードン容積変化の幾何学的基礎である。本発明は、単にこの包絡円を利用してルードンキャビティを構成する。図から分かるように、包絡円7の半径は、ルードン半径及びルードンシリンダ半径の和である。包絡円の半径をRと呼び、正規化単位Rに従ってルードン半径を正規化することによって、ルードン比δを得ることができる。ルードン比は、ルードン設計及びルードン分析において最も重要なパラメータである。
図3は、本発明の一種の容積変化機構を示し、これは、実際の用途として用いることができる設計の一例である。図3を参照すると、ルードンキャビティが10で示されている。これは、平面状の上面及び下面を有する平板の形態の部品であり、その他の内面及び外面は、中ぐり・フライス削り又はワイヤー放電加工によって、またバッチ生産のためにダイ成形手法によって形成される円筒面である。作動キャビティは11で示され、これは、ルードンキャビティシールライン及び仕切板によって変圧キャビティ及び定圧キャビティに分けられる。ルードンロータが12で示される。ルードンロータ軸受リングが13で示される。クランクの偏心部分の投影が14で示される。流体の入口が18で示される。仕切板の運動キャビティが19で示される。コックが20で示される。流体の出口が21で示される。7つのねじ穴が22で示される。流体の出力管の接続及び転向キャビティが23で示される。
この図に示す容積変化機構は主に、ルードンキャビティ10及び揺動ルードン機構から成る。揺動ルードン機構は、軽量化されたルードンロータ12及びクランク(この図では偏心部分を示す)14を含み、これらの間にはルードンロータ軸受リング13が設けられる。ルードンロータは、従動仕切板15に堅固に接続される。図中の接続プロセスは、板を蟻溝に軸方向に押し込むことである(溶接プロセスは使用できない)。従動仕切板は、コック20内に拘束され、限られた範囲まで押し引き及び回転させることができる。面対称の楕円形のシリンダキャビティ19が、従動仕切板の制限範囲内での押し引き及び回転中にその延出部分を収容する。コックの運動速度及び摩擦損失は非常に小さく、その揺動ルードン加速度は、ルードンロータ及び従動仕切板の重心の位置を調整することによって、クランク慣性力及び流体圧力によって提供することができる。したがって、コックの拘束力を最小限に減らすことができ、コックを作動物質によって潤滑させることができる。
図示の方向にルードンする場合、流体は、入口18から作動キャビティのルードンキャビティシールラインの後方に連続的に入り、一方、シールラインの前方のキャビティ内の流体は、出口21から連続的に排出される。ポンプとして作動する場合、前方部分は、ルードンロータが発生させる動力によって流体が排出される変圧キャビティであり、モータとして作動する場合、キャビティの後方部分は、流体がルードンロータを駆動してルードンさせると共に流体の圧力が連続的又は段階的に低下する変圧キャビティである。圧縮性流体が減圧キャビティに入って圧力を低下させる場合、パルス止め弁を用いて効率を向上させることができる。
ルードンロータの半径がR(m)であり、シリンダの長さがH(m)であり、ルードン比がδであると仮定すると、公転角速度はω(秒−1)であり、容積変化機構の押しのけ容積V(m)及び容積流量Q(m/秒)は、以下のようになる。
Figure 2008525712
Figure 2008525712
比容積の変化を考えると、圧縮性流体の押しのけ容積及び容積流量は、定圧キャビティ内の圧力を標準圧力として定義すべきである。ガス計量ポンプの用途では、圧力を安定化させるべきであることに留意されたい。
図4を参照すると、これは、完全に動的平衡でありパルスのない高速容積変化機構の構造を示す。この機構は、同軸関係で180度位相ずれのある3つの対称なルードン容積変化機構によって組み立てられる。外側の2つの容積変化機構は、同じ寸法を有し、その寸法及び押しのけ容積は中央の機構の半分である。外側機構のルードンロータが30で示される。中央機構のルードンロータが31で示される。外側機構のロータ軸受が32で示され、ロータ軸受32の内面とクランクの偏心部分との間には、2つの半円形の柱から成るスリーブが挿入される。クランクは33で示され、180度位相ずれのある対称機構を形成するように、偏心軸の3つの部分が主軸と対称な2つのライン上に配置される。主軸の軸受が34で示され、その数は、負荷に応じて2つ又は4つであり得る。軽量化及び空間圧力調整用の接続穴又は漏れ流排出用の接続穴が35で示される。外側機構のルードンロータに挿入された従動仕切板が36で示される。中央機構軸カバーのルードンロータ軸受内のリング柱から成るスリーブが37で示される。中央機構の軸受が38で示される。7つ以上の締結ボルトが39で示される。軸の延出端のカバーが40で示される。中央機構と外側機構との間に設けられた仕切板が41で示される。ルードンロータに挿入された中央機構の従動仕切板が42で示される。中央機構の従動仕切板の端の運動空間であるキャビティの残りの部分の投影が43で示される。コックから突出している中央機構の従動仕切板の端が44で示される。中央機構と別の外側機構との間に設けられた仕切板が45で示される。外側機構の従動仕切板の運動空間の残りの部分の投影が46で示される。軸の非突出端のカバーが47で示される。
この例の機能は、主に脈動をなくすことである。180度位相ずれのある対称な3つの機構の構造は、高速作動中に慣性力の釣合いをとると共に脈動をなくすように配置される。ルードン容積変化機構の構造は、非常に単純でほぼ一様であるため、多機構組立体にしては、特にダイ成形部品にしてはさほどコストが増加しない。エネルギー交換装置、伝動装置、分配装置等の多機構組立て機械の場合、機構が対称であるか又は高回転速度であるかに関係なく、脈動をなくして機械全体の動的平衡を高めるためにできる限りこの例の同様の構造を用いるべきである。
図5を参照すると、これは、回転ルードンキャビティを有する回転ルードン容積変化機構の軸方向の投影図を示す。回転ルードンキャビティが50で示される。ルードンキャビティシールラインの後方にある作動容積キャビティの後方部分が51で示される。流体の出口が52で示される。ルードンキャビティと堅固にシール接続される従動仕切板が53で示される。ルードンロータのシリンダに埋め込まれたコックが54で示される。従動仕切板が引き抜き及び挿入される可動容積キャビティが55で示される。液体の入口が56で示される。ルードンロータが57で示される。ルードンロータの重量を減らすためのキャビティが58で示され、入口チャネル及び出口チャネルの両方の有効面積を増やすために互いに連通した開端チャネルを有する。軸受を拘束するためのルードンキャビティの表面上の限界ラインが59で示され、公転を相殺するようにルードン軸を中心に逆方向に自転するルードンキャビティを有する。固定クランク軸の偏心部分、すなわちルードンロータの回転軸が60で示され、ルードンロータは回転軸を中心に自転し且つ同時に揺動する。ルードンキャビティのシールラインの前方にある作動容積キャビティの前方部分が61で示される。
ポンプの場合、変圧キャビティ及び定圧キャビティはそれぞれ、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分61及び後方部分51に対応している。モータの場合はそうではなく、変圧キャビティ及び定圧キャビティはそれぞれ、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分51及び前方部分61に対応している。機構に関しては2つのモード間に違いはない。その上、入口及び出口を逆にして、その後に逆の機能を果たすようにすることができるが、ルードンキャビティの回転によってこの対称性は変わらない。
回転ルードンキャビティを有する回転ルードン機構は、良好な機械的動的平衡を有する。ルードンキャビティ50及び従動仕切板59は、別々に回転する剛性体を構成し、それらの動的平衡は独立して得ることができる。ルードンキャビティ自体は、良好な慣性平衡を有する。ルードンキャビティに加えられる流体圧力のベクトル積分により、いかなるモーメントも生じずに軸受によって釣合いがとられる軸方向の合力が得られる。同様に、ルードンロータ57及びそれに取り付けられたコックは、一定の回転慣性を有する個別の回転機構であり、その動的平衡は独立して得ることができる。その慣性力も自己平衡状態である。入口及び出口を含むルードンロータに加えられる流体圧力のベクトル積分により、いかなるモーメントも生じずに回転軸に向けられ且つ回転軸によって釣合いがとられる力が得られる。
この種の機構では、従動仕切板は、モーメントを発生させることができる唯一の構成部品である。変圧キャビティと定圧キャビティとの差圧は、差圧及び流体に曝される仕切板の面積に正比例する接線力を直接生成する。この力は、ルードン軸線に加えられるモーメントを発生させ、このモーメントをルードンキャビティに伝え、ルードンキャビティを介してモーメントは外部部品と相互作用する。ルードンロータを駆動して揺動させる交変モーメントも、従動仕切板によって伝えられる。
瞬間モーメントMの微分dM=HΔPrdrは、変圧容積キャビティと等圧容積キャビティとのリアルタイムの差圧ΔP(Pa)、容積キャビティの半径R(m)、容積キャビティ柱の長さH(m)、仕切板の瞬間暴露長さL(m)、及びルードンキャビティの半径座標r(m)から計算することができる。瞬間モーメントM(Nm)及び瞬間動力N(W)は、方程式(9)及び(10)に示すように、dMの積分によって計算することができる。
Figure 2008525712
Figure 2008525712
2つの方程式において、瞬間暴露幅L=R−R(1−2δ(1−δ)(1−cosωt))0.5は、0〜2δRで周期的に変わる。非圧縮性流体の場合、中心角がωt=(2n+1)πであるとき、瞬間モーメント及び瞬間動力が最大値になる。圧縮性流体の場合、圧力が容積の変化と共に増減するため、瞬間モーメント及び瞬間動力の最大値は、ポンプではより遅く、モータではより早く現れる。
[発明の詳細な説明]
本発明の種々の用途の設計を、以下に説明する。
容積形流体機械のルードン容積変化方法の様々な用途を設計することが、本発明の第2の目的であり、多用性のある流体機械を設計することが、本発明の第3の目的である。これら2つの目的はいずれも、本方法の用途設計に含まれる。本発明の価値は主に、用法及び用途の設計によって具現される。用途設計には、明確にするために番号を付ける。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第1の用途は、ルードン容積変化機構及びルードン容積変化運動を用いてルードン内燃機関を提供することである。この機関は、ガス燃焼部品が取り付けられた一種のルードン流体機械であり、ルードン容積変化機構は、ガス膨張用の主動力発生部品として働く。ルードン容積変化機構の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応する。変圧キャビティの入口及び定圧キャビティの出口は、ガス圧源として働く定容吸熱パルス燃焼室と大気に連通する通気管とに接続される。ガス燃焼発生部品は、定容吸熱パルス燃焼室の小キャビティと、空気圧縮、燃料加圧、空気及び燃料タイミング噴射等に用いられる付加的構成部品とを含むか、又は点火手段をさらに含む。空気圧縮構成部品及び燃料加圧構成部品は、場合によっては、主軸によって駆動されるかルードン空燃比最適化分配ブースタポンプセットを用いるか、又は個別駆動である分離タイプを用い、空気圧計量ポンプ構成部品は、ルードン噴霧冷却定温圧縮機であり得る。
ルードン内燃機関では、パルス燃焼室がルードン機構の入口付近に取り付けられ、通常はルードンキャビティの1/200未満の小さな容積を有する。圧縮比が高いほど、上記容積は小さい。燃焼室には空気噴射管及び燃料噴射管が接続される。2つの噴射管は、主軸が回転しているタイミングで十分な量の圧縮空気及び流体燃料を続いて噴射する。圧縮空気の温度は、点火温度よりも低いか又は高く、燃料噴射又は点火栓点火によってパルス燃焼を発生させる。発生したガスは、瞬時に一定容積で加熱及び加圧される。ルードンキャビティの入口が開くと、ガスが変圧キャビティ内に進み、ルードンロータを連続的に駆動して動力をつくり出す。ガスが断熱膨張によってそのエネルギーの大半を放出した後、ガスを収容している変圧キャビティは定圧キャビティに瞬時に変わり、ガスは次のサイクル中に定圧で連続的に排出される。ガスの排出圧力は、初期噴射圧力、パルス燃焼のブースト比、及び断熱膨張の膨張比に応じて変わる。排出圧力を大気圧と等しくするように熱プロセスにおける上記パラメータに関連するパラメータを適宜設計することによって、熱効率を向上させることができ、且つガス排出騒音を減らすことができる。噴射温度、パルス燃焼の温度上昇比、及び断熱膨張の膨張比に関連するパラメータを適宜設計することによって、燃焼室の熱抵抗及び耐圧内で排出ガスの温度を周囲温度まで十分に低下させれば、最高の熱サイクル効率が得られるであろう。動作の際には、機関のサイクルは、ルードンキャビティシールラインが入口及び出口を通過してほぼ同時に開く0度のルードン中心角から始まる。こうして、変圧キャビティは定圧キャビティに変わる。新たな変圧キャビティが入口から再び形成される。主軸が360度回転すると、1サイクルが完了する。
内燃機関においてルードン容積変化方法を用いて、運動原理及び全体的構造の両方において有利であるように、圧縮、燃焼、及び膨張を分離してそれぞれ最適化することができる構造を得ることができる。各部分の革新的特徴及び個別最適化の特性は、効率を向上させるのに寄与することができるか又は重要な役割を果たすことさえできる。既存の往復ピストン機関と比較して、ルードン機関の圧縮、燃焼、及び排気は、並行して連続的に、又はパルスプロセスで行われる。1サイクルが1膨張行程に対応しているため、時間利用効率が3倍に向上し、損失配分比が半減する。その空燃比は、作動状態に伴って変動せずに精密に制御することができるため、十分な燃焼が確保され、一酸化炭素の放出が減り、排ガス流及びそれに伴う熱流が最小になる。圧縮比は、構造強度によって制限されるだけであるため、大幅に高めることができる。定容加熱サイクル及び場合によって採用され得る等温圧縮は、必要な圧縮エネルギーを断熱圧縮の圧縮エネルギーよりもはるかに少なくすることができる。その駆動力の方向は、主軸の回転に伴って連続的に変わり、モーメントを増大させる角度を維持することができる。シリンダ(ルードンキャビティ)及びルードンロータは、潤滑不要とすることができるため、高い作動温度、境界層の十分な燃焼、及び少ない放射が可能になる。燃焼室に移動機構がないため、断熱セラミックを取り付けて、圧縮比及び作動温度を上昇させると同時に熱損失を減らすことができる。これらの革新的な措置及び効果により、既存の内燃機関よりも高い熱効率及び内部機械効率等の性能向上が得られ、実証される効率向上空間は25%を超える。
ルードン内燃機関は、ガス燃焼発生部品が取り付けられた一種のルードン流体機械であり、高圧縮比、高効率、高動力密度、低汚染、潤滑不要、及び長寿命等の大きな利点を有する本発明の非常に重要な用途である。この種の内燃機関は、オットーサイクル及びディーゼルサイクル内燃機関の欠点を全てなくし、世界的なエネルギー危機及び環境危機の緩和に大きく寄与することができる全く新しい内燃機関である。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第2の用途は、ルードン容積変化運動方法及び2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続される構造を用いて、ルードン水力モータを提供することであり、これは浄水又は粒径制御された細砂を含む加圧水によって駆動されるのに適しており、変圧キャビティ及び定圧キャビティがルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。
ルードン容積変化機構は、水力モータを形成するのに直接用いることができ、この場合、2つのルードン機構が同軸に平行に接続される構造が、始動死点をなくすのを容易にする。この種の機関の大きな利点は、高効率並びに種々の落高及び流量に対する適応性である。流量及び流速の影響を受け易い水タービン機関と比較して、この種の機関の高効率及び安定化の利点は極めて明らかである。内蔵型ネットワーク発電機の駆動に用いられる場合、この種の機関は一定の流量を示し、発生された動力は落高に正比例する。小型の非内蔵型ネットワーク発電機の駆動に用いられる場合、これは、種々の落高及び流量に対して大きな柔軟性及び適応性を有する。しかしながら、励磁制御を設ける場合には出力電圧及び周波数に関連する標準要件を考慮すべきである。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第3の用途は、ルードン容積変化機構を用いて、高効率の油圧伝動システムの回転出力手段として用いることができるルードン油圧モータを形成することであり、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続される構造を用いることができる。
油圧モータは、ルードン容積変化機構によって単純且つ直接的に構成することもできるが、油圧モータの作動圧力の方が高いという点で、上記水力モータとは異なる。その入力圧力は、数MPaであるか又は10MPaを超える場合があり、これは水力モータの入力圧力の数倍又は数十倍であるため、特別な耐圧強度設計が必要である。2つのルードン機構が同軸に平行に接続される構造は、始動死点及び流量の脈動をなくすのを容易にする。ルードン油圧モータは、効率が高く、油圧伝動技術の重要な革新部品であるため、広く用いることができる。自動車の例では、油圧伝動を用いる自動車が何十年にもわたり当業界で望まれているが、主なボトルネックは効率である。本発明は、省エネルギー、環境保護、及びコスト低減を目的として、自動車技術の伝動に最初に注目し、さらに機関の改変及び車輪の革新にも注目している。ルードン油圧モータを、例えば列車の伝動に用いる場合、これは既存の油圧伝動及び電気伝動を凌ぐものとなるであろう。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第4の用途は、ルードン容積変化機構を直接用いるか、又は効率向上のために付加的なタイミングパルス弁装置及びルードン熱ポンプ装置を用いて、ルードン空気圧モータ又は空気膨張機を提供することである。ルードン空気圧モータ又は空気膨張機は、空気圧伝動システムの回転出力部品としての役割を果たすか、又は省エネルギーのために空気抵抗絞り膨張部品に代わって加圧空気の膨張プロセスで放出されるエネルギーの回収に用いられる。変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続される構造を用いて、始動死点をなくす。
ルードン空気圧モータは、ルードン流体機械のモータモードの応用である。本発明の説明に記載したように、シールラインの後方にある変圧キャビティは、空気が減圧して仕事をするキャビティであり、シールラインの前方には、低圧出口に接続されている定圧キャビティがある。動作の際には、加圧流体の入口に接続されている変圧キャビティ内で、空気が膨張して仕事をする。中心角が0のとき、定圧キャビティがなくなり、膨張を終えた空気を有する変圧キャビティが定圧キャビティに変わる。新たなサイクルで、新たな変圧キャビティが膨張し始めて再び仕事をし、定圧キャビティは定圧で低圧空気を排出する。2つのキャビティは周期的に交代し、それらの容積は相補的に変わる。流体は同時に出入りする。ルードンロータ周面における2つのキャビティの圧力のベクトル面積分は、回転軸に向けられる力を発生させる。この力は、ルードン軸に対する駆動モーメントを生み、主軸を駆動して連続回転させる。2つのルードン機構が位相をずらして同軸に平行に接続される構造は、始動死点及び導管内の圧力脈動をなくすのをさらに容易にする。
ルードン空気圧モータは、上記設計に従って良好に作動することができる。ガス媒体は圧縮性流体であり、その減圧プロセスは膨張プロセスでもあるため、キャビティの容積に一致するか又は低コストでその入力比エネルギーを増加させるように比容積の変化率を制御できれば、効率が向上するであろう。タイミングパルス弁装置及びルードン熱ポンプ装置が、まさに必要なものである。前者は、0のルードン中心角から開始して適切な周期で空気入口通路を開いて、他の時点で閉じられる弁である。後者は、低コストで周囲環境からの熱を圧送して、その凝縮器を介して入口空気に熱を伝えるのに用いられるルードン熱ポンプ(後述する)である。本明細書では詳述しないが、これら2つの需要は、熱力学における断熱プロセス方程式のパラメータ最適化分析から得られ、証明するには複雑であり、利益が得られる後者はさらに複雑である。
空気圧モータは、既存の技術システムでは広く用いられていない。鉱山工学、地質工学、及び大規模工場の動力システムで用いられるものを除いて、空気圧モータは、一般の伝動システムではめったに用いられない。これは、既存の技術の空気圧伝動に、機械分野及び熱分野において低効率を引き起こす2つの重要な制限があることに起因する。本発明の用途及び後述するルードン圧縮機は、効率を大幅に向上させるために効率制限の主な問題を解決することができる。高効率で無汚染の空気圧伝動技術は、水も油も用いない伝動技術である。現在では水及び油の量が世界中で限られているが、空気は豊富であり、自由に用いることができ、運搬又は貯蔵の必要はない。空気圧伝動が効率の克服を実現すれば、無汚染、低コスト、抗脈動、抗衝撃、及び無火災危険等、従来の油圧伝動を超える利点がある。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第5の用途は、ルードン容積変化機構を用いて、ルードンブロアファン、ルードン圧縮機、及びルードン真空ポンプを含む、ルードン圧縮性流体ブースタポンプを提供することであり、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している。ブースタポンプは、ルードンファン、ルードンブロア、ルードン空気誘導機、ルードン空気圧縮機、ルードン噴霧冷却等温圧縮機、ルードン二相流ブースタポンプ、ルードン真空ポンプ、ルードン二相流真空ポンプ等に用途によって分類することができる。噴霧冷却等温圧縮機は、圧縮プロセス中に噴霧水によって冷却が行われて水と空気とが出口で分離される、一種の二相流圧縮機である。ルードン圧縮性流体ブースタポンプは、空気又は気液二相流の運搬と、大気圧から負圧への増圧及び減圧を含む圧力の変更とに用いることができる。上記二相流ブースタポンプの物理的パラメータを設計する際には、3つの設計変数、すなわち、容積流量、最大圧力、及び最大媒体粘度を考慮するだけでよい。二相流ブースタポンプの圧力自己適応性定流特徴により、その適応性が向上し仕様のタイプが単純になる。
圧縮性流体ブースタポンプは主に、ファン及び空気圧縮機を意味し、後者は空気圧モータの機能とは逆の機能を有する。ブースタポンプの入口と出口との間の差圧の方向、ブースタポンプの変圧キャビティ及び低圧キャビティの内部位置、流体圧力の積分の符号、及びブースタポンプのモーメントの符号は、全て空気圧モータと逆である。一方、ブースタポンプの構造は、空気圧モータと完全に同一であるが、2つの付加的な装置も他の付加的な装置も概して必要としない。ルードン空気圧縮機に基づくそのルードン噴霧冷却等温圧縮機においてのみ、入口及びルードンキャビティ噴霧冷却装置が加えられ、空気・水分離装置が出口に加えられる。噴霧は、機械を二相流作動状態にする。圧縮比が非常に高い場合、噴霧される水の量を増加させるべきであり、その圧力も増加させてより小さな霧粒を発生させるべきであり、この霧粒は、圧縮空間においてより高い霧粒拡散密度及びより大きな熱交換面積を形成することができる。空気及び水は、単に重力によって、例えば液位信号に基づいて冷水の流れを減圧流に適応させるように高感度で制御するフロート弁を有する分離緩衝コントローラによって、分離することができる。分離器の水の出口は、絞り弁によって開放されるか又は、圧力エネルギーを再循環させるために同軸上に取り付けられているルードン油圧モータに接続される。
本発明のルードン容積変化方法に基づいて設計される圧縮性流体ブースタポンプは、既存の技術の設備と比較して非常に高い効率を有する。既存の技術のファン及び圧縮機製品は、低効率であり、当業界において過去数十年にわたり、省エネルギーのためにこれらを改良することは、ポンプの次に関心が持たれてきた。これらがポンプよりも注目されていなかった理由は、単にその総設備容量がポンプよりも小さいからだったが、実際に、その効率はポンプよりもはるかに低い。ファン及び圧縮機は、騒音汚染ももたらし、うるさい設備として既知である。低効率及び騒音は、容積形運動ではない回転羽根車運動と、往復容積形運動とを含む運動から生じる。前者の空気動力学的問題と、後者の機構摩擦及び熱力学的問題とは、完全に解決することができない。上述のように、唯一の方法はルードン可変容積方法を採用することである。
ルードン圧縮性流体ブースタポンプは、圧力適応性を有する。この圧力仕様は、構造強度に依存するだけであり、その実際の作動圧力は機構運動に応じて変わらない。ファンとして用いられる場合、乱流損失も乱流騒音もなく、動圧変化も動的水頭損失もないため、高効率であり、騒音源となることがなくなる。圧縮機として用いられる場合、内部機械効率、容積効率、及び水力効率が高いため、包括的効率を大幅に向上させることができる。ルードン圧縮性流体ブースタポンプの最大の利点は、その高い適応性及び単純性であり、これは、流量及び動力が適切である限り、ファン、圧縮機、及び真空ポンプを汎用でき、所定の速度及び粘度範囲内の二相流及び液体に用いることができることを意味し、これは既存の技術では想像できないようなことである。適応性が高いことで、タイプ範囲の計画が単純になり、設計、製造、使用、及びメンテナンス中にこの単純化から得られる利益は、全機械の進歩から得られる利益全てを合わせたものよりも大きい。
ルードン圧縮性流体ブースタポンプの二相流の用途は、3つのタイプの機械又は用途、すなわち、ルードン二相流ブースタポンプ、ルードン二相流真空ポンプ、及びルードン噴霧冷却等温圧縮機を含み、これらは、新技術、新機能、新タイプ、高性能といった属性と、非常に確実な実証効果とを有する。二相流変圧機械は、天然ガス管路及び石油管路の圧縮問題や、液体水素、液体酸素、液体窒素、及び部分的に二相流の形態であり得る他の液化ガスの圧送搬送問題等、多くの実際の需要に対する単純な解決手段である。さらに、例えば、多くの化学工業設備において、大半の流体は二相流であり、気液分離装置は圧縮に用いられるだけである。ルードン噴霧冷却等温圧縮機は、低効率を引き起こすと共に100年以上にわたって人間を悩ませてきた熱力学的ボトルネックに対処する。今回、これがついに単純な方法で解決される。
ルードン噴霧冷却等温圧縮機は、一般的に、ガスタービンを含む内燃機関の独立した圧縮部品として用いられ、単純且つ高効率に得られるその等温圧縮機能は、内燃機関効率向上技術の重要な部分である。この構成部品は、内燃機関の効率を10%向上させることができ、ガスタービンの効率向上効果はさらにはるかに大きい。これは、ガスタービンの等圧循環において、ウォーム車輪圧縮機の消費がガス膨張タービンの入力動力の大半を占めることに起因する。例えば、ルードン噴霧冷却等温圧縮機を、1MPa(約10バール)の圧力下で作動するガスタービンの代わりに用いる場合、ガス圧縮熱力学的プロセスの動力節約効果は、この機械及びタービンの効率を比較しなければ、39%であることができる。元の圧縮損失比(分母が膨張力)が60%である場合、60%×39%=23.4%の節約動力が正味増加出力となり、出力動力は40%から63.4%に増加し、出力の増分は58.5%である。23.4%という値は効率増分ではないが、これは重要なパラメータである。その複雑な熱循環制限内で、逆流バックヒーティング等の措置をさらに取ることによって、上記23.4%の大部分が効率の増分に変換され、これはおおよその評価で15%に達することができるであろう。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第6の用途は、ルードン容積変化機構を用いてルードン液体ブースタポンプを形成することである。このルードン液体ブースタポンプは、ルードンポンプ、ルードン油ポンプ、及び他の流体相媒体に適したルードン容積形ポンプを含み、液体材料の運搬及び圧縮に用いることができる。変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している。代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続される構造を用いて、脈動をなくす。機械の物理的パラメータを設計する際には、3つの設計変数、すなわち、容積流量、最大圧力、及び最大媒体粘度を考慮するだけでよい。圧力適応性の特徴により、タイプ範囲の計画が単純になる。
ルードン液体ブースタポンプは、ルードン容積変化方法の最も単純であるが最も重要な用途の1つである。これが単純である理由は、ルードン容積変化方法を用いて任意の派生的タイプのルードン機構を組み立てるだけで、付加的な機構を用いずに液体ブースタポンプを得ることができるからである。したがって、すでに説明したものは、本明細書では繰り返さない。しかしながら、この種の用途の重要性及び効果を詳述する必要がある。
上述のように、ポンプは、現代社会における省エネルギー改善の第1の目標である。その理由は、第1に、その設備容量が非常に大きく、例えば、中国におけるポンプ設備容量は160GWを超え、4千億KWhを超える電力を消費するからである。世界全体の消費量は未知であるが、中国の消費量の6倍であろう。第2に、ポンプの効率が高くないからである。特に、設置量が最大である中型及び小型のポンプの効率は、概して60%未満である。大量の小型ポンプの効率は、30%〜50%である。ポンプによって引き起こされるエネルギー消費、温室効果ガスの放出、及び他のあらゆる汚染は、極めて多く、改善すべきである。
他の種類の液体ブースタポンプを含む水ポンプのほとんどが、容積形ではない。これらは、非容積形の羽根車タイプの機械であり、その大半が半径流遠心ポンプに属する。上述のように、既存の技術の容積形流体機械の効率は、非常に低く、回転羽根車ポンプよりもはるかに低い。
しかしながら、本発明はこの関係を変える。液体ブースタポンプの最も適当なタイプは、容積形、すなわち本発明のルードン容積変化容積形ポンプであろう。流体動力学及び力学の多くの態様に基づく分析及び実証から、ルードン液体ブースタポンプの効率は90%を超えることができ、制御可能であることが示される。例えば、最高95%、さらには最高97%の効率を得ることが可能であるが、その場合、他の性能が低下すると考えられ、これは経済的である。経済的な効率は、一時的に正確に分析することはできないが、推定90%であり得る。これにより、最も満足のいく作動条件を作るために所望に応じて効率を決定できるという可能性が得られる。これは、パラメータ及び特性が固定されている非容積形遠心ポンプでは考えられず、不可能である。非容積形遠心ポンプの流量は、絞り弁又は揚程を小範囲内で変化させることによって調整することができるが、その効率は、設計された作業条件から離れると低下するであろう。非容積形遠心ポンプの効率は、単一極値点を有する流量の1価関数である。
効率の向上、省エネルギー、及び環境保護を考慮して、遠心ポンプの代わりにルードンポンプを用いることは、採鉱、石油、化学工業、エネルギー、交通、軽紡績、水利、都市地方建設、農業、林業、飼育業、漁業の分野におけるプラス効果に基づいた選択である。短時間で取り替えを理解すること又は慣れることはできないかもしれないが、経済性能の比較を見れば確実に慣れるであろう。
ルードン液体ブースタポンプの別の重要な用途は、流体伝動において軸動力入力構成部品として働くことである。この種のブースタポンプの圧力は非常に高い。プランジャポンプと比較してルードン液体ポンプには効率及びコストに関する利点があるため、プランジャポンプの代わりにルードン油圧ポンプを用いることは、必然的な経済行為である。主な問題は、取り替えではなく発展である。回転流体伝動が広く用いられていない理由は、効率の限度があるからである。効率のボトルネックを克服すれば、この用途の普及は自然なプロセスとなる。ルードン流体伝動技術を用いることができる分野は、自動車、列車、及び船舶等の輸送機械である。ルードン流体伝動が用いられれば、その大きな技術的及び経済的利点はすぐに認識され、取り替えが促され、業界の技術的概観が本質的に変わるであろう。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第7の用途は、少なくとも1つのルードン容積変化機構によって水力モータを形成することであり、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している。代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続される構造を用いて、死点をなくす。1つ又は複数のルードン容積変化機構によって、1つの出力部又は複数の出力部を有するポンプを形成することができ、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。ルードン容積変化機構は全て同軸に連結され、且つ変圧キャビティは全て同じルードン軸線上で作用して、入力流量及び出力圧力に対する適応性のある水力ポンプを形成し、このような水力ポンプには、ルードン水力流量可変ポンプ及びルードン水力圧力可変ポンプが含まれる。前者は、高落差小流量の水流によって低揚程大流量の水流を駆動する水力水ポンプである。後者は、低落差大流量の水流によって高揚程小流量の水流を駆動する水力水ポンプであることにより、低効率の遠心ポンプの代わりとなる。多出力機械では、止め弁が各入力チャネルに取り付けられる。入力軸の動力は、逆効率で重み付けした各出力部の実際の出力動力の重み付けの和に等しい。適応性により、回転速度、流量、及び揚程分布等の実際のパラメータが決まる。1つの出力部の閉鎖及び揚程の低下は、回転速度の上昇及び他の出力部の流量の増加を引き起こし得る。
本発明の第7の用途は、従来の水ポンプとは全く異なる。この水力モータは、優れた属性を有する水力モータ・ポンプセットであり、ルードン流体エネルギー交換装置に属するか、又は流体変圧器若しくは流体変流器と呼ばれる。これは、一体型のセットを形成するように同軸ルードン水ポンプと組み合わされた、適当な押しのけ量を有するルードン水力モータとして構成される。新たに追加される特徴は、同じ回転速度及び同じ動力でエネルギーを伝達することができる同軸構造(効率を考慮して入力がわずかに大きい)、すなわち同軸伝動の構造である。その運転不等式では、入力比エネルギー又は揚程と設計押しのけ量及び効率との積が、所要出力比エネルギー又は揚程と設計押しのけ量との積よりも大きくなるべきである。ルードンモータ・ポンプセットの効率は、90%以上に達することができ、その入力水力は、ランダムに変動するか又は非常に小さくなり得る。水流が少ない場合、これが運転に影響を及ぼすことはなく、回転速度のみが入力動力に正比例して低下し、出力水力は同じ比で低下する。この点で、ルードン水力モータは、他の水力モータよりも有利である。
ルードン水力水ポンプは、静圧位置エネルギーを用い、高い効率及び適応性を有するが、これは、駆動水流が大流量から小流量に変わっても依然として確実に運転し続け、比エネルギーが変わらない限り停止しないことを意味する。ルードン水力モータのこの驚異的な特徴により、これは、流れを変えることによって高落差の湧泉又は小川の揚水に、また圧力を変えることによって低落差ダムに非常に適している。低水位期間には、水タービンポンプ及びすくい車等の従来の設備では考えられないように、流れが止められている限り揚水が依然として可能である。中国南部、特に丘陵地では、渇水が起き易いとはいえ大量の水があり、揚水灌漑設備が必要である。電気的灌漑及び排水は環境に優しい文明的な方法ではなく、産業文明の誤った使用法である。ルードン水力ポンプは、シェル及び2つ又は3つの車輪を有する非常に単純な構造を有し、車輪は小型であり覆い隠し易い。ルードン水力ポンプは、中国の60%を超える地域で用いることができる。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第8の用途は、180度位相をずらして平行に連結される2つのルードン容積変化機構によって、油圧ポンプを形成することであり、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している。180度位相をずらして平行に連結される2つのルードン容積変化機構によって、油圧モータが形成され、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。ルードン容積変化機構は全て同軸に連結され、変圧キャビティは全て同じルードン軸線上で作用することにより、ルードン油圧減速機又はルードン油圧増速機のタイプの伝動装置が形成される。変速比が押しのけ量に反比例する関係に従って、所望の減速比又は増速比を一度に得ることができる。停止制御装置を、流体ポンプの入力弁装置とすることができる。代替的に、この弁に、上流の水撃作用を減衰する緩衝器が設けられてもよい。入力管路と出力管路との間に、バイパス絞り・止め弁があってもよく、これが手動で又はタイミングプログラムによって自動で調整されることにより、バイパス絞り及びクラッチ機能を有するルードン油圧減速機又はルードン油圧増速機のタイプの伝動装置が形成される。
本発明の第8の用途は、油圧トルクコンバータの伝動装置に属し、且つ減速トルク増加装置として主に用いられ、増速機として用いられることもある。この種の装置でも、ルードン容積変化機構は同軸上に取り付けられるため、脈動をなくすための特徴を除いて再び詳述はしない。システム内部パラメータ及び動的応答速度の実際の範囲は、脈動周期とは全く異なるため、流量の脈動は、二重位相ずれ流の合流によって脈動を相殺することによってなくしてもよく、又はハイパスフィルタリングのバイパスを用いてローパスフィルタリングを行うことによって低損失で柔軟に吸収してもよい。特に、既存の技術で広く用いられている高速応答緩衝器である窒素エアバッグ蓄圧器等、可撓性の壁又は境界面を有する耐圧緩衝器が接続される。
ルードン油圧伝動装置の効果及び用途を重点的に説明する必要もある。ワットが蒸気機関を発明して以来、伝動技術は動的機械の開発及び改良と共に発展及び進歩している。多くの他の機能を有する機械伝動又は電気伝動には、優れた性能がある。しかしながら、油圧伝動の分野では、回転を並進に変える油圧シリンダを除いて、回転出力を伴う油圧システムは効率のボトルネックがあるため十分に発展していない。効率のボトルネックは、回転容積運動タイプに起因する。
回転出力を伴う油圧伝動は、機械伝動よりもわずかに低くても効率を向上させれば大きな利点を示すことができる。機械伝動は、実際にはあまり優れているわけではない。1段減速機の最大減速比は4であり、より大きな減速比が望まれる場合、直列の多段構造が必要である。1つの伝動段につき1つの歯車対及び2つの追加軸受が必要である。軸受の効率が98%であり、歯車対の効率が97%であると仮定すると、1段の減速効率は98%×97%=95%となり、2減速段では90%でしかない。例えば、クラッチ、多段歯車を有するギヤボックス、ユニバーサルジョイント、差動装置、トランスファケース等を含む自動車伝動鎖の総効率は、70%未満である。しかしながら、これは依然として高効率とみなされ、これを超えることは困難である。機械伝動がこれまで用いられてきているが、これは、高い形状及び高い位置精度を必要とし、高コスト及び高故障率を有し、且つ設計、製造、及び取り付けが困難である。回転出力を伴う油圧伝動システムの単純性は既知であるが、油圧伝動自動車は、効率のボトルネックの制限が主な原因で適格であると認められていない。
上述のような本発明の高効率は、このボトルネックの問題を解決するのに役立つ。その理論上の効率は80%を超え、そのコストは機械伝動のコストのごく一部である。固有の利点として、本発明の設計及び設置の単純性並びに柔軟性は比類がない。本発明を自動車伝動に用いる場合、機関及び変速機・減速機・クラッチ複合装置に加えて、シャーシにいくつかのクランプを固定するだけでよい。本発明のルードン車輪の大きな利点は、接続管のみによって作動することができるその単純な構造から得られる。
本発明は、自動車伝動に加えて様々な用途に適用することができる。特に、船舶の減速機として用いる場合、船舶用プロペラの回転速度は、羽根車機械の効率及び線速度が制限されるため非常に低速である。スクリュプロペラが大きくなるほど、回転速度が遅くなる。この種の減速機には減速限界があり、そのトルクが大きく、例えば動力が10MWで角速度が10rad/秒であるときに1000kNmであり得るため、このような減速機は非常に重い。シャフトの直径が数百ミリメートルに達すると、その効率及び重い構造が許容不可能であるため、多段歯車減速機の設計が困難になる。その結果、機械減速機は船舶推進システムのボトルネックとなる。このボトルネックの制限を受けて、特殊な低速船舶用ディーゼル機関基準が生成される。大型船舶用のディーゼル機関の回転速度は、減速機がない場合は約100回転/分である。ディーゼル機関は、比動力性能及び効率が低く、不経済である。ルードン油圧減速機を用いる場合、6000回転/分から60回転/分への減速を直接得ることができる。その結果、高速機関又はより高度な機関を用いることができる。ルードン技術は、船舶・機関・伝動・推進技術の革新に広く用いることができる。
本発明で実証されるルードン容積変化方法の第9の用途は、いくつかのルードン容積変化機構によって油圧ポンプを形成することであり、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応しており、入口を手動又は自動締切り弁によって開閉するように制御することができる。1つ又は複数のルードン容積変化機構によって、油圧モータを形成することができ、その変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応しており、入口を手動又は自動締切り弁によって開閉するように制御することができる。入口を締め切ると、油圧ポンプの定圧キャビティ及び油圧モータストップの変圧キャビティが、真空状態により非作動になる。油圧ポンプ及び油圧モータの作動押しのけ量比は、2つの2元制御ベクトルの実際値の関数として変わり、可能比が数列を形成し得る。数列の計画と、油圧ポンプ及び油圧モータの押しのけ量の組成の設計とは、実際に望まれるシフトに基づく。ルードン容積変化機構は全て連結され、変圧キャビティは全て同じルードン軸線上で作用して、一体型変速機を形成する。代替的に、油圧ポンプ及び油圧モータは分離タイプであり、且つ原動機及び被駆動機械のそれぞれと同軸上に取り付けられることにより、脈動をなくすと共に流量の脈動を柔軟に吸収することができる設計と組み合わせた分離タイプ油圧変速機を形成する。代替的に、高圧管と低圧管との間に、手動又は自動時間プログラム調整手段を有するバイパス絞り・締切り弁を固定することにより、バイパス絞りクラッチを有するルードン油圧変速機を提供してもよく、これは、減速、変速、及び自動クラッチ機能を有する多機能変速機として用いることができる。
本発明の第9の用途は、非常に新規なものである。これは、変速機と呼ぶが、実際には、伝動鎖の全ての問題を一度に解決できる多機能伝動装置である。その構造に関してはやはり、ルードン容積変化機構の一部又は全部が同軸上に組み立てられる装置である。この種の伝動装置には、制御設計に対するさらなる要件がある。良好な設計を提供するために複雑なシステム計画問題を解決すべきであり、上記の用途は基本設計にすぎない。油圧ポンプ及び油圧モータの構造及び作動原理の説明は不要である。変速機を形成するのに重要なのは、ポンプ及びモータが多方向制御可能な同軸平行運転モードを採用するという特徴を有することである。その理由は分かり易く、流量及び押しのけ量の重ね合わせの原理に基づいている。ポンプの多方向押しのけ量の制御可能な組み合わせによって生じる押しのけ量の増減は、流量を増減させる。モータの多方向押しのけ量の制御可能な組み合わせは、押しのけ量を増減させる。モータの回転速度が所与の流量での押しのけ量に反比例するため、流量の増減とモータ押しのけ量の増減との組み合わせによって異なる変速比の組み合わせを作ることができる。最終的な動的範囲は、最高速度比及び最低速度比によって表され、上記2つの比の比は、ポンプ押しのけ量の上限対下限の比と、モータ押しのけ量の上限対下限の比との積に等しい。シフト分布は、計画及び制御方法に応じて変わる。ステップ変速機として、例えば常に5シフト以上を有する自動車変速機ではより多くのシフトが必要となるが、2方向しかないポンプ及びモータは5シフト以上で十分である。
構造に関しては、一体タイプ及び分離タイプの構造には2種類の異なる需要がある。一体タイプは、結合された軸を直接変速するのに用いられる。その入力は動力機械の軸に接続され、その出力は負荷機械の軸に接続される。入力及び出力は、同じ軸からの機械動力であり、回転速度及びトルクは、変速機によって変えられる。分離タイプのポンプは、動力機械の軸に結合され、異なる流量及び圧力で入力機械の動力を油圧動力に変換する。油圧動力は、管路によって異なる幾何学的位置に搬送される。分離タイプのモータは、負荷機械の軸に結合される。これは、油圧動力を受け取って機械動力の出力に変換する。一方で、脈動という重要な問題がある。一体タイプは、脈動を同期させることができ、損傷を引き起こさない。しかしながら、分離タイプは、脈動を同期させることができず、流量の脈動によって生じる応答速度の干渉が、機械の停止又は損傷をもたらし得る。したがって、脈動をなくすか又は吸収するための設計が必要である。最も単純な設計は、フィルタリング用の電気制御式窒素ポット等の緩衝器を高圧管路及び低圧管路の両方に加えることであり、さらなる別の設計は、180度位相をずらして平行のダブルキャビティ構造を採用することであり、又は両方を用いてもよい。
ルードン油圧変速機は、機械伝動鎖とは異なる減速、変速、及び自動クラッチ機能と一体化された多機能変速機である。また、効率、コスト、故障率、寿命、及び設置構造の両者間の違いは非常に大きい。
ルードン油圧変速機は、高効率及び低コストであり、その分離設計は設置し易い。したがって、これは、自動車、列車、船舶等の輸送機関に非常に適しており、これらの設備の伝動システム構造の単純化を促す。これは、設計及び製造のコスト、並びに動作コストの主要部分であるエネルギー消費のコストを含む、全設備コストの大幅な低減を促す。これは、環境保護も促進させる。したがって、これは広く用いる価値がある。
本発明の第10の用途は、ルードン容積変化機構を用いてルードン計量ポンプを形成することである。ルードン計量ポンプは、増圧タイプ及び定圧タイプを含み、流体の容積流量の直接読取検出、感知、及び積分に、又は他の安定化及び検出されたパラメータからの関数変換による流体の質量流量の直接読取検出、感知、及び積分に用いられる。増圧タイプのルードン計量ポンプは、計量機能も有し、且つ大きな軸動力に耐えることができる流体ブースタポンプであってもよく、又は主に計量及び制御に用いられる流体ブースタポンプであってもよく、その増圧範囲は、自己適応出力端における圧力変化にのみ依存する。2つのタイプの増圧ポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方それぞれに位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。定圧タイプのルードン計量ポンプは、ポンプ又はモータであり、後者の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方それぞれに位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。
ルードン流体計量ポンプの主要部分は、ルードン容積変化機構の単純な応用であり、その機構及び原理を繰り返す必要はない。計量装置として、その計量情報サンプリング装置及び表示装置は、回転速度表示及び感知、回転数計数表示及びデジタル伝送、計量範囲及び押しのけ量設計、圧力−温度−比容積固定制御、又は関数補償計算等を含み得る。種々の用途に従って異なる設計とすることができる。
ルードン計量ポンプは、ブースタタイプ及び非ブースタタイプを含み、非ブースタタイプは定圧タイプを含む。非ブースタタイプ又は定圧タイプの機能は、計量のみであり、工業プロセス制御において流れ状態表示及び制御に用いられる。別の用法は、流体の商業的計量である。例えば、供給熱計量に用いられる一種のルードン熱メータが、回転数を計数することによって熱流体容積を得てから、公式(熱=回転数×押しのけ量×密度×比熱×温度差)に従って供給熱の合計値及び変化率(リアルタイムの動力)を計算することができる。管理センター等に請求するように、データを示すか、又は時宜を得て送る必要があるかもしれない。計算、表示、及び通信は、SCMによって行うことができる。
計量及び増圧の機能の組み合わせは、ルードン計量ポンプの特別な利点である。さらに、同軸連結及び同期の特徴は、さらなる特別な利点である。これら2つの利点により、その用途が多くの技術分野に広がる。計量ブースタポンプ及び多流体分配ポンプについてはさらに説明し、前者は特に、計量空気圧縮機、等温圧縮計量空気圧縮機等を含むが、これらは機能拡張鎖に基づいた用途設計である。
本発明の第11の用途は、少なくとも2つのルードン容積変化機構を備えると共に別個のチャネルが設けられ、且つ押しのけ量比が質量流量比の換算によって求められるルードン計量構成部品を用いて、容積変化機構が全て同軸に連結されると共に変圧キャビティが全て同じルードン軸線上で作用するルードン定比分配ポンプを提供することである。このルードン定比分配ポンプは、ブースタルードン定比分配ポンプ及び定圧ルードン定比分配器を含む。同軸に連結されるルードン圧縮機構成部品及びルードン燃料ブースタポンプ構成部品から成る内燃機関定空燃比分配ブースタポンプであり得るブースタルードン定比分配ポンプでは、ルードン容積変化機構の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応している。定圧ルードン定比分配器の力学機構は、ブースタルードン定比分配ポンプと同じであるか、又は付加的な軸動力のない減圧モータ構成部品を収容する。変圧キャビティ及び定圧キャビティがルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している定圧燃焼加圧油計量モータ構成部品及び加圧ガス計量モータ構成部品を含むものは、自己適応伝動力を生成して他の構成部品を駆動することができる。これら2種類のルードン定比分配装置を、熱的機械、熱工学、及び化学的手順に適用して、高効率及び有利な環境保護を得ることができる。減圧構成部品を収容するルードン定比分配装置の中でも、ガスストーブ定比分配装置は、効率的な環境保護ストーブとして設計される重要な構成部品である。
ルードン流体計量ポンプ及びルードン計量ブースタポンプの同軸連結の組み合わせは、同じ比で同期するという制御効果をもたらすため、多種類の流体の流量をリアルタイムで比例制御するのに用いられる流体分配ポンプ及び流体増圧分配ポンプのための技術的空間ができる。この種の制御は多くの分野で強く望まれるため、本発明の第11の用途が提案される。ブースタ定比分配ポンプ及び定圧定比分配器を含むルードン定比分配ポンプ、特にルードン圧縮機及びルードン燃料ブースタポンプを備える内燃機関定比分配ブースタポンプの機能は、非常に独創的であり、化学工業、エネルギー、及び動的機械の分野で用いることができる。内燃機関定比分配圧縮ポンプ及び内燃機関定比等温圧縮ポンプは、最も有利な内燃機関を生み出すことを目的として、内燃機関に特に適している。ガスストーブ定比分配器は、家庭用ガスストーブを省エネルギーのために改造するのに必要な構成部品である。
ルードン容積変化方法の第12の用途は、ルードン容積変化機構を用いて、家庭用飲料水蒸留浄化システム、ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システム、ルードン高適応性風力システム等のルードンランダムエネルギー流利用システムを提供することである。この種のシステムは、ランダムエネルギー流を機械軸の動力にリアルタイムで変換することができる1つ又は複数の構成部品を収容する。この構成部品は、高適応性風力羽根車又は差圧駆動式のルードン油圧モータとすることができる。発電構成部品が、ランダムエネルギー流を得ることができる場所に分配され、各発電構成部品は、ルードン空気ポンプと同軸上で一体化される。この空気ポンプは、ルードン真空ポンプ又はルードン空気圧縮機である。ルードン真空ポンプは、管路によって真空負荷に接続される。例えば、水道管に取り付けられたルードンモータに同軸連結される家庭用飲料水蒸留浄化システムのルードン真空ポンプが、蒸留復水器に現場で接続されて、浄水及び非凝縮性空気を含む二相流を圧送する。ルードン空気圧縮機は、管路によって加圧空気タンクに接続される。タンクは、機械の駆動又は発電に用いられる圧縮エネルギーを積分、収集、及び蓄積する。エネルギーは、ランダム低温熱エネルギーを利用するための熱ポンプ熱交換器を入力管に収容し得るルードン空気圧モータによって用いられる。ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システムの発電機及びルードン高適応性風力システムの発電機は、始動、停止、及び運転励磁がコンピュータ制御される数値制御励磁発電機である。相互接続発電における始動、停止、及び励磁の制御は、空気圧縮機出力が最大であるという原理に従って最適にスケジュールされる。制御プログラムは、数値制御SCMに書き込まれる。関連の外燃昇温手続きがルードン風力システムに埋め込まれて、風力・外燃火力無水発電システムを形成する。このシステムは、個別に配置される風力羽根車・ルードン空気圧縮機、合流管、ガスストレージタンク、制御可能な逆流熱交換外燃昇温室、ルードン空気圧モータ又はタービン、及び発電機を備え、且つコンピュータ制御されるため、総効率は非常に高く発電コストは少ない。
ルードンランダムエネルギー流利用システムは、環境に組み込まれるグリーンエネルギー源システムである。これは特に、流体圧エネルギー、水力エネルギー、及び風力エネルギーを主に含むランダム環境分配流体エネルギー源を収集する。まず、流体エネルギー源は、ルードン圧力可変機械によって空気圧エネルギーに変換される。タンクへの積分蓄積の後、ルードン空気圧モータを用いて、空気圧エネルギーは機械エネルギーに変換されるか又は発電に用いられる。積分蓄積及び運転スケジューリングが、最低コストのシステム設定及び最大システム出力リアルタイム制御への組み込みを可能にする。
ルードンランダムエネルギー流利用システムは、収集・変換及び処理・利用という2つのステップを含む。
収集・変換は、リアルタイムであり、これは、エネルギー流が現れると、収集設備が機械軸動力を送出するように即座に動作することを意味する。液圧エネルギー、水力エネルギー、及び風力エネルギー用の収集装置は、ルードン油圧モータ、ルードン水力機関、及び風力羽根車又は高適応性風力羽根車に対応している。装置と同軸連結される空気圧縮機(又は真空ポンプ)が、軸動力を圧縮エネルギー(又は真空エネルギー)に効率的に変換し、これが管路を通して送出される。
処理・利用には、リアルタイム高適応性利用及び経済的積分蓄積利用という2種類がある。
リアルタイム高適応性利用の一例は、家庭用飲料水蒸留浄化システムであり、これは、水道水のランダム流を用いてルードン油圧モータ及び二相流真空ポンプを同軸上で駆動し、浄水及び非凝縮性空気を送り出す。このシステムは、適応性と、動力及びエネルギーの量的整合性とを有する。したがって、これは非常に経済的である。
経済的積分蓄積利用の例は、ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システム及びルードン高適応性風力システムである。1つ又は複数の分配タイプの圧縮空気管路が、1つの空気ストレージタンクに収束し、最適なスケジュールで制御されるルードン空気圧モータ・発電機によって発電が行われる。したがって、これは非常に経済的に調整及び制御される。集中使用戦略によって、時間不均一性及び空間分散性といった不安因子が排除され、人々の需要が満たされる。他方、スケジューリングによって、収集及び変換の最大出力を得るための制御機構が提供される。この機構は、ソフトウェアによって実行される。励磁制御は、電気的パラメータの標準インタフェースを提供するためだけに用いられる。システム全体が、出力及びコストの最適化を行うことができる。単一機械及び単一発電機の分散タイプの設備と比較して、性能が概ね数倍に向上する。
上記システムでは、ルードン空気圧縮機の出力圧力は、収集装置のトルク負荷を決定する空気ストレージタンクの出力圧力である。コンピュータ制御されるスケジューリングによって、トルクは風力の関数として変化し、これは、風の強弱に左右されることなくシステムが作動できることを意味する。その上、ルードン空気圧縮機及びその管路は、優れた冷却能力を有し、小さな温度上昇で可変圧縮を実行することができる。その圧縮効率は非常に高い。
ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システムでは、エネルギー流収集及び変換装置は、ルードン水力モータ及び空気圧縮機の組み合わせであり、高落差小流量又は低落差大流量の水力によって作動し、水力積分空気圧縮機と呼ばれる。これは、適当な押しのけ量を有するルードン水力モータを適当な押しのけ量を有する同軸ルードン空気圧縮機と組み合わせて備える、一体型機械セットとして構成される。この機械セットは、回転センサ及び入口絞り弁から成る付加的な自動負荷解放調整装置を有し得る。この機械セットは、低速で又は停止時に自動的に絞り抵抗を高めて負荷を減らし、それ以外は逆に調整することにより、圧縮機を可能な限り高速で回転させ続ける。その運転不等式では、入力比エネルギーと設計押しのけ量と効率との積が、出力比エネルギーと設計質量押しのけ量との積よりも大きくなるべきである。
水力積分空気圧縮機の効率は、約80%に達することができる。水力積分空気圧縮機は、入力水力のランダム変動を可能にし、非常に少ない水流量でもなお動作することができる。これは、低速運転時には優れた冷却器であり、高速運転時には、入力空気噴霧、ルードンキャビティ噴霧等の冷却方法を用いて等温圧縮又は小昇温圧縮を行うことができる。その空気搬送管路は優れた冷却器であり、管路によって冷却されると、空気ストレージタンク内で圧縮エネルギー損失がない。動力が集中使用される端には、ルードン空気圧モータが設けられる。空気圧モータの入口管路は、太陽熱加熱器、石炭炉加熱器、及び他の装置に直列接続される。モータは、断熱定エントロピー方程式に従って膨張し、システムの利用率及び効率をさらに有利に向上させるような方法で、低温熱を機械動力に変換することができる。これが圧縮エネルギーの利用利点である。ルードン水力積分空気圧縮機は、静圧位置エネルギーを用いて作動し、効率が高く適応性が優れている。これは、山地に広く分布している小さな水力エネルギー源のエネルギーの収集、蓄積、及び使用に特に適している。農産物生産、村落の照明、及び配電網に送られるピーク負荷調節電気のために、この種の多くの空気圧縮機によって動力網を形成することができる。
ルードン高適応性風力システムの羽根車は、同軸ルードン空気圧縮機を駆動して、同じ空気ストレージタンクに集められる分布網を構成する。空気圧縮機は、出力圧力のインテリジェントスケジューリングによって最大出力を生成することができる。ベーン角度が可変の高適応性羽根車を用いる場合、風力適応範囲は大幅に拡大する。したがって、出力を数倍増加させることができるだけでなく、動作時の乱流騒音も大幅に減らすことができる。一方で、強風に耐える能力も高まる。既存の技術の風力システムの効率は非常に低い。オランダ、ドイツ、及び米国等で経験されているように、キロワット当たりのコストは高すぎ、乱流騒音が人々を悩ませる。
ルードン高適応性風力システムは、丘の頂上に設置されて丘のふもとで電力を発生させるのに適しており、大容量設備を実現することができる。概算では、大容量システムのキロワット当たりのコストは、既存の技術の約1/3である。
経済的な風力・外燃統合発電システムを提供するために、火力発電の先行手順のような外部熱交換手順がルードン高適応性風力システムに導入される。内燃発電システムは無水システムであるが、その空気圧縮は高コストで面倒な手順である。風力によって生成される圧縮空気が駆動する空気圧モータによって生成される小さな比エネルギーを安価に用いることは、無駄が多い。このシステムは、風力・外燃統合発電システムを提供すると共にコンピュータを用いてこの統合システムのスケジューリング及び制御も行うために、外部熱交換手順を上述のルードン高適応性風力システムに導入することによって、火力及び風力の両方を利用してこれら両方によりよい仕事をさせることができる。このシステムの圧縮空気の最大圧力は、数MPaになるように設計することができ、これは内燃の需要よりも高く、制限範囲内で風力に従って調整することができる。外燃室は、ボイラではなく、且つ水を必要としない。燃料は作物の藁桿又は石炭であり得る。逆流熱交換器を用いて、煙温度を非常に低いレベルに低下させることができ、熱交換効率は非常に高い。加熱温度は圧力に従って変わり、等温膨張方程式に従って圧力を1バールに低下させると、出口温度は大気温度と等しくなる。一方、入力エネルギーは機械エネルギーに完全に変換され、これは、システム内の熱サイクルの効率が風力の効率低下を全く伴わずに100%に達することができる(わずかな機械損失を無視して熱交換器からの入力熱に従って計算した場合)ことを意味する。このシステムは、非常に高い総効率を有し、発電コストは非常に低い。単一の火力発電機又は風力発電機と比較して、このシステムは、最も経済的であり、環境に優しく、普及させる価値がある。
ルードン容積変化方法の第13の用途は、回転ルードン容積変化機構を用いて、回転シェルを有する回転ルードン容積変化動力発生機械又は部品及び回転シェルを有する回転ルードン容積変化作業機械又は部品を含む、回転シェルが配置された容積形流体機械を提供することである。前者は、回転キャビティがロケット又は木を切断する丸鋸等の負荷機械の外部ロータであり得る、回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化内燃機関及び回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化空気圧モータとすることができる。後者は、回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化圧縮機、回転シリンダタイプの回転ルードン真空ポンプ、回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化二相流ポンプ、回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化二相流真空ポンプ等を含む。油圧回転ルードンロータを、自動車、列車、トラクタ、及び工学機械の効率的で単純構造の車輪として用いることができる。具体的には、回転シェルを有する回転ルードン容積変化空気圧機械の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する。回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化内燃機関は、回転ルードン容積変化機構を主要部品として有し、定容吸熱パルス燃焼室と、空気圧縮、燃料圧縮、空気及び燃料タイミング噴射の構成部品とが設けられる。燃焼室は、ルードンロータ内に配置され、その入口がルードンロータの端面に位置付けられて、噴射中に空気及び燃料噴射ノズルに瞬時に接続され、出口が仕切板の片側で容積変化キャビティの入口と接続される。定圧キャビティの出口は、仕切板の他方の側に配置された入口に接続され、ルードンロータの内部チャネルを介してクランク軸端の軸管を通して通気管にさらに接続される。回転シリンダタイプの回転ルードン容積変化空気圧モータの変圧キャビティの入口及び定圧キャビティの出口は、仕切板の両側でルードンロータのシリンダ面に配置される。前者は、ルードンロータの内部チャネル及び端面の開口を介して入口管に適当な時間にわたって接続され、後者は、ルードンロータの内部チャネル及びクランク軸端の軸管を介して出口管に接続される。回転シェルを有する回転ルードン容積変化動力発生機械の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、ルードンキャビティのシールライン前方及び後方にそれぞれ位置付けられ、前者の出口及び後者の入口は、仕切板の両側にそれぞれ配置され、ルードンロータの内部チャネル及びクランク軸の軸管を介して出口管及び入口管にそれぞれ接続される。空気圧モータ及び油圧回転ルードンロータも、180度位相をずらして平行に連結されたダブルキャビティの構造を含んで始動死点及び脈動をなくす。
本発明の第13の用途の設計は、全ての仕事・エネルギー変換及び大部分の伝動機械、特に高速機械をほぼ備える、巨大システムである。この設計が広く用いられるのは、回転ルードン容積変化運動が、ルードンキャビティが回転してルードン軸が静止しているという特徴が多くの機械における運動の要件を満たすという非常に大きな利点を有するからである。ルードンキャビティが静止している構造では、構造、拘束、及び伝動のコストが高い。したがって、回転ルードンはこの種の要件を十分に満たす。利用可能な全ての機械のタイプの中でも、回転キャビティ式の回転ルードン容積変化内燃機関及び油圧回転ルードン車輪は最も幅広く期待されるものである。
回転ルードン容積変化方法の最も大きな利点は、動釣合い問題がないことである。上述のように、ルードン運動量モーメントが2オーダ減るため、ルードン機構の力学問題は、偏心輪のボアスイープ回転の容積変化方法と比較して大幅に軽減される。しかしながら、高速運転時には、ルードン容積変化機構の動釣合いを実現するために、クランク軸及びルードン容積変化機構の対称釣合い設計が必要である。回転ルードン運動では、従動仕切板に堅固に接続されるルードンキャビティは、単にダイナミックバランサとして設計することができ、ルードンロータも同様である。クランク軸は、静止しており、動釣合いを必要としないため、動釣合い問題の全てを単純に解決することができる。
回転ルードン容積変化方法の他の利点は、例によって説明することができる。有利には、例えば、回転キャビティタイプの回転ルードン容積変化圧縮機の冷却特性は非常に優れているため、付加的なファン構造が不要である。熱ポンプ圧縮機に用いられる回転キャビティタイプの回転ルードン容積変化二相流ポンプの回転キャビティは、電動機のロータであり得るため、伝動構造が不要であり、その構造全体が小型である。
静止軸を有し、シャーシに単純に軸受接続及び回転接続される油圧回転ルードン車輪は、特に有利である。既存の技術の自動車軸を駆動する懸垂耐力構造は複雑であり、回転機構は組み込みが不便である。これが、全輪駆動オフロードカーが高価な理由である。油圧回転受動車輪の組み立て及び伝動方法により、油圧回転ルードン車輪を自動車の各車輪に適用するだけで全輪駆動を実現できるようになる。分離タイプの自動クラッチ及び減速変速機のポンプは、機関と同軸一体化され、ロータが車輪となる。その場合、自動車シャーシ上の伝動装置は、車輪を固定するためのいくつかの平行な管路でしかなく、そのコストはごくわずかである。制動熱を伴わない制動機能を油圧ギヤボックスに一体化することができる。シャーシの設計では懸垂回転機構を考慮するだけでよく、その構造は大幅に単純化することができる。この種の自動車の伝達及び差動特性も非常に優れている。
油圧回転ルードン車輪がこのようにして列車に適用され、各車輪の全輪駆動及び制動熱を伴わない総油圧制動が実現されれば、動力車が不要である。その場合、列車は、それぞれの内部に小型ルードン内燃機関が設けられている一組の車両群に変更することができる。これに対応して、鉄道の勾配を2%未満から20%まで増やすことができ、長い下り勾配制動時にブシュが焼ける危険がなくなる。列車が傾斜を上り下りできれば、橋やトンネルを建設しなくても通常は不可能な場所に鉄道を敷くことが可能であり、橋の強度は、機関車ではなく車両に従って計算することができる。したがって、鉄道敷設のコストを半減させることができ、技術的改造が続くであろう。結論として、油圧回転ルードン車輪の特殊用途設計のみが自動車交通及び鉄道交通に大きな影響を及ぼすことができる。この種の車輪を他の車両に適用すれば、その利点も同じく確実に非常に大きなものである。
ルードン容積変化方法の第14の用途は、ルードン容積変化機構を用いてルードン二相流熱ポンプ圧縮機及び熱ポンプシステムを提供することであり、これらは、ルードン二相流冷蔵庫圧縮機、ルードン二相流空調装置圧縮機、ルードン二相流冷蔵倉庫圧縮機、及びルードン二相流熱ポンプ温水器圧縮機等であり、これらはそれぞれ、冷蔵庫及び冷蔵倉庫の冷却、空調装置の冷却又は加熱、太陽熱プラント又は環境熱交換器からの熱の積分及び蓄積による温水器の熱圧送、及び完成機械の構成に用いられる。この種の熱ポンプ圧縮機は、主にルードン二相流圧縮機から成り、ルードンフィードバックモータと同軸連結され、これは、絞り管の代わりに減圧に用いられることにより、圧力エネルギーを再循環させ、主軸動力を減らし、摩擦熱を避ける。システム又は完成機械において、冷媒材料及び加熱材料は、常時空気及び液体の混合二相状態である。これは、閉サイクルを完了するのに4つのプロセス、すなわち、低温低圧高気液比二相流の温度及び圧力を圧縮機で上昇させる断熱圧縮プロセス、高圧高温高気液比二相流が高温凝縮装置内でほぼ等温等圧で放熱する凝縮プロセス、高温高圧低気液比二相流の温度及び圧力をフィードバックモータで低下させる断熱エネルギー放出プロセス、及び低温低圧低気液比二相流がほぼ等温等圧で吸熱する蒸発プロセスを経過する。蒸発器は、鉛直降下の重力流の性質を用いるか、又は、蒸発器には、気泡を吹き込むのに用いられるいくつかの付加的な段状微小液体シールが設けられる。液体の落下及び気泡の吹き込みは、内部の擾乱及び対流を増加させることができ、小さな曲率半径の凸状蒸発面が発生する確率も高めることにより、過冷蒸気降温蒸発機構を形成する。凝縮器が、鉛直上昇の逆重力流の性質を用いて、内部気液乱流及び対流を増加させると共に小さな曲率半径の凹状蒸発面が発生する確率を高めることができる気泡浮上機構を形成することにより、過熱蒸気昇温凝縮を形成する。曲折降下プロセス中の液体の落下及び曲折上昇プロセス中の空気の浮上が、それぞれ異なる相の作動媒体を機械的に攪拌することにより、横方向の熱交換を向上させる。縦方向では、曲折降下プロセス中の液体の落下及び曲折上昇プロセス中の空気の浮上の両方が、重力ヒートパイプを発生させて流動プロセス中の温度差をなくす。熱伝導率の高い媒体として、液体は、攪拌中の二相流内及び二相流と管壁との間の横方向熱交換の強力なキャリアとしての役割を果たす。攪拌及びヒートパイプの効果は、熱交換温度差を明らかに減らす。その上、液体は、圧縮機及びモータにおいてシール及び潤滑の役割を果たす。その漏れ損失はほぼ0まで減る。圧縮機は、回転ルードン様式で回転して、電動機と共に密閉されてもよく、電動機のロータはルードンキャビティとして働く。したがって、伝動部品が必要ないため、構造が単純になる。太陽熱浄水器又は浄水・温水装置を、ルードン二相流熱ポンプ圧縮機によってかなりの省エネルギー効果を伴って形成することができる。
二相流を圧縮機に適用することができ、気液比を0〜100%の範囲から任意に選択できることが、本発明の特別な機能特性である。この特性は、広く用いることができ、二相流熱ポンプ圧縮機は一例にすぎない。この例の設計は、冷蔵庫、空調装置、冷蔵倉庫圧縮機、及び他の熱ポンプシステムに新たな解決手段を提供することができる。
既存の技術では、二相流を圧縮機に直接入れることができるとは信じられない。低沸点成分を含有する石油、及び油や水を含有する天然ガス等、自然に存在する二相流は、圧縮前にガスと液体とに厳密に分離しなければならない。液体は圧縮機に入れることができない。液体が往復圧縮機に入った場合、これが機械の停止又は水撃作用を引き起こすことになる。ウォーム車輪圧縮機の運転時には、サブミリメートルレベルの水滴でもベーンに損傷を与える可能性がある。ガスタービン圧縮機の噴霧冷却技術は、ミクロンレベルの霧滴を必要とするため、約200℃の高圧熱水を噴射することにより、冷却水によって大量の熱を運ばなければならない。二相流での圧縮は、既存の技術では問題であることが明らかである。
二相流圧縮は、本発明では問題とはならず、柔軟に用いることができる効率向上手段である。非絞り減圧、液体自己攪拌、温度差を減らす進行中ヒートパイプ効果、過冷蒸気降温蒸発、過熱蒸気昇温凝縮、液体シール等、上記設計に加えられる措置は全て、二相流循環に基づく。効率向上機構及びその効果を以下に説明する。
1.非絞り減圧は、従来の絞り管の摩擦による代わりにモータに仕事をさせることによって減圧が行われることを意味する。したがって、これは、圧力エネルギーを再循環させて軸動力を減らすだけでなく、絞り摩擦熱も回避する。これは一石二鳥である。
2.温度差は、流体自己攪拌及び進行中ヒートパイプ効果によって大幅に減る。前者は、低い熱交換能力を有する層流に影響を与えて良好な熱交換能力を有する乱流を形成し、横方向温度差を数分の1まで大幅に減らす。後者は、縦方向温度差を数分の1まで大幅に減らすか、又はなくすことさえある。既存の技術での一面の縦方向温度差は、10℃〜20℃であり得る。縦方向温度差は、内部温度差である主要プロセス温度差である。熱ポンプの冷却係数は、総温度差に反比例し、非常に影響を受け易い。例えば、273Kという低温であり、且つ冷却係数が4.55である熱ポンプの総温度差は、カルノーの公式に従って計算すると60Kである。(空調装置等の)外部温度差が20Kであると仮定すると、総内部温度差は40Kである。内部温度差を75%、すなわち10K(各側につき5K)に減らすことができれば、総温度差は30Kになり、冷却係数は9.1に増える。したがって、同じ外部温度差及び冷却力の場合、動力消費を50%減らすことができる。
3.過冷蒸気降温蒸発及び過熱蒸気昇温凝縮は、有利に影響を受け得る。過冷蒸発及び過熱凝縮の設計は、相転移物理学の分子力学の技術に基づき、沸点未満での蒸発及び沸点を超えての凝縮と直感的に理解することができる。この技術の鍵は、凸状蒸発面及び凹状蒸発面を形成して、それらの曲率をできる限り小さくすることである。二相流流動状態の設計では、段状微小液体シールを用いた重力方向の蒸発プロセスと、重力方向とは逆方向の凝縮プロセスとを用いて、目標条件発生確率を高めることができる。この設計は、相変化及び負の温度差を伴う伝熱効果を生むことができる。上記で例示したデータに従って概算して、これらそれぞれが−5Kの温度変化ゲイン、すなわち−10Kの温度差を生むことができると仮定すると、内部温度差は0Kになり、機械の総温度差は20Kになる。したがって、冷却係数は13.65に増え、機械の動力消費は67%に減る。
上記の例では機械効率、容積効率、及び他の因子を考慮に入れていないが、これらは大した影響を及ぼさず、例示したデータは実際上及び理論上の範囲内にある。結論として、ルードン二相流熱ポンプシステムの熱変化係数を2倍にすることが可能であり、これは、同じ加熱力又は冷却力の場合、動力消費を50%減らすことができることを意味する。これは驚くべきことであるが、科学に基づいた本発明では可能である。
ルードン二相流熱ポンプ圧縮機の別の重要な効果は、製造コスト及び騒音を減らして寿命を延ばすことができることである。例えば、ルードン機構、特に回転ルードン機構の構造及び処理要件は、現在の技術水準のスクロール圧縮機よりも単純であるため、製造コストがより低くなる。
ルードン二相流熱ポンプ圧縮機及び熱ポンプシステムは、既知ではなく、例えば、ルードン二相流冷蔵庫圧縮機、ルードン二相流空調装置圧縮機、ルードン二相流冷蔵倉庫圧縮機等を含む。上記用途は、非常に普及しており大量にある。本発明の特別な用途として、ルードン二相流熱ポンプ圧縮機は、省エネルギー及び環境保護を促進させることを目的とする。これには多くのプラス効果があり、冷却係数又は加熱係数を約2倍に、目標温度が高く温度差が小さい熱ポンプの場合はさらにそれ以上にすることができる。
ルードン二相流ボイラ熱ポンプ圧縮機を用いて、ルードン自動駆動太陽熱浄水器及び浄水・温水装置を形成することができる。これは、水道水残圧(約200kPa)を機械動力として用いて太陽熱エネルギーを熱源として用いる、家庭用ルードン多機能装置である。これは主に、ルードンモータ・二相流ポンプ・水ポンプセット、太陽熱浴プラント、及び空気熱交換器から成る。水道管と直列に接続されたルードン水力モータは、水が流れると動作し、その動力は約100Wに達することができる。1日の水消費量が200kgである場合、積分エネルギーは約40KJである。全ての蒸留水及び非凝縮性ガスを抽出して負圧を保つためには、ルードン水力モータと同軸上にあるルードン二相流ポンプが特に用いられる。別の同軸絞り微小流ポンプが、温水出口に収束する尾水を抽出する。ヒドロニウム濃度を低レベルに維持するための1日の抽出水は約5kgであり、総エネルギーは運転に十分である。蒸発を補償するために、定液位弁が給水に用いられる。太陽熱加熱管が、自然対流によって約50℃の温水を蒸留装置に供給する。蒸気は、シェル側又は管側を下流に進んで凝縮されて蒸留水になる。非凝縮性ガスは、蒸留水表面付近に集まり、除去を容易にする。水力モータの下流に接続される管には、復水が自動的に供給される。その出口は、拡張して、バッフルを介して熱交換器のシェル側又はタービン側の下方部分に接続される。上部には給湯栓が配置される。北緯45度では、2mの太陽熱プラントが1日に平均44000KJの熱を受け取ることができる。したがって、この装置は、毎日約20kgの蒸留水を生成することができ、これは1家族の供給に十分である。また、この装置は、毎日300kgの45℃の温水を生成することができ、これは1家族の温水需要に十分である。この装置は、製造費及び購入費が安く、環境に無用な分布エネルギーによって駆動されるため、総所有費が低い。蒸留水の飲用及び温水の使用は、人々の生活品質及び健康レベルを高めることができる。これは、水質の悪い地域に特に適している。これを広い地域で普及させれば、公共水源の要件を少なくすることができる。これは国家にも国民にも好ましい。
熱ポンプ加熱手順を上述の風力・空気圧縮・発電システム及び水力・空気圧縮・発電システムに導入することは、ルードン二相流熱ポンプを用いて環境から低温熱(温度350Kで温度変化係数10)を圧送することを意味する。加熱プロセスは、等圧吸熱プロセスであり、温度、容積、及びエンタルピーの増加を引き起こす。その熱効率は7%向上し得る。本明細書では、1プロセスで熱ポンプが低温熱を伝達し、別のプロセスでルードン空気圧モータが低温熱を機械動力に効率的に変換する(効率は90%であり得る)。これら2つのプロセスのリアルタイム接続で、数倍高い機械動力又は高品質エネルギーの利益をもたらすことができる。効果の観点から、信じられないことだが、「熱的マクスウェルの悪魔」を用いて動力を作るようである。実際には、熱ポンプシステムは、熱力学第二法則に従って外力によって低温熱を運び、低温熱を動力に変換するが、これは熱力学第一法則に含意される奇跡である。この奇跡をもたらすのに重要なのは、エンタルピー増加キャリア及びその熱的プロセスを選択し、且つ揚力範囲を制御することである。場合によっては、キャリアは、膨張又は燃焼に用いられようとしている低温空気、燃焼しようとしている低温燃料、加熱されようとしている低温水等であってもよい。換言すれば、熱ポンプを用いて動力又は高品質エネルギーの収益を得ることは、条件付きであり所定範囲内に限られる。
本発明の第15の用途は、ルードン容積変化機構を用いてルードン空燃比最適化内燃分配ブースタポンプを提供することである。このブースタポンプは、本発明のルードン内燃機関用に用いられるルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ、既存の技術を改良するための往復内燃機関ルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ、及びガスタービン用のルードン空燃比最適化分配圧縮機を含み、最後の2つでは、主要機械を外部圧縮2行程タイプのガス圧縮機及びウォーム車輪を有さないガス圧縮機に改修する必要がある。分配ブースタポンプ又は分配圧縮機はいずれも、同軸上にある空気計量ブースタポンプ及び燃料(ガス及び油を含む)計量ブースタポンプによって組み立てられ、機関の主軸に接続される。代替的に、付加的な変速ルードン油圧モータ又は電動機によって駆動されるより優れた動的調整特性を有するように、これらは分離タイプであってもよい。空気計量ブースタポンプ及び燃料計量ブースタポンプの質量流量は、最適化された空燃比に従って分配され、それを所定の圧力での入口容積流量の比に変換することによって実現される。例えば、入口の空気圧は、大気圧であってもよく、又はその高度に応じた圧力安定化措置によって得られる所定の定圧であってもよく、燃焼ガスも同様である。大気湿度を考慮する場合、付加的な自動制御装置を設けて空気余裕係数を調整することにより、酸素質量流量を安定化することができる。空気圧縮機は、二相状態で動作する。これは、十分な冷水をその空気入口チャネル及びルードンキャビティに噴霧して、霧粒を拡散分布させ、水・空気二相流を出力する。圧縮プロセスでは、空間冷却、壁冷却、熱流負荷、動的シール、及び潤滑のために水が用いられ、これは効率的な等温圧縮を実現する重要な要素である。ルードン圧縮プロセスでは、空気が目標圧力を一度に達成する。目標圧力は、回転速度及び容積流量の2値関数であり、必要に応じて決定される。出力二相流は、分離・緩衝・調整装置に入り、この装置が、高品質高圧空気源として用いるために分離空気の乾燥度を高めることができる。分離された冷却水は、同軸ルードンフィードバックモータに入って圧力エネルギーを再循環させる。冷却水の流量は、分離・緩衝・調整装置の定液位フロート弁によって適宜調整される。
ルードン空燃比最適化内燃機関分配ブースタポンプは、本発明の特別な用途であり、内燃機関の分野で顕著な技術的革新であり、流量分配を計量して空燃比の最適化及び精密制御を実現すること、圧縮を定温で行って圧縮比動力を最小限に減らすこと、冷却水を分離すること、及び圧力エネルギーを再循環させて空気放出潜熱損失をなくすことを特徴とする。
流量分配を計量することで、空燃比の精密で単純な制御が容易になる。空燃比は、主に既存の技術の手動操作に応じて大まかに調整される。自動車のコンピュータ内のPCMモジュールは、チョック開放範囲、吸気マニホルド圧力、及び速度感知・変速制御等のいくつかの単純な検査及び制御機能を有するだけであるが、空燃比閉ループ制御は有さない。ガスタービンコンピュータシステムは、流れ状態の検査及び調整機能を有するが、その制御誤差は非常に大きい。手動又は自動制御システムには、計量も比例分配の基本的構成部品もない。従来の熱的機械が、例えば変速プロセス中に可変高度、可変気候、可変作動条件で作動する場合、空燃比の不適応が生じる結果として汚染及び動力不足等の問題が生じるかもしれない。この不適応から、工学機械によってはいわゆる高原病又は高原反応が生じる。本発明の設計は、熱的機械の動力発生、効率、及び汚染の問題を解決する重要な役割を果たす。化学反応に基づく最適化された空燃比に従ってリアルタイムで流量分配を定比計量することが、空燃比制御の最高の性能解決手段である。
等温圧縮は、動力及び効率を高めるのに重要な方法である。断熱圧縮の比動力は、全圧縮タイプの中で最大であり、等温圧縮の2倍以上であるが、往復内燃機関では圧縮が動作時間の半分及び機械の空間の半分を占めることで2倍の機械損失を発生させ、ディーゼル機関では圧縮比及び熱効率を制限する主要な制約となるという犠牲を伴う。等温圧縮ディーゼル機関ターボ技術と比較して、本発明は、より単純且つ実用的であり、より高い圧縮比をもたらすことができる。2行程への改造は比動力を2倍にすることができ、比損失は半減する。圧縮比動力が小さいことが最も重要である。等圧吸熱ガスタービンでは、断熱圧縮により、圧縮比が10未満の圧縮動力が、膨張動力の2/3を消費する。圧縮動力は熱サイクルに関連するが、これは深刻なサイクル損失をもたらし、機械寸法及び強度のコストを増加させる。
近年開発されたTOPHat(高湿分空気利用ガスタービン)サイクルは、圧縮作業を減らすために水噴霧冷却を用いる。オランダの企業が開発した回転気流乾燥技術は、霧粒径を24μmから2.2μmに縮小し、比動力を増加させ、効率を2%向上させることができる。しかしながら、TOPHatの冷却水は、熱サイクルに直接入って空気放出潜熱損失をもたらす。日本で開発された中間冷却技術は、潜熱損失を増加させないが、冷却効果が限られ、体積が大きく、高コストである。
本発明の設計は、圧縮比が10であるガソリン機関と比較して39%であり、圧縮比が18〜80であるディーゼルエンジンと比較して47%〜63%である圧縮比動力減少率を有する等温圧縮を実現することができる。等温圧縮は、圧縮比動力を減らす最高の性能解決手段であるため、これがこのように大幅に動力を節約できることは驚くべきことではない。
次に、冷却水分離及び圧力エネルギー再循環を説明するが、冷却水分離は非常に重要である。上述のように、冷却水は、熱サイクルに入ると大きな潜熱損失を引き起こす。これは、低温水の気化熱が約2250KJ/kgであることに起因する。具体的には、ガスの比エネルギー損失は、冷却水の百分率含量に正比例する。本来は空気中に約1%〜4%の水があり、燃料の燃焼によっても大量の水が生成されるため、潜熱損失は10%を超えることになる。冷却水を加えると、熱効率がさらに低下するであろう。冷却水は、従来技術では分離できない。本発明の設計は、新たな潜熱損失をもたらすことなく空気乾燥度を高め、大気湿度によって生じる固有損失を減らす、冷却水の完全な分離を実現することができる。本発明で述べる等温圧縮は、比較的大流量の冷却水を必要とし、大きな圧縮エネルギーを有する。したがって、冷却水の圧力エネルギー再循環が重要である。各ステップの効率及び圧力エネルギーの再循環により、等温圧縮の水サイクル損失は、0.2%未満の効率低下しかもたらさない。したがって、等温圧縮中に冷却水を分離して圧力エネルギーを再循環させることが、潜熱損失を減らし、且つ効率を向上させるのに最高の性能解決手段であることが容易に分かる。
ルードン空燃比最適化内燃機関分配ブースタポンプの上記3つの機能と、等温圧縮を実現するその応用タイプとは、先例のない革新であり、これらは全て、性能(効率)が他の解決手段に勝っている最高の性能解決手段である。コスト又はその他に制限がなければ、これが最善の解決手段であろう。現在の最新技術と比較して、本発明の設計は、非常に単純ではあるが、全ての問題を単純に解決できる解決手段であることが分かるであろう。したがって、本発明の解決手段は実行可能であり、内燃機関の燃料及び空気分配及び圧縮システムの最善の解決手段である。
本発明の第16の用途は、ルードン容積変化機構を用いてルードンガスストーブ定比分配器を提供することである。この分配器は、最適化された空燃比に従って空気及びガスを定比分配し、ガス及び空気をストーブに定比的に入れて閉燃焼及び熱交換を実施するため、ガスは汚染を発生させることなく燃焼することができ、一方で、煙流及びそれに正比例する煙熱損失を最小限に減らすことができる。分配器は、同軸接続されたガス計量ポンプ及び空気計量ポンプから成る。これらの構成部品はいずれも、位相をずらして同軸に連結されるダブルキャビティの機構を採用して、始動死点及び脈動をなくす。分配器は、調整弁の下流に取り付けられて減圧ガスによって駆動される。したがって、ガス用構成部品は空気圧モータとして動作する。その回転速度は非常に遅いため、損失は非常に小さい。4つの入口及び出口における2種類のガスの圧力はほぼ同じであり、全てが大気圧に等しい。分配器のガスルードンキャビティ及び空気ルードンキャビティの押しのけ量は、質量流量比と比容積比との積である容積流量比に等しい。空気の質量流量比率は、ガス組成物の燃焼反応で必要な酸素比率から計算される。分配器は、空気余裕係数を変えるように空気入口の圧力を微調整するのに用いられる低抵抗絞り弁を収容してもよい。空気余裕係数は、ガス組成物と圧力及び湿度の変動範囲とから計算され、その上限に従って押しのけ量比内で設計される。圧力増減の因子は、トルク平衡方程式、ボイル・マリオットの法則、又は状態方程式に含まれ得る。
ルードンガスストーブ定比分配器は、本発明による計量ポンプが用いられる大気圧燃焼定比分配器の実例である。既存の技術のガスストーブは効率が低い。内燃機関よりもさらに低いその効率を測定するのは容易である。この低効率には主に2つの理由がある。第1は分配比である。自然対流を用いるガスストーブの場合、対流によって生じる空気流量は必要な流量よりも数倍多い。平均温度上昇に関して測定した場合、温度上昇は煙流量に反比例する。熱が引き起こし、且つ煙が助長する損失は、その流量に正比例する。この種の損失は、実際には約半分のエネルギー損失をもたらし、低効率につながる。他の種類の損失としては、熱放射損失、熱交換損失等が挙げられる。これらの損失の和は、効果的に用いられるものをはるかに超える。
本発明の設計は、空気流の制御によって上述の対流損失を回避することができ、効率を大幅に向上させる。ガスストーブは何千もの家庭に普及しているため、ガスストーブの効率向上はエネルギー消費及び温室効果ガスの放出に関して重要である。本発明は、ガスストーブの効率向上に関する。
本発明の第17の用途は、ルードン容積変化方法とその多用途流体機械の定義及び設計とに従って、ルードン容積変化機構を用いて、ルードン多用途流体機械を提供することである。これは、多用性を有するように設計される一種の多用途流体機械であり、多機能、種々の媒体の相多用性、下限のない圧力及び動力の連続適応性といった特性を含む。この機械には多用性パラメータが表記される。多用性パラメータは、少なくとも4つの基本パラメータ、すなわち、耐圧、軸強度、速度限界、及び押しのけ量と、オプション機能及び非基本パラメータのような他のパラメータとを含む。この種の機械は、多用性パラメータの限度内で動作し、効率を満たす。
多用性パラメータを採用する場合に限り、ルードン流体機械は多用途流体機械になる。これは、3つのステップで達成することができる。第1のステップは、多用性計画であり、基本多用性パラメータ空間が科学的及び経済的に分割されて、その分割に従って多用性タイプ及びシリーズ基準が決定される。多用性タイプ及びシリーズ基準は、多用性タイプ及び仕様の範囲及びそれに対応する多様性パラメータであり、必要な標準を含む。第2のステップは、多用性設計であり、多用性タイプ仕様及び基本パラメータが多用性タイプ及びシリーズ基準から選択され、それに従って製品が設計されて多用性銘板が付けられる。第3のステップは、多用性応用であり、多用性製品が総合的需要を満たすように構成及び使用される。安全条件及び実際の動作パラメータを多様性の基本パラメータに従って決定すべきであるか、又は実際の作動点を時間に従って多用性パラメータから直接選択すべきである。経済効率原理を常に考慮すべきである。
上述のように、ルードン流体機械は、機能可逆性、下限のない圧力及び動力の連続適応性、及び種々の媒体の相多用性である、多用性の特性全てを含んでいる。しかしながら、科学は明確に定義すべきであり潜在的な多用性は理解し難いため、多様性には理論上の複雑性及び実際上の危険性があることから、内包的属性を製品に直接与えることができない。系統的計画も具体的設計も行われなければ、多様性の境界は不明確となるであろうし、安全を保障することはできない。理解し難く安全が不確かな属性を製品に与えることはできない。
本発明の多様性の定義及び設計を具現することによって、多用途流体機械の概念が確実且つ理解可能になると共に製品の多用性が確実、検証可能、プログラム可能、且つ使用可能になる。こうして、製品が多用途流体機械になる。多用途流体機械は、ルードン流体機械の多用性の内包的意味の拡張であり、その必要十分条件は、ルードン容積変化方法を採用すること及び多様性を有する設計にされることの2つだけである。ルードン容積変化方法は、多様性の内包的意味を製品に与えるための十分条件であり、多用性を有する設計は、多用性属性を製品に与えるための必要条件である。
多用途流体機械の設計、製造、及び使用に特別な困難はない。全ての困難は多用性計画に集中しており、これは本質的に難解な数学的問題である。したがって、できる限り豊富な技術的及び経済的知識を有するこの分野の専門家が成熟した数学モデル及び高度な計算技術を用いてしか、この作業を完了することはできない。多用途流体機械の計画は、既存の技術の計画よりもはるかに単純であり、仕事負荷を何オーダも減らすことができることに言及しておくべきである。
多用性設計後、ルードン流体機械は、新たな属性、すなわち仕様に基づいた多用性を得て、多用途流体機械になる。多用性製品には、多様性の情報及び使用法を示すのに用いられる多用性銘板という1つの特性のみがある。この情報は、タイプ仕様及び多用性設計時に選択される多様性パラメータである。これ以外には、多様性製品に外的特性はない。
多用途流体機械を用いるときにユーザが確認する必要があるのは、動作パラメータが銘板で示されている多用性パラメータ範囲を超えているか否かだけである。基本多用性パラメータのみがある場合、押しのけ量及び選択流量から回転速度を計算し、次に回転速度、媒体パラメータ、及び所要圧力から軸トルクを計算して、圧力、トルク、及び回転速度が最終的に範囲を超えるか否かを比較するだけでよい。
流体機械の多用性は、当該技術分野における系統的で最適な工学技術であり、タイプ範囲を大幅に単純化することができる。耐圧、軸強度、速度限界、及び押しのけ量を含む基本割り当て方式の物理的及び数学的本質を考慮すると、これは見かけ上は4次元的であるが本質的には3次元的である。耐圧及び押しのけ量のパラメータは、独立しており、その動的範囲の成熟度を満たすための実際の需要の複数オーダの範囲をカバーすべきシリーズを直接形成することができる。速度限界は、独立変数である流量の関数である。そのシリーズは、流量及び押しのけ量に従って計画すべきである。軸強度のカバー範囲は、考えられる全ての媒体の圧力、流量、密度、及び粘度等の物理的パラメータの分布範囲によって決まる。計画基準は、成熟した基準を提供するために、独立パラメータ又は従属パラメータの動的範囲をカバーすべきである。計画の経済性は、各パラメータが分割されるレベル数及びレベルの間隔の決定方法によって決まる。
多用性は、タイプ及びシリーズパラメータのカバー範囲から得られ、このカバー範囲として示される。速度は0〜速度限界で選択される。したがって、回転速度次元に関しては、高速回転仕様は常に低速仕様を完全にカバーする。流量次元に関しては、大押しのけ量仕様は常に小押しのけ量仕様を完全にカバーする。圧力は0〜圧力限界で選択されるため、圧力次元に関しては、高圧抵抗仕様は常に低圧抵抗仕様を完全にカバーする。トルクは最低軸強度仕様〜最高軸強度仕様で選択されるため、軸強度次元に関しては、高強度仕様は常に低強度仕様を完全にカバーする。その上、流量、圧力、媒体密度、及び媒体粘度が必要に応じて決まる確率的変数であり、回転速度は流量の1値関数であり、トルクは流量、圧力、密度、及び粘度の多変数関数であるため、相関的な制約が形成されて、使用不可能な上述のカバー範囲の一部を遮蔽する。ここで遮蔽されないカバー範囲の他の部分は全て、所定タイプの仕様に関する包括的範疇を形成する。本発明の設計を概して広範疇で用いることができることが、研究により示されている。
多用性は系統的基準として、完璧な適応性を反映する。多用性仕様は、コストを減らすための工場の系統的資源であり、使用確率を高め購入費を減らすことによってユーザに利益を与える系統的資源でもある。ユーザ及び社会の利益を拡張するために、設備の使用率及び価値の向上が設計される。
ルードン多用途流体機械は、多くの制限を破る。具体的には、容積形及び非容積形の両方の機能全てをルードン機械で効率的に実現することができる。ポンプ及びモータ両方の機能を、同じルードン構造で可逆的に得ることができる。ルードン方法は、全ての圧力レベル及び動力レベルに適応性があり、異なる密度及び組成の媒体に適応性がある。液体、ガス、及び二相流が、ルードン方法で分別されずに1つにまとめられる。ルードン多用途流体機械は、先例のない技術的パノラマを表すことが明らかである。
多用途流体機械の応用の一例を以下に示す。ルードン多用途流体機械の銘板には、以下のように記される。耐圧1MPa、軸強度2.54kNm、速度限界2900回転/分、押しのけ量1L。2900回転/分の速度限界の電動機では、容積流量は48.3L/秒である。不等式を解くと、このモータが0〜102mの揚程内で水を圧送するか又は0〜1MPaの圧力下で等温圧縮機として用いられるとき、安全且つ効率的に動作することができる(効率は90%に設計される)ことを決定することができ、出力圧力及び出力動力は、上述の限界内で任意に決定される(電動機の動力効率を除く)。
ルードン多用途流体機械は、多機能多用途(下限のない連続適応性がある)流体機械として特徴付けられる。1つの機械が1つの機能及び1つの用途しか有さない従来の流体機械の制限と比較して、流体機械の多機能性及び多用性は、ユーザに自由を還元し、資源価値及び労働価値を最大にし、環境破壊を最小にすることを目的とした人道的設計であるため、持続可能な設計である。
[産業上の利用の可能性]
本発明の流体機械のルードン容積変化方法は、創成的で新たな方法であり、本発明のルードン容積変化運動は、流体機械のエネルギー変化のための第3の種類の運動である。自転及び公転から直線的に成るこの種の運動により、高効率を得ることができ、線速度及び関連の損失比を従来の運動と比較して何オーダも減らすことができる。高効率は、効率に反比例するエネルギー需要及び温室効果ガスの放出を大幅に減らすことができることを意味する。本発明は、エネルギー危機及び環境危機に瀕する現代産業社会の切迫した需要を満たすことができる。
2つの円運動から成るルードン運動は、依然として一種の単純な機械的運動である。その運動学的且つ動力学的分析は、ピストン運動及び羽根車運動よりも若干複雑であるが、この作業は専門家の義務である。本発明において構成されるルードン動力学の枠組は、機構動力学、機構運動学、流体力学、及び圧縮性流体力学を含んでおり、深い演繹及び分析に理論上の隔たりはない。理論上の基礎を有する本発明は、最も明確であり、最も信頼性があり、最も再現性があり、これは本発明の科学的基礎であり、産業上の利用の可能性の正確性の前提でもある。
産業上の利用の可能性に関する別の基準は、マクロベース及びマイクロベースの経済効率である。上記高効率の環境保護特性は、動作中にこの特性が優勢であること及び製造コストにおけるその利点が実際にさらに一層顕著であることを示す。ルードン機械は、構造が単純であり構成部品及び部品が少ない。ファスナ等の標準部品に加えて、本発明者が個人的に設計した多くの実用可能な単独機械が備える部品は合計20個に満たず、最少では9個の部品しかない。上記ルードン機械の円筒形のルードンキャビティ及びルードンロータの製造コストは非常に低く、上記ルードン機械の小型構造及び機能実現中の時間・面積連続性は、非常に大きな動力及び高い機能密度を生み出す。これは、本発明に簡単な製造及び低コストという驚くべき特性をもたらす。既存の技術と比較して、上記ルードン機械の多くの種類の応用機械タイプで実証されたコストは50%〜80%減る。ルードン多用途流体機械は、大型システムに基づいたさらに低コストの技術である。
主な産業上の利用の可能性の利点は、運動タイプの革新から派生する。この種の革新は重要であり、数千年に一度しか現れない。中国では、ピストン運動の歴史は、約4000年前に蚩尤が発明した青銅精錬ブラスト技術に遡ることができ、円運動を含む流体機械も、漢王朝の人々が発明した竜骨水車に遡ることができる。ワットタイプ、オットータイプ、並びにディーゼルタイプのピストン熱機関及び円運動を行う羽根車流体機械は、全て現代の産業文明を構成するが、これらは17世紀後半以降の発明である。文明の歴史には、運動タイプの流体機械は2種類しかない。本発明は、新種の運動、すなわちルードン容積変化運動を作り出し、ピストン運動及び羽根車運動の代わりに用いたときのその動力学特性の利点及び多領域への広い適応性を実証する。その3つの主な産業上の利用の可能性の利点は、高効率、環境保護、及び低コストである。この種の運動は、社会経済学によって提案され緊急に求められている新たな産業モードの基礎を成すと思われる。
公転及び自転の組み合わせによってどのようにルードン運動が得られるかを示す概略図である。 剛性体の質点運動軌道と公転軌道との間の関係を示す概略図である。 軸方向投影図である。 オフセット相を有し、パルスをなくすように平行に連結される、拘束容積ルードン機構の軸方向投影図である。 ルードンキャビティが回転する回転ルードン容積変化機構の軸方向投影図である。

Claims (26)

  1. 運動形態、構造組成、力学原理、機能、及び性能の設定及び応用を含む、容積形流体機械のルードン容積変化方法において、
    容積キャビティの容積変化運動は、公転及び該公転と逆方向だが同じ速度の自転の組み合わせによるルードン運動の形態で構成され、
    ルードン容積変化機構は、前記容積形流体機械に含まれ、ルードン機構と、円筒キャビティとして構成されたルードンキャビティと、ルードンロータと移動すると共に多くの拘束タイプが設けられた板状部材である従動仕切板とから成り、
    前記ルードン容積変化機構の前記ルードンロータは、前記ルードンキャビティ内でルードンすると共に、該ルードンキャビティの内壁と接して三日月形の円筒キャビティを形成し、
    前記ルードンキャビティは、前記仕切板によって変圧キャビティ及び定圧キャビティに分けられ、該変圧キャビティ及び該定圧キャビティは、入口及び出口又は出口及び入口に個別に接続され、該変圧キャビティ及び該定圧キャビティの容積は、周期的且つ相補的に変化し、
    流体容積は、圧力の連続的増減又は段階的増減と、圧縮性流体の比容積の付加的な連続的増減とを伴って、前記変圧キャビティの前記容積変化運動中に能動的に増加又は受動的に減少し、
    前記定圧キャビティの前記容積変化運動は、定圧下で流体を圧送して出入りさせるだけであり、
    前記容積形流体機械の機能は、前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティの一方の前記容積変化運動によって直接行われ、他方のキャビティの前記容積変化運動は、補助的なプロセスであり、特に、前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティはいずれも、前記ルードンキャビティの内面、前記ルードンロータの外面、及び前記従動仕切板のシール面で囲まれており、
    前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティは、前記ルードンキャビティ及び前記従動仕切板のシールラインによって分離され、
    前記ルードンロータの占有空間の回転は、連続中継ボアスイープ運動又はボア加圧運動を形成して、前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティの位置及び容積が周期的に変わり、
    主軸が1周期回転すると、前記変圧キャビティの容積が0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減って、可変圧力変化及び可変容積変化の作動周期を形成し、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢し、前記定圧キャビティの容積が最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増え、定圧下で流体を圧送して出入りさせ、このプロセスは、変圧プロセスと同期して進められることを特徴とする、容積形流体機械のルードン容積変化方法。
  2. 容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン機構において、
    該ルードン機構は、ルードンロータ及び該ルードンロータを拘束するクランク軸から成り、
    前記ルードンロータは、軸受によって前記クランク軸の偏心部に取り付けられ、
    前記クランク軸の回転は、前記ルードンロータの公転を発生させ、
    前記ルードンロータは、偏心軸の回りを慣性に基づいて、前記公転の方向と逆方向に該公転の角速度と近いか又は同一の角速度で同時に回転して自転を形成し、前記公転及び前記自転が組み合わさって前記ルードン運動になることを特徴とするルードン機構。
  3. 容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構において、
    a.該ルードン容積変化機構は、ルードン機構と、従動仕切板と、ルードンロータを収容する静止ルードンキャビティとから成り、該静止ルードンキャビティの内面と、前記ルードンロータの外面と、前記従動仕切板のシール面とが、互いに離隔した変圧キャビティ及び定圧キャビティを囲み、
    b.前記ルードンロータは、前記静止ルードンキャビティ内でルードンして、前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティの位置並びに容積を周期的に変えるように、連続中継タイプのボアスイープ運動又はボア加圧運動を発生させ、主軸が1回転すると、前記変圧キャビティの容積は、0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減って、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢する可変圧力変化及び可変容積変化の周期を形成し、前記定圧キャビティの容積は、最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増え、流体が定圧下で前記仕切板の傍のアクセス口を通して圧送されて出入りさせられ、
    c.前記ルードンロータは、主軸上に合力及びモーメントを形成するように、流体圧力のような外力及び自己慣性動反力をリアルタイムで積分し、前記合力は、前記主軸上で、軸受の拘束力によって平衡が取られ、瞬間軸動力の線形因子として、前記モーメントは、作業機械用の前記主軸の回転方向と逆方向であり、動力発生機械用の前記主軸の回転方向と同じ方向であり、前記主軸の回転周期において0値点を1つだけ有する
    ことを特徴とするルードン容積変化機構。
  4. 容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構において、
    a.該ルードン容積変化機構は、ルードン機構と、従動仕切板と、ルードンロータを収容するルードンキャビティとから成り、該ルードンキャビティの内面と、前記ルードンロータの外面と、前記従動仕切板のシール面とは、互いに離隔した変圧キャビティ及び定圧キャビティを囲み、前記ルードン容積変化機構全体が、公転の方向とは逆方向に該公転の角速度と同じ角速度でルードン軸の周りを回転するので、クランク軸が静止しており、
    b.前記従動仕切板は、前記ルードンキャビティと堅固に一体接続されて動的平衡性を一体的に保ち、前記従動仕切板は、前記ルードンロータにおいて、スロットを有するコック内に拘束されると共に該コック内で拘束的に引き抜き及び挿入されることができ、該コックは、限られた範囲内で回転することができ、流体用の出口及び入口は、前記従動仕切板の傍の前記ルードンロータの表面上にあると共に誘導チャネルに接続されてシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティであり得る前方キャビティ及び後方キャビティとそれぞれ接続され、前記ルードンロータは、回転座標系において同じ周期を有する小さな振幅揺動と組み合わせた揺動ルードンを行い、前記ルードンキャビティ及び前記従動仕切板は、静止座標系において前記ルードン軸の周りを回転して前記ルードンロータと流体用の前記出口及び前記入口とが自転軸を中心に回転し、該自転軸は、前記静止クランク軸の偏心部であり、流体用の流出管及び流入管は、拡張した前記クランク軸の端を通り、前記ルードンキャビティを拘束する軸受は、前記静止クランク軸の端に取り付けられ、その中心線は前記ルードン軸と一致し、
    c.回転座標系において、前記ルードンロータは、前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティの位置及び容積を周期的に変えるように、前記ルードンキャビティ内でルードンして連続中継ボアスイープ運動又はボア加圧運動を発生させ、主軸が1回転すると、前記変圧キャビティの容積は、0から最大値まで連続的に増えるか又は最大値から0まで減って、圧力を低下させて流体からエネルギーを放出するか又は圧力を上昇させて流体を付勢する可変圧力変化及び可変容積変化の周期を形成し、前記定圧キャビティの容積は、最大値から0まで対応して減るか又は0から最大値まで増え、流体を定圧下で圧送して出入りさせ、
    d.前記ルードンキャビティ及び前記堅固に接続された従動仕切板は、流体の圧力及び機構の摩擦力をリアルタイムで積分して、前記ルードン軸に作用する合力及びモーメントを形成し、前記合力は、前記ルードンキャビティ上で軸受の拘束力によって平衡が取られ、瞬間軸動力の線形因子として、前記モーメントは、作業機械用の前記ルードンキャビティの回転方向と逆方向であり、動力発生機械用の前記ルードンキャビティの回転方向と同じ方向であり、前記主軸の回転周期において0値点を1つだけ有する
    ことを特徴とするルードン容積変化機構。
  5. 前記容積変化運動と、前記ルードン容積変化機構及びその質点の実際の移動とは、異なる軌道で異なる速度での異なる物体の相関運動に分離され、前記ルードン容積変化機構のルードン自由度は、剛性拘束体又は可撓性拘束体と組み合わせた剛性拘束体によって実現され、前記ルードン容積変化機構と大きな速度差を有する前記容積変化運動との間の関連は、前記ルードン容積変化機構の質点運動の中継機構によって実現され、前記構成の前記ルードン容積変化運動は、以下の新たな機構及び特性を有するように計画され、該機構及び特性は、容積形流体機械の具体的設計に組み込まれて内部機械損失につながる因子を適切になくすか又は減らすことにより、それに対応して前記内部機械損失をなくすか又はそのオーダを減らし、前記容積変化運動のパラメータは、前記具体的設計時に望まれる機能に従って設計されて、実際の質点及び機構の運動パラメータが前記容積変化運動のパラメータに従って決定され、数学的プログラムを用いて前記具体的設計を最適化する場合、ルードン比δを最適化パラメータとして用いると共に指標方程式及び拘束不等式に含んで目的の指標及び効率を最適化し、
    前記機構及び特性は、
    a.前記ルードン容積変化機構は小振幅及び低速でルードンし、前記質点は、小振幅及び低速で円運動又は楕円運動を行い、前記ルードンロータの占有空間は、大振幅及び高速でボアスイープ運動を行い、前記占有空間の運動は、作動キャビティの容積変化をもたらし、前記質点の運動は、前記容積形流体機械の運動学的及び動力学的指標と関連した分析要素であり、前記ルードン容積変化機構は、質点の連続集合であると共に性能指標及びその境界条件の計算方法を決定するための運動組織体としての役割を果たし、
    b.運動機構の力学系の自己平衡性を形成及び使用して、前記作動キャビティの円筒壁に作用する垂直な圧力をなくすことで前記内部機械摩擦損失をなくし、老化及びランダム因子によって引き起こされる機構摩擦問題が付加的な措置を取らずにその自己修復機構によって迅速且つ自動的になくなり、その前提は、摩擦力のオーダが低く、摩擦速度がルードン速度のオーダを減らしたものであり、したがって、前記内部機械摩擦損失が停止及び熱損傷事故を防止するのに十分な高次の小さな品質として存在し、
    c.前記質点及び前記ルードンロータの実際の押しのけ量、速度、運動量、及び慣性動反力を1オーダ近く減らすように、運動量モーメント及び運動エネルギーを2オーダ近く減らすように、端面限界摩擦の前記内部機械損失を3オーダ近く減らすか又は実質的になくすように、数学的計画前にルードン比δの事前選択範囲を決定する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法。
  6. 前記容積変化運動の運動状態及び応用特性の、特に損失に関連するパラメータの定量的計画及び設計を実行して、前記運動状態、前記応用特性、及び前記パラメータを用いることで作動キャビティ内における潤滑及び潤滑装置を不要にし、
    a.ルードン容積変化の運転状態、動的品質、及び損失特性を決定するパラメータが、ルードン速度比=δ、ルードン運動量比≒1.5δ、ルードン運動量モーメント比≒2δ、ルードン運動エネルギー比≒2δ、ルードン端面損失比≒2.5δ、ルードン比円筒面損失比≒δであり、
    b.液体媒体では、前記作動キャビティの円筒壁に機械摩擦がなく、端面の壁にも機械摩擦損失がなく、ガス媒体では、場合によっては設けられるシールリングが低速でルードンし、前記機械摩擦損失は、同じ条件での従来技術の機械の機械摩擦損失よりもオーダが減り、推定機構摩擦損失が約10%であり、
    c.前記作動キャビティの前記端面及び前記円筒面における動的シール領域では、限界摩擦損失が、同じ条件での従来技術の機械の限界摩擦損失よりも2オーダ減り、推定値は1%未満である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法。
  7. 前記従動仕切板は、直線並進スロット内に拘束され、
    ばね又はガスばねが前記従動仕切板の外端に設けられ、前記ばね又は前記ガスばねは、前記ルードンロータの円筒面に前記従動仕切板を押し付けてシールを形成するように、一定の推進め力又は押しのけ量に伴って変化する推進め力を前記従動仕切板に加え、
    前記ルードンロータと前記ルードンキャビティとの間の摩擦力及び前記ルードンロータと前記従動仕切板との間の摩擦力のうち大きい方の摩擦力によって、静摩擦が形成され、前記2つの摩擦が前記ルードンロータの前記自転軸に加えるモーメントの代数和は、0又は交項関数であり、前記ルードンロータは、転動ルードン運動又は揺動グルードン運動を行うことを特徴とする、請求項3に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構。
  8. 前記従動仕切板は、直線並進スロット内に拘束され、
    ばね又はガスばねが前記従動仕切板の外端に設けられ、前記ばね又は前記ガスばねは、前記ルードンロータの円筒面に前記従動仕切板を押し付けてシールを形成するように、一定の推進め力又は押しのけ量に伴って変化する推進め力を前記従動仕切板に加え、
    前記ルードンロータは、キャビティ壁の可撓フィルムに安定状態で弾性的に押し付けられ、前記ルードンロータの前記自転軸に作用する摩擦力モーメントが、前記ルードンロータ及び前記従動仕切板の動摩擦モーメントに適応するように等しく、したがって、前記ルードンロータの自転が低速且つ正方向の回転に重ねられて、転動ルードンを形成し、転動タイプの静的シールが前記ルードンロータと前記キャビティ壁との間に設けられることを特徴とする、請求項3に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構。
  9. 前記従動仕切板及び前記ルードンロータは、堅固且つ気密に一体的方法で接続され、
    前記ルードンロータの円筒面と前記従動仕切板との交点は、小さな局所抵抗係数を有する滑らかに湾曲した遷移面になるように面取りされ、
    前記従動仕切板は、スロットが設けられたコック内に前記ルードンロータの外側で拘束されると共に、前記コック内で拘束的に引き抜き及び挿入することができ、
    前記コックは、限られた範囲内で回転することができ、
    前記ルードンロータは、動作時に揺動ルードンを行うことを特徴とする、請求項3に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構。
  10. 前記ルードン容積変化機構及び前記ルードン容積変化運動を用いて、ガス燃焼部品が取り付けられた一種のルードン流体機械であるルードン内燃機関を提供し、
    前記ルードン容積変化機構は、ガス膨張用の主動力発生部品として働き、
    前記ルードン容積変化機構の変圧キャビティ及び定圧キャビティが、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応しており、
    前記変圧キャビティの入口及び前記定圧キャビティの出口が、ガス圧源として働く定容吸熱パルス燃焼室と大気に連通する通気管とに接続され、
    前記ガス燃焼発生部品は、前記定容吸熱パルス燃焼室の小キャビティと、空気圧縮、燃料加圧、空気及び燃料タイミング噴射等に用いられる付加的構成部品を含むか、又は点火手段をさらに含み、前記空気圧縮構成部品及び前記燃料加圧構成部品は、場合によっては、主軸によって駆動されるか又は分離タイプの個別駆動であるルードン空燃比最適化分配ブースタポンプセットを用い、空気圧計量ポンプ構成部品がルードン噴霧冷却定温圧縮機であり得ることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  11. 前記ルードン容積変化運動方法及び2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続された構造を用いることによって、ルードン油圧モータを形成し、
    該ルードン油圧モータは、浄水又は粒径が制御された細砂を含む加圧水によって駆動されるのに適しており、
    前記ルードン油圧モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応することを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  12. 前記ルードン容積変化機構を用いて、効率的な油圧伝動システムの回転出力手段として用いられるルードン油圧モータを形成し、
    前記ルードン油圧モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続された構造が用いられることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  13. 前記ルードン容積変化機構を直接用いるか又は効率向上のために付加的なタイミングパルス弁装置及びルードン熱ポンプ装置を用いて、ルードン空気圧モータ又は空気膨張機を形成し、
    前記ルードン空気圧モータ又は前記空気膨張機は、空気圧伝動システムの回転出力部品としての役割を果たすか又は省エネルギーのために空気抵抗絞り膨張部品に代わって加圧空気の膨張プロセスで放出されるエネルギーの回収に用いられ、
    前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続された構造が用いられることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  14. 前記ルードン容積変化機構を用いることによって、ルードンブロアファン、ルードン圧縮機、及びルードン真空ポンプを含むルードン圧縮性流体ブースタポンプを形成し、
    該ルードン圧縮性流体ブースタポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応し、
    前記ルードン圧縮性流体ブースタポンプは、ルードンファン、ルードンブロア、ルードン空気誘導機、ルードン空気圧縮機、ルードン噴霧冷却等温圧縮機、ルードン二相流ブースタポンプ、ルードン真空ポンプ、ルードン二相流真空ポンプ等を用いることによって分類することができ、
    前記ルードン噴霧冷却等温圧縮機は、圧縮プロセス中に噴霧水によって冷却が行われて水と空気とが出口で分離される一種の二相流圧縮機であり、
    前記ルードン圧縮性流体ブースタポンプは、空気又は気液二相流の運搬と、大気圧及び負圧間の増圧及び減圧を含むその圧力の変更とに用いられ、
    前記ルードン二相流ブースタポンプの物理的パラメータを設計する際には、3つの設計変数、すなわち、容積流量、最大圧力、及び最大媒体粘度を考慮するだけでよく、
    前記ルードン二相流ブースタポンプの圧力自己適応性定流特性により、その適応性が向上すると共に仕様のタイプが単純になることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  15. 前記ルードン容積変化機構を用いることによって、ルードン液体ブースタポンプを形成し、
    該ルードン液体ブースタポンプは、ルードンポンプ、ルードン油ポンプ、及び他の流相媒体に適したルードン容積形ポンプを含むと共に、液体材料の運搬及び圧縮に用いられ、
    前記ルードン液体ブースタポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応し、
    代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続された構造が用いられ、
    前記機械の物理的パラメータを設計する際には、3つの設計変数、すなわち、容積流量、最大圧力、及び最大媒体粘度を考慮するだけでよく、
    圧力自己適応性定流特性により、タイプ範囲の計画が単純になることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  16. 少なくとも1つの前記ルードン容積変化機構によって、水力モータを形成し、
    該水力モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応し、
    代替的に、2つのルードン機構が180度位相をずらして同軸に平行に接続された構造を用いて死点をなくし、
    1つ又は複数のルードン容積変化機構によって、1つの出力部又は複数の出力部を有するポンプを形成し、
    該ポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    前記ルードン容積変化機構は全て同軸に連結されると共に、前記変圧キャビティは全て同じルードン軸上で作用して、入力流量及び出力圧力に対して自己適応性のある水力ポンプを形成し、
    該水力ポンプは、ルードン水力流量可変ポンプ及びルードン水力圧力可変ポンプを含み、
    該ルードン水力流量可変ポンプは、高落差小流量の流れによって低揚程大流量の流れを駆動する水力水ポンプであり、前記ルードン水力圧力可変ポンプは、低落差大流量の流れによって高揚程小流量の流れを駆動する水力水ポンプであることにより、低効率の遠心ポンプの代わりとなり、
    多出力機械では、止め弁が各入力チャネルに取り付けられ、入力軸の動力が、相互に重み付けした各出力部の実際の出力動力の重み付け和に等しく、
    自己適応性により、回転速度、流量、及び揚程分布等の実際のパラメータが決まり、1つの出力部の閉鎖及び揚程の低下が、回転速度の上昇及び他の出力部の流量の増加を引き起こし得ることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  17. 180度位相をずらして平行に連結された2つのルードン容積変化機構によって、油圧ポンプを形成し、
    該油圧ポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応し、
    180度位相をずらして平行に連結された2つのルードン容積変化機構によって、油圧モータを形成し、
    該油圧モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティが、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    前記ルードン容積変化機構は全て同軸に連結されると共に、前記変圧キャビティは全て同じルードン軸上で作用することにより、ルードン油圧減速機又はルードン油圧増速機のタイプの伝動装置を形成し、
    変速比が押しのけ量に逆比例する関係に従って、所望の減速比又は増速比を一度に得ることができ、
    停止制御装置を、流体ポンプの入力弁装置とすることができ、
    代替的に、前記弁には、上流の水撃作用を減衰する緩衝器が設けられてもよく、
    入力管路と出力管路との間には、バイパス絞り・止め弁があってもよく、該バイパス絞り・止め弁は、手動で又はタイミングプログラムによって自動で調節されて、バイパス絞り機能及びクラッチ機能を有するルードン油圧減速機又はルードン油圧増速機のタイプの伝動装置を形成することを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  18. 複数のルードン容積変化機構によって、油圧ポンプを形成し、
    該油圧ポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応し、
    入口を手動又は自動締切り弁によって開閉するように制御することができ、
    1つ又は複数のルードン容積変化機構によって、油圧モータを形成し、
    該油圧モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    入口を手動又は自動締切り弁によって開閉するように制御することができ、
    前記入口を締め切ると、前記油圧ポンプの前記定圧キャビティ及び前記油圧モータストップの前記変圧キャビティは、非作動の真空状態になり、
    前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの作動押しのけ量比は、2つの2元制御ベクトルの実際の値の関数として変わると共に可能比が数列を形成することができ、
    該数列の計画と、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの押しのけ量の組み合わせの設計とは、実際に望まれるシフトに基づき、
    前記ルードン容積変化機構は全て連結されると共に、前記変圧キャビティは全て同じルードン軸上で作用して一体型変速機を形成し、
    代替的に、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータは分離タイプであると共に原動機及び被駆動機械それぞれと同軸上に取り付けられることにより、脈動をなくし流量脈動を柔軟に吸収することができる設計と組み合わせた分離タイプ油圧変速機を形成し、
    代替的に、高圧管と低圧管との間に、手動又は自動時間プログラム調整手段を有するバイパス絞り・締切り弁を固定して、バイパス絞りクラッチを有するルードン油圧変速機を提供してもよく、該ルードン油圧変速機は、減速、変速、及び自動クラッチ機能を有する多機能変速機として用いることができることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  19. 前記ルードン容積変化機構を用いて、ルードン計量ポンプを形成し、
    該ルードン計量ポンプは、増圧タイプ及び定圧タイプを含むと共に、流体の容積流量の直接読取検出、感知及び積分に、又は他の安定したパラメータ及び検出されたパラメータからの関数変換による流体の質量流量の直接読取検出、感知及び積分に用いられ、
    前記増圧タイプのルードン計量ポンプは、計量機能も有すると共に大きな軸動力に耐えることのできる流体増圧ポンプ、又は主に計量及び制御に用いられる流体増圧ポンプであってもよく、
    その増圧範囲は、自己適応出力端における圧力変化にのみ依存し、
    2つのタイプの増圧ポンプの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方それぞれに位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    前記定圧タイプのルードン計量ポンプは、ポンプ又はモータであり、
    該モータの変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方それぞれに位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応することを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  20. 少なくとも2つのルードン容積変化機構を備えると共に別個のチャネルが設けられて押しのけ量比が質量流量比の換算によって求められるルードン計量組立体を用いて、前記ルードン容積変化機構が全て同軸に連結されると共に変圧キャビティが全て同じルードン軸上で作用するルードン定比分配ポンプを形成し、
    該ルードン定比分配ポンプは、ブースタルードン定比分配ポンプ及び定圧ルードン定比分配器を含み、
    同軸に連結されたルードン圧縮機構成部品及びルードン燃料ブースタポンプ構成部品から成る内燃機関定空燃比分配ブースタポンプであり得る前記ブースタルードン定比分配ポンプでは、前記ルードン容積変化機構の変圧キャビティ及び定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの後方及び前方にそれぞれ位置する後方部分及び前方部分にそれぞれ対応し、
    前記定圧ルードン定比分配器の力学機構は、前記ブースタルードン定比分配ポンプと同じであるか、又は付加的な軸動力を有さない減圧モータ構成部品を収容し、
    変圧キャビティ及び定圧キャビティが前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置する前方部分及び後方部分にそれぞれ対応している定圧燃焼加圧油計量モータ構成部品及び加圧ガス計量モータ構成部品を含むものは、自己適応伝動力を生成して他の構成部品を駆動することができ、
    これら2種類のルードン定比分配装置を、熱的機械、熱工学及び化学的手順に適用して、効率的及び有利な環境保護を得ることができ、
    減圧構成部品を収容するルードン定比分配装置の中でも、ガスストーブ定比分配装置は、効率的な環境保護ストーブとして設計される重要な構成部品であることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  21. 前記ルードン容積変化機構を用いて、家庭用飲料水蒸留浄化システム、ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システム、ルードン高適応性風力発電システム等のようなルードン確率的エネルギー流利用システムを形成し、
    この種のシステムは、確率的エネルギー流を機械軸の動力にリアルタイムで変換することのできる1つ又は複数の構成部品を収容し、
    該構成部品は、高適応性風力羽根車を含む風力羽根車又は差圧駆動式のルードン油圧モータとすることができ、
    発電構成部品は、確率的エネルギー流を得ることのできる場所に分配されると共に、前記発電構成部品のそれぞれは、ルードン空気ポンプと同軸に一体化され、
    該ルードン空気ポンプは、ルードン真空ポンプ又はルードン空気圧縮機であり、
    前記ルードン真空ポンプは、管路によって真空負荷に接続され、
    例えば、水道管に取り付けられたルードンモータに同軸に連結される家庭用飲料水蒸留浄化システムのルードン真空ポンプは、蒸留復水器に現場で接続されて、浄水及び非凝縮性空気を含む二相流を圧送し、
    前記ルードン空気圧縮機は、管路によって加圧空気タンクに接続され、
    該加圧空気タンクは、機械の駆動又は発電に用いられる圧縮エネルギーを積分、収集、及び蓄積し、
    該圧縮エネルギーは、入力管が確率的低温熱エネルギーを利用するための熱ポンプ熱交換器を収容し得るルードン空気圧モータによって用いられ、
    ルードン水力積分エネルギー蓄積発電システムの発電機及びルードン高適応性風力発電システムの発電機は、始動、停止、及び運転励磁がコンピュータ制御される数値制御励磁発電機であり、
    相互接続発電における始動、停止、及び励磁の前記制御は、空気圧縮機出力が最大であるという原理に従って最適にスケジュールされ、
    制御プログラムがPLCに書き込まれ、関連の外燃昇温手続きが前記ルードン高適応性風力発電システムに埋め込まれて、風力・外燃火力無水発電システムを形成し、
    該風力・外燃火力無水発電システムは、個別に配置された風力羽根車・ルードン空気圧縮機、合流管、ガスストレージタンク、制御可能な向流熱交換外燃昇温室、ルードン空気圧モータ又はルードン空気圧ルードンタービン、及び発電機を備えると共に、総効率が非常に高く発電にかかるコストが低くなるようにコンピュータ制御されることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  22. 回転ルードン容積変化機構を用いて、回転シェルを有する回転ルードン容積変化動力発生機械又は部品と、回転シェルを有する回転ルードン容積変化動力発生機械又は部品とを含む、回転シェルが設けられた容積形流体機械を形成し、
    前者は、回転キャビティがロケット又は木を切断する丸鋸のような負荷機械の外部ロータであり得る回転キャビティ式の回転ルードン容積変化内燃機関及び回転キャビティ式の回転ルードン容積変化空気圧モータとすることができ、
    後者は、回転キャビティ式の回転ルードン容積変化圧縮機、回転キャビティ式の回転ルードン真空ポンプ、回転キャビティ式の回転ルードン容積変化二相ポンプ、回転キャビティ式の回転ルードン容積変化二相流真空ポンプ等を含み、
    油圧回転ルードンロータを、自動車、列車、トラクタ、及び工学機械の効率的で単純構造の車輪として用いることができ、具体的には、回転シェルを有する回転ルードン容積変化空気圧機械の変圧キャビティ及び定圧キャビティが、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置し、
    前記回転キャビティ式の回転ルードン容積変化内燃機関は、回転ルードン容積変化機構を主要部品として有すると共に、定容吸熱パルス燃焼室と、空気圧縮、燃料圧縮、空気及び燃料タイミング噴射の構成部品とが設けられ、
    前記定容吸熱パルス燃焼室は、前記ルードンロータ内に配置され、その入口が該ルードンロータの端面に位置付けられ、噴射時に空気及び燃料噴射ノズルに瞬時に接続され、出口が仕切板の片側で容積変化キャビティの入口と接続され、
    前記定圧キャビティの出口は、前記仕切板の他方の側に配置された入口に接続されると共に、前記ルードンロータの内部チャネルを介してクランク軸端の軸管を通して通気管にさらに接続され、
    前記回転キャビティ式の回転ルードン容積変化空気圧モータの前記変圧キャビティの入口及び前記定圧キャビティの出口は、前記仕切板の両側で前記ルードンロータのシリンダ面に配置され、前記入口は、前記ルードンロータの前記内部チャネル及び端面の開口を介して入口管に或る時間にわたって接続され、前記出口は、前記ルードンロータの前記内部チャネル及び前記クランク軸端の前記軸管を介して出口管に接続され、
    前記回転シェルを有する前記回転ルードン容積変化動力発生機械の前記変圧キャビティ及び前記定圧キャビティは、前記ルードンキャビティのシールラインの前方及び後方にそれぞれ位置付けられ、
    前記変圧キャビティの出口及び前記定圧キャビティの入口は、前記仕切板の両側にそれぞれ配置されると共に、前記ルードンロータの前記内部チャネル及び前記クランク軸の前記軸管を介して前記出口管及び前記入口管にそれぞれ接続され、
    前記回転キャビティ式の回転ルードン容積変化空気圧モータ及び前記油圧回転ルードンロータも、180度位相をずらして並列に連結されたダブルキャビティの構造を含んで始動死点及び脈動をなくすことを特徴とする、請求項4に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法で用いられるルードン容積変化機構の一種の用途。
  23. 前記ルードン容積変化機構を用いて、ルードン二相流冷蔵庫圧縮機、ルードン二相流空調装置圧縮機、ルードン二相流冷蔵倉庫圧縮機、及びルードン二相流熱ポンプ温水器圧縮機のようなルードン二相流熱ポンプ圧縮機及び熱ポンプシステムを形成し、該ルードン二相流熱ポンプ圧縮機及び該熱ポンプシステムはそれぞれ、冷蔵庫及び冷蔵倉庫の冷却、空調装置の冷却又は加熱、太陽熱プラント又は環境熱交換器からの熱の積分及び蓄積による温水器の熱圧送、及び完成機械の構成に用いられ、
    この種の熱ポンプ圧縮機は、主にルードン二相流圧縮機から成ると共に、ルードンフィードバックモータと同軸に連結されて絞り管の代わりに減圧のために用いられることにより、圧力エネルギーを再循環させ、主軸動力を減らし、摩擦熱を抑え、
    システム又は完成機械において、冷媒及び加熱材料が常時空気及び液体の混合二相状態であり、閉サイクルを完了するための4つのプロセス、すなわち、低温低圧高気液比二相流の温度及び圧力を圧縮機で上昇させる断熱圧縮プロセス、高圧高温高気液比二相流が高温凝縮装置内でほぼ等温等圧で放熱する凝縮プロセス、高温高圧低気液比二相流の温度及び圧力をフィードバックモータで低下させる断熱エネルギー放出プロセス、及び低温低圧低気液比二相流がほぼ等温等圧で吸熱する蒸発プロセスを行い、
    蒸発器は、鉛直降下の重力流の性質を用いるか、又は気泡を吹き込むのに用いられるいくつかの付加的な段状微小液体シールが設けられ、
    液体の落下及び気泡の吹き込みは、内部の擾乱及び対流を増加させることができ、小さな曲率半径の凸状蒸発面が発生する確率も高めることにより、過冷却蒸気降温蒸発機構を形成し、
    凝縮器は、鉛直上昇の逆重力流の性質を用いて、内部気液乱流及び対流を増加させると共に小さな曲率半径の凹状蒸発面が発生する確率を高めることができる気泡浮上機構を形成することにより、過熱蒸気昇温凝縮を形成し、
    曲折降下プロセス中の液体の落下及び曲折上昇プロセス中の空気の浮上は、それぞれ異なる相の作動媒体を機械的に攪拌して、横方向の熱交換を向上させ、
    縦方向では、曲折降下プロセス中の液体の落下及び曲折上昇プロセス中の空気の浮上の両方が、重力ヒートパイプ効果を発生させて流動プロセス中の温度差をなくし、
    熱伝導率の高い媒体として、液体は、攪拌中の二相流内と二相流及び管壁間との横方向の熱交換の強力なキャリアとしての役割を果たし、
    前記攪拌及びヒートパイプ効果は、熱交換温度差を明らかに減らし、その上、液体は、前記圧縮機及び前記モータにおいてシール及び潤滑の役割を果たし、
    その漏れ損失はほぼ0に減り、
    前記圧縮機は、ルードン様式で回転して、電動機と共に密閉されてもよく、
    該電動機のロータはルードンキャビティとして働き、したがって、伝動部品が必要ないため、構造が単純になり、太陽熱浄水器又は浄水・温水装置を、前記ルードン二相流熱ポンプ圧縮機によってかなりの省エネルギー効果を伴って形成することができることを特徴とする、請求項14に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  24. 前記ルードン容積変化機構を用いて、ルードン空燃比最適化内燃分配ブースタポンプを形成し、
    該ルードン空燃比最適化内燃分配ブースタポンプは、本発明のルードン内燃機関用に用いられるルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ、従来技術を改良するための往復式内燃機関ルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ、及びガスタービン用のルードン空燃比最適化分配圧縮機を含み、
    前記往復式内燃機関ルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ及び前記ルードン空燃比最適化分配圧縮機は、主要機械を外部圧縮2行程タイプのガス圧縮機及びウォーム歯車を有さないガス圧縮機に改修する必要があり、
    前記往復式内燃機関ルードン空燃比最適化分配ブースタポンプ及び前記ルードン空燃比最適化分配圧縮機はいずれも、同軸上にある空気計量ブースタポンプ及び燃料(ガス及び油を含む)計量ブースタポンプによって組み立てられると共に内燃機関の主軸に接続され、代替的に、付加的な変速ルードン油圧モータ又は電動機によって駆動されるより優れた動的調整特性を有するように、これらは分離タイプであってもよく、
    前記空気計量ブースタポンプ及び前記燃料計量ブースタポンプの質量流量は、最適化された空燃比に従って分配されると共に、質量流量を所定の圧力での入口容積流量の比に変換することによって実現され、
    例えば、入口の空気圧が大気圧であってもよく、又はその高度に応じた圧力安定化措置によって得られる所定の定圧であってもよく、燃焼ガスも同様であり、
    大気湿度を考慮する場合、付加的な自動制御装置を設けて空気余裕係数を調整して、酸素質量流量を安定化することができ、
    空気圧縮機は、二相状態で動作し、十分な冷水をその空気入口チャネル及びルードンキャビティに噴霧して、霧粒を拡散分布させ、水・空気二相流を出力し、
    圧縮プロセスでは、空間冷却、壁冷却、熱流負荷、動的シール、及び潤滑のために水が用いられ、該水は効率的な等熱圧縮を実現する重要な要素であり、
    ルードン圧縮プロセスでは、空気が目標圧力を一度に達成し、該目標圧力は、回転速度及び容積流量の2項関数であると共に必要に応じて決定され、
    出力二相流は、分離・緩衝・調整装置に入り、該分離・緩衝・調製装置が、高品質高圧空気源として用いられる分離空気の乾燥度を高めることができ、
    分離された冷却水は、同軸ルードンフィードバックモータに入って圧力エネルギーを再循環させ、
    前記冷却水の流量は、前記分離・緩衝・調整装置の定液位フロート弁によって最適に調整されることを特徴とする、請求項20に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  25. 前記ルードン容積変化機構を用いて、ルードンガスストーブ定比分配器を形成し、
    該ルードンガスストーブ定比分配器は、最適化された空燃比に従って空気及びガスを定比分配すると共に、ガス及び空気をストーブに定比的に入れて閉燃焼及び熱交換を実施して、汚染を発生させることなくガスが燃焼でき、一方で、煙流及び該煙流に正比例する煙熱損失を最小限に減らすことができ、
    前記ルードンガスストーブ定比分配器は、同軸に接続されたガス計量ポンプ及び空気計量ポンプから成り、該ガス計量ポンプ及び該空気計量ポンプはいずれも、位相をずらして同軸に連結されたダブルキャビティの機構を採用して、始動死点及び脈動をなくし、
    前記ルードンガスストーブ定比分配器は、調整弁の下流に取り付けられると共に減圧ガスによって駆動されて、前記ガス計量ポンプは空気圧モータとして動作し、その回転速度は非常に遅いため、損失は非常に小さく、
    4つの入口及び出口における2種類のガスの圧力は、ほぼ同じであり、全てが大気圧に等しく、
    前記ルードンガスストーブ定比分配器のガスルードンキャビティ及び空気ルードンキャビティの押しのけ量は、質量流量比と比容積比との積である容積流量比に等しく、
    空気の質量流量比率は、ガス組成物の燃焼反応で必要な酸素比率から計算され、
    前記ルードンガスストーブ定比分配器は、空気余裕係数を変えるように空気入口の圧力をいくらか低下させるのに用いられる低抵抗絞り弁を収容してもよく、
    前記空気余裕係数は、前記ガス組成物と圧力及び湿度の変動範囲とから計算されると共に、その上限に従って押しのけ量比内で設計され、圧力増減の因子が、トルク平衡方程式、ボイル・マリオットの法則、又は状態方程式に含まれ得ることを特徴とする、請求項20に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
  26. 前記ルードン容積変化方法とその多用途流体機械の定義及び設計とに従って、前記ルードン容積変化機構を用いて、ルードン多用途流体機械を形成し、
    該ルードン多用途流体機械は、多用性を有するように設計された一種の多用途流体機械であると共に、多機能、媒体の相多用性、下限のない圧力及び動力の連続適応性といった特性を含み、
    前記ルードン多用途流体機械には、多用性パラメータが表記され、該多用性パラメータは、少なくとも4つの基本パラメータ、すなわち、耐圧、軸強度、速度限界、及び押しのけ量と、オプション機能及び非基本パラメータのような他のパラメータとを含み、
    この種の機械は、前記多用性パラメータの限度内で動作すると共に、用途にほぼ無関係な効率を有し、
    前記多用性パラメータを採用する場合に限り、ルードン流体機械は多用途流体機械になり、これは、3つのステップで達成することができ、第1のステップは多用性計画であり、基本多用性パラメータ空間が科学的及び経済的に分割されて、その分割に従って多用性タイプ及びシリーズ基準が決定され、該多用性タイプ及びシリーズ基準は、多用性タイプ及び仕様の範囲及び対応する多様性パラメータであり、必要な標準を含み、第2のステップは多用性設計であり、多用性タイプ仕様及び基本パラメータが多用性タイプ及びシリーズ基準から選択され、従って、製品が設計されて多用性銘板が付けられ、第3のステップは多用性の付加であり、多用性製品が総合的需要を満たすように構成及び使用され、安全条件及び実際の動作パラメータを多様性の基本パラメータに従って決定すべきであるか、又は実際の作動点を時間に従って多用性パラメータから直接選択すべきであり、経済効率原理を常に考慮すべきであることを特徴とする、請求項1、5、又は6に記載の容積形流体機械のルードン容積変化方法の一種の用途。
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