JP2008524439A - 容器の温度調節収容装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より質の高い有機層を積層させることを目的とし、汎用的な装置を開発する。
【解決手段】容器(19)内に通されるキャリアガスを用いて蒸発により外に出される凝縮物質を受容する容器(19)の温度調節収容装置であり、断熱構造に形成された筐体壁(3)によりチャンバー(25)を形成する筐体(1)と、チャンバー(25)内に配置された容器(19)内にガスを供給するガス供給管(17)用、又は容器(19)からガスを排気するガス排気管(18)用として筐体壁(3)の内側に通路(20)、(21)とを有し、更に、チャンバー(25)内の温度を調節する加熱体(16)又は冷却体とを有する。本発明は、ガス流発生器(4)、及びガス流発生器(4)が発生させたガス流を案内するガス流案内手段(5)〜(10)がチャンバー(25)内に設けられ、更に、該ガス流が加熱体(16)により加熱され、容器(19)に沿って流れることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器内に通されるキャリアガスを用いて蒸発により容器の外に出される凝縮物質、特に、揮発性の低い有機材料を受容する容器の温度調節収容装置であって、断熱構造に形成された筐体壁によりチャンバーを形成する筐体と、チャンバー内に配置された容器内にガスを供給するガス供給管用、又は容器からガスを排気するガス排気管用として筐体壁の内側に設けられた通路と、更に、チャンバー内の温度を調節する加熱体又は冷却体とを有する装置に関する。
又本発明は、加熱した反応炉内において、容器により形成される供給源内に保持される非ガス状の開始剤を、キャリアガスを用いて気相に転移させ、供給源から基板上に移動させて、特に有機層を積層させる積層装置にも関する。
容器の温度調節収容装置と、特に有機層を積層させる積層装置は、特許文献1により既に知られている。容器の温度調節収容装置は、容器を常時一定の温度に維持するための加熱可能な壁を有する。容器に入ったキャリアガスは加熱される。キャリアガスは、容器内にある液体又は固体材料の中を流れ、材料を気相に転移させて装置内に運び込み、基板上で積層させる。
同様に、内部に収められたものを常時200℃から800℃の温度領域に維持する高温炉も先行技術において既に知られている。しかし、温度調節の正確性は±3℃以内に過ぎず、内部空間に至っては局部間で±9℃もの領域の温度差がある。
既知の液晶ディスプレイの代替品としてOLEDディスプレイを生産する有機気相成長法(OVPD技術)は、温度室内の局部温度及び時間的温度の安定性を調節する上で、これまで成し得なかった値の正確性を要する。OVPDを用いることで、有機膜をナノメートル単位の厚さで固体基板上に成膜することができる。そのためには、高温炉内に取り付けられた供給源において、有機材料を蒸発させる。搬送管を用いて供給源の蒸気を蒸着室に導入するために、例えば、混合気体の状態にある窒素等のキャリアガスが用いられる。蒸着室内において、有機材料は冷却された基板上で蒸着する。こうしてできた層状構造は、わずかな数の工程段階で処理された後、OLEDディスプレイを形成する。
OVPDの最重要目的の一つは、いかなる時点でも再構成が可能な厚膜を蒸着させることである。物理的に言うと、再構成とは、理想的にはいかなる時点でも同じ量の材料が気相に転移し、蒸着室内で全く同じ膜厚で成膜することを意味する。
このような蒸発を物理的に左右する決定因子が、容器内にある液体又は固体の材料の蒸気圧である。特定の温度における蒸気圧が高ければ高いほど、単位時間当たりにより多くの材料を気相に転移させられる。蒸気圧は温度に対して指数関数的に増加するため、わずかな温度差により、搬送される有機材料の量に多大な影響を与えてしまう。そのため、経時安定性と局部温度の均一性が極端でなければ、膜厚の再構成は実現できない。
独国公開第19048759A1号公報
それゆえに、本発明の目的の一つは、より質の高い有機層を積層させることを目的とし、汎用的な装置を開発することにある。
上記の目的は、請求項に記載された発明により達成される。原則的に、各請求項は独立した解決方法を提供し、それらの解決方法は、他の請求項が各々の目的を達成する上で独立的に寄与するものの、各請求項は他のどの請求項とも組み合わせることができる。
請求項1は、第一に、ガス流発生器、及び前記ガス流発生器が発生させるガス流を案内するガス流案内手段がチャンバー内に配置されるものであると定める。キャリアガスは、窒素又はその他の不活性ガスであり、ガス流発生器は送風機であり、ガス流案内手段は、内側筐体の側面壁、天井パネル及び床パネルであるが、単なる金属板でもよい。筐体内の温度をほぼ常時一定に維持するために、金属板は、ガス流が容器上及び/又は筐体壁上を流がれるよう案内するように構成し、配置するのが好ましい。
継続的に使用した場合、温度安定性は1日当たり±0.05℃となることがある。筐体内の温度勾配は、全筐体部分で局所的な温度の均一性が±2℃又はそれ以内が達成されるように、最小になっている。加熱出力次第では、筐体内の温度は、±0.1℃の誤差で700℃まで設定することができる。ガス流案内手段は、筐体内に対流を発生させ、ガス流を筐体内全体に広げ、筐体内全体の局部温度を一様にして同じにする。内側筐体内及びチャンバー内の温度測定を継続的に行い、電子制御アルゴリズムを用いることで、筐体内の対流は、チャンバー内において、局部的により活発で調整可能な断熱材として機能させられる。内側筐体内に容器があり、前記容器の温度も同様に、ガス流発生器により放出された熱により調節される。その目的のために、ガス流発生器の表面は、特別な特性の放出性能を有する。金属板から成るガス流発生器は、荒い又は光沢があり、好ましくは吸収性又は反射性をも有する適切な面を有する。内側筐体は、特定の用途向けである筐体の内壁との間に間隔を設けた状態で配置されるのが好ましい。
ガス流は、筐体の天井に有利に取り付けられた送風機により発生させられる。送風機は半径流式のものであり、天井の開口を通してガス流を内側筐体から吸い出す。天井の下には格子が配置されている。内側筐体の床の開口上側には、抵抗加熱体が配置されており、抵抗加熱体は、内側筐体の底部又は側面壁部分、及び上部にも、設けられている。加熱体は追加してもよく、その場合、内側筐体の上部又はガス供給管及びガス排気管に設置される。筐体の内壁を流れ過ぎたガス流は、この加熱体を通り越し、容器が位置する内側筐体に到達する。ガス流は容器上を流れ、天井の開口を抜けて内側筐体の外に戻ってゆく。
チャンバー25を囲む筐体1は、断熱構造に形成された筐体壁3と、ドア22を有する。ドア22はドア開口を閉め、ちょうつがい12によって筐体につながれ、ボルト23により固着され、チャンバーを気密及び断熱状態にして封じる。
チャンバーの天井はキャリアガスを流し込むための供給管17用の通路21を有する。チャンバー25に配置された容器19内には、キャリアガスによって気相に転移される液体又は固体、粉状又は粒状の材料がある。材料は、供給管17を通して流し込まれたキャリアガスと共に、ガス排気管18から排気される。排気管18は、筐体壁底部の通路20を突き抜ける。
チャンバー25は、外部からの熱を遮断する。チャンバー25は長方形であり、内部には、互いに溶接された、又はボルトで留められた側面壁5、7、9、10から成る長方形の内側筐体がある。更に、開口13を有する天井パネル6及び開口24を有する床パネル8が配置されている。側面壁5、7、9、10、天井パネル6及び床パネル8から成るこの内側筐体は、筐体1内部において、取付部材11により、各面が筐体1の内壁2から均一な間隔で搭載されている。そうするために、取付部材11は、筐体1の内壁2と、相対する側面壁5及び7の間に取り付けられる。
天井パネル6上の開口13の上には、電動式の送風機4があり、開口13を通じてキャリアガスである空気を内側筐体から吸い出す。開口13の下には、スペーサー15を用いることで内側筐体の天井パネル6から特定の間隔を設けて配置された格子14がある。床パネル8の上には、電熱器である電気式の抵抗加熱体16があり、床パネル上の開口24の上に配置される。加熱体16と送風機4の間、つまり開口13と24の間に容器19がある。
送風機4の電源を入れると、送風機4は開口13を通じてキャリアガスである空気を吸い込む。送風機は、吸い込んだキャリアガスを放射状に拡散させ、側面壁5、7、9、10、天井パネル6及び床パネル8と、筐体1の内壁2の間に沿って流す。次に、キャリアガスは開口24を通じて内側筐体内に戻り、その際加熱体16により加熱される。側面壁5、7、9、10、天井パネル6及び床パネル8の外側において、互いに逆向きに流れるガス流、つまり対流混合は、このようにして温度を均一化する効果を有する。対流混合は、このようにして温度の均一化に役立ち、所要の温度安定性を生み出す。実質的に、2つの筐体部分、即ち、内側部分と外側部分があり、チャンバー25の内側と外側とに一つの空気流が流れる。
開示される特徴は、(本質的に)全て本発明に関連するものである。本願の請求項に組み込むこと等を目的とした関連/添付の優先権書類開示内容(先願の写し)も、その全てが本願の開示に含まれている。
以下において、本発明の例示的実施形態を図面に沿って説明する。
容器の温度調節収容装置のドア開口を、内側筐体の正面側面壁を省略して示した概略図である。 図1の線II―IIに沿った断面を示す。 図1の線III―IIIに沿った断面を示す。 図2の線IV―IVに沿った断面を示す。

Claims (16)

  1. 容器(19)内に通されるキャリアガスを用いて蒸発により前記容器(19)の外に出される凝縮物質を受容する前記容器(19)の温度調節収容装置であって、
    断熱構造に形成された筐体壁(3)によりチャンバー(25)を形成する筐体(1)と、
    前記チャンバー(25)内に配置された前記容器(19)内にガスを供給するガス供給管(17)用、又は前記容器(19)からガスを排気するガス排気管(18)用として前記筐体壁(3)の内側に設けられた通路(20)、(21)と、
    前記チャンバー(25)内の温度を調節する加熱体(16)又は冷却体とを有し、
    前記加熱体(16)用又は冷却体用のガス流発生器(4)、及び前記ガス流発生器(4)が発生させたガス流を案内するガス流案内手段(5)〜(10)が前記チャンバー(25)内に設けられ、
    前記ガス流案内手段(5)〜(10)が、前記容器(19)を収容する内側筐体の複数の壁(5)〜(10)を形成し、
    更に前記ガス流が、前記内側筐体の両側において互いに逆向きに流れることを特徴とする装置。
  2. 前記ガス流発生器(4)により発生させられ、前記ガス流案内手段(5)〜(10)により案内された前記ガス流が、加熱体(16)により加熱され、前記容器(19)に沿って流れることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記ガス流発生器(4)により発生させられ、前記ガス流案内手段(5)〜(10)により案内された前記ガス流が、筐体(1)の内壁(2)沿いに流れることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の装置。
  4. 前記ガス流案内手段(5)〜(10)が、内側筐体の複数の壁(5)〜(10)を形成し、筐体1の内壁2から実質的に均一な間隔で設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記容器(19)の下に配置され、前記チャンバー(25)内に流れ込む前記ガス流を加熱する加熱体(16)を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記ガス流が、空気又は窒素であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記ガス流案内手段(5)〜(10)が金属板から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記ガス流案内手段(5)〜(10)によって形成される前記内側筐体が、貫通している開口(13)、(24)を天井と床に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記ガス流案内手段(5)〜(10)における前記容器(19)に対向する面、及び筐体(1)の内壁(2)が、熱放射特性を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記ガス流案内手段(5)〜(10)の表面が明色で、細かな粗面又は粗い粗面であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記加熱体(16)が抵抗加熱体であり、前記内側筐体の床を形成する床パネル(8)上の開口(24)の上に配置されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記ガス流発生器(4)が、前記内側筐体の天井パネル(6)の開口(13)の上にある、前記筐体(1)の天井に配置された送風機であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。
  13. 前記ガス流が、内側筐体を形成するガス流案内手段(5)〜(10)内部を下から上に流れることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の装置。
  14. 前記筐体(1)の内壁(2)との間を所定の間隔とするべく、前記複数の側面壁(5)、(7)を保持する取付部材(11)を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
  15. 前記筐体(1)がドア(22)を有し、前記ドア(22)が前記筐体壁(3)の開口に対して、ボルト(23)として形成された閉鎖部材により固着され、チャンバー(25)を気密及び断熱状態にして封じることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の装置。
  16. 熱せられた反応炉内において、容器により形成される供給源内に保持される非ガス状の開始剤を、キャリアガスを用いて気相に転移させ、前記供給源から基板上に移動させて積層させる積層装置であって、前記供給源が請求項1乃至15のいずれかに記載の装置内に配置されることを特徴とする積層装置。
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