JP2008522984A - 癌の処置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも一つのタキソイドの有効量、および、少なくとも一つの式(I)のベンズイミダゾールカルバメート化合物の有効量を対象に投与する段階を含む、腫瘍を処置するための方法を提供する。本発明はまた、少なくとも一つの式(I)のベンズイミダゾールカルバメート化合物の有効量を対象に投与する段階を含む、一つまたは複数の有糸分裂阻害剤に非感受性である腫瘍を処置するための方法を提供する。同様に、本発明の方法を行うための組成物を提供する。

Description

技術分野
本発明は、概して、腫瘍の処置のための方法および組成物に関する。
発明の背景
パクリタキセルおよびドセタキセルは、化学療法剤として広く使われている有糸分裂阻害剤のタキソイドファミリーの一員である。タキソイドは、微小管の重合および安定化を促進する。それらの有糸分裂阻害特性は、それらがチューブリンを結合させかつ微小管動態を崩壊させて、それによって有糸分裂の停止および細胞死を誘導する能力に由来する。
パクリタキセルは、乳癌、卵巣癌、肺癌、頭頚部癌を含む広範な種類の腫瘍に対して活性を有する。またパクリタキセルは、以前処置されたリンパ腫および小細胞肺癌、ならびに食道、胃、子宮内膜、膀胱、および生殖細胞の腫瘍を含む、従来の化学療法に対して難治性であるその他の悪性病変においても活性を有する(Mekhail and Markman, 2002; Yamazaki et al., 1998)。これは、癌治療のために病院で現在使用されている最も独特かつ成功した化学療法剤の一つである。しかし、パクリタキセル療法と関連している大きな問題が存在する。その一つが毒性である。パクリタキセルの一般的な毒性には、全体の脱毛症、過敏性反応、骨髄抑制(主に好中球減少)、関節痛、筋肉痛、および末梢神経疾患が含まれる(Markman, 2003)。パクリタキセルに対する許容度の進行または腫瘍細胞における薬物耐性もまた、パクリタキセル処置の継続中の有効性を妨げている重大な要因である。耐性を克服するために、典型的には、投与されるパクリタキセルの用量が増大され、したがって副作用の進行につながる。
したがって、タキソイドに基づく癌治療のための代替的な改善された戦略が明確に必要である。
微小管を標的とする別の薬剤群がベンズイミダゾールカルバメートであり、これは、これらがチューブリンを重合するよりはむしろ微小管重合を阻害するという点でタキソイドに対向する作用様式を有する(Lacey, 1990; Lacey and Gill, 1994)。ベンズイミダゾールカルバメートは、多くの寄生虫感染症の処置のために臨床的に用いられる広範な駆虫剤である、アルベンダゾールを含有する(Horton, 2000)。本発明者らは以前、インビトロで様々な癌細胞系に対して、ならびに、動物モデルおよび臨床試験における癌に対して、アルベンダゾールが抗増殖効果を有することを見出した(国際公開公報第02/076454号、その開示は参照により本明細書に組み入れられる)。
本明細書において開示されるように、本発明者らは目下驚くべきことに、パクリタキセルに対して高度に耐性を有しかつビンクリスチンおよびコルヒチンに対して部分的に耐性を有する癌細胞が、アルベンダゾールの抗増殖効果に対して現に高感受性であることを見出した。更に、アルベンダゾールは、これらの薬物と共に使用すると癌細胞増殖の阻害における相加効果または相乗効果を有するように、パクリタキセル感受性およびパクリタキセル耐性の細胞系両方のヒト癌細胞においてパクリタキセルの効果を増強する。
発明の概要
本発明の第一の局面によると、以下の段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法が提供される:
少なくとも一つのタキソイドの有効量、および、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体の有効量を対象に投与する段階であって、
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される、段階。
R1置換は5位または6位で起こってもよい。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、式IIの化合物でありうる:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルである。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、式IIIの化合物でありうる:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、アルベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールからなる群より選択されうる。
一つの態様において、ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である。
タキソイドは、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの代謝産物、誘導体もしくは類縁体でありうる。
腫瘍は、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移でありうる。
腫瘍は、一つまたは複数の有糸分裂阻害剤を用いた処置に対して非感受性でありうる。一つまたは複数の有糸分裂阻害剤は、タキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイド(colchicinoid)から選択されうる。一つの態様において、腫瘍はタキソイド非感受性の腫瘍である。この態様によると、投与されるタキソイドの量は、さもなくば単独で投与した場合には腫瘍を処置するのに効果のない量でありうる。
タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物は、同時にまたは連続して投与されうる。したがって、タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物は、単一の薬学的組成物中または別々の組成物中に存在しうる。タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物は、全身投与されうる。
本発明の第二の局面によると、有効量のパクリタキセルおよび有効量のアルベンダゾールを対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法が提供される。
パクリタキセルおよびアルベンダゾールは、同時または連続して投与されうる。したがって、パクリタキセルおよびアルベンダゾールは、単一の薬学的組成物中または別々の組成物中に存在しうる。タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物は、全身投与されうる。
本発明の第三の局面によると、パクリタキセルおよび有効量のアルベンダゾールを対象に全身投与する段階を含む、対象におけるタキソイド非感受性の腫瘍を処置するための方法が提供される。投与されるパクリタキセルの量は、さもなくば単独で投与した場合には腫瘍を処置するのに効果のない量でありうる。
本発明の第四の局面によると、少なくとも一つのタキソイド、および、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体を含む、薬学的組成物が提供される:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される。
R1置換は5位または6位で起こってもよい。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、式IIの化合物でありうる:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルである。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、式IIIの化合物でありうる:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、アルベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールからなる群より選択されうる。
一つの態様において、ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である。
タキソイドは、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの代謝産物、誘導体もしくは類縁体でありうる。
組成物は、一つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバント、または希釈剤を更に含みうる。
本発明の第五の局面によると、パクリタキセルおよびアルベンダゾールを含む薬学的組成物が提供される。
組成物は、一つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバント、または希釈剤を含みうる。
本発明の第六の局面によると、少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物を含む、対象における腫瘍を処置するための組成物が提供される。
腫瘍は、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移でありうる。
腫瘍は、一つまたは複数の有糸分裂阻害剤を用いた処置に対して非感受性でありうる。一つまたは複数の有糸分裂阻害剤は、タキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイドから選択されうる。一つの態様において、腫瘍はタキソイド非感受性の腫瘍である。
本発明の第七の局面によると、パクリタキセルおよびアルベンダゾールを含む、対象におけるタキソイド非感受性の腫瘍を処置するための組成物が提供される。
本発明の第八の局面によると、第三、第四、または第五の局面による組成物の有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法が提供される。
本発明の第九の局面によると、対象における腫瘍の処置用の薬物の製造のための、少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物の使用が提供される。
本発明の第十の局面によると、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体の有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法であって、腫瘍が一つまたは複数の有糸分裂阻害剤に非感受性である方法が提供される:
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される。
腫瘍は、一つまたは複数のタキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイドに非感受性でありうる。タキソイドはパクリタキセルでありうる。ビンカアルカロイドはビンクリスチンでありうる。コルヒチノイドはコルヒチンでありうる。一つの態様において、腫瘍は少なくともパクリタキセルに非感受性である。
本発明の第十一の局面によると、少なくとも一つの有糸分裂阻害剤に非感受性の腫瘍の処置用の薬物の製造のための、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物の使用が提供される。
上述の本発明の局面および態様において、対象とは典型的にはヒトである。
式I、II、およびIIIの化合物の立体異性体および幾何異性体、ならびにそれらの互変異性型を含む異性体も、上述の局面および態様において同様に意図される。
定義
本明細書の文脈において、「含む」とは「主に含むが、必ずしも単独で含むわけではない」ことを意味する。さらに、「含む(comprise)」や「含む(comprises)」などの「含む(comprising)」という用語の変形は、対応して変化させた意味を有する。
本明細書において使用される「処置する」および「処置」という用語は、状態もしくは症状を軽減するか、状態もしくは疾病の定着を予防するか、またはさもなくば、状態もしくは疾病もしくは他の望ましくない症状の進行を任意の方式で予防、妨害、遅延、または回復させる、任意のおよび全ての使用を指す。
本明細書において使用される「有効量」という用語は、非毒性だが所望の効果を提供するのに十分な量の作用物質または化合物を、その意味に含む。必要とされる正確な量は、処置される種、対象の年齢および全身状態、処置される状態の重篤度、投与されている特定の薬剤、ならびに投与様式などの要素によって、患者ごとに異なりうる。したがって、正確な「有効量」を明記することは不可能である。しかし、任意の所与の症例について、当業者によって、日常的な実験法のみを使用して、適当な「有効量」を決定することができる。
本明細書において使用される「非感受性」という用語は、特定の治療剤を用いた処置に対してある程度難治性である、腫瘍またはその一部を指す。従って、「非感受性」という用語は、さもなくば耐性(例えばパクリタキセル耐性)と呼ばれる腫瘍を説明するために、使用される。しかしこの用語は、問題の治療剤に対して完全なまたは有意なレベルの耐性を示す腫瘍に制限されるものではなく、むしろ、薬剤に対する感受性を保持するが、感受性の腫瘍と比較した場合に薬剤に対する減弱した反応性を示す腫瘍を、その範囲内に含む。
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、一価の、飽和した、直鎖状のおよび分鎖状の炭化水素遊離基を、その意味に含む。
本明細書で用いられる「アルケニル」という用語は、少なくとも一つの二重結合を有する、一価の、直鎖状のおよび分鎖状の炭化水素遊離基を、その意味に含む。
本明細書で用いられる「アリール」という用語は、一価の、単一の、多核の、抱合型のおよび、融合した、芳香族炭化水素基をその意味に含む。
発明を実施するための最良の形態
用量関連毒性および耐性は、パクリタキセルなどの有糸分裂阻害剤を用いた癌患者の処置の選定および有効性を制限している重大な要素である。耐性を克服するためにパクリタキセルの用量を増大させる戦略は、単に、パクリタキセル毒性および副作用発生という問題を悪化させるにすぎず、その一方で、薬剤耐性増大の進行も潜在的に促進させる。用量を増大させる必要なしに薬効を増大させるためにパクリタキセルおよび他のタキソイドによる腫瘍の処置の恩典を最大化させる戦略が明確に必要である。
本明細書において開示されるように、本発明者らは目下、アルベンダゾールが、ヒト癌細胞の増殖阻害の際にパクリタキセルの効果を増強することを見出した。この効果は、パクリタキセル感受性およびパクリタキセル耐性のヒト癌細胞の両方において観察される。本発明者らはまた、パクリタキセル耐性腫瘍細胞が、別のクラスの抗チューブリン作用物質の一員であるアルベンダゾールに高感受性であることも示した。当業者は、一種類の抗チューブリン作用物質に対する耐性を有する細胞は別の種類に対して等しい耐性を有することを予想していると考えられるため、このことは特に驚くべき知見である。本発明者らは、これが必ずしも事実というわけではないことを示した。
したがって、臨床環境において、アルベンダゾールをパクリタキセルに添加することにより、抗腫瘍効果を生じるのに必要なパクリタキセル用量の減少が導かれうる。さらに、パクリタキセル耐性腫瘍において、パクリタキセル処置計画の存在下または非存在下のいずれにおいても、アルベンダゾールを使用することによって、腫瘍反応性が導かれうり、かつしたがって以前は達成不能であった有益な治療的効果が導かれうる。本明細書において例示されるように、典型的にはパクリタキセル耐性の細胞系において、パクリタキセル感受性の細胞中で観察されたのと類似の応答を達成するために、パクリタキセル濃度が約50倍増大することが必要である。しかし、本発明者らは本明細書において、アルベンダゾールの存在下で、パクリタキセル感受性の細胞中で観察されるのと同様の応答を達成するためにこのパクリタキセル濃度を約25〜50倍低下できることを示す。すなわち、さもなくば無効な量のパクリタキセルにアルベンダゾールを添加することによって、有益な反応を生じることができる。
したがって、本発明の一つの局面によると、以下の段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法が提供される:
少なくとも一つのタキソイドの有効量、および、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その類縁体、代謝産物、もしくは誘導体の有効量を対象に投与する段階であって、
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SCN、-SO2R17、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される、段階。
典型的には、ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、式IIの化合物
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルであるか;
または式IIIの化合物
Figure 2008522984
式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である。
当業者は、上述のベンズイミダゾールカルバメート化合物の立体異性体および幾何異性体を含む異性体が存在しうり、かつそのような異性体の使用が本発明の範囲内に含まれることを容易に認識するであろう。さらに、上記の化合物の互変異性体型の使用もまた意図される。たとえば、置換されたベンズイミダゾール基もまた、R1置換基が4位〜7位のいずれか一つに存在する場合を含む、多くの互変異性体型で存在する。
本明細書において開示されるように、本発明者らはまた、パクリタキセルに対して高度に耐性を有しかつビンクリスチンおよびコルヒチンに対して部分的に耐性を有する癌細胞が、アルベンダゾールの抗増殖効果に対して高感受性であることを見出した。これは、アルベンダゾールなどのベンズイミダゾールカルバメートを使用することによって有糸分裂阻害剤に対して耐性または非感受性の腫瘍を処置するための、今まで認識されていなかった道を開くものである。現在、耐性は、耐性が発揮される薬剤の用量を増大させることによって戦っており(combat)、それによって毒性などの副作用のリスクが増大し、かつより大きな耐性の進行および療法の失敗へとつながる。パクリタキセルのなどの薬物に耐性のある腫瘍の処置におけるベンズイミダゾールカルバメートの臨床適用は、先行技術アプローチにおけるこれらの固有な欠点を克服するものである。
したがって、本発明のある局面により、少なくとも一つの上述の式I、II、またはIIIのベンズイミダゾールカルバメート化合物の有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法であって、腫瘍が一つまたは複数の有糸分裂阻害剤に非感受性である方法が提供される。たとえば腫瘍は、以下のタキサン、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイドの一つまたは複数、またはそれらの誘導体もしくは類縁体に対する、完全なまたは部分的な耐性を示しうる。
アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体、もしくは類縁体(例えばアルベンダゾールスルホキシドまたはアルベンダゾールスルホン)は、特に本発明の方法および組成物において有用な一つのベンズイミダゾールカルバメートである。しかし、その他のベンズイミダゾールカルバメートもまた使用されうることが、当業者には容易に認識されよう。例えばその他の適切なベンズイミダゾールカルバメートとしては、これらに限定される訳ではないが、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールが挙げられる。
典型的には、タキソイドを使用する本発明の方法および組成物において、タキソイドは、パクリタキセルまたはその代謝産物、誘導体、もしくは類縁体、あるいは、ドクリタキセルまたはその代謝産物、誘導体、もしくは類縁体である。しかし、その他のタキソイドもまた使用されうることが、当業者には容易に認識されよう。たとえば、パクリタキセルおよびドセタキセルの多数の誘導体が、現在、実験フェーズまたは臨床試験中である。このような誘導体が本発明の方法および組成物の範囲内であることが、当業者には理解されよう。
本発明はさらに、少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物を含む、薬学的組成物を提供する。典型的には、これらの組成物は本発明の方法にしたがって使用される。
本発明の方法により、所望の治療効果を提供するために、組み合わせの成分それぞれを、同時に、または任意の順番で連続的に、または異なる時点で投与してもよいことが、当業者には容易に認識されよう。別々に投与する場合、そうすることが必ずしも必要でなくても、成分を同じ投与経路で投与することが好ましい。または、組み合わせ製品として、成分を一緒に単位剤形に製剤化してもよい。
本発明の方法は、タキソイドに対する有害反応を有する患者のリスクを相殺するために、例えば前処理としての、一つまたは複数のコルチコステロイドおよび/または(ジフェンヒドラミンなどの)抗ヒスタミン剤の投与を更に含みうる。同様に、本発明の方法は、処置されるべき腫瘍に対するタキソイドおよび/またはベンズイミダゾールカルバメート化合物の効果の増強剤の一つまたは複数の投与を含みうる。このような投与は、タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物のどちらかまたは両方の投与に付随しうる。例えば、ベンズイミダゾールカルバメートの適切な増強剤は、プラジカンテルなどのイソキノリンである。
腫瘍
当業者は、タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメートそれぞれを用いた処置に影響を受けやすい任意の種類の腫瘍の処置において、本発明の方法および組成物が用途を見出すことを容易に認識するであろう。たとえば、本発明の方法および組成物を用いて処置されうる腫瘍は、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移を含む。
さらに、当業者は、パクリタキセル耐性腫瘍などのタキソイド耐性腫瘍の処置、およびビンカアルカロイドまたはコルヒチノイドを用いた処置に対して耐性の腫瘍の処置において、本発明が特定の用途を見出すことを認識するであろう。
組成物および投与経路
本発明の方法によると、化合物および組成物は任意の適切な経路によって、全身的、領域的(regionally)、または局所的に投与されうる。任意の所与の状況で使用される特定の投与経路は、処置されるべき腫瘍の性質、腫瘍の重篤度および範囲、送達される特定の化合物の必要な用量、ならびに化合物の潜在的副作用を含む、多くの要素に依存しうる。
例えば、処置されるべき体内の部位に適当な濃度の所望の化合物が直接的に送達されることが必要な状況において、投与は、全身的よりはむしろ領域的でありうる。領域的投与によって、必要な部位に所望の化合物をきわめて高い局所的濃度で送達する能力が提供され、したがってこれは、体内の他の臓器が化合物に曝露することを回避しかつそれによって潜在的に副作用を低減する一方で、所望の治療的または予防的な効果を達成するために適している。
例として、本発明の態様による投与は、腔内、膀胱内、筋肉内、動脈内、静脈内、皮下、局所、または経口を含む、任意の標準的経路によって達成されうる。腔内投与は、腹腔内または胸腔内でありうる。特定の態様において、投与は、静注または腹腔内投与を介してよい。
一般に、適切な組成物は当業者に公知の方法によって調製されうり、かつ薬学的に許容される希釈剤、アジュバント、および/または賦形剤を含みうる。希釈剤、アジュバント、および賦形剤は、組成物の他の成分と適合性を有するという点で「許容され」なければならず、かつ、そのレシピエントに対して有害であってはならない。
薬学的に許容される希釈剤の例とは、以下の通りである:脱塩水または蒸留水;生理食塩水;ピーナッツ油(peanut oil)、ベニバナ油、オリーブ油、綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ベニバナ油、オリーブ油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油などのゴマ油、落花生油(arachis oil)、またはヤシ油などの植物性の油;メチルポリシロキサン、フェニルポリシロキサン、およびメチルフェニルポリシロキサンなどのポリシロキサンを含むシリコン油;揮発性シリコン;流動パラフィン、固体パラフィン、またはスクアランなどの鉱油;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;低級アルカノール(alkanol)、たとえばエタノールまたはイソプロパノール;低級アラルカノール(aralkanol);低級ポリアルキレングリコールまたは低級アルキレングリコール、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコールまたはグリセリン;イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、またはオレイン酸エチルなどの脂肪酸エステル;ポリビニルピロリドン;寒天;カラギーナン;トラガカントゴムまたはアラビアゴム、ならびにワセリン。典型的には、一つまたは複数の担体は、組成物の1重量%から99.9重量%までを構成する。
注射可能溶液または懸濁液として投与するために、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または担体は、リンゲル液、中鎖トリグリセリド(MCT)、等張生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、エタノール、および1,2プロピレングリコールを含むことができる。たとえば、パクリタキセルについて一般的に使用される担体またはビヒクルは、Cremaphor ELである。典型的には、パクリタキセルは50% Cremaphor ELおよび50%エタノール中で調製される。
経口用途のための適切な担体、希釈剤、賦形剤、およびアジュバントの例の一部には、ピーナッツ油、流動パラフィン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガカントゴム、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ゼラチン、およびレシチンが含まれる。さらに、これらの経口製剤は、適切な着香剤および着色剤を含んでもよい。カプセル形態で使用する場合、カプセルを、崩壊を遅延させるモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの化合物で被覆してもよい。
典型的には、アジュバントは、緩和剤、乳化剤、濃化剤、保存剤、殺菌剤、および緩衝剤を含む。
経口投与用の固体剤形は、ヒトおよび獣医の薬学的プラクティスにおいて許容される結合剤、甘味料、崩壊剤、希釈剤、着香料、コーティング剤、保存剤、潤滑剤、ならびに/または時間遅延剤を含みうる。適切な結合剤には、アラビアゴム、ゼラチン、コーンスターチ、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム 、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはポリエチレングリコールが含まれる。適切な甘味料には、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、アスパルテーム、またはサッカリンが含まれる。適切な崩壊剤には、コーンスターチ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、グアールガム、キサンタンガム、ベントナイト、アルギン酸、または寒天が含まれる。適切な希釈剤には、乳糖、ソルビトール、マンニトール、デキストロース、カオリン、セルロース、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、またはリン酸二カルシウムが含まれる。適切な着香剤には、ハッカ油、冬緑油、サクランボ、オレンジまたはラズベリー着香料が含まれる。適切なコーティング剤には、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらのエステルの重合体もしくは共重合体、ロウ、脂肪アルコール、ゼイン、シェラックまたはグルテンが含まれる。適切な保存剤には、安息香酸ナトリウム、ビタミンE、α-トコフェロール、アスコルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベンまたは重亜硫酸ナトリウムが含まれる。適切な潤滑剤には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたはタルクが含まれる。適切な時間遅延剤には、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンが含まれる。
経口投与用の液体剤形は、上記の薬剤に加えて液体担体を含みうる。適切な液体担体には、水、オリーブ油などの油、ピーナッツ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、落花生油、ヤシ油、流動パラフィン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリセリン、脂肪アルコール、トリグリセリドまたはこれらの混合物が含まれる。
経口投与用の懸濁液は、分散剤および/または懸濁剤をさらに含みうる。適切な懸濁剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、またはアセチルアルコールが含まれる。適切な分散剤には、レシチン、ステアリン酸などの脂肪酸などのポリオキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンソルビトールモノ-またはジ-オレアート、-ステアレート-または-ラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ-またはジ-オレアート、-ステアレート-または-ラウレートなどが含まれる。
経口投与用の乳濁液は、一つまたは複数の乳化剤をさらに含みうる。適した乳化剤には、上記に例を挙げた分散剤、またはアラビアゴム、もしくはトラガカントゴムなどの天然ゴムが含まれる。
非経口的に投与しうる組成物を調製するための方法は当業者には明らかであり、その詳細は例えば、Remington's Pharmaceutical Science, 15th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa.,に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
組成物は、アニオン性の、カチオン性の、または、(ソルビタンエステルもしくはそのポリオキシエチレン誘導体などの)非イオン性の界面活性剤などの任意の適切な界面活性剤を組み込んでもよい。天然ゴム等の懸濁剤、セルロース誘導体、またはケイ質ケイ砂(silicaceous silica)などの無機物質、およびラノリンなどの他の成分を含めてもよい。
組成物はまた、リポソームの形態で投与されうる。リポソームは、一般にリン脂質またはその他の脂質物質に由来し、かつ、水性媒質中に分散する一枚膜または多重層水和脂質結晶として形成される。リポソームを形成することができる、非毒性の、生理学的に許容されかつ代謝可能な任意の脂質が利用可能である。リポソーム形態の組成物は、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含みうる。好ましい脂質は、天然および合成両方のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームを形成するための方法は当技術分野で公知であり、その内容が参照により本明細書に組み入れられるPrescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.Y. (1976), p. 33以下参照に特に関連する。
任意の特定の対象に対して投与される化合物の有効な用量レベルは、以下を含む様々な要素に依存しうる:処置される腫瘍の種類および腫瘍のステージ;使用される化合物の活性;使用される組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別、および食事;投与時間;投与経路;化合物の滞留(sequestration)速度;処置期間;医学分野で公知のその他関連する要素と共に処置と組み合わせてまたは同時に使用する薬物。
当業者は、適用可能な状態を処置するのに必要な有効な非毒性の用量を、日常的な実験により決定することが可能であろう。これらは、個別に決定されることが最も多い。
本発明の組成物に関して、タキソイドは組成物中に少なくとも約1pMの濃度で存在しうる。本組成物中のタキソイドの濃度は、約1pM〜約50nM、約0.01nM〜約10nM、約0.05nM〜約5nM、または約0.1nM〜約1nMでありうる。
ベンズイミダゾールカルバメート化合物は、本組成物中に少なくとも約0.005μMの濃度で存在しうる。本組成物中のベンズイミダゾールカルバメートの濃度は、約0.005μM〜約10μM、約0.01μM〜約1μM、約0.1μM〜約0.5μM、または約0.1μM〜約0.25μMでありうる。
一般に、患者に投与するための組成物の有効量は、24時間あたり約0.01mg〜約150mg/kg体重;典型的には、24時間あたり約0.1mg〜約150mg/kg体重;24時間あたり約0.1mg〜約100mg/kg体重;24時間あたり約0.5mg〜約100mg/kg体重;または24時間あたり約1.0mg〜約100mgの範囲内であると予想される。もっとも典型的には、有効量の範囲は24時間あたり約5mg〜約50mg/kg体重の範囲内であると予想される。
または、有効量は最大約5000mg/m2でありうる。一般に、有効量は、約10〜約5000mg/m2、典型的には約10〜約2500mg/m2、約25〜約2000mg/m2、約50〜約1500mg/m2、約50〜約1000mg/m2、または約75〜約600mg/m2の範囲内であると予想される。
さらに、個々の用量の最適な量および間隔は、処置される状態の性質および程度、投与の形態、経路、および部位、ならびに処置される特定の個人の性質によって決定されうることが、当業者には明らかであろう。また、従来技術によってそのような最適条件を決定することもできる。
規定日数の間に一日に与えられる組成物の用量の数などの処置の最適経路を、処置決定試験の従来経路を用いて当業者が確認できることも、当業者には明らかであろう。
ここで本発明をさらに、以下の具体的実施例を参照してより詳細に説明するが、これらはいかなる様式であっても本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。
実施例
実施例1-ヒト卵巣癌細胞へのパクリタキセルおよびアルベンダゾールの投与
ヒト卵巣癌細胞系OVCAR-3、SKOV-3、1A9、および1A9PTX22を使用した。OVCAR-3細胞およびSKOV-3細胞を、American Type Culture Collection (ATCC)から得て、ATCCのマニュアルに従ってそれぞれRPMI培地およびMcCoy5A培地で維持した。1A9は、ヒト卵巣癌細胞系A2780のクローンである(Sackett et al., 1997)。1A9PTX22は、Pgpアンタゴニストであるベラパミル5μg/mlの存在下でパクリタキセル5ng/mlに1A9細胞を曝露することによって、一段階選択において個別のクローンとして単離された、1A9細胞のパクリタキセル耐性サブクローンである(Giannakakou et al., 1997)。細胞は、15ng/mlパクリタキセルおよび5μg/mlベラパミル中で連続的に維持された。
スルホロダミンB(SRB)比色アッセイ法は、アルベンダゾール、パクリタキセル、またはそれらの組み合わせが腫瘍細胞の細胞毒性に与える効果をインビトロで試験するために使用された。
細胞を、対数期の培養物からトリプシン処理によって収集し、計数し、96ウェルプレートに播いた。5日間のアッセイの間の対数増殖を確実にするため、各細胞系についての最適な播種密度を決定した。播種密度は、OVCAR-3、SKOV-3、1A9、および1A9PTX22細胞それぞれについて、1ウェルあたり細胞5000個、1000個、400個、および3500個とした。96ウェル組織培養プレートに播いた細胞を、様々な濃度のアルベンダゾール、パクリタキセル、またはその2つの組み合わせを含む細胞培地100μlで処置した。アルベンダゾールおよびパクリタキセルはもともと、無水エタノール中で作製されており、その後細胞培地で希釈して、最終エタノール濃度1%の所望の薬物濃度を得た。処置培地を、一日おきに取り替えた。処置期間(5日間)の最後に、細胞タンパク質含量についてウェルをアッセイした。SRBアッセイ法は、わずかな改変を加えたSkehan et al. (1990)およびPapazisis et al. (1997)によって記載された方法に従って、実行された。10%冷トリクロロ酢酸100μlの添加による細胞固定の前に、培地を吸引した。4℃で1時間インキュベーションした後、細胞を水で5回洗浄した。次に、1%酢酸に溶解させた200μlの0.4%SRBで細胞を少なくとも15分間染色し、続いて1%酢酸で4回洗浄して、未結合の染色剤を除去した。プレートを放置して室温で乾燥させ、結合したタンパク質染色剤を100μlの10mM非緩衝(un-buffered)Tris基剤 [トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)] で可溶化させ、その後570nmでの吸光度(OD)を読み取った。
本試験において使用した4つの細胞系それぞれに関して、細胞を様々な濃度のアルベンダゾールまたはパクリタキセルと5日間インキュベーションすることによって、各系の感受性を最初に試験した。処置期間の最後にSRBアッセイを行い、薬物処置に対する細胞応答を決定した。
OVCAR-3細胞からのデータを図1に示すが、ここで、様々な用量のアルベンダゾールに対する応答が図1Aに示され、単独またはアルベンダゾール(0.25μM)と組み合わせた様々な用量のパクリタキセルに対する応答が図1Bに示されている。図1Bからわかるように、パクリタキセル含有インキュベーション培地に0.25μMアルベンダゾールを添加することにより、細胞増殖の完全な停止がもたらされる。
SKOV-3細胞(図2Aおよび図2B)は同様の様式で、アルベンダゾール、パクリタキセル、または組み合わせに応答した。パクリタキセルによる細胞増殖の用量応答性阻害は、アルベンダゾールとの同時インキュベーションにおいて大変に増強された。これらの細胞を0.01nMパクリタキセル単独で処理することによって細胞増殖が14.5%阻害され、0.25μMアルベンダゾール単独で処理することによって48.4%減少した。パクリタキセル(0.01nM)およびアルベンダゾール(0.25μM)を用いた同時インキュベーションにおいて、細胞増殖は69.4%減少した(パクリタキセル単独と比較してp<0.001)。
1A9細胞においてこの阻害効果はより強力であり(図3)、ここで、低濃度の0.1μMアルベンダゾール単独による処置(図3A)または0.1nMパクリタキセル単独による処置(図3B)はそれぞれ、11.8%および21.8%阻害をもたらした。これらの濃度の薬物2つを用いた細胞の同時インキュベーションは、増殖の87.7%阻害をもたらした(p<0.001)(図3C)。
1A9のパクリタキセル耐性亜系である1A9PTX22を様々な濃度のアルベンダゾールで処置することによって、一方では、アルベンダゾールに対するこれらの細胞の追加の感受性が示され(図4A)、かつ他方では、パクリタキセルに対する細胞の耐性の性質が確認された(図4B)。これらの結果から、親の系(1A9)と比べて、パクリタキセル耐性亜系1A9PTX22はアルベンダゾールに対して更により感受性が高いと考えられる。低濃度(0.1μM)のアルベンダゾールを、様々な濃度のパクリタキセルを含む培地に添加することは、細胞増殖に対して劇的な効果を有した(図4C)。1.0nMまたは5.0nMのパクリタキセル単独の添加によって細胞増殖は影響されなかったが、同じパクリタキセル濃度でにおいて、アルベンダゾール(0.1μM)との同時インキュベーションが、1.0nMパクリタキセルにおける細胞増殖の79.1%阻害につながり、5.0nMパクリタキセルにおける細胞増殖の99.1%阻害につながった。0.1μMでのアルベンダゾール単独による処置は、これらの細胞の増殖に対する53%阻害効果を有した。
実施例2-パクリタキセル耐性細胞系における交差耐性
パクリタキセルなどのタキソイドは、チューブリンを標的とする微小管形成阻害剤の1クラスである。更に十分特徴づけられたクラスのチューブリン結合薬物には、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびビノレルビンによって例証されるビンカアルカロイドがある。ビンカアルカロイドは、微小管の正常な重合を妨げることによって、細胞が適切に紡錘体を形成する能力を妨害する。これらは、白血病、リンパ腫、小細胞肺癌、および他の悪性病変の処置に重要である。コルヒチンを例とする第三のクラスの抗チューブリン薬物は、全てが、コルヒチン部位として知られるチューブリン上の共通部位へ結合しかつ微小管の正常な重合を妨害するという事実に関連する、構造的に多様な集まりの小分子からなる。
上記実施例1に記載されたように、本発明者らは、パクリタキセル耐性細胞系1A9PTX22が、パクリタキセル感受性の親系1A9と比較したアルベンダゾールの抗増殖効果に対する感受性の増大を示すことを示した。1A9PTX22細胞の特性を更に調べるため、本発明者らは、その他の2つのクラスの有糸分裂阻害剤の代表例、すなわちビンクリスチンおよびコルヒチンに対する、これらの細胞の感受性レベルを調べた。
96ウェル組織培養プレートに播いた1A9細胞および1A9PTX22細胞を、様々な濃度のビンクリスチンおよびコルヒチンを含む100μl細胞培地で72時間処理し、上述のSRBアッセイ法を行った。パクリタキセルについては(実施例1参照)、ビンクリスチンおよびコルヒチンの両方がもともと無水エタノール中で作製されており、その後細胞培地で希釈して、最終エタノール濃度1%の所望の薬物濃度を得た。結果を図5A(ビンクリスチン)および図5B(コルヒチン)に示す。ビンクリスチンおよびコルヒチン両方に対する1A9PTX22細胞の感受性の程度は、親細胞系1A9のそれと比べて有意に減少している。1A9PTX22の部分的耐性は、濃度5nM以上のビンクリスチンについておよび100nM以上のコルヒチンについては明らかである(p<0.001)。
実施例3-処置用組成物
本明細書において提供された本発明を実施するのに最良の形態にしたがって、具体的な好ましい組成物を以下で概説する。以下は、単なる組成物の説明用の例として見なされるべきであり、いかなる様式であっても本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
実施例3(A)-非経口投与のための組成物
非経口注射用の組成物は、10ml〜2Lの0.1〜10%カルボキシメチルセルロース中に0.05mg〜5gのアルベンダゾールおよび0.05mg〜5gのパクリタキセルを含むよう調製されうる。
同様に、静注用の組成物は、250mlの滅菌リンゲル液、0.05mg〜5gのアルベンダゾール、および0.05mg〜5gのパクリタキセルを含みうる。
実施例3(B)-経口投与のための組成物
カプセル形態の適切な薬剤の組成物は、標準的なツーピースの硬ゼラチンカプセルを、粉末形態の500mgのアルベンダゾール、500mgのパクリタキセル、100mgの乳糖、35mgのタルクおよび10mgのステアリン酸マグネシウムで満たすことにより調製されうる。
参考文献
Figure 2008522984
ここで、例示としてのみ以下の図面を参照して、本発明を説明する。
インビトロでのOVCAR-3細胞の増殖阻害におけるアルベンダゾールおよびパクリタキセルの細胞毒性活性。(A)アルベンダゾール単独による細胞増殖の用量応答性阻害。(B)パクリタキセルによる増殖の用量関連阻害、および細胞を0.25μMアルベンダゾールと同時インキュベーションした場合のこの効果の増強。細胞増殖を、スルホロダミンBアッセイ法を用いて計測した。結果は、%対照(ビヒクル処理された細胞)として示す。 インビトロでのSKOV-3細胞の増殖阻害におけるアルベンダゾールおよびパクリタキセルの細胞毒性活性。(A)アルベンダゾール単独による細胞増殖の用量応答性阻害。(B)パクリタキセルによる増殖の用量関連阻害、および細胞を0.25μMアルベンダゾールと同時インキュベーションした場合のこの効果の増強。細胞増殖を、スルホロダミンBアッセイ法を用いて計測した。結果は、%対照(ビヒクル処理された細胞)として示す。 インビトロでの1A9細胞の増殖阻害におけるアルベンダゾールおよびパクリタキセルの細胞毒性活性。(A)アルベンダゾール単独による細胞増殖の用量応答性阻害。(B)パクリタキセル単独による増殖の用量関連阻害。(C)1A9細胞と様々な用量のパクリタキセルおよび0.1μMアルベンダゾールとの同時インキュベーションの併用効果。細胞増殖を、スルホロダミンBアッセイ法を用いて計測した。結果は、%対照(ビヒクル処理された細胞)として示す。 インビトロでの1A9PTX22細胞の増殖阻害におけるアルベンダゾールおよびパクリタキセルの細胞毒性活性。(A)アルベンダゾール単独による細胞増殖の用量応答性阻害。(B)パクリタキセル単独による増殖の用量関連阻害。(C)1A9細胞と様々な用量のパクリタキセルおよび0.1μMアルベンダゾールとの同時インキュベーションの併用効果。細胞増殖を、スルホロダミンBアッセイ法を用いて計測した。結果は、%対照(ビヒクル処理された細胞)として示す。 インビトロでの1A9細胞および1A9PTX22細胞の増殖阻害におけるビンクリスチン(A)およびコルヒチン(B)の細胞毒性活性。示されたビンクリスチン(A)の濃度は、0.1nM、0.5nM、1nM、5nM、10nM、50nM、および100nMである。示されたコルヒチン(B)の濃度は、0.1nM、0.5nM、1nM、5nM、10nM、50nM、100nM、500nM、および1000nMである。スルホロダミンBアッセイ法を用いて細胞増殖を測定した。生存細胞(細胞成長)のパーセントを、非処理細胞(対照)の吸光度を100%と定義することによって計算した。値は、それぞれ少なくとも2回繰り返された8回の反復実験の平均±SDを示す。

Claims (48)

  1. 以下の段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法:
    少なくとも一つのタキソイドの有効量、および、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物の有効量または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体を対象に投与する段階であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
    R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される、段階。
  2. R1置換が5位または6位で起こる、請求項1記載の方法。
  3. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIの化合物である方法であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルである、
    請求項1または2記載の方法。
  4. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIIの化合物である方法であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である、
    請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項5記載の方法。
  7. タキソイドが、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 腫瘍が、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 腫瘍が、一つまたは複数の有糸分裂阻害剤を用いた処置に対して非感受性である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
  10. 一つまたは複数の有糸分裂阻害剤が、タキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイド(colchicinoid)から選択される、請求項9記載の方法。
  11. 腫瘍がタキソイド非感受性の腫瘍である、請求項9または10記載の方法。
  12. タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物が同時に投与される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメート化合物が連続して投与される、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
  14. タキソイドおよびベンズイミダゾールカルバメートが全身投与される、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 有効量のパクリタキセルおよび有効量のアルベンダゾールを対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法。
  16. パクリタキセルおよび有効量のアルベンダゾールを対象に全身投与する段階を含む、対象におけるタキソイド非感受性の腫瘍を処置するための方法。
  17. 単独で投与した場合には腫瘍を処置するのに効果のない量でパクリタキセルが投与される、請求項16記載の方法。
  18. 少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体を含む、薬学的組成物であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
    R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される、
    薬学的組成物。
  19. R1置換が5位または6位で起こる、請求項18記載の組成物。
  20. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIの化合物である組成物であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルである、
    請求項18または19記載の組成物。
  21. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIIの化合物である組成物であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である、
    請求項18〜20のいずれか一項記載の組成物。
  22. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールからなる群より選択される、請求項18〜21のいずれか一項記載の組成物。
  23. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項22記載の組成物。
  24. タキソイドが、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項18〜23のいずれか一項記載の組成物。
  25. パクリタキセルおよびアルベンダゾールを含む、薬学的組成物。
  26. 一つまたは複数の薬学的に許容される担体、アジュバント、または希釈剤を更に含む、請求項18〜25のいずれか一項記載の組成物。
  27. 少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物を含む、対象における腫瘍を処置するための組成物。
  28. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項27記載の組成物。
  29. タキソイドが、パクリタキセル、ドセタキセル、またはそれらの代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項27または28記載の組成物。
  30. 腫瘍が、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移である、請求項27〜29のいずれか一項記載の組成物。
  31. 腫瘍が、一つまたは複数の有糸分裂阻害剤を用いた処置に対して非感受性である、請求項27〜30のいずれか一項記載の組成物。
  32. 一つまたは複数の有糸分裂阻害剤が、タキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチンから選択される、請求項31記載の組成物。
  33. 腫瘍がタキソイド非感受性の腫瘍である、請求項31または32記載の組成物。
  34. パクリタキセルおよびアルベンダゾールを含む、対象におけるタキソイド非感受性の腫瘍を処置するための組成物。
  35. 請求項18〜34のいずれか一項記載の組成物の有効量を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法。
  36. 対象における腫瘍の処置用の薬物の製造のための、少なくとも一つのタキソイドおよび少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物の使用。
  37. 少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物または、その代謝産物、誘導体、もしくは類縁体の有効量を対象に投与する段階であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R2は、Hまたは置換されたもしくは非置換のアルキルから選択され、
    R3は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、そのヘテロ原子が一つもしくは複数のO、S、および/もしくはNから選択される5員環もしくは6員環の複素環、-SR14、-OR15、-SOR16、-SO2R17、-SCN、-C(O)-R18、-OR19、NR20COOR21から選択され、式中、R15〜R21はそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルから選択される
    段階を含む、対象における腫瘍を処置するための方法であって、腫瘍が一つまたは複数の有糸分裂阻害剤に非感受性である、方法。
  38. R1置換が5位または6位で起こる、請求項37記載の方法。
  39. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIの化合物である方法であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4であり、
    R21は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、またはアリールアルキルである、
    請求項37または38記載の方法。
  40. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が式IIIの化合物である方法であって、
    Figure 2008522984
    式中、R1は、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキル、-SR7、-SOR8、-SO2R9、-SCN、B'(CH2)nBR10、-C(O)-R11もしくは-OR12、COOR13、-NO2、NR13aCOOR13b、イソチオシアネート、または-CNから選択され、式中、R7〜R13bはそれぞれ独立して、H、置換されたまたは非置換の、直鎖状または分鎖状の、アルキル、アルケニル、アルケニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニルアルキル、アリール、アリールアルキルから選択され、BおよびB'は独立してO、S、S(O)またはSO2から選択され、かつnは1〜4である、
    請求項37〜39のいずれか一項記載の方法。
  41. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、アルベンダゾールスルホキシド、メベンダゾール、フルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オクスフェンベンダゾール、ルキサベンダゾール、カンベンダゾール、オキシベンダゾール、パルベンダゾール、チアベンダゾール、シクロベンダゾール、ドリベンダゾール、エチベンダゾール、およびフェンベンダゾールからなる群より選択される、請求項37〜40のいずれか一項記載の方法。
  42. ベンズイミダゾールカルバメート化合物が、アルベンダゾール、またはその代謝産物、誘導体もしくは類縁体である、請求項41記載の方法。
  43. 腫瘍が、一つまたは複数のタキソイド、ビンカアルカロイド、およびコルヒチノイドに非感受性である、請求項37〜42のいずれか一項記載の方法。
  44. 腫瘍がパクリタキセルに非感受性である、請求項43記載の方法。
  45. 腫瘍がビンクリスチンに非感受性である、請求項43記載の方法。
  46. 腫瘍がコルヒチンに非感受性である、請求項43記載の方法。
  47. 腫瘍が、肝臓、卵巣、結腸直腸、肺、小細胞肺、乳房、前立腺、膵臓、腎臓、胃、子宮内膜、食道、頭部もしくは頚部の腫瘍、腹膜癌腫症、白血病、リンパ腫、肉腫、またはそれらの二次転移である、請求項37〜46のいずれか一項記載の方法。
  48. 少なくとも一つの有糸分裂阻害剤に非感受性の腫瘍の処置用の薬物の製造のための、少なくとも一つの式Iのベンズイミダゾールカルバメート化合物の使用。
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