JP2015534984A - 中枢神経系の腫瘍の治療 - Google Patents
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Abstract
第一の抗腫瘍剤および第二の抗腫瘍剤で同時に治療したCNS癌患者に相乗的治療効果が得られ、ここでは、一方または両方の抗腫瘍剤を対流強化送達法により投与する。目的とする併用には、トポイソメラーゼ阻害剤、例えばトポテカンのCED送達およびトリアゼン、例えばテモゾロミドの全身送達が非限定的に含まれる。【選択図】なし
Description
政府の権利
本発明は、米国国立衛生研究所により授与された助成CA118816の下、政府の支援によりなされたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、米国国立衛生研究所により授与された助成CA118816の下、政府の支援によりなされたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、少なくとも2つの抗腫瘍剤の同時送達を含む、中枢神経系の腫瘍の治療に関するものであり、ここでは抗腫瘍剤のうちの1つを対流強化送達法により投与する。
毎年米国で診断されるすべての脳腫瘍のうち約半数が悪性神経膠腫であり、18か月以内に死に至るものである。神経膠腫はグリア細胞、最も多くは星状膠細胞から発生し、小脳、脳幹または視交叉を含めた脳または脊髄のあらゆる場所に生じる可能性がある。神経膠腫は、その成長特性に基づいて低悪性度神経膠腫および高悪性度神経膠腫の2つのグループに分けることができる。低悪性度神経膠腫は通常局在し、長い期間をかけて徐々に成長する。低悪性度神経膠腫の例としては、星状細胞腫、乏突起神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫が挙げられる。これらの低悪性度神経膠腫のほとんどが時間とともに、急速に成長するより悪性度の高い高悪性度神経膠腫に脱分化し、脳全体に容易に拡散し得る。高悪性度神経膠腫の例としては、未分化星状細胞腫および多形神経膠芽腫が挙げられる。
外科的切除、放射線療法および化学療法ならびにその組合せを含め従来の悪性神経膠腫の治療法に進歩がみられるが、悪性神経膠腫が予後不良に至ることに変わりはない。例えば、治療剤の全身送達では通常、全身副作用を伴うが、中枢神経系(CNS)に限界治療濃度が得られる程度であるため、全身治療の効果は少ない。トポイソメラーゼI阻害剤のイリノテカンとアルキル化剤のテモゾロミド(TMZ)の全身同時送達の治療効果を検討するべく新たに膠芽腫と診断された被験者を対象に2009年に実施された第II相臨床試験では、併用療法による臨床転帰はTMZ単独療法と同程度であるが、併用療法の方が毒性が高く耐容性が低いように思われた。Quinnら(2009)J.Neurooncol.95(3):393−400、題名「Phase II trial of temozolomide(TMZ)plus irinotecan(CPT−11)in adults with newly diagnosed glioblastoma multiforme before radiotherapy」。
したがって、許容される安全性プロファイルを有し、神経膠腫を含めたCNSの様々な癌の成長および転移の治療により効果的な治療剤が依然として必要とされている。
本明細書には、中枢神経系の癌の治療に驚くべき相乗効果を得るために治療剤を組み合わせる方法が開示される。本発明の方法は、抗腫瘍剤のうちの一方または両方を対流強化送達法(CED)により投与する、2つの抗腫瘍剤の同時送達の期間を提供する。
本発明の諸態様には、CNS腫瘍の成長を阻害し、CNS腫瘍を減少させ、CNS腫瘍細胞を殺滅し、かつ/またはCNS腫瘍のある患者を治療するための方法が含まれる。これらの方法は、患者に治療有効量の第一の抗腫瘍剤と第二の抗腫瘍剤とを投与することを含み、この方法では、少なくとも第一の抗腫瘍剤をCEDにより投与し、第一と第二の抗腫瘍剤の同時投与がCNS腫瘍の成長を阻害し、CNS腫瘍を減少させ、CNS腫瘍細胞を殺滅し、かつ/またはCNS腫瘍のある患者を治療する。
一実施形態では、第一の抗腫瘍剤はトポイソメラーゼI/II阻害剤を含めたトポイソメラーゼI阻害剤であり、好ましくはカンプトテカンまたはその誘導体である。好ましい実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はリポソームに封入されている。対象となるカンプトテシン誘導体としては、9−アミノカンプトテシン、7−エチルカンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、10,11−メスリエンジオキシカンプトテシン(methlyenedioxycamptothecin)、9−アミノ−10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、9−クロロ−10,11−メチレンジオキシカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、7−(4−メチルピペラジノメチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシン、7−(4−メチルピペラジノメチレン)−10,11−メチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシンおよび7−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチル)−(20S)−カンプトテシンからなる群より選択されるものが挙げられる。別の実施形態では、カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、トポテカン、(7−(4−メチルピペラジノメチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシン、7−(4−メチルピペラジノメチレン)−10,11−メチレンジオキシ−20(S)−カンプトテシンまたは7−(2−(N−イソプロピルアミノ)エチル)−(20S)−カンプトテシンからなる群より選択される。特に好ましい実施形態では、カンプトテシン誘導体は、リポソーム製剤に封入されたトポテカンである。
一実施形態では、第二の抗腫瘍剤はアルキル化剤である。好ましくは、第二の抗腫瘍剤は、ダカルバジンおよびTMZからなる群より選択されるトリアゼンである。特に好ましい実施形態では、第二の抗腫瘍剤はTMZである。
具体的には、本発明の方法は、テモゾロミド(TMZ)と、CEDにより投与するリポソーム封入トポイソメラーゼ阻害剤とを同時に投与すると相乗的治療効果をもたらすものである。いくつかの実施形態では、トポイソメラーゼ阻害剤はトポテカンである。いくつかの実施形態では、経口送達を非限定的に含めた全身投与によりTMZを投与する。他の実施形態では、TMZをCEDにより投与する。
本発明の特定の実施形態では、TMZを従来のプロトコルに従って投与し、ここでは、プロトコルは少なくとも1回のCEDによるリポソーム封入トポイソメラーゼI阻害剤の同時投与をさらに含む、すなわち、TMZを投与する期間の少なくとも一部においてリポソーム封入トポイソメラーゼI阻害剤をCEDにより投与する。トポイソメラーゼI阻害剤の同時投与はTMZ治療プロトコルのいずれの段階で実施してもよく、例えば、治療の初期段階、例えば最初の週、第2週、第3週、第4週、第5週、第6週などの段階の全期間または一部の期間;維持段階、例えば、初期段階および任意選択の治療休止の後の全期間または一部の期間ならびに維持療法のサイクルのいずれかまたは全部;あるいは初期段階と維持段階の両方で実施してもよい。TMZは全身に投与してもCEDにより投与してもよい。ほかの治療レジメンが除外されるわけではなく、例えば、同時初期段階は放射線照射、他の化学療法剤などを含み得る。
いくつかの実施形態では、CNSの癌は、多形神経膠芽腫(GBM)、未分化星状細胞腫、例えば再発性未分化星状細胞腫、乏突起神経膠腫などを含めた神経膠腫である。
本発明の方法は、アルキル化剤、例えばTMZと、CEDにより投与するリポソーム封入トポイソメラーゼ阻害剤、例えばtopoCEDとを一定期間同時に投与するとき、相乗的治療効果が得られるものである。本発明は相乗効果を裏付ける基礎により限定されるものではないが、治療の増強は部分的には、アルキル化剤によるトポイソメラーゼIのアップレギュレーションに起因する(Mainwaringら,“Sequential temozolomide followed by topotecan in the treatment of glioblastoma multiforme.”
Proc Am Soc Clin Oncol.2001;20:abstr 245を参照されたい)。したがって、トポイソメラーゼI阻害剤を同時に投与すると、アルキル化剤の効果が増大すると同時に、内因性の第二の治療剤がもたらされる。しかし、トポイソメラーゼ阻害剤、例えばトポテカンは耐容性のある全身薬物濃度で血液脳関門を通過することはなく、本来の形態でCNSに投与すると局所毒性を引き起こし得るため、十分な用量を脳および脳腫瘍に局所的に送達することができるリポソーム封入薬物のCED送達によってのみ、相乗効果の可能性が実現される。
Proc Am Soc Clin Oncol.2001;20:abstr 245を参照されたい)。したがって、トポイソメラーゼI阻害剤を同時に投与すると、アルキル化剤の効果が増大すると同時に、内因性の第二の治療剤がもたらされる。しかし、トポイソメラーゼ阻害剤、例えばトポテカンは耐容性のある全身薬物濃度で血液脳関門を通過することはなく、本来の形態でCNSに投与すると局所毒性を引き起こし得るため、十分な用量を脳および脳腫瘍に局所的に送達することができるリポソーム封入薬物のCED送達によってのみ、相乗効果の可能性が実現される。
中枢神経系の腫瘍
本明細書で使用される「CNS腫瘍」または「CNSの腫瘍」は、対象のCNSの原発性または悪性腫瘍、例えば、CNS内での細胞の異常成長を指す。異常に成長するCNSの細胞は、CNSに本来存在する細胞または他の組織に由来する細胞であり得る。
本明細書で使用される「CNS腫瘍」または「CNSの腫瘍」は、対象のCNSの原発性または悪性腫瘍、例えば、CNS内での細胞の異常成長を指す。異常に成長するCNSの細胞は、CNSに本来存在する細胞または他の組織に由来する細胞であり得る。
神経膠腫は最もよくみられるCNSの原発性腫瘍である。多形神経膠芽腫(GBM)は神経膠腫のなかでも最も頻度が高く最も悪性のものである。小児よりも成人の方がGBMの発生頻度がはるかに高い。米国中央脳腫瘍登録(Central Brain Tumor Registry of the United States)の統計報告によると、GBMは米国の脳腫瘍全体の約20%を占める(CBTRUS,1998−2002)。その他のCNS腫瘍としては、特に限定されないが、線維性(びまん性)星状細胞腫、毛様細胞性星状細胞腫、多形黄色星状細胞腫を含む星状細胞腫ならびに脳幹神経膠腫、乏突起神経膠腫、上衣腫およびこれに関連する脳室周囲の腫瘤病変、神経細胞腫瘍、髄芽腫を含む未分化新生物、原発性脳リンパ腫、胚細胞腫瘍、松果体実質腫瘍を含むその他の実質腫瘍、髄膜腫、転移性腫瘍、傍腫瘍性症候群、シュワン細胞腫、神経線維腫および悪性末梢神経鞘腫(悪性シュワン細胞腫)を含む末梢神経鞘腫瘍を含めたその他の神経膠腫が挙げられる。
抗腫瘍剤
本発明で使用するのに適した抗腫瘍剤としては、特に限定されないが、天然の抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、血管新生阻害剤、分化誘導試薬、小分子酵素阻害剤、生体応答修飾物質および抗転移剤が挙げられる。
本発明で使用するのに適した抗腫瘍剤としては、特に限定されないが、天然の抗腫瘍剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、血管新生阻害剤、分化誘導試薬、小分子酵素阻害剤、生体応答修飾物質および抗転移剤が挙げられる。
天然の抗腫瘍剤は、抗有糸分裂剤、抗腫瘍性抗生物質、カンプトテシン類似体および酵素を含む。本明細書での使用に適した抗有糸分裂剤としては、特に限定されないが、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンのようなビンカアルカロイドならびにその類似体および誘導体が挙げられる。これらはマダガスカルニチニチソウに由来し、通常、細胞周期のM期に特異的で、癌細胞の微小管のチューブリンと結合する。本明細書での使用に適したその他の抗有糸分裂剤にはポドフィロトキシンがあり、これには特に限定されないが、エトポシド、テニポシドならびにその類似体および誘導体が含まれる。これらの試薬は主として細胞周期のG2期および後期S期を標的とするものである。
天然の抗腫瘍剤にはこのほか、抗腫瘍性抗生物質がある。抗腫瘍性抗生物質とは、通常は癌細胞DNAとの相互作用により抗腫瘍特性を示す抗菌剤のことである。本明細書での使用に適した抗腫瘍性抗生物質としては、特に限定されないが、ベロマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プリカマイシンならびにその類似体および誘導体が挙げられる。
天然の抗腫瘍剤の分類にはほかにも、本明細書での使用に適したカンプトテシン類似体および誘導体が含まれ、カンプトテシン、トポテカンおよびイリノテカンが挙げられる。これらの薬剤は、主として核酵素のトポイソメラーゼIを標的とすることによって作用する。天然の抗腫瘍剤のまた別のサブクラスには酵素のL−アスパラギナーゼおよびその変異体がある。L−アスパラギナーゼは、循環血中のアスパラギンからアスパラギン酸とアンモニアへの加水分解を触媒することにより一部の癌細胞からL−アスパラギンを奪うことによって作用する。
アルキル化剤
アルキル化剤は癌細胞のDNAなどの高分子のアルキル化を介して作用することが知られており、通常、強力な求電子剤である。この活性はDNA合成および細胞分裂を破綻させ得る。本明細書での使用に適したアルキル化試薬の例としては、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、メクロレタミン塩酸塩、メルファランおよびウラシルマスタードを含めたナイトロジェンマスタードならびにその類似体および誘導体が挙げられる。アルキル化剤のその他の例としては、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジンおよびTMZ)、エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、アルトレタミンおよびチオテパ)およびメチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)が挙げられる。アルキル化剤のグループにはカルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含むアルキル化様白金含有薬物が含まれる。
アルキル化剤は癌細胞のDNAなどの高分子のアルキル化を介して作用することが知られており、通常、強力な求電子剤である。この活性はDNA合成および細胞分裂を破綻させ得る。本明細書での使用に適したアルキル化試薬の例としては、シクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、メクロレタミン塩酸塩、メルファランおよびウラシルマスタードを含めたナイトロジェンマスタードならびにその類似体および誘導体が挙げられる。アルキル化剤のその他の例としては、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジンおよびTMZ)、エチレンイミン/メチルメラミン(例えば、アルトレタミンおよびチオテパ)およびメチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)が挙げられる。アルキル化剤のグループにはカルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含むアルキル化様白金含有薬物が含まれる。
トポイソメラーゼ阻害剤
DNAトポイソメラーゼとは、複製、転写および修復を含めた多数の極めて重要な過程でDNAを弛緩させるのに不可欠な酵素のことである。トポイソメラーゼにはトポイソメラーゼIとトポイソメラーゼIIの2種類がある。カンプトテシンならびにイリノテカンおよびトポテカンを含めたその関連化合物は最も重要なトポイソメラーゼIの阻害剤である。さらに、カンプトテシンと構造的に関連のあるトポイソメラーゼI阻害剤がいくつか開発されており、このようなものとしては、BNP1350、SN38、9−アミノ−カンプトテシン、ルルトテカン、ギマテカン、ジフロモテカンなどのいくつかのホモカンプトテシンならびに通常20S−ヒドロキシまたは10−ヒドロキシを介した、例えばカルボキシメチルデキストラン、ポリ−L−グタミン酸(gutamic acid)、ポリエチレングリコールなどとのいくつかのコンジュゲート、例えばT−0128、DX−310、CT−2106およびProtecanなどが挙げられる。
DNAトポイソメラーゼとは、複製、転写および修復を含めた多数の極めて重要な過程でDNAを弛緩させるのに不可欠な酵素のことである。トポイソメラーゼにはトポイソメラーゼIとトポイソメラーゼIIの2種類がある。カンプトテシンならびにイリノテカンおよびトポテカンを含めたその関連化合物は最も重要なトポイソメラーゼIの阻害剤である。さらに、カンプトテシンと構造的に関連のあるトポイソメラーゼI阻害剤がいくつか開発されており、このようなものとしては、BNP1350、SN38、9−アミノ−カンプトテシン、ルルトテカン、ギマテカン、ジフロモテカンなどのいくつかのホモカンプトテシンならびに通常20S−ヒドロキシまたは10−ヒドロキシを介した、例えばカルボキシメチルデキストラン、ポリ−L−グタミン酸(gutamic acid)、ポリエチレングリコールなどとのいくつかのコンジュゲート、例えばT−0128、DX−310、CT−2106およびProtecanなどが挙げられる。
本明細書で使用される「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語には、特に限定されないが、アントラサイクリンのドキソルビシン(リポソーム製剤を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン、アントラキノンのイトキサントロン(itoxantrone)およびロソキサントロンならびにポドフィロトキシンのエトポシドおよびテニポシドが含まれる。
代謝拮抗剤
代謝拮抗性抗腫瘍剤は天然の代謝産物と構造的に類似しており、核酸およびタンパク質の合成などの癌細胞の正常な代謝過程に関与する。代謝拮抗性抗腫瘍剤は癌細胞の代謝過程を阻害する程度に天然の代謝産物と異なっている。本発明に使用するのに適した代謝拮抗性抗腫瘍剤は、それが影響を及ぼす代謝過程によって分類することができ、このようなものとして、特に限定されないが、葉酸、ピリミジン、プリンおよびシチジンの類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適した薬剤のうち葉酸グループとしては、特に限定されないが、メトトレキサート(アメトプテリン)、ペメトレキセドならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したピリミジン剤としては、特に限定されないが、シタラビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−フルオロウラシル)、カペシタビン、ゲムシタビンならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したプリン剤としては、特に限定されないが、メルカプトプリン(6−メルカプトプリン)、ペントスタチン、チオグアニン、クラドリビンならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したシチジン剤としては、特に限定されないが、シタラビン(シトシンアラビノドシド(cytosine arabinodside))、アザシチジン(5−アザシチジン)ならびにその類似体および誘導体が挙げられる。
代謝拮抗性抗腫瘍剤は天然の代謝産物と構造的に類似しており、核酸およびタンパク質の合成などの癌細胞の正常な代謝過程に関与する。代謝拮抗性抗腫瘍剤は癌細胞の代謝過程を阻害する程度に天然の代謝産物と異なっている。本発明に使用するのに適した代謝拮抗性抗腫瘍剤は、それが影響を及ぼす代謝過程によって分類することができ、このようなものとして、特に限定されないが、葉酸、ピリミジン、プリンおよびシチジンの類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適した薬剤のうち葉酸グループとしては、特に限定されないが、メトトレキサート(アメトプテリン)、ペメトレキセドならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したピリミジン剤としては、特に限定されないが、シタラビン、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−フルオロウラシル)、カペシタビン、ゲムシタビンならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したプリン剤としては、特に限定されないが、メルカプトプリン(6−メルカプトプリン)、ペントスタチン、チオグアニン、クラドリビンならびにその類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したシチジン剤としては、特に限定されないが、シタラビン(シトシンアラビノドシド(cytosine arabinodside))、アザシチジン(5−アザシチジン)ならびにその類似体および誘導体が挙げられる。
血管新生阻害剤
血管新生阻害剤は腫瘍の血管新生を阻害することによって作用する。血管新生阻害剤は、小分子剤、抗体剤およびRNAの機能を標的とする薬剤を含めた多種多様な薬剤を包含する。本明細書での使用に適した血管新生阻害剤の例としては、特に限定されないが、ラニビズマブ、ベバシズマブ、SU11248、PTK787、ZK222584、CEP−7055、アンジオザイム、ダルテパリン、サリドマイド、スラミン、CC−5013、コンブレタスタチンA4ホスファート、LY317615、ダイズイソフラボン、AE−941、インターフェロンアルファ、PTK787/ZK222584、ZD6474、EMD121974、ZD6474、BAY543−9006、セレコキシブ、ハロフジノン臭化水素酸塩、ベバシズマブ、その類似体、変異体または誘導体が挙げられる。
血管新生阻害剤は腫瘍の血管新生を阻害することによって作用する。血管新生阻害剤は、小分子剤、抗体剤およびRNAの機能を標的とする薬剤を含めた多種多様な薬剤を包含する。本明細書での使用に適した血管新生阻害剤の例としては、特に限定されないが、ラニビズマブ、ベバシズマブ、SU11248、PTK787、ZK222584、CEP−7055、アンジオザイム、ダルテパリン、サリドマイド、スラミン、CC−5013、コンブレタスタチンA4ホスファート、LY317615、ダイズイソフラボン、AE−941、インターフェロンアルファ、PTK787/ZK222584、ZD6474、EMD121974、ZD6474、BAY543−9006、セレコキシブ、ハロフジノン臭化水素酸塩、ベバシズマブ、その類似体、変異体または誘導体が挙げられる。
分化誘導剤
分化誘導剤は、癌細胞の分化を誘導する機序を介して腫瘍成長を阻害する。本明細書での使用に適したこのような薬剤のサブクラスとしては、特に限定されないが、ビタミンA類似体またはレチノイドおよびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アゴニスト(PPAR)が挙げられる。本明細書での使用に適したレチノイドとしては、特に限定されないが、ビタミンA、ビタミンAアルデヒド(レチナール)、レチノイン酸、フェンレチニド、9−シス−レチノイド酸、13−シス−レチノイド酸、全トランス−レチノイン酸、イソトレチノイン、トレチノイン、パルミチン酸レチニル、その類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したPPARのアゴニストとしては、特に限定されないが、トログリタゾン、シグリタゾン、テサグリタザル、その類似体および誘導体が挙げられる。
分化誘導剤は、癌細胞の分化を誘導する機序を介して腫瘍成長を阻害する。本明細書での使用に適したこのような薬剤のサブクラスとしては、特に限定されないが、ビタミンA類似体またはレチノイドおよびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アゴニスト(PPAR)が挙げられる。本明細書での使用に適したレチノイドとしては、特に限定されないが、ビタミンA、ビタミンAアルデヒド(レチナール)、レチノイン酸、フェンレチニド、9−シス−レチノイド酸、13−シス−レチノイド酸、全トランス−レチノイン酸、イソトレチノイン、トレチノイン、パルミチン酸レチニル、その類似体および誘導体が挙げられる。本明細書での使用に適したPPARのアゴニストとしては、特に限定されないが、トログリタゾン、シグリタゾン、テサグリタザル、その類似体および誘導体が挙げられる。
小分子酵素阻害剤
ある特定の小分子治療剤は、チロシンキナーゼ酵素活性または上皮成長因子受容体(「
EGFR」)もしくは血管内皮成長因子受容体(「VEGFR」)などの特定の細胞受容体の下流シグナル伝達シグナルを標的とすることができる。このような小分子治療剤による標的化は抗癌効果をもたらし得る。本明細書での使用に適したこのような薬剤の例としては、特に限定されないが、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、ZD6474、ソラフェニブ(BAY43−9006)、ERB−569ならびにその類似体および誘導体が挙げられる。
ある特定の小分子治療剤は、チロシンキナーゼ酵素活性または上皮成長因子受容体(「
EGFR」)もしくは血管内皮成長因子受容体(「VEGFR」)などの特定の細胞受容体の下流シグナル伝達シグナルを標的とすることができる。このような小分子治療剤による標的化は抗癌効果をもたらし得る。本明細書での使用に適したこのような薬剤の例としては、特に限定されないが、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、ZD6474、ソラフェニブ(BAY43−9006)、ERB−569ならびにその類似体および誘導体が挙げられる。
生体応答修飾物質
ある特定のタンパク質または小分子剤は、直接的な抗腫瘍作用または間接的な作用を介して抗癌治療に使用することができる。本明細書での使用に適した直接作用型の薬剤の例としては、特に限定されないが、レチノイドおよびレチノイド誘導体などの分化誘導試薬が挙げられる。本明細書での使用に適した間接作用型の薬剤としては、特に限定されないが、免疫をはじめとするシステムを修飾または増強する薬剤、例えばインターフェロン、インターロイキン、造血成長因子(例えば、エリスロポエチン)および抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)などが挙げられる。
ある特定のタンパク質または小分子剤は、直接的な抗腫瘍作用または間接的な作用を介して抗癌治療に使用することができる。本明細書での使用に適した直接作用型の薬剤の例としては、特に限定されないが、レチノイドおよびレチノイド誘導体などの分化誘導試薬が挙げられる。本明細書での使用に適した間接作用型の薬剤としては、特に限定されないが、免疫をはじめとするシステムを修飾または増強する薬剤、例えばインターフェロン、インターロイキン、造血成長因子(例えば、エリスロポエチン)および抗体(モノクローナルおよびポリクローナル)などが挙げられる。
抗転移剤
癌細胞が原発腫瘍部位から体内の他の場所に拡散する過程を癌転移と呼ぶ。ある特定の薬剤には、癌細胞の拡散を阻害するよう設計された抗転移特性がある。本明細書での使用に適したこのような薬剤の例としては、特に限定されないが、マリマスタット、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、エルロチニブ、MMI−166、GRN163L、ハンターキラーペプチド、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質(TIMP)、その類似体、誘導体および変異体が挙げられる。
癌細胞が原発腫瘍部位から体内の他の場所に拡散する過程を癌転移と呼ぶ。ある特定の薬剤には、癌細胞の拡散を阻害するよう設計された抗転移特性がある。本明細書での使用に適したこのような薬剤の例としては、特に限定されないが、マリマスタット、ベバシズマブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、エルロチニブ、MMI−166、GRN163L、ハンターキラーペプチド、組織メタロプロテイナーゼ阻害物質(TIMP)、その類似体、誘導体および変異体が挙げられる。
送達および剤形
本明細書に開示される方法では、少なくとも第一の抗腫瘍剤、例えばトポイソメラーゼ阻害剤をリポソーム封入形態でCEDにより投与する。第二の抗腫瘍剤はCEDにより投与しても、例えば経口剤形として全身投与してもよい。したがって、本発明のまた別の態様は、第一の抗腫瘍剤と第二の抗腫瘍剤とを含む医薬組成物(1つまたは複数)の製剤化および投与経路に関する。このような医薬組成物を使用してCNSの癌を治療することができる。
本明細書に開示される方法では、少なくとも第一の抗腫瘍剤、例えばトポイソメラーゼ阻害剤をリポソーム封入形態でCEDにより投与する。第二の抗腫瘍剤はCEDにより投与しても、例えば経口剤形として全身投与してもよい。したがって、本発明のまた別の態様は、第一の抗腫瘍剤と第二の抗腫瘍剤とを含む医薬組成物(1つまたは複数)の製剤化および投与経路に関する。このような医薬組成物を使用してCNSの癌を治療することができる。
個々の単位投与剤形の調製に医薬組成物を用いることができる。本発明の医薬組成物および剤形は、第一の抗悪性腫瘍剤および/または第二の抗腫瘍剤またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、クラスレートもしくはプロドラッグを含む。本発明の医薬組成物および剤形は1つまたは複数の添加剤をさらに含み得る。
本発明の単位投与剤形は、患者に経口的(例えば、経鼻、舌下、経膣、バッカルまたは経直腸)、非経口的(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内または動脈内)、局所的(例えば、点眼剤をはじめとする眼科用製剤)、経真皮的または経皮的に投与するのに適したものである。剤形の例としては、特に限定されないが:錠剤;カプレット剤;軟ゼラチンカプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ;分散液剤;坐剤;散剤;エアゾール剤(例えば、鼻噴霧剤または吸入剤);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性または非水性液体懸濁剤、水中油型乳剤または油中水型液体乳剤)、液剤およびエリキシル剤を含めた患者への経口または経粘膜投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液体剤形;局所投与に適した点眼剤をはじめとする眼科用製剤;ならびに復元して患者への非経口投与に適した液体剤形にすることができる無菌固体(例えば、結晶性または非晶質固体)が挙げられる。いくつかの実施形態では、第一の抗腫瘍剤はリポソーム製剤であり、第二の抗腫瘍剤は経口剤形である。
リポソーム製剤
本明細書で使用される「リポソーム」は、取り込まれた水性部分を含有する脂質二重膜を指す。リポソームは、単一の膜二重層を有する一枚膜小胞または水層によって互いに分離された多数の膜二重層を有する多重膜小胞であり得る。リポソーム二重層は一般に、疎水性「尾部」領域と親水性「頭部」領域とを有する2つの脂質単層からなる。膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性(非極性)「尾部」が二重層の中心の方を向き、親水性(極性)「頭部」が取り込まれた水性部分またはリポソーム外の水性環境の方を向くようになっている。
本明細書で使用される「リポソーム」は、取り込まれた水性部分を含有する脂質二重膜を指す。リポソームは、単一の膜二重層を有する一枚膜小胞または水層によって互いに分離された多数の膜二重層を有する多重膜小胞であり得る。リポソーム二重層は一般に、疎水性「尾部」領域と親水性「頭部」領域とを有する2つの脂質単層からなる。膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性(非極性)「尾部」が二重層の中心の方を向き、親水性(極性)「頭部」が取り込まれた水性部分またはリポソーム外の水性環境の方を向くようになっている。
「リポソーム製剤」は、治療薬および/または診断剤の一部または全部がリポソーム内部に封入されている製剤であると理解される。リポソーム製剤に関して本明細書で使用される「〜から実質的になる」は、記載される脂質成分のみを有し、ほかの脂質成分は全く有さないリポソームを指す。
「リン脂質」は、グリセロールのヒドロキシル基のうち1つがリン酸でエステル化され、他の2つのヒドロキシルが互いに同じものまたは異なるものであり得る長鎖脂肪酸でエステル化されている、グリセロールの両親媒性誘導体を意味するものであると理解される。
飽和リン脂質は、脂肪酸が炭素間の単共有結合(多共有結合ではない)のみを有するものである。
中性リン脂質は一般に、別のリン酸ヒドロキシルが、極性基(通常、ヒドロキシルまたはアミン)によって置換されたアルコールでエステル化され、正味電荷が生理的pHにおいてゼロとなるものである。
アニオン性リン脂質は一般に、別のリン酸ヒドロキシルが、極性基によって置換されたアルコールでエステル化され、正味電荷が生理的pHにおいて負となるものである。
「荷電飽和リン脂質」という表現には、荷電飽和リン脂質が含まれるほか、正味電荷がゼロではないその他の両親媒性化合物が含まれる。このような両親媒性化合物としては、特に限定されないが、極性基(例えば、アミン)によって置換された長鎖ヒドロ炭酸塩誘導体および脂肪酸の誘導体が挙げられる。本明細書に記載されるリポソーム製剤、例えば、このような製剤を含む医薬組成物は、能動的または受動的充填法を含めた様々な方法で形成され得る。例えば、膜pH勾配充填技術を用いて1つまたは複数の治療薬および/または診断剤を封入し得る。リポソームの二重層内外の膜電位差を利用してリポソームに治療薬を充填する一般的な方法は当業者に周知である(例えば、米国特許第5,171,578号;同第5,077,056号;および同第5,192,549号)。
いくつかの実施形態では、薬物の封入にペグ化リポソームを用いる。他の実施形態では、封入に非ペグ化リポソームを用いる。
非ペグ化リポソームの形成に使用する脂質成分は、典型的にはリン脂質およびステロールを含めた様々な小胞形成脂質から選択され得る(例えば、米国特許第5,059,421号および同第5,100,662号)。例えば、卵黄、ダイズをはじめとする植物または動物組織に由来するリン脂質、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリンなど;その混合物、例えば卵黄リン脂質、ダイズリン脂質など;その水素化生成物;および合成リン脂質、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファ
チジルグリセロールなどを使用し得る。
チジルグリセロールなどを使用し得る。
一実施形態では、2つ以上の非ペグ化脂質、例えば、中性リン脂質とアニオン性リン脂質の混合物を含む、非ペグ化アニオン性リポソームを用いる。一実施形態では、中性リン脂質は、ホスファチジルコリンの誘導体およびその組合せ、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)およびその組合せからなる群より選択される。一実施形態では、アニオン性リン脂質は、ホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸の誘導体およびその組合せ、例えば、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびホスファチジルセリンエステルと様々な飽和脂肪酸との混合物(PS)からなる群より選択される。リポソームの安定化をはじめとする目的のために、ステロール(例えば、コレステロール)、α−トコフェロール、リン酸ジセチル、ステアリルアミンなどを添加し得る。
ペグ化リン脂質は、リン脂質の親水性部分(極性頭部)と共有結合したPEGを含み得る。リン脂質と結合していないPEG鎖の末端は、ヒドロキシル基、メチルもしくはエチルなどの短鎖を有するエーテルまたは酢酸もしくは乳酸などの短鎖を有するエステルであり得る。PEG結合リン脂質分子のPEG鎖の長さは、平均重合度で望ましくは5〜1000モル、より好ましくは40〜200モルの範囲内にある。PEGとリン脂質との間に共有結合を生じさせるためには、リン脂質の極性部分に反応−活性官能基が必要である。官能基としては、ホスファチジルエタノールアミンのアミノ基、ホスファチジルグリセロールのヒドロキシル基、ホスファチジルセリンのカルボキシル基などが挙げられるが、好ましくはホスファチジルエタノールアミンのアミノ基を用いる。リン脂質の反応−活性官能基とPEGとの間に共有結合を形成させるため、シアヌル酸クロリド、カルボジイミド、酸無水物、グルタルアルデヒドなどとの反応を含めた当該技術分野で公知の様々な化学反応を用い得る。
脂質層内にPEG結合リン脂質を有するリポソームを調製するために、予めPEG結合リン脂質とリポソーム形成脂質とを均一に混合しておき、この脂質混合物を従来の方法によって処理しリポソームを形成し得る。PEG結合リン脂質とリポソーム形成脂質との混合比は、主要成分のリン脂質に対するモル比で0.1〜50モル%、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜5モル%である。
ペグ化または非ペグ化リポソームでは、最初にエタノール、t−ブタノール、その混合物などの有機溶媒に脂質を溶かし、穏やかに加熱(例えば、60℃〜70℃)し得る。脂質を溶かすために、予め加熱した水溶液を加えながら激しく攪拌してもよい。例えば、150〜300mMの緩衝剤を含有する溶液を加えてもよい。使用し得る緩衝剤としては、特に限定されないが、硫酸アンモニウム、クエン酸塩、マレイン酸塩およびグルタミン酸塩が挙げられる。混合後、得られた多重膜小胞(「MLV」)を加熱し、押出装置から押し出してMLVを一枚膜リポソーム小胞に変換し得る。最初に脂質の溶解に使用した有機溶媒は、リポソーム調製物から透析、ダイアフィルトレーションなどによって除去され得る。
膜pH勾配充填法を用いて、1つまたは複数の治療薬および/または診断剤をリポソームに封入し得る。リポソーム外部の溶液のpHを上昇させることにより、リポソーム二重層の内外にpHの差が生じる。その結果、リポソーム二重層の内外に膜電位差が発生し、この膜電位差によって1つまたは複数の治療薬および/または診断剤がリポソーム内に充填される。
一般に、脂質に対する治療薬および/または診断剤の比は約0.01〜約0.5(wt/wt)である。一実施形態では、脂質に対する治療薬および/または診断剤の比は約0.1である。別の実施形態では、脂質に対する治療薬および/または診断剤の比は約0.3である。一実施形態では、膜イオン勾配により小胞を調製し、治療剤または診断剤の封入が起こる条件下、弱酸または弱塩基の治療薬および/または診断剤とインキュベートする。別の実施形態では、治療薬および/または診断剤の存在下で小胞を調製し、未封入の材料を透析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーまたはダイアフィルトレーションによって除去する。
充填に好適な実施形態は米国特許第5,192,549号に基づくものであり、外部媒質からアンモニウムを除去するものである。その結果、膜内外にアンモニウムの濃度勾配が生じてpH勾配が発生する。小胞に薬物を添加し、高温でインキュベーションして「遠隔」充填する。
実質的に不透過性の薬剤(例えば、ガドジアミドなどの診断剤)を用いる好ましい実施形態では、薬剤がリポソームの作製に使用した緩衝液中に存在し、小胞形成時に受動的に封入される。この好ましい方法はほかにも、メトトレキサートなどの他の双性イオン性薬物に適用される。これに対して、弱塩基(および弱酸)ではリポソーム内に遠隔充填することができる。
本明細書に記載されるリポソーム製剤はCNS領域へのCEDに使用され得るものであり、CEDによりCNS内への大きい組織分布容積を得ることができる。したがって、リポソーム製剤をCNS障害の治療に使用し得る。このようなCNS障害としては、特に限定されないが、CNS腫瘍、例えば膠芽腫、星状細胞腫などが挙げられる。
好ましい実施形態では、第一の抗腫瘍剤、例えばトポテカンをリポソーム製剤としてCEDにより投与する。例えば、米国特許公開第20110274625号を参照されたい。
経口剤形
経口投与に適した本発明の医薬組成物、例えばTMZは、特に限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤および液剤(例えば、風味を付けたシロップ剤)などの個別の剤形として提供することができる。このような剤形は所定量の抗腫瘍剤を含有し、当業者に周知の製薬法によって調製し得る。一般的にはRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,Mack Publishing,Easton Pa.(1990)を参照されたい。
経口投与に適した本発明の医薬組成物、例えばTMZは、特に限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセル剤および液剤(例えば、風味を付けたシロップ剤)などの個別の剤形として提供することができる。このような剤形は所定量の抗腫瘍剤を含有し、当業者に周知の製薬法によって調製し得る。一般的にはRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,Mack Publishing,Easton Pa.(1990)を参照されたい。
本発明の典型的な経口剤形は、従来の医薬品調合技術に従って、TMZと少なくとも1つの添加剤とを密に混合することによって調製する。添加剤は、投与が望まれる製剤の形態に応じて多種多様な形態をとり得る。例えば、経口液またはエアゾール剤形での使用に適した添加剤としては、特に限定されないが、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤および着色剤が挙げられる。経口固形剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤およびカプレット剤)での使用に適した添加剤の例としては、特に限定されないが、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤が挙げられる。
錠剤およびカプセル剤は投与が容易であるため最も有利な経口投与単位であり、この場合、固体の添加剤を用いる。必要に応じて、標準的な水性または非水性の技術により錠剤をコーティングすることができる。このような剤形は任意の製薬法によって調製することができる。一般に、抗腫瘍剤と液体担体、微粉化した固体担体またはその両方とを均一か
つ密に混合した後、必要に応じて製品を所望の体裁に成形することによって医薬組成物および剤形を調製する。
つ密に混合した後、必要に応じて製品を所望の体裁に成形することによって医薬組成物および剤形を調製する。
本発明の経口剤形に使用し得る添加剤の例としては、特に限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤および滑沢剤が挙げられる。医薬組成物および剤形での使用に適した結合剤としては、特に限定されないが、コーンスターチ、バレイショデンプンをはじめとするデンプン、ゼラチン、アラビアゴムなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、その他のアルギン酸塩、トラガカント末、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、予めゼラチン化したデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶性セルロースならびにその混合物が挙げられる。
本明細書に開示される医薬組成物および剤形での使用に適した充填剤の例としては、特に限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、予めゼラチン化したデンプンおよびその混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物の結合剤または充填剤は通常、医薬組成物または剤形の約50〜約99重量パーセントで存在する。
本発明の医薬組成物および剤形に使用し得る崩壊剤としては、特に限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、その他のデンプン、予めゼラチン化したデンプン、その他のデンプン、粘土、その他のアルギン、その他のセルロース、ゴムおよびその混合物が挙げられる。
本発明の医薬組成物および剤形に使用し得る滑沢剤としては、特に限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、その他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレアート(ethyl laureate)、寒天およびその混合物が挙げられる。ほかの滑沢剤としては、例えば、syloidシリカゲル(メリーランド州ボルチモアのW.R.Grace社が製造するAEROSIL200)、合成シリカの凝固エアロゾル(テキサス州ピアノのDegussa社が販売)、CAB−O−SIL(マサチューセッツ州ボストンのCabot社が販売する焼成二酸化ケイ素製品)およびその混合物が挙げられる。滑沢剤を使用する場合、通常、それを組み込む医薬組成物または剤形の約1重量パーセント未満の量で使用する。
対流強化送達法
CEDとは、総体流の機序を利用して臨床的に有意な体積の固形組織に高分子を送達し分布させる、頭蓋内に薬物を直接送達するための技術のことである。CEDは単純な拡散よりも大きい分布容積が得られ、特異的標的部位に治療薬を向かわせるよう設計されたものである。例えば、その開示が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第5,720,720号を参照されたい。簡潔に述べると、CEDは、血液脳関門を回避し、薬物を充填したリポソームなどの大分子量の物質を脳の定められた領域内に均一にかつ制御された方法で投与できる方法である(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/740,548号を参照されたい)。CEDを用いれば、組
織内に直接カテーテルを挿入し、加圧下で薬剤をカテーテルから所定の流速、例えば、約0.1μL/分〜約12μL/分で間質腔内に投与することによって、直接的な対流による組織内注入により所定の時間にわたって、流体抗腫瘍剤(例えば、リポソーム製剤中の抗腫瘍剤)を固形組織(例えば、脳腫瘍)に投与することができる。
CEDとは、総体流の機序を利用して臨床的に有意な体積の固形組織に高分子を送達し分布させる、頭蓋内に薬物を直接送達するための技術のことである。CEDは単純な拡散よりも大きい分布容積が得られ、特異的標的部位に治療薬を向かわせるよう設計されたものである。例えば、その開示が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第5,720,720号を参照されたい。簡潔に述べると、CEDは、血液脳関門を回避し、薬物を充填したリポソームなどの大分子量の物質を脳の定められた領域内に均一にかつ制御された方法で投与できる方法である(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/740,548号を参照されたい)。CEDを用いれば、組
織内に直接カテーテルを挿入し、加圧下で薬剤をカテーテルから所定の流速、例えば、約0.1μL/分〜約12μL/分で間質腔内に投与することによって、直接的な対流による組織内注入により所定の時間にわたって、流体抗腫瘍剤(例えば、リポソーム製剤中の抗腫瘍剤)を固形組織(例えば、脳腫瘍)に投与することができる。
流体抗腫瘍剤(例えば、医薬組成物として)の投与に使用し得る適切な装置は、流体抗腫瘍剤を満たしたリザーバーを収納したポンプ装置を含み得る。ポンプは体外に存在することもあれば、体内に埋め込まれていることもある。ポンプは、CNS内の個別の組織(1つまたは複数)内に留置し得るカテーテルと接続され得る。ポンプを作動させると、溶質が特定の組織内を対流する程度の圧力および流速で流体抗腫瘍剤が放出され得る。
注入の持続時間をはじめとするパラメータを調節して、個別の組織(1つまたは複数)からその個別の組織(1つまたは複数)に隣接する領域にわたって流体抗腫瘍剤が分布するが、脳脊髄液内には分布しないようにすることができる。個別の組織(1つまたは複数)の大きさおよび形状に応じて、複数の留置された注入カテーテルを使用するか、溶液出口ポートが複数ある注入カテーテルを使用することが必要な場合がある。
CEDを用いて、陽圧下で細いカニューレから流体抗腫瘍剤を緩徐注入によって間質腔内に分布させ得る。ポンプに由来する静水圧によって生じる総体流を用いて、CNSの細胞外間隙内に流体抗腫瘍剤を分布させ得る。CEDの使用により、流体抗腫瘍剤をカニューレの先端から直接神経組織内に分布させることが可能であるため、血液脳関門を迂回し、従来の術前評価によって、例えば癌性であることが明らかにされているか、切除が必要であることが確認されており、2つ以上の病巣が治療を必要とする場合に異なる病巣内にある個別の組織を含め、CNSの個別の組織を標的とし得る。総体流の特性に基づき、CEDを用いて、流体抗腫瘍剤を様々な体積にわたって確実、安全かつ均一に分布させ得る。例えば、米国特許出願第11/740,508号を参照されたい。さらに、CEDは注入組織に構造的または機能的な損傷を引き起こすことがなく、流体抗腫瘍剤の分布の制御性がより優れている。さらに、リポソーム製剤中の流体抗腫瘍剤を、リポソーム製剤に含まれるリポソームの分子量に関係なく注入体積に比例する分布容積全体に均一に分布させ得る。
一実施形態では、いくつかの実施形態で皮下において経皮ポートと接続された極細送達カテーテルを含む送達システム(例えば、のちに記載する通り、新規な「段付き」設計でポリウレタンおよび溶融シリカから構成される)を留置し得る。この送達システムは迅速に生体と一体化し得るとともに、細菌の侵入を防ぐため内部で密閉されフィルターを備え、さらなる安全を期してキャップが装着され得る。このカテーテルシステムのポートから流体抗腫瘍剤が必要に応じて注入され得る。
本明細書に記載される一実施形態では、脳領域に永久的に留置した小径カテーテルを有する注入ポンプを用いてCEDを適用し得る。投与する流体抗腫瘍剤は水性等張溶液またはその他のしかるべき製剤として調製し得る。投与時(例えば、注入時)、リポソーム溶液は細胞外間隙内を流れ、脳組織にもたらされる損傷が最小限または皆無となり得る。
一実施形態では、経皮CED送達用に特別に設計され、極細(先端部のODが0.2mm)で外傷性が最小限に抑えられたカテーテルシステムを使用する。このカテーテルシステムは、カテーテルの側面に沿った溶液の逆流を解消し得る段付き設計になっている。このような溶液漏出は角型カテーテルの主要な問題点である。カテーテルシステムは、生体適合性が高くMRIシグナルに緩衝しないようポリウレタンおよび溶融シリカまたはPeek Optimaから構成され得る。CNS障害の治療には流体抗腫瘍剤を様々な間隔で、例えば、週1回の間隔、月1回の間隔などで再投与を必要とし得る。例えば、その開
示が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許出願第11/740,124号を参照されたい。任意選択で経皮ポートが存在する場合、投与しない期間はキャップを装着しておくことができる。複数のカテーテルの使用が実現可能であるため、単一のカテーテルで実現されるよりも広い領域の個別の組織(1つまたは複数)を還流することが可能となり得る。CED注入後のリポソームの分布容積には注入した溶液体積と直線的な関係があることがわかっている。
示が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許出願第11/740,124号を参照されたい。任意選択で経皮ポートが存在する場合、投与しない期間はキャップを装着しておくことができる。複数のカテーテルの使用が実現可能であるため、単一のカテーテルで実現されるよりも広い領域の個別の組織(1つまたは複数)を還流することが可能となり得る。CED注入後のリポソームの分布容積には注入した溶液体積と直線的な関係があることがわかっている。
特に好ましいカニューレについては、その全体が参照により本明細書に組み込まれるKrauzeら,J Neurosurg.November 2005;103(5):923−9のほか、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0088295A1号およびその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0135945A1号に開示されている。一実施形態では、CEDは約0.1μL/分〜約10μL/分の注入速度を含む。別の実施形態では、CEDは約0.5μL/分超、より好ましくは約0.7μL/分超、より好ましくは約1μL/分超、より好ましくは約1.2μL/分超、より好ましくは約1.5μL/分超、より好ましくは約1.7μL/分超、より好ましくは約2μL/分超、より好ましくは約2.2μL/分超、より好ましくは約2.5μL/分超、より好ましくは約2.7μL/分超、より好ましくは約3μL/分超、かつ好ましくは約12μL/分未満、より好ましくは約10μL/分未満の注入速度を含む。
好ましい実施形態では、CEDは、送達時に「ステッピング」またはアップタイトレーションと称する流速の漸増を含む。好ましくは、ステッピングは約0.1μL/分〜約10μL/分の注入速度を含む。
好ましい実施形態では、ステッピングは、約0.5μL/分超、より好ましくは約0.7μL/分超、より好ましくは約1μL/分超、より好ましくは約1.2μL/分超、より好ましくは約1.5μL/分超、より好ましくは約1.7μL/分超、より好ましくは約2μL/分超、より好ましくは約2.2μL/分超、より好ましくは約2.5μL/分超、より好ましくは約2.7μL/分超、より好ましくは約3μL/分超、かつ好ましくは約12μL/分未満、より好ましくは約10μL/分未満の注入速度を含む。
好ましい実施形態では、CEDは、送達時に「ランピング」またはアップタイトレーションと称する流速の連続的増大を含む。好ましくは、ランピングは約0.0μL/分〜約10μL/分の注入速度を含む。
好ましい実施形態では、ランピングは、約0.5μL/分超、より好ましくは約0.7μL/分超、より好ましくは約1μL/分超、より好ましくは約1.2μL/分超、より好ましくは約1.5μL/分超、より好ましくは約1.7μL/分超、より好ましくは約2μL/分超、より好ましくは約2.2μL/分超、より好ましくは約2.5μL/分超、より好ましくは約2.7μL/分超、より好ましくは約3μL/分超、かつ好ましくは約12μL/分未満、より好ましくは約10μL/分未満の注入速度を含む。
同時送達
「同時送達」、「同時に送達する」または「同時療法」という用語は、送達方法に関係なく少なくとも2つの抗腫瘍剤を同時に、すなわち、互いに同じ時間にまたは同じ期間内に投与する場合に使用される。このような同時送達により、第一および第二の抗腫瘍剤が、抗腫瘍剤をそれぞれ単独で送達した場合にはみられない相乗的治療効果をもたらすことが可能になる。同時投与は、例えば、単回投与、複数回投与、定められた計画用量レジメンなどで一定期間実施する。適切な期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か
月、6か月、7か月、8か月などであり得る。
「同時送達」、「同時に送達する」または「同時療法」という用語は、送達方法に関係なく少なくとも2つの抗腫瘍剤を同時に、すなわち、互いに同じ時間にまたは同じ期間内に投与する場合に使用される。このような同時送達により、第一および第二の抗腫瘍剤が、抗腫瘍剤をそれぞれ単独で送達した場合にはみられない相乗的治療効果をもたらすことが可能になる。同時投与は、例えば、単回投与、複数回投与、定められた計画用量レジメンなどで一定期間実施する。適切な期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か
月、6か月、7か月、8か月などであり得る。
本発明の特定の実施形態では、TMZを、例えば現在用いられているプロトコルに従い、全身投与またはCEDにより長期間にわたって投与し得る。TMZを投与する期間の少なくとも一部において、topoCEDを非限定的に含めたCEDにより投与されるリポソーム封入トポイソメラーゼI阻害剤を同時に投与する。同時投与は、治療の初期段階、例えば最初の週、第2週、第3週、第4週、第5週、第6週などの段階の全期間または一部の期間;維持段階、例えば、初期段階および任意選択の治療休止の後の全期間または一部の期間ならびに維持療法のサイクルのいずれかまたは全部;あるいは初期段階と維持段階の両方で実施してもよい。ほかの治療レジメンが除外されるわけではなく、例えば、同時初期段階は放射線照射、他の化学療法剤などを含み得る。
本明細書で参照される特許および特許公開公報はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
当業者であれば、上述の説明を読めば何らかの修正点および改善点を考えつくであろう。このような修正点および改善点はすべて、簡潔性および可読性を考慮して本明細書から削除されているが、のちの特許請求の範囲内に適切に収まるものであることを理解するべきである。
実験
実施例1
トポイソメラーゼI阻害剤トポテカンを封入した対流可能な非ペグ化リポソーム製剤(topoCED)およびTMZの全身送達によって、膠芽腫の治療のための相乗的な併用療法が得られた。動物試験では、図1に示される通り、併用療法によりヒト腫瘍の異種移植モデルにおいて個体の寿命が増大した。重要なことに、本発明の併用療法によって治療した6個体のうち5個体に文字通りの腫瘍の消失が認められ、6個体目には残存腫瘍のみが認められた。
実施例1
トポイソメラーゼI阻害剤トポテカンを封入した対流可能な非ペグ化リポソーム製剤(topoCED)およびTMZの全身送達によって、膠芽腫の治療のための相乗的な併用療法が得られた。動物試験では、図1に示される通り、併用療法によりヒト腫瘍の異種移植モデルにおいて個体の寿命が増大した。重要なことに、本発明の併用療法によって治療した6個体のうち5個体に文字通りの腫瘍の消失が認められ、6個体目には残存腫瘍のみが認められた。
トポテカンはこれまで、放射線療法またはパクリタキセルと併用する全身薬剤として多くの臨床試験で試験されてきた。このような試験の結果は全体として、腫瘍細胞を殺滅できる高濃度の全身トポテカンを送達すると、許容できない全身毒性が生じることを示唆している。図2に示される通り、遊離薬物の代わりにtopoCEDを腫瘍に注入することによって、毒性が大幅に軽減される。
結論として、in vivoのU87MG頭蓋内げっ歯類異種移植モデルを用いてリポソーム封入トポテカンと全身TMZとを併用すると膠芽腫に対して有意な効果が得られる。
材料および方法
リポソームはジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびコレステロール(chol)からなり、全脂質をt−ブタノール/エタノール/水に溶かして加熱した後、硫酸アンモニウム溶液に加えて多重膜小胞(MLV)を形成させることにより調製した。MLVを押し出して大きい一枚膜小胞(LUV)にした後、限外ろ過によって濃縮し、次いで透析ろ過して溶媒を除去し緩衝液を交換した。LUV懸濁液に溶液を添加することによってトポテカンをリポソーム内に充填し、トポテカン濃度を約1mg/mlにした。
リポソームはジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)およびコレステロール(chol)からなり、全脂質をt−ブタノール/エタノール/水に溶かして加熱した後、硫酸アンモニウム溶液に加えて多重膜小胞(MLV)を形成させることにより調製した。MLVを押し出して大きい一枚膜小胞(LUV)にした後、限外ろ過によって濃縮し、次いで透析ろ過して溶媒を除去し緩衝液を交換した。LUV懸濁液に溶液を添加することによってトポテカンをリポソーム内に充填し、トポテカン濃度を約1mg/mlにした。
TMZの組織中濃度を決定するため、生体雄Sprague−Dawleyラットを記
載される通りに治療した。示される時点でラットを屠殺した。脳を摘出して氷上に置き、脳を解剖し、組織をホモジナイズして凍結させた後、有効性が認められた逆相HPLC法を用いて薬物濃度を分析した。
載される通りに治療した。示される時点でラットを屠殺した。脳を摘出して氷上に置き、脳を解剖し、組織をホモジナイズして凍結させた後、有効性が認められた逆相HPLC法を用いて薬物濃度を分析した。
ヒト多形神経膠芽腫細胞系U87MGを異種移植片移植実験に使用した。10%ウシ胎仔血清、抗生物質(ストレプトマイシン100μg/ml、ペニシリン100U/ml)および非必須アミノ酸を添加したイーグルの最小必須培地で細胞を単層として維持した。空気が95%、二酸化炭素が5%の空気を加湿し37℃で細胞を培養した。腫瘍接種手術当日に細胞を回収するものとした。
先天性胸腺欠損のホモ接合雄ヌードラットを無菌条件下で飼育した。頭蓋内異種移植腫瘍モデルには、上に記載したU87MG細胞を腫瘍接種当日に回収し、移植用にCa2+およびMg2+を含まないハンクス平衡塩類溶液(HBSS)に再懸濁させた。標的細胞懸濁液を胸腺欠損ラットの脳の右線条体領域内に片側だけ移植した。イソフルラン麻酔下でラットを定位固定フレーム(David Kopf Instruments、Tujunga、CA、USA)に載せ、イヤーバーおよび切歯バーにより頭部の位置を固定した。頭頂部の皮膚を長軸方向に切開し、鈍的剥離を用いて頭蓋を覆う結合組織を除去した。ブレグマの前方0.5mm、側方3.0mmの位置にドリルでバーホールを開けた。しかるべき背腹座標を用いて、U87MG細胞懸濁液を軟膜表面から右線条体内に定位的に注入した。腫瘍接種後、皮膚をステープルで閉じた。治療を実施しない場合の移植後の生存期間は約0〜30日であると予想された。
実施例2
グレードIIIのイヌ星状細胞腫におけるtopoCEDのCED。図3に示される通り、T2強調画像の腫瘍発生源を含む大量に注入された高信号領域(灰色丸)は尾状核に位置していた(A)。腫瘍細胞を含む2つの領域(黒で囲まれた部分)は最小限の注入のみ実施した。注入領域と非注入領域で腫瘍性細胞の存在を比較するため、LFBおよびHEで染色した対応する脳切片を光学顕微鏡で検討した(B)。注入領域に腫瘍性細胞の著しい減少が認められた(C)。少量だけ注入した領域の腫瘍性細胞は数が多く、増殖性の固体腫瘍として組織化されていた(D)。このような細胞増殖の著明な差は細胞のMIB−1抗体に対する反応性に明確に現れていた。
グレードIIIのイヌ星状細胞腫におけるtopoCEDのCED。図3に示される通り、T2強調画像の腫瘍発生源を含む大量に注入された高信号領域(灰色丸)は尾状核に位置していた(A)。腫瘍細胞を含む2つの領域(黒で囲まれた部分)は最小限の注入のみ実施した。注入領域と非注入領域で腫瘍性細胞の存在を比較するため、LFBおよびHEで染色した対応する脳切片を光学顕微鏡で検討した(B)。注入領域に腫瘍性細胞の著しい減少が認められた(C)。少量だけ注入した領域の腫瘍性細胞は数が多く、増殖性の固体腫瘍として組織化されていた(D)。このような細胞増殖の著明な差は細胞のMIB−1抗体に対する反応性に明確に現れていた。
実施例3
10%ウシ胎仔血清、抗生物質(ストレプトマイシン100μg/ml、ペニシリン100U/ml)および非必須アミノ酸を添加したイーグルの最小必須培地でヒト多形神経膠芽腫細胞系U87MGを単層として維持した。空気が95%、二酸化炭素が5%の空気を加湿し37℃で細胞を培養した。
10%ウシ胎仔血清、抗生物質(ストレプトマイシン100μg/ml、ペニシリン100U/ml)および非必須アミノ酸を添加したイーグルの最小必須培地でヒト多形神経膠芽腫細胞系U87MGを単層として維持した。空気が95%、二酸化炭素が5%の空気を加湿し37℃で細胞を培養した。
細胞を濃度50〜200μMのTMZに48時間にわたって曝露した後、洗浄し、免疫沈降させ、ゲルで泳動した。結果を図7に示すが、この結果は、TMZ濃度の増大に伴ってトポイソメラーゼI発現が明らかにアップレギュレートされることを示している。このアップレギュレーションは、TMZとトポテカンなどのトポイソメラーゼI阻害剤との間の相乗効果に説得力のある説明を与えるものであるが、実施例1に記載したように全身投与によるTMZとCED投与によるtopoCEDを同時に使用するまで、このような相乗効果がin vivoで観察されたことはなかったことに留意することが重要である。
Claims (17)
- 必要とする患者の中枢神経系(CNS)腫瘍を治療する方法であって、
前記患者にリポソームに封入した治療有効量のトポイソメラーゼ阻害剤を対流強化送達法(CED)により投与することと、
治療有効量のアルキル化剤と
を含む方法。 - 前記CNS腫瘍が神経膠腫である、請求項1に記載の方法。
- 前記神経膠腫が多形神経膠芽腫である、請求項2に記載の方法。
- 前記神経膠腫が未分化星状細胞腫である、請求項2に記載の方法。
- 前記神経膠腫が乏突起神経膠腫である、請求項2に記載の方法。
- 前記トポイソメラーゼ阻害剤がカンプトテカンまたはその誘導体である、請求項1に記載の方法。
- 前記トポイソメラーゼ阻害剤がトポテカンである、請求項6に記載の方法。
- 前記アルキル化剤がテモゾロミドまたはダカルバジンである、請求項1に記載の方法。
- 前記アルキル化剤がテモゾロミドである、請求項8に記載の方法。
- 前記テモゾロミドを経口投与する、請求項9に記載の方法。
- 前記テモゾロミドをCEDにより投与する、請求項9に記載の方法。
- 前記トポイソメラーゼ阻害剤とアルキル化剤とを一定期間、同時に送達する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記アルキル化剤を投与する期間の少なくとも一部の期間、前記トポイソメラーゼ阻害剤を同時に投与する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 前記同時投与の期間が、治療の初期段階の全部または一部である、請求項12または13に記載の方法。
- 前記同時投与の期間が、治療の維持段階の全部または一部である、請求項12または13に記載の方法。
- 前記同時投与の期間が、治療の初期段階および維持段階の両方の全部または一部である、請求項12または13に記載の方法。
- 併用が相乗効果をもたらす、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
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