この発明の像を受容する要素は、順番に、支持体、少なくとも一つのポリオレフィンの樹脂のコーティング、及び、その樹脂で被覆された支持体の両側に被覆された、少なくとも一つのトナー受容体の層、を含むが、それにおいては、前記のトナー受容体の層は、溶融器の油の吸収剤の添加物及び熱可塑性の重合体を含むと共に、前記の溶融器の油の吸収剤の添加物は、前記の層の10重量パーセントよりも大きい量で存在するものである。
ここにおいて使用されたような用語“支持体”は、紙、ポリエステル、ビニル、合成紙、繊物、又は、像の目視の他の適切な材料のような像作成する要素の主な部分である基部又は基体の材料を指す。本発明における使用のための支持体は、典型的には像作成する用途に使用された、いずれの支持体であることもある。典型的な支持体は、織物、紙、及び重合体のシートであることもある。その支持体は、透明な又は不透明な、反射性の又は非反射性のもののいずれかであることもある。ここにおいて使用されたような用語“透明な”は、顕著な偏移又は吸収無しに放射を通過させる能力を意味する。不透明な支持体は、平凡な紙、被覆された紙、合成紙、低い密度の泡のコアに基づいた支持体、及び、低い密度の泡のコアに基づいた紙を含む。その支持体は、また、Teslin(R)の商品名でPPG Industries,Inc.,Pittsburgh,Pennsylvaniaによって販売されたポリエチレン重合体を含有する材料、Tyvek(R) の合成紙(DuPont Corp.)、Duraform(R)のような含浸された紙、及びOPPalyte(R)のフィルム(Mobil Chemical Co.)、並びに、米国特許第5,244,861号明細書において列挙された他の複合のフィルムのような、微孔性の材料からなることができる。透明な支持体は、ガラス、セルロースエステル、セルロース=トリアセタート、セルロース=ジアセタート、セルロース=アセタート=プロピオナート、セルロース=アセタート=ブチラートのような、セルロースの誘導体、ポリ(エチレンテレフタラート)、ポリ(エチレンナフタラート)、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタラート、ポリ(ブチレンテレフタラート)、及びそれらの共重合体のような、ポリエステル類、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボナート類、ポリスチレン、ポリエチレン又はポリプロピレンのような、ポリオレフィン類、ポリスルホン類、ポリアクリラート類、ポリエーテルイミド類、並びに、それらの混合物を含む。上に列挙された紙は、印画紙のような、高級な紙から、新聞用紙のような、低級な紙までの、広い範囲の紙を含む。本発明において使用される支持体は、約50μmから約500μmまでの、好ましくは、約75μmから約300μmまでの、厚さを有することもある。
本発明の像作成する支持体は、いずれの数の補助的な層をも、例えば機能的な層、を含むことができる。このような補助的な層は、結束層又は付着を促進する層、搬送層、障壁層、重ね継ぎを提供する層、UV吸収層、及び防水処理層を含むこともある。
好ましくはその支持体に被覆されるポリオレフィンの樹脂は、当技術において知られたいずれの適切な融解押し出しの被覆可能なポリオレフィンの材料でもあることができる。ポリオレフィンの樹脂のコーティングに適切な重合体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン、及びそれらの混合物を含む。ポリエチレン、ポリプロピレン、並びに、ヘキサン、ブテン、及びオクテンから誘導されたポリオレフィン類の共重合体を含む、ポリオレフィンの共重合体は、また、有用なものである。そのポリオレフィンは、また、ポリエチレンテレフタラート、のような、ポリエステル類、ポリスルホン類、ポリウレタン類、ポリビニル類、ポリカーボナート類、セルロース=アセタート及びセルロース=プロピオナートのような、セルロースエステル類、並びに、ポリアクリラート類を含む一つ又はより多くの共重合体と共重合させられることもある。共重合可能な単量体の具体的な例は、ビニル=ステアラート、ビニル=アセタート、アクリル酸、メチル=アクリラート、エチル=アクリラート、アクリルアミド、メタクリル酸、メチル=メタクリラート、エチル=メタクリラート、メタクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、及び、塩化ビニルを含む。
ポリエチレンは、それが、費用において低いものであると共に望ましいコーティングの性質を有すると、支持体の形成において紙を被覆するためには、好適なものである。好適なポリオレフィン類は、フィルムを形成すると共に紙に対して付着性のものである。使用可能なポリオレフィン類は、高い密度のポリエチレン、低い密度のポリエチレン、直鎖の低い密度のポリエチレン、及び、ポリエチレンのブレンドを含むこともある。0.910g/cm3から0.980g/cm3までの範囲における密度を有するポリエチレンは、特に好適なものである。ポリプロピレンのような、ポリオレフィンの樹脂は、また、その紙の支持体の一方の又は両方の側へ薄層にさせられると共に自由選択で二軸性に配向させられることもある。
その支持体についての要求された光学的な性質を与えるために、その支持体のそのポリオレフィンの樹脂の層に白色の顔料を組み込むことは、望ましいことである。例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化ジルコニウム、白鉛、硫酸鉛、塩化鉛、アルミン酸鉛、フタル酸鉛、三酸化アンチモン、白色ビスマス、酸化スズ、白色マンガン、白色タングステン、及びそれらの組み合わせのような、いずれの適切な白色の顔料が、それらポリオレフィンの樹脂の層に組み込まれることもある。その好適な顔料は、それの高い屈折率の理由のために、二酸化チタン(TiO2)であると共に、それは、合理的な費用で優れた光学的な性質を与える。その顔料は、そのポリオレフィン内に便利に分散させられるいずれの形態でも使用される。その好適な顔料は、アナタース型の二酸化チタンである。その最も好適な顔料は、それが、最も低い費用で最も高い屈折率を有するという理由のために、ルチル型の二酸化チタンである。ルチル型のTiO2の平均の顔料の直径は、最も好ましくは、0.1μmから0.26μmの範囲にある。0.26μmよりも大きいものである顔料は、像作成する要素の用途には黄色過ぎるものであると共に、0.1μmよりも小さいものである顔料は、重合体に分散させられたとき、必ずしも十分に不透明ではない。好ましくは、その白色の顔料は、そのポリオレフィンのコーティングの合計の重量に基づいた、約10重量パーセントから約50重量パーセントまで範囲で用いられるべきできる。10パーセントのTiO2未満では、その像作成する系は、必ずしも十分に不透明ではないことになると共に、劣等の光学的な性質を有することになる。50パーセントのTiO2を超えると、そのポリマーのブレンドは、製造可能なものではない。
TiO2の表面を、水酸化アルミニウム、フッ化物の化合物又はフッ化物イオンを備えたアルミナ、フッ化物の化合物又はフッ化物イオンを備えたシリカ、水酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ホウ素、(米国特許第4,781,761号明細書に記載されたもののような)ボリアで変性させられたシリカ、リン酸塩、酸化亜鉛、又はZrO2のような無機化合物で、及び、多価のアルコール、多価のアミン、金属石けん、チタン酸アルキル、ポリシロキサン類、又は、シラン類のような、有機処理で、処理することができる。それら有機及び無機TiO2の処理を、単独で、又は、いずれの組み合わせでも、使用することができる。その表面処理剤の量は、好ましくは、その二酸化チタンの重量に対して、その無機処理については0.2%から2.0%まで、及び、その有機処理については0.1%から1%まで、の範囲にある。これらのレベルの処理で、TiO2は、その重合体において良好に分散すると共に、その像作成する支持体の製造と干渉するものはない。
それらポリオレフィンの樹脂及びTiO2並びに自由選択の他の添加物は、分散剤の存在下で、相互に混合されることもある。分散剤の例は、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸ジルコニウム、又は、ステアリン酸亜鉛のような、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、及び、高級脂肪酸である。その好適な分散剤は、ステアリン酸ナトリウムであると共に、最も好適な分散剤は、ステアリン酸亜鉛である。これらの分散剤の両方は、その樹脂で被覆された層に上等の白色度を与える。
加えて、それら紙の要素における殺生物剤のみならず、その樹脂で被覆された支持体における着色剤、光沢剤、帯電防止剤、可塑剤、酸化防止剤、スリップ剤、又は潤滑剤、及び、光安定化剤のような様々な添加物を使用することは、必要なことであることもある。これらの添加物は、数ある中でも、加工する間における熱的な及び色の安定性並びに仕上げられた物品の製造可能性及び耐用寿命のみならず、充填剤及び/又は着色性の分散性を改善するために、加えられる。例えば、そのポリオレフィンのコーティングは、4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−メタ−クレゾール)、ジ−ラウリル−3,3’−チオプロピオナート、N−ブチル化p−アミノフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノール、N,N−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、テトラ(2,4−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ジフェニル=ジホスホナイト、オクタデシル=3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル=プロピオナート)、上記のものの組み合わせ、及び同様のもののような、酸化防止剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、ラウリン酸ナトリウム、並びに、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、及び安息香酸亜鉛のような安息香酸の塩のような高級脂肪酸の金属塩のような、熱安定化剤;ヒンダードアミンの光安定化剤(hindered amine light stabilizer)(HALS)のような光安定化剤を含有することもあると共に、そのHALSの好適な例は、ポリ{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−4−ピペリジニル)−イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]}(Chimassorb 944 LD/FL)である。
その支持体におけるポリオレフィン樹脂のコーティングは、逐次のか又は同時押し出しを介してかのいずれかの、多数のコーティングによって達成されたもののような、多層のポリオレフィンの構造を含むことができる。要求された樹脂の数を最小にするために、各々の側における1個から3個までの層からなる構造が、好適なものである。本発明の一つの実施形態において、少なくとも一つの又は全てのそれら層は、ポリプロピレンをさらに含むことができる。3個の層の構造において、各々の側におけるそれら三つの層の二つは、実質的に類似の組成物を、好ましくは二つの外側のフランジ層を有することもある。外側のフランジ層に対する中央の又は底部の層の厚さの比は、1から8までの範囲にあると共に、5から7までが、最も好ましいものである。それらフランジ層のポリオレフィン樹脂は、自由選択で、顔料及び他の追加したものを含有することもある。
その支持体を形成するための、そのポリオレフィンでの、その紙が基部の材料の被覆は、当技術において知られるもののように、ホットメルトからの押し出しによるものである。本発明において利用される支持体は、その支持体の特定の意図された用途に依存することで、広い範囲の押し出しの温度内で、例えば、150℃から350℃まで、及び、広い範囲のスピード内で、例えば、60m/分から460m/分までで、実践されることもある。多数の用途について、好適な押し出し温度は、300℃から330℃までである。
その押し出しされたフィルムは、圧力ロールとチルロールとの間に形成されたニップで鋳造されると共に急冷される。その工程の条件は、当技術において周知のものであると共に、その樹脂とその紙の基部との間における空気の連行を回避するためのもののようなものである。チルロールの表面は、その仕上げられたポリオレフィンのコーティングに望まれた表面に依存して、磨かれたもの又は艶消しもの若しくはいずれの他のテクスチャのものでもあることもある。
それら電送写真の及び電子写真の工程並びにそれらの個々のステップは、良好に、多数の本及び刊行物に詳細に記載されてきた。それら工程は、感光体を帯電させること及び露出させること、その像を、帯電させられた、着色された粒子(トナー)で現像すること、自由選択でその結果として生じる現像された像を、ゴム様の軟らかい弾性の表面又はゴムのブランケットを備えたシリンダーのような、二次的な中間の基材へ転写すること、及び、そして、最終的な基材又は受容体へ転写すること、及び、その像をその受容体へ定着すること又は溶融させること、を含む、静電的な像を作り出す基本的なステップを組み込む。環境的な安定性及び広がる像の質の見地から、その中間の転写の方法は、より望ましいものである。本発明の最終的な像を受容する要素は、それらトナーの粒子を受容するために設計されたトナー受容体の層を有する。そのトナーのパターンをそのトナー受容体の層へ定着することは、知られたことであると共に、その受容するシートにおけるトナーは、例えば、そのシートを溶融ロールのニップに通過させることによって、熱及び圧力にかけられる。そのトナーの重合体及びそのトナー受容体の層の熱可塑性の重合体の両方は、その溶融ロールの圧力の下で、一緒に付着するために、十分に軟化させられる又は溶融させられる。そのトナー受容体の層及びそのトナーの両方が、軟化すると共に溶融するとき、そのトナーを、少なくとも部分的に、その熱可塑性のトナー受容体の層に埋め込むことができる。自己定着するトナーについて、残余の液体は、空気で乾燥させること又は加熱することによって、その紙から取り除かれる。その溶剤の蒸発の際に、これらのトナーは、その紙に結合させられたフィルムを形成する。熱可融性のトナーについては、熱可塑性の重合体が、その粒子の部分として使用される。両方を加熱することは、残余の液体を取り除くと共にそのトナーをその紙へ定着する。その溶融させるステップを、その最終的な像へ熱及び圧力の適用によって成し遂げることができる。溶融させることは、増加させられた色の飽和度、その受容体への改善されたトナーの付着、及び、像の表面のテクスチャの変更を提供することができる。溶融デバイスは、シリンダー又はベルトであることができる。その溶融させるデバイスは、その受容体への改善された熱伝達を可能とするための適合した表面を提供するエラストマーのコーティングを有することができる。その溶融デバイスは、滑らかな又はテクスチャ構造の表面を有することができる。その溶融させるステップを、その伝達ステップと組み合わせることができる。本発明のトナー受容体の層と共に利用された溶融器のような多数の溶融デバイスにおいて、シリコーン油のような、溶融器の油が、その溶融器ローラーからのそのトナーの解離を手助けするために、そのニップに適用される。
従来の受容シートにトナーの像を形成する際に、その溶融ロールによるそのシートへのそのトナーの溶融及び定着は、その像の、調子を付けられたエリアに、即ち、いわゆるDmax又は黒色のエリアに、光沢を作り出す。しかしながら、調子を付けられてないエリアには、いわゆるDmin又は白色のエリアには、光沢が、形成されない。しかしながら、本発明と一致して、トナーを担持する受容体のシートが、その溶融ロールのニップにおいて、熱及び圧力にかけられるとき、そのシートの全体の表面は、実質的に均一な光沢を発現させることは、好適なことである。その結果として生じる電子写真の像は、ハロゲン化銀の写真の印刷物の外見及び感触を有する。
好適な実施形態において、米国特許第5,895,153号明細書に記載されたもののような、ベルトで溶融させる装置を、この発明の電子写真法で印刷された像を受容する要素に対する高い光沢の仕上げを提供するために、使用することができる。そのベルトの溶融器を、その再生装置から分離する、又は、その再生装置と一体化したものであることができる。本発明の好適な実施形態においては、そのベルトの溶融器は、二次的なステップである。その調子を付けられた像は、最初に、その電子写真法で印刷されたシートを、その再生装置内の溶融ロールのニップに通過させることによって、定着させられると共に、そして、高い均一な光沢の仕上げを得るために、ベルトでの溶融にかけられる。そのベルトでの溶融させる装置は、溶融組み立て体へ像を担持する受容体の部材のマーク付けする粒子を渡すための入力輸送を含む。その溶融組み立て体は、閉じられたループの経路についての所定の方向における移動のための、加熱された溶融ローラー及び操縦ローラーについて連行された溶融させるベルトを含む。その溶融ベルトは、例えば、薄い金属の又は熱に耐性のあるプラスチックのベルトである。金属のベルトは、電鋳されたニッケル、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、又は他のこのような金属であることができると共に、そのベルトの厚さは、約2ミルから約5ミルまでである。継ぎ目のないプラスチックのベルトを、ポリイミド、ポリプロピレン、又は同様のもののような材料で形成することができると共に、そのベルトの厚さは、略式で、約2ミルから約5ミルまでである。通常、これらの溶融ベルトは、シリコーン樹脂、フルオロポリマー、又は同様のもののような材料を解離する薄い硬質のコーティングで被覆される。それらコーティングは、典型的には、薄い(1ミクロンから10ミクロンまで)、非常に滑らかな、及び、つやのあるものである。また、このような溶融ベルトを、より低い光沢又はテクスチャの像を生産するために、何らかのテクスチャ構造の表面で作ることができるであろう。
そのベルトの溶融器は、その加熱された溶融ローラーと共にニップの関係において位置させられた圧力ローラーを有することができる。空気の流れは、その操縦ローラーの上流で、及び、その操縦ローラーに隣接して、そのベルトの走行のエリアで、このようなエリアを冷却するために、方向付けられる。その冷却する作用は、マーク付けする粒子の像を担持する、受容体の部材の同一規準の冷却を、このような部材がその溶融ベルトと接触した状態にある一方で、提供する。その受容体の部材についての冷却する作用は、その圧力ローラーに対するそのマーク付けする粒子の像のオフセットを実質的に予防するための機構として役に立つ。
そのベルトで溶融させる装置を、ベルトのトラッキングの制御機構との動作の関連で搭載することができる。
また、高い光沢の仕上げを、当技術において知られた他のカレンダー仕上げする方法を使用することによって、この発明の電子写真法で印刷された像を受容する要素へ提供することができる。カレンダー仕上げすることは、ここにおいては、圧力がその像作成された基材へ適用される工程として、定義されるが、その基材は、好ましくは、それを、自由選択で加熱される高度に磨かれた金属のローラーの間に通過させることによって、印刷する装置においてローラーで溶融させられてしまったものであると共に、その基材へ光沢のある、滑らかな表面の仕上げを分与する。圧力及び熱の程度は、光沢の程度を制御する。カレンダー仕上げすることは、ローラーで溶融させることとは、後者のものが、高度に磨かれたローラーを必ずしも使用するものではないと共に、高い温度で常に実行される、及び、そのニップの圧力が、カレンダー仕上げするニップで経験したものよりも低いものであるという点で、異なる。
ここにおいてその像を受容する要素と共に利用されたトナーは、例えば、重合体(結合材の樹脂)、着色剤、及び自由選択の離型剤を含有する。
その重合体としては、知られた結合剤の樹脂が、使用可能なものである。具体的には、これらの結合剤の樹脂は、ポリエステル類、スチレン類、例.スチレン及びクロロスチレン;モノオレフィン類、例.エチレン、プロピレン、ブチレン、及びイソプレン;ビニルエステル類、例.ビニル=アセタート、ビニル=プロピオナート、ビニル=ベンゾアート、及びビニル=ブチラート;α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、例.メチル=アクリラート、エチル=アクリラート、ブチル=アクリラート、ドデシル=アクリラート、オクチル=アクリラート、フェニル=アクリラート、メチル=メタクリラート、エチル=メタクリラート、ブチル=メタクリラート、及びドデシル=メタクリラート;ビニルエーテル類、例.ビニル=メチル=エーテル、ビニル=エチル=エーテル、及びビニル=ブチル=エーテル;並びにビニルケトン類、例.ビニル=メチル=ケトン、ビニル=ヘキシル=ケトン、及びビニル=イソプロペニル=ケトンのような、単独重合体及び共重合体を含む。特に望ましい結合剤の樹脂は、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン/アルキル=アクリラート共重合体、スチレン/アルキル=メタクリラート共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、及びポリプロピレン樹脂を含む。それらは、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、変性ロジン、パラフィン類、及びワックス類をさらに含む。これらの樹脂において、スチレン/アクリル樹脂は、特に好ましいものである。
それら着色剤としては、知られた着色剤を、使用することができる。それら着色剤は、例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、Calcoilブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、Du Pontのオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサラート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントブルー15:1、及びC.I.ピグメントブルー15:3を含む。その着色剤の含有率は、例えば、2重量%から8重量%までである。その着色剤の含有率が、2重量%又はより多いものであるとき、十分な着色粉末を、得ることができると共に、それが、8重量%又はより少ないものであるとき、良好な透明度を得ることができる。
本発明の像を受容する要素と共に利用されたトナーは、自由選択で、離型剤を含有する。好ましくはここにおいて使用された離型剤は、ワックス類である。具体的には、ここにおいて使用可能な離型剤は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンのような低い分子量のポリオレフィン類;加熱することによって軟化させることができるシリコーン樹脂;オレアミド、エルカミド、リシノールアミド、及びステアラミドのような脂肪酸アミド類;カルナウバろう、ライスワックス、カンデリラろう、和ろう、及びホホバ油のような植物性ワックス類;蜜ろうのような動物性ワックス類;モンタンろう、地ろう、セレシン、パラフィンろう、微結晶ろう、及び、フィッシャー−トロプシュ(Fischer-Tropsch)ワックスのような鉱ろう及び石油ろう;並びに、それらの変性させられた生産物である。カルナウバろう又はカンデリラろうのような、高い極性を有するワックスのエステルを含有するワックスが、その離型剤として使用されるとき、そのトナーの粒子の表面へ露出されたワックスの量は、大きいものである傾向がある。正反対に、ポリエチレンワックス又はパラフィンろうのような低い極性を有するワックスが、使用されるとき、そのトナーの粒子の表面に露出させられたワックスの量は、小さいものである傾向がある。
そのトナーの粒子の表面に露出させられる傾向があるワックスの量に関係なく、30℃から150℃までの範囲における融点を有するワックスは、好適なものであると共に、40℃から140℃までの範囲における融点を有するものは、より好適なものである。
そのワックスは、例えば、そのトナーに基づいた、0.1質量%から10質量%であると共に、好ましくは0.5質量%から7質量%である。
この発明の像を受容する要素と共に使用されたトナーは、添加物を含有することもある。無機化合物の微細な粉末及び有機化合物の微細な粒子は、その添加物として使用される。無機化合物の微細な粒子は、例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO.SiO2、K2O.(TiO2)n、Al2O3.2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、及びMgSO4のものである。有機化合物の微細な粒子は、脂肪酸並びにそれらの誘導体及びそれらの金属塩のもの、並びにまた、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂及びアクリル系の樹脂のような樹脂のものである。
本発明において使用されたトナーの平均の粒子の直径は、例えば、3マイクロメートルから15マイクロメートルまで、好ましくは4マイクロメートルから10マイクロメートルまでである。150℃における(10ラジアン/秒の角度的な周波数に決定された)そのトナーの貯蔵弾性率G’ それ自体は、好ましくは、良好な溶融について、10Paから200Paまでの範囲にある。
本発明の像を受容する要素は、好ましくはポリオレフィンの樹脂で被覆された上に述べられた支持体の両方の表面に被覆された、重合体を含有するトナー受容体の層を含む。先に述べたようなトナー受容体の層は、その転写させるステップにおいて、(静)電気、圧力、などによって、現像ドラム又は中間の転写媒体からの像を形成するトナーを受容すると共にその定着させるステップにおいて熱及び/又は圧力によってその像を定着させる機能を有する。さらに、それは、また、本発明の定着させるステップの後に、特にそのベルトで溶融させるステップの後に、その要素の全体の表面が、実質的に均一な光沢を発現することを可能とする。その結果として生じる電子写真の像は、ハロゲン化銀の写真の印刷物の外観及び感触を有する。これは、その溶融させるステップの間にその熱可塑性のものが、その像のエリアにのみ存在するものであるためその加熱されたベルトに対するその印刷物の様々なエリアの段階的な付着力のおかげで高い段階的な光沢及びベルトで溶融する際の困難性に至るので、商業的に入手可能な標準的な紙において可能なものではない。
本発明のトナー受容体の層は、最小の段階的な光沢及び像の起伏を達成するための好適な実施形態において、5g/m2から50g/m2まで、又は、8g/m2から35g/m2までの乾燥の適用範囲を適切に有する。そのトナー受容体の層の適用範囲は、それが、下にあるポリオレフィン樹脂の層の表面のテクスチャを維持するようなものである。
本発明のトナー受容体の層は、熱可塑性の重合体、又は、そのトナー受容体の層へ転写させられる熱可塑性のトナーのものに近いものであるガラス転移温度若しくはTgを有する重合体の熱可塑性のブレンドを含む。好ましくは、そのトナー受容体の層のTgは、そのトナーのTgの10℃内にある。その結果として、そのトナー及びそのトナー受容体の層は、そのトナーが、熱及び圧力によってその受容する層へ定着させられるとき、両方とも融解する。これは、その層へのそのトナーの付着に、及び、あまり人目を引かない段階的な光沢に帰着するその像の調子を付けられた(Dmax)及び調子を付けられてない(Dmin)のエリアの両方において高い光沢を達成することに、寄与する。高い光沢及び低い段階的な光沢は、結果として生ずる印刷物に写真の質の外見及び感触を与える。
本発明のトナー受容体の層に使用可能な材料は、その定着する温度で変形させられることが可能であると共にまたそのトナーを受容すると共に溶融させた後に均一な光沢を提供することが可能なものである熱可塑性の重合体を含む。そのトナー受容体の層のTgが、40℃と120℃との間に、好ましくは40℃と95℃との間にあることは、好適なことである。
そのトナー受容体の層に適切な熱可塑性の重合体は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル/ビニル=アセタート共重合体の樹脂、塩化ビニル/ビニル=プロピオナート共重合体の樹脂、ポリビニルブチラールのようなポリオール樹脂;並びに、エチルセルロース樹脂及びセルロースアセタート樹脂のようなセルロース樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン/無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、並びにフェノール系の樹脂、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂のようなポリオレフィン樹脂;エチレン又はプロピレン及び別のビニル単量体のようなオレフィンで構成された共重合体の樹脂;並びに、アクリル系の樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン/ブチルアクリラート共重合体、並びに、それらの混合物を含む。それら熱可塑性の樹脂は、好ましくは、ポリエステル類、アクリル系のもの、スチレン系のもの、スチレン/アクリル酸エステルの共重合体、スチレン/メタクリル酸エステルの共重合体、及びそれらの混合物である。多数の事例において、上に述べられた樹脂及び共重合体が、そのトナーを形成するために使用されるので、そのトナー受容体の層に含められた熱可塑性の重合体は、好ましくは、これらの樹脂及び共重合体のものと同じ群に属する。その好適な熱可塑性の樹脂は、そのポリエチレン樹脂の層へ被覆することを可能とするために、水又は有機溶剤に可溶性の又は分散可能なものであることもある。
そのトナー受容体の層におけるポリエステル樹脂は、ポリエステルのアイオノマーを含むと共に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、(ビスフェノールAの2個のエチレンオキシド付加物又はビスフェノールAの2個のプロピレンオキシド付加物のような)ビスフェノールAのジエーテル誘導体、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、又は、グリセロールのようなアルコールの構成成分(このようなアルコールの構成成分は、水酸基又はそれの同様の置換されたものを有することもある)との、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリト酸、又は、ピロメリト酸のようなジカルボン酸の構成成分の縮合によって得られる(このようなジカルボン酸の構成成分は、スルホン酸基、カルボキシル基、又はそれらの同様の置換されたものを有することもある);と共に、ポリメチル=メタクリラート、ポリブチル=メタクリラート、ポリメチル=アクリラート、及び、ポリブチル=アクリラートのようなポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂;ポリカーボナート樹脂;ポリビニル=アセタート樹脂;スチレン−アクリラート樹脂;スチレン/メタクリル酸エステル共重合体の樹脂、及びビニルトルエン−アクリラート樹脂を含む。
ポリエステルアイオノマーは、イオン性の(又はイオン化可能な)官能性を有するポリエステル類である。ここにおいて使用されたもののような、そのトナー受容体の用語“ポリエステルアイオノマー”は、分岐した及び分岐してない、単独重合体及び共重合体、架橋させられた又は架橋させられてない重合体を含む。そのポリエステルアイオノマーは、
イオン性の基又は部位が、コーティングに先立つ水分散性を提供するための十分な数で存在するものである、本質的に疎水性の、実質的に非晶質の、熱可塑性の重合体である。それらポリエステルの分散物は、良好なフィルム形成、優れた指紋抵抗性、靭性、弾性、及び耐久性のような好都合な性質を提供する。さらには、それらポリエステル類は、引っ張りの及び曲げの強度並びに様々な油に対する抵抗性を呈示する。
そのトナー受容体の層についてのポリエステルアイオノマーの調製のための手順は、米国特許第3,018,272号明細書;米国特許第3,563,942号明細書;米国特許第3,734,874号明細書;米国特許第3,779,993号明細書;米国特許第3,929,489号明細書;米国特許第4,307,174号明細書、米国特許第4,395,475号明細書、米国特許第5,939,355号明細書及び米国特許第3,929,489号明細書に記載されるが、それらの開示は、ここにおいては、参照によって組み込まれる。この発明において有用なポリエステルアイオノマーは、典型的にはジカルボン酸類又はそれらの機能的な均等物から誘導されたジカルボン酸の繰り返し単位、及び、典型的にはジオール類から誘導されたジオールの繰り返し単位を含む。一般には、このようなポリエステル類は、引用された特許に詳細に記載されたもののように、一つ又はより多いジオール類を一つ又はより多いジカルボン酸類又はそれらの機能的な均等物(例.無水物、ジエステル類、又は二酸のハロゲン化物)と反応させることによって、調製される。このようなジオール類、ジカルボン酸類、及びそれらの機能的な均等物は、時々、当技術において、重合体の前駆体と称される。当技術において知られたように、カルボニルオキシ基よりもむしろ、カルボニルイミノ基を、連結基として使用することができることは、留意されるべきである。この変更は、一つ又はより多いジアミン類又はアミノアルコール類を、一つ又はより多いジカルボン酸類又はそれらの機能的な均等物と反応させることによって、容易に達成される。望まれるのであれば、ジオール類及びジアミン類の混合物を、使用することができる。
この発明のトナー受容体の層において有用なポリエステル類を調製するための条件は、上に記載されたもののように当技術において知られたものである。それら重合体の前駆体は、典型的には、約125℃から約300℃までの温度で、適切な触媒の存在下において、各々のモルのジカルボン酸に対して少なくとも1モルのジオールの比で、縮合させられる。縮合の圧力は、典型的には、約0.1mmHgから約一気圧以上までである。低い分子量の副産物を、例.蒸留又は別の適切な技術によって、縮合の間に取り除くことができる。その結果として生じる縮合重合体は、ポリエステルを形成するための適当な条件下で、縮合重合させられる。縮合重合は、通常、約150℃から約300℃までの温度及び真空に非常に近い圧力で、より多い圧力を使用することができるとはいえ、実行される。
(“アイオノマー”又は“ポリエステルアイオノマー”と称された)ここにおいて記載されたトナー受容体の層用のポリエステル類は、少なくとも一つのイオン性の部位を含有するが、それを、また、イオン性の基、官能性、又はラジカルと称することができる。この発明の好適な実施形態においては、イオン性の基を含有する繰り返し単位は、繰り返し単位の合計のモルに基づいた、約1モルパーセントから約12モルパーセントまでの量で、そのポリエステルアイオノマーに存在するものである。このようなイオン性の部位を、イオン性のジオールの繰り返し単位及び/又はイオン性のジカルボン酸の繰り返し単位のいずれかによって、しかし好ましくは後者のものによって、提供することができる。このようなイオン性の部位は、本来、陰イオン性のもの又は陽イオン性のものであることができるが、しかし好ましくは、それらは、陰イオン性のものである。例示的な陰イオン性のイオン性基は、カルボン酸、スルホン酸、及びジスルホニルイミノ、並びにそれらの塩、並びに、当業者に知られた他のものを含む。スルホン酸のイオン性の基、又はそれらの塩は、好適なものである。
一つのタイプのイオン性の酸の構成部分は、
の構造を有すると共に、そこでは、M=H、Na、K、又はNH
4である。
イオン性のジカルボン酸の繰り返し単位を、5−ナトリウム(sodio)スルホベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−ナトリウム(sodio)スルホシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、5−(4−ナトリウム(sodio)スルホフェノキシ)ベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−(4−ナトリウム(sodio)フェノキシ)シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、類似の化合物、及びそれらの機能的な均等物、並びに、(1977年4月14日に公開された)英国特許第1,470,059号明細書に記載された他のものから誘導することができる。本発明の像作成された要素における保護の上塗り用の他の適切なポリエステルアイオノマーは、米国特許第4,903,039号明細書及び米国特許第4,903,040号明細書に開示されたものであるが、それらは、ここにおいては、参照によって組み込まれる。
この発明の実践において有用な見出された別のタイプのイオン性のジカルボン酸は、式:
によって表されると共に、そこにおいては、m及びnの各々は、0又は1であると共にm及びnの総和は、1である;各々のXは、カルボニルである;Qは、式:
を有すると共に、Yは、アリーレン(例.フェニレン、ナフタレン、キシリレン、など)又はアリーリジン(arylidyne)(例.フェネニル(phenenyl)、ナフチリジン(naphthylidyne)、など)のような、二価の芳香族のラジカルである;Zは、アリール、アラルキル、若しくはアルカリール(alkaryl)(例.フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、など)のような、一価の芳香族のラジカル、又は、メチル、エチル、イソプロピル、n−ペンチル、ネオペンチル、2−クロロヘキシルなどのような1個から12個までの炭素原子、及び好ましくは1個から6個までの炭素原子、を有するアルキルである;並びに、Mは、可溶化させる陽イオン、及び好ましくはアルカリ金属又はアンモニウムの陽イオンのような一価の陽イオン、である。
例示的なジカルボン酸及びこのタイプの機能的な均等物は、それらからこのようなイオン性の繰り返し単位が、誘導されるが、
3,3’−[(ナトリウム(sodio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,3’−[(カリウム(potassio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,3’−[(リチウム(lithio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(リチウム(lithio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(ナトリウム(sodio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
4,4’−[(カリウム(potassio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,4’−[(リチウム(lithio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
3,4’−[(ナトリウム(sodio)イミノ)ジスルホニル]ジ安息香酸;
5−[4−クロロナフタ(naphth)−1−イルスルホニル((ナトリウム(sodio)イミノ)スルホニル]イソフタル酸;
4,4’−[(カリウム(potassio)イミノ)ジスルホニル]ジナフトエ酸;
5−[p−トリル(tolyl)スルホニル(カリウム(potassio)イミノ)スルホニル]イソフタル酸;
4−[p−トリル(tolyl)スルホニル(ナトリウム(sodio)イミノ)スルホニル]−1,5−ナフタレンジカルボン酸;
5−[n−ヘキシルスルホニル(リチウム(lithio)イミノ)スルホニル]イソフタル酸;
2−[フェニルスルホニル(カリウム(potassio)イミノ)スルホニル]テレフタル酸、及びそれらの機能的な均等物である。好適なイオン性の繰り返し単位を形成する際に有用な、これらの及び他のジカルボン酸は、(Caldwell等に対して1970年12月8日に発行された)米国特許第3,546,180号明細書に記載されたものであるが、それらの開示は、ここにおいては、参照によって組み込まれる。
このタイプの好適な単量体の単位は、以下に続く構造:
を有するが、それにおいては、Mは、上に定義されたようなものである。
例えば、米国特許第5,534,478号明細書(カラム3における最後の構造)に示されたような、ポリエステルアイオノマーの同じ繰り返し単位において異なるイオン性の基の組み合わせを有することは、また、可能なことである。
本発明のトナー受容体の層に用いられたポリエステルアイオノマーの好適な部類は、第一のジカルボン酸;スルホン酸基が付けられる芳香族の核を含む第二のジカルボン酸;脂肪族のジオール化合物、及び脂肪族の脂環式のジオール化合物:の重合体の反応生産物を含む。その第二のジカルボン酸は、第一の及び第二のジカルボン酸の合計のモルの約2モルパーセントから約25モルパーセントまでを含む。第二のジオールは、第一の及び第二のジオールの合計のモルの約0モルパーセントから約50モルパーセントまでを含む。
第一のジカルボン酸若しくはそれの無水物、ジエステル、又は、二酸のハロゲン化物の機能的な均等物は、式:−CO−R1−CO−によって、表されることもあると共に、そこでは、R1は、飽和な若しくは不飽和な二価の炭化水素、芳香族の若しくは脂肪族の基であるか、又は、芳香族の基及び脂肪族の基の両方を含有する。このような酸の例は、イソフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、1,1,3−トリメチル−3,4−(4−カルボキシルフェニル)−5−インダンカルボン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、又は、それらの混合物を含む。第一の酸は、また、脂肪族の二酸であることもあると共に、そこでは、R1は、シクロヘキシル単位又はメチレン基の2個−12個の繰り返し単位であるが、その酸は、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、及び他のもののようなものである。また、化学作用のある放射に対して敏感なものである部位を有するジカルボン酸は、有用なものである。例示的な放射に敏感なジカルボン酸又はそれらの機能的な均等物は、(Arcesi等へ1975年12月30日に発行された)米国特許第3,929,489号明細書に記載されたものであるが、それの開示は、ここにおいては、参照によって組み込まれる。第一のジカルボン酸は、好ましくは芳香族の酸又はそれの機能的な均等物、最も好ましくはイソフタル酸である。
第二のジカルボン酸は、先に記載されたようなスルホン酸基又はそれの金属若しくはアンモニウムの塩であるイオン性の部位を含有する水に分散可能な芳香族の酸であることもある。例は、スルホテレフタル酸、スルホナフタレンジカルボン酸、スルホフタル酸、スルホイソフタル酸、及び、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸、又は、それらの機能的に均等物の無水物、ジエステル類、若しくは、二酸のハロゲン化物のナトリウム、リチウム、カリウム、又はアンモニウムの塩を含む。最も好ましくは、第二のジカルボン酸は、5−スルホイソフタル酸又はジメチル=5−スルホイソフタラートの可溶な塩を含む。本発明と一致した保護の上塗り層として用いられたポリエステルアイオノマーのイオン性のジカルボン酸の繰り返し単位は、ジカルボン酸の合計のモルの約1モルパーセントから約25モルパーセントまで、好ましくは約10モルパーセントから約25モルパーセントまでを含む。
それらジカルボン酸の繰り返し単位は、ジカルボン酸又はそれの機能的な均等物と縮合することが可能な二官能性の化合物から誘導された単位を繰り返すことによって、ポリエステルにおいて連結される。適切なジオール類は、式:HO−R2−OHによって表されると共に、そこでは、R2は、脂肪族のもの、脂環式のもの、又はアラルキルである。有用なジオールの化合物の例は、以下に続くもの:エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、4,4’−イソプロピリデン−ビスフェノキシジエタノール、4,4’−インダニリデン−ビスフェノキシジエタノール、4,4’−フルオレニリデン−ビスフェノキシジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオール、p−キシリレンジオール、及び、一般的な構造H(OCH2CH2)n−OH又はH(CH2)nOHを有するグリコール類を含むと共に、そこでは、n=2から10までである。ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタンジオール、及び、それらの混合物は、特に好適なものである。
この発明のトナー受容体の層に適切なポリエステルアイオノマーは、約100℃又はより低い、及び、好ましくは、約40℃から約85℃までの、ガラス転移温度(Tg)を有する。Tgの値を、N.F.Mott and E.A.Davis,Electronic Processes in Non−Crystalline Material,Oxford University Press,Belfast,1971のp.192に開示されたもののような、示差走査熱量測定又は示差熱分析のような技術によって決定することができる。本発明における使用のために好適なポリエステルアイオノマーは、テネシー州のKingsportのEastman Chemical Companyによって製造されたEASTMAN AQTMの重合体を含む。
この発明に利用されたトナー受容体の層に利用されたポリエステルアイオノマーは、好ましくは10,000より上の、より好ましくは、有機補助溶剤、界面活性物質、又はアミン類の補助無しに水に直接的に分散する約14,000より上の分子量(Mn)を有する。上に示唆したように、この水分散性は、大部分において、イオン性の置換基、例えば、スルホン酸の部位又はそれらの塩、例えば、その重合体におけるナトリウム(sodio)スルホの部位(SO3Na)、の存在に帰することが可能なものである。これらの重合体の性質及び使用は、1990年5月付けのEastman Chemical Companyの刊行物番号GN−389Bに記載されたものであるが、それの開示は、ここにおいては、参照によって組み込まれる。特に好適なものは、(Eastman Chemical Co.からのEASTMAN AQTM 55の重合体、Tg 55℃として得られた)ポリ[1,4−シクロへキシレンジメチレン−co−2,2’−オキシジエチレン(46/54)イソフタラート−co−5−ナトリウム(sodio)スルホ−1,3−ベンゼンジカルボキシラート(82/18)]である。
前述したAQ(R)重合体を含む、そのポリエステルアイオノマーの商業的に入手可能な塩の形態は、本発明において有効なものであることが、示されてきたものである。
望まれるとすれば、ポリエステルアイオノマーの混合物を、使用することができる。また、そのポリエステルアイオノマーは、少なくとも一つの他の水に分散可能な重合体とのブレンドを含むこともある。他方の重合体は、ビニル重合体、ポリウレタン類、IPNのようなウレタン−ビニルの混成体、ポリエチレン類、及び同様のもの、又はそれらの混合物のような縮合及び/又は付加重合体を含む、多種多様な材料を含むこともある。このような水に分散可能な重合体の例は、また、例えば、ポリ塩化ビニル、及び、Bohan等に対する米国特許第5,853,926号明細書における同様のものを含む。
なおさらなる好適な実施形態において、本発明のトナー受容体の層は、また定着する温度で変形させられることが可能なもの及びまたそのトナーを受容すると共に溶融した後に均一な光沢を提供することが可能なものであるカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体を含む。単独で又はポリエステル樹脂に基づいた熱可塑性の重合体に加えて使用されたトナー受容体の層に適切なカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体は、例えば、アクリル系の樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ尿素樹脂、ポリスルホン樹脂、及びそれらの混合物のようなビニル重合体を含む。そのカルボン酸の熱可塑性の樹脂は、好ましくは、アクリル系の重合体、スチレン系の重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン類、ウレタン−ビニル混成重合体、及びそれらの混合物から誘導される。多数の事例において、上述した樹脂及び共重合体が、そのトナーを形成するために使用されるので、そのトナーの像を受容する層に含まれたカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体は、好ましくは、これらの樹脂及び共重合体のものと同じ群に属する。それら好適なカルボン酸を含有する熱可塑性の樹脂は、そのポリエチレン樹脂の層における被覆を可能とするために、水に可溶な又は分散可能なものである。
本発明用のトナー受容体の層として有用な適切なカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体は、前記の重合体の酸価が、5と70との間に、及びより好ましくは、5と50との間にあるように、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸(ethacrylic acid)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、及び、スチレンカルボン酸のようなアクリル系の単量体を含む、カルボン酸基を含有する一つ又はより多いエチレン性で不飽和な単量体を重合させることによって得られたものを含む。酸価は、重合体に含有された脂肪酸(カルボン酸)の基の量の指標であると共に、ニートの重合体の1グラムにおける遊離の酸を中和するために要求された水酸化カリウムのミリグラムの数として定義される。その酸価が、70よりも大きいものであるとき、その重合体を含有するそのトナー受容体の層は、通常、高い湿度の条件下で十分な湿気を吸収すると共に二つの像作成された要素が十分な重量の下で対面の接触で置かれるときブロッキングする傾向を有する。ブロッキングすることは、この発明の範囲内では、38℃及び80%の相対湿度で24時間の間に100グラムの重量の下での対面の接触に置かれた二つの24平方インチの像作成された要素の分離の際における表面の可視の劣化として定義される。適切なコモノマーは、また、モノメチル=イタコナート、モノエチル=イタコナート、及びモノブチル=イタコナートを含むモノアルキル=イタコナート、モノメチル=マレアート、モノエチル=マレアート、及びモノブチル=マレアートを含むモノアルキル=マレアート、メチル=メタクリラート、エチル=メタクリラート、ブチル=メタクリラート、エチル=アクリラート、ブチル=アクリラート、ヘキシル=アクリラート、n−オクチル=アクリラート、ラウリル=メタクリラート、2−エチルヘキシル=メタクリラート、ノニル=アクリラート、ベンジル=メタクリラートのようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル=アクリラート、2−ヒドロキシエチル=メタクリラート、及び2−ヒドロキシプロピル=メタクリラートのような同じ酸のヒドロキシアルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びメタクリルアミドのような同じ酸のニトリル及びアミド類、ビニル=アセタート、ビニル=プロピオナートのようなビニルエステル類、塩化ビニリデン、塩化ビニル、並びに、スチレン、t−ブチルスチレン、及びビニルトルエンのようなビニルの芳香族の化合物、ジアルキル=マレアート類、ジアルキル=イタコナート類、ジアルキル=メチレンマロナート、エチレン、プロピレン、及び他のアルキレン類、イソプレン、及び、ブタジエンを含む。適切なポリエチレン性で不飽和の単量体は、ブタジエン、イソプレン、アリル=メタクリラート、及び、ブタンジオール=ジアクリラート及びヘキサンジオール=ジアクリラートのようなアルキルジオール類のジアクリラート類、ジビニルベンゼン、及び同様のものを含む。
特定の実施形態において、本発明のトナー受容体の層のカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体は、好ましくは、良好な付着、黄変するものではない、高い光沢のために調節可能なものである、並びに、広い範囲のガラス転移及び最小のフィルムを形成する温度を有する、の利点を有するアクリル系の重合体から誘導される。選んだものの他のカルボン酸を含有する重合体は、アクリル系−ウレタン重合体を含むビニル−ウレタン混成重合体を含む。このようなビニル混成重合体において、そのウレタンの構成成分は、良好なフィルム形成、良好な化学的な抵抗性、摩耗抵抗性、靭性、弾性、及び耐久性のような好都合な性質を提供する。それらビニル−ウレタン混成重合体(共重合体又は相互侵入するネットワーク)は、それら二つのブレンドとは非常に異なるものである。このような重合体は、ポリウレタンのプレポリマー又は米国特許第5,695,920号明細書に記載されたもののような連鎖延長されたポリウレタンの存在下で、ビニル付加の単量体を重合させることによって、調製される。そのビニル−ウレタン混成重合体のポリウレタンの構成成分の存在下におけるそのビニル単量体の重合は、それら二つの重合体が、相互侵入する又は幾分相互侵入するネットワークと又はコア・シェル粒子と同じラテックスの粒子に在住することを、引き起こすと共に、水、有機溶剤、及び環境的な条件に対する改善された抵抗性、改善された引っ張り強度及び弾性率に帰着する。この発明と一致したカルボン酸を含有する重合体から誘導されたトナー受容体の層は、水の浸透性、黄変することに対する優れた抵抗性、高い温度に対する格別な抵抗性、及び、高い湿気を遮断すること、並びに、かき傷及び摩耗に対する抵抗性を提供することに必要な靭性を含む、上等な物理的な性質のおかげで、特に好都合なものである。
この発明の実践において有用なカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体の例は、商業的に入手可能なアクリル系の重合体、AveciaからのNeoCryl A5090、A612、A1110、A1120、A6037、A6075、A6092、A625、A650、及びA655である。商業的に入手可能なものであるウレタン重合体の例は、NoveonからのSancure 898であると共に、アクリル系−ウレタン混成重合体の例は、AveciaからのNeoPac R−9000、R−9699、及びR−9030である。
自由選択で、本発明と一致したカルボン酸を含有する熱可塑性の重合体は、また、適切な架橋剤を使用することで、架橋されることもある。このような添加物は、高い温度及び湿度の条件下でのブロッキングに対するそのトナー受容体の要素の抵抗性を改善することができる。エポキシ化合物、多官能性のアジリジン類、メトキシアルキルメラミン類、トリアジン類、ポリイソシアナート類、カルボジイミド類、多価の金属陽イオン、及び同様のもののような架橋剤は、全て考慮されることもある。架橋剤が、加えられるとすれば、過剰な量が、これが、段階的な光沢及び像の起伏を増加させること一方で、光沢及びトナーの付着の可能性のある低下を引き起こすそのトナー受容体の層の溶融流れを減少させることになると、使用されないという注意をしなければならない。その好適な架橋剤は、AveciaからのCX100のような多官能性のアジリジンの架橋剤である。
本発明に従ったトナーを受容する層の組成物における使用のための他の自由選択の非可溶性のビニル重合体は、例えば、メチル=メタクリラート、エチル=メタクリラート、ブチル=メタクリラート、エチル=アクリラート、ブチル=アクリラート、ヘキシル=アクリラート、n−オクチル=アクリラート、ラウリル=メタクリラート、2−エチルヘキシル=メタクリラート、ノニル=アクリラート、ベンジル=メタクリラートのようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル=アクリラート、2−ヒドロキシエチル=メタクリラート、及び2−ヒドロキシプロピル=メタクリラートのような同じ酸のヒドロキシアルキルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びメタクリルアミドのような同じ酸のニトリル及びアミド類、ビニル=アセタート、ビニル=プロピオナート、塩化ビニリデン、塩化ビニル、並びに、スチレン、t−ブチルスチレン、及びビニルトルエンのようなビニルの芳香族の化合物、ジアルキル=マレアート、ジアルキル=イタコナート、ジアルキルメチレン=マロナート、イソプレン、並びに、ブラジエンを含む、例えば、一つ又はより多いエチレン性で不飽和の単量体を共重合させることによって得られたものを含む。カルボン酸基を含有する適切なエチレン性で不飽和の単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸のようなアクリル系の単量体、モノメチル=イタコナート、モノエチル=イタコナート、及びモノブチル=イタコナートを含むモノアルキル=イタコナート、モノメチル=マレアート、モノエチル=マレアート、及びモノブチル=マレアートを含むモノアルキル=マレアート、シトラコン酸、並びに、スチレンカルボン酸を含む。適切なポリエチレン性で不飽和の単量体は、ブタジエン、イソプレン、アリル=メタクリラート、ブタンジオール=ジアクリラート及びヘキサンジオール=ジアクリラートのようなアルキルジオール類のジアクリラート類、ジビニルベンゼン、及び同様のものを含む。
そのトナー受容体の層を形成するために使用された熱可塑性の重合体の平均分子量は、好ましくは、そのトナーを形成するために使用された熱可塑性の重合体のものよりも大きいものである。しかしながら、その平均分子量は、そのトナーの重合体の熱力学的な性質とその像を受容する層の重合体のものとの間の関係に依存することで、変化することもある。例えば、その像を受容する層の重合体の軟化させる温度が、そのトナーの重合体のものよりも高いものであるとき、そのトナーの像を受容する層を形成するために使用された熱可塑性の重合体の平均分子量が、そのトナーを形成するために使用された熱可塑性の重合体のものに等しい又はそれよりも低いものであることは、好適なものである。そのトナーの像を受容する層を形成するための熱可塑性の重合体と同じ組成を、しかし、異なる平均分子量を有する様々な熱可塑性の重合体の混合物を使用することは、また、好適なことである。そのトナーの像を受容する層を形成するために使用された熱可塑性の重合体の分子量の分布が、そのトナーを形成するための熱可塑性の重合体のものよりも広いものであることは、好適なことである。
本発明に使用されたトナー受容体の層を形成するための重合体は、上に記載されたポリエステルアイオノマーのような、水に可溶な重合体又は水に分散させられた重合体であることもある。その水に可溶な重合体は、望ましい組成、結合する構造、分子の構造、分子量、分子量の分布の点では、特に限定されるものではないと共に、それが、水に可溶なものである重合体である限り、形成する。これに関連して、その水に可溶な重合体の分子の構造は、好ましくは、スルホン酸基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、及びエーテル基のような水に可溶な基である。また、それら水に可溶な重合体は、例えば、ビニルピロリドン/ビニル=アセタート共重合体、スチレン/ビニルピロリドン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、水に可溶なポリエステル類、水に可溶なポリウレタン、水に可溶なナイロン、及び、水に可溶なエポキシ樹脂を含むこともある。
その水に分散させられた重合体は、上に記載された水に分散させられたポリエステルアイオノマーの樹脂、アクリル系の樹脂、水に分散させられたポリスチレン樹脂、及び、水に分散させられたウレタン樹脂のような水に分散させられるタイプの樹脂;アクリル系の樹脂のエマルジョン、ポリビニル=アセタートのエマルジョン、SBR(スチレン/ブタジエン/ゴム)のエマルジョンのようなエマルジョン;並びに、共重合体、それらの混合物又は陽イオンの変性剤の中から適切に選択される。また、これらの樹脂の二つ又はより多いものの組み合わせは、使用可能なものである。
そのトナー受容体の層のための有機溶剤に可溶な樹脂は、スチレン−アクリル系共重合体の樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体の樹脂、アクリル系の樹脂、ポリエステル樹脂、及び同様のものから選択されることもある。好ましい有機溶剤は、トルエン、メチル=エチル=ケトン、及びエチル=アセタートを含むが、しかし、これらに限定されるものではない。
本発明のトナー受容体の層は、また好ましくは、そのトナー受容体の層の10重量パーセントよりも大きい、及び好ましくは、その層の20重量パーセントから60重量パーセントまでの量で、粘土又はタルクのような溶融器の油を吸着する材料を含有する。また、その層における粘土の量を、その像作成された要素における光沢の水準を制御するために、使用することができる。また、その粘土は、印刷した後における書き込み可能性を可能とするために、使用される。これは、書き込み可能性が、重要なものであるグリーティングカード及びカレンダーのような用途において特別に有用なものである。ここにおいて使用可能な粘土は、好ましくは、88%よりも大きいGE明るさの指標を有すると共に、ナノクレイを含む様々な変性させられた及び変性させられてない粘土を含む。明るさは、457nmの有効な波長で測定された試料から反射された青色の光の百分率である。GE明るさは、45度の角度でその紙の表面を照明するために光の本質的に平行なビームを利用する、方向性をもつ明るさの測定である。
この発明の吸収剤の添加剤に適切な粘土鉱物は、層状珪酸塩、例.モンモリロナイト、特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト、及び/又は、カルシウムモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコン石、ソボカイト、ステベンス石、スビンホルダイト、バーミキュライト、マガディアイト、ケニアイト、タルク、マイカ、カオリナイト(カオリン又はチャイナクレー)、及びそれらの混合物を含む。好適な粘土は、他の試剤が、通常、有機イオン又は分子が、その無機相の望ましい分散に帰着する層にされた材料をインタカレートする又は剥離させることができるように、膨潤可能なものである。前述した粘土は、天然の又は合成の、例えば、合成のスメクチックの粘土であることができる。この発明については、その分散させられた形態における粘土の粒子は、好ましくは、粒子の大きさを有するが、そこでは、それら粒子の90%よりも多いものが、2マイクロメートルよりも少ない又はそれに等しいものである。好適な平均の大きさは、良好な油の収着及び均一なコーティングについて、0.1マイクロメートルと2マイクロメートルとの間にある。
この発明において使用された粘土は、有機粘土であることができる。有機粘土は、その機能化されてない粘土を、適切なインターカラント(intercalant)と相互作用させることによって、生産される。これらのインターカラントは、典型的には、有機化合物であるが、それらは、中性の又はイオン性のものである。有用な中性の有機分子は、アミド類、エステル類、ラクタム類、ニトリル類、尿素類、カーボナート類、ホスファート類、ホスホナート類、スルファート類、スルホナート類、ニトロ化合物、及び同様のもののような極性の分子を含む。それら天然の有機インターカラントは、単量体の、オリゴマーの、又は、重合体のものであることができる。中性の有機分子は、元来の電荷を均衡させるイオンを完全に取り替えること無く、水素結合を通じて、その粘土の層におけるインターカレーションを引き起こすことができる。有用なイオン性の化合物は、脂肪族の、芳香族の、又は、アリール脂肪族のアミン類、ホスフィン類、及びスルフィド類のアンモニウム(第一級の、第二級の、第三級の、及び第四級のもの)、ホスホニウム、又は、スルホニウム誘導体のようなオニウム種を含む陽イオン性の界面活性物質である。典型的には、オニウムイオンは、その好適なスメクチックの粘土の金属陽イオンとのイオン交換を通じて、それら層においてインターカレーションを引き起こすことができる。多くの商業的な有機粘土、例えば、Cloisite 15A、四級アンモニウム塩で変性させられた天然のモンモリロナイトは、Southern Clay Products and Nanocorのような、粘土の供給業者から入手可能なものであるが、それは、この発明の実践において使用されることもある。
本発明において利用された電子写真の像を受容する要素は、好ましくは、写真の豊富な用途について使用されたとき、高い程度の白色度及び明るさを有する。白色度は、紙が、その可視のスペクトルいたるところで、全ての波長の光を拡散的に反射させるという程度を指す。白色度は、外観の用語である。白色度の程度に関して、CIE 1976(L*a*b*)の色空間において、L*値、明度の尺度(完全な白色について100から黒色について0)は、少なくとも80、好ましくは少なくとも85、及び、より好ましくは少なくとも90である。その白色の着色は、望ましくは、可能な限り無色に近いものである。その白色の着色に関しては、L*a*b*の空間における(a*)2+(b*)2の値は、好ましくは50よりも高いものではない、より好ましくは18よりも高いものではない、及び最も好ましくは、5よりも高いものではない。その色度の次元(a及びb)は、“a”が、正のとき、赤色度を、ゼロのとき、灰色を、及び、負のとき、緑色度を、測定すると共に、“b”が、正のとき、黄色度を、ゼロのとき、灰色を、及び、負のとき、青色度を、測定するように、色の指定を与える。そのL*a*b*空間は、同じ基準照明の下で見られる色の間における、幾何学的な距離と知覚的な距離との間における均一な対応を有するように、設計される。いずれの二つの色の間における知覚された差異は、それらの色の間の色空間における幾何学的な距離に比例するものである。明るさは、457nmの波長における青色の光のみの百分率の反射率として定義される。明るさは、任意に定義されたものであるが、しかし、粉砕機の工程の制御のためのパルプ及び紙の産業のいたるところで、並びに、ある一定のタイプの調査及び開発のプログラムにおいて、使用される、注意深く標準化された、青色の反射率である。明るさは、白色度ではない。しかしながら、紙の状態になるパルプ及び顔料の明るさの値は、適切な色付けで達成することができる最大の白色度の優れた尺度を提供する。本発明の電子写真の像を受容するシートについての白色度の程度は、好ましくは、印画紙の外見に達するためには、90よりも大きいものである。
本発明のトナー受容体の層に使用可能な材料は、出力の像の安定性を、及び、また、そのトナー受容体の層の安定性それ自体を、改善するためには、様々な添加物を含有することもある。これらの目的のための添加物は、様々な知られた酸化防止剤、経年変化を予防するための試剤、劣化を予防するための試剤、オゾンによって引き起こされた劣化を予防するための試剤、紫外の吸収剤、光安定化剤、防腐剤、及び、抗真菌剤を含む。この発明のトナー受容体の層は、また、着色剤、色付け剤、つや出し剤、可塑剤、スリップ剤、及び同様のもののような他の添加物を含有することもある。
そのトナー受容体の層は、また、電子写真の機械を通じた輸送を改善するために、又は、その像作成された要素の書き込み可能性を改善するために、無光沢の粒子を含有することもある。それら無光沢の粒子は、10マイクロメートルと20マイクロメートルとの間における、好ましくは、10マイクロメートルと15マイクロメートルとの間における、平均の直径を有する。そのトナー受容体の層に組み込まれた無光沢の粒子の量は、そのトナー受容体の層の厚さに依存するものである。一般には、その無光沢のものは、像作成した及びその調子を付けられた像を溶融させた後にその表面の光沢を妥協して処理することなく、良好な書き込み可能性及び輸送を得るためには、0.11g/m2と0.22g/m2との間における、及び好ましくは、0.11g/m2と0.165g/m2との間における、乾燥の適用範囲を有する。
それら無光沢の粒子は、シリカ若しくはアルミナのような無機材料又は重合体の材料を含むこともある。その溶融させる工程の後でそれらの形状を維持するために、その重合体の無光沢の粒子は、溶融させる温度よりも大きいものであるガラス転移温度を有するか又は架橋されるべきである。それら重合体の粒子は、一般に、ビニル単量体及び/又はジビニル単量体から作られる。好適な重合体の粒子は、架橋されたアクリラート又はスチレン性の重合体である。最も好適なものは、ポリ(メチル=メタクリラート−co−ジビニルベンゼン)、ポリ(メチル=メタクリラート−co−エチレングリコール=ジメタクリラート)、又は、ポリ(スチレン−co−ジビニルベンゼン)を含む粒子である。
そのトナー受容体の層は、また、書き込み可能性を向上させるために、無機粒子を含有するマーク付け向上層で上塗りされることもある。これらの粒子は、シリカ、アルミナ、及びチタニアのような無機粒子から選ばれることもある。これらのシリカのものが、最も好適なものである。そのシリカは、好ましくは、200nmよりも少ない、より好ましくは5−50nmの間の、平均の粒子の大きさを備えた、シリコンについてのアルミニウムの部分的な置換を備えた水性の媒体におけるシリカの、表面がヒドロキシル化されたアルミニウムで変性させられたコロイド状の分散物であることが、好適である。DuPontによって供給されたLudox AMのような商業的に入手可能な分散物を、マーク付け向上層についてシリカの源として使用することができる。
この発明の像を受容する要素が、その溶融器のニップにおいて溶融器の油を利用する電子写真の溶融させる方法に高度に適切なものであるとはいえ、それは、また、溶融器の油の無い系と共に使用されることもある。
この発明において利用されたトナー受容体の層のためのコーティングの組成物を、
浸漬コーティング、ロッドコーティング、ブレードコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、及びリバースロールコーティング、スロットコーティング、押し出しコーティング、ビードコーティング、カーテンコーティング、スプレーコーティング、及び同様のもののような、多くの周知の技術のいずれによっても、塗布することができる。例示的なビードコーティング方法および装置は、Russell等への米国特許第2,761,417号明細書、Russell等への米国特許第3,474,758号明細書、Russell等への米国特許第2,761,418号明細書、Paddayへの米国特許第3,005,440号明細書、及び、Damschroder等への米国特許第3,920,862号明細書に開示されたものである。例示的なカーテンコーティング方法及び装置は、Hughesへの米国特許第3,508,947号明細書、Greillerへの米国特許第3,632,374号明細書、及び、Reiterへの米国特許第4,830,887号明細書に開示されたものである。知られたコーティング方法は、1989年12月に公開されたResearch Disclosure No.308119のページ1007から1008までにおいて、さらに詳細に記載されたものである。
その被覆される層をその支持体へ設けた後に、それは、加熱ベルト、高い温度の放射の源、及び対流の加熱を含むが、しかし、それらに限定されるものではない、複数の方法のいずれによっても、乾燥させられることもある。ほとんど排他的に、しかしながら、大規模のコーティングの機械における乾燥機は、主として、対流の加熱に頼るものである。対流の加熱において、その乾燥機の中へ導入される、加熱器は、気体を、又は気体の混合物(例.−空気)を、加熱するために、使用される。これは、その気体(又はそれら気体)の相対湿度を低下させると共に、そして、それ(ら)は、それを、その乾燥機の区画を通じて吹きつけることによって、循環させられる。循環の数個のモード:そのウェブの方向に対する並流又は向流のもの、又は、無作為の様式におけるものが、用いられることもある。知られた乾燥の方法は、1989年12月に公開されたResearch Disclosure No.308119のページ1007から1008までにさらに詳細に記載されたものである。
対流の乾燥を使用する典型的な大規模のコーティングの機械において、その乾燥機の設定は、その乾燥機の長さ及びその装填量(乾燥させられる材料の量)に依存して、変動することができる。乾燥させる帯域における滞留時間が、短いものである及び/又はその装填量が、重いものであるとすれば、溶剤の蒸発のより急速な速度が、要求されることもある。これを、より高い温度及び/又はその供給気体(又はそれら供給気体)の乾球の温度とその湿球の温度との間の大きい差異を通じて、達成することができる。この発明のトナー受容体の層の水性のコーティング組成物について、その被覆された層の均一性が、その供給気体(又はそれら供給気体)の乾球の温度及び湿球の温度における差異が、38℃よりも大きいものではない、好ましくは21℃よりも大きいものではない、及び、最も好ましくは、10℃よりも大きいものではないとき、向上させられたことは、見出されてきたことである。乾燥させる条件の具体的な系列は、亀裂が入ること及び他の乾燥欠陥を予防する又は最小にするために、その被覆された層の組成物及び湿式の適用範囲に基づいたものである。
電子写真の印刷が、この発明の像を受容する要素と好適なものであるとき、それは、また、インクジェット、オフセット、及び熱的なもののような、他の印刷のモードの能力と共に利用されることもある。
以下に続く例は、この発明の実践を説明する。それらは、本発明の全ての可能性のある変動の網羅的なものであることが、意図されたものではない。部及び百分率は、他に示唆されたものがない限り、重量によるものである。