JP2008520652A - 非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤 - Google Patents

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Abstract

非水性液状の非経口的に送達可能な医薬品製剤、より詳細には選択性NSAIDアセクロフェナクを含む非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤が開示されている。アセクロフェナク製剤の製造方法、治療用剤形および薬剤の保管、ならびにNSAIDによる治療が必要である病状または疾患を有する患者の治療方法もまた開示されている。アセクロフェナクの変換によって形成されるジクロフェナクは、非水性可溶化剤(これは、そのような変換に関して実質的に不活性である)によって可溶化される。この組成物は、アセクロフェナクの析出を防止するためのアセクロフェナク塩の安定化手段を有する。本発明において開示された組成物は、室温および冷蔵温度で保管すると安定である。即使用可能なものであれまたは投与前に希釈を必要とするものであれ、本発明で開示された組成物は、本明細書に開示された低廉な方法によって製造することができる。

Description

発明の分野
本発明は、一般に、非水性液状の非経口的に送達可能な医薬製剤に関し、さらに詳しくは、選択性NSAIDアセクロフェナクを含む非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤に関し、なおさら特にアセクロフェナクの薬学的に許容される塩類に関する。本発明はまた、アセクロフェナク製剤の製造方法、治療用剤形および薬剤の貯蔵、ならびにNSAIDによる治療が必要である病状または疾患を有する患者の治療方法にも関する。
発明の背景
非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)は、広範囲をカバーし、それは処方箋なしおよび処方様式の両方で入手可能である。NSAIDの主要な系(グループ)は、以下のとおりである:
a. サリチル酸系:アスピリン(アセチルサリチル酸)、トリサリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサルおよびサルサレート
b. プロピオン酸系:フェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、およびオキサプロジン
c. 酢酸系:ジクロフェナク、アセクロフェナク、インドメタシン、スリンダック、およびトルメチン
d. エノール酸系:メロキシカムおよびピロキシカム
e. フェナム酸系:メクロフェナメートおよびメフェナム酸
f. ナフチルアルケノン系:ナブメトン
g. ピラノカルボン酸系:エトドラク
h. ピロール系:ケトロラック
i. COX−2阻害薬系:セレコキシブ、バルデコキシブおよびロフェコキシブ。
種々のNSAIDのいくつかは、錠剤、注射剤および注射剤用乾燥粉末の形態のような、1もしくは2以上の形態で利用可能である。本発明は、「アセクロフェナクの即使用可能な注射剤」に関する。
他のNSAIDの本発明と比較した欠点は下記のとおりである。
1) 乾燥粉末の注射可能なNSAIDは、凍結乾燥し、それから、使用前に元に戻す必要がある。この方法は、費用がかかりで厄介である。
2) 注射剤の形態は、経口のNSAIDの血清中濃度が、薬物の腸内代謝のため、より低くなるので、経口の形態に比べてより有利である。
3) 経口NSAIDの血清中濃度は、予測不可能である。
4) 経口NSAIDの投与頻度は、高い。
5) ジクロフェナクは、アセクロフェナクより多くの副作用を示す。
6) インドメタシンのようなNSAIDの注射剤は、アセクロフェナクより少ない忍容性を示す。
7) ケトプロフェンは、アセクロフェナクより低い安定性を示す。
非経口的医薬品製剤は、有用な薬物送達選択の宝庫の中で、特に鎮痛効果を有する薬剤にとって、非常に重要な成分になっている。非経口的投与経路(皮下注射、筋肉内注射および静脈内注射を含む)は、広範囲な医薬品にとって、特定の状況において経口送達を超えて非常に多くの利益をもたらす。例えば、医薬品の非経口的投与は、通常、経口投与によって成し遂げられる以上のより短い時間での医薬品の治療上有効血清濃度への到達をもたらす。特に、これは静脈内注射であてはまるが、それによって薬剤は、直接血流中に導入される。非経口的投与は、また薬剤のより予測可能な血清濃度をもたらす。なぜなら代謝、食物への結合、および他の原因による、消化管内での損失が除去されるからである。同様の理由で、非経口的投与は、しばしば用量を少なくすることを可能にする。一般的に、非経口的投与は、救急状況での薬物送達の好ましい方法であり、非協力的、意識不明、あるいは他の経口薬を受け入れる能力がないかまたは抵抗する患者の治療に有用であり、そしてまた、より早急な軽減が、特に急性および慢性の有痛性状況下で、より短時間に必要である場合に有用である。
非経口的医薬品製剤が製造される場合、そのような製剤が、即使用可能な製剤である、すなわち、(再構成可能な製剤とはちがって)使用直前に希釈または混合が必要でないということは、患者の利便性および安全性の観点から好都合である。即使用可能でかつ希釈可能な液状の非経口的製剤はまた、費用がかかる凍結乾燥および/または他の同様の製造工程を回避することによる製造上の観点からも有利である。
アセクロフェナクは、フェニル酢酸誘導体であり、これは、経口形態では、インターロイキン1β誘発性プロスタグランジンE2産生を阻害するが、わずかなCOX−I阻害効果しか示さない。この製剤は、患者に投与すると、それをジクロフェナク、すなわちCOX−IおよびCOX−II阻害剤に変換し、それ自身がCOX−1およびCOX−2の両方に対して増強された阻害活性を示す。
ジクロフェナクはごくわずかな消化管(GI)忍容性しか示さないため、それが製剤にとって十分に適しているとは言えない。これに対して、ジクロフェナクより、アセクロフェナクのよりよいGI忍容性とより少ない副作用のため、アセクロフェナクは、本発明者によって、液状製剤用に提案される。
残念ながら、注射剤のための即使用可能な溶液としてのアセクロフェナクを処方する試みは、溶液中に、特にある賦形剤が存在する場合に、アセクロフェナクが、不安定であり、分解が起きて析出が起こり、その結果、注射剤の使用には不適切にさせてしまう、という事実によって、今まで、複雑であった。
この問題の1つの可能な解決方法は、投与直前に液体媒体と混合される、乾燥再構成可能なアセクロフェナク製剤を提供することであるが、これもまた、長時間にわたっては安定ではない。しかしながら、多くの場合に、液体製剤、さらに特別には、上記の即使用可能な製剤を提供することは特に有利である。
もし、アセクロフェナクもしくはそれらの薬学的に許容される塩の液状の非経口的に送達可能な製剤、特に、即使用可能である、室温で安定に貯蔵できるそのような製剤が、製造できるならば、COX−2を介した病状もしくは疾患の治療に重要な進歩がもたらされる。このことは、疼痛によって特徴づけられるかまたは疼痛を伴うような病状または疾患について、特に早急な疼痛の軽減の開始が望まれる場合に(例えば、片頭痛や急性および/または重症の他の疼痛形態のような)、特に当てはまる。
米国特許出願公開番号20040180961、Lee, Beom-Jin et alは、生物学的利用可能な経口アセクロフェナク剤形のための組成物および製造方法について述べている。その組成物は、不水溶性アセクロフェナク、重合体の基剤および界面活性物質を含んでいる。この発明の経口製剤は消化管内で優れた溶解性を示し、それによって消化管内での溶解速度、その結果の生物学的利用率、ならびに急速な分散特性および溶解特性を改善することが述べられている。加えて、従来の製剤より非常に少ない量で経口的に投与される時、この経口製剤は、治療上有効であり、したがって消化管障害を最小化する。
G Pasero et alは、Current Medical Research Opinion, (1995), 13, 305中の「関節リウマチの治療におけるアセクロフェナクおよびジクロフェナクの効果および安全性の多施設二重盲検比較試験」と題する論文中で、以下のとおり、詳細にアセクロフェナクの有効性を考察している:
関節リウマチ(RA)は、関節腔の慢性炎症性疾患であり、これは、滑膜の増殖および軟骨破壊を引き起こす。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、RAのための第一対症療法であると考えられている。多くの患者が慢性的なNSAIDの治療を必要とするという理由で、NSAIDが有効であることに加えて充分に耐性があることは重要である。正に、重篤な胃腸の合併症の危険は、長期NSAID治療の主な懸念の1つである。
アセクロフェナクは、NSAIDのフェニル酢酸系の新規なNSAID(2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]フェニルアセトキシ酢酸)であり、これは、急性および慢性炎症のいくつかの動物モデルで、良好な鎮痛、解熱、抗炎症の効果を発揮することが示されている。インドメタシンおよびジクロフェナクと類似の薬力学的特性を維持しているにもかかわらず、アセクロフェナクは、他のNSAIDと比較した時により良好な胃への忍容性を示している。げっ歯類では、アセクロフェナクの急性胃潰瘍発生の活性は、ナプロキセン、ジクロフェナクまたはインドメタシンそれぞれの約1/2、1/4および1/7であることがわかった。実際にアセクロフェナクの治療係数は、臨床的使用において充分に確立したNSAIDであるジクロフェナクの治療係数の4倍大きいことが報告されている。
短期臨床試験は、歯科の抜歯および会陰切開に続く疼痛の軽減ならびに関節リウマチ(RA)および変形関節炎の慢性治療におけるアセクロフェナクの有効性を立証している。さらに、2つの試験は、アセクロフェナクが、より少ない脱落の点からみて、RAの長期治療の点において、少なくともケトプロフェンと同等の有効性であり、より良い忍容性を示すことが示されている。関節の疾患におけるいくつかの比較試験において、アセクロフェナクは、ジクロフェナクまたはケトプロフェンより優れた忍容性を示す傾向があり、胃の不耐性のために治療を中止する患者は少なかった。
RAにおけるアセクロフェナクおよびジクロフェナクのこの長期比較試験によって、アセクロフェナクの治療的有効性が、関節リウマチの治療において、充分に確立したNSAIDであるジクロフェナクの有効性に匹敵することが確認されている。試験中、両薬剤は、VASおよびRitchie指数によって示されるような、疼痛の程度を改善した。ベースラインで、両方のこれらの変数が、アセクロフェナク群における方がジクロフェナク群におけるより、有意に大きいという事実は、RA疾患がアセクロフェナク群でより重症であり、本薬剤の有効性が、6ヵ月後の群間で違いがなかったため、いくらか大きかったかもしれないことを示唆している。この可能性は、アセクロフェナクが、Ritchie指数および握力を改善する点で、ジクロフェナクより有効である傾向があるという事実によって支持される。先のRAの3ヶ月試験において、アセクロフェナクは、Ritchie指数および早朝硬直の両方に関して、ケトプロフェンより有意に有効であることが判明している。
NSAIDによる長期治療の主な欠点は、消化管障害の危険である。NSAIDは、普通の鎮痛薬より上部消化管出血の誘発を含むより大きな危険をもたらすが、この危険は、用量に依存しており、また以前に出血経験がある患者で最も高い。最近、イブプロフェンおよびジクロフェナクは、最も多用されているものの中で、上部消化管出血を引き起こす最も低い危険を示すNSAIDであることが示されている。したがって、これら2つの薬剤に同等またはより良好な消化管忍容性を示す、いかなるNSAIDも、RAの長期治療のためによく受け入れられる可能性がある。前臨床試験は、アセクロフェナクが、優れた治療活性ばかりではなく、ジクロフェナク、フェニルブタゾンまたはインドメタシンよりさらに有利な潰瘍発生指数を示すことを、立証した。そのうえ、ケトプロフェンとの先の比較臨床試験の結果は、一方では治療効果の点から類似してはいるが、アセクロフェナクは、よりよい安全性および忍容性の特性を立証することを示した。現在の試験において、アセクロフェナクは、患者によってよく忍容性も示したので、消化管の不耐性の頻度が、ジクロフェナク群(17%)よりアセクロフェナク群(13%)で低い傾向である。これらの所見は、RAの先の試験の結果がその薬剤の良好な忍容性を示すことを確認するばかりでなく、それらは、健常人志願者における先の知見を支持しており、かつ、アセクロフェナクが、胃腸の血液損失の点でジクロフェナクより忍容性を示す傾向にあることを示している。
Gonzalez-Alvaro et alは、J Rheumatol. 1996 Apr;23(4):723-9中の「新規な非ステロイド性抗炎症薬である、アセクロフェナクは、ヒト好中球上のいくつかの数種の接着分子の発現および機能を低下させる」と題する論文中で、アセクロフェナクの有効性を以下のように考察している:
アセクロフェナクは、L−セレクチン発現の劇的な減少を誘発するが、一方で、CD4およびICAM−3発現の中等度および軽度の減衰も認められる。これに対して、好中球による他の接着因子の発現は、影響を受けないか(CD11a,CD31,CD44)、または、わずかに増加した(CD11b)。細胞接着試験によれば、非静的条件下で実施される、アセクロフェナクが内皮細胞へのL−セレクチン依存性好中球の接着を有意に減少させることが明らかになった。抗CD43Mabによって誘発された好中球の凝集も、アセクロフェナクによって有意に阻害された。結論として、アセクロフェナクは、主に細胞接着分子の発現に対して、検討された他のNSAIDより、より速くかつ強力な効果を示した。この新しいNSAIDは、内皮への好中球の接着を効率的に妨げ、この効果は、その抗炎症活性におけるさらなる関連機序を表しているかも知れない。
Grau M. et alは、Arzneimittelforschung. 1991 Dec; 41 (12): 1265-76中の「強力で新規な非ステロイド性抗炎症剤アセクロフェナクの薬効薬理」と題する論文中で、アセクロフェナクについて以下のように述べている:
アセクロフェナク(2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]フェニルアセトキシ酢酸:CAS 89796−99−6)は、新規な経口的に有効なフェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症剤であり、これは、顕著な抗炎症、鎮痛、および解熱の特性を示した。それ故、アセクロフェナクは、げっ歯類の急性および慢性炎症のいくつかのモデル中で強力な阻害活性を持ち、その薬力学的特性において、インドメタシンおよびジクロフェナクに類似しており、ナプロキセンおよびフェニルブタゾンより優れている。加えて、アセクロフェナクは、予防および治療の両方について、イヌにおける尿酸ナトリウム誘発性滑膜炎およびラットにおけるアジュバント誘発性多発関節炎に対して高活性であることがわかった。化学的および力学的な刺激によって誘発された疼痛に対するアセクロフェナクの鎮痛効果は、インドメタシンおよびジクロフェナクの鎮痛効果とほとんど同等であるかまたはわずかに良好であった。ラットにおけるビール酵母注射によって誘発された発熱も、アセクロフェナクによって顕著に抑制された。これに対して、アセクロフェナクの急性胃潰瘍発生の活性は、ナプロキセン、ジクロフェナクまたはインドメタシンそれぞれの約1/2、1/4および1/7であった。その高い抗炎症活性および胃障害の低い可能性の結果として、アセクロフェナクは、インドメタシン、ジクロフェナク、ナプロキセン、およびフェニルブタゾンとの比較において最も有利な治療割合を示した。これらのデータは、アセクロフェナクが、臨床治療において広い安全性の許容範囲に、強力な抗炎症および鎮痛作用薬になりえることを示す。
Grau M. et alは、Agents Actions Supplement 1991の「新規な非ステロイド性抗炎症および鎮痛薬である、アセクロフェナクの薬効薬理特性」と題する論文中で、アセクロフェナクについて以下のように述べている:
アセクロフェナクは、動物実験モデルで、顕著な、抗炎症、抗関節炎、鎮痛、および解熱の活性を有する新規なフェニル酢酸誘導体である。これらの効力を維持しながら、アセクロフェナクは、よりよい胃の忍容性を示し、その結果、インドメタシンおよびジクロフェナクのような他の高活性薬剤より、より高い安全性を提供している。
Schattenkirchner et alは、Clinical Rheumatology, 2003 May中の「急性腰痛を伴う患者におけるアセクロフェナクとジクロフェナクの樹脂酸塩の有効性および忍容性を比較する二重盲検多施設無作為臨床試験」と題する論文中で、以下のようにアセクロフェナクを考察している:
結論として、ジクロフェナクの樹脂酸塩と比較したアセクロフェナクの鎮痛効果の非劣性は、局在化した、無併発性の急性の腰仙疼痛をともなった患者において示された。ベースラインからの疼痛レベルの低下については、統計学的な有意性の点で、ジクロフェナクの樹脂酸塩と比較したアセクロフェナクの優位性を示すエビデンスもあるが、この違いは臨床的に重要であるとは考えられなかった。この結果はまた、臨床的見地から、アセクロフェナクのジクロフェナクの樹脂酸塩を越える、より良い安全性および忍容性の特性に向う傾向をも示した。
それ故、上記の議論から、安定な注射剤形のアセクロフェナク、および同注射剤の製造方法、そしてまたNSAIDによる非常に早急な治療(この早急な治療が注射剤形のアセクロフェナクを投与することによってなされる)を必要とする、病状または疾患を示す患者の治療方法を開発することの必要性が理解される。
本発明の目的および利点
したがって、本発明の目的および利点は以下に述べるとおりである。
本発明の目的は、即使用可能な注射剤形のアセクロフェナクを提供することである。
本発明の他の目的は、使用するために簡便で、乾燥粉末状のアセクロフェナク注射剤と比べてはるかに長期間安定である製剤を提供することである。
本発明のもう一つ目的は、血清中の有効治療濃度が、経口NSAIDよりも、より少ない用量で、かつより短時間で得られるようなアセクロフェナクの注射剤を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、薬剤の腸内代謝が起きないために、血清濃度が経口NSAIDより、より的確に予測可能であるようなアセクロフェナク注射剤を提供することである。
本発明のさらなるもう一つの目的は、患者に経口薬を投与可能でない場合に、アセクロフェナク注射剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、臨床的見地から、ジクロフェナクと比べて、より良好な安全性および忍容性の特性を有するアセクロフェナク注射剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、他のいくつかのNSAIDより、より安全で、より速効性で、かつより強力な効果を示す、アセクロフェナク注射剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、最も近似したNSAID注射剤である、ジクロフェナクより、より少ない副作用を有する、アセクロフェナク注射剤の提供することである。
本発明のもう一つの目的は、使用直前に希釈または混合または再構成を必要としないNSAIDの液状の非経口製剤を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、室温で貯蔵して安定であるNSAIDの即使用可能な液状の非経口製剤を提供することである。
本発明のさらなる目的は、費用がかかる凍結乾燥および/または他の同様の製造工程の使用を回避する液状の非経口NSAID製剤の製造方法を開発することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、NSAIDによる非常に早急な治療を必要とする病状または疾患を示す患者の治療方法を提供することである。
本発明の記述
本発明は、その最も好ましい実施態様によれば、医薬として適用可能な、非水性液状の非経口アセクロフェナク製剤を提供する。本発明は、溶媒液体中で可溶化されたおよび/または溶解された形態で、不水溶性アセクロフェナク塩という形態のアセクロフェナク成分を含み、ここで、その溶媒液体は;
a. アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換により形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、非水性可溶化剤成分はこの変換に関して実質的に不活性である);および
b. アセクロフェナク遊離酸の析出を阻害するために有効なアセクロフェナク塩安定剤成分
を含む。
非水性可溶化剤成分およびアセクロフェナク塩安定剤成分は、同一であるか、あるいは異なっている。
アセクロフェナク製剤を、30℃で180日間維持された、密閉された気密容器に貯蔵すると、そのアセクロフェナクは、製剤総量の少なくとも約98%重量のアセクロフェナク遊離酸を構成する。
あるいは、アセクロフェナク製剤は、1もしくは2種以上のサリチル酸誘導体(類)および非水性可溶化剤成分をさらに含むが、このさらなる非水性可溶化剤成分は実質的に不活性である。
本発明のアセクロフェナク塩は、ジクロフェナクの抗炎症鎮痛特性に類似した特性を示すフェニル酢酸誘導体を含んでもよい。
この発明のアセクロフェナク製剤において、遊離酸として表される前記アセクロフェナクは、製剤の約1mg/ml〜約400mg/ml、好ましくは約1mg/ml〜約300mg/ml、より好ましくは約10mg/ml〜約50mg/mlの範囲の量で存在する。
アセクロフェナク塩安定剤成分は、アセクロフェナク製剤の酸素への効果的な曝露を制限するための酸素制限手段を含み、ここで、この酸素制限手段が、1もしくは2種以上の酸化防止剤を含み、それがブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルおよびブチル化ヒドロキシトルエンからなる群より選択される。酸化防止剤の総量は、溶媒液体の、約0.001重量%〜約5重量%の範囲内である。酸化制限手段は、さらに、アセクロフェナク製剤と接触する、不活性ガスに限定された微小雰囲気を含む。
本発明のサリチル酸誘導体成分は、注射剤の安定化および有効性の改善に役立つ。この成分は、アセクロフェナクの1%〜500%、好ましくは50%〜250%、さらに好ましくは75%〜150%の範囲にある。
このアセクロフェナク製剤のための非水性可溶化剤成分は、プロピレングルコール、ポリエチレングリコールおよび任意のエタノール、あるいは、これらのいずれか2つ、またはこれらの3つ全てからなる群より選択される。
プロピレングルコールが本発明において使用される場合、プロピレングルコールの濃度は、非水性可溶化剤成分およびアセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される溶媒液体の7重量%を超える。あるいは、この濃度は、約7重量%〜約70重量%の範囲内である。
ポリエチレングリコールが使用される場合、その濃度は、溶媒液体の約35重量%〜約95重量%の範囲内、好ましくは30重量%を超える。ポリエチレングリコールは、約200〜約1000の範囲、好ましくは約300〜約800の範囲内の平均分子量を有する。
任意のエタノールが使用される場合、その濃度は、溶媒液体の約1重量%〜約30重量%の範囲にある。
ベンジルアルコールが防腐剤として使用される場合、その濃度は、溶媒液体の約0.1重量%〜約4重量%の範囲にある。
本発明の組成物は、すなわち、使用直前に混合または希釈が必要でない(すなわち、「即使用可能な」)非経口的に送達するのに適しているアセクロフェナク濃度で提供できるが、そのような組成物は、室温および冷蔵温度において貯蔵すると意外にも安定である。本発明の組成物は、それが即使用可能なものであれ、投与前に希釈が必要なものであれ、費用および時間がかかる凍結乾燥工程の必要性を避ける方法によって製造することができる。本発明の他の特徴は、以下において、一部明らかとなり、また一部分指摘されるであろう。
そのもう一つの実施様態によれば、本発明は、医薬適用のための非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤の製造方法であって、
(A) 特定の順序で、
(a) 不水溶性アセクロフェナク塩の形態のアセクロフェナク成分、
(b) アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換によって形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、非水性可溶化剤成分はこの変換に関して実質的に不活性である)、
(c) サリチル酸誘導体、および酸素制限因子を含む任意のアセクロフェナク塩安定剤成分などのアセクロフェナク塩安定剤成分、
(d) 任意のエタノール成分、
(e) ベンジルアルコール成分
を組み合わせて、混合する工程;
(B) 上記の(b)、(c)、(d)、および(e)の成分の混合によって形成される溶媒液体中で、アセクロフェナク塩を可溶化および/または溶解し、それによって、30℃で180日間維持された密閉された容器中で、非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を貯蔵すると、アセクロフェナク製剤中のアセクロフェナク遊離酸として表されるアセクロフェナクが、製剤の少なくとも約98重量%を構成する工程
を含む製造方法を提供する。
あるいは、この方法において、上記の工程(c)のアセクロフェナク塩安定剤成分が、pH調整剤、酸化防止剤、プロピレングルコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される1もしくは2種以上の安定化剤を含む。非水性溶解剤成分およびアセクロフェナク塩安定剤成分の少なくとも1つが、プロピレングリコールである。プロピレングルコールの濃度は、アセクロフェナク製剤の7重量%を超える。
この方法において使用される種々の成分は、本発明の最も好ましい実施態様についての記載において述べられたと同じ条件を満たす。
本発明のさらにもう一つの実施態様によれば、薬学的に有効な投与量の非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤が提供されるが、ここで、このアセクロフェナク塩は、さらなる希釈なしに非経口的投与するのに適した濃度で存在する。必要な投与量が、バイアル、ならびにアンプル、シリンジ、パケット、パウチおよびオートインジェクターからなる群より選択される密封された気密容器中で提供される。密封された気密容器の内部空間は、アセクロフェナク製剤によって占有された充填体積および不活性ガスに限定された微小雰囲気によって占有されたヘッドスペース体積を含み、この微小雰囲気は、充填体積対前記ヘッドスペース体積の比が1:1以上となるように、希ガスおよび窒素からなる群より選択される1もしくは2種以上の不活性ガスを本質的に含む。
窒素が使用される場合、ヘッドスペース体積は、ヘッドスペース体積中の酸素を置き換えるために、約5%以下の窒素の体積を有する。
密封された気密容器が、好ましくはガラスアンプルである場合、アセクロフェナク塩が、1単位投与量に対応する量で密封された容器中に存在する。あるいは、密封された気密容器中でアセクロフェナク塩の量は、1〜20単位投与量に対応する。
アセクロフェナク塩は、不活性ガスブランケット下で無菌的に充填された、アセクロフェナクナトリウムであってもよい。
本発明は、そのさらなる実施様態によれば、NSAIDによる治療が必要である病状または疾患を示す患者の治療方法であって、治療上有効量の非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を非経口的に投与することを含む方法を提供する。
本発明の組成物の治療的使用法
本発明の組成物は、炎症、疼痛および/または発熱によって特徴づけられた疾患を含むが、これらに限定されない、COX−2を介した疾患の非常に広範囲の治療および予防に有用である。そのような組成物は、関節炎の治療におけるような、抗炎症剤として特に有用であり、従来のNSAIDの組成物より、より少ない有害な副作用を有意に示すさらなる利点を有する。特に、本発明の組成物は、従来のNSAIDの組成物と比較して、上部消化管の潰瘍および出血を含む、胃腸の毒性および胃腸の刺激作用の可能性を減少している。
意図されている組成物は、関節リウマチ、脊椎関節症、特に、強直性脊椎炎、骨関節炎、全身性エリテマトーデスおよび若年性関節炎を含むがこれに限らず、種々の関節炎疾患の治療に有用である。
このような組成物は、喘息、気管支炎、月経性腹痛、早産、腱炎、滑液包炎、アレルギー性神経炎、サイトメガロウイルス感染症、HIV誘発性アポトーシスを含むアポトーシス、腰痛、乾癬、湿疹、にきび、火傷、皮膚炎などの皮膚関連病状、および日焼け紫外線照射障害、および白内障手術または屈折矯正手術などの眼科手術後のものを含む術後炎症によって引き起こされる疼痛および炎症の治療に有用である。
このような組成物は、片頭痛、動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、リウマチ熱、1型糖尿病、重症筋無力症を含む神経節接合部疾患、多発性硬化症を含む白質疾患、多臓器肉芽腫性疾患、ネフローゼ症候群、ベーチェット病、多発性筋炎、歯肉炎、腎炎、過敏症、脳浮腫を含む損傷後に生じる腫脹、心筋虚血などのような、疾患における疼痛および炎症の治療に有用である。
このような組成物は、眼内炎、上強膜炎、網膜炎、虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜炎、角膜炎、結膜炎および眼瞼炎などの炎症疾患、一部分以上の眼の炎症疾患、例えば、網膜脈絡膜炎、虹彩毛様体炎、虹彩毛様体脈絡膜炎(ブドウ膜炎としても知られている)、角結膜炎、眼瞼結膜炎他;COX−2を介した他の網膜症;眼性羞明;術後外傷、例えば、白内障または角膜の移植手術後の外傷を含むいずれかの眼組織の急性外傷;術後の眼性炎症;術中の瞳孔収縮;損傷または感染後のものを含む眼球の、例えば、網膜の血管新生;黄斑部変性;類嚢胞黄斑部浮腫;水晶体後線維増殖症;血管新生緑内障;および眼痛を含むがこれらに限定されない眼疾患に起因する疼痛および炎症の治療に有用である。
このような組成物は、ウイルス性感染症および嚢胞性線維症と関連するような肺炎症、および骨粗鬆症に関連する骨吸収に起因する疼痛の治療に有用である。
このような組成物は、アルツハイマー病を含む皮質認知症、神経変性、ならびに脳卒中虚血および外傷から生じる中枢神経系損傷などのある種の中枢神経系疾患に起因する疼痛および炎症の治療に有用である。本文脈中の「治療」という用語は、アルツハイマー病、脈管認知症、多発梗塞性認知症、初老期認知症、アルコール性認知症および老年認知症を含む、認知症の部分的または完全な阻害を含む。
このような組成物は、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、エンドトキシン・ショック症候群および肝疾患に起因する疼痛および炎症の治療に有用である。
このような組成物は、術後疼痛、歯痛、筋肉痛、および癌から生じる疼痛を含むが、これに限らず、疼痛の治療に有用である。例えば、このような組成物は、リウマチ熱、インフルエンザおよび風邪を含む他のウイルス感染症、腰痛および頸部痛、月経困難症、頭痛、歯痛、捻挫および筋挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、関節リウマチを含む関節炎、変性関節疾患(変形性関節症)、痛風および強直性脊椎炎、滑液包炎、bums、ならびに外科的および歯科的な治療後の外傷を含む、多様な病状における疼痛、発熱および炎症の軽減に有用である。
このような組成物は、血管疾患、冠動脈疾患、動脈瘤、血管拒絶、動脈硬化、心臓移植アテローム性動脈硬化症を含むアテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、塞栓症、脳卒中、静脈血栓症を含む血栓症、不安定狭心症を含む狭心症、冠状動脈プラーク炎症、クラミジア誘発性炎症を含むバクテリア誘発性炎症、ウイルス誘発性炎症、ならびに冠状動脈バイパス手術を含む血管移植、血管形成術を含む血管再生治療、ステント配置、動脈血管内膜切除術、または動脈、静脈および毛細管に関わる他の侵襲的治療のような外科的治療に関連する炎症を含む、炎症関連性心血管系疾患の治療および予防に有用である。
このような組成物は、患者において血管新生関連の疾患、例えば、腫瘍血管新生を阻害することに起因する疼痛および炎症の治療に有用である。このような組成物は、転移を含む腫瘍症;角膜移植片拒絶、眼血管新生、損傷または感染後の血管新生を含む網膜の血管新生、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、水晶体後線維増殖症および血管新生緑内障のような眼科病状;胃潰瘍のような潰瘍性疾患;小児血管腫を含む血管腫などの病理的であるが非悪性の病状;上咽頭血管線維腫および無血管性骨壊死;ならびに子宮内膜症などの女性生殖器系の疾患における治療に有用である。
このような組成物は、癌、例えば結直腸癌、脳腫瘍、骨癌、上皮細胞由来の腫瘍症(上皮癌腫)例えば、基底細胞癌腫、腺癌、消化管癌、例えば、口唇癌、口腔癌、食道癌、小腸癌、胃癌、大腸癌、肝癌、膀胱癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌、皮膚癌、例えば扁平上皮癌および基底細胞癌、前立腺癌、腎細胞癌、および体の全体にわたって上皮細胞を冒す他の公知の癌を含む良性および悪性の腫瘍および腫瘍症に起因する疼痛および炎症の予防および治療に有用である。本発明の組成物が、特に有用であると意図されている腫瘍症は、胃腸癌、バレット食道、肝癌、膀胱癌、膵臓癌、卵嚢癌、前立腺癌、子宮頸癌、肺癌、乳癌および皮膚癌である。このような組成物はまた、放射線療法によって起こる線維症を治療するために用いることができる。このような組成物は、家族性大腸腺腫性ポリープ症(FAP)を伴う患者を含む、腺腫様ポリープを有する患者を治療するために用いることができる。さらに、このような組成物は、FAPのおそれにある患者におけるポリープの形成を予防するために用いることができる。
このような組成物は、収縮プロスタノイドの合成を阻害することに起因するプロスタノイド誘発性平滑筋収縮を阻害し、そしてそれ故、月経困難症、早産、喘息およびcosinophil関連疾患に起因する疼痛の治療に有用である。それらはまた、特に閉経した婦人の骨量減少を低下させる(すなわち、骨粗鬆症の治療)ために、そして、緑内障に起因する疼痛の治療のために有用であることができる。
本発明の組成物の好ましい用途は、関節リウマチおよび変形性関節症の治療、一般的疼痛管理(特に、口腔術後疼痛、一般術後疼痛、整形外科術後疼痛および変形性関節症の急性紅斑)、頭痛の予防および治療である。
ヒトの治療に有用である他に、本発明の組成物は、ペット、外来種動物、家畜など、特に哺乳類の獣医学的治療に有用である。より詳しくは、本発明の組成物は、ウマ、イヌおよびネコのCOX−2を介した疾患の治療に有用である。
本発明は、さらに、COX−2阻害薬での治療が必要である病状または疾患を治療する治療方法を志向しているが、この方法は、それについて必要としている患者に本発明の組成物を非経口的投与することを特徴としている。病状または疾患の予防、軽減または改善のための投与レジメンは、好ましくは、1日1回または1日2回の治療に対応するが、種々の要因に従って修正することができる。これらは、患者のタイプ、年齢、体重、性別、食事および医学的状況、ならびに疾患の性質および重症度を含む。このように、事実上使用される投与レジメンは、広く変更することができ、したがって、本明細書において記載される好ましい投与レジメンからそれることができる。
本明細書において示されるように、初期の治療は、服用レジメンで開始することができる。治療は一般に、病状または疾患が抑制または除去されるまで、必要に応じて、数週間から数ヶ月または数年の期間にわたって続けられる。本発明の組成物で治療を受けている患者は、治療の効果を決定するために、当技術分野で周知の方法のいずれかによって、日常的にモニターされることができる。
このようなモニタリングからのデータの連続分析は、至適有効量をいずれかの時点で投与し、そして治療時間を決定することができるように、治療の間、治療レジメンの変更を可能にする。このようにして、治療レジメンおよび服薬スケジュールは、充分な効果を呈している最小量の組成物が投与されるように、そして、病状または疾患をうまく治療することが必要であるかぎりにおいて投与を継続するために、治療過程において合理的に変更することができる。
本明細書において「非経口的投与」という用語は、患者の皮膚中にまたは皮膚を通じるような、胃腸管を通じるより別の手段による組成物の注入を包含し、筋内投与を含む。薬剤の非経口的注入に有用ないかなる周知のデバイスも、このような投与を達成するために用いることができる。
本明細書において「有効量」という用語は、医学目的(例えば、予防的なまたは治療的な)のために効果的であると考えられる、かつ、多くの要因によって変化する用量を意味する。このような限定されない要因は、投与経路および頻度ならびに医学目的を含む。
本明細書において「単位投与量」という用語は、単回投与操作で送達するために適しているアセクロフェナクの量を意味する。
このように、本発明の一実施態様によれば、1つの方法が、ジクロフェナクの治療的有効投与量に等しいアセクロフェナクの用量において、患者に本明細書において記載されている組成物を非経口的投与することを特徴とするヒト患者におけるCOX−2を介した疾患の治療のために提供される。
好ましくは、アセクロフェナク塩は、約1mg〜約300mgの1日用量で投与される。より好ましい1日用量は、約10mg〜約250mgであり、より好ましくは約30mg〜約200mg、より一層好ましくは約50mg〜約100mgであり、例えば約100mgまたは約150mgのアセクロフェナクである。
本組成物は、投与量調節を伴う、オピオイドおよび麻薬性鎮痛薬を含む他の鎮痛薬、μ受容体拮抗薬、κ受容体拮抗薬、非麻酔性(すなわち、非習慣性の)鎮痛薬、モノアミン吸収阻害薬、アデノシン抑制剤、カンナビノイド誘導体、サブスタンスP拮抗剤、ニューロキニン−1受容体拮抗剤との併用療法において有用である。
好ましい併用療法は、アセメタシン、ε−アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチルサリチル酸、S−アデノシルメチオニン、アルクロフェナック、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アロキシプリン、アルファプロジン、アルミニウム ビス(アセチルサリチラート)、アンフェナク、アミノクロロテノキサジン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、アミキセトリン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、アントルメチングアシル、アニレリジン、アンチピリン、サリチル酸アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、アスピリン、バルサラジン、ベンダザック、ベノリレート、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベンジルモルヒネ、ベルベリン、ベルモプロフェン、ベジトラミド、α−ビサボロール、ブロムフェナク、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸アセタート、ブロモサリゲニン、ブセチン、ブクロキシ酸、ブコローム、ブフェキサマク、ブマジゾン、ブプレノルフィン、ブタセチン、ブチブフェン、ブトルファノール、アセチルサリチル酸カルシウム、カルバマゼピン、カルビフェン、カルプロフェン、カルサラム、クロロブタノール、クロロテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シンメタシン、シラマドール、クリダナク、クロメタシン、クロニタゼン、クロニキシン、クロピラック、クローブ、コデイン、臭化メチルコデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、クロプロパミド、クロテタミド、デソモルヒネ、デキソキサドロール、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフェンピラミド、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、ジヒドロモルフィン、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、ジピロセチル、ジピロン、ジタゾール、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナミン酸、エピリゾール、エプタゾシン、エタナーセプト、エテルサレート、エテンザミド、エトヘプタジン、エトキサゼン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトドラク、エトフェナメート、エトニタゼン、オイゲノール、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロジン酸、フェンドサール、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルフェナム酸、フルノキサプロフェン、フルオレソン、フルピルチン、フルプロクアゾン、フルビプロフェン、フォスフォサル、ゲンチジン酸、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、グアイアズレン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イブフェナック、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、インフリキシマブ、インターロイキン−10、イソフェゾラク、イソラドール、イソメサドン、イソニキシン、イソキセパック、イソキシカム、ケトベミドン、ケトプロフェン、ケトロラック、p−ラクトフェネチド、レフェタミン、レボルファン、レキシパファント、ロフェンタニル、ロナゾラク、ロモキシカム、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、アセチルサリチル酸マグネシウム、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メペリジン、メプタジノール、メサラミン、メタゾシン、メサドン、メトトリメプラジン、メチアジン酸、メトフォリン、メトポン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モラゾン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、サリチル酸モルホリン、ミロフィン、ナブメトン、ナルブフィン、サリチル酸1−ナフチル、ナプロキセン、ナルセイン、ネホパム、ニコモルヒネ、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルフィン、ノルピパノン、オルサラジン、アヘン、オキサセプロール、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシモルホン、オキシフェンブタゾン、パパベレツム、パラニリン、パルサルミド、ペンタゾシン、ペリソキサール、フェナセチン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール、フェノペリジン、フェノピラゾン、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピケトプロフェン、ピミノジン、ピペブゾン、ピペリロン、ピラゾラク、ピリトラミド、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プログルメタシン、プロヘプタジン、プロメドール、プロパセタモール、プロピラム、プロポキシフェン、プロピフェナゾン、プロカゾン、プロチジン酸、ラミフェナゾン、レミフェンタニル、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、サリチルアミド−o−酢酸、サリチル硫酸、サルサレート、サルベリン、シメトリド、サリチル酸ナトリウム、スフェンタニル、スルファサラジン、スリンダック、スーパーオキシドジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン、タルニフルメート、テニダプ、テノキシカム、テロフェナメート、テトランドリン、チアゾリノブタゾン、チアプロフェン酸、チアラミド、チリジン、チノリジン、トルフェナム酸、トルメチン、トラマドール、トロペシン、ビミノール、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、ジコノチドおよびゾメピラック(メルクインデックス、第13版(2001)、治療分類および生物活性の項を参照、その中のリストは「鎮痛薬」、「抗炎症」および「解熱薬」の上部であった)より選択される、1もしくは2以上の化合物との本発明の組成物の使用を含む。
本発明の詳細な前述の説明からみて、本発明が一般的に以下の項を含むことは、当業者にとって明白である:
1. 溶媒液体中で可溶化されたおよび/または溶解された形態で、不水溶性アセクロフェナク塩という形態のアセクロフェナク成分を含む、医薬として適用可能な、非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤であって、前記溶媒液体が;
a) アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換により形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、前記非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である);および
b) アセクロフェナク遊離酸の析出を阻害するために有効なアセクロフェナク塩安定剤成分
を含むことを特徴とする、アセクロフェナク製剤。
2. 30℃で180日間維持された、密閉された気密容器に貯蔵された前記製剤において、アセクロフェナク遊離酸として表されたアセクロフェナクが、前記製剤の総量の少なくとも約98%を構成する、第1項のアセクロフェナク製剤。
3. 前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、同一であるか、あるいは異なっている、第1項のアセクロフェナク製剤。
4. 前記製剤が、さらに、安定剤成分として1もしくは2種以上のサリチル酸誘導体および酸素制限手段を含む他の任意のアセクロフェナク塩安定化剤成分を含む、第1項のアセクロフェナク製剤。
5. 前記製剤が、さらに、前記アセクロフェナクと、前記アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換により形成される前記ジクロフェナクとを安定化するために有効である、追加の1もしくは2種以上の非水性可溶化剤成分(ここで、前記追加の非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である)を含む、第1項のアセクロフェナク製剤。
6. 前記アセクロフェナク塩が、前記ジクロフェナクの抗炎症鎮痛特性に近似した特性を有するフェニル酢酸誘導体を含む、第1項のアセクロフェナク製剤。
7. 遊離酸として表される前記アセクロフェナクが、前記製剤の約1mg/ml〜約400mg/ml、好ましくは約1mg/ml〜300mg/ml、より好ましくは10mg/ml〜50mg/mlの範囲の量で存在する、第1項のアセクロフェナク製剤。
8. 前記非水性可溶化剤成分は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび任意のエタノールからなる群より選択される、第1項および第5項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
9. 前記非水性可溶化剤成分が、プロピレングルコールおよび任意のエタノールからなる群より選択される、第1項および第5項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
10. 前記非水性可溶化剤成分が、プロピレングルコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される、第1項および第5項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
11. ベンジルアルコールが、保存剤として使用される、第1項および第5項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
12. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される第1項の前記溶媒液体の7重量%を超える、第8項および第10項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
13. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される第1項の前記溶媒液体の約7重量%〜約70重量%の範囲内である、第8項および第10項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
14. 前記ポリエチレングリコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される第1項の前記溶媒液体の約35重量%〜約95重量%の範囲内、好ましくは30重量%を超え、前記ポリエチレングリコールが、約200〜約1000の範囲内、好ましくは約300〜約800の範囲内の平均分子量を有する、第8項、第9項および第10項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
15. 前記ベンジルアルコールの濃度が、第1項の前記溶媒液体の約0.1重量%〜約4重量%の範囲である、第11項のアセクロフェナク製剤。
16. 前記サリチル酸誘導体の濃度が、第1項の前記アセクロフェナク塩の約1重量%〜約500重量%、好ましくは約50重量%〜約250重量%、さらに好ましくは約75重量%〜約150重量%の範囲内である、第4項のアセクロフェナク製剤。
17. 前記任意のエタノールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される第1項の前記溶媒液体の約1重量%〜約30重量%の範囲内である、第8項および第9項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
18. 前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、前記アセクロフェナク製剤の酸素への効果的な曝露を制限するための酸素制限手段を含み、ここで、前記手段が、1もしくは2種以上の酸化防止剤(これは、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルおよびブチル化ヒドロキシトルエンからなる群より選択される)を含み、前記酸化防止剤の総量が、前記溶媒液体の約0.001重量%〜約5重量%の範囲内であり、前記手段が、さらに、前記アセクロフェナク製剤と接触する不活性ガスに限定された雰囲気を含む、第1項、第3項および第4項のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
19. 薬剤的に有効な投与量が、さらなる希釈なしに非経口的投与に適した濃度で前記アセクロフェナク塩を含む、第1項のアセクロフェナク製剤。
20. 前記有効な投与量の必要量が、バイアル、アンプル、シリンジ、パケット、パウチおよびオートインジェクターからなる群より選択される密封された気密容器中で提供される、第19項のアセクロフェナク製剤。
21. 前記密封された気密容器の内部空間が、前記アセクロフェナク製剤によって占有された充填体積および不活性ガスに限定された微小雰囲気によって占有されたヘッドスペース体積を含み、この微小雰囲気は、前記充填体積対前記ヘッドスペース体積の比が1:1以上となるように、希ガスおよび窒素からなる群より選択される1もしくは2種以上の不活性ガスを本質的に含む、第20項のアセクロフェナク製剤。
22. 前記ヘッドスペース体積中の窒素という前記不活性ガスが、前記ヘッドスペース体積中の酸素を置き換えるために5%を超えない窒素の体積を有する、第21項のアセクロフェナク製剤。
23. 前記アセクロフェナク塩が、単回の単位投与量に対応する量で存在し、第20および21項のいずれか1項記載の前記密封された気密容器が、好ましくはガラスアンプルである、第19項のアセクロフェナク製剤。
24. 前記アセクロフェナク塩が、単回の1〜20単位投与量のいずれかに対応する量で存在する、第19項のアセクロフェナク製剤。
25. 前記アセクロフェナク塩が、不活性ガスブランケット下で無菌的に充填された、アセクロフェナクナトリウムである、第19項のアセクロフェナク製剤。
26. 医薬として適用するための非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤の製造方法であって:
(A) 特定の順序で、
(a) 不水溶性アセクロフェナク塩の形態のアセクロフェナク成分、
(b) アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換によって形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、前記非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である)、
(c) サリチル酸誘導体、および酸素制限因子を含む任意のアセクロフェナク塩安定剤成分などのアセクロフェナク塩安定剤成分、
(d) 任意のエタノール成分、および
(e) ベンジルアルコール成分、
を組み合わせて、混合し、
(B) 工程(A)の上記(b)、(c)、(d)、および(e)の成分の混合によって形成される溶媒液体中でアセクロフェナク塩を可溶化および/または溶解し、それによって、30℃で180日間維持された密閉された容器中で、前記非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を貯蔵すると、前記アセクロフェナク製剤中の前記アセクロフェナク遊離酸として表される前記アセクロフェナクが、前記製剤の少なくとも約98重量%を構成する
工程を含む製造方法。
27. 工程(A)の工程(c)の前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、pH調整手段、酸化防止剤、プロピレングルコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される1もしくは2種以上の安定化剤を含む、第26項の方法。
28. 前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の少なくとも1つが、ポリエチレングリコールである、第26項の方法。
29. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記製剤の7重量%より多い、第27項の方法。
30. NSAIDによる治療を必要とする病状または疾患を有する患者の治療方法であって、治療上有効な量の第1項の前記非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を非経口的に投与することを含む治療方法。
前記疾患が、COX−2によって媒介され、前記治療的有効量が、約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは約10mg/日〜約250mg/日、さらに好ましくは約30mg/日〜約200mg/日、さらに一層好ましくは約50mg/日〜約150mg/日の1日投与量である、第30項の方法。
前記説明は、多くの具体例を含んでいるが、本発明の範囲を限定するものではなく、むしろ、本発明の好ましい実施態様を例示するものと解釈されるべきである。多くの他の変形例が可能である。したがって、本発明の範囲は、例示される実施態様によってではなく、添付の請求の範囲およびそれらの法律的等価物によって決定されるべきである。

Claims (34)

  1. 溶媒液体中で可溶化されたおよび/または溶解された形態で、不水溶性アセクロフェナク塩という形態のアセクロフェナク成分を含む、医薬として適用可能な、非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤であって、前記溶媒液体が;
    a) アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換により形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、前記非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である);および
    b) アセクロフェナク遊離酸の析出を阻害するために有効なアセクロフェナク塩安定剤成分
    を含むことを特徴とする、アセクロフェナク製剤。
  2. 30℃で180日間維持された、密閉された気密容器に貯蔵された前記製剤において、アセクロフェナク遊離酸として表されたアセクロフェナクが、前記製剤の総量の少なくとも約98%を構成する、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  3. 前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、同一であるか、あるいは異なっている、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  4. 前記製剤が、さらに、安定剤成分として1もしくは2種以上のサリチル酸誘導体、および酸素制限手段を含む他の任意のアセクロフェナク塩安定化剤成分を含む、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  5. 前記製剤が、さらに、前記アセクロフェナクと、前記アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換により形成される前記ジクロフェナクとを安定化するために有効である、追加の1もしくは2種以上の非水性可溶化剤成分(ここで、前記追加の非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である)を含む、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  6. 前記アセクロフェナク塩が、前記ジクロフェナクの抗炎症鎮痛特性に近似した特性を有するフェニル酢酸誘導体を含む、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  7. 遊離酸として表される前記アセクロフェナクが、前記製剤の約1mg/ml〜約400mg/ml、好ましくは約1mg/ml〜300mg/ml、より好ましくは10mg/ml〜50mg/mlの範囲の量で存在する、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  8. 前記非水性可溶化剤成分は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよび任意のエタノールからなる群より選択される、請求項1および5のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  9. 前記非水性可溶化剤成分が、プロピレングルコールおよび任意のエタノールからなる群より選択される、請求項1および5のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  10. 前記非水性可溶化剤成分が、プロピレングルコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される、請求項1および5のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  11. ベンジルアルコールが、保存剤として使用される、請求項1および5のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  12. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される請求項1記載の前記溶媒液体の7重量%を超える、請求項8および10のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  13. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される請求項1記載の前記溶媒液体の約7重量%〜約70重量%の範囲内である、請求項8および10のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  14. 前記ポリエチレングリコールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される請求項1記載の前記溶媒液体の約35重量%〜約95重量%の範囲内、好ましくは30重量%を超え、前記ポリエチレングリコールが、約200〜約1000の範囲内、好ましくは約300〜約800の範囲内の平均分子量を有する、請求項8、9および10のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  15. 前記ベンジルアルコールの濃度が、請求項1記載の前記溶媒液体の約0.1重量%〜約4重量%の範囲である、請求項11記載のアセクロフェナク製剤。
  16. 前記サリチル酸誘導体の濃度が、請求項1記載の前記アセクロフェナク塩の約1重量%〜約500重量%、好ましくは約50重量%〜約250重量%、さらに好ましくは約75重量%〜約150重量%の範囲内である、請求項4記載のアセクロフェナク製剤。
  17. 前記任意のエタノールの濃度が、前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の混合によって形成される請求項1の前記溶媒液体の約1重量%〜約30重量%の範囲内である、請求項8および9のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  18. 前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、前記アセクロフェナク製剤の酸素への効果的な曝露を制限するための酸素制限手段を含み、ここで、前記手段が、1もしくは2種以上の酸化防止剤(これは、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルおよびブチル化ヒドロキシトルエンからなる群より選択される)を含み、前記酸化防止剤の総量が、前記溶媒液体の約0.001重量%〜約5重量%の範囲内であり、前記手段が、さらに、前記アセクロフェナク製剤と接触する不活性ガスに限定された雰囲気を含む、請求項1、3および4のいずれか1項記載のアセクロフェナク製剤。
  19. 薬剤的に有効な投与量が、さらなる希釈なしに非経口的投与に適した濃度で前記アセクロフェナク塩を含む、請求項1記載のアセクロフェナク製剤。
  20. 前記有効な投与量の必要量が、バイアル、アンプル、シリンジ、パケット、パウチおよびオートインジェクターからなる群より選択される密封された気密容器中で提供される、請求項19記載のアセクロフェナク製剤。
  21. 前記密封された気密容器の内部空間が、前記アセクロフェナク製剤によって占有された充填体積および不活性ガスに限定された微小雰囲気によって占有されたヘッドスペース体積を含み、この微小雰囲気は、前記充填体積対前記ヘッドスペース体積の比が1:1以上となるように、希ガスおよび窒素からなる群より選択される1もしくは2種以上の不活性ガスを本質的に含む、請求項20記載のアセクロフェナク製剤。
  22. 前記ヘッドスペース体積中の窒素という前記不活性ガスが、前記ヘッドスペース体積中の酸素を置き換えるために5%以下の窒素の体積を有する、請求項21記載のアセクロフェナク製剤。
  23. 前記アセクロフェナク塩が、単回の単位投与量に対応する量で存在し、請求項20および21のいずれか1項記載の前記密封された気密容器が、好ましくはガラスアンプルである、請求項19記載のアセクロフェナク製剤。
  24. 前記アセクロフェナク塩が、単回の1〜20単位投与量のいずれかに対応する量で存在する、請求項19記載のアセクロフェナク製剤。
  25. 前記アセクロフェナク塩は、不活性ガスブランケット下で無菌的に充填された、アセクロフェナクナトリウムである、請求項19記載のアセクロフェナク製剤。
  26. 医薬として適用するための非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤の製造方法であって:
    (A) 特定の順序で、
    (a) 不水溶性アセクロフェナク塩の形態のアセクロフェナク成分、
    (b) アセクロフェナクと、アセクロフェナクのジクロフェナクへの変換によって形成されるジクロフェナクとを安定化するために有効な非水性可溶化剤成分(ここで、前記非水性可溶化剤成分は前記変換に関して実質的に不活性である)、
    (c) サリチル酸誘導体、および酸素制限因子を含む任意のアセクロフェナク塩安定剤成分などのアセクロフェナク塩安定剤成分、
    (d) 任意のエタノール成分、および
    (e) ベンジルアルコール成分、
    を組み合わせて、混合し、
    (B) 工程(A)の上記(b)、(c)、(d)、および(e)の成分の混合によって形成される溶媒液体中でアセクロフェナク塩を可溶化および/または溶解し、それによって、30℃で180日間維持された密閉された容器中で、前記非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を貯蔵すると、前記アセクロフェナク製剤中の前記アセクロフェナク遊離酸として表される前記アセクロフェナクが、前記製剤の少なくとも約98重量%を構成する、
    工程を含む製造方法。
  27. 工程(A)の工程(c)の前記アセクロフェナク塩安定剤成分が、pH調整手段、酸化防止剤、プロピレングルコールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される1もしくは2種以上の安定化剤を含む、請求項26記載の方法。
  28. 前記非水性可溶化剤成分および前記アセクロフェナク塩安定剤成分の少なくとも1つが、ポリエチレングリコールである、請求項26記載の方法。
  29. 前記プロピレングルコールの濃度が、前記製剤の7重量%より多い、請求項27記載の方法。
  30. NSAIDによる治療を必要とする病状または疾患を有する患者の治療方法であって、治療上有効な量の請求項1記載の前記非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤を非経口的に投与することを含む治療方法。
  31. 前記疾患が、COX−2によって媒介され、前記治療的有効量が、約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは約10mg/日〜約250mg/日、さらに好ましくは約30mg/日〜約200mg/日、さらに一層好ましくは約50mg/日〜約150mg/日の1日投与量である、請求項30記載の方法。
  32. 実質的に本明細書に記載され詳述された、医薬として適用可能な、非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤。
  33. 実質的に本明細書に記載され詳述された、医薬として適用するのための非水性液状の非経口的アセクロフェナク製剤の製造方法。
  34. NSAIDによる治療が実質的に本明細書に記載され詳述された、病状または疾患を有する患者の治療方法。
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