JP2008519750A - チタン化合物を含有する廃液からTiO2粉末の製造 - Google Patents
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Abstract
Description
E)上述のプロセスはチタン系化合物のいずれの回収も行わない。
したがって、出願人は、今、驚いたことに、TiCl4を含む廃液の処理のための別法を見いだした。当該方法は、公知の方法に関して設備及び操作費用の最小化を与えるばかりでなく、TiCl4の二酸化チタンへの変換の操作もでき、したがって、有用な商業製品として最終TiO2粉末を得ることができる。
a) 前記液体を霧状にし、当該霧状にした0液体を蒸気及び空気の流れと100〜250℃の温度で反応させ、前記塩素化チタン化合物を二酸化チタン(TiO2)粉末に変換すること;
b) 次いで、工程a)から得た気相及び同伴TiO2粉末を400〜900℃の範囲内の温度で操作されているオーブン中に供給し、残留有機化合物及び塩酸を前記粉末から除去すること
の各工程を含む。
(1) TiCl4 +2H2O → TiO2 + 4HCl
(2) TiCl3(OC2H5)+2H2O→TiO2+3HCl+C2H5OH
広範な調査後、我々の研究者たちは、加水分解工程a)を行う最善方法は、廃液が加水分解反応の起こる直前に小滴に霧状化されたときに達成されることを見いだした。廃液の霧状化は、液滴と蒸気流との間の拡大した接触表面を確実にし、反応の変換速度を相当に増す。工程a)は、塩素化Ti化合物のTiO2の固体粉末への瞬時変換を含み、反応物間の接触時間を1秒未満にし、その結果、反応量を可及的に少なくし設備費用の相当の節約に導くことができる。事実、高度に腐食性の塩酸の大量形成により、非常に高価な特別の高抵抗性材料が必要となり、したがって、反応量の最小化は設備費用の減少を意味する。
所望の場合、粉末が目的とされる特定の用途に依存して、工程b)から来る二酸化チタン粒子を、ナノサイズの粒子を得るために粉砕に付し、これらの粒子は殆どの商業的応用において好ましいものである。例えば、150〜250nmの平均粒度は塗料産業の白色顔料として使用するのに好適なものであり、10〜100nmの平均粒度は化粧料、パーソナルケア製品、表面コーティング及び発電用途において使用するのに好適なものである。
図1は、本発明の工程a)を実施するための装置としてのエゼクターを示す。当該エゼクターは、TiCl4を含有する液体を霧状化し、霧状化した液体と蒸気とを反応させるために使用される。
図1に示されているように、塩素化チタン化合物及び副生物を含む廃液はライン1を介してエゼクターの中央パイプ2に供給され、一方、蒸気+空気流は、エゼクターの中央パイプ2を囲む環状パイプ4にライン3を介して供給される。中央パイプ2及び環状パイプ4は同軸であり、エゼクターの水平軸に沿って同じ方向を走る。
下記の実施例は本発明をさらに例証するが、本発明の範囲を制限するものではない。
工程a)
工程a)に供給するのは下記の組成を有する廃液である:
−Ti+4 15.1重量%
−Cl- 63.0重量%
−C2H5OH 1.45重量%
−その他の有機化合物 20.45重量%
1.4Kg/時の上記廃液をエゼクターの中央パイプに供給し、一方、蒸気+空気流を、エゼクターの中央パイプを囲む環状パイプに供給する。エゼクターの中央パイプを走行する廃液の速度は49.5m/秒であり、環状パイプ中の蒸留+空気流の速度は165m/秒である。蒸気/廃液のモル比は8.8であり、空気/蒸気の重量比は2.8である。霧状化した液滴と蒸気との間の加水分解反応は、135℃の温度の接触室中の上記両パイプの出口で起こり、反応時間は約0.5秒である。約0.43Kg/時の量のTiO2粉末が蒸気と霧状化液との間の反応により形成される。これらの粉末はキャリヤーガスとして作用する空気流により同伴し、当該空気流は工程b)のオーブン中に粉末を直接導入する。
加水分解工程a)から来る粉末は灰色を示し、TiO2の他、いくらかの不純物を含有する。特に、それらの組成は分析により下記の結果を示す:
−86.7重量%のTiO2
−0.15重量%のTi(OH)4
−7.9重量%のHCl
−1.3重量%のH2O
−3.95重量%の有機化合物である。
HCl 13.87モル%
H2O 24.47モル%
N2 50.0モル%
O2 11.66モル%である。
−99.43重量%のTiO2
−0.10重量%のTi(OH)4
−0.31重量%のHCl
−0.16重量%のH2Oである。
工程a)
工程a)に供給するのは下記の組成を有する廃液である:
−Ti+4 23.2重量%
−Cl- 68.3重量%
−C2H5OH 1.7重量%
−その他の有機化合物 6.8重量%
1.9Kg/時の上記廃液をエゼクターの中央パイプに供給し、一方、蒸気+空気流を、エゼクターの中央パイプを囲む環状パイプに供給する。エゼクターの中央パイプを走行する廃液の速度は67m/秒であり、環状パイプ中の蒸留+空気流の速度は165m/秒である。蒸気/廃液のモル比は4であり、空気/蒸気の重量比は3.5である。霧状化した液滴と蒸気との間の加水分解反応は、120℃の温度の接触室中の上記両パイプの出口で起こり、反応時間は約0.5秒である。約0.82Kg/時の量のTiO2粉末が蒸気と霧状化液との間の反応により形成される。これらの粉末はキャリヤーガスとして作用する空気流により同伴し、当該空気流は工程b)のオーブン中に粉末を直接導入する。
加水分解工程a)から来る粉末は灰色を示し、TiO2の他、いくらかの不純物を含有する。特に、それらの組成は分析により下記の結果を示す:
−93.7重量%のTiO2
−0.1重量%のTi(OH)4
−3.3重量%のHCl
−0.6重量%のH2O
−2.3重量%の有機化合物である。
HCl 25.6モル%
H2O 12.84モル%
N2 49.96モル%
O2 11.6モル%である。
−99.0重量%のTiO2
−0.1重量%のTi(OH)4
−0.76重量%のHCl
−0.23重量%のH2Oである。
図2は、本発明の方法を行うための実施態様を示す
Claims (26)
- 塩素化チタン化合物を含む液体から出発してTiO2粉末を製造する方法であって、当該方法は、
a)前記液体を霧状にし、当該霧状化液体を蒸気及び空気の流れと100〜250℃の温度で反応させ、前記塩素化チタン化合物を二酸化チタン(TiO2)粉末に変換させること;
b)次いで、工程a)から得た気相及び同伴TiO2粉末を400〜900℃の範囲内の温度で操作されているオーブン中に供給し、残留有機化合物及び塩酸を前記粉末から除去すること
の各工程を含む、前記TiO2粉末の製造方法。 - 前記塩素化チタン化合物を含む液体が、固体触媒成分のチタン化から来る残留廃棄物を蒸留に付すことにより得られる、請求項1に記載の方法。
- 前記塩素化チタン化合物を含む液体が、前記蒸留の残物として得られる、請求項2に記載の方法。
- 前記液体の主要成分が四塩化チタン及びトリクロロエトキシチタンである、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 工程a)において反応物間の接触時間が1秒未満である、請求項1に記載の方法。
- 工程a)は、蒸気/液体のモル比が2〜15の範囲で供給される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 蒸気/液体のモル比が3〜10の範囲である、請求項6に記載の方法。
- 工程a)の空気/蒸気の重量比が1〜10の範囲である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 工程a)の空気が、形成したTiO2粉末を同伴しそれらを工程b)に運ぶキャリヤーガスとして作用する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 工程a)における前記液体の霧状化を、塩素化チタン化合物を含む前記液体に対して前記蒸気/空気流を急速で衝突させることにより達成する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記液体の速度が10〜200m/秒の範囲である、請求項10に記載の方法。
- 前記蒸気+空気の速度が40〜200m/秒の範囲である、請求項10〜11に記載の方法。
- 霧状化を、前記塩素化チタン化合物を含む液体流用中央パイプと蒸気+空気流用外部環状パイプを備えたエゼクター内で行い、前記環状パイプの出口が前記中央パイプの出口に近寄っている、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
- 工程b)の温度が500〜650℃の範囲内である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 工程b)のオーブンが回転炉または攪拌機を備えた固定オーブンである、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 前記オーブンが、粉末流動性を促進するために下方に傾斜している、請求項15に記載の方法。
- 前記オーブンの上部がフィルターカートリッジを備えている、請求項15〜16のいずれかに記載の方法。
- 工程a)の反応生成物を前記オーブンの入口に直接供給する、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
- 工程b)を、前記オーブン内部の粉末の滞留時間を30〜180分の範囲で操作する、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
- 前記オーブンの上部から排出される気相は、主要成分としてHCl、N2、O2、CO2、並び少量成分としてH2O、塩化エチル及びその他の塩素化化合物を含有する、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
- 前記オーブンから排出される前記気相を、スクラバー内部の水により洗浄し、当該気相からHClを除去する請求項20に記載の方法。
- 前記スクラバーから来るガス流出物は、900℃よりも高い温度で操作される焼却装置に運搬される、請求項20〜21のいずれかに記載の方法。
- 工程b)から排出される粉末が、97重量%よりも高い率のTiO2を含む、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
- 工程b)から排出される粉末が、8000ppmよりも低い残留塩素(HClとして)の率である、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
- 工程b)から排出される粉末が、約0.4〜0.6g/cm3の注入嵩密度及び5〜10ミクロンの粒度分布を示す、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
- 工程b)から排出される粉末を粉砕し、ナノ粒子を得る、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
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- 2005-11-03 JP JP2007540632A patent/JP2008519750A/ja active Pending
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