JP2008518216A - 微小容量液体噴射システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、微小容量液体噴射システムに関し、このシステムは、空気圧モジュールと、管路によって空気圧モジュールに接続された微小噴射ユニットと、空気圧モジュールおよび微小噴射ユニットの各々に接続された制御回路とを備える。本発明において、空気が圧力媒体として使用されるので、一方では、サンプルが圧力調節モジュールに接しないことに起因して、洗浄プロセスの効率が改善され、そして他方では、管路全体が液体で満たされる必要がないので、サンプル噴射プロセスにおいて必要とされるサンプルの容量は、微小噴射ユニットの空洞の寸法と等しい容量のみである。サンプル噴射プロセスの間、圧力を調節する必要はない。サンプルの噴射が終了すると、サンプルは、その元の場所へと戻され、従って、大いにサンプルを節約し得る。
Description
本発明は、液体噴射システムに関し、より具体的には、空気圧により駆動され、そして、微小弁で制御されるという特徴を持った、微小容量液体噴射システムに関する。
3つのタイプの技術が、マイクロアレイバイオチップを製造するために、現在使用されている:インサイチュ合成、スポッティングピンを用いた接触式印刷、および非接触式の噴射。これらの技術の中でも、インサイチュ合成のみが、オリゴヌクレオチドマイクロアレイを製造するために使用され得る。スポッティングピンを用いた接触式印刷は、非常に単純であり、かつ、容易に実施される;従って、この接触式印刷が、現在最も広く使用され得ている技術である。しかし、各スポットに印刷されるサンプルの容量は、制御することが難しいスポッティングピンの物理的な寸法に依存しており、印刷されるサンプル流体の容量の再現性は低い。非接触式の噴射技術は、流体送達容量の制御を提供し、スポッティングピンを用いた接触式印刷と比べて、再現性が良い。噴射器と基板との間が接触する必要はなく;従って、印刷速度が、かなり速くなり得る。
非接触式の噴射技術は、その機構に従って分類すると、3つのタイプがある:微小弁制御、圧電噴射、および熱インクジェット。微小弁をベースにした噴射技術の重要な構成要素としては、シリンジポンプと、BioDot社によって開発されたBioJet PlusTMシリーズのような、ソレノイドにより作動する微小弁とが挙げられる。シリンジポンプが、ポンプとソレノイド微小弁との間の管路の内側の圧力を維持するため、そして、サンプル流体を装置内に吸引するために使用される。特定の圧力程度下で、特定の量の流体が、特定の時間にわたって微小弁を開放することによって、ノズルを通って噴射され得る。BioJet PlusTMシリーズは、2つのモードで動作し得る。一方のモードにおいて、サンプル流体は、シリンジ内へと吸引され、そして、シリンジが押されて、微小弁に接続された管路を満たす。比較的大量のサンプル容量が必要とされ、サンプル間を変更し、管路を洗浄する際には、さらなる慣用的なメンテナンスが必要となる。もう一方のモードにおいて、管路は、特定容量のシステム流体で満たされ、その後、サンプル流体が実際に吸入される。必要とされるサンプル流体の容量は減るが、システム流体とサンプル流体との間の境界面に、拡散が導入され得る;従って、残ったサンプルを回収することは困難である。ソレノイド微小弁は、噴射容量を制御するために使用される。BioJet PlusTMシリーズの不都合な点としては、以下が挙げられる:比較的大量のサンプル容量または不可避のサンプル浪費;圧力を調節するための高精度シリンジポンプにより課される高い費用;特に、連続噴射モード下で、管路が完全に満たされていることに起因して、洗浄が困難であること;および、噴射操作の間の、圧力を維持するため、そして、圧力出力を一定にする目的で、管路内の液体容量の減少量に精密に排水量を合わせるために、正確な排水量で、継続的にシリンジを推し進めることを必要とすること。
本発明の主な目的は、操作が簡単で、小容量のサンプルを使用し、そして、噴射容量が容易に制御される、微小容量液体噴射システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的設計を使用する:微小容量液体噴射システムは、圧力供給源としての空気圧モジュールと、管路を介して上記空気圧モジュールに接続された微小噴射ユニットと、上記空気圧モジュールおよび上記微小噴射ユニットを制御するための回路とを備える。
上記微小噴射ユニットは、ソレノイド電磁微小弁と、管路またはねじ込まれた接続部によって、上記微小弁に接続された微小噴射器とを備える。
上記噴射ユニットは、ロボットアーム上に設置され得る。
上記空気圧モジュールは、気圧輸送管路と;上記気圧輸送管路の吸気口に接続された、空気圧発生ユニットと;圧力検知ユニットおよび圧力調節ユニットであって、この圧力検知ユニットおよび圧力調節ユニットは、上記気圧輸送管路に対して、この順番で接続されている、圧力検知ユニットおよび圧力調節ユニットと;気圧輸送管路の排気口および上記微小噴射ユニットのソレノイド電磁微小弁に接続された電磁弁と、を備え得る。
上記空気発生ユニットは、上記気圧輸送管路の吸気口に接続された2つの平行した電磁弁と、空気圧縮機および真空ポンプとを備え得、この空気圧縮機および真空ポンプは、上記弁に各々接続されている;上記圧力検知ユニットは、気圧輸送管路に接続された2つの電磁弁と、正圧検知器および負圧検知器とを備え得、この正圧検知器および負圧検知器は、上記2つの電磁弁にそれぞれ接続されている;上記圧力調節ユニットは、気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、2つの圧力調節弁とを備え得、この2つの圧力調節弁は、上記電磁弁にそれぞれ接続されている。
上記空気圧発生ユニットは、空気圧縮機と、上記空気圧縮機の排気口に接続された2つの平行した電磁弁と、この2つの電磁弁のうちの一方と、気圧輸送管路の吸気口との間に直列に並んだ真空発生器および別の電磁弁とを備え得る;上記圧力検知ユニットは、気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、正圧検知器および負圧検知器とを備え得、この正圧検知器および負圧検知器は、上記2つの電磁弁にそれぞれ接続されている;上記圧力調節ユニットは、気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、2つの圧力調節弁とを備え得、この2つの圧力調節弁は、上記電磁弁にそれぞれ接続されている。
上記空気圧モジュールは、ステップモーターと;ステップモーターの排気口に親ねじで接続された、直線運動ユニットと;直線運動ユニットにプランジャーで連結された、シリンジと;上記シリンジの排気口と上記微小噴射ユニットのソレノイド電磁微小弁とに接続された、気圧輸送管路と;気圧輸送管路に接続された、正圧/負圧検知器と、を備え得る。
上記制御回路は、コンピュータと、シリアルポートを介してコンピュータと通信するマイクロ制御装置(MCU)と、上記電磁弁およびソレノイド電磁微小弁を駆動するための、MCUのI/Oインターフェースに連結された電磁弁駆動回路および微小弁駆動回路と、を備え得る。
上記MCUは、さらに、上記圧力検知器からの測定値を受信するための、アナログ・デジタル変換ユニットを備え得る。
本発明の利点としては、ロボットアームが、微小噴射ユニットを、マイクロプレート上のウェル内へと運び得るので、サンプリングおよびサンプル間の洗浄が簡便になること、が挙げられ、このマイクロプレート上のウェルには、負圧によって噴射ユニット内にサンプルを吸引するために分配される前の、液体サンプルが貯蔵される。吸引容量および噴射容量は、圧力の程度、および微小弁が開かれたままにされる時間を変更することによって、容易に調節される。このシステムの最小噴射容量は、15%グリセロールをサンプルをとして使用した場合、2nLであり得る。圧力調節ユニットは、単純であり、そして、多くの方法で実施され得る。圧力調節ユニットは、非常に正確な圧力検知器および圧力調節弁によって、非常に正確に圧力を制御する。圧力調節を調節することは簡便であり、そして、噴射の間に、圧力を再調整する必要はない。微小弁のミリ秒レベル以下の応答時間と、瞬時の開放とによって、噴射容量の高い一貫性が達成される。10nLの噴射容量が適用される場合、ばらつきは4%よりも低い。このシステムは、マイクロアレイの製造、液体の分配および移動などのような、小容量の液体の操作を必要とする種々の状況のための要件を満たすために、数ナノリットル〜数十マイクロリットルの、広範囲の制御可能な噴射容量を有する。分配操作の後に残ったサンプルを元の容器に排出することによって、サンプルの浪費が最小限にされる。
(本発明の好ましい実施形態)
以下に、図面と組み合せて、本発明をさらに例示する。
以下に、図面と組み合せて、本発明をさらに例示する。
図1に示されるように、本発明は、微小噴射ユニット1、空気圧モジュール2および電気制御回路3から構成され得る。微小噴射ユニット1および空気圧モジュール2は、管路で接続されている。微小噴射ユニット1は、管路で接続されたソレノイド電磁微小弁11および微小噴射器12から構成され得る。微小噴射ユニットは、1以上であり得る。微小噴射ユニット1は、ロボットアームに接続されて、事前に設定されたプログラムに従ってマイクロアレイを製造するために、ロボットアームによって、種々の位置へと動かされ得る。1以上の微小噴射ユニットは、共通の空気圧モジュール2によって加圧される。
空気圧モジュール2は、いくつかの形状の構造をとり得る。いくつかの実施例が、以下に記載される。
実施例1:
図2に示されるように、この特定の実施形態において、空気圧モジュール2は、空気圧発生ユニットAと、圧力検知ユニットBと、圧力調節ユニットCと、ユニットA、B、Cおよび微小噴射ユニット1を接続する気圧輸送管路Dとを備える。空気圧発生ユニットAは、空気圧縮機21と、空気圧縮機21の排気口に接続された三方向アダプタ22と、三方向アダプタ22に接続された二方向電磁弁V1およびV2と、真空発生器23と、電磁弁V1に接続された吸気口と、真空発生器23の排気口に接続された二方向電磁弁V3と、電磁弁V2およびV3に接続された三方向アダプタ24と、三方向アダプタ24に接続され、さらに、圧力検知ユニットBに接続された気圧輸送管路Dとを備える。圧力検知ユニットBは、気圧輸送管路Dに接続された三方向アダプタ25と、三方向アダプタ25に接続された別の三方向アダプタ26と、三方向アダプタ26に接続された電磁弁V4およびV5と、電磁弁V4およびV5の各々に接続され、かつ、制御回路3と通信する正圧検知器27および負圧検知器28とを備える。圧力調節ユニットCは、圧力検知ユニットBの下流にある気圧輸送管路Dに接続されている。圧力調節ユニットCは、気圧輸送管路Dに接続された四方向アダプタ29と、四方向アダプタ29に接続された二方向電磁弁V6およびV7と、圧力の粗/微調節のために種々の事前に設定された流量を有し、電磁弁V6およびV7の各々に接続された、流量調節弁T1およびT2とを備える。電磁弁V8は、気圧 輸送管路Dの排気口と、微小噴射ユニット1とを接続する。
図2に示されるように、この特定の実施形態において、空気圧モジュール2は、空気圧発生ユニットAと、圧力検知ユニットBと、圧力調節ユニットCと、ユニットA、B、Cおよび微小噴射ユニット1を接続する気圧輸送管路Dとを備える。空気圧発生ユニットAは、空気圧縮機21と、空気圧縮機21の排気口に接続された三方向アダプタ22と、三方向アダプタ22に接続された二方向電磁弁V1およびV2と、真空発生器23と、電磁弁V1に接続された吸気口と、真空発生器23の排気口に接続された二方向電磁弁V3と、電磁弁V2およびV3に接続された三方向アダプタ24と、三方向アダプタ24に接続され、さらに、圧力検知ユニットBに接続された気圧輸送管路Dとを備える。圧力検知ユニットBは、気圧輸送管路Dに接続された三方向アダプタ25と、三方向アダプタ25に接続された別の三方向アダプタ26と、三方向アダプタ26に接続された電磁弁V4およびV5と、電磁弁V4およびV5の各々に接続され、かつ、制御回路3と通信する正圧検知器27および負圧検知器28とを備える。圧力調節ユニットCは、圧力検知ユニットBの下流にある気圧輸送管路Dに接続されている。圧力調節ユニットCは、気圧輸送管路Dに接続された四方向アダプタ29と、四方向アダプタ29に接続された二方向電磁弁V6およびV7と、圧力の粗/微調節のために種々の事前に設定された流量を有し、電磁弁V6およびV7の各々に接続された、流量調節弁T1およびT2とを備える。電磁弁V8は、気圧 輸送管路Dの排気口と、微小噴射ユニット1とを接続する。
この実施形態において、制御回路3は、検知器27および28からの圧力測定値を受信して、圧力の所望のパラメータと実際の測定値との間の差を計算し、そして、圧力を粗/微調節する。詳細な説明が、以下に提供される(例えば、図2および図6を参照のこと)。
(1)負圧の生成
まず、二方向電磁弁V1およびV3のスイッチを入れると、正圧が、二方向電磁弁V1を通って、空気圧縮機21から真空発生器23の吸気口へと伝達され、そして、負圧が、真空発生器23の排気口から、二方向電磁弁V3を通って気圧輸送管路Dへと伝達される。次いで、負圧検知器28に接続された電磁弁V5のスイッチを入れると、気圧輸送管路D内部の実際の圧力が、検知器28によって測定される。実際の圧力が事前に設定した値よりも高い場合、再度、弁V1およびV3のスイッチを入れて、気圧輸送管路D内部の圧力を低くする。実際の圧力が事前に設定した値よりも低い場合、非常に短い時間だけ電磁弁V6のスイッチを入れて、外気からいくらかの空気を気圧輸送管路D内に入れ、実際の値と所望の値との差が、粗調節の精度の許容範囲内に入るようになるまで、圧力を高くする。その後、電磁弁V8のスイッチを入れて、空気圧モジュール2からの圧力を、微小噴射ユニット1のソレノイド電磁微小弁11に接続した管路内へと逃がす。再度、負圧検知器28を用いて実際の圧力を測定し、次いで、粗調節と類似した操作手順によって、電磁弁V1、V3およびV7を用いて、微調節を行なう。
まず、二方向電磁弁V1およびV3のスイッチを入れると、正圧が、二方向電磁弁V1を通って、空気圧縮機21から真空発生器23の吸気口へと伝達され、そして、負圧が、真空発生器23の排気口から、二方向電磁弁V3を通って気圧輸送管路Dへと伝達される。次いで、負圧検知器28に接続された電磁弁V5のスイッチを入れると、気圧輸送管路D内部の実際の圧力が、検知器28によって測定される。実際の圧力が事前に設定した値よりも高い場合、再度、弁V1およびV3のスイッチを入れて、気圧輸送管路D内部の圧力を低くする。実際の圧力が事前に設定した値よりも低い場合、非常に短い時間だけ電磁弁V6のスイッチを入れて、外気からいくらかの空気を気圧輸送管路D内に入れ、実際の値と所望の値との差が、粗調節の精度の許容範囲内に入るようになるまで、圧力を高くする。その後、電磁弁V8のスイッチを入れて、空気圧モジュール2からの圧力を、微小噴射ユニット1のソレノイド電磁微小弁11に接続した管路内へと逃がす。再度、負圧検知器28を用いて実際の圧力を測定し、次いで、粗調節と類似した操作手順によって、電磁弁V1、V3およびV7を用いて、微調節を行なう。
(2)正圧の生成
正圧を生成するためのプロセスは、負圧を生成するためのプロセスと類似する。両者の差は、二方向電磁弁V2のスイッチを入れて、正圧が直接気圧輸送管路D内へと送達されることである。次いで、二方向電磁弁V4のスイッチを入れ、正圧検知器27を使用して、気圧輸送管路D内部の実際の圧力を測定する。実際の測定値が事前に設定した値よりも低い場合、電磁弁V2のスイッチを入れて、圧力を高くする;そして、実際の測定値が事前に設定した値よいも高い場合、電磁弁V6およびV7のスイッチを入れることによって、粗/微調節を行なう。
正圧を生成するためのプロセスは、負圧を生成するためのプロセスと類似する。両者の差は、二方向電磁弁V2のスイッチを入れて、正圧が直接気圧輸送管路D内へと送達されることである。次いで、二方向電磁弁V4のスイッチを入れ、正圧検知器27を使用して、気圧輸送管路D内部の実際の圧力を測定する。実際の測定値が事前に設定した値よりも低い場合、電磁弁V2のスイッチを入れて、圧力を高くする;そして、実際の測定値が事前に設定した値よいも高い場合、電磁弁V6およびV7のスイッチを入れることによって、粗/微調節を行なう。
圧力調節の全操作手順の間に、ソレノイド電磁微小弁11は、スイッチを切っているべきである。上記の操作手順の間の、各二方向電磁弁の状態を、表1に示す。
図4に示されるように、この実施形態において、空気圧モジュール2の圧力検知ユニットB、圧力調節ユニットCおよび気圧輸送管路Dの構成は、実施例1と同様であるが、空気圧発生ユニットDは異なる。この実施形態において、空気圧発生ユニットの正圧については、空気圧縮機21が使用されるが、真空発生器23は、真空ポンプ23’と置き換えられる。空気圧縮機21および真空ポンプ23’は、それぞれ、電磁弁V2およびV3に接続され、そして、電磁弁V2およびV5の排気口は、三方向アダプタ24を介して気圧輸送管路Dに接続される。三方向アダプタ24のもう一方の端部は、気圧輸送管路Dに接続される。他の細部については、実施例1と同様であり、従って、ここでは説明しない。
操作させるために、真空ポンプ23’および電磁弁V3のスイッチを入れると、負圧が気圧輸送管路D内へと直接送達される。空気圧縮機21および電磁弁V2のスイッチを入れると、正圧が気圧輸送管路D内へと直接送達される。気圧のモニターおよび調節には、実施例1および実施例2の両方において同様の方法が適用されるので、ここでは説明しない。
実施例3:
図5に示されるように、この実施形態において、空気圧モジュール2は、シリンジポンプの形態をとる。この空気圧モジュール2は、ステップモーター31と、ステップモーター31の排気口にねじ込み式スピンドルによって接続された直線運動ユニット32と、シリンジ33(この内部で、プランジャが直線運動ユニット32に接続されている)と、シリンジ33の排気口に接続された気圧輸送管路Dと、三方向アダプタ34を介して気圧輸送管路Dの経路に接続された正圧/負圧検知器35とを備える。実施例1および実施例2において、正圧/負圧検知器35が、正圧検知器27および負圧検知器28の代わりに使用され得る。この実施形態においても、正圧検知器27および負圧検知器28が、正圧/負圧検知器35の代わりに使用され得る。正圧/負圧検知器35は、正圧および負圧の両方を測定し得る。微小噴射ユニット1のソレノイド電磁微小弁11は、気圧輸送管路Dに接続される。この実施形態の直線運動ユニット32は、シリンジ33内でのプランジャの前後の動きを制御することができさえすれば、種々の構造で実施され得る。
図5に示されるように、この実施形態において、空気圧モジュール2は、シリンジポンプの形態をとる。この空気圧モジュール2は、ステップモーター31と、ステップモーター31の排気口にねじ込み式スピンドルによって接続された直線運動ユニット32と、シリンジ33(この内部で、プランジャが直線運動ユニット32に接続されている)と、シリンジ33の排気口に接続された気圧輸送管路Dと、三方向アダプタ34を介して気圧輸送管路Dの経路に接続された正圧/負圧検知器35とを備える。実施例1および実施例2において、正圧/負圧検知器35が、正圧検知器27および負圧検知器28の代わりに使用され得る。この実施形態においても、正圧検知器27および負圧検知器28が、正圧/負圧検知器35の代わりに使用され得る。正圧/負圧検知器35は、正圧および負圧の両方を測定し得る。微小噴射ユニット1のソレノイド電磁微小弁11は、気圧輸送管路Dに接続される。この実施形態の直線運動ユニット32は、シリンジ33内でのプランジャの前後の動きを制御することができさえすれば、種々の構造で実施され得る。
この実施形態において、正圧/負圧検知器35は、即時の様式で、気圧輸送管路D内部の圧力をモニターする。所望の圧力が必要とされる場合、微小噴射ユニット1のソレノイド電磁微小弁11のスイッチを入れると、シリンジ33内のプランジャが、直線運動ユニット32およびステップモーター31によって推し進められて、管路の容積が減少し、正圧を生成するか;または、シリンジ33内のプランジャが、直線運動ユニット32およびステップモーター31によって引っ張られて、管路の容積が増大し、負圧を生成する。制御回路3は、正圧/負圧検知器35からの測定値を受信して、測定値が、精度の許容範囲内に入るまで、管路内の圧力を調節する。圧力を調節するために、正圧/負圧検知器35からの測定値は、制御回路3へとフィードバックされ、次いで、制御回路3が、ステップモーター31を駆動して、直線ユニット32をわずかに動かして、管路の容積をわずかに変化させる。
図6に示されるように、本発明の制御回路3は、マイクロ制御装置(MCU)を備え得る。この実施形態において、MCUは、アナログ・デジタル(A/D)変換ユニット、RS232シリアルポートおよびI/Oポートが実装される、モデル80C552である。空気圧モジュール2の圧力検知器からの圧力測定値は、A/D変換ユニットを介してMCUによって受信される。MCUは、RS232シリアルポートを介してPCホストと通信する。PCホストには、ソフトウェアプログラムが実装される。MCUは、PCホストから送信される指示を実行し、そして、実行の結果および圧力検知器からの測定値をPCホストにフィードバックする。MCUは、電磁弁またはソレノイド電磁微小弁の対応する駆動回路に接続されたそのI/Oポートを介して、PCホストからの指示を実行し、電磁弁およびソレノイド電磁微小弁のスイッチを入れたり切ったりする。吸引もしくは噴射される液体の容量は、気圧またはソレノイド電磁微小弁11のスイッチが入っている時間を調節することによって、制御回路3により制御される。圧力の絶対値を増大させるか、または時間を延長すると、吸引もしくは噴射される容量の増大をもたらす。圧力の絶対値を減少させるか、または、時間を短縮すると、吸引もしくは噴射される容量は減少する。
本発明において、微小噴射ユニット1は、ロボットアームの上に設置され得、そして、ロボットアームの作動は、個々の動作制御カードによって管理され得る。ロボットアームおよび微小噴射モジュールの全ての動作の制御は、単一のソフトウェアプログラム内に統合され得る。パラメータおよび指示は、プログラムと制御回路3との間で、シリアルポートを介して伝達される。プログラムは、圧力調節、吸引および噴射の操作と、ロボットアームの動作との協働を実行して、容器からのサンプリング、マイクロアレイを製造するためのスライド上へのスポッティング、および、管路の洗浄からなる操作手順を自動化する。
本発明の流れは、以下のように記載され得る(図7を参照のこと):
(1)吸入
負圧が、所望される値の精度の許容範囲内で、管路内に導入される。微小噴射ユニット1は、ロボットアームによってサンプル供給源の位置まで運ばれ、そして、微小噴射器12が、サンプル液体中に挿入される。ソレノイド電磁微小弁11は、時間設定が自由にできる。液体が管路内へと吸引される。吸引容量は、ソレノイド電磁微小弁11が開かれたままにされる時間間隔、管路内の負圧の振れ幅、管路の容積、および液体の粘度に依存する。管路に気泡が入らないようにするために、サンプルは吸引前に消泡され、そして、負圧は低すぎないべきである。
(1)吸入
負圧が、所望される値の精度の許容範囲内で、管路内に導入される。微小噴射ユニット1は、ロボットアームによってサンプル供給源の位置まで運ばれ、そして、微小噴射器12が、サンプル液体中に挿入される。ソレノイド電磁微小弁11は、時間設定が自由にできる。液体が管路内へと吸引される。吸引容量は、ソレノイド電磁微小弁11が開かれたままにされる時間間隔、管路内の負圧の振れ幅、管路の容積、および液体の粘度に依存する。管路に気泡が入らないようにするために、サンプルは吸引前に消泡され、そして、負圧は低すぎないべきである。
(2)噴射
正圧が、所望される値の制度の許容範囲内で、管路内に導入される。微小噴射ユニット1は、ロボットアームによって、スポッティングされるマイクロアレイスライドの直ぐ上の位置まで運ばれる。ソレノイド電磁微小弁11が開かれ、非常に短い時間の間に、噴射器12からスライドへと非常に小さな液滴を噴射する。次いで、微小噴射ユニット1は、スライド上の別の位置へと動かされ、そして、ソレノイド電磁微小弁11が開いている間に、別の液滴を噴射する。ロボットアームを用いて微小噴射ユニット1をある位置へと運び、そして、ソレノイド電磁微小弁11を開いて、スライドに液滴を噴射する、上記のプロセスを繰り返して、同じアリコートのサンプルをスライド上にスポットする。ソフトウェアプログラムおよび制御回路は、微小噴射ユニット1およびソレノイド電磁微小弁11の平行した動作の配列を最適化するために使用され、効率を改善し得る。
正圧が、所望される値の制度の許容範囲内で、管路内に導入される。微小噴射ユニット1は、ロボットアームによって、スポッティングされるマイクロアレイスライドの直ぐ上の位置まで運ばれる。ソレノイド電磁微小弁11が開かれ、非常に短い時間の間に、噴射器12からスライドへと非常に小さな液滴を噴射する。次いで、微小噴射ユニット1は、スライド上の別の位置へと動かされ、そして、ソレノイド電磁微小弁11が開いている間に、別の液滴を噴射する。ロボットアームを用いて微小噴射ユニット1をある位置へと運び、そして、ソレノイド電磁微小弁11を開いて、スライドに液滴を噴射する、上記のプロセスを繰り返して、同じアリコートのサンプルをスライド上にスポットする。ソフトウェアプログラムおよび制御回路は、微小噴射ユニット1およびソレノイド電磁微小弁11の平行した動作の配列を最適化するために使用され、効率を改善し得る。
(3)微小噴射管路の洗浄
種々のサンプルについての各噴射操作の開始および終了時には、ソレノイド電磁微小弁11および微小噴射器12の内部チャンバ、これらとサンプル流体が流れる他のセクションとを接続する管路のような、微小噴射管路を洗浄することが必要である。この洗浄プロセスは、上記の吸引および噴射のプロセスを複数回繰り返す。すなわち、洗浄緩衝液を繰り返し吸引および噴射する。効率を改善するために、ソレノイド電磁微小弁11は、連続的に液滴を形成するための複数の事象ごとに開かれる代わりに、全洗浄緩衝液を大量に噴射するために一度だけ開かれる。
種々のサンプルについての各噴射操作の開始および終了時には、ソレノイド電磁微小弁11および微小噴射器12の内部チャンバ、これらとサンプル流体が流れる他のセクションとを接続する管路のような、微小噴射管路を洗浄することが必要である。この洗浄プロセスは、上記の吸引および噴射のプロセスを複数回繰り返す。すなわち、洗浄緩衝液を繰り返し吸引および噴射する。効率を改善するために、ソレノイド電磁微小弁11は、連続的に液滴を形成するための複数の事象ごとに開かれる代わりに、全洗浄緩衝液を大量に噴射するために一度だけ開かれる。
管路を洗浄した後、正圧生成およびソレノイド電磁微小弁11を開くプロセスが繰り返され、残存する気泡および洗浄緩衝液を追い出して、次のサンプルが薄まることも、噴射の均一性が気泡によって損ねられることもないことを保証する。
一般に、本発明は、他の容器を必要とする代わりに、96/386ウェルのマイクロプレートからサンプルを吸引し、種々のサンプル取扱いプロセス間をシフトして、自動的、簡便かつ単純な洗浄プロセスを行い、空気圧モジュール2によって生成される気圧とソレノイド電磁微小弁11が開いたままにされる時間とを調節することによって、噴射される容量を制御し、先行技術の不都合な点(例えば、過度のサンプル容量を必要とすること、サンプル間の洗浄が困難であること、サンプルの浪費、噴射時に即時の様式で圧力を調節することができないこと)を克服する、という目的を果たす。
マイクロアレイの製造時に使用することに加え、本発明は、小容量の液体の転移および取扱い(例えば、種々のサンプルを含む96ウェルマイクロプレートから、386ウェルマイクロプレートへ、もしくは、384マイクロプレートから別の384ウェルマイクロプレートへの定量的な液体の転移、または、96ウェルマイクロプレートから386ウェルマイクロプレートへの同じサンプルの液体転移)のために使用され得る。
生物学的な流体(例えば、微量のDNA溶液)の転移および取扱いに使用することに加え、本発明は、他の型の液体の転移および取扱いのため(例えば、回路基板の製造プロセスにおいて)にも使用され得る。本発明は、回路基板の上の特定の位置に絶縁された流体性物質の少量の液滴を噴射するために使用され得る。
本発明は、ロボットアーム、自動サンプル収集、サンプルの噴射、および管路の洗浄と組み合せて、マイクロアレイ基板上に数千のサンプルを分配するために、簡便に使用され得る。本発明は、nLおよびμL容量範囲の液体(生物学的な液体を含む)を転移または分配するために広く使用され得る。
Claims (10)
- 微小容量液体噴射システムであって、以下:
空気圧モジュール;
管路によって該空気圧モジュールに接続された、微小噴射ユニット;
該空気圧モジュールおよび該微小噴射ユニットを制御するための、電気制御回路
を備える、微小容量液体噴射システム。 - 前記微小噴射ユニットが、ソレノイド電磁微小弁と、管路またはねじ込まれた接続部によって、該微小弁に接続された微小噴射器とを備える、請求項1に記載の微小容量液体噴射システム。
- 前記微小噴射ユニットが、ロボットアームに接続されている、請求項1に記載の微小容量液体噴射システム。
- 前記微小噴射ユニットが、ロボットアームに接続されている、請求項2に記載の微小容量液体噴射システム。
- 前記空気圧モジュールが、以下:
気圧輸送管路;
該気圧輸送管路の吸気口に接続された、空気圧発生ユニット;
圧力検知ユニットおよび圧力調節ユニットであって、該圧力検知ユニットおよび該圧力調節ユニットは、該気圧輸送管路に対して、この順番で接続されている、圧力検知ユニットおよび圧力調節ユニット;
該気圧輸送管路の排気口および該微小噴射ユニットのソレノイド電磁微小弁に接続された電磁弁
を備える、請求項1、2、3または4に記載の微小容量液体噴射システム。 - 請求項5に記載の微小容量液体噴射システムであって、
前記空気圧発生ユニットが、前記気圧輸送管路の吸気口に接続された2つの平行した電磁弁と、空気圧縮機および真空ポンプとを備え、該空気圧縮機および該真空ポンプは、該2つの電磁弁に各々接続されており;
前記圧力検知ユニットが、該気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、正圧検知器および負圧検知器とを備え、該正圧検知器および該負圧検知器は、該2つの電磁弁にそれぞれ接続されており;
前記圧力調節ユニットが、該気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、粗調節弁および微調節弁とを備え、該粗調節弁および該微調節弁は、該2つの電磁弁にそれぞれ接続されている、
微小容量液体噴射システム。 - 請求項6に記載の微小容量液体噴射システムであって、
前記空気圧発生ユニットが、空気圧縮機と、該空気圧縮機の排気口に接続された2つの平行した電磁弁と、該2つの電磁弁のうちの一方と、前記気圧輸送管路の吸気口との間に直列に並んだ真空発生器および別の電磁弁とを備え;
前記圧力検知ユニットが、該気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、正圧検知器および負圧検知器とを備え、該正圧検知器および負圧検知器は、該2つの電磁弁にそれぞれ接続されており;
前記圧力調節ユニットが、該気圧輸送管路に接続された2つの平行した電磁弁と、粗調節弁および微調節弁とを備え、該粗調節弁および該微調節弁は、該2つの電磁弁にそれぞれ接続されている、
微小容量液体噴射システム。 - 前記空気圧モジュールが、以下:
ステップモーター;
該ステップモーターの排気口に親ねじで接続された、直線運動ユニット;
該直線運動ユニットにプランジャーで連結された、シリンジ;
該シリンジの排気口と該微小噴射ユニットのソレノイド電磁微小弁とに接続された、気圧輸送管路;および
該気圧輸送管路に接続された、正圧/負圧検知器
を備える、請求項1、2、3または4に記載の微小容量液体噴射システム。 - 前記制御回路が、コンピュータと、シリアルポートを介して該コンピュータと通信するMCUと、前記電磁弁および前記ソレノイド電磁微小弁を駆動するための、該MCUのI/Oインターフェースに連結された電磁弁駆動回路および微小弁駆動回路と、を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微小容量液体噴射システム。
- 前記MCUが、前記圧力検知器からの測定値を受信するための、アナログ・デジタル変換ユニットを備える、請求項9に記載の微小容量液体噴射システム。
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