JP2008515443A - 新規のアミリンファミリーポリペプチド−6(afp−6)アナログならびにそれらの製法および使用方法 - Google Patents

新規のアミリンファミリーポリペプチド−6(afp−6)アナログならびにそれらの製法および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アミリンファミリーポリペプチド−6(AFP−6)アナログに関するもので、本発明には、誘導体および断片、関連する核酸、発現構築体、宿主細胞、ならびに組換えAFP−6アナログの製法が含まれる。本発明のAFP−6アナログには、1個または複数のアミノ酸配列の改変が含まれる。加えて、代謝および心血管の障害、例えば、肥満、糖尿病、代謝異常症候群および心筋虚血、ならびに心血管のリスクの増加のごとき状態を治療および予防する方法および組成物が開示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられ、2004年10月8日付で出願した米国仮特許出願第60/617468号の優先権を主張するものである。
本発明は、アミリンファミリーペプチドのメンバーの活性を有する新規の化合物に関する。これらの化合物は、代謝障害、血管障害、腎障害および/または胃腸障害のごとき状態を治療または予防するのに有用である。例示的な状態として、肥満、II型糖尿病、摂食障害、代謝異常症候群およびインスリン抵抗性症候群等のカロリー摂取量の低減が重要である状態があげられる。
アミリンファミリーポリペプチド−6(AFP−6)は、アミリンファミリーのメンバーである。アミリンファミリーには、アミリン、アドレノメデュリン(ADM)、カルシトニン(CT)およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が含まれる。ヒトAFP−6遺伝子は、インターメジンとしても知られ、148個のアミノ酸のオープンリーディングフレームをコードし、このアミノ酸は、N−末端に、分泌に関わる24個のアミノ酸のシグナルペプチドならびに以下のアミノ酸配列を有する成熟したアミド化ペプチドを持つ:
TQAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号1)。
他のAFP−6ポリペプチドには、VGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号2)、PHAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLVRPAGRRDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号3)、およびVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLVRPAGRRDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号4)が含まれる。さらに他のアミリンファミリーポリペプチドには、KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGAILSSTNVGSNTY-NH2 (配列番号5)、CGNLSTCMLGTYTQDFNKFHTFPQTAIGVGAP-NH2 (配列番号6)、ACDTATCVTHRLAGLLSRSGGWKNNFVPTNVGSKAF-NH2 (配列番号7)、ACNTATCVTHRLAGLLSRSGGMVKSNFVPTNVGSKAF-NH2 (配列番号8)、およびYRQSMNNFQGLRSFGCRFGTCTVQKLAHQIYQFTDKDKDNVAPRSKISPQGY-NH2 (配列番号9)が含まれる。
表1には、上記の配列番号に対応するポリペプチドを示す。配列番号1〜4は、ヒトおよびマウスのAFP−6の形態に関する。配列番号5〜9は、ヒトアミリンファミリーポリペプチドに属するアミリン、カルシトニン、CGRPα、CGRPβおよびアドレノメデュリンに関する。
Figure 2008515443
これらのアミリンファミリーポリペプチドの生物学的作用は、2種の密接に関連するII型のGタンパク質共役型受容体(GPCR)、カルシトニン受容体(CTR)およびカルシトニン受容体様受容体(CRLR)に結合することによって媒介されると報告されている。クローン化および機能的緩急により、CGPR、ADMおよびアミリンは、CTRまたはCRLRと受容体活性修飾タンパク質(RAMP)との種々の組合せと相互作用することが示されている。多数の細胞は、複数のRAMPを発現する。カルシトニン、CGRP、ADMおよびアミリンの機能性受容体を生成するためには、RAMPとCTRまたはCRLRのいずれかとが共発現することが必要であると考えられている。RAMPファミリーには、3種のメンバー(RAMP1、RAMP2およびRAMP3)が含まれ、それらは30%未満の配列同一性を共有するが、共通した形態的な構造を有する。CRLRとRAMP1との共発現は、CGRPの受容体の形成に導く。CRLRとRAMP2とが共発現すると、ADMの受容体が形成されるようになる。CRLRとRAMP3との共発現は、ADMおよびCGRPの受容体の形成に導く。hCTR2とRAMP1との共発現は、アミリンおよびCGRPの受容体の形成に導く。hCTR2とRAMP3との共発現は、アミリンの受容体の形成に導く。
アミリンは、胃内容排出を調節し、グルカゴンの分泌および食物摂取を抑制し、従って、循環におけるグルコース出現の速度を調節する。アミリンは、グルコースの循環からの消失速度および末梢組織による取り込み速度を調節するインスリンの作用を補完するようである。これらの作用は、アミリンが、いずれもグルコース出現の速度に影響する、少なくとも3種の独立した機構によって、食後のグルコース調節に対するインスリンの効果を補完することを示す、げっ歯類およびヒトにおける実験的知見によって支持されている。第1に、アミリンは、食後のグルカゴン分泌を抑制する。健常な成人と比較し、I型糖尿病の患者は、循環しているアミリン認められず、II型糖尿病の患者では、食後のアミリン濃度を低下させている。さらに、循環しているアミリンに結合するアミリン特異的モノクローナル抗体の注入は、再度、対照に比べ、グルカゴン濃度が大幅に上昇した。これらの結果はともに、食後のグルカゴン分泌の調節において、内因性アミリンが生理的な役割を担っていることを示す。第2に、アミリンは、胃腸運動および胃内容排出を遅らせる。最後に、ラットアミリンの視床下部の注射は、ラットにおける摂食量が減少し、視床下部における神経伝達物質の代謝が変化したことを示した。ある研究において、視床下部のラットアミリンおよびラットCGRPの注射後8時間まで、食物摂取量が顕著に減少した。ヒト臨床治験では、アミリンアナログのプラムリンチド(pramlintide)が、体重または体重増加を低下させることが示された。また、アミリンは、糖尿病および肥満等の代謝状態の治療に有用であり得る。アミリンを用いて、痛み、骨障害、胃炎を治療でき、脂質、特にトリグリセリドを調節でき、または優先的な脂肪の減少および除脂肪組織の容認のごとき体組成に影響できる。
ホルモンであるカルシトニン(CT)は、高カルシウム血症の誘発に応じたその分泌ならびに迅速な血中カルシウム低下効果から、名づけられた。カルシトニンは、それ故にC細胞と呼ばれている甲状腺の神経内分泌細胞で産生され、そこから分泌される。CT(1〜32)の最も研究されたのは、その破骨細胞に対する効果である。CTのin vitro効果には、波状縁の急速な減少およびリソソームでの酵素の放出低下が含まれる。最終的には、CTによる破骨細胞機能の阻害の結果、骨再吸収が低下する。しかしながら、甲状腺摘除の場合における血清CTの慢性的な低下も、髄様甲状腺癌で判明した血清中CTの上昇も、血清カルシウム量および骨量の変化とは関連がないようである。従って、CT(1〜32)の主たる機能は、緊急事態における急性高カルシウム血症に対処することおよび/または成長、妊娠および授乳のごとき「カルシウムストレス」の期間に骨格を保護することである可能性が高い。例えば、Becker(2004)JCEM 89(4):1512−1525、およびSexton(1999)Current Medicinal Chemistry 6:1067−1093を参照されたい。これは、カルシトニンおよびCGRP−Iペプチドの両方を除去したカルシトニン遺伝子ノックアウトマウスから得られた最近のデータと一致する。それは、マウスが正常なレベルのカルシウムに関連する基底値を示すが、血漿カルシウム応答は上昇することが示された(Kuriharaら、(2003)Hypertens Res.26 Suppl:S 105−108)。
CTは、血漿カルシウムレベルに対する効果を有し、破骨細胞の機能を阻害するので、骨粗鬆症の治療に広く使用されている。治療的には、サケCTは、最小の有害作用で、骨密度を増加させ、骨折の発生率を低下させるようである。また、CTは、骨パジェット病の治療法として、過去25年以上成功裡に使用されている。この疾患は、骨格の1または複数の領域で骨が肥大または変形を生じ得る慢性骨格障害である。また、CTは、骨粗鬆症の間の骨の痛みに対する鎮痛効果のために、広く用いられている。しかしながら、この効果についての機構は、明確には理解されていない。
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、その受容体が、神経系および心血管系を含めた体内に広く分布する神経ペプチドである。このペプチドは、知覚神経伝達を調節し、今日までに発見されている最も強力な内因性の血管拡張性ペプチドの1つである。CGRPについて報告された生物学的効果は、炎症におけるサブスタンスPの調節、神経筋接合部におけるニコチン受容体活性、膵臓酵素分泌の刺激、胃酸分泌の低下、末梢血管拡張、心悸亢進、神経調節、カルシウム代謝の調節、骨形成刺激、インスリン分泌、体温上昇および食物摂取量の減少を含む。Wimalawansa(1997)Crit.Rev.Neurobiol.11(2−3):167−239。CGRPの重要な役割は、α−CGRPの静脈投与後の平均動脈圧の低下により証明される、その強力な血管拡張作用による、種々の臓器への血流の制御である。また、この血管拡張作用は、ホモ接合体ノックアウトCGRPマウスの最近の解析によって支持され、この解析は、末梢の交感神経の活動の増大により引き起こされた末梢血管の抵抗および、血圧の上昇を実証した(Kurihara(2003)、前出)。従って、CGRPは、とりわけ、血管拡張効果、血圧低下効果およびを心拍数の増加を誘発するようである。
うっ血性心不全の患者へのCGRPの長時間注入は、有害作用なくして、血行力学的な機能に対する持続した有益な効果を示し、心不全への使用が示唆される。CGRPの使用の他の適応症は、腎不全、急性および慢性の冠状動脈虚血、心不整脈の治療、レイノー現象のごとき他の末梢血管疾患、クモ膜下出血、高血圧症ならびに肺高血圧症を含む。また、妊娠中の前子癇性の毒素血症および早産が潜在的に治療可能である(Wimalawansa(1997)、前出)。最近の治療上の使用例は、偏頭痛の治療のためのCGRPアンタゴニストの使用を含む。
アドレノメデュリンは、ほとんど一様に発現しており、このペプチドを含有する組織の方が、そうでない組織よりはるかに多い。ADMの公表された総説は、心血管系、細胞増殖、中枢心神経系および内分泌系に対するADMの効果を詳述し、血管拡張、細胞増殖、ホルモン分泌の調節およびナトリウム利尿を含めた広範な生物学的作用をもたらすとしている(Hinsonら、(2000)Endocrine Reviews 21(2):138−167)。ラット、ネコ、ヒツジおよびヒトにおける研究は、ADMの静脈内注射が、CGRPと同等の強力で持続性の血圧降下作用を生じることを確認している。しかしながら、麻酔ラットの平均動脈圧に対するADMの血圧降下効果は、CGRPアンタゴニストCGRP8−37によって阻害されないことから、この効果はCGRP受容体を介して媒介されていないことが示唆されている。麻酔ラット、覚醒ラットまたは高血圧性のラットにおける、ヒトADMを急性または慢性に投与した結果、血圧の降下に伴って、全末梢抵抗が顕著に低下し、同時に心拍数、心拍出量および1回拍出量は増加した。
また、ADMは、胚形成および分化における重要な因子としてならびにラット内皮細胞のアポトーシス生存因子として提案されている。これは、最近のADMノックアウトマウス研究によって支持され、この研究では、ADM遺伝子欠損にホモ接合性のマウスが、胚形成中に不完全な血管形成を呈し、かくして妊娠中期に死亡した。ADM +/−ヘテロ接合性マウスは、組織の損傷も受けやすいと共に、高血圧性を有することが報告されている(Kurihara(2003)、前出)。
ADMは、脳下垂体、副腎、生殖器および膵臓のごとき内分泌臓器に影響する。このペプチドは、脳下垂体からのACTHの放出を阻害する役割を有するようである。副腎においては、ADMは、ラットおよびヒトの両方において副腎皮質の分泌活性に影響するようであり、さらに、無処置ラットの副腎血管床では血管拡張剤として作用して副腎の血流を増加させる。ADMは、女性の生殖器系全体に存在し、正常な妊娠では血漿濃度が上昇することが示されている。子癇前症のラットモデルにおける研究では、妊娠後期のラットに投与すると、ADMは、高血圧を改善し、子の死亡率を低下できることが示されている。子癇前症のモデルの妊娠早期または妊娠していないラットにおいては、動物において同様の効果が認めらなかったため、これは、ADMが子宮胎盤循環器系において重要な調節機能を担い得ることを示唆している。膵臓では、ADMは、阻害的な役割を担っている可能性が高い。というのは、経口グルコース負荷に対するインスリン応答を減弱および遅延させ、そのため、初期のグルコース濃度は上昇するからである。また、ADMは、腎機能に影響できる。末梢ボーラス投与は、かなり平均動脈圧を低下させ、腎血流、糸球体ろ過率および尿流量を増加できる。いくらかの場合には、Na排泄が増加する。
また、ADMは、骨および肺に対して、他の末梢性の効果を有する。骨に対しては、研究は、心血管系および体液のホメオスタシスを超える役割もすることを支持し、ADMが胎性および成体げっ歯類の破骨細胞に作用して、形質転換増殖因子βのごとき既知の破骨細胞成長因子による細胞増殖と同じ程度まで、細胞増殖を増加させることが実証されている。これは、臨床的に重要である。というのは、骨粗鬆症の研究における主な課題の1つが、破骨細胞を刺激することによって骨量を増加させる治療法を開発することであるからである。肺においては、ADMは、肺血管拡張を引き起こすだけでなく、ヒスタミンまたはアセチルコリンにより誘発された気管支収縮を阻害する。ラットモデルにおける肺高血圧症を治療するためにエアロゾル化したADMを使用した最近の研究では、この状態の吸入治療が有効であることが示されている。これは、セーラインを与えたラットよりもADMで処置したラットにおいて、平均肺動脈圧および全肺抵抗が顕著に低下したという事実によって証明されている。全身動脈圧および心拍数を変化させることなく、この結果が得られた(Nagayaら、(2003)Am.J.Physiol.Heart Circ.Physiol.285:H2125−2131)。
Nichollsら(Peptides(2001)22:1745−1752)により公表された総説は、ADMの注入による効果が概説されている。健常ボランティアにおいて、静脈注射は、動脈圧を低下させ、心拍数、心拍出量、cAMP、プロラクチン、ノルエピネフリンおよびレンニンの血漿レベルを刺激した。これらの患者では、尿量またはナトリウムの排泄量の増加がほとんどあるいは全く認められなかった。心不全または慢性腎不全の患者では、ADMの静脈内注射は、正常な対象で認められた効果と同様の効果を有し、投与した用量に依存して、利尿およびナトリウム利尿も誘発した。また、実験的なADM処置は、動脈および肺高血圧症、敗血症ショックならびに虚血/再灌流障害に有益であることも示された(Beltowski(2004)Pol.J.Pharmacol.56:5−27)。ADM処置の他の適応症には、末梢血管疾患、クモ膜下出血、高血圧症、妊娠中の前子癇性の毒素血症および早産ならびに骨粗鬆症が含まれる。
アミリンファミリーペプチドの最新のメンバーとしてのAFP−6の生物学的機能は、上記のメンバーより余り特徴付けされていない。しかしながら、ヒトおよびマウスの組織のノーザンブロットから得られた発現データは、以下の実施例の項の表4に示され、このデータは発現が主に脳下垂体および消化管内にあることを示す報告済みのデータと一致する。AFP−6に特異的な受容体は報告されていないが、結合研究は、AFP−6が、アミリンファミリーの既知の受容体全てに結合することを示す。AFP−6は、内因性CGRP受容体を発現するSK−N−MCおよびL6細胞においてcAMPの産生を増加させ、これらの細胞内で、それらの受容体への結合につきラベル化CGRPと競合することが示されている。公表されているin vivo研究では、AFP−6投与は、おそらくCRLR/RAMP受容体との相互作用を介して行われている可能性が高い正常ラットおよび自然発生高血圧症ラットの双方の血圧低下に導く。マウスにおけるin vivo投与は、胃内容排出および食物摂取の抑制に導く(Rohら、(2004)J.Biol.Chem.279(8):7264−7274)。
CGRP、ADMまたはアミリンを欠く変異マウスを用いた研究は、種々の系で、CRLRは、心血管系の形態形成、知覚神経伝達、免疫反応、侵害受容挙動およびグルコースホメオスタシスにつき重要な役割を担うことができることが示されている。かくして、このファミリーのポリペプチドにおける生理的機能は、受容体結合特異性および個々のリガンドの組織発現プロフィールによって決定される。AFP−6は、アミリンファミリーの全受容体に結合するという点ではユニークであるようである。例えば、アミリンは、アミリン、カルシトニンおよびCGRP受容体に、0.05〜20nMの親和性で結合するが、アドレノメデュリン受容体にはそれほど高い親和性では結合しない(数百nMの親和性)。ウシ研究では、AFP−6は、アドレノメデュリン受容体に結合(約1〜5nM)し、さらにそれ以外の3種の受容体に対しては3〜30nMの親和性を有し、このことから、AFP−6にはアミリン、CT、CGRPおよび/またはADMの特性が与えられる。受容体結合データについては、本明細書の表3も参照されたい。
アミリンファミリータンパク質全般、特に、AFP−6ポリペプチドは、様々な疾患、状態および障害の治療または予防に有用である広範な生物学的活性を有する。かかるポリペプチド、ならびにその誘導体およびアナログを、上記の疾患、状態および障害の治療および/または予防に使用するために開発する必要性が依然として存在する。
ある一般的な態様において、本発明は、新規のAFP−6アナログに関する。AFP−6ポリペプチドのある領域が結合性および/または活性につき望ましいことが発見された。ある具体例において、新規のAFP−6アナログは、以下の式(I):
−X−X−X−X−X−X−X−QVQNLSHRLWQL−X21−X22−X23−X24−X25−X26−X27−X28−SAPV−X33−PSSPHSY(配列番号41)
[式中、Xは、不存在、TQAQLLRVG(配列番号42)、配列番号42の1個または複数の連続したアミノ酸のいずれか、N−アリール、またはC1〜C18アルキル、置換されているアルキルもしくはヘテロアリール基から選択される置換基を有するN−アシルであり;
は、M、S、C、側鎖がアミド結合を介して連結できる、置換されているL、K、DもしくはE、またはXと結合、例えばジスルフィドもしくはアミド結合、を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
は、V、D、L、G、N、A、SまたはTであり;
は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
は、V、D、L、G、N、A、Sまたは不存在であり;
は、T、S、ホモセリン、(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(Ab)、または(2R,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸(Ap)であり;
は、M、S、C、置換されているL、K、DもしくはE、またはXと結合、例えばジスルフィドもしくはアミド結合、を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
21は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
22は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
23は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
24は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
25は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
26は、Rまたは不存在であり、但しX26が不存在の場合、X27は不存在であり;
27は、Qまたは不存在であり、但しX27が不存在の場合、X26は不存在であり;
28は、DまたはEであり;
33は、DまたはEである]
で表されるアミノ酸配列およびその生物学的に活性な断片を含む化合物であるが、この属のAFP−6アナログには、配列番号1または2を含まないものとする。
他の具体例において、新規のAFP−6アナログは、以下の式(II):
−X−QNLSHRLWQL−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−SAPV−X25−PSSPHSY(配列番号56)
[式中、Xは、Qまたは不存在であり;
は、Vまたは不存在であり;
13は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
14は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
15は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
16は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
17は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
18は、Rまたは不存在であり、但しX18が不存在の場合、X19は不存在であり;
19は、Qまたは不存在であり、但しX19が不存在の場合、X18は不存在であり;
20は、DまたはEであり;
25は、DまたはEである]
で表されるアミノ酸配列およびその生物学的に活性な断片を含む、またはその活性な領域が、以下の式(II)で表されるアミノ酸配列およびその生物学的に活性な断片からなるが、当該アミノ酸配列は、配列番号13または14ではない。
さらに他の具体例において、AFP−6アナログは、配列番号10〜12、16〜33および35〜40のアミノ酸配列を含む。さらに他の具体例において、AFP−6アナログが配列番号15または34のアミノ酸配列を含む、あるいはその活性な領域が配列番号15または34のアミノ酸配列からなる。
ある具体例において、AFP−6アナログは、25、30、35、40または45個以下のアミノ酸を有することにより特徴づけることができる。他の具体例において、AFP−6アナログは、23〜49個のアミノ酸を有し得る。ある具体例において、AFP−6アナログは、配列番号1〜4、10〜12、16〜33および35〜40と、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97または98%のアミノ酸配列同一性を備え、少なくとも1種のアミリンファミリー活性を有するが、当該化合物は、配列番号1〜4ではない。他の具体例において、AFP−6アナログは、配列番号15および34の配列と、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97または98%のアミノ酸配列同一性を備え、アミリンファミリーポリペプチドのアンタゴニスト活性を有する、あるいはその活性な領域が、配列番号15および34の配列と、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97または98%のアミノ酸配列同一性を備え、アミリンファミリーポリペプチドに対するアンタゴニスト活性を有するが、当該化合物は、配列番号13および14ではない。
もう一つの一般的な態様では、本発明は、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログの使用方法を提供する。ある具体例において、本発明は、対象におけるカロリーまたは栄養の摂取量または利用能を減少させることによって、緩和できる状態または疾患を治療または予防する方法を意図する。本発明方法には、限定されるものではないが、肥満、インスリン抵抗性、代謝異常症候群および真性糖尿病の状態および疾患を含むことができる。他の具体例において、本発明は、対象における心血管の状態または疾患を治療または予防する方法を意図する。心血管の状態または疾患の例は、高血圧症、心筋虚血および心筋再灌流障害であるが、これらに限定されない。
さらに他の具体例において、本発明方法は、アンタゴニスト活性を有するAFP−6アナログの使用を意図する。従って、例示的な使用には、対象における摂食障害、悪液質、過食症、および食欲の減少、食物摂取量の減少、体重の減少、胃の低運動性または低血圧症により特徴付けられる他の消耗性疾患の治療または予防を含む。
さらなる具体的態様には、本発明の化合物を、約0.05mg/kg〜約2mg/kgの範囲の投与量で、注射、注入、吸収(例えば粘膜、経粘膜、経皮)および吸入のごときデリバリー方法で投与すること、本明細書に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド、当該ヌクレオチドを含有するベクター、ヌクレオチドを増殖し、および/または当該ヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを発現する宿主細胞、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログに指向される抗体、ならびに対象におけるスクリーニングまたは検出/診断におけるそれらの使用が含まれる。もう一つの具体例において、本発明は、AFP−6アナログの発現を供する条件下で、AFP−6アナログをコードする発現ベクターを含有する宿主細胞を培養し、次いで、発現したAFP−6アナログを単離することを含む方法を含めたAFP−6アナログを製法を提供する。
本明細書に記載した全ての文献は、参照によってその全体が組み入れられる。
(図面の簡単な記載)
図1Aおよび1Bは、アドレノメデュリンペプチドクエリ配列と仮想タンパク質XP_147916とのBLAST配列比較、およびヒトアドレノメデュリン前駆体と全長の仮想マウスタンパク質XP_147916とのBLAST配列比較を示す。同一の残基を濃灰色で、類似する化学的性質を有する残基を淡灰色で示す。
図2は、今回マウスAFP−6と新たに名づけられたタンパク質XP_147916のFASTAフォーマットの全配列を示す。
図3は、AlignX(登録商標)(VectorNTI(登録商標);Invitrogen製)により実施し、シェーディングのためにBOXSHADEにエクスポートしたマウスおよびヒトAFP−6前駆体タンパク質の配列比較を示す。同一の残基を濃灰色で、類似する化学的性質を有する残基を灰色で示す。
図4は、AlignX(登録商標)(VectorNTI(登録商標);Invitrogen製)により実施し、シェーディングのためにBOXSHADEにエクスポートしたヒトアドレノメデュリンおよびヒトAFP−6前駆体タンパク質の配列比較を示す。同一の残基を濃灰色で、類似する化学的性質を有する残基を淡灰色で示す。
図5は、AlignX(登録商標)(VectorNTI(登録商標);Invitrogen製)による、アミリンファミリーポリペプチドであるhAFP−6、ヒトアドレノメデュリン、ヒトアミリン、hCGRP1およびヒトカルシトニンの配列比較を示す。同一の残基を濃灰色で、類似する化学的性質を有する残基を淡灰色で示す。
図6は、アドレノメデュリンとの相同性に基づいたヒトおよびマウスのAFP−6前駆体からの予測される成熟した生理活性ペプチドを示す。
図7は、データベース配列NM024866と整列したヒト前立腺AFP−6のcDNAの5’UTRの配列比較を示す。
図8A〜8Iは、膵臓、前立腺および唾液腺から選択されたin situハイブリダイゼーションのデータを示す。
図9は、PerkinElmer AlphaScreen(商標)アッセイを用いて測定した、HUVECおよびCHO細胞における2種の濃度のAFP−6、ヒトアドレノメデュリンおよびhCGRP1によるサイクリックAMPの上昇のデータを示す。
図10は、アミリンの放射性リガンド結合アッセイ(RBA)の結果を示す。グラフは、アミリン受容体における放射標識されたアミリンの結合の置換を、AFP−6、ヒトアドレノメデュリン、hCGRP1、ヒトカルシトニンおよびrアミリンの阻害濃度(IC50)の計算値とともに示す。
図11は、CGRPの放射性リガンド結合アッセイ(RBA)の結果を示す。グラフは、CGRP受容体における放射標識されたCGRPの結合の置換を、AFP−6、ヒトアドレノメデュリン、hCGRP1、ヒトカルシトニンおよびrアミリンのIC50の計算値とともに示す。
図12は、AFP−6のマウスにおける短期の食物摂取に対する効果を示す。
図13は、AFP−6のマウスにおける短期の食物摂取に対する及ぼす投与量−応答を示す。
図14Aおよび14Bは、ラットにおける胃内容排出速度に対する、各々、AFP−6およびrアミリンの効果を示す。
図15Aおよび15Bは、ラットにおけるイオン化カルシウムレベルに対する、各々、AFP−6およびrアミリンの効果を示す。
図16A〜16Cは、雄性ラットにおいて、いくつかの心臓パラメーター、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)およびdP/dtに対する、rアミリン、AFP−6およびラットアドレノメデュリンの効果を示す。
図17Aおよび17Bは、高脂肪食を与えられたラットにおける食物摂取および体重増加に対する、配列番号1のAFP−6または配列番号32の例示的なAFP−6アナログの1週間連続皮下注入の効果を示す。
本発明は、新規のAFP−6アナログの発見に関する。AFP−6以外のアミリンファミリーポリペプチドの理解と組み合わせた、AFP−6の構造および機能を理解するように設計された研究の努力を介して、新規の化合物およびそれらの使用を本明細書に記載する。AFP−6アナログと呼ばれるこれらの化合物は、とりわけ、代謝の状態および障害の治療および予防に有用である。AFP−6アナログの1つの望ましい特徴は、AFP−6アナログが、特定のアミリンファミリー受容体をそれ以外の受容体よりも好む(例えば、ある結合プロフィールを所有させる)ように設計することができるということである。これによって、より効果的な治療、副作用の低減、安定性または溶解性の増加、活性の増大、あるいは当該ペプチドの製造または使用の簡便性の増加、例えば、当該ペプチドの製造をより経済的とすることもできる。従って、ペプチドアナログは、臨床での使用ならびに、限定されるものではないが、高血圧症および心血管系のホメオスタシスの維持;肺疾患、妊娠(または不妊症)および授乳;胃腸;グルコース調節、肥満、代謝異常症候群、ならびに他の代謝障害を含む生理学に関与する状態の治療法の開発につき、非常に注目される。
ある具体例において、高血圧および心血管の状態;妊娠(または不妊症)および授乳;肺障害;ならびに胃腸の状態および高または低血糖と関与する状態の治療および/または予防において、本発明のAFP−6アナログは、ネイティブなAFP−6ポリペプチドに比べ、同等または高い効力を有し得る。他の具体例において、本発明のAFP−6アナログは、上記の状態の治療および/または予防において、依然として有効であるか弱い効力を有するが、ネイティブなAFP−6を上回る他の望ましい特徴、安定性または溶解性の増大、少ない副作用、あるいは生物学的活性の組合せおよび/または製造、製剤化もしくは使用の簡便化を所有し得る。さらに他の具体例において、本発明のAFP−6アナログは、AFP−6の活性を遮断または減少させるアンタゴニスト活性を有する。従って、本発明のAFP−6アンタゴニストアナログは、例えば、消耗性の疾患または障害の予防または治療に有用である。
本明細書においては、項目は構成上の便宜のために使用されているに過ぎず、記載された主題をいかなる場合であっても限定するものではない。
AFP−6アナログ
本発明のAFP−6アナログには、限定されるものではないが、配列番号1のアミノ酸18〜27および41〜47を少なくとも有する化合物;配列番号1のアミノ酸18〜27および33〜47を少なくとも有し、35位および40位のアミノ酸はDもしくはEのいずれかである化合物;配列番号1のアミノ酸18〜27、36〜39および41〜47を少なくとも有する化合物;または前記の化合物のいずれかであって、N−末端にジスルフィドまたはアミドのループのごときループをさらに有する前記化合物のいずれかを含み、但し、AFP−6アナログは配列番号1〜4ならびに配列番号1のアミノ酸16〜47および17〜47ではない。ある具体例において、AFP−6アナログは、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45または46個以下のアミノ酸を有することにより特徴付けできる。他の具体例において、AFP−6アナログは、47、48、49個またはそれ以上のアミノ酸を有し得る。いくつかの具体例において、AFP−6アナログが、本明細書に記載されたもののようなアミリン、カルシトニン、CGRP、アドレノメデュリンまたはAFP−6の活性のごときアミリンファミリー活性を有する。いくつかの具体例において、AFP−6アナログが、アミリンファミリーアンタゴニスト活性を有する。かくして、「AFP−6アナログ」とは、アゴニストまたはアンタゴニスト活性のいずれかを有するペプチドをいう。AFP−6アナログがアゴニストまたはアンタゴニストのいずれであるかは、本明細書に記載された生物学的アッセイのいずれかを用いて決定できる。
本発明のAFP−6アナログは、少なくとも以下の式(I):
−X−X−X−X−X−X−X−QVQNLSHRLWQL−X21−X22−X23−X24−X25−X26−X27−X28−SAPV−X33−PSSPHSY(配列番号41)
[式中、Xは、不存在、TQAQLLRVG(配列番号42)、配列番号42の1個または複数の連続したアミノ酸のいずれか、N−アリール、またはC1〜C18アルキル、置換されているアルキルもしくはヘテロアリール基から選択される置換基を有するN−アシルであり;
は、M、S、C、側鎖がアミド結合を介して連結することができる、置換されているL、K、DもしくはE、またはXと結合、例えばジスルフィドもしくはアミド結合、を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
は、V、D、L、G、N、A、SまたはTであり;
は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
は、V、D、L、G、N、A、Sまたは不存在であり;
は、T、S、ホモセリン、(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(Ab)、または(2R,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸(Ap)であり;
は、M、S、C、置換されているL、K、DもしくはE、またはXとの結合、例えばジスルフィドもしくはアミド結合、を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
21は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
22は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
23は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
24は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
25は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
26は、Rまたは不存在であり、但しX26が不存在の場合、X27は不存在であり;
27は、Qまたは不存在であり、但しX27が不存在の場合、X26は不存在であり;
28は、DまたはEであり;
33は、DまたはEである]
を有する化合物を含み得るが、当該AFP−6アナログは、配列番号1および2ではない。
他の具体例において、新規のAFP−6アナログは、以下の式(II):
−X−QNLSHRLWQL−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−SAPV−X25−PSSPHSY(配列番号56)
[式中、Xは、Qまたは不存在であり;
は、Vまたは不存在であり;
13は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
14は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
15は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
16は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
17は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
18は、Rまたは不存在であり、但しX18が不存在の場合、X19は不存在であり;
19は、Qまたは不存在であり、但しX19が不存在の場合、X18は不存在であり;
20は、DまたはEであり;
25は、DまたはEである]
で表されるアミノ酸配列およびそれらの生物学的に活性な断片を含む、またはその活性な領域が、式(II)で表されるアミノ酸配列およびそれらの生物学的に活性な断片からなるが、当該アミノ酸配列は、配列番号13および14ではない。
AFP−6アナログは、C−末端がアミド化されていてもまたはされていなくてもよい。さらに、式(I)のある変形により規定されるAFP−6アナログも意図されている。例えば、ある具体例において、Xは、不存在である。他の具体例において、Xは、RVGである。さらに他の具体例において、Xは、VGである。さらに他の具体例において、Xは、Glyである。さらに他の具体例において、Xは、Valである。ある具体例において、XおよびXは、Cysである。他の具体例において、XおよびXは、置換されているLeu、LysまたはAspである。さらに他の具体例において、XおよびXは、Metである。さらに他の具体例において、Xおよび/またはXは、Gluである。さらに他の具体例において、XおよびXは、化学的に相互に結合して分子内結合を形成できる側鎖を有するアミノ酸である。XおよびXについてのかかる側鎖には、ジスルフィド結合を形成し得るアルキルスルフヒドリル;環状のラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン;縮合および還元されてアルキルアミンの橋を形成し得るアルキルアルデヒドもしくはアルキルハライドおよびアルキルアミン、または結合してアルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルもしくはチオエーテル結合を形成し得る側鎖から誘導された基が含まれる。
式(I)に包含されるAFP−6アナログのある具体例において、Xは、Valである。他の具体例において、Xは、Asnである。さらに他の具体例において、Xは、Glyである。ある具体例において、Xは、Leuである。他の具体例において、Xは、Thrである。さらに他の具体例において、Xは、Asnである。ある具体例において、Xは、Glyである。他の具体例において、Xは、Alaである。さらに他の具体例において、Xは、Leuである。ある具体例において、Xは、不存在である。他の具体例において、Xは、Serである。ある具体例において、XはValであり、XはLeuであり、XはGlyであり、かつXは不存在である。他の具体例において、XはAsnであり、XはThrであり、XはAlaであり、かつXは不存在である。さらに他の具体例において、XはGlyであり、XはAsnであり、XはLeuであり、かつXはSerである。
式(I)に含まれるAFP−6アナログのある具体例において、Xは、Thrである。ある具体例において、X21〜X25は、不存在である。他の具体例において、X21は、Metである。他の具体例において、X22は、Glyである。他の具体例において、X23は、Proである。他の具体例において、X24は、Alaである。他の具体例において、X25は、Glyである。ある具体例において、X26はRであり、かつX27はQである。他の具体例において、X26およびX27は、不存在である。ある具体例において、X28および/またはX33は、Aspである。他の具体例において、X28および/またはX33は、Gluである。
さらに、式(II)のある変形により包含されるAFP−6アナログも意図されている。ある具体例において、X13〜X17は、不存在である。他の具体例において、X13は、Metである。他の具体例において、X14は、Glyである。他の具体例において、X15は、Proである。他の具体例において、X16は、Alaである。他の具体例において、X17は、Glyである。ある具体例において、X18はRであり、かつX19はQである。他の具体例において、X18およびX19は、不存在である。ある具体例において、X20および/またはX25は、Aspである。他の具体例において、X20および/またはX25は、Gluである。
ある具体例において、AFP−6アナログは、長さが30または31個のアミノ酸である。他の具体例において、AFP−6アナログは、長さが32個のアミノ酸である。さらに他の具体例において、AFP−6アナログは、長さが33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45または46個のアミノ酸である。さらに他の具体例において、AFP−6アナログは、長さが47または48個またはそれ以上のアミノ酸である。ある具体例において、AFP−6アナログの長さが、23、24、25、26、27、28または29個のアミノ酸である。
アンタゴニスト活性を有するAFP−6アナログは、例えば、X〜Xが欠失している式(I)の化合物を含み得る。アンタゴニスト活性を有する他のAFP−6アナログは、AFP−6アナログアンタゴニストが配列番号13および14(配列番号1のアミノ酸16〜47および17〜47)ではない式(II)の化合物を含み得る。アンタゴニスト活性を有する他のAFP−6アナログは、Xおよび/またはXが欠失している式(II)の化合物を含むことができ、但し、AFP−6アナログアンタゴニストは配列番号13および14ではない。例示的なAFP−6アナログアンタゴニストとして、配列番号13、14および34があげられる。さらに、AFP−6アナログアンタゴニストは、内部の置換または欠失を含み得る。例えば、配列番号14の9位のTrpが欠失すると、配列番号15のペプチドが生成される。例示的なAFP−6アナログアンタゴニストは、配列番号15である。
本発明の例示的なAFP−6アナログには、以下が含まれる。
RVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:10)
GCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:11)
CVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:12)
QVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:13)
VQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:14)
VQNLSHRL-QLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:15)
TQAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:16)
TQAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQL-------DSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:17)
VGCVLGTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:18)
CVLGTCQVQNLSHRLWQL-----RQESAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:19)
TQAQLLRVGCSNLSTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:20)
TQAQLLRVGCNTATCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:21)
RVGCGNLSTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:22)
TQAQLLRVGCDTATCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:23)
TQAQLLRVGCGNLSTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:24)
TQAQLLRVGMVLGT MQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:25)
GMVLGTMQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:26)
VGMVLGTMQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:27)
RVGCGNLSTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:28)
VGCGNLSTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:29)
V-CNTA-TCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:30)
GCNTATCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVDPSSPHSY-NH2 (配列番号:31)
TQAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQESAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:32)
TQAQLLRVGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:33)
GTMQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:34)
VGCVLGTCQVQNLSHRLWQLMGPAGRQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:35)
VGCVLGTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:36)
GCNTATCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:37)
GCSNLSTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:38)
GCGNLSTCQVQNLSHRLWQL-----RQDSAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:39)
GCVLGTCQVQNLSHRLWQL-----RQESAPVEPSSPHSY-NH2 (配列番号:40)。
また、AFP−6アナログには、配列番号1〜4および10〜40のいずれかのアミノ酸配列と、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97または98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつ1)配列番号1〜40のいずれか1つに類似する活性またはアミリンファミリー活性、あるいは2)前記の活性のアンタゴニスト活性を有するポリペプチドも含むことができ、ここに、当該AFP−6アナログは、配列番号1〜9、その既知の変異体、ならびに配列番号13および14ではない。パーセント同一性は、Vector NTI(登録商標)におけるAlignX(登録商標)モジュール(Invitrogen製;Carlsbad、カリフォルニア州)を用いた分析によって決定される。
本発明の化合物は、ペプチドの生物学的活性または機能に影響しないが、精製(例えば、ヒスチジンタグ)、検出(例えば、ビオチン)または発現(例えば、発現カセット/ベクターおよびプロモーター)を補助する等、他の機能を果たすことができるさらなるアミノ酸、化学薬品または成分をさらに含むことができる。
また、本発明のAFP−6アナログは、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化および環化のごとき化学的変化によって、さらに誘導体化し得る。かかる化学的変化は、化学的または生化学的な方法、ならびにin vivo手法を介して、あるいはそれらのいずれかの組合せによって得ることができる。また、本発明のアナログポリペプチドの誘導体には、1種もしくは複数のポリマー、または低分子物質にチア売るコンジュゲーションを含み得る。ポリマーコンジュゲーションの一種は、AFP−6アナログのN−もしくはC−末端またはアミノ酸残基の側鎖に、種々の長さのポリエチレングリコール(「PEG」)ポリマー、ポリアミノ酸(例えば、poly−his、poly−arg、poly−lys等)および/または脂肪酸鎖を連結または結合である。低分子の置換基は、短いアルキルおよび制約されたアルキル(例えば、分岐アルキル、環状アルキル、縮合アルキル、アダマンチルアルキル)、ならびに芳香族基を含む。加えて、RおよびKのごとき塩基性残基を、ホモRおよびホモK、シトルリンまたはオルニチンで置換してペプチドの代謝安定性を改善し得る。また、AFP−6アナログには、ペプチドの酸およびアミドの形態も含まれる。
また、AFP−6アナログには、本明細書に記載の大きなペプチドの生物学的に活性な断片も含まれる。望ましい活性の例として、(1)食物摂取、胃内容排出、膵臓分泌、血圧、心拍数または体重減少のアッセイにおける、AFP−6ポリペプチドまたは本発明のアミリンファミリーポリペプチドに類似する活性を有すること、および/あるいは(2)アミリンファミリー受容体(例えば、アミリン受容体、カルシトニン受容体)に対する受容体結合アッセイにおける結合を含む。アミリンファミリー受容体の例示的な結合アッセイは、本明細書および、参照によってその全体が本明細書に組み入れられている米国出願第5264372号に記載されている。
ある具体例では、かかるアッセイにおいて、AFP−6アナログは、1μMを超える親和性で結合し、他の具体例において、AFP−6アナログが1〜10nMを超える親和性で結合する。また、AFP−6アナログが、アミリンファミリー受容体(例えば、アミリン、カルシトニン、CGRPまたはアドレノメデュリン)と間接的に相互作用することによって、望ましい活性を所有し得ること、あるいはAFP−6アナログが、AFP−6ポリペプチド自体が相互作用して生物学的応答を誘発できる他の1種または複数の受容体に結合できることも意図されている。
本発明のアゴニストポリペプチドは、通常、AFP−6活性のごとき生物学的アミリンファミリー活性の少なくとも一部を保持する。すなわち、アミリンファミリー活性には、アミリン活性、カルシトニン活性、アドレノメデュリン活性、CGRP活性またはAFP−6活性が含まれる。表2は、Wimalawansa(1997)Critical Reviews in Neurobiology、11:167−239に発表されたアミリンファミリーの生物学的効果の概要を提供する。
Figure 2008515443
「アミリン活性」を有するポリペプチドとは、当該ポリペプチドが、当技術分野で公知の特徴、および本明細書に記載の特徴、例えば食物摂取量を減少させることのごときアミリンに類似する生理的特徴を示すことを意味する。本発明のポリペプチドは、アミリン受容体、またはアミリン自体が相互作用して生物学的応答を誘発する、例えば、食物摂取量を減少させることができる他の1種もしくは複数の受容体に結合する、または結合しない場合にはそれらと直接もしくは間接的に相互作用することができる。
「カルシトニン活性」を有するポリペプチドとは、当該ポリペプチドが、当技術分野で公知の特徴、および本明細書に記載の特徴、例えば破骨細胞の機能を阻害すること、等のカルシトニンに類似する生理的特徴を示すこと意味する。本発明のポリペプチドは、CT受容体、またはカルシトニン自体が相互作用して生物学的応答を誘発する、例えば、破骨細胞の機能を阻害することができる他の1もしくは複数の受容体に結合する、または結合しない場合にはそれらと直接もしくは間接的に相互作用することができる。
「CGRP活性」を有するポリペプチドとは、当該ポリペプチドが、当技術分野で公知の特徴、および本明細書に記載の特徴、例えば血管拡張効果を誘発することのごときCGRPに類似する生理的特徴を示すこと意味する。本発明のポリペプチドは、CGRP受容体、またはCGRP自体が相互作用して生物学的応答を誘発する、例えば、血管拡張効果を誘発することができる他の1種もしくは複数の受容体に結合する、または結合しない場合にはそれらと直接もしくは間接的に相互作用することができる。
「アドレノメデュリン活性」を有するポリペプチドとは、当該ポリペプチドが、当技術分野で公知の特徴、および本明細書に記載の特徴、例えば血圧降下効果を誘発すること、等のADMに類似する生理的特徴を示すこと意味する。本発明のポリペプチドは、ADM受容体、またはADM自体が相互作用して生物学的応答を誘発する、例えば、血圧降下効果を誘発することができる他の1種もしくは複数の受容体に結合する、または結合しない場合にはそれらと直接もしくは間接的に相互作用することができる。
「AFP−6活性」を有するポリペプチドとは、当該ポリペプチドが、当技術分野で公知の特徴、および本明細書に記載の特徴、例えば血圧降下効果を誘発することのごときAFP−6に類似する生理的特徴を示すことを意味する。本発明のポリペプチドは、AFP−6自体が相互作用して生物学的応答を誘発する、例えば、血圧降下効果を誘発することができる1種もしくは複数の受容体に結合する、または結合しない場合にはそれらと直接もしくは間接的に相互作用することができる。
本発明のもう一つの態様では、アンタゴニスト活性を持つAFP−6アナログは、通常、AFP−6活性のごとき生物学的アミリンファミリー活性の少なくとも一部を阻害するまたは減弱させる。すなわち、アミリン活性、カルシトニン活性、CGRP活性、アドレノメデュリン活性および/またはAFP−6活性が、アンタゴニストアナログによって遮断される。
表3に、アミリンファミリーポリペプチドの食物摂取アッセイおよび種々のアミリンファミリー受容体結合アッセイの結果の概要を示す。実施例の項の表6および表7には、いくつかのAFP−6アナログの食物摂取アッセイおよび結合アッセイの結果の概要をそれぞれ示す。
Figure 2008515443
本明細書に記載されている生物学的活性および/または受容体結合活性をもとに、本発明は、治療を必要とする対象の疾患または障害の治療に用いる医薬品に使用するための、AFP−6アナログおよびAFP−6アナログ組成物を提供する。また、本発明は、対象の疾患または障害の治療において、AFP−6アナログおよびAFP−6アナログ組成物の使用方法も提供する。
従って、ある態様では、本発明は、AFP−6アゴニストアナログ組成物、さらにそれらを用いて、対象における体重を減少させる方法;体組成に影響させる方法;II型もしくはインスリン非依存性糖尿病、I型糖尿病および妊娠性糖尿病を含めた糖尿病を治療する方法;ならびに摂食障害、痛み、インスリン抵抗性症候群、代謝異常症候群、心血管疾患、肺疾患、不妊症または骨に影響する状態を治療する方法を提供する。
さらにもう一つの様態では、本発明は、AFP−6アンタゴニストアナログの組成物と、アミリン、カルシトニン、CGRP、アドレノメデュリンまたはAFP−6の効果を遮断するそれらの能力によって、対象において、例えば、摂食障害、悪液質、過食症、および食欲の減少、食物摂取量の減少、体重の減少、または低血圧症を特徴とする他の消耗性疾患を効果的に治療できるようなそれらの使用方法を提供する。
「AFP−6」とは、いずれかの種から得られた、または誘導されたAFP−6ポリペプチドを意味する。従って、「AFP−6」という用語には、ヒトの全長アミノ酸ペプチド、ならびに、例えば、マウス、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラットおよびイヌのAFP−6ポリペプチドを含めた多様な種のAFP−6を含む。この意味では、「AFP−6ポリペプチド」および「野生型AFP−6ポリペプチド」または「ネイティブなAFP−6ポリペプチド」、すなわち未改変のAFP−6ポリペプチドは、互換性に用いられる。
「AFP−6アゴニスト」とは、ペプチド、ペプチド様化合物および低分子を含めた、AFP−6に類似する生物学的活性を誘発するいずれかの化合物を意味する。
「アミノ酸」および「アミノ酸残基」とは、構造的に立体異性の形態をとることができるならば、それらのDおよびL立体異性体での、天然アミノ酸、非天然アミノ酸および修飾アミノ酸を意味する。天然アミノ酸には、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)が含まれる。非天然アミノ酸には、限定されるものではないが、アゼチジンカルボン酸、2−アミノアジピン酸、3−アミノアジピン酸、β−アラニン、アミノプロピオン酸、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、2−アミノヘプタン酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノピメリン酸、tert−ブチルグリシン、2,4−ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2−ジアミノピメリン酸、2,3−ジアミノピメリン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン、ホモリジン、ホモプロリン、ホモセリン、ヒドロキシルセリン、アロ−ヒドロキシリジン、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ−イソロイシン、N−メチルアラニン、N−メチルグリシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルペンチルグリシン、N−メチルバリン、ナフトアラニン(naphthalanine)、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、およびチオプロリン、ホモリジン、ホモアルギニン、ホモセリン、シトルリン、オルニチン、N−ホルミルリジンが含まれる。修飾アミノ酸には、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S(カルボアミノ基または側鎖の官能基が、もう一つの官能基に化学的に体系化されている)のごとく、可逆的もしくは非可逆的にブロックされている、またはN−末端のアミノ基もしくは側鎖の基において修飾されている天然アミノ酸および非天然アミノ酸が含まれる。例えば、アスパラギン酸−(β−メチルエステル)は、アスパラギン酸の修飾アミノ酸であり;N−エチルグリシンは、グリシンの修飾アミノ酸であり;またはアラニンカルボキサミドは、アラニンの修飾アミノ酸である。組み入れることができる他の残基は、Sandbergら、(1998)J.Med.Chem.41:2481−2491に記載されている。
ある具体例において、本発明のAFP−6アゴニストアナログは、AFP−6ポリペプチドまたはアミリンファミリーのもう一つのポリペプチドの生物学的活性を、少なくとも約25%、または約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%もしくは99%保持する、あるいは影響する。もう一つの具体例において、本発明のアゴニストアナログポリペプチドじゃ、他のアミリンファミリーポリペプチドの少なくとも1つに比べ、改善された活性を示す。例えば、本発明のアゴニストアナログポリペプチドが、AFPポリペプチドまたはアミリンファミリーのもう一つのポリペプチドの生物学的活性の少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%または200%超を示す。AFP−6の例示的な機能として、食物摂取量の減少または血圧の低下がある。
例示的なAFP−6アナログは、本明細書に記載されているアッセイ(例えば、受容体結合アッセイ、食物摂取および/または体重減少アッセイ)の1つにおいて、同一アッセイにおけるヒトAFP−6ポリペプチドの効力を上回るまたはそれと同等の効力を有するものである。例えば、AFP−6アナログは、少なくとも1つの受容体に、30nM、20nM、10nMまたはそれを超える親和性で、あるいはネイティブなアドレノメデュリンまたは他のアミリンファミリーポリペプチドの1つの親和性より大きい親和性で、結合することができる。しかしながら、本発明のAFP−6アナログが、アッセイにおいてより弱い効力を有していてもよいことも意図されている。AFP−6アナログは、特異的な結合プロフィール、安定性、溶解性または製造もしくは製剤化の簡便性のごとき望ましい特徴をさらに有し得る。
ある実施例において、本発明のポリペプチドは、食物摂取アッセイにおいて活性を示し得る。かかるポリペプチドは、累積食物摂取量を、ビヒクルに比べ、5%超、15%超、25%超、35%超、または50超減少させる能力を示す。ある具体例において、AFP−6アナログは、食物摂取量を75%超または90%超をも減少させる。
もう一つの一般的な態様では、本発明は、本明細書に記載されているAFP−6アナログをコードできる核酸を含む。かかる核酸を、当技術分野でよく知られた標準的なコード表を用いて、本明細書に提供されているアミノ酸配列から決定できる。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログの使用
本明細書に記載されている生物学的活性および/または受容体結合活性をもとに、本発明は、治療を必要とする対象の疾患または障害の治療に用いる医薬品に使用するための、AFP−6アナログおよびAFP−6アナログ組成物を提供する。また、本発明は、対象の疾患または障害の治療において、AFP−6アナログおよびAFP−6アナログの組成物を使用する方法も提供する。
本明細書で用い、当技術分野でよく理解されている「治療」とは、臨床結果を含めた、有用な、または望ましい結果を得るためのアプローチを意味する。疾患、障害または状態を「治療する」とは、障害を治療しない場合に比べ、状態、障害もしくは疾患の状況の程度および/または望ましくない臨床的徴候が軽減される、かつ/あるいは時間的な進行が緩慢になる、または延長されることを意味する。例えば、肥満の治療において、体重の減少、例えば、5%の体重減少は、望ましい治療結果の例である。本発明の目的について、有用な、または望ましい臨床結果には、限定されるものではないが、1種または複数の症状の軽減または改善、疾患の程度の低下、疾患の状況の安定化(すなわち悪化しない)、疾患の拡散の予防、疾患の進行の遅延または緩慢、疾患の状況の改善または緩和、および検出可能または不可能な(部分的または完全な)緩解が含まれる。また、「治療」とは、治療を受けない場合に想定される生存期間に比べ、延長された生存期間を意味することもできる。さらに、治療とは、単回投与によって生じるとは限らず、しばしば多回投与によって生じる。かくして、治療上有効な量、または疾患、障害もしくは状態を治療するのに十分な量を、単回または多回投与できる。
従って、ある態様では、本発明は、AFP−6アゴニストアナログの組成物、ならびにそれらを用いて、対象の体重を減少させる方法、体組成に影響する方法、II型糖尿病すなわちインスリン非依存性糖尿病、I型糖尿病および妊娠性糖尿病を含めた糖尿病を治療する方法、摂食障害、痛み、インスリン抵抗性症候群、代謝異常症候群、心血管疾患、肺疾患、不妊症ならびに/または骨に影響する状態を治療する方法を提供する。
さらにもう一つの様態では、本発明は、AFP−6アンタゴニストアナログの組成物、ならびにアミリン、カルシトニン、CGRP、アドレノメデュリンまたはAFP−6の効果を遮断するそれらの能力によって、対象において、例えば、摂食障害、悪液質、過食症、および/または食欲の減少、食物摂取量の減少、体重の減少または低血圧症を特徴とする他の消耗性疾患の治療上有効であり得る、それらを使用する方法を提供する。
本明細書に記載されている薬理学的な活性に基づいて、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、(真性糖尿病および血糖代謝異常の様々な徴候、インスリン抵抗性およびインスリン抵抗性症候群、肥満、脂質代謝異常を含む)代謝疾患の治療に;胃炎、バレット食道炎および他の食道炎、膵臓炎ならびに過敏性大腸症候群を含む胃腸障害の治療に;胃内容排出に関係する、または胃内容排出の速度を調節することによって改善することができる障害の治療(例えば、ダンピング症候群、食後のグルコースレベルの緩和および胃の低運動性)に;高血圧症、腎不全、(虚血/再灌流障害および脳卒中を含む)血管閉塞障害を含めた心血管および腎臓の障害の治療に;うっ血性心不全および他の心室機能不全ならびに不整脈の治療に、さらに、特に心筋梗塞と関聨した心保護薬および/または筋保護薬として;肺高血圧症、気管支痙攣、慢性閉塞性肺疾患および換気灌流ミスマッチの障害を含めた肺の障害の治療に;骨痛、偏頭痛およびアヘン剤の節約が望まれる他の状態を含めた痛みの治療に;骨形成および骨折修復の促進のための骨軟化症またはミネラル化の障害を含めた骨の障害の治療に;相対的な成長ホルモンおよび/またはIGF1の過剰を含めたグレリン関連障害の治療に;グルカゴン関連障害の治療に;ならびに、子宮および妊娠に影響するプロラクチンの放出に対して、成長ホルモンの放出において、ならびに卵胞の生存および成長において、有用で有り得る。
特に、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アゴニストアナログを用いて、カロリー(または栄養)の摂取量または利用能を減少させることによって緩和可能な状態または障害を治療し得る。これには、比較的高い栄養摂取量もしくは利用能によって生じる、比較的高い栄養摂取量もしくは利用能が絡んでいる、または比較的高い栄養摂取量もしくは利用能によって悪化する対象における状態または障害、あるいは栄養の摂取量もしくは利用能を減少させる、例えば、食物摂取量を減らすことによって緩和可能な対象の状態または障害のいずれをも含むであろう。かかる状態または障害には、限定されるものではないが、肥満、II型糖尿病を含めた真性糖尿病、摂食障害およびインスリン抵抗性症候群が含まれる。
肥満およびそれに関連する障害は、米国および世界中で、共通しており、非常に深刻な公衆衛生上の問題になっている。上体部の肥満は、II型真性糖尿病の既知の最も高い危険因子であり、心血管疾患の高い危険因子である。肥満は、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、脳卒中、胆のう疾患、骨関節炎、睡眠無呼吸症、多のう胞性卵巣症候群等の生殖器の障害、乳癌、前立腺癌および大腸癌、ならびに全身麻酔の合併症発生率の増加についての危険因子として知られている(例えば、Kopelman、Nature 404:635−43(2000)を参照)。肥満は、寿命を短縮させ、上記の疾患に加え、感染症、静脈瘤、黒色表皮症、湿疹、運動不耐性、インスリン抵抗性、高血圧症高コレステロール血症、胆石症、整形外科的な外傷および血栓塞栓性の疾患のごとき障害を併発させる重大な危険性を有する(Rissanenら、BMJ 301:835−7(1990))。
また、肥満は、インスリン抵抗性症候群または「シンドロームX」と呼ばれる一群の状態の危険因子でもある。肥満およびそれに関連する障害の医療費を最近の見積りは、世界全体で1,500億ドルであった。肥満の発症には、種々の因子が絡むと考えられているが、基本的な問題は、肥満の対象において、過剰な脂肪組織が存在するまで、栄養の利用能とエネルギーの消費とのバランスが崩れていることである。現在、肥満は、満足な治療法がない、慢性の、実質的に難治性の代謝障害である。
今や、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アゴニストアナログを投与して、肥満およびそれに関連する状態を治療する、または本明細書に記載された他の疾患の状態を予防/それらの危険を低下できることを開示する。関連する状態には、限定されるものではないが、インスリン抵抗性、真性糖尿病、高血圧症、心血管の疾患、偽脳腫瘍、高脂血症、睡眠無呼吸症、癌、肺高血圧症、心血管疾患、胆石症および骨関節炎が含まれる。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アゴニストアナログは、胃内容排出を調節するのに有用である。胃内容排出を遅らせるこれらの化合物を、放射線検査または磁気共鳴画像法に使用できる。あるいは、これらの化合物を用いて、胃腸の疾患、例えば、急性の憩室炎に関連し得る痙攣、胆管の障害またはオディ括約筋の障害に苦しむ対象における胃の運動性を低下し得る。また、本発明の化合物を用いて、食後のダンピング症候群または食後の高血糖を治療し得る。
活性をブロックするAFP−6アンタゴニストは、限定されるものではないが、摂食障害、悪液質、過食症、ならびに低血圧症および胃の低運動性に加え、食欲の減少、食物摂取量の減少または体重の減少により特徴付けられる他の消耗性疾患に有用であろう。従って、AFP−6のごときアミリンファミリーポリペプチドの活性に対してアンタゴニスト活性を有するAFP−6アナログおよびそれらの使用も、本発明の一部として意図されている。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログを用いて、体組成を改変する、例えば、除脂肪体組織を低下させないが、体脂肪を減らす、または良好な(大きな)除脂肪体−対−脂肪率を創製し得る。体組成の変化は、重量(例えば、増減をグラムで表す)、またはパーセント体脂肪率およびパーセント除脂肪量もしくはタンパク質で表すことができる。いかなる特定の説に縛られるつもりはないが、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、体脂肪を減らし、さらに除脂肪体重を維持するまたは除脂肪体重の減少を最小化する代謝効果を有し得る、
「肥満」は、通常、体格指数が30以上と定義されるが、本開示のためには、体格指数が30未満の対象を含め、体重を減らす必要がある、または体重を減らすことを望むいずれの対象も、「肥満」の範囲に含まれる。すなわち、本発明の化合物は、望ましい効果が達成される限りは、体格指数に関係なく、全ての対象において用いることが意図されている。例えば、これらの方法を注目し得る対象には、過体重または肥満の個人だけではなく、除脂肪体組成を有する者、例えば、ボディビルダーおよび他の運動選手が含まれる。このような個人にとって、体重を減らす、または維持すること、例えば、ある一定の体重の範囲に留まる、さらに、より優れた強度、スタミナ、耐久性および/またはいっそうの筋肉の出現のために除脂肪組織を維持する、または増加させることが望まれる場合がある。従って、ある具体例において、本発明方法には、体脂肪を減らす、または体脂肪の増加を防止することが含まれる。他の具体例において、除脂肪体組織を維持、または増加させることが含まれる。依然として他の具体例は、体重を制御する、かつ/または体形を整えることが含まれる。また、かかる方法は、高い除脂肪体量−対−脂肪率が望ましいいずれの動物に対しても使用できる。かかる使用の例として、限定されるものではないが、優れたショー用イヌ、より優れた競走馬、またはより肉の多い、脂肪の少ない家畜を作ることが含まれる。これらの概念は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられている、2004年5月20日付で出願された米国特許出願第10/851574号に、より詳細に記載されている。
もう一つの状態の全身性高血圧症は、治療しないならば、アテローム硬化性の心血管疾患に至る可能性の高い疾患である。アメリカ人は、成人4人に1人という高率で、高血圧症であると見積もられている。高血圧症は、通常、平均拡張期血圧が90mmHg以上、または平均収縮期血圧が140mmHg以上の場合に、高血圧症と診断される。高血圧症は、糖尿病患者の場合、そうでない場合に比べ、発生率が約2倍である。血圧の変動が大きく、収縮期高血圧の可能性がはるかに高いので、糖尿病患者の高血圧症の診断には、特に注意を要する。高血圧症の罹患率は、加齢ともに増加する。AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アゴニストアナログを投与して、動脈血圧を低下させ、それによって、浮腫および炎症性の浸出液量も減少し得る。肺循環における高血圧症は、それほど一般的ではないが、重度の状態である結果、死亡率は高い。AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アゴニストアナログは、肺高血圧症の治療に有用であり得る。
肺血管における局所的な低酸素症は、生理的に血管収縮性の応答を誘発し、血液をより良好に換気される肺部分へ短絡する。しかしながら、慢性閉塞性肺疾患において、この機構は、圧倒されることがあり、その結果、肺高血圧症を起こし、かつ換気と灌流との整合が最適以下(いわゆる換気灌流ミスマッチ)、酸素負荷が最適以下、ならびに慢性の呼吸困難および運動不耐性となる。一般に、最適のガス交換を得るためには、局所の肺領域内で、ガス(換気)が血流(灌流)に整合することが重要である。換気されない肺領域への血流は、灌流されない領域の換気と同様、かかる領域では、空気と血液との間でガス交換が生じないので、無駄な努力である。換気灌流ミスマッチは、ガス交換器官としての肺の有効性が、正常時の10分の1にまで低下しかねないことが報告されている。
換気灌流ミスマッチは、肺障害の主な原因であり、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺胞性疾患および肺血管の疾患のごとき状態で存在し得る。換気灌流ミスマッチが特徴である肺障害において、(1)局部の肺の換気の増加に導く気管支拡張、(2)局所の肺の灌流の増加に導く血管拡張、および/または(3)COのより迅速な排気(炭酸水素塩として血液中へ移動)に導く炭酸脱水素酵素の活性化の組合せが有用であることが理論化されている。
従って、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、急性呼吸促迫症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺胞性疾患および肺血管の疾患のごとき状態ならびに換気灌流ミスマッチに関連した状態を治療するのに有用であり得ると考えられている。さらに、これらの化合物は、吸入によって送達できるとも考えられている。本発明のペプチドは、肺胞に向かう空気の流れに続くことができる。本発明のペプチドのかかるデリバリーは、「ホイッフルボール」のごとき低または超低密度の粒子としてのデリバリー、例えば、米国出願第2004/0170568号および米国特許第6630169号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられている)、またはTECHNOSPHERES(商標)(PHARMACEUTICAL DISCOVERY社製;Elmsford、ニューヨーク州)を含む。これらのペプチドは、(例えば、肺の血管拡張を介して)肺の比較的換気の良好な部分への血流を増加でき、気管支痙攣の抑制を介して換気を増大させることができる。さらに、ADMまたはCGRP、それらのアゴニストおよびアナログも、単独またはAFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログと組み合わせて用いて、急性呼吸促迫症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺胞性疾患および肺血管の疾患のごとき状態または換気灌流ミスマッチに関連する状態を治療できるとも考えられている。また、かかる状態において、本願の医薬組成物の項の教示は、ADMおよびCGRP、それらのアゴニストおよびアナログに適用される。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、Na/K−ATP分解酵素を刺激して、虚血発作および脱分極後に、興奮性の組織(心筋を含めた筋肉および神経)において、イオン性の環境を修復したり、リズム障害のごとき異常な電気的な現象の頻度および重症度を低下し得る。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、心保護薬として用いて、例えば、虚血性の損傷を改善する、心筋虚血の結果として起こる心筋梗塞の大きさを縮小する、またはそれ以外の場合、心筋の損傷の範囲を制限することができる。血栓溶解療法に併用して、または単独で投与できる、さらなる心筋保護を提供できる治療法に関する関心。というのは、遡及的疫学的研究は、梗塞後数年間の死亡率が元々の梗塞の大きさと関係すると思われることが示されているからである。
心筋虚血は、心筋の酸素の供給と需要との結果であり、労作性および血管攣縮性の心筋機能不全を含む。労作性虚血は、通常、大きな冠状動脈が関与する重症のアテローム硬化性狭窄の存在が原因であり、心内膜下血流の減少を生じる。血管攣縮性虚血は、局所性の変化の痙攣が関連し、その発生は労作またはストレスとは関係しない。痙攣は、より的確には、血管緊張の突然の増加と定義される。
うっ血性心不全とは、末梢組織に十分な酸素を送達するには不十分であるポンプ機能を示す。これは、時には、血液中の酸素運搬能力の低下(例えば、重篤な貧血症)の結果であることがある。最も一般的には、うっ血性心不全は、(例えば、心筋の損傷に続く)心機能の低下の結果、または心筋に要求される仕事量の増加(例えば、全身性高血圧症にともない末梢抵抗が増加した場合)の結果である。有毒な血液量増加症は、充填圧の増加により、心不全を悪化させる結果、心拡大および最適以下の心収縮力を生じかなない。AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、心後負荷の軽減(本明細書に示されている血管拡張)、心収縮力増加(例えば、本明細書に示されているdP/dtの増加)、有毒な血液量増加症の改善、およびイオンの不均衡の改善を含む様々な機構を通して、うっ血性心不全の治療に有用であり得る。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、浮腫の軽減、例えば、リウマチ性関節炎における浮腫、脳腫瘍または癌への照射に対する二次的な浮腫、脳卒中、頭部外傷または脊髄損傷が原因の浮腫、手術後の浮腫、喘息および他の呼吸器疾患の浮腫、ならびに眼ののう胞様横斑浮腫に使用することができる。
さらに、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、腎不全および腎障害の治療にも、腎臓の栄養因子としても有用であり得る。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、痛みの治療に有用であり得、アヘン剤の必要性を減らし得る。これらは、特に、偏頭痛を含めた血管運動性の障害に関連する痛み、および炎症の治療に有用であり得る。AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、特定の胃腸障害、特に、分泌抑制によって改善が可能な障害の治療に有用であり得る。かかる障害は、胃炎、(胆汁および胃酸の逆流をともなうバレット食道炎を含む)食道炎、ならびに膵臓炎を含む。加えて、これらは、かかる障害に関連する痛みの治療にも有用であり得る。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、骨粗鬆症、糖尿病性および他の骨減少症を含めた骨の脱ミネラル化の障害の治療に有用であり得る。加えて、これらは、骨形成を促進することもでき、骨折修復の促進に有用であり得る。
また、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログの投与の結果、プロラクチンを放出し、成長ホルモンの放出を調節し得る。プロラクチンは、脳下垂体前葉の特化された細胞である乳腺刺激ホルモン分泌細胞において合成され、そこから分泌されるポリペプチドホルモンである。プロラクチンは、生殖において複数の役割を担っており、生物体のホメオスタシスにおいても複数の役割を担っている。プロラクチンの合成および分泌は、脳下垂体前葉に限定されておらず、体内の他の臓器および組織にもこの能力は備わっている。乳腺に対するプロラクチンの種々の効果には、乳腺の増殖および発達、乳汁の合成、および乳汁分泌の維持が含まれる。妊娠中の下垂体切除が、その後の乳汁分泌を抑制するので、乳産生は、下垂体のプロラクチンを明らかに必要とする。
黄体の機能に対するプロラクチンの作用は、種および性周期の時期に依存する。プロラクチンは、黄体の構造および機能の整合性を維持することによって、黄体様のホルモンとして作用する。プロラクチンのこの「黄体様の」作用は、プロゲステロンの分泌の増強により特徴付けられる。プロラクチンは、2つの経路:黄体形成ホルモン(LH)のステロイド産生効果を顆粒膜黄体細胞において増強する、およびプロゲステロンを不活性化する水酸化ステロイド脱水素酵素を阻害するにおいて、プロゲステロンの分泌を増強する。ヒトにおいて、高濃度のプロラクチンは、顆粒膜細胞の黄体形成およびステロイド産生を抑制する。プロラクチンは、プロゲステロン生合成および妊娠中の黄体細胞の肥大化に不可欠である。黄体の機能に加え、プロラクチン−Rは、顆粒膜細胞中および卵母細胞においても多数の機能を媒介する。
生殖の過程に対する作用以外に、プロラクチンは、免疫系、浸透圧の平衡および血管新生の調節によって、内部環境の定常性の維持に役割を担っている。プロラクチンは、神経系、内分泌系および免疫系が、互いに連絡し合う免疫神経内分泌ネットワークの共有するメディエーターである。プロラクチンの主な特徴は、サイトカインおよびヘモポイエチン(hemopoietin)との協同作用であり、それは調節不全の状態下で、造血性のホメオスタシスを修復するように機能する「ストレスホルモン」として関係している。プロラクチンは、生理的、ならびに自己免疫疾患のごとき病的な状況下の液性および細胞性免疫の調節に重要な役割を担っている。T細胞の増殖および有糸分裂誘発;樹状細胞の成熟等を含めたin vivoにおける免疫応答が、プロラクチンによって増強される。プロラクチンは、多数の自己免疫疾患において上昇し、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の約20%が高プロラクチン血症である。また、プロラクチンは、哺乳類の細胞膜を介した溶質および水の輸送も調節する。例えば、プロラクチンは、哺乳類の上皮細胞膜を介する溶質の輸送に関する多数の活性を有する。プロラクチンは、哺乳類の上皮細胞内へのナトリウムの輸送を減少させ、カリウムの輸送を増加させる。プロラクチンは、腸管上皮細胞膜を介するクロリドおよびカルシウムの輸送にも影響する。プロラクチンは、血管新生活性を有するが;血管新生は、ネイティブなプロラクチンのタンパク質分解フラグメントによって阻害される。前記のようなプロラクチンの生理的な役割、例えば、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログによるプロラクチンの役割を調節する方法の理解は、本明細書で意図されているような不均衡を調節する新しい治療法に導く。
AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、グレリンの分泌の抑制を含めた、他のホルモンの応答を二次的に媒介できる。これらは、網膜症の治療を含めた、グレリン関連障害、およびグレリン−成長ホルモン−IGF軸の障害の治療に有用であり得る。
さらに、膵島新生の機能は不明な点が多い(総説として、Bouwen(2004)Cell Biochem Biophys、40(3 Suppl):81−88を参照)が、脱分化した、または異形成の外分泌(腺房および管)細胞が、多分化能の状態を獲得し、膵島前駆体として働くことができるという仮説がある。AFP−6のmRNAが、腺房細胞に存在することおよび、SAGE解析法によって、膵臓上皮腺管癌においてAFP−6のmRNAが見出されたことから、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、膵島新生に有用である可能性がある。
さらに、分泌性上皮にAFP−6mRNAが発現することから、AFP−6は、前立腺の正常な機能に関与し得、従って、AFP−6のアゴニストおよびアナログが、種々の前立腺の障害の治療に有用である可能性がある。
さらに、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログは、本明細書に記載されているAFP−6アナログの特性を有する他の化合物のスクリーニングにも使用し得る。例示的なスクリーニングの方法が、参照によってその内容の全体が組み入れられているPCT出願第WO2004/048547号に記載されている。本発明は、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログに特異的な抗体を提供する。さらに、AFP−6、AFP−6アゴニストおよびAFP−6アナログおよび/またはそれらの抗体を、本明細書に記載されているような状態または障害、あるいはそれらを生じさせる傾向を決定する診断の場において使用することもできる。また、抗体をアンタゴニストとして使用できるとも考えられる。
AFP−6アナログの製造
本明細書に記載されているAFP−6アナログは、当技術分野で知られた標準的な組換え技術またはペプチドの化学合成法、例えば、自動および半自動ペプチド合成機のいずれか、または両方を使用する方法、を用いて調製できる。同様に、本発明のポリペプチドの誘導体は、標準的な化学的、生化学的またはin vivoにおける方法を用いて調製し得る。
本発明のAFP−6アナログは、従来技術に従って溶液中または固体の担体上で合成できる。種々の自動合成機が市販されており、既知のプロトコールに従って、使用することができる。例えば、StewartおよびYoung、Solid Phase Peptide Synthesis、2d.ed.、Pierce Chemical Co.(1984);Tarnら、J.Am.Chem.Soc.105:6442(1983);Merrifield、Science 232:341−7(1986);ならびにBaranyおよびMerrifield、The Peptides、GrossおよびMeienhofer編、Academic Press、New York、1−284(1979)を参照。
別法として、本発明のAFP−6アナログは、当技術分野でよく知られた組換え技術によって調製できる。例えば、Sambrookら、 Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2d ed.、Cold Spring Harbor (1989)を参照。組換え技術によって調製されるこれらのポリペプチドは、ポリヌクレオチド、例えば、DNAまたはRNA分子から発現し得る。これらのポリヌクレオチド配列には、宿主細胞におけるmRNAの転写および翻訳を促進するコドンを組み入れることもできる。かかる製造のための配列は、当技術分野で周知の方法に従って、容易に構築し得る。例えば、第WO83/04053号を参照。多様な発現ベクター/宿主の系を利用して、AFP−6アナログをコードする配列を含有および発現し得る。
従って、AFP−6アナログのアミノ酸配列は、新しい有用なウイルスまたはプラスミドDNAベクターを調製するのに、新しい有用な、形質転換および形質移入した真核および原核細胞(細菌、酵母、藻類、植物、昆虫、鳥類および哺乳類の培養細胞を含めた)を調製するのに、および本発明のポリペプチドを発現できるかかる宿主細胞を培養して増殖させる新しい有用な方法に、有用なポリヌクレオチド配列が決定する。また、アゴニストまたはアンタゴニストのいずれかであるAFP−6アナログをコードするポリヌクレオチド配列は、遺伝子治療に有用であり得る。
AFP−6アナログをコードするDNA配列を、PCRによる増幅または部位特異的変異誘発法のごときよく知られた分子生物学的(または組換え)技術を用いて、適切なベクター、例えば、pGEX−3X(Pharmacia製;Piscataway、ニュージャージ州)にクローニングして創製し得る。
また、本発明は、本発明のAFP−6アナログの製法も提供する。かかるAFP−6アナログをコードする核酸を含有する宿主細胞からポリペプチドを調製する方法であって、(a)AFP−6アナログをコードするポリヌクレオチドを含有する当該宿主細胞を、かかるDNA分子の発現を促進する条件下で培養し、次いで(b)かかるAFP−6アナログを得ることを含む方法を提供する。宿主細胞は、細菌、酵母、藻類、植物、昆虫、鳥類および哺乳類の細胞等の真核または原核細胞であり得る。哺乳類の宿主細胞は、例えば、in vitroで培養されたヒト細胞を含む。また、無細胞系を用いてポリペプチドを調製する方法も意図されている。無細胞タンパク質発現系の例は、Roche Diagnostics社によるRapid Translation System(RTS)である。
多様な発現ベクター/宿主の系を利用して、AFP−6アナログをコードする配列を含有および発現し得る。これらには、限定されるものではないが、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌のごとき微生物;酵母発現ベクターで形質転換した酵母;ウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;ウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、タバコモザイクウイルス)で形質移入した、または細菌発現ベクター(例えば、TiもしくはpBR322プラスミド)で形質転換した植物細胞系;あるいは哺乳類細胞系が含まれる。 組換えタンパク質の調製に有用な哺乳類細胞には、限定されるものではないが、ベロ細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、(COS−7等の)COS細胞、WI 38、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12ならびにK562および293細胞が含まれる。これらの発現/宿主系の全て、ならびに他の発現/宿主系におけるタンパク質の組換え発現の例示的な手順は、当技術分野ではよく知られている。
本発明によって調製したAFP−6アナログを精製するのが望ましいことがある。ペプチドの精製方法は、当業者にはよく知られている。これらの手法は、細胞環境を、ポリペプチドと非ポリペプチドとの分画への粗分画を含む。注目するポリペプチドを、クロマトグラフィーおよび電気泳動によってさらに精製して、部分的または完全に精製(または均一になるまで精製)を達成し得る。純粋なペプチドの調製に特に適した分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動および等電点分離法である。特に効率がよく、好ましいペプチドの精製方法は、逆相HPLC後の液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析による精製物の特徴付けである。アミノ酸分析を決定することによって、さらなる純度の確認が得られる。
本明細書で用いた「精製ペプチド」という用語は、それ以外の構成要素から単離可能な組成をいい、該ペプチドは、天然に得ることができる状態に対して、どのような精製の程度でも精製される。従って、精製ペプチドとは、天然に生じ得る環境には拘束されないペプチドをいう。「実質的に精製された」という用語は、その中で、ペプチドが組成物の主たる構成要素を形成し、例えば、当該組成物中、少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約95%超が当該ペプチドで構成されている組成物をいうように使用される。ポリペプチドの精製方法は、例えば、参照によってその全体が組み入れられている米国特許第5849883号に見い出すことができる。
ペプチドの精製に使用するのに適した種々の手法が、当技術分野ではよく知られている。これらには、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体等との沈殿法;熱変性後の遠心分離;イオン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシルアパタイトおよびアフィニティークロマトグラフィーのごときクロマトグラフィー工程;等電点分離法;ゲル電気泳動;ならびにかかるおよび他の方法の組合せが含まれる。当技術分野で通常知られているように、種々の精製工程の実施の順序を変更でき、または特定の工程を省くことができると考えられており、それでも、実質的に精製されたタンパク質またはペプチドを調製する適切な方法が得られる。
ペプチドを最も精製された状態で常に供給されるという一般的な要求は存在しない。ある具体的様態では、実質的に精製の低い生成物が有用であると考えられる。組み合わせてより少ない精製の工程を用いて、または異なった形態の同一の一般的な精製の体系を利用することによって、部分的精製が達成できる。例えば、HPLCの装置を利用して行った、陽イオン交換カラムクロマトグラフィーの結果、通常、低圧クロマトグラフィーの系を利用する同じ方法よりも精製度が「数倍」向上すると理解されている。相対的に低い度合の精製は、タンパク質の生成物の総回収量および発現タンパク質の活性を維持するのnい有利であり得る。また、陰イオン交換クロマトグラフィーとイムノアフィニティークロマトグラフィーとを組み合わせて使用して、本発明の精製ペプチド組成物を調製し得ると考えられる。
医薬組成物
また、本発明は、治療または予防に有効な量の少なくとも本発明のAFP−6、AFP−6アゴニストもしくはAFP−6アナログ、またはそれらの医薬上許容される塩を、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログのデリバリーに有用な医薬上許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバントおよび/または担体とともに含む医薬組成物に関する。かかる組成物には、種々の緩衝内容物(例えば、トリス−HC1、酢酸、リン酸)ならびにpHおよびイオン強度を含む希釈剤;界面活性剤および可溶化剤(例えば、ツイーン80、ポリソルベート80)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール)、賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール)のごとき添加剤;あるいは材料を、ポリ乳酸、ポリグリコール酸のごときポリマー化合物の粒状の調製物中に組み入れたもの、またはリポソームに取り込んだものを含み得る。かかる組成物は、本発明のAFP−6アナログの物性、安定性、in vivoにおける放出速度およびin vivoにおけるクリアランス速度に影響するであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1435−712、18th ed.、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania(1990)を参照。医薬組成物の例示的な処方方法を、参照によってその内容全体が組みれられている第WO2004/048547号を見い出すことができる。
本明細書で用いた「医薬上許容される」という成句は、有効成分の生物学的活性の有効性を妨げず、連邦政府または州政府の規制機関によって認められているか、あるいは米国薬局方または他の一般に認められている薬局方に、動物用および特にヒト用として収載されている剤をいう。従って、適切な医薬上許容される担体には、動物またはヒトに投与しても、医薬組成物の有効性を妨げることがない、有害な、アレルギー性の、または都合の悪い反応を起こさない剤が含まれる。
本明細書で用いた「医薬上許容される塩」という成句は、限定されるものではないが、硫酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸塩、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、亜硫酸水素、リン酸、酸性リン酸、イソニコチン酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、酸性クエン酸、酒石酸、オレイン酸、タンニン酸、パントテン酸、酸性酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ゲンチシン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、およびパモ酸(すなわち、1,1’−メチレン−ビス(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)の塩のごとき医薬上許容される、好ましくは無毒性の、酸および塩基、例えば無機および有機の酸および塩基から調製された塩をいう。医薬上許容される塩には、限定されるものではないが、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸および酒石酸由来の塩のごとき遊離のアミノ基から形成される塩が含まれる。医薬上許容される塩には、限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、ナトリウムリチウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジンおよびプロカイン由来の塩のごとき遊離のカルボキシル基から形成される塩も含まれる。
本発明のAFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログを、末梢投与のために製剤化でき、それらには、注射、経口投与、経鼻投与、肺投与、局所投与、または当業者に認識されている他の種類の投与のための製剤が含まれる。より詳しくは、本発明による医薬組成物の投与は、当該経路を介して標的組織に到達することができる限りは、一般的な経路のいずれを介してもよい。より好ましい具体例において、医薬組成物を、対象に、従来の末梢からの方法のいずれか、例えば、静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、くも膜下腔内、延髄後、肺内(例えば、期間放出)により、あるいは経口、舌下、経鼻、経肛門、経膣もしくは経皮デリバーまたは特定の部位に外科的に埋込みによって導入し得る。例として、静脈内もしくは皮下注射、経鼻投与、経口投与または粘膜投与、および鼻もしくは口による肺吸入があげられる。処置は、単回投与であってもよいし、一定期間にわたる多回投与であってもよい。本発明の組成物を制御された継続的な放出も意図されている。
注射用に適した医薬組成物には、無菌の水溶液または分散系、および注射用の無菌の水溶液または分散系を用事調製するための無菌の粉末が含まれる。いずれも場合も、その形態は、無菌であり、容易に注射可能である程度の流動性を有する必要がある。また、本発明のポリペプチドが、製造および保管条件下で安定であることが望ましく、細菌および真菌のごとき微生物の汚染作用に対して保護される必要もある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールならびにその他)、ジメチルアセトアミド、クレモルホルEL(Cremorphor EL)、およびそれらの適切な混合物、ならびに油(例えば、大豆油、ゴマ油、ヒマシ油、綿実油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、グリコフロールおよびトウモロコシ油)を含有する溶媒または分散媒体であり得る。適当な流動性を、例えば、レシチンのごとき被覆を施すことによって、分散系の場合には、必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤を使用することによって、維持できる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、メタ−クレゾール、ベンジルアルコール、(メチル、プロピルまたはブチル)パラベン、クロロブタノール、フェノール、フェニル水銀(酢酸、ホウ酸または硝酸)塩、ソルビン酸、チメロサール等により引き起こすことができる。多数の場合、等張化剤(例えば、糖および塩化ナトリウム)が組成物中に含まれるであろう。注射用組成物の持続性の吸収は、組成物中に吸収を遅らせる剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用によって達成することができる。
ある具体例において、本発明の医薬組成物を製剤化して、非経口投与、例えば、注射または注入に適したものとする。ある具体例において、AFP−6アナログを、水性の担体、例えば、pHが約3.0〜約8.0、さらに他の具体例において、pHが約3.5〜約7.4、3.5〜6.0または3.5〜約5.0の等張化緩衝溶液中に懸濁させる。有用な緩衝液として、クエン酸ナトリウム−クエン酸、リン酸ナトリウム−リン酸および酢酸ナトリウム−酢酸の緩衝液があげられる。貯蔵または「デポー」徐放性製剤の形態を用いて、経皮の注射またはデリバリー後に、治療上有効な量の製剤を血流中に長期の時間または日にわたって送達し得る。
一般に、本発明のAFP−6、AFP−6アゴニストもしくはAFP−6アナログの治療または予防に有効な量は、処置を受ける者の年齢、体重、および疾患、代謝状態または障害の状態または重症度によって決定されるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 697−773を参照。また、WangおよびHanson、Parenteral Formulations of Proteins and Peptides:Stability and Stabilizers、Journal of Parenteral Science and Technology、Technical Report No.10、Supp.42:2S(1988)も参照。典型的には、約0.001〜約1000μg/kg体重の間の投与量を使用できるが、経験のある医師であれば理解できようが、それより多い量または少ない量を使用することもできる。投与は、1日1回または複数回でも、あるいはそれより低頻度でもよく、本明細書に記載されているように、他の組成物と併用してもよい。本発明は、本明細書に記載された投与量に限定されないことに留意されたい。
適切な投与量は、代謝の状態または障害のレベルを決定するための確立されたアッセイ方法の使用を介して、関連する投与量−応答データと併用して確認できる。最終的な投与計画は、担当医が、薬物の作用を変調する要因、例えば、薬物の特定の活性、患者の損傷の重症度および応答性、患者の年齢、状態、体重、性別および食事、いずれかの感染症の重症度、投与時間ならびに他の臨床的要因を考慮して決定される。研究がなされるにつれ、特定の疾患および状態に対する適切な投与量のレベルおよび治療期間に関するさらなる情報が明らかになるであろう。
有効な投与量は、典型的には、50kgの患者の場合、1日あたり、約1〜30μgから約5mg、または約10〜30μgから約2mg、さらなる具体例において、1日あたり、約5〜100μgから約1mg、または約5μgから約500μgの範囲であり、単回または多回投与あるいは制御して、継続的に放出させる。例示的な投与量は、1回に、約0.01から約100μg/kgの範囲である。投与は、栄養の利用能、食物摂取もしくは体重の抑制、血中グルコースもしくは血漿中の脂質低下、または血圧低下もしくは上昇が望まれる限り、例えば、肥満、真性糖尿病、インスリン抵抗性症候群、高血圧症または低血圧症の最初の徴候が認められる、あるいはそれらと診断された直後に、投与を開始する必要がある。投与経路はいずれであってもよく、例えば、注射(皮下または筋肉内を含む)、経口、経鼻、経皮等があげられる。特定の経路、例えば、経口投与の場合の投与量は、生物学的利用能の低下を考慮して、例えば、約5〜100倍に増やすこともできる。
医薬配合物を非経口的に投与するある具体例において、組成物を、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログを、1日あたり0.01μg〜100mg/kg体重の範囲、または1回あたり、約0.01μg〜約500μg/kg、約0.05μg〜約250μg/kgもしくは約50μg/kgを下回る範囲の投与量で送達するように製剤化することがきる。もう一つの例示的な投与量範囲は、1日あたり0.1mg〜約50mg/kg体重である。これらの範囲で投与量は、それぞれのアナログまたは誘導体の効力によって変動させ、もちろん、当業者が決定し得る。投与計画に意図される例示的な体重は、約40、50、60、70、80、90、100kgまたは100kg超であり得る。非経口投与によって、初回にボーラスで投与した後、継続して注入して、薬物生成物の治療上の循環しているレベルを維持し得る。当業者であれば、良好な医療慣行および個々の患者の臨床状態により決定されるように、有効な投与量および投与計画を容易に最適化することができる。
本発明方法では、本発明のポリペプチドを、単独で投与してもよいし、あるいは長期もしくは短期の作用または相補的な作用を示す、1種または複数の他の化合物および組成物とともに投与する、すなわち併用療法としてもよい。例えば、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログに、栄養の利用能を低下させる別の化合物を加えることができ、かかる化合物として、限定されるものではないが、アミリンもしくはアミリンアナログアゴニスト、サケカルシトニン、コレシストキニン(CCK)もしくはCCKアゴニスト、レプチン(OBプロテイン)もしくはレプチンアゴニスト、エキセンディン、エキセンディンアゴニストもしくはエキセンディンアナログアゴニスト、GLP−1、GLP−1アゴニストもしくはGLP−1アナログアゴニスト、PYY、PYYアゴニストもしくはPYYアナログ、またはPYY関連ポリペプチドがあげられる。適切なアミリンアゴニストは、例えば、[25,28,29Pro]−ヒトアミリン(「プラムリンチド」としても知られ、米国特許第5686511号および第5998367号に記載されている)を含む。使用されたCCKは、例えば、CCKオクタペプチド(CCK−8)である。レプチンは、例えば、Pelleymounterら、(1995)Science 269:540−543;Halaasら、(1995)Science 269:543−546;およびCampfieldら、(1995)Science 269:546−549で言及されている。適切なエキセンディンとして、エキセンディン−3およびエキセンディン−4、ならびに例えば、PCT公開第WO99/07404号、第WO99/25727号および第WO99/25728号に記載されているものを含めたエキセンディンアゴニスト化合物があげられる。適切なPYYポリペプチドおよびアナログとして、米国出願第60/543406号および第60/543407号、ならびにPCT公開第WO03/026591号および第WO03/057235号に記載されているものがあげられる。
本発明の医薬組成物および治療方法は、ヒトの医療および動物の医療の分野において有用であることが理解されよう。従って、治療の対象は、哺乳動物、例えば、ヒトまたは他の動物であり得る。動物の目的では、対象として、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよびヤギを含めた家畜、イヌおよびネコのごとき伴侶動物、ならびに展示および/または動物園用の動物、マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびハムスターを含めた実験動物、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒルおよびガチョウのごとき家禽があげられる。
加えて、本発明は、AFP−6、AFP−6アゴニストまたはAFP−6アナログと、医薬適用のために当該化合物を調製するのに適した成分と、医薬適用のための当該化合物および当該成分を使用するための説明書とを含むキットも意図している。
本発明の理解を助けるために、以下に、実施例が含まれる。本発明に関する実験は、本発明を特に限定するものではなく、かつ当業者の理解の範囲内にある本発明の変形例、現在知られているものまたは今後開発されるものは本明細書および特許請求の範囲に記載されている発明の範囲に属するものである。
本発明を、以下の非限定的の実施例を参照して、さらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明をより完全に説明するために提示されており、本発明の範囲を限定するためのものではない。実施例によって、AFP−6アナログ(誘導体を含む)の調製方法、ならびにこれらAFP−6アナログのin vitroおよび/またはin vivoにおける試験方法を示す。当業者であれば、これらの実施例に記載されている技術は、本発明の実施において機能する、本発明者らによって記載されている代表的な技術に過ぎないことが理解されよう。当業者には、本発明の開示に照らし、開示されている特定の方法を、多様に変形させても、発明の精神および範囲から逸脱することなく、同一または類似する結果が依然として得られることを理解されたい。
実施例1.AFP−6の核酸分子およびポリペプチド
1A.マウスおよびヒトにおけるAFP−6の同定
ヒトアドレノメデュリン(SwissProt受入番号:P35318)を用いて、マウスのタンパク質の検索に限定し、他のパラメーターは全てデフォルトに設定して、ヒトアドレノメデュリンに対するマウスの相同体を見い出すために、BlastPを実施した。BlastP検索によって得られた上位の2つの配列は、GenBankおよびSwissProtのマウスアドレノメデュリンで、第4番目の配列は、CGRPII(CGRPIは、ヒットリスト上第8番目であった)であった。予期せぬことに、リスト上の第3番目の配列は、仮想タンパク質XP_147916であった。クエリ配列であるアドレノメデュリン(配列番号43)にマッチする配列は、アドレノメデュリン成熟ペプチド(配列番号44)の領域にほとんど一致して広がっており、これを図1Aに示す。
図1Bに示すように、マッチ領域の相同性は44%で、同一性32%を有する。マウスの配列(配列番号45)のヒトアドレノメデュリン前駆体(配列番号46)との配列比較は、タンパク質全体の相同性は25%であることを示した(同一性15%;配列比較は全て、AlignX(登録商標)プログラム(VectorNTI(登録商標)Advance suite、Invitrogen社、Carlsbad、カリフォルニア州より購入)を用いて実施した。
2つのシグナル配列検出プログラムのSignalPおよびPSortを用いて、この仮想タンパク質が切断可能なシグナルを含有するか否かを決定した。両方のプログラムが、残基25と26の間で、シグナルペプチドが切断されると予測した。Refseqの実体XP_147916を支持するために使用したESTは、BG918210.1であり、未交尾のマウスの乳腺、浸潤性乳管癌からクローン化されていた。FASTAフォーマットのタンパク質XP_147916の全配列(これ以降、マウスアミリンファミリーポリペプチド−6またはmAFP−6の前駆体と呼ぶ)を図2に示し、これを配列番号45とする。
NCBIのBLinkは、他のタンパク質との類似関係を示す大部分のGenBankに入ることができる自動的に生成されたBlastである。mAFP−6前駆体にマッチするものは、1つもなかった。しかしながら、mAFP−6前駆体を用いて行った(後生動物に限定した)BlastP検索は、mAFP−6前駆体自体に対して相同性を示すとともに、はるかに低いスコアで、多様な種(この群に期待される最良スコアは、e=0.59であった)のアドレノメデュリンに相同性を示した。従って、明らかなパラログであるアドレノメデュリン自体は、多様な種から検出されたが、このBlastPは、ヒトのオルソログには全くヒットしなかった。
XM147916の転写物が、もう一つのタンパク質により近い相同性を有するもう一つのORFをコードしている可能性を調べるために、BlastXを実施した。BlastXは、クエリ配列を6つのフレームで翻訳し、クエリ配列をタンパク質データベースと比較する。ヒトの仮想タンパク質FLJ21135には対応するが、アミリンファミリーポリペプチド−6配列をコードするマウスの転写物のフレームにはないマッチを検出した。
しかしながら、仮想タンパク質FLJ21135をコードする転写物AK024788およびNM_024866をin silicoで翻訳すると、それらは、XP_147916とマッチする上流のORFも含有していることが示された。より長い転写物であるAK090635もまた、XP_147916とマッチする上流のORFを含有している。上流のORFのコドンの付近の配列は、アノテートされた開始Metの周囲の配列よりも、コザックコンセンサスによりマッチしている。CCG CCC GCC ATG G(配列番号47)を、CTC TCC GGG ATG G(配列番号48)と比較されたい(古典的なコザックは、GCC GCC PuCC ATG G(配列番号49)(Kozak(1987)J.Mol.Biol.196:947;およびKozak(1987)Nucl.Acids Res.15:8125である)。AK024788のこのアドレノメデュリン様ORFは、mAFP−6前駆体に対して、全体的に、67%の類似性および62%同一性を示す。これ以後、ヒト仮想タンパク質を、hAFP−6前駆体と呼ぶことにする。本明細書では、転写物AK024788およびNM_024866のin silicoにおける翻訳産物を、hAFP−6 short前駆体(配列番号:51)と呼び、挿入部分を含有する、AK090635のin silicoにおける翻訳産物を、hAFP−6 long(配列番号:50)と呼ぶ。マウスおよびヒトのAFP−6前駆体の配列比較を、図3に示す。
ヒトアドレノメデュリン前駆体のhAFP−6であるNM_024866 ORFとの配列比較は、全体的に、26%の類似性および16%の同一性を示す。しかしながら、これらは、AFP−6の仮想ペプチドの領域にわたって、より高い相同性:39%の類似性および32%の同一性を有する。ヒトアドレノメデュリン前駆体(配列番号46)とhAFP−6 short体(NM24866/FLJ21135)(配列番号:51)との配列比較を、図4に示す。
国際ヒトゲノムシーケンス決定コンソーシアム(International Human Genome Sequencing Consortium)(http://genome.ucsc.edu/)のUCSCゲノムバイオインフォマティクスウエブサイトによって集められたヒトゲノムに対するこれらの配列のBLAT(BLAT−The BLAST−Like Alignment Tool.Kent(2002)Genome Res.12:656−664)分析は、hAFP−6前駆体が、ヒト第22番染色体の22ql3に位置することを示す。hAFP−6前駆体にマッチする登録がUnigeneに存在し、興味深いことに、UnigeneコンティグであるHs.196985のSAGEデータは、最高の仮想スコアが、SAGE Pane 91 16113である膵臓上皮腺管癌の非正規化バルクESTに対するものであることを示す。
アドレノメデュリンは、アミリン/カルシトニン/CGRPペプチドファミリーの一部である。この広範なペプチドのファミリーの他のメンバーとの比較を、図5に示す。ヒトAFP−6は、ヒトアミリンペプチドに対して27%の同一性、ヒトCGRPペプチドに対して25%の同一性、およびヒトカルシトニンペプチドに対して24%の同一性を有する。
AFP−6前駆体は、真実のペプチドホルモンをコードしている可能性が高く、少なくともマウスとヒトに相同体が存在する。成熟ペプチドの切断に使用されると思われる二塩基性および一塩基性の部位およびアドレノメデュリンとの相同性から推し量って予測される成熟した生理活性ペプチドを、図6に示す。
1B.マウスおよびヒトのAFP−6のcDNAのクローン化
上記のデータベース配列XM147916に対してオリゴヌクレオチドを設計することによって、関連する翻訳領域を含有する、マウスAFP−6のcDNAの646bpの部分をクローン化した。プライマーとしてオリゴdTを用いてBD Biosciences Clontechから購入したRNAから42℃で逆転写したマウスの肺cDNAおよび7日齢の胚のcDNAの両方から、これらのオリゴヌクレオチド(順方向オリゴ5’−AGC TTT GCC AGC TGT CTC CAG AT−3’(配列番号52)および逆方向オリゴ5’−GGT ATC CAA AGC CAC GAG GAA TG−3’(配列番号53))を用いて、この配列を増幅した。ABI PRISM 310 Genetic Analyzer上で、ABI Big Dye Terminatorのサイクルシークエンシングを行い、配列を確認し、マウスの胚および肺にこの転写物が存在することを実証した。次いで、この配列をプローブとして使用して、マウスの他のどの組織にこの転写物が含有されるかをノーザン解析法によって決定した(以下に記載)。
上記のデータベース配列NM024866に対してオリゴヌクレオチド(順方向オリゴ5’−CCG ACC TGT GGT CTG GAA GCT T−3’(配列番号54)および逆方向オリゴ5’−ATC CAG GTG GAG TCT CCA TGG C−3’(配列番号55))を設計することによって、関連する翻訳領域の3’末端のみを含有する、ヒトAFP−6のcDNAの886bpの部分をクローン化した。BD Biosciences Clontechから得たRNAから作成したヒト膵臓cDNAから、この配列を増幅した。ヒト膵臓cDNAは、プライマーとしてオリゴdTを用い、Thermoscript逆転写酵素(Invitrogen製;Carlsbad、カリフォルニア州)を用いて、65℃で逆転写したものである。ABI PRISM 310 Genetic Analyzer上で、ABI Big Dye Terminatorのサイクルシークエンシングを行い、hAFP−6配列を確認した。本実験で得られたクローンは、対象の全読み枠を含有していなかったが、この配列をプローブとしてノーザンブロットに使用して、ヒトの他のどの組織がこの転写物を含有しているかを決定した。また、(15名からなる男女の提供者の)膵臓cDNAから得た4つのクローン全てが、(図3の配列比較に示す)AFP−6 long体のタンパク質に翻訳される配列に対応することも発見された。
大きな3’非翻訳配列が加わった、対象の全翻訳領域を含有するヒトAFP−6のcDNAの約1.6kbの部分が、高温逆転写酵素(Thermoscript;Invitrogen製)を用いて、ヒト前立腺のcDNAからクローン化された。この操作は、この遺伝子の5’末端のCpGアイランドのために必要であった。二次構造のために増幅が困難なことが多いGCが豊富な配列の回収を増強するために、Advantage−GCキット(Clontech製)を用いて増幅を行った。本実験で回収された3つのクローンの5’非翻訳領域(UTR)には、NM_024866と比較し、代わりにスプライスされるイントロンまたはNM_024866のクローン中に不適切に保持されたイントロンを示すと思われる72bp長の配列の欠失が存在する(図7中、スクレオチド209と281の間)。5’末端供与部位の可能性があるGTおよび3’末端受容部位の可能性があるAGを、図7中、灰色で示した。
1C.発現解析
マウスおよびヒトのノーザン解析:646bpのマウスのインサートおよび886bpの部分的なヒトのcDNAクローンのインサートを単離し、32PdCTPで標識し、ノーザンブロットをプローブするのに使用して、どの組織がAFP−6のmRNAを発現するかを決定した。データの概要を、表4に示す。
Figure 2008515443
n.d.=未測定
+=非常に弱い発現(発現までに3週間超の暴露)
++=弱い発現(暴露3〜5日後に最もよく認められる)
+++=中等度の発現
++++=強い発現
小腸においては、Clontechブロット(BD Biosciences/Clontech製;San Jose、カリフォルニア州)上では、シグナルが全く認められなかったが、小腸の一部(回腸および空腸)は、BioChainブロット(BioChain製;Hayward、カリフォルニア州)上で、陽性を示した。これは、ブロット上のpolyA+RNAの量によると思われる(BioChain、3μgに対して、Clontech、2μg)。**マウスの肺ではAFP−6に対するシグナルは検出されなかったが、この組織からcDNAをRT−PCRすることができる。
ヒトの組織においては、前立腺、唾液腺、膵臓、甲状腺、胃、回腸、空腸および結腸で発現した主たるバンドが、予測より大きい(AK090635の2.6kbではなく、約4.7kbであり、これは、公開されているデータベースの中で最大のcDNAである)。Clontechブロット上の甲状腺のレーンで認められる、小さい方のバンドを計算したところ、約1.8kbであり、約1.7kbであるNM_024866に大きさが類似する。従って、AFP−6転写物の2つの形態が存在すると思われる。長時間の暴露を必要とする、AFP−6を弱く発現する組織は、脳、肺、直腸、胎盤および腎臓であった。この解析方法ではAFP−6を発現しなかった組織は、脾臓、子宮頚部、子宮、副腎髄質、副腎皮質、精巣および甲状腺であった。Clontech内分泌ブロット上では、小腸からはシグナルが全く認められなかったが、BioChainブロット上では、空腸および回腸の両方に対して、シグナルが認められた。これは、上記で議論したように、ブロット上のRNAの量の差による可能性が高い。
マウスから得た組織においては、胚のノーザン解析(Clontech製)をすると、7日齢で1.64kb転写物が発現し、17日齢で1.28kb転写物が出現した。いずれの形態も、11日齢および13日齢では存在しなかった。GenBank配列(XM_147916)が765kbであることから、1.28kbのバンドは、予測より若干大きかった。この大きさの違いは、拡張した5’もしくは3’UTRまたは非常に長いpolyAの尾部等、いくつかの要因によると思われる。使用したハイブリダイゼーションの条件から、このプローブで同定される少なくとも2つの大きさの異なる転写物が明らかになった。大きい方の転写物は、別のスプライスの可能性を示していると思われる。
成体マウスのブロット上で最も強い発現を示した組織は、前立腺および唾液腺で、ヒトのブロットからは、前立腺、唾液腺、膵臓、甲状腺、胃および腸が最も強かった。成体マウスのブロット上での弱い発現は、甲状腺および胃であった。マウスの組織中、膵臓は、ノーザン解析法では解析しなかったが、マウスの組織のドットブロット法では、AFP−6に対する陽性のシグナルを示したが、このことからは、どの形態が膵臓に存在するかは不明である。この成体マウスのノーザンブロット上でAFP−6を発現しなかった組織は、大腸、甲状腺および子宮であった。
第2のマウスのノーザンブロットを、マウスのAFP−6プローブとハイブリダイズさせた。AFP−6は、腎臓、および恐らく非常に低レベルで肝臓に存在するようである。このブロット上では、AFP−6は、心臓、脳、脾臓、肺、骨格筋および精巣では検出されなかった。腎臓では、マウスにおいて同定されたAFP−6の両方の形態(上記)が、発現した。前回は、大きい方の形態のみが、初期の胚形成(7日齢)で認められた。大きさを解析すると、腎臓で認められた2つのバンドは、上記で議論された大きい方の胚の形態と小さい方の成体の形態に対応した。ヒトにおいても2つの形態のAFP−6が存在すると思われたが、この2つの形態の大きさの違いは、マウスで認められるより、はるかに大きい。
マウスの組織のin situにおける解析:ノーザン解析で記載したマウスのAFP−6プローブと同じものを、マウスの組織切片のin situハイブリダイゼーションに使用して、これらの組織中のどの細胞がAFP−6のmRNAを発現しているのかを決定した。組織を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の4%パラホルムアルデヒドで、一晩、固定後、脱水し、パラフィンに包埋した。5〜7ミクロンの連続切片をゼラチンスライド上に載せた。スライド1枚あたり、1〜3個の切片を載せ、キシレン中で脱パラフィン後、再水和し、後固定した。切片を、プロテイナーゼKで消化し、後固定し、トリエタノールアミン/無水酢酸で処理後、洗浄し、脱水した。cRNA転写物を、メーカー(Maxiscript Kit(T7)、Ambion社製;Austin、テキサス州)の条件に従って合成し、35S−UTP(>1000 Ci/mmol;Amersham Biosciences製;Piscataway、ニュージャージ州)で標識した。200ヌクレオチド超の大きさのcRNA転写物を、アルカリ加水分解して、ハイブリダイゼーションを効率よく行える、70塩基の平均サイズを得た。切片を、50%脱イオン化ホルムアルデヒド、0.3M NaCl、20mMトリス−HCl、pH7.4、5mM EDTA、10mM NaPO、10%デキストラン硫酸、1×Denhardt’s溶液、50μg/ml酵母トータルRNA、および50〜75,000cpm/μl35S−標識cRNAプローブ中で、52℃において、一晩、ハイブリダイズさせた。組織を、50%ホルムアミド、2×SSC、および10mM DTT中で、65℃において、ストリンジェントに洗浄した後、PBS中で洗浄し、20μg/mlRNA分解酵素を用いて、37℃において、30分間処理した。2×SSCおよび0.1×SSC中で、37℃において、10分間洗浄した後、スライドを脱水し、Kodak NTB−2核軌道乳剤に浸漬し、乾燥剤を有する光を遮断した箱の中で、4℃において、1週間露光した。写真の現像は、Kodak D−19中で行った。スライドを、トルイジンブルーで軽く対比染色し、Zeiss Axiophot顕微鏡の明視野および暗視野用の部品の両方を用いて解析した。センスコントロールcRNAプローブ(mRNAと同一)から、ハイブリダイゼーションのシグナルのバックグラウンドレベルを常時得た。
結果が示すところによれば、E9.5およびE12.5、胎生9.5日および12.5日、の段階のマウスの胚において、mRNAは、広範に認められ、全ての構造で均一に発現していた。E17.5時でさえも、mRNAは、広範に発現していたが、発現レベルが、唾液腺、腎臓および腸で、わずかに高かった。成体では、小腸のリーベルキューン腺の陰窩のパネート細胞、胃の上皮の胃腺、膵臓の腺房細胞、唾液腺の腺節、前立腺の上皮、および腎皮質の曲尿細管で、AFP−6のmRNAを検出した。これらの細胞は、いずれも、分泌性である。膵臓、前立腺および唾液腺の代表的な写真を、図8A〜8Iに示す。真中の列の暗視野のアンチセンスの画像に、特異的なAFP−6のmRNAシグナルが認められる。
これらの実験で解析した組織から、ペプチド前駆体に対するAFP−6のmRNAは、分泌性または外分泌性の機能に一致する組織分布を有することが示されている。
1D.AFP−6ポリペプチドの合成
以下のポリペプチドは、標準的なポリペプチドの合成方法を用いて合成することができる。かかる方法を、以下に記載する。さらに、参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられている、米国特許第6610824号および第5686411号ならびに特許出願第454533号(1999年12月6日出願)にも記載されている。
初期量を0.2mmol/g(0.25mmol規模)とし、Pioneer連続ペプチド合成機(Applied Biosystems製)上で、PAL−PEG−PS樹脂(Applied Biosystems製)を用いて、ポリペプチドを合成した。Fmocアミノ酸(4.0当量、1.0mmol)残基を、4.0当量のHBTU、4.0当量のHOBTおよび8.0当量のDIEAを用いて活性化した後、1時間、樹脂に結合させた。Fmoc基を、ジメチルホルムアミド中の20%(v/v)ピペリジンで処理することによって、除去した。最後に、ペプチドの脱保護および固相からの切断を、試薬B(93%TFA、3%フェノール、3%水および1%トリイソプロピルシラン)で、樹脂を、2〜3時間処理することによって行った。切断したペプチドを、tert−ブチルメチルエーテルを用いて沈殿させ、遠心分離してペレット化した後、凍結乾燥した。ペレットを水(10〜15ml)に再溶解し、ろ過後、C−18カラムおよび0.1%TFAを含有するアセトニトリル/水の濃度勾配を用いて逆相HPLCにて精製した。精製生成物を凍結乾燥後、ESI−LC/MSおよび分析HPLCによって分析したところ、純粋(>98%)であることが示された。質量分析値は全て、計算値と一致した。
別法として、初期量を0.050〜0.100mmolで、0.43〜0.49mmol/gとし、Symphony(登録商標)ペプチド合成機(Protein Technologies社製;Woburn、マサチューセッツ州)上で、Rinkアミド樹脂(Novabiochem製;San Diego、カリフォルニア州)を用いて、ペプチドを組み立てた。Fmocアミノ酸(Applied Biosystems社製;5.0当量、0.250〜0.500mmol)残基を、1−メチル−2−ピロリジノンに溶解し、0.10Mの濃度とした。他の試薬(HBTU、HOBTおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン)を、0.55Mジメチルホルムアミド溶液として調製した。次いで、Fmoc保護アミノ酸を、HBTU(2.0当量、0.100〜0.200mmol)、HOBT(1.8当量、0.090〜0.18mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.4当量、0.120〜0.240mmol)を用いて樹脂結合アミノ酸に、2時間結合させた。最後のアミノ酸結合の後、ペプチドを、ジメチルホルムアミド中の20%(v/v)ピペリジンを用いて、1時間脱保護した。ペプチド配列が完成したら、Symphony(登録商標)ペプチド合成機をプログラムして、樹脂を切断する。トリフルオロ酢酸(TFA)によるペプチドの樹脂からの切断を、93%TFA、3%フェノール、3%水および1%トリイソプロピルシランからなる試薬の混合液を用いて行った。切断したペプチドを、tert−ブチルメチルエーテルを用いて沈殿させ、遠心分離してペレット化した後、凍結乾燥した。ペレットを酢酸に溶解し、凍結乾燥後、水に溶解し、ろ過後、C−18カラムおよび0.1%TFAを含有するアセトニトリル/水の濃度勾配を用いて逆相HPLCにて精製した。分析HPLCを用いて、ペプチドの純度を測定し、LC/MSおよびMALDI−MSによって、同定した。
実施例2.受容体生理活性の解析
2A.ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におけるcAMP生成量によって測定するAFP−6のアドレノメデュリン様活性
AFP−6が、アドレノメデュリンに対して最も近い相同性を有することから、アドレノメデュリン受容体を含有するHUVEC(Katoら、(1995)Eur.J.Pharmacol.289:383−385)におけるAFP−6の生理活性を試験した。試験は、最適25〜30,000細胞/ウエルを使用するサイクリックAMP用PerkinElmer AlphaScreen(商標)アッセイを使用した。試験したペプチドは、アドレノメデュリン、CGRPαおよびAFP−6であった。CHO細胞に比べ、HUVECでは、cAMPレベルの上昇は大きくなかった。CHO細胞は、アドレノメデュリン受容体を発現しないことから、ネガティブコントロールとして選ばれた。
図9に示すスクリーニングの結果から、AFP−6には、1μMおよび10nMの濃度でcAMPレベルを上昇させる活性があるが、HUVECに対しては、アドレノメデュリンほど強力ではないことが示された。驚くことに、AFP−6は、アドレノメデュリン受容体を含有するHUVEC細胞に比べ、アドレノメデュリン受容体を含有しないCHO細胞に対してより強力な活性を示した。このHUVECにおける効力の順位は、アドレノメデュリン>AFP−6≫CGRPαであった。CHO細胞における効力の順位は、AFP−6>アドレノメデュリン=CGRPαであった。
従って、AFP−6は、アドレノメデュリン受容体と相互作用するが、アドレノメデュリン自体よりは親和性が低い。AFP−6は、アドレノメデュリンよりも、CHO細胞においては、cAMPレベルを強力に上昇させることから、この相互作用は、別の受容体、例えば、カルシトニン受容体を介している可能性が高い(D’Santosら、(1992)Mol.Pharmacol.41:894−899)。
2B.CHO細胞におけるcAMP生成量によって測定するAFP−6ペプチドのカルシトニン受容体に対する機能的相互作用
AFP−6がカルシトニン受容体と相互作用するか否かを試験するために、関連するペプチドのパネルをCHO細胞内、およびこれもカルシトニン受容体を発現するT47D細胞内(Muffら、(1992)Ann.NY Acad.Sci.657:106−116およびKuestnerら、(1994)Mol.Pharmacol.46:246−255)で再度試験した。CHO細胞の実験では、AFP−6は、アミリンと同様の効力を示し、アドレノメデュリンより強力であり、効力の順位は、カルシトニン>AFP−6>アミリン>hCGRPα>アドレノメデュリンであった。CHO細胞における化合物のEC50値を、以下の表7Aに示す。この表は、カルシトニン受容体を含有する培養細胞株であるCHO細胞(A)およびT47D細胞(B)のそれぞれにおける、1pM〜1μMの範囲のアミリンファミリーペプチドの投与量−応答曲線から計算したEC50値の概要を示す。これらの例示的な独立αスクリーニングアッセイから得たデータの概要を、PRISMで計算したEC50値とともに示す。
Figure 2008515443
Figure 2008515443
AFP−6は、T47D細胞においてもcAMPの生成量を増加させた。T47D細胞における化合物のEC50値を上記の表7Bに示し、CHO−K1細胞に認められた効力の順位に類似する効力の順位:カルシトニン>アミリン>AFP−6=hCGRPα>アドレノメデュリンを確立した。これらのデータから、AFP−6は、カルシトニン受容体と相互作用するが、カルシトニン自体よりは弱く、アミリンの親和性と同等の親和性およびアドレノメデュリンの親和性よりはるかに高い親和性を有することが示されている。
2C.放射性リガンドの結合能によって測定するAFP−6のアミリンおよびCGRPの受容体に対する相互作用
いくつかの例示的な本発明の化合物のアミリン受容体に対する結合能を、ラットの脳から調製した中隔側坐核の膜中で以下に示すように評価した。125I−ラットアミリンをAmersham社製(Arlington Heights、イリノイ州)のボルトンハンター試薬で標識した。標識されていないペプチドは、BACHEM社(Torrance、カリフォルニア州)から入手した。
Sprague−Dawley系(登録商標)ラット、雄、200〜250gを、斬首により屠殺した。脳を取り出し、冷リン酸緩衝食塩水(PBS)中に保存した。腹側表面から、視床下部の頭側に向けて嗅索の外側まで切開し、これらの索から45°の角度で内側に切開部分を伸ばした。中隔側坐核および周囲の領域を含有するこの前脳基底核の組織を計量後、氷冷した20mM HEPES緩衝液(20mM HEPES酸、23℃においてNaOHでpHを7.4に調整)中でホモジナイズした。膜を新鮮な緩衝液中で、48,000×gで15分間遠心分離することによって、3回洗浄した。最終的に得られた膜のペレットを、0.2mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)を含有する20mM HEPES緩衝液中に再懸濁した。
125I−アミリンの結合能を測定する(Beaumontら、(1995)Can.J.Physiol.Pharmacol.73(7):1025−1029を参照)ために、もともとの湿潤重量が4mgの組織から得た膜を、0.5mg/mlのバシトラシン、0.5mg/mlのウシ血清アルブミンおよび0.2mM PMSFを含有する20mM HEPES緩衝液中の12〜16pMの125I−アミリンとともに、インキュベートした。溶液を、2℃において、60分間インキュベートした。放射標識ペプチドの非特異的結合を減少させるために、0.3%ポリエチレンイミン中に4時間あらかじめ浸漬したGF/Bガラス繊維製のフィルター(Whatman社製;Clifton、ニュージャージ州)でろ過することによって、インキュベートを停止した。フィルターを、ろ過の直前には5mlの冷PBS、およびろ過の直後には15mlの冷PBSで洗浄した。フィルターを取り外して、ガンマカウンターで77%のカウント効率で、放射能を測定した。10−12〜10−6Mの未標識の試験化合物の存在下で結合を測定することによって、競合曲線を作成し、4−パラメーターロジスティク方程式を使用する非線形回帰(INPLOTプログラム、GRAPHPAD Software製;San Diego、カリフォルニア州)によって分析した。
本発明の化合物のCGRP受容体に対する結合能の評価方法は、CGRP受容体を発現するとして知られているSK−N−MC細胞(Muff,R.ら、Ann NY Acad.Sci.1992:657、106−16)から調製した膜を使用する以外は、アミリンについて記載されている場合に準じる。結合アッセイを、13,500cpm 1251−hCGRP/ウエルまたは21.7pM/ウエル(Amersham製)を使用する以外は、アミリンについての記載に準じて行った。
図10に示す結合アミリンの置換のIC50から、効力の順位:アミリン>CGRP>AFP−6≫アドレノメデュリン>カルシトニンを確立した。これは、AFP−6は、アミリン受容体における強力なリガンドで、アドレノメデュリンよりはるかに強力であるが、アミリン自体ほどには強力ではないことを示している。
同様に、図11は、CGPRの置換のIC50を示し、順位は、CGPR>アドレノメデュリン>AFP−6>アミリン≫カルシトニンであり、AFP−6は、CGRP受容体における強力なリガンドであるが、CGRP自体およびアドレノメデュリンほどには強力ではないことを示している。
アミリンファミリーポリペプチドの相対的な結合強度を表4に示す。AFP−6は、複数の受容体において高い効力を有する雑然としたリガンドである。
実施例3.カロリー摂取に対する効果
AFP−6の食物摂取に対する効果を、急性食物摂取アッセイを用いて調べた。このアッセイでは、やせ型、集団飼育、一晩絶食のNIH/Swissマウスにおける食物消費量を測定した。12匹のマウスを、3匹ずつ集団で飼育した。検体化合物、この場合はAFP−6、をマウスに腹腔内注射した後、食物摂取量を2時間にわたり測定した。食物摂取の減少量および増加量を測定することができる。化合物を種々の投与量で試験し、ED50を求めた。アッセイの手順を以下に示す。1.実験の前日の5:00pmに、食物を取り除いた(水は自由に与える)。2.飼料ペレットを計量する(3ペレット/ケージ)。3.マウスに、200μlの適切な溶液を腹腔内注射する、t=0.4。直ちに、各ケージに、あらかじめ計量した飼料を(水の入ったボトルの飲み口から離して)供給し、マウスに自由に摂取させる。5.30、60および120分後に、試料を採取、計量する。6.データを分析する。データポイントは、n=12の平均±標準偏差を表す。
図12に、AFP−6が、lmg/kgの投与量で、食物摂取量を91%抑制することを示す。ラットカルシトニンは、0.63mg/kgの投与量で、食物摂取を有意に抑制することはなかった(16%)。それとは対照的に、ラットアミリンは、わずか0.1mg/kgで、食物摂取量を30〜40%抑制した。アドレノメデュリンは、食物摂取量を71%まで抑制し、この効果のED50は、13nmol/kgであった。アドレノメデュリンは、脳室内に投与した場合には、ラットの食物摂取を抑制することはないが、CGRP受容体の活性化を介するとの報告がある(Taylorら、(1996)Endocrinology 137:3260−3264)。
従って、AFP−6は、カルシトニン受容体と相互作用するが、食物摂取に対するAFP−6の効果を媒介するのは、この薬理学的な相互作用ではないようである。というのは、カルシトニン自体は、食物摂取には効果を及ぼさないからである。アミリンファミリーポリペプチドの相対強度を、表4に示す。カルシトニンは、食物摂取量の減少に効果を示さないが、AFP−6は、アミリン、CGRPおよびアドレノメデュリンと同等の効果を示している。
上記の手順にしたがった、AFP−6の短期食物摂取に対する投与量−応答を、図13に示す。AFP−6(Amylin Pharmaceuticals社製)を、0.3、1、3、10、30、100または300nmol/kgの各投与量で、12匹のマウスに腹腔内注射した(n=12/群)。注射後、直ちに、食物を与え、消費量を、t=30、60および120分の時点で計量した。非線形回帰分析から、60分の時点で、ED50=19nmol/kgであった。
実施例4.AFP−6の胃内容排出速度に対する活性
Harlan SpragueDawley系(登録商標)ラット、雄、237〜317gを、12:12の明暗サイクルで飼育した。実験は、明サイクル中に行った。時間=0で、試験ペプチド(アミリンまたはAFP−6)を、6.3、20、63、200、632および1122μg/kgで、または媒体を、意識のあるラットに(皮下)注射した(n=6)。t=5分で、5μCiのD−[3−H]グルコースを含有する無菌水1mlを、意識のあるラットに、口咽頭チューブから胃管栄養した。胃管栄養後30分で、血液試料を採取して、血漿中のカウント毎分(CPM)を測定した。20%ベンゾカイン液体局所麻酔薬を用いて、採血中の痛みを除いた(Gedulinら、(1995)Gastroenterology 108:A604)。血漿に認められるカウント数は、胃内容排出速度を反映するものである。有意差(p<0.05)を、分散分析によって求めた。図14Aに見られるように、AFP−6は、胃内容排出を抑制しており、ED50は、49μg/kgである。図14Bは、アミリンでも、血漿中のカウント数の減少が認められ、胃内容排出を抑制し、ED50は、4μg/kgであることを示している。
実施例5.AFP−6の全血漿カルシウムに対する活性
実施例4で得られた試料を用いて、上記の胃内容排出実験で得た血漿試料中のイオン化カルシウム量を、イオン選択電極、Ciba/Corning 634 Ca/pH分析器(Ciba/Corning社製;Medfield、マサチューセッツ州)を用いて測定した。図15Aおよび15Bは、アミリンと同様、AFP−6も、血漿イオン化カルシウムを減少させ、ED50は、25μg/kgであることを示している。
実施例6.いくつかのAFP−6アナログの化学的特徴および活性
6A.いくつかの例示的なAFP−6アナログの化学的特徴
実施例1Dで記載した方法に従って合成した、精製アナログを、ESI−LC/MSおよび分析HPLCによって分析したところ、純粋(>98%)であることが示された。質量分析の結果は全て、計算値と一致し、それを表5に示す。
6B.いくつかの例示的なAFP−6アナログの受容体結合活性および食物摂取に対する効果
いくつかの例示的なAFP−6アナログを、実施例2および3の記載に準じて、受容体生理活性および食物摂取について試験した。食物摂取および受容体結合の結果を、それぞれ表5および表6に示す。
Figure 2008515443
Figure 2008515443
Figure 2008515443
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実施例7.AFP−6アナログの心血管系に対する効果
遠隔測定によって、意識のある、非麻酔、無拘束のラットに埋め込んだ無線送信機を介して、動脈圧、心拍数、動脈dP/dt、ECG(波形間隔とともに)および深部体温を含めた血行動態の読みがリアルタイムで可能となる。ラットに、遠隔静脈投与によって、食塩水、ラットアミリン10nmol/kg、ラットアドレノメデュリン10nmol/kg、またはAFP−6 10nmol/kgのいずれかを注射した。遠隔静脈投与は、留置している静脈アクセス口から行う。
図16A〜16Cに示すように、アミリンは、平均動脈圧(MAP)を急激に上昇させ、次いで、はじめの30分の間に、MAPを低下させることができる。一方、アドレノメデュリンは、1時間の間に、MAPを低下させている。心拍数については、3種のペプチドは全て、1時間にわたり、1分あたりの心拍数を増加させている。最後に、アミリンは、dP/dtについても、急激に上昇させる効果があるが、この効果は、時間とともに消失する。一方、アドレノメデュリンは、1時間にわたり、持続してdP/dtを上昇させている。3つの心血管パラメーターの全てについて、AFP−6は、アドレノメデュリンよりもアミリンに近い特性を示すようである。
実施例8.AFP−6のラットにおける食物摂取量および体重に対する効果
Sprague−Dawley系(登録商標)ラット(実験開始時の体重=310g、各12時間明暗サイクル)を、個別に、高脂肪(HF)の飼料(Research Diet;脂肪から58%kcal)で飼育した。ラット、を34日間かけて太らせた。この期間の終わりに、麻酔下で、7日用浸透圧ポンプ(Durect社製)を、肩甲骨間に埋め込んだ(埋め込み時の体重=403g)。ラットは、化合物またはビヒクル(50%DMSO)を送達するポンプを与えられた。以下の化合物を、75nmol/kg/日の投与量で、試験した:AFP−6および配列番号32のAFP−6アナログ。第2日目と第7日目に、食物摂取量および体重を測定した。分散分析(ANOVA)およびFisherの最小有意差法を用いて、群間の差を分析した。
図17Aおよび17Bから、AFP−6および例示的なAFP−6アナログの両方が、ビヒクル群に比べ、処置2日後に、食物摂取量を有意に減少させていることが示される。第7日までには、両群の食物摂取量は、ビヒクル処置群と同等になった。第7日で、いずれのペプチドも、ビヒクルよりも、体重増加の程度が有意に少なく、第7日の体重減少率は、AFP−6およびAFP−6アナログ(ビヒクル補正)について、それぞれ3.2%および2.1%であった。
本発明を、より好ましい実施例および具体的態様によって説明してきたが、当業者であれば、変形例および改変例を思いつくことが理解されよう。従って、添付の特許請求の範囲には、請求されている本発明の範囲内である、かかる同等の変形例は全て包含されるものとする。
それぞれアドレノメデュリンペプチドクエリ配列と仮想タンパク質XP_147916とのBlast配列比較、およびヒトアドレノメデュリン前駆体と全長の仮想マウスタンパク質XP_147916とのBlast配列比較を示す図である。 マウスAFP−6と名づけられたタンパク質XP_147916のFASTAフォーマットの全配列を示す図である。 AlignX(登録商標)により実施した、マウスおよびヒトAFP−6前駆体タンパク質の配列比較を示す図である。 AlignX(登録商標)による、ヒトアドレノメデュリンおよびヒトAFP−6前駆体タンパク質の配列比較を示す図である。 AlignX(登録商標)により実施した、アミリンファミリーポリペプチドであるhAFP−6、ヒトアドレノメデュリン、ヒトアミリン、hCGRP1およびヒトカルシトニンの配列比較を示す図である。 アドレノメデュリンとの相同性に基づいたヒトおよびマウスのAFP−6前駆体のからの予測される成熟した生理活性ペプチドを示す図である。 データベース配列NM024866と整列したヒト前立腺AFP−6のcDNAの5’UTRとの配列比較を示す図である。 膵臓、前立腺および唾液腺からの選択されたin situハイブリダイゼーションのデータを示す写真である。 PerkinElmer AlphaScreen(商標)アッセイを用いて測定した、HUVECおよびCHO細胞における2種の濃度のAFP−6、ヒトアドレノメデュリンおよびhCGRP1によるサイクリックAMPの上昇のデータを示す図である。 アミリンの放射性リガンド結合アッセイ(RBA)の結果を示す図である。 CGRPの放射性リガンド結合アッセイ(RBA)の結果を示す図である。 AFP−6のマウスにおける短期の食物摂取に対する効果を示す図である。 AFP−6のマウスにおける短期の食物摂取に対する投与量−応答を示す図である。 ラットにおける胃内容排出速度に対する、各々、AFP−6およびrアミリンの効果を示す図である。 ラットにおけるイオン化カルシウムレベルに対する、各々、AFP−6およびrアミリンの効果を示す図である。 雄性ラットにおいて、いくつかの心臓パラメーター、平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)およびdP/dtに対する、rアミリン、AFP−6およびラットアドレノメデュリンの効果を示す図である。 高脂肪食を与えられたラットにおける食物摂取および体重増加に対する、配列番号1のAFP−6または配列番号32の例示的なAFP−6アナログの1週間連続皮下注入の効果を示す図である。

Claims (24)

  1. アミノ酸配列:X−X−X−X−X−X−X−X−QVQNLSHRLWQL−X21−X22−X23−X24−X25−X26−X27−X28−SAPV−X33−PSSPHSY(配列番号41)
    [式中、Xは、不存在、TQAQLLRVG(配列番号42)、配列番号42の1個または複数の連続したアミノ酸のいずれか、N−アリール、またはC1〜C18アルキル、置換されているアルキルもしくはヘテロアリール基から選択される置換基を有するN−アシルであり;
    は、M、S、C、側鎖がアミド結合を介して連結することができる、置換されているL、K、DもしくはE、またはXと結合を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
    は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
    は、V、D、L、G、N、A、SまたはTであり;
    は、V、D、L、G、N、AまたはSであり;
    は、V、D、L、G、N、A、Sまたは不存在であり;
    は、T、S、ホモセリン、(S)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(Ab)、または(2R,3R)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸(Ap)であり;
    は、M、S、C、置換されているL、K、DもしくはE、またはXと結合を形成できるいずれかのアミノ酸であり;
    21は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    22は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    23は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    24は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    25は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    26は、Rまたは不存在であり、ただしX26が不存在の場合、X27は不存在であり;
    27は、Qまたは不存在であり、ただしX27が不存在の場合、X26は不存在であり;
    28は、DまたはEであり;かつ
    33は、DまたはEであり、該アミノ酸配列は、配列番号1でも配列番号2でもない、アミリンファミリーポリペプチド−6(AFP−6)アナログ]、または該アミノ酸配列の生物学的に活性な断片を有するアミリンファミリーポリペプチド−6(AFP−6)アナログ。
  2. アミノ酸配列が、配列番号10〜12、16〜33、および35〜40よりなる群から選択される、請求項1に記載のAFP−6アナログ。
  3. アミノ酸配列:X−X−QNLSHRLWQL−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−SAPV−X25−PSSPHSY(配列番号56)
    [式中、Xは、Qまたは不存在であり;
    は、Vまたは不存在であり;
    13は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    14は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    15は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    16は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    17は、M、G、P、Aまたは不存在であり;
    18は、Rまたは不存在であり、ただしX18が不存在の場合、X19は不存在であり;
    19は、Qまたは不存在であり、ただしX19が不存在の場合、X18は不存在であり;
    20は、DまたはEであり;かつ
    25は、DまたはEであり、該アミノ酸配列は、配列番号13でも配列番号14でもない]、または該アミノ酸配列の生物学的に活性な断片を有するAFP−6アナログ。
  4. C−末端がアミド化されている、請求項1〜3のいずれか1記載のAFP−6アナログ。
  5. アナログが、AFP−6アゴニスト活性を有する、請求項1〜4のいずれか1記載のAFP−6アナログ。
  6. アナログが、AFP−6アンタゴニスト活性を有する、請求項1〜4のいずれか1記載のAFP−6アナログ。
  7. 配列番号15のアミノ酸配列を含むAFP−6アナログ。
  8. 請求項1〜3に記載のAFP−6アナログを含む化合物。
  9. 請求項1〜3に記載のAFP−6アナログを含むポリペプチド。
  10. 医薬上許容される担体中に、請求項1〜4のいずれか1記載のAFP−6アナログの少なくとも1つを含む組成物。
  11. 治療または予防を必要とする対象において、カロリーもしくは栄養の摂取量または利用能を減少させることによって緩和することができる状態または疾患を治療または予防する方法であって、カロリーまたは栄養の摂取量または利用能を減少させるのに治療上有効な量で請求項5に記載のAFP−6アナログを該対象に投与することを含む方法。
  12. 状態または疾患が、肥満、インスリン抵抗性、代謝異常症候群または真性糖尿病である請求項11に記載の方法。
  13. 状態または疾患が、心血管の状態または疾患である請求項11に記載の方法。
  14. 治療または予防を必要とする対象において、消耗性の状態または疾患を治療または予防する方法であって、消耗性の状態または疾患を治療または予防する治療上有効な量で請求項6に記載のAFP−6アナログを該対象に投与することを含む方法。
  15. 消耗性の状態または疾患が、摂食障害、悪液質または過食症である、請求項14に記載の方法。
  16. 消耗性の状態または疾患の特徴が、食欲の減少、食物摂取量の減少、体重の減少、胃の低運動性、または低血圧である、請求項14に記載の方法。
  17. 請求項1または3に記載のAFP−6アナログをコードする単離された核酸。
  18. 核酸が、DNA分子である、請求項17に記載の単離された核酸。
  19. 請求項18に記載のDNA分子を含むベクター。
  20. 発現制御配列と作動可能に結合する、請求項18に記載のDNA分子を含む発現ベクター。
  21. 請求項20に記載のベクターを含む宿主細胞。
  22. 宿主細胞が、細菌、酵母、藻類、鳥類細胞、哺乳類細胞、植物細胞および昆虫細胞よりなる群から選択される、請求項21に記載の宿主細胞。
  23. 宿主細胞が、代謝障害の治療に使用するためのAFP−6アナログを産生する、請求項21に記載の宿主細胞。
  24. AFP−6アナログの発現を供する条件下で請求項21に記載の宿主細胞を培養し、次いで、発現したAFP−6アナログを単離することを特徴とするAFP−6アナログの製法。
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