JP2008514557A - 口腔粘膜投与用液体アレルギーワクチンの配合物 - Google Patents

口腔粘膜投与用液体アレルギーワクチンの配合物 Download PDF

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Abstract

口腔粘膜投与による患者のアレルギーの抑制若しくは治療を目的とした液体配合物の作製のためのアレルゲン及び酸素を含む金属塩からなる群より選択された助剤を含む組成物の使用及びその液体配合物の経口粘膜投与を用いた患者のアレルギー抑制方法及び治療方法。

Description

本発明は、口腔粘膜投与用アレルギーワクチン配合物に関する。
アレルギーは、西洋の生活様式を適用している国々における主要な健康問題のひとつである。その上、アレルギー疾患の有病率はこれらの国々では増加傾向にある。アレルギーは一般的には生命を脅かすような疾患とは考えられていないが、喘息で毎年膨大な人数が死に至っている。十代のおよそ30%の桁外れな有病率は、生活の質、労働日数そして賃金の大幅な損失を招き、西洋国における主要な健康問題として分類されるにふさわしい。
アレルギーは複雑な疾患である。多くの因子が感作反応に関与している。これらの因子の1つに、遺伝子間の未だ十分に理解されていない複数の相互作用によって定義された個々の感受性がある。他の重要な因子として、ある境界値を越えるアレルゲンの暴露が挙げられる。環境汚染、幼少時感染、寄生虫感染、腸内細菌などの数種の環境因子が感作過程において重要なのだろう。一度、個体が感作され、アレルギー免疫反応が確立されると、ほんのわずかな量のアレルゲンだけで十分に症状を発現させる。
アレルギー疾患の自然経過は、二段階の悪化を経るのが通常である。第一段階は、疾患の進行だけでなく、例えば、花粉症から喘息へ進行するといった症状と病気の激しさの進行である。第二段階は、アレルギー連鎖反応を招く、やっかいなアレルゲンの転移が最も頻繁に起こる。慢性炎症は、粘膜防御機構の全体を弱体化に導き、これにより、非特異的な刺激状態とやがては、粘膜組織の破壊がもたらされる。幼児は、最初に食物、つまりは、ミルクに感作され、湿疹や消化器疾患にかかるが、たいていの場合、これらの症状は、自然に治癒する。これらの幼児は、後の人生において吸入アレルギーを引き起こす危険性がある。
最も重要なアレルゲンの源は、我々が呼吸する大気中のある大きさで最も蔓延している粒子中にみることができる。これらの源は、極めてありふれて存在し、双方であらゆるアレルギー疾患のほぼ50%の原因となっているイネ科植物粉とダニの糞であるハウスダストを含んでいる。世界的には、動物のフケ、つまりは、犬猫のフケや、ヨモギ花粉のような他の花粉類や、アルテルナリア属のような微小真菌も重要である。地域的な基準では、これ以外に、北部及び中央ヨーロッパにおけるカバノキ花粉、東部及び中央アメリカにおけるブタクサ花粉、また、日本におけるニホンヒラヤマスギ花粉といった他種の花粉が多くを占めている。ミツバチや毒蜂のような昆虫及び食物は、それぞれ、あらゆるアレルギー疾患のおよそ2%の原因となっている。
アレルギー、すなわち、タイプI型の過剰な刺激反応性は、外来の非病原性物質に対する不適当な免疫応答反応により引き起こされる。臨床上重要なアレルギーの兆候は、喘息、花粉症、湿疹及び消化器疾患に表れる。アレルギー反応は迅速であり、厄介者のアレルゲンと接触してから20分以内に最高点に達する。その上、個々人はアレルギー疾患を引き起こすことが知られている他の物質と必ずしもアレルギー反応を起こさないため、アレルギー反応は、個々人の各々のアレルゲンに対する感度において特異的である。アレルギー表現型は、標的器官の粘膜のはっきりした炎症と、全体及び肥満細胞と好塩基球表面のアレルゲン特異的IgE型抗体の存在により決せられる。
一つのアレルギー反応は、外部のアレルゲンがアレルゲン特異的なIgE抗体と反応することによって開始され、その時に、IgE抗体が、肥満細胞及び好塩基球の表面の高親和性IgE特異的受容体に結合する。肥満細胞と好塩基球は、二個あるいはそれ以上の受容体結合IgE抗体の架橋結合から放出されるヒスタミン、トリプターゼ及びその他の物質である仲介役の前駆体を含んでいる。IgE抗体は、一つのアレルゲン分子との同時に起こる結合によって架橋的に結合されている。従って、たった一つの抗体結合エピトープしか持っていない外的物質は、アレルギー反応を開始しない。肥満細胞表面における受容体に結合したIgEによる架橋結合は、好酸球、アレルゲン特異的T細胞及び他種の細胞をアレルギー反応の起こっている場所へ引き付ける役割を担う情報伝達分子の放出をも促進する。アレルゲン、IgE及び作動体細胞との相互作用において、これらの細胞は、アレルゲンとの遭遇から12-24時間後に起こる症状の再燃をもたらす(後期の反応)。
アレルギー疾患の取り扱いは、診断及び予防治療を含む治療とから構成される。アレルギー疾患の診断は、アレルゲン特異的IgEの実証と、アレルゲン物質の同定によりなされる。多くの場合、注意深く既往歴を問診することでアレルギー疾患の診断とやっかいなアレルゲン原因物質の同定には十分である。しかしながら、ほとんどの場合、診断は皮膚パッチ検査、血液検査や刺激検査等の客観的な検査によって行われている。
治療の選択は、三つの主要な類に分けられる。一つ目は、アレルゲンを回避するか、アレルゲンの暴露量を下げることである。食物アレルギーの場合等は、アレルゲンを回避することは明らかに可能であるが、一方で、ダニハウスダストアレルゲンの場合には困難であるか若しくは非常に費用が掛かり、花粉アレルゲンの場合には不可能かもしれない。二つ目の最も広く使用されている治療の選択肢は、抗ヒスタミンやステロイド等の古典的治療薬である。これらの治療薬は、安全で効果的であるが、疾患の自然的原因を変化させず、また、疾患の進展を制御することもない。三つ目の治療の選択肢は、今問題となっているアレルゲンによって引き起こされたアレルギー症状をほとんどの場合、減少させるか楽にする特異的アレルギーワクチンである。
従来の特異的アレルギーワクチンは、アレルギー疾患の原因治療である。このワクチンは、基本的な免疫機構を妨害し、結果として、患者の免疫状態の持続的改善をもたらす。このように、特異的アレルギーワクチンの保護作用は、対症薬物治療と比較すると、投薬期間経過後にも及ぶ。ワクチン治療を受けた患者の何人かは完治し、加えて、ほとんどの患者が疾患の激しさ及び体験した症状の軽減を体験し、あるいは少なくとも、疾患の悪化停止を経験している。このように、特異的アレルギーワクチンは、回避作用を持っており、花粉症の喘息への進展の危険性の減少及び新たな感受性への進展の危険性を減少させる。
奏効性のアレルギーワクチンの根本的な免疫学的機構は、詳細には分かっていない。特定の病原体に対する抗体産生のような特異的免疫反応が、適応的免疫反応として知られている。この反応は、病原体に対する非特異的反応である本来的な免疫応答とは明確に区別されうる。アレルギーワクチンは、T細胞や抗体産生B細胞のような抗原特異性を持った細胞や分子を含む適応的免疫応答に必ず対応するはずである。B細胞は、特異性に対応したT細胞の助けなしには抗体産生細胞への成熟をすることはできない。アレルギー免疫応答刺激に関与するT細胞は、初めはTh2型である。Th1細胞とTh2細胞間の新たな均衡状態の構築が、特異的アレルギーワクチン接種の免疫学的機構に対して有益かつ主要なものとして提唱されてきた。この均衡状態の構築が、Th2細胞からTh1細胞への転換によるTh2細胞の減少によるものか、あるいは、Th1細胞の増加調節によってもたらされるのかどうかについては意見が分かれている。最近、調節T細胞が、アレルギーワクチンの作用機構にとって重要であることが提唱されてきている。このモデルによると、調節T細胞であるTh3細胞若しくはTr1細胞は、抗原特異性に対応したTh1細胞とTh2細胞の両方を減少調節している。これらの両義性にも関わらず、一般的には、活性化ワクチンはアレルゲン特異的T細胞、好ましくはTH1細胞を刺激する能力を持っているに違いないと考えられている。
特異的アレルギーワクチン接種は、その効き目にも関わらず、そもそもの二つの理由によって広く使用されてはいない。一つ目の理由は、数ヶ月以上にも及ぶ連続接種を含む伝統的ワクチン接種プログラムと関連した不便さである。もう一つの理由は、より重要であるが、アレルギー副反応の危険性である。感染性因子に対する通常のワクチン接種は、単回若しくは2,3回の高用量接種により効率的に行われる。しかしながら、アレルギーワクチン接種に対しては、既に病的状態の免疫応答が進行しているため、この方法により行うことはできない。
従来の特異的アレルギーワクチン接種は、それ故に、長期間内に複数回の皮下ワクチン接種により行われる。その過程は、用量増加段階と維持段階との二つの段階に分けられる。用量増加段階では、用量の増加が、最低用量から始まり、通常は16週間以上かけて行われる。推奨維持用量に到達すると、この用量で維持段階として、通常は6週間毎に接種する。各接種の際に、生命を脅かす可能性はほとんどの場合、極めて稀であるが、アナフィラキシー副反応の危険性のために、患者は30分間、病院に残らなければならない。加えて、診療所には救急処置体制が備えられているべきである。別の投与経路を基盤としたワクチンが、より広範囲でのワクチン使用を促進し、ひょっとしたら自宅での自己接種をも可能にするだけでなく、現状の皮下摂取ワクチンに特有のアレルギー副反応の危険性を除去あるいは低下させるだろうことに疑いの余地はない。
特異的アレルギーワクチン接種のための改良の試みは、30年以上もの間行われてきており、この試みには多種多様の取り組みが含まれる。IgEの反応性を修飾することを通じてアレルゲン自身に何らかの処置を施したいくつかの取り組みもある。他のものは、投与経路に何らかの工夫を加えたものである。
免疫機構は、口腔を介して利用でき、アレルゲンの舌下投与は、判明している投与経路の一つである。投与は、ワクチン配合物を舌下に置き、それを短時間、例えば、30-60秒の間、留まらせることによって行われるであろう。
慣習的には、口腔粘膜を利用したアレルギーワクチンは、日用量以下のアレルゲンの溶液から成る。相対的に、与えられた治療(蓄積した)維持用量は、比較対照となる皮下投与の維持用量の5-500倍に匹敵する。
アレルゲン及び助剤として機能する水酸化アルミニウムを含む皮下注射によって投与する市販のアレルギーワクチンが知られている。また、消化管粘膜を介して投与するためのワクチンにおいて、酸素を含む金属塩の使用も提案されてきた。続いて、酸素を含む金属塩の性質と接種ワクチンや消化管粘膜を介した輸送用ワクチンの中で酸素を含む金属塩がどのように機能するのかというさまざまな仮説に対する議論が巻き起こっている。
酸素を含む金属塩は、吸着性、溶解性と融解性、等電点pl(打ち消しあう化合物に対する実質の正味電荷が0になるpH)として測定されるイオン電荷、解離定数、錯体配位、電子配置、原子価、結合軌道と反結合軌道、蓄積性、接着性、表面特性、粒子特性そして助剤能といった種々の物理化学的特性によって特徴づけされうる。生理活性物質は酸素を含む金属塩に吸着され(もしくは結合され)、この吸着は、ワクチンの有効性に寄与すると考えられている。数種の因子が生理活性物質と酸素を含む金属塩との吸着に重要であるか、あるいは影響を及ぼしているのだろう(例えば次の文献を参照;P.M. Callahan et al., Pharmaceutical Research Vol.8, No.7, 851-858(1991), and Vaccine Design. The Subunit and Adjuvant Approach)。これらの因子には、pH、吸着反応が行われた時間の長さ、混合条件、ワクチン中の各々の成分濃度、容器、温度、保管状態、緩衝液そして賦形剤が含まれる。さらに、生理活性物質の吸着は、どちらもpH依存的である金属塩の総電荷と生理活性物質の電荷に影響されうることも分かってきた。重要だと考えられている更なる特徴は、酸素を含む金属塩の溶解性である。
酸素を含む金属塩は更に、貯蔵効果も持っているようである。貯蔵効果とは、生理活性物質がワクチンから徐々に放出されることを意味している。生理活性物質は、このように酸素を含む金属塩に保持され、そこから徐々に放出される。このことは、例えば長期刺激、有益な薬剤放出、そして周囲の状況に対する生物学的双方向性物質の保護といった数種の有益な効果をもたらすと考えられている。さらに酸素を含む金属塩は、このように生理活性物質が供給される状態を保持しながら、ある種のおとり的性質を保有しているとも考えられている。
別の酸素を含む金属塩の特徴は、微環境で生理活性物質にとって理想的なpHを維持して酸分解を回避することによる、若しくは、生理活性物質を酵素による分解から保護し、結果として生理活性物質の輸送を可能にすることによる生理活性物質の保護である。
更には、酸素を含む金属塩の中には、緩衝能を持つものも存在する。これは、生理活性物質を分解性の環境下から保護するワクチン配合物中の生体微環境で生じるのだろう。これは、例えば、それぞれ酸分解と酵素分解の危険性のある胃若しくは腸で利点を発揮するだろう。
酸素を含む金属塩の更なる特徴は、粘膜皮膜への接着能、若しくは、例えば遅くする等の消化管運動に対して発揮する能力である。腸内を通過する時間の延長は、生理活性物質の標的臓器(粘膜皮膜)との相互作用のための時間を延長する可能性を高め、これによって、粘膜皮膜を介した生理活性物質の輸送の増加を導くため、有益であるだろう。
更には、酸素を含む金属塩が例えばGALT(消化管関連リンパ系組織)やPeyers patch(二番目のリンパ器官)等の特異的粘膜組織に対する特異的選択性を持ち、更には適切な標的組織(粘膜組織)周辺において生理活性物質の輸送を促進させるように設計することが可能であると考えられている。酸素を含む金属塩(例えば、Al(OH)3、AlPO4、CaPO4)のいくつかに対しては、粒子径範囲は0.5-15μmの間である。
国際公開番号:WO 00/45847は、アレルゲンと酸素を含む金属塩を含む粘膜投与型アレルギーワクチンに関連するものである。この文献中の実施例には、経口及び腹腔内投与用、つまりは消化管を介した輸送型の液体アレルギーワクチンについて示され、このワクチンは、水酸化アルミニウム及びアレルゲンとしてのおおあわがえり(イネ科植物)抽出物を含んでいる。その記載の概略では、酸素を含む金属塩が、アレルゲン蛋白が消化管環境下で分解されることから保護する作用、消化管における残留時間を延長させる粘膜接着能、貯蔵能、及びGALT若しくはPeyers patches組織を介した取り込みに適した粒子径の中の一つ若しくは数種の因子を介して免疫刺激作用を増強していると推測されている。
国際公開番号:WO 04/047794では、アレルギーワクチンの舌下投与型の固体速分散型投与形態について開示されている。
ある市販の舌下投与型アレルギーワクチンは、グリセロール:水=50%:50%の溶液に溶解したアレルゲンを含んでいる。
本発明の目的は、口腔粘膜、特に舌下投与の改良型液体アレルギーワクチンを提供することである。
(発明の要約)
この目的は、口腔粘膜投与によって患者のアレルギーを抑制若しくは治療するための液体配合物製造のためのアレルゲンと酸素を含む金属塩からなる群より選択された助剤を含む組成物の使用に関する発明から得られる。
驚いたことに、口腔粘膜投与に対しては、液体であり、かつ酸素を含む金属塩を含むワクチンが極めて適していることが分かってきた。とりわけ、そのようなワクチン配合物は、免疫機構を活性化するための能力に関しての驚くほど改良された作用を持っている。消化管粘膜を介した輸送用のアレルギーワクチンと接種ワクチンの改良された性質を担っていると考えられている酸素を含む金属塩の機能的性質が、ワクチンと舌下粘膜とがあらかじめ決められた短時間しか接触しない点で舌下投与を対象としたアレルギーワクチンには適切でないため、そのような改良された性質は、予測不可能であった。
本発明の使用の更なる利点は、酸素を含む金属塩が液体ワクチン配合物にゲル様構造を与えることであり、これにより、口内、とりわけ舌下で定位置に必要時間だけ留まらせることを容易にすることができ、従って治療計画の遵守と正しい用量での投与を容易にする。
また、本発明の使用の更なる利点は、粘膜抗体反応が、刺激が起こっている粘膜区画において他の粘膜区画よりもより強いと考えられることである。それ故に、口腔粘膜投与は、アレルゲンが接触する口腔若しくは咽頭粘膜において最も強い抗体反応を引き出し、これにより最も効率的なアレルギー治療をもたらすと考えられる。
本発明は更に、アレルゲン及び酸素を含む金属塩からなる群より選択した助剤を含む液体の配合物の患者への口腔粘膜投与を含む患者のアレルギーの抑制法若しくは治療法に関するものである。
更に、本発明は、口腔粘膜投与による患者のアレルギーを抑制若しくは治療するための液体配合物を調製する方法に関するものである。この配合物は、アレルゲンと酸素を含む金属塩からなる群より選択した助剤を含み、調製方法は、酸素を含む金属塩の溶媒への溶解、アレルゲンの添加、及びアレルゲンと酸素を含む金属塩を一定時間反応させる工程を含む。
(発明の詳細な説明)
アレルゲン
本発明の配合物中のアレルゲンは、個体に繰り返し暴露された時にアレルギー的、すなわちIgE介在的な反応を誘導すると報告されてきた何らかの自然発生蛋白であってもよい。自然発生アレルゲンの例としては、花粉アレルゲン(ハーブ樹、雑草、及びイネ科植物の花粉アレルゲン)、昆虫アレルゲン(吸入抗原、唾液や毒アレルゲン、例えば、ダニアレルゲン、ゴキブリや蚊アレルゲン、毒蜂アレルゲン)、動物の毛やフケのアレルゲン(例えば、犬、猫、馬、ラット、はつかねずみ等)、そして食物アレルゲン等が挙げられる。樹木、草類及びハーブ類からの重要な花粉アレルゲンは、ブナ目、キクセイ目、マツ目及びカバの木(Betula)、ハンの木(Alnus)、ヘイゼルの木(Corylus)、シデの木(Carpinus)並びにオリーブの木(Olea)、シダー(cedar)(スギ及びビャクシン)、スズカケの木(Platanus) を含むスズカケノキ科、ドクムギ、チモシー、イチゴツナギ、シノドン(Cynodon)、カモガヤ、ホルカス(Holcus)、ファラリス(Phalaris)、シーケール(Secale)、及びモロコシ属を含むイネ目、キク目、及びブタクサ、ヨモギ、及びパリエタリア(Parietaria)属のハーブを含むイラクサ目由来のものである。別の重要な吸入アレルゲンは、ダーマトファゴイド(Dermatophagoides)及びユーログリファス(Euroglyphus)属のダニのハウスダストによるもの、例えば、レピトグリフィス(Lepidoglyphys)、グリシファガス(Glycyphagus)、及びペリプラネラ(Periplanera)のようなダニの貯留によるもの、例えば、ブラテラ(Blatella)、ペリプラネタ(Periplaneta)、キロノムス(Chironomus)、及びクテノセッファィデス(Ctenocepphalides)のようなゴキブリ、蚊、ノミ由来のもの、更には、猫、犬、馬のような哺乳類由来のもの、蜂(アピダエ(Apidae)超科)、スズメバチ(ヴェスピデア(Vespidea)超科)、及び蟻(フォーミコイダエ(Formicoidae)超科)等のハイメノプテラ(Hymenoptera)属に分類される昆虫に刺されたり噛まれたりすることに起因する毒アレルゲンである。菌類の重要な吸入アレルゲンには、アルタナリア(Alternaria)及びクラドスポリウム(Cladosporium)属由来のものがある。
本発明の特別な実施態様において、アレルゲンは、Bet v 1, Aln g 1, Cor a 1,及びCar b 1, Que a 1, Cry j 1, Cry j 2, Cup a 1, Cup s 1, Jun a 1, Jun a 2, Jun a 3, Ole e 1, Lig v 1, Pla l 1, Pla a 2, Amb a 1, Amb a 2, Amb t 5, Art v 1, Art v 2, Par j 1, Par j 2, Par j 3, Sal k 1, Ave e 1, Cyn d 1, Cyn d 7, Dac g 1, Fes p 1, Hol l 1, Lol p 1, 及び-5, Pha a 1, Pas n 1, Phl p 1, Phl p 5, Phl p 6, Poa p 1, Poa p 5, Sec c 1, Sec c 5, Sor h 1, Der f 1, Der f 2, Der p 1, Der p 2, Der p 7, Der m 1, Eur m 2, Gly d 1, Lep d 2, Blo t 1, Tyr p 2, Bla g 1, Bla g 2, Per a 1, Fel d 1, Can f 1, Can f 2, Bos d 2, Equ c 1, Equ c 2, Equ c 3, Mus m 1, Rat n 1, Apis m 1, Api m 2, Ves v 1, Ves v 2, Ves v 5, Dol m 1, Dil m 2, Dol m 5, Pol a 1, Pol a 2, Pol a 5, Sol i 1, Sol i 2, Sol i 3, 及びSol i 4, Alt a 1, Cla h 1, Asp f 1, Bos d 4, Mal d 1, Gly m 1, Gly m 2, Gly m 3, Ara h 1, Ara h 2, Ara h 3, Ara h 4, Ara h 5 若しくは、これらのいずれかの分子育種による混合雑種である。
本発明の好ましい実施態様では、アレルゲンは、イネ科植物粉アレルゲン、ダニ粉塵アレルゲン、ブタクサアレルゲン、ヒラヤマスギ花粉アレルゲン、猫アレルゲン、及びカバノキアレルゲンからなる群より選択される。
本発明の別の実施態様では、配合物は、同じアレルギー性資源由来か、若しくは、例えば、それぞれ別のダニ科群とイネ科群であるイネ科第一群アレルゲンとイネ科第五群アレルゲン、または、ダニ科第一群アレルゲンと第二群アレルゲン、背丈の低いブタクサと高いブタクサのアレルゲンのような雑草抗原、アルテナリア属とクラドスポリウム属のような異なる菌類アレルゲン、カバノキ、ヘイゼル、シデ、オーク、及びハンノキアレルゲンのような樹木アレルゲン、ピーナッツ、大豆及び牛乳アレルゲンのような食物アレルゲンのように異なるアレルギー性資源由来の少なくとも二つの異なる型のアレルゲンを含む。
この配合物中に含まれるアレルゲンは、抽出物、精製アレルゲン、修飾アレルゲン、組み換え型アレルゲン、若しくは、組み換え型アレルゲン変異体の形式で存在し得る。あるアレルギー誘発性の抽出物には、組み換え型のアレルゲンが通常はたった一つのアイソフォームであるのに対して、自然に、同じアレルゲンの一つ若しくはそれ以上のアイソフォームを含んでいてもよい。ある好ましい実施態様においては、アレルゲンは抽出物型である。別の好ましい実施態様においては、アレルゲンは、組み換え型アレルゲンである。更にある好ましい実施態様においては、アレルゲンは、自然発生的なIgE低結合性変異型であるか、若しくは、組み換え型のIgE低結合性変異型である。アレルゲンは、等モルで存在してもよく、あるいは、アレルゲンの存在比率は、好ましくは1:20まで変化させてもよい。
本発明の更に別の実施態様では、IgE低結合性アレルゲンは、国際公開番号:WO 99/47680, WO 02/40676 若しくは、WO 03/096869 A2 のアレルゲンである。
速分散性固体剤形から成るアレルゲンの濃度を特定の最大値まで増加させるという従来の服用量増加脱感作は、アレルギー症状を軽減する。その剤形の投与量一単位の好ましい効能は、150-1000000 SQ-u/剤形、より好ましい効能は、500-500000 SQ-u/剤形、そして、更に好ましくは、1000-250000 SQ-u/剤形、更に好ましくは、1500-125000 SQ-u/剤形、最も好ましいのは、1500-75000 SQ-u/剤形である。
本発明における他の実施態様において、投与形態は、好ましくは1500-75000 SQ-u/剤形の範囲内での単一投与量の連続投与である。
酸素を含む金属塩
本発明の好ましい実施態様では、酸素を含む金属塩中の金属陽イオンは、Al, K, Ca, Mg, Zn, Ba, Na, Li, B, Be, Fe, Si, Co, Cu, Ni, Ag, Au, 及びCrからなる群より選択される。
酸素を含む化合物中の陰イオンは、有機もしくは無機陰イオン、あるいはこれらの組み合わせの陰イオンを含むあらゆる酸素を含む陰イオンであってもよい。適した酸素を含む金属塩の例は、例えば、その中の陰イオンが、硫酸イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、ヨウ素酸イオン、臭素酸イオン、炭酸イオン、水和物、酢酸イオン、クエン酸イオン、シュウ酸イオン及び酒石酸イオンからなる群より選択されたもの、並びにこれらの混合形態である。更に、酸素を含む金属塩は、配位錯体を含む。配位錯体の定義については、例えば、The Handbook of Chemistry and Physics 56 Ed., Section B, Chapter 7 (197576)に記載されている。
文脈中の”混合形態”という表現には、例えば、塩化物と硫化物の組み合わせだけでなく、多種の陰イオンの組み合わせも含まれることを意味する。
本発明の酸素を含む金属塩の例は、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、リン酸カルシウム、酒石酸カルシウム、マーロックス(水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの混合物)、水酸化ベリリウム、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、及び硫酸バリウムである。
最も好ましいものは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、リン酸カルシウム、酒石酸カルシウム及び硫酸亜鉛である。
酸素を含む金属塩のplは、通常は2-11の範囲である。アレルゲン蛋白に対するplは、通常は4-9の範囲である。好ましくは、アレルゲンと酸素を含む金属塩は、アレルゲンのplの方が、酸素を含む金属塩のplよりも低く選択される。
例えば、酸素を含む金属塩として水酸化アルミニウムを用いる時には、配合物中の水酸化アルミニウムの濃度は、好ましくは0.035-1000 mg/ml,より好ましくは0.10-100 mg/ml,更に好ましくは0.25-10 mg/ml,そして最も好ましくは0.5-5 mg/mlである。他の酸素を含む金属塩に対しては、金属塩の濃度は、好ましくは0.035-1000 mg/ml,より好ましくは0.35-100 mg/ml,更に好ましくは0.7-50 mg/ml,そして最も好ましくは1.0-20 mg/mlである。配合物中のアレルゲンの濃度は、好ましくは0.01-100 mg/ml,より好ましくは0.1-10 mg/mlである。アレルゲンに対する酸素を含む金属塩の割合は、好ましくは0.1-100,より好ましくは1-20である。酸素を含む金属塩に吸着されたアレルゲンの度合いは、通常は添加量の5-99%,より好ましくは10-99%であろう。酸素を含む金属塩へのアレルゲンの吸着は、緩衝液の系と吸着が起こる温度及び反応時間を含む反応条件に依存する。
口腔粘膜投与
免疫機構は、口腔を介して利用でき、アレルゲンの舌下投与が、投与経路の一つとして知られている。投与は、ワクチン配合物を舌下に置き、それを例えば30-60秒間といった短い時間その場に留まらせることにより行ってもよい。
口腔粘膜投与は、配合物の一部分若しくは全体が患者の口腔、及び/若しくは、咽頭粘膜と接触するあらゆる投与方法を含む。口腔粘膜投与法には、舌下投与及び頬投与が含まれる。
本発明のある実施態様では、患者は、毎日のワクチン投与を含むワクチン投与手順に従わなければならない。本発明の別の実施態様では、ワクチン投与手順は、1日おき、2日おき、あるいは3日おきの投与を含む。例えば、ワクチン投与手順は、4週間を越える、より好ましくは8週間を越える、より好ましくは12週間を越える、より好ましくは16週間を越える、より好ましくは20週間を越える、より好ましくは24週間を越える、さらに好ましくは30週間を越える、そして更に好ましくは36週間を越える期間のワクチン投与を含む。
投与の期間は、連続的な期間であってもよい。あるいは、投与期間は、一回若しくはそれ以上の非投与期間により中断された不連続の期間である。非投与期間の総和は、投与期間の総和よりも短いことが好ましい。
本発明の別の実施態様では、ワクチンは、患者に一日一回投与される。あるいは、ワクチンは、患者に一日二回投与される。ワクチンは、単一の用量のワクチンであってもよい。
液体ワクチン配合物
酸素を含む金属塩の水溶液は、通常は、ゲル状構造を有している。前述のように、配合物中の水酸化アルミニウム濃度は、好ましくは0.035-1000 mg/ml,より好ましくは0.10-100 mg/ml,更に好ましくは0.25-10 mg/ml,そして最も好ましくは0.5-5 mg/mlである。しかしながら、本発明の配合物は、また、高濃縮ゲル若しくはゲル様構造を有していてもよい。
本発明のある特別の実施態様においては、本発明の配合物は、更にエンハンサーを含んでいる。エンハンサーは、i)細胞間の通路を開いて(硬い結合である)活性物質の生体膜通過率を上げること、つまりは活性化物質の吸着量を増加させることによって、及び/若しくは、ii)エンハンサーの生体接着作用で吸収時間を延長することによって、薬剤学的活性物質の生物学的利用能を高める物質である。
エンハンサーの例としては、アルコール、例えば、エタノール、キトサン、キチン、プロピレングリコール、グリセロール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、好ましくはグリセロールが挙げられる。エンハンサーは、好ましくは20-80%(v/v)、より好ましくは30-70%(v/v)、更に好ましくは40-60%(v/v)で存在する。
本発明の配合物には、更に配合物の型に適した付加的な助剤とその他の賦形剤を含んでいるものも考えられる。このような付加的な助剤と賦形剤は、当業者によく知られており、溶剤、乳化剤、加湿剤、可塑剤、着色剤、充填剤、防腐剤、粘度調整剤、緩衝化剤、粘膜接着物質、及びこれに類するものを含んでいる。配合物戦略の例は、当業者たちによく知られている。
付加的な助剤は、熱に不安定なエンテロトキシン(LT)、コレラトキシン(CT)、コレラトキシンBサブユニット(CTB)、重合化リポソーム、LTK63及びLTR72のような変異毒素、マイクロカプセル、インターロイキン(例えば、IL-1β, IL-2, IL-7, IL-12, IFNγ)、GM-CSF、MDF派生体、CpGオリゴヌクレオチド、LPS、MPL、フォスフォファゼン(phosphophazenes)、Adju-Phos(登録商標)、グルカン、抗原配合物、リポソーム、DDE、DHEA、DMPC、DMPG、DOC/Alum Complex、Freund氏不完全助剤、ISCOMs(登録商標)、LT Oral Adjuvant、ムラミールジペプチド、単リン酸化脂質A、ムラミールトリペプチド、及びフォスファチジルエタノールアミンを含む従来のどのような助剤でもよい。
本発明の配合物は、付加的な助剤と、もしあれば他の賦形剤と、同様に酸素を含む金属塩を溶媒に、好ましくは水に溶解し、アレルゲンを加え、アレルゲンと酸素を含む金属塩とをある時間反応させることにより調整してもよい。この反応時間は、0.1-48時間、好ましくは12-24時間であってもよい。この反応は、好ましくは4-25℃、更に好ましくは4-20℃の温度で行われる。
用語の定義
"口腔粘膜投与"という用語は、活性成分が、患者の口腔若しくは咽頭の粘膜に接触し、その局部作用若しくは全身作用を獲得するために舌下若しくは口腔内のどこかに投与体が置かれる投与経路を意味する。口腔粘膜投与の一つの例は、舌下投与である。
"舌下投与"という用語は、活性成分が、その局部作用、若しくは全身作用を獲得するために、舌の底部に投与体が置かれる投与経路を意味する。
"溶液"という用語は、酸素を含む金属塩が、あらゆる濃度で溶媒に溶解、若しくは添加されていることを意味し、所謂溶液及び低粘度・高粘度のゲルを含む。
"SQ-u"という用語は、SQ-ユニットを意味する:SQ-ユニットは、ALK-Abello A/S's "SQ生物学的能力"標準化法に基づき決定され、100,000 SQ-uが、皮下維持濃度基準に相当する。通常は、1mgの抽出物には、100,000-1,000,000 SQ-uが含まれており、これは、アレルゲン資源が何に由来するものであるか及び使用された製造工程に依存する。正味のアレルゲン量、つまり全体の主要なアレルゲン含有量及び全体のアレルゲン活量は、免疫学的測定により決定することができる。
"処置"という用語は、ある程度の完治、症状の緩和、若しくは発症を抑制することを意味する。
"抑制"という用語は、予防治療の形式を意味する。
実施例1:水酸化アルミニウム及びイネ科植物アレルゲンとしてPhleum pratense(Phl p)(大粟還り、チモシー)の液体配合物によるハツカネズミの舌下治療
処理手順
マウスを、1回の腹腔内投与(i.p.)による感作処置と次の組成の1つをもつ液体配合物を6週間で1週につき5日間、1日1回投与するSLIT処置を含む処置手順にさらした。:組成1)5,000 SQ-u Phl p 、水酸化アルミニウムなし(7匹のマウス),組成2)5,000 SQ-u 、1.25mg Al/mlの濃度の水酸化アルミニウム(Alhydrogel(登録商標)1.3%)(8匹のマウス)、組成3)500 SQ-u 、1.25mg Al/mlの濃度の水酸化アルミニウム(Alhydrogel(登録商標)1.3%)(10匹のマウス)、組成4)イネ科植物アレルゲンなし、水酸化アルミニウムなし(10匹のマウス)。SLIT処置のそれぞれの投与体は、5μlの液体配合物から構成されていた、つまり、それぞれの投与体は、1.25/20 mg Alの量を含んでいた。腹腔内投与に対しては、それぞれの投与体は、0.25mlの液体配合物から構成されていた、つまり、それぞれの投与体は、1.25/4 mg Alの量を含んでいた。2回目の腹腔内投与は、1回目の投与から2週間後に行われ、3回目の投与は、2回目の投与から1週間後に行われた。SLIT処置は、3回目の腹腔内投与から1週間後に開始された。
液体配合物は、コカ緩衝液にPhl pを加え、これを水酸化アルミニウムと混合することにより調製された。水酸化アルミニウムは、Brenntagから購入したAlhydrogel(登録商標)1.3%(灰残留物(Al2O3)の含有量:1.3% w/w;これに相当するAl(OH)3の含有量:1.99% w/w;アルミニウム含有量6.25 mg Al/ml±5%)から5倍希釈して調製した。コカ緩衝液には、0.5%(w/v)の塩化ナトリウム及び0.25%(w/v)の炭酸水素ナトリウムが含まれている。
処理手順の最後には、気管支肺胞洗浄(BAL)が標本採取のために各々のマウスに対して実施され、BAL中のIgA抗体量が次の分析法により決定された。
IgAアッセイ
ヤギ−マウスIgA抗体に連結されたエスタポア(Estapore)磁性ビーズ(Estapore IB-MR/0,86)をBALサンプルと共に保温する。その後、洗浄及びビオチン化アレルゲンとの保温が行われる。その後、洗浄及びストレプトアビジンで標識されたLITE試薬との保温が行われ、更に洗浄の後、発光量がルミノメーター(Magic Lite Analyser EQ)により測定される。
結果
この結果は、Fig.1に示されている。Fig.1から明らかなのは、水酸化アルミニウムの使用が、5,000SQ-uのアレルゲン量に対するBAL IgA量を大幅に増加させることである。
図1は、気管支肺胞洗浄(BAL)中のIgA抗体量を示す。

Claims (11)

  1. 口腔粘膜投与による患者のアレルギーの抑制または治療を目的とした液体配合物の作製のためのアレルゲン及び酸素を含む金属塩からなる群より選択された助剤を含む組成物の使用。
  2. 酸素を含む金属塩が水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム及びリン酸カルシウムからなる群より選択された請求項1に記載の使用。
  3. 酸素を含む金属塩が水酸化アルミニウムである請求項1に記載の使用。
  4. 酸素を含む金属塩の濃度が、0.035-1000 mg/ml、より好ましくは0.10-100 mg/ml、更に好ましくは0.25-10 mg/ml、最も好ましくは0.5-5 mg/mlである請求項3に記載の使用。
  5. アレルゲン濃度が、0.01-100 mg/ml、より好ましくは0.1-10 mg/mlである請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. アレルゲンが、イネ科植物花粉アレルゲン、ダニ粉塵アレルゲン、ブタクサアレルゲン、ヒラヤマスギ花粉若しくはネコアレルゲン及びカバノキアレルゲンからなる群より選択された請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 口腔粘膜投与が、舌下投与である請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 配合物がさらにエンハンサーを含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
  9. エンハンサーがグリセロールである請求項8に記載の使用。
  10. アレルゲンと酸素を含む金属塩からなる群より選択された助剤を含む液体配合物を患者に口腔粘膜投与することを含む患者のアレルギーの抑制方法若しくは治療方法。
  11. 口腔粘膜投与による患者のアレルギーの抑制若しくは治療のための液体配合物を調製する方法であって、配合物は、アレルゲンと酸素を含む金属からなる群より選択された助剤を含み、酸素を含む金属塩を溶媒に溶解し、アレルゲンを加え、アレルゲンと酸素を含む金属塩をある時間反応させることを含む、方法。
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