JP2008514549A - 制御された炭水化物消化のための併用療法 - Google Patents

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Abstract

被験体の胃腸管における炭水化物利用は、被験体に、炭水化物の分解を阻害する第1の因子と、腸管ガスの形成もしくは重症度を減少させる第2の因子と組み合わせて投与することによって、調節され得る。例えば、本発明の一つの局面において、アカルボースまたは他のαグルコシダーゼ活性のインヒビターが、例えば第2の因子と組み合わせて、メタボリックシンドローム(例えば、シンドロームX)、肥満症、糖尿病などの代謝障害を処置しまたは予防するために使用され得る。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、2004年9月14日に出願された米国出願第60/610,126号に対する優先権を主張する。
αグルコシダーゼインヒビターは、アミラーゼ、スクラーゼ、マルターゼおよびαデキストリナーゼなどの消化酵素を阻害してデンプンおよび糖の消化を減少させる化合物である。これらの酵素は、腸管内における二糖から単糖への分解を触媒する。この過程を遅らせることによって、αグルコシダーゼインヒビターは、急性食後高血糖症を減少させる。αグルコシダーゼインヒビターの例としては、アカルボース、ミグリトールおよびボグリボース(N−1(1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)バリオールアミン、およびそのN置換誘導体(例えば特許文献1を参照せよ)ならびにN置換プソイドアミノ糖(例えば、特許文献2を参照せよ))が挙げられる。
アカルボースは、膵臓のαアミラーゼのインヒビターであるのと同様に、小腸におけるグルコシダーゼ類の酵素のインヒビターでもある。アカルボースは、O−4,6−ジデオキシ(didesoxy)−4−[(1S,4R,5S,6S)−4,5,6−トリヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−シクロヘキセン−1−イルアミノ]−α−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−α−D−グルコピラノシル(1→4)−D−グルコピラノ−スである。このインヒビターはActinoplanes種の発酵によって得ることができ(特許文献3、特許文献4、特許文献5を参照せよ)、そして、発酵培養液から単離し得る。この目的のための精製プロセスが記載されている(特許文献6および特許文献7を参照せよ)。特許文献8は、高度に精製したアカルボース標品を調製するための方法を記載している。特許文献9も参照されたい。
グルコシダーゼを阻害することによって、アカルボースは複合糖質の消化およびその後のグルコースの吸収を遅らせ、食後の血中グルコース濃度はより小さな上昇となる。アカルボースは、食後グルコース(PPG)スパイクを減少させ得る。しかし、アカルボースおよび他のαグルコシダーゼインヒビターは、膨満および腹痛を含む副作用を有し得る。
アカルボース治療は、放屁、腹痛および下痢を含む胃腸(GI)の副作用がある。このような副作用は、特に治療開始時および高用量時に、多くの患者が経験する。これらの副作用は、過剰の未消化炭水化物が腸の下部に進入し、下部腸の酵素によっては完全には分解されず、したがって細菌によって代謝され、二酸化炭素を生成する場合に引き起こされる可能性がある。
この副作用は、低用量から開始し、そして例えば、数ヶ月の過程の間に用量を上方に徐々に滴定していくことによって、ある程度は調節できる。その上、少なくともいくつかの副作用は、患者の腸の下部の内在性酵素濃度がアップレギュレートされ、腸内微生物叢に利用可能な炭水化物が少なくなるので、時間が経つと正常に戻り得る。この副作用の重症度の縮小は、アカルボースの効力に影響しない。なぜなら、摂取された炭水化物は依然として、血流に移行するのを遅らせられているからである。さらに副作用の縮小は、例えば、患者が望まれる用量に至るまでの数週間から数ヶ月にもわたり得る期間である、アカルボース用量が滴定される期間の間、社会的および身体的不便を軽減する。副作用を縮小させることはまた、コンプライアンスを増加させることによって、「治療する意志」に基づくアカルボースの効力を改善し得る。
米国特許第5,004,838号明細書 米国特許第4,595,678号明細書 独国特許発明第2,209,832号明細書 独国特許発明第2,209,834号明細書 独国特許発明第2,064,092号明細書 独国特許発明第2,347,782号明細書 独国特許発明第2,719,912号明細書 米国特許第4,904,769号明細書 米国特許第6,150,568号明細書
本明細書においては、αグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース、または、炭水化物分解(例えば、αグルコシダーゼ活性)を阻害する別の因子)の副作用を軽減する種々の方法が開示されている。これらの方法は概して、αグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボースまたは他のαグルコシダーゼインヒビター)、例えば第2の因子と組み合わせた、例えばこのインヒビターの有効量を投与する工程を包含する。例えば、第2の因子は、腸管ガスの形成もしくは重症度を減少させる。
アカルボースまたは他のαグルコシダーゼ活性のインヒビターが、例えば第2の因子と組み合わせて、例えばメタボリックシンドローム(例えば、シンドロームX)、肥満症、糖尿病などの代謝障害を処置しまたは予防するために使用できる。本明細書において使用される場合、「代謝障害」という用語は、当業者が、例えば炭水化物または脂質などの、少なくとも1種の物質の代謝を変更する生理学的変化を被験体において検知する障害を呼ぶ。
メタボリックシンドローム(例えば、シンドロームXおよびシンドローム付随性インスリン抵抗性)は、一連の代謝危険因子がある患者において、現れる。これらの因子としては、以下のものが挙げられる:中心性肥満症(腹部の内部および周囲の過剰脂肪組織)、アテローム性異常脂血症(動脈壁内のプラーク形成を助長する血脂肪障害−主に高トリグリセリドおよび低HDLコレステロール);インスリン抵抗性またはグルコース不耐性(例えば、身体がインスリンまたは血糖を適正に使用できない);血栓促進状態(prothrombotic state)(例えば、血中における高フィブリノーゲンまたは高プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター[−1]);高血圧(130/85mmHg以上);および炎症促進状態(proinflammatory state)(血中における高感受性C反応性タンパク質の増大)。体重超過/肥満、身体的不活動性および遺伝因子が、このシンドロームに寄与し得る。メタボリックシンドロームを有する人は、冠状動脈心疾患、動脈壁内のプラーク形成に関係する他の病気(例えば、脳卒中および末梢性血管疾患)およびII型糖尿病に罹患する危険性が高くなる。メタボリックシンドロームは、インスリン抵抗性と密接に関係し得る。
一つの実施形態では、代謝障害は、例えばII型真正糖尿病などの糖尿病である。例えば患者は、正常だが(血中グルコース濃度に関しては)、グルコース耐性が損なわれている(IGT)、いわゆる前糖尿病被験体、または糖尿病の被験体である。患者は空腹時高血糖症を有し得る(例えば、患者は100〜125mg/dLの間の空腹時グルコース濃度を有し、それ以外には糖尿病の特徴を有さない)。
本発明は糖尿病を処置および予防する方法を提供する。糖尿病の例としては、インスリン依存性真正糖尿病およびインスリン非依存性糖尿病が挙げられる。例えばこの方法は、糖尿病を有するかまたは糖尿病に罹患する危険性のある患者に、本明細書において記載される化合物を投与する工程を包含する。いくつかの例では、患者は、損なわれたグルコース耐性(IGT)または空腹時高血糖症を有することによって、糖尿病を発症する危険性があると同定され得る。
例えば、本明細書において記載される化合物(例えば、αグルコシダーゼインヒビター)は、被験体に、糖新生を減少させ、血糖制御を改善させ(例えば空腹時血中グルコースを低下させ)、またはインスリン感受性を正常化させるために、治療上有効な量で投与され得る。この化合物は糖尿病または肥満症に罹患している被験体に投与され得る。
インスリン依存性真正糖尿病(I型糖尿病)は、自己免疫疾患であり、インスリン炎が膵臓J細胞の破壊へとつながる。臨床上のI型真正糖尿病の発症時には、かなりの数のインスリン産生β細胞が破壊されており、依然としてインスリンを産生可能なのは15%〜40%のみである(McCullochら(1991)Diabetes 40:673−679)。β細胞の機能不全は、一生、毎日のインスリン注射に頼り、そしてこの疾患の急性および末期の合併症にさらされるという結果につながる。
II型真正糖尿病は、高血糖症または高血中糖によって特徴づけられるグルコースホメオスタシスが損なわれた代謝疾患であり、インスリン抵抗性、欠損インスリン分泌またはその両方として現れる欠損インスリン作用の結果として生じる。II型真正糖尿病の患者は、インスリン抵抗性および/または損ねられたインスリン分泌と関係した異常な炭水化物、脂質およびタンパク質の代謝を有する。この疾患は、膵臓β細胞の破壊をもたらし、そして最終的には絶対的インスリン欠乏症へとつながる。インスリンがなければ、血中のグルコース濃度は高いままである。高い血中グルコース濃度の長期的影響としては、失明、腎臓機能不全、およびこれらの領域への血循環の不足(これは足および足根関節の切断へとつながり得る)が挙げられる。患者がこのような重症に達するのを防ぐには、早期発見が重要である。糖尿病の患者の大多数は、現在II型真正糖尿病と呼ばれる、インスリン非依存性の型の糖尿病を有する。
アカルボースまたは他のαグルコシダーゼ活性のインヒビターは、第2の因子と組み合わせて、例えば、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、末梢性血管疾患、心筋梗塞および腎臓血管疾患などの大血管障害を処置または予防するために使用され得る。例えばこの方法は、例えば、正常被験体において、この障害に対する遺伝的素因を有する被験体において、または、例えば心臓発作を起こしたことがある被験体、もしくはこの障害を有すると診断されたことがある被験体などの、この障害を示す症状または医学的病歴を有する被験体おいてなど、種々の被験体において使用され得る。
一つの局面において、本開示は、被験体に、腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子と組み合わせて、炭水化物の分解(例えば、サッカリダーゼ活性)を阻害する第1の因子を投与する工程を包含する方法を特徴とする。この方法は被験体の胃腸管における炭水化物の利用を調節し得る。代表的には被験体はヒト被験体である。代表的には、第2の因子は、回腸などの腸の特定の部分において優先的に第2の因子が作用するような方法で投与される。
本明細書において使用される場合、「組み合わせて投与される」という用語は、2種以上の因子が被験体に、各因子の患者への効果に重なりがあるように、同時にまたはある間隔内に投与されることを意味する。好ましくは、第1および第2の因子の投与は、併用効果が達成されるように、十分に互いに接近させた間隔がおかれる。この間隔は、数分、数時間、数日または数週間の間隔であり得る。一般的にこれらの因子は、同時に被験体内で、例えば検知可能であるなどの、生体利用可能な状態にある。第1および第2の因子は、いずれの順番でも投与され得る。好ましい実施形態では、これらの因子のうちの一つ(例えば第1の因子)の少なくとも一回の投与が、もう一方の因子(例えば第2の因子)の投与から、数分以内、1時間、2時間、3時間または4時間以内、または1日または2日以内にさえなされる。いくつかの場合では、併用は、相乗的な結果、すなわち、相加的な結果を超える(例えば相加的な結果より少なくとも20%、50%、70%または100%大きい)結果を達成し得る。
いくつかの実施形態では、例えば単一丸薬(例えば、錠剤またはジェル)中に、2つの因子を合わせて処方することが特に有利である。十分な用量(例えば、成人または小児に対して)を提供する単一丸薬の使用は、コンプライアンスを増加し、そして投与を容易にし得る。
一つの実施形態では、第1および第2の因子は同時に投与される。例えば、第1および第2の因子は合わせて処方される。別の実施形態では、第1および第2の因子は異なる時間に投与される。例えば、第1の因子は、食事の前または食事中(例えば、最初の一口とともに)投与され得、そして第2の因子は食事の後に投与され得る。
第1および第2の因子は、各食事に関連して同時に、例えば各食事の前に、例えば一日約2回、3回もしくは4回、または必要に応じてもしくは決まった間隔で、投与され得る。
一つの実施形態では、第1の因子は、例えばαグルコシダーゼなどのグルコシダーゼのインヒビターである。一つの実施形態では、第1の因子はアカルボースまたは関連する化合物である。
例えば、第1の因子は以下を包含する:
Figure 2008514549
各Rは、独立にH、C〜Cアルキル、C(O)Rまたはアリールアルキルであり;
は、C〜Cアルキルであり;
各Rは、独立にC〜Cアルキルまたはアリールであり、
各X、YおよびZは、独立にNRまたはOであり;そして
各Rは、独立にH、アルキルまたはアリールアルキルである。
いくつかの好ましい実施形態では、Xは、NR、例えばNHである。いくつかの好ましい実施形態では、YおよびZは、Oである。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも3つのR部分がHであり、例えば各RがHである。いくつかの好ましい実施形態では、Rは、メチルである。
好ましいアルキル部分の例としては、メチル、エチルおよびプロピルが挙げられる。好ましいアリールアルキル部分の例としては、ベンジルおよびフェニルエチルが挙げられる。好ましいC(O)R部分の例としては、アセチルが挙げられる。
用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含有する、直鎖または分岐鎖であり得る炭化水素鎖を呼ぶ。例えば、C〜C10は、この基が1個〜10個(10個を含む)の炭素原子をその中に有し得ることを示す。用語「アリールアルキル」は、アリールで置換されたアルキルを呼ぶ。用語「アリール」は、炭素数6の単環式、炭素数10の二環式または炭素数14の三環式の芳香環系(各環の0個、1個、2個、3個または4個の原子は、置換基によって置換され得る)を呼ぶ。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
一つの実施形態では、第1の因子はボグリボースである。二糖であるボグリボースは、腸のαグルコシダーゼインヒビターである。
Figure 2008514549
一つの実施形態では、第1の因子はミグリトールである。ミグリトールは、デソキシノジリマイシン誘導体であり、化学的には3,4,5−ピペリジントリオール,1−(2−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)−,[2R−(2α,3β,4α,5β)]として知られる。白色〜淡黄色の粉末が調製できる。これは、207.2の分子量を有する。ミグリトールは、水に可溶で、5.9のpKaを有する。その実験式は、C17NOである。
別の実施形態では、第1の因子は、Salacia草(例えば、Salacia prinoides、Salacia reticulataまたはSalacia oblonga)などの天然に存在する供給源から抽出される化合物である。例えば、第1の因子は:
Figure 2008514549
(サラシノール)または
Figure 2008514549
(コタラノール)である。これらの化合物は、代表的な天然に存在するαグルコシダーゼインヒビターである。他の実施形態では、この化合物は、Cinnamomum zeylanicum、Artocarpus heterophyllus、Tinospora cordifoliaまたはPterocarpus marsupiumから抽出される化合物であり得る。
一つの実施形態では、第2の因子は、炭水化物を消化する酵素を包含する。例えば炭水化物を消化する酵素の混合物など、複数の異なる第2の因子が投与され得る。例示的な酵素としては、αガラクトシダーゼ、αグルコシダーゼおよびβグルコシダーゼが挙げられる。代表例は、BEANO(登録商標)である。
別の実施形態では、第2の因子は、例えばシメチコーンなどの、消泡因子を含むかまたは消泡因子であり得る。例示的な消泡因子は、腸によって吸収されない因子である。
第2の因子は、第2の因子が結腸の遠位部位へ優先的に送達されるように、処方され得る。例えば第2の因子は、時間遅延放出組成物または部位依存性放出組成物として処方され得る。部位依存性放出組成物の例としては、pH感受性処方物および酵素誘発性処方物(enzyme triggered−formulations)が挙げられる。一つの方法では、第2の因子は腸溶性カプセル化によって処方される。
被験体は、例えば代謝特性に関して、正常または異常な特性(例えば正常または異常なグルコース耐性)を有する被験体であり得る。例えば被験体は、正常な血中グルコース反応を有し得る。別の例では、被験体は、標準値に関してグルコース不耐性であるか、またはIGTを有する。別の例では、被験体は、例えばII型真正糖尿病などの糖尿病を有するか、または糖尿病に罹患する危険性がある。さらに別の例では、被験体は、大血管障害または代謝障害を有するか、または大血管障害または代謝障害に罹患する危険性がある。被験体は一般的に、ヒト(例えばヒト成人または小児)である。
別の局面において、本開示は、被験体にアカルボースを投与する方法を特徴とする。この方法は、被験体に、腸ガスの形成または重症度を減少させる因子(この因子は、この因子が腸または結腸内で優先的に機能するような様式で投与される)と組み合わせて、アカルボースを投与する工程を包含する。
腸ガスの形成を減少させる因子の例としては、炭水化物を消化する酵素が挙げられる。例えば、炭水化物を消化する酵素の混合物など、複数の異なる第2の因子が投与され得る。例示的な酵素としては、αガラクトシダーゼ、αグルコシダーゼおよびβグルコシダーゼが挙げられる。腸ガスの重症度を減少させる因子の例としては、例えばシメチコーンなどの、消泡因子が挙げられる。
この因子は、この因子が結腸の遠位部位に優先的に送達されるように処方され得る。例えばこの因子は、時間遅延放出組成物または部位依存性放出組成物として処方される。部位依存性放出組成物の例としては、pH感受性処方物および酵素誘発性処方物が挙げられる。一つの方法では、第2の因子は、腸溶性カプセル化によって処方される。
一つの実施形態では、アカルボースが食事の前に送達されるのに対して、腸ガスの形成を減少させる因子は、食事の後に投与される。
別の局面において、本開示は、アカルボースを被験体に投与する方法を特徴とする。この方法は、被験体に、消泡因子と組み合わせてアカルボースを投与する工程を包含する。被験体は、アカルボースおよび消泡因子を、例えば少なくとも10日、20日、30日または50日の間などの間隔の間、それぞれの主要な食事の前に、投与され得る。一つの実施形態では、アカルボースの用量は、例えば最初の30日間などの間隔の間に1以上の増分で、増加させられる。一つの実施形態では、消泡因子の用量は、例えば最初の30日間などの間隔の間に1以上の増分で、減少させられる。例えばアカルボースおよび消泡因子が投与される最初の30日などの間隔の後では、アカルボースは消泡因子なしで投与される。
別の局面において、本開示は血中グルコース濃度を調節する方法を特徴とする。この方法は、被験体に、腸ガスの形成または重症度を減少させる因子(この因子は、この因子が腸または結腸内で優先的に機能するような様式で投与される)と組み合わせて、アカルボースを投与する工程を包含する。
別の局面において、本開示は糖尿病または糖尿病関連障害を処置または予防する方法を特徴とする。この方法は、糖尿病、IGTまたは空腹時高血糖症を有する被験体に、腸ガスの形成または重症度を減少させる因子(この因子は、この因子が腸または結腸内で優先的に機能するような様式で投与される)と組み合わせて、アカルボースを投与する工程を包含する。
別の局面において、本開示は、例えば脳卒中、心筋梗塞または末梢性血管疾患などの大血管障害を処置または予防する方法を特徴とする。この方法は、被験体に、腸ガスの形成または重症度を減少させる因子(この因子は、この因子が腸または結腸内で優先的に機能するような様式で投与される)と組み合わせて、αグルコシダーゼインヒビター(例えばアカルボース)を投与する工程を包含し、それによって大血管障害の少なくとも一つの症状または素因が改善される。例示的な因子としては、糖開裂酵素(例えばαガラクトシダーゼまたはβグルコシダーゼ)、および、例えばシメチコーンなどの消泡因子が挙げられる。
別の局面において、本開示は、αグルコシダーゼ活性を阻害する第1の因子と、腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子とを含有する薬学的調製物を特徴とする。例えば、第1の因子は、アカルボースである。第2の因子の例としては、糖開裂酵素(例えば、αガラクトシダーゼまたはβグルコシダーゼ)、胃腸管からのガスの排出を促進する因子、または消泡因子が挙げられる。調製物は、液体、半固体または固体であり得る。例としては、錠剤またはゲルが挙げられる。
αガラクトシダーゼ酵素は、非ヒト生物(例えば哺乳動物以外の生物)由来(例えばAspergillus niger由来)であり得る。哺乳動物(例えばヒト)の、酵素も使用され得る。例示的組成物は、約4種の酵素の混合物である、BEANO(登録商標)である。例示的成分としては、キシリトール、インベルターゼ、クエン酸二ナトリウム、ゼラチンおよびソルビン酸カリウムのうちの一つ以上が挙げられ得る。
消泡因子は、シリコーンを基礎とする消泡剤であり得る。例示的な消泡因子としては:Dow Corning製のANTIFOAM FG−10TM、炭化水素−シリコンコポリマー、疎水性充填剤、有機−シリコーン界面活性剤、炭化水素キャリヤー油、そして、必要に応じてシリコーン油を含有する組成物(例えば米国特許第4,514,319号明細書を参照せよ)、鉱油含有分散疎水性固体粒子を含む組成物;流体炭化水素油中の疎水性シリカ(例えば米国特許第3,714,068号明細書を参照せよ);分散疎水性シリカを含有するポリオキシエチレン−ポリプロピレンコポリマーを含む組成物(例えば米国特許第3,959,176号明細書を参照せよ);塩化アルコキシケイ素を疎水性因子として含有する非シリコーン水不溶性ポリアルキレンを含有する組成物(例えば英国特許第1,166,877号明細書を参照せよ);有機液体中に分散させられた微細に分割されたポリオレフィンポリマーまたはポリエステルを含有する組成物(例えば米国特許第3,705,859号明細書を参照せよ);シリコーン油−シリカ化合物および有機シリコーン化合物を含有する組成物(例えば米国特許第3,691,091号明細書を参照せよ);ならびに、シリコーン油およびシリカと会合したシリコーン−グリコールコポリマーを含有する組成物(例えば米国特許第3,865,544号明細書を参照せよ)が挙げられる。米国特許第5,458,886号明細書は、二酸化チタンを含有する消泡因子を含め、いくつかの有用な消泡因子を記載している。調製物はまた、ケイ酸カルシウムおよび水溶性凝集マルトデキストリンのうちの1種以上を含有し得る。例えば、米国特許第5,073,384号明細書を参照せよ。
消泡因子としては、例えば、92〜98重量%の1種以上のポリジメチルシロキサンおよび2〜8重量%の高表面積シリカ(少なくとも50m/g)の混合物などが挙げられ得る。
例示的消泡因子は、シメチコーンである。シメチコーンは、NATIONAL FORMULARY,第14版,American Pharmaceutical Association,Washington,D.C.(1975)の648頁に、93%以上99%以下のジメチルポリシロキサン、および4%以上4.5%以下の二酸化ケイ素の混合物として記載されている。シメチコーンの他の特徴は、前述の出版物の示されたページに記載されており、この記載は、本明細書において参考として援用する。ジメチルポリシロキサンは、時々、ポリシロキサンまたは有機ポリシロキサンと呼ばれる。例えば、別のポリジメチルシロキサンおよび高表面積二酸化ケイ素の混合物など、関連する混合物もまた使用され得る。
シメチコーンは、第1の因子(例えばアカルボース)について、例えば重量対重量ベースで約10:1〜2:1もしくは1:1、または約1:2〜1:7などの、種々の比で存在し得る。
一つの実施形態では、調製物は、錠剤、ゲルまたは摂取に適した他の様式として処方される。例えば、第1および第2の因子は、錠剤の中で、互いに仕切られる。第2の因子は内側の層に含まれ得、そして第1の因子は外側の層に含まれ得る。調製物は、10mg〜20mgの間(例えば約12.5mg)の、20mg〜40mgの間(例えば約25mg)の、40mg〜65mgの間(例えば約50mg)の、または80mg〜120mgの間(例えば約100mg)の第1の因子を含有し得る。米国特許第5,456,920号明細書は、錠剤を生成するための例示的方法を記載している。
別の局面においては、本開示は、制御放出処方物の中にある糖開裂酵素を包含する薬学的調製物を特徴とする。例えば、この酵素はαガラクトシダーゼ活性を有する。この酵素は結晶形態であり得、そして/または架橋され得る。一つの実施形態では、この酵素は、腸溶性被覆物、pH感受性処方物、または時間遅延放出処方物の中にある。一つの実施形態では、酵素は野生型に関して変更されたpH感受性プロフィールを有する変異させられた酵素である。一つの実施形態では、酵素はチモーゲンとして処方される。
別の局面においては、本開示は、例えばアカルボースなどの、αグルコシダーゼ活性を阻害する第1の因子を含有する薬学的組成物と、腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子(例えば、1種以上の炭水化物消化酵素またはシメチコーン)を含有する薬学的組成物とを、含むキットを特徴とする。別の局面では、本開示は、それぞれが1単位以上の薬学的組成物を含む、複数の区画を含むキットを特徴とする。複数の区画の内の最初の部分集合は、第1投薬時の組成物単位を含み、複数の区画の内の2番目の部分集合は、第2投薬時の組成物単位を含む。薬学的組成物は、炭水化物消化を阻害する第1の因子と、腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子を含有する。
薬学的組成物中の活性成分の投与量は、それぞれの活性成分に対して推奨される投与量を参考にして適切に決定され得、数ある要因の中でも、受容者、受容者の年齢および体重、現在の臨床上の状態、投与時間、投薬形態、投与方法、ならびに活性成分の組み合わせに従って適切に選択され得る。投与頻度は、一日に約1回、2回、3回または4回であり得る。薬学的組成物中の活性成分の割合は、数ある要因の中でも、受容者、受容者の年齢および体重、現在の臨床上の状態、投与時間、剤型、投与方法、ならびに活性成分の組み合わせに従って適切に選択され得る。例えば、ボグリボースは、化合物またはその塩1重量部に対して、通常約0.0001重量部〜0.2重量部(例えば約0.001重量部〜0.02重量部)の割合で使用され得る。
アカルボースは好ましくは、結腸の近位部位において、炭水化物分解、例えばグルコシダーゼ活性を減少させるように、投与される。しかし、(例えばグルコシダーゼ活性を使用して)結腸の遠位部位中において炭水化物を消化する能力を保持させるのが有用である。このようにして、結腸の遠位部位における細菌叢にとって、炭水化物の利用が、低下させられる。
第1の因子(例えば炭水化物分解を減少させる因子(例えばアカルボース))および/または第2の因子は、別々にかまたは組み合わせてかいずれかで、これらの因子の一方または両方の放出を制御する種々の形態で処方され得る。第2の因子は、腸ガスを減少させるための化合物(例えば市販の化合物)であり得る。具体的な例としては、BEANO(登録商標)およびシメチコーンが挙げられる。
第1および第2の因子の一方または両方を処方するために、あらゆる処方が適合され得る。例えば、以下の特許文献において記載される処方の一つが、そのように適合され得る:米国特許第4,863,744号明細書は、3.5をこえるpHを有する選択された使用環境(例えば胃の後の胃腸部位)に、因子を送達するための送達システムを記載する。米国特許出願公開第2004−0062804号は、シメチコーンの遅延放出形態を包含する、改変された放出の投薬形態を記載する。米国特許出願公開第2003−0108743号は、因子の腸放出のための方法を記載する。米国特許第5,637,319号明細書は、腸の下部または結腸を包含する胃腸管の種々の部位への薬物送達のための経口放出制御調製物を記載する。
一つの実施形態では、処方物は、腸溶性被覆を包含する。米国特許第5,840,332号明細書は、消化管の遠位部位への因子の送達のための例示的処方物を記載する。この送達システムは、薬物送達の部位として、十二指腸、空腸、回腸、上行結腸、横行結腸および下行結腸への送達を可能にする。胃のpHが低いことと胃酵素が存在することが、腸溶性被覆の開発へとつながった。このような被覆は、胃粘膜を薬物刺激から保護し、そして、薬物を胃の酵素および/または低pHによる失活から保護する。被覆は選択的に不溶性の物質を使用して調製され得る。例示的な腸溶性被覆としては、メタクリル酸コポリマー(EUDRAGITSTM)、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートスクシネートおよびスチロールマレイン酸コポリマーが挙げられる(Ritschel,W.A.、Angewante Biopharmazie、Stuttgart(1973)、pp.396−402;Agyilirah,G.A.ら、「Polymers for Enteric Coating Applications」Polymers for Controlled Drug Delivery、Tarcha,P.J.編、CRC Press(1991)Boca Raton、pp.39−66)。
一つの実施形態では、第2の因子はタンパク質、例えばグルコシダーゼまたはガラクトシダーゼ、である。このタンパク質は、結晶形態、架橋された形態またはこれらの組み合わせで提供され得る。例えば、米国特許第6,541,606号明細書は、例示的な安定化タンパク質結晶処方物を記載する。別の例示的アプローチは、架橋酵素結晶技術(crosslinked enzyme crystal technology)である。例えば、N.L.St.Clairら、J.Am.Chem.Soc.、114、pp.4314−16(1992)およびPCT/US91/05415を参照せよ。架橋酵素結晶は、通常酵素機能と相容れない環境中でもその活性を維持し得る。そのような環境としては、プロテアーゼ、有機溶媒、高温または極端な値のpHへ長くさらされた状態が挙げられる。このような環境では、架橋酵素結晶は、不溶、安定かつ活性なままである。
一般に、結晶は、結晶化されるべきタンパク質を、適切な水性溶媒、または塩もしくは有機溶媒などの適切な結晶化因子を含有する水性溶媒と混合することによって生成される。溶媒はタンパク質と混合され、そして、実験的に、結晶化の誘導のために適切であり、そしてタンパク質の活性および安定性の維持のために受容可能であると決定された温度において、攪拌に共され得る。溶媒は必要に応じて、二価のカチオン、補因子またはカオトロープなどの共同溶質(co−solute)、ならびにpHを制御する緩衝分子種を含有し得る。共同溶質の必要性およびそれらの濃度は、結晶化を促進するように実験的に決められる。
架橋は、可逆的架橋剤を用いて、同時にまたは連続して、実施され得る。結果として生じる架橋タンパク質結晶は、トリガーが別々の基として組み込まれた、反応多官能性リンカーによって特徴づけられる。この反応多官能性は、タンパク質中の反応性アミノ酸側鎖を互いに連結させることに関与し、そしてトリガーは、一つ以上の周囲の環境条件(例えば、pH、温度または熱力学的水分活性)を変えることによって破壊され得る結合からなる。架橋剤とタンパク質との間の結合は、共有結合またはイオン結合または水素結合であり得る。周囲の環境の変化は、トリガー結合の切断およびタンパク質の溶解をもたらす。このように、このような可逆的架橋剤を用いて架橋されたタンパク質結晶の架橋が破壊されると、タンパク質結晶の溶解そしてそれゆえ活性の放出が開始される。結晶のタンパク質を架橋する例示的架橋剤は、米国特許第6,541,606号明細書に記載されている。
タンパク質結晶または処方物は、例えばミクロスフェアを形成するようにポリマーの被覆の中に、それら自体がカプセル化され得る。結晶は、有機溶媒に溶解されたポリマー性キャリア中に懸濁させる。ポリマー溶液は、タンパク質結晶のポリマーに対する重量比が約0.02と約20との間、好ましくは約0.1と約2との間を与えるような量であり得る。タンパク質結晶は、約0.5分と約30分との間の期間、好ましくは約1分と約3分との間の期間にわたり、溶液中のポリマーと接触させられ得る。
接触に続いて、結晶は被覆されるようになり、そしてこれは、発生期の(nascent)ミクロスフェアと呼ばれる。発生期のミクロスフェアは、被覆が起こっている間、サイズを増加する。好ましい実施形態では、懸濁された被覆結晶または発生期のミクロスフェアはポリマー性キャリアおよび有機溶媒とともに、乳化剤として知られる界面活性剤を含有する、大容量の水溶液に移される。水溶液中で、懸濁された発生期のミクロスフェアは、水相に浸され、そこで有機溶媒はこのポリマーから、蒸発または拡散する。最終的に、ポリマーがもはや可溶性でなく、そして沈殿相を形成してタンパク質結晶または処方物をカプセル化し組成物を形成する局面に到達する。乳化剤は、このプロセスの硬化段階の間に、系における物質の種々の相の間の界面張力を低下させ得る。あるいは、被覆ポリマーがある種の固有の界面活性を有する場合、必ずしも別々の界面活性剤を添加する必要はない。例示的乳化剤としては、ポリ(ビニルアルコール)、サーファクタント、およびポリマー被覆タンパク質結晶またはポリマー被覆結晶処方物と溶液との間の表面張力を低下させ得る他の界面活性剤が挙げられる。
一つの実施形態では、結晶は、BEANO(登録商標)中に存在する少なくとも1種以上の酵素を包含する結晶である。
(実施例:αグルコシダーゼインヒビター(アカルボースなど)および炭水化物開裂酵素(CCE)の投与)
αグルコシダーゼインヒビター(アカルボースなど)は、CCEと組み合わせて、例えば食事の開始時などに、投与され得る。この二つの因子は、効果を相殺する可能性を最小限にするように、例えばインヒビターが酵素を不活化するのを防止するように、投与され得る。いずれかまたは両方の因子が、時間遅延放出処方を使用して処方され得る。例えばこれらの因子は、例えばそれらのプロフィールが、インヒビターが腸の上部または結腸の近位部位において放出され、そしてCCEがGI管のさらに下りた部位(例えば結腸の遠位部位)において放出されるのに好都合となるように、異なる放出プロフィールを有するよう処方され得る。この設計は、腸の上部におけるアカルボースの作用を促進してグルコースの吸収を遅らせ、そして腸の下部におけるCCEの作用を促進して過剰な炭水化物が腸内細菌によって消化されるのを防止する。一つの実施形態では、CCEが時間遅延放出用に処方されるのに対して、インヒビターは代表的な放出用に処方される。
別の実施形態では、CCEは、例えばCCEが、腸の下部に特徴的なある一定のpHレベルに遭遇するまで放出も活性化もされないように、pH感受性放出用に処方される。その放出は、時間、pH、他の酵素の活性化(即ちCCE型因子は、下部腸の酵素または条件がこれらの因子を放出または活性化するまで、結合されている)、分子のある一定の被覆または丸薬の溶解などによって引き起こされ得る。CCEを変異させて、酵素活性がよりpH感受性になるようにする(例えば、酸性pHでは活性を減少させるが、結腸遠位でのより酸性度の弱いpHではより大きな相対活性を有するようにする)こともまた可能である。一つの実施形態では、CCEは、BEANO(登録商標)から使用可能な酵素である。
(実施例:αグルコシダーゼインヒビター(アカルボースなど)+シメチコーンの投与)
シメチコーンまたは別の消泡因子が、腸管中の過剰なガスの効果を改善するために使用され得る。消泡因子は、例えばおくびまたは放屁によりガスの排出を促進することによって、胃または腸下部の泡を軽減し得る。シメチコーンおよび他の消泡因子は、表面張力を低下させ、そしてそれによって泡を粉砕または破壊する。シメチコーンは、例えば、腸から吸収されないし、例えば健康状態または薬物療法に対して有害な副作用を有することも知られていない。シメチコーンは、通例の放出処方物、または、例えば時間遅延放出処方物もしくはpH依存性放出処方物などの制御放出処方物中にあり得る。
(実施例)
一つの方法は、複数の区画を含む包装(例えばブリスターパック)を特徴とする。各区画は、少なくとも1単位投与量のグルコシダーゼインヒビター(例えばアカルボース)を含み得る。これらの区画は、例えば、包装のある領域では低い投与量を有し、別の領域では中程度の用量を有し、そして、3番目の領域では高用量を有するというように、順序付けられ得る。例えば、区画は、例えば左から右へそして次に下へというように、または、例えば時計回りに円形に、連続して与えられ得る。区画は、順序の早い区画は低用量(例えば25mg)を有し、中ほどの順序の区画は2番目の用量(例えば50mg)を有し、そして順序の遅いの区画は3番目の用量(例えば100mg)を有するように配置され得る。包装は、漸増する投薬量のグルコシダーゼインヒビターを提供するように使用され得る。
単位用量が、日内周期の間に予想される2回または3回の食事のそれぞれに対して準備され得る。
(実施例)
25mgアカルボースおよび300GaIUのBEANO(登録商標)を含有する錠剤が生成される。これは一日3回食事とともに投与され得る。例えば、これは食事の前に服用され得る。
(実施例)
0.2mgのボグリボースおよび300GaIUのBEANO(登録商標)を含有する錠剤が、生成される。この錠剤は、食事とともに一日3回投与され得る。例えば、これは、食事の前に服用され得る。
他の実施形態も、下記の特許請求の範囲の範囲内にある。全ての特許明細書、出願および参考文献は、その全体を本明細書において参考として援用する。

Claims (36)

  1. 被験体の胃腸管中の炭水化物利用を調節する方法であって、該方法は、
    該被験体に、炭水化物の分解を阻害する第1の因子を、腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子と組み合せて、投与する工程
    を包含する、方法。
  2. 前記第1の因子がαグルコシダーゼのインヒビターを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の因子が、
    Figure 2008514549
    を含み、
    該式中、各Rは、独立にH、C〜Cアルキル、C(O)Rまたはアリールアルキルであり;
    は、C〜Cアルキルであり;
    各Rは、独立にC〜Cアルキルまたはアリールであり、
    各X、YおよびZは、独立にNRまたはOであり;そして
    各Rは、独立にH、アルキルまたはアリールアルキルである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の因子がアカルボースを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の因子がボグリボースを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の因子が炭水化物を消化する酵素、または炭水化物を消化する酵素の混合物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記第2の因子がαガラクトシダーゼまたはβグルコシダーゼを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第2の因子が遅延放出組成物または部位依存性放出組成物として処方される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2の因子が腸溶性カプセル化によって、または酵素誘発性放出組成物として処方される、請求項7に記載の方法。
  10. 前記第2の因子が消泡因子を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第2の因子がシメチコーンを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記被験体が正常血中グルコース反応を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記被験体が、標準値に関してグルコース不耐性であるか、または損なわれたグルコース耐性(IGT)を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記被験体が、糖尿病、大血管障害またはメタボリックシンドロームを有するか、またはこれらに罹患する危険性がある、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記第2の因子が、該第2の因子が回腸中で優先的に作用するような様式で投与される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記第1の因子および前記第2の因子が同時に処方される、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記第1の因子および前記第2の因子が各食事に関連して同時に投与される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記第1の因子および前記第2の因子が、同時に投与される、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記第1の因子および前記第2の因子が、異なる時間に投与される、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  20. 前記第2の因子が、該第2の因子が腸または結腸中で優先的に作用するような様式で投与される、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  21. 被験体にアカルボースを投与する方法であって、該方法は、
    該被験体に、消泡因子と組み合せてアカルボースを投与する工程
    を包含する、方法。
  22. 前記消泡因子が、シメチコーンである、請求項21に記載の方法。
  23. 少なくとも30日間の間、主要な食事のそれぞれの前に、アカルボースおよび前記消泡因子が前記被験体に投与される、請求項21に記載の方法。
  24. 前記アカルボースの用量が、最初の30日の間に、1以上の増分で増加させられる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記消泡因子の用量が、最初の30日の間に、1以上の増分で減少させられる、請求項23に記載の方法。
  26. 前記アカルボースおよび前記消泡因子が投与される最初の期間の後に、アカルボースが、該消泡因子なしで投与される、請求項23に記載の方法。
  27. αグルコシダーゼ活性を阻害する第1の因子;および
    腸ガスの形成または重症度を減少させる第2の因子
    を含有する、薬学的調製物。
  28. 前記第1の因子がアカルボースである、請求項27に記載の薬学的調製物。
  29. 前記第2の因子が糖開裂酵素を含む、請求項27または28に記載の薬学的調製物。
  30. 前記糖開裂酵素がα−グルコシダーゼである、請求項29に記載の薬学的調製物。
  31. 前記第2の因子が胃腸管からのガスの排出を促進する因子である、請求項27または28に記載の薬学的調製物。
  32. 前記第2の因子がシメチコーンである、請求項27または28に記載の薬学的調製物。
  33. 錠剤またはゲルとして処方される、請求項27〜32のいずれかに記載の薬学的調製物。
  34. 前記第1の因子および前記第2の因子が、錠剤中で互いに仕切られている、請求項27〜32のいずれかに記載の薬学的調製物。
  35. 前記第2の因子が内側の層に含まれ、そして、前記第1の因子が外側の層に含まれる、請求項34に記載の薬学的調製物。
  36. 20mg〜40mgの間、40mg〜65mgの間、または80mg〜120mgの間の前記第1の因子を含む、請求項33に記載の薬学的調製物。
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