JP2008512420A - 口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Abstract
生理活性物質およびビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する口腔内崩壊錠、ならびに、生理活性物質およびビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する組成物を造粒した後に打錠を実施することを特徴とする、口腔内崩壊錠を製造するための方法。
Description
本発明は、口腔内崩壊錠および該口腔内崩壊錠を製造するための方法に関する。
唾液などの浸透を容易にするためには、口腔内崩壊錠に多孔性を与える必要があり、また該口腔内崩壊錠の崩壊を速めるためには、それらに膨潤性を与える必要がある。
口腔内崩壊錠の主な原料は糖であり、味や舌触りなどの点から糖アルコールが用いられることが多い。この糖は一般に成形性に乏しいため、結晶セルロースなどの優れた成形性を有する物質が配合されており、さらに、急速な崩壊を達成するために、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、デンプンなどが用いられている(例えば、特許文献1、日本国特開2003-81814号公報および非特許文献1〜4:M. Sugiharaら: Research Report, Ministry of Health & Welfare Scientific Research Grant-Aided Silver Science Laboratory、Y. Hondaら: Byoin Yakugaku, 24(5), 533-540 (1998)、Tsushimaら: Seizai Kikai Gijutsu Kenkyu Kaishi, 10(4), 305-317 (2001)、K. Ogataら: Iryo Yakugaku, 27(6), 553-558 (2001)を参照されたい)。
このような状況下、新しいタイプの添加剤を配合した口腔内崩壊錠の開発が待ち望まれている。
現在、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーは錠剤用のコーティング剤として使用されているが、該コポリマーが口腔内崩壊錠に使用されたことはない。
本発明は、新規添加剤を配合した口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
この目的を達成するために入念な研究を重ねた結果、口腔内崩壊錠に従来使用される添加剤とは全く異なるタイプの添加剤であるポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを使用して口腔内崩壊錠を製造すると、全く予想外なことに、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが崩壊剤として機能することを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、以下(1)〜(7)を包含する。
(1) 生理活性物質およびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する口腔内崩壊錠。
(2) 糖を含有する、前記(1)の口腔内崩壊錠。
(3) 前記糖が糖アルコールである、前記(2)の口腔内崩壊錠。
(4) 生理活性物質およびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する組成物を造粒した後に打錠を実施することを特徴とする、口腔内崩壊錠を製造するための方法。
(5) 前記組成物が糖を含有するものである、前記(4)の方法。
(6) 前記糖が糖アルコールである、前記(5)の方法。
(7) 前記(4)〜(6)のいずれか1つに記載の方法により製造した口腔内崩壊錠。
本発明により、新しいタイプの添加剤を配合した口腔内崩壊錠を提供することができる。
本発明に用いる生理活性物質は、固体形態、粉末形態、結晶形態、油形態、溶液形態などを取っていてもよく、また健康補助食品、解熱、鎮痛および抗炎症薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、CNS作用薬、覚醒薬、脳循環改善薬、抗痙攣薬、アドレナリン作動薬、胃腸薬、制酸薬、抗潰瘍薬、鎮咳去痰薬、制吐薬、呼吸刺激薬、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、抗高血圧薬、血管収縮薬、冠動脈(血管)拡張薬、末梢血管拡張薬、抗高脂血症薬、利胆薬、抗生物質、化学療法薬、糖尿病用薬、骨粗鬆症用薬、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ薬、痛風治療薬、抗凝固薬、抗癌薬ならびにアルツハイマー病治療薬から選択される1種以上の医薬成分を使用してもよい。これらの生理活性物質は、それらの遊離形態または塩形態を取りうるし、またラセミ体または光学活性異性体であってもよく、さらにはプロドラッグであってもよい。
健康補助食品の具体例は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE (酢酸d-α-トコフェロールなど)、ビタミンB1(ジベンゾイルチアミン、塩酸フルスルチアミンなど)、ビタミンB2 (酪酸リボフラビンなど)、ビタミンB6 (塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンC (アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウムなど)、ビタミンB12 (酢酸ヒドロキソコバラミン、シアノコバラミンなど)といったビタミン、カルシウム、マグネシウムおよび鉄などのミネラル、タンパク質、アミノ酸、オリゴ糖、生薬などである。解熱、鎮痛および抗炎症薬の具体例は、アスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどである。向精神薬の具体例は、クロルプロマジン、レセルピンなどである。抗不安薬の具体例は、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどである。抗うつ薬の具体例は、イミプラミン、塩酸マプロチリン、アンフェタミンなどである。催眠鎮静薬の具体例は、エスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピン、フェノバルビタールナトリウムなどである。鎮痙薬の具体例は、臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどである。
CNS作用薬の具体例はシチコリンなどである。覚醒薬の具体例はメクロフェノキサートなどである。脳循環改善薬の具体例はビンポセチンなどである。抗痙攣薬の具体例は、フェニトイン、カルバマゼピンなどである。アドレナリン作動薬の具体例はイソプロテレノールなどである。胃腸薬の具体例は、ジアスターゼ、糖含有ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、桂皮油および他のかかる健胃消化薬、塩化ベルベリン、耐性乳酸菌、ビフィズス菌および腸管機能を整えるための他のかかる薬剤である。制酸薬の具体例は、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどである。抗潰瘍薬の具体例は、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールおよび他のかかるベンズイミダゾール系化合物またはその塩(光学活性異性体を含む)および他のかかるPPI、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンおよび他のタイプのヒスタミンH2受容体拮抗薬である。鎮咳去痰薬の具体例は、塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメトルファン、テオフィリン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、リン酸コデインなどである。制吐薬の具体例は、塩酸ジフェニドール、メトクロプラミドなどである。呼吸刺激薬の具体例は酒石酸レバロルファンなどである。気管支拡張薬の具体例は、テオフィリン、硫酸サルブタモールなどである。抗アレルギー薬の具体例は、アンレキサノクス、セラトロダストなどである。歯科口腔用薬の具体例は、オキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインなどである。抗ヒスタミン薬の具体例は、塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl-マレイン酸クロルフェニラミンなどである。強心薬の具体例は、カフェイン、ジゴキシンなどである。不整脈用薬の具体例は、塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどである。利尿薬の具体例は、イソソルビド、フロセミド、HCTZおよび他のチアジド剤である。
抗高血圧薬の具体例としては、塩酸デラプリル、カプトプリル、臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、塩酸ラベタロール、塩酸マニジピン、カンデサルタンシレキセチル、メチルドパ、ロサルタン、バルサルタン、エポサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタンなどがある。血管収縮薬の具体例としては塩酸フェニレフリンなどがある。冠動脈(血管)拡張薬としては、塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ベラパミルなどがある。末梢血管拡張薬としては、シンナリジンなどがある。抗高脂血症薬の具体例としては、セリバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチンなどがある。利胆薬としては、デヒドロコール酸、トレピブトンなどがある。抗生物質としては、セファレキシン、セファクロル、アモキシシリン、塩酸ピブメシリナム、塩酸セフォチアムヘキセチル、セファドロキシル、セフィキシム、セフジトレンピボキシル、セフテラムピボキシル、セフポドキシムプロキセチル、塩酸セフォチアム、塩酸セフォゾプラン、塩酸セフメノキシム、セフスロジンナトリウムおよび他のかかるセフェム系、アンピシリン、シクラシリン、スルベニシリンナトリウム、ナリジクス酸、エノキサシンおよび他の合成抗菌薬、カルモナムナトリウムならびに他のかかるモノバクタム系、ペネム系およびカルバペネム系抗生物質が挙げられる。化学療法薬の具体例は、スルファメチゾール、塩酸スルファメチゾール、チアゾスルホンなどである。糖尿病用薬の具体例は、トルブタミド、ボグリボース、塩酸ピオグリタゾン、グリベンクラミド、トログリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン、アカルボース、ミグリトール、エミグリトール(emiglitol)などである。骨粗鬆症用薬の具体例としては、イプリフラボンなどがある。骨格筋弛緩薬の具体例は、メトカルバモールなどである。抗リウマチ薬の具体例は、メトトレキサート、ブシラミンなどである。ホルモン剤の具体例としては、リオチロニン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、プレドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどがある。アルカロイド系麻薬の具体例は、アヘン、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸コカインなどである。サルファ薬の具体例は、スルファミン、スルフイソミジン、スルファメチゾールなどである。痛風用治療薬の具体例としては、アロプリノール、コルヒチンなどがある。抗凝固薬の具体例としては、ジクマロールなどがある。抗癌薬の具体例としては、5-フルオロウラシル、ウラシル、マイトマイシンなどがある。アルツハイマー病を治療するための薬物の具体例は、イデベノン、ビンポセチンなどである。解熱、鎮痛および抗炎症薬であるイブプロフェン、ならびに不整脈用薬である塩酸プロプラノロールは、本発明に用いると有利な薬物成分の具体例である。前述の医薬成分のうちの2種以上を本発明の口腔内崩壊錠に一緒に配合してもよい。前述の医薬成分の量は、通常、100重量部の口腔内崩壊錠当たり、0.01〜90重量部、好ましくは0.02〜60重量部、より好ましくは0.05〜50重量部とする。
本発明に使用するポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーは、ポリビニルアルコール単位およびポリエチレングリコール単位を含むグラフトコポリマーであり、該コポリマーは本発明の口腔内崩壊錠において崩壊剤として機能する。
前述のポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーは、好ましくは、ポリビニルアルコール単位とポリエチレングリコール単位との重量比が60 : 40〜90 : 10であり、かつ重量平均分子量が30,000〜60,000である。かかる好適なポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーの一例としては、BASFから販売されているKollicoat(商標)IR (75 wt%のポリビニルアルコール単位と25 wt%のポリエチレングリコール単位からなり、重量平均分子量は約45,000である)があり、これを本発明に使用することができるが、他の製品を用いてもよい。100重量部の口腔内崩壊錠当たり、1〜20 重量部、好ましくは3〜20 重量部、より好ましくは5〜20 重量部のポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを使用する。
本発明の口腔内崩壊錠は、生理活性物質およびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーに加えて、口腔内崩壊錠の製造時に一般に使用される結合剤、充填剤/賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色料、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料などをさらに含んでいてもよい。その添加量は、口腔内崩壊錠の製造時に通常使用される分量とする。
結合剤の具体例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、α化デンプン、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルラン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどである。
充填剤/賦形剤の具体例は、乳糖、ショ糖および糖アルコール(例えば、D-マンニトール)などの糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、酸化チタンなどである。通常は、100重量部の口腔内崩壊錠当たり50〜80重量部の糖アルコール、例えばD-マンニトールを配合する。
崩壊剤としては、医薬品製剤の分野で一般に使用される崩壊剤を用いることが可能であり、その具体例は、(1) クロスポビドン、(2) クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムまたはスーパー崩壊剤として知られる他のかかる崩壊剤、(3) カルボキシメチルスターチナトリウム、(4) 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および(5)コーンスターチである。前述のクロスポビドンとしては、ポリビニルポリピロリドン(PVPP)または1-ビニル-2-ピロリジノンホモポリマーとして知られる物質が挙げられるが、1-エテニル-2-ピロリジノンホモポリマーという化学名を持つ架橋された重合物であってもよく、具体例としてはKollidon CL (BASF製)が挙げられる。これらの崩壊剤はそれら単独で使用してもよく、または2種以上を一緒に用いてもよい。
本発明に使用するポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが崩壊剤として機能するので、前述の崩壊剤を用いる必要はない。しかし、前述の崩壊剤の中では、100重量部の口腔内崩壊錠当たり1〜5重量部のKollidon CL (BASF製)を使用することが好ましい。
滑沢剤の具体例は、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などである。着色料の具体例は、食用黄色5号、食用赤色2号および食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、レッドオーカーなどである。酸味料としては、クエン酸(無水クエン酸)、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。発泡剤の一例は炭酸水素ナトリウムである。人工甘味料の具体例は、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどである。香料は合成のものであっても天然のものであってもよく、具体例としては、レモン、ライム、オレンジ、メントール、ストロベリーなどが挙げられる。
本発明の口腔内崩壊錠は、例えば、生理活性物質、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマー、および場合によって前述の結合剤、充填剤/賦形剤、崩壊剤などを含有する組成物を造粒に供し、その後場合によって滑沢剤などとの混合を実施し、さらに打錠を行うことにより、製造することができる。
製造した造粒物は、粒状形態という点で特に制限を受けることはなく、核を含有していてもいなくてもよい。さらに、造粒物が核を有する場合、該核は生理活性物質を含有していてもいなくてもよい。造粒物が核を有していない場合、周知の造粒法により製造することができる。造粒法の具体例は、転動造粒法(例えば、遠心転動造粒法)、流動造粒法(例えば、転動流動層造粒または流動造粒)および攪拌造粒法である。これらの中では、流動造粒法が好ましい。転動流動層造粒法は特に好ましい。転動造粒法の具体例としては、Freund Corporation製の「CF Equipment」を使用する方法がある。転動流動層造粒法の具体例としては、例えば、「Spir-a-Flow」、またはPowrex Corporation製の「Multiplex」、またはFuji Paudal Co.製の「New Marum」を使用する方法がある。混合液の噴射方法については造粒装置の種類に応じて適切に選択することが可能であり、例えば、トップスプレー方式、ボトムスプレー方式またはタンジェンシャルスプレー方式を利用することができる。これらの中では、タンジェンシャルスプレー方式が好ましい。
一方、造粒物が核を有する場合には、公知方法により核を生理活性物質などでコーティングすることによって製造することができる。例えば、特開平5-092918号公報に記載の製造法(コーティング法)に基づいて、結晶セルロースおよび乳糖を含む核に生理活性物質および場合により結合剤、滑沢剤および充填剤/賦形剤などをコーティングすることにより、製造することができる。
前述の造粒物の粒径は特に制限を受けないが、細粒または顆粒が好ましく、また口中にざらざらした舌触りや不快感を与えないように平均粒径を約400μm以下とする。好適な平均粒径は200〜400μm、より好ましくは300〜400μmである。
本発明の口腔内崩壊錠は、医薬品製剤分野で通常使用されるような方法により製造する。例えば、前述の造粒物を滑沢剤および/または水などの任意の添加剤と混合し、打錠を行い、その後必要に応じて乾燥を実施する。混合は、混合それ自体、混練、造粒などの一般に利用されている混合法により実行する。混合は、例えば、Vertical Granulator VG10(Powrex Corporation製)、Universal Kneader (Hata Tekkosho製)、Fluidized Bed Granulator LAB-1またはFD-3S (Powrex Corporation製)、V型混合機、タンブラー混合機などの装置を使用して行ってもよい。例えば、V型混合機を用いて混合を行う場合、ステアリン酸マグネシウムならびに生理活性物質、D-マンニトールおよびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する造粒物を所望の容量のV型混合機にそれぞれ導入し、これらを5分間混ぜ合わせ、その後混合物を取り出して打錠に供する。
打錠は、単発錠剤機(Kikusui Seisakusho Ltd製)、回転式錠剤機(Kikusui Seisakusho Ltd製)などを使用して行い、また通常は、打錠は、0.5〜2.0 Ton/cm2、好ましくは1.5〜2.0 Ton/cm2の圧力で行う。乾燥は、真空乾燥、流動層乾燥などの、医薬品製剤を乾燥させる際に一般に用いられる方法のいずれかを利用して行ってもよい。
本発明の口腔内崩壊錠は、水なしで咀嚼するなどしてから嚥下することにより、通常の口腔内崩壊錠と同じように服用することができる。かかる口腔内崩壊錠の投与量は、特定の生理活性物質(医薬成分)、投与対象および症状の種類などによって異なるが、投与する生理活性物質の量が有効投与量となるような範囲内から選択すべきである。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1) 崩壊剤Kollidon CL2%製剤の崩壊性評価
ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが、優れた崩壊性能を持つ基剤であることが知られている低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと同様の崩壊性能を持つことを示すために、次の試験を行った。
ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが、優れた崩壊性能を持つ基剤であることが知られている低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと同様の崩壊性能を持つことを示すために、次の試験を行った。
ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーとして、BASF製のKollicoat(商標)IRを使用した。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとして、Shin-Etsu Chemical Co.製のLH22 (以後はL-HPCと記す)を使用した。
12 gのビタミンC、356 gのD-マンニトール、8 gのBASF製Kollidon CLおよび20 gのBASF製Kollicoat(商標)IRまたはL-HPCを、Powrex Corporation製のMultiplex (MP-01)流動層造粒機の粉末流動部に導入し、水を細かい霧状にしながら、総量300 mLを、前述の流動粉末上に毎分10 mLの速度で約30分間にわたって振りかけた。製造条件は、排気温度を約30℃に維持するために、給気温度を約90℃、乾燥空気量を40〜50 m3/時間に設定した。前記粉末から造粒物が作り出された。
水の噴霧を停止させてから前記と同じ給気温度で乾燥を進め、排気温度が40℃に達した時点で造粒工程を終了させた。造粒物を粉末流動部から取り出し、20メッシュの篩に通した。このようにして、Kollicoat(商標)IR造粒物およびL-HPC造粒物をそれぞれ取得した。
4 gのステアリン酸マグネシウム滑沢剤を396 gのKollicoat(商標)IR造粒物またはL-HPC造粒物と混合した後、Kikusui Seisakusho Ltd製の錠剤機(VIRG0506SS2AZ)を使用し、0.5、1.0、1.5または2.0 Ton/cm2の打錠圧で、11.3 mm、400 mgの平錠を製造した。
これらの平錠の崩壊性の評価を、日本薬局方の崩壊性試験法(試験液:水)に従って行った。結果を図1に示す。
L-HPC製剤とKollicoat(商標)IR製剤を比較すると、前者の崩壊時間の方が短い傾向にあったが、その時間は誤差範囲内であり、崩壊性能は本質的に同じであった。
(実施例2) 崩壊剤Kollidon CLを添加せずに製造した製剤の崩壊性評価
前記と同じ処方であるがその崩壊性が卓越していると言われているKollidon CLは除外した場合について、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトポリマーの崩壊性能の評価を行った。
前記と同じ処方であるがその崩壊性が卓越していると言われているKollidon CLは除外した場合について、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトポリマーの崩壊性能の評価を行った。
12 gのビタミンC、364 gのD-マンニトールおよび20 gのBASF製Kollicoat(商標)IRまたはL-HPCを、Powrex Corporation製のMultiplex (MP-01)流動層造粒機の粉末流動部に導入し、水を細かい霧状にしながら、総量300 mLを、前述の流動粉末上に毎分10 mLの速度で約30分間にわたって振りかけた。製造条件は、排気温度を約30℃に維持するために、給気温度を約90℃、乾燥空気量を40〜50 m3/時間に設定した。前記粉末から造粒物が作り出された。
水の噴霧を停止させてから前記と同じ給気温度で乾燥を進め、排気温度が40℃に達した時点で造粒工程を終了させた。顆粒を粉末流動部から取り出し、20メッシュの篩に通した。このようにして、Kollicoat(商標)IR造粒物およびL-HPC造粒物をそれぞれ取得した。
4 gのステアリン酸マグネシウム滑沢剤を396 gのKollicoat(商標)IR造粒物またはL-HPC造粒物と混合した後、Kikusui Seisakusho Ltd製の錠剤機(VIRG0506SS2AZ)を使用し、0.5、1.0、1.5または2.0 Ton/cm2の打錠圧で、11.3 mm、400 mgの平錠を製造した。
これらの平錠の崩壊性の評価を、日本薬局方の崩壊性試験法(試験液:水)に従って行った。結果を図2に示す。
Kollidon CL崩壊剤を添加しなくても、Kollicoat(商標)IR造粒物およびL-HPC造粒物の崩壊性は極めて良好であった。
Kollicoat(商標)IRは、セルロース材料であるL-HPCの崩壊性能に匹敵する性能を持つ合成基剤であり、口腔内崩壊錠用の崩壊剤としてのその有用性が確認された。
Claims (7)
- 生理活性物質およびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する口腔内崩壊錠。
- 糖を含有する、請求項1記載の口腔内崩壊錠。
- 前記糖が糖アルコールである、請求項2記載の口腔内崩壊錠。
- 生理活性物質およびポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフトコポリマーを含有する組成物を造粒した後に打錠を実施することを特徴とする、口腔内崩壊錠を製造するための方法。
- 前記組成物が糖を含有するものである、請求項4記載の方法。
- 前記糖が糖アルコールである、請求項5記載の方法。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法により製造した口腔内崩壊錠。
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