JP2001342128A - 湿度に対して安定された硬度を有する口腔内崩壊錠 - Google Patents

湿度に対して安定された硬度を有する口腔内崩壊錠

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JP2001342128A
JP2001342128A JP2000164212A JP2000164212A JP2001342128A JP 2001342128 A JP2001342128 A JP 2001342128A JP 2000164212 A JP2000164212 A JP 2000164212A JP 2000164212 A JP2000164212 A JP 2000164212A JP 2001342128 A JP2001342128 A JP 2001342128A
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Mitsutoshi Tatara
光敏 多々良
Koji Matsunaga
宏二 松永
Toshito Shimizu
俊人 清水
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Sato Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sato Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度に対して安定された硬度を有する口腔内
崩壊を提供する。 【解決手段】 成分として、医薬成分及び水溶性結合剤
を含有しかつ実質的に崩壊剤を含有しない。前記水溶性
結合剤は、以下の特性を有する。 (1)37℃、20%水溶液の粘度が、2000cps以
下である。 (2)25℃、相対湿度75%での平衡水分含有量が2
0%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿度に対して安定
された硬度を有する口腔内崩壊錠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、口腔内で容易に崩壊する口腔
内崩壊錠が知られている。現在、口腔内崩壊錠に関する
明確な定義はないが、一般に錠剤の服用後、口腔内で速
やかに崩壊する機能を有した錠剤をいい、期待される崩
壊時間は、口腔内で咀嚼することなしに、60秒以内、
好ましくは、30秒以内、更に好ましくは、15秒以内
である。口腔内崩壊錠は、水なしでの服用が可能であ
り、特に、嚥下能力の低い幼児や高齢者等にとって非常
に有用な錠剤である。
【0003】このような口腔内崩壊錠としては、例え
ば、錠剤における空隙率を大きくして、嚥下時に唾液と
接触して、唾液中の水分を急速に吸収し、速やかに崩壊
するようにしたものや、錠剤中に崩壊剤を配合すること
により、唾液との接触により、錠剤が水分を吸収して、
錠剤の崩壊を促進するもの等が考案されている。しかし
ながら、空隙率を大きくする場合には、錠剤自体の強度
が大きくないため、搬送中や、錠剤を納めた容器から錠
剤を取り出する場合等に、錠剤が欠け、取扱い上不便で
ある等の問題がある。また、錠剤が吸湿した場合は、錠
剤の強度が更に低下し、服用以前に錠剤が破損するおそ
れがある。また、崩壊剤を配合した場合には、崩壊剤自
体が水分吸収性が大きいので、錠剤を嚥下するまで、湿
度との接触をできるだけ制限する必要があり、また、一
旦、保存容器から取り出された場合、錠剤が空気中の水
分を吸水することにより膨潤し、錠剤としての強度が低
下するので、錠剤は、容器から取り出してからできるだ
け速やかに使用する必要があるなどやはり、取扱い上の
制限がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来より、取
扱いが容易でかつ錠剤強度が空気中の水分に曝されて
も、実質的に変化せず、嚥下する場合に、唾液中の水分
によって、急速に崩壊する錠剤を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、鋭意検討した結果、錠剤において使用され
ている崩壊剤を実質的に使用することなく、その代わり
に、特定の水溶性結合剤を使用することにより、上記課
題を達成できることを見出し、本発明に到達したもので
ある。即ち、本発明は、医薬成分及び水溶性結合剤を含
有しかつ実質的に崩壊剤を含有しない口腔内崩壊錠であ
って、前記水溶性結合剤が、(1)37℃、20%水溶
液の粘度が、2000cps以下、かつ(2)25℃、相
対湿度75%での平衡水分含有量が20%以下、の特性
を有することを特徴とする口腔内崩壊錠に関するもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の口腔内崩壊錠に使用される医薬成分とし
ては、各種の医薬成分を特に制限なく、任意に使用する
ことができる。このような医薬成分としては、固形状
や、粉末状、結晶状、油状、溶液状など何れの形態のも
のでもよい。医薬成分としては、具体的には、例えば、
滋養強壮保健薬や、解熱鎮痛消炎薬、向精神病薬、抗不
安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用
薬、脳代謝改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃
腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促
進剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、歯科口腔用薬、
抗ヒスタミン剤、強心剤、抗不整脈薬、利尿薬、血圧降
下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、抗
高脂血症剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、抗糖尿病
剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩薬、鎮うん剤、ホル
モン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療
薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、アルツハイマー病
治療薬などから選ばれた1種又は2種以上の成分が挙げ
られる。
【0007】滋養強壮保健薬としては、例えば、ビタミ
ンAや、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフ
ェロールなど)、ビタミンB1(ジベンゾイルチアミ
ン、フルスルチアミン塩酸塩など)、ビタミンB2(酪
酸リボフラビンなど)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシ
ンなど)、ビタミンC(アスコルビン酸、L−アスコル
ビン酸ナトリウムなど)、ビタミンB12(酢酸ヒドロキ
ソコバラミンなど)のビタミン;カルシウム、マグネシ
ウム、鉄などのミネラル;タンパク、アミノ酸、オリゴ
糖、生薬などが挙げられる。解熱鎮痛消炎薬としては、
例えば、アスピリンや、アセトアミノフェン、エテンザ
ミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl-
マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイ
ン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニ
ルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、
セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メ
フェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム
酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、
インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げ
られる。
【0008】向精神病薬としては、例えば、クロルプロ
マジンや、レセルピンなどが挙げられる。抗不安薬とし
ては、例えば、アルプラゾラムや、クロルジアゼポキシ
ド、ジアゼパムなどが挙げられる。抗うつ薬としては、
例えば、イミプラミンや、マプロチリン、アンフェタミ
ンなどが挙げられる。催眠鎮静薬としては、例えば、エ
スタゾラムや、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピ
ン、フェノバルビタールナトリウムなどが挙げられる。
鎮痙薬としては、例えば、臭化水素酸スコポラミンや、
塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどが挙げら
れる。中枢神経作用薬としては、例えば、シチコリン
や、ロチレニンなどが挙げられる。脳代謝改善剤として
は、例えば、ビンポセチンや、塩酸メクロフェノキセー
トなどが挙げられる。抗てんかん剤としては、例えば、
フェニトインや、カルバマゼピンなどが挙げられる。交
感神経興奮剤としては、例えば、塩酸イソプロテレノー
ルなどが挙げられる。
【0009】胃腸薬としては、例えば、ジアスターゼ
や、含糖ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、
リパーゼAP、ケイヒ油などの健胃消化剤;塩酸ペルペ
リン、耐性乳酸菌、ビフィズス菌などの整腸剤などが挙
げられる。制酸剤としては、例えば、炭酸マグネシウム
や、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネ
シウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、
酸化マグネシウムなどが挙げられる。抗潰瘍剤として
は、例えば、ランソプラゾールや、オメプラゾール、ラ
ベプラゾール、パントプラゾール、ファモチジン、シメ
チジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられる。
【0010】鎮咳去痰剤としては、例えば、塩酸クロペ
ラスチンや、臭化水素酸デキストロメルトファン、テオ
フィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフ
ェネシン、リン酸コデインなどが挙げられる。鎮吐剤と
しては、例えば、塩酸ジフェニドールや、メトクロプラ
ミドなどが挙げられる。呼吸促進剤としては、例えば、
酒石酸レバロルファンなどが挙げられる。気管支拡張剤
としては、例えば、テオフィリンや、硫酸サルブタノー
ルなどが挙げられる。抗アレルギー薬としては、例え
ば、アンレキサノクスや、セラトロダストなどが挙げら
れる。
【0011】歯科口腔用薬としては、例えば、オキシテ
トラサイクリンや、トリアムシノロンアセトニド、塩酸
クロルヘキシジン、リドカインなどが挙げられる。抗ヒ
スタミン剤としては、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン
や、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl-マレイン
酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。強心剤として
は、例えば、カフェインや、ジゴキシンなどが挙げられ
る。抗不整脈薬としては、例えば、塩酸プロカインアミ
ドや、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどが挙げ
られる。
【0012】利尿薬としては、例えば、イソソルビド
や、フロセミドなどが挙げられる。血圧降下剤として
は、例えば、塩酸デラプリルや、カプトプリル、臭化ヘ
キサメトニウム、塩酸ヒドララジン、塩酸ラベタロー
ル、塩酸マニジピン、カンデサルタン シレキセチル、
メチルドーパ、ロサルタン、バルサルタン、エプロサル
タン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタ
ン、ポミサルタン、リピサルタン、フォラサルタンなど
が挙げられる。
【0013】血管収縮剤としては、例えば、塩酸フェニ
レフリンなどが挙げられる。冠血管拡張剤としては、例
えば、塩酸カルボクロメンや、モルシドミン、塩酸ベラ
パミルなどが挙げられる。末梢血管拡張薬としては、例
えば、シンナリジンなどが挙げられる。抗高脂血症剤と
しては、例えば、セリバスタンチンナトリウムや、シン
バスタチン、プラバススタチンナトリウムなどが挙げら
れる。利胆剤としては、例えば、デヒドロコール酸や、
トレピブトンなどが挙げられる。抗生物質としては、例
えば、セファレキシンや、アモキシシリン、塩酸ピブメ
シリナム、塩酸セフォチアム、塩酸セフォゾプラン、塩
酸セフメノキシム、セフスロジンナトリウムなどのセフ
ェム系抗生物質;アンピシリン、シクラシリン、スルベ
ニシリンナトリウム、ナリジクス酸、エノキサシンなど
の合成抗菌剤;カルモナムナトリウムなどのモノバクタ
ム系抗生物質;ペネム系抗生物質及びカルバペネム系抗
生物質などが挙げられる。
【0014】化学療法剤としては、例えば、塩酸スルフ
ァメチゾールや、チアゾスルホンなどが挙げられる。抗
糖尿病剤としては、例えば、トルブタミドや、ボグリボ
ース、(塩酸)ピオグリタゾン、トログリタゾン、アカ
ルボース、ミグリトール、エミグリテートなどが挙げら
れる。骨粗しょう症用剤としては、例えば、イプリフラ
ボンなどが挙げられる。骨格筋弛緩薬としては、例え
ば、メトカルバモールなどが挙げられる。鎮うん剤とし
ては、例えば、塩酸メクリジンや、ジメンヒドリナート
などが挙げられる。
【0015】ホルモン剤としては、例えば、リオチロニ
ンナトリウムや、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレ
ドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンな
どが挙げられる。アルカロイド系麻薬としては、例え
ば、アヘンや、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコド
ン、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸コカインなどが挙げ
られる。サルファ剤としては、例えば、スルファミン
や、スルファメチゾールなどが挙げられる。痛風治療薬
としては、例えば、アロプリノールや、コルヒチンなど
が挙げられる。血液凝固阻止剤としては、例えば、ジク
マロールなどが挙げられる。抗悪性腫瘍剤としては、例
えば、5−フルオロウラシルや、ウラシル、マイトマイ
シンなどが挙げられる。アルツハイマー病治療薬として
は、例えば、イデベノンや、ビンポセチンなどが挙げら
れる。
【0016】医薬成分には、その味や、臭気等をマスク
したり、腸溶化あるいは徐放化等の目的で、コーティン
グをしてもよい。コーティング剤としては、例えば、腸
溶性ポリマー(例えば、酢酸フタル酸セルロースや、メ
タアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマー
LD、メタアクリル酸コポリマーS、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメ
チルエチルセルロース等)、胃溶性ポリマー(例えば、
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテートや、ア
ミノアルキルメタアクリレートコポリマー等)、水溶性
ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースや、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、難溶性ポリ
マー(例えば、エチルセルロースや、アミノアルキルメ
タアクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル−メ
タアクリル酸メチル共重合体等)、ワックス等が挙げら
れる。
【0017】医薬成分は、口腔内崩壊錠の質量に基づい
て、例えば、0.0001〜80%、好ましくは、0.001〜50
%、特に好ましくは、0.01〜30%であることが適当であ
る。医薬成分の中でも、滋養強壮保健薬や、解熱鎮痛消
炎薬、催眠鎮静薬、中枢神経作用薬、胃腸薬、抗潰瘍
剤、鎮咳去痰剤、抗アレルギー薬、抗不整脈薬、利尿
薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、抗高脂血
症剤、抗糖尿病剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩薬、
鎮うん剤などが好適に用いられる。本発明において、特
に好適に用いられる医薬成分は、本品の剤形的な特徴か
ら嚥下能力の低い幼児や、小児、高齢者等を対象にした
薬剤及び日常生活において連用する生活習慣病薬、更に
抗精神用薬等である。
【0018】本発明で使用される水溶性結合剤は、以下
の特性を有するものであれば、各種の水溶性結合剤を制
限なく使用することができる。 (1)37℃、20%水溶液の粘度が、2000cps以
下、好ましくは、1000cps以下、特に好ましくは、
500cps以下である。(2)25℃、相対湿度75%
での平衡水分含有量が20%以下、好ましくは、18%
以下、特に好ましくは、15%以下である。なお、平衡
水分含有量は、水溶性結合剤が、一定の温度・湿度条件
下に放置された場合、平衡に達したときの保持する水分
量、即ち、水分の含有率(%)である。上記特性を有す
る水溶性結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピル
セルロース(例えば、日本曹達(株)H.P.C−SSL
や、H.P.C−SL)等が挙げられる。特に、水溶性結
合剤としては、HPC−SSLが好ましい。ヒドロキシ
プロピルセルロースは、セルロースに酸化プロピレンを
反応させて得られるセルロースのヒドロキシプロピルエ
ーテルである。
【0019】
【化1】
【0020】構造式中のRは、H又は[−CH2−CH
(CH3)−O]mH基を表わし、mは1以上の整数で
ある。ヒドロキシプロピルセルロースの粘度は、37
℃、20%水溶液におけるE型粘度計による粘度で表示
すると、好ましくは、100〜1700cps、特に好ま
しくは、150〜1500cpsであることが適当であ
る。また、数平均分子量で表示すれば、一般、10,0
00〜60,000、好ましくは、15,000〜5
0,000であることが適当である。
【0021】水溶性結合剤は、口腔内崩壊錠の質量に基
づいて、例えば、0.5%〜3%、好ましくは、1〜2
%が適当である。水溶性結合剤の添加方法は特に制限さ
れないが、例えば、湿式造粒時に溶液としてあるいは粉
末で添加することができる。本発明の口腔内崩壊錠は、
実質的に崩壊剤を含有しない。実質的に含有しないと
は、従来より崩壊剤として使用されている材料がその崩
壊剤としての作用を実質的に果たさない量で含まれてい
ることを意味する。例えば、口腔内崩壊錠に、その質量
に基づいて、5%以下、好ましくは、1%以下、特に好
ましくは、全く含まないことが適当である。従来より使
用されている崩壊剤には、例えば、クロスポビドン[I
SP Inc.(米国)、 BASF(ドイツ)製]、クロス
カルメロースナトリウム(FMC−旭化成)、カルメロ
ースカルシウム(五徳薬品)などや;低置換度ヒドロキ
シプロピルセルロース(信越化学);カルボキシメチル
スターチナトリウム(松谷化学(株));コーンスター
チ等が挙げられる。
【0022】本発明の口腔内崩壊錠は、水なしで、ある
いは水とともに服用することができる。本発明の口腔内
崩壊錠は、口腔内崩壊性又は製剤強度に支障のない限
り、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を含んで
もよく、また、その添加量は、一般製剤の製造に用いら
れる量である。このような添加剤としては、例えば、上
記水溶性結合剤以外の他の結合剤や、酸味剤、甘味料、
香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤などが挙げられる。他
の結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、α化デンプン、ポリビニルアルコール、ア
ラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。
【0023】酸味剤としては、例えば、クエン酸や、酒
石酸、リンゴ酸などが挙げられる。甘味料としては、例
えば、サッカリンナトリウムや、グリチルリチン二カリ
ウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙
げられる。香料としては、例えば、レモンや、レモンラ
イム、オレンジ、メントールなどが挙げられる。滑沢剤
としては、例えば、フマル酸ステアリンナトリウムや、
ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などが挙
げられる。着色剤としては、例えば、食用黄色5号や、
食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素;食用レー
キ色素、ベンガラなどが挙げられる。
【0024】本発明の口腔内崩壊錠は、製剤分野におけ
る慣用の方法により製造することができる。例えば、配
合成分を攪拌造粒等で造粒し、得られた造粒物を必要に
応じて調粒し、例えば、滑沢剤とともに、打錠機にかけ
る方法が好適に挙げられる。打錠機としては、各種の装
置を採用することができる。例えば、打錠機としては、
単発錠剤機(菊水製作所製)、ロータリー式打錠機(菊
水製作所製)等が挙げられる。但し、本発明の口腔内崩
壊錠の製造方法は、これに限定されるものではなく、任
意に従来より採用されている各種の製造方法を採用する
ことができる。打錠圧としては、錠剤中の空隙率を大き
くするという点から、通常より低圧が好ましく、例え
ば、9.8×105〜4.9×107Pa(10〜500kg/cm2)、好ま
しくは、4.9×106〜2.0×107Pa(50〜200kg/cm2)が
好適である。必要に応じて、打錠前又は打錠後に組成物
に適度な水分を付与し、打錠後に錠剤を乾燥してもよ
い。この操作により、錠剤の崩壊性を損なうことなく、
結合剤による結合力を高めることができる。乾燥は、例
えば、真空乾燥や、流動層乾燥など製剤一般の乾燥に用
いられる何れの方法によってもよい。
【0025】本発明の口腔内崩壊錠は、空隙率が15%
以上、好ましくは、20%以上を有することが適当であ
る。ここで、空隙率は、以下のようにして求められる率
である。 空隙率 錠剤組成混合物の真密度(Mg/cm3)を求め、
錠剤の体積(Vcm3)及び質量(Wg)から空隙率を算
出する。 空隙率(%)=(V−W/M)/V×100 このような空隙率を有することにより、嚥下時におい
て、唾液に含まれる水分が迅速に錠剤中に吸収され、錠
剤の崩壊を促進する。このような空隙率を有し、かつ十
分な強度を有する口腔内崩壊錠は、例えば、本発明の組
成物を4.9×106Pa(50kg/cm2)の圧力で打錠後、錠
剤を40℃、90%RHの条件下に60秒放置することにより
水分を付与し、その後、錠剤を乾燥することにより得ら
れる。
【0026】本発明の口腔内崩壊錠は、口腔内で速やか
に崩壊する。また、本発明の口腔内崩壊錠は、空気に長
期に曝されても、湿度に対する影響を受けにくく、錠剤
の硬度を一定に保つことができるので、搬送や、医院や
家庭等での取扱い性に非常に優れている。本発明の口腔
内崩壊錠の口腔内崩壊時間(健康な成人男子及び女子の
口腔内の唾液で口腔内崩壊錠が完全に崩壊するまでの時
間)は、通常約3〜約60秒、好ましくは、3〜30
秒、更に好ましくは、3〜15秒である。本発明の口腔
内崩壊錠の強度(木屋式錠剤硬度計による測定値)は、
通常2kg以上、好ましくは、5kg以上であることが適当
である。
【0027】本発明の口腔内崩壊錠は、哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウ
マ、サル、ヒト等)に対して、経口的に安全に投与する
ことができる。本発明の口腔内崩壊錠の投与量は、医薬
成分、投与対象、疾患の種類等により異なるが、医薬成
分としての投与量が有効量となる範囲から選択すればよ
い。本発明の口腔内崩壊錠の投与量は、成人1人(60
kg体重)当り、医薬成分の種類により変動するが、医
薬成分として、一般に、例えば、0.0001〜2000mg/日、
好ましくは、0.001〜500mg/日が適当であろう。該口腔
内崩壊錠は、1日1回又は2〜3回に分けて投与しても
よい。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いて、更に詳しく説明するが、これらの実施例及び比較
例は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。参考例 使用した水溶性結合剤は、以下の通りである。 ・ヒドロキシプロピルセルロース (H.P.C−SL、H.P.C−SSL、H.P.C−L、
H.P.C−M :日本曹達製) ・ヒドロキシエチルセルロース(H.E.C HE55
0:ダイセル化学製) ・メチルセルロース(M.C SM−15:信越化学
製) ・ポリビニルピロリドン(P.V.P−K25,P.V.P
−K90:BASF製) ・カルボキシメチルセルロースナトリウム(C.M.C
Na:日本製紙製) ・ゼラチン(ゼラチンSH:ニッピ製) ・寒天(寒天PS−5:伊奈寒天製) ・プルラン(プルランPI−20:林原製) ・アルギン酸ナトリウム(アルギン酸NaI−8:君津
化学製)
【0029】上記水溶性結合剤を水に溶解して、20%
水溶液を調製し、粘度を測定した。粘度は、E型粘度計
(東京計器製)を用いて37℃における水溶性結合剤の
20%水溶液の粘度(cps)を測定した。平衡水分含有
量(%)は、水溶性結合剤を、105℃で2時間乾燥し
た後、一定量を取り、重量(W1)を測定し、次いで、
飽和食塩水を用いて、相対湿度75%に調整したデシケ
ーター中に、48時間放置し、放置後の水溶性結合剤の
重量(W2)を測定し、平衡水分含有量(%)とした。
計算式は、以下の通りである。 平衡水分含有量(%)=(W2−W1)/W1×100
【0030】錠剤硬度(kg)は、木屋式硬度計を用い
て、10錠について錠剤硬度を測定し、その平均値を求
めた。口腔内崩壊時間は、5人のパネラーを使用し、1
人当り3錠の口腔内崩壊時間を測定し、その平均値を求
めた。そして、錠剤を投与後、舌と上顎にはさみ、咀嚼
をせずに、錠剤の形状が認識されなくなるまでの時間を
口腔内崩壊時間とした。上記各水溶性結合剤は、以下の
特性を有していた。
【0031】
【表1】表1 水溶性結合剤の比較
【0032】上記表1の結果から、(1)37℃、20
%水溶液の粘度が、2000cps以下で、かつ(2)2
5℃、相対湿度75%での平衡水分含有量が20%以下
である水溶性結合剤は、H.P.C−SSL及びH.P.C
−SL(*付のもの)であり、その他の水溶性結合剤
は、この要件を満たしていないことが分かる。
【0033】実施例1 以下の表2に示す配合割合に基づいて、モデル医薬成分
として、塩酸メクリジンを使用し、賦形剤として、エリ
スリトール(日研化学)及びマンニトール(東和化成)
を使用し、更に、上記各水溶性結合剤を使用して、攪拌
式造粒機VG−25P(パウレック製)にて造粒した。
この時、水溶性結合剤は、適量の精製水に溶解した後、
造粒時に添加した。得られた造粒物を50℃にて通風乾
燥し、24メッシュのスクリーンを用いて調粒した。次
いで、滑沢剤として、フマル酸ステアリルナトリウム
を、得られた造粒物に添加、混合して、打錠用顆粒を調
製し、打錠機CP−12HUK(菊水製作所製)(杵1
0mmφ)を用いて、1錠300mg、打錠圧50kgで打錠
した後、温度40℃、相対湿度90%の加湿槽内に錠剤
を2分間放置した。続いて、遠赤外線にて錠剤を3分間
乾燥した。得られた錠剤の空隙率は、25%であった。
【0034】
【表2】表2 (1錠中)
【0035】得られた口腔内崩壊錠について、口腔内崩
壊時間と、吸湿時の錠剤硬度とについて、上記の条件で
測定を行った。結果を以下の表3に示した。
【0036】
【表3】表3
【0037】以上の表3に示された結果より、実施例1
及び2では、口腔内崩壊時間が30秒以内であり、相対
湿度75%下においても十分な錠剤硬度を有し、吸湿に
対する安定性が高かった。これに対して、比較例1〜4
では、吸湿に対する錠剤硬度の低下は小さいが、口腔内
崩壊時間が30秒を越え、口腔内崩壊錠としては十分と
いえない。比較例5〜6では、口腔内崩壊時間は比較的
短いが、吸湿に対する錠剤硬度の低下が著しかった。比
較例7〜11では、期待される口腔内崩壊時間が得られ
なかった。以上の結果より、特定の粘度及び平衡水分含
有量を有する水溶性結合剤を使用することにより、迅速
な口腔内崩壊時間を確保しつつ、高湿度条件の下におい
ても長期にわたって錠剤硬度が一定している口腔内崩壊
錠が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 俊人 東京都品川区東大井6丁目8番5号 佐藤 製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA37 AA49 BB22 CC10 DD38 DD47 EE32 FF04 FF05 FF09 GG14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医薬成分及び水溶性結合剤を含有しかつ
    実質的に崩壊剤を含有しない口腔内崩壊錠であって、前
    記水溶性結合剤が、以下の特性を有することを特徴とす
    る口腔内崩壊錠。 (1)37℃、20%水溶液の粘度が、2000cps以
    下である。 (2)25℃、相対湿度75%での平衡水分含有量が2
    0%以下である。
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