JP2008510984A - 分光分析のための較正 - Google Patents

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Abstract

本発明は、光信号の主成分の振幅を決定する光学分析システムを提供する。主成分とは、分光分析を受ける物質における種々の化合物のうち、特定の化合物の濃度を意味する。光信号には、波長の選択的な重み付けを加える。スペクトルの重み付けは、好ましくは、分散光学素子と組み合わせて空間的光操作手段によって行う。本発明による較正機構及び方法によれば、空間的光操作手段の正確な位置決めを効果的に行うことができる。この較正は、基準光源および検出器と組み合わせた空間的光操作手段における較正セグメントに基づく。

Description

本発明は、光学的分光器使用術の分野に関する発明である。
分光技術は、物質の組成物決定のために広く使われている。光信号、すなわち分光学的光信号をスペクトル分析することによって、物質の特定化合物の濃度を、正確に決定できる。一般に、特定の化合物の濃度は、光信号の主成分の振幅によって与えられる。
米国特許第6198531号には、光信号の主成分の振幅を決定する光学分析システムの事例が記載されている。
この既知の光学分析システムは、例えば、どの化合物が、試料においてどの位の濃度で含まれているかを分析するのに適した分光分析システムの一部である。試料と相互作用する光が、化合物及びそれらの濃度に関する情報を採取することはよく知られている。内在する物理的プロセスは、例えば、レーザ、ランプまたは発光ダイオード(LED)のような光源の光を、この情報を搬送する光信号を発生するよう、試料に指向させる光学分光技術において利用される。
例えば、光を試料によって吸収させる。代案として、もしくは付加的に、波長が既知の光を試料に対して相互作用させ、このことにより、例えばラマンプロセスにより、異なる波長の光を発生させる。つぎに、透過したおよび/または発生した光は、スペクトルと称される光信号を構成する。波長の関数としての光信号の相対強度は、試料に含まれる化合物およびその濃度を表す。
試料に含まれる化合物を識別するために、また、それらの濃度を決定するために、光信号を分析しなければならない。既知の光学分析システムにおいて、光信号を、光学フィルタを含む専用ハードウェアによって、分析する。この光学フィルタは、波長に依存する透過性を有する。すなわち、波長に依存する透過性によって与えられるスペクトル加重関数によって、光信号を重み付けするよう設計する。スペクトル加重関数は、重み付けした光信号、すなわちフィルタを透過した光の総強度が、特定の化合物の濃度に正比例するように選択する。このような光学フィルタはまた、多変量光学素子(MOE)と呼ばれる。この強度は、例えばフォトダイオードのような検出器によって、都合よく検出することができる。全ての化合物毎に、固有スペクトル加重関数を有する専用光学フィルタを、利用する。光学フィルタは、例えば、所望の加重関数を構成する透過性を有する、干渉フィルタとすることができる。
この分析計画をうまく実施するには、スペクトル加重関数を知ることは重要である。これらスペクトル加重関数は、例えば、既知濃度のN個の純粋な化合物の、N個のスペクトルから成るセットの主成分分析を行うことによって得ることができる(ただし、Nは整数とする)。各々のスペクトルは、M個の異なる波長で対応する光信号の強度から成る(ただし、Mはやはり整数とする)。典型的に、Mは、Nよりも非常に大きい。対応するM個の波長でM個の強度を含む各々のスペクトルは、M個の成分がこれらの強度である、M次元のベクトルを構成する。これらのベクトルに対して、主成分分析の中心であり、当業者によく理解されている特異値分解(SVD)として知られている、線形代数処理を加える。
SVDの結果として、N+1より小さい正整数であるnを有する、一組のN固有ベクトルZ が得られる。
固有ベクトルZは、最初のNスペクトルの線形結合であり、また、しばしば主成分または主成分ベクトルと称される。一般的に、主成分は相互に直交し、|Z|=1の正規ベクトルとして決定される。主成分Zを使用することにより、濃度が未知の化合物を含む試料の光信号を、適当なスカラー乗数によって乗じられる、正規化された以下の主成分の組み合わせによって記述することができる。すなわち、
11+X+…+X
ただし、nをN+1より小さい正整数として、X 〜X のスカラー乗数は、所定の光信号の主成分Z の振幅とみなすことができる。各々の乗数X は、光信号をM次元の波長空間のベクトルとして処理し、このベクトルと主成分ベクトルZ との直積を算出することによって、決定することができる。
その結果は、正規化した固有ベクトルZ の方向における光信号の振幅X を生む。振幅X は、N次の化合物の濃度に対応する。
既知の光学分析システムでは、光信号を意味するベクトルと、主成分を意味する固有ベクトルとの間の直積演算は、光学分析システムのハードウェアにおいて、光学フィルタにより実行される。光学フィルタは、その主成分を意味する固有ベクトルの成分に従って、光信号を重み付けするような、透過率を有するものとする。すなわち、主成分ベクトルは、スペクトル加重関数を構成する。フィルタ透過した光信号は、検出器によって検出することができ、この検出器は、主成分の振幅、ひいては対応する化合物の濃度に比例する振幅を表す信号を発生する。
物理学において、各主成分は、光信号内の波長範囲における、ある形状を有する、「スペクトル」で構成される。実際のスペクトルと対比して、主成分は、正の部分を第1スペクトル域に、負の部分を第2スペクトル域に含む場合がある。この場合、この主成分を意味するベクトルは、第1スペクトル域に対応する波長のための正成分、及び、第2スペクトル域に対応する波長のための負成分を有する。
既知の光学分析システム事例では、光信号を意味するベクトルと、主成分を意味する固有ベクトルとの間の直積演算を、主成分が正部分及び負部分を含む場合において、ハードウェアで行うように設計している。この目的を達成するために、光信号の一部分を、主成分の正部分に対応する、第1スペクトル加重関数によって光学信号を重み付けする、第1フィルタに指向させ、光信号の他の部分を、主成分の負部分に対応する、第2スペクトル加重関数によって光学信号を重み付けする、第2フィルターに指向させる。第1フィルタおよび第2フィルタを透過する光を、それぞれ、第1検出器および第2検出器によって検出する。第2検出器の信号を、第1検出器の信号から減算し、この結果、濃度に対応する振幅を有する信号が得られる。
他の事例にとして、既知の光学分析システムは、第1化合物及び第2化合物の濃度を、第1主成分及び第2主成分に対応する振幅を測定することによって決定することができる。この目的のために、光信号の一部分を、第1主成分に対応する、第1スペクトル加重関数によって光信号を重み付けする、第1フィルタに指向させ、光信号の他の部分を、第2主成分に対応する、第2スペクトル加重関数によって光信号を重み付けする、第2フィルタに指向させる。第1フィルタおよび第2フィルタを透過する光を、それぞれ、第1検出器および第2検出器によって検出する。第1検出器および第2検出器の信号は、それぞれ、第1および第2スペクトル加重関数に対応する。
特に、光学分析システムが物質における単に1個の化合物濃度、例えば血液におけるグルコース濃度を決定するための専用分析システムである場合、この特定化合物のスペクトル加重関数用に設計した、対応光学フィルタを使用すると有利である。このような専用光学フィルタは、コスト的に効率よく実現されることができ、これは、透過特性または吸収特性を再構成可能にする必要はないからである。したがって、特定化合物の濃度を決定するための専用分析システムは、低コストMOEに基づいて実施でき、このMOEは、分散光学素子、例えば、プリズム、または格子、および空間的透過パターンを生ずる、対応する光学フィルタにより、実施できる。
この場合、試料から受光して、試料の組成物を示すスペクトル成分を搬送する光信号は、分散光学素子に入射する。分散光学素子によって、入射する光信号は、種々のスペクトル成分に空間的に分解される。したがって、分散光学素子は、入射光信号のスペクトル成分を空間的に分離する作用を行う。好ましくは、展開するスペクトルは、分散光学素子によって特定の方向に沿って広がる。例えば、スペクトルは第1方向、例えば水平方向に広がるようにすることができる。
スペクトルの光路に挿入する、専用の空間的透過マスクを使用することにより、展開するスペクトルの専用スペクトル成分を、減衰、または完全に遮断することもできる。したがって、空間的透過マスクは、異なる透過特性を有することを特徴とする複数個の領域を設けなければならない。スペクトルを水平方向に拡散させるとき、これらの領域を、水平方向に配列した空間的透過マスクとし、これにより、垂直方向には均一透過を生ずるようにする。
さらに、鉛直垂直方向にスペクトルを一様に拡散する場合、空間的透過マスクを、垂直方向に配列した2個の区域に分割することができる。これら区域は、それぞれ、2個の異なる方法で同時に操作することを可能にする、異なる空間的透過パターンを特徴とすることができる。
従って、空間的透過マスクの上方区域は、効率的に第1スペクトル加重関数として有効に使用できるとともに、空間的透過マスクの下方区域が、第2スペクトル加重関数として機能できるようにする。これら2個の、異なって操作されるスペクトルを個別に検出することによって、主成分の正部分および負部分を、個別に検出でき、したがって、専用の化合物の濃度に対応する振幅を決定するために、効果的かつ充分なデータ処理が可能となる。例えば、スペクトル加重関数の正部分および負部分を相互に減算することによって、化合物の濃度を表す信号を、正確に誘導できるようになる。
分散光学素子と組み合わせた専用の空間的透過マスクの使用は、効果的に、光学分析システムの低コスト化を実現する。したがって、空間的透過マスクを再構成不能にパターン化した減光フィルタとして構成することは、単一の専用の化合物を分析するための、効率的かつ低コストな方法を提供する。
このような実施において、空間的透過マスクのパターン化構造のみが、専用のスペクトル加重関数の正部分及び負部分を規定する。それゆえ、空間透過マスクの透過パターンのみが、特定化合物の分析に固有となる。光学分析システムのこれら低コストの実現は、主に、単独の化合物の濃度決定に限定される。さらに、これらの分散的な分光学的構成において、展開するスペクトルと空間的透過マスクとの間の相対位置決めは、相当厳密である。この場合、空間的透過マスクのわずかなずれも、得られる結果に重大な影響を及ぼすことになる。
したがって、本発明は、較正機構、および、多変量光学素子を使用する光学分析システムのための較正方法を提供することを目的とする。
本発明は、光信号の主成分を決定するための光学分析システムを提供する。光学分析システムは、分散光学素子と、空間的光操作手段と、少なくとも空間的光操作手段における第1位置に設けた第1較正セグメントと、少なくとも第1検出器と、分散光学素子の向きに対する空間的光操作手段の相対位置を修正する手段を有する。空間的光操作手段の相対位置の修正とは、空間的光操作手段のシフト、または、分散光学素子の向きまたは位置の修正のことである。分散光学素子は、光信号のスペクトル成分を、好ましくは第1方向に沿って空間的に分離する。例えば、分散光学素子は、格子またはプリズムで構成できる。
入射光信号、一般的に光ビームは、透過体または反射体のジオメトリ(幾何学的配置構成)において、空間的に展開される。したがって、光信号の種々のスペクトル成分は、空間的光操作手段によって選択的に操作できる。一般的に、空間的光操作手段は、透過が変動する種々の領域を有することを特徴とする、減光フィルタのような、空間的透過マスクとして構成する。一般的に、透過が変動するこれら透過領域は、光信号の特定スペクトル成分を減衰するかまたは遮断するために、第1方向に沿って配置する。
一般的に、空間的光操作手段は、単独の減光フィルタ、または複数個の減光フィルタの組み合せとして構成でき、これらフィルタは、とくに、スペクトル加重関数の正部分および/または負部分を実現するよう設計する。空間的光操作手段の位置は、得られた結果の信頼性にとって重要であるため、本発明の光学分析システムは、光信号自体によって生ずる基準光信号、または、付加的な基準光源による基準光信号を使用する。例えば、特定の波長を特徴とする光信号の、特定スペクトル成分を、基準光信号としてもよい。これは、光源を、多数の特徴スペクトル成分(例えば、ガス放電ランプのスペクトルライン)を有する広帯域光源として構成すると、好適に適用できる。
本発明による他の実施の形態においては、光学分析システムは、さらに、基準光学信号を発生させるための基準光源を有する構成とする。このようにして、基準光信号を、特別な基準光源によって供給する。原理的には、この基準光源を、強度及び分光分布が既知の、任意のタイプの光源によっても構成できる。
さらに、適切に空間的光操作手段を整列させるために、空間的光操作手段は、空間的光操作手段上の第1位置に設けた、少なくとも第1較正セグメントを有する構成とする。この較正セグメントは、基準光信号のために、または、基準光信号の特定スペクトル成分のために、少なくとも部分的に透明にする。少なくとも第1検出器は、さらに、空間的光操作手段上の少なくとも第1較正セグメントを透過する基準光信号の、少なくとも一部を検出する構成とする。
少なくとも第1較正セグメントを透過する基準光信号の一部を検出し、また、基準光源の初期の強度を知ることによって、空間的光操作手段が光学分析システムに正しく取り付けられているか否かを、正確に決定することができる。少なくとも第1検出器によって生ずる出力信号に従って、空間的光操作手段を、少なくとも第1方向、すなわち光信号のスペクトル分解方向に、シフト手段を使用して、移動させることができる。
好ましくは、基準光源、および、基準光信号の一部を検出する少なくとも第1検出器は、厳密に規定した方法で、手動操作により相互に配置する。空間的光操作手段を、基準光源および第1検出器との間の光路に挿入する。少なくとも第1較正セグメントを、空間的光操作手段上に位置決めし、この位置決めは、空間光操作手段が、分散光学素子によって発生する空間的スペクトル分布に関して適正位置にある時のみ、基準光信号の予め規定した一部が少なくとも第検出器に透過するように行う。
例えば、光信号のスペクトルが水平方向に展開するとき、第1較正セグメントを、空間的光操作手段上の厳密に規定した水平方向位置に位置決めする。光学分析システムの光路中に不適切に位置決めされたとき、基準光信号の相当量が空間的光操作手段によって、吸収、または遮断される。したがって、少なくとも第1検出器は、基準光信号の少量部分しか検出できなくなり、このことは、空間的光操作手段が、光学分析システムに不適切に取り付けられていることを示す。
空間的光操作手段の正確な位置決めは、光学分析システムの信頼性の高い操作に深く関係する。したがって、較正機構は、光信号のスペクトル成分の空間的分布に対して、空間的光操作手段を正確に位置決めしなければならない。光学分析システムにこのような較正機構を設けることによって、複数個の異なる化合物にも特化した空間的光操作手段を実現でき、また、光学分析システムに使用できる。このようにして、光学分析システムは、試料の単に1個の専用化合物のみの濃度決定に制限されないことになる。
さらに、第1化合物用に特化した空間的透過マスクを、異なる空間的透過パターンを特徴とし、したがって第2化合物用に特化した空間的透過マスクと交換することによって、光学分析システムは、多種多様な異なる化合物に特化した出力を生ずるように、自在に適合させることができる。モジュラー概念(コンセプト)、すなわち、異なる化合物用に特化した空間的透過マスクを、モジュールとして光学分析システムに組み込むことができるようにする概念を実現することにより、光学分析システムおよび種々の化合物用に特化した空間的光操作手段を、個別に市販できるようになる。このようにすると、エンドユーザーは、光学分析システムを、分析すべき特定の化合物を選択し、選択した特定化合物に適合するよう自由に構築できるようになる。このことは、空間的光操作手段、例えば、空間的透過マスクを、光学分析システムに挿入し、また、取り外さなければならないということを意味している。種々の空間的透過マスクのこの差し替え可能性は、特に、本発明によって得られる光学分析システムの充分な較正を必要とする。
差し替え可能性のある光操作手段のそれぞれに、少なくとも第1較正セグメントを設け、専用の基準光信号および基準信号検出器を使用することにより、空間的光操作手段の不適正な位置決め(すなわち、較正不一致)を、正確に検出し、また修正できる。
また、本発明の他の好適な実施形態によれば、基準光信号のスペクトル成分を、分散光学素子によって空間的に分離する。さらに、少なくとも第1較正セグメントは、第2方向に沿ったスリットとして構成する。この第2方向は、分散光学素子によってできるスペクトルの空間的拡開で特定される第1方向に対してほぼ直交する。好ましくは、基準光信号は、入射光信号と同一経路上で伝播させる。
このようにして、基準信号と同様に、光信号の双方は、同一の分散光学素子によって空間的に分散する。従って、2個の異なるスペクトルが発生し、一方のスペクトルは光信号のスペクトル成分を表し、他方のスペクトルは、基準光信号のスペクトル成分を表す。基準光信号が既知のスペクトル分布を有し、また、基準光信号の強度もしくは基準光信号の特定スペクトル成分の強度が既知であるため、空間的光操作手段の正確な位置決めは、基準光信号のこの特定スペクトル成分の透過強度を測定することによって、効果的に制御できる。
したがって、少なくとも第1較正セグメントは、空間的光操作手段上の第1方向に沿って、専用位置を有する。光学分析システムに取り付けるとき、少なくとも第1較正セグメントのこの専用位置は、基準光信号の特定スペクトル成分の位置に対応する。一般的に、少なくとも第1較正セグメントは、基準光信号のこの特定スペクトル成分のために、高い透明性を有するものとする。したがって、基準光信号の特定スペクトル成分は、空間光的操作手段の較正セグメントを効果的に透過し、また、少なくとも第1検出器によって十分に検出できる。強度および特定の分光組成が既知である基準光源を使用することにより、基準光信号の特定スペクトル成分の強度を計算でき、また、対応する測定スペクトル成分と比較でき、これにより、空間的光操作手段の正確な位置決めの基準となる。
代案として、既知の強度および基準光源の分光組成を用いる代わりに、空間的光操作手段の相対位置を修正して、基準光源のスペクトル成分の透過強度を最大にすることができる。
例えば、光信号のスペクトル及び基準光信号のスペクトルが水平方向に広がるとき、空間的光操作手段は、水平方向に正確に位置決めしなければならない。この形態において、少なくとも第1較正セグメントは、空間的光操作手段上の異なる水平位置における縦スリットとして、構成すると好適である。この場合、スリット幅は、基準光信号の特定スペクトル成分のスペクトル幅に対応させる、もしくは、光学分析システムのスペクトル分解能に対応させるとよい。例えば、ネオンのような希ガスに基づく放電ランプによって、基準光源を構成することによって、スリット幅は、ネオンスペクトルの特定ラインのスペクトル幅に、一致する。この特定ネオンラインの強度を知得し、また、較正セグメントを透過する部分を測定することによって、この特定透過ラインの全体もしくは一部のみが、較正セグメントを透過したか否か、を十分に判断することができる。この特定透過ラインが較正セグメントによって部分的に遮られる場合、空間的光操作手段は、光学分析システムに適切に取り付けられていない、したがって、水平方向にシフトすることが必要となる。
連続的に水平方向に空間的光操作手段をシフトし、同時に透過したネオンラインの強度をモニタすることによって、透過した強度の最大値を測定し得る。透過したネオンラインの最大強度に対応する、空間的光操作手段の水平位置は、空間的光操作手段の正確な水平位置を示す。
スペクトルが更に伝播するにつれて、分散光学素子によって発生するスペクトルは大きく拡開するため、空間的光操作手段は、常に、分散光学素子から規定した距離で光路に挿入しなれなければならない。このとき、空間的透過パターンの水平幅は、展開するスペクトルの水平幅にもはや一致しないため、空間的光操作手段の長手方向変位は、光学分析システム全体の信頼性に大きく影響する。
本発明の他の好適な実施形態によれば、空間的光操作手段は、さらに、空間的光操作手段上の第2位置に、少なくとも第2較正セグメントを有する構成とする。この第2較正セグメントは、基準光信号の第2スペクトル成分のために、少なくとも部分的に透明とする。このようにして、基準光信号の単に1個のスペクトル成分だけでなく、基準光信号の第2スペクトル成分も、十分に検出できる。好ましくは、空間的光操作手段の第2較正セグメントを透過する、基準光信号のこの第2スペクトル成分を、第2検出器によって検出する。したがって、基準光信号の第1および第2のスペクトル成分を、同時に検出できる。
測定した基準光信号の双方のスペクトル成分が、所定値に対応する場合のみ、空間的光操作手段は正確な位置に配置されている。2個の測定した基準光信号のスペクトル成分のうち一方だけが、所定値に対応するような場合は、空間的光操作手段は、分散光学素子からの距離に関して不正確な位置に配置されている。したがって、空間的光操作手段上に入射するスペクトルは、空間的光操作手段の空間的光透過パターンと一致しない。検出した双方の基準信号が、所定強度値に適合しない場合、空間的光操作手段を、横方向にシフトしなければならない。
本発明の他の好適な実施形態によれば、基準光信号は基準面に伝播し、光信号は分光面に伝播する。基準面および分光面は、ほぼ平行である。好ましくは、これら基準面および分光面は、第2方向に、すなわち、スペクトル拡開によって特定される第1方向にほぼ直交する方向に沿って分離する。
光信号及び基準光信号のスペクトル成分が水平方向に分離される場合においては、基準面および分光面は、光信号および基準光信号は、互いに垂直方向にシフトする。
したがって、光信号および基準光信号は、互いに平行に伝播するが、互いに垂直方向にシフトした伝播平面に伝播する。したがって、較正セグメントは、スペクトル加重関数の正部分または負部分を表す空間的透過パターンのように、空間的光操作手段における異なる垂直方向位置に存在することを特徴とする。さらに、透過した基準光信号の強度を検出する少なくとも第1検出器を、分光分析専用の検出器に対して、垂直方向にずらして配置する。
このようにして、光信号のスペクトルおよび基準光信号のスペクトルは、互いに干渉しない。このように、光学分析システムの較正専用の少なくとも第1検出器は、基準光源から出射する光学的放射のみを検出することを、事実上保証する。
好ましくは、透過した基準光信号の強度を検出する少なくとも第1検出器は、フォトダイオードを基礎とする低コスト半導体として構成する。一般的には、いかなる空間的分解能をも付与する必要はない。
本発明の他の好適な実施形態によれば、少なくとも第1検出器は、セグメント化した検出器、例えば分割検出器として構成する。セグメント化した検出器もしくは分割検出器は、少なくとも2個の検出器セグメントを有し、これら検出器セグメントを第1方向に沿って互いに分離させたものとする。この実施形態においては、少なくとも第1検出器を、第1方向に沿って配置した分割フォトダイオードとして構成する。分割フォトダイオードの2個のセグメントを、例えば水平方向に配置し、基本的な空間的分解能を有する特徴とする。好ましくは、分割フォトダイオードを、種々の結像手段と組み合わせて構成し、空間的光操作手段が正確に位置決めされているときに、透過した基準光信号のスペクトル成分が、均等に2個の分割検出器セグメントに入射するようにする。
水平方向における空間的光操作手段のいかなる誤整列も、誤整列に対応して分割検出器上で透過スペクトル成分がシフトすることにつながる。したがって、基準光信号の透過したスペクトル成分は、分割検出器に不均等に分布する。分割検出器の第1セグメントおよび第2のセグメントによって検出した強度の差は、空間的光操作手段の水平方向位置が、適正位置に一致しないことを示す。このようにして、空間的光操作手段の不正確な水平方向位置決めが決定されるだけでなく、誤整列の方向も効果的に解明できる。
本発明の他の好適な実施形態によれば、少なくとも第1検出器を、分割検出器として構成し。この分割検出器は、第2方向に沿って互いに分離した少なくとも2個の検出器セグメントを有する構成とする。この実施形態に関し、この場合、分割検出器は、検出器の横断する平面において90゜回転させた状態にする。さらに、少なくとも第1較正セグメントを、第2方向に対して斜めに傾斜するスリットとして構成することもできる。例えば、分散光学素子によって生ずるスペクトルが水平方向において拡開すると仮定すると、少なくとも第1スリットを、垂直方向に対して斜めに傾斜させ、また分割検出器は、上方セグメントおよび下方セグメントを有する特徴のものとする。この実施形態によれば、空間的光操作手段の位置不一致の大きさを、比較的広範囲にわたり決定できる。例えば、スペクトル基準ラインの幅に正確に対応する幅を有するスリットの垂直方向の向きを仮定すると、その位置不一致が、スリットの幅より小さいときだけ、空間的光操作手段の水平方向変位を検出できる。不一致量がより大きい場合、少なくとも第1検出器は、有意の強度を検出することができない場合がある。
垂直方向に対して較正セグメント、すなわちスリットを斜めに傾斜させることによって、より大きいスペクトル域を、少なくとも第1検出器によって効果的に検出できる。付加的に、垂直方向に配置した検出器セグメントを特徴とする分割検出器を使用することにより、空間的光操作手段の水平方向位置不一致の大きさを、十分に決定できる。
本発明の他の好適な実施形態によれば、少なくとも第1検出器は、さらに、光信号の変調されたスペクトル成分の少なくとも一部を検出するよう構成する。さらに、光学分析システムは、第2方向に沿って空間的光操作手段をシフトする手段を有する構成とする。この実施形態において、基準光信号を、光信号自体によって、効果的に代替する。この場合、光信号の専用スペクトル成分を、効果的に基準光信号として使用する。したがって、基準光源は、光信号を発生する光源、例えば分光器の励起光源で、効果的に実現できる。
例えば、光学分析システムを、ラマンシフトした分光光信号の分光分析を行う専用システムとする場合、弾力的に散乱する光の特定スペクトル成分を、基準光信号として使用できる。この実施形態において、基準面および分光面は必然的にオーバーラップするため、較正および分光分析を順次に行うのが合理的である。例えば、スペクトルが水平方向に拡開すると仮定すると、空間的光操作手段は、較正区域と、正回帰および負回帰のための互いに垂直方向に隣接する2個の光透過パターン区域とを有する構成とする。この場合、空間的光操作手段の水平方向較正は、空間的光操作手段の較正区域を垂直方向にシフトして光路内に移動することによって、実現できる。較正区域を光路内に移動することにより、空間的光操作手段を水平方向の正確な位置にシフトして十分な較正ができる。その後、空間的光操作手段を垂直方向にシフトして、空間的光操作手段の重み付け区域を光路内に移動する。
本発明のさらに他の好適な実施形態によれば、光学分析システムはさらに、少なくとも第1検出器の出力を分析し、また制御手段、そして、少なくとも第1検出器の出力信号に応答して第1方向および/または第2方向に沿って空間的光操作手段をシフトする制御手段を有する構成とする。好適には、空間的光操作手段をシフトする手段を、電気的に制御できる一種のアクチュエータ装置として構成する。さらに、制御手段を電気制御ループ手段として構成し、この電気制御ループ手段には、少なくとも1個の検出器の出力を所定値と比較するデジタル信号処理手段を組み込むことができる。
本発明のさらに他の好適な実施形態によれば、少なくとも第1検出器を、空間的光操作手段に一体化する。このようにして、基準光信号の透過部分を、少なくとも第1検出器に合焦させる必要がなくなる。さらに、少なくとも第1検出器を、光学分析システムセットアップの際に、特定位置に、別個に取り付ける必要がなくなる。少なくとも第1検出器を、直接、空間的光操作手段に一体化することによって、少なくとも第1検出器は、自動的に正確な位置をとる。
本発明は、他の発明として、光学分析システムの空間的光変調マスクを提供する。この光学分析システムは、第1方向に、光信号の空間的にスペクトル成分を分離する分散光学素子を有する。空間的光変調マスクは、光信号の少なくとも1個のスペクトル成分を変調する強度変調パターンと、第1位置における、少なくとも1個の第1較正セグメントとを備える。この第1位置は、強度変調パターンに対して、好ましくは第1方向に沿って固定した位置とする。
例えば、光信号のスペクトル成分が水平方向に拡開するとき、少なくとも第1較正セグメントは、空間的光変調マスク上で固定の水平位置を画定する。少なくとも第1較正セグメントは、基準光信号、または少なくとも基準光信号の特定スペクトル成分のために、少なくとも部分的に透明とする。少なくとも基準光信号の特定スペクトル成分の強度を知得することにより、少なくとも第1較正セグメントを効果的に使用して、光学分析システムにおいて空間的光変調マスクを正確に位置決めできる。
本発明の他の好適な実施形態によれば、空間的光変調マスクは、第1強度変調パターンをなす第1区域と、第2強度変調パターンをなす第2区域と、さらに、少なくとも第1較正セグメントをなす第3区域とを有する構成とする。好ましくは、空間的光変調マスクは、多変量光学素子(MOE)の一部とし、そして、第1区域および第2区域は、それぞれ、スペクトル加重関数の第1部分および第2部分に対応する光信号の、種々のスペクトル成分のスペクトル減衰を効果的にもたらす。
本発明は、さらに他の発明として、光学分析システムの較正方法を提供する。この光学分析システムは、光信号のスペクトル成分を空間的に第1方向に分離する分散光学素子を備えている。較正方法は、空間的光変調マスクを光学分析システムに挿入するステップと、空間的光変調マスク上へ基準光信号を当てるステップと、空間的光変調マスクの少なくとも第1較正セグメントを透過する基準光信号の、少なくとも第1スペクトル成分の一部を決定するステップと、及び、第1方向に沿った空間的光操作手段をシフトするために、検出した基準光信号の少なくとも第1スペクトル成分の一部を分析するステップと、を備えたことを特徴とする。
この較正方法は、基準光信号をスペクトル分散させることを利用し、特定位置に基準光信号の専用スペクトル成分を生ずるようにする。この特定の位置は、空間的光変調マスク全体が、光学分析システムに正確に位置決めされている場合にのみ、較正セグメントの位置に正確に一致する。したがって、少なくとも第1較正セグメントは、基準光信号の限定したスペクトル成分のために、少なくとも部分的に透明とし、そして第1検出器は、基準光信号の透過したスペクトル成分の強度を決定し得る構成とする。
光学分析システムの較正方法は、試料における特定化合物の濃度を決定するために多変量光学素子を用いる光学分析システムに適用すると好適である。空間的光変調マスクは、MOEの重要な素子であって、主に光学分析システムによって主に分析される、単に1個の化合物用に特化する。種々の異なる空間的光変調マスクを、光学分析システムで区分利用できるものとし、これにより、光学分析システムが種々の化合物の光学分析を行えるようにすることができる。
さらに、請求項におけるいかなる参照符号も、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるものではない点に留意されたい。
以下に、本発明の好適な実施例を、図面につき詳述する。
図1に示す実施例において、光信号の主成分の振幅を決定する光学分析システム20は、ある濃度の物質を含む試料2を照射し、これによって、その主成分の光信号を発生させる光を生ずる光源1を有する。主成分の振幅は、その物質の濃度に関係する。光源1は、レーザ、例えばガスレーザ、色素レーザ、および/または、例えば半導体またはダイオードレーザのような固体レーザとする。特に、光学分析システムを、例えば吸収分光または拡散性反射分光の分野に適用する場合、光源1を、白熱電球に基づく光源とすることもできる。
この実施例の光学分析システム20は、血液分析システム40の一部とする。血液分析システムは、さらに、主成分の振幅を決定するための、すなわち、化合物の成分を決定するための、計算素子19を有する。試料2としては、血管を備えた皮膚がある。その物質は、グルコース、乳酸塩、コレステロール、オキシヘモグロビンおよび/またはデオキシヘモグロビン、グリコヘモグロビン(HbA1c)、ヘマトクリット、コレステロール(総量、HDL、LDL)、トリグリセリド、尿素、アルブミン、クレアチニン、含有酸素、pH、炭酸水素塩、および、その他多数のうちのl個またはそれ以上であってもよい。これらの物質の濃度は、光波分光学を用いる非侵襲性の手法によって決定する。このため、光源1によって生ずる光を二色性ミラー3に送り、この二色性ミラー3により光源によって生ずる光を皮膚内の血管へ向かって反射させる。この光は、対物レンズ12を用いて、血管に合焦させてもよい。この光は、国際特許出願公開第02/057759号に記載されているような、画像分析システムを使用して、血管内に合焦してもよい。
光源1によって生ずる光と、血管内の血液との相互作用によって、光信号が、ラマン散乱及び蛍光発光に基づいて、発生する。このようにして発生した光信号を、対物レンズ12によって収集し、二色性ミラー3に送ることができる。この光信号は、光源1によって生ずる光とは異なる波長を有する。二色性ミラーは、少なくとも光信号の一部を透過するよう構成する。
このようにして発生する光信号のスペクトル100を、2A図に示す。このスペクトルは、比較的広い帯域にわたる蛍光性背景(FBG)102、および、比較的狭いラマン帯域(RB)104,106,108を含む。図2Aにおいて、x軸は、光源1による785nm波長励起の波長シフトを波数で表したものであり、図2Aのy軸は、任意単位の強度を表す。x軸は、0の強度に対応する。ラマン帯域の波長及び強度、すなわち位置及び高さは、濃度80mMolで溶解した、検体のグルコースに関して図2Bの実施例で示されているような、検体のタイプを表す。図2Bにおける実線110は、グルコースおよび水分の双方を含む検体のスペクトルを示し、図2Bにおける破線112は、水分中のグルコースのスペクトルと、グルコースを含まない水分のスペクトルとの間の差を示すものである。これらの帯域でのスペクトル振幅は、検体の濃度を示す。
血液は、それぞれ、図2Bのスペクトルと同様に複雑な所定スペクトルを有する多くの化合物を含むため、光信号のスペクトル分析は、相当複雑になる。光信号を、本発明による光学分析システム20に送る。この光学分析システム20において、光信号は、例えば図3に線図的に示した、加重関数によって、光学信号に重み付けするMOEによって分析する。図3の加重関数は、血液中のグルコースについて設計したものである。この加重関数は、正部分Pおよび負部分Nを含む。この例において、正部分Pおよび負部分Nは、それぞれ1個以上のスペクトル帯を含む。
本願明細書のここまでの、および、残りの説明において、合焦部材と、他の光学素子との間の距離は、光軸に沿う、合焦部材の主平面と、他の光学素子の主平面との間の距離として定義する。
図1に示す計算素子19は、正および負の信号間の差を算出するよう構成する。この差は、光信号の主成分の振幅に比例する。主成分の振幅は、物質、すなわち、検体の濃度に関係する。振幅と濃度の関係は、線形従属関係となる場合がある。
図4は、光学分析システム20の線図的な平面図を示す。光学分析システム20は、入射光ビーム18を受光し、計算素子19に電子出力を供給する。光学分析システム20は、分散光学素子として機能する格子22、透過マスク26、合焦素子28および検出器30を有する。実質的に、格子22は、透過マスク26との組み合わせによって、多変量光学素子として機能する(MOE)。
このようにして、入射光ビーム18のスペクトルにおける専用の構成成分は、フィルタを通過させ、任意に減衰させることができる。スペクトル変調した光ビーム18を検出器30に合焦することによって、物質の特定の化合物濃度を正確に決定することができる。透過マスク26の透過パターンは、光学分析システム20によって解析すべき各化合物に固有のスペクトル加重関数に対応する。一般的に、検出器30には、フォトダイオードに基づく半導体が実装される。
本発明によれば、とくに入射光ビーム18の完全な分光分析を行行うことなく、効果的に化合物濃度を決定することができる。本発明によれば、MOEを効率的に利用することによって、光ビーム18の全体スペクトル24を記録するための相当高価な電荷結合デバイス(CCD)を、低コストのフォトダイオード検出器30で、効果的に代用できる。検出器30によって検出される強度は、透過マスク26によって実現される、正および/または負の回帰関数を表す。スペクトル回帰関数の正および負の部分を個別に検出することによって、化合物濃度を正確に決定できる。そのため、検出器30を、必要な信号処理を行うために、計算素子19に接続する。
光学分析システム20は、さらに、光ビーム46を生ずる基準光源として作用する、光源32を有する。この光源は、原理的には、発生する光ビーム46が、透過マスクの平面に入射する限り、光学分析システム20における任意の位置に設置できる。好ましくは、光源32は、基準光ビーム46が入射光ビーム18と全く同一の経路で伝播するように、位置決めする。好ましくは、基準光ビーム46も格子22に入射させ、x軸方向にスペクトル分布を生ずるようにする。光学分析システム20は、さらに、較正(キャリブレーション)ユニット42に結合する検出器34を有し、この較正(キャリブレーション)ユニット42は、x軸方向に沿って透過マスク26をシフトし得るアクチュエータ44を制御する。
好ましくは、透過マスク26は、基準スペクトル46、または、光ビーム18のスペクトル24のいずれかにおける、専用のスペクトル成分を少なくとも部分的に透過するための、多数のスリット36,38,39に特徴がある。この場合、スリット36は較正セグメントとして作用し、基準光ビーム46の特定スペクトル成分を透過し得る。さらに、基準光ビーム46が格子22によってスペクトル分散されるとき、この特定スペクトル成分は、異なる垂直位置(すなわちx軸方向に沿う位置)で、透過マスク26に入射する。そして、この特定スペクトル基準成分の位置がスリット36の位置に適合するとき、スペクトル基準成分は、透過マスク26を完全に透過し、検出器34によって検出できる。この検出スペクトル成分は、つぎに、較正(キャリブレーション)ユニット42に伝送される電気信号に変換する。
基準光源32のスペクトル分布、および、基準光ビーム46の種々のスペクトル成分に対応する強度を知ることによって、検出器34によって検出され得る最大強度を、正確に決定できる。特定スペクトル成分における強度の推定値を測定値と比較することにより、透過マスク26がx軸方向に正確に位置決めされているか否かを、高い信頼性で示す。もし、この特定スペクトル成分の透過した強度の測定値が、予測した最大強度値から外れる場合、較正ユニットは、垂直走査、すなわち、透過マスク26のx軸方向に走査を行う。同時に対応する強度値を記録するよって、透過光強度の最大値に対応する透過マスク26の、正確な位置を決定できる。
透過マスク26のスリット孔36を透過する最大強度の決定は、また、基準光源のスペクトル分布及びスペクトル強度を知らなくても行うことができる。垂直走査、すなわち透過マスク26の位置をx軸方向に走査することにより、スリット孔36を透過する強度が最大となる位置を見出すことができる。透過強度が最大となるこの位置は、このとき、分散光学素子の向きに対する透過マスクの正確な相対位置の基準を与える。
このようにして、複数個の異なる特定化合物用の透過マスクを、一般的に光学分析システム20と組み合わせることができ、したがって、種々の化合物の正確な濃度決定が可能となる。様々な較正用の透過マスク26の各々に較正セグメントを設けることによって、透過マスクの正確な位置決めが保証できる。
基準光源32は、例えば、ガス放電ランプ、発光ダイオード(LED)、レーザ光源、または、少なくとも特定スペクトル成分の明確に規定された強度をもたらす他の光源によって実施できる。
図5は、透過マスク26、および、種々の検出器34,31,30の構成を斜視図的に示す。この図において、入射光ビームのスペクトル分布24は、水平方向(x)で示す。種々の検出器30,31,34、ならびに透過マスク26における種々の区域29,27,25を、垂直方向、例えばy軸方向に配置する。残りのz軸方向は、光信号の伝播方向を示す。
透過マスク26は、2個の透過区域27,29を有することを特徴とし、各透過区域は、光ビーム18のスペクトル24におけるそれぞれの区域に対応するスペクトル成分が、少なくとも部分的に透過できる種々のスリット38,39を有することを特徴とする。それゆえ、スリット38,39の水平位置は、スペクトル24のスペクトル成分の波長を特定する。2個の透過区域29,27は、スペクトルの特定スペクトル成分を選択的に減衰するための、種々の透過セグメント38,39を有することを特徴とする。透過区域27,29の残りの部分は、ほぼ不透明なままとする。好ましくは、スリット38,39の水平位置は、図2Aに示す特定化合物のラマン帯域104,106,108の水平方向に対応する。このようにして、特定化合物のスペクトル帯域のみが、透過マスク26によって透過され、その後、対応する検出器30,31によって検出される。
ここで、異なる構成とした透過区域27,29は、スペクトル加重関数の正部分及び負部分をもたらす作用を行う。したがって、透過区域27を透過した光は、検出器31によって別個に検出しなければならない。また、透過区域29を透過した光は、検出器30によってのみ検出しなければならない。
好ましくは、レンズ又はレンズ系のような適切な光線指向手段を、透過マスク26と検出器30,31,34との間に介在させ、スペクトル変調したスペクトル24を検出器30,31の検出域33に合焦する。
透過マスク26の上方区域25は、較正区域として作用する。従って較正区域25は、縦スリットとした第1および第2の較正セグメント36,37を有する。基準光源32から導出する基準光ビーム(信号)46は、較正区域25に指向する。好ましくは、この基準光信号を、x軸方向にスペクトル分光し、これにより、基準スペクトルの特性ラインが、2個のスリット36,37を透過する。2個のスリット36,37の水平位置は、基準光源32のスペクトル成分に正確に適合させる。
スリット36によって透過される基準光信号の一部48を、第1検出器34の第1検出域50によって検出し、また、スリット37によって透過される基準光信号の一部は、第2検出器35の第2検出域52によって、別個に検出する。代案として、検出器34,35の双方は、第1検出域50および第2検出域52を生ずる、共通検出器または検出器アレイによって実施できる。透過マスク26を正確に位置決めした場合、基準光信号の第1スペクトル成分は、スリット36によって完全に透過し、基準光信号の第2スペクトル成分は、スリット37によって完全に透過する。この完全に透過した2個のスペクトル成分を、検出器34,35によって個別に検出し、測定される強度は、測定できる最大強度とほぼ一致する。
検出器34,35によって測定される2つの強度のいずれかが、予想最大強度から明らかに逸脱する場合は、透過マスク26が適切に整列されておらず、光学分析システムが正確に較正されていないということをはっきりと示す。この場合、基準光信号の少なくとも2個の特性スペクトル成分のいずれか一方が、較正区域25によって部分的に遮られている。例えば、基準光信号の特定スペクトル成分の水平位置が、スリット36の水平位置と完全には一致しない場合である。
検出器34によって測定される強度が予測最大強度に近く、検出器35によって測定される予測最大強度から明らかに逸脱するような場合、これは、光学分析システム20が一般的な較正上の問題を抱えることを示唆する。例えば、透過マスク26がz方向に関してずれているとき、このようなケースが起こり得る。スペクトル24は、z軸方向に伝播しながらx軸方向に広がっているので、スペクトル24の広がり全体は、透過区域27,29によって特定される透過パターンの水平幅と一致することは決してない。
図6は、2個の検出器34,35を分割検出器として実施した構成を線図的に示したものであり、各分割検出器は、水平方向における個別の分割検出セグメント57,58を有することを特徴とする。付加的な光整形または導光手段は、図において省略している。しかし、透過マスク26が水平方向にシフトすると、スリット36によって透過した基準光信号のスペクトル成分は、分割検出器34の中央ではない部分に当たる。従って、左部または右部の分割検出器セグメント57,58は、より大きいまたはより小さいスペクトル成分の強度の一部を受けることになる。分割検出セグメント57,58によって得られた、2個の異なる強度信号を比較することによって、透過マスクを正確な位置に適合させるために、透過マスクを右または左のいずれに移行すべきかを決定することができる。
図7は、垂直方向に配置した分割検出セグメント57,58を特徴とする、分割検出器54、56を用いた、類似の実施例を示す。図6の実施例と比較すると、2個の分割検出器54、56は、90°回転している。さらに、透過マスク26の較正区域25のスリット36,37は、垂直方向に対して斜めに設ける。この実施例においては、透過マスク26の正確な水平位置から大きく外れていても検出でき、透過マスクの位置を、左右いずれかの方向に適正にシフトできる。この場合、スリット36,37の水平幅だけでなく、スリット36,37の傾斜角も、スリット36,37によって透過されるスペクトル域を特定する。
例えば、少数の専用スペクトル特性ラインのみを特徴とするネオンランプを使用することによって、スペクトルラインが分割検出器54,57に入射する垂直位置は、透過マスク26の水平位置と不一致であることを直接的に表している。一般的には、基準光源の専用スペクトルラインが、分割検出セグメント57,58の双方で等しく検出される場合は、透過マスク26が光学分析システムに適切に配置されていること明確に示す。図8は他の実施例を示し、この実施例にては、2個の分割検出器54,56を、透過マスク26の較正区域25において直接実装する。この場合、基準成分は、もはや較正区域25を透過させる必要はない。そして、図5に示したように、透過した成分を適切に検出器34、35上に導くための付加的な合焦装置を省略できる。透過マスク26の較正区域に検出器を組み込むことは、好ましくは、潜在的な位置不一致の方向を示す分割検出器54,56を用いることによって実施する。しかし、検出器34,35として通常のフォトダイオードを直接組み込むことも可能である。
図9は透過マスク26の他の実施例を示す。ここで、較正区域25は、垂直に配列したスリット36,37を特徴とし、これらスリット36,37は、異なる垂直位置、すなわちy軸方向に異なる位置をとる。このタイプの透過マスク26は、好ましくは、順次較正モードのために用いることができる。この場合、光学分析システム20は、さらに、矢印で示すように、透過マスク26全体を垂直方向にシフトする手段を必要とする。透過マスク26のこの実施例は、基準光源の機能性が、もっぱら光ビーム18自体によって得られるとき、好適に適用できる。この場合、光ビーム18は、強度が既知である、または強度比が既知である、少なくとも第1および第2の特定スペクトル成分を供給する。したがって、透過マスク26の垂直に整列した区域によって特定した較正平面及び分光平面は、ほぼオーバーラップする。
好ましくは、図9に示す透過マスク26は、格子22で発生するスペクトル24に部分的に挿入するだけである。透過マスク26は、スリット37だけがスペクトルによって照射されるように、光路中に挿入する。このようにして、スリット37の水平位置に対応する基準スペクトル成分強度を分析する。その後、透過マスク26を上方に移動する。これにより、スリット36のみが、スペクトル24によって照射される。同様に、第2基準スペクトル成分を分析する。これら2個の基準スペクトル成分の検出強度を分析することによって、透過マスク26の正確な位置を決定できる。好ましくは、正しい位置の決定後、透過マスク26は光学分析システムを正確に較正するよう適切にシフトできる。
この後、透過マスク26を上方に移動し、透過区域27が効果的にスペクトル24のスペクトル加重を適用する。このスペクトル加重は、例えば、スペクトル加重関数の正の部分に対応させることができる。
つぎに、透過マスクは連続して上方に移動し、透過区域29に関して、スペクトル24のスペクトル加重を実施する。例えば、スペクトル加重関数の負の部分を、スペクトルに適用する。
スペクトル分光された光信号18の伝播平面を通して、透過マスク26が順次移行するので、光学分析システムにより順次の較正を行い、また、スペクトル回帰関数の正部分及び負部分を、順次記録する。
この実施例を用いることは、たしかに、図5〜図8に示す実施例よりやや多くの時間が必要である。しかし、透過マスク26を順次シフトすることによって、光入力信号18の専用スペクトル成分を、原理的に、基準信号として使用できる。このようにして、本発明による較正(キャリブレーション)機構は、専用の基準光源32がなくても、実施できる。
さらに、光学分析システムが、透過区域27,29によって特定される正及び負のスペクトル加重関数を同時に得る、2個の別個の検出器で実行されるとき、これら2個の検出器は、また同時に、基準スリット36,37で透過される基準光信号を検出してもよい。これら2個の検出器を用いることにより、2個の基準光信号のスペクトル成分に基づく較正は、単一ステップで行うことができる。その後、スペクトル加重関数の正部分及び負部分を決定するために、同じ検出器を用いる。
原理的に、本発明は、再構成不可能な多変量光学素子を用いた光学分析システムの効率的な較正方法を提供する。とくに、試料の種々の化合物濃度は、特定化合物用に透過マスク26を交換することによって決定することができる。好ましくは、これらの特定化合物の空間的光変調器である透過マスク26は、別個に配置でき、また、種々の化合物に、光学分析システムを汎用的に適用することができる。透過マスク26の正確な位置決めは、得られる結果の精度にとって非常に重要であるため、本発明による較正(キャリブレーション)機構は、位置不一致を検出および分類し、また効果的に不適正位置決めを補償する作用を行う。
血液分析システムの実施例の線図的説明図である。 皮膚の血液から発生する光学信号のスペクトルである。 ある溶液における1個の検体を含む試料から発生する光信号のスペクトルである。 多変量光学素子において実行されるスペクトル重み付け関数である。 光学分析システムの線図的平面図である。 空間的光変調マスク、および、対応する検出器の斜視図である。 分割検出器を使用する実施例の線図的説明図である。 分割検出器、および、傾いた較正セグメントを実装した他の実施例の線図的説明図である。 透過マスク内に実装した2個の分割検出器の説明図である。 順次的な較正モードに適用できる透過マスクの実施例の説明図である。
符号の説明
1 基準光源
2 試料
3 二色性ミラー
12 対物レンズ
18 光ビーム
19 計算素子
20 光学分析システム
22 格子
24 スペクトル
25 較正区域
26 透過マスク
27 透過区域
28 合焦素子
29 透過区域
30 検出器
31 検出器
32 基準光源
33 検出域
34 検出器
36 スリット
37 スリット
38 スリット
39 スリット
40 血液分析システム
42 較正(キャリブレーション)ユニット
44 アクチュエータ
46 光ビーム
48 光ビーム
50 検出域
52 検出域
54 分割検出器
56 分割検出器
57 分割検出セグメント
58 分割検出セグメント
100 スペクトル
102 広帯域蛍光背景
104 ラマン帯域
106 ラマン帯域
108 ラマン帯域
110 合成スペクトル
112 グルコーススペクトル

Claims (12)

  1. 光信号の主成分を決定する光学分析システムにおいて、
    ‐光信号のスペクトル成分を空間的に第1方向に分離させる分散光学素子と、
    ‐光信号のスペクトル成分を変調する空間的光操作手段と、
    ‐基準光信号のために少なくとも部分的に透明であって、空間的光操作手段の第1位置に設けた、少なくとも第1較正セグメントと、
    ‐前記少なくとも第1較正セグメントを通して透過する基準光信号の、少なくとも一部を検出するための、少なくとも第1検出器と、
    ‐前記少なくとも第1検出器の出力信号に応答して、分散光学素子の向きに関し、空間的光操作手段の相対位置を修正するための手段と
    を備えたことを特徴とする光学分析システム。
  2. さらに、基準光信号を発生する基準光源を備えた請求項1に記載の光学分析システム。
  3. 基準光信号のスペクトル成分を、分散光学素子によって空間的に分離し、また、少なくとも第1較正セグメントを、前記第1方向に対してほぼ直交する第2方向に沿うスリットとして構成した、請求項1に記載の光学分析システム。
  4. 前記基準光信号を基準平面に伝播させ、また、光信号を分光平面に伝播させ、基準平面および分光平面を互いにほぼ平行、かつ前記第2方向に分離した、請求項1に記載の光学分析システム。
  5. 前記少なくとも第1検出器を分割検出器とし、この分割検出器を、前記第1方向に沿って分離している少なくとも2個の検出セグメントとして構成した、請求項1に記載の光学分析システム。
  6. 前記少なくとも第1検出器を分割検出器とし、この分割検出器を、前記第2方向に沿って分離している少なくとも2個の検出セグメントを有する構成とし、また、前記少なくとも第1較正セグメントを、前記第2方向に対して傾斜するスリットとして構成した、請求項4に記載の光学分析システム。
  7. 前記少なくとも第1検出器を、空間的光操作手段に一体化した、請求項1に記載の光学分析システム。
  8. 前記少なくとも第1検出器を、さらに光信号のスペクトル成分の少なくとも一部を検出し得る構成とし、当該光学分析システムは、さらに、前記第2方向に沿って前記空間的光操作手段をシフトする手段を有する構成とした、請求項1に記載の光学分析システム。
  9. 請求項1に記載の光学分析システムにおいて、さらに、前記少なくとも第1検出器の出力を分析し、また、少なくとも前記第1検出器の出力信号に応答して、第1方向および/または第2方向に沿って前記空間的光操作手段をシフトする制御手段を有する構成とした、光学分析システム。
  10. 光信号のスペクトル成分を空間的に第1方向に分離する分散光学素子を有する光学分析システムのための空間的光変調マスクにおいて、
    ‐光信号の少なくとも第1スペクトル成分を変調する強度変調パターンと、
    ‐強度変調パターンに対して固定の第1位置に位置し、基準光信号のために少なくとも部分的に透明である、少なくとも第1較正セグメントと
    を備えたことを特徴とする空間的光変調マスク。
  11. 請求項9に記載の空間的光変調マスクにおいて、さらに、
    ‐第1強度変調パターンをなす第1区域と、
    ‐第2強度変調パターンをなす第2区域と、
    ‐少なくとも第1較正セグメントをなす第2区域と
    を備えた、空間的光変調マスク。
  12. 光信号のスペクトル成分を空間的に第1方向に分離する分散光学素子を有する光学分析システムの較正方法において、
    ‐少なくとも第1較正セグメントを有する空間的光変調マスクを前記光学分析システムに挿入するステップと、
    ‐前記空間的光変調マスク上へ基準光信号を当てるステップと、
    ‐前記少なくとも第1較正セグメントによって透過される基準光信号の、少なくとも第1スペクトル成分の一部を、少なくとも第1検出器によって決定するステップと、
    ‐基準光信号の少なくとも第1スペクトル成分の検出した部分を分析して、前記第1方向に沿って前記空間的光操作手段をシフトするステップと
    を有することを特徴とする、光学分析システムの較正方法。
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