JP2008506641A - 塩化物含量が低いオニウム塩の製造方法 - Google Patents

塩化物含量が低いオニウム塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、塩化オニウムと酸との反応による塩化物含量が低いオニウム塩の製造方法であって、塩酸の生成を、水と共沸混合物を生成する有機溶媒への配位による共沸蒸留によって排除する、前記製造方法に関する。

Description

本発明は、オニウムハロゲン化物と酸との反応によるオニウム塩の製造方法であって、ハロゲン化水素酸の生成を、本発明にしたがって、水と共沸混合物を生成する有機溶媒への配位によって排除する、前記製造方法に関する。
数多くのオニウム塩類はイオン液体である。それらの物性のため、イオン液体は、伝統的な揮発性有機溶媒に代わる手段として、現代の研究における有機合成に有用である。イオン液体を新規な反応媒体として用いることは、さらに溶媒の放散および触媒の再生にかかる問題の両方に対して実用的な解決手段となり得る。
イオン液体に関する総論は、例えば以下のとおりである:R. Sheldon “Catalytic reactions in ionic liquids”, Chem. Commun., 2001, 2399-2407; M.J. Earle, K.R. Seddon “Ionic liquids. Green solvent for the future”, Pure Appl. Chem., 72 (2000), 1391-1398; P. Wasserscheid, W. Keim “Ionische Fluessigkeiten - neue Loesungen fuer die Oebergangsmetallkatalyse“ [Ionic Liquids - Novel Solutions for Transition-Metal Catalysis], Angew. Chem., 112 (2000), 3926-3945; T. Welton “Room temperature ionic liquids. Solvents for synthesis and catalysis”, Chem. Rev., 92 (1999), 2071-2083 or R. Hagiwara, Ya. Ito “Room temperature ionic liquids of alkylimidazolium cations and fluoroanions”, J. Fluorine Chem., 105 (2000), 221-227)。
イオン液体または液体塩(liquid salts)はイオン種であり、有機カチオンおよび一般に無機アニオンからなるものである。それらはニュートラルな分子を含有せず、多くの場合融点が373 K未満である。しかし、融点がより高く、かつあらゆる適用領域における有用性が制限されない場合もある。有機カチオンの例は、とくにテトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、N-アルキルピリジニウム、1、3-ジアルキルイミダゾリウムまたはトリアルキルスルホニウムである。好適なアニオンは複数存在するところ、例えば、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、NO3 -、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、アリールSO3 -、CF3CO2 -、CH3CO2 -またはAl2Cl7 -が挙げられる。
イオン液体の物性、例えば融点、熱安定性および電気化学的安定性または粘度は、カチオンとアニオンの選択によって決まる。イオン液体は不揮発性物質であるため、精製を通常の精製方法である蒸留のような、多くの有機溶媒について開発された方法で行うことはできない。
オニウム塩類、とくにイオン液体の調製方法においては、用いる手法が極めて重要であり、合成の実施を、不純物のレベルが反応自体または反応が行われる過程において常に低くして行うためである。不純物として公知のイオン液体において優占的に存在することが知られているものはハロゲン化物イオン類である。ハロゲン化物イオン類、例えば塩素イオンの割合が、1000 ppm (0.1%)を越えると、イオン液体の有用性が低下し、とくに電気化学的方法のための使用において低下する。
したがって、本発明の目的は、オニウム塩類として塩化物含量が低いものを調製するための代替方法として、高純度および良好な収量をもたらし、大規模な工業的製造にも好適なものを提供することにある。
かかる目的は、本発明の方法によって達成される。
本発明の方法は、公知の合成方法を改良したものであり、それらは一般に2工程の方法であり、P. Wasserscheid and W. Keim, Angew. Chem. 112 (2000), 3926-3945に記載されているようなものである。かかる公知の方法の第一の工程においては、有機塩基、典型的にはアミン、ホスフィンまたはヘテロ環化合物のアルキル化を、ハロゲン化アルキルを用いて行い、第二の工程において、生成するハロゲン化物の所望の塩への変換をアニオン交換によって行う。
典型的に、イオン液体としてテトラフルオロホウ酸アニオンを有するものの製造はこのような方法によって行われ、ハロゲン化物、例えば塩化または臭化1-エチル-3-メチルイミダゾリウムを第二の工程において反応せしめる。かかる反応は、アセトン中のNaBF4との反応としてS. Park and R. J. Kazlauskas, J. Organic Chemistry, 66 (2001), 8395-8401の方法によって、水中のNaBF4との反応としてR. Karmakar and A. Samanta, J. Phys. Chem. A, 106 (2002), 6670-6675の方法によって、水中のAgBF4またはHBF4との反応としてJ. D. Holbrey and K. R. Seddon, J. Chem. Soc., Dalton Trans., (1999)、2133-2139の方法によって、アセトン中のNH4BF4との反応としてJ. Fuller et al, J. Electrochem. Soc., 144 (1997), 3881-3885の方法によって、メタノール中のHBF4 との反応としてT. Nishida et al, J. of Fluorine Chem., 120 (2003), 135-141の方法によって、またはNH4BF4との反応としてマイクロ波照射を伴うものをV.V. Namboodiri and R. S. Varma, Tetrahedron Lett., 43 (2002), 5381-5383の方法によって、行うことができる。
全ての公知の方法は、とくに大規模な工業的合成において、欠点を有しており、それは例としてイオン液体であってテトラフルオロホウ酸塩アニオンを有するものによって例証することができる。例えば、テトラフルオロホウ酸銀は、高価な試薬である。水中のNaBF4、NH4BF4およびHBF4の反応には精製工程が必要であり、AgBF4または吸着剤を用いて行うことがある。メタノール中のHBF4は市販されていないし、市販されている水性HBF4より高価である。
好ましい反応媒体としてオニウム塩類の大規模な工業的合成において用いられる、水溶性または部分的に水溶性であるものは、水溶性の酸類であり、例えばHBF4、H2SiF6、H2TiF6、H2ZrF6、HSbF6、HAsF6、HPF6、HN(CN)2、HC(CN)3、H2SO4、HNO3、アルキルまたはパーフルオロアルキルスルホン酸類、芳香族スルホン酸類、パーフルオロアルキルカルボン酸類、アルキルまたはパーフルオロアルキルホスフィン酸類、アルキルまたはパーフルオロアルキルホスホン酸類、芳香族ホスフィン酸またはホスホン酸類またはリン酸である。しかし、該反応は水中または水混和性溶媒中においても有利に行われるものであるところ、全般的な問題がある。生成するハロゲン化水素酸の完全な除去を蒸留によっては行えない。前記溶媒の除去の際に2種の塩と2種の酸との間に平衡が生じる。得られるオニウム塩類が数パーセントのハロゲン化物イオンを含有したままであることは避けられないのである。N.M.M Mateus et al, Green Chemistry, 5 (2003), 347-352による研究によって立証されている。
驚くべきことに、簡便な方法を開発した。オニウムハロゲン化物と酸との反応、すなわち上記のとおり公知の反応の第二の工程、の後、生成するハロゲン化水素酸の除去を、本発明においては、水と共沸混合物を生成する有機溶媒への配位による共沸蒸留によって行う。かかる共沸蒸留によって、上記平衡がシフトされる。複数回の蒸留を、反応をバッチ方式でまたは半連続的に行う場合に行うか、または連続的な蒸留を、反応を連続的に行う場合に行うことによって、イオン液体であってハロゲン化物含量が5000 ppm (= 0.5%)未満であるもの、好ましくは500 ppmであるもの、とくに好ましくは100 ppm未満であるもの、極めてとくに好ましくは20 ppm未満であるものが得られる。
有機溶媒であって、水とともに共沸混合物を形成するものは、例えば、ニトロアルカン類、ニトリル類、芳香族化合物類、環状または直鎖状エーテル類もしくはエステル類またはアルコール類である。一般性を制限しないが、これらの溶媒の例は、1,4−ジオキサン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、イソブチロニトリル、シクロヘキサノン、ベンゼンまたはトルエンである。大規模な工業的合成にとくに好適なのは、1,4−ジオキサンまたはイソプロパノールの使用である。極めてとくに好適なのは、1,4−ジオキサンの使用である。
本発明の方法は、オニウム塩類の製造に用いることができ、そのカチオンは、例えばアンモニウム、ホスホニウム、チオウロニウム、グアニジニウムまたはヘテロ環カチオンを示し、そのアニオンは対応する酸である。
好適な酸類は上記のとおり、HBF4、H2SiF6、H2TiF6、H2ZrF6、HSbF6、HAsF6、HPF6、HN(CN)2、HC(CN)3、H2SO4、HNO3、アルキルまたはパーフルオロアルキルスルホン酸類、芳香族スルホン酸類、パーフルオロアルキルカルボン酸類、アルキルまたはパーフルオロアルキルホスフィン酸類、アルキル-またはパーフルオロアルキルホスホン酸類、芳香族ホスフィン酸またはホスホン酸類またはリン酸である。本発明の方法がとくに好適であるのは、水性HBF4、H2SiF6、H2TiF6、H2SO4、CF3SO3H、CF3COOH、トルエンスルホン酸一水和物またはCH3SO3Hとの反応においてである。とくに好適な酸類の群からの選択において好適であるのは、水性HBF4、H2SO4、CF3SO3H、H2SiF6またはH2TiF6との反応である。本発明の方法が極めてとくに好適であるのは、水中のHBF4との反応においてである。
したがって、オニウム塩類のアニオンは、[BF4]-、[SiF6]2-、[TiF6]2-、[SbF6]-、[AsF6]-、[PF6]-、[N(CN)2]-、[C(CN)3]-、[HSO4]-、[NO3]-、アルキルまたはパーフルオロアルキルスルホン酸塩、例えば[CH3SO3]-、[C2H5SO3]-、[CF3SO3]-、[C2F5SO3]-、芳香族スルホン酸類のアニオン、例えばトシラート、メシラートまたはフェニルスルホナート、パーフルオロアルキルカルボキシラート類、例えば[CF3CO2]-または[C2F5CO2]-、アルキルまたはパーフルオロアルキルホスフィン酸類のアニオン、例えば(CH3)2P(O)O-、(C2H5)2P(O)O-、(C3H7)2P(O)O-、(C4H9)2P(O)O-、(C2F5)2P(O)O-、(C3F7)2P(O)O-、(C4F9)2P(O)O-、アルキルまたはパーフルオロアルキルホスホン酸類のアニオン、例えば[(C2F5)P(O)O2]2-、[(C3F7)P(O)O2]2-、[[(C4F9)P(O)O2]2-、芳香族ホスフィン酸またはホスホン酸類のアニオン、例えば(C6H5)2P(O)O-、またはリン酸塩類、である
好適なオニウムハロゲン化物は、アンモニウムハロゲン化物類、ホスホニウムハロゲン化物類、チオウロニウムハロゲン化物類、グアニジニウムハロゲン化物類またはハロゲン化物類のうちヘテロ環カチオンを有するものであり、該ハロゲン化物類は塩化物類または臭化物類から選択される。塩化物類はとくに好ましい。
塩化アンモニウムは、例えば、式(1)によって表すことができ、
[NR4]+ Cl- (1)
塩化ホスホニウムは、例えば、式(2)によって表すことができる。
[PR4]+ Cl- (2)
式中、
Rは、それぞれの場合において相互に独立して、
水素、ただし、全ての置換基Rは同時にHではなく、
1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
ただし、1つまたは2つ以上のRは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよく、
また、Rにおける1つの炭素原子または2つの隣接せずα位にない炭素原子は、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
しかし、式(1)および(2)の化合物のうち、4つ全てのRまたは3つのRがハロゲンによって完全に置換されているもの、例えば塩化トリス(トリフルオロメチル)メチルアンモニウム、塩化テトラ(トリフルオロメチル)アンモニウムまたは塩化テトラ(ノナフルオロブチル)アンモニウム、は除く。
塩化チオウロニウム類は、例えば式(3)によって表すことができ、
[(R1R2N)-C(=SR7)(NR3R4)]+ Cl- (3)
塩化グアニジニウム類は、例えば式(4)によって表すことができる。
[C(NR1R2)(NR3R4)(NR5R6)]+ Cl- (4)
式中、
〜Rは、それぞれ相互に独立して、
水素、ただし置換基RからHは除外され、
1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
ただし、1つまたは2つ以上の置換基R〜Rは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、1つのN原子上の全ての置換基がハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
また、置換基R〜Rにおける1つの炭素原子または隣接していない2つの炭素原子であってヘテロ原子に直接結合していないものは、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
塩化物としてヘテロ環カチオン有するものは、例えば式(6)によって表すことができる。
[HetN]+ Cl- (5)、
HetNは、以下の群から選択されるヘテロ環カチオンを表し、
Figure 2008506641
Figure 2008506641
式中、
1’〜R4’は、それぞれ相互に独立して、
水素、
1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、
飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のヘテロアリール、
ヘテロアリール−C〜C−アルキルまたはアリール−C〜C−アルキル
を表し、
ただし、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’は、一緒に環系を形成してもよく、
1つまたは2つ以上の置換基R1’〜R4’は、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、R1’およびR4’は同時にハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
また、置換基R1’〜R4’における1つの炭素原子または隣接していない2つの炭素原子であってヘテロ原子に直接結合していないものは、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
本発明の目的において、完全に不飽和の置換基の意味には、芳香族置換基も包含する。
水素以外には、式(1)〜(5)の化合物の置換基RおよびR1〜R7の好適なものは、好ましくは本発明に従う:C1-〜C20-アルキル基とくにC1-〜C14-アルキル基、および飽和または不飽和の、すなわちまた芳香族の、C3-〜C7-シクロアルキル基であり、それらはC1-〜C6-アルキル基、によって置換されていてもよく、とくにフェニルである。
式(1)または(2)の化合物において、置換基Rは、この場合同一でも異なっていてもよい。置換基Rは、好ましくは同一である。
置換基Rはとくに好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはテトラデシルである。
グアニジニウムカチオン類[C(NR1R2)(NR3R4)(NR5R6)]+の4つまでの置換基は、ペアーで結合して単環式、二環式または多環式カチオン類を形成してもよい。
一般性を制限しないが、このようなグアニジニウムカチオン類は以下のとおりである:
Figure 2008506641
式中、置換基R1〜R3およびR6は上記の意味を有するかまたはとくに、好ましい意味を有する。
上記グアニジニウムカチオン類の炭素環またはヘテロ環は、任意に置換基としてC1-〜C6-アルキル、C1-〜C6-アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6-アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2NR’’2、SO2X’もしくはSO3H、ここでX’およびR’’は上記または下記において示す意味を有し、置換フェニルもしくは無置換フェニルまたは無置換ヘテロ環もしくは置換ヘテロ環を有していてもよい。
チオウロニウムカチオン類[(R1R2N)-C(=SR7)(NR3R4)]+の4つまでの置換基は、ペアーで結合して単環式、二環式または多環式カチオン類を形成してもよい。
一般性を制限しないが、このようなチオウロニウムカチオン類は以下のとおりである。ただしY = Sである:
Figure 2008506641
式中、置換基R1、R3およびR7は上記の意味を有するかまたはとくに、好ましい意味を有する。
前記炭素環またはヘテロ環は、上記カチオンにおいては任意に置換基としてC1-〜C6-アルキル、C1-〜C6-アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6-アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2NR’’2、SO2X’もしくはSO3H、ここでX’およびR’’は上記または下記において示す意味を有し、置換フェニルもしくは無置換フェニルまたは無置換ヘテロ環もしくは置換ヘテロ環を有していてもよい。
前記置換基R1〜R7はそれぞれ相互に独立して、好ましくは直鎖状または分枝状アルキル基として1〜10個の炭素原子を有する。前記置換基R1およびR2、R3およびR4ならびにR5およびR6は、ここでは式(3)〜(5)の化合物において同一でも異なっていてもよい。
R1〜R7はとくに好ましくはそれぞれ相互に独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、フェニルまたはシクロヘキシルであり、極めてとくに好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルまたはn-ブチルである。
水素以外には、式(6)の化合物の置換基R1’〜R4’の好適なものは、好ましくは本発明に従う:C1-〜C20-アルキル基、とくにC1-〜C12-アルキル基、および飽和または不飽和の、すなわちまた芳香族の、C3-〜C7-シクロアルキル基であり、それらはC1-〜C6-アルキル基、によって置換されていてもよく、とくにフェニルである。
前記置換基R1’およびR4’はそれぞれ相互に独立して、とくに好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。これらは極めてとくに好ましくはメチル、エチル、n-ブチルまたはヘキシルである。ピロリジニウム化合物、ピペリジニウム化合物またはインドリニウム化合物において、2つの置換基R1’およびR4’は好ましくは異なる。
前記置換基R2’またはR3’はそれぞれの場合、相互に独立して、とくに水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。R2’はとくに好ましくは水素、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルまたはsec-ブチルである。R2’およびR3’は極めてとくに好ましくは水素である。
前記C1-C12-アルキル基は例えば、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチルであり、さらにまたペンチル、1-、2-または3-メチルブチル、1,1-、1,2-または2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。任意のものは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチルである。
直鎖状または分枝状アルケニルであって2〜20個の炭素原子を有し、複数の二重結合も存在してよいものは、例えば、アリル、2-または3-ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニルであり、さらに4-ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、-C9H17、-C10H19〜-C20H39である;好ましくはアリル、2-または3-ブテニル、イソブテニル、sec-ブテニルであり、さらに、好ましくは4-ペンテニル、イソペンテニルまたはヘキセニルである。
直鎖状または分枝状のアルキニルであって2〜20個の炭素原子を有し、複数の三重結合も存在してよいものは、例えばエチニル、1-または2-プロピニル、2-または3-ブチニル、さらに4-ペンチニル、3-ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、-C9H15、-C10H17〜-C20H37、好ましくはエチニル、1-または2-プロピニル、2-または3-ブチニル、4-ペンチニル、3-ペンチニルまたはヘキシニルである。
アリール-C1-C6-アルキルが示すのは、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチルまたはフェニルヘキシルであり、フェニル環およびさらにアルキルレン鎖の両方が、部分的にまたは完全に、上記に示すように、ハロゲン、とくに-Fおよび/または-Clによって置換されていてもよく、または-NO2によって部分的に置換されていてもよい。
したがって、無置換であり、飽和であるかまたは部分的もしくは完全に不飽和のシクロアルキル基として3〜7個の炭素原子を有するものは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタ-1,3-ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ-1,3-ジエニル、シクロヘキサ-1,4-ジエニル、フェニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタ-1,3-ジエニル、シクロヘプタ-1,4-ジエニルまたはシクロヘプタ-1,5-ジエニルであり、C1-〜C6-アルキル基であり、前記シクロアルキル基または前記シクロアルキル基のうちC1-〜C6-アルキル基によって置換されているものは、さらにハロゲン原子、例えばF、Cl、BrもしくはI、とくにFもしくはCl、またはNO2によって置換されていてもよい。
置換基R、R1〜R6またはR1’〜R4’において、1つの炭素原子または2つの隣接せずヘテロ原子とα位において結合していない炭素原子は、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
一般性を制限しないが、置換基R、R1〜R6およびR1’〜R4’であってこのように修飾されたものは以下のとおりである:
Figure 2008506641
R’において、C3-〜C7-シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
R’において、置換フェニルはフェニルのうち置換基としてC1-〜C6-アルキル、C1-〜C6-アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1-C6-アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2X’、SO2NR’’2またはSO3Hを有するものであり、ここでX’が示すのはF、ClまたはBrであり、R’’が示すのは非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキルまたはC3-〜C7-シクロアルキルであり、R'についての定義の通りである。例えばo-、m-またはp-メチルフェニル、o-、m-またはp-エチルフェニル、o-、m-またはp-プロピルフェニル、o-、m-またはp-イソプロピルフェニル、o-、m-またはp-tert-ブチルフェニル、o-、m-またはp-ニトロフェニル、o-、m-またはp-ヒドロキシフェニル、o-、m-またはp-メトキシフェニル、o-、m-またはp-エトキシフェニル、o-、m-、p-(トリフルオロメチル)フェニル、o-、m-、p-(トリフルオロメトキシ)フェニル、o-、m-、p-(トリフルオロメチルスルホニル)フェニル、o-、m-またはp-フルオロフェニル、o-、m-またはp-クロロフェニル、o-、m-またはp-ブロモフェニル、o-、m-またはp-ヨードフェニルであり、さらに、好ましくは2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジメチルフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジヒドロキシフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジフルオロフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジクロロフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジブロモフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジメトキシフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニルまたは2,4,5-トリメチルフェニルである。
R1’〜R4’において、ヘテロアリールの意味は、飽和または不飽和の単環式または二環式ヘテロ環基として5〜13個の環員を有し、1、2または3個のNおよび/または1または2個のSまたはO原子が存在してよいものであり、該ヘテロ環基は単置換または多置換のものであってもよく、置換基はC1-〜C6-アルキル、C1-〜C6-アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6-アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2X’、SO2NR’’2もしくはSO3Hであり、ここでX’およびR’’は上記または下記において示す意味を有する。
前記ヘテロ環基は好ましくは置換または無置換の、2-または3-フリル、2-または3-チエニル、1-、2-または3-ピロリル、1-、2-、4-または5-イミダゾリル、3-、4-または5-ピラゾリル、2-、4-または5-オキサゾリル、3-、4-または5-イソキサゾリル、2-、4-または5-チアゾリル、3-、4-または5-イソチアゾリル、2-、3-または4-ピリジル、2-、4-、5-または6-ピリミジニルであり、さらに、好ましくは1,2,3-トリアゾール-1-、-4-または-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-、-4-または-5-イル、1-または5-テトラゾリル、1,2,3-オキサジアゾール-4-または-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-または-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-または-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-または-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-または-5-イル、2-、3-、4-、5-または6-2H-チオピラニル、2-、3-または4-4H-チオピラニル、3-または4-ピリダジニル、ピラジニル、2-、3-、4-、5-、6-または7-ベンゾフリル、2-、3-、4-、5-、6-または7-ベンゾチエニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-または7-1H-インドリル、1-、2-、4-または5-ベンズイミダゾリル、1-、3-、4-、5-、6-または7-ベンゾピラゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズオキサゾリル、3-、4-、5-、6-または7-ベンズイソキサゾリル、2-、4-、5-、6-または7-bベンゾチアゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズイソチアゾリル、4-、5-、6-または7-ベンズ-2,1,3-オキサジアゾリル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-または8-イソキノリニル、1-、2-、3-、4-または9-カルバゾリル、1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、8-または9-アクリジニル、3-、4-、5-、6-、7-または8-シノリニル、2-、4-、5-、6-、7-または8-キナゾリニルまたは1-、2-または3-ピロリジニルである。
アリール-C1-C6-アルキルと同様に、ヘテロアリール-C1-C6-アルキルの意味は、例えば、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、ピリジニルブチル、ピリジニルペンチル、ピリジニルヘキシルであり、ここで上記ヘテロ環がさらにアルキレン鎖にこのような様式で結合していてもよい。
HetN+は好ましくは以下のとおりである:
Figure 2008506641
式中、置換基R1’〜R4’はそれぞれ相互に独立して、上記の意味を有する。
HetN+はとくに好ましくは、イミダゾリウム、ピロリジニウムまたはピリジニウムであり、上記における定義のとおり、置換基R1’〜R4’はそれぞれ相互に独立して上記の意味を有する。HetN+は極めてとくに好ましくはイミダゾリウムであり、置換基R1’〜R4’はそれぞれ相互に独立して上記の意味を有する。
一般的なスキームによって本発明の方法を要約する。生成する塩酸HClの矢印は共沸蒸留の記号を表す:
Figure 2008506641
置換基R、R1〜R7およびHetN+は、式(1)〜(10)の化合物においては、上記の意味に相当する。
アニオン交換は、当業者に公知の反応条件下において行う。用いる溶媒は、好ましくは水である。しかし、水混和性溶媒を用いることも可能であり、例えばジメトキシエタン、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、プロピオニトリル、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールまたはその相互の混合物もしくは水との混合物である。
前記反応は、例えば温度としては0℃〜100℃で行い、好ましくは10〜50℃で行い、とくに好ましくは室温で行う。前記反応は、過剰モル量または等モル量の酸によって行う。好ましくは0.1〜5モル%過剰の酸を用いる。前記共沸蒸留は、多くの回数(a number of times)を大気圧下または減圧下において行う。減圧下においてとは、ここでは0.1 Pa〜大気圧を意味するものとする。低塩化物含量が好ましくは達成されるのは、共沸蒸留を5回行った場合である。低塩化物含量がとくに好ましくは達成されるのは、共沸蒸留を3回行った場合である。
これ以上の説明がなくても、当業者は上記の記載を最も広い範囲で利用することが可能であると考えられる。したがって、好ましい態様および例は、単に記述による開示であると考えられるべきであって、如何なる意味においても決して限定するものではない。
NMRスペクトルの測定は、重水素化溶媒中の溶液について20℃において、Bruker Avance 300分光計を用いて、重水素ロックを有する5 mm 1H/BBブロードバンドヘッドを用いて行ったが、例中に他の記載がある場合はこの限りではない。周波数の測定はそれぞれ別異の核について、1H: 300.13 MHz、11B: 96.92 MHz、19F: 282.41 MHzおよび31P: 121.49 MHzである。参照の方法は、個別に各スペクトルまたは各データセットについて示してある。
例1:四フッ化ホウ酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム116.5g(0.667mol)を、最初に、70℃の液体状態で導入し、約50%水性HBF(約3%過剰)120.6gに溶解する。その過程では、加温をせず、わずかなHClガスの生成のみが観察される。次に、1,4−ジオキサン250mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物250mlを、大気圧下(85〜90℃)で蒸留して除去する。それから、さらにジオキサン200mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物250mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。蒸留フラスコの残留物は、低量の塩化物イオンを含有している(硝酸銀試験)。さらに、ジオキサン100mlと共沸蒸留を行った後は、残留物中の塩化物イオンの含量は極めて低く、硝酸銀試験を用いても検出されない。1.3Paの減圧下および80℃で蒸留残留物の乾燥をすると、四フッ化ホウ酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム149.2gを、液体として得る。四フッ化ホウ酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの収量は、おおよそ定量的である。イオン液体中の塩化物含量は11ppmであり、硝酸銀の非水溶媒溶液を用いた微量滴定により測定される。終点は、塩化物イオン選択性電極を用いて、電位差測定的に決定される。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.93 t (CH3); 1.32 m (CH2); 1.82 m (CH2); 3.85 s (CH3); 4.16 t (CH2); 7.40 d,d (CH); 7.44 d,d (CH); 8.54 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
11B NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: BF3 × OEt2 - external): -1.12 s (BF4 -).
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -149.53 br.s (BF4 -).
例2:四フッ化ホウ酸1−ブチル−4−メチルピリジニウムの合成
Figure 2008506641
HBF(0.111mol)50%水溶液19.5gを、塩化1−ブチル−3−メチルピリジニウム19.8g(0.107mol)に加え、その混合物を室温で20分間攪拌する。次に、1,4−ジオキサン20mlを加え、1,4−ジオキサン/水共沸混合物28mlを、大気圧下および85〜95℃で蒸留して除去する。その過程は、硝酸銀試験で塩化物が検出できなくなるまで繰り返される。1.3Paの減圧下および80℃で乾燥すると、四フッ化ホウ酸1−ブチル−4−メチルピリジニウム25.1gが得られ、それは塩化1−ブチル−4−メチルピリジニウムに基づいて、99.0%の収量に相当する。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.93 t (CH3); 1.35 m (CH2); 1.93 m (CH2); 2.63 s (CH3); 4.50 t (CH2); 7.86 d (2CH); 8.61 d (2CH); 3JH,H = 7.4 Hz; 3JH,H = 6.8 Hz.
11B NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: BF3 × OEt2 - external): -1.11 s (BF4 -).
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -149.66 br.s (BF4 -).
例3:四フッ化ホウ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
塩化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム105g(0.716mol)を、約50%水性HBF(約3%過剰)129.5gに、室温で溶解する。その過程では、加温せず、わずかなHClガスの生成のみが観察される。次に、1,4−ジオキサン260mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物260mlを、大気圧下(85〜90℃)で蒸留して除去する。それから、さらにジオキサン210mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物260mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。蒸留フラスコの残留物は、低量の塩化物イオンを含有している(硝酸銀試験)。さらに、ジオキサン120mlと共沸蒸留を行った後は、残留物中の塩化物イオンの含量は極めて低く、硝酸銀試験を用いても検出されない。1.3Paの減圧下および70℃で蒸留残留物の乾燥をすると、四フッ化ホウ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを、液体として得る。収量はおおよそ定量的である。イオン液体中の塩化物含量は5ppm未満であり、例1に記載のように測定される。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 1.44 t (CH3); 3.85 s (CH3); 4.18 q (CH2); 7.40 d,d (CH); 7.46 d,d (CH); 8.53 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -149.12 br.s (BF4 -).
例4:四フッ化ホウ酸トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウム54.35g(0.105mol)を、約50%水性HBF18.90gと反応させる。次に、1,4−ジオキサン40mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物48mlを、大気圧下(85〜90℃)で蒸留して除去する。それから、さらにジオキサン30mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物30mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。さらに、ジオキサン30mlと共沸蒸留を行った後は、残留物中の塩化物イオンの含量は極めて低く、硝酸銀試験を用いても検出されない。1.3Paの減圧下および70℃で蒸留残留物の乾燥をすると、四フッ化ホウ酸トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムを、液体として得る。収量はおおよそ定量的である。イオン液体中の塩化物含量は12ppmであり、例1に記載のように測定される。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.91 t (CH3); 0.93 t (3CH3); 1.28-1.40 m (16CH2); 1.40-1.62 m (8CH2); 2.07-2.20 m (4CH2); 3JH,H = 7 Hz.
11B NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: BF3 × OEt2 - external): -1.22 s (BF4 -).
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -149.22 br.s (BF4 -).
例5:四フッ化ホウ酸テトラブチルアンモニウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化テトラブチルアンモニウム24.80g(0.089mol)を、約50%水性HBF(約3%過剰)16.2gと反応させる。3回の、1,4−ジオキサン40mの添加、およびHClを含有している水/ジオキサン共沸混合物約42〜45mlの共沸蒸留(85〜90℃)の後は、硝酸銀試験において、残留物中の塩化物イオンの含量は低い。1.3Paの減圧下および70℃で蒸留残留物の乾燥をすると、四フッ化ホウ酸テトラブチルアンモニウム28.8gを得る。収量はおおよそ定量的である。イオン液体中の塩化物含量は118ppmであり、例1に記載のように測定される。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.99 t (4CH3); 1.38 t,q (4CH2); 1.63 m (4CH2); 3.11 s (4CH2); 3JH,H = 7.2 Hz.
11B NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: BF3 × OEt2 - external): -1.24 s (BF4 -).
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -150.47 s (BF4 -).
例6:三フッ化メタンスルホン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム174.7g(1.0mol)を、98%CFSOH153.2g(1.0mol)と反応させる。次に、1,4−ジオキサン200mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物200mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。共沸蒸留をさらに2回実行する(それぞれの場合において、ジオキサン150mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物150mlを蒸留により除去する(95〜101℃))。1.3Paの減圧下および70℃で蒸留残留物の乾燥を行うと、三フッ化メタンスルホン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを、液体として得る。収量はおおよそ定量的である。イオン液体中の塩化物含量は9ppmであり、例1に記載のように測定される。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.91 t (CH3); 1.31 m (CH2); 1.82 m (CH2); 3.87 s (CH3); 4.17 t (CH2); 7.46 d,d (CH); 7.52 d,d (CH); 8.74 br.s (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -78.10 q,q (CF3SO3 -).
例7:六フッ化ケイ酸1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム150.1g(0.740mol)を、約25%水性HSiF(約3%過剰)218.8gと反応させる。
次に、1,4−ジオキサン600mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物695mlを、大気圧下(85℃)で蒸留して除去する。それから、さらにジオキサン310mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物380mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。硝酸銀試験は、銀(I)六フッ化ケイ酸塩の低溶解度のために、実行できない。次に、さらに3回、各回ジオキサン100mlと共沸蒸留を実行する。1.3Paの減圧下および70℃で蒸留残留物の乾燥をすると、97%の収量に相当する、六フッ化ケイ酸1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム171.1gを、高粘度の生成物として得る。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.84 m (CH3); 1.27 m (3CH2); 1.83 m (CH2); 3.91 s (CH3); 4.22 t (CH2); 7.60 d,d (CH); 7.64 d,d (CH); 9.73 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.7 Hz.
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal): -136.27 br.s (SiF6 2-).
例8:六フッ化チタン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム76.3g(0.437mol)を、約60%水性HTiF61.5gと反応させる。次に、1,4−ジオキサン100mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン共沸混合物121mlを、大気圧下(85℃)で蒸留して除去する。それから、さらにジオキサン100mlを加え、HClを含有している水/ジオキサン混合物104mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。さらに3回の、各回ジオキサン100mlとの共沸蒸留、および1.3Paの減圧下60℃での蒸留残留物の乾燥の後、六フッ化チタン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを、高粘度の生成物として得る。収量はおおよそ定量的である。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.88 t (CH3); 1.28 m (CH2); 1.77 m (CH2); 3.86 s (CH3); 4.17 t (CH2); 7.42 d,d (CH); 7.43 d,d (CH); 8.54 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
例9:トシル酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム86.3g(0.494mol)およびトルエンスルホン酸一水和物94.9g(0.499mol)を、1,4−ジオキサン50mに室温で溶解する。次に、HClを含有した水/ジオキサン共沸混合物58mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。22回の追加の、各回ジオキサン200mlとの共沸蒸留、および1.3Paの減圧下80℃での蒸留残留物の乾燥の後、トシル酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを得る。収量はおおよそ定量的である。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.88 t (CH3); 1.26 m (CH2); 1.74 m (CH2); 2.34 s (CH3); 3.83 s (CH3); 4.11 t (CH2); 7.18 d,m (2 CH, A); 7.43 d,d (CH); 7.46 d,d (CH); 7.64 d,m (2 CH, B); 9.01 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JA,B = 8 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
例10:メチルスルホン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム26.5g(0.152mol)を、約70%水性メタンスルホン酸、CHSOH21.4gと反応させる。
次に、1,4−ジオキサン100mlを加え、HClを含有した水/ジオキサン共沸混合物107mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。
18回の追加の、各回1,4−ジオキサン100mlとの共沸蒸留、および1.3Paの減圧下80℃での蒸留残留物の乾燥の後、メチルスルホン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを得る。収量はおおよそ定量的である。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.89 t (CH3); 1.28 m (CH2); 1.80 m (CH2); 2.60 s (CH3); 3.89 s (CH3); 4.20 t (CH2); 7.57 d,d (CH); 7.61 d,d (CH); 9.34 m (CH); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
例11:硫酸(hydrosulfate)1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム67.6g(0.387mol)を、約90%水性硫酸、HSO43.0gと反応させる。次に、1,4−ジオキサン80mlを加え、HClを含有したジオキサン/水共沸混合物84mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。4回の追加の、各回1,4−ジオキサン80mlとの共沸蒸留、および1.3Paの減圧下80℃での蒸留残留物の乾燥の後、硫酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを得る。収量はおおよそ定量的である。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.86 t (CH3); 1.26 m (CH2); 1.77 m (CH2); 3.86 s (CH3); 4.16 t (CH2); 7.45 d,d (CH); 7.47 d,d (CH); 8.92 m (CH); 10.95 br.s (SO4H); 3JH,H = 7.3 Hz; JH,H = 1.8 Hz.
例12:三フッ化酢酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムの合成
Figure 2008506641
例1と同様に、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム23.0g(0.132mol)を、約80%水性三フッ化酢酸、CFC(O)OH(50%過剰)28.0gと反応させる。次に、1,4−ジオキサン100mlを加え、HClおよびCFC(O)OHを含有している水/ジオキサン共沸混合物112mlを、大気圧下(85〜101℃)で蒸留して除去する。さらに4回の、各回1,4−ジオキサン100mlとの共沸蒸留の後、さらに約80%水性三フッ化酢酸19gを、残留物に加える。次に、1,4−ジオキサン100mlを加え、HCl及びCFC(O)OHを含有している水/ジオキサン共沸混合物105mlを、大気圧下で蒸留して除去する。さらに3回の、各回1,4−ジオキサン100mlとの共沸蒸留、および1.3Paの減圧下70℃での蒸留残留物の乾燥の後、三フッ化酢酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムを得る。収量はおおよそ定量的である。
1H NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: TMS): 0.92 t (CH3); 1.32 m (CH2); 1.81 m (CH2); 3.85 s (CH3); 4.15 t (CH2); 7.38 m (CH); 7.42 m (CH); 8.61 m (CH); 3JH,H = 7.4 Hz.
19F NMR spectrum, ppm (acetonitrile-D3; reference: CCl3F - internal):
-75.60 s (CF3C(O)O-).

Claims (11)

  1. 塩化オニウムと酸との反応による塩化物含量が低いオニウム塩の製造方法であって、塩酸の生成を、水と共沸混合物を生成する有機溶媒への配位による共沸蒸留によって排除する、前記製造方法。
  2. 塩化物が、塩化アンモニウム、塩化ホスホニウム、塩化チオウロニウム、塩化グアニジニウムまたはヘテロ環カチオンを有する塩化物であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 塩化物が、式(1)
    [NR4]+Cl- (1)
    に一致することを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法:
    式中、
    Rは、それぞれの場合において相互に独立して、
    水素、ただし、全ての置換基Rは同時にHではなく、
    1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
    3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
    ただし、1つまたは2つ以上のRは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、4つ全てのRまたは3つのRはハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
    また、Rにおける1つの炭素原子または2つの隣接せずα位にない炭素原子は、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
  4. 塩化物が、式(2)
    [PR4]+Cl- (2)
    に一致することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法:
    式中、
    Rは、それぞれの場合において相互に独立して、
    水素、ただし、全ての置換基Rは同時にHではなく、
    1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
    3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
    ただし、1つまたは2つ以上のRは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、4つ全てのRまたは3つのRはハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
    また、Rにおける1つの炭素原子または2つの隣接せずα位にない炭素原子は、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
  5. 塩化物が、式(3)
    [(R1R2N)-C(=SR7)(NR3R4)]+Cl- (3)
    に一致することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法:
    式中、
    〜Rは、それぞれ相互に独立して、
    水素、ただし置換基RからHは除外され、
    1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
    3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
    ただし、1つまたは2つ以上の置換基R〜Rは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、1つのN原子上の全ての置換基がハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
    また、置換基R〜Rにおける1つの炭素原子または隣接していない2つの炭素原子であってヘテロ原子に直接結合していないものは、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
  6. 塩化物が、式(4)
    [C(NR1R2)(NR3R4)(NR5R6)]+Cl- (4)
    に一致することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法:
    式中、
    〜Rは、それぞれ相互に独立して、
    水素、
    1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
    3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、を表し、
    ただし、1つまたは2つ以上の置換基R〜Rは、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、1つのN原子上の全ての置換基がハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
    また、置換基R〜Rにおける1つの炭素原子または隣接していない2つの炭素原子であってヘテロ原子に直接結合していないものは、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
  7. 塩化物が、式(5)
    [HetN]+Cl- (5)
    に一致することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方法:
    式中、
    HetNは、以下の群から選択されるヘテロ環カチオンを表し、
    Figure 2008506641
    Figure 2008506641
    式中、
    1’〜R4’は、それぞれ相互に独立して、
    水素、
    1〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖状または分枝状アルケニル、
    2〜20個の炭素原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖状または分枝状アルキニル、
    3〜7個の炭素原子を有し、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよい、飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のシクロアルキル、
    飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和のヘテロアリール、
    ヘテロアリール−C〜C−アルキルまたはアリール−C〜C−アルキル
    を表し、
    ただし、置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’は、一緒に環系を形成してもよく、
    1つまたは2つ以上の置換基R1’〜R4’は、ハロゲンによって、とくに−Fおよび/または−Clによって、部分的または完全に置換されていてもよく、または−NOで部分的に置換されていてもよいが、R1’およびR4’は同時にハロゲンによって完全に置換されていることはなく、
    また、置換基R1’〜R4’における1つの炭素原子または隣接していない2つの炭素原子であってヘテロ原子に直接結合していないものは、原子および/または原子団−O−、−S−、−S(O)−、−SO−または−P(O)R’−の群から選択されるものによって置換されていてもよく、R’は、非フッ素化、部分的にフッ素化された、または完全にフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換であるかまたは置換されたフェニルである。
  8. 酸が下記群より選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法:
    HBF、HSiF、HTiF、HZrF、HSbF、HAsF、HPF、HN(CN)、HC(CN)、HSO、HNO、アルキルもしくはパーフルオロアルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、アルキルもしくはパーフルオロアルキルホスフィン酸、アルキルもしくはパーフルオロアルキルホスホン酸、芳香族ホスフィン酸もしくはホスホン酸またはリン酸。
  9. 塩化物と酸との反応が、水中で行われることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  10. 水と共沸混合物を生成する有機溶媒が、ニトロアルカン、ニトリル、芳香族、環もしくは直鎖状のエーテルもしくはエステルまたはアルコールであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  11. 共沸蒸留を、バッチ式、半連続または連続して、大気圧においてまたは減圧下において行うことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
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