JP2008506033A - 組成物を水性の媒質へと送達するための容器詰めされた組成物 - Google Patents

Abstract

本発明は組成物を水性の媒質へと送達するための容器詰めされた組成物である。この容器詰めされた組成物は、生分解性のデンプン系ポリマーで作製された剛性容器、及び前記容器の内部の無水の組成物を含む。本発明はまた、容器詰めされた組成物を製造するプロセス、及び容器詰めされた組成物を水性の媒質へと送達するプロセスをも含む。

Description

本発明は組成物を水性の媒質へと送達するための容器詰めされた組成物に関する。

種々の組成物が所望の機能を実行するために水又は水性の媒質へと送達されるように意図されている。こうした組成物としては、洗濯用洗剤、トイレ洗浄組成物、食器洗浄組成物、布地柔軟化組成物、浴用塩組成物、及び食品組成物が挙げられるが、これらに限定されない。こうした組成物は典型的に、嵩高いパッケージ中で又は単回投与品としてのいずれかで消費者に販売され、後者が明らかな利便性の利点を有している。しかしながら、水性の媒質中で使用するためにこうした単回投与品を提供することは、多くの技術的課題を提起し、その主なものは十分に水溶性であるパッケージを提供することである。単回投与粉末「錠剤」のためのフローラップのような非水溶性のパックが使用された場合、このパックは消費者によって開けられ及び廃棄されなければならず、ごみを生じ、及び開ける時に消費者が高濃度の製品に直接曝される。水溶性のパッケージは現に存在し、これらは典型的にポリビニルアルコールで作製される。しかし、ポリビニルアルコールで作製されたパッケージは常に、剛性とは対照的に、柔軟であり又は可撓性である。これにより、可撓性のポリビニルアルコールパッケージを、典型的には紙箱及び／又はプラスチック容器のような、「第２のパッケージ」によって、及び更にはしばしば「第３のパッケージ」によって、保護する必要性が生ずる。このことは、今度は、コストを付加し、製造にかかわる搬送の複雑さ、及び使用時における付加材料によるごみを増加させる。したがって、本発明の目的は、組成物を水性の媒質に提供するための剛性で水溶性のパッケージを提供することである。このパッケージは、溶解された後にいかなる残留物も残さないで水性の媒質に直接添加することができるのに十分なだけ水溶性であり、そして運搬時及び最低限の「第２の」及び「第３の」パッケージを消費者が扱う際に、その形状及び構造を維持することができるにの十分なだけ剛性である。

水溶性の剛性容器を製造するための好適な材料は、以下で開示されるような生分解性、デンプン系ポリマーであることが今般見出された。

第１の実施形態では、本発明は組成物を水性の媒質へと送達するための容器詰された前記組成物を包含する。この容器詰めされた組成物は、ａ）アンヒドロキシアルキル（anhydroxyalkyl）Ｃ２〜６基を包含するように変性された、又はジカルボン酸の無水物との反応によって変性された、８〜８０重量％のデンプン、ｂ）０〜８７．９％のデンプン、ｃ）ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、及びエチレンとビニルアルコールとのコポリマーから選択される、４〜１１重量％の水溶性ポリマーであって、デンプン構成成分の溶融状態と適合した融点を有するもの、ｄ）０〜２０重量％のポリオール可塑剤、ｅ）０．１〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩及び０〜１２％の添加水を含む生分解性ポリマーで作製された、実質的に剛性容器を含む。容器詰めされた組成物は前記容器の内部に無水の組成物を更に含む。

第２の実施形態では、本発明は容器詰めされた組成物を製造するためのプロセスを含む。プロセスはａ）デンプン、変性デンプン、ビニルアルコール単位を含有する水溶性ポリマー又はコポリマー、２０％までの添加水及び／又はポリオール可塑剤、及び０．４〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩、の混合物を形成する工程、並びにｂ）工程ａ）で得られる混合物から前記剛性容器を形成する工程、並びにｃ）前記剛性容器中に前記無水の組成物を提供する工程、並びにｄ）前記容器を閉じる工程を含む。

第３の実施形態では、本発明は組成物を水性の媒質へと送達する方法を含み、この際、本明細書で記載される容器詰めされた組成物を前記水性の媒質と接触させる。

本発明は容器詰めされた組成物を包含する。容器詰めされた組成物は剛性容器、及び前記容器の内部に無水の組成物を含む。「剛性」とは、本明細書では、容器が充填されておらず密封されておらず、またいかなる態様でも支持されていない場合に、容器がその形状を実質的に保持すること、及び容器が含むことを意図されている製品を一旦含むと、実質的にゆがまないことを意味する。剛性容器はデンプン系生分解性ポリマーで作製される。「で作製される」とは本明細書では、デンプン系生分解性ポリマーが容器の主要な構成要素であることを意味する。本明細書で対象となるデンプン系生分解性ポリマーは、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ００／３６００６に開示されており、及びａ）アンヒドロキシアルキル（anhydroxyalkyl）Ｃ２〜６基を包含するように変性された、又はジカルボン酸の無水物との反応によって変性された、８〜８０重量％のデンプン、ｂ）０〜８７．９％のデンプン、ｃ）ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、及びエチレンとビニルアルコールとのコポリマーから選択される、４〜１１重量％の水溶性ポリマーであって、デンプン構成成分の溶融状態と適合した融点を有するもの、ｄ）０〜２０重量％のポリオール可塑剤、並びにｅ）０．１〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩を含む。

構成成分ａ）は変性デンプンである。この構成成分は結果として得られる材料に構造的利益を与える。好ましい構成成分は、ヒドロキシプロピル化アミラーゼであるが、他の好適な置換基としては、ヒドロキシエーテル置換化合物を形成するためのヒドロキシエチル若しくは（hydroxyethylor）ヒドロキシブチルが挙げられ、又はエステル誘導体を生成するために無水マレイン酸、無水フタル酸、若しくは無水オクテニルコハク酸などの無水物を用いることができる。置換の程度（すなわち、置換されているユニット内のヒドロキシル基の平均数）は好ましくは０．０５〜２である。好ましいデンプン材料は高アミローストウモロコシデンプン（high amylosemaize starch）である。好ましい構成成分は、グッドマン・フィールダー（Goodman Fielder）によって市販されているヒドロキシプロピル化高アミロースデンプンＡ９３９である。

構成成分ｂ）は非変性デンプンであり、あらゆる市販のデンプンが本明細書で使用するのに好適である。好適なデンプンは、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、米、オートムギ、クズウコン、及びエンドウマメ供給源から誘導することができる。一般には、デンプン中の水分含有量は約１０〜１５％である。本明細書で使用するための好適なデンプンに関する好ましい濃度範囲は、５０％〜７０．６％である。

構成成分ｃ）は、デンプンのための加工温度と適合した、低い融点を有するべきであるという点においてデンプンと適合性でなければならない水溶性ポリマーである。ポリビニルアルコールは好ましいポリマーであるが、エチレン−ビニルアルコール、エチレンビニルアセテートのポリマー、又はポリビニルアルコールとのブレンドもまた本明細書で使用してよい。

構成成分ｄ）はポリオール可塑剤である。可塑剤の量は、デンプン系生分解性ポリマーの剛性に、したがって容器の剛性に大きく影響する。それゆえに、可塑剤の量を多くすることを避けるのが最善である。しかし、少量の可塑剤は、生分解性デンプン系ポリマーの機械的抵抗性を改善する場合がある。グリセロールが本明細書で使用するのに好ましいが、エチレングリコール及びジエチレングリコール（diethylene glycollo）もまた好適であり、ソルビトールも同様である。少ない量の可塑剤が使用される場合、加工性を改善するために少量の水を添加する必要がある場合がある。

構成成分ｅ）は脂肪酸又は脂肪酸塩であり、好ましくは０．６％〜１％の濃度で存在する。ステアリン酸は好ましい構成成分である。ステアリン酸のナトリウム及びカリウム塩もまた使用することができる。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、及びベヘン酸はすべて好適である。

本発明の他の実施形態では、ａ）デンプン、変性デンプン、ビニルアルコール単位を含有する水溶性ポリマー又はコポリマー、２０％までの添加水及び／又はポリオール可塑剤、及び０．４〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩、の混合物を形成する工程、並びにｂ）工程ａ）で得られる混合物から前記剛性容器を形成する工程、ｃ）前記剛性容器中に前記無水の組成物を提供する工程、並びにｄ）前記容器を閉じる工程を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物を製造するためのプロセスが提供される。

厳密な処理条件は配合、及び生産されるべき製品の所望の特性によって決まる。本発明を実施する好ましい方法は、デンプン、変性デンプン、ビニルアルコールポリマー潤滑剤、及び脂肪酸構成成分を自由流動粉末へと混合することを伴い、及びこれはあらゆる従来の混合機中で行うことができる。得られる粉末を次にスクリュー押出成形機へと導入し、スクリューの剪断作用及びバレルへの外的加熱の適用によって高温に曝す。温度は１３０℃〜１６０℃の範囲の最高値まで上昇される。

追加の水を包含するあらゆる液体構成成分はこの工程の間に導入される。形成される溶融物はダイの方へと推進され、そして前方に移動する際に温度は８５℃〜１０５℃の範囲の値まで低下される。ダイを通した押出成形の後、材料はシート押出成形、射出成形又は吹込成形などの第２のプロセスにおいて成形されるためにペレット化されることができる。あるいは、溶融物はシート形成ダイからパリソンへの又は射出金型への押出しによって直接成形されることができる。溶融物は好ましくは１２０℃〜１７０℃の温度で射出成形される。

剛性容器の内部に詰められる組成物は無水の組成物である。無水とは、剛性容器を溶解するのを回避するために、組成物が実質的にほとんど水を含有すべきではないということを意味する。組成物は無水である限り、固体又は液体であることができる。本発明で使用できる無水の組成物は、洗濯用洗剤、トイレ洗浄組成物、食器洗浄組成物、布地柔軟化組成物、浴用塩組成物、食品組成物が挙げられるがこれらに限定されず、これらはすべて当該技術分野で広く開示されている。

容器は、別個に成形されそして嵌着されることができるキャップ若しくはカバー、又は容器の開口部を覆って取り付けられるシートなどの、当該技術分野で既知のいずれかの手段によって閉じられる。別法として、容器の２つの縁部又は区域を互いに接合して封止することができる。キャップ若しくはカバー又はシートの場合のように閉鎖具として別個の部分が使用される場合には、その閉鎖具もまた水溶性の材料、好ましくは本明細書で開示されるような生分解性ポリマーで作製されるべきである。接着剤が使用される場合、それらもまた水溶性であるべきである。少量の水を提供して容器の区域及び閉鎖具を部分的に溶解し、次いで水が蒸発する間保持して溶接を与えるようにすることによって、容器とその閉鎖具（又は容器の２つの縁部若しくは区域）を互いに「溶接する」こともまた可能である。

本発明は、本発明の容器詰めされた組成物を使用するプロセスを更に包含する。その最も広い定義では、プロセスは組成物を水に送達する方法であり、この際、本明細書で記載したような容器詰めされた組成物を水と接触させ、好ましくは水中に浸漬する。水性の媒質との接触時に、剛性容器が溶解し、そして組成物がその水性の媒質へと放出される。

以下の実施例により本発明を例証する。

多くの好適な材料組成物の実施例がＰＣＴ国際公開特許ＷＯ００／３６００６に提示されていた。

^*グッドマン・フィールダー（Goodman Fielder）により市販されているＡ９３９
これらの配合は、フィルム又はシートを製造するための押出成形及び吹込に好適である。

これらの材料は、６０℃〜１４０℃の範囲の温度特性及び９６５２．６６ｋＰａ（１４００ｐｓｉ）のダイ圧力を用いて、シート形成ダイから押出成形される。好適な、取り出しローラー（take-off roller）のスピード及びフィルム冷却／乾燥シーケンスを用いて、厚さ１００〜７５０ミクロンの一貫性のあるシートを製造することができる。

実施例１：熱成形シェル
上記に例示した組成物は押出成形されて厚さ１００〜７５０ミクロンのシートを形成する。これらのシートは、１１０〜１５０℃の温度で「クラムシェル」デザインへと圧縮又は真空熱成形される。このデザインは必要とされる製品の用量を含有するのに十分な容積を有する、赤道状環状リングによって囲まれた実質的に半球状の部分から成る。このリングは同一の材料で作製された蓋にヒンジ結合される。

製品は半球状の部分中に充填され、蓋が折り重ねられて熱、接着剤、又は溶媒によって環状リングへと封止されて、密封された半球状の容器が作られる。

環状リングの大きさは、「鋭利な」縁部を少なくするための最小値に保たれるが、頑丈な封止を生ずるのに十分な大きさを有していなければならない。これを達成する方法としては、「ホットナイフ」装置による封止、半球状部分のごく近くまで切断すること、又は封止が形成された後過剰のリング材料を切り落とす第２のプロセスによるものが挙げられる。

実施例２：別個の蓋を有する熱成形シェル
材料組成物を前述の実施例と同様に加工して、半球状の部分を作り、及び別個の蓋部分もまた作製する。基部部分に製品を充填し、蓋を「スナップ嵌め」又はアンダーカットデザインによって基部部分に取り付けて製品がこぼれ出るのを防ぐために効果的な封止を形成する。この蓋もまた、前述の実施例と同様に熱、溶媒、又は接着剤を介して封止することができる。

いずれの場合も、最初の溶解／構造の破壊時に水が装置に入り込み内部で自由に移動して、製品の溶解スピードを最大限にできるように、容器の容積を製品の体積よりもわずかに大きくすることが望ましい。

実施例３：射出成形基部及び蓋
材料組成物は上記のように押出成形され、及び４００００ｋＰａ（４００ｂａｒ）〜１５００００ｋＰａ（１５００ｂａｒ）の圧力下で１２０℃〜１７０°のノズル温度を用いて、室温の金型内に射出成形されて、容器を形成する。金型は、実施例１及び２のような取り付けられたヒンジ結合蓋、又は別個の部分のいずれかを有する部分を生ずるように構成されている。

これらの装置を製造するために薄壁の射出成形を用いると、密封系に関してより高度な正確性が与えられる。ねじ嵌め式又はスロットイン式蓋部分を製造し、環状リングの封止部分における鋭利な領域に関するあらゆる問題を減らすことができる。さらに、射出成形は基部及び蓋部分の設計に関する自由度をより高める。全体的に剛性の構造を保持しつつ壁面全体の厚さ及び材料の使用を最小限にするなどのために、強化されたリブを与えるように壁面の厚さを変化させることが可能であり、包装の有効性又は審美的な訴求のような側面を改善するために形状を変化させることも同様に可能である。

Claims (15)

1. 組成物を水性の媒質へと送達するための容器詰めされた組成物であって、
   剛性容器、及び
   前記容器内の無水の組成物、
   を含み、
   前記容器は、ａ）アンヒドロキシアルキルＣ２〜６基を包含するように変性された、又はジカルボン酸の無水物との反応によって変性された、８〜８０重量％のデンプン、ｂ）０〜８７．９％のデンプン、ｃ）ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、及びエチレンとビニルアルコールとのコポリマーから選択される４〜１１重量％の水溶性ポリマーであって、デンプン構成成分の溶融状態と適合した融点を有するもの、ｄ）０〜２０重量％のポリオール可塑剤、及びｅ）０．１〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩、を含む生分解性ポリマーで作製されることを特徴とする、
   容器詰めされた組成物。
2. 前記組成物は洗濯用洗剤、トイレ洗浄組成物、食器洗浄組成物、布地柔軟化組成物、浴用塩組成物、又は食品組成物である、請求項１に記載の容器詰めされた組成物。
3. 前記組成物は顆粒形態である、請求項１又は２に記載の容器詰めされた組成物。
4. 前記洗剤組成物は液体形態である、請求項１又は２に記載の容器詰めされた組成物。
5. 構成成分ｅ）はステアリン酸である、請求項１〜４のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物。
6. 構成成分ｃ）はポリビニルアルコール構成成分である、請求項１〜５のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物。
7. 前記ポリオール可塑剤はグリセロールである、請求項１〜６のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物。
8. 前記ポリマーは前記剛性容器へと熱成形可能であり、前記ポリオール可塑剤の含有量は１１％未満である、請求項１〜７のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物。
9. 前記ポリオール可塑剤の含有量は０であり、添加水が１０〜１２％である、請求項１〜８のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物。
10. ａ）デンプン、変性デンプン、ビニルアルコール単位を含有する水溶性ポリマー又はコポリマー、２０％までの添加水及び／又はポリオール可塑剤、及び０．４〜１．５重量％のＣ１２〜２２脂肪酸又は塩、の混合物を形成する工程、並びにｂ）工程ａ）で得られる混合物から前記剛性容器を形成する工程、ｃ）前記剛性容器中に前記無水の組成物を提供する工程、並びにｄ）前記容器を閉じる工程を含む、請求項１〜９のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物を製造するためのプロセス。
11. 工程ａ）で形成される混合物を、混合の直後又は押出成形及びペレット化後に使用して１２０℃〜１７０℃の温度範囲内で溶融物を形成し、及び次いで前記混合物を圧力下で前記容器のための金型に注入する、請求項１０に記載のプロセス。
12. 工程ａ）で形成される混合物を使用して１３０℃〜１６０℃の温度範囲内で溶融物を形成し、次いで温度を下げ、混合物を更に進ませ加工し、及び混合物をシートへと押出成形し、その後前記剛性容器へと熱成形させる、請求項１０に記載のプロセス。
13. 工程ａ）で形成された混合物を混合の直後又は押出成形及びペレット化後に使用して１３０℃〜１８０℃の温度範囲内で溶融物を形成し、次いで前記混合物をパリソンとして押出成形し、及び前記パリソンを前記容器のための吹込金型へと挟み込み、圧力下で膨らませて容器を形成する、請求項１０に記載のプロセス。
14. 請求項１〜９のいずれか一項に記載の容器詰めされた組成物を前記水性の媒質と接触させる、組成物を水性の媒質へと送達する方法。
15. 前記容器詰めされた組成物を前記水性の媒質中に浸漬する、請求項１３に記載の方法。