JP2008504270A - 嚢胞性疾患を処置するための方法および組成物 - Google Patents

嚢胞性疾患を処置するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、本疾患の出現に現在関連付けられている遺伝子の生物活性を阻害することにより、多嚢胞性疾患を診断および処置するための組成物および方法を提供する。単なる説明として、結合組織成長因子(TGF−α)はかかる遺伝子の一例である。本発明により、組織中の嚢胞の形成に関連する異常な嚢腫性病変および疾患を処置または改善するための組成物および方法も提供される。該方法および組成物は、遺伝子発現またはその遺伝子発現産物またはその受容体の生物活性を阻害または増強することにより、組織中の病理学的な嚢胞形成を処置および改善する。

Description

本発明は、嚢胞性疾患の領域およびかかる疾患の診断および処置に関する。
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は1000人に1人の割合で生じる最も一般的な遺伝性腎疾患であり、および全尿細管セグメントにおける局所的な嚢胞形成により特徴付けられる。Friedman,J.Cystic Diseases of the Kidney,in PRINCIPLES AND PRACTICE OF MEDICAL GENETICS(A.Emery and D.Rimoin,Eds.)pp.1002−1010,Churchill Livingston,Edinburgh,U.K.(1983);Striker&Striker(1986)Am.J.Nephrol.6.161−164。腎外症状は、肝および膵嚢胞ならびに心血管系の合併症を含む。Gabow&Grantham(1997)Polycystic Kidney Disease,in DISEASES OF THE KIDNEY(R.Schrier&C.Gottschalk,Eds.),pp.521−560,Little Brown,Boston;Welling&Grantham(1996)Cystic Diseases of the Kidney,in RENAL PATHOLOGY(C.Tisch&B.Brenner,Eds.)pp:1828−1863,Lippincott,Philadelphia.
現在まで、PKD1およびPKD2のみが、これらの細胞異常に関与する分子として意味づけられている。PKD1およびPKD2はそれぞれ、該症例の85%および15%に関与していると報告されている。Burnら(1995)Hum.Mol.Genet.4:575−582。ADPKDの遺伝学および病態生理学に対する理解は著しく進歩したが、疾患を惹起する遺伝子における突然変異がどのように嚢胞発生を誘引するか、および他の分子が膿胞性表現型においてどのような重要な役割を担っているかということは未だ明かになっていない。
故に、嚢胞性表現型に関与する生化学的過程を特徴付けるため、およびさらなる治療標的を同定することが必要とされている。本発明はこの必要性を満たし、かつ関連する利点も提供する。
発明の概要
本発明は、以下の表2〜6にて同定される少なくとも1つの遺伝子の生物活性を修飾することにより、腎嚢胞性疾患を診断および処置するための組成物および方法を提供する。本明細書中、用語「腎嚢胞性疾患」は、多嚢胞性腎疾患、フォンヒッペル・リンダウ病、結節性硬化症、ネフロン癆、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、常染色体劣性多嚢胞性腎疾患(ARPKD)および後天性嚢胞性腎疾患(ACKD)を含む疾患の大きな群を含むことを意図するが、これらに限定されない。
単なる説明として、組織成長因子−アルファ(TGF−α)遺伝子またはその発現産物は、以下の表2〜6にて同定されるかかる遺伝子の一例である。従って、以下の記載および実施例は、大部分において、TGF−α遺伝子およびその生物学的等価物に限定されているが、本発明はそのように限定されるものではない。本出願の発明は、治療用および医薬用介入のための標的として表2〜6にて同定される任意の遺伝子を包含し;TGF−αは、このクラスの標的の一員にすぎない。従って、明確に述べられなくとも、表2〜6にて同定される任意の遺伝子は、本明細書用いるように、用語「TGF−α」で代替され得ることが理解されるべきである。
一の態様において、本発明は、有効量の修飾物質または分子を処置の必要のある細胞または組織に接触させることにより、表2〜6にて同定される少なくとも1つの遺伝子の生物活性を修飾する方法を提供する。該方法において用いるのに適切な修飾物質は、小分子、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、二本鎖RNA、二本鎖干渉RNA(siRNA)、三本鎖RNA、RNAアプタマー、および遺伝子産物に結合し、かつその活性を阻害する抗体分子の少なくとも一部分を含むが、これらに限定されない。かかるものの例は、インタクトな抗体分子、一本鎖可変領域(ScFv)、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体を含むが、これらに限定されない。抗体は、任意の適切なインビトロまたはインビボ系、例えば、サル、マウス、ラットまたはヒトにおいて産生され得る。適切な抗−TGF−α抗体は、Sigma(E3138),Calbiochem(Ab−2)、Oncogene Science(GF10またはClone 213−9.4)およびPeninsula Laboratories(IHC8040)から市販されている。所望により、抗体は:細胞傷害性部分、治療部分、検出可能部分または抗−嚢胞化物質に結合され得る。一の態様において、物質または分子は単離され、次いで、送達される。
本発明により、組織における嚢胞の形成に付随する異常な嚢胞性病変および疾患を処置または改善するための組成物および方法も提供される。該方法および組成物は、例えば、TGF−α遺伝子発現、TGF−α受容体遺伝子発現またはその遺伝子発現産物の生物活性を阻害することにより組織における病理学的嚢胞形成を処置および改善する。
本発明の別の実施態様に従って、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)に付随する徴候を処置、阻害または改善する方法が提供される。該方法は、TGF−α遺伝子、その受容体またはそれらの発現産物の多嚢胞性生物活性を阻害するために、有効量の阻害物質または分子、例えば、TGF−α抗体をその必要のある対象へ送達することを必要とする。一の態様において、物質または分子は単離され、次いで、送達される。別の態様において、遺伝子過小発現が疾患または病態に寄与する場合、発現を増強する遺伝子またはその発現産物(ポリペプチド)が送達される。かかる物質は当該分野において知られており、およびペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはポリペプチド自体を含むが、これらに限定されない。
本発明は、遺伝子またはその発現産物の発現レベルを検出することにより、組織に存在する嚢胞性異常の診断を補助するための方法も提供する。該方法は、ADPKD−関連腎嚢胞ならびにADPKDにおいて一般的に見出される肝臓、膵臓、脾臓および卵巣を含む他の器官における嚢胞性異常の診断を補助するために用いられ得る。さらに、異常な嚢胞が形成する前に蛋白質またはポリヌクレオチドの過剰発現または過小発現を検出することにより、ADPKDに対する素因を予測し、ならびに早期診断および/または処置を提供することができる。
該診断および予防法を行うためのキットもさらに提供される。該キットは、これらの方法において使用する組成物およびそれらの使用説明書を含む。
本発明は、治療および診断方法において用いるための組成物も提供する。一の態様において、組成物は、TGF−α蛋白質(例えば、配列番号2)またはその細胞表面受容体に特異的に結合する抗体可変領域を含む分子を含有する。上皮成長因子受容体(EGFR)は、TGF−αについて知られている受容体である。Solariら(2004)Ped.Surg.Int.20:243−247.配列番号3および4はそれぞれEGFRのポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を示す。
治療的および診断的有用性の点では、分子は、例えば、インタクトな抗体分子、一本鎖可変領域(ScFv)、モノクローナル抗体、キメラまたはヒト化抗体であり得る。抗体は、細胞培養物、ファージ、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿など含むがこれらに限定されない様々な動物において産生され得る。所望により、分子は:細胞傷害性部分、治療部分、検出可能部分または抗−嚢胞化物質に結合され得る。
別の態様において、本発明は、TGF−α遺伝子またはその受容体の遺伝子の発現を阻害する核酸分子を提供する。これらの核酸は本明細書中記載されており、およびリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、二本鎖RNA、iRNA、3本鎖RNAまたはRNAアプタマーを含むが、これらに限定されない。一の態様において、核酸は単離形態にて送達される。核酸は、動物から単離され得るか、或いは、任意の適切な組換え系、例えば、細菌、酵母、バキュロウイルスまたは哺乳類において組換えにより産生され得る。
さらなる別の態様において、本発明は、遺伝子またはその転写および/または翻訳産物の発現を亢進、支持、増強または増大する核酸分子を提供する。これらの核酸は本明細書中に記載されており、およびリボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、二本鎖RNA、iRNA、三本鎖RNAまたはRNAアプタマーを含むが、これらに限定されない。一の態様において、核酸は単離形態で送達される。核酸は動物から単離され得るか、或いは任意の適切な組換え系、例えば、細菌、酵母、バキュロウイルスまたは哺乳類において組換えにより産生され得る。
本発明のさらなる別の態様は、TGF−α−関連嚢胞形成に関与するTGF−α結合リガンドを同定する方法である。抗体または抗体誘導体のごとき試験化合物または物質は、TGF−αへの結合形成を支持する条件下にて、適切な試料中、TGF−α蛋白質またはそのフラグメントと接触される。もしあるならば、次いで、リガンド結合が検出される。該蛋白質に結合する試験化合物または物質は、TGF−αの嚢胞性調節に関与するリガンドとして同定される。TGF−αとその受容体の結合を阻害する試験化合物または物質は、TGF−αの嚢胞性調節に関与し得るリガンドおよび治療物質候補として同定される。
一の態様において、治療および診断物質は他の物質と併用される。これらの物質または分子と他の物質または治療物質の共投与は、予想外の相乗的な治療上の利点をもたらし得る。共投与方法において、物質または分子は、投与量を軽減することにより、既知の療法および治療物質およびさらには未だ見出されていない療法および治療物質の有害な副作用の軽減においても有用である。一の態様において、有効な組み合わせを用いることが熟慮され、個々の治療法、化合物または薬剤が単独で使用される場合に必要とされ得るものよりも各成分の合計用量が少なくてすみ、それにより副作用を軽減する療法の組み合わせが提供される。故に、本発明は、1またはそれ以上のさらなる活性物質または方法と本明細書に記載の化合物の共投与を含む方法も包含する。実際、本発明の化合物を共投与することにより他の療法および/または医薬組成物を増強するための方法を提供することは、本発明のさらなる一の態様である。共投与方法において、物質は同時または連続的に投与されてもよい。一の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1または複数の他の活性物質、療法または治療物質の前に投与される。医薬用処方および投与モードは、本明細書中記載されているかまたは当業者に知られている任意のものであってもよい。
本発明のさらなる一層の一の実施態様は、TGF−α遺伝子またはその受容体リガンドに関する遺伝子を発現している細胞を試験化合物または物質と接触させることにより、嚢胞性病変を処置するための候補薬剤を同定する方法である。試験化合物は、TGF−α遺伝子またはその受容体リガンドをコードする遺伝子の発現を減少するならば、嚢胞性異常を処置するための候補薬剤として同定される。発現は、当該分野において知られている任意の方法、例えば、TGF−αまたは受容体リガンドのmRNAに相補的な核酸プローブに対する細胞または組織のmRNAのハイブリダイゼーションにより、検出および定量され得る。発現を減少させる試験化合物または物質は、異常な嚢胞形成を処置するための候補物質として同定される。
本出願人は、病理学的細胞または患者が本明細書中に記載の1またはそれ以上の療法により適切に処置され得るか否かを測定するためのキットも提供する。さらに、該アッセイを行うためのキットも提供される。これらのキットは、少なくとも1つの本発明の組成物および使用説明書を含む。
表の簡単な説明
表1は、スクリーニングしたSAGEライブラリーの概要である。それは、シークエンスした全タグおよび特有のタグの概要である。
表2は、嚢胞性肝臓(CL)におけるアップ−およびダウン−レギュレートされた遺伝子の上位20個を特定している。
正常肝臓(NL)または嚢胞性肝臓(CL)上皮ライブラリーにおける数、Genebankアクセッション番号、遺伝子名およびHUGO指定遺伝子名(assignment)と共に、最もダウン(パネル上)−またはアップ(パネル下)−レギュレートされた20個のタグ(10塩基長)が提供される。10個の塩基−タグが幾つかのUnigeneマッチを有する場合に、遺伝子間の区別を補助するために、タグの11番目の塩基が提供される。
表3は、嚢胞性腎臓(CK)におけるアップ−およびダウン−レギュレートされた上位20個の遺伝子を特定している。正常腎臓(NK)または嚢胞性腎臓(CK)における数と共に、最もダウン−またはアップ−レギュレートされた20個のタグが、表2に提供されたものに関して示される。
表4は、肝臓および腎臓上皮に共通して5倍より大きくアップ−レギュレートされた遺伝子を特定している。CKおよびCLにおいてアップ−レギュレートされた共通の遺伝子は、10塩基のタグ配列、11番目の塩基、CL/NLおよびCK/NK比、Genebankアクセッション番号、遺伝子名および対応するHUGO名と共に提供される。
表5Aおよび5Bは、嚢胞性疾患において過剰発現された機能的な遺伝子群を特定している。表5Aは、CLにおいてアップ−レギュレートされた機能的な遺伝子群を特定している。表5Bは、CKにおいてアップ−レギュレートされた機能的な遺伝子群を特定している。
表6は、CLにおいて過剰発現されたさらなる遺伝子を特定している。
本発明の実施モード
本開示を通して、出典明示により、様々な刊行物、特許および公開された特許明細書が参照される。これにより、これらの刊行物、特許および公開された特許明細書の開示内容は、出典明示によりその全てが本明細書の一部となり、本発明が関連する技術状態をより十分に説明する。
定義
本発明の実施は、別記しない限り、当業者の範囲内である、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの慣用的な技法を利用し得る。例えば、Sambrook,FritschおよびManiatis,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,2nd edition(1989);CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY (F.M.Ausubelら eds.,(1987));the series METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.):PCR 2:A PRACTICAL APPROACH(M.J.MacPherson,B.D.HamesおよびG.R.Taylor eds.(1995)),HarlowおよびLane,eds.(1988)ANTIBODIES,A LABORATORY MANUAL,AND IMAL CELL CULTURE(R.l.Freshney,ed.(1987))を参照のこと。
本明細書中、特定の用語は以下に定義の意味を有する。
明細書および特許請求の範囲において用いるように、単数形は、文脈上明確に別記されない限り、複数形への言及を含む。例えば、用語「細胞」は、その混合物を含む複数の細胞を包含する。
本明細書中、用語「含む」は、組成物および方法が列挙されたエレメントを含むが他のものを排除しないことを意味することが意図される。「本質的に〜からなる」は、組成物および方法を定義するために用いられる場合、組み合わせに本質的に重要な他のエレメントを排除することを意味するものとする。故に、本質的に本明細書中に定義のエレメントからなる組成物は、単離および精製方法からの微量汚染物質ならびに医薬上許容される担体、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水、防腐剤などを排除しない。「からなる」は、微量要素である他の成分および本発明の組成物を投与するための実質的な方法工程以外のものを排除することを意味するものとする。これらの各移行部分(transition term)により定義される実施態様は、本発明の範囲内である。
範囲を含む全ての数値表示、例えば、pH、温度、時間、濃度および分子量は、0.1の増分で(+)または(−)に変化してもよい近似値である。常に明記されるわけではないが、全ての数値表示には「約」なる用語が先行するということが理解されるべきである。常に明記されるわけではないが、本明細書中記載の試薬は単なる例示であって、その等価物は当該分野において知られているということも理解されるべきである。
用語「ポリペプチド」は、その広義において、2つまたはそれ以上のサブユニットのアミノ酸、アミノ酸アナログまたはペプチド模倣物の化合物を言及するために用いられる。サブユニットは、ペプチド結合により連結されていてもよい。別の実施態様において、サブユニットは、例えば、エステル、エーテルなどの他の結合により連結されていてもよい。本明細書中、用語「アミノ酸」は、天然および/または非天然または合成アミノ酸のいずれかを言い、グリシンおよびDまたはL光学的異性体ならびにアミノ酸アナログおよびペプチド模倣物を含む。3またはそれ以上のアミノ酸のペプチドは、ペプチド鎖が短いならば、一般的にオリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長いならば、そのペプチドは一般的にポリペプチドまたは蛋白質と呼ばれる。
用語「単離された」は、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体またはそれらのフラグメントが天然界において通常に関連している細胞および他の構成要素から分離されていることを意味する。本発明の一の態様において、単離されたポリヌクレオチドは、それが野生型または天然環境に通常関連している、例えば、染色体上の3’および5’隣接ヌクレオチドから分離されている。当業者に明らかであるように、天然界に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体またはそれらのフラグメントは、その天然界に存在する対応物と区別するために「単離」を必要としない。加えて、「濃縮された」、「分離された」または「希釈された」ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体またはそれらのフラグメントは、容量あたりの濃度または分子数がその天然界に存在する対応物のものに比べて、「濃縮された」ものではより大きく、または「分離された」ものではより小さいという点で、その天然界に存在する対応物から区別される。その一次配列または例えばそのグリコシル化パターンが天然界に存在する対応物と異なるポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、蛋白質、抗体またはそれらのフラグメントは、その単離形態で存在する必要はなく、というのも、その一次配列またはグリコシル化パターンのごとき別の特徴によりその天然界に存在する対応物から区別されるからである。故に、天然界に存在しないポリヌクレオチドは、単離された天然界に存在するポリヌクレオチドとは別個の実施態様として提供される。細菌細胞において産生される蛋白質は、それが天然に産生される真核細胞から単離された天然界に存在する蛋白質とは別個の実施態様として提供される。
用語「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は同義的に用いられ、および任意の長さのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそれらのアナログのいずれかのヌクレオチドの高分子形態を言う。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有してもよく、および既知または未知の任意の機能を果たしてもよい。以下:遺伝子または遺伝子フラグメント、エキソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブおよびプライマーは、ポリヌクレオチドの非限定的な例である。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオチド、例えば、メチル化されたヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含んでもよい。存在するならば、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーのアセンブリの前または後で、与えられてもよい。ヌクレオチドの配列は、非−ヌクレオチド構成成分により妨げられてもよい。ポリヌクレオチドは、例えば、標識成分とコンジュゲートすることにより、重合の後にさらに修飾されてもよい。該用語はまた、二本−および一本−鎖分子の両方を言う。他のものが特定または必要とされない限り、ポリヌクレオチドである本発明の任意の実施態様は、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成することが知られているかまたはそう考えられている2つの相補的な各一本鎖形態の両方を包含する。
ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);およびポリヌクレオチドがRNAの場合はグアニンの代わりにウラシル(U)の特異的配列から構成される。故に、用語「ポリヌクレオチド配列」は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表示である。このアルファベット表示は、中央演算処理装置を有するコンピュータ内のデータベースに入力され得、および機能的ゲノミクスおよび相同性サーチのごときバイオインフォマティクスのために用いられ得る。
「遺伝子」は、転写および翻訳された後に特定のポリペプチドまたは蛋白質をコードし得る少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含むポリヌクレオチドを言う。本明細書中記載する任意のポリヌクレオチド配列を用いて、それらが関連する遺伝子のより大きなフラグメントまたは全長コーディング配列を同定してもよい。より大きなフラグメント配列を単離する方法は、当業者に知られており、その幾つかは本明細書中に記載されている。
「遺伝子産物」または「発現産物」は、遺伝子が転写および翻訳される場合に産生されるアミノ酸(例えば、ペプチドまたはポリペプチド)を言う。
「転写制御下」は、当該分野において十分に理解されている用語であり、およびポリヌクレオチド配列、通常はDNA配列の転写が、それが作動可能に連結されている、転写の開始に寄与するかまたは転写を促進するエレメントに依存することを示す。「作動可能に連結される」は、エレメントが機能可能な配置で並列していることを言う。
「遺伝子送達ビヒクル」は、宿主細胞に挿入ポリヌクレオチドをもたらし得る任意の分子として定義される。遺伝子送達ビヒクルの例は、リポソーム、天然ポリマーおよび合成ポリマーを含む生体適合性ポリマー;リポ蛋白質;ポリペプチド;多糖;リポ多糖;人工ウイルスエンベロープ;金属粒子;および細菌またはウイルス、例えば、バキュロウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス、バクテリオファージ、コスミド、プラスミド、真菌ベクターならびに他の組換えビヒクルであり、これらは、典型的に、様々な真核細胞および原核細胞宿主での発現について記載されている技術において用いられ、ならびに遺伝子療法および単純な蛋白質発現のために用いられてもよい。
本明細書中用いられる「遺伝子送達」、「遺伝子移入」などは、導入のために用いる方法に関係なく、宿主細胞への外因性ポリヌクレオチド(以後、「トランスジーン」と言うこともある)の導入を言及する用語である。かかる方法は、十分に知られている様々な技法、例えば、ベクターに介される遺伝子移入(例えば、ウイルス感染/トランスフェクション、または様々な他の蛋白質に基づくもしくは脂質に基づく遺伝子送達複合体による)、ならびに「裸の(naked)」ポリヌクレオチドの送達を容易にする技法(例えば、エレクトロポレーション、「遺伝子銃」による送達、およびポリヌクレオチド導入のために用いられる様々な他の技法)を含む。導入されたポリヌクレオチドは、宿主細胞中に安定にまたは一時的に維持されてもよい。安定な維持は、典型的に、導入されたポリヌクレオチドが、宿主細胞に適合する複製起点を含むか、或いは染色体外レプリコン(例えば、プラスミド)のごとき宿主細胞のレプリコンまたは核もしくはミトコンドリア染色体への組み込みのいずれかを必要とする。多数のベクターは、当該分野において知られており、かつ本明細書中に記載されているように、哺乳類細胞への遺伝子の移入を介し得ることが知られている。
「ウイルスベクター」は、インビボ、エキソビボまたはインビトロのいずれかで宿主細胞に送達されるべきポリヌクレオチドを含む、組換えにより産生されたウイルスまたはウイルス粒子として定義される。ウイルスベクターの例は、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ−関連ウイルスベクター、アルファウイルスベクターなどを含む。アルファウイルスベクター、例えば、セムリキ森林熱ウイルス(Semliki Forest virus)に基づくベクターおよびシンドビスウイルス(Sindbis virus)に基づくベクターも、遺伝子療法および免疫療法において用いるために開発されている。SchlesingerおよびDubensky,Curr.Opin.Biotechnol.(1999)5:434−439ならびにYingら,Nat.Med.(1999)5(7):823−827を参照のこと。遺伝子移入がレトロウイルスベクターにより介される態様において、ベクターコンストラクトは、レトロウイルスゲノムまたはその部分および治療遺伝子を含むポリヌクレオチドを言う。本明細書中、「レトロウイルス介在遺伝子移入」または「レトロウイルス形質導入」は、同義であり、および細胞に移入し、かつそのゲノムを宿主細胞のゲノムに組み込むウイルスにより、遺伝子または核酸配列が宿主細胞へ安定に移入される過程を言う。ウイルスは、その通常の感染機序を介して宿主細胞に移入し得るか、または異なる宿主細胞表面受容体またはリガンドに結合して、細胞に移入できるように修飾され得る。本明細書中、レトロウイルスベクターは、ウイルスまたはウイルス様の移入機序を介して細胞へ外因性核酸を導入し得るウイルス粒子を言う。
レトロウイルスはRNA形態で遺伝情報を有する;しかし、一旦ウイルスが細胞に感染すると、RNAはDNA形態に逆転写され、それが感染細胞のゲノムDNAに組み込まれる。組み込まれたDNA形態はプロウイルスと呼ばれる。
遺伝子移入がDNAウイルスベクター、例えば、アデノウイルス(Ad)またはアデノ−関連ウイルス(AAV)により介される態様において、ベクターコンストラクトは、ウイルスゲノムまたはその部分およびトランスジーンを含むポリヌクレオチドを言う。アデノウイルス(Ads)は、50を超える血清型を含む、比較的よく特徴付けられた、ウイルスの同種群である。例えば、国際PCT出願番号WO 95/27071を参照のこと。アデノウイルスは容易に成長し、かつ宿主細胞ゲノムへの組み込みを必要としない。組換えアデノウイルス由来ベクター、特に野生型ウイルスの組換えおよび産生のための潜在能力を軽減したものも構築されている。国際PCT出願番号WO 95/00655およびWO 95/11984を参照のこと。野生型AAVは、宿主細胞のゲノムに組み込む高い感染性および特異性を有する。HermonatおよびMuzyczka,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)81:6466−6470ならびにLebkowskiら,Mol.Cell.Biol.(1988)8:3988−3996を参照のこと。
プロモーターおよびポリヌクレオチドが作動可能に連結され得るクローニングサイトの両方を含むベクターは、当該分野において十分に知られている。かかるベクターは、インビトロまたはインビボにおいてRNAを転写し得、およびStratagene(La Jolla,CA)およびPromega Biotech(Madison,Wl)のごとき供給元から市販されている。発現および/またはインビトロでの転写を最適化するために、クローンの5’および/または3’非翻訳部分を除去、付加または改変し、潜在的に不適切な余分な別の翻訳開始コドン、または転写もしくは翻訳レベルのいずれかで発現を阻害もしくは軽減し得る他の配列を排除することを必須としてもよい。或いは、コンセンサスリボソーム結合部位は、開始コドンの5’に隣接して挿入され、発現を強化し得る。
遺伝子送達ビヒクルは、DNA/リポソーム複合体および標的ウイルス蛋白質−DNA複合体を含む幾つかの非−ウイルスベクターも包含する。標的抗体またはそのフラグメントも含むリポソームは、本発明の方法において用いられ得る。細胞への送達を高めるために、本発明の核酸または蛋白質は、細胞表面抗原、例えば、TCR、CD3もしくはCD4に結合する抗体またはその結合フラグメントにコンジュゲートされ得る。
ポリヌクレオチド操作の文脈において用いる場合、「プローブ」は、標的にハイブリダイズすることにより目的の試料中に潜在的に存在する標的を検出するための試薬として提供されるオリゴヌクレオチドを言う。通常、プローブは、標識或いはハイブリダイゼーション反応の前または後のいずれかに標識が結合し得る手段を含み得る。適切な標識は、ラジオアイソトープ、蛍光色素、化学発光化合物、色素および酵素を含む蛋白質を包含するが、これらに限定されない。
「プライマー」は、一般的に遊離の3’−OH基を有する短いポリヌクレオチドであり、該基は、標的にハイブリダイズし、次いで、標的に相補的なポリヌクレオチドの重合を促進することにより、標的または目的の試料中に潜在的に存在する「テンプレート」に結合する。「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)は、「上流」および「下流」プライマーからなる「プライマー対」または「プライマーセット」、およびDNAポリメラーゼのごとき重合触媒、および典型的に熱安定なポリメラーゼ酵素を用いて、標的ポリヌクレオチドの複製コピーが作成される反応である。PCR方法は、当該分野においてよく知られており、および、例えば、“PCR:A PRACTICAL APPROACH”(M.MacPhersonら,IRL Press at Oxford University Press(1991))にて教示されている。PCRまたは遺伝子クローニングのごとき、ポリヌクレオチドの複製コピーを産生する全過程は、本明細書中、まとめて「複製」と言われる。プライマーは、ハイブリダイゼーション反応、例えば、サザンまたはノーザンブロット分析においてプローブとしても用いられ得る。上記のSambrookら。
発現「データベース」は、一群の配列を示す一連の格納データを示し、該配列は順次、一群の生物関連材料を示す。
用語「cDNA」は、相補的なDNAを言い、これは、逆転写酵素のごとき酵素を用いてcDNAに合成される、細胞または生物体中に存在するmRNA分子である。「cDNAライブラリー」は、細胞または生物体中に存在する全mRNA分子の一群であり、全て、逆転写酵素を用いてcDN分子に変換され、次いで「ベクター」(外来DNAを加えた後に複製し続け得る他のDNA分子)に挿入される。ライブラリーのための例示的なベクターは、バクテリオファージ(「ファージ」としても知られている)、細菌を感染させるウイルス、例えば、ラムダファージを含む。次いで、ライブラリーは、目的の特異的cDNA(およびそれ故にmRNA)について調べられ得る。
遺伝子に適用される「示差的に発現した」は、遺伝子または遺伝子によりコードされた蛋白質産物から転写されたmRNAの示差的産生を言う。示差的に発現された遺伝子は、正常または対照細胞の発現レベルと比べて、過剰発現または過小発現されていてもよい。一の態様において、それは、対照試料において検出された発現レベルよりも2.5倍、或いは5倍、或いは10倍だけ高いまたは低い差異を言う。用語「示差的に発現した」は、対照細胞においてサイレントである場合に発現しているか、または対照細胞において発現されている場合に発現していない、細胞または組織中のヌクレオチド配列も言う。
本明細書中、同義的に用いられる「固形相支持体」または「固形支持体」は、特定の型の支持体に限定されない。かなり多数の支持体が利用可能であり、および当業者に知られている。固形相支持体は、シリカゲル、樹脂、誘導体化したプラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナゲルを含む。本明細書中、「固形支持体」は、合成抗原提示マトリックス、細胞およびリポソームも含む。適切な固形相支持体は、所望の使用目的に基づき、および様々なプロトコルに適するように、選択されてもよい。例えば、ペプチド合成のために、固形相支持体は、樹脂、例えば、ポリスチレン(例えば、Bachem Inc.,Peninsula Laboratoriesなどから得られるPAM−樹脂)、POLYHIPE(登録商標)樹脂(Aminotech,Canadaから得られる)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから得られる)、ポリエチレングリコールでグラフトされたポリスチレン樹脂(TentaGel(登録商標)Rapp Polymere,Tubingen,Germany)、またはポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch,Californiaから得られる)を言ってもよい。
ポリヌクレオチドは、また、ハイスループットスクリーニングアッセイにおいて用いるために固形支持体に結合され得る。例えば、国際PCT出願番号WO 97/10365は、高密度オリゴヌクレオチドチップの構築を開示している。米国特許第5,405,783号;第5,412,087号;および第5,445,934号も参照のこと。この方法を用いて、プローブは誘導体化したガラス表面上で合成され、これはチップアレイとしても知られている。光保護されたヌクレオチドホスホラミダイトは、ガラス表面にカップリングされ、フォトリソグラフィーマスクを介する光分解により選択的に脱保護され、次いで、第2の保護ヌクレオシドホスホラミダイトと反応する。カップリング/脱保護過程は、所望のプローブが完成するまで、繰り返される。
本明細書中、「発現」は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写される過程および/または転写されたmRNAがその後ペプチド、ポリペプチドまたは蛋白質へ翻訳される過程を言う。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来するならば、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含んでもよい。遺伝子に適用される「過剰発現」は、対照試料にて検出された発現レベルよりも2.5倍高い、或いは5倍高い、或いは10倍高いレベルでの、遺伝子から転写されたmRNAまたは遺伝子によりコードされた蛋白質産物の過剰産生を言う。
「ハイブリダイゼーション」は、1またはそれ以上のポリヌクレオチドが反応し、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化されている複合体を形成する反応を言う。水素結合は、ワトソン−クリック塩基対形成、Hoogstein結合、または任意の他の配列特異的な様式により生じてもよい。複合体は、二本鎖構造を形成する2本のストランド、多重鎖複合体を形成する3本以上のストランド、セルフハイブリダイズする1本のストランド、またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断のごとき、より大規模な過程中の一工程を構成してもよい。
ハイブリダイゼーション反応は、異なる「ストリンジェンシー」の条件下にて実施され得る。一般的に、低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション反応は10×SSC中、約40℃で行われるか、または等価なイオン強度/温度の溶液中で実行される。中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、典型的に、6×SSC中、約50℃で実施され、および高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション反応は、一般的に、1×SSC中、約60℃で実施される。
ハイブリダイゼーションが2つの一本鎖ポリヌクレオチド間の逆平行の配置にて生じる場合、該反応は「アニーリング」と呼ばれ、およびそのポリヌクレオチドは「相補的」であると記載される。ハイブリダイゼーションが、第1および第2のポリヌクレオチドのストランドの1つの間で生じ得るならば、二本鎖ポリヌクレオチドは、別のポリヌクレオチドと「相補的」または「相同」であり得る。「相補性」または「相同性」(1つのポリヌクレオチドが別のポリヌクレオチドと相補的である程度)は、一般的に許容される塩基対形成の規則に従って互いに水素結合を形成すると考えられる対立するストランド中の塩基の割合という点で定量可能である。
ポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、別の配列に対して特定のパーセンテージ(例えば、80%、85%、90%または95%)の「配列同一性」を有し、これは、アラインした場合、塩基(またはアミノ酸)のパーセンテージが2つの配列の比較において同一であることを意味する。このアラインメントおよび相同性または配列同一性パーセントは、当該分野において知られているソフトウェアプログラム、例えば、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(F.M.Ausubelら,eds.,1987)Supplement 30,section 7.7.18,Table 7.7.1に記載のものを用いて測定され得る。好ましくは、デフォルトパラメーターがアライメントに用いられる。好ましいアライメントプログラムは、デフォルトパラメーターを用いるBLASTである。特に、好ましいプログラムは、以下のデフォルトパラメーター:遺伝コード=標準;フィルター=なし;ストランド=両方;カットオフ(cutoff)=60;期待値(expect)=10;マトリックス=BLOSUM62;記述(Descriptions)=50配列;分類(sort by)=HIGH SCORE;データベース=非重複、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translation+SwissProtein+SPupdate+PIRを用いる、BLASTNおよびBLASTPである。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:http://www.ncbi.nim.nih.gov/cgi−bin/BLASTにて見出され得る。
細胞成長「抑制」は、以下の状態:腫瘍成長の減速、遅延および停止ならびに腫瘍収縮のいずれか、または全てを意味する。細胞および組織成長は、嚢胞の大きさの測定、H−チミジン取り込みアッセイを用いる細胞が増殖しているか否かの測定、または細胞の計数を含むがこれらに限定されない当該分野において知られている任意の手段により評価され得る。
「組成物」は、活性物質および他の不活性(例えば、検出可能な物質もしくは標識)もしくは活性化合物または組成物、例えばアジュバントの組み合わせを意味することが意図される。
「医薬組成物」は、インビトロ、インビボまたはエキソビボでの診断または治療用途に適する組成物をもたらす、不活性または活性担体と活性物質の組み合わせを含むことが意図される。
本明細書中、用語「医薬上許容される担体」は、任意の標準的な医薬用担体、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水溶液、水、および油/水または水/油エマルジョンのごときエマルジョン、および様々な型の湿潤物質を包含する。組成物は安定化剤および防腐剤も含み得る。担体、安定化剤およびアジュバントの例については、Martin,REMINGTON’S PHARM.SCI.,15th Ed.(Mack Publ.Co.,Easton(1975))を参照のこと。
「有効量」は、有利または所望の結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回またはそれ以上の投与、適用または用量で投与され得る。
「対象」、「個人」または「患者」は本明細書中同義的に用いられ、脊椎動物、好ましくは、哺乳類、より好ましくは、ヒトを言う。哺乳類は、マウス、ラット、サル、ヒト、家畜、競技用動物およびペットを含むが、これらに限定されない。
「対照」は、比較のために実験に用いられる代替的な対象または試料である。対照は、「正」または「負」であり得る。例えば、実験の目的が、特定の型の癌と改変された遺伝子発現レベルの相関を測定することである場合、正対照(かかる改変を有し、および該疾患に特徴的な徴候を示す対象または対象に由来する試料)、および負対照(改変された発現および該疾患の臨床症状を欠失している対象または対象に由来する試料)を用いることが一般的に好ましい。上皮成長因子(EGF)およびトランスフォーミング成長因子−アルファ(TGF−α)は、それらの共通の受容体、上皮成長因子受容体(EGFR)の活性化を介して、多発性嚢胞腎(PKD)の発病において主要な役割を果たす。
EGFおよびTGF−αは、ErbB受容体として知られている構造的に関連したチロシンキナーゼ受容体のファミリーに関して、最も知られているEGF−関連ペプチドリガンドの大きなファミリーである。Klapper Lら.(2000)Adv.Cancer Res.77:25−79.ErbB−1としても知られているEGFRは、EGFおよびTGF−αに対する受容体である。ErbB受容体の細胞外ドメインに対するEGF−様ペプチドの結合は、受容体二量体化、チロシンキナーゼ活性化および自己リン酸化をもたらす。ホスホチロシン結合モチーフを含む多数の細胞質蛋白質は、活性化ErbB受容体に関与する。特定の成長因子により誘引される応答は、多様な細胞内シグナル伝達カスケード、ならびに細胞−マトリックスおよび細胞−細胞の相互作用に応じて細胞増殖または分化のいずれかをもたらす特定の転写因子の活性化を含む。Moghal N,Neel B(1998)Mol.Cell.Biol.18:6666−6678.
EGFのmRNAおよび蛋白質の発現は、cpkおよびpcyマウスならびにHan:SPRDラットの腎臓において著しくダウンレギュレートされている(Gattone VH(1990)Dev.Biol.138:225−230;Cowley BJ,Rupp J(1995)J.Am.Soc.Nephrol.6:1679−1681)が、ADPKD、ARPKDならびにマウスおよびラットPKDモデルに由来する腎嚢胞液は、細胞分裂促進濃度の複数のEGFまたはEGF−様ペプチドを含み、ならびにこれらのEGFペプチドは細胞増殖を誘導し得る量で嚢胞腔に分泌される。Wilson Pら.(1993)Eur.J.CellBiol.61:131−138;Lee DCら.(1998)J.Urol.159:291−296.
TGF−αのmRNAおよび蛋白質の発現は、ADPKD腎臓において増大される。Lee DCら.(1998)J.Urol.159:291−296.TGF−αを過剰発現するトランスジェニックマウスは腎嚢胞性疾患を発症し、およびトランスジーンとしてのTGF−αの腎臓での発現はpcyマウスにおいてPKDの進行を加速させる(Lowden D.ら(1994)J.Lab.Clin.Med.124:386−394;Gattone VHら.(1996)J.Lab.Clin.Med.127:214−222)。EGFおよびTGF−αは様々なインビトロ系において嚢胞発生的である(Avner E,Sweeney W(1990)Pediatr.Nephrol.4:372−377;NeufeldT.ら.(1992)KidneyInt.41:1222−1236)。
EGFRは、ヒトADPKDおよびARPKDならびにcpk、bpkおよびorpkPKDマウスモデルにおいて、嚢胞上皮細胞の頂端膜(管腔)側で、過剰発現および誤って局在化している(Du J,Wilson P(1995)Am.J.Physiol.269:C487−C495;Sweeney Wら.(2000)KidneyInt.57:33−40)。嚢胞内上皮の頂端膜(管腔)側でのEGFRの過剰発現および誤った局在化は、嚢胞において増殖のオートクリン−パラクリン刺激の持続的サイクルを作り出す。上記のDu J.,Wilson PD(1995)。頂端膜側で発現されたEGFRは、EGFに関して高親和性結合を示し、EGFに応答して自己リン酸化し、および適切なリガンドにより刺激された場合には細胞増殖シグナルを伝達する。
治療方法
本発明は、組織に存在する嚢胞性異常に付随する徴候を処置および/または改善するための方法を提供する。一の態様において、嚢胞は、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の症状である。該疾患の主な症状は、罹患した個人の半数に最終的に腎不全をもたらす腎尿細管の進行性の嚢胞拡大である。米国特許第5,891,628号およびGabow,P.A.,Am.J.KidneyDis.(1990)16:403−413。ADPKD−関連腎嚢胞は、拡大して、数リットルの体液を含み得、および腎臓は進行的に疼痛を惹起しながら通常拡大する。他の異常、例えば、血尿、腎および尿感染、腎性腫瘍、塩および水の不均衡ならびに高血圧は、高い頻度で腎臓欠陥に起因する。肝臓、膵臓、脾臓および卵巣を含む他の器官における嚢胞性異常は、一般的にADPKDにて見出される。大規模な肝拡大は、時折、門脈の高血圧および肝障害を惹起する。心臓弁の異常ならびにくも膜下および他の頭蓋内出血の頻度増大もADPKDにて観察されている。米国特許第5,891,628号。観察されている生化学的異常は、蛋白質ソーティング、腎上皮細胞内の細胞膜マーカーの分布、細胞外マトリックス、イオン輸送、上皮細胞の代謝回転および上皮細胞の増殖を含む。最も慎重に実証されたこれらの知見は、尿細管上皮細胞の組成における異常、および細胞膜蛋白質の正常な局在分布の逆転、例えば、Na/K ATPaseである。Carone,F.A.ら,Lab.Inv.(1994)70:437−448。故に、本発明は、ADPKDに関連する上記した生化学的、構造的および生理学的異常を阻害、軽減または緩和するための方法を提供する。
該方法は、罹患細胞または組織中、表2〜6にて同定される遺伝子またはその発現産物の発現を修飾(阻害または増強)する物質または分子を有効量でその必要のある細胞または組織に送達することを必要とする。一の態様において、本出願人は、全く意外なことに、組織中のTGF−α遺伝子の過剰発現が嚢胞性異常に関連しており、および遺伝子またはその発現産物のダウンレギュレーションが、嚢胞性異常に付随する徴候を処置または改善するということを見出した。TGF−αとその受容体の結合の阻害も、嚢胞性異常に付随する徴候を処置または改善する。
罹患細胞または組織中のTGF−αに対する受容体はEGF受容体であり、該受容体は、ADPKDおよびARPKD嚢胞中の頂端膜において過剰発現および誤って局在化されている。ADPKDの初期段階において、腎嚢胞は、それらが発生するネフロンに連結されており、それ故に、抗体はこれらの嚢胞に容易に接近できる。しかし、嚢胞が約2〜3mmに拡大すると、それらの大部分はネフロンから分離する。ADPKDにおいて最高27%の嚢胞がネフロンとの連結を維持し、および約73%の嚢胞が分離している。Grantham,J.J.,(1996)Am.J.Kidney Dis.28:788.嚢胞内のTGF−αの中和を目的とした抗体療法アプローチがネフロンから分離された嚢胞も処置できるか否かは、明かではない。TGF−αシグナル伝達の阻害が嚢胞形成およびその関連疾患を阻害し得ることは、全く予期されなかった。
ヒトTGF−α(hTGF−α)についてのcDNAは、位置1に開始部位を有する4119個のヌクレオチドのオープンリーディングフレームを含むことが報告されている。そのcDNAは、160個のアミノ酸のペプチドをコードする。mRNA配列はまた、GenBank番号:NM_003236において入手可能であり、配列番号:1として複製される。この配列から発現される160個のアミノ酸ポリペプチドは、GenBank番号:NP_003227にて入手可能であり、配列番号:2としても複製される。
本明細書中、用語「処置する」「処置」などは、所望の薬理的および/または生理的効果を得ることを意味する。該効果は、障害またはその徴候もしくは症状を完全または部分的に防ぐという点で予防的であってもよく、および/または該障害に起因する障害および/または有害作用を部分的または完全に治癒するという点で治療的であってもよい。
「処置する」は、哺乳類における障害の任意の処置も包含し、および:(a)障害に罹患しやすい可能性があるが、まだ障害を有するとは診断されていない対象において障害が生じるのを防ぐか;(b)障害を阻害する、すなわち、その発達を抑止するか;または(c)該障害を軽減または改善する、例えば、ADPKDのごとき障害の退行を惹起する:ことを含む。
本明細書中、「処置」は、病態に付随する徴候の全身的改善および/または徴候の発症の遅延を含む。「処置」の臨床的および無症状的(sub−clinical)証拠は、病態、個人および処置により様々であり得る。
表2〜6にて同定される遺伝子の過剰発現または場合により過小発現は、細胞および/または組織において病理学的状態をもたらし、これらは、次いで、本発明の方法により適切に処置される。これらの細胞または組織は、遺伝子またはその発現産物の示差的発現を同定し得る、当該分野において知られている任意の方法により同定される。例示的な方法は本明細書に記載されている。
治療物質は、嚢胞性異常の発症に感受性があるかまたはその危険性のある個人のみならず、またはそれに加えて、適切な細胞、組織または対象へ投与され得る。物質が、マウス、ラットまたはヒト患者のごとき対象に投与される場合、物質は、医薬上許容される担体へ加えられ、次いで、対象に全身または局所投与され得る。有利に処置され得る患者を決定するために、嚢胞の退行がアッセイされ得る。治療量は経験的に決定され得、および処置されるべき病態、処置されるべき対象および治療の有効性および毒性により様々であり得る。
インビボ投与は、処置過程を通して連続的または断続的に、1用量で成し遂げられ得る。最も有効な手段および投与量を決定する方法は当業者に知られており、および治療に用いる組成物、治療目的、処置されるべき標的細胞、および処置されるべき対象により様々であり得る。担当医師により選択されるべき用量レベルおよびパターンを用いて、単回または複数回投与がなされ得る。適切な投与処方および投与方法が当該分野において知られている。
本発明の物質および組成物は、医薬の製造において、ならびに慣用的方法に従って投与することによりヒトおよび他の動物を処置するために、例えば、医薬組成物中の活性成分として用いられ得る。
本発明の物質は、経鼻、局所(経皮、エアロゾル、頬側および舌下を含む)、非経口(皮下、筋内、静脈内および皮内を含む)および経肺を含む任意の適切な経路により治療のために投与され得る。好ましい経路はレシピエントの状態および年齢ならびに処置されるべき疾患に応じて様々であり得ることも理解されよう。
本発明の方法に有用なポリヌクレオチドは、PCRを用いて複製され得る。PCR技法は、米国特許第4,683,195号;第4,800,159号;第4,754,065号;および第4,683,202号の主題であり、ならびにPCR:THE POLYMERASE CHAIN REACTION(MUlliSら eds,Birkhauser Press,Boston(1994))およびその引用文献において記載されている。
或いは、当業者は、本明細書にて提供される配列および市販のDNAシンセサイザーを用いて、DNAを複製することができる。従って、本発明は、ポリヌクレオチドの直鎖状配列、適切なプライマー分子、酵素のごとき化学物質およびそれらの複製のための説明書を提供し、次いで、適切な配向でヌクレオチドを化学的に複製または連結させ、ポリヌクレオチドを得ることにより、本発明のポリヌクレオチドを得るための過程も提供する。別の一の実施態様において、これらのポリヌクレオチドはさらに単離される。さらには、当業者は、複製および増幅のために、ポリヌクレオチドを適切な複製ベクターに挿入することができ、およびそのベクターを適切な宿主細胞(原核細胞または真核細胞)に挿入することができる。そのように増幅されたDNAは、当業者によく知られている方法により、細胞から単離され得る。この方法によりポリヌクレオチドを得るための過程が本明細書にてさらに提供され、ならびにポリヌクレオチドはそのように得られる。
RNAは、始めに、DNAポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に挿入することにより得ることができる。DNAは、任意の適切な方法、例えば、適切な遺伝子送達ビヒクル(例えば、リポソーム、プラスミドもしくはベクター)を用いるか、またはエレクトロポレーションにより挿入され得る。細胞が複製し、およびDNAがRNAに転写される場合;RNAは、次いで、例えば、上記のSambrookら(1989)にて示されているような当業者によく知られている方法を用いて単離され得る。例えば、mRNAは、上記のSambrookら(1989)にて示されている方法に従って様々な溶解酵素もしくは化学溶液を用いて単離され得るか、または製造元により提供される添付説明書に従って核酸結合樹脂により抽出され得る。
アンチセンス核酸は、特異的転写産物RNA分子の少なくとも一部に相補的であるDNAまたはRNA分子である。細胞において、アンチセンス核酸は、対応する転写産物RNAにハイブリダイズし、二本鎖分子を形成し、細胞は二本鎖であるmRNAを翻訳しないために、それにより、mRNAの翻訳を干渉する。約15個のヌクレオチドからなるアンチセンスオリゴマーが好ましく、というのも、それらは容易に合成でき、およびより大きな分子よりも問題を惹起しにくいからである。インビトロで遺伝子の翻訳を阻害するアンチセンス方法の使用は、当該分野において知られている。Marcus−Sakura,Anal.Biochem.(1988)172:289およびDe Mesmaekerら,Curr.Opin.Struct.Biol.(1995)5:343−355。本出願人の明細書に併せて、これらの刊行物に記載されている情報および当業者に知られている情報により、当業者は、治療物質としてアンチセンスDNAまたはRNA分子を作成および使用できる。
転写を失速させるためのオリゴヌクレオチドの使用は、オリゴマーが二重らせんDNAの周りに巻きつき、三本鎖のへリックスを形成するために、三本鎖ストラテジーとして知られている。三本鎖化合物は、選択した遺伝子の特有部位を認識するように設計される。Maherら,Antisense Res.and Dev.(1991)1(3):227;Helene,C.,Anticancer Drug Design(1991)6(6):569。
リボザイムは、DNA制限エンドヌクレアーゼと同様の様式で他の一本鎖RNAを特異的に切断する能力を有するRNA分子である。これらのRNAをコードするヌクレオチド配列を修飾することにより、RNA分子において特異的ヌクレオチド配列を認識し、およびそれを切断する分子を設計することができる。このアプローチの主な利点は、それらが配列特異的であるので、特定の配列を有するmRNAのみが不活性化されることである。
米国特許第6,458,559号は、どのようにRNAアプタマー分子を作成または使用し、遺伝子発現を阻害するかを開示している。本出願人の明細書と併せて、この特許において開示される情報により、当業者は、TGF−α阻害分子としてのアプタマーを作成または使用できる。
米国特許公開番号US 20030180744は、成長因子に対する高親和性オリゴヌクレオチドリガンドを作成および使用する方法を開示している。本出願人の明細書と併せて、この特許出願において開示される情報により、当業者は、治療分子としてのオリゴヌクレオチドリガンドを作成または使用できる。
米国特許公開番号US 20030051263は、二本鎖RNAを生存細胞に導入し、その細胞において標的遺伝子の遺伝子発現を阻害するための過程を開示している。阻害は、RNAの二本鎖領域および標的遺伝子の一部のヌクレオチド配列が同一であるという点で、配列特異的である。本出願人の明細書と併せて、この公開出願において開示される情報により、当業者は、治療物質としての二本鎖RNA分子を作成および使用できる。例えば、Elbashir,S.M.ら,Nature(2001)411:494を参照のこと。
物質が核酸である場合、それは、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクションまたはエレクトロポレーションを含むがこれらに限定されない当該分野において知られている方法により細胞培養物に加えられ得る。それらは単独か、または適切な担体、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水のごとき医薬上許容される担体と組み合わせて加えられ得る。別法または追加として、核酸は、細胞への取り込みのために発現または挿入ベクターへ取り込まれ得る。プロモーターおよびポリヌクレオチドが作動可能に連結され得るクローニングサイトの両方を含むベクターは、当該分野において知られている。かかるベクターは、インビトロまたはインビボにおいてRNAを転写し得、ならびにStratagene(La Jolla,CA)およびPromega Biotech(Madison,Wl)のごとき供給元から市販されている。発現および/またはインビトロでの転写を最適化するために、クローンの5’および/または3’非翻訳部分を除去、付加または改変し、潜在的に不適切な余分な別の翻訳開始コドン、または転写もしくは翻訳レベルのいずれかで発現を阻害もしくは減少させ得る他の配列を除去することを必須としてもよい。或いは、コンセンサスリボソーム結合部位を開始コドンの5’に隣接して挿入し、発現を高めることができる。ベクターの例は、ウイルス、例えば、バキュロウイルスおよびレトロウイルス、バクテリオファージ、アデノウイルス、アデノ−関連ウイルス、コスミド、プラスミド、真菌ベクターならびに他の組換えビヒクルであり、これらは、典型的に、様々な真核細胞および原核細胞宿主での発現について記載されている技術において用いられ、ならびに遺伝子療法および単純な蛋白質発現のために用いられてもよい。
これらの中には、DNA/リポソーム複合体および標的ウイルス蛋白質DNA複合体を含む、幾つかの非−ウイルスベクターがある。細胞への送達を高めるために、本発明の核酸または蛋白質は、細胞表面抗原に結合する抗体またはその結合フラグメントにコンジュゲートされ得る。標的抗体またはそのフラグメントも含むリポソームも本発明の方法において用いられ得る。本発明は、本明細書にて開示する方法において用いるための標的複合体も提供する。
ポリヌクレオチドは、当該分野において知られている方法を用いてベクターゲノムに挿入される。例えば、インサートおよびベクターDNAは、適切な条件下にて、互いに対になり、およびリガーゼにより共に連結され得る相補的な末端を各分子上に生じる制限酵素と接触され得る。或いは、合成核酸リンカーは、制限酵素で切断されたポリヌクレオチドの終端にライゲートされ得る。これらの合成リンカーは、ベクターDNAの特定の制限部位に対応する核酸配列を含む。さらに、終止コドンおよび適切な制限部位を含むオリゴヌクレオチドは、以下:選択可能なマーカー遺伝子、例えば、哺乳類細胞において安定または一時的な形質移入体を選択するためのネオマイシン遺伝子;高レベルの転写に関するヒトCMVの前初期遺伝子に由来するエンハンサー/プロモーター配列;mRNAの安定性に関するSV40に由来する転写終結およびRNAプロセッシングシグナル;適切なエピソーム複製のためのSV40ポリオーマ複製起点およびColE1;汎用マルチプルクローニングサイト;ならびにセンスおよびアンチセンスRNAのインビトロ転写のためのT7およびSP6RNAプロモーター:の幾つかまたは全てを含むベクターへ挿入するために、ライゲートされ得る。他の手段も知られており、および当該分野において利用可能である。
本発明は、表2〜6にて同定される遺伝子、例えば、TGF−α遺伝子によりコードされる単離されたポリペプチドも提供する。一の態様において、TGF−αポリペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。別の態様において、ポリペプチドは、保存的なアミノ酸での置換により修飾される。さらなる一層の一の態様において、ポリペプチドは、以下に示す実施例を用いて決定されるように、配列番号2のポリペプチドと同一の機能を有し、および適切な条件下で実行するBLASTのごとき配列比較プログラムにより決定されるように、配列番号2と80%以上、または85%以上、または90%以上、または95%以上、または97%以上、または98もしくは99%以上の配列相同性を有することにより同定される。一の態様において、該プログラムは、デフォルトパラメーターの下で実行される。これらの実施態様の活性フラグメントがさらに提供される。
本発明の方法に従って用いられるペプチドは、多数の慣用的な方法の任意の1つにより得られ得る。例えば、ペプチドは、標準的技法を用いる化学合成により調製され得る。固形相ペプチド合成技法が特に有用である。自動化ペプチドシンセサイザーおよびその使用に必要な試薬は市販されている。
一の実施態様において、本発明の単離されたペプチドは、適切な固相合成法を用いて合成され得る。StewardおよびYoung,eds.(1968)SOLID PHASE PEPTIDE SYNTHESIS,Freemantle,San Francisco,Calif。1つの方法はメリフィールド(Merrifield)の方法である。Recent Progress in Hormone Res.(1967)23:451。一旦、本発明の単離されたペプチドが得られると、それは、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティおよびサイジング(sizing)カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差を含む標準的方法により、または蛋白質精製のための任意の他の標準的技法により精製されてもよい。免疫親和性クロマトグラフィーのために、エピトープを、そのペプチドまたは本発明の関連するペプチドに対して産生された抗体を含む親和性カラムと結合させることにより単離し、次いで、固定支持体に付着させてもよい。
或いは、親和性タグ、例えば、hexa−His(Invitrogen)、マルトース結合ドメイン(New England Biolabs)、インフルエンザコート(coat)配列(Kolodziejら,Methods Enzymol.(1991)194:508−509)およびグルタチオン−S−トランスフェラーゼを、本発明のペプチドに付着させ、適切な親和性カラムを通過させることにより容易に精製することができる。単離されたペプチドは、プロテオリシス、核磁気共鳴およびX線結晶学のごとき技法を用いて物理的にも特徴付けられ得る。
或いは、ポリヌクレオチドは、PCRまたは遺伝子クローニング技法を用いて複製され得る。故に、本発明は、宿主細胞におけるこれらのポリヌクレオチドの転写および/または翻訳に必須であるエレメントに作動可能に連結される本発明のポリヌクレオチドも提供する。一の態様において、ポリヌクレオチドは、宿主細胞へ挿入するための遺伝子送達ビヒクルの構成成分である。発現コンストラクトで細胞が形質転換され得る手段は、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、形質導入、トランスフェクション、リポフェクション、リン酸カルシウム粒子衝撃介在遺伝子移入または核酸配列の直接注入または当業者に知られている他の方法(上記のSambrookら(1989))を含むが、これらに限定されない。哺乳類細胞を形質転換するための様々な技法については、例えば、Keownら,Methods in Enzymology(1990)185:527−537を参照のこと。
宿主細胞は、真核細胞および原核細胞、例えば、細菌細胞、酵母細胞、サル細胞、マウス細胞およびヒト細胞を含む。該細胞は培養され得るか、または最近では対象から単離され得る。宿主細胞は、ポリペプチドの組換え産生またはポリヌクレオチドの組換え複製に必要な条件下で培養される。組換えにより産生されたポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドはさらに本明細書にて提供される。
例えば、リン酸化、グリコシル化、架橋、アセチル化、蛋白質分解的切断、抗体分子、膜分子または他のリガンドへの結合により、翻訳の間または後に異なって修飾されるポリペプチドも本発明の範囲内に含まれる。Fergusonら,Ann.Rev.Biochem.(1988)57:285−320。これは様々な化学方法を用いるか、または異なる宿主細胞、例えば、細菌、哺乳類、酵母または昆虫細胞においてポリヌクレオチドを発現させることにより成し遂げられる。
単独または担体と組み合わせたペプチドフラグメント、例えば、免疫原性または抗原性部分も本発明により提供される。本発明の抗原性ペプチドは、使用目的に応じて異なり得る様々な処方において用いられ得る。
本発明の抗原性ペプチドは、様々な他の分子と共有結合的または非共有結合的に結合(複合体化)され得、その性質は特定の目的に応じて異なっていてもよい。例えば、本発明のペプチドは、天然および合成ポリマー、蛋白質、多糖、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよび脂質を含むがこれらに限定されない高分子担体に共有的または非共有的に複合体化され得る。ペプチドはリポソームに導入するために脂肪酸へコンジュゲートされ得る。米国特許第5,837,249号。本発明の合成ペプチドは、種々のものが当該分野において知られている固形支持体に共有的または非共有的に複合体化され得る。本発明の抗原性ペプチドエピトープは、より詳細に以下に記載されるように、共刺激分子を伴うまたは伴わずに、抗原提示マトリックスに結合され得る。
蛋白質担体の例は、スーパー抗原、血清アルブミン、破傷風トキソイド、オボアルブミン、チログロブリン、ミオグロブリンおよび免疫グロブリンを含むが、これらに限定されない。
ペプチド−蛋白質担体ポリマーは、カルボジイミドのごとき慣用的な架橋剤を用いて形成されてもよい。カルボジイミドの例は、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミド(CMC)、1−エチル−3−(3ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)および1−エチル−3−(4−アゾニア−44ジメチルペンチル)カルボジイミドである。
他の適切な架橋剤の例は、臭化シアン、グルタルアルデヒドおよび無水コハク酸である。一般的に、ホモ二官能性(homobifunctional)アルデヒド、ホモ二官能性エポキシド、ホモ二官能性イミドエステル、ホモ二官能性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ホモ二官能性マレイミド、ホモ二官能性ハロゲン化アルキル、ホモ二官能性ピリジルジスルフィド、ホモ二官能性ハロゲン化アリール、ホモ二官能性ヒドラジド、ホモ二官能性ジアゾニウム誘導体およびホモ二官能性光反応性化合物を含む任意の多数のホモ二官能性の物質が用いられてもよい。ヘテロ二官能性化合物、例えば、アミン−反応性およびスルフヒドリル−反応性基を有する化合物、アミン−反応性および光反応性基を有する化合物、ならびにカルボニル−反応性およびスルフヒドリル−反応性基を有する化合物も含まれる。
かかるホモ二官能性架橋剤の特定例は、二官能性N−ヒドロキシスクシンイミドエステルジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)、ジスクシンイミジルスベラートおよび酒石酸ジスクシンイミジル;二官能性イミドエステルアジプイミド酸ジメチル、ピメルイミド酸ジメチルおよびスベルイミド酸ジメチル;二官能性スルフヒドリル−反応性クロスリンカー1、4−ジ−[3’−(2’−ピリジルジチオ)プロピオン−アミド]ブタン、ビスマレイミドヘキサンおよびビス−N−マレイミド−1,8−オクタン;二官能性ハロゲン化アリール1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンおよび4,4’−ジフルオロ−3,3’ジニトロフェニルスルホン;二官能性光反応性の物質、例えば、ビス−[b−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド;二官能性アルデヒド、ホルムアルデヒド、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒドおよびアジプアルデヒド;二官能性エポキシド、例えば、1,4−ブタンジオール(butaneodiol)ジグリシジルエーテル、二官能性ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジドおよびコハク酸ジヒドラジド;二官能性ジアゾニウム、o−トリジン、ジアゾ化およびビスジアゾ化ベンジジン;二官能性ハロゲン化アルキル、N1N’−エチレンビス(ヨードアセトアミド)、N1N’−ヘキサメチレン−ビス(ヨードアセトアミド)、N1N’ウンデカメチレン−ビス(ヨードアセトアミド)、ならびにハロゲン化ベンジルおよびハロマスタード(halomustard)、例えば、a1a’−ジヨード−p−キシレンスルホン酸およびトリ(2−クロロエチル)アミンをそれぞれ含む。
ペプチドに対する蛋白質のコンジュゲーションを行うために用いられてもよい他の一般的なヘテロ二官能性架橋剤の例は、SMCCスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート)、MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、SIAB(N−スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾアート)、SMPB(スクシンイミジル−4−(p−マレイミドフェニル)ブチラート)、GMBS(N−(y−マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル)、MPBH(4−(4−N−マレイミドフェニル(pohenyl))酪酸ヒドラジド)、M2C2H(4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシル−ヒドラジド)、SMPT(スクシンイミジルオキシカルボニル−a−メチル−a−(2−ピリジルジチオ)トルエン)およびSPDP(N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオナート)を含むが、これらに限定されない。
架橋は、還元的アミノ化によりアミン基またはヒドラジド基にカルボニル基をカップリングすることにより成し遂げられてもよい。
本発明のペプチドは、イオン性、吸着性または生体分子特異的な相互作用を介するモノマーの非共有結合として形成されてもよい。高度に正または負に耐電した分子とペプチドの複合体は、低いイオン強度環境下、例えば、脱イオン水中での塩橋形成により作成されてもよい。大きな複合体は、様々な負および正電荷を各々含むポリ−(L−グルタミン酸)またはポリ−(L−リシン)のごとき帯電ポリマーを用いて作成され得る。ペプチドの吸着は、微粒子ラテックスビーズのごとき表面または他の疎水性ポリマーに対して行われ、架橋または化学重合した蛋白質を効果的に模倣する、非共有結合したペプチド−スーパー抗原複合体を形成する。最終的に、ペプチドは、他の分子間の生体分子特異的な相互作用を利用して非共有結合されてもよい。例えば、アビジンもしくはストレプトアビジンもしくはそれらの誘導体のごとき蛋白質についてのビオチンの強親和性を利用して、ペプチド複合体を形成することができる。これらのビオチン−結合蛋白質は、溶液中のビオチンと相互作用し得るか、または別の分子と共有結合し得る4つの結合部位を含む。Wilchek,Anal Biochem.(1988)171:1−32。一般的なビオチン化試薬、例えば、蛋白質上の利用可能なアミン基と反応するD−ビオチン(NHS−ビオチン)のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステルを用いて、ペプチドはビオチン基を有するように修飾され得る。次いで、ビオチン化ペプチドは、アビジンまたはストレプトアビジンと共にインキュベーションされ、大きな複合体が形成され得る。かかるポリマーの分子量は、アビジンまたはストレプトアビジンに対するビオチン化ペプチドのモル比を慎重に制御することにより調節され得る。
診断方法において用いるために検出可能な物質へコンジュゲートさせた、本明細書に記載のペプチドおよびポリペプチドも本出願により提供される。例えば、検出可能なように標識したペプチドおよびポリペプチドはカラムに結合され、次いで、抗体の検出および精製のために用いられ得る。それらは、以下に記載のように、抗体を産生するための免疫原としても有用である。
本発明のペプチドは、様々な液相担体、例えば、滅菌または水性溶液、医薬上許容される担体、懸濁液およびエマルジョンとも組み合わされ得る。非水性溶媒の例は、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび植物油を含む。抗体の調製に用いられる場合、担体は、特異的免疫反応を非特異的に増強するために有用なアジュバントも含み得る。当業者は、あるアジュバントが必要であるか否かを容易に決定し、次いで、それを選択することができよう。しかし、単なる例示ではあるが、適切なアジュバントは、フロイント完全および不完全アジュバント、無機塩およびポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。
本発明の蛋白質およびポリペプチドは、市販の自動化ペプチドシンセサイザー、例えば、Perkin Elmer/Applied Biosystems,Inc.,Model 430Aまたは431A,Foster City,CA,USAにより製造されているものを用いて化学合成により得ることができる。合成された蛋白質またはポリペプチドは、沈殿され、次いで、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、さらに精製され得る。従って、本発明は、アミノ酸および酵素のごとき蛋白質および試薬の配列を提供し、次いで、適切な配向および直鎖状配列でアミノ酸を共に結合することにより、本発明の蛋白質を化学合成するための過程も提供する。
該方法の目的、すなわち、細胞または組織の病理学的状態の逆転が、細胞分裂、細胞分化の減少、またはTGF−α過剰発現における減少により成し遂げられるか否かを決定できる。組織学的方法によってか、または特定の細胞表面マーカーのパーセンテージもしくは欠失についてモニタリングすることにより、細胞分化をモニタリングすることができる。ヒトにおける病理学的状態の逆転は、例えば、NMRを用いて、嚢胞(または腎臓)の容量における減少により測定され得る。
該方法は、罹患組織へ有効量の治療物質、例えば、阻止もしくは阻害抗体またはそれらの誘導体または小分子を送達することによっても実行され得る。例示的な抗体は以下に記載されている。これらは、単独か、または医薬上許容される担体のごとき担体と併せて送達され得る。
本発明に記載の蛋白質を用いて、当業者は、蛋白質またはそのフラグメントに特異的に結合するさらなる抗体を容易に産生できる。かかる抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。それらは、キメラ、ヒト化または完全なヒトであり得る。Fab、Fab’、Fab2、Fab’2および一本鎖可変領域を含む、抗体の任意の機能フラグメントまたは誘導体を用いることができる。抗体は、細胞培養物、ファージ、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿などを含むがこれらに限定されない様々な動物において産生され得る。フラグメントまたは誘導体が、蛋白質またはそのフラグメントについて結合特異性を保有する限り、それは用いられ得る。特定の一連の条件下にて、無関係な抗原または抗原混合物に対する結合と適切な抗原に対する結合を比較することにより、結合特異性について抗体を試験できる。抗体が、無関係な抗原または抗原混合物に対するよりも少なくとも2、5、7および好ましくは10倍以上で適切な抗原に結合するならば、それは特異的であると考えられる。
かかる部分的ないし完全なヒト抗体を作成するための技法は当該分野において知られており、および任意のかかる技法が用いられ得る。一の実施態様に従って、完全ヒト抗体の配列は、ヒト重鎖および軽鎖抗体遺伝子を発現させるために設計されたトランスジェニックマウスにおいて作成される。異なるクラスの抗体を産生し得る、複数系統のかかるトランスジェニックマウスが作製されている。所望の抗体を産生するトランスジェニックマウスに由来するB細胞は、所望の抗体を連続的に産生するためのハイブリドーマ細胞株を作成するために、融合され得る。例えば、Russel,N.D.ら(2000),Infection and ImmunityApril 2000:1820−1826;Gallo,M.L.ら(2000),European J.of Immun.30:534 540;Green,L.L.,J.of Immun.Methods(1999)231:11−23;Yang,X−Dら(1999A),J.of Leukocyte Biology 66:401−410;Yang,X−D(1999B),Cancer Research 59(6):1236−1243;Jakobovits,A.,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)31:33−42;Green,L.and Jakobovits,A.(1998),J.Exp.Med.188(3):483−495;Jakobovits,A.(1998),Exp.Opin.Invest.Drugs7(4):607 614;Tsuda,H.ら(1997),Genomics42:413−421;Sherman−Gold,R.,Genetic Engineering News(1997)17(14);Mendez,M.ら(1997),Nature Genetics15:146−156;Jakobovits,A.,WEIR’S HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY,THE INTEGRATED IMMUNE SYSTEM VOL.IV,(1996)194.1−194.7;Jakobovits,A.,Current Opinion in Biotechnology(1995)6:561 566;Mendez,M.ら,Genomics(1995)26:294−307;Jakobovits,A.,Current Biology(1994)4(8):761−763;Arbones,M.ら,Immunity(1994)1(4):247−260;Jakobovits,A.,Nature(1993)362(6417):255−258;Jakobovits,A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90(6):2551−2555;Kucherlapatiら,米国特許第6,075,181号を参照のこと。
抗体は、ファージディスプレイ技法を用いても作成され得る。かかる技法を用いて、初期抗体を単離するか、または特異性もしくは結合活性特性が変化した変異体を産生することができる。都合のよい場合、単鎖Fvも用いられ得る。それらは、所望により、ワクチン接種したトランスジェニックマウスから作成され得る。抗体は、細胞培養物、ファージ、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿などを含むがこれらに限定されない様々な動物において産生され得る。
抗体は、検出可能な部分、例えば、放射性原子、発色団、フルオロフォアなどを用いて標識され得る。かかる標識抗体は、インビボまたは単離された試験試料のいずれかにおいて診断技法のために用いられ得る。抗体は、例えば、化学療法剤または毒素のごとき医薬用物質にコンジュゲートされ得る。それらは、サイトカイン、リガンド、別の抗体に連結され得る。抗−腫瘍効果を成し遂げるために抗体にカップリングさせるのに適切な物質は、サイトカイン、例えば、インターロイキン2(IL−2)および腫瘍壊死因子(TNF);アルミニウム(III)フタロシアニンテトラスルホナート、ヘマトポルフィリンおよびフタロシアニンを含む光線力学的療法において用いるための光増感物質;放射性核種、例えば、ヨウ素−131(131I)、イットリウム−90(90Y)、ビスマス−212(212Bi)、ビスマス−213(213Bi)、テクネチウム−99m(99mTc)、レニウム−186(186Re)およびレニウム−188(188Re);抗生物質、例えば、ドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、メトトレキセート、ダウノマイシン、ネオカルチノスタチンおよびカルボプラチン;細菌、植物および他の毒素、例えば、ジフテリア毒素、緑膿菌(pseudomonas)外毒素A、ブドウ球菌エンテロトキシンA、アブリン−A毒素、リシンA(脱グリコシル化リシンAおよび天然リシンA)、TGF−アルファ毒素、チャイニーズコブラ(naja naja atra)からの細胞毒、およびゲロニン(植物毒素);植物、細菌および真菌に由来するリボソーム不活性化蛋白質、例えば、レストリクトシン(restrictocin)(アスペルギルス レストリクタス(Aspergillus restrictus)により産生されるリボソーム不活性化蛋白質)、サポリン(シャボンソウ(Saponaria offcinalis)に由来するリボソーム不活性化蛋白質)、およびRNase;チロシンキナーゼ阻害剤;Iy207702(二フッ化プリンヌクレオチド);抗嚢胞化物質(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、毒素をコードするプラスミド、メトトレキセートなど)を含むリポソーム;ならびに他の抗体または抗体フラグメント、例えば、F(ab)を含む。
診断方法
一の態様において、本発明は、組織中に存在する嚢胞性異常の診断を補助するための方法を提供する。細胞または組織の病理学的状態は、TGF−α遺伝子、その受容体(EGFR)に関する遺伝子またはそれらの発現産物の示差的発現により同定される。一般的に、遺伝子発現は、試験系における遺伝子の(もしあれば、例えば、改変された)発現量に注目することにより測定され、例えば、示差的発現は、遺伝子から転写されたmRNAのレベルにおける、2.5倍、好ましくは5倍、より好ましくは10倍の増大または幾つかの態様においては減少により測定される。別の一の実施態様において、遺伝子によりコードされるポリペプチドまたは蛋白質のレベルの増強は、細胞の病理学的状態の存在の指標となる。該方法は、ADPKD−関連腎嚢胞およびADPKDにおいて一般的に見出される肝臓、膵臓、脾臓および卵巣を含む他の器官における嚢胞性異常の診断を補助するために用いられ得る。
さらに、異常な嚢胞が形成する前に蛋白質または遺伝子の示差的発現を検出することにより、嚢胞性異常に対する素因を予測し、および/または早期診断および処置を提供することができる。
本発明のために用いる細胞または組織試料は、体液、固形組織試料、組織培養物またはそれらに由来する細胞およびその後代、および任意のこれらのソースから調製されたセクションもしくは塗抹標本(smear)、または示差的発現を有する細胞を含み得る任意の他の試料を包含する。好ましい試料は、対象の腎尿細管から調製されたものである。
組換えDNA技法およびバイオインフォマティクスを利用する診断方法
一の態様において、本発明は、TGF−α遺伝子またはその受容体の発現レベルを測定し、次いで、測定した発現レベルを該疾患またはその進行に関連付けることにより、ADPKD疾患に関連するもののごとき嚢胞性異常を診断またはモニタリングするための組成物および方法を提供する。様々な方法が目的遺伝子の発現を定量化するために知られており、ならびにハイブリダイゼーションアッセイ(ノーザンブロット分析)およびPCRに基づくハイブリダイゼーションアッセイを含むが、これらに限定されない。
mRNAレベルにおける変化に関するアッセイでは、初めに、当該分野における標準的方法に従って、試料中に含まれる核酸が抽出される。例えば、mRNAは、上記のSambrookら(1989)に記載の方法に従って様々な溶解酵素または化学溶液を用いて単離され得るか、または製造元により提供される添付説明書に従って核酸結合樹脂により抽出され得る。一例として、抽出された核酸試料中に含まれるTGF−α mRNAは、次いで、標準的手順に従って、それぞれ核酸プローブおよび/またはプライマーを用いるハイブリダイゼーション(例えば、ノーザンブロット分析)および/または増幅法により検出される。
少なくとも10個のヌクレオチドを有し、およびTGF−αに対して配列相補性または相同性を示す核酸分子は、診断方法において、TGF−αハイブリダイゼーションプローブまたはTGF−αPCRプライマーとして使用され得る。「完全にマッチした」プローブは特異的ハイブリダイゼーションのために必要ではないことが当該分野において知られている。小数の塩基の置換、欠失または挿入により成し遂げられるプローブ配列における小さな変化は、ハイブリダイゼーションの特異性に影響しない。一般的に、20%もの塩基対ミスマッチ(最適にアラインされた場合)が容認され得る。例えば、TGF−α mRNA検出のために有用なプローブは、既に同定されている配列中に含まれる同等の大きさの相同領域と少なくとも約80%同一である。例えば、配列番号1を参照のこと。或いは、プローブは、相同領域のアライメントの後、対応する遺伝子配列と少なくとも85%、またはさらには少なくとも90%同一である。フラグメントの全サイズおよび相補的な領域(stretch)のサイズは、特定の核酸セグメントの使用または適用目的に依存するだろう。より小さな遺伝子フラグメントは、一般的に、ハイブリダイゼーションの実施態様において使用が見出され得、ここで、相補的な領域の長さは、検出を所望する相補的配列に従って異なっていてもよく、例えば、約10〜約100ヌクレオチド、またはさらには全長である。
約10ヌクレオチド長よりも大きな領域にわたって相補的配列を有するヌクレオチドプローブは、ハイブリッドの安定性および選択性を増大し得、およびそれにより、得られた特定のハイブリッド分子の特異性を向上する。約25以上、およびさらにより好ましくは約50以上、または所望により、より長いヌクレオチド長の遺伝子−相補的領域を有する核酸分子を設計できる。かかるフラグメントは、例えば、化学的手段によりフラグメントを直接合成するか、米国特許第4,603,102号に記載のように2つのプライミングオリゴヌクレオチドを用いるPCR技法のごとき核酸複製技法を適用するか、または組換え産生用の組換えベクター中に選択した配列を導入することにより、容易に調製されてもよい。
特定の実施態様において、ハイブリダイゼーションおよびそれ故に相補的配列を検出するために、本発明の核酸配列を標識のごとき適切な手段と併用することは有利であろう。蛍光性、放射性、酵素性または他のリガンド、例えば、アビジン/ビオチンを含む、検出可能なシグナルを生じ得る多種多様な適切な指示手段が当該分野において知られている。放射性試薬または他の環境上所望されない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ、例えば、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼまたはペルオキシダーゼも用いられ得る。酵素タグの場合、比色分析用の指標基質が知られており、これを用いて、肉眼で確認できるかまたは分光光度的な手段を提供し、相補的な核酸含有試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定できる。
ハイブリダイゼーション反応は、様々な「ストリンジェンシー」の条件下で行われ得る。関連する条件は、温度、イオン強度、インキュベーション時間、ホルムアミドのごとき反応混合物中のさらなる溶質の存在、および洗浄方法を含む。より高いストリンジェンシー条件は、より高い温度およびより低いナトリウムイオン濃度のごとき条件であり、安定なハイブリダイゼーション複合体を形成するために、ハイブリダイズするエレメント間により最小限の相補性しか必要としない。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを増大させる条件は、当該分野において広く知られており、および発表されている。上記のSambrookら(1989)を参照のこと。
定量的PCRまたはハイスループット分析、例えば、Velculescu,V.ら,Science(1995)270:484−487に記載のような遺伝子発現の連続分析(SAGE)を用いるmRNAレベルまたはその発現の検出および定量も利用できる。すなわち、該方法は、転写産物を含むと考えられる細胞または組織試料から複数のmRNAを単離することを含む。所望により、遺伝子転写産物はcDNAに変換され得る。遺伝子転写産物の試料標本は、配列−特異的分析に付され、および定量される。これらの遺伝子転写産物の配列の存在比は、疾患患者および健常者に関する標準的なデータセットを含む参照データベースの配列の存在比と比較される。患者は、患者のデータセットが最も密接に関連し、およびこの適用に関しては転写産物の差異を含む、1または複数の疾患を有する。
本発明のヌクレオチドプローブは、遺伝子または遺伝子転写産物の増幅および検出のためのプライマーとしても用いられ得る。示差的に発現されたmRNAの検出のために有用なプライマーは、遺伝子またはポリヌクレオチドの匹敵する大きさの相同領域と少なくとも約80%同一である。本発明の目的のために、増幅とは、妥当な忠実度で標的配列を複製し得るプライマー−依存性ポリメラーゼを用いる任意の方法を意味する。増幅は、天然または組換えDNA−ポリメラーゼ、例えば、T7 DNAポリメラーゼ、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼのクレノー(Klenow)フラグメントおよび逆転写酵素により行われてもよい。
PCRのための一般的方法は、MacPhersonら,PCR:A PRACTICAL APPROACH,(IRL Press at Oxford University Press(1991))において教示されている。しかし、各適用反応のために用いられるPCR条件は、実験的に決定される。多数のパラメーターが反応の成功に影響する。その中には、アニーリング温度および時間、伸長時間、Mg2+ATP濃度、pH、ならびにプライマー、テンプレートおよびデオキシリボヌクレオチドの相対的濃度がある。
増幅の後、得られたDNAフラグメントは、アガロースゲル電気泳動、次いで、臭化エチジウム染色および紫外線照射による可視化により検出され得る。示差的に発現された目的遺伝子の特異的増幅は、増幅されたDNAフラグメントが予測した大きさを有し、予測した制限消化パターンを示し、および/または正確なクローン化DNA配列にハイブリダイズするかを実証することにより確認され得る。
プローブは、当該分野において知られている方法を用いるハイスループットスクリーニングアッセイにおいて用いるために、固形支持体にも結合できる。例えば、国際PCT出願番号WO 97/10365および米国特許第5,405,783号、第5,412,087号および第5,445,934号は、1またはそれ以上の配列を含み得る高密度のオリゴヌクレオチドチップの構築を開示している。該チップは、米国特許第5,405,783号;第5,412,087号および第5,445,934号において開示されている方法を用いて、誘導体化したガラス表面上で合成され得る。光防護したヌクレオチド、ホスホラミダイトは、ガラス表面にカップリングされ、フォトリソグラフィーマスクを介する光分解により選択的に脱保護され、次いで、第2の保護ヌクレオチド、ホスホラミダイトと反応され得る。カップリング/脱保護過程は、所望のプローブが完成するまで繰り返される。
遺伝子の発現レベルは、ポリヌクレオチドを含むと考えられる試料をプローブ−修飾チップに曝露させることにより測定される。抽出された核酸は、例えば蛍光タグを用いて、好ましくは増幅工程の間に標識される。標識された試料のハイブリダイゼーションは、適切なストリンジェンシーレベルにて行われる。プローブ−核酸ハイブリダイゼーションの程度は、共焦点顕微鏡のごとき検出デバイスを用いて定量的に測定される。米国特許第5,578,832号および第5,631,734号を参照のこと。得られた測定結果を直接遺伝子発現レベルに関連付ける。
プローブおよび高密度オリゴヌクレオチドプローブアレイは、多数の遺伝子発現をモニタリングするための有効手段も提供し、その一つは遺伝子を含む。故に、発現モニタリング法は、疾患の検出、同一患者から単離した試料間の経時の示差的な遺伝子発現の同定、または一度に、もしくは一定期間にわたって遺伝子発現をアップレギュレートもしくはダウンレギュレートする組成物のスクリーニングを含む多種多様な状況において用いられ得る。
ハイブリダイズしたプローブおよび試料核酸は、当該分野において知られている様々な方法により検出され得る。例えば、ハイブリダイズした核酸は、試料核酸に結合した1またはそれ以上の標識を検出することにより検出され得る。標識は、当業者に知られている任意の多数の手段により取り込まれ得る。一の態様において、標識は、試料核酸を調製する増幅工程の間に同時に取り込まれる。故に、例えば、標識プライマーまたは標識ヌクレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、標識された増幅産物を提供し得る。別の一の実施態様において、上記のように、標識ヌクレオチド(例えば、フルオレセイン−標識UTPおよび/またはCTP)を用いる転写増幅は、転写された核酸に標識を組み込む。
或いは、標識は、元々の核酸試料(例えば、mRNA、ポリA、mRNA、cDNAなど)に直接添加されるか、または増幅が完了した後の増幅産物に添加されてもよい。核酸に標識を結合する手段は当業者に知られており、および例えば、核酸のキナーゼ処理(kinasing)、次いで、試料核酸を標識(例えば、フルオロフォア)に連結する核酸リンカーの結合(ライゲーション)による、ニックトランスレーションまたはエンド−ラベリング(例えば、標識RNAを用いる)を含む。
本発明の使用に適する検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的手段により検出可能な任意の組成物を含む。本発明において有用な標識は、標識ストレプトアビジンコンジュゲートで染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(登録商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド(Texas red)、ローダミン、緑蛍光蛋白質など)、 放射標識(例えば、H、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAにおいて一般的に用いられる他のもの)、および比色用標識、例えば、コロイド金または色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズを含む。かかる標識の使用を教示している特許は、米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;および第4,366,241号を含む。
かかる標識の検出手段は当業者に知られている。故に、例えば、放射標識は、写真用フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出されてもよく、蛍光マーカーは、放出された光を検出するための光検出器を用いて検出され得る。酵素標識は、典型的に、基質に酵素を加え、次いで、基質上の酵素の作用により生じる反応産物を検出し、次いで、着色した標識を単純に視覚化して比色用標識を検出することにより、検出される。
特許公報WO 97/10365は、ハイブリダイゼーションの前または後に、標識を1または複数の標的(試料)核酸に付加するための方法を記載している。これらは、ハイブリダイゼーション前に標的(試料)核酸に直接結合するか、またはそこに取り込まれる、検出可能な標識である。対照的に、「間接的な標識」はハイブリダイゼーション後にハイブリッド二本鎖に結合される。多くの場合、間接的な標識は、ハイブリダイゼーション前に標的核酸に付着した結合部分に付着する。故に、例えば、標的核酸はハイブリダイゼーション前にビオチン化されてもよい。ハイブリダイゼーションの後、アビジンとコンジュゲートしたフルオロフォアは、容易に検出される標識を提供する、ビオチンを有するハイブリッド二本鎖に結合し得る。核酸の標識方法およびハイブリダイズした標識核酸の検出方法の詳細な報文については、LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY,Vol.24:Hybridization with Nucleic Acid Probes,P.Tijssen,ed.Elsevier,N.Y.(1993)を参照のこと。
核酸試料は、ハイブリダイゼーション前に、高密度プローブアレイに修飾されてもよく、その結果、試料の複雑性が軽減し、それによりバックグラウンドシグナルが減じ、および国際PCT出願番号WO 97/10365において開示されている方法を用いる測定の感度を改善する。
チップアッセイからの結果は、典型的に、コンピュータソフトウェアプログラムを用いて分析される。例えば、EP 0 717 113 A2およびWO 95/20681を参照のこと。ハイブリダイゼーションデータは、1または複数の標的遺伝子の発現レベルを計算するプログラムに読み込まれる。この数値を、病人および健常人に関する遺伝子発現レベルの既存のデータセットと比較する。得られたデータと一連の病人のデータの間の相関は、対象患者における疾患の発症を示す。
蛋白質またはポリペプチドを検出および定量するための診断方法
別の態様において、本発明は、以下の表2〜6にて同定される遺伝子またはその受容体から発現される、試料中に存在する蛋白質またはポリペプチドを検出および/または定量することにより、ADPKD疾患に関連するもののごとき嚢胞性異常を診断またはモニタリングするための方法および組成物を提供する。様々な技法が蛋白質分析の分野において利用されており、および、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合放射免疫アッセイ(enzyme linked immunoradiometric assay))、「サンドウィッチ」イムノアッセイ、免疫放射線アッセイ、インサイツイムノアッセイ(例えば、コロイド金、酵素またはラジオアイソトープ標識を用いる)、ウェスタンブロット分析、免疫沈降アッセイ、免疫蛍光アッセイおよびPAGE−SDSを含むが、これらに限定されない。
示差的遺伝子発現により特徴付けられる疾患の診断において、典型的に、対象および適切な対照の比較分析を行う。好ましくは、診断試験は、遺伝子の病理学的または異常な発現レベルを示す、対象に由来する対照試料(以後、「正対照」と言う)を含む。病理学的状態の臨床的特徴を欠失しており、およびその遺伝子の発現レベルが正常範囲内である「負対照」を含むことも有用である。同定された変化に関する対象および正対照の間の正の相関は、疾患の存在または疾患に対する素因を示す。対象および負対照の間に相関がないことは、該診断を確かなものとする。
発現を検出および定量するために知られているイムノアッセイを修飾することもできる。遺伝子産物の測定は、遺伝子産物に反応性のある抗体の間で生じる、免疫特異的結合の量を測定することを必要とする。免疫特異的結合またはハイブリダイゼーションまたは増幅手段の間に生じるシグナルを検出および定量するために、プローブの放射活性または化学発光を検出するものを含むがこれらに限定されないデジタルイメージ分析系が用いられ得る。
治療物質の同定方法
本発明は、リード化合物(leads)を同定するためのスクリーン、および細胞もしくは組織の病理学的状態を後進させるか、または細胞もしくは組織の成長もしくは増殖を選択的に阻害するための方法も提供する。一の態様において、該スクリーンは、嚢胞性異常を措置するか、またはADPKDに付随する症状を処置もしくは改善するために有用であるリード化合物または生物製剤を同定する。該スクリーンは、インビトロまたはインビボにおいて実施され得る。
一の態様において、本発明の可溶性TGF−αに結合し得る薬剤候補を同定することが望ましい。幾つかの適用については、蛋白質とその受容体の結合を遮断し得る薬剤候補の同定が所望され得る。幾つかの適用については、受容体へ結合し得る薬剤候補の同定を、治療または診断物質を送達するか、またはTGF−αとその受容体の結合を遮断するための手段として用いてもよい。他の適用については、天然リガンドの活性を模倣し得る薬剤候補の同定も所望され得る。故に、受容体:リガンド複合体の結合を操作することにより、嚢胞性病巣のさらなる発達を促進または阻害できるかもしれない。
スクリーニング用の試験物質は任意のソースに由来し得る。それらは、天然産物のライブラリー、コンビナトリアル化学ライブラリー、組換えライブラリーにより作られる生物学的産物などであり得る。試験物質のソースは本発明に重大ではない。本発明は、他のスクリーニングスキームにおいて見落とされてしまった可能性のあるスクリーニング化合物および組成物のための手段を提供する。
インビトロでのスクリーンまたはアッセイを行うために、適切な細胞培養物または組織培養物が最初に提供される。細胞は、培養された細胞であるか、または遺伝子を示差的に発現する遺伝子操作された細胞であり得る。或いは、細胞は、組織バイオプシーに由来し得る。米国特許第5,789,189号は、インビトロで嚢胞を形成する多嚢胞性腎細胞の培養物を生じる方法を提供する。細胞は、(温度、成長または培養培地および気体(CO))条件下、適切な時間培養され、密度依存性の制約がない指数関数的増殖を成し遂げる。さらなる別個の細胞培養物;試験されるべき物質を受け取らないものを対照として維持することも望ましい。
当業者に明かであるように、適切な細胞はマイクロタイタープレートにて培養されてもよく、および幾つかの物質は、遺伝子型変化、表現型変化および/または細胞死に注目することにより同時にアッセイされてもよい。一の態様において、該スクリーンは、以下に記載のMDCK嚢胞性アッセイの組成物および方法を利用する。
物質が、DNAまたはRNA核酸分子以外の組成物である場合、適切な条件は、細胞培養物へ直接加えるか、または添加用の培養培地へ加えることによる。当業者には明かなように、経験的に決定され得る「有効」量が加えられる必要がある。
該スクリーンは、遺伝子を示差的に発現している試験細胞に物質を接触させ、次いで、遺伝子発現レベルについて細胞をアッセイすることを含む。幾つかの態様において、それは、アッセイ前に遺伝子発現レベルを測定するために必要であってもよい。これは、物質を細胞培養物へ投与した後の発現を比較するためのベースラインを提供する。別の実施態様において、試験細胞は、TGF−α遺伝子を示差的に発現する確立された細胞株に由来する培養細胞である。遺伝子発現が正常状態の細胞に存在するレベルに回復(減少または増大)するならば、物質は可能な治療物質である。
さらなる別の態様において、試験細胞または組織試料は、処置されるべき対象から単離され、および1またはそれ以上の潜在的な物質をスクリーニングして、個々の患者に最適な治療および/または処置過程を決定する。例えば、腎臓または肝臓組織はこのアッセイに適する。
本発明の目的のために、「物質」は、生物学的または化学的化合物、例えば、単純もしくは複雑な有機または無機分子、ペプチド、蛋白質またはオリゴヌクレオチドを含むがこれらに限定されないことが意図される。膨大な化合物、例えば、オリゴペプチドおよびオリゴヌクレオチドのごときオリゴマー、ならびに様々なコア構造に基づく合成有機化合物が合成され得、ならびにこれらも「物質」なる用語に含まれる。加えて、様々な天然ソースは、植物または動物抽出物などのごときスクリーニング用化合物を提供し得る。常に明記されるわけではないが、本発明のスクリーンにより同定される物質と同じまたは異なる生物活性を有する物質が、単独または別の物質と併せて用いられることが理解されるべきである。物質および方法は、他の療法と併用されることも意図される。それらは同時または連続的に投与され得る。
ラットまたはマウスのごとき動物におけるスクリーンの使用により、治療物質の臨床試験前に用いられ得る、或いはリード最適化のための有用な動物モデル系が提供される。この系において、候補物質は潜在的な薬剤であり、およびそれ故に、各々、病理学的細胞を有する無処置動物と比べた場合に、遺伝子発現が正常レベルに回復するか、またはTGF−α遺伝子の示差的発現を含む細胞の存在に関連または相関する症状が改善されるならば、これらはさらなる開発に適切であってもよい。健常および無処置の細胞または動物からなる別個の負対照群を有することは有用であり得、これは比較のためのさらなる基準を提供する。
ヒトPKDに酷似した突然変異表現型(例えば、嚢胞の形態、嚢胞の局在性、疾患の進行性)を有する多発性嚢胞腎(PKD)の様々なマウスモデルが記載されている。例えば、Gretz N.ら.(1996)Nephrol.Dial.Transplant 11:46−51;Schieren G.ら.(1996)Nephrol.Dial.Transplant 11:38−45;Guay−Woodford L.(2003)Am.J.Renal Physiol.285:F1034−F1049を参照のこと。かかるPKDマウスモデルは、以下に記載のものを含むが、これらに限定されない。
先天性多嚢胞腎(cpk)マウスは、初めに記載されたモデルであり、偶発突然変異から生じた。Preminger G.ら.(1982)J.Urol.127:556−560;およびFry J.ら.(1985)J.Urol.134:828−833.突然変異体は、大規模な腎嚢胞性疾患および進行性腎不全をヒトARPKDに酷似したパターンで発症する。
若年性嚢胞腎(jck)突然変異は、MMTV/c−mycトランスジーンを有するマウス系統にて生じた。Atala A.ら.(1993)Kidney Int.43:1081−1085.罹患マウスにおいて、限局性嚢胞腎は早ければ3日齢にて顕著となり、およびその腎嚢胞性疾患は緩徐進行性である。
多発性嚢胞腎(pcy)突然変異は、初め、糖尿病傾向のあるKKマウス系統にて生じた。Takahashi H.ら.(1986)J.Urol.135:1280−1283;およびTakahashi H.ら.(1991)J.Am.Soc.Nephrol.1:980−989.その表現型は、腎嚢胞の局在性および疾患の緩徐進行性に関してヒトADPKDと似ていた。突然変異体は8週齢後に腎臓腫大を発現し、18週齢までに進行性高窒素血症および間質性線維症を発症した。腎不全に起因する死は30〜36週齢にて生じる。
Han:SPRDラットは十分に特徴付けられており、およびADPKDモデルとして広く研究されている。Cowley B.ら.(1993)Kidney Int.49:522−534;Gretz N.ら.(1996)Nephrol.Dial.Transplant 11:46−51;Kaspareit−Rittinghausen J.ら.(1990)Transpl.Proc.22:2582−2583;およびSchafer K.ら.(1994)Kidney Int.46:134−152.突然変異はスプラーグドーリー系統において偶発的に生じ、および初期分析は、常染色体優性形質としての遺伝を示した。ヘテロ接合体において、腎嚢胞病変は、生後数週間内に顕著となり、主に近位尿細管を含み、および緩徐に進行する。疾患発現には雌雄二型が存在する。腎臓腫大および嚢胞性変化は、年齢を適合させた雌ヘテロ接合体よりも雄ヘテロ接合体においてより迅速に進行する。Cowley B.ら.(1997)Am.J.Kidney Dis.29:265−272;およびGretz N.ら.(1995)Kidney Int.48:496−500.
診断および治療用抗体組成物
本発明は、本発明の診断および治療法において有用である本発明の蛋白質またはポリペプチドと複合体を特異的に形成し得る抗体も提供する。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体ならびにそれらの誘導体(上記のような)を含む。抗体は、マウス、ラットおよびウサギまたはヒト抗体を含むが、これらに限定されない。抗体は、細胞培養液、ファージ、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿などを含むがこれらに限定されない様々な動物において産生され得る。抗体は、治療用および/または診断用ポリペプチドの同定および精製にも有用である。
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を産生するための、ならびにそれらの対応する核酸配列を推定するための実験方法は、当該分野において知られている。上記のHarlowおよびLane(1988)ならびに上記のSambrookら(1989)を参照のこと。本発明のモノクローナル抗体は、蛋白質またはそのフラグメントを動物、例えば、マウスまたはウサギへ導入することにより生物学的に産生され得る。動物中の抗体産生細胞は単離され、次いで、ミエローマ細胞またはヘテロ−ミエローマ細胞と融合され、ハイブリッド細胞またはハイブリドーマを生じる。従って、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞も提供される。
説明のために、抗−TGF−α抗体は市販されており、および既知の方法と併せて、当業者は、TGF−αまたはその受容体に対する結合能を有する抗体について、本発明のハイブリドーマ細胞および抗体を産生およびスクリーニングすることができる。
試験されるべきモノクローナル抗体が蛋白質またはポリペプチドと結合するならば、試験されるべき抗体および本発明のハイブリドーマにより提供される抗体は均等である。試験されるべき抗体が、モノクローナル抗体が普通は反応性のある蛋白質またはポリペプチドと、本発明のモノクローナル抗体の結合を阻害するか否かを測定することにより、過度の実験を行うことなく、抗体が本発明のモノクローナル抗体と同じ特異性を有するか否かを決定することも可能である。本発明のモノクローナル抗体による結合の減少により示されるように、試験されるべき抗体が本発明のモノクローナル抗体と競合するならば、2つの抗体が同一または密接に関連したエピトープに結合する可能性がある。或いは、普通は反応性のある蛋白質と共に本発明のモノクローナル抗体を予めインキュベーションし、次いで、試験されるべきモノクローナル抗体の抗原結合能が阻害されているかを測定することができる。試験されるべきモノクローナル抗体が阻害されているならば、恐らく、それは、本発明のモノクローナル抗体と同一または密接に関連するエピトープ特異性を有する。
用語「抗体」は、全てのアイソタイプの抗体を含むことも意図される。モノクローナル抗体の特定のアイソタイプは、初めの融合物から選択することにより直接調製され得るか、またはSteplewskiら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:8653またはSpiraら,J.Immunol.Methods(1984)74:307に記載されている手法を用いてクラススイッチ変異体を単離するためのシブセレクション技法を用いることにより、異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマから二次的に調製され得る。
本発明は、上記したポリクローナルおよびモノクローナル抗体の生物活性フラグメントも提供する。これらの「抗体フラグメント」は、その抗原または免疫原に特異的に結合する特定の能力を保有する。かかる抗体フラグメントは、Fab;Fab’;F(ab’);FvおよびSCAを含み得るが、これらに限定されない。
「生物活性のある抗体フラグメント」の特定の一例は、抗体のCDR領域である。これらのフラグメントの作成方法は当該分野において知られており、例えば、上記のHarlowおよびLane(1988)を参照のこと。
本発明の抗体は、キメラ抗体およびヒト化抗体を作成するためにも修飾され得る。Oiら,BioTechniques(1986)4(3):214。キメラ抗体は、抗体の重鎖および軽鎖の様々なドメインが1以上の種に由来するDNAによりコードされているものである。
本発明のモノクローナル抗体の特異性を有するモノクローナル抗体を分泌する他のハイブリドーマの単離は、当業者により、抗−イディオタイプ抗体を産生することによっても成し遂げられ得る。Herlynら,Science(1986)232:100。抗−イディオタイプ抗体は、目的のハイブリドーマにより産生されたモノクローナル抗体上に存在する特有の決定基を認識する抗体である。
2つのハイブリドーマのモノクローナル抗体間のイディオタイプ同一性は、2つのモノクローナル抗体が、同一のエピトープ決定基の認識に関して同一であることを示す。故に、モノクローナル抗体上のエピトープ決定基に対する抗体を用いることにより、同じエピトープ特異性のモノクローナル抗体を発現する他のハイブリドーマを同定することが可能である。
エピトープを模倣するモノクローナル抗体を産生するための抗−イディオタイプ技法を用いることも可能である。例えば、第1のモノクローナル抗体に対して作成された抗イディオタイプモノクローナル抗体は、超可変領域内に、第1のモノクローナルが結合するエピトープの鏡像である結合ドメインを有し得る。故に、この場合、抗−イディオタイプモノクローナル抗体は、これらの抗体を産生するための免疫化に用いることができる。
本発明中、用語「エピトープ」は、本発明のモノクローナル抗体について特異的親和性を有する任意の決定基を含むことが意味される。エピトープ決定基は通常、アミノ酸または糖側鎖のごとき分子の化学的活性のある表面集団からなり、ならびに通常、特異的な三次元構造の特徴および特異的な電荷の特徴を有する。
本発明の抗体は、検出可能な物質または標識に結合され得る。多くの異なる標識および標識方法が当業者に知られている。
低分子量ハプテンへの抗体のカップリングは、アッセイ感度を増大し得る。次いで、ハプテンは、第2の反応を用いて特異的に検出され得る。例えば、アビジンと反応するビオチンのごときハプテン、または特異的抗−ハプテン抗体と反応し得るジニトロフェノール、ピリドキサールおよびフルオレセインを用いることが一般的である。上記のHarlowおよびLane(1988)を参照のこと。
本発明の抗体は、多くの異なる担体にも結合され得る。故に、本発明は、活性または不活性な抗体および他の物質を含有する組成物も提供する。よく知られている担体の例は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよびマグネタイトを含む。本発明の目的のために、担体の性質は、可溶性または不溶性のいずれかであり得る。当業者は、モノクローナル抗体を結合するのに適切な他の担体を認識するか、または慣用的な実験を用いてそれを確認することができよう。
抗体、そのフラグメントまたは抗体を産生する細胞株を含有する組成物は、本発明に含まれる。これらの組成物が医薬的に用いられる場合には、それらは医薬上許容される担体と組み合わされ得る。
以下の実施例は本発明を説明することを意図しており、本発明を限定するものではない。
実験方法
I.EGFRは、jck腎臓およびcpk腎臓の嚢胞上皮の頂端膜において過剰発現および誤って局在化している。
A.免疫組織化学分析:
4%のパラホルムアルデヒド/PBS固定/パラフィン包埋したjck(50日齢)またはcpk(10日齢)マウスの腎臓セクション(5μm)を、5分間100%のキシレン溶液中で2回、5分間100%のエタノール中で2回、5分間95%のエタノール中で2回、5分間80%のエタノール中で2回、5分間蒸留水中で2回、および5分間リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で2回インキュベーションした。3%(重量/容量)のウシ血清アルブミンを含有するPBS(PBS/BSA)中にてスライドを30分間ブロックした。製造元(Sigma/Aldrich)により推奨されているように、トリプシン溶液(Sigma/Aldrich,St Louis,MO)中、該セクションを室温で30分間インキュベーションすることにより、抗原を曝露させ、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。PBS/BSA中、ウサギ抗−EGFR(Cell Signaling,Beverly,MA)を12.5μg/mlにて室温で2時間インキュベーションし、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。PBS/BSA中、抗−ウサギCy3抗体(Sigma/Aldrich)を1:100希釈(容量/容量)にて1時間インキュベーションし、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。
B.ウェスタンブロット解析:
野生型同腹子、jck(20および50日齢)またはcpk(20日齢)(Jackson Laboratory,Bar Harbor,MEからのマウス)に由来する腎臓を、氷上で、250mMのスクロース、1mMのPMSFおよびコンプリートプロテアーゼインヒビターカクテル(Roche,Basel,Switzerland)を含有する7容量の10mMのHepesバッファー pH7.4中、組織ホモゲナイザーを用いてホモゲナイズした。1000gの遠心分離により大きな細胞残屑を除去した。BCA蛋白質アッセイ試薬キット(Pierce,Rockford,IL)を用いて蛋白質濃度を測定した。SDS−PAGE(3〜12%の勾配)により蛋白質(100μg)を分離し、次いで、Sambrookら.1989により記載されているように、20mMのトリス、150mMのグリシンおよび20%のメタノール中で2時間、Immobilon(登録商標)Pメンブレン(Millipore,Bedford,MA)へ転写した。メンブレンをブロッキングバッファー(0.05%のTween−20/5%の脱脂粉乳を含有するトリス緩衝化生理食塩水(TBS))中にて室温で2時間飽和させ、次いで、ブロッキングバッファー中、ヤギ抗−EGFR抗体(Santa Cruz Biotechnology,Santa Cruz,CA)を用いて室温で2時間プローブした。次いで、メンブレンを0.05%のTween−20含有TBS(TBS−T)にて洗浄した。ロバ抗−ヤギ西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗体(Santa Cruz Biotechnology)を、ブロッキングバッファー中、1:10,000希釈にて室温で1時間インキュベーションし、次いで、TBS−T中で3回洗浄した。高感度化学発光(Amersham/Pharmacia Biotech,Little Chalfont Buckinghamshire,England)を用いて免疫反応性蛋白質を検出した。
II.TGF−αはjck嚢胞上皮およびcpk嚢胞上皮にて発現している。
免疫組織化学分析:
4%のパラホルムアルデヒド/PBS固定/パラフィン包埋したjck(50日齢)またはcpk(10日齢)マウスの腎臓セクション(5μm)を、5分間100%のキシレン溶液中で2回、5分間100%のエタノール中で2回、5分間95%のエタノール中で2回、5分間80%のエタノール中で2回、5分間蒸留水中で2回、次いで、5分間リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で2回インキュベーションした。3%(重量/容量)のウシ血清アルブミンを含有するPBS(PBS/BSA)中でスライドを30分間ブロックした。製造元(Sigma/Aldrich)により推奨されているように、トリプシン溶液(Sigma/Aldrich,St Louis,MO)中、該セクションを室温で30分間インキュベーションすることにより、抗原を曝露させ、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。PBS/BSA中、マウス抗−TGF−α(Calbiochem,San Diego,CA)を5μg/mlにて室温で2時間インキュベーションし、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。PBS/BSA中、抗−マウスFITC抗体(Sigma/Aldrich)を1:100希釈(容量/容量)にて1時間インキュベーションし、次いで、各5分ずつPBSで5回洗浄した。
III.TGF−αは、jckおよびpcyマウスに由来する嚢胞液にて分泌される。
50日齢のjckマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,ME)および100日齢のpcyマウス(V.H.Gattone II,Ph.D.,Indiana University School of Medicine)に由来する腎臓をCO窒息させた動物から回収し、すぐに細かく切り刻み、嚢胞液を収集した。200gで遠心分離することにより細胞残屑を除去した。心臓内穿刺により血液を回収し、次いで、製造元(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)により推奨されているように、BD Microtainer(登録商標)血清分離チューブを用いて、遠心により血清を分離した。製造元(R&D Systems,Minneapolis,MN)の推奨に従って、抗−TGF−α捕獲および検出抗体を用いて、サンドウィッチELISAにより血清および嚢胞液中のTGF−α濃度を測定した。
IV.抗−TGF−α抗体はインビトロで嚢胞形成を阻害する。
三次元MDCK(Madin−Darbyイヌ腎臓)細胞培養アッセイを用いて、抗−TGF−αブロッキング抗体を試験した。MDCK細胞を、10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、10μg/mlのストレプトマイシンおよび1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco/Invitrogen,Carlsbad,CA)を加えた高グルコースダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)にて成長させた。集密以下(Sub−confluent)のMDCK細胞単層をHanksバッファーで2回リンスし、次いで、0.25%のトリプシン/1mMのEDTA(Gibco/Invitrogen)含有のHanksバッファーを用いて解離した。細胞を、コラーゲンゲル化溶液(10%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、10μg/mlのストレプトマイシン、1mMのピルビン酸ナトリウム、2.8mMのNaOH、1.34mg/mlのNaHCOおよび0.84mg/mlのコラーゲンを加えた高グルコースDMEM)中、4×10細胞/mlで再懸濁し、次いで、硬化した細胞不含コラーゲンゲル化溶液の表面を覆った。細胞/コラーゲン混合物を37℃で10分間硬化させた後、MDCK培養培地を加えた。嚢胞を約72時間形成させておき、その後、ポリクローナル中和抗−TGF−α抗体を加えた。MDCK成長培地中、ポリクローナル中和抗−TGF−α抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN)を100μgから0.1μg/mlまでの2倍希釈系列での異なる濃度にて試験した。
V.インビボ、Han:SPRD(cy/+)ラットにおいて、抗−TGF−α抗体は嚢胞形成を阻害する。
A.)初期処置(ビヒクル、低用量、高用量)
新生(最高1週齢)Han:SPRDラット(B.Cowley,M.D.,University of Kansas)に、低用量抗−TGF−α抗体(0.5mg/kg)、高用量抗−TGF−α抗体(5mg/kg)または無関係な抗体ビヒクルのいずかを腹腔内注入により週2回投与した。3週齢で、動物を交配させ、計量し、次いで、麻酔をかけた。血清クレアチニンの血液レベルを測定した。腎臓を取り出し、次いで、組織学的に調べた。肝臓を取り出し、計量し、肉眼で嚢胞発現を調べ、次いで、遺伝子型を特定した。
処置A結果
対照(野生型)雄:身体的発育は、ビヒクルまたは高用量のいずれかを投与されたラットよりも低用量抗体を投与されたラットにおいてより大きかった。腎臓の大きさも増大し、低用量群の腎臓重量は高用量群のものを有意に上回った。腎臓重量:体重の比は群間で差異はなかったが、高用量群において、腎臓重量:体重の比はより低くなる傾向があった。血清クレアチニンは低用量の抗体の影響は受けなかったが、高用量を投与されたラットでは増大した。
対照(野生型)雌:身体もしくは腎臓の大きさまたは血清クレアチニンに関して群間に差異はなかった。
ヘテロ接合(cy/+)雄:身体成長は、高用量群およびビヒクル群に比べて、低用量の抗体を用いた場合に高められた。合計腎臓重量は低用量群において増大したが、若干、体重に比例した。高用量の抗体については、体重、腎臓重量および腎臓重量:体重の比は、低用量群と比べて減少した。群間で血清クレアチニンにおける差異はなかった。
ヘテロ接合(cy/+)雌:体重および腎臓重量は低用量群においてより大きかったが、変化は比例しており、故に、腎臓重量:体重の比は変化しなかった。血清クレアチニンは群間に差異はなかった。高用量の抗体については、腎臓重量および体重は、低用量群と比べて減少したが、腎臓重量:体重の比および血清クレアチニンレベルは同様であった。
ホモ接合(cy/cy)雄および雌:腎臓および腎臓重量:体重の比の著しい増大ならびに血清クレアチニンの著しい上昇を示した。群間に有意な差異は全くなかった。
B.)処置開始日をさらに分析する(1日齢対7日齢)初期処置Aの結果(上記)の再度分析
処置B結果
ヘテロ接合(cy/+)雄:7日目に開始した低用量の処置は、身体および腎臓の成長に寄与したが、血清クレアチニンには影響しなかった。これらの効果は1日齢から処置したラットでは見られなかった。7日目に開始した高用量については、身体または腎臓の大きさに対して有意な効果は全く見られなかった。ビヒクル−処置ラットと比べて、血清クレアチニンレベルはより低くなる傾向があった。嚢胞負荷(cyst burden)は、1または7日齢で開始したかに関わらず、高用量の抗体を用いた場合に有意に減少した。
ヘテロ接合(cy/+)雌:低用量は、身体および腎臓の大きさの増大に関連したが、1または7日齢で処置を開始したかに関わらず、腎臓重量:体重の比には変化が全くなかった。高用量では、7日齢にて開始した場合には腎臓の大きさが増大したが、1日齢にて開始した場合には増大せず、および腎臓重量:体重の比は変化しなかった。1日齢にて高用量投与を開始したラットでは、7日齢から処置を開始したものと比べて、合計腎臓重量が有意に減少したが、腎臓重量:体重の比は変化しなかった。血清クレアチニンに関する値は、全群において同様であった。高用量の抗体は、7日齢にて開始した場合に嚢胞負荷を有意に減少し、および1日齢にて開始した場合にはより一層効果的であった。
C.)晩期処置(ビヒクル、低用量、高用量)
3週齢雄ヘテロ接合(cy/+)Han:SPRDラットに、低用量抗−TGF−α抗体(0.5mg/kg)、高用量抗−TGF−α抗体(5mg/kg)または無関係な抗体ビヒクルのいずかを腹腔内注入により週2回投与した。6週齢にて、覚醒時収縮期血圧、尾血液血清クレアチニンレベルについて、全ラットを測定した。24時間の蓄尿を行い、蛋白質およびクレアチニン(クレアチニンクリアランスの算出のために)を測定した。3%のスルホサリチル酸を用いて沈殿させることにより、尿蛋白質を測定した。分光分析によりクレアチニンを測定した。10週齢にて、血圧測定および代謝ケージの収集を繰り返した。次いで、ラットを計量し、次いで、麻酔をかけた。腎臓を取り出し、計量し、次いで、組織学的に調べた。肝臓を取り出し、嚢胞発現について肉眼で調べ、次いで、遺伝子型を同定した。
処置C結果
全群において、経時の体重に関する値は同様に増大した。収縮期血圧は全群において増大する傾向があったが、その増大は低用量群においてのみ有意であった。全群において蛋白尿は適度であり、および同等に増加した。クレアチニンクリアランスに関する値は、ビヒクルを投与された群においてのみ有意に増大した。研究終了時に、3群は、体重、腎臓重量、腎臓重量:体重の比、収縮期血圧、クレアチニンクリアランスおよび蛋白尿に関して同様の値を示した。
本発明は上記実施態様と併せて説明されているが、前記記載および実施例は説明を目的としており、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本発明の範囲内にある他の態様、利点および修飾は、本発明が属する技術分野の当業者に明かであろう。
表1 SAGEライブラリーの概要
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表2 CLにおいてアップ−およびダウン−レギュレートされた上位20個の遺伝子
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表3 CKにおいてアップ−およびダウンレギュレートされた上位20個の遺伝子
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表4 CKおよびCLに共通して5倍より大きくアップレギュレートされた上位20個の遺伝子
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表5A CLにおいてアップレギュレートされた機能的な遺伝子群
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表5B CKにおいてアップレギュレートされた機能的な遺伝子群
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表6 CLにおいて最高5倍までアップレギュレートされたさらなる遺伝子
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表6(続き)
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表6(続き)
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表6(続き)
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表6(続き)
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表6(続き)
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表6(続き)
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図1は、ポリクローナル中和抗−TGF−α抗体がインビトロにおいて嚢胞形成を阻害することを示す12のパネルである。

Claims (29)

  1. 適切な組織における嚢胞性疾患または異常の阻害方法であって、表2〜6にて同定される遺伝子またはポリヌクレオチドの生物活性を調節する有効量の物質と該組織を接触させ、それにより嚢胞性異常を阻害することによる、方法。
  2. 適切な組織が、尿細管腎組織、肝組織および膵組織からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  3. 適切な組織が、ADPKDにかかっている対象から単離されたものである、請求項2記載の方法。
  4. 調節物質が、表2〜6で同定されるポリヌクレオチドまたは遺伝子の活性または発現を調節するポリヌクレオチドである、請求項1記載の方法。
  5. 該物質が、遺伝子またはポリヌクレオチドの発現産物に特異的に結合する抗体またはリガンドである、請求項4記載の方法。
  6. 該物質が、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイムおよび多価RNAアプタマーからなる群より選択されたものである、請求項4記載の方法。
  7. 該物質が、抗体または抗体誘導体である、請求項5記載の方法。
  8. 該物質が、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項5記載の方法。
  9. 抗体誘導体が、抗体フラグメント、ヒト化抗体およびキメラ抗体からなる群より選択されたものである、請求項7記載の方法。
  10. 該物質が、遺伝子またはポリヌクレオチドの発現産物の翻訳後修飾を修飾、遮断または増強する小分子である、請求項1記載の方法。
  11. 該物質が、ポリヌクレオチドまたは遺伝子の発現産物の前駆体の活性化を調節する小分子である、請求項1記載の方法。
  12. 対象における多嚢胞性病変の形成の阻害方法であって、表2〜6にて同定される遺伝子の生物活性を調節する有効量の物質を対象へ送達し、それにより多嚢胞性病変の形成を阻害することを含む、方法。
  13. 調節物質が、TGF−αポリヌクレオチドの活性または発現を阻害または増強するものである、請求項12記載の方法。
  14. 該物質が、遺伝子またはポリヌクレオチドの発現産物に特異的に結合する抗体またはリガンドである、請求項12記載の方法。
  15. 該物質が、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイムおよび多価RNAアプタマーからなる群より選択されたものである、請求項13記載の方法。
  16. 該物質が、抗体または抗体誘導体である、請求項14記載の方法。
  17. 該物質が、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項14記載の方法。
  18. 抗体誘導体が、抗体フラグメント、ヒト化抗体およびキメラ抗体からなる群より選択されたものである、請求項17記載の方法。
  19. 該物質が、表2〜6にて同定されるポリヌクレオチドまたは遺伝子の翻訳後修飾を修飾、遮断または増強する小分子である、請求項12記載の方法。
  20. 該物質が、表2〜6にて同定されるポリヌクレオチドまたは遺伝子の発現産物の前駆体の活性化を修飾する分子である、請求項12記載の方法。
  21. 適切な対象における常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の予防または処置方法であって、表2〜6にて同定される遺伝子またはその発現産物の多嚢胞性生物活性を調節する単離された有効量の分子をその必要のある対象へ送達することを含む、方法。
  22. 単離された分子が、TGF−αポリヌクレオチドの活性または発現を調節するポリヌクレオチドである、請求項21記載の方法。
  23. 分子が、遺伝子またはポリヌクレオチドの発現産物に特異的に結合する抗体である、請求項21記載の方法。
  24. 分子が、アンチセンスポリヌクレオチド、小分子、リボザイム、多価RNAアプタマーからなる群より選択されたものである、請求項22記載の方法。
  25. 分子が、抗体または抗体誘導体である、請求項22記載の方法。
  26. 該物質が、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項22記載の方法。
  27. 抗体誘導体が、抗体フラグメント、ヒト化抗体およびキメラ抗体からなる群より選択されたものである、請求項26記載の方法。
  28. 分子が、遺伝子またはポリヌクレオチドまたは表2〜6にて同定される遺伝子の発現産物の翻訳後修飾を修飾、阻害または増強する小分子である、請求項22記載の方法。
  29. 分子が、表2〜6にて同定されるポリヌクレオチドまたは遺伝子の発現産物の前駆体の活性化を修飾する分子である、請求項22記載の方法。
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