JP2001510987A - 哺乳動物のCD97αサブユニットを含む炎症および脈管形成を阻害するための方法および組成物 - Google Patents

哺乳動物のCD97αサブユニットを含む炎症および脈管形成を阻害するための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 T細胞表面抗原CD97αを含有する単離されたタンパク質が提供される。CD97αを作製および検出するための組成物および方法もまた提供される。さらに、本発明は、CD97に関与する医学的状態に対する診断方法および治療方法ならびに組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 哺乳動物のCD97αサブユニットを含む 炎症および脈管形成を阻害するための方法および組成物 関連出願の相互参照 本出願は、1996年10月25日に出願され、そして本明細書中で参考として援用さ れる仮特許出願第60/027,871号の一部継続出願である。 連邦政府によって保証された研究および開発 本発明は、国立ガン研究所の臨床科学の部門の内部プログラムによって資金を 提供された。 発明の背景 T細胞レセプターの連結は、活性化された細胞の増殖および分化を生じる細胞 内シグナル伝達事象のカスケードを開始する。T細胞活性化を規定する多くの表 現型の変化は、新規の遺伝子の転写によって生じる(Ullmanら、Annu.Rev.Imm unol.8:421-452(1990))。初回刺激によって生じる細胞表面タンパク質中での 活性化に誘導される変化は、下流の増殖および分化の応答の調節において特に重 要な役割を果たす。細胞表面で媒介される事象として、可溶性因子の結合、およ び他の細胞と細胞外マトリックスとの相互作用が挙げられる。インビボで、活性 化されたT細胞は、免疫学的に媒介される炎症の広がりにおいて有用な役割を果 たす(Brezinschekら、J.Immunol.154:3062-77(1995))。 炎症の発症および進行は、罹患した組織への白血球の浸潤に依存する。組織中 での白血球の蓄積は、後毛細管細静脈の内皮細胞の内層とのレセプター媒介性相 互作用、溢血、ならびに炎症部位内への移動およびその内部での局在化に関連す る(Shimizuら、FASEB J.5:2292-2299(1992))。大きな作業体(body of work) は、複数の接着体と化学的付着レセプターとを組み合わせての使用が、リンパ球 のサブセットの異なる再循環挙動と同様に、炎症部位に移動する白血球のサブク ラスの選択を調節するようであることを示している(Springer、Cell 76:301-31 4(1994))。溢血後の組織の微環境中でのそれらの局在化を調節する、白血球中 でのレセプター−リガンド相互作用の範囲についてはほとんど知られていない。 一旦、炎症部位で、免疫細胞がさらなる表現型の変化(それは、外来抗原を排 除する、および炎症性の応答を増幅する原因となる)を経る。種々の可溶性の炎 症のメディエーター(例えば、プロスタグランジン、ロイコトリエン、相補性フ ラグメント、血小板活性化因子、ケモカイン、およびホルミルペプチドなど(Mu rphy、Annu.Rev.Immunol.12:593−633(1994))は、膜を7回貫通する非常に 大きな別々のクラスのレセプター(7TMレセプター)の一部である特異的レセプ ターに結合する。7TMレセプターはまた、Gタンパク質結合レセプターとも呼ば れ、それらとヘテロ三量体Gタンパク質との会合によるリガンド結合後にシグナ ルを伝達する(Martens、PROGRESS IN BRAIN RESEARCH、Jooseら編、201-214頁( 1992))。レセプター結合Gタンパク質活性化は、次いで、種々の酵素(例えば 、アデニルシクラーゼ、ホスホリパーゼCb、ホスホイノシチド3-キナーゼ)、イ オンチャンネル、およびトランスポーターを調節する(Neer、Cell 80:249-257( 1995))。 7TMレセプターのファミリーは、おそらく、今日までに数百のレセプターがク ローニングされている既知の最も大きいレセプターファミリーである。レセプタ ーは、種々の型のホルモン、神経伝達因子、脂質、ペプチド、および臭気物質を 含むリガンドの広範な構造的配列に結合する(Spiegel、G PROTEIN,Spiegelら 編、R.G.Landes Co.、Austin 6-17頁(1994))。7TMレセプターの中での規定さ れる特徴および最も相同的である領域は、7つの膜貫通領域中にある(Probstら 、DNAおよびCell Biol.11:1-20(1992))。いくつかの残基が、実質的に全ての7 TMレセプターにおいて見出され、そして機能的活性のための進化的に保存された 三次構造的要件を媒介し得る。他の残基は、サブファミリーの中で保存されてお り、これらは、類似のリガンドに結合し、そしてリガンドの結合および/または 特異性の原因となることが示されている(SavareseおよびFraser、Biochem.J. 283:1-19(1992))。グルカゴン/カルシトニンレセプターサブファミリーの場合 、配列同一性に基づく関連は、それらのレセプターに結合するペプチドの多様性 にも関わらず明らかである(AttwoodおよびFindlay、Protein Eng.7:195-203 (1994))。 リガンド結合およびレセプター活性化に必要な構造的特性が研究され、そして 、リガンドおよびレセプターサブファミリーに従って変化することが見出されて いる(Coughlin、Curr.Opin.in Cell Biol.6:191-197(1994))。多くの小さ いリガンド(例えば、11-シス-網膜セロトニン、およびアセチルコリン)は、レ セプターの膜貫通ドメインによって形成される腔内に結合する(Baldwin、Curr .Opin.in Cell Biol.6:180-190(1994);Dohlmanら、Annu.Rev.Biochem.28 3:1-19(1992);ならびにSavareseおよびFraser、Biochem.J.283:1-19(1992)) 。他のリガンド(例えば、ペプチドおよび糖タンパク質ホルモン)は、アミノ末 端外部ドメインを必要とし、そしておそらく結合のための細胞外ループのいくつ かの部分を必要とするが、シグナル伝達は7回の膜の貫通に必要であるようであ る(Holtmannら、J.Biol.Chem.270:14394-14398(1995)およびNagayamaら、Pr oc.Nat'l.Acad.Sci.(USA)88:902-905(1991))。明らかなシグナル伝達機 構が、トロンビンレセプターについて記載されており、そこでは、トロンビンは 、そのレセプターのアミノ末端伸長を切断して、束縛されたリガンドとして作用 する新しいレセプターアミノ末端を作成し、そしてヘリックス内ポケットとの相 互作用を介してレセプターを活性化する(Vuら、Cell 64:1057-1068(1991))。 Hamannら(J.Immunol.155:1942-1950(1995))は、CD97と称される糖タンパ ク質の単離を報告している。CD97内の7つの疎水性のセグメントは、この糖タン パク質が7TM分子であることを示唆する。CD97は、活性化の際にほとんどの白血 球の表面で誘導される。その成熟形態において、Hamannらは、CD97が、75〜85kD aの分子量を有する722アミノ酸長の一本鎖の糖タンパク質であることを示す。 発明の要旨 本発明は、以前に同定されていないCD97のαサブユニットに関する。αサブユ ニットは、CD97のβサブユニットに結合してαβヘテロダイマーを形成する。α サブユニットは、T細胞について細胞外に局在化される。活性化の際に、αサブ ユニットの発現は劇的に増大され、そして外部の培地に分散される。αサブユニ ットは、脈管形成、炎症、およびアテローム性動脈硬化症において役割を果たす 。αサブユニットの発現の検出および阻害は、これらの疾患状態の診断および治 療方法を提供する。 1つの局面において、本発明は、可溶性のCD97αサブユニットを含む単離され たタンパク質に関する。可溶性のCD97αサブユニットは、α1、α2、およびα3 からなる群より選択される。α1、α2、およびα3サブユニットは、それらが全 てβサブユニットを有するプロタンパク質として派生する点で関連し(図1)、 そして内質網状質または初期のゴルジ体中で同定数のEGF反復を有する特異的α サブユニットおよび非共有結合したβサブユニットにプロセスされる。 α3サブユニットは、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、EGF-1( 配列番号1)、EGF-2(配列番号2)、およびEGF-5(配列番号5)からなる群よ り選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的 に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性である。α2サブユニットは 、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2、お よび配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6 のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性 である。α1サブユニットは、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、 配列番号1、配列番号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反 復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に 対して免疫学的に交叉反応性である。いくつかの実施態様において、α1サブユ ニットはさらに、EGF-3(配列番号3)およびEGF-4(配列番号4)からなる群よ り選択されるEGF様反復を含む。他の実施態様において、α2ブユニットはさらに 、EGF様反復である配列番号3を含む。従来は、単離されたタンパク質は組換え 産生される。 別の局面において、本発明は、可溶性のCD97αサブユニットタンパク質をコー ドする単離された核酸に関する。CD97αサブユニットタンパク質は、α1、α2、 およびα3からなる群より選択される。α3サブユニットは、非グリコシル化形態 で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2、および配列番号5からな る群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して 特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性である。α2サブユニ ットは、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号 2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列 番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉 反応性である。α1サブユニットは、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を 有し、配列番号1、配列番号2、および配列番号5からなる群より選択されるEG F様反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である 抗体に対して免疫学的に交叉反応性である。 いくつかの実施態様において、核酸は、α1およびα2からなる群から選択され るCD97αサブユニットをコードし、さらに、配列番号3および配列番号4からな る群より選択されるEGF様反復を含む。いくつかの実施態様において、α2サブユ ニットはさらに、EGF様反復である配列番号3を含む。さらなる実施態様におい て、核酸は、プロモーターに対して止方向または逆方向に作動可能に連結され、 そのいずれかが宿主細胞をトランスフェクトするために使用され得る。 さらなる局面において、本発明は、可溶性のCD97αサブユニットを含む単離さ れた哺乳動物タンパク質に関する。CD97αサブユニットは、配列番号6のタンパ ク質に由来する少なくとも10個の連続するアミノ酸を含む細胞外タンパク質であ り、T細胞のマイトジェンでのT細胞の最大の活性化の際に少なくとも5倍増大 し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して 免疫学的に交叉反応性である。 なお別の局面において、本発明は、少なくとも25ヌクレオチド長の、可溶性の CD97αサブユニットをコードする単離された核酸に関する。ここで、CD97αサブ ユニットは、α1およびα2からなる群より選択される。α2サブユニットは、非 グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2、および 配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6のタ ンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性であ る。α1サブユニットは、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番 号1、配列番号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有 し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して 免疫学的に交叉反応性である。この局面において、核酸は、ストリンジェントな 条件下で、ヒトゲノムライブラリー中のCD97核酸にバックグラウンドより少なく とも2倍高いバックグラウンドで、特異的にハイブリダイズする。 さらなる局面において、本発明は、α1およびα2からなる群より選択される可 溶性のCD97αサブユニットに対して、免疫学的に反応性の条件下で、特異的に反 応性である抗体組成物に関する。α2サブユニットは、非グリコシル化形態で約5 0kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2、および配列番号5からなる群よ り選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的 に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性である。α1サブユニットは 、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2、お よび配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6 のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性 である。いくつかの実施態様において、抗体組成物は、少なくとも3つの特有の 抗体を含む。 さらなる局面において、本発明は、哺乳動物中の部位で炎症の程度を決定する ための方法に関する。この方法は、抗体組成物をその部位に由来する生物学的サ ンプルと接触させる工程を包含し、ここで、抗体組成物は、α1、α2、およびα 3からなる群より選択される可溶性のCD97αサブユニットに対して、免疫学的に 反応性の条件下で特異的に反応性である。 α3サブユニットは、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、EGF-1( 配列番号1)、EGF-2(配列番号2)、およびEGF-5(配列番号5)からなる群よ り選択されるEGF様反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的 に免疫反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反応性である。α2サブユニッ トは、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番号2 、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配列番 号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫学的に交叉反 応性である。α1サブユニットは、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し 、配列番号1、配列番号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様 反復を有し、そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗 体に対して免疫学的に交叉反応性である。 この方法において、抗体組成物は、特異的抗体:CD97αサブユニット複合体の 形成について誘導性である免疫学的に反応性の条件下で、生物学的液体とともに インキュベートされる。ここで、複合体の量の検出は、その部位での炎症の程度 を示す。好ましい実施態様において、生物学的サンプルは、血液、滑液、および 脳髄液からなる群より選択される。 なお別の局面において、本発明は、哺乳動物における慢性的な炎症に付随する 脈管形成を阻害するための方法に関する。この方法は、CD97サブユニットアンチ センス核酸、CD97サブユニットαデコイタンパク質、および抗CD97αサブユニッ ト抗体からなる群より選択されるCD97アンタゴニストの治療有効量を投与する工 程を包含する。ここで、CD97サブユニットは、α1、α2、α3、およびβからな る群より選択される。サブユニットα3、α2、およびα1は、上記に示される。 βサブユニットは、非グリコシル化タンパク質として約28kDaの分子量を有し、 そして配列番号6のタンパク質に対して特異的に反応性である抗体に対して免疫 学的に交叉反応性である。治療有効量は、局所的または非経口的に投与される。 さらなる局面において、本発明は、哺乳動物におけるCD97関連の炎症を処置ま たは阻害する方法に関する。この方法は、CD97サブユニットアンチセンス核酸、 CD97サブユニットαデコイタンパク質、および抗CD97サブユニット抗体からなる 群より選択されるCD97アンタゴニストの治療有効量を投与する工程を包含する。 そしてここで、CD97サブユニットは、α1、α2、およびα3からなる群より選択 される。サブユニットα3、α2、およびα1は、上記に示される。 なお別の局面において、本発明は、アテローム性動脈硬化症を阻害する方法に 関する。この方法は、CD97サブユニットアンチセンス核酸、CD97サブユニットα デコイタンパク質、および抗CD97サブユニット抗体からなる群より選択されるCD 97アンタゴニストの治療有効量を投与する工程を包含する。そしてここで、CD97 サブユニットは、α1、α2、α3、およびβからなる群より選択される。サブユ ニットα3、α2、α1、およびβは、上記に示される。治療有効量は、局所的ま たは非経口的に投与される。 さらなる局面において、本発明は、可溶性のCD97αサブユニットの発現を阻害 する化合物を同定する方法に関する。この方法は、この化合物と、休止T細胞お よび有効量のT細胞マイトジェンとを細胞培養条件下で接触させる工程を包含す る。この方法において化合物は、少なくともナノモル濃度で存在する。CD97αサ ブユニットの発現レベルにおける変化がアッセイされ、ここで、サブユニットは 、α1、α2、およびα3からなる群より選択される。サブユニットα3、α2、お よびα1は、上記に示される。ネガティブコントロールと比較してのサブユニッ トの発現レベルの減少は、インヒビターとして化合物を同定する。好ましい実施 態様において、T細胞マイトジェンは、フィトヘマグルチニン、コンカナバリン A、ホルボール12-ミリステート13-アセテート、およびアメリカヤマゴボウマイ トジェンからなる群より選択される。代表的には、CD97αサブユニットの発現に おける変化は、イムノアッセイまたは核酸アッセイによって決定される。 図面の簡単な説明 図1は、CD97の3つのイソ型の構造を示す。7つの膜貫通ドメインに下線を引 く;シグナル配列に下線を引き、そしてイタリックにする;RGD配列を四角で囲 む;EGF様反復を四角で囲み、そしてより大きなイソ型に含まれるEGF様反復に影 をつけ、そして可能性のあるN結合グリコシル化部位を菱形で囲む。 図2は、CD97プロタンパク質の構造、ならびに続くαサブユニットおよびβサ ブユニットの形成のためのプロセシングを示す。βサブユニットの膜貫通ドメイ ンは影をつけ、ローマ数字で番号付けする。シグナルペプチドは、標識されたSP である。RGD配列を示し、そして別のαサブユニットのイソ型を示す。可能性の あるN結合グリコシル化部位を¥で示し、そしてEGF3に対する抗体を開発するた めに使用される配列およびカルボキシル末端が、黒い方形によって示される。 図3は、CD97、EMR1、およびフィブリン中で保存されたモチーフの比較を示す 。完全長pAT276によってコードされる5つのEGF様反復は、EMR1中のEGF様反復お よびフィブリンのそれに関連する。 発明の詳細な説明 本発明は、7TMタンパク質CD97の単離されたαサブユニットに関する組成物お よび方法を提供する。成熟CD97は、モノマー鎖ではない。その代わりに、CD97は 、3つのイソ型−3つの形態のαサブユニットおよび1つの不変のβサブユニッ トが存在するヘテロダイマーである。αサブユニットは、膜貫通βサブユニット と会合する細胞外タンパク質である。T細胞の活性化の際に、αサブユニットは 劇的にアップレギュレートされ、そして細胞外環境に拡散される。従って、CD97 αは、可溶性のタンパク質である。休止T細胞中の細胞外CD97αは、約1%の誘 導されたレベルで存在するが、CD97βの休止レベルと誘導されたレベルとの間の 差異は、2倍未満の差異である。 CD97αタンパク質は、炎症の部位の周辺の組織および体液中に見出される。CD 97αサブユニットは、炎症の確立および維持において作用する。可溶性のCD97は 、内皮細胞および平滑筋細胞に対する接着因子として作用し、このことは、CD97 をアテローム性動脈硬化症の調節因子として意味する。さらに、CD97αは、αV β3レセプターを保有する細胞に対して運動性因子として作用し、このことは、 その脈管形成における役割の指標である。従って、本発明は、哺乳動物細胞中で のCD97の誘導に関連する炎症、アテローム性動脈硬化症、および脈管形成を検出 および阻害するための方法を提供する。この組成物および方法は、タンパク質、 および抗体の構築のためのそのサブ配列、ならびに核酸およびプローブとしての 使用のためのそのサブ配列の構築においてインビトロでの有用性を有する。 I.定義 単位、接頭辞(prefix)、および記号は、それらのSI認定形式で示され得る。 数字の範囲は、範囲を規定する数字を含む。他に示されない限りは、核酸は、左 から右に、5'から3'の方向で記載する;アミノ酸配列は、左から右にアミノから カルボキシル方向に、それぞれ記載する。本明細書中で提供される見出しは、全 体として明細書を参照することによって有され得る、本発明の種々の局面または 実施態様の限定ではない。従って、すぐ下記に規定される用語は、全体として明 細書を参照してより十分に規定される。 本明細書中で使用される場合、「慢性的な炎症に関連する脈管形成」は、局在 化した炎症が脈管形成を促進する、およそ1ヶ月以上にわたって維持される障害 の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「抗体組成物」は、少なくとも1つの抗体の意 味を含む。順に「抗体」は、インビトロまたはインビボでの体液性応答の生成に よって得られるイムノグロブリン分子の意味を含み、そしてポリクローナル抗体 およびモノクローナル抗体の両方を含む。この用語はまた、一般に、キメラ抗体 (例えば、ヒト化マウス抗体)、ヘテロ結合体抗体(例えば、二重特異的抗体) 、および組換え単鎖Fvフラグメント(scFv)のような、遺伝子操作された形態を 含む。用語「抗体」はまた、抗体の抗原結合形態(例えば、Fab'、F(ab')2、Fab 、Fv、rIgG、および反転したIgG)を含む。Pierce Catalog and Handbook、1994 -1995(Pierce Chemical Co.、Rockford,IL)を参照のこと。特定の抗原と免疫 反応性である抗体は、インビボまたは組換え方法(例えば、ファージまたは類似 のベクター中の組換え抗体のライブラリーの選択)によって生成され得る。例え ば、Huseら、Science 246:1275-1281(1989);Wardら、Nature 341:544-546(1989 );およびVaughanら、Nature Biotech.14:309-314(1996)を参照のこと。 本明細書中で使用される場合、「抗体:CD97αサブユニット複合体」は、言及 した条件下での、CD97αサブユニットに特異的に反応性である抗体とCD97αサブ ユニットとの間の、非共有的な物理的会合体の意味を含む。その同種の一価の抗 原に対する抗体結合部位の親和定数は、少なくとも107、通常は少なくとも108、 好ましくは少なくとも109、より好ましくは少なくとも1010、そして最も好まし くは少なくとも1011リットル/モルである。 本明細書中で使用される場合、「アンチセンス」は、選択的なハイブリダイゼ ーション条件下で、一本鎖「センス」核酸に選択的にハイブリダイズする一本鎖 の核酸配列の意味を含む。一般に、センス核酸は、メッセンジャーRNAであるか またはメッセンジャーRNAにプロセシングされる。mRNAの翻訳はアンチセンス核 酸によって妨害され、mRNAによってコードされるタンパク質のレベルにおいて測 定可能な減少を生じる。アンチセンス核酸は、アンチセンス鎖がセンス鎖の代わ りに転写されるように、逆方向で遺伝子(または遺伝子のサブ配列)を発現する ことによってインビボで産生され得る。 本明細書中で使用される場合、用語「アテローム性動脈硬化症」は、内部の動 脈壁が、リポタンパク質、死滅した血球、コレステロール、およびときにカルシ ウムからなるプラークの形成によって厚くなる疾患を意味する。 本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」は、細胞(例えば、T細 胞)、組織(例えば、皮膚、平滑筋、または血管系の上皮細胞)、または体液標 本の意味を含む。体液標本は、細胞を含むかまたは細胞を含まなくてもよく、そ して尿、血液、血漿、滑液、脳髄液、および痰を含む。生物学的サンプルはまた 、組織学的目的のために採取した凍結切片のような組織の切片を含み得る。 本明細書中で使用する「CD97αサブユニット」または「可溶性のCD97αサブユ ニット」は、T細胞の表面に存在するタンパク質の意味を含み、これは、T細胞 のマイトジェンでのT細胞の活性化の際にアップレギュレートされ、そして配列 番号6の免疫原に対して誘発された抗体と交叉反応する。好ましい実施態様にお いて、CD97αサブユニットは、(配列番号1)、(配列番号2)、および(配列 番号5)からなる群より選択される、少なくとも1つの、好ましくは2つの、そ してより好ましくは3つのEGF様反復を含む。CD97αサブユニットは、T細胞の表 面から拡散され、そして細胞外培地中で可溶化された形態で見出される。 本明細書中で使用される場合、「CD97核酸」は、CD97αサブユニットのアミノ 酸配列またはCD97αサブユニットの少なくとも10個の連続するアミノ酸のサブ配 列を含むタンパク質をコードする核酸の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「細胞培養条件」は、言及された細胞の複製に 対して誘導性である条件の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、2つの言及された核酸配列に関する「相補性」 は、言及された配列間での標準的なプリン:ピリミジン(例えば、G:C、A: T)塩基対の意味を含む。他に記載されない限りは、特定された配列のヌクレオ チドのそれぞれは、相補的な配列において塩基対形成される。 本明細書中で使用される場合、「接触」は、直接的な物理的会合における配置 の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、特定のアミノ酸残基またはヌクレオチドの数に 関して「連続的」は、それぞれ、言及された配列中と同一の順序でアミノ酸また はヌクレオチドを有し、そして同じ隣接アミノ酸またはヌクレオチドを有する、 特定の言及配列内からの特定の数のアミノ酸またはヌクレオチドの配列の意味を 含む。 本明細書中で使用される場合、用語「デコイタンパク質」は、機能的に活性な タンパク質と競合し、それによって活性なタンパク質によって促進される活性を 阻害する、機能的に不活性なタンパク質の意味を含む。従って、CD97αデコイタ ンパク質は、天然のCD97αに対する競合インヒビターとして作用し得る。 本明細書中で使用される場合、「哺乳動物中の部位での炎症の程度」の決定は 、言及された部位で活性化されたT細胞の濃度を直接または間接的に決定する意 味を含む。 用語「有効量」または「に有効な量」または「治療有効量」は、炎症、アテロ ーム性動脈硬化症、または脈管形成の阻害のような所望の結果を生じるために十 分な投与量の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「有効量のT細胞マイトジェン」は、適切な培 養培地中で、休止T細胞を活性化し、その結果それらを細胞周期に入れるために 十分なマイトジェンの量の意味を含む。例示的なT細胞マイトジェンとして、フ ィトヘマグルチニン(PHA)、ホルボール13-ミリステート12-アセテート(PMA) 、アメリカヤマゴボウマイトジェン(PWM)、およびコンカナバリンA(ConA) が挙げられる。 本明細書中で使用される場合、「EGF様反復」は、配列番号1から5からなる 群より選択される配列に少なくとも1つの意味を含む。 本明細書中で使用される場合、特定の核酸に関して「コードする」は、特定の タンパク質への翻訳のための情報を含む核酸の意味を含む。情報は、コドンの使 用によって特定される。代表的には、アミノ酸配列は、「ユニバーサル(univers al)」遺伝コードを使用して核酸によってコードされる。しかし、ユニバーサル コードの変異体が、例えば、いくつかの植物、動物、および真菌、ミトコンドリ ア、バクテリアMycoplasma capricolum、または線虫Macronucleus中に存在し、 核酸がこれらの生物の翻訳機構を使用する際に発現される場合に使用され得る。 本明細書中で使用される場合、「発現ベクター」は、組換えまたは合成によっ て生成される核酸構築物の意味を含み、これは、宿主細胞中の特定の核酸の転写 を可能にする一連の特定の核酸エレメントを含む。発現ベクターは、プラスミド 、ウイルス、または核酸のフラグメントの一部であり得る。代表的には、発現ベ クターは、転写される核酸およびプロモーターを含む。 本明細書中で使用される場合、「宿主細胞」は、発現ベクターを含み、そして 発現ベクターの複製または発現を支持する細胞の意味を含む。宿主細胞は、E.co liのような原核生物細胞、または酵母、昆虫、両生類、もしくは哺乳動物細胞の ような真核生物細胞であり得る。 本明細書中で使用される場合、「ヒトゲノムライブラリー」は、実質的にヒト の全ゲノムを示す、単離されたDNA分子の集まりの意味を含む。ゲノムライブラ リーの構築は、例えば、以下のような標準的な分子生物学の参考文献に教示され ている:BergerおよびKimmel、Guide to Molecular Cloning Techniques:METHO DS IN ENZYMOLOGY、第152巻、Academic Press,Inc.,San Diego、CA(Berger) ;Sambrookら、MOLECULAR COLNING A LABORATORY MANUAL(第2版)1〜3巻(1 989)(Sambrookら);ならびにCURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、F.M .Ausubelら編、Current Protocols、Greene Publishing Associates、Inc.とJ ohn Wiley & Sons,Inc.との共同出版(1994、補遺)(Ausubel)。 本明細書中で使用される場合、用語「免疫媒介性脈管形成」は、炎症部位に対 する免疫細胞の流入による炎症部位の新血管形成を意味する。 本明細書中で使用される場合、「免疫学的に交叉反応性」または「免疫学的に 反応性」は、同じ抗原(「免疫学的に反応性」)または別の(「免疫学的に交叉 反応性」)抗原を使用して生成された抗体と特異的に反応する抗原の意味を含む 。一般に、抗原は、CD97タンパク質、より代表的には、CD97αサブユニットまた はそのサブ配列である。 本明細書中で使用される場合、「免疫学的に反応性の条件」は、抗原の特定の エピトープに対して生成された抗体が、実質的に全ての他のエピトープに結合す る抗体よりも検出可能に大きな程度(一般に、少なくともバックグラウンド結合 の2倍、好ましくは、バックグラウンド結合の少なくとも5倍)でエピトープに 結合することを可能にする条件の意味を含む。免疫学的に反応性の条件は、抗体 結合反応の様式に依存し、そして代表的には、イムノアッセイプロトコールで使 用されるものである。イムノアッセイ形式および条件の記載については、Harlow およびLane、ANTIBODIES、A LABORATORY MANUAL、Cold Spring Harbor Publicat ions、New York(1988)(HarlowおよびLane)を参照のこと。 本明細書中で使用される場合、「T細胞マイトジェンでのT細胞の活性化の際 の増大」は、有効量のT細胞マイトジェンでのT細胞の活性化の際の、言及した タンパク質の発現における増大の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「インキュベートする」は、反応が検出可能な バックグラウンドを超えるに十分な程度に進行するために、エネルギー論的に好 ましい反応のために十分な時間の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「イソ型」は、それらのアミノ酸配列において 異なるが、同じ核転写物に由来する、機能的に関連するタンパク質のファミリー の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「単離された」は、その天然に存在する環境に 見出される場合、それと通常は付随するかまたは相互作用する化合物を実質的ま たは本質的に含まない物質の意味を含む。単離された物質は必要に応じて、その 天然の環境中の物質とともに見出されない物質を含む。 本明細書中で使用される場合、「哺乳動物」は、ラット、マウス、ネコ、イヌ 、ウシ、ブタ、ウサギ、および霊長類の意味を含む。例示的な霊長類として、サ ル、チンパンジー、およびヒトが挙げられる。 本明細書中で使用される場合、T細胞の活性化に関して「最大活性」または「 最大活性化」は、漸増量のT細胞マイトジェンを使用してアプローチされる、活 性化の漸近的なレベルを意味することを含む。 本明細書中で使用される場合、「核酸」は、一本鎖または二本鎖のいずれかの 形態でのデオキシリボヌクレオチドポリマーまたはリボヌクレオチドポリマーの 意味を含み、他の記載されない限りは、天然に存在するヌクレオチドに類似の様 式で核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの既知のアナログを含む。他 に記載されない限りは、特定の核酸配列は、その相補配列を含む。 本明細書中で使用される場合、「非グリコシル化形態」は、糖残基を欠いてい るタンパク質の意味を含む。 用語「プロモーターに作動可能に連結された」は、プロモーターと第2の配列 との間の機能的な連結を意味し、ここで、プロモーター配列は、第2の配列に対 応するDNA配列の転写を開始および媒介する。一般に、プロモーターに作動可能 に連結されたは、連結された核酸配列が連続的であり、2つのタンパク質コード 領域を連結することが必要である場合、連続的であり、そして同じリーディング フレーム内にあることを意味する。 本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タ ンパク質」は、交換可能に使用され、そしてアミノ酸残基のポリマーを意味する ことを含む。この用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するア ミノ酸の人工的な化学的アナログであるアミノ酸のポリマー、および天然に存在 するアミノ酸のポリマーに適用される。 本明細書中で言及されるアミノ酸およびアナログは、表Iに記載される略称に よって記載される。 表I 当業者は、本発明のCD97タンパク質がCD97αサブユニットの主要ではない変異 体を含むことを容易に理解する。従って、本発明は、CD97αサブユニットの保存 的改変体およびCD97αサブユニットの実質的に類似の改変体を含む。以下の6つ の群はそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む: 1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T); 2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E); 3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q); 4)アルギニン(R)、リジン(K); 5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);およ び 6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。 Creighton、PROTEINS、W.H.Freeman and Company(1984)もまた参照のこと。 当業者は、コードされる配列中の単一のアミノ酸または少ない割合のアミノ酸 を変化、付加、または欠失させる、タンパク質配列への個々の置換、欠失、また は付加が、「保存的に改変された変異」であり、ここでこの変化は、化学的に類 似のアミノ酸でのアミノ酸の置換を生じることを、認識する。 ペプチドの状況において用語「実質的に類似」は、ペプチドが、100アミノ酸 の比較領域にわたって参照配列と、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも95 %の配列同一性を含むことを示す。配列同一性のパーセントは、比較領域にわた る2つの適切な並べられた配列の比較によって決定される。ここで、この比較領 域中のポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアラインメントにつ いて参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して、付加または欠失(すな わち、ギャップ)を含み得る。パーセントは、整合した部位の数を得るために同 一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列中に存在する部位の数を決定する こと、比較領域内の全ての部位の数で適合した部位の数を割り算し、そしてその 結果に配列同一性のパーセントを得るために100を掛けることによって計算され る。 従って、2つの核酸またはポリペプチド配列の状況における「配列同一性」は 、特定の比較領域にわたって最大の一致について並べられた場合に同一である、 2つの配列中のヌクレオチド(または残基)の意味を含む。配列同一性のパーセ ントが、タンパク質に関して使用される場合、同一ではない残基部位がしばしば 保存的アミノ酸置換によって異なることが認識され、ここで、アミノ酸残基が類 似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基で置換 されており、従って分子の機能的特性が変化していない。配列が保存的置換体に おいて異なる場合、パーセント配列同一性は、置換の保存的性質について補正す るようにより大きくなるように(upward)調節され得る。この調節を行うための 手段は、当業者に周知である。代表的には、これは、全体の不一致よりはむしろ 部分的な不一致として保存的置換をスコアすることを含み、それによってパーセ ント配列同一性を増大させる。従って例えば、同一のアミノ酸がスコア1で与え られ、そして非保存的置換がスコア0で与えられる場合、保存的置換は、0〜1 の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコア付けは、例えば、Meyersおよび Miller、Computer Applic.Biol.Sci.4:11-17(1998)のアルゴリズムに従って 、例えばPC/GENEプログラム(Intelligenetics、Mountain View,California、U SA)を実行して計算される。2つのペプチド配列が実質的に類似であるという指 標は、ペプチドが第2のペプチドに対して惹起された抗体と免疫学的に反応性で あ ることである。従って、ペプチドは、例えば、2つのペプチドが保存的置換によ ってのみ異なる場合、第2のペプチドに実質的に類似である。 本明細書中で使用される場合、「比較領域」は、約100残基のセグメントの意 味を含み、ここで、配列は、2つの配列が適切に並べられた後に、同じ数の連続 する部位の参照配列と比較され得る。比較のための配列のアラインメントの方法 は、当外分野で周知である。比較のための配列の適切なアラインメントは、以下 によって行われ得る:SmithおよびWaterman、Adv.Appl.Math.2:482(1981)の 局部的相同性アルゴリズム;NeedlemanおよびWunsch、J.Mol.Biol.48:443(19 70)の相同性アラインメントアルゴリズム;PearsonおよびLipman、Proc.Nat'lA cad.Sci.USA85:2444(1988)の類似性の検索方法;ならびにこれらのアルゴリズ ムのコンピューター化された手段(以下を含むが、これらに限定されない:Wisc onsin Genetics Software PackageのGenetics Computer Group(GCG)、575 Sci ence Dr.,Madison,Wisconsin,USAのPC/GeneプログラムのCLUSTAL、GAP、BEST FIT、BLAST、FASTA、およびTFASTA)。CLUSTALプログラムは、HigginsおよびSha rp、Gene 73:237-244(1988);HigginsおよびSharp、CABIOS 5:151-153(1989);C orpetら、Nucl.Acids Res.16:10881-90(1988);Huangら、Computer Applic.B iol.Sci.8:155-65(1992);ならびにPearsonら、Methods in Molec.Biol.24: 307-31(1994)により十分に記載されている。 本明細書中で使用される場合、「プロモーター」は、RNAポリメラーゼによっ て認識されそして結合され、そして特定のDNA配列の転写を促進するヌクレオチ ド配列の意味を含む。 本明細書中で使用される場合、「組換え」は、それらの天然の形態ではタンパ ク質を発現し得るDNAの内因性のコピーを有さない細胞を使用して産生されるタ ンパク質の意味を含む。細胞は、組換えタンパク質を産生する。なぜなら、それ らは、適切な単離された核酸配列の導入によって遺伝的に変化されているからで ある。この用語はまた、異種核酸の導入、またはその細胞を非天然の形態にする 天然の核酸の変化によって改変されている細胞、または核酸、またはベクター、 あるいはそのように改変された細胞に由来する細胞の意味を含む。従って例えば 、組換え細胞は、細胞の天然の(非組換え)形態では見出されない遺伝子を発現 す るか、またはそうでなければ異常に発現される、不十分に発現される、もしくは 全く発現されない天然の遺伝子を発現する。 本明細書中で使用される場合、「休止T細胞」は、細胞周期に入っていないT 細胞の意味を含む。細胞周期停止中の細胞は、ときどきG0期にあると言われる 。 本明細書中で使用される場合、「選択的にハイブリダイズする」または「選択 的なハイブリダイゼーション」または「選択的にハイブリダイズする」は、スト リンジェントなハイブリダイゼーション条件における、その非標的核酸配列への ハイブリダイゼーションよりも検出可能に大きな程度での、特定の核酸標的配列 への核酸配列のハイブリダイゼーション、および/または非標的核酸の実質的な 排除の意味を含む。選択的なハイブリダイゼーションは、バックグラウンドシグ ナルよりも少なくとも2倍、好ましくは3倍、より好ましくは4倍、そして最も 好ましくは少なくとも5倍高いシグナルを生じる。 本明細書中で使用される場合、「部位」は、哺乳動物中の生理学的領域の意味 を含む。一般に、部位は、局在化した抗原の存在による炎症の領域である。 本明細書中で使用される場合、「特異的に反応性である」は、標的分子を欠い ている組成物に対する特定の標的分子との全体または一部での(すなわち、「結 合パートナー」または「結合部分」)、リガンドの優先的な会合の意味を含む。 もちろん、一定の程度の非特異的相互作用が、リガンドと非標的分子との間で生 じ得ることが認識される。それにもかかわらず、特定の結合は、標的分子の特定 の認識を介して媒介されるとして区別され得る。代表的には、特異的な結合は、 リガンドと非標的分子との間よりも、リガンドと標的分子との間ではるかに強い 会合を生じる。このような条件下でのタンパク質に対する抗体による特異的な結 合は、特定のタンパク質の対するその特異性について選択される抗体を必要とす る。その同種の一価の抗原に対する抗体結合部位の親和定数は、少なくとも107 、通常少なくとも108リットル/モル、好ましくは少なくとも109リットル/モル 、より好ましくは少なくとも1010リットル/モル、そして最も好ましくは少なく とも1011リットル/モルである。種々のイムノアッセイ形式が、特定のタンパク 質と特異的に反応性である抗体を選択するために適切である。例えば、固相ELIS Aイムノアッセイは、タンパク質と特異的に反応性であるモノクローナル抗体を 選 択するために日常的に使用される。特異的反応性を決定するために使用され得る イムノアッセイの形式および条件の記載については、HarlowおよびLane(前出) を参照のこと。 本明細書中で使用される場合、「ストリンジェントな条件」は、プローブが、 その標的配列に優先的にハイブリダイズする、および/または非標的配列の実質 的な排除までその標的配列にハイブリダイズする条件下の意味を含む。ストリン ジェントな条件は配列依存的であり、そして種々の状況で異なる。より長い配列 は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。一般に、ストリンジェントな 条件は、規定されたイオン強度およびpHでの特定の配列についての熱融解温度( Tm)より約5℃低く選択される。Tmは、標的配列に相補的なプローブの50%が平 衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度、pH、およ び核酸濃度下で)である。(一般に、標的配列が過剰で存在する場合、平衡状態 でTmでプローブの50%が占有される。)代表的には、ストリンジェントな条件は 、塩濃度が約1.0M Na+未満であり、代表的には、pH7.0〜8.3で約0.01〜1.0MのNa +濃度(または他の塩)であり、そして温度が短いプローブ(例えば、10〜50ヌ クレオチド)については少なくとも約30℃、そして長いプローブ(例えば、50ヌ クレオチドより長い)については少なくとも約60℃である。ストリンジェントな 条件はまた、ホルムアミドのような不安定化剤の添加によって達成され得る。例 示的な低ストリンジェンシー条件として、30%のホルムアミド、1MのNaCL、1 %のSDS(37℃)の緩衝溶液でのハイブリダイゼーション、および2×SSCで50℃ の洗浄が挙げられる。例示的な高ストリンジェンシー条件として、50%のホルム アミド、1MのNaCl、1%のSDS(37℃)中でのハイブリダイゼーション、およ び0.1×SSCで60℃での洗浄が挙げられる。 核酸のハイブリダイゼーションアッセイ形式の状況において、「ストリンジェ ントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」は配列 依存的であり、そして種々の環境パラメーター下で異なる。核酸のハイブリダイ ゼーションの広範な指針は、Tijssen、LABORATORY TECHNNIQUES IN BIOCHEMISTR Y AND MOLECULAR BIOLOGY-HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES Part I、 第2章「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucl eic acid probe assay」、Elsevier,New York(1993)に見出される。 本明細書中で使用される場合、「トランスフェクト」は、核酸が細胞のゲノム (すなわち、染色体DNA、プラスミドDNA、またはミトコンドリアDNA))中に取 り込まれ、自律性レプリコンに転換されるか、または一過的に発現(例えば、ト ランスフェクトされたmRNA)され得る真核生物細胞への核酸の導入の意味を含む 。トランスフェクションは、インビボまたはエキソビボであり得る。「エキソビ ボのトランスフェクション」は、トランスフェクションが、細胞(単数または複 数)が得られたまたは細胞株が単離された哺乳動物の体の外で生じることを意味 する。エキソビボのトランスフェクションは、好ましくは、トランスフェクトさ れた細胞の生物への再注入が続く。対照的に、「インビボのトランスフェクショ ン」は、トランスフェクションが特定の哺乳動物の体内で生じることを意味する 。 本明細書中で使用される場合、抗体に関して「特有」は、抗体の抗原結合の意 味を含む。組成物中での特有の抗体の抗原結合は、別々のエピトープに対して、 免疫学的に反応する条件下で特異的に反応する。 II.可溶性CD97タンパク質 本発明は、哺乳動物CD97αサブユニットおよびそのサブ配列を含む単離された タンパク質(CD97タンパク質)を提供する。これらの単離されたCD97タンパク質 は、Nアミノ酸残基長である。ここで、Nは、約50〜850からなる群より選択さ れる整数の任意の1つである。一般に、哺乳動物CD97αサブユニットを含む単離 されたタンパク質は、約800アミノ酸未満長であり、好ましくは700アミノ酸長未 満、より好ましくは600アミノ酸長未満、そして最も好ましくは約500アミノ酸長 未満であるが、少なくとも約50アミノ酸長である。従って、本発明は、単離され た、成熟(すなわち、プロセシングされた)CD97αサブユニットタンパク質、CD 97プレタンパク質(すなわち、前プロセスされた)、およびそれらのサブ配列を 提供する。CD97αサブユニットのサブ配列は、抗CD97αサブユニット抗原の産生 を誘発するために免疫原として使用され得る。これらの抗体は、薬物スクリーニ ングアッセイ(例えば、抗炎症性薬剤について)において、CD97αサブユニット タンパク質の発現の増大または減少を評価するために、免疫原性プローブとして 使用され得る。あるいは、抗体は、CD97αが役割を果たす、脈管形成、アテロー ム性動脈硬化症、または炎症カスケードを妨害するために使用され得る。 可溶性のCD97αサブユニットを含む単離された哺乳動物タンパク質は、配列番 号6に由来する、少なくとも10個の連続するアミノ酸、好ましくは少なくとも15 個の連続するアミノ酸、より好ましくは、少なくとも20個の連続するアミノ酸、 および最も好ましくは、少なくとも25、30、35、または40個の連続するアミノ酸 を含む。単離された哺乳動物タンパク質は、配列番号6のタンパク質免疫原から (例えば、スクリーニングされるか、合成されるか、または惹起される)生成さ れるか、またはそれと特異的に反応性である抗体絹成物に対して免疫学的に交叉 反応性である。一般に、単離された哺乳動物タンパク質は、α1、α2、およびα 3からなる群より選択されるヒトCD97αサブユニットに特異的に反応性である抗 体組成物に対して免疫学的に交叉反応性であるが、ヒトCD97βサブユニットに対 して免疫学的に交叉反応性ではない。従って、好ましい実施態様において、連続 するアミノ酸は、配列番号6のアミノ末端に由来する最初の400アミノ酸のいず れか、好ましくは、配列番号6のアミノ末端に由来する最初の375のいずれか、 より好ましくは最初の350アミノ酸のいずれかに由来する。一般に、CD97αサブ ユニットは、配列番号6のアミノ末端由来の最初の400、375、または350アミノ 酸内の少なくとも1つのエピトープに特異的に反応性である抗体組成物に免疫学 的に交叉反応性であるが、これらの領域の1つを欠いている配列番号6のサブ配 列には交叉反応性でない。 本発明の単離された哺乳動物タンパク質の配列番号6に対する免疫学的交叉反 応性は、種々の哺乳動物種からの可溶性のCD97αを単離するための手段を提供す る。可溶性のCD97αサブユニットの発現は、炎症を促進するために、哺乳動物中 の局在化した部位に抗原を投与することによって誘導され得る。炎症を促進する 抗原は、当該分野で周知である。細胞を含まない体液サンプルは、炎症部位から 得ることができる。例えば、炎症部位由来の皮膚の浸潤物または滑液が得られ得 、そして、濾過され得るかまたはそうでなければ細胞を除去するために処理され 得る。活性化されたT細胞が細胞外環境にCD97αサブユニットを発散するので、 CD97αは、配列番号6のタンパク質に対して生成され、そして配列番号6のタン パ ク質に対して免疫学的に反応する条件下で特異的に反応性である抗体組成物を使 用して(例えば、イムノアフィニティーカラムで)、細胞を含まない生物学的液 体から特異的に単離され得る。特に好ましい方法において、配列番号6のタンパ ク質に対して生成された抗体組成物は、EGF様反復1〜5(配列番号1〜5)ま たは配列番号6のほぼアミノ酸22からほぼアミノ酸257までに対応する領域に対 して完全に免疫吸着して、組成物中の抗EGF様反復抗体を除去する。免疫吸着さ れた抗体組成物は、EGF様反復1〜5に対する実質的に類似の抗原性決定基を有 するEGF様反復を含む、非CD97哺乳動物タンパク質の交叉反応および単離を避け るために使用される。好ましくは、抗体組成物は、ポリクローナル抗体組成物で ある。 哺乳動物タンパク質は、以下を含む任意の数の哺乳動物から単離され得る:ラ ット、マウス、ウシ、イヌ、ブタ、モルモット、またはウサギ、および最も好ま しくは、マカク、チンパンジー、またはヒトのような霊長類。一般的には、細胞 によって発現されるCD97αサブユニットの量は、T細胞分裂促進因子での活性化 によって、休止T細胞においてよりも少なくとも3倍のレベルに増加され得、一 般には休止細胞においてよりも少なくとも4倍、好ましくは少なくとも6倍、お よびより好ましくは少なくとも8倍増加され得る。本発明の単離された哺乳動物 タンパク質は、少なくとも1、2、3、4、または5つのEGF様反復を含み得、 ここでEGF様反復は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列 番号5、および保存的に改変されたそれらの改変体からなる群より選択される。 いくつかの実施態様において、CD97αサブユニットは、RGD結合モチーフを含む :Arg-Gly-Asp(配列番号7)。 本発明の単離された哺乳動物CD97タンパク質は、α1、α2、およびα3から なる群より選択されるヒトCD97αサブユニットからの少なくともN個の連続する アミノ酸を含むこれらのタンパク質を含み、ここでNは、10〜300からなる群よ り選択される任意の整数である。一般的には、単離されたタンパク質は、CD97α サブユニットの少なくとも100の連続するアミノ酸、代表的には少なくとも150の 連続するアミノ酸、通常は少なくとも200の連続するアミノ酸、好ましくは少な くとも250の連続するアミノ酸、より好ましくは少なくとも300の連続するアミノ 酸、および最も好ましくは目的のCD97αサブユニットの天然の成熟形態の全長配 列を含む。CD97αサブユニットの成熟形態は、CD97βサブユニットに非共有的に 会合する細胞外タンパク質である。CD97αサブユニットの成熟形態は、プレタン パク質から形成され、これは引き続いて成熟CD97αおよびβサブユニットにプロ セシングされる。 CD97α1サブユニットは、非グリコシル化タンパク質として、約55kDa(キロ ダルトン)の分子量を有するT細胞タンパク質である。全長ヒトCD97α1は、配 列番号1、2、3、4、および5の5つの異なるEGF様反復を有する。一般的に は、本発明のCD97α1サブユニットを含む単離されたタンパク質は、配列番号1 、2、3、4、および5からなる群からの少なくとも1つのEGF様反復、および 好ましくは少なくとも2、3、4、または5つの異なるEGF様反復を含む。CD97 αサブユニット(サブユニットα1、α2,およびα3を含む)は、代表的には 、結合モチーフArg-Gly-Asp(配列番号7)を含む。 ヒトCD97α2サブユニットは、非グリコシル化タンパク質として、約50kDaの 分子量を有するT細胞タンパク質である。全長ヒトCD97α2は、配列番号1、2 、3、および5の4つの異なるEGF様反復を有する。本発明のCD97α2サブユニ ットを含む単離されたタンパク質は、配列番号1、2、3、および5からなる群 からの少なくとも1つのEGF様反復、および好ましくは少なくとも2、3、また は4つの異なるEGF様反復を含む。 ヒトCD97α3サブユニットは、非グリコシル化形態の約45kDaの分子量を有す るT細胞タンパク質である。全長ヒトCD97 α3は、配列番号1、2、および5の 3つの異なるEGF様反復を有する。本発明のCD97 α3サブユニットを含む単離さ れたタンパク質は、配列番号1、2、および5からなる群からの少なくとも1つ のEGF様反復、および好ましくは少なくとも2、または3つの異なるEGF様反復を 含む。 CD97αサブユニットの安定な状態レベルは、最大活性化T細胞において、休止 T細胞に比較して、少なくとも2倍、通常は5倍、および通常は少なくとも10倍 増加される。最大活性化は、細胞周期を通して休止T細胞を駆動することに関し て速度制限的でないT細胞分裂促進因子の量を意味することを含む。T細胞のイ ンビトロ活性化は、当該分野で公知である。例えば、実施例5を参照のこと。 本発明の単離されたCD97タンパク質は、CD97βサブユニットをコードするアミ ノ酸配列を含み得る。天然のCD97βサブユニットは、細胞膜内タンパク質である 。代表的には、CD97βは、非グリコシル化タンパク質として約28kDaの分子量を 有する。CD97βサブユニットは、配列番号6のタンパク質と特異的に反応性であ る抗体組成物に免疫学的に交叉反応性である。従って、哺乳動物CD97αおよび/ またはCD97βサブユニットを含むタンパク質は、配列番号6の抗原性領域に対し て生成された抗体を用いて同定され得る。当業者に容易に理解されるように、抗 原性領域は、好ましくは、配列番号6の細胞外領域に由来する。従って、配列番 号1〜5からなる群より選択される少なくとも1つのEGF様反復を含むCD97のサ ブ配列、および細胞質内カルボキシルテイルは、抗CD97抗体を生成するための、 特に好ましい抗原である。CD97βサブユニットに特異的に反応性である抗体は、 好ましくは、CD97の領域を用いて生成され、これは、CD97タンパク質の成熟形態 において細胞内に局在する(例えば、配列番号6の膜貫通ヘリックスの近位のカ ルボキシル末端)。CD97αサブユニットに特異的に反応性である抗体は、RGD(A rg-Gly-Asp)配列(配列番号7)の近位のアミノ末端であるCD97の領域を用いて 生成される。 本発明のタンパク質の実施態様は、N-およびC-末端残基に対する改変を含む。 当業者によって十分理解されるように、N-およびC-末端は、ペプチドの物理的ま たは化学的特性を変更するように、例えば、結合、安定性、バイオアベイラビリ ティーなどに影響するように、改変され得る。 種々のアミノ酸模倣物またはD-アミノ酸で(例えば、N-またはC-末端で)のタ ンパク質の改変は、インビボでペプチドの安定性を増加させることにおける実例 について有用である。1つの局面において、このようなペプチドは、「inverso 」または「retroinverso」形態として、すなわち、配列のL-アミノ酸をD-アミノ 酸と置換することによって、またはアミノ酸の配列を逆転し、そしてL-アミノ酸 をD-アミノ酸と置換することによって合成される。D-ペプチドは、ペプチダーゼ に対して実質的により耐性であり、それゆえそれらのL-ペプチド対応物に比べて 、血清および組織においてより安定であるので、生理学的条件下でのD-ペプチ ドの安定性は、対応するL-ペプチドに比べて、親和性における差異を十分以上に 補償する。さらなる局面において、置換を伴うかまたは伴わないタンパク質を含 むL-アミノ酸は、D-アミノ酸でキャップされ、これは、免疫原性ペプチドのエキ ソペプチダーゼ破壊を阻害する。 安定性は多数の方法でアッセイされる。例えば、ペプチダーゼおよび種々の生 物学的媒体(例えば、ヒト血漿および血清)は、安定性を試験するのに使用され ている。例えば、Verhoefら、Eur.J.Drug Metab.Pharmacokin.11:291-302(198 6);Walterら、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.148:98-103(1975);Witterら、Neuroen docrinology 30:377-381(1980);Verhoefら、J.Endocrinology 110:557-562(19 86);Handaら、Eur.J.Pharmacol.70:531-540(1981):Bizzozeroら、Eur.J.Bioc hem.122.251-258(1982);およびChang,Eur.J.Biochem.151:217-224(1985)を 参照のこと(その全てを本明細書中で参考として援用する)。 本発明の別の局面において、安定性はまた、ペプチドのC-およびN-末端にD-ア ミノ酸残基を導入することによって増加される。以前の研究は、インビボおよび インビトロでのL-アミノ酸含有ペプチドの半減期は、血清含有培地中でインキュ ベートされた場合、C-およびN-末端でD-アミノ酸を導入することによるエキソペ プチダーゼ活性に対する耐性をペプチドに付与することによってかなり延長され る。 本発明の1つの実施態様において、本発明のタンパク質またはアナログは、特 定の残基のオーダーまたは組成を変更することによって改変され、生物学的活性 に必須の特定のアミノ酸残基(例えば、重大な接触部位でのもの)が、一般的に 、生物学的活性に対する有害な影響を伴わずに変更されることは容易に理解され る。重大でないアミノ酸は、タンパク質中に天然に存在するもの(例えば、L-α -アミノ酸または他のD-異性体)に限定される必要はないが、同様に非タンパク 質アミノ酸(例えば、β-γ-δ-アミノ酸、ならびにL-α-アミノ酸の多くの誘 導体)も含む。上記で議論したように、本発明のタンパク質は、一般的に、L-ア ミノ酸またはD-アミノ酸のいずれかを含むが、コア結合タンパク質内にはD-アミ ノ酸は含まない。 本発明のペプチドは、種々の方法によって調製される。1つの局面において、 タンパク質は、従来の技術に従って、溶液または固体支持体において合成される 。種々の自動化合成器が市販されており、そして公知のプロトコルに従って使用 され得る。例えば、StewartおよびYoung,Solid Phase Peptide Synthesis,第2 版、Pierce Chemical Co.(1984)(前出)を参照のこと。 あるいは、組換えDNA技術が使用され、ここで、目的のタンパク質をコードす るヌクレオチド配列は、発現ベクターに挿入され、適切な宿主細胞に形質転換ま たはトランスフェクトされ、そして発現に適切な条件下で培養される。これらの 手順は、一般的には、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York(1989)において一 般的に記載されるように、当該分野で一般に公知である。 別の局面において、本明細書中で意図される可溶性CD97およびそのサブユニッ トのコード配列は、化学的技術、例えば、Matteucciら、J.Am.Chem.Soc.103:31 85(1981)のホスホトリエステル法によって合成される。改変は、適切な塩基(単 数または複数)を、天然のペプチド配列をコードする塩基と置換することによっ てなされる。次いで、適切なリンカーをコードする核酸配列は、CD97コード配列 に付加され、そして当該分野において一般的に入手可能な発現ベクターに連結さ れ、そしてベクターを使用して適切な宿主に形質転換して、所望のCD97ペプチド を産生する。多数のこのようなベクターおよび適切な宿主系が、現在入手可能で ある。 CD97の発現のために、コード配列は、作動可能に連結された開始および停止コ ドン、プロモーター、および終結領域、そして通常は所望の細胞宿主における発 現のための発現ベクターを提供する複製系とともに提供される。例えば、細菌宿 主に適合するプロモーター配列は、所望のコード配列の挿入のための都合の良い 制限部位を含有するプラスミドにおいて提供される。 当業者は、改変が、その生物学的活性を減少せずにCD97タンパク質になされ得 ることを認識する。いくつかの改変が、標的分子の融合タンパク質へのクローニ ング、発現、または取り込みを促進するためになされる。このような改変は、当 業者には周知であり、そして例えば、開始部位を提供するためにアミノ末端で付 加されたメチオニン、または都合良く位置した制限部位を作製するための末端も しくは終結コドンまたは精製配列のいずれかに位置するさらなるアミノ酸(例え ば、ポリHis)を含む。 一旦、本発明の単離されたCD97タンパク質をコードする核酸が単離され、そし てクローン化されると、1つは、細菌、酵母、昆虫(特にバキュロウイルスベク ターを使用する)、および哺乳動物細胞のような組換え操作された細胞において 、所望のタンパク質を発現し得る。 A.原核生物における発現 E.coliにおけるこの目的に適切な調節領域の例は、Yanofsky,Bacteriol.158 :1018-1024(1984)によって記載されるような、E.coliトリプトファン生合成経路 のプロモーターおよびオペレーター領域、およびHerskowitzおよびHagen,Ann. Rev.Genet.14:399-445(1980)によって記載されるような、λファージ(PL)の 左側プロモーターである。E.coliにおいてトランスフェクトされるDNAベクター における選択マーカーの封入もまた有用である。このようなマーカーの例として は、アンピシリン、テトラサイクリン、またはクロラムフェニコールへの耐性に 特異的な遺伝子が挙げられる。E.coliにおける使用のための選択マーカーを関連 する詳細についてはSambrookら、を参照のこと。 ベクターは、適切な宿主細胞への導入を可能にするように選択される。細菌ベ クターは、プラスミドまたはファージ起源が代表的である。適切な細菌細胞は、 ファージベクター粒子で感染されるか、または裸のファージベクターDNAでトラ ンスフェクトされる。プラスミドベクターが使用される場合、細菌細胞は、プラ スミドベクターDNAでトランスフェクトされる。CD97タンパク質についての発現 系は、E.coli、Bacillus sp.およびSalmonellaを用いて入手可能である(Palva ら、Gene 22:229-235(1983);およびMosbachら、Nature 302:543-545(1983))。 S.typhimuriumにおいてCD97タンパク質を発現する場合、プラスミドベクター の本来の不安定性に注意すべきである。これを回避するために、外来遺伝子は、 宿主染色体の必須でない領域に取り込まれ得る。これは、最初にプラスミドに遺 伝子を挿入することによって達成され、その結果、Salmonella染色体における挿 入部位に相同なDNAの領域によって隣接される。S.typhimuriumへのプラスミドの 導入後、外来遺伝子は、隣接配列と染色体DNAとの間の相同な組換えによって、 染色体に取り込まれる。 これがいかに達成され得るかの例は、Salmonellaのhisオペロンに基づいてい る。このプロセスには、2つの工程が包含される。第1に、hisオペロンのセグ メントは、キャリアとして選択されたSalmonella株において欠失されなければな らない。第2に、CD97タンパク質をコードする遺伝子の下流の欠失したhis領域 を有するプラスミドは、his Salmonella株にトランスフェクトとされる。his配 列およびCD97タンパク質をコードする遺伝子の両方の取り込みが生じ、his+とし て選択され得る組換え株を生じる。 発現したタンパク質の検出は、当該分野で公知の方法によって達成され、そし て例えば、放射イムノアッセイ、ウエスタンブロッティング技術、または免疫沈 降が挙げられる。E.coliからの精製は、米国特許第4,511,503号に記載される、 以下の手順によって達成され得る。 B.真核生物における発現 種々の真核生物発現系(例えば、酵母、昆虫細胞株、トリ、魚、カエル、およ び哺乳動物細胞)は、当業者に公知である。以下に簡里に説明するように、本発 明の単離されたタンパク質は、これらの真核生物系において発現され得る。 酵母における異種タンパク質の合成は周知である。METHODS IN YEAST GENETIC S,Sherman,F.ら、Cold Spring Harbor Laboratory(1982)は、酵母におけるタ ンパク質の産生が可能な種々の方法を記載する、十分認識された著作である。適 切なベクターは、通常、発現制御配列(例えば、プロモーター)を有し、これは 、記載のような3-ホスホグリセレートキナーゼまたは他の糖化酵素、および他の 複製起点、終結配列などをを含む。例えば、適切なベクターは、文献(Bostein ら、Gene 8:17-24(1979);およびBroachら、Gene 8:121-133(1979))に記載され る。 2つの手順が、トランスフェクト酵母細胞において使用される。1つの手順に おいて、酵母細胞は、先ず、ザイモリエース、リチカーゼ(lyticase)、または グルシュラーゼ(glusulase)を用いてプロトプラストに変換され、続いて、DNA およびポリエチレングリコール(PEG)を添加される。次いで、PEG処理プロトプ ラストは、3%寒天培地において、選択条件下で再生される。この手順の詳細は 、Beggs,Nature 275:104-109(1978);およびHinnenら、Proc.Nat'l Acad.Sci.U SA 75:1929-1933(1978)に与えられる。第2の手順は、細胞壁の除去に関与しな い。かわりに、細胞は、塩化リチジウムまたはアセテートおよびPEGで処理され 、そして選択プレートに配置される(Itoら、J.Bact.153:163-168(1983))。 好ましい局面において、CD97タンパク質は、一旦発現されると、細胞を溶解し 、そして標準的なタンパク質単離技術を溶解物に適用することによって、酵母か ら単離される。精製プロセシングのモニタリングは、ウエスタンブロット技術も しくはラジオイムノアッセイまたは他の標準的なイムノアッセイ技術を用いるこ とによって達成される。 好ましい実施態様において、CD97タンパク質をコードする配列は、例えば、哺 乳動物、昆虫、トリ、両生類、または魚起源の細胞培養物のトランスフェクトに 使用するための種々の発現ベクターに連結される。ペプチドの産生に有用な細胞 培養物の例示は、哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞懸濁物もまた使用され得る が、哺乳動物細胞系は、しばしば、細胞の単層の形態である。インタクトなタン パク質を発現し得る多数の適切な宿主細胞株が、当該分野で開発されており、そ してCHO細胞株、および種々のヒト細胞(例えば、COS細胞株、HeLa細胞、ミエロ ーマ細胞株、およびジャーカット細胞)を含む。これらの細胞のための発現ベク ターは、発現制御配列(例えば、複製起点、プロモーター(例えば、CMVプロモ ーター、HSV tkプロモーターまたはpgk(ホスホグリセレートキナーゼ)プロモ ーター)、エンハンサー(Queenら、Immunol.Rev.89:49(1986)))、ならびに必 要なプロセシング情報部位(例えば、リボソーム結合部位、RNAスプライス部位 、ポリアデニル化部位(例えば、SV40巨大T抗原ポリ(A+)付加部位)、および 転写ターミネーター配列)を含む。CD97タンパク質の産生に有用な他の動物細胞 は、例えば、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas(第7版、1992)から入手可能である。 昆虫細胞においてCD97タンパク質を発現するための適切なベクターは、通常、 SF9バキュロウイルスに由来する。適切な昆虫細胞株としては、蚊幼虫、カイコ 、アワヨウトウ幼虫、蛾、およびDrosophila細胞株(例えばSchneider細胞株) が 挙げられる(Scheneider,J.Embryol.Exp.Morphol.27:353-365(1987)を参照の こと)。 上記のように、ベクター(例えば、プラスミド、これは宿主細胞をトランスフ ェクトするのに使用される)は、好ましくは、転写を開始するDNA配列およびタ ンパク質の翻訳を制御する配列を含む。これらの配列は、発現制御配列と呼ばれ る。 酵母でのように、高等動物宿主細胞が使用される場合、公知の哺乳動物遺伝子 からのポリアデニル化または転写終結配列は、ベクターに取り込まれる必要があ る。終結配列の例は、ウシ増殖ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である 。必要に応じて、転写の正確なスプライシングのための配列もた含まれる。スプ ライシング配列の例は、SV40からのVP1イントロンである(Spragueら、J.Viol. 45:773-781(1983))。 酵母と同様に、高等動物宿主細胞が使用される場合、公知の哺乳動物遺伝子に 由来するポリアデニル化または転写ターミネーター配列がベクター中に取り込ま れる必要がある。転写ターミネーター配列の例は、ウシ成長ホルモン遺伝子由来 のポリアデニル化配列である。必要に応じて、転写産物の正確なスプライシング のための配列もまた含まれる。スプライシング配列の例は、SV40由来のVP1イン トロンである(Spragueら、J.Viol.45:773-781(1983))。 さらに、宿主細胞における複製を制御するための遺伝子配列(ウシパピローマ ウイルス型ベクターにおいて見出されるもの)がベクター中に取り込まれる。Sa veria-Campo、「Bovine Papilloma virus DNA a Eukaryotic Cloning Vector」 、DNA CLONING VOL.II:A PRACTICAL APPROACH,Glover,(編)、IRL Press,Arli ngton,Virginia pp.213-238(1985)。 宿主細胞は、種々の手段によるトランスフェクションのために受容可能である か、受容可能にされる。動物細胞にDNAを導入するための数種の周知の方法が存 在する。これらは以下を含む:リン酸カルシウム沈澱、レシピエント細胞とDNA を含有する細菌プロトプラストとの融合、DNAを含有するリポソームでのレシピ エント細胞の処理、DEAEデキストラン、エレクトロポレーションおよび細胞への DNAの直接的なマイクロインジェクション。トランスフェクト細胞は、当該分野 で周知の手段によって培養される。Kuchler,BIOCHEMICAL METHODS IN CELL CUL TURE AND VIROLOGY,Dowden,Hutchinson and Ross,Inc.,(1977)を参照のこと 。発現されたタンパク質は、周知の機械的、化学的、または酵素的手段によって 回収される。 組換えDNA技術によって産生される本発明のCD97タンパク質は、当業者に周知 の標準的技術によって精製される。組換え産生されたCD97タンパク質は直接的に 発現されるか、融合タンパク質として発現される。好ましい実施態様において、 組換えCD97タンパク質は、細胞溶解(例えば、超音波処理)およびアフィニティ ークロマトグラフィーの組み合わせによって精製される。融合産物のために、適 切なタンパク質分解酵素での融合タンパク質の引き続く消化は、所望の組換えCD 97タンパク質を放出する。 あるいは、本発明のCD97タンパク質(組換え体または合成体)は、当該分野で 周知の標準的技術によって実質的に純粋になるまで精製され、これには、硫酸ア ンモニウムのような物質での選択的沈澱、カラムクロマトグラフィー、免疫沈降 法などが含まれる。例えば、Scopes,PROTEIN PURIFICATION:PRINCIPLES AND PR ACTICE,Springer-Verla:New York(1982);およびDeutscher,GUIDE TO PROTE IN PURIFICATION,Academic Press(1990)を参照のこと。 III.CD97 タンパク質をコードする核酸 本発明は、CD97αサブユニットを含む哺乳動物タンパク質をコードする単離さ れた核酸(CD97核酸)を提供する。本発明の単離された哺乳動物CD97タンパク質 は、上記でより完全に考察されている。好ましい実施態様において、CD97核酸が 配列番号8として示される。 本発明はまた、核酸組成物、およびCD97タンパク質をコードする核酸を用いた 遺伝子転写物(例えば、核RNA、mRNA)についてアッセイすることによってCD97 タンパク質発現を検出および/または定量する方法を提供する。このアッセイは 、正常な遺伝子または遺伝子産物の存在または非存在について、異常な遺伝子ま たは遺伝子産物の存在または非存在について、あるいは正常または異常なCD97遺 伝子産物の転写レベルの定量についてのアッセイである。核酸アッセイは、当該 分 野で周知であり、そして本明細書中に参考として援用されるような標準的分子生 物学の参考文献に含まれている。 例えば、当業者に周知の種々のハイブリダイゼーション形式に共通して、液相 、固相、混合相、またはインサイチュハイブリダイゼーションアッセイが含まれ る。簡潔には、液(または液体)相ハイブリダイゼーションにおいて、標的核酸 およびプローブまたはプライマーが遊離され、反応混合物において相互作用する 。固相ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、プローブまたはプライマーは 、代表的には、固相支持体に連結され、ここで、溶液中の標的核とのハイブリダ イゼーションが可能である。混合相ハイブリダイゼーションにおいて、溶液中の 核酸中間体は、溶液中の標的核酸ならびに固相支持体に連結した核酸にハイブリ ダイズする。インサイチュハイブリダイゼーションにおいて、標的核酸は、その 細胞周囲から遊離され、その結果、続く解釈および分析についての細胞形態学を 保存する間、細胞内でのハイブリダイゼーションを可能にする。以下の文献は、 種々のハイブリダイゼーションアッセイ形式の概要を提供する:Singerら、Biot echniques 4(3):230-250(1986);Haaseら、METHODS IN VIROLOGY,第VII巻、189- 226頁(1984);Wilkinson,"The theory and practice of in situ hybridization ",IN SITU HYBRIDIZATION,Wilkinson編、IRL Press,Oxford University Pres s,Oxford;およびHamesおよびHiggins,NUCLEIC ACID HYBRIDIZATION:A PRACTI CAL APPROACH,S.J.,IRL Press(1987)。 当業者は、ハイブリダイゼーションの種々の程度のストリンジェンシーがアッ セイにおいて使用され、そしてハイブリダイゼーションまたは洗浄培地のいずれ かがストリンジェントであることを理解する。ハイブリダイゼーションについて の条件がよりストリンジェントになるので、生じる二重鎖形成についてのプロー ブと標的との間の相補性の程度はより大きくなければならない。ストリンジェン シーの程度は、温度、イオン強度、pH、およびホルムアミドのような部分的変性 溶媒の存在によって制御される。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジ ェンシーは、0%〜50%の範囲の内のホルムアミドの濃度の操作を介して、反応 溶液の極性を変化させることによって、簡便に改変される。 検出可能な結合に必要とされる相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイ ゼーション培地および/または洗浄培地のストリンジェンシーに従って変化する 。相補性の程度は、至適には100%である;しかし、プローブおよびプライマー におけるマイナーな配列変化は、以下に記載のようなハイブリダイゼーションお よび/または洗浄培地のストリンジェンシーを減少することによって補償され得 ることが理解されるべきである。従って、ストリンジェンシーの減少した条件下 で100%相同性の欠如にもかかわらず、CD97核酸標的とは異なる比較的重要でな い塩基を有する本発明の機能的核酸が可能である。それゆえ、減少したストリン ジェンシーのハイブリダイゼーション条件下で、受容可能な程度のストリンジェ ンシーを維持しながら、標的配列に相同なオリゴヌクレオチドに対する実質的な 同一性を有するオリゴヌクレオチドを構築することが可能であり得る。核酸の文 脈における実質的な同一性は、2つの分子が、ストリンジェントな条件下で、互 いにハイブリダイズすることを意味する。一般的には、ストリンジェントな条件 は、規定されたイオン強度およびpHで、特異的配列についての熱融解点(Tm)よ りも約5℃〜20℃低くなるように選択される。代表的には、ストリンジェントな 条件は、塩濃度がpH7にて約0.02Mであり、そして温度は少なくとも約60℃、よ り好ましくは65℃である;しかし、インサイチュハイブリダイゼーションについ ての温度は、好ましくは40℃である。ストリンジェントな条件は、代表的には、 少なくとも約50℃(通常は約55℃〜60℃)の温度にて、20分間、0.2×SSC中の少 なくとも一回の洗浄、または等価な条件を含む。ハイブリダイゼーション形式ま たは緩衝液は、本発明の重要な局面ではなく、そして当業者は、核酸ハイブリダ イゼーション、増幅、および検出におけるさらなる前進、改良、または改変が、 本発明の範囲内であることを認識する。 本発明の1つの局面において、本発明の核酸は、生物学的供給源に由来、人工 的に構築されたもの、またはその両方のいずれであろうと、プロモーターに作動 可能に連結される。当業者は、正方向にプロモーターに作動可能に連結された二 重鎖CD97核酸が、mRNAの転写を指向し、これが本発明のCD97タンパク質に翻訳さ れることを認識する。逆方向にプロモーターに作動可能に連結された二重鎖CD97 核酸は、アンチセンスmRNAの転写を指向する。アンチセンス核酸は、正常または 異常な遺伝子産物についてのアッセイにおけるプローブのため、または例えば、 T細胞活性化の薬物アッセイまたは測定において、CD97をコードするmRNAの発現 を定量するために使用される。従って、本発明のCD97核酸は、他に示さない限り は、センスおよびアンチセンスの両方のCD97核酸を含む。 本発明の核酸はまた、例えば、mRNAのレベルにおける欠乏、遺伝子の変異(例 えば、置換、欠失、または付加)の検出において、薬物スクリーニングアッセイ におけるCD97のアップレギュレーションをモニターするため、または抗体の調製 における免疫原としての使用のためのCD97タンパク質の組換え発現のためのプロ ーブとして使用される。内因性CD97 mRNAに相補的(アンチセンス)である単離 されたCD97核酸は、哺乳動物細胞における内因性CD97タンパク質のレベルを調節 するのに使用され得る。 本発明はまた、核酸によってコードされるCD97αサブユニットタンパク質を提 供し、これは、選択ハイブリダイゼーション条件下で、配列番号8ならびに以下 の配列を有するオリゴヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするプライマーを 用いて増幅される:ATGGGAGGCCGCGTCTTTCTCGCATTCTGTGT(配列番号9)およびGG GCCCTCAGGGCATCAGAGTCCGGCATA(配列番号10)。 本発明の単離された核酸組成物は、RNA、cDNA、ゲノムDNA、または種々の組合 せのハイブリッドのいずれであろうと、生物学的供給源から単離されるかまたは インビトロで合成される。当業者に容易に理解されるように、CD97αサブユニッ トを含むタンパク質をコードする核酸を単離する1つの方法は、哺乳動物核酸ラ イブラリーをスクリーニングすることによる。ライブラリー(例えば、T細胞cD NAライブラリーまたはゲノムライブラリー)を構築およびスクリーニングする方 法は、当該分野で周知である。スクリーニングのためのプローブは、代表的には 、配列番号8からの少なくとも25、好ましくは少なくとも50、より好ましくは少 なくとも100、および最も好ましくは少なくとも150、200、または300の連続する ヌクレオチドである。好ましくは、プローブは、R-G-D配列(配列番号7)をコ ードする核酸を含む。特に好ましい実施態様において、プローブは、ストリンジ ェントな条件下で、配列番号8のコード配列内からのサブ配列である少なくとも 25ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドと同じ配列に、選択的にハイブリダイズ する。当業者に認識されるように、より進化的に遠い哺乳動物種がヒトに関連す る につれて、非ヒト哺乳動物ライブラリーのスクリーニングのために使用されるハ イブリダイゼーションストリンジェンシーは低くなる。 本発明の単離されたタンパク質をコードするデオキシリボヌクレオチドは、任 意の適切な方法(例えば、前出で議論されたような適切な配列のクローニングお よび制限処理を含む)、または以下のような方法による直接化学合成によって調 製され得る:Narangら、Meth.Enzymol.68:90-99(1979)のホスホトリエステル法 ;Brownら、Meth.Enzymol.68:109-151(1979)のホスホジエステル法;Beaucage ら、Tetra.Lett.22:1859-1862(1981)のジエチルホスホルアミド法;Beaucageお よびCaruthers,Tetra.Letts.22(20):1859-1862(1981)によって記載される、例 えば、Needham-VanDevanterら、Nucl.Acids Res.12:6159-6168(1984)に記載さ れる自動化合成機を用いる固相ホスホルアミドトリエステル法;および米国特許 第4,458,066号の固体支持法。化学合成は、一本鎖オリゴヌクレオチドを産生す る。これは、当該分野で公知の方法(相補配列とのハイブリダイゼーションを含 む)、またはテンプレートとして一本鎖を用いるDNAポリメラーゼとのポリマー 化によって、二本鎖DNAに変換される。当業者は、DNAの化学合成は、約100塩基 の配列に制限されるが、より長い配列は、短い配列の連結によって長い配列を形 成することで得られ得ることを認識する。 1つの実施態様において、本発明の単離された核酸は、宿主細胞へのトランス フェクションによってクローン化されるか、またはインビトロ法によって増幅さ れる。増幅方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(L CR)、転写ベースの増幅系(TAS)、持続式配列複製系(SSR)が挙げられる。広 範な種々のクローニング法、宿主細胞、およびインビトロ増幅方法論は、当業者 に周知である。 例えば、当業者に認知されるように、PCRの各サイクルの第1工程は、プライ マー伸長によって形成される核酸二重鎖の分離を含む。一旦鎖が分離されると、 次の工程は、分離した鎖と標的配列に隣接するプライマーとをハイブリダイズさ せることを含む。次いで、プライマーは伸長されて、標的鎖の相補コピーを形成 する。首尾良いPCR増幅のために、各プライマーが二重鎖配列に沿ってハイブリ ダイズする位置が、あるプライマーから合成された伸長産物が、テンプレート (相補物)から分離されたときに、他のプライマーの伸長のためのテンプレート として働くようなものであるように、プライマーは設計される。変性、ハイブリ ダイゼーション、および伸長のサイクルは、所望の量の増幅した核酸を得るのに 必要な回数反復される。PCRプロセスの好ましい実施態様において、標準的な分 離は、二重鎖の変性を生じるが、ポリメラーゼの非可逆性変性を生じないのに十 分な時間、十分な高い温度に反応を加熱することによって達成される(米国特許 第4,965,188号を参照のこと)。PCRにおけるプライマーのテンプレート依存伸長 は、適切な塩、金属カチオン、およびpH緩衝化系からなる反応培地中の、適当な 量の4つのデオキシリボヌクレオチドトリホスフェート(代表的には、dATP、dG TP、dCTP、およびdTTP)の存在下において試薬をポリマー化することによって触 媒される。適切なポリマー化試薬は、テンプレート依存性DNA合成を触媒するこ とが知られている酵素である。 多くのクローニング実行を介して当業者に指向されるのに十分な技術および説 明の例は、BergerおよびKimlnel;Sambrookら;Ausubelら、Cashionら、米国特 許第5,017478号;およびCarr,欧州特許第246,864号に見いだされる。クローニ ングベクターおよび宿主細胞は、商業的供給源を介して、またはアメリカンタイ プカルチャーコレクションから容易に得られる。 インビトロ増幅法において当業者に指向されるのに十分な技術の例は、Berger 、Sambrook、およびAusubel、ならびにMullisら、米国特許第4,683,202号;およ びInnisら;ArnheimおよびLevinson C&EN 36-47(1990年10月1日);Kwohら、P roc.Nat'l Acad.Sci.USA 86:1173(1989);Guatelliら、Proc.Nat'l Acad.Sci.U SA 87:1874(1990);Lomellら、J.Clin.Chem.35:1826(1989);Landegrenら、Scie nce 241:1077-1080(1988);Van Brunt,Biotechnology 8:291-294(1990);Wuお よびWallace,Gene 4:560(1989);およびBarringerら、Gene 89:117(1990)に見 いだされる。 CD97タンパク質をコードする核酸が核酸プローブとして使用される場合、核酸 を検出可能な標識で標識することがしばしば所望される。標識は、当業者に周知 の任意の多数の手段によって取り込まれる。1つの実施態様において、標識は、 核酸の調製における増幅手順の間に、同時に取り込まれる。従って、例えば、標 識化プライマーまたは標識化ヌクレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR )は、標識化増幅産物を提供する。別の好ましい実施態様において、標識化ヌク レオチド(例えば、蛍光標識化UTPおよび/またはCTP)を用いる転写増幅は、標 識を転写された核酸に取り込ませる。 あるいは、標識は、本来の核酸サンプル(例えば、mRNA、ポリ(A)+mRNA、cDNA など)、または増幅が完了した後の増幅産物に直接付加され得る。標識を核酸に 結合する手段は、当該分野で周知であり、そして例えば、核酸のリン酸化および 続くサンプル核酸を標識(例えば、発蛍光団)に結合する核酸リンカーの結合( 連結)によるニック転写または末端標識(例えば、標識化RNAで)を含む。 本発明における使用に適切な検出可能標識は、分光学的、放射性同位体的、光 化学的、生物化学的、免疫化学的、電気的、光学的、または化学的手段によって 検出可能な任意の組成物を含む。本発明における有用な標識としては、標識化ス トレプトアビジン結合体で染色するためのビオチン、磁性ビーズ、蛍光色素(例 えば、フルオレセイン、Texa sred、ローダミン、グリーン蛍光タンパク質など )、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、 西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびELISAに一般的 に使用される他のもの)、およびコロイド状金またはカラーガラスもしくはプラ スチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズの ような比色標識が挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、 米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号 ;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。 このような標識を検出する手段は、当業者に周知である。従って、例えば、放 射性標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出され 、蛍光マーカーは、発光を検出する光検出器を用いて検出される。酵素標識は、 代表的には、基質を有する酵素を提供し、そして基質上の酵素の作用によって産 生される反応産物を検出することによって検出され、そして比色標識は、カラー 標識を単純に視覚化することによって検出される。 IV.CD97 タンパク質に対する抗体組成物 本発明は、少なくとも1つの抗体を含む抗体組成物を提供し、ここで、組成物 は、免疫学的反応性条件下で、本発明の単離されたタンパク質に対して特異的に 反応性である。抗体は、本発明のCD97αサブユニットタンパク質に産生され、こ れは、天然に存在する(全長)形態および組換え形態の両方における、個体、対 立遺伝子、株、または種改変体、およびそれらのフラグメントを含む。さらに、 抗体は、それらの天然の立体配置または非天然の立体配置のいずれかにおいて、 これらのタンパク質に産生される。本発明のさらなる局面において、抗イディオ タイプの抗体もまた作製される。好ましい実施態様において、抗体は、免疫原と してヒトCD97αサブユニットを用いて構築または誘発される。ヒトCD97αサブユ ニットは、α1、α2、およびα3からなる群より選択される。 抗体を作製する多くの方法は、当業者に公知である。以下の議論は、可能な技 術の一般的な概要として提示される;しかし、当業者は、以下の方法に基づく多 くの改変が公知であることを認識する。 A.抗体産生 多数の免疫原は、CD97タンパク質と免疫学的に反応性の抗体を産生するために 使用される。配列番号6からの5の連続するアミノ酸長以上の単離された組換え 、合成、または天然CD97タンパク質は、モノクローナルまたはポリクローナル抗 体の産生についての好ましい免疫原(抗原)である。好ましい実施態様の1つの クラスにおいて、免疫原性タンパク質結合体もまた、免疫原として含まれる。天 然に存在するCD97タンパク質もまた、純粋または不純粋形態のいずれかにおいて 使用される。 次いで、CD97タンパク質は、抗体を産生し得る動物に注射される。モノクロー ナルまたはポリクローナル抗体のいずれかは、CD97タンパク質の存在および量を 測定するイムノアッセイにおいて続いて使用するために作製され得る。ポリクロ ーナル抗体を産生する方法は、当業者に公知である。簡単には、免疫原(抗原) 、好ましくは精製CD97タンパク質、適切なキャリア(例えば、GST、キーホール リンペットヘマトシアニンなど)に結合するCD97タンパク質、または組換えワク チンウイルス(米国特許第4,722,848号を参照のこと)のような免疫化ベクター に 取り込まれるCD97タンパク質は、アジュバントと混合され、そして動物はその混 合物で免役される。免疫原調製への動物の免疫応答は、試験放血および試験放血 における目的のCD97タンパク質への反応性の力価の測定によってモニターされる 。免疫原に対する適切な高力価の抗体が動物から得られる場合、血液が回収され 、そして抗血清が調製される。CD97タンパク質に反応性の抗体についての富化の ための抗血清のさらなる分画は、所望される場合に実施される(例えば、Coliga n,CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY,Wiley/Greene,NY(1991);およびHarlow およびLaneを参照のこと)。 CD97タンパク質の予備決定されたフラグメントの抗体(結合フラグメントおよ びそれらの一本鎖組換え改変体を含む)は、例えば、フラグメントの上記のキャ リアタンパク質との結合体で動物を免役することによって産生される。代表的に は、目的の免疫原は、少なくとも約5アミノ酸のCD97タンパク質、より代表的に は、CD97タンパク質は少なくとも10アミノ酸長、好ましくは、少なくとも15アミ ノ酸長、より好ましくは少なくとも25アミノ酸長である。特に好ましい実施態様 において、免疫原は、CD97タンパク質の細胞質外または細胞質内領域に由来する 。ペプチドは、代表的には、キャリアタンパク質(例えば融合タンパク質として )に結合されるか、または免疫化ベクターにおいて組換え発現される。抗体が結 合するペプチドの抗原決定因子は、代表的には3〜10アミノ酸長である。 モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製される。モノクロ ーナル抗体は、免疫原が由来するCD97タンパク質への結合についてスクリーニン グされる。特異的モノクローナルおよびポリクローナル抗体は、通常、少なくと も10-7M、好ましくは少なくとも10-8M、好ましくは少なくとも10-9M、より好 ましくは少なくとも10-10M、最も好ましくは少なくとも10-11Mの親和定数で結合 する。 いくつかの場合において、モノクローナル抗体を、種々の哺乳動物宿主(例え ば、マウス、齧歯類、霊長類、ヒトなど)から調製することが所望される。この ようなモノクローナル抗体を調製するための技術の説明は、例えば、BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY(第4版)、Stitesら(編)、Lange Medical Publication s,Los Altos,CA、およびそこに引用される参考文献;HarlowおよびLane;Godi ng,MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(第2版)Academic Pre ss,New York,NY(1986);ならびにKohlerおよびMilstein,Nature 256:495-497 (1975)に見いだされる。簡単に要約すると、この方法は、CD97タンパク質を含む 免疫原で動物を注射することによって進行される。次いで、動物は屠殺され、そ して細胞はその脾臓から得られ、これはミエローマ細胞と融合される。生じるも のは、インビトロで再生し得るハイブリッド細胞または「ハイブリドーマ」であ る。次いで、ハイブリドーマの集団は、個々のクローンを単離するためにスクリ ーニングされ、その各々は、免疫原に対して単一の抗体種を分泌する。この様式 において、得られる個々の抗体種は、免疫原生物質において認識される特異的部 位に応答して産生された免疫動物からの、不死化され、そしてクローン化された 単一B細胞の産物である。 不死化の別の方法は、エプスタインバーウイルス、ガン遺伝子、もしくはレト ロウイルスでのトランスフェクション、または当該分野で公知の他の方法を含む 。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原についての所望の特異性および 親和性の抗体の産生についてスクリーニングされ、そしてこのような細胞によっ て産生されるモノクローナル抗体の収率は、種々の技術(脊椎動物(好ましくは 哺乳動物)宿主の腹膜腔への注射を含む)によって増大される。本発明のCD97タ ンパク質および抗体は、改変を伴うかまたは伴わずに使用され、そしてヒト化マ ウス抗体のようなキメラ抗体を含む。 他の適切な技術は、ファージまたは類似のベクターにおける組換え抗体のライ ブラリーの選択を含む(例えば、Huseら、Science 246:1275-1281(1989);Ward ら、Nature 341:544-546(1989);およびVaughanら、Nature Biotech.14:309-31 4(1996)を参照のこと)。あるいは、高結合活性ヒトモノクローナル抗体は、未 再編成ヒト重鎖および軽鎖Ig遺伝子座のフラグメントを含むトランスジェニック マウス(すなわち、小遺伝子座(minilocus)トランスジェニックマウス)から 得られ得る。Fishwildら、Nature Biotech.14:845-851(1996)。 頻繁に、CD97タンパク質および抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質と の共有結合または非共有結合のいずれかによって標識される。広範な種々の標識 および結合技術は公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において広 範囲に報告される。適切な標識としては、放射性ヌクレオチド、酵素、基質、コ ファクター、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられ る。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号; 同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第 4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。組換えイムノグロブリンも また産生され得る。Cabilly,米国特許第4,816,567号およびQueenら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989)を参照のこと。 本発明の抗体はまた、CD97タンパク質の単離において、アフィニティクロマト グラフィーのために使用される。カラムは、例えば、固相支持体(例えばアガロ で細胞溶解物は、カラムを通過し、洗浄され、そして漸増濃度の穏和な変性剤で 処理され、それにより精製CD97タンパク質が放出される。 本発明の1つの局面において、抗体は、正常または異常ヒトCD97タンパク質の ような特定の発現産物について発現ライブラリーをスクリーニングするのに使用 されるか、または他の哺乳動物種からのT細胞発現ライブラリーをスクリーニン グするのに使用される。通常、このような手順における抗体は、抗体結合によっ て抗原の存在の容易な検出を可能にする成分で標識される。 本発明のさらなる局面において、CD97タンパク質に対して惹起された抗体もま た、抗イディオタイプ抗体を産生するのに使用される。これらは、関連抗原の存 在に関連する種々の病原性条件を検出または診断するのに有用である。 B.ヒトまたはヒト化(キメラ)抗体産生 本発明の1つの実施態様において、本発明の抗CD97タンパク質抗体は、治療目 的のために(例えば、標識、細胞毒素、酵素、増殖因子、薬物などのようなエフ ェクター分子に結合または融合された場合の標的分子として)、哺乳動物(例え ば、ヒト患者)に投与される。それらが産生される種とは異なる器官に投与され た抗体は、しばしば免疫原生である。従って、例えば、ヒトに投与されるマウス 抗体は、しばしば、複数投与における抗体に対する免疫応答(例えば、ヒト抗マ ウス抗体(HAMA)応答)を誘導する。抗体の免疫原生特徴は、特徴的なヒト配列 へ抗体の部分または全体を改変し、それによりそれぞれ、キメラまたはヒト抗体 が産生される。 1.ヒト化(キメラ)抗体 ヒト化(キメラ)抗体は、ヒトおよび非部分を含むイムノグロブリン分子であ る。より詳細には、ヒト化キメラ抗体の抗原結合領域(または可変領域)は、非 ヒト供給源(例えば、マウス)に由来し、そしてキメラ抗体の定常領域(これは 、イムノグロブリンに生物学的エフェクター機能を付与する)は、ヒト供給源に 由来する。ヒト化キメラ抗体は、非ヒト抗体分子の抗原結合特異性、およびヒト 抗体分子によって付与されるエフェクター機能を有する。キメラ抗体を産生する 多数の方法は、当業者に周知である(例えば、米国特許第5,502,167号、同第5,5 00,362号、同第5,491,088号、同第5,482,856号、同第5,472,693号、同第5,354,8 47号、同第5,292,867号、同第5,231,026号、同第5,204,244号、同第5,202,238号 、同第5,169,939号、同第5,081,235号、同第5,075,431号、および同第4,975,369 号を参照のこと)。キメラ(ヒト化)抗体の調製のための詳細な方法は、米国特 許第5,482,856号に見いだされ得る。 2.ヒト抗体 別の実施態様において、本発明は、完全なヒト抗CD97タンパク質抗体を提供す る。ヒト抗体は、特徴的なヒトポリペプチド配列を全体的に構成する。本発明の ヒト抗CD97タンパク質抗体は、広範な種々の方法を用いて産生され得る(例えば 、概説については、Boyleら、米国特許第5,654,407号、およびLarrickら、米国 特許第5,001,065号を参照のこと)。 好ましい実施態様において、本発明のヒト抗CD97タンパク質抗体は、トリオー マ(trioma)細胞において最初に産生される。次いで、抗体をコードする遺伝子 は、他の細胞、特に非ヒト哺乳動物細胞においてクローン化および発現される。 トリオーマ技術によってヒト抗体を産生するための一般的なアプローチは、Ostb ergら、Hybridoma 2:361-367(1983)、Ostberg,米国特許第4,634,664号、およびE ngelmanら、米国特許第4,634,666号によって記載されている。この方法によって 得られる抗体産生細胞株はトリオーマと称される。なぜなら、それが3つの細胞 (2つのヒトおよび1つのマウス)の子孫であるからである。トリオーマは、ヒ ト細胞から作製される本来のハイブリドーマより安定な抗体を産生することが見 いだされている。 トリオーマ細胞株によって分泌されるイムノグロブリンの重鎖および軽鎖をコ ードする遺伝子は、当該分野で公知の方法にしたがってクローン化され、これは 、ポリメラーゼ連鎖反応を含む(例えば、Sambrookら;BergerおよびKimmel;な らびにCoら、J.Immunol.148:1149(1992)を参照のこと)。例えば、重鎖および 軽鎖をコードする遺伝子は、トリオーマのRNAの逆転写によって産生されるトリ オーマのゲノムDNAまたはcDNAからクローン化される。クローニングは、従来の 技術によって達成され、これは遺伝子に隣接または重複する配列、または遺伝子 のセグメントにハイブリダイズしてクローン化されるPCRプライマーの使用を含 む。 V.CD97 タンパク質イムノアッセイ 本発明のCD97を検出する手段は、本発明の重要な局面ではない。好ましい実施 態様において、CD97タンパク質は、多数の十分認識された免疫学的結合アッセイ のいずれかを用いて検出および/または定量される(例えば、米国特許第4,366, 241号;同第4,376,110号;同第4,517,288号;および同4,837,168号を参照のこと )。一般的なイムノアッセイの概説については、METHODS IN CELL BIOLOGY第37 巻:ANTIBODIES IN CELL BIOLOGY,Asai編、Academic Press,Inc.New York(199 3);BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY,第7版、StitesおよびTerr編(1991)もま た参照のこと。免疫学的結合アッセイ(またはイムノアッセイ)は、代表的には 、分析物(この場合、CD97タンパク質)に特異的に結合し、そしてしばしば固定 化する「捕獲因子」を利用する。捕獲因子は、分析物に特異的に結合する成分で ある。好ましい実施態様において、捕獲因子は、CD97タンパク質(単数または複 数)を特異的に結合する抗体である。抗体(抗CD97タンパク質抗体)は、本明細 書中に記載されるような、当業者に周知の多数の手段のいずれかによって産生さ れ得る。 イムノアッセイはしばしば、捕獲因子および分析物によって形成される結合複 合体に特異的に結合しそして標識する標識因子を利用する。標識試薬は、それ自 身、抗体/分析物複合体を含む成分のうちの1つであり得る。従って、標識因子 は、標識化CD97タンパク質または標識化抗CD97タンパク質抗体であり得る。ある いは、標識因子は、抗体/CD97タンパク質複合体に特異的に結合する第3の成分 (例えば別の抗体)であり得る。 いくつかの実施態様において、標識因子は、標識を保有する第2のCD97タンパ ク質である。あるいは、第2のCD97タンパク質抗体は標識を欠如するが、次に、 第2の抗体が由来する種の抗体に特異的な標識された第3の抗体によって結合さ れる。第2は、第3の標識化部分(例えば酵素標識ストレプトアビジン)が特異 的に結合し得る検出可能な部分(例えば、ビオチン)で改変され得る。 イムノアッセイの別の局面において、イムノグロブリン定常領域に特異的に結 合し得る他のタンパク質(例えば、タンパク質Aまたはタンパク質G)が標識因 子として使用される。これらのタンパク質は、連鎖球菌性細菌の細胞壁の通常の 構成要素である。それらは、種々の種からのイムノグロブリン定常領域との強力 な非免疫原生反応性を示す(一般的には、Kronvalら、J.Immunol.111:1401-140 6(1973)、およびAkerstromら、J.Immunol.135:2589-2542(1985)を参照のこと )。 アッセイを通して、インキュベーションおよび/または洗浄工程は、代表的に は、試薬の各組合せの後に必要とされる。インキュベーション工程は、約5秒〜 数時間、好ましくは約5分〜約24時間で変化する。しかし、インキュベーション 時間は、アッセイ形式、分析物、溶液の容量、濃度などに依存する。それらは10 ℃〜40℃のような温度の範囲にわたって行われるが、通常は、アッセイは、室温 にて行われる。 本発明のイムノアッセイの詳細が、使用される特定の形式で変更し得る一方、 生物学的サンプルにおいてCD97タンパク質を検出する方法は、免疫学的に反応性 の条件下で、CD97タンパク質に特異的に反応する抗体と生物学的サンプルを接触 させる工程を含む。抗体は、免疫学的に反応性の条件下でCD97タンパク質に結合 することを許容され、そして結合抗体の存在は、直接的または間接的に検出され る。 A.非競合アッセイ形式 本発明のCD97タンパク質を検出するためのイムノアッセイは、競合および非競 合形式を含む。非競合イムノアッセイは、捕獲される分析物(この場合CD97タン パク質)の量は直接的に測定されるアッセイである。1つの好ましい「サンドウ ィッチ」アッセイでは、例えば、捕獲因子(抗CD97タンパク質抗体)は、それが 固定化されている固体物質に直接結合され得る。次いで、これらの固定化抗体は 、試験サンプル中に存在するCD97タンパク質を捕獲する。次いで、このように固 定化されたCD97タンパク質は、標識因子(例えば、標識を保有する第2のヒトCD 97タンパク質抗体)によって結合される。あるいは、第2のCD97タンパク質抗体 は、標識を欠失しているが、次いで、第2の抗体が送達される種の抗体に特異的 な標識された第3の抗体によって結合される。第2の抗体は、第3の標識化分子 (例えば、酵素標識ストレプトアビジン)が特異的に結合する検出可能な成分( 例えば、ビオチン)で改変され得る。 B.競合アッセイ形式 競合アッセイにおいて、サンプル中に存在する分析物(CD97タンパク質)の量 は、サンプル中に存在する分析物によって捕獲因子(抗CD97タンパク質抗体)か ら置換(または競合)された添加された(外因性)分析物(CD97タンパク質)の 量を測定することによって間接的に測定される。1つの競合アッセイにおいて、 既知量のCD97タンパク質が、サンプルに添加され、次いでサンプルは捕獲因子( 例えば、CD97タンパク質に特異的に結合する抗体)と接触される。抗体に結合し たCD97タンパク質の量は、サンプル中に存在するCD97タンパク質の濃度に反比例 する。 いくつかの実施態様において、抗体は固体物質に固定化される。抗体に結合し たCD97タンパク質の量は、CD97タンパク質/抗体複合体中に存在するCD97タンパ ク質の量を測定することにより、または残りの非複合体化CD97タンパク質の量を 測定することによって決定される。CD97タンパク質の量は、標識CD97タンパク質 分子を提供することによって検出され得る。 ハプテン阻害アッセイは、別の好ましい競合アッセイである。このアッセイに おいて、既知の分析物(この場合、CD97タンパク質)は、固体物質に固定化され る。既知量の抗CD97タンパク質抗体は、サンプルに添加され、次いでサンプルは 、固定化CD97タンパク質に接触させられる。このアッセイにおいて、固定化CD97 タンパク質に結合された抗CD97タンパク質抗体の量は、サンプル中に存在するCD 97タンパク質の量に反比例する。さらに、固定化抗体の量は、固定化された抗体 の画分または溶液中に残存する抗体の画分のいずれかを測定することによって検 出される。検出は直接的(抗体が標識されている)であってもよいし、上記のよ うな抗体に特異的に結合する標識された成分の引き続く添加により間接的であっ てもよい。 競合結合形式におけるイムノアッセイは、交叉反応性決定のために使用され得 る。例えば、CD97αサブユニットの1つは、固体物質に固定化される。固定化抗 原への抗血清の結合と競合するタンパク質がこのアッセイに添加される。固定化 タンパク質への抗血清の結合と競合するタンパク質の能力は、CD97αサブユニッ トによる結合と比較される。上記のタンパク質についての交叉反応性のパーセン トが、標準的な計算法を用いて計算される。上記のタンパク質の各々と10%未満 の交叉反応性を有する抗血清が選択され、そしてプールされる。この交叉反応す る抗体は、必要に応じて、上記のタンパク質との免疫吸着によってプールされた 抗血清から取り出される。 次いで、免疫吸着され、そしてプールされた抗血清は、上記のような競合結合 イムノアッセイにおいて使用されて、おそらく本発明のタンパク質であると考え られる第2のタンパク質と免疫原タンパク質とが比較される(すなわち、部分的 核酸配列によって部分的にコードされる可溶性CD97サブユニットまたはアナログ )。この比較を作製するために、2つのタンパク質が、広範な範囲の濃度で各々 アッセイされ、固定化されたタンパク質への抗血清の結合の50%を阻害するのに 必要とされる各々のタンパク質の量が決定される。必要とされる第2のタンパク 質の量が、必要とされる部分的にコードされるタンパク質の量の10倍未満である 場合、第2のタンパク質は、部分的にコードされるタンパク質からなる免疫原に 対して産生された抗体に特異的に結合すると言われる。 C.他のアッセイ形式 特に好ましい実施態様において、ウエスタンブロット(イムノブロット)分析 が、サンプル中の可溶性CD97サブユニットまたはそのアナログの存在を検出およ び定量するために使用される。この技術は、一般に、分子量に基づくゲル電気泳 動によってサンプルタンパク質を分離する工程、分離されたタンパク質を適切な 固体物質(例えば、ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター、または 誘導体化されたナイロンフィルター)に移す工程、およびサンプルを可溶性CD97 サブユニットまたはそれらのアナログに特異的に結合する抗体とともにインキュ ベートする工程を含む。可溶性CD97サブユニットまたはそのアナログに指向され る抗体は、固体物質上の可溶性CD97サブユニットに特異的に結合する。これらの 抗体は、直接的に標識され得るか、あるいは可溶性CD97サブユニット抗体に特異 的に結合する標識抗体(例えば、標識されたヒツジ抗マウス抗体)を用いて続い て検出され得る。 他のアッセイ形式としては、リポソームイムノアッセイ(LIA)が挙げられ、 これは、特定の分子(例えば、抗体)に結合し、被包化された試薬またはマーカ ーを放出するように設計されたリポソームを使用する。次いで、放出された化学 物質は、標準的技術に従って検出される(Monroeら、Amer.Clin.Prod.Rev.5:34 -41(1986)を参照のこと)。 1.非特異的結合の減少 当業者は、イムノアッセイにおいて非特異的結合を減少することがしばしば望 ましいことを理解する。特に、アッセイが、固体物質上に固定化された抗原また は抗体を含む場合、基質への非特異的結合の量を最小化することが望ましい。こ のような非特異的結合を減少する手段は、当業者に周知である。代表的には、こ れは、タンパク質性組成物での基質の被覆を含む。詳細には、ウシ血清アルブミ ン(BSA)、無脂肪粉末ミルク、およびゼラチンのようなタンパク質組成物が広 く使用され、粉末ミルクが最も好ましい。 2.標識 このアッセイに使用される特定の標識または検出可能基は、アッセイに使用さ れる抗体の特異的な結合に有意に干渉しない限り、本発明の重要な局面ではない 。検出可能な基は、検出可能な物理的または化学的特性を有する任意の物質であ り得る。このような検出可能な標識は、イムノアッセイの分野において十分に開 発されており、そして一般に、このような方法において有用な任意の標識のほと んどは、本発明に適用され得る。したがって、標識が、顕微鏡的、光化学的、生 化学的、免疫化学的、電気的、光的または化学的手段によって検出可能な任意の 組成物である。本発明において有用な標識としては、磁性ビーズ(例えば、Dyna beadsTM)、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、テキサス レッド、ローダミンなど)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、または32 P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ 、およびELISAに一般に使用される他のもの)、および金コロイドのような比色 標識または呈色ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピ レン、ラテックスなど)ビーズが挙げられる。 標識は、当該分野で周知の方法によってアッセイの所望の成分に直接的または 間接的に結合され得る。上記に示されるように、必要とされる感受性、化合物と の結合の容易さ、安定性の要求、利用可能な器具使用、および処分規定に応じる 標識の選択により、広範な種々の標識が使用され得る。 非放射性標識が、しばしば間接的な手段によって付着される。一般に、リガン ド分子(例えば、ビオチン)は、分子に共有結合される。次いで、リガンドは、 遺伝的に検出可能であるか、シグナル系(例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物 、または化学発光化合物)に共有結合されるかのどちらかである抗リガンド(例 えば、ストレプトアビジン)分子に結合する。多数のリガンドおよび抗リガンド が使用され得る。リガンドは、天然の抗リガンド(例えば、ビオチン、チロキシ ン、およびコルチゾール)を有し、それは、標識された、天然に存在する抗リガ ンドと組み合わされて使用され得る。あるいは、任意のハプテン性または抗原性 化合物が、抗体と組み合わされて使用され得る。 分子はまた、例えば、酵素またはフルオロフォア(fluorophore)との組み合 わせによってシグナル産生化合物に直接結合され得る。標識としての目的の酵素 は、主として、加水分解酵素、特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコ シダーゼ、またはオキシドレダクターゼ、特にペルオキシダーゼである。蛍光化 合物としては、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体 、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。化学発光化合物としては、ル シフェリン、および2,3-ジヒドロフタラジンジオン(例えば、ルミノール)が挙 げられる。使用され得る種々の標識またはシグナル産生系については、米国特許 第4,391,904号を参照のこと。 標識を検出するための手段は当業者に周知である。従って、例えば、標識が放 射性標識である場合、検出のための手段としては、シンチレーションカウンター またはオートラジオグラフィーにおけるような写真フィルムが挙げられる。標識 が蛍光標識である場合、それは、適切な波長の光で蛍光色素を励起し、そして得 られる蛍光を検出することによって検出され得る。蛍光は、電荷結合デバイス( CCD)または光電子倍増管などのような電子検出器の使用によって、写真フィル ムによって可視的に検出され得る。同様に、酵素学的標識は、酵素の適切な基質 を提供することおよび得られる反応産物を検出することによって検出され得る。 最終的に単純な比色基質が、標識に関連した呈色を観察することによって単純に 検出され得る。従って、種々のディップスティックアッセイにおいて、結合され た金は、しばしばピンク色であり、一方、種々の結合ビーズは、ビーズの色を示 す。 いくつかのアッセイ形式は、標識成分の使用を必要としない。例えば、凝集ア ッセイは、標的抗体の存在を検出するために使用され得る。この場合、抗原被覆 粒子は、標的抗体を含むサンプルによって凝集される。この形式において、成分 は標識される必要はなく、標的抗体の存在は、単純な視覚検査によって検出され る。 3.基質 上記のように、アッセイに応じて、種々の成分(抗原、標的抗体、または抗ヒ ト抗体を含む)が、固相表面に結合され得る。生体分子を種々の固相表面に固定 化する多くの方法は、当該分野において公知である。例えば、固相表面は、膜( 例えば、ニトロセルロース)、マイクロタイタープレート(例えば、PVC、ポ リプロピレン、またはポリスチレン)、試験管(ガラスまたはプラスチック)、 ディップスティック(例えば、ガラス、PVC、ポリプロピレン、ポリスチレン、 ラテックスなど)、マイクロ遠心チューブ、またはガラスもしくはプラスチック ビーズであり得る。所望の成分は、共有結合するか、非特異的結合によって非共 有結合的に付着され得る。 広範な種々の有機および無機ポリマー(天然または合成)が、固相表面として 使用され得る。例示的なポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ リ(4-メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレ フタレート)、レーヨン、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)、ポリビニリデン ジフルオライド(PVDF)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、セ ルロースアセテート、ニトロセルロースなどが挙げられる。使用され得る他の物 質としては、紙、ガラス、セラミック、金属、メタロイド、半導体物質、セメン トなどが挙げられ得る。さらに、ゲルを形成する物質(例えば、タンパク質(例 えば、ゼラチン)、リポ多糖、シリケート、アガロースおよびポリアクリルアミ ド)が使用され得る。いくつかの水相を形成するポリマー(例えば、デキストラ ン、ポリアルキレングリコール)または界面活性剤(例えば、リン脂質、長鎖(1 2〜24炭素原子)アルキルアンモニウム塩))などもまた適切である。固相表面が 多孔性である場合、種々の孔サイズが、系の特性に応じて使用され得る。 表面を調製することにおいて、種々の特性を得るために多数の異なる物質(特 にラミネート)が使用され得る。例えば、ゼラチンのようなタンパク質被覆が、 非特異的結合を回避するため、共有結合を単純化するため、シグナル検出を増強 するために使用され得る。 化合物と表面との間の共有結合が所望される場合、表面は、通常、多機能であ るか、または多機能であり得る。表面上に存在し、そして結合のために使用され 得る官能基としては、カルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン 基、ヒドロキシル基、メルカプト基などが挙げられ得る。種々の表面への広範な 種々の化合物の結合の様式は、周知であり、そして文献に十分に例示されている 。例えば、IMMOBILIZED ENZYMES,Ichiro Chibata,Halsted Press,New York, (1978)、およびCuatrecasas,J.Biol.Chem.245:3059(1970))を参照のこと。 共有結合に加えて、アッセイ成分の非共有結合のための種々の方法が使用され 得る。非共有結合は、代表的には、表面への化合物の非特異的吸着である。代表 的には、表面は、標識されたアッセイ成分の非特異的結合を妨げるために第2の 化合物でブロックされる。あるいは、表面は、非特異的に1つの成分を結合する が、別の成分を有意に結合しないように設計される。例えば、Concanavalin Aの ようなレクチンを保有する表面は、化合物を含有する炭水化物に結合するが、グ リコシル化を欠失した標識タンパク質には結合しない。アッセイ成分の非共有結 合性付着に使用するための種々の固相表面は、米国特許第4,447,576号および第4 ,254,082号に総説されている。 VI.診断方法 当業者は、本発明の診断方法が、任意の数の周知の核酸ベースアッセイを用い て行われることを理解する。CD97核酸にストリンジェントな条件下で核酸に選択 的に反応性である核酸は、上述のために提供され、そして定性的および/または 定量的に、発現されたCD97のレベルを検出するために核酸アッセイにおいて使用 され得る。しかし、好ましい診断方法はイムノアッセイである。本発明の診断法 法の抗体組成物は、少なくとも1つの特有の抗体、好ましくは少なくとも2つ、 より好ましくは少なくとも3つの特有の抗体を含む。抗体は、免疫学的に反応性 である条件下で、哺乳動物CD97αサブユニットに特異的に反応性である。好まし くは、抗体組成物は、ヒトCD97サブユニットα1、α2、およびα3の各々に特異 的に反応性である。CD97αサブユニットに対する抗体は、上記により完全に考察 されている。当業者は、特異的反応性が、交叉反応性化合物を実質的に除去する ための抗体組成物と接触する前の生物学的サンプルのプロセシングによって達成 され得ることを理解する。あるいは、特異的反応性は、CD97αサブユニットに実 質的に特異的である抗体を使用することによって達成され、その結果、これらの 抗原への結合は、検出可能なより大きな程度および/またはサンプル中の他の抗 原への結合の実質的な排除を生じる。 VII.炎症を検出するための方法 本発明は、哺乳動物の部位の炎症の程度を決定するための方法を提供する。炎 症は、代表的には、特定の部位に局在化した抗原の存在に起因して生じる。抗原 局在化の部位への白血球遊走は、炎症カスケードの一部として起こる。炎症応答 の他の相は以下を含む:TおよびBリンパ球、マクロファージ、および代替的な補 体経路により媒介される外来抗原の特異的および非特異的認識;特異的および非 特異的エフェクター細胞の漸加に応答した炎症の増幅;および抗原破壊における マクロファージ、好中球、およびリンパ球の関与。 この方法は、抗体組成物を、炎症の程度が決定されている部位に由来する生物 学的サンプルに接触させる工程を含む。生物学的サンプルは、炎症の部位に由来 する組織サンプルであり得る。最も簡便には、組織サンプルは液体サンプルであ る。この液体は、リンパ液、羊水、脳脊髄液、血液、滑液、痰、尿、涙、または 他の細胞分泌物またはその部位からの排泄物であり得る。 抗体は、免疫学的に反応性の条件下で、CD97αサブユニットが抗体組成物中の 抗CD97α抗体に結合し、抗体:CD97αサブユニット複合体を形成するのを許容す るのに十分な時間の間インキュベートされる。複合体の検出は、サンプル中のCD 97αサブユニットの存在および量を示す。 イムノアッセイを行うための方法は、当該分野で周知であり、例えば、ELISA 、競合イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、ウエスタンブロット、間接的免 疫蛍光アッセイなどが挙げられる。イムノアッセイ形式および条件については、 HarlowおよびLaneを参照のこと。 VIII.CD97 アンタゴニストのアッセイ A.CD97 アンタゴニスト 1.アンチセンス 標的遺伝子機能をブロックすることにおけるアンチセンス分子の有効性は、多 数の異なる系において示されている(Friedmanら、Nature 335:452-54(1988),M alimら、Cell 58:205-14(1989)およびTronoら、Cell 59:113-20(1989))。一 般に、可溶性CD97サブユニット遺伝子のセグメントに相補的である、可溶性CD97 サブユニットアンチセンス転写物をコードするDNAセグメントを含むベクター は、可溶性CD97サブユニット遺伝子を発現する標的細胞に導入され、そして発現 される。発現されたアンチセンス鎖は、センス鎖と相互作用し、そしてセンス鎖 の適切なプロセシングを妨げる。 リボザイムもまた、可溶性CD97サブユニットタンパク質をコードするmRNAを標 的化するために使用され得る。 2.合成分子 特定のタンパク質を標的にする合成薬物は、一般に、標的タンパク質の活性と 相互作用するかまたは阻害することによって作用する。本明細書中に提供される 可溶性CD97サブユニットアッセイは、それらの活性のインヒビターを同定するの に有用である。それを行うために、可溶性CD97サブユニットの活性は、試験物質 (例えば、合成または単離された天然に存在する化学インヒビター(特に、可溶 性CD97サブユニットの活性部位またはアロステリックな部位に結合するペプチド または他のリガンド))の存在および非存在下でアッセイされる。可溶性CD97サ ブユニットのインヒビターは、可溶性CD97サブユニットの活性を、少なくとも50 %、好ましくは少なくとも90%、および最も好ましくは少なくとも99%抑制する 。 3.抗体 抗体は、膜結合CD97に結合し、そして可溶性CD97サブユニットのようなタンパク 質を隔離するために使用され得る。抗体は、膜結合CD97へのタンパク質の結合を ブロックするため、および細胞表面レセプターへの可溶性CD97αサブユニットの 結合をブロックするために使用され得る。 B.CD97 アンタゴニストについてのスクリーニング 本発明は、可溶性CD97サブユニットまたは本発明の可溶性CD97サブユニットの 発現を特異的に阻害するアンチセンスプロトコルおよびアンタゴニストを開発す ることを包含する。このようなインヒビターの検出および試験は、本明細書中に 記載される方法を使用して請求された可溶性CD97サブユニットを作製し、そして 得る能力によって可能にされる。 一つの実施態様において、CD97アンタゴニストの同定のためのアッセイは、疑 われるアンタゴニストの存在下でCD97遺伝子または遺伝子産物の存在、非存在、 または量(例えば、ゲノムDNAのコピー数、または転写物の量)を検出すること を包含する。遺伝子産物は、その遺伝子に由来する核酸、または可溶性CD97サブ ユニット遺伝子もしくはそれに由来する核酸によってコードされるポリペプチド を含む。 C.可溶性CD97サブユニット遺伝子または遺伝子産物およびその遺伝子または遺 伝子産物に結合する薬剤の検出/定量 可溶性CD97サブユニットおよび/またはその遺伝子もしくは遺伝子産物(すな わち、mRNA)は、好ましくは、生物学的サンプルにおいて検出および/または定 量される。本明細書中で使用されるように、生物学的サンプルは、生物学的組織 または液体のサンプルであって、これは、健康および/または病理状態において 可溶性CD97サブユニット核酸もしくはポリペプチドを含有する。このようなサン プルは、痰、血液、血球(例えば、白血球)、組織もしくは細い針の生検サンプ ル、腹膜液、胸膜液、関節内液、脳脊髄液、膿瘍浸出液、またはそれら由来の細 胞を含むがこれらに限定されない。生物学的サンプルはまた、大動脈壁および組 織学的目的のために取られた凍結切片のような組織切片を含む。サンプルは、代 表的には、ヒト患者から取られるが、このアッセイは、任意の哺乳動物(例えば 、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、およびブタ)由来のサンプル中の可溶性CD97サブ ユニット遺伝子または遺伝子産物を検出するために使用され得る。 サンプルは、所望であれば、適切な緩衝液中に希釈されるかまたは濃縮により 必要に応じて前処理され得る。 1.核酸アッセイ 1つの実施態様において、本発明は、根底にある可溶性CD97サブユニット遺伝 子(またはそのフラグメント)をアッセイすること、あるいは可溶性CD97サブユ ニット遺伝子転写物(mRNA)をアッセイすることによって可溶性CD97サブユニッ ト発現を検出および/または定量する方法を提供する。このアッセイは、正常な 遺伝子または遺伝子産物の存在または非存在について、異常な遺伝子または遺伝 子産物の存在または非存在についてであるか、あるいは正常または異常な可溶性 CD97サブユニット遺伝子産物の転写レベルの定量である。 a.核酸サンプル 好ましい実施態様において、核酸アッセイは、試験される患者から単離された 核酸のサンプルを用いて実施される。最も単純な実施態様において、このような 核酸サンプルは、生物学的サンプルから単離された総RNAである。 核酸(例えば、ゲノムDNAまたはmRNAのいずれか)は、当業者に周知な多数の 方法の一つに従って、サンプルから単離される。当業者は、可溶性CD97サブユニ ット遺伝子のコピー数における変更が検出される場合は、ゲノムDNAが好ましく は単離されることを理解する。逆に、遺伝子(単数または複数)の発現レベルが 検出される場合は、好ましくは、mRNAが単離される。 b.ハイブリダイゼーションアッセイ 核酸ハイブリダイゼーション技術を用いる可溶性CD97サブユニット関連DNAお よびRNA測定に特異的な種々の方法は当業者に公知であり、そして上記で記載さ れる(Sambrook、前出もまた参照のこと)。 c.増幅ベースのアッセイ 別の実施態様において、可溶性CD97サブユニット遺伝子または遺伝子産物は、 増幅ベースのアッセイを用いて検出(アッセイ)され得る。増幅ベースのアッセ イにおいて、可溶性CD97サブユニット遺伝子または転写物(例えば、mRNAまたは cDNA)のすべてまたは部分は、上記のようにプライマーを用いて増幅され、次い で増幅産物が検出される。増幅ベースのアッセイは、当業者に周知であり、そし て上記に記載される(例えば、Innis、前出を参照のこと)。 2.発現レベルの検出 サンプル中の可溶性CD97サブユニット遺伝子の転写レベル(そしてそれにより 発現)を定量することが所望される場合、核酸サンプルは、可溶性CD97サブユニ ット遺伝子のmRNA転写物の濃度またはmRNA転写物に由来する核酸の濃度が、その 遺伝子の転写レベル(そしてそれゆえ発現レベル)に比例するサンプルである。 同様に、ハイブリダイゼーションシグナル強度がハイブリダイズした核酸の量に 比例していることが好ましい。この比例は、比較的厳密(例えば、転写速度の倍 加は、サンプル核酸プールにおけるmRNA転写物における倍加およびハイブリダイ ゼーションシグナルの倍加を生じる)であることが好ましいが、当業者は、この 比例は、より緩やかであり得、そして非線形でさえあり得ることを理解する。従 って、例えば、標的mRNAの濃度における5倍の差異が、ハイブリダイゼーション 強度における3〜6倍の差異を生じるアッセイは、ほとんどの目的に充分である 。より正確な定量が要求される場合は、適切なコントロールを実行して、本明細 書中に記載されるようにサンプル調製およびハイブリダイゼーションにおいて導 入される変動を較正される。さらに、「標準」標的mRNAの連続希釈物を使用して 、当該分野で周知の方法に従って較正曲線を用意する。当然、転写物の存在また は非存在の単純な検出が所望される場合、精巧なコントロールも較正も必要とさ れない。 可溶性CD97サブユニット遺伝子の発現はまた、発現された可溶性CD97サブユニ ットポリペプチドを検出または定量することによって検出および/または定量す る。可溶性CD97サブユニットポリペプチドは、当業者に周知の多数の手段のいず れかにより検出および定量される。これらは、電気泳動、キャピラリー電気泳動 、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超 拡散クロマトグラフィーなどのような分析生化学法、あるいは上記のような液体 沈降反応、またはゲル沈降反応、免疫拡散(一次または二重)、免疫電気泳動、 放射イムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光ア ッセイ、ウェスタンブロッティングのような種々の免疫学的方法を含む。 3.アッセイの評価 本発明のアッセイは、当業者に周知の標準的な方法に従って、(可溶性CD97サ ブユニットについて陽性または陰性として)評価される。評価の特定の方法は、 アッセイ形式および選択した標識に依存する。例えば、ウェスタンブロットアッ セイは、酵素標識によって生成した着色産物を可視化することによって評価する 。正しい分子量における明瞭に可視に着色したバンドまたはスポットは陽性の結 果として評価する一方、明らかな可視のスポットまたはバンドの非存在を陰性と して評価する。好ましい実施態様において、陽性試験は、バックグラウンドおよ び/またはコントロールの少なくとも2倍、そしてより好ましくは、バックグラ ウンドおよび/または陰性コントロールの少なくとも3倍、またはさらに少なく とも5倍大きいシグナル強度(例えば、可溶性CD97サブユニット量)を示す。 当業者にとっては、上記のアッセイが可溶性CD97サブユニット遺伝子またはそ の遺伝子産物の1つに結合する組成物についてスクリーニングするのに使用され 得ることが分かり得る。例えば、疑わしい組成物がmRNAに結合することによって 作用する場合、増幅アッセイまたはノーザントランスファーを使用して、疑わし い組成物の存在下での細菌によって合成されたmRNAの量を定量する。 D.可溶性CD97サブユニットポリペプチドに結合する薬剤についてのスクリー ニング 精製プロセスの間のタンパク質の検出について上記で記載されるアッセイはま た、可溶性CD97サブユニットに結合する薬剤についてスクリーニングするために も使用され得る。例えば、CD97結合を阻害すると疑われる合成化合物は、可溶性 CD97サブユニットについての競合イムノアッセイに使用される。抗体結合部位が 抗体に利用可能でないように、合成化合物が、可溶性CD97サブユニットに結合す る場合、アッセイにおいて観察される可溶性CD97サブユニットのレベルは、疑わ れる薬剤の存在下で増殖しない細胞からのブロスにおいて観察されるレベルより も低い。 E.可溶性CD97サブユニット遺伝子のアンタゴニストについてのアッセイのため の細菌レポーター株 1.可溶性CD97サブユニットの発現を同定するための細菌レポーター株 この節は、インビボおよびインビトロでの発現を決定および可溶性CD97サブユ ニットを定量する方法を提供する。この決定は、レポーター遺伝子産物が、細胞 あるいは組織のホモジネートまたは組織自身において検出可能であるように充分 に高いレベルで発現される組換え的に導入されたレポーター遺伝子を有する細胞 を生成することが可能であるという発見を前提とする。レポーター遺伝子は、目 的の核酸配列に作動可能に連結し、そして容易にアッセイ可能な産物を発現する 遺伝子である。アッセイ可能な産物の検出は、レポーター遺伝子の存在、非存在 、または量を示し、次いでこれは、可溶性CD97サブユニットの存在、非存在、ま たは量を示す。レポーター遺伝子は、当該分野で周知である。それらは、細菌ク ロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシダー ゼ(β-gal)を発現する遺伝子、Vibrio harveyi、Vibrio fischeri、およびXen orhabdus luminescensによってコードされる種々の細菌ルシフェラーゼ遺伝子、 ホタルルシフェラーゼ遺伝子FFluxなどを含むがこれに限定されない。 レポーター遺伝子を有する細胞は、「レポーター株」として本明細書中でいわ れる。上記のように、レポーター株は、特定のサンプルにおいてレポーター遺伝 子を有する細胞の数を定量するために利用され得る。当業者は、多数の型の細胞 がレポーター株としての改変に適しており、そして特定の細胞型の選択が発現さ れる特定のタンパク質(この場合は可能性CD97)に依存することを理解する。 感度の高いアッセイ系における検出に受け入れられる高レベルのレポーター遺 伝子産物を発現するレポーター株は、比較的少ない細胞の検出を可能にする。こ の高感度は、比較的短い培養条件後の細胞数における差異を検出することを可能 にし、それにより迅速な処理量を有するアッセイを可能にする。 2.細菌レポーター株を利用するアッセイ 本発明の一つの局面において、治療組成物または予防的組成物がCD97またはそ のサブユニットを発現する細胞の培養に適用されるアッセイが提供される。 (1)培養アッセイ 本発明は、インビトロの培養アッセイを用いる組成物においてCD97アンタゴニ スト活性をスクリーニングする方法を提供する。一般に、これらのアッセイは、 レポーター株を培養すること、培養された細胞を化学組成物に曝露すること、お よび次いで続いてレポーター遺伝子についてアッセイして、処理細胞と未処理コ ントロール培養物との間の培養増殖における差異を決定することを包含する(例 えば、Cookseyら、(1993)前出を参照のこと)。 培養物のサンプルが取られ、そして発光についてアッセイされる。発光の測定 単位は、レポーター株の濃度の関数であり、これは次いで、試験組成物のアンタ ゴニスト活性を反映する。処理培養物と未処理培養物との比較によって、アンタ ゴニストの効力の測定単位が提供される。 a.培養物におけるレポーター株のアッセイ 培養物におけるレポーター株の検出は、以前に記載されている(Cookseyら(1 993)前出を参照のこと)。 一つの局面において、本発明は、化学発光レポーター株を検出する方法を提供 し、ここで、この方法は、緩衝液中に細胞を懸濁すること、基質を添加すること 、およびルミノメーターを用いて得られた発光を検出することを単に包含する、 。多くの適切な緩衝液が当業者に公知である。好ましい緩衝液は、100mMクエン 酸Na3(pH5.1)である。代表的には、基質は、サンプルと同じ緩衝液中で標準方 法に従って作製される。好ましい実施態様において、基質は、緩衝液(例えば、 100mMクエン酸Na3(pH5.1))中1mM溶液として作製される。多くのルミノメータ ーは、基質をサンプルに自動注入を提供することを含む。この場合、細胞は、ル ミノメーターに挿入され、そして直接読みとられる。 特に好ましい実施態様において、アッセイは、一つ以上の10μL培養物サンプ ルのを得ること、および不透明の96ウェルマイクロタイタープレートのウェル中 の各サンプルに90μLの緩衝液(好ましくは、100mMクエン酸Na3(pH5.1))を添 加して一つ以上の100μL試験サンプルを生成する、ことを含む。サンプルは、好 ましくは、96ウェルのマイクロタイタープレートルミノメーター(例えば、EG&G BertholdモデルLB96Pルミノメーター)において分析される。ルミノメータ ーは、100mMクエン酸Na3(pH5.1)中の1mM溶液として作製された100μLの基質を 注入する。ルミノメーターは、標準的な手順に従って操作する(例えば、モデル LB96Pルミノメーターは、15秒間の積分時間および0.5秒間のバックグラウンドサ ンプリングを伴って実行する)。これは、発光の測定単位を提供する。 RLU読み取りは、RLU/細胞として表現される、発光を生じる細胞数に対して標 準化される。細胞数を決定する手段は当業者には周知である。 b.組織ホモジネートにおけるレポーター株のアッセイ 高レベルでのレポーター遺伝子の産物を発現する細胞は、単純な組織ホモジネ ートにおいて検出され得る。 一般に、レポーター株のインビボ検出は、レポーター株を含むトランスジェニ ック動物からの生物学的サンプル(例えば、組織または器官)を得ることを含む 。生物学的サンプルは、導入遺伝子の結果としてのレポーター株を含み、サンプ ルにおけるレポーター株の定量は、動物における遺伝子の発現レベルの測定単位 である。サンプル(組織)は、当業者に公知の多数の手段のいずれか(例えば、 ブレンダー、組織粉砕器など)によって均質化される。組織は、好ましくは、緩 衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水pH7,4)中で均質化される。緩衝液は、 宿主細胞を溶解し得る非イオン性界面活性剤(例えば、Triton X-100)をさらに 含み得る。界面活性剤はまた、粘性を減少させ、そしてホモジネートの凝結を予 防する。 特に好ましい実施態様において、ホモジネートは、緩衝液/界面活性剤に対し て5%重量/組織容積に調整し、これを次いで0.5%(重量/容積)にアッセイ 緩衝液中に希釈する。界面活性剤は約1%で存在する。基質をサンプル溶液に添 加し、そして得られる発光を当業者に周知の多数の方法のいずれかにしたがって (最も好ましくはルミノメーターを用いる)定量化する。 好ましい実施態様において、ホモジネートは、96ウェルマイクロタイタープレ ート形式における発光についてアッセイされる。例えば、EG&G BertholdモデルL B96Pルミノメーターを利用するアッセイについて、10μLアリコートのホモジネ ートを、1%Triton X-100を含む90μLのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)7.4に 添加して、組織対緩衝液/界面活性剤に対する0.5%重量/容積のサンプル溶液を 作製する。アッセイは、緩衝液中の基質の1mM溶液(例えば、100mMクエン酸Na3 (pH5.1))100μLの中のサンプル溶液に添加される場合に開始される。モデルL B96Pに関して、読み取りは、15秒間の積分時間、0.5秒間のバックグラウンド測 定時間、および500RLU/秒のバックグラウンド警告レベルを用いて行う。 F.CD97 α発現を阻害する化合物を同定する方法 本発明はまた、CD97αサブユニット発現を阻害する化合物を同定するための方 法を提供する。本方法は、有効量のT細胞マイトジェンの存在下で、試験する化 合物を静止T細胞と接触させる工程を包含する。化合物を接触させる工程は、静 止T細胞を有効量のマイトジェンと接触させる前、後、またはそれと同時に行い 得る。T細胞マイトジェンは当該分野において公知であり、そしてフィトヘマグ ルチニン(PHA)、コンカナバリンA(ConA)、ホルボール12-ミリステート13-アセ テート(PMA)、およびアメリカヤマゴボウマイトジェン(PWM)を含む。 T細胞を、T細胞活性化を支持する細胞培養条件下で、化合物と接触させる。 T細胞活性化を支持する培養条件は、当該分野において公知であり、そして本明 細書中に開示される実施例において提供される。一般に、化合物は、少なくとも 1nM、より代表的には少なくとも10nM、好ましくは少なくとも100nM、より好ま しくは少なくとも1μM、最も好ましくは少なくとも10μMの濃度にて、そして頻 繁には少なくとも100μMの濃度にて存在する。 推定CD97αサブユニットについてのさらなる機能的アッセイは、血管新生に対 するその効果についてアッセイすることを含む。好ましいアッセイにおいて、推 定CD97αサブユニットおよび線維芽増殖因子(塩基性または酸性)を含む不溶性 のマトリクス(例えば、Matrigel)を、マウスに注射する。Passanitiら、Metho ds in Laboratory Investigation 67:519-528(1992)(本明細書中において参 考として援用される)。CD97αを、推定CDαサブユニットを欠くコントロールに 対する、血管新生を促進することにおける効果によって同定し得る。 さらなる機能的アッセイは、インテグリンαvβ3レセプターを保有する黒色腫 細胞(例えば、A2058細胞、ATCC番号CRL 11147)の存在下における推定CD97αサ ブユニットの使用を含む。Asnavoorianら、J.Cell.Biol.110:1427-1438(1990 )を参照のこと。CD97αの局在化濃度(例えば、1〜100mg/mL、好ましくは20〜5 0mg/mL)は、黒色腫細胞が、濃度勾配の濃度の高い方へを上方移動することを引 き起こす。 なお別の機能的アッセイにおいて、ウシ大動脈内皮細胞(BAEC)またはヒト大動 脈平滑筋細胞(HASM)上に可溶性CD97αサブユニットをおそらく含むサンプルの効 果を測定する。CD97αは、両方の細胞型の接着因子であることが見出されている 。手短には、CD97αサブユニットをおそらく含むサンプルを、96ウェルプレート のウェル上にコートする。細胞をプレートに添加し、そしてプレートを、細胞が 接着するに十分長く、37℃にてインキュベートする。洗浄後、残存する細胞の数 を、当該分野において周知の方法(MTTの転換、Crystal Violet染色、および蛍 光色 い)によって定量する。 可溶性CD97αはまた、HASMの走化性因子であることが見出されている。従って 、上記のアッセイに類似のアッセイにおいて、サンプルを含む濃度勾配における HASMの移動は、そのサンプルにおけるCD97αの存在を実証するために用いられる 。 本方法において、CD97αサブユニットのレベルをアッセイする。好ましい実施 態様において、アッセイされるCD97αサブユニットを、α1、α2、およびα3 からなる群から選択する。化合物を欠くコントロール(すなわち、ネガティブコ ントロール)と比較して増加または減少したレベルのCD97αサブユニットは、そ れぞれ、化合物がCD97α発現を増加または減少させるか否かを示す。一般に、CD 97α発現を増加または阻害する化合物は、コントロールの少なくとも2倍の発現 における変化、しばしばコントロールの少なくとも3倍の変化、好ましくはコン トロールの少なくとも4倍の変化を生じる。 CD97発現の変化についてアッセイする方法は、本発明の重要な局面ではない。 CD97のレベルは、CD97 mRNAに対する核酸プローブを用いる核酸アッセイによっ てアッセイされ得る。本発明のCD97α核酸ならびに核酸アッセイは、上記でより 十分に議論され、そして参照される。好ましい実施態様において、CD97のレベル は、CD97αサブユニットに特異的に反応性の抗体を用いてアッセイされる。CDα に特異的に反応性の抗体は、上記により十分に記載される。 G.可溶性CD97サブユニットアンタゴニストの高処理量スクリーニング 慣習的には、有用な特性を有する新規な化学物質は、いくつかの所望の特性ま たは活性を有する化学的化合物(「リード化合物」という)を同定すること、リ ード化合物の改変体を作製すること、およびその改変体の特性および活性を評価 することによって生成される。しかし、現在の傾向は、薬物発見のすべての局面 について、時間スケールを短くすることである。大量のものを迅速かつ効率的に 試験する能力のために、高処理量スクリーニング(HTS)方法は、従来のリード化 合物同定方法と置き換えられる。 1つの好ましい実施態様において、高処理量スクリーニング方法は、大数の潜 在的に治療的な化合物(候補化合物)を含むライブラリーを提供することを含む 。次いで、このような「コンビナトリアル化学ライブラリー」を、本明細書中に 記載のように1つ以上のアッセイにおいてスクリーニングし、所望の特徴的な活 性を示すライブラリーメンバー(特定の化学種またはサブクラス)を同定する。 このように同定された化合物は、従来の「リード化合物」として作用し得るか、 またはそれら自体が潜在的または実際の治療剤として使用され得る。 1.コンビナトリアル化学ライブラリー 最近、新規な化学的化合物リードの生成を補助するコンビナトリアル化学ライ ブラリーの使用に、注意が集中している。コンビナトリアル化学ライブラリーは 、多くの化学的「構築ブロック」(例えば、試薬)を組み合わせることによって 、化学合成または生物学的合成のいずれかによって生成される多様な化学化合物 の収集物である。例えば、ポリペプチドライブラリーのような線状コンビナトリ アル化学ライブラリーは、化学的構築ブロックと呼ばれるアミノ酸のセットを、 所定の化合物長(すなわち、ポリペプチド化合物におけるアミノ酸の数)につい てすべての可能な方法で組み合わせることによって形成される。数百万の化学的 化合物は、化学的構築ブロックのそのような組み合わせ混合を介して合成され得 る。例えば、ある解説者は、100個の交換可能な化学的構築ブロックの系統的な 組み 合わせ混合が、1億個の4量体化合物または100億個の5量体化合物の理論的合 成を生じることを観察した。 コンビナトリアル化学ライブラリーの調製およびスクリーニングは、当業者に 周知である。そのようなコンビナトリアル化学ライブラリーは、ペプチドライブ ラリー(例えば、米国特許第5,010,175号、Furka,Int.J.Pept.Prot.Res.3 7:487-493(1991)、Houghtonら、Nature 354:84-88(1991)を参照のこと)を含 むが、これに限定されない。ペプチド合成は、本発明に関する使用について想定 され、そして意図される唯一のアプローチでは決してない。化学的多様性ライブ ラリーを生成するための他の化学もまた使用され得る。そのような化学は、以下 を含むがこれらに限定されない:ペプトイド(PCT公開番号WO 91/19735,1991年 12月26日)、コードされたペプチド(PCT公開WO 93/20242、1993年10月14日)、 ランダムバイオオリゴマー(PCT公開WO 92/00091 1992年1月9日)、ベンゾジ アゼピン(米国特許第5,288,514号)、ヒダントイン、ベンゾジアゼピン、およ びジペプチドのようなダイバーソマー(diversomer)(Hobbsら、Proc.Nat.Ac ad.Sci.USA 90:6909-6913(1993))、ビニル性(vinylogous)ポリペプチド(Hagi haraら、J.Amer.Chem.Soc.114:6568(1992))、β-D-グルコース足場(scaffol ding)を有する非ペプチド性ペプチド模倣物(Hirschmannら、J.Amer.Chem.Soc .114:9217-9218(1992))、小化合物ライブラリーの類似有機合成(Chenら、J.Am er.Chem.Soc.116:2661(1994))、オリゴカルバメート(Choら、Science 261:13 03(1993))、および/またはペプチジルホスホネート(Campbellら、J.Org.Chem .59:658(1994))。一般的に、Gordonら、J.Med.Chem.37:1385(1994)、核酸ラ イブラリー、ペプチド核酸ライブラリー(例えば、米国特許第5,539,083号を参 照のこと)、抗体ライブラリー(例えば、Vanghnら、Nature Biotechnology 14(3 ):309-314(1996)およびPCT/US96/10287を参照のこと)、炭水化物ライブラリー( 例えば、Liangら、Science 274:1520-1522(1996)および米国特許第5,593,853号 を参照のこと)、および有機低分子ライブラリー(例えば、ベンゾジアゼピン、 Baum,C&EN、1993年1月18日(33頁)、イソプレノイド米国特許第5,569,588号、 チアゾリジノンおよびメタチアザノン米国特許第5,549,974号、ピロリジン米国 特許第5,525,735号および同第5,519,134号、モルホリ ノ化合物米国特許第5,506,337号、ベンゾジアゼピン同第5,288,514号などを参照 のこと)を参照のこと。 コンビナトリアルライブラリーの調製のためのデバイスは、市販されている( 例えば、357MPS、390MPS、Advanced Chem Tech,Louisville KY,Symphony,Rai nin,Woburn,MA,433A Applied Biosystems,Foster City,CA,9050 Plus,Mi llipore,Bedford,MAを参照のこと)。 多くの周知のロボットシステムもまた、液相化学のために開発されている。こ れらのシステムは、Takeda Chemical Industries,LTD.(Osaka,Japan)によっ て開発された自動化合成装置のような自動化ワークステーション、および化学者 によって実施される手動合成操作を模倣するロボットアームを利用する多くのロ ボットシステム(Zymate II,Zymark Corporation,Hopkinton,Mass.;Orca,Hew lett-Packard,Palo Alto,Calif.)を含む。任意の上記のデバイスは、本発明に 関する使用のために適切である。デバイスが本明細書中で考察されように作動し 得るような、これらのデバイス(もしあるならば)に対する改変の性質および実 施は、当業者に明らかである。さらに、多くのコンビナトリアルライブラリーは 、それら自体市販される(例えば、ComGenex,Princeton,N.J.,Asinex,Mosco w,Ru,Tripos,Inc.,St.Louis,MO,ChemStar,Ltd,Moscow,RU,3D Pharma ceuticals,Exton,PA,Martek Biosciences,Columbia,MDなどを参照のこと) 。 2.化学的ライブラリーの高処理量アッセイ 本明細書中に記載のCD97アンタゴニストの任意のアッセイは、高処理量スクリ ーニングに従う。上記のように、可溶性CD97をコードする核酸が同定されれば、 有望な薬物候補は、遺伝子産物の発現を阻害するか、または発現されたタンパク 質の活性を阻害するかのいずれかである。従って、好ましいアッセイは、試験化 合物による転写の阻害(すなわち、mRNA産生の阻害)、試験化合物によるタンパ ク質発現の阻害、または試験化合物による遺伝子(例えば、gDNAまたはcDNA)も しくは遺伝子産物(例えば、mRNAまたは発現されたタンパク質)に対する結合を 検出する。あるいは、アッセイは、遺伝子産物の特徴的活性の阻害、あるいは遺 伝子産物と相互作用するレセプターもしくは他の伝達分子の阻害またはそれへの 結合を検出し得る。 特定の核酸もしくはタンパク質産物の存在、非存在、または定量についての高 処理量アッセイは、当業者に周知である。同様に、結合アッセイは、同様に周知 である。従って、例えば、米国特許第5,559,410号は、タンパク質についての高 処理量スクリーニング法を開示し、米国特許第5,585,639号は、(すなわち、ア レイにおける)核酸結合についての高処理量スクリーニング法を開示するが、米 国特許第5,576,220号および同第5,541,061号は、リガンド/抗体結合についての スクリーニングの高処理量方法を開示する。 さらに、高処理量スクリーニングシステムは市販される(例えば、Zymark Cor p.,Hopkinton,MA;Air Technical Industries,Mentor,OH;Beckman Instrumen ts,Inc.Fullerton,CA;Precision Systems,Inc.,Natick,MA,などを参照の こと)。これらのシステムは、代表的には、すべてのサンプルおよび試薬のピペ ッティング、液体分配、時間の決められたインキュベーション、およびアッセイ に適切な検出器におけるマイクロプレートの最終的な読み取りを含む全手順を自 動化する。これらの構成可能(configurable)システムは、高処理量および迅速な スタートアップ、ならびに高程度の融通性およびカスタム化を提供する。そのよ うなシステムの製造は、種々の高処理量の詳細なプロトコルを提供する。従って 、例えば、Zymark Corp.は、遺伝子転写、リガンド結合などの調整を検出する ためのスクリーニングシステムを記載する技術的な説明書(bulletin)を提供する 。 IX.炎症、アテローム性動脈硬化症、および血管新生を阻害する方法 CD97αサブユニットは、炎症およびアテローム性動脈硬化症の樹立および維持 において作用する。CD97αサブユニットはまた、血管新生の開始において作用す る。従って、本発明は、炎症の誘導および維持における促進および妨害のための 方法を提供する。本発明はまた、排他的ではなく一般に慢性炎症と関連するが、 血管新生を開始または阻害するための方法を提供する。さらに、本発明は、アテ ローム性動脈硬化症を改善するための方法を提供する。CD97αまたはβサブユニ ットの発現を阻害すること、CD97αまたはβサブユニットを(例えば、抗体に結 合することによって)機能的に不活化すること、または機能的に不活性なCD97α サブユニットアンタゴニストを使用することは、内因性CD97機能を調整するため に使用され得る。 A.血管新生の阻害 血管新生を阻害するための好ましい方法は、治療的に有効な量のCD97サブユニ ットアンタゴニストを投与する工程を包含し、ここでCD97サブユニットは、α1 、α2、α3、およびβからなる群から選択される。CD97サブユニットは、上記 でより十分に考察される。CD97アンタゴニストは、CD97アンチセンス核酸、抗CD 97抗体、およびデコイCD97αからなる群から選択され、ここでデコイCD97αは、 Arg-Gly-Asp(配列番号7)モチーフ内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有す る。好ましい実施態様において、グルタミン酸は、アスパラギン酸を置換する。 一般に、血管新生は、例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、脈 管炎(例えば、側頭動脈炎)、サルコイドーシス、限局性腸炎、および組織損傷 (例えば、骨折)のような傷害を含む慢性炎症と関連する。 B.炎症の阻害 本発明は、哺乳動物におけるCD97関連炎症を阻害する方法を提供する。本方法 は、治療的に有効な量のCD97サブユニットアンタゴニストを投与する工程を包含 し、ここでCD97サブユニットは、α1、α2、α3、およびβからなる群から選 択される。CD97サブユニットは、上記でより十分に考察される。CD97アンタゴニ ストは、CD97アンチセンス核酸、抗CD97抗体、およびデコイCD97αからなる群か ら選択され、ここでデコイCD97αは、Arg-Gly-Aspモチーフ(配列番号7)内に 少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。好ましい実施態様において、グルタミ ン酸は、アスパラギン酸を置換する。 C.アテローム性動脈硬化症の阻害 本発明は、哺乳動物におけるCD97関連アテローム性動脈硬化症を阻害する方法 を提供する。本方法は、治療的に有効な量のCD97サブユニットアンタゴニストを 投与する工程を包含し、ここでCD97サブユニットは、α1、α2、α3、および βからなる群から選択される。CD97サブユニットは、上記により十分に考察され る。CD97アンタゴニストは、CD97アンチセンス核酸、抗CD97抗体、およびデコイ CD97αからなる群から選択され、ここでデコイCD97αは、Arg-Gly-Aspモチーフ (配列番号7)内に少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。好ましい実施態様 において、グルタミン酸は、アスパラギン酸を置換する。 D.薬学的組成物および投与方法 本発明の治療的に有効な量のCD97アンタゴニストを含む処方物は、滅菌液体溶 液、液体懸濁液、または凍結乾燥した型のいずれかであり、そして必要に応じて 安定化剤または賦形剤を含む。凍結乾燥した組成物は、適切な希釈剤(例えば、 注射用蒸留水、生理食塩水、0.3%グリシンなど)で再構築される。組成物はさ らに、生理学的条件(例えば、pH調整および緩衝化剤、毒性調整剤など(例えば 、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなど))に 近づけるため必要とされるような、薬学的に受容可能な補助物質を含む。投与可 能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知または明らかであり、 そしてREMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCE,第19版、Mack Publishing Compan y,Easton,Pennsylvania(1995)のような刊行物においてより詳細に記載されて いる。 投与のための組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、好ましくは水性キャリ アに溶解される、本発明のCD97アンタゴニストの溶液を共通に含む。種々の水性 キャリア(例えば、緩衝化生理食塩水など)が使用される。これらの溶液は無菌 であり、一般に、望ましくない物を含まない。これらの組成物は、従来の周知の 技術によって滅菌される。 当業者によって容易に理解されるように、用量は、使用される特定のCD97アン タゴニストの特性(例えば、その活性および生物学的半減期)、処方物中のCD97 アンタゴニストの濃度、投与の部位および速度、関連する患者の臨床的寛容、患 者の罹患する疾患、疾患の重篤度などに依存する。 1.CD97 アンタゴニストの送達 タンパク質ベースCD97アンタゴニストは、天然のCD97αと競争し、それによっ て阻害する不活性なCD97α変異体(デコイタンパク質)を含む。同様に、抗CD97 抗体は、CD97機能を妨害するために使用され得る。タンパク質ベースCD97アンタ ゴニストは、罹患した領域の立方センチメートルあたり約10.0mg〜100mgの範囲 の治療的に有効な用量で局所的または非経口的に投与される。核酸ベースである CD97アンタゴニスト(すなわち、アンチセンス化合物)は、約0.25〜25ナノモル の範囲の治療的に有効な用量で局所的または非経口的に投与され得る。好ましい 実施態様において、アンチセンス化合物は、0.25〜25ナノモル/時間最も好まし くは2.5ナノモル/時間の速度にて、ミクロ浸透圧性ポンプを用いて皮下に投与 される。CD97アンタゴニストの用量は、罹患した領域のサイズ、疾患の重篤度、 投与される特定のCD97アンタゴニストの能力に依存する。タンパク質ベースCD97 アンタゴニストの非経口処方物は、連続的静脈内注入として、または静脈内(i.v .)、筋肉内(i.m.)、または皮下(s.c.)注射として投与され得る。局所投与された CD97アンタゴニストは、遊離タンパク質としてまたは制御された送達系の一部と して送達され得る。 送達の1つの局面において、mRNAの少なくとも7ヌクレオチドに相補的なC-5 プロピン誘導体化オリゴヌクレオチドが、アンチセンス適用に使用される。Wagn erら、Nature Biotech.14(7):840-844(1996)(本明細書中で参考として援用さ れる)を参照のこと。7マーが細胞内の異なるメッセージの数に相補的であるこ とが統計学的に予想される一方、標的部位のほんの小さいサブセットが、二次お よび三次構造における差異のためにアクセス可能である。二次構造を決定するた めのコンピューターアルゴリズムは、当該分野で公知である。例えば、Jaegerら 、Science 244:48-52(1989)を参照のこと。同様に、CD97サブユニットに相補的 な少なくとも7ヌクレオチド長の候補C-5プロピン誘導体化ヌクレオチドは、CD9 7アンタゴニストとして使用される。これらのアンタゴニストは、まず最初にCD9 7 mRNAの領域への接近可能性について、mRNA二次構造のコンピューターモデルを 使用して選択される。少なくとも17ヌクレオチド長の非誘導体化オリゴヌクレオ チドがまた使用される。あるいは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、CD97核 酸配列またはサブ配列を、プロモーターに逆方向に作動可能に連結することによ ってインビボで発現される。核酸のトランスフェクションは、標準的な遺伝子導 入法:物理的(例えば、エレクトロポレーション、直接遺伝子移入、および微粒 子銃)、化学的(例えば、プロテイノイド、マイクロエマルジョン、およびリポ ソーム)、および生物学的(例えば、ウイルス由来のベクターおよびレセプター 媒介取り込み)を使用して達成される。 例えば、Curielおよび共同研究者らは、欠損アデノウイルス変異体に連結した ポリLリジンまたはポリLリジントランスフェリンに静電的に結合した裸のプラ スミドDNAが、90%に近いトランスフェクション効率で細胞に送達され得ること を実証した。アデノウイルスポリLリジンDNA結合体は、正常なアデノウイルス レセプターに結合し、そしてレセプター媒介エンドサイトーシスによって引き続 き内部移行される。このアプローチは、遺伝子治療ベクターの発現の1000倍の増 加を得るために使用されている。ヘルペスウイルスは、類似の特性を有する。Cu rielら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 88:8850-8854(1991);Cottenら、Proc.Na t'l.Acad.Sci.USA 89:6094-6098(1992);Curielら、Hum.Gene Ther.3:147-1 54(1992);Wagnerら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 89:6099-6103(1992);Micheal ら、J.Biol.Chem.268:6866-6869(1993);Curielら、Am.J.Respir.Cell Mol .Biol.6:247-252(1992);Harrisら、Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.9:441-4 47(1993);Gaoら、Hum.Gene Ther.4:17-24(1993);および米国特許第5,547,932 号;同第5,521,291号。 送達のさらなる局面において、本発明のCD97アンタゴニストの徐放非経口処方 物は、移植物、油性注入物、または粒子系として作製される。タンパク質送達系 の広範な概説については、Banga、THERAPEUTIC PEPTIDES AND PROTEINS:FORMULA TION,PROCESSING,AND DELIVERY SYSTEMS,Technomic Publishing Company,In c.Lancaster,PA(1995)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。 粒子系には、ミクロスフェア、微小粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナ ノスフェア、およびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中核として治療 的タンパク質を含有する。ミクロスフェアにおいて、治療剤は粒子全体に分散さ れる。約1μmより小さい粒子、ミクロスフェア、およびマイクロカプセルは、 それぞれ一般にナノ粒子、ナノスフェア、およびナノカプセルと呼ばれる。ナノ 粒子を静脈内に送達するのに使用する毛細管は、約5μmの直径を有する。微小 粒子は、代表的には直径が100μmであり、そして皮下でまたは筋肉内に投与され る。例えば、Kreuter,「Nanoparticles」COLLOIDAL DRUG DELIVERY SYSTEMS,K reuter編、Marcel Dekker,Inc.,New York,NY,219-342頁(1994);TicsおよびT abibi、「Parenteral Drug Delivery:Injectibles」TREATISE ON CONTROLLED DR UG DELIVERY,Kydonieus編、Marcel Dekker,Inc.New York,NY,315-339頁(19 92)(両方が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。治療的タンパ ク質の制御された送達のための多くの系が公知である。例えば、米国特許第5,05 5,303号、同第5,188,837号、同第4,235,871号、同第4,501,728号、同第4,837,02 8号、同第4,957,735号、および同第5,019,369号、同第5,055,303号;同第5,514, 670号;同第5,413,797号;同第5,268,164号;同第5,004,697号;同第4,902,505 号;同第5,506,206号;同第5,271,961号;同第5,254,342号、および同第5,534,4 96号(これらの各々が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。 制御されたCD97アンタゴニストとして使用されるポリマーは、一般に生体適合 性である。制御された薬物送達における使用のための種々の分解性および非分解 性のポリマーマトリクスが、当該分野で公知である。Langer,Accounts Chem.R es.26:537-542(1993)。例えば、ブロックコポリマーであるポロキサマー(pola xamer)407は、低温で可動性の粘稠性として存在するが、体温では半固体のゲル を形成する。これは、組換えインターロイキン2およびウレアーゼの処方および 持続送達のための効率的なビヒクルであることを示している。Johnstonら、Phar m.Res.9:425-434(1992);Pecら、J.Parent.Sci.Tech.44(2):58-65(1990)。 ヒドロキシアパタイトはまた、タンパク質の徐放のためのマイクロキャリアとし て使用され得る。Ijntemaら、Int.J.Pharm.112:215-224(1994)。リポソーム は、捕捉された薬物の徐放および薬物標的化のために使用され得る。Betageriら 「Targeting of Liposomes」LIPOSOME DRUG DELIVERY SYSTEMS,Technomic Publ ishing Co.,Inc.,Lancaster,PA(1993)。米国特許第4,235,871号、同第4,501, 728号、同第4,837,028号、同第4,957,735号、および同第5,019,369号(これらの 各々が本明細書中で参考として援用される)もまた参照のこと。 好ましくは、投薬量は、一度に投与されるが、治療結果が達成されるか、また は副作用が治療の中止を認めるまでかのいずれかまで定期的に適用され得る。一 般に、用量は、疾患の症状または徴候を、受容可能でない毒性を患者に対して生 成することなく処置または軽減するのに十分であるべきである。化合物の有効量 は、自覚症状の軽減、または臨床医もしくは他の資格を有した観察者によって認 められる客観的に同定可能な改善のいずれかを提供する量である。 本発明のCD97アンタゴニストを含む溶液は、代表的にはpH5〜9.5の範囲のpHを 有する。CD97アンタゴニスト溶液の緩衝液塩は、代表的には、リン酸塩、トリス (ヒドロキシメチル)アミノメタン-HCl、生理食塩水、またはクエン酸塩などで ある。緩衝液濃度は、代表的には、1〜100mMの範囲である。CD97アンタゴニス ト溶液は、50〜150mMの濃度の塩化ナトリウムまたは塩化カリウムのような塩を さらに含む。アルブミン、グロブリン、ゼラチン、プロタミン、またはプロタミ ンの塩のような安定化剤の有効量はまた、本発明のCD97アンタゴニストを含む溶 液に含まれ得る。 X.細胞トランスフェクションおよび遺伝子治療 本発明は、インビトロおよびインビボでの細胞のトランスフェクションのため の、パッケージング可能なCD97サブユニット核酸(cDNA)(前出)を提供する。こ れらのパッケージング可能な核酸は、以下に記載する標的細胞および生物のトラ ンスフェクションのための任意の数の周知のベクター中に挿入される。核酸は、 ベクターと標的細胞との相互作用を介して、エキソビボでまたはインビボで細胞 にトランスフェクトされる。CD97サブユニット核酸は、プロモーターに逆方向に 作動可能に連結され、次いでCD97アンチセンスmRNAを発現し、それによりCD97過 剰発現の効果を緩和する。CD97サブユニット核酸は、17〜25の整数のヌクレオチ ド長のいずれかである。本発明の核酸は、前出により完全に議論される。遺伝子 治療手順の総説については、Anderson,Science 256:808-813(1992);Nabelおよ びFelgner,TIBTECH 11:211-217(1993);MitaniおよびCaskey,TIBTECH 11:162-1 66(1993);Dillon,TIBTECH 11:167-175(1993);Miller,Nature 357:455-460 (1992);Van Brunt,Biotechnology 6(10):1149-1154(1988);Vigne,Restorative Neurology and Neuroscience 8:35-36(1995);KremerおよびPerricaudet,Briti sh Medical Bulletin 51(1):31-44(1995);Haddadaら、CURRENT TOPICS IN M eidelberg Germany(1995);およびYuら、Gene Therapy 1:13-26(1994)を参照のこ と。 遺伝子または遺伝物質の細胞中への送達は、遺伝子治療の第一の工程である。 多数の送達方法が当業者に周知である。このような方法には、例えば、リポソー ムに基づく遺伝子送達(DebsおよびZhu,WO93/24640(1993);ManninoおよびGould- Fogerite,BioTechniques 6(7):682-691(1988);Rose、米国特許第5,279,833号; Brigham,WO91/06309(1991);およびFelgnerら、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 8 4:7413-7414(1987))、ならびに治療的ポリヌクレオチド配列をレトロウイルスゲ ノムの一部として保有する複製欠損レトロウイルスベクター(例えば、Millerら 、Mol.Cell Biol.10:4239(1990);Kolberg,J.NIH Res.4:43(1992)、およびCorn ettaら、Hum.Gene Ther.2:215(1991)を参照のこと)が含まれる。広範に使用 されるレトロウイルスベクターには、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル 白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HI V)、およびこれらの組み合わせが含まれる。例えば、Buchscherら、J.Virol.6 6(5):2731-2739(1992);Johannら、J.Virol.66(5):1635-1640(1992);Sommerfel tら、Virol.176:58-59(1990);Wilsonら、J.Virol.63:2374-2378(1989);Mille rら、J.Virol.65:2220-2224(1991);Wong-Staalら、PCT/US94/05700、ならびに RosenburgおよびFauci,FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY,第3版,Paul(編)、Raven Press,Ltd.,New York(1993)、およびその中の参考文献、ならびにYuら(前出 )を参照のこと。 トリアデノウイルス(AAV)に基づくベクターもまた、標的核酸で細胞を形質 導入するために、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ産生において、なら びにインビボおよびエキソビボの遺伝子治療手順において使用される。Westら、 Virology 160:38-47(1987);Carterら、米国特許第4,797,368号(1989);Carterら 、WO93/24641(1993);Kotin,Hum.Gene Ther.5:793-801(1994);Muzyczka, J.Clin.Invest.94:1351(1994)、およびAAVベクターの概説についてはSamulsk i(前出)を参照のこと。組換えAAVベクターの構築は、Lebkowski、米国特許第5 ,173,414号;Tratschinら、Mol.Cell.Blol.5(11):3251-3260(1985);Tratschi nら、Mol.Cell.Biol.4:2072-2081(1984);HermonatおよびMuzyczka,Proc.Na t'l.Acad.Scl.USA 81:6466-6470(1984);Samulskiら、J.Virol.63:03822-38 28(1989);およびMcLaughlinら(1988)を含む多くの刊行物に記載される。組換えA AVによってトランスフェクトされ得る細胞株には、Lebkowskiら、Mol.Cell.Bi ol.8:3988-3996(1988)に記載されるものが含まれる。 A.細胞のエキソビボトランスフェクション 診断、研究、または遺伝子治療(例えば、トランスフェクトされた細胞の宿主 生物への再注入による)のためのエキソビボ細胞トランスフェクションは、当該 分野で周知である。好ましい実施態様において、細胞は、被験体生物から単離さ れ、CD97アンチセンス核酸(遺伝子またはcDNA)でトランスフェクトされ、そし て被験体生物(例えば、患者)に再注入して戻される。エキソビボトランスフェ クションに適した種々の細胞型は、当業者に周知である(患者から、細胞を単離 しそして培養する方法の議論については、例えば、Freshneyら、CULTURE OF ANI MAL CELLS,A MANUAL OF BASIC TECHNIQUE、第3版、Wiley-Liss,New York(199 4)およびその中での引用文献を参照のこと)。 上記のように、好ましい実施態様において、CD97アンチセンスをコードするパ ッケージング可能な核酸は、活性化または構成的プロモーターの制御下にある。 トランスフェクトされた細胞は、CD97の過剰発現から生じる効果を緩和する機能 的CD97アンチセンス核酸を発現する。 1つの特定の好ましい実施態様において、幹細胞は、細胞のトランスフェクシ ョンおよび遺伝子治療のためのエキソビボ手順において使用される。幹細胞を使 用する利点は、それらが他の細胞型にインビトロで分化するように導入され得る か、または哺乳動物(例えば、細胞のドナー)(そこで骨髄に移植する)に導入 され得ることである。GM-CSF、IFN-γ、およびTNF-αのようなサイトカインを使 用して、CD34+細胞をインビトロで、臨床的に重要な免疫細胞型中に分化させる ための方法は公知である(Inabaら、J.Exp.Med.176:1693-1702(1992)を参照 のこと)。 幹細胞は、公知の方法を使用する形質導入および分化のために単離される。例 えば、マウスにおいて、骨髄細胞は、マウスを屠殺し、そして足の骨をハサミで 切断することによって単離される。幹細胞は、骨髄細胞から、所望でない細胞( 例えば、CD4+およびCD8+(T細胞)、CD45+(panB細胞)、GR-1(顆粒球)、およびIad( 分化した抗原提示細胞))に結合する抗体で骨髄細胞を選別することによって単 離される。このプロトコルの例については、Inabaら、J.Exp.Med.176:1693-1 702(1992)を参照のこと。ヒトにおいて、骨髄吸入は、代表的には後方腸骨およ び稜からである。 あるいは、造血幹細胞は、胎児の臍帯血から単離される。Yuら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 92:699-703(1995)は、ヒト胎児臍帯血由来のCD34+細胞を、レト ロウイルスベクターを使用して形質導入する好ましい方法を記載する。 B.インビボトランスフェクション エキソビボ技術に加えて、治療的核酸を含有するベクター(例えば、レトロウ イルス、アデノウイルス、リポソームなど)は、インビボでの細胞の形質導入の ために生物に直接投与される。投与は、血液または組織細胞との最終的な接触に 、分子を導入するために通常使用される任意の経路によってである。パッケージ された核酸は、任意の適切な様式で、好ましくは薬学的に受容可能なキャリアと ともに投与される。このようなパッケージされた核酸を投与する適切な方法は、 当業者に利用可能であり、そして周知であるが、1つ以上の経路が特定の組成物 を投与するために使用され得、特定の経路は、しばしば他の経路より迅速かつよ り効果的な反応を提供する。 薬学的に受容可能なキャリアは、投与される特定の組成物によって、および組 成物を投与する特定の方法によって部分的に決定される。従って、本発明の薬学 的組成物の広範な種々の適切な処方物が存在する。 経口投与に適切な処方物は、液体溶液(例えば、水、生理食塩水、またはPEG4 00のような希釈剤中に懸濁された有効量のパッケージされた核酸);カプセル、 香粉(sachet)、または錠剤(これらの各々が予め決定された量の主成分を、液体 、固体、顆粒、またはゼラチンとして含有する);適切な液体中の懸濁液;およ び適切なエマルジョンを含む。錠剤形態には、1つ以上の以下のものが含まれる :ラクトース;スクロース;マンニトール;ソルビトールカルシウムリン酸塩; コーンスターチ;ジャガイモデンプン;トラガカント;微結晶セルロース;アカ シア;ゼラチン;コロイド状シリコンジオキシド;クロスカルメロースナトリウ ム(croscarmellose sodium);タルク;ステアリン酸マグネシウム;ステアリ ン酸;および他の賦形剤;着色料;賦形剤;結合材;賦形剤;緩衝液剤;湿潤剤 (moistening agent);保存剤;香料;色素;崩壊剤;ならびに薬学的に適合性の キャリア。ロゼンジ形態は、主成分を香味(通常、スクロースおよびアカシアま たはトラガカント)中に、および主成分を不活性なベース(例えば、ゼラチンお よびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアエマルジョン、ゲルなど)に含 み、主成分に加えて当該分野で公知のキャリアを含有する香錠を含み得る。 別の実施態様において、パッケージされた核酸が、単独でかまたは他の適切な 組成物と組み合わせて、吸入によって投与されるエアロゾル処方物(すなわち、 噴霧された)に作製される。好ましくは、エアロゾル処方物は、加圧された受容 可能な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素など)中に 置かれる。 直腸投与のための適切な処方物には、例えば、坐剤(これは、パッケージされ た核酸および座剤ベースからなる)を含む。適切な座剤ベースには、天然または 合成のトリグリセリドまたはパラフィン炭化水素が含まれる。さらに、パッケー ジングされた核酸とベース(例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコ ール、およびパラフィン炭化水素を含む)との組み合わせからなるゼラチン直腸 カプセルを使用することも可能である。 非経口投与(例えば、関節内、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下の 経路)のための適切な処方物には、水性および非水性の、等張性滅菌注射溶液( 抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、および処方物を意図されるレシピエントの血液と等 張性にする溶液が含まれ得る)、ならびに水性および非水性の滅菌懸濁液(懸 濁剤、可溶化剤、濃化剤、安定剤、および保存剤が含まれ得る)が含まれる。本 発明の実施において、組成物は、例えば、静脈内注入、経口、局所、腹腔内、膀 胱内、またはくも膜下内で投与される。非経口投与および静脈内投与は、投与の 好ましい方法である。パッケージされた核酸の処方物は、必要に応じて、単位用 量または複数用量の密封された容器(例えば、アンプルおよびバイアル)中にて 与えられる。 なお別の実施態様において、注入溶液および懸濁液は、以前に記載された種類 の滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製される。エキソビボ治療の状況で上記の ようにパッケージされた核酸によって形質導入された細胞はまた、上記のように 静脈内または非経口的に投与される。 患者に投与される用量は、本発明の状況において、有利な治療応答を患者に経 時的にもたらすのに十分である。用量は、使用される特定のベクターの効率およ び患者の状態、ならびに処置されるべき患者の体重および体表面積によって決定 される。用量のサイズはまた、特定のベクターの投与にともなう任意の有害な副 作用の存在、性質、および程度、または特定の患者において形質導入された細胞 型によって決定される。 CD97の減少または異常な発現による、状態の処置または予防において投与され るベクターの有効量の決定において、医師は、ベクターの循環血漿レベル、ベク ター毒性、疾患の進行、および抗ベクター抗体の産生を評価する。一般には、ベ クター由来の裸の核酸に等価な用量は、代表的な70キログラムの患者について、 約1μg〜100μgであり、そしてレトロウイルス粒子を含むベクターの用量は、 治療用核酸に等価な用量を生じるように算出される。 投与のために、本発明のインヒビターおよび形質導入された細胞は、患者の体 重および全身的な健康に適用される場合、インヒビター、ベクター、または形質 導入された細胞型のLD-50、ならびに種々の濃度でのインヒビター、ベクター、 または細胞型の副作用によって決定される速度で、投与される。投与は単一また は分割した用量で達成される。 好ましい実施態様において、注入の前に、分析のために血液サンプルを採取し 、そして保存する。108と1012の間の形質導細胞は、60〜200分にわたって静注さ れ る。パルス酸素測定による生命兆候および酸素飽和は、密接にモニターされる。 血液サンプルは、注入の5分後および1時間後に得られ、そして後続の分析のた めに保存される。必要であれば、白血球減少症、形質移入、および再注入は2ヶ 月毎または3ヶ月に毎繰り返される。最初の処置の後、注入は、臨床医の意志に 基づいて外来患者に行われる。再注入が外来患者に与えられる場合、参加者は、 治療後少なくとも4時間、好ましくは8時間モニターされる。 形質移入細胞は、確立された方法に従って再注入されるために調製される。Ab rahamsenら、J.Clin.Apheresis 6:48-53(1991);Carterら、J.Clin.Apheres is,4:113-117(1988);Aebersoldら、J.Immunol.Meth.112:1-7(1988);Muul ら、J.Immunol.Meth.101:171-181(1987);およびCarterら、Transfusion 27: 362-365(1987)を参照のこと。培養の約2〜4週間の期間の後、細胞は108と1012 との間の数である。この点において、細胞の増殖特徴は、患者から患者、そして 細胞型から細胞型で変化する。形質導入細胞の再注入の約72時間前に、表現型の 分析および治療剤を発現している細胞の割合のために1つのアリコートを取り出 す。 本発明は、理解を明瞭にするために、例示および例の目的でいくつかの詳細に 記載されているが、特定の変更および改変が、添付の請求の範囲の範囲内で実施 され得ることが明らかである。 実施例実施例1 実施例1はCD97の中間体イソ型(α2β)のクローニングを教示する。 800bpのcDNAフラグメント(pAT 276)をマイトジェン誘導遺伝子について富化 されたT細胞ライブラリーからクローン化した(Zipfelら、Mol.Cell.Biol.9 :1041-1048(1989))。T細胞のマイトジェン活性化後のpAT276 mRNAの誘導は、 ノーザンブロット分析によって確かめられた。pAT 276を32Pで標識し、そしてラ ンダムにプライムされたcDNAライブラリー(PHAおよびPMAで6時間刺激された末 梢血T細胞(PBT)から構築した)をスクリーニングするための相同なプローブ として使用した。1つの全長3.3kb cDNAを含むいくつかのオーバーラップしたク gene)中にサブクローニングした。ヌクレオチド配列を、GCGパッケージのプロ グラム(Genetics Computer Group,University of Wisconsin)を使用して分析 した。 全長クローンpAT276からの推定ポリペプチド配列は786アミノ酸長であること が判明し、そしてこれは、タンパク質のカルボキシル末端(third)において、 7つの疎水性残基の伸展に加えて疎水性リーダー配列を含んだ。これはヘテロ三 量体Gタンパク質に結合する膜レセプターの特徴である。さらに、4つのEGF様 反復およびいくつかの潜在的なAsn連結グリコシル化部位を含む約50kDの大きな 細胞外ドメインもまた存在した。 全長pAT276(配列番号8)によってコードされたタンパク質(配列番号6)は 図1に示される。図1はCD97の3つのイソ型の構造を示す。7回膜貫通ドメイン に下線を付し;シグナル配列に下線を付し、かつイタリックで記す;RGD配列を 囲み;EFG様反復を囲み、およびより大きなイソ型に含まれる反復に陰を付け、 潜在的なN結合グリコシル化部位を菱形で囲む。 全長pAT276は、細胞外ループ1および2における保存的システイン、ならびに セリンおよびスレオニンリッチな細胞質テールを普遍的に含み、そして推定パル ミトイル化部位を含む7TM(7回膜貫通)タンパク質の全ての特徴を示した(O'D owdら、J.Biol.Chem.264:7564-7569(1989);Ovchinnikovら、FEBS Lett.230 :1-5(1988);Palczewski & Benovic,Trends Biochem.Sci.16:387-391(1991) )。pAT276に関するタンパク質についてのデーターベース検索により、pAT276は 大きな細胞外ドメインを有する4つのタンパク質の進化的に保存されたファミリ ー、および7TMタンパク質のサブファミリーを規定する独特の関連する配列の一 部であることが判明した。pAT276タンパク質は、EMR1(Baudら、Genomics 26:33 4-344(1995)(これは、EGF様反復を含むアミノ末端ドメインにおけるpAT276タン パク質に約40%同一であり、そしてカルボキシル末端7TM領域において約45%同 一の機能未知の広範に発現されるタンパク質である)に最も密接に関連する)。 両タンパク質は、EGF様ドメインと7TMドメインとの間の領域においてセリン/ス レオニンリッチであるが、それらはその領域において約20%のみの同一性 を示す。pAT276タンパク質の7TMドメインはまた、2つの推定C.elegansタンパ ク質、B0286.2およびB0457.1の機能未知の7TM領域(これは、その生物において ゲノム配列決定された部分として同定された)に約35%同一である。B0286.2お よびB0457.1の推定細胞外ドメインは、pAT276タンパク質に下線を付す。 pAT276、EMR1、B0286.2、およびB0457.1によってコードされる7TM領域は、7TM レセプターのグルカゴンレセプターファミリーに最も密接に関連するサブファミ リーを規定するようである。これらは7TMレセプターのグルカゴン/セクレチン レセプターファミリーのメンバーと、18〜28%の間の同一性を示す。膜貫通領域 において最も明らかであるグルカゴンファミリーのコンセンサスは、グルカゴン ファミリーの少なくとも10/11メンバーにおける保存に基づいて由来している(Ba udら、genomics 26:334-344(1995);Lokら、Gene 140:203-209(1994))。pAT27 6は、4番目の膜貫通領域においてのみグルカゴンファミリーコンセンサスの保 存を示し、そしてEMR1、B0286.2、およびB0457.1は、グルカゴンファミリーコン センサスの完全でない保存のパターンを同様に示した。タンパク質pAT276、EMR1 、B0286.2、およびB0457.1は、それらの間で、グルカゴンレセプターファミリー メンバーに保存されていない同一性を示すといういくつかの例がある。 図2は、CD97、EMR1、およびフィブリンにおける保存されたモチーフの比較を 示す。全長pAT276によってコードされる5つのEGF様反復は、EMR1におけるEGF様 反復、ならびにフィブリンにおけるEGF様反復と相関する。pAT276およびEMR1の 最初の反復は、タンパク質内の他の反復と比較して、最も相違する(Baudら、Ge nomics 26:334-344(1995))。CD97、EMR1、およびフィブリンのEGF様反復のコン センサス配列内には、Asp/Asn b-ヒドロキシル化モチーフが含まれ、これは、Ca2+ 結合を増強すると考えられている(Selander-Sunnerhagenら、J.Biol.Chem .267:19642-19649(1992);Stenfloら、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 84:368-37 2(1987))。CD97において、EGF様反復の終わりと318位での最初の膜貫通配列と の間のほぼ真ん中は、Arg-Gly-Asp(RGD)(配列番号7)モチーフであり、これは インテグリンのいくつかのクラスの結合部位である(Hynes,Cell 69:11-25(199 2))。可溶性CD97αの精製形態は、インテグリンリガンドとして作用し得る。実施例2 実施例2はCD97の3つのイソ型の同定を記載する。 RT-PCR分析。ポリ(A)+RNAを、PHAおよびPMAで活性化した精製ヒト末梢血T細胞 から単離した。2mgのポリ(A)+RNAをランダムヘキサマープライマーおよびSUPER 逆転写した。次いで、反応混合物のl/20を以下のように特異的なPCR増幅に供し た。PCRを、PfuI DNAポリメラーゼおよび3つの可能性のある5'プライマー:276 -38、5'-GGCCGCGTCTTTCTCGCA-3'(配列番号9);276-20、5'-AGATGTGGACGAATGT C-3'(配列番号10);276-6A、5'-AAGACAAGCTCAGCCGA-3'(配列番号11)の1つ 、ならびに3つの可能性のある3'プライマー:276-3、5'-TGGGTTCATACAGCTGC-3' (配列番号12);276-6B、5'-TCGGCTGAGCTTGTCTT-3'(配列番号13);276-15B、 5'-GCAGCTGTATGAACCCA-3'(配列番号14)の1つを用いて、1サイクル(94℃、 5分)、30サイクル(94℃、30秒;55〜60℃、1分;72℃、2分)、および1サ イクル(72℃、7分)行った。PCR産物をゲル精製し、そしてDTaqサイクルシー ケンシングキット(Amersham Life Science)を用いて直接配列決定した。 RT-PCRを、活性化T細胞RNAおよびpAT276由来プライマーを用いて行い、pAT27 6由来mRNAの別の形態を増幅および配列決定した。3つのcDNA形態を、EGF様反復 領域に隣接するプライマーを使用して観察した。中間体はpAT276クローンと同一 であるが、上流の形態はpAT276のEF様反復3に続くさらなるEGF様反復を含んだ 。最小の形態は全部で3つのEGF様反復を含み、欠失したpAT276 EGF-3を有した 。実施例3 実施例3はpAT276(CD97)イソ型の同定および分析を教示する。 抗体産生および精製。結合したペプチドまたは細菌で発現させた組換えタンパク 質に対するポリクローナル抗体を、免疫されたウサギにおいて惹起した。抗体産 生に使用したペプチドは、抗EGF3:CLPGFKFIPEDPKVC(配列番号15)および抗COO H:EFTSTTSGTGHNQTRA(配列番号16)であった。オリゴペプチド抗原を、BSAに対 するグルタルアルデヒド結合によって調製した。抗ペプチド抗体を、AFFI-GEL rogen)中にサブクローニングし、そして組換えタンパク質を、ニッケル-ヒスチ (Pharmacia)に結合した組換え抗原のアフィニティーカラムで精製した。 細胞株および細胞培養。PBTを、フィコール勾配沈澱、続いてナイロンウール非 接着細胞の回収によって白色球(leukophoreses)から精製した(Irvingら(198 9))。PBTを、20mM HEPES(pH7.4)および10%ウシ胎仔血清(FCS)を含むRPMI 中で、2×106細胞/mLの密度で培養した。T細胞を、PHA-P(1mg/mL;Burrough s Wellcome Co.)およびPMA(20ng/mL;Sigma)で刺激した。COS-7細胞を10%FC Sを補充したDMEM中で培養し、そしてそれをDEAEデキストラン法を用いてトラン スフェクトした。 代謝標識。PBT細胞を、メチオニンおよびシステインを含まないRPMI(10mM HEPE Sおよび5%透析FCSを含む)中の等量の35S-メチオニンおよび35S-システインと ともにインキュベートした。定常状態標識を、200mCiの35S/mL、107細胞/mLに より、2〜4時間のインキュベーションで行った。パルス標識を、示した追跡時 間で回収する前に、1mCiの35S/mL、108細胞/mLとともに、10分間のインキュベ ーション、続いて10%FCS含有完全RPMIでの20倍希釈により行った。 細胞溶解、免疫沈降、および脱グリコシル化。細胞を洗浄して培地を除去し、そ して15分間氷上で溶解緩衝液(50mM Tris(pH8.0)、150mM NaCl、5mM EDTA、1 ンヒビターカクテル錠/50mL(Boehringer Mannheim))中でインキュベートし た。細胞片を110,000×gで15分間ペレット化した。5〜8×106細胞の材料を10 μgのアフィニティー精製抗体および15μlのプロテインAアガロース(Gibco BR L)を用いて、1mLの総量で2〜16時間回転させながら4℃で免疫沈降した。CD97 αに対する抗体でのCD97βの同時沈降物は、短いインキュベーション時間後最 も明らかであった。次いで免疫複合体を、溶解緩衝液かまたは0.1%SDS含有溶解 緩衝液で各々20分間3回洗浄した。NグリコシダーゼF反応を、0.5%SDS含有溶 解緩衝液中でサンプルを煮沸することによる疫沈降、続いて最終濃度2%までの NP-40および10ユニットの組換えNグリコシダーゼFの添加、ならびにサンプル を37℃で2時間インキュベーションした後、直接行った。エンドグリコシダーゼ H(Boehringer Mannheim)反応を、免疫沈降反応物を、0.1%SDS含有溶解緩衝液 中で5分間100℃で加熱し、続いて溶解緩衝液での5倍希釈ならびにエンドグリ コシダーゼH(Boehringer Mannheim)を10ユニットまで添加することによって 行った。サンプルを2時間37℃でインキュベートした。 電気泳動およびオートラジオグラフィー。サンプルをLaemmli法を用いて7.5%ま たは10%SDSポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動した(Sambrookら、(1989 ))。乾燥したゲルをKodak X-ARフィルムに曝すか、またはMolecular Dynamic イムノブロット分析。電気泳動によって分離したタンパク質をニトロセルロース に移し、そしてフィルターを少なくとも1時間ブロックし(PBS、10%ウマ血 西洋ワサビペルオキシダーゼ(50ng/mL)とともにインキュベートし、そしてECL によって可視化した。 組換えpAT276タンパク質に対する抗体は、活性化T細胞から3つのタンパク質 を沈降した。しかし、サザンブロット分析により、pAT276関連配列が、単一の遺 伝子をコードすることを示した。3つのEGF様反復を含むpAT276の最小のイソ型の 配列(上述)と一致する配列を公開した(Hamannら、(1995)、前出)。従って、 pAT276によってコードされるタンパク質は、代わりにCD97といわれる。 3つのPCR生成形態の性質と一致して、pAT276のCOS細胞へのトランスフェクシ ョン、および続くコードされたタンパク質の免疫沈降は、活性化T細胞から沈降 されたタンパク質の中間体と同時移動するタンパク質バンドを生成した。 CD97の生化学的特性を特徴づけるために、いくつかの抗体を、中間および最長 のイソ型(middle and longest isoform)の第3のEGF様反復(抗EGF3)、細胞 質内のカルボキシルテールにおける残基763〜778(抗COOH)、ならびに細胞外領 域の最初の約半分を含む組換えペプチド(抗NH2)を含む推定配列の別々の領域 に対して生成した。アミノ決定基またはカルボキシル決定基に対する抗体で沈降 したタンパク質を比較することにより、異なるが関連したペプチドとの反応性を 明らかにした。代謝的に標識した、活性化T細胞からの溶解物の抗NH2抗体での 免疫沈降は、約75kDと90kDの間の幅広いスメアおよび28kDのタンパク質として見 られる、特異的に沈澱したタンパク質を生じた。28kDタンパク質は、特定のスト リンジェントでない免疫沈降条件を使用して、抗NH2沈降物中に観察された。抗N H2免疫沈降物からのAsn結合炭化水素の除去により、約45kD、50kD、および55kD の3バンドが示された。全長CD97の非グリコシル化形態の推定分子量は、約91kD 、84kD、および79kDである。これは、観察された55kD、50kD、およ45kDのバンド は、タンパク質分解的にプロセスされた細胞外ドメインであることを示唆する。 この可能性は、CD97のCOOH末端に対する抗体が、変性条件を使用して28kDのタン パク質を沈降したという観察によってさらに示唆される。非変性条件を用いるこ とにより、抗COOH抗体は、アミノ特異的抗体によって認識されるCD97イソ型に関 連する28kdタンパク質を沈降した。このことは、アミノドメインの3つのイソ型 を有する28kDタンパク質の非共有結合を示唆する。CD97(Picklら、LEUKOCYTE T YPING V:WHITE CELL DIFFERENTIATION ANTIGENS,Schlossmanら(編)、Oxford University Press,Oxford、1151-1153(1995))に指向されるモノクローナル抗 体A046は、抗NH2抗体で見られる結果と類似の結果を生じた。CD97の2つのより 遅延した移動形態は、最小のcDNA形態がEGF3を欠失するということを示すクロー ニングデータから予測されるように、抗EGF3抗体によって沈降したのみである。実施例4 実施例4は、CD97アミノイソ型および28kDタンパク質が通常の前駆体からプロ セスされることを確かめるためのパルス追跡分析を記載する。 活性化T細胞からの標識溶解物を、抗EGF3(これは中間体および最大のアミノ イソ型を認識する)または抗COOH抗体で免疫沈降し、次いで未処置のまま(A)か またはNグリコシダーゼF(B)もしくはエンドグリコシダーゼH(C)で脱グリコシ ル化した。実施例3を参照のこと。ストリンジェントな条件を免疫沈降反応のた めに使用した。アミノまたはカルボキシルのいずれかの局在化決定基を認識する 抗体は、期待されるプロセスされた産物の出現が、逆に追跡期間の間に見えなく なり、それゆえタンパク質分解されていない前駆体タンパク質を示すようである 約95kDおよび100kDの通常のパルス標識タンパク質を沈降する。95kDおよび100kD 前駆体の脱グリコシル化は、NグリカナーゼまたはエンドグリコシダーゼHのい ずれかと等価であり、そしてCD97についてのクローン化cDNAによってコードされ るタンパク質の予測される範囲内で、約75kD、80kD、および85kDのタンパク質を 明らかにした。 pAT276プラスミドでトランスフェクトされたパルス標識COS-7細胞の免疫沈降 されたタンパク質は、95kDグリコシル化前駆体または80kDグリコシル化前駆体と ともに共に移動した。抗COOH抗体で沈降された溶解物において、95kD前駆体は、 より少ない量のタンパク質で二重として分離され、このことは中間体および最も 小さいイソ型前駆体を示した。プロセスされたペプチドは、最も大きいペプチド から最も小さいペプチドへ、それぞれCD97α1、α2、およびα3としていわれ 、そして28kDペプチドについてのCD97βは前駆体のカルボキシル末端に由来した 。 CD97前駆体切断の反応速度論ならびに前駆体および産物のグリコシル化パター ンは、前駆体が、全長ペプチドの合成後、および複合炭化水素のCD97αイソ型の 添加前の15〜30分以内に切断されることを示した。前駆体タンパク質は、約15分 の半減期で追跡期間に失われた。CD97βは、グリコシル化されていないようであ った。なぜなら、その移動パターンがエンドグリコシダーゼでの処理によって影 響されなかったからである。抗EGF3抗体によって認識されるCD97αの2つの形態 について、最初の15分の追跡期間以内の前駆体切断は、エンドグリコシダーゼH またはNエンドグリコシダーゼFのいずれかでの脱グリコシル化の後に50kDおよ び55kDに減少する75kDおよび80kDのペプチドを産生した。それゆえ、前駆体は、 高いマンノース含有によって修飾されるが、複合オリゴサッカライドによって修 飾されない。15分間〜30分間の追跡、エンドグリコシダーゼH耐性(Nグリコシ ダーゼF感受性)タンパク質は、75kDと95kDとの間のスメアとして観察され、そ して未処理サンプル中の75kDおよび80kDとしてか、またはエンドグリコシダーゼ H処理サンプル中の50kDおよび55kDペプチドとして観察された複合炭水化物付加 の基質の喪失と同時に生じる。複合炭水化物で修飾された成熟CD97αイソ型は、 追跡の60分後に容易に観察された。実施例5 実施例5は、CD97αイソ型の分析およびαおよびβサブユニットの差次的制御 を記載する。 ヨード化。組み込み膜タンパク質を、125I-アジ化ヨードナフタレン(INA)(組み 込み膜タンパク質に高度な特異性を有する架橋剤)で標識した(Ravlvら,Bioche mistry 28:1313-1318(1989))。PBTをPBS中で洗浄し、そして108細胞/mLで再懸濁 し;20μL(10μCi)の125I-INA(Lofstrand Labs)を200μLの細胞に添加し、ボル テックスし、2cm2ウェルに移し、そして長波長紫外光で2分間照射た。架橋さ れた細胞を回収し、そして20×106細胞からの溶解物を、各サンプルについて免 疫沈降した。 FACS分析および表面ヨード化を介する標識化は、CD97αイソ型が膜貫通ドメイ ンに伸展するに十分に大きくないが、それらが原形質膜の細胞外表面に明らかに 結合していることを示す。Eichlerら,Scan.J.Immunol.39:111-115(1994);およ びPicklら,前出。CD97α’は、ジスルフィド結合を介して他のタンパク質と共 有結合していないが、それらはCD97βと非共有的に結合している。このような結 合が必要か否かを決定するために、本発明者らは、最初の膜貫通ドメインのちょ うど前で終結され、それゆえCD97βの非存在下でCD97α様分子をコードする、短 縮されたCD97タンパク質(CD97δ)を産生した。全長CD97またはCD97δをコード するDNAを、COS-7細胞へトランスフェクトし、続いてCD97αタンパク質に結合し そして分泌する細胞について分析した。CD97ではないCD97δを、代謝的に標識さ れたサンプルの免疫沈降またはウェスタンブロットによって決定されたように培 養上清に分泌し、このことはCD97αおよびβの結合が、CD97αの細胞外膜への局 在化を必要とすることを示唆する。免疫蛍光分析は、CD97δについて細胞内蛍光 を明らかにしたが、膜結合蛍光を明らかにしなかった。CD97δタンパク質のサイ ズは、正常にプロセシングされたCD97αより約5kD大きく、このことは、CD97は 、最初の膜貫通ヘリックスのNH2-末端の約45アミノ酸で正常にプロセシングされ ることを示唆する。タンパク質分解の正常部位の存在にも関わらず、CD97δ分子 のプロセシングの明らかな欠失は、直鎖配列モチーフがプロテアーゼによる認識 に充分ではないことをさらに示唆する。 CD97αの定常状態レベルは、休止T細胞と比較して、活性化T細胞において少 なくとも10倍増大した。抗COOH抗体は、ウェスタンブロットにおいて抗原を認識 しなかったので、CD97βの定常状態を、標識化技術を用いて分析した。細胞を12 5 I-INAで共有結合標識し、次いで、標識された細胞溶解物を抗COOHおよび抗NH2 抗体で免疫沈降した。休止T細胞対活性化T細胞を比較してCD97βの定常状態の レベルの2倍未満の差が存在した。この構造および細胞外局在性から予測される ように、CD97αは、125INAによって標識されなかった。従って、細胞結合CD97α およびβについて異なるタンパク質代謝回転が存在するようであった。休止細胞 において観察されるCD97βは、どうやら刺激前の間に合成される安定なタンパク 質および/または低レベルの構成的CD97 mRNAから得られるようであった。実施例6 実施例6は、種々の炎症状態およびいくつかの新生物状態にあるCD97α陽性細 胞の免疫組織化学的分析を記載する。 患者サンプル。膝関節からの関節液を、ボランティアから得た。ボランティアは 、12ヶ月の期間未満およびそれ以前の診断のない最近発症した関節痛または障害 についてNIH Clinical Centerに照会した。CD97を規定するモノクローナル抗体 についての以前に公開された結果に一致して、CD97αに対して惹起された抗体が 、FACS分析によって末梢血由来の活性化T細胞、活性化B細胞、顆粒球、および 単球を検出することが見出された。CD97発現の細胞分布は、炎症プロセスにおけ る潜在的な役割を示唆した。 免疫組織化学。免疫組織化学的研究を、固定化パラフィン包埋切片、およびSup erSensitiveTM免疫検出システム(BioGenex,San Ramon,CA)を用いて、製造者の 説明書に従って、以前に記載された(Hsuら、J.Histochem.Cytochem.29:577-80( 1981))アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体(ABC)法を用いて行った。 抗原回収を、全てのサンプルに対し、10mMクエン酸緩衝液(pH6.0)に配置し、そ して700〜1000Wの電子レンジ中で、加圧下で40分加熱することによって行った。 サンプルを、さらに30分間、加圧下で熱い溶液のままにした。アフィニティー精 製した抗組換え抗NH2抗体を、1μg/mLで使用した。以下のモノクローナル抗体 もまた評価した:A6(CD45RO)(Zymed,San Francisco,CA)、L26(CD20)(DAKO,Ca rpenteria,CA)、およびMb1(HM57)(Kuzuら,Histopathology 22:141-144(1993)) 。 慢性湿疹皮膚炎を有する患者からのサンプルの免疫組織化学的分析は、高レベ ルのCD97α発現が、炎症部位に浸潤する大多数の白血球で観察されたことを示し た。高レベルのCD97α発現を示すTリンパ球(CD45RO+)から主に構成される表 層真皮、血管周囲浸潤が存在した。高レベルのCD97α発現はまた、菌状息肉症を 有する患者における肺瘍性Tリンパ球の皮膚浸潤において(実施例7を参照のこ と)およびリンパ節洞組織球増殖症のマクロファージ内に同定された。これは、 濾胞内の細胞が優勢に陰性である、正常リンパ節と対照しており、そして濾胞内 領域の細胞は、非染色細胞の多くの割合を含むCD97α発現の勾配を示した。 細胞表面上のCD97αと非共有結合で結合した休止T細胞および活性化T細胞に おいて観察されたCD97αおよびCD97βの差次的な代謝回転は、CD97αが、間質に 流れ込み得ることを示唆した。この可能性に取り組むために、本発明者らは、可 溶性CD97αが、培養T細胞上清(CS)、または血清、関節液(SF)、または胸水(PF) を含む体液において存在するか否かを決定した。本発明者らは、CD97αを、96時 間まで培養した活性化T細胞の細胞溶解物(L)中に検出したが、その上清(CS)に は検出しなかった。これは、CD97でトランスフェクトされたCOS-7細胞の結果と 一致した。CD97αは、正常血清または血清には見出されなかった。対照的に、CD 97αは、炎症性関節炎を有する個体のいくつかの関節液ならびに悪性B細胞リン パ腫および急性炎症細胞を含む胸水において見出された。白血球上の高発現内膜 タンパク質であるCD45を、CD97αと平行してアッセイし、そして細胞溶解物に 存在することが見出されたが、可溶化形態では見出されず、このことは観察され たCD97αが、膜フラグメントの存在には起因しなかったことを示唆する。実施例7 実施例7は、菌状息肉症または成人t細胞白血病を確認する方法を教示する。 高レベルのCD97α発現が、菌状息肉症の患者における肺瘍性Tリンパ球の皮膚 浸潤において見出される。従って、本発明はまた、哺乳動物(ヒトを含む)から 得られた生物学的サンプルにおいて、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症(MF)を確 認する方法を提供する。この方法において、生物学的サンプルを、患者から得る 。生物学的サンプルは、丘疹、プラーク、および潰瘍化した腫瘍を含む皮膚病変 の生検である。このようなサンプル中のTリンパ球は、アメリカンタイプカルチ ャーコレクションのような市販の供給源から入手可能な抗体を用いて、CD3+およ びCD20-として同定される。このサンプルを、免疫学的に反応性の条件下で、本 発明のCD97αサブユニットへ選択的に反応性である抗体組成物とインキュベート する。その正常コントロール(すなわち、T細胞腫瘍によって影響されないか、 または急性もしくは慢性の炎症に罹患していない)におけるレベルと比較して、 サンプル中の高レベルの抗体:CD97αサブユニット複合体の検出を用いて、患者 におけるMFの存在を確かめる。 本発明はさらに、成人T細胞白血病(ATL)の菌状息肉症からの確認および区別 するための手段を提供する。両疾患は、それら自身が皮膚浸潤を表す。しかし、 菌状肉腫症の患者の腫瘍性T細胞のほぼ100%が、高レベルのCD97αサブユニッ トを発現するが、ATL患者からの約20%〜30%のみの腫瘍性T細胞が、正常コン トロールと比較して、高レベルのCD97αサブユニットを発現する。従って、本発 明は、生物学的サンプルにおけるCD97αサブユニットの正常なレベルについてア ッセイすることによってATLとMFとの間を区別することを助ける。従って、この 診断はMF専用である。 本方法は、免疫学的に反応性の条件下で、本発明のCD97αサブユニットに選択 的に反応性の抗体組成物を有する生物学的サンプルとインキュベートする工程を 包含する。コントロールと比較して測定されるように(好ましくは、皮膚生検) 、 正常レベルのCD97αサブユニットは、診断MFからはずれる。逆に、サンプル中の 高レベルのCD97αサブユニットは、疾患がMFであると確認することを補助する。 イムノアッセイを実施する方法は、当該分野で周知であり、そして前出に提供さ れる。実施例8 実施例8は、ヒト患者から骨髄を取り出し、そしてCD97発現造血細胞を単離す る技術を教示する。 ヒトにおいて、後腸骨および稜からの骨髄吸引は、例えば、手術室内で全身麻 酔の下で実施される。骨髄吸引の量は、約1,000mLである。収集された細胞の総 数が約2×108/kg以下である場合、後稜に加えて胸骨および前腸骨稜を用いた第 二の吸引が行われる。手術の間、2単位の照射された濃縮赤血球を投与して、吸 引によって採取された骨髄の容量を置換する。ヒト造血前駆細胞および幹細胞を 、CD34表面膜抗原の存在によって特徴づける。この抗原を、精製(例えば、CD34 に結合するアフィニティーカラムで精製)するために使用する。骨髄を回収した 後、単核細胞をFicoll勾配遠心分離によって他の成分と分離する。これを、細胞 分離機(Baxter Fenwal CS3000+またはTerumo機器)を用いる半自動的方法によ って行う。ほとんどの単核細胞からなるより軽い密度の細胞を収集し、そして細 胞をプラスチックフラスコ中で37℃、1.5時間インキュベートする。接着細胞( 単球、マクロファージ、およびB細胞)を捨てる。次いで、非接着細胞を収集し 、そして4℃で30分間、穏やかに回転しながらモノクローナル抗CD34抗体とイン キュベートする。抗CD34抗体の最終濃度は、10μg/mLである。2回の洗浄後、ヒ ツジ抗マウスIgG(Fc)抗体でコーティングされた常磁性ミクロスフェア(Baxter Immunotherapy Group,Santa Ana,Californiaによって供給される、Dyna Beads )を、2細胞/ビーズの速度で細胞懸濁液へ添加する。4℃で30分間の期間のさ らなるインキュベーション後、磁気ビーズでロゼット形成された細胞を磁石を用 いて回収する。最終濃度200U/mLのキモパパイン(Baxter Immunotherapy Group, Santa Ana,California)を添加して、CD34+細胞からビーズを取り外す。あるい は、より好ましくは、CD34に結合する(すなわちCD34に結合する抗体に対する) アフィ ニティーカラム単離手順を使用し得る。Hoら,Stem Cells 13(補遺、3):100-10 5(1995)を参照のこと。Brenner,J.Hematother.2:7-17(1993)もまた、参照のこ と。実施例9 実施例9は、大動脈内皮細胞および黒色腫細胞に対するCD97αの接着因子特性 を示す。 接着は、ウシ動脈内皮細胞およびαvβ3レセプター発現A2058黒色腫細胞の96 ウェル組織培養プレートに対する能力によって測定した。ウェルを、最初に10μ gの可溶性CD97α2の細胞外ドメインで一晩コーティングした。細胞を約3時間、 37℃で接着させ、そしてリン酸緩衝化生理食塩水で徹底的に洗浄した。接着細胞 CD97αコーティングプレート上の細胞を展開し、そしてIgGでコーティングした ウェル(コントロール)へ接着した細胞と比較して平坦化した。 接着因子特性に加えて、可溶性CD97αは、アテローム性動脈硬化症の進行の徴 候でもある走化性特性を示す。走化性はStrackeら,J.Biol.Chem.264:21544(19 89)に記載の方法によって決定された。10〜20μg/mLの可溶性CD97αが、A2058黒 色腫細胞、初代ヒト冠動脈平滑筋細胞、およびヒト臍静脈内皮細胞を走化させる ことを見出した。平滑筋細胞は、アテローム性動脈硬化症病変の樹立および増殖 に関与するので、このデータは、T細胞由来の可溶性CD97αが、アテローム性動 脈硬化症病変への平滑筋細胞の移動および維持を誘導し、従って、病変サイズの 増大させることを示す。実施例10 実施例10は、可溶性CD97αが、マウスにおいて新血管新生応答を支持すること を示す。これは、可溶性CD97αが、血管形成因子および免疫媒介血管形成応答に 貢献する因子であることを示す。 トランスフェクトCOS細胞由来の可溶性CD97α2の細胞外ドメインを、MATRIGEL 2)。この組成物をマウスへ皮下注射した。新血管新生を、組織学的(hostologica l)試験によって評価した。 50〜150ng/mLの濃度の塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)と一緒の50μg/mLの可 溶性CD97αは、bFGFまたは可溶性CD97α単独のいずれかと比較して、非常に強い 相乗作用応答を示した。可溶性CD97αおよびbFGFの注射後に、増加した数の血管 および多数の大きな特徴づけられない細胞が観察された。実施例10 実施例10は、CD97αサブユニットの他の種を教示する。 EGFの配列から、図3に与えられるアミノ酸配列、アミノ酸置換が繰り返され る。これらの置換は、あったとしても、CD97αサブユニットの機能に僅かに影響 することが予測される。 これらの置換は、特定のサブユニットまたはCD97プロタンパク質配列のサブユ ニットをコードする核酸配列の部位特異的変異誘発によって作製される。部位特 異的変異誘発は当該分野で周知であり、Ausubelら(本明細書中に参考として援 用される)に詳述される。 所望のアミノ酸配列から、合成オリゴヌクレオチドが設計されて、増幅フラグ メントの1つの末端でアミノ酸の変化または付加が生じる変異を組み込まれる。 代表的には、合成オリゴヌクレオチドは、別のEGF繰り返し配列に由来する。フ ラグメントのPCR増幅の後、それらを、Klenowフラグメントで処理することによ って平滑末端にする。次いで、フラグメントを連結し、そして配列分析を容易に するためのベクターへサブクローニングする。次いで、さらなる連結を行って、 アミノ酸置換または付加を取り込む全体のコード配列を作製する。コード配列を 発現ベクター内に挿入し、そしてCD97αサブユニットを発現する。 以下は、本質的に完全な活性を有するCD97αサブユニットを与えるために作製 され得る置換の表である。アミノ酸位置は、図1および配列番号6のアミノ酸位 置に対応する。 表2 他の置換が、請求された発明のタンパク質に到達するためになされ得ることが 当業者に理解される。 本明細書中に述べられた全ての刊行物および特許は、個々の刊行物および特許 のそれぞれが本明細書中に参考として援用されることを具体的かつ個別に示すよ うに同じ程度に本明細書中に参考として援用される。
【手続補正書】 【提出日】平成12年12月14日(2000.12.14) 【補正内容】6.1. 明細書を以下のとおり補正します。 6.1.1. 明細書第8頁第14行の「CD97」を、「CD97(核酸=配列番号8;アミ ノ酸=配列番号6) 」に補正します。 6.1.2. 明細書第8頁第15行の「RGD配列」を、「RGD(配列番号7)配列」に 補正します。 6.1.3. 明細書第8頁第16行の「囲み、」を、「囲み(配列番号1〜5)、」 に補正します。 6.1.4. 明細書第8頁第24行の「CD97、EMR1、およびフィブリン」を、「CD97(配列番号1〜5) 、EMR1(配列番号20)、およびフィブリリン(配列番号19) 」に補正します。6.1.5. 明細書第8頁第26行の「フィブリンのそれに関連する。」を、「フィ ブリリン のそれに関連する。D /N βヒドロキシル化コンセンサス=配列番号21 」に補正します。 6.1.6. 明細書第35頁第14〜15行の「ATGGGAGGCCGCGTCTTTCTCGCATTCTGTGT(配 列番号9)およびGGGCCCTCAGGGCATCAGAGTCCGGCATA(配列番号10)」を、「ATGGG AGGCCGCGTCTTTCTCGCATTCTGTGT(配列番号17)およびGGGCCCTCAGGGCATCAGAGTCCGG CATA(配列番号18)」に補正します。 6.1.7. 明細書第80頁第13行の「RGD配列」を、「RGD(配列番号7)配列」に 補正します。 6.1.8. 明細書第81頁第17行の「フィブリン」を、「フィブリリン」に補正し ます。 6.1.9. 明細書第81頁第19行の「フィブリン」を、「フィブリリン」に補正し ます。 6.1.10. 明細書第81頁第21行の「フィブリン」を、「フィブリリン」に補正 します。6.1.11. 図3を別紙のとおり補正します。 【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 C07K 16/28 C07K 14/705 C12N 1/15 16/28 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/53 D 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A G01N 33/53 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.可溶性CD97 αサブユニットを含む単離されたタンパク質であって、ここで 該可溶性αサブユニットが、α1、α2、およびα3からなる群より選択され、 ここで: 該可溶性αサブユニットとの接触が、内皮細胞の接着を増加させ; α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ る、単離されたタンパク質。 2.前記α1サブユニットが、配列番号3、および配列番号4からなる群より選 択されるEGF様反復をさらに含み、そして前記α2サブユニットが、EGF様反復配 列番号3をさらに含む、請求項1に記載の単離されたタンパク質。 3.前記可溶性CD97 αサブユニットが、CD97 α2である、請求項1に記載のタ ンパク質。 4.前記タンパク質が、組換えにより生成される、請求項1に記載のタンパク質 。 5.可溶性CD97 αサブユニットを含む単離された哺乳動物タンパク質であって 、 ここで該サブユニットが、配列番号6のタンパク質からの少なくとも10個の連続 するアミノ酸を含む細胞外タンパク質であり、T細胞マイトジェンでのT細胞の 最大の活性化により少なくとも5倍増加し、そして配列番号6のタンパク質に特 異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性である、単離された哺乳動物タ ンパク質。 6.可溶性CD97 αサブユニットタンパク質をコードする単離された核酸であっ て、ここで該CD97 αサブユニットタンパク質が、α1、α2、およびα3から なる群より選択され、そして: 該可溶性αサブユニットとの接触が、内皮細胞の接着を増加させ; α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ る、単離された核酸。 7.前記CD97 αサブユニットが、α1およびα2からなる群から選択され、配 列番号3、および配列番号4からなる群より選択されるEGF様反復をさらに含み ;そして該α2サブユニットが、EGF様反復配列番号3をさらに含む、請求項6 に記載の単離された核酸。 8.前記可溶性CD97 αサブユニットが、CD97 α2である、請求項6に記載の単 離された核酸。 9.プロモーターに逆配向で作動可能に連結される、請求項6に記載の単離され た核酸。 10.プロモーターに作動可能に連結される、請求項6に記載の核酸。 11.請求項9に記載の核酸でトランスフェクトした宿主細胞。 12.請求項10に記載の核酸でトランスフェクトした宿主細胞。 13.可溶性CD97 αサブユニットタンパク質をコードする、少なくとも25ヌク レオチド長の単離された核酸であって、ここで該CD97 αサブユニットタンパク 質が、α1およびα2からなる群より選択され、ここで: 該可溶性αサブユニットとの接触が、内皮細胞の接着を増加させ; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; ここで、該核酸が、ストリンジェントな条件下で、バックグラウンドよりも少 なくとも2倍上で、ヒトゲノムライブラリーにおいてCD97核酸に特異的にハイブ リダイズする、単離された核酸。 14.前記可溶性CD97 αサブユニットがCD97 α2である、請求項13に記載の 核酸。 15.免疫学的に反応性の条件下で、α1およびα2からなる群より選択される 可溶性CD97 αサブユニットに特異的に反応性の抗体組成物であって、ここで: α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして、 α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ る、抗体組成物。 16.前記組成物が、少なくとも3個の独特な抗体を含む、請求項15に記載の 抗体組成物。 17.哺乳動物においてある部位の炎症の程度を決定するための方法であって、 以下の工程: a)抗体組成物を、該部位からの生物学的サンプルに接触させる工程であって、 ここで該抗体組成物が、免疫学的に反応性の条件下で、α1、α2、およびα3 からなる群より選択される可溶性CD97 αサブユニットに特異的に反応性であり 、ここで: α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ る、工程; b)該抗体組成物を、生物学的液体と、特異的抗体:CD97 αサブユニット複合 体の形成を導く免疫学的条件下でインキュベートする工程であって、ここで該複 合体の検出量が、該部位での炎症の程度を示す、工程; を包含する、方法。 18.前記生物学的サンプルが、血液、滑液、および脳脊髄液からなる群より選 択される、請求項17に記載の方法。 19.可溶性CD97 αサブユニット発現を阻害する化合物を同定するための方法 であって、以下の工程: (a)細胞培養条件下で、該化合物を、静止T細胞および有効量のT細胞マイト ジェンと接触させる工程であって、ここで該化合物が、少なくともナノモル濃度 で存在する工程;および (b)該CD97 αサブユニットの発現レベルの変化をアッセイする工程であって、 ここで該サブユニットが、α1、α2、およびα3からなる群より選択され、そ してここで: α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして、 α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; ここで、ネガティブコントロールに対して減少したレベルの該サブユニットの 発現が、該化合物をインヒビターとして同定する、工程; を包含する、方法。 20.前記T細胞マイトジェンが、植物性赤血球凝集素、コンカナバリンA、ホ ルボール12-ミリスチン酸13-酢酸、およびアメリカヤマゴボウマイトジェンから なる群より選択される、請求項19に記載の方法。 21.前記CD97 αサブユニットの発現の変化が、イムノアッセイまたは核酸ア ッセイにより決定される、請求項19に記載の方法。 22.哺乳動物における慢性炎症に関連する新脈管形成を阻害するための方法で あって、CD97サブユニットアンチセンス核酸、CD97サブユニットαデコイタンパ ク質、および抗CD97 αサブユニット抗体からなる群より選択されるCD97アンタ ゴニストの治療有効量を投与する工程を含み、ここで該CD97サブユニットが、α 1、α2、α3、およびβからなる群より選択され、そしてここで: α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして βが、非グリコシル化タンパク質として約28kDaの分子量を有し、そして配列 番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性である 、方法。 23.前記治療有効量が、局所的または非経口的に投与される、請求項22に記 載の方法。 24.哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化症を阻害するための方法であって 、CD97サブユニットアンチセンス核酸、CD97サブユニットαデコイタンパク質、 および抗CD97 αサブユニット抗体からなる群より選択されるCD97アンタゴニス トの治療有効量を投与する工程を含み、ここで該CD97サブユニットは、α1、α 2、α3、およびβからなる群より選択され、そしてここで: α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして βが、非グリコシル化タンパク質として約28kDaの分子量を有し、そして配列 番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性である 、方法。 25.哺乳動物におけるCD97関連炎症を処置または阻害するための方法であって 、CD97サブユニットアンチセンス核酸、CD97サブユニットαデコイタンパク質、 および抗CD97サブユニット抗体からなる群より選択されるCD97アンタゴニストの 治療有効量を投与する工程を含み、ここで該CD97サブユニットが、α1、α2、 およびα3からなる群より選択され、そしてここで: α3が、非グリコシル化形態で約45kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り; α2が、非グリコシル化形態で約50kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ り;そして、 α1が、非グリコシル化形態で約55kDaの分子量を有し、配列番号1、配列番 号2、および配列番号5からなる群より選択されるEGF様反復を有し、そして配 列番号6のタンパク質に特異的に反応性である抗体に免疫学的に交叉反応性であ る、方法。
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