JP2008503206A - 癌感受性を測定する方法 - Google Patents

癌感受性を測定する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008503206A
JP2008503206A JP2007515280A JP2007515280A JP2008503206A JP 2008503206 A JP2008503206 A JP 2008503206A JP 2007515280 A JP2007515280 A JP 2007515280A JP 2007515280 A JP2007515280 A JP 2007515280A JP 2008503206 A JP2008503206 A JP 2008503206A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
marker
cells
level
individual
cancer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007515280A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008503206A5 (ja
Inventor
マサト ミツハシ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Publication of JP2008503206A publication Critical patent/JP2008503206A/ja
Publication of JP2008503206A5 publication Critical patent/JP2008503206A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5008Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics
    • G01N33/5014Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics for testing toxicity
    • G01N33/5017Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics for testing toxicity for testing neoplastic activity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/136Screening for pharmacological compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/40Disorders due to exposure to physical agents, e.g. heat disorders, motion sickness, radiation injuries, altitude sickness, decompression illness
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/50Determining the risk of developing a disease

Abstract

癌に対する個体の感受性は、放射線のような変異原性作用因子に対する個体の細胞の応答に基づいて評価される。成長抑制マーカーのレベルは、個体細胞が変異原性作用因子へ暴露される前及び暴露された後に測定される。変異原性作用因子の結果としての癌に対する個体の感受性は、成長抑制マーカーが上記作用因子への暴露により誘導される度合いに相関する。個体においてビタミン又は食品抽出物のような化合物の癌予防効果を評価する方法も開示される。個体由来の細胞を、少なくとも1つの化合物とともにin vitroでインキュベートするか、又は化合物を個体へ直接投与して、その後、インキュベートされた細胞並びにインキュベートされていない細胞の一部を、電離放射線のような変異原性作用因子に暴露する。続いて、化合物とともにインキュベートされ、かつ変異原性作用因子に暴露された細胞における成長抑制マーカーのレベルを、上記作用因子に暴露されたインキュベートされていない細胞におけるレベルと比較する。化合物の癌予防効果は、インキュベートされた細胞においてマーカーのレベルがより高いことと相関する。

Description

本発明は、個体において癌に対する感受性を測定する方法に関する。本発明はさらに、個体において癌予防効果のための化合物をスクリーニングする方法に関する。
[関連出願]
本出願は、119条(e)の下、2004年5月25日に出願された仮出願第60/574,248号からの優先権を主張した非仮出願である。
癌は、DNA損傷作用因子への身体の暴露による、体細胞におけるDNA突然変異の結果として発生する可能性がある。かかる作用因子としては、放射線、化学物質、食品及びフリーラジカルが挙げられる。ほとんどのDNA損傷は、適切な細胞応答により修正されるが、重要なゲノム部位での多重的なDNA損傷の蓄積が癌を招く可能性がある。したがって、癌感受性は、各個体におけるDNA損傷と、対応する細胞応答との間の平衡に依存する。DNA損傷応答障害は、毛細血管拡張性運動失調のような稀な疾患において高頻度で癌を誘導することが知られている。
個体において癌に対する感受性を決定する方法の一実施形態においては、個体の細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露し、その個体の暴露された細胞及び暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを測定し、かつ暴露された細胞及び暴露されていない細胞におけるマーカーのレベルの差に基づいて、癌に対する個体の感受性を決定する。
本実施の形態の一態様において、細胞は、個体の全血に由来する。本実施の形態のさらなる態様において、測定されるレベルは、mRNAのレベルである。本実施の形態のさらなる態様において、個体はヒトである。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞分裂抑制マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21である。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞破壊マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはBAXである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはPUMAである。
本実施の形態のさらなる態様において、変異原性刺激剤は、電離放射線である。本実施の形態のさらなる態様において、癌に対する感受性は、成長抑制マーカーのレベルが暴露後に大きく増大する場合に、減少すると決定される。本実施の形態のさらなる態様において、癌に対する感受性は、成長抑制マーカーのレベルが暴露後に増大しないあるいはわずかしか増大しない場合に、増大すると決定される。
本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを包含する。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21であり、細胞破壊マーカーはPUMAである。
個体において癌に対する感受性を決定する方法の別の実施の形態においては、当該個体の種に属する複数の個体から、細胞における成長抑制マーカーのレベルの平均ベースライ
ン測定値を、該細胞を変異原性刺激剤にin vitroで暴露した後に取得し、当該個体の細胞を変異原性刺激剤にin vitroで暴露し、暴露後に、該細胞における成長抑制マーカーのレベルを測定し、そして、癌に対する個体の感受性を決定する。ここで、前記平均ベースライン測定値よりも高いレベルは、癌の危険性がより低いことを示し、前記平均ベースライン測定値よりも低いレベルは、癌の危険性がより高いことを示す。
本実施の形態の一態様において、細胞は、個体の全血に由来する。本実施の形態のさらなる態様において、測定されるレベルはmRNAのレベルである。本実施の形態のさらなる態様において、個体はヒトである。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞分裂抑制マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21である。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞破壊マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはBAXである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはPUMAである。
本実施の形態のさらなる態様において、変異原性刺激剤は、電離放射線である。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを包含する。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21であり、細胞破壊マーカーはPUMAである。
個体における癌予防効果のための化合物をスクリーニングする方法の一実施形態においては、個体の細胞を化合物とともにインキュベートし、その個体のインキュベートされた細胞及びインキュベートされていない細胞を変異原性刺激剤にin vitroで暴露し、その個体の暴露された細胞、及びインキュベートされておらず、かつ暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを測定し、インキュベートされた細胞及びインキュベートされていない細胞における、暴露後の成長抑制マーカーのレベルの差に基づいて、癌予防効果を有する化合物を同定する。本実施の形態の一態様においては、成長抑制マーカーのレベルは、変異原性刺激剤に暴露されていないインキュベートされた細胞において測定される。
本実施の形態のさらなる態様において、細胞は、個体の全血に由来する。本実施の形態のさらなる態様において、測定されるレベルはmRNAのレベルである。本実施の形態のさらなる態様において、個体はヒトである。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞分裂抑制マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21である。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞破壊マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはBAXである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはPUMAである。本実施の形態のさらなる態様において、変異原性刺激剤は、電離放射線である。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを包含する。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21であり、細胞破壊マーカーはPUMAである。
本実施の形態のさらなる態様においては、インキュベートされた細胞において、成長抑制マーカーの暴露後のレベルを、インキュベートされていない細胞に比べてより大きく増大させる化合物が、癌予防効果を有すると同定される。本実施の形態のさらなる態様においては、インキュベートされた暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベ
ルを、インキュベートされておらず、かつ暴露されていない細胞と比較して全くあるいはわずかしか増大させず、かつ、インキュベートされた細胞において、成長抑制マーカーの暴露後のレベルをインキュベートされていない細胞に比べてより大きく増大させる化合物が、副作用の危険性がより低い癌予防効果を有すると同定される。
個体において癌予防に効果的な化合物を決定する方法の別の実施の形態においては、個体から細胞を取り出し、当該個体へ少なくとも1つの化合物を投与し、化合物の投与後に個体から細胞を取り出し、投与前及び後に取り出された細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露し、投与前に取り出された暴露された細胞及び暴露されていない細胞において成長抑制マーカーのレベルを測定し、投与前及び後に取り出された細胞における成長抑制マーカーのレベルの暴露後の差に基づいて、化合物の癌予防効果を決定する。本実施の形態の一態様において、成長抑制マーカーのレベルは、投与後に取り出された変異原性刺激剤に暴露されていない細胞において測定される。
本実施の形態のさらなる態様において、細胞は個体の全血に由来する。本実施の形態のさらなる態様において、測定されるレベルはmRNAのレベルである。本実施の形態のさらなる態様において、個体はヒトである。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞分裂抑制マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21である。本実施の形態のさらなる態様において、成長抑制マーカーは、細胞破壊マーカーである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはBAXである。本実施の形態のさらなる態様において、細胞破壊マーカーはPUMAである。
本実施の形態のさらなる態様において、変異原性刺激剤は電離放射線である。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される。本実施の形態のさらなる態様において、複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを包含する。本実施の形態のさらなる態様において、細胞分裂抑制マーカーはp21であり、細胞破壊マーカーはPUMAである。
本実施の形態のさらなる態様においては、投与前に取り出された細胞よりも投与後に取り出された細胞において成長抑制マーカーの暴露後のレベルをより大きく増大させる化合物が、癌予防効果を有すると同定される。本実施の形態のさらなる態様においては、投与後の暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを投与前の暴露されていない細胞と比較して全くあるいはわずかしか増大させず、かつ、投与後に取り出された細胞において、成長抑制マーカーの暴露後のレベルを投与前に取り出された細胞に比べてより大きく増大させる化合物は、副作用の危険性がより低い癌予防効果を有すると同定される。
いかなる特定の理論により拘束されることも望まないが、本発明者らは、癌を発症する危険性が、DNA損傷に対する変更された応答に起因し得ると考える。さらに、DNA損傷に対する応答の改善は、癌に対する防御能力の増大を示し得る。したがって、本発明の一態様は、個体の細胞に対するDNA損傷の影響に基づいて、特定の個体において、癌感受性を測定する方法及び化合物の癌予防効果を評価する方法に関する。この方法の一実施形態は、全血細胞のような細胞におけるマーカーmRNAのレベルの測定に依存する。この目的に適したmRNAレベルの測定を遂行する方法は、米国特許出願公開第2004/0265864号(これは、参照により本明細書に援用される)に開示されていた。本発明で使用されるmRNA測定方法は、以下の通りに要約され得る。
全血におけるmRNAの測定
開示される方法において使用されるmRNA測定プロトコルは、より大量の未調製の全血の分析を可能にし、専ら白血球に由来するmRNAを分析する効率的な手段を提供し、rRNA及びtRNAを除去し、安定したmRNA回収を提供し、容易に自動化に適合できる。リアルタイムPCRを使用した絶対的な定量化及び20〜25%の範囲の変動係数を有する優れた再現性を含む、高感度定量化システムが提供される。
上記アッセイ手順は、1)フィルタープレート上での白血球の単離及び溶解、2)mRNAの単離、逆方向プライマーとのハイブリッド形成、及びオリゴ(dT)が固定化されたマイクロプレートにおけるcDNA合成、並びに3)リアルタイム定量的PCR、の3つの主要な工程から構成される。簡潔に述べると、フィルタープレートは、回収プレート上に配置され、5mmol/Lのトリス(pH7.4)150μLを添加してフィルタ膜を湿潤させる。フィルタープレートから溶液を除去するため、120×g、4℃で1分間遠心分離し、その後に、十分混合した血液サンプル50μLを各ウェルに添加して、直ちに120×g、4℃で2分間遠心分離した後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)300μLを加えて2,000×g、4℃で5分間遠心分離して、各ウェルを一度洗浄する。その後、1%の2−メルカプトエタノール(Bio Rad)、0.5mg/mLのプロテイナーゼK(Pierce)、0.1mg/mLのサケ精子DNA(5 Prime Eppendorf/Brinkmann)、0.1mg/mLのE.coli tRNA(Sigma)、それぞれ10mmol/Lの特異的逆方向プライマー及び107分子/mLの内部標準としての合成RNA34を追加したストック溶解緩衝液60μLをフィルタープレートに添加した後、37℃で10分間インキュベートする。その後、フィルタープレートをオリゴ(dT)を固定化したマイクロプレート(GenePlate、RNAture)上へ配置し、2,000×g、4℃で5分間遠心分離する。4℃で一晩保存した後、マイクロプレートを溶解緩衝液(他成分を加えないもの)100μLで3回、その後洗浄緩衝液(0.5mol/LのNaCl、10mmol/Lのトリス(pH7.4)、1mmol/LのEDTA)150μLで3回、4℃で洗浄する。cDNAは、1×RT緩衝液(50mmol/LのKCl、10mmol/Lのトリス−HCl(pH8.3)、5.5mmol/LのMgCl2、ジチオスレイトールなし)、それぞれ1.25mmol/LのdNTP、4ユニットのrRNasin、及び80ユニットのMMLV逆転写酵素(Promega)を含有する緩衝液(プライマーなし)30μLを添加し、37℃で2時間インキュベートすることにより、各ウェル中で直接合成される。得られたcDNA4μLを384ウェルPCRプレートへ直接移し、そこにTaqManユニバーサルマスターミックス(Applied Biosystems)5μL及びオリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μmol/Lの順方向及び逆方向プライマー、及び3〜6μmol/LのTaqManプローブ)1μLを添加して、95℃で10分間を1サイクル、続いて95℃で30秒間、55℃で30秒間、及び60℃で1分間、を45サイクル用いて、PRISM 7900HT(Applied Biosystems)でPCRを実施する。各遺伝子は別個のウェルで増幅される。ある特定量のPCR産物(蛍光)を生成するためのPCRのサイクルであるサイクル閾値(Ct)は、解析用ソフトウェア(SDS、Applied Biosystems)を用いて測定される。PCRはまた、iCycler(BioRad)を用いて、GenePlate中で直接実施することができる。
簡素で再現性があり、かつハイスループットな、全血からのmRNA定量法が使用される。迅速なプロトコルは、採血後にmRNAの二次的な誘導又は分解を最低限に抑え、96ウェルフィルタプレート又はマイクロプレートの使用により、96個のサンプルの同時操作が可能となる。手順中の操作が最小限であることから、定量化の手段としてPCRを使用する場合でさえ、30%未満の変動係数(CV)を伴う非常にわずかなサンプル間偏差しか生じない。
この実施形態では、フィルタープレートは以下の通りに調製され得る。グラスファイバ
ー膜又は白血球フィルター膜のいずれかを使用して、白血球を捕獲することができる。アッセイを単純化するために、マルチウェルフィルタプレートが、グラスファイバー膜又は白血球フィルター膜を使用して構築され、複数の全血検体の同時処理を可能にする。白血球を捕獲するためのフィルターの例は、米国特許第4,925,572号及び第4,880,548号(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)に開示されている。これらの参照文献は概して、血液製剤又は濃縮血小板中の白血球の除去のための装置を開示している。血液製剤とともに使用するための米国特許第4,925,572号に開示される装置は、針状繊維質の不織布のようなゲルの除去のための手段を含む上流の多孔質要素、2層又は3層のメルトブローン織布のような微小凝集体の除去のための手段を含む少なくとも1つの中間多孔質要素、並びに相対的により小さな直径を有する繊維の織布の多層のような、吸着及び濾過の両方による白血球の除去のための手段を含む下流要素を含み、好ましくはそれらの要素のうち少なくとも1つの要素は、臨界湿潤表面張力が53ダイン/cmを上回るように改良されている。濃縮血小板とともに使用するための米国特許第4,880,548号に開示される装置は、少なくとも約90ダイン/cmの臨界湿潤表面張力を有する改変多孔質繊維状媒体を含む。当該特許はまた、多孔質媒体に濃縮血小板を通すことを含む濃縮血小板中の白血球含有量を減少させる方法について開示している。
繊維表面上への白血球の吸着は、白血球除去のメカニズムとして一般的に受け入れられている。一定の重量の繊維の表面積は、繊維の直径に反比例するため、より微細な繊維では容量はより大きくなること、及び所望の性能を達成するのに必要な繊維の、重量により測定される場合の量は、使用する繊維の直径がより小さい場合にはより少ないことが予測できる。ポリエステル、ポリアミド及びアクリルを含む、多数の一般的に使用される繊維は、グラフティングに必要なレベルのγ放射線による分解に対して適度な抵抗性を有し、且つ利用可能なモノマーと反応し得る構造であるため、放射線グラフティングに適している。PBTは、本発明の製品の開発に使用される主要な樹脂となっており、実施例中で使用される樹脂である。しかしながら、繊維に分解することができ、1.5マイクロメートルあるいはそれ以下の小径の繊維を有するマット又は織布として集めることができる他の樹脂が見出されるかもしれず、また、そのような生成物は、それらの臨界湿潤表面張力を必要に応じて最適範囲に調節することで、同等の効率を有するにもかかわらず、より小型の白血球の除去装置の製造に十分適しているかもしれないことには留意すべきである。同様に、適切に処理したグラスファイバーは、有効な装置を作製するのに使用可能であり得る。CD4 mRNAの吸収は、PBT系のフィルターを使用した場合、グラスファイバー系のフィルターに比べて最大4倍効率的である。1つの好ましい実施形態では、全血から捕獲される白血球の量を増加するように、複数のフィルター膜を集めて層状にする。別の好ましい実施形態では、フィルタープレートは、プラスチック接着テープ(Bio−Rad 223−9444)を用いて密封され、テープを切り取って、所望の数のウェルを使用できるようにする。別の好ましい実施形態では、サンプルが添加される各ウェルは、低張緩衝液(5mMのトリス200μL(pH7.4))で洗浄される。
上記方法は好ましくは、血液を回収すること、マルチウェルフィルタプレートへ血液を添加すること、並びに赤血球及び他の非白血球構成成分の除去を包含する。1つの好ましい実施形態では、全血は、抗凝固剤を含有する血液収集管へ採取することができ、白血球濾過の効率を増大させる。抗凝固剤であるヘパリンは、白血球濾過の効率を増大させるのに特に有効である。ACD及びEDTAのような他の抗凝固剤を使用しても良いが、得られるmRNA測定におけるシグナル強度は弱まるかもしれない。1つの好ましい実施形態では、血液サンプルは凍結してもよく、これにより、mRNAを破壊するRNA分解酵素の幾つかが除去される。ウェルは、低張緩衝液で洗浄してもよい。血液は、いったんフィルタープレート上の所望の数のウェルへ添加されると、フィルター膜を通って濾過される。濾過は、遠心分離、真空吸引又は正圧のような当業者に既知の任意の技法を通じて達成され得る。
上記方法は、細胞溶解及びmRNA捕獲ゾーン内に固定化されたオリゴ(dT)へのmRNAのハイブリッド形成を包含する。溶解緩衝液は、フィルタープレートウェルへ添加され(40μL/ウェル)、インキュベーションにより(室温で20分間)、捕捉された白血球からmRNAを放出させる。1つの好ましい実施形態では、マルチウェルフィルタープレートは、プラスチックバッグ中に密封されて、遠心分離される(IEC MultiRF、2,000rpm、4℃で、1分間)。その後、溶解緩衝液を再び添加して(20μL/ウェル)、続いて遠心分離を行う(IEC MultiRF、3,000rpm、4℃で5分間)。その後、マルチウェルフィルタプレートを遠心分離機から取り出して、インキュベートする(室温で2時間)。
好ましい実施形態によれば、溶解緩衝液は、界面活性剤、塩、pH緩衝液、グアニジンチオシアネート及びプロテイナーゼKを含む。
溶解緩衝液の好ましい実施形態は、少なくとも1つの界面活性剤を含有するが、2つ以上の界面活性剤を含有してもよい。当業者は、様々なタイプの細胞に関して種々の膜の様々な溶解レベルを達成するために、種々の強度を持つ界面活性剤の濃度の種々の組合せを利用し得る。例えば、IGEPAL CA−630は、N−ラウロサルコシンよりも弱い界面活性剤であるが、一実施形態では、IGEPAL CA−630のみで細胞膜を溶解するのに十分かもしれない。他の実施形態では、N−ラウロサルコシンのような強力な界面活性剤を、1又はそれ以上の弱い界面活性剤と併用して、核膜の溶解を最適化することができる。界面活性剤は、少なくとも細胞の細胞膜を溶解するのに十分であることが好ましい。別の好ましい実施形態では、相当量のmRNAが細胞の核中に存在するため、細胞の核膜を溶解するのに十分な界面活性剤が含まれる。ある状況では、細胞質mRNAのみを測定することが望ましく、その一方、他の状況では、細胞質及び核中のmRNAを測定することが望ましい場合がある。
溶解緩衝液の強力な界面活性剤としては、好ましくはN−ラウロイルサルコシン、S.D.S.、デオキシコール酸ナトリウム及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが挙げられるが、これらに限定されない。
弱い界面活性剤としては、IGEPAL CA−630、N−デカノイル−N−メチルグルカミン、オクチル−β−D−グルコピラノシド、又は当業者に既知の他の界面活性剤が挙げられる。0.05〜2%の界面活性剤が溶解緩衝液中で使用され得る。1つの特に好ましい実施形態の溶解緩衝液は、0.5%のN−ラウロイルサルコシンを含む。溶解緩衝液の別の好ましい実施形態は、0.1〜2%のIGEPAL CA−630を含有する。特に好ましい実施形態では、0.1%のIGEPAL CA−630を含有する。
塩とキレート剤の組合せもまた、溶解剤として役立ち得る。例えば、75μMのNaCl及び24μMのNa−EDTAが、溶解剤として役立ち得る。溶解剤の実施形態には、当業者に既知の他の溶解剤が包含され得る。
溶解緩衝液の塩は、mRNA−オリゴ(dT)ハイブリッド形成剤として作用する。塩は好ましくは、当業者により測定可能なように、4×SSCのストリンジェンシー(相補的DNA配列がハイブリッド形成する厳密さ)を超過しないストリンジェンシーを有することが好ましい。他の実施形態の溶解緩衝液は、NaCl又は当業者に既知の他の塩を包含する。
溶解緩衝液ストックのpH緩衝液は、好ましくはpHを7.0〜8.0に保つ。一実施形態は、1mM〜100mMのTrisHCl(pH7.4)を含む。特に好ましい実施
形態では、pH緩衝液は、10mMのTrisHCl(pH7.4)を含む。別の好ましい実施形態の溶解緩衝液は、当業者にとって既知のpH緩衝液を含み、たとえば、0.03%のH22を含有する0.1Mのクエン酸塩−リン酸塩(pH5.0)が挙げられる。
溶解緩衝液の特に好ましい実施形態によれば、グアニジンチオシアネートは、RNA分解酵素不活性化剤として役立つ。グアニジンチオシアネートは、従来技術においては、十分に有効ではない濃度で一般に使用されてきたことを本発明者らは発見した。したがって、グアニジンチオシアネートの濃度は、1.4Mを上回ることが好ましい。10Mもの高濃度、より好ましくは2M以下のグアニジンチオシアネート濃度が使用できる。しかしながら、1.7M以上の濃度では、溶解緩衝液の効率が低下する。したがって、好ましい実施形態では、約1.4〜約1.75Mのグアニジンチオシアネートを使用する。1つの好ましい実施形態は、1.7〜1.8Mのグアニジンチオシアネートを含む。使用時の溶解緩衝液は、グアニジンチオシアネートが特定の濃度(1.791M)になるようにストックから調製することができる。他の試薬が溶解緩衝液に添加されるため、グアニジンチオシアネートの濃度は低下する。溶解緩衝液は好ましくは、約1.6〜約1.7Mの濃度のグアニジンチオシアネートを含む。
特定の好ましい実施形態はさらに、RNA分解酵素不活性化剤として、20mg/mlのプロテイナーゼKを含む。溶解緩衝液の1つの好ましい実施形態は、200μg/ml〜20mg/mlのプロテイナーゼKを含む。別の好ましい実施形態は、200μg/ml〜1.0mg/mlのプロテイナーゼKを含む。別の好ましい実施形態は、200μg/ml〜500μg/mlのプロテイナーゼKを含む。ドデシル硫酸ナトリウムもまた、RNA分解酵素不活性化剤として役立ち得る。別の実施形態は、RNA分解酵素不活性化剤として0.1〜10%の2−メルカプトエタノールを包含する。1つの特に好ましい実施形態は、1%の2−メルカプトエタノールを含む。他の実施形態のRNA分解酵素不活性化剤は、好ましくは、RNA分解酵素中のジスルフィド結合を還元する当業者に既知の物質を包含する。
溶解緩衝液の好ましい実施形態は、Mg2+及びCa2+をキレートするキレート剤をさらに含む。1つの好ましい実施形態は、0.1mM〜5mMのEDTAを含む。特に好ましい実施形態は、1mMのEDTAを含む。他の好ましい実施形態の溶解緩衝液ストックは、例えばEDTMP、2,3−ジメルカプトプロパノール及びEGTAを含む当業者に既知のキレート剤(これらに限定されない)を含有する。
好ましい実施形態の溶解緩衝液は、tRNAを含んでもよい。tRNAは、様々な供給源に由来し得るものであり、血液由来のDNA及びRNAのフィルタープレートへの非特異的吸収を阻害するために含まれる。さらに、tRNAの存在により、血液由来のRNAの分解が防止される。1つの好ましい実施形態では、使用時の溶解緩衝液のtRNAは、0.1〜10mg/mlのE.coli tRNAを含む。他の実施形態は、当業者に既知の任意の供給源に由来するtRNAを含んでも良い。
好ましい実施形態の溶解緩衝液は、多種多様な供給源由来のDNAを含んでいてもよく、これはフィルタープレートへの血液由来のDNA及びRNAの非特異的吸収を阻害するために添加される。使用時の溶解緩衝液のDNAは、好ましくは、0.1〜10mg/mlの超音波処理したサケ精子DNAを含む。他の実施形態では、他の生物由来のDNAが使用され得る。
特に好ましい実施形態の溶解緩衝液は、元のサンプル中の標的mRNAの明確な量を算出するために、スパイクされた対照RNAを包含してもよい。本発明の具体化前には、研究機関間の変動及び標準化の欠如により、ある実験の結果を他の実験の結果と比較するこ
とは困難であった。しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、標的mRNAの明確な量は、各サンプルにおいて、TaqMan又は他のPCRアッセイにより得られる値を、スパイクされた対照RNAの用量の回収割合によって除算することにより決定することができる。
溶解緩衝液の好ましい実施形態は、1ウェル当たり10〜1e10コピー、より好ましくは1e5〜1e10コピーのスパイクされたRNAを包含する。好ましい実施形態では、使用される対照RNAの量は、少なくとも検出されるのに十分であるが、定量化される標的mRNAの量を著しく妨害するほど多くはない。好ましい実施形態では、溶解緩衝液に添加される対照RNAは、ポリ(A)+RNAである。試験されるサンプルがヒト血液である特に好ましい実施形態では、対照RNAは、ヒト血液中に存在するRNAと相同ではない。幾つかの好ましい実施形態では、対照RNAの配列は、標的mRNAに対して90%未満の相同性であるか、又は標的mRNAと10%を上回る長さの差を有する。他の好ましい実施形態では、対照RNAの配列は、標的mRNAに対して85%未満の相同性であるか、又は標的mRNAと5%を上回る長さの差を有する。さらなる実施形態では、対照RNAの配列は、標的mRNAに対して75%未満の相同性であるか、又は標的mRNAと2%を上回る長さの差を有する。別の実施形態では、対照RNAの配列は、標的mRNAに対して65%未満の相同性であるか、又は標的mRNAと1%を上回る長さの差を有する。一実施形態では、対照RNAは好ましくは、PCRを用いて鋳型オリゴヌクレオチドを増幅させることにより作製され得る。したがって、順方向プライマー(配列番号3、4、7及び1)、逆方向プライマー(配列番号2及び8)、及びTaqManプローブ(FAM−配列番号6−TAMRA、FAM−配列番号9−TAMRA、及びFAM−配列番号5−TAMRA)を使用して、様々な対照RNAオリゴヌクレオチドを増幅させることができる。別の実施形態は、定量される複数の異なる標的mRNAの使用を包含する。さらなる実施形態は、複数の対照RNAを使用することを包含する。
本願の方法は、mRNAの定量化を包含し、好ましい実施形態では、mRNAからのcDNA合成及びPCRを使用したcDNAの増幅を伴う。1つの好ましい実施形態では、マルチウェルフィルタプレートは、溶解緩衝液(150μL/ウェル×3回、手動)及び洗浄緩衝液(150μL/ウェル×3回、手動又はBioTek #G4)で洗浄される。その後、cDNA合成緩衝液が、マルチウェルフィルタプレートへ添加される(40μL/ウェル、手動又はI&J #6)。Axymat(Amgen AM−96−PCR-RD)をマルチウェルフィルタプレート上へ配置することができ、次いでこれをヒートブロック(37℃、VWR)上へ配置し、インキュベートする(90分超)。その後、マルチウェルフィルタプレートは、遠心分離され得る(2,000rpm、4℃で1分間)。PCRプライマーを384ウェルPCRプレートへ添加して、cDNAをマルチウェルフィルタプレートから384ウェルPCRプレートへ移す。PCRプレートは遠心分離され(2,000rpm、4℃で1分間)、リアルタイムPCRが開始される(TaqMan/SYBER)。
別の好ましい実施形態は、mRNAハイブリッド形成中又はcDNA合成中における特異的アンチセンスプライマーの適用を含む。cDNAの合成前に過剰のアンチセンスプライマーが除去されてキャリーオーバー効果が回避され得るように、プライマーはmRNAハイブリッドの形成中に添加されることが好ましい。オリゴ(dT)及び特異的プライマー(NNNN)は、同時にポリ−A RNA上の種々の位置でcDNA合成をプライミングする。特異的プライマー(NNNN)及びオリゴ(dT)は、増幅の間にcDNAの形成を引き起こす。特異的プライマー由来のcDNAが、95℃で2分間各ウェルを加熱することによりGenePlateから除去される場合でさえ、熱変性プロセスから得られる特異的CD4 cDNAの量(TaqMan定量的PCRを用いて)は、非加熱の陰性対照から得られる量に類似している。何らの説明又は理論によって拘束されることも望ま
ないが、かかる結果に関する1つの考え得る説明は、オリゴ(dT)由来のcDNAが、増幅の間にプライマー由来のcDNAを置き換え得ることである。これは、熱変性プロセスが完全に排除されるため、特に利便性が高い。さらに、異なる標的に関する複数のアンチセンスプライマーを添加することにより、各遺伝子は、cDNAの一部から増幅させることができ、GenePlate中のオリゴ(dT)由来のcDNAは、将来的な使用のために保存することができる。
別の好ましい実施形態は、全血からのmRNAのハイスループットな定量化のための装置を包含する。上記装置は、複数のサンプル送達ウェル、サンプル送達ウェルの真下にある白血球捕獲フィルター、及びフィルターの下にあるmRNA捕獲ゾーンを含有するマルチウェルフィルタープレートを包含し、mRNA捕獲ゾーンのウェル中には固定化されたオリゴ(dT)が含まれる。白血球収集の効率を増大させるために、幾つかの濾過膜をあつめて層状にすることができる。
多くの従来の増幅技術を、この測定方法と併用することができるが、本発明の1つの特に好ましい実施形態は、全血由来のRNA及び対照RNAを用いてリアルタイム定量的PCR(TaqMan)を実施することを含む。Hollandら(PNAS 88: 7276-7280 (1991))は、Taqmanアッセイとして知られるアッセイについて記載している。Taqポリメラーゼの5’→3’エクソヌクレアーゼ活性は、増幅に付随して特異的な検出可能なシグナルを発生させるために、ポリメラーゼ連鎖反応産物検出システムで用いられる。3’末端は伸長不可能であり、5’末端が標識され、かつ標的配列内でハイブリッド形成するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブが、ポリメラーゼ連鎖反応アッセイへ導入される。増幅の過程中のポリメラーゼ連鎖反応産物鎖の1つへのプローブのアニーリングにより、エキソヌクレアーゼ活性に適した基質が生成される。増幅中に、Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、未分解プローブと区別され得る、より小さなフラグメントへプローブを分解する。上記アッセイは、高感度且つ特異的であり、より煩雑な検出方法を大幅に改善するものである。このようなアッセイの一種はまた、米国特許第5,210,015号においてGelfandらに記載されている。上記特許は、(a)標的核酸の領域に相補的な配列を含む少なくとも1つの標識オリゴヌクレオチドを、サンプルを含有するPCRアッセイに提供すること(ここで、標識オリゴヌクレオチドは、工程(b)のオリゴヌクレオチドプライマーが結合する標的核酸配列の内部にアニーリングする)、(b)一組のオリゴヌクレオチドプライマーを提供すること(ここで、第1のプライマーは、標的核酸配列の一方の鎖中の領域に相補的な配列を含有して、相補的DNA鎖の合成をプライミングし、第2のプライマーは、標的核酸配列の第2の鎖中の領域に相補的な配列を含有し、相補的DNA鎖の合成をプライミングし、また各オリゴヌクレオチドプライマーは、同じ核酸鎖にアニーリングする任意の標識オリゴヌクレオチドの上流でその相補的鋳型にアニーリングするよう選択される)、(c)(i)標的領域内に含まれる鋳型核酸配列へのプライマー及び標識オリゴヌクレオチドのアニーリング並びに(ii)プライマーの伸長、からなるPCRの繰り返し工程に許容的である条件下で、鋳型依存性重合剤として5’から3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼを使用して標的核酸配列を増幅すること(ここで、上記核酸ポリメラーゼは、プライマー伸長産物を合成する一方で、核酸ポリメラーゼの5’から3’ヌクレアーゼ活性は、同時に標識オリゴヌクレオチド及びその相補的鋳型核酸配列を含むアニーリングされた二重鎖から標識フラグメントを放出し、それにより検出可能な標識フラグメントを作り出す)、及び(d)標識フラグメントの放出を検出及び/又は測定してサンプル中の標的配列の存在又は非存在を決定すること、を含む方法を開示している。Gelfandらに対する米国特許第5,210,015号、及びHollandら(PNAS 88:7276-7280 (1991))は、参照により本明細書に援用される。
さらに、Fisherらに対する米国特許第5,491,063号は、Taqman型アッセ
イを提供する。Fisherらの方法は、発光標識を用いて標識した一本鎖オリゴヌクレオチドプローブの切断をもたらす反応を提供し、その反応は、標識と相互作用して標識の発光を改変するDNA結合化合物の存在下で実施される。上記方法は、プローブの分解に起因する標識プローブの発光の変化を利用する。上記方法は、一般的に、オリゴヌクレオチドプローブの切断をもたらす反応を利用するアッセイ、特にハイブリッド形成したプローブが、プライマーの伸長に付随して切断される均質な増幅/検出アッセイに適用可能である。増幅された標的の蓄積の検出及び標的配列の配列特異的な検出を同時に可能にする均質増幅/検出アッセイが提供される。Fisherらに対する米国特許第5,491,063号は、参照により本明細書に援用される。
TaqMan検出アッセイは、伝統的なPCRアッセイを上回る幾つかの利点を提供する。第一に、TaqManアッセイは、標的配列中に存在する内部のオリゴヌクレオチド配列のハイブリッド形成とPCRの感度とを組み合わせる。PCR後に、サンプルは、アガロースゲル上で分離させる必要はなく、続くPCR産物の同一性を確認するのに必要であるサザンブロットやハイブリッド形成工程が排除される。これらのさらなるPCR後の確認工程は、正確な同定のためにはたやすく数日余計にかかる可能性がある。TaqManシステムを使用すると、アッセイは2.5時間以内に完了する。さらに、当該アッセイプロセスに関連する手順は、効率的且つ相互汚染なしで多数のサンプルの取り扱いを可能とし、したがって、ロボットサンプリングに適応可能である。結果として、多数の試験サンプルは、TaqManアッセイを使用して、非常に短期間で処理され得る。TaqManシステムの別の利点は、多重化の可能性である。異なる蛍光レポーター色素を使用してプローブを構築することができるため、幾つかの異なるHIVの系を、同じPCR反応で組み合わせることができ、それにより、試験がそれぞれ個別に実施された場合に被るであろう労働コストを低減させる。迅速かつ確実なデータという長所は、労働力及びコスト効率とともに、本発明の特異的プライマーを利用するTaqMan検出システムを、HIVの存在をモニタリングするための非常に有益なシステムにする。
他のリアルタイムPCRの形式もまた使用できる。1つの方式は、SYBR Greenのようなインターカレート色素を用いる。この色素は、二本鎖DNAに結合すると強力な蛍光シグナルを発し、このシグナルにより、増幅DNAの定量化が可能となる。この方式では、配列特異的な増幅のモニタリングはできないが、標識プローブなしで増幅DNAの直接的な定量化が可能である(例えば、Ponchelら(2003) SYBR−Green I蛍光に基づくリアルタイムPCR:遺伝子再構成、遺伝子増幅及びミクロ遺伝子欠失の相対的な定量化のためのTaqManアッセイに対する代替法(Real-time PCR based on SYBR-Green I fluorescence: An alternative to the TaqMan assay for a relative quantification of gene rearrangements, gene amplifications and micro gene deletions). BMC Biotechnology 3:18)。他のそのような蛍光色素で同様に使用され得るものに、SYBR Gold、YO−PRO色素及びYo Yo色素がある。
使用され得る別のリアルタイムPCRの形式は、単位複製配列(amplicon)にハイブリダイズして、蛍光シグナルを発生するレポータープローブを使用する。ハイブリッド形成事象は、プローブ上のレポーター部分とクエンチャー部分を引き離すか、あるいはそれらをより接近させる。プローブ自体は分解されず、レポーター蛍光シグナル自体は、反応中には蓄積されない。PCRの間の産物の蓄積は、プローブが単位複製配列へハイブリダイズする際のレポーター蛍光シグナルの増加によりモニタリングされる。このカテゴリーに属する形式としては、分子指標(Sanjay, T and Russell, K (1996) 分子指標:ハイブリッド形成時に蛍光を発するプローブ(Molecular Beacons: Probes that Fluoresce upon Hybridization). Nature Biotech. Vol. 14, March, pp303-308)、二重ハイブリッドプローブ(Cardulloら(1988) 無放射蛍光共鳴エネルギー移動による核酸ハイブリッドの検出(Detection of nucleic acid hybridization by nonradiative fluorescence resonance ene
rgy transfer). PNAS USA 85:8790-8794)、Sunrise又はAmplifluor(Nazarenkoら(1997) エネルギー移動に基づくDNAの増幅及び検出のための閉管方式(A closed tube format for amplification and detection of DNA based on energy transfer). Nucleic Acid Res. 25:2516-2521)及びScorpion(Whitcombeら(1999) 自己消光性プロービング単位複製配列及び蛍光を使用したPCR産物の検出(Detection of PCR products using self quenching probing amplicons and fluorescence). Nature Biotech. 17:804-807)リアルタイムPCRアッセイが挙げられる。
同様に使用され得る別のリアルタイムPCRの形式は、いわゆる「Policeman」システムである。このシステムでは、プライマーは、蛍光部分(例えば、FAM)、及びプライマーの3’末端で少なくとも1つのヌクレオチド塩基に共有結合される蛍光部分の蛍光を消光することが可能なクエンチャー部分(例えば、TAMRA)を含む。3’末端で、プライマーは、少なくとも1つのミスマッチ塩基を有し、したがって、当該塩基(単数又は複数)位置において核酸サンプルを相補しない。鋳型核酸配列は、Pfu酵素のような3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを用いたPCRにより増幅されて、PCR産物を生成する。クエンチャー部分を結合したミスマッチ塩基(複数可)は、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性によりPCR産物の3’末端から切断される。共有結合したクエンチャー部分を有するミスマッチ塩基がポリメラーゼにより切断される場合、したがって蛍光部分に対する消光効果を除去する場合に生じる蛍光は、PCR中に少なくとも1つの時点で検出及び/又は定量化される。バックグラウンドを超える蛍光は、合成された核酸サンプルの存在を示す。このPCRの形式は、米国特許出願第10/309,691号(これは、参照により本明細書に援用される)に詳述されている。
好ましい実施形態では、様々なmRNAは、単に各標的に対するプライマー及びプローブを変化させることにより定量することができる。ヘパリンは、最大の生物活性に対して重要な因子である細胞外Ca++を維持するため、白血球を単離せずに全血中で薬物作用を分析することができる。
本発明の好ましい実施形態では、既知量のスパイクされた標準RNAを使用することにより特定のサンプルの全効率を測定する能力は、実施形態が用量非依存的かつ配列非依存的であることに由来する。既知量の対照RNAの使用により、PCR測定値を元のサンプル中の標的mRNAの量へ換算することが可能となる。
別の好ましい実施形態は、全血からのmRNAのハイスループットな定量化のためのキットを包含する。当該キットは、全血からのmRNAのハイスループットな定量化のための装置、ヘパリン含有血液回収管、低張緩衝液及び溶解緩衝液を包含する。
別の好ましい実施形態は、血液サンプル、低張緩衝液及び溶解緩衝液を装置に添加するためのロボット、自動真空アスピレータ及び遠心分離機、並びに自動PCR機械を含む、全血中のmRNAのハイスループットな定量を実施するための完全自動システムを包含する。
開示される癌感受性を測定する方法はまた、上述の方法以外のmRNAを測定する他の方法を使用してもよい。使用され得る他の方法としては、例えば、ノーザンブロット分析法、RNA分解酵素保護法、溶液ハイブリッド形成法、半定量的RT−PCR及びin situハイブリッド形成が挙げられる。
さらに、全血に由来する細胞以外の細胞もまた使用され得る。例えば、他の組織に由来する細胞(例えば、線維芽細胞)の懸濁液も使用され得る。
癌感受性の測定
本発明の方法は、個体の全血において成長抑制マーカーのレベルを測定する。好ましい実施形態では、測定されるマーカーのレベルは、mRNAのレベルである。しかしながら、マーカーのレベルはまた、例えば該個体の細胞中に存在するマーカータンパク質のレベルを測定することなどにより、当業者に既知の他の方法で評価されてもよい。本出願で使用される場合、「個体」は、ヒトを含む任意の種の動物であり得る。さらに、本出願で使用される場合、「成長抑制」mRNAは、細胞増殖を停止させる細胞破壊mRNA、及び細胞を死滅させる細胞破壊mRNAの両方を包含する。以下の実施例では、変異原刺激後の成長抑制mRNAのレベルのより大きな増大は癌の危険性がより低いことを示すのに対して、減少は、癌の危険性がより高いことを示す。しかしながら、他のマーカーは反対のパターンを示すかもしれない。すなわち、変異原刺激後のmRNAのレベルの大きな減少が癌の危険性がより低いことを示すのに対して、増加は癌の危険性がより高いことを示すということもあろう。
本発明の方法を使用する場合、癌に対する個体の感受性の測定は、電離放射線のような変異原性刺激剤への暴露に起因する細胞分裂抑制マーカーmRNAの増加と関連付けられる。刺激に応答するマーカーmRNAの増加が大きいほど、その個体は、癌を生じ得るDNA損傷の蓄積に対してより影響を受けにくくなる。しかしながら、個体が、変異原性刺激への暴露に応答して、マーカーmRNAをほとんど又は全く誘導しない場合、増殖細胞中にDNA損傷が蓄積して、結果的に癌の発症をもたらす可能性が高くなるだろう。
以下の実施例では、変異原性刺激への暴露前及び後に直接的に個体中のマーカーmRNAレベルの変化を測定する好ましいプロトコルを使用している。しかしながら、同じ種に属する複数の個体に由来する暴露されていない細胞中のマーカーmRNAのレベルの平均ベースライン測定値を得て、個体の細胞中の暴露後のマーカーmRNAのレベルを、平均ベースライン測定値と比較して、マーカーmRNAレベルの変化を測定することも可能である。これは、個体の癌感受性を決定するために1つのmRNAレベルを測定するだけで済むという利点を有する。平均ベースライン測定値は、好ましくは少なくとも10個体からのマーカーmRNA測定値に基づいて得られる。平均ベースライン測定値は、より好ましくは少なくとも25個体からのマーカーmRNA測定値に基づいて得られる。平均ベースライン測定値は、最も好ましくは少なくとも50個体からのマーカーmRNA測定値に基づいて得られる。
多種多様の変異原性刺激剤が、本発明の方法で使用され得る。かかる変異原性刺激剤としては、例えば、熱、UV照射又は電離放射線(例えば、X線若しくはγ線)のような物理的作用因子が挙げられ得る。変異原性刺激剤はまた、塩基類縁体(例えば、ブロモウラシル及びアミノプリン)、塩基構造及び塩基対形成特性を改変する作用物質(例えば、亜硝酸、ニトロソグアニジン、メタンスルホン酸エチル及びメタンスルホン酸メチル)、インターカレート剤(例えば、アクリジンオレンジ、プロフラビン及び臭化エチジウム)、構造改変剤(例えば、NAAAF、ソラレン及び過酸化物)及び抗腫瘍薬(例えば、ブレオマイシン及びエトポシド(VP−16))を含む化学的作用因子であってもよい。レトロウイルスのような転位因子の使用もまた意図される。
p21、p27Kip1及びp16/p15INK4のような幾つかの細胞分裂抑制マーカーが既知である。p21は、DNA損傷に応答して細胞増殖を停止させることが既知であるため、実施例では放射線誘導性細胞停止に対する細胞分裂抑制マーカーとしてp21を使用した。しかしながら、p27Kip1及びp16/p15INK4のような当業者に既知の他の細胞分裂抑制マーカーmRNAを測定してもよい。
同様に、実施例では、強力なアポトーシス促進効果を有することが知られている細胞破
壊マーカーBAX及びPUMAが測定された。米国仮特許出願第60/653,557号(参照により本明細書に援用される)に開示されるように、PUMAは、ヒト血液中で主要なアポトーシス促進性mRNAであることが、本発明者らにより決定された。しかしながら、Bak、Bok、Bcl−XS、Bid、Bad、Bik、Bim及びNOXAのような当業者に既知の他の細胞破壊マーカーmRNAが測定されてもよい。
<実施例1>
この実施例で用いるmRNAレベルを測定するためのプロトコルは以下の通りであった。アッセイ手順は、1)フィルタープレート上での白血球単離及び溶解、2)mRNA単離、逆方向プライマーハイブリッド形成及びオリゴ(dT)固定されたマイクロプレートにおけるcDNA合成、並びに3)リアルタイム定量的PCR、の3つの主要な工程から構成される。簡潔に述べると、フィルタープレートを回収プレート上に配置し、5mmol/Lのトリス(pH7.4)150μLを添加して、フィルタ膜を湿潤させた。フィルタープレートから溶液を除去するため120×g、4℃で1分間遠心分離し、その後に、十分混合した血液サンプル50μLを各ウェルに添加して、直ちに120×g、4℃で2分間遠心分離した後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)300μLを加えて2,000×g、4℃、5分間の遠心分離することにより、各ウェルを一度洗浄した。その後、1%の2−メルカプトエタノール(Bio Rad)、0.5mg/mLのプロテイナーゼK(Pierce)、0.1mg/mLのサケ精子DNA(5 Prime Eppendorf/Brinkmann)、0.1mg/mLのE.coli tRNA(Sigma)、それぞれ10mmol/Lの特異的逆方向プライマー及び107分子/mLの内部標準としての合成RNA34を追加したストック溶解緩衝液(下記を参照)60μLをフィルタープレートに適用した後、37℃で10分間インキュベートした。その後、フィルタープレートをオリゴ(dT)を固定化したマイクロプレート(GenePlate、RNAture)上に配置して、2,000×g、4℃で5分間遠心分離した。4℃で一晩保存した後、マイクロプレートを溶解緩衝液(他の成分を添加していないもの)100μLで3回、その後洗浄緩衝液(0.5mol/LのNaCl、10mmol/Lのトリス(pH7.4)、1mmol/LのEDTA)150μLで3回、4℃で洗浄した。cDNAは、1×RT緩衝液(50mmol/LのKCl、10mmol/Lのトリス−HCl(pH8.3)、5.5mmol/LのMgCl2、ジチオスレイトールなし)、それぞれ1.25mmol/LのdNTP、4ユニットのrRNasin、及び80ユニットのMMLV逆転写酵素(Promega)を含有する緩衝液(プライマーなし)30μLを添加し、37℃で2時間インキュベートすることにより、各ウェル中で直接合成された。得られたcDNA4μLを384ウェルPCRプレートへ直接移して、そこにTaqManユニバーサルマスターミックス(Applied Biosystems)5μL及びオリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μmol/Lの順方向及び逆方向プライマー、及び3〜6μmol/LのTaqManプローブ)1μLを添加して、95℃で10分間を1サイクル、続いて95℃で30秒間、55℃で30秒間、及び60℃で1分間の45サイクルを用いて、PRISM 7900HT(Applied Biosystems)によりPCRを実施した。各遺伝子は別個のウェルで増幅させた。ある特定量のPCR産物(蛍光)を生成するためのPCRのサイクルであるサイクル閾値(Ct)は、解析用ソフトウェア(SDS、Applied Biosystems)を用いて測定された。PCRはまた、iCycler(BioRad)を用いて、GenePlate中で直接実施された。
溶解緩衝液ストック
0.5% N−ラウロイルサルコシン
4×SSC
10mM トリスHCl、pH7.4
1mM EDTA
0.1% IGEPAL CA−630
1.791M グアニジンチオシアネート
p21 mRNAの測定は、様々な線量の電離放射線に対する暴露前及び後の両方で実施された。結果を図1に示す。この結果は、ヘパリン処理した全血をin vitroで電離放射線に暴露した場合に、p21 mRNAが線量依存的な様式で誘導されたことを明らかにしている。発現は、放射線暴露後2時間という早い段階で最高になった。さらに、図2に示すように、2つの独立した悪性癌及び1つの独立した良性腫瘍を発症した癌患者を、同じプロトコルを使用して試験した場合、p21 mRNAの誘導は非常に低かった(白丸)。
<実施例2>
上記と同じプロトコルを使用して、細胞破壊マーカーであるBAXのmRNAレベルを測定した。BAX mRNAが、アポトーシスの初期段階で誘導されるため、BAXは、細胞破壊マーカーであるとみなされる。図3に示すように、実施例1の癌患者は、10Gyの放射線による刺激時に、BAX mRNAの減少を示したのに対して、試験した健常な成人の大部分が、放射線刺激後にBAX mRNAの増大を示した。
図2及び図3を組み合わせ、また、より多くの健常な成体のデータが追加されると(図4)、癌患者は、p21及びBAXの両方に対して乏しい応答を示した。図4では、4つのデータ点(黒菱形)及び2つのデータ点(黒三角)は、異なる日に試験した同じ個体に由来する。1人の健常な成人は、乏しいBAX応答を示したが、これは、高いp21応答により相殺された(図4、小さい矢印)。同様に、乏しいp21応答を示す1人の健常な成人は、相殺する高いBAX応答を示した(図4、大きい矢印)。したがって、癌感受性又は癌危険性は、細胞分裂抑制(p21)及び細胞破壊(BAX)マーカー遺伝子の両方の応答により確認され得る。
<実施例3>
上記と同じプロトコルを使用して、細胞破壊マーカーであるPUMAのmRNAレベルを測定した。ヒト血液中において、PUMA mRNAは、BAXファミリーの遺伝子の中で最大のアポトーシス促進効果を有することが見出されている。10Gyの放射線で刺激した癌患者の血液は、乏しいPUMA応答を示した一方で、試験した健常な成人の大部分が、放射線刺激後にPUMA mRNAの増大を示した。
個体における癌予防効果のための化合物をアッセイする方法
興味深いことに、図4の値は、同じ個体(黒菱形、黒三角)内で一定ではなく、時間とともに変動した。これは、癌危険性(DNA損傷応答)が改変され得ることを示す。したがって、この試験は、in vivoで、又はin vitroで候補化合物とともに全血をインキュベートすることにより、各個体に関して癌予防レジメンを同定するのに適用可能であり得る。
図5は、個体に対する、癌予防に関する薬物スクリーニングの結果を示す。第一に、ヘパリン処理した全血を、様々な栄養補助食品とともに37℃で1時間インキュベートした(各化合物に関して2つのチューブ)。その後、1つのチューブを1Gyの電離放射線へ暴露した後、両方のチューブを37℃でもう2時間インキュベートした。p21 mRNAは、上述のように定量化した。図5に示すように、最左のデータ点の組は、補助食品なしで得られ(表示(−))、放射線誘導性p21誘導が確認され、図1〜3の結果と類似していた。図5では、各データ点は、1Gy放射線あり(黒丸)又はなし(白丸)でのp21 mRNAの平均値±標準偏差である。栄養補助食品は、それぞれビタミンA(10μM)、C(10μg/mL)、D(100nM)及びE(1:1000)、エピガロカテキン(EGC、緑茶抽出物)(10μM)、γ−リノール酸(γLA)(10μg/m
L)、ゲニステイン(Gen、ダイズ抽出物)(10μM)、クルクミン(Cur、スパイス)(1μM)、ケルセチン(Que、植物性フラボノイド)(100nM)、ハラタケ属(Agaricus)(Aga、マッシュルーム抽出物)(1:100)、プロポリス(Pro、蜂の巣抽出物)(1:1000)、シメマコブ(Shimemakobu)(Shi、マッシュルーム抽出物)(30mg/mLを一口)、及びアルコキシグリセロール(Alkoxy、サメ抽出物)(1:100)である。丸で囲んだデータ点は、p<0.05を示す。
興味深いことに、幾つかの栄養補助食品(例えば、エピガロカテキン没食子酸塩(緑茶抽出物)は、放射線誘導性p21発現を著しく増強したのに対して、エピガロカテキン没食子酸塩は、対照血液(放射線なし)ではp21レベルのいかなる変化も示さなかった。γ−リノール酸及びクルクミン(スパイス)もまた、放射線誘導性p21発現を増強したが、これらの化合物はまた、バックグラウンドp21レベルも増大させた。バックグラウンドmRNA発現の増大は、幾らかの副作用又は毒性を示し得る。バックグラウンドマーカーmRNA発現のわずかではない増大を示す化合物は、かかる副作用を示し得る。本明細書中で使用する場合、mRNA発現の「わずかな」又は「弱い」増大は、好ましくは発現レベルの400%未満の増大、より好ましくは発現レベルの200%未満の増大、さらに好ましくは発現レベルの100%未満の増大、最も好ましくは発現レベルの50%未満の増大である。より大きな増大は、「強大な」増大であると決定される。これらのデータにより、これらの栄養補助食品の幾つかが、DNA損傷応答を増大させ、癌予防を示し得ることが示される。
また、上述のように成長抑制マーカーを測定する前に個体へ化合物を投与することにより、in vivoでこれらの化合物をスクリーニングすることが可能である。投与は、経口又は静脈内のような当業者に既知の任意の様式で実施され得る。適切な投与量は、投与される化合物に応じて様々であり、当業者に既知の標準的な投薬レジメンに従って確定され得る。
抽出物である上記化合物はさらに、それらの活性構成成分を同定するのに試験され得る。このことは、癌予防効果を増強すると期待され、また任意の副作用又は毒性を低減し得る。
単一の個体に由来した図5の結果に示されるように、癌の発症を防御する個体の能力を増強するために、その個体にとって適切な化合物を同定することが可能である。換言すると、個体に適応させた癌予防プロトコルを開発することが可能である。
さらに、ある特定の化合物が、多くの他の個体において類似の結果を示す場合、これらの化合物は、一般的な癌予防効果を有すると仮定することができ、癌の危険性を低減するために一般社会により使用され得る。
ヘパリン処置した全血における放射線誘導性p21誘導を示す図である。 健常な成人(黒丸)及び癌患者(白丸)における放射線誘導性p21誘導を示す図である。 健常な成人(黒丸)及び癌患者(白丸)における放射線誘導性BAX誘導を示す図である。 健常な成人(黒丸、黒菱形、黒三角)及び癌患者(白丸)における放射線誘導性p21並びにBAX誘導を示す図である。 様々な栄養補助食品による放射線誘導性p21の低減を示す図である。

Claims (60)

  1. 個体において癌に対する感受性を決定する方法であって、
    前記個体の細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露すること、
    前記個体の暴露された細胞及び暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを測定すること、並びに
    前記暴露された細胞及び暴露されていない細胞におけるマーカーレベルの差に基づいて、前記個体の癌に対する感受性を決定すること
    を含む方法。
  2. 前記細胞は前記個体の全血に由来する、請求項1に記載の方法。
  3. 測定されるレベルは、mRNAのレベルである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記個体はヒトである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記成長抑制マーカーは細胞分裂抑制マーカーである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記成長抑制マーカーは細胞破壊マーカーである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記細胞破壊マーカーはBAXである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項7に記載の方法。
  10. 前記変異原性刺激剤は電離放射線である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記癌に対する感受性は、前記成長抑制マーカーのレベルが暴露後に大きく増大する場合に、減少すると決定される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記癌に対する感受性は、前記成長抑制マーカーのレベルが暴露後に増大しない、あるいはわずかしか増大しない場合に、増大すると決定される、請求項1に記載の方法。
  13. 複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21であり、前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項14に記載の方法。
  16. 個体において癌に対する感受性を決定する方法であって、
    前記個体の種に属する複数の個体に由来する細胞において、細胞をin vitroで変異原性刺激剤に暴露した後の成長抑制マーカーのレベルの平均ベースライン測定値を得ること、
    前記個体の細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露すること、
    前記細胞において、成長抑制マーカーの暴露後のレベルを測定すること、及び
    癌に対する前記個体の感受性を決定すること
    を含み、前記平均ベースライン測定値に比べて高いレベルは癌の危険性がより低いことを
    示し、前記平均ベースライン測定値に比べて低いレベルは癌の危険性がより高いことを示すことを特徴とする方法。
  17. 前記細胞は前記個体の全血に由来する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記測定されるレベルは、mRNAのレベルである、請求項16に記載の方法。
  19. 前記個体はヒトである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記成長抑制マーカーは細胞分裂抑制マーカーである、請求項16に記載の方法。
  21. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記成長抑制マーカーは細胞破壊マーカーである、請求項16に記載の方法。
  23. 前記細胞破壊マーカーはBAXである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項22に記載の方法。
  25. 前記変異原性刺激剤は電離放射線である、請求項16に記載の方法。
  26. 複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される、請求項16に記載の方法。
  27. 前記複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21であり、前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項27に記載の方法。
  29. 個体における癌予防効果のための化合物をスクリーニングする方法であって、
    前記個体の細胞を化合物とともにインキュベートすること、
    前記個体のインキュベートされた細胞及びインキュベートされていない細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露すること、
    前記個体の暴露された細胞、及びインキュベートされておらず、かつ暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを測定すること、並びに
    前記インキュベートされた細胞及びインキュベートされていない細胞における暴露後の前記成長抑制マーカーのレベルの差に基づいて、癌予防効果を有する化合物を同定すること
    を含む方法。
  30. 前記成長抑制マーカーのレベルは、変異原性刺激剤に暴露されていないインキュベートされた細胞において測定される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞は前記個体の全血に由来する、請求項29に記載の方法。
  32. 前記測定されるレベルはmRNAのレベルである、請求項29に記載の方法。
  33. 前記個体はヒトである、請求項29に記載の方法。
  34. 前記成長抑制マーカーは細胞分裂抑制マーカーである、請求項29に記載の方法。
  35. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記成長抑制マーカーは細胞破壊マーカーである、請求項29に記載の方法。
  37. 前記細胞破壊マーカーはBAXである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項36に記載の方法。
  39. 前記変異原性刺激剤は、電離放射線である、請求項29に記載の方法。
  40. 複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される、請求項29に記載の方法。
  41. 前記複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21であり、前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記成長抑制マーカーの暴露後のレベルを、インキュベートされた細胞において、インキュベートされていない細胞に比べてより大きく増大させる化合物が、癌予防効果を有すると同定されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  44. インキュベートされた暴露されていない細胞において、前記成長抑制マーカーのレベルを、インキュベートされておらず、かつ暴露されていない細胞と比較して全くあるいはわずかしか増大させず、かつ、インキュベートされた細胞において、前記成長抑制マーカーの暴露後のレベルをインキュベートされていない細胞に比べてより大きく増大させる化合物が、副作用の危険性がより低い癌予防効果を有すると同定されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
  45. 個体において癌予防に効果的な化合物を決定する方法であって、
    前記個体から細胞を取り出すこと、
    前記個体へ少なくとも1つの化合物を投与すること、
    前記化合物の投与後に前記個体から細胞を取り出すこと、
    投与前及び後に取り出された前記細胞を、変異原性刺激剤にin vitroで暴露すること、
    投与前に取り出された暴露された細胞及び暴露されていない細胞において、成長抑制マーカーのレベルを測定すること、並びに
    投与前及び後に取り出された細胞において、前記成長抑制マーカーのレベルの暴露後の差に基づいて、前記化合物の癌予防効果を決定すること
    を含む方法。
  46. 前記成長抑制マーカーのレベルは、変異原性刺激剤に暴露されていない投与後に取り出された細胞において測定される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記細胞は前記個体の全血に由来する、請求項45に記載の方法。
  48. 前記測定されるレベルはmRNAのレベルである、請求項45に記載の方法。
  49. 前記個体はヒトである、請求項45に記載の方法。
  50. 前記成長抑制マーカーは細胞分裂抑制マーカーである、請求項45に記載の方法。
  51. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記成長抑制マーカーは細胞破壊マーカーである、請求項45に記載の方法。
  53. 前記細胞破壊マーカーはBAXである、請求項52に記載の方法。
  54. 前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項52に記載の方法。
  55. 前記変異原性刺激剤は電離放射線である、請求項45に記載の方法。
  56. 複数の成長抑制マーカーのレベルが測定される、請求項45に記載の方法。
  57. 前記複数の成長抑制マーカーは、少なくとも1つの細胞分裂抑制マーカー及び少なくとも1つの細胞破壊マーカーを含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記細胞分裂抑制マーカーはp21であり、前記細胞破壊マーカーはPUMAである、請求項57に記載の方法。
  59. 投与後に取り出された細胞において、前記成長抑制マーカーの暴露後のレベルを投与前に取り出された細胞と比較してより大きく増大させる化合物が、癌予防効果を有すると同定される、請求項45に記載の方法。
  60. 投与後の暴露されていない細胞において、投与前の暴露されていない細胞と比較して前記成長抑制マーカーのレベルを全くあるいはわずかしか増大させず、かつ、投与後に取り出された細胞において、前記成長抑制マーカーの暴露後のレベルを投与前に取り出された細胞に比べてより大きく増大させる化合物が、副作用の危険性がより低い癌予防効果を有すると同定される、請求項46に記載の方法。
JP2007515280A 2004-05-25 2005-05-25 癌感受性を測定する方法 Pending JP2008503206A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US57424804P 2004-05-25 2004-05-25
PCT/US2005/018289 WO2005115115A2 (en) 2004-05-25 2005-05-25 Method of measuring cancer susceptibility

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008503206A true JP2008503206A (ja) 2008-02-07
JP2008503206A5 JP2008503206A5 (ja) 2008-05-15

Family

ID=35451338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007515280A Pending JP2008503206A (ja) 2004-05-25 2005-05-25 癌感受性を測定する方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20080261207A1 (ja)
EP (1) EP1776471B9 (ja)
JP (1) JP2008503206A (ja)
CN (1) CN101426930A (ja)
WO (1) WO2005115115A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014508295A (ja) * 2011-02-17 2014-04-03 ネステク ソシエテ アノニム 白血球及び腫瘍細胞を濾過により単離するための装置及び方法

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008109782A2 (en) * 2007-03-06 2008-09-12 Cedars-Sinai Medical Center Diagnosis of inflammatory bowel disease in children
CN101166537B (zh) * 2005-04-28 2013-01-23 日立化成研究中心公司 全血中基因的体外表达作为评定对饮食补充物个体差异的模型
ATE510929T1 (de) 2005-06-08 2011-06-15 Hitachi Chemical Res Ct Inc Verfahren zur vorhersage einer immunantwort auf eine tumorerkrankung auf der grundlage eines mrna-expressionsprofils in tumorzellen und stimulierten leukozyten
US20090311684A1 (en) * 2006-04-07 2009-12-17 Hitachi Chemical Co., Ltd Enhanced fc receptor-mediated tumor necrosis factor superfamily and chemokine mrna expression in peripheral blood leukocytes in patients with rheumatoid arthritis
WO2007117611A2 (en) 2006-04-07 2007-10-18 Hitachi Chemical Co., Ltd. Enhanced t cell receptor-mediated tumor necrosis factor superfamily and chemokine mrna expression in peripheral blood leukocytes in patients with crohn's disease
EP2015783A4 (en) * 2006-05-08 2010-07-21 Hitachi Chemical Co Ltd METHOD FOR TESTING THE SENSITIVITY OF A MEDICINAL PRODUCT IN SOLID TUMORS BY QUANTIFYING THE EXPRESSION OF mRNA IN THIN CUTS OF TUMOR TISSUE
US20100021917A1 (en) * 2007-02-14 2010-01-28 Cedars-Sinai Medical Center Methods of using genes and genetic variants to predict or diagnose inflammatory bowel disease
WO2008116150A2 (en) 2007-03-21 2008-09-25 Cedars-Sinai Medical Center Ileal pouch-anal anastomosis (ipaa) factors in the treatment of inflammatory bowel disease
CN101855367A (zh) * 2007-11-14 2010-10-06 日立化成工业株式会社 外周血白细胞中FC受体介导的肿瘤坏死因子超家族mRNA表达
US20090215064A1 (en) * 2008-02-27 2009-08-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. Quantitative assessment of individual cancer susceptibility by measuring dna damage-induced mrna in whole blood
US20110189685A1 (en) * 2008-10-22 2011-08-04 Cedars-Sinai Medical Center Methods of using jak3 genetic variants to diagnose and predict crohn's disease
US20110229471A1 (en) * 2008-11-26 2011-09-22 Cedars-Sinai Medical Center Methods of determining responsiveness to anti-tnf alpha therapy in inflammatory bowel disease
US9580752B2 (en) 2008-12-24 2017-02-28 Cedars-Sinai Medical Center Methods of predicting medically refractive ulcerative colitis (MR-UC) requiring colectomy
EP4285988A3 (en) 2013-03-27 2024-03-06 Cedars-Sinai Medical Center Treating fibrosis by inhibiting tl1a
WO2015010108A1 (en) 2013-07-19 2015-01-22 Cedars-Sinai Medical Center Signature of tl1a (tnfsf15) signaling pathway
WO2017040520A1 (en) 2015-08-31 2017-03-09 Hitachi Chemical Co., Ltd. Molecular methods for assessing urothelial disease
CN109462996A (zh) 2016-03-17 2019-03-12 西达-赛奈医疗中心 通过rnaset2诊断炎性肠病的方法
US9928346B1 (en) * 2016-12-14 2018-03-27 Keith Schofield Test panel to measure blood neurotoxin levels in prematernal women and for the general public in relation to mental disorders of the aging

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020048566A1 (en) * 2000-09-14 2002-04-25 El-Deiry Wafik S. Modulation of cellular apoptosis and methods for treating cancer
WO2003030719A2 (en) * 2001-10-09 2003-04-17 The University Of Chicago Methods and kits for use in selecting approaches to treating cancer

Family Cites Families (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4925572A (en) * 1987-10-20 1990-05-15 Pall Corporation Device and method for depletion of the leukocyte content of blood and blood components
US4880548A (en) * 1988-02-17 1989-11-14 Pall Corporation Device and method for separating leucocytes from platelet concentrate
DE68921918T2 (de) * 1988-05-09 1995-09-07 Univ Temple Verfahren zur Voraussage der Wirksamkeit einer antineoplastichen Behandlung bei einzelnen Patienten.
US5210015A (en) * 1990-08-06 1993-05-11 Hoffman-La Roche Inc. Homogeneous assay system using the nuclease activity of a nucleic acid polymerase
US5474909A (en) * 1992-08-07 1995-12-12 Anticancer, Inc. Noncolorimetric histoculture method for predicting drug response of tumors
US7625697B2 (en) * 1994-06-17 2009-12-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for constructing subarrays and subarrays made thereby
US5491063A (en) * 1994-09-01 1996-02-13 Hoffmann-La Roche Inc. Methods for in-solution quenching of fluorescently labeled oligonucleotide probes
ATE471150T1 (de) * 1996-03-26 2010-07-15 Kopreski Michael S Methoden aus plasma oder serum extrahierte extrazelluraere rna zur diagnoseüberwachung oder evaluation von krebs verwenden
US5683698A (en) * 1996-08-02 1997-11-04 New England Deaconess Hospital Formulation for alleviating symptoms associated with arthritis
US7514232B2 (en) * 1996-12-06 2009-04-07 Becton, Dickinson And Company Method for detecting T cell response to specific antigens in whole blood
US20020006613A1 (en) * 1998-01-20 2002-01-17 Shyjan Andrew W. Methods and compositions for the identification and assessment of cancer therapies
US6692916B2 (en) * 1999-06-28 2004-02-17 Source Precision Medicine, Inc. Systems and methods for characterizing a biological condition or agent using precision gene expression profiles
AU2002352799A1 (en) * 2001-11-20 2003-06-10 Oncomedx, Inc. Methods for evaluating drug-resistance gene expression in the cancer patient
US6878518B2 (en) * 2002-01-22 2005-04-12 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods for determining steroid responsiveness
US7745180B2 (en) * 2002-04-24 2010-06-29 Hitachi Chemical Co., Ltd. Device and method for high-throughput quantification of mRNA from whole blood
AU2003261366A1 (en) * 2002-08-05 2004-02-23 The Wistar Institute Methods for regulating brca1-brca2-containing complex activity
GB0219642D0 (en) * 2002-08-23 2002-10-02 Gauthier Pierre Method and device for preparing tissues sections
AU2002953533A0 (en) * 2002-12-24 2003-01-16 Arthron Limited Fc receptor modulating compounds and compositions
US7966488B2 (en) 2004-01-30 2011-06-21 Hewlett-Packard Development Company, L. P. Methods and systems that use information about encrypted data packets to determine an order for sending the data packets
EP1802776B1 (en) * 2004-10-20 2013-01-02 Hitachi Chemical Company, Ltd. Method for tailoring administration of drugs by quantitation of mrna
CN101166537B (zh) * 2005-04-28 2013-01-23 日立化成研究中心公司 全血中基因的体外表达作为评定对饮食补充物个体差异的模型
ATE510929T1 (de) * 2005-06-08 2011-06-15 Hitachi Chemical Res Ct Inc Verfahren zur vorhersage einer immunantwort auf eine tumorerkrankung auf der grundlage eines mrna-expressionsprofils in tumorzellen und stimulierten leukozyten
CA2624359A1 (en) * 2005-09-27 2007-04-05 Source Mdx Gene expression profiling for identification monitoring and treatment of rheumatoid arthritis
WO2007117611A2 (en) * 2006-04-07 2007-10-18 Hitachi Chemical Co., Ltd. Enhanced t cell receptor-mediated tumor necrosis factor superfamily and chemokine mrna expression in peripheral blood leukocytes in patients with crohn's disease
US20090311684A1 (en) * 2006-04-07 2009-12-17 Hitachi Chemical Co., Ltd Enhanced fc receptor-mediated tumor necrosis factor superfamily and chemokine mrna expression in peripheral blood leukocytes in patients with rheumatoid arthritis
EP2015783A4 (en) * 2006-05-08 2010-07-21 Hitachi Chemical Co Ltd METHOD FOR TESTING THE SENSITIVITY OF A MEDICINAL PRODUCT IN SOLID TUMORS BY QUANTIFYING THE EXPRESSION OF mRNA IN THIN CUTS OF TUMOR TISSUE
US20090215064A1 (en) * 2008-02-27 2009-08-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. Quantitative assessment of individual cancer susceptibility by measuring dna damage-induced mrna in whole blood

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020048566A1 (en) * 2000-09-14 2002-04-25 El-Deiry Wafik S. Modulation of cellular apoptosis and methods for treating cancer
WO2003030719A2 (en) * 2001-10-09 2003-04-17 The University Of Chicago Methods and kits for use in selecting approaches to treating cancer

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014508295A (ja) * 2011-02-17 2014-04-03 ネステク ソシエテ アノニム 白血球及び腫瘍細胞を濾過により単離するための装置及び方法
JP2016029378A (ja) * 2011-02-17 2016-03-03 ネステク ソシエテ アノニム 白血球及び腫瘍細胞を濾過により単離するための装置及び方法
US9535052B2 (en) 2011-02-17 2017-01-03 Nestec S.A. Apparatus and method for isolating leukocytes and tumor cells by filtration

Also Published As

Publication number Publication date
EP1776471A2 (en) 2007-04-25
WO2005115115A3 (en) 2009-04-09
US20080261207A1 (en) 2008-10-23
WO2005115115A2 (en) 2005-12-08
EP1776471A4 (en) 2009-12-02
CN101426930A (zh) 2009-05-06
EP1776471B1 (en) 2013-07-03
EP1776471B9 (en) 2013-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008503206A (ja) 癌感受性を測定する方法
JP5674696B2 (ja) 遠隔サンプル由来のdna断片を提供する方法
US20220073995A1 (en) Method for quantification of pd-l1 expression
KR100983450B1 (ko) 식품보충제에 대한 개별적 다양성 평가의 모델로서 전혈내의 생체 외 유전자 발현
Hulanicka et al. Plasma miRNAs as potential biomarkers of chronic degenerative valvular disease in Dachshunds
Sunnotel et al. Rapid and sensitive detection of single Cryptosporidium oocysts from archived glass slides
US9617606B2 (en) Oligonucleotide for HIV detection, HIV detection kit, and HIV detection method
CN105745335A (zh) 用于对cMET核酸进行多模态分析的组合物及方法
JP4968577B2 (ja) サイトケラチン19(CK19)mRNAの迅速測定法、並びにそのためのプライマー及びプローブ
US20170342402A1 (en) Diagnosis of prostate cancer
Kennel et al. Longitudinal profiling of circulating miRNA during cardiac allograft rejection: a proof‐of‐concept study
Gozé et al. Pilot study of whole blood MicroRNAs as potential tools for diffuse low-grade gliomas detection
CN109055555A (zh) 一种肺癌早期转移诊断标志物及其试剂盒和应用
CA2393864A1 (en) Apparatus and methods for drug screening
CA2592504A1 (en) Classification of cancer
JP7434742B2 (ja) 核酸の検出方法
AboElkhair et al. Reverse transcriptase activity associated with haemic neoplasia in the soft-shell clam Mya arenaria
WO2021183902A1 (en) Methods and kits for the detection of sars-cov-2
JP6871271B2 (ja) Dlbclを分類するための方法および組成物
Hadighi et al. Key plasma microRNAs variations in patients with Plasmodium vivax malaria in Iran
RU2509808C1 (ru) СПОСОБ ОПРЕДЕЛЕНИЯ ЧУВСТВИТЕЛЬНОСТИ КЛЕТОК НЕМЕЛКОКЛЕТОЧНОГО РАКА ЛЕГКИХ К ДЕЙСТВИЮ ПРЕПАРАТОВ, РЕАКТИВИРУЮЩИХ БЕЛОК р53
US20030082644A1 (en) Diagnostic detection of nucleic acids
JP6442169B2 (ja) Cd8+t細胞の活性化状態の判定方法、cd4+t細胞数の増加予測方法、及びcd4+t細胞数の減少予測方法、並びにそれらのためのキット
US20230043710A1 (en) Methods and kits for the detection of sars-cov-2
CN109609616B (zh) Hla-a*02:01和hla-c*01:02在丹参酮所致药疹中的用途

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120730

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120828