JP2008502732A - ワクチンに対する免疫応答を増強する方法 - Google Patents

ワクチンに対する免疫応答を増強する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、Th1刺激サイトカイン、好ましくはインターフェロンの有効量を、抗原またはワクチンの十分量の投与と同時に実質的に口腔粘膜経由で投与することからなる、抗原またはワクチンに対する免疫反応を増強するための方法である。

Description

本発明はワクチン接種に対する免疫反応を増強するための方法に関する。特に、ワクチン投与に引き続く免疫反応を増強するための免疫アジュバントとしての、インターフェロン、および/または他のTh1刺激サイトカインの使用に関する。
ワクチンは従来技術において既知である。一般的にワクチンは、不活化もしくは弱毒化抗原およびサブユニットワクチン、すなわち、それに対して免疫反応がのぞまれるような他の抗原からなるワクチンを含み、これらは感染病の予防、改善または治療の目的で投与される。
特に、サブユニットワクチンは、宿主免疫系によって仲介される防御のための重要な標的と考えられている病原体構成成分由来の抗原に基づいている。高い安全性は証明されているが、サブユニットワクチンは、その基礎となる抗原の免疫原性が乏しいかないために、しばしば不十分な免疫反応を導く。
このため、免疫原性を向上させるために、サブユニットワクチンは、アジュバントを含むかあるいはアジュバントとともに投与される必要がある。アジュバントは免疫学的観点から、「抗原性を増強するために用いられる賦形剤」(ステッドマン医学辞典、2003)と定義される。このため、賦形剤は、抗原とともに投与される場合、抗原単独の場合と比較して抗原性を増強する物質である。
動物モデルならびに、時に不活化マイコバクテリア(フロイント不完全アジュバント)、抗原が吸収される無機物(ミョウバン、水酸化アルミニウムまたはリン酸)の懸濁液、サポニンおよびLPS抽出生成物を含有する抗原溶液を鉱物油中に乳化した油中水乳剤(フロイント不完全アジュバント)を含む古典的な標本において、多くの種類のアジュバントが使用されてきたが、最近は、アルミニウムに基づく金属塩が、ヒトにおけるワクチン製剤において通常含まれる唯一のアジュバントである。安全ではあるが、このような塩は、抗体誘導には弱いアジュバントであり、古典的細胞免疫反応を刺激することができない。
抗体および細胞性反応の両方の誘導は、抗原の拡散の制限および排除する目的で、抗原の進入を非常に効果的に防御する。ワクチンは、強力で防御的な免疫反応を誘導するための二種類のシグナルを提供または誘導する必要がある。第一に、ワクチンは、TおよびBリンパ球上の抗原特異的受容体を誘発する抗原を供する必要がある。第二に、効果的なワクチンは、抗原提示細胞による副刺激分子の発現を誘導する必要があり、これによって、抗原により誘発されたリンパ球による強力な反応を促進する。この第二のシグナルは、生きた病原体を含むワクチンを使用するときに、感染に関連した要因によってしばしばもたらされるが、サブユニットワクチンにおいては欠如し、乏しい免疫原性となる。この第二のシグナルに寄与することのできるアジュバントの添加は、ワクチンの効果を増強し、さらに、誘導される免疫反応の種類を決定することができる。
これらのシグナルは、与えられた感染体に対する免疫反応の役割の種類および能力を特徴付けるエフェクター機構を引き続いて発現させる宿主免疫系を導く。
サイトカインは、抗原および感染体に対する免疫反応の経路において、T細胞、B細胞、マクロファージ、および樹状細胞を含む免疫応答性細胞間の情報伝達に関わる重要な要素である。マウスおよびヒトTヘルパー(Th)クローンについての多くの研究が、Th細胞(Th1およびTh2と呼ばれる)によって提示される異なる活性の存在について広範な証拠を供し、これはサイトカイン分泌の分析結果から推測された。このため、IFN−γまたはIL−4の生成が、それぞれTh1またはTh2反応の典型的な特質として考えられる。免疫反応のTh1タイプは、通常マウスにおけるIgG2a生成および細胞性免疫の発現に関連し、一方反応のTh2タイプはIgE生成、好酸球および肥満細胞生成に関連する。免疫反応のTh1タイプの誘導が、ウイルスおよびある種のバクテリア感染に対する防御免疫反応の発生における手段であると通常考えられている。この点、アルミニウムに基づく金属塩といった、臨床的に利用可能なアジュバントが、免疫反応のTh2タイプを誘導する傾向があり、これによって、のぞまれない副作用に寄与するアレルギー反応をもたらしうる。
インフルエンザワクチンは、罹患率ならびに高齢者および免疫反応不全者を含む高リスク群における死亡数を減じるが、全受容者においては全体としては予防的ではない(オックスホードら、2003)。通常使用されるサブユニットワクチンによってもたらされる防御は、基本的にウイルス血球凝集素に対する抗体の生成によるものと考えられ、このようなワクチンは細胞障害性T細胞反応の誘導はとぼしく、そして血球凝集抑制(HI)抗体力価は、防御における代理マーカーとして通常使用される。ウイルス性抗原に対する中和抗体(IgG2a)の生成は、CD4ヘルパーT細胞の関与を要し、これはMHCクラスII抗原と関連して抗原を認識し、そしてHLA−DRB17多型性の増加頻度が、「危険にさらされている」インフルエンザワクチン接種に対する無反応者において観察される(ゲルダーら、2002)。
高効率的なアジュバントの不在は、ワクチンの成功する開発に対する重大な障害となり、特に、細胞性免疫を必要とするような、細胞内抗原に対して向けられている場合にはそうである。現在、インフルエンザに対する抗体反応および他のワクチンを増強することの可能な効果的な無毒性の成分または方法はまだ満たされていない。
これに関連して、上記性質によれば、サイトカインは、および特にインターフェロン(IFNs)においては、従来技術においてアジュバントの可能性があると考えられている(ヒートら、1992)。
インターフェロンは、以下のように構造に基づいて分類されている多機能のサイトカインである。
i)I型IFNs。イントロンを欠く遺伝子によってコードされ、少なくとも13の機能IFN−αサブタイプのIFN−αファミリー、INF−βおよびIFN−ωを含み、すべての細胞タイプによって効率的に生成される。
ii)II型IFN。単一イントロンを含む遺伝子によってコードされ、IFN−γとも呼ばれ、基本的に特異的抗原もしくはマイトジェンに対して反応してT細胞およびNK細胞によって生成される。
もともと単純抗ウイルス物質とされているI型IFNsは、引き続いて種々の生物学的効果を示すことが明らかにされてきていて、これは患者におけるのと同様実験動物における抗腫瘍活性も含む。
I型およびII型IFNsはともに、試験管内の抗体産生における潜在的な抑制効果およびT細胞増殖を引き出すことが示されていて、これらのサイトカインがどのように促進性または抑制性に生体内で働くかの疑問を提起している。異なるモデル系において得られたデータの総合が、免疫反応のTh1タイプの誘導ならびにある種のT細胞集団の増殖、機能活性および生存の補助における、I型IFNの重要性を示している(ベラルデリFおよびグレッサーI、1996;およびタフら、1996)。
I型インターフェロンは、現在臨床的用においてもっとも広く使用されているサイトカインである。特に、INF−αは、いくつかのウイルス性疾患(特にC型肝炎)ならびに、いくつかの血液悪性腫瘍(ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病、いくつかのBおよびT細胞リンパ腫)ならびにある種のメラノーマ、腎癌およびカポジ肉腫といった充実性腫瘍を含む、様々な種類のヒト腫瘍の治療のために、40カ国を超える国々において世界的に使用されている。対照的に、少なくともある程度毒性のために、IFN−γは臨床適用が限られていることが見出されている。この数年にわたって、いくつかの研究が、異なる実験系においてI型およびII型IFNsによって与えられる生物学的効果が、活性の種類に基づいて実質的に異なるという証拠を供してきた。メラノーマおよび多発性硬化症においてといった、いくつかの例においては、IFN−γの臨床的使用が、I型IFNによって達成されるのに対して副作用をもたらしている。
その幅広い臨床的な使用にもかかわらず、I型IFNはヒトにおいてワクチンアジュバントとしてはまだ使用されていない。
ワクチン中のアジュバントとしての生体内におけるINFsの適切な使用は、II型IFN(すなわちIFNγ)について示されてきた。特に、特許文献1において、ネズミマラリア原虫の悪性YM株に感染したマウスの血液細胞から単離された、粗蛋白抽出物を含むものとしてワクチンが記述されていて、これはIFN−γをアジュバントとして含む。ワクチンに含まれたIFN−γの量は、投与につき1,000ないし10,000ユニットの範囲であることが示されていて、ここでアジュバント効果を生ずるINF−γの量は100ないし50,000ユニットであると示されている。使用された投与量は5,000ユニットで、200ユニットよりも少ない投与でも効果的であることが示されている。
アジュバントとしてのI型IFNの使用は、いくつかの従来技術の文献によって予想されていて、ワクチンアジュバントとして使用されるとき、I型IFNが生体内における防御ThIタイプ反応を増強することが示されている。
IFN−αは強力なポリクローン性B細胞活性化剤で、ウイルスの攻撃に対するアイソタイプ転換および防御によって特徴付けられる強力な一次液性免疫反応を導く(レボンら、2001)。実際、ウイルス感染に対して形質細胞様樹状細胞によって分泌されるIFN−αが、Bリンパ球を抗体生成形質細胞に分化させて、インフルエンザ感染に対して反応して特異的およびポリクローン性IgGsともに生成するために必要であることが示された(ジェゴ、2003)。さらに、IFN−αが、ウイルス感染に対するTh1免疫および防御の特徴であるIgG2a抗体反応を刺激することが示され(レボンら、2001)、インフルエンザワクチンに混合し筋注されるときに異常に強力なアジュバントになることが示された(プロイエッティら、2002)。対照的に、ミョウバンといったアジュバントは、Th2反応の特徴であるIgG1生成を増強する。INF−αは、抗−IgM抗体に反応して顕著にヒト扁桃B細胞の増殖を増強することが示されている。加えて、口腔粘膜から投与されたIFN−αは、ヒトインフルエンザワクチンと混合し共投与されると、分泌IgAのレベルを増強する活性粘膜アジュバントとなることが示されている(プロイエッティら、2002)。
I型インターフェロン、主にインターフェロン−α(IFN−α)およびインターフェロン−β(IFN−β)は、感染体に対する先天性免疫応答の一部として粘膜表面に生成される。組換えIFN−αの口腔粘膜投与は、IFNの口腔粘膜生成に類似し、ウイルス感染および腫瘍細胞増殖に対する防御を与えることが示された(トベイおよびマウリ、1999)。IFNの血中濃度がない細胞免疫の刺激を通じて毒性なく防御が生じる(エイドら、1999)。特に、IFN−αの口腔粘膜投与は、樹状細胞の成熟および抗原提示、ならびに外来抗原に対するTヘルパーI型(Th1)リンパ球の反応を刺激する(ベラルデッリら、2002)。このため、口腔粘膜IFN治療は、ウイルスまたは腫瘍抗原のどちらの反応であろうと、進行中の免疫反応における宿主防御を刺激するにもっとも効果的である。
特許文献2および特許文献3は、ワクチン組成のアジュバントとしての、特に抗ウイルスワクチン組成のアジュバントとしての、インターフェロン−αサブタイプの使用を開示している。
抗腫瘍ワクチンとの使用のための、効果的なアジュバントの必要性がある。たとえば、メラノーマは典型的な免疫原性腫瘍の一つであるが、多くの腫瘍抗原は自己抗原であり、自己抗原に対する寛容のために腫瘍ワクチンの治療効果を制限する。このため、多くのワクチン経路が使用されてきたが、チオシナーゼ、Melan−A/MART−1、MAGE−A3/MAGE−A6、Trp−2、およびgp100を含むMAGEファミリーのメラノーマ抗原由来のワクチンは、細胞毒性T細胞の一次的活性化および制限的な臨床反応のみをもたらす。これらは直接免疫(ペプチドワクチン)、ウイルスベクターもしくはペプチドを発現する裸のDNA、または抗原をもつ樹状細胞(樹状細胞に基づくワクチン)といった負荷抗原発現細胞を含む。
細胞の養子免疫伝達は、T調節細胞のリンパ除去と組み合わせて高反応性T細胞亜母集団選択および活性化によって寛容を克服する手段を供する。このため、非骨髄機能廃絶性リンパ除去化学療法(シクロホスファミドおよびフルアラビン)に引き続く、高用量IL−2治療と一緒の自己腫瘍反応性T細胞の養子免疫伝達は、MART−1メラニン細胞分化抗原に特異的なT細胞クローン集団の生体内における急速な成長をもたらし、かつ転移性腫瘍の破壊および進行性疾患(ステージIVメラノーマ)をもった患者における目的の臨床反応をもたらす。同時性腫瘍緩解をもった患者のなかには、白斑および前部ブドウ膜炎を含むメラニン細胞の自己免疫性破壊の徴候も示す(ダドゥレイら、2002)。CpGオリゴヌクレオチドの添加は、非骨髄機能廃絶性リンパ除去化学療法に引き続く、高用量IL−2治療と一緒の自己腫瘍反応性T細胞の養子免疫伝達の抗腫瘍活性を増強する(レスティフォ、2004)。
MAGE3蛋白質ワクチンを1.0CpGとともに使用するステージIVメラノーマの治療は、1CR、2PR、2SD、および2PDをもたらす(デービス、2004)。
CpGオリゴヌクレオチドは、幅広い範囲の抗原に対して、液性および細胞性抗原特異的反応を増強する。非メチル化CpGモチーフは、いくつかの病原体関連分子パターン(PAMPs)のうちの一つであり、これは抗原提示細胞(APC)上に存在するトール様受容体(TLR)を通じて先天性免疫反応を活性化する。CpGは、ヒトB細胞および形質細胞様樹状細胞(pDC)の表面のみに見出されるTLR−9を活性化する。TLR−9のようなトール様受容体は、先天性および適応免疫反応の橋わたしとして機能し、B細胞の直接活性化および免疫グロブリン産生、pDCの活性化、MHCクラスII抗原の上方調節、B7発現、およびCD40発現、および増強した抗原提示、ならびにCD4+およびCD8+T細胞の活性化およびTh1サイトカイン反応の活性化をもたらす。CpGオリゴヌクレオチドの活性は、I型IFN受容体シグナリングに依存していて、外因性I型IFNの添加は経路の上流をバイパスすることを可能にするとともにCpGの代用をすることを可能にし、細菌刺激がない状態で副刺激分子の上方調節を導くことができる。さらに、IFN−α/β受容体−/−マウス(INFAR1−/−)またはポリクローン性抗IFN−α/β抗体で処理した正常マウスにおいて、CpGオリゴヌクレオチドはアジュバント活性を欠いている。(レボンら、2001;およびプロイエッティら、2002)。
従って、有効な可能性のある組換え抗原が利用できるにもかかわらず、ワクチンに対する反応性および患者のコンプライアンスの弱さまたは欠如が、予防または治療サブユニットワクチンのための重大な問題を残している。サブユニットワクチンの弱い免疫原性のために、十分な応答を引き出すために多くの回数の投与を要することとなり、患者のコンプライアンスの欠如を重要な問題としてしまう。
このため、抗原の免疫原性を向上させて一貫した強力な免疫反応を促進する組成は、セロコンバージョン/セロプロテクションを導くだめに要するワクチン投与の回数を減らし、あるいは一回のみにし、広範囲な応用をもたらす。
ここに引用したいかなる文献も、このような文献が適切な従来技術であると認めることを意図したものではなく、または本出願のいかなる請求項の特許性に対する材料と考えられることを意図したものではない。すべての文献の内容または日付のすべての記述は、出願時に本願出願人が利用可能な情報に基づいており、このような記述の正確性についての認定を構成するものではない。
欧州特許第0241725号 米国特許第6,007,805号 米国特許第6,436,391号
本発明は、ワクチンに対する免疫反応を増強するに十分な、インターフェロンおよび/または他のTh1刺激性サイトカインを、実質的に同時にワクチン投与とともに口腔粘膜投与することによって、免疫反応を増強する方法に関する。増強された免疫反応は、液性または細胞性反応のいずれかまたは両方であることができる。本発明は特に、防御性免疫治療においてワクチンに対する増強されたTh1タイプの液性免疫反応において効果的である。
本発明は(a)口腔粘膜以外の手段から対象へ供することにより、有効量のワクチンまたは抗原を投与し、(b)ワクチンに対する免疫反応を増強するのに十分量のインターフェロンおよび/または少なくとも一の他のTh1刺激サイトカインを口腔粘膜から投与し、前記インターフェロンおよび/または他のサイトカイン投与は前記ワクチン投与と実質的に同時である、から構成される、ワクチンに対する免疫反応を増強する方法である。
口腔粘膜投与されたインターフェロンおよび/または他のサイトカインは、ワクチンに対する抗体および細胞性免疫反応を増強するので、ワクチン投与と実質的に同時に投与されるとき免疫アジュバントとして効果的にはたらく。増強された免疫反応は、長期的抗体産生および免疫記憶によって特徴付けられる。インターフェロン、および/または他のサイトカインの口腔粘膜投与は、血流へのインターフェロンおよび/または他のサイトカインの運搬を必要としないので、大量のインターフェロンおよび/または他のサイトカインを、毒性反応を誘発することなく安全に使用することができる。これは、ミョウバンといった、既知のおよび現在利用可能なアジュバントの使用について大きな向上となる。
本発明は、口腔粘膜経路を通じた組換えインターフェロン−α(IFN−α)による動物の治療が、市販のインフルエンザワクチン(VAXIGRIP(登録商標)、アヴァンティス・パスツールMSD)の遠位の筋注に対して顕著に液性反応を増強するという、驚くべき発見に基づく。事実、テストしたインフルエンザ特異的免疫グロブリンの全4種(全部でIgG、IgG1、IgG2a、およびIgA)は用量依存法でIFN−αの口腔粘膜(om)投与に続くインフルエンザワクチン接種に応答して著しく増加することが見出された。さらに顕著にも、口腔粘膜投与したIFN−αの免疫アジュバント効果は一定の条件下に、IFN−αをインフルエンザワクチンと混合し混合物を筋肉内注射(im)したときに得られたものよりも大きかった。
IFNタンパク質の全身的な吸収の不在下、Crg2(これはリンパ球運搬を調節する)といったケモカインの急速な誘導のために、IFN−αの口腔粘膜投与が、末梢リンパ節から抗原(腫瘍またはウイルス性抗原にかかわらず)が全身的に送り込まれた箇所への免疫担当細胞の急速な移動をもたらす結果となることを示す、以前の研究結果によって、これらの結果の一部を説明することができる。対照的に、ワクチン接種から遠位の部位におけるIFN−αの非経口的な注入が、ほぼ確実に樹状細胞および他の抗原提示細胞をIFN注入部位かつワクチン接種部位から離れた部位へ移動させ、このためインフルエンザワクチンに対する液性免疫反応を減じる。
これは、「免疫アジュバント」とここで称される物質が、ワクチン接種部位から離れた部位において投与されるとワクチンに対する免疫反応を増強することができるという、最初の証明である。用語「免疫アジュバント」は、インターフェロンが典型的なアジュバントとしてはたらいていないものとして使用されていて、ここで典型的なアジュバントはワクチンの抗原性を増強するためにワクチンと混合しなければならない。一方で、本発明におけるインターフェロンの役割は、たとえば米国特許第6,361,769号および第6,660,258号および米国特許出願第2003/0108519号において開示されているような、免疫刺激効果にのみよるものではない。ウイルス、腫瘍、および他の病原体の治療のための口腔粘膜投与インターフェロンの免疫刺激効果に関する、以前のこれら特許開示は、急速な細胞免疫反応に基づく。このため、観察される治療効果は、効果的な抗体反応の確立に先立って生じ、したがって効果的な抗体反応は研究されておらず、いずれにしても、その中で報告された実験の多くの中には含まれていない。実際、インターフェロンが抗体産生における促進または阻害効果のいずれを及ぼすかは未解決の問題であった。従って、本明細書に報告する免疫アジュバント効果は、インターフェロンの免疫刺激効果またはインターフェロンのアジュバント効果についての以前の報告とは異なり、それらから期待されるものでもない。アジュバントとしてのIFN−αと混合したワクチンの口腔粘膜投与を含むプロイエッティ、2002の実施例から本発明を区別するために、本発明は、口腔粘膜投与ワクチンと併用するIFNの使用をここにはっきりと除外する。
錠剤またはトローチ剤といった剤形に含まれる口腔粘膜投与インターフェロンをワクチン接種時に接種すると、顕著に抗体反応そしてこれによる防御の程度が増大し、これはインフルエンザワクチンについてのみならずすべてのワクチンについて適用できるであろうことが期待される。口腔粘膜IFN剤形の明確な長所は、ワクチンとの混合剤中に投与される必要がある新規アジュバントについての場合のようなその薬剤とワクチンについて再認可の必要なく、適切なチェック機関によって証明された特定のワクチンの防御効果を増強するために使用することができることである。
非常に多くの研究が、天然インフルエンザウイルス感染によって得られる粘膜免疫が、感染予防、特に変異ウイルス感染に対する感染予防において、非経口ワクチン接種によって誘導される血清IgG全身性免疫に比べて、より効果的であることを示してきた。イトウら、2003を参照。免疫性を与えられた個体における血清IgGは、感染予防よりも致死的な肺炎予防に重要であることが明らかである。IFN−αの口腔粘膜投与は、IFN−αをワクチンと混合して混合物を静注するときと比べて、血清IgA抗インフルエンザ抗体を同程度の量またはより多くの量まで増量する。同様の効果は、IFN−αの口腔粘膜投与後の肺における抗インフルエンザs−IgA抗体産生においても観察された。実験結果はさらに、口腔粘膜IFN−αも最大抗体反応およびそれによるワクチン接種に続く完全な保護に達するのに必要な時間も減じる。
I型IFN−またはIFN−αによって導かれる免疫反応は、特異的Igプロフィールによって特徴付けられる、すなわち、マウスにおいて、循環IgG2aおよび/または分泌IgAの特異的誘導によって特徴付けられる、Th1タイプ反応であり、これはバクテリアまたはウイルスといった病原体の攻撃からの保護を与える。
本発明の非毒性免疫アジュバント組成において、IFNは、I型IFNファミリーに属する任意のインターフェロンであることができ、または時にII型IFNと称されるIFN−γであることができる。これに関連して、ヒトへの最も効果的な投与は、10ないし10IUの範囲であり、好ましくは10ないし10IUの範囲である。
以下は本発明において使用することができるIFN源の非制限的な実施例である:健康なドナーの刺激白血球由来の天然IFN−α(異なるIFN−αサブタイプまたは特定人のIFN−αサブタイプの混合)またはNamalwa細胞由来のリンパ芽球様IFN−α:コンセンサスIFN(CIFN)といった合成I型IFN;組換えIFN−β(REBIF(登録商標)、セロノ;AVONEX(登録商標)、ビオゲン;およびBETASERON(登録商標)、ベルレックスとして市販)またはIFN−α2a(ROFERON(登録商標)、Rocheとして市販)およびIFN−α2b(INRON−A(登録商標)、Schering Ploghとして市販)といった組換えIFM−α、もしくはIFN−ω;DNAシャフリング法もしくは部位特異的突然変異誘発法によって生成した新規IFN分子;ならびに一またはそれ以上のアミノ酸置換体、欠失もしくは付加またはGenOdysseeのポリペプチドといった天然発生多型性をもった組換えヒトIFN−αもしくはIFN−β分子、国際公開第02/101048号(国際公開第02/083733号、国際公開第03/000896号、およびその他を参照)。
本発明の口腔粘膜投与されるインターフェロン剤形のための薬剤製剤において、当業者には明らかであるとおり、IFNのためにさまざまな媒体および賦形剤を使用することができる。典型的な製剤技術は、とりわけ、レミングトン1995、およびそれ以前の版に教示されている。IFN製剤は、米国特許第4,496,537号にあるように、グリシンまたはアラニンといった安定増強剤を含むことができ、および/または、担体タンパク質といった一またはそれ以上の担体を含むことができる。たとえば、ヒトの治療のために、医薬品等級ヒト血清アルブミンを、選択的に希釈液としてのリン酸緩衝食塩水とともに、通常使用する。ここで、IFNのための賦形剤はヒト血清アルブミンであり、このヒト血清アルブミンはヒト血清から抽出することができ、または組換え物であることができる。通常、血清アルブミンが使用されるときは同一源である。
同時に投与されるワクチンに対する免疫反応をインターフェロンが効果的に増強することができるに十分な時間、口腔粘膜腔とIFNとの接触を供することができるような任意の手段によって、IFNを投与することができる。これは、インターフェロンおよび口腔粘膜の少なくとも5秒以上の時間の接触を要し、好ましくは1〜2分、および可能ならば5分程度であり、すなわち、5ないし360秒である。このため、口腔粘膜投与は、経口投与とは明確に区別される。経口投与のための錠剤または液体配合を単に飲み下すだけならば、インターフェロンと口腔粘膜の接触はワクチンに対する免疫反応の増強には十分な時間ではない。
これらの条件の中で、本発明において使用されるINF投与剤形が、いかなる特定の製剤タイプに限定されるものではないということが、明らかに理解されるであろう。IFNは口腔粘膜腔の奥深くに投与されることができ、点鼻薬もしくは鼻噴霧同様に液体、固体、またはエアロゾルによっても達成することができる。このため、剤形は、液体、噴霧、シロップ、トローチ剤、口腔もしくは舌下錠、および噴霧製剤を含むが、これに制限されるものではない。当業者は、エアロゾルまたは噴霧製剤のために、調製の粒子サイズが重要でありに気づくであろうし、粒子サイズを修正することができる適切な手段に気づく。このため、エアロゾルまたは噴霧製剤のためには、粒子サイズは鼻咽頭粘膜中に必要時間とどまるよう、インターフェロンを沈着することができる大きさでなければならない。肺への投与を意図した製剤は口腔粘膜製剤であることを考慮せず、従って粒子サイズは鼻咽頭粘膜錠への沈着を回避して肺に直接到達するように小さいもので、ここでは肺は所望の作用部位で循環に取り入れられる。
口腔粘膜への使用のためのインターフェロンの代表的な剤形は、以下のものを含む(すべての%はw/wである)。
錠剤:D形グルコースBP45%;ゼラチンBP30%;小麦デンプンBP11%;カルメロースナトリウムBP5%;卵アルブミンBPC4%、ロイシンUSP3%;プロピレングリコールBP2%;および5×10IUのIFN−α2。このような錠剤は、口中でゆっくりと溶解することができ、または水に溶解して口中に必要なだけとどまることができる。
米国特許第4,675,184号にあるように、グリセリン45%、ナトリウムCMC2%、クエン酸緩衝液(pH4.5)25%、蒸留水を100%まで、および5×10IUのIFN−α2から、インターフェロンペーストを調製することができる。インターフェロンペーストは頬粘膜へ付着することができる。
同様に、市販のうがい薬または咳止めシロップ製剤へ、所望の量のインターフェロンを添加することによって、うがい薬またはシロップを調製することができる。
本明細書に記述の動物実験において、口腔粘膜投与は鼻腔深くへのIFN製剤の投与によって達成することができ、このため口腔咽頭腔へ、すなわち、受容哺乳動物の口腔及び咽頭へ、急速に分配され、この腔の粘膜層と接触する。
本発明者の研究室による前の研究により、インターフェロンの口腔粘膜投与はIFNの循環量の出現をもたらさないことが既知である(エイドら、1999および米国特許第6,361,769号)。
本記述の要旨は免疫アジュバントとしてのインターフェロンに関する一方で、本発明は、抗体産生および/またはTh1反応の増強に働くことが知られている他のサイトカインの使用にも拡張される。本発明者による米国特許第6,660,258号は、宿主防御機構刺激効果を誘導するTh1またはTh2特異的サイトカイン投薬の口腔粘膜投与に関するものである。そこで開示されているTh1サイトカインには、インターフェロンに加えて、IL−2、IL−12、IL−15、IL−18、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、および腫瘍壊死因子ベータ(TNF−βまたはリンホトキシン)が含まれる。このため、これらのサイトカインは、単独またはインターフェロンおよび/もしくはお互いと組み合わせで、インターフェロンについて本明細書に記述したのと同様の方法で、必要な変更をくわえて、本発明の免疫アジュバントとして使用することができる。このため、それぞれの効果的な投与は、過度の実験をすることなく当業者の通常の一によって容易に決定することができる。
抗原は、タンパク質、ペプチド、炭水化物または脂肪抗原の精製または部分精製、および/または全細胞、特に抗原と混合される樹状細胞と関連する抗原を含む。全体的に見ると、任意の病原体または腫瘍および/または分化関連性抗原は、免疫アジュバントとしてIFNと同時に与えられることが可能な免疫原として考えることができ、当業者によって容易に同定することができる。
本明細書の実験はインフルエンザワクチンVAXIGRIP(登録商標)に関連する一方で、本発明が任意のワクチン接種に対する免疫反応を増強するであろうことが完全に期待される。しばしば用語「ワクチン」は予防を誘導することを意図したワクチン接種のみを言及するときに使用されるが、本明細書および請求項のすべてを通じてこの用語は治療目的のためのワクチン接種も同様に含むことを意図している。たとえば、腫瘍関連抗原を構成するワクチンは、腫瘍に対する免疫反応を導くことを意図している。ウイルス粒子に対するワクチンは、ウイルスに対する予防のみならず存在するウイルス感染の根絶としても使用することができる。このため、たとえば、ワクチンはHBVに対して利用可能で、AIDSおよびHCVに対して利用可能で、これらは盛んに開発中である。アミロイド−β血栓に対する活性ワクチン接種もアルツハイマー疾患の治療に開発中である。従って、用語「ワクチン」は、抗原に対してまたはもとの状態で存在する交差反応抗原に対しての免疫反応を誘導する目的のための任意の抗原の投与に対して、適用される。好ましいワクチンは、インフルエンザ、天然痘、炭疽、B型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス、ポリオ、結核または抗腫瘍ワクチンを含む。
インフルエンザワクチンについて示された結果から鑑みて本発明が任意のこのようなワクチンに応用可能なことが期待できるであろうことについての理由は、混合物において投与されるときにインターフェロンがアジュバントとして効果的であるということが既知であるという事実に基づく。たとえば、プロイエッティ、2002、国際公開第02/083170号およびレボンら、2001参照。さらに、口腔粘膜投与インターフェロンが、遠位ではあるが同時に投与される抗原に対しての免疫反応を増強することがひとたび確立されると、免疫反応を引き起こす任意の抗原によって対象がワクチン接種されるときには同様ではないと信じる理由はない。治療のための口腔粘膜投与インターフェロンの既知の効果(たとえば、米国特許第6,361,769号参照)は、アジュバントとしてのインターフェロンの既知の効果と組み合わせて、インフルエンザワクチンについて示された結果を他の任意のワクチンに当てはめることを可能にするであろう。
たとえばミョウバンといった、ワクチンの抗原性を向上することを意図した現存のアジュバントは、深刻な副作用をもっていることが知られている。本発明において使用されるワクチンがその組成中にアジュバントを含むことができる一方で、そのようなアジュバントを除外することができかつ満足な免疫反応を持ったワクチンであることがのぞましい。口腔粘膜投与インターフェロン免疫アジュバントの使用は、この目的を供する。しかしながら、任意のワクチンがアジュバントなしには測定可能な免疫反応をもつことができない限りにおいては、本発明の免疫アジュバントの効果は個別的に基づいて試験しなければならない。
各ワクチン投与において存在する抗原の量は、アジュバントをもつか否かで、ワクチン接種された対象における防御免疫反応を導くことができる量として選択される。この量は、特異的抗原および典型的なアジュバントの存在の可能性に基づき、これは当業者によって同定することができる。通常、各投与は抗原を1ないし1000マイクログラム含み、好ましくは10ないし200μg含む。さらなる成分もワクチン中またはアジュバント含有ワクチン中において有利に存在する。
いくつかの場合には、ワクチンまたはアジュバント化ワクチンは、所望の効果および使い勝手の観点から経皮的または筋注で注入することができる。いくつかのワクチンについて皮内注射は効果的に実施することができ、適量の樹状細胞を注射部位に補充するための適切な他の運搬系を考慮することができた。しかしながら、口腔粘膜投与は除外されている。
ワクチンの肺への経鼻投与および経口投与も、ウイルス性呼吸性感染、たとえば、インフルエンザウイルス感染、といった感染のこれらの経路で運搬された感染源について特に包含される。
さらには、ワクチンまたは直接アジュバント化ワクチンの経鼻、経口または任意の他の粘膜投与も有効な選択肢であり、これは、ワクチン運搬の非常に実用的手段を用いることによる局所および/または全身性の強力な防御免疫の誘導をもたらす。
当業者はこれに関連して、ワクチン接種が作用するように導かれる抗原としての機能の最も適切な製剤を決定することができる。
ワクチン組成は、食塩水、賦形剤、アジュバント(必要なら)、保存剤、安定剤等といった殺菌した生理学的に適合した担体を含む薬理学的組成として、任意の従来の方式によって製剤することができる。
使用に先立って殺菌した担体中に溶解するために、ワクチンは液体中または凍結乾燥製剤中にあることができる。製剤中のミョウバンまたはリポソーム様粒子の存在も可能であり、これらは抗原の離散を遅らせるために有用である。ワクチンのゆっくりとした離散を可能にする他の戦略は、当業者により容易に同定することができ、本発明の目的範囲に含まれる。
薬理学的に許容できる担体手段または補助剤は、当業者により各製剤について容易に同定することができる。
本発明の方法は、感染症および腫瘍の予防および治療上の処置の両方について使用することができる。特に、本発明の方法は、重度の慢性感染症のため(すなわち、治療ワクチン)と同様、ウイルス性および細菌性疾患の予防処置(すなわち、防御ワクチン)について使用することができる。さらに、本方法は、適切な抗原を使用すれば、腫瘍または他の疾患および状態の、予防および処置に使用することができる。
これは、たとえばEBV、HPVおよびヘリコバクターピロリ、または、たとえばMAGE抗原、チロシナーゼgap100、およびMARTといった、明確な腫瘍関連抗原ヒト悪性腫瘍に関連した、ならびに他のヒト腫瘍に関連した感染源に対して、抗原を使用することによって、達成することができる。
特に、本発明の方法は、たとえば維持血液透析患者、移植患者およびAIDS患者のようないわゆる低応答性または非応答性の対象へのワクチン接種のために、特に適する。通常、本発明の方法は、早期のセロコンバージョン/セロプロテクションがのぞまれるような状況にある高い感染の危険性のある個体へのワクチン接種に、有利に適している。
これらの特徴は、特にHBVに対するワクチン接種にあてはまる。
付加的な実施例として、本発明の方法は、標準的なワクチン接種に対して反応が乏しい高齢の個体のインフルエンザウイルスに対する予防を誘導するために特に有用である。
他のウイルス性ワクチンについてと同様HBVワクチンについても、皮下注または筋注がのぞましく、他の場合、特に呼吸器系を通して宿主に感染することのできる感染源については、肺への経鼻投与が効率性および/または患者コンプライアンスの観点から利点を示す。
本発明の方法は、ワクチンが経口投与される場合にも使用することができる。ワクチンの経口投与は、ワクチンの嚥下を含み、このため、少なくとも5秒間の口腔粘膜との接触を必要とする口腔粘膜投与は含まない。従って、ワクチンが経口投与されるべき場合には、インターフェロンおよび/または他のTh1刺激サイトカインを、ワクチンの経口投与の前後短時間内に、口腔粘膜投与することができる。肺へのワクチンの経鼻的な実質的に同時投与を伴った、インターフェロンおよび/または他のTh1刺激サイトカインの口腔粘膜投与に関しても、同様である。
本発明の免疫アジュバントは、再接種とともにと同様最初のワクチン接種とともにも、ともに使用することができる。このため、抗原に対する免疫反応は、対象が抗原にさらされるときはいつでも増強することができ、これは個体が予防接種の対象とする抗原に対するワクチン接種後の暴露同様再接種時も含む。従って、免疫アジュバントの投与は、対象が問題の抗原に対して暴露されるときにも実施することができる。たとえば、生物テロ攻撃の可能性に対する予防のために、ヒトが炭疽菌に対して免疫化される場合、そしてそのしばらく後に前記対象がそのような攻撃で炭疽菌の存在に暴露した場合、本発明の免疫アジュバントの投与は、前記抗原に対する防御記憶免疫反応を増強する。免疫記憶反応は、ワクチン接種後の循環における記憶細胞の活性化に応答するものである。さらに、インターフェロンはポリクローン性B細胞活性化因子であるので、対象のワクチン接種の目標である特異的な抗原に対して彼または彼女を免疫反応が防御するであろうのみならず、対象が将来暴露される可能性のある関連するもしくは変異した抗原に対してある程度の交差防御を示すであろう。これは特に、抗原不連続変異および抗原連続変異の両方を示すことが知られているインフルエンザに対する予防に重要である。
従って、本発明の他の面は、以前対象に対して免疫アジュバントとしてのインターフェロンを記憶反応を増強する量、口腔粘膜投与によりワクチン接種したその目標である抗原に、感染または再度暴露したときの治療である。
本発明について大まかに述べてきたが、同じことを以下の実施例を通じることでより容易に理解することができるが、これは実例に基づいて供されていて、本発明を制限することを意図するものではない。
最初のワクチン接種のインフルエンザワクチンに対する抗インフルエンザ抗体反応における口腔粘膜投与IFN−αの効果
6ないし8週齢雄C57B1/6のグループを、第0日に筋注(im)投与によってVAXIGRIP(登録商標)(アヴェンティス・パストゥールMSD)15マイクログラムで処理したが、これは単独でまたは組換えマウスIFN―αもしくは組換えヒトIFN−αの逓増的な量(10、10、10、10、10IU)を含有する使用されたインターフェロンと同量のPBSとともに、または使用されたインターフェロンと等価のBSAを含有するPBSとともに処理した。他のグループのマウスは筋注(im)でワクチン接種して、動物へのワクチン接種時に対して−2、−1、0、+1または+2の各日に逓増的なインターフェロンを口腔粘膜経由(om)で注入した。他のグループの動物は、im注入またはom経由により、IFNまたはBSA単独で処理し、ワクチン接種は行わなかった。
抗体反応を15日および30日に、下記の免疫グロブリンサブタイプに特異的な抗原検出ELISA分析を用いて測定した。すなわち、血清中の全IgG、IgG1、IgG2a、およびIgA、ならびに肺中の分泌IgA。
結果を図1Aおよび図1Bに示す。図1Aは、15日後の抗インフルエンザ抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。測定した各抗体について、左の棒柱はインターフェロンの同時投与のない単独でのワクチン投与後を示し、中央の棒柱はIFNのom同時投与のあるワクチン投与後を示し、そして右の棒柱はワクチンおよびIFNの混合物のim投与後を示す。図1Bは、30日後の抗インフルエンザ抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。どの場合においても、omインターフェロンとともにワクチン投与する場合の抗体反応が、インターフェロンなしに得られた反応と比して、より顕著である。
ワクチンと混合したインターフェロンの筋注による投与が、多くの場合omインターフェロン投与に比していくぶん良い結果を与えるが、なお舌下でのインターフェロン投与はimに比して十分な利点がある。第一に、imインターフェロンの高用量投与ではしばしば重大な副作用がある。第二に、ワクチンとは別々ではあるが時間的に同時に投与される免疫アジュバントとしてのインターフェロンの使用は、インターフェロン含有製剤の登録のみを必要とする。言い換えれば、免疫アジュバントとしてomインターフェロンを使用するには、既に認可されたワクチンの別個の再登録を要しない。インターフェロンがワクチンと混合されるアジュバントの場合、それが従来技術において既知のものであっても、ワクチン/アジュバント混合物の別個の認可が必要であり、これは費用及び時間がかかる。
ワクチンに対するIgG抗体反応のピークが最初のワクチン接種後約30日で出現することは、ワクチンについての従来技術において一般的に既知である。図1Aおよび図1Bを比較することで、omインターフェロン投与による加速的な効果の存在を確かにみることができる。
用量反応曲線(示されていない)は、最適な反応がインターフェロンの最大量(この実験における10)を投与する場合に得られることを示す。ヒトインターフェロンをマウスに使用する他の試験においては、用量反応曲線は、抗体反応があるレベルのピークまで上昇してから下降することを示す。従って、免疫アジュバントとしての使用のためのインターフェロンの最適量が存在することが予想されて、この量はヒトの治験を実施することで実験的に決定することができる。
表1は、一定の血清希釈における最適濃度というよりも終点力価として明示される免疫グロブリン力価の、15日後の同様の実験の結果を示す。この実験も、omのIFN投与がワクチン単独よりも実質的によりよい結果を供することを裏付ける。しかしながら、この実験は、omのIFN投与による結果がimインターフェロンおよびワクチンの混合投与による結果よりも実質的によりよいことを示す。
マウスに対してインターフェロンを−2、−1、0、+1、+2日に投与した実験(示していない)の比較により、最適な効果はインターフェロンが第0日に投与されたときであることが確証された。第−1または−2日にom経路によって投与された場合、望ましい効果が起こらない。+1日または+2日にom経路によって投与された場合、インターフェロンをまったく投与しなかった場合と結果は実質的に同一である。このため、IFN投与の最適時期は、ワクチンの投与と実質的に同時期であることが明らかであり、これはこのようなワクチン接種前後数時間であることを意味する。
二回目のワクチン接種におけるインフルエンザワクチンに対する抗インフルエンザ抗体反応への口腔粘膜投与IFN−αの効果
実施例2においては、マウスが第90日に再接種されることを除いて、実施例1と同様の方法でマウスにワクチン接種した。各ワクチン接種段階、すなわち、第一および再度の接種各段階は、VAXIGRIP(登録商標)単独、IFN−αと混合したVAXIGRIP(登録商標)、またはomのIFN−α投与と同時のVAXIGRIP(登録商標)によってそれぞれ実施された。図2A、2Bおよび2Cは、図2Aについて最初のワクチン接種から105日後、または図2Bおよび2Cについて最初のワクチン接種から120後にそれぞれ測定された、これらの実験結果を示す。Ig力価は、特定の血清希釈における最適な密度測定として示される。最適な密度は450nmで測定された。再接種15日後には、omのIFN投与マウスにおける抗体力価においていくらか上昇があり、特に、予防について最も重要なIgサブタイプであるIgG2aについてそうである。30日後(図2B)、omのインターフェロン投与について非常に重要な効果が存在することを観察できる。実際、インターフェロンがワクチンと混合された場合および筋注で投与された場合に得られるものと比較しても、効果は明らかに高い。同様に、30日後(図2C)も、気管支肺胞洗浄液中の抗インフルエンザ分泌s−IgA産生においてomのインターフェロン投与が非常に重要な効果をもつことが観察される。
ヒトに対する免疫アジュバントの効果を試験するために、以下の臨床試験を実施する。140の対象
において、無作為に2グループに分け、一のグループはインターフェロンを口腔粘膜投与で処置してから、すみやかにVAXIGRIP(登録商標)を筋注で接種する。もう一つのグループは、omのプラセボで処置してから、すみやかにVAXIGRIP(登録商標)を筋注で接種する。インターフェロンは口腔粘膜を介した経路によって、5百万ユニットのROFERON(登録商標)組換えIFN−αを含有する生理食塩水5mlの用量で投与される。対象は、嚥下する前に2分間口の中に前記生理食塩水をとどめるように指導される。実験対照の対象は、生理食塩水のみを摂取してからimのVAXIGRIP(登録商標)をワクチン接種される。前記対象は年齢65ないし85歳であり、白血病もしくは充実性腫瘍、すなわち自己免疫疾患をもっておらず、扁桃が無傷である。前記対象はすべて最近5年間にインフルエンザワクチンを受けている。抗体反応は、免疫グロブリンサブクラスを決定するために赤血球凝集阻害および抗原捕捉ELISAの両方によって、第21日に測定される。唾液中の分泌IgAレベルも測定する。これらの結果は、実施例1および2で引用した前臨床動物実験において得られた結果と比較することがのぞまれる。
本発明をここで完全に記述してきたが、過度の実験をすることなくとも、本発明の精神と範囲から逸脱しない同等のパラメーター、濃度、および条件の範囲において、同様に実施することができることは当業者によって認められるであろう。
本発明はその具体的な実施例と関連して記述されてきたが、さらなる変更が可能であると理解されよう。本出願は、総合的に本発明の理念に従い、かつ本発明が関連する当業者に既知もしくは慣例的な範囲内であるような本明細書からの逸脱や、前述の本質的特徴に適用することができ以下に添付の請求項の目的内での本明細書からの逸脱を含むような、本発明の任意の変形、利用、または適用を包含することを意図している。
学術論文または要約、公開されあるいは対応する米国もしくは他国の特許出願、登録された米国もしくは他国の特許、または任意の他の参考文献を含む、ここに引用したすべての参照は、参照することにより本明細書に完全に組み込まれ、これは参照文献中に存在するすべてのデータ、表、図、および文章を含む。加えて、ここに引用した参照中に引用された参照のすべての内容もまた、完全に参照として組み込まれる。
既知の処置方法、従来の処置方法、既知の方法または慣習的な方法は、いかなる意味においても、本発明のいかなる面、記述または具体化について、従来技術において開示、教示または示唆されたことを認めるものではない。
先の具体的な実施例の説明は、本発明の総合的な性質を完全に明らかにして、当業者の知識(ここに引用した参照の内容を含む)を適用することにより、過度の実験をすることなく、本発明の総合的な概念から逸脱することなく、容易に具体的な実施例のような種々の応用に変更および/または適用することができる。従って、このような適用および変更は、ここに明らかにされた教示および指示に基づいて、開示された具体化と等価の意味および範囲のなかにあることを意味する。本明細書の語法または専門用語は、記述的ではあるが制限的ではない目的であると理解すべきであり、このため、本明細書の語法または専門用語は当業者が本明細書中での教示および指示に基づき、当業者の一の知識と組み合わせることによって、解釈すべきものである。
参照
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図1Aは、ワクチン接種後15日の、抗インフルエンザ抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。抗体反応は、特異的免疫グロブリンサブクラス:全IgG、IgG1、IgG2a、およびIgAについて図に示すように、抗原捕捉ELISA分析を使用して決定した。各抗体サブクラスは、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチンを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αと同時に、投与してから調べた。 図1Bは、ワクチン接種後30日の、抗インフルエンザ抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。抗体反応は、特異的免疫グロブリンサブクラス:全IgG、IgG1、IgG2a、およびIgAについて図に示すように、抗原捕捉ELISA分析を使用して決定した。各抗体サブクラスは、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチンを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αと同時に、投与してから調べた。 図2Aは、ワクチン再接種後の抗インフルエンザ抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。マウスは第0日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αと同時に注入することによって、ワクチン接種された。マウスは第90日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αomと混合もしくは10IUの組換えIFN−αomと同時に注入することによって、ワクチンを再接種された。抗インフルエンザ抗体反応を第105日に、特異的免疫グロブリンサブクラス:全IgG、IgG1、IgG2a、およびIgAについて図に示すように、抗原捕捉ELISA分析を使用して決定した。 図2Bは、ワクチン再接種後の抗インフルエンザ抗体におけるIFN−αの効果を示す。マウスは第0日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αと同時に注入することによって、ワクチン接種された。マウスは第90日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αomと同時に注入することによって、ワクチンを再接種された。抗インフルエンザ抗体反応を第120日に、特異的免疫グロブリンサブクラス:全IgG、IgG1、IgG2a、およびIgAについて図に示すように、抗原捕捉ELISA分析を使用して決定した。 図2Cは、ワクチン接種後の抗インフルエンザ分泌性s−IgA抗体反応におけるIFN−αの効果を示す。マウスは第0日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αomと混合もしくは10IUの組換えIFN−αと同時に注入することによって、ワクチン接種された。マウスは第90日に、VAXIGRIP(登録商標)抗インフルエンザワクチン15μgを単独、または10IUの組換えIFN−αと混合もしくは10IUの組換えIFN−αomと同時に注入することによって、ワクチンを再接種された。分泌性s−IgA抗インフルエンザ抗体反応を第120日に、図に示すように、分泌性s−IgA特異的な抗原捕捉ELISA分析を使用して決定した。

Claims (16)

  1. (a)口腔粘膜以外の手段から対象へ供することにより、有効量のワクチンまたは抗原を投与し、(b)ワクチンに対する免疫反応を増強するのに十分量のインターフェロンおよび/または少なくとも一の他のTh1刺激サイトカインを口腔粘膜から投与し、前記インターフェロンおよび/または他のサイトカイン投与は前記ワクチン投与と実質的に同時である、から構成される、ワクチンに対する免疫反応を増強する方法。
  2. 前記免疫反応が液性反応である、請求項1記載の方法。
  3. 前記免疫反応が細胞性反応である、請求項1記載の方法。
  4. 前記ワクチンが筋注によって投与される、請求項1記載の方法。
  5. 前記ワクチンが経口または経鼻によって肺へ投与される、請求項1記載の方法。
  6. 前記ワクチンが皮下または皮内投与される、請求項1記載の方法。
  7. 前記インターフェロンが少なくとも5秒間口腔粘膜と接触するように維持される方法で投与される、請求項1記載の方法。
  8. 前記インターフェロンが少なくとも1分間間口腔粘膜と接触するように維持される方法で投与される、請求項1記載の方法。
  9. 前記インターフェロンが5ないし300秒間口腔粘膜と接触するように維持される方法で投与される、請求項1記載の方法。
  10. 前記ワクチンがアジュバントの存在なしに投与される、請求項1記載の方法。
  11. 前記ワクチンがアジュバント化ワクチンである、請求項1記載の方法。
  12. 前記ワクチンが、インフルエンザ、天然痘、炭疽、B型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス、ポリオ、結核または抗腫瘍ワクチンである、請求項1記載の方法。
  13. 前記十分量のインターフェロンが10ないし10IUの範囲である、請求項1記載の方法。
  14. 前記十分量のインターフェロンが10ないし10IUの範囲である、請求項1記載の方法。
  15. 前記インターフェロンがI型インターフェロンまたはIFN−γを構成するグループから選択される、請求項1記載の方法。
  16. 対象が先に免疫化されている抗原に対して暴露している際に、前記抗原に対する免疫記憶反応を刺激するのに十分な量の、インターフェロン、および/または一またはそれ以上の他のTh1刺激サイトカインを口腔粘膜投与することから構成される、前記抗原に対する暴露の際の免疫反応を増強する方法。
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