JP2008502708A - タンパク質を単離および/または精製する方法 - Google Patents

タンパク質を単離および/または精製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体を単離および/または精製する方法に関する。本発明の方法は、98%を超える純度を有するタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の高収率の生成をもたらす。記載する方法は、タンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の工業生産に特に適している。

Description

本発明は、非常に純粋な形でタンパク質を単離および/または精製する方法に関する。このことは、特定の順序の精製ステップで、特定のクロマトグラフィー用担体を使用することによって達成される。本発明の方法は広範囲のタンパク質、好ましくは腫瘍壊死因子−α(TNF−α)およびTNF−α類似体に適用することができる。
医学界では、非常に純粋な形のタンパク質を提供することが必要とされている。したがって、低レベルの不純物を有する充分に精製されたタンパク質を提供することは、今日の医薬品産業にとって重要である。1つのこのような方法を本発明において記載する。さらに、本発明の方法は非常に経済的で効率がよく、タンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体の工業生産に使用することができる。ヒトTNF−αは、サイトカインのファミリーに属するタンパク質である。ヒトTNF−αは、細胞免疫応答と関係がある因子のカスケードにおける必須要素であり、種々の急性感染症および慢性の免疫または炎症疾患の病因と関係がある。一般に、ヒトTNF−αは、健康な生物と不健康な生物の両方において多面発現性活性を有する。TNF−αは広範囲の抗腫瘍効果を示し、局所療法の抗癌剤として医学界において使用されている。全身使用により副作用を引き起こすその毒性のために、より少ない副作用を有し、抗腫瘍活性が保存またはさらに増大した多くのTNF−α類似体が設計および調製されている。
本発明の目的は、タンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体を単離および/または精製するための非常に効率の良い方法を提供すること、および生物学的活性があるタンパク質、好ましくは精製された生物学的に活性のある形のTNF−αおよびTNF−α類似体、ならびにこれらを含む医薬組成物を提供することである。
本発明によれば、高純度のタンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体は、親和性クロマトグラフィーステップを含む単離および/または精製法を使用することによって、得られることが分かった。前記親和性クロマトグラフィーは、グリコサミノグリカン、特にヘパリンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体上で実施することが好ましい。このステップは高い最終純度の好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体に必要不可欠であり、同じことがグリコサミノグリカンと結合する全てのタンパク質、例えば他の残りのタンパク質より高い親和性を有するヘパリンに当てはまると思われる。本発明の好ましい実施形態において適用される、わずか2つの追加のクロマトグラフィーステップ、好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーを、高純度のタンパク質を得るために使用することができる。言い換えれば、本発明によりグリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体を適用することによって得られる、タンパク質の既に高い純度を、追加のクロマトグラフィーステップを導入することによってさらに高めることができる。2つの追加のクロマトグラフィーステップは、グリコサミノグリカン親和性クロマトグラフィーと連続して使用することができることが好ましく、最も好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーである。本発明による方法は、共有結合TNF三量体を分離するのに特に適している。
タンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体を単離および/または精製する方法は、98%を超える純度を有する、生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体の生成をもたらす。
この方法は、多量のタンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体の生成に適しており、タンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体の工業生産に適している。
本発明は、
不純物の存在下でタンパク質を含む混合物を準備すること、および
グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に前記混合物を負荷すること
を含む、タンパク質を単離および/または精製する方法を提供する。特に前記方法は、以下のステップ:
a.不純物の存在下でタンパク質を含む前記混合物を、グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に負荷するステップ、
b.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に、タンパク質を選択的に結合させるステップ、および
c.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体からタンパク質を溶出させて、タンパク質を提供するステップを含む。
本発明の好ましい実施形態において、負荷の前に、タンパク質混合物を酸性化して5.5〜7.5の範囲のpH、好ましくは約6.0のpHを得る。本発明の他の実施形態は、親和性クロマトグラフィーの前または後に実施することができ、アニオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーからなる群から選択される1つまたは複数のクロマトグラフィーステップをさらに含む、本明細書で前に記載した方法である。より好ましいのは、以下のクロマトグラフィーステップ:
a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
b.グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
c.サイズ排除クロマトグラフィー
を含む、本明細書で前に言及した方法である。
グリコサミノグリカンはヘパラン硫酸およびヘパリンからなる群から選択されることが好ましく、ヘパリンが使用されることがより好ましい。親和性クロマトグラフィーは、ヘパリンSepharose担体上で実施することが最も好ましい。アニオン交換クロマトグラフィーは、DEAE−SepharoseFF担体上で実施することが好ましい。サイズ排除クロマトグラフィーは、特にSuperose12上で実施する。
本発明内において、タンパク質はタンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を含むタンパク質、および1つまたは複数のアミノ酸配列領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)が導入されたタンパク質からなる群から選択されることが好ましく、「(Arg/Lys)」がリシンまたはアルギニンを指し、X、YおよびZが、全ての可能な組合せで使用することができるSer、Gly、Ala、Thr、Pro、His、Lys、Arg、GlnおよびAsnを含む群から選択される、小さな、柔軟性のある、極性および/または荷電アミノ酸を指し、および:
特に、本明細書で前に記載したタンパク質は、タンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を生来含む。
1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)をタンパク質構造中に導入されている。
タンパク質はTNF−αおよびTNF−α類似体を含む群から選択される。
本発明内で好ましいのは、
以下のクロマトグラフィーステップ:
a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
b.グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
c.サイズ排除クロマトグラフィー
を含む本明細書で前に記載した方法である。
特に好ましいのは、選択するグリコサミノグリカンがヘパリンである、本明細書で前に記載した方法である。最も好ましいのは、
クロマトグラフィーステップ:
a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
b.グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
c.サイズ排除クロマトグラフィー
を含み、
タンパク質がTNF−αおよびTNF−α類似体からなる群から選択され、グリコサミノグリカンがヘパリンである、本明細書で前に記載した方法である。
本発明は、グリコサミノグリカン、好ましくはヘパリンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体上で実施することが好ましい親和性クロマトグラフィーを含む、タンパク質を単離および/または精製する方法に関する。さらに本発明の方法は、特定の順序のプレクロマトグラフィーおよび精製ステップを含む。
本発明の方法は、グリコサミノグリカン、特にヘパリンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体とのタンパク質の有効な結合または高い親和性を可能にする1つまたは複数のアミノ酸領域を含む全てのタンパク質に使用することができる。このアミノ酸領域は領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)であることが好ましい。したがって、本発明の方法は、それらのタンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を含むタンパク質に適用することができる。タンパク質は、それらのタンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を生来含むことができる。さらに本発明の方法は、1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を導入されているタンパク質、特に表面上に塩基性アミノ酸残基を既に有しているタンパク質に適用することができる。アミノ酸領域のこのような導入は、例えば変異誘発によって、特にアミノ酸置換、添加および/またはアミノ酸挿入によって実施することができる。本発明の方法はTNFリガンドファミリーのメンバー、特にTNF−α、TNF−α類似体およびTNF−β(リンホトキシン)に適用することが好ましい。タンパク質は、TNF−αおよびTNF−α類似体からなる群から選択されることが最も好ましい。
本明細書で使用する用語「(Arg/Lys)」は、アミノ酸配列中のリシンまたはアルギニンのいずれかの使用を指す。したがって、アミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)は、アミノ酸領域ArgXYZArg、ArgXYZLys、LysXYZLysおよびLysXYZArgからなる群から選択される。本明細書で使用する配列「XYZ」中において、X、YおよびZは、全ての可能な組合せで使用することができるSer、Gly、Ala、Thr、Pro、His、Lys、Arg、GlnおよびAsnを含む群から選択される、小さな、柔軟性のある、極性および/または荷電アミノ酸を指す。本発明の方法によって単離および/または精製されるタンパク質の、アミノ酸配列中に含まれる好ましいアミノ酸領域は、ArgSerSerSerArgおよびArgGlnHisProLysである。最も好ましいアミノ酸領域は、ArgSerSerSerArgである。
本明細書で使用する用語「TNF−α」は、原型アミノ酸配列を有するヒトTNF−αのポリペプチドを指す。生物学的活性があるTNF−αは、3つの等しいN末端アミノ酸領域ArgSerSerSerArgを有する小型の三量体の構造を有する。
本明細書で使用する用語「共有結合三量体」は、少なくとも2つのサブユニットを含み、共有結合しており、サブユニット間の結合がジスルフィド結合ではない、三量体形のTNF−αまたはTNF−α類似体を指す。この用語は、用語「非還元性三量体」と交換可能である。
本明細書で使用する用語「TNF−α類似体」は、幾つかの変異、欠失、および挿入を有する、あるいは一般にTNF−αのアミノ酸配列の任意の変化を有するポリペプチドを指す。
本明細書で使用する用語「LK−805」は、変異Glu107Lysが導入されているTNF−α類似体を指す。LK−805は、従来技術のNovakovie SらCytokine.1997 9(8):597〜804中に記載された。
本明細書で使用する用語「溶出」は、クロマトグラフィーカラムからの吸着物質の洗浄または抽出を指す。
本明細書で使用する用語「溶出液」は、クロマトグラフィーカラムからの洗浄または抽出によって得られる溶液を指す。
本明細書で使用する用語「不純物」は、タンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の生物学的活性がある分子とは異なる物質、したがって分子に生物学的活性がない物質を指す。不純物は、タンパク質、DNA、(リポ)多糖などの、他の宿主細胞物質、およびタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の調製および処理において使用されている添加剤なども含む可能性がある。用語不純物は、TNF−αまたはTNF−α類似体の共有結合三量体も含む。
本明細書に示す不純物は、この不純物と同じ濃度範囲内の検量線を使用し、参照物質としてTNFを使用する、クーマシー染色したドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)ゲルの濃度分析を指す。
本発明のタンパク質を単離および/または精製する方法は、
不純物の存在下でタンパク質を含む混合物を準備すること、およびグリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に前記混合物を負荷することを含むことによって特に定義される。
グリコサミノグリカンはヘパリンおよびヘパラン硫酸からなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態では、ヘパリンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体を使用する。
本発明の方法は、以下のステップ:
不純物の存在下でタンパク質を含む混合物を、グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に負荷するステップ、
グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に、タンパク質を選択的に結合させるステップ、および
グリコサミノグリカンが結合した担体からタンパク質を溶出させて、タンパク質を提供するステップを含むことが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、グリコサミノグリカンはヘパリンである。
好ましい実施形態では本発明は、TNF−αおよびTNF−α類似体を単離および/または精製する方法に関するものであり、不純物の存在下でタンパク質を含む混合物を準備すること、およびグリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に前記混合物を負荷することを含むことによって特に定義される。
特に、好ましい実施形態の方法は、以下のステップ:
不純物の存在下でTNF−αまたはTNF−α類似体を含む混合物を、ヘパリンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に負荷するステップ、
ヘパリンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体に、タンパク質を選択的に結合させるステップ、および
ヘパリンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体からタンパク質を溶出させて、タンパク質を提供するステップを含む。
本発明のタンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体を単離および/または精製する方法は、親和性クロマトグラフィー以外に、親和性クロマトグラフィーの前または後に実施することができる、アニオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーからなる群から選択される1つまたは複数のクロマトグラフィーステップをさらに含むことができる。この精製ステップは、異なる組合せおよび/または異なる順序で適用することができる。
本発明の好ましい実施形態において、この方法はアニオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーをさらに含み、アニオン交換クロマトグラフィーは親和性クロマトグラフィーの前に実施することが好ましく、サイズ排除クロマトグラフィーは親和性クロマトグラフィーの後で実施する。
本発明の好ましい実施形態において、タンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体を単離および/または精製する方法は、
以下のクロマトグラフィーステップ:
a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
b.グリコサミノグリカンが結合した親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
c.サイズ排除クロマトグラフィー
を含む。
グリコサミノグリカンは、ヘパラン硫酸およびヘパリンからなる群から選択されることが好ましい。グリコサミノグリカンはヘパリンであることが最も好ましい。
クロマトグラフィーステップa.、b.およびc.は、a.、b.およびc.の順序で実施することが好ましいが、この順序は異なってもよい。
本発明の方法は医学分野の臨床用途に適した、タンパク質、好ましくはTNF−αおよび/またはTNF−α類似体の生成をもたらす。
本発明の単離および/または精製する方法によって得られる、生物学的活性があるタンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体は、治療有効量の生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体、および薬剤として許容可能な補助物質を含む医薬組成物の調製に適している。
本発明の方法によって、短い単離および/または精製法において得られる活性形のタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体を保つ能力は、生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体、およびこれを含む医薬組成物の高い収率だけではなく、高い純度および有効性にも貢献する。
本明細書で使用する用語「治療有効量」は、生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の治療効果を有する、生物学的活性があるタンパク質、好ましくはTNF−αまたはTNF−α類似体の量を指す。
適切な薬剤として許容可能な補助物質には、タンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体、療法において有用な適切な希釈剤、アジュバントおよび/または担体がある。
本発明の方法、特に追加のアニオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーのステップの実施によって得られる、生物学的活性があるTNF−αまたはTNF−α類似体は、癌の治療、および癌を治療するための医薬品の調製に使用することができる。
前記タンパク質は、TNF−αまたはTNF−α類似体の指標である全ての他の疾患を治療するための医薬品の調製にも使用することができる。
したがって、本発明の方法によって得られる純粋で生物学的活性があるTNF−αまたはTNF−α類似体を含む医薬組成物は、当業者に知られている方法で、前述の疾患を治療するのに有効な治療量で患者に投与することができる。
本発明のタンパク質を単離および/または精製する方法を実施するのに好ましい実施形態を以下に記載する。
本発明のタンパク質を単離および/または精製する方法は、プレクロマトグラフィーステップで始めることが好ましい。プレクロマトグラフィーステップは、それ自体が知られている発酵生産慣習に従う、宿主細胞の形質転換、および宿主細胞、すなわち発現菌株の培養を含む。この菌株は一般に栄養培地上で単コロニーから始めて増殖させるが、低温保存した細胞懸濁液(細胞塊)を利用することも可能である。この菌株は一般に多段階の方法で培養して、さらに使用するのに充分なバイオマスを得る。適切な宿主細胞は、例えば細菌細胞であってよい。本発明に従い利用する細菌宿主細胞は、例えばエシェリヒア(Escherichia)種などのグラム陰性菌(例えばエシェリヒア・コリ(Eschrichia coli))、または他のグラム陰性菌、例えばシュードモナス(Pseudomonas)種(シュードモナス・エルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)など)、またはカウロバクター(Caulobacter)種(カウロバクター・クレセンツス(Caulobacter crescentus)など)、またはグラム陽性菌、バチルス(Bacillus)種など(特にバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)であってよい。エシェリヒア・コリが宿主細胞として特に好ましい。プレクロマトグラフィーステップは細胞の破壊、硫酸アンモニウム(AS)またはポリエチレングリコールを用いたタンパク質分画の清澄なホモジェネートおよび沈殿からの核酸の沈殿を含むことができる。
本発明の方法は、アニオン交換クロマトグラフィーまたはカチオン交換クロマトグラフィーであってよい、第1のクロマトグラフィーステップにより続ける。最も好ましくは、アニオン交換クロマトグラフィーを適用する。
本発明の方法は、クロマトグラフィー用担体への、不純物の存在下でタンパク質を含む混合物の負荷で始める。この混合物(負荷溶液)は、細胞の破壊後に直接得られる上清、清澄ホモジェネートからの核酸の沈殿後の上清、タンパク質沈殿が適切なバッファーに溶けた溶液、8Mの尿素または6MのGndHClなどの強力な変性剤の存在下の封入体溶液または懸濁液(または混合物)、および変性濃度の変性剤(例えば1%サルコシル、2%サルコシルまたは1%ドデシル硫酸ナトリウム)の存在下の溶液、例えば変性剤/界面活性剤の希釈、透析、限外濾過または除去による事前復元に施した溶液からなる群から選択される。酵母、真菌または哺乳動物細胞系などの分泌系中での発現の場合、上清または濃縮上清または培養培地を負荷溶液として使用することができる。アニオン交換/カチオン交換カラムからの第1の溶出から生成した溶出液は、アニオン交換/カチオン交換カラムに再度負荷するための負荷溶液として使用することもできる。ヘパリンSepharose親和性クロマトグラフィーから生成した溶出液を、アニオン交換/カチオン交換カラムに負荷することもできる。
カラムに負荷する前に、負荷溶液として使用する不純物の存在下でタンパク質を含む混合物は、好ましくは脱塩して、結合に干渉する可能性がある塩(残りの硫酸アンモニウムまたは酢酸アンモニウムまたはいずれかの他の塩)を除去する。負荷溶液のpHは、使用するイオン交換クロマトグラフィー(アニオンまたはカチオン)の型に依存する。アニオン交換クロマトグラフィー用の負荷溶液の好ましいpHは、(pIが約6.8である)TNF−αと同等なpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体の場合7.5〜8.5の範囲であり、一方TNF−αより高いpI値を有するTNF−α類似体の場合、8.5〜9.5の範囲のpHが好ましい。負荷溶液のpHは、例えばNaOH溶液、またはリン酸溶液などの低濃度の酸溶液、または高pHまたは低pHバッファー溶液を加えることによって調整することが好ましい。バッファー交換を実施して、適切なpHを得ることもできる。
好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーである、第1のクロマトグラフィーステップは、大部分のE.コリタンパク質および他の可溶性要素を除去するために使用する。第1のクロマトグラフィーステップは、宿主細胞由来の核酸、リポ多糖およびタンパク質の捕捉ステップとして、タンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体のイオン化異性体、および変更したpI値を有する変化(損傷)形のタンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体を除去するために使用することもできる。カラムに負荷したサンプル中の標的タンパク質の量に関して、このステップの収率は約90%である。
さまざまなアニオン交換クロマトグラフィー用担体を使用することができ、DEAE−SepharoseCL−6B、DEAE−SepharoseFF、Q−SepharoseFF、Q−SepharoseHP、Q−SepharoseXL、DEAE−Sephacel、DEAE−Sephadex、QAE−Sephadex、DEAE−Toyopearl、QAE−Toyopearl、Mini−Q、Mono−Q、Mono−P、Source15Q、Source30Q、ANX−Sepharoseなどからなる群から選択することができる。アニオン交換クロマトグラフィーは、DEAE−SepharoseFF担体上で実施することが好ましい。
カチオン交換クロマトグラフィー使用の場合、さまざまなカチオン交換クロマトグラフィー用担体を使用することができ、CM−SepharoseCL−6B、CM−SepharoseFF、SP−SepharoseFF、SP−SepharoseHP、SP−SepharoseXL、CM−Sephadex、CM−Sephadex、CM−Toyopearl、SP−Toyopearl、MiniS、MonoS、Source15S、Source30S、TSKゲルSP−5PW、TSKゲルSP−5PW−Hr、Macro−Prep High S担体、Macro−Prep S担体、Macro−Prep CM担体からなる群から選択することができる。
アニオン交換クロマトグラフィー用の負荷溶液中の塩濃度は、タンパク質とカラムの結合を可能にするために低いことが好ましい。このことは、バッファー交換に適した方法によって達成される。タンパク質とカラムの結合は、溶液のpHにも依存する。7.5〜8.5のpH範囲を有するさまざまなバッファーを、負荷およびタンパク質、特にTNF−αと同等なpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体とアニオン交換クロマトグラフィー用担体の結合用に使用することができ、さまざまなバッファーはリン酸、トリス/HCl、酢酸、クエン酸、トリス/酢酸、コハク酸、マロン酸、2−(N−モルホリノエタンスルホン酸)(MES)および他のバッファーからなる群から選択することができる。リン酸バッファーを使用するのが好ましい。リン酸バッファーは10〜40mMの濃度範囲、好ましくは10〜20mMの濃度範囲で使用することができる。
TNF−αより高いpI値を有するTNF−α類似体を単離および/または精製する場合、8.5〜9.5のpH範囲を有するさまざまなバッファーを負荷、および大部分のE.コリタンパク質と担体の結合用に使用することができる。このpHは、標的タンパク質と担体の結合を妨げる。
アニオン交換クロマトグラフィーにおいては、カラム負荷の後にに、カラムの洗浄およびカラムからのタンパク質の溶出が続く。バッファー溶液中に高濃度の塩を加えた後の増大したイオン強度のために、溶出が起こる。ステップ勾配、直線勾配、およびステップ勾配と直線勾配の適切な組合せを、溶出用に使用することができる。ステップ勾配と直線勾配の適切な組合せを使用することが好ましい。洗浄および溶出用に使用することができる溶出バッファーは、リン酸、トリス/HCl、酢酸、クエン酸、トリス/酢酸、コハク酸、マロン酸、MES、およびNaClまたはKClなどの塩を加えた他の適切なバッファーからなる群から選択することができる。溶出が得られるイオン強度および塩濃度は、バッファー溶液のpHに依存する。TNF−αと同等なpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体を溶出させるために、50〜150mMの範囲の値の塩濃度を使用することが好ましい。バッファーのpHが高くなるほど、カラムからのタンパク質の溶出には低いイオン強度が必要とされる。
溶出液において、TNF−αと同等なpI値(約6.8)を有する三量体、生物学的活性があるTNF−αまたはTNF−α類似体が、80%を超える純度で得られる。TNF−αより高いpI値を有するTNF−α類似体の場合、TNF−α類似体は、80%を超える純度で、三量体の、生物学的活性がある形で流出分画中において得られる。
本発明の方法の第2のクロマトグラフィーステップは、グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体を好ましくは含む、親和性クロマトグラフィーであることが好ましい。グリコサミノグリカンはヘパリンおよびヘパラン硫酸からなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態においては、ヘパリンは親和性クロマトグラフィーの親和性クロマトグラフィー用担体と結合させる。
このステップは、本発明の方法によって得られるタンパク質の最終純度に不可欠なステップである。このステップにおいては、タンパク質、好ましくはTNF−αおよびTNF−α類似体は、他の残留E.コリタンパク質および他の不純物より、特異的、すなわちより高い親和性で、親和性クロマトグラフィー用担体と結合する。
親和性クロマトグラフィー用担体はヘパリン−Sepharose6FF、Toyopearl AF−ヘパリン−650Mなどからなる群から選択される。親和性クロマトグラフィー用担体は、ヘパリン−Sepharose担体であることが好ましい。
第2のクロマトグラフィーステップ用の負荷溶液として使用される、不純物の存在下でタンパク質を含む混合物は、TNF−αまたはTNF−α類似体を含むアニオンクロマトグラフィー溶出液、またはTNF−αまたはTNF−α類似体を含むアニオンクロマトグラフィーの流出分画であることが好ましい。
このステップは、有意に高いタンパク質結合能を与える低いpHにおいて行うことが好ましい。したがって、負荷の前に、混合物を酸性化して、pH5.5〜7.5を得ることが好ましい。混合物のpHは約pH6.0であることが好ましい。好ましくはタンパク質の変性を引き起こさない100mMのHPOまたは他のいずれかの希釈酸を使用することによって、混合物を酸性化する。この段階において、(TNF−αと比較して)同等または高いpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体の結合能は、pH6.0を有するバッファー中でサンプルを適用することによって本質的に増大させることができる。5.5〜7.5のpH範囲、好ましくは約pH6.0を有するさまざまなバッファーを、負荷および(TNF−αと比較して)同等または高いpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体と親和性クロマトグラフィー用担体の結合用に使用することができ、さまざまなバッファーはリン酸、トリス/HCl、酢酸、クエン酸、トリス/酢酸、コハク酸、マロン酸、2−(N−モルホリノエタンスルホン酸)(MES)および他のバッファーからなる群から選択することができる。リン酸バッファーを使用するのが好ましい。リン酸バッファーは10〜40mMの濃度範囲、好ましくは10〜20mMの濃度範囲で使用することができる。
担体との結合後、カラムの洗浄およびカラムからのタンパク質の溶出によって、この方法を続ける。適切な溶出勾配を使用して、残留E.コリタンパク質を最初に溶出させ、次にTNF−αまたはTNF−α類似体を溶出させる最大の分離を得ることによって、溶出を実施することができる。ステップ勾配、直線勾配、およびステップ勾配と直線勾配の適切な組合せを使用することができる。ステップ勾配と直線勾配の適切な組合せを使用することが好ましい。
洗浄および溶出用に使用することができる溶出バッファーは、リン酸、トリス/HCl、酢酸、クエン酸、トリス/酢酸、コハク酸、マロン酸、MES、およびNaClまたはKClなどの塩を加えた他の適切なバッファーからなる群から選択することができる。0〜500mMのNaClの直線勾配を異なる勾配で使用して、最大の分離を得ることが好ましい。溶出が得られるイオン強度および塩濃度は、バッファー溶液のpHに依存する。TNF−αと同等なpI値を有するTNF−αおよびTNF−α類似体を溶出させるために、100〜150mMの範囲の値の塩濃度を使用することができ、TNF−αより高いpI値を有するTNF−α類似体に関しては、150〜250mMの範囲の塩濃度を使用することができる。バッファーのpHが高くなるほど、カラムからのタンパク質の溶出には低いイオン強度が必要とされる。
溶出液において、生物学的活性があるTNF−αまたはTNF−α類似体が、98%を超える純度で得られる。
本発明の方法の第3のクロマトグラフィーステップは、サイズ排除クロマトグラフィーであることが好ましい。サイズ排除クロマトグラフィーは、微量の二量体および高度凝集形のタンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体を除去するのに特に有効である。
望むならば、親和性カラムから得られた溶出液を、如何なる他の中間ステップも必要とせずにゲル濾過カラムに直接負荷することができる。サイズ排除クロマトグラフィーカラムに負荷する前に、親和性カラムから得られた溶出液を濃縮して、負荷サンプルの体積を減少させることが好ましい。異なる方法、すなわち限外濾過、硫酸アンモニウム沈殿、次に小体積の適切なバッファー中での分離、または他のいずれかの適切な方法を使用することができる。硫酸アンモニウム沈殿を使用することが好ましい。
さまざまなサイズ排除クロマトグラフィー用担体を使用することができ、Sephacryl S−200HR、Sephacryl S−100HR、Superose12、Superose6、Superdex75、Sephadex G−75、Sephadex G−100、Sephadex G−150、Sepharose6BおよびCL−6B、Superdex75、Superdex200、TSKゲルG−2500PW、TSKゲルG−3000PW、Bio−Gel P−60、Bio−Gel P−100、Toyopearl HW−50、Toyopearl HW−55、Toyopearl HW65などからなる群から選択することができる。サイズ排除クロマトグラフィーは、Superose12上で実施することが好ましい。
サイズ排除クロマトグラフィー用の広いpH範囲の負荷溶液を使用することができる。溶液の負荷およびタンパク質の溶出は、同じバッファーを使用することによって実施することができる。さまざまなバッファーを使用することができ、バッファーは7.0〜8.0の範囲にpHを保つことができるリン酸、トリスおよび他の適切なバッファーからなる群から選択することができる。7.0〜8.0のpHを有するリン酸バッファーを使用することができる。負荷用には、20〜100mMの濃度範囲、より好ましくは30mMと50mMの間の濃度範囲で、リン酸バッファーを使用することが好ましい。サイズ排除クロマトグラフィーバッファー中の塩濃度は、100〜500mM、好ましくは約200mMの範囲であってよい。200mMのNaClを含むPBSバッファー(Maniatis)を使用することが好ましい。溶出液において、生物学的活性がある、適切にフォールディングされたタンパク質、特にTNF−αまたはTNF−α類似体が、98%を超える純度および完全な生物活性で得られる。
以下の実施例は本発明のさまざまな実施形態を例示する目的で与え、何らかの形式で本発明を制限することは意味しない。
ヘパリンSepharoseカラム上でのさまざまなpHにおけるTNFαの結合能の測定
P1:10mMのK−リン酸、pH8.0
P2:10mMのK−リン酸、pH8.0、1MのNaCl
P3:10mMのK−リン酸、pH6.0
P4:10mMのK−リン酸、pH6.0、1MのNaCl
pH8.0での結合能
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=8.30ml)を、負荷前に負荷剤バッファーP1を用いて平衡状態にする。カラムに40mlのサンプルを負荷する(DEAE−Sepharose溶出液、pH8.0;DEAE−溶出液は実施例2に記載するのと同様に調製する。)。カラムに負荷したタンパク質の合計量は9.5mgであり、TNF−αの量は9mgである。結合タンパク質はバッファーP2を用いて溶出させる。流量は2ml/分であり、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温(22℃)で実施する。流出分画および結合分画はTNF−αを含む。結合分画中のTNF−αの量は6,6mgであり、流出分画中の量は2.2mgである。pH8.0においてヘパリンSepharose1mL当たり約0.8mgのTNF−αが結合する(これらの条件での最大能力)。
pH6.0での結合能
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=8.30ml)を、負荷前に負荷剤バッファーP3を用いて平衡状態にする。カラムに7mlのサンプルを負荷する(DEAE−溶出液、pH6.0に酸性化;DEAE−溶出液は実施例2に記載するのと同様に調製する)。カラムに負荷したタンパク質の合計量は13.5mgであり、TNF−αの量は12.5mgである。結合タンパク質はバッファーP4を用いて溶出させる。流量は2ml/分であり、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温(22℃)で実施する。流出分画はTNF−αを含まない。結合分画中のTNF−αの量は12mgである。pH6.0においてヘパリンSepharose1mL当たり少なくとも1.4mgのTNF−αが結合する(これらの条件での最小能力)。
ヘパリンSepharoseへのTNF−αの結合能力は、pH8と比較してpH6.0では有意に高いことが分かる。少なくとも2倍多くのTNF−αがpH6では結合する。これは方法の経済性を有意に改善し、TNF−α類似体の精製にも適用することができる。
生物学的活性があるTNF−αの単離および/または精製
負荷サンプル(バイオマス)の調製:
以下の発現系:細菌菌株E.コリBL21(DE3)、プラスミド:E.コリ中での発現用に最適化させたTNF−αの適切に挿入された遺伝子を含むpCydcl(担体プラスミドBBG4、British Biotechnology)を使用して、出発物質を調製する。発現プラスミドpCydclは、抑制遺伝子cl857を部分的に欠失させることによって市販のプラスミドpCYTEXP1(Medac、Hamburg)から調製する。pCydclを使用して、タンパク質の充分な蓄積をもたらす、低温での標的タンパク質の構成的発現が得られる(V.Menart et al.Biotech and Bioengineering、83、No.2、181〜190、2003)。30℃において振盪フラスコ中の培養物(合計体積:2L)中で、タンパク質を発現させる。湿潤洗浄バイオマスの重量は約17g(8,5g/L)である。
プレクロマトグラフィーステップ
細胞の破壊
バイオマスを、70ml(約4倍体積)のバッファーP50/30(50mMのTRIS/HCl、30mMのNaCl)中に再懸濁させる。懸濁液はultraturax PT3100(Polytron)を使用して均質化する。作業圧力100000kPaで高圧ホモジェナイザーEmulsiFlex−C5(Avestin)を使用して、細胞を破壊する。破壊後、細胞タンパク質の固形細胞部分および不溶性部分を、15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離によって除去する。
核酸の沈殿
遠心分離後の上清において、ポリエチレンイミンを用いて核酸を沈殿させる。この上清に、磁気攪拌器で混合しながら、5%のポリエチレンイミンを最終濃度0.1%までゆっくり加える。15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離によって、沈殿を除去する。
可溶性タンパク質の沈殿
遠心分離後の上清において、硫酸アンモニウムを用いて可溶性タンパク質を沈殿させる。固形硫酸アンモニウムを65%の飽和度(430g/l)まで上清にゆっくり加え、pHは7.0と8.0の間の最終pHに同時に調整する。硫酸アンモニウム沈殿の上清中のタンパク質の合計量は495mgである(湿潤バイオマス1g当たり約29mgのタンパク質)。硫酸アンモニウム沈殿の懸濁液は、50mgのタンパク質をそれぞれ含む等分試料に分ける。15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離後、上清を注ぎ出し、同じ条件下において30分間再度遠心分離し、上清の水滴は濾過紙によって完全に吸い取る。生成した硫酸アンモニウム沈殿は4℃で保存する。
TNF−αの含量の測定
クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEゲルの濃度分析を使用することによって、可溶性分画中のTNF−αの含量を、それぞれのプレクロマトグラフィーステップ後に測定する。細胞破壊後の上清中のTNF−αの含量は、約35〜45%のTNF−αである。核酸の沈殿後、TNFの含量は40〜50%さらに増大する。硫酸アンモニウム沈殿を調製することによって、サンプルのさらなる富化を達成する。硫酸アンモニウム沈殿の溶液中のTNF−αの含量は60〜80%である。
クロマトグラフィーステップ
クロマトグラフィー用のバッファー
P1:10mMのK−リン酸、pH8.0
P2:10mMのK−リン酸、pH8.0、1MのNaCl
P3:10mMのK−リン酸、pH6.0
P4:10mMのK−リン酸、pH6.0、1MのNaCl
P5:PBS、pH7.4、200mMのNaCl
P6:PBS、pH7.4、500mMのNaCl
DEAE−Sepharoseに負荷するためのサンプルの調製
硫酸アンモニウム沈殿の等分試料(タンパク質の合計量約50mg)を、約5mlのバッファーP1に溶かす。サンプルはDEAE−Sepharoseカラムに負荷する前にPD−10カラムを使用して脱塩して、DEAE−Sepharoseとの結合に干渉する残りの硫酸アンモニウムおよび他の塩を除去する。脱塩サンプルはバッファーP1を用いて10mlに希釈し、ブラッドフォード法により測定して最終濃度は5.3mg/mlである。
第1のクロマトグラフィーステップ
アニオンクロマトグラフィー、クロマトグラフィー用担体:DEAE−Sepharose
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=7.85ml)に、約5mlのサンプルを2回負荷する。負荷サンプル中のタンパク質の合計量は約50mgであり、TNF−αの量は37,5mgである。それぞれの負荷前に、開始バッファーP1を用いてカラムを平衡状態にする。流量は2ml/分であり、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温(18〜22℃)で実施する。クロマトグラムを図3中に示し、20分と30分の間の主要なピーク(B)の分画を集める。第1のクロマトグラフィーステップ後に集めた分画中のタンパク質の濃度は、ブラッドフォード法(Bradford M.M.1976.Anal.Biochem.72:248〜254)により測定して0.8mg/mlであり、タンパク質の合計量は約36mgであり、TNF−αは約34mgである(純度94%まで)。したがって、第1のクロマトグラフィーステップの収率は90%である。
サンプルの酸性化
TNF−αを含むDEAE−Sepharoseからの溶出液は、MilliporeYM10膜を有するAmiconセル中で約20mlに濃縮する。ブラッドフォード法により測定して最終濃度は1.7mg/mlであり、タンパク質の量は約34mgであり、TNF−αは約33mgである。濃縮の収率は約97%である。濃縮サンプルは100mMのHPOを使用してpH6.0に酸性化する(酸100μL/タンパク質サンプル1ml)
第2のクロマトグラフィーステップ
親和性クロマトグラフィー、クロマトグラフィー用担体:ヘパリン−Sepharose6Fast Flow
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=8.60ml)を、それぞれの負荷前に開始バッファーP3を用いて平衡状態にする。約7mlのサンプルを3回カラムに負荷する。カラム上に負荷するタンパク質の合計量は34mgであり、TNF−αの量は32mgである。この型のクロマトグラフィーにおいて使用した、両方のバッファーのpHは6.0である。流量は2ml/分であり、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温(22℃)で実施する。クロマトグラムを図4中に示し、20分と30分の間の主要なピークの分画を集める。サンプル中のタンパク質の濃度は、ブラッドフォード法によって測定する。第2のクロマトグラフィーステップ後のタンパク質の合計量は22mgであり、TNF−αは21.5mgである(純度約98%)。このステップの収率は約67%であり、主な消失はクロマトグラフィーのピークをカットする際に存在して、最後のクロマトグラフィーステップの最も純粋な分画を選択する。
Superose12上に負荷する前のサンプルの調製
サイズ排除クロマトグラフィー前に、サンプルは硫酸アンモニウム沈殿と共に濃縮し、次いで小体積のバッファーP5中に沈殿を溶かす。固形硫酸アンモニウムを60%の飽和度(430g/l)まで溶液にゆっくり加える。15000rpmおよび4℃での60分間の遠心分離後、上清を注ぎ出し、同じ条件下において30分間再度遠心分離し、上清の飛沫は濾過紙によって完全に吸い取る。硫酸アンモニウム沈殿は900μlのバッファーP5中に溶かす。沈殿および溶解の収率は約70%である。
第3のクロマトグラフィーステップ
サイズ排除クロマトグラフィー、クロマトグラフィー用担体:Superose12
バッファーP5を用いて平衡状態にしたカラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/30、Vmatrix=23.8ml、パッキング済み)に、約300μlのサンプルを3回負荷する。流量は0.2ml/分である。このクロマトグラフィーステップのクロマトグラムは図5中に示す。0.2mlの分画を回収し、66分と74分の間の主要なピークの分画を集める。最終サンプル中のTNF−αの濃度は約2.5mg/mlであり、サンプルの体積は4.8mlである。適切な体積の5MのNaClをサンプルに加えて、0.5MのNaClの最終濃度を得る。サンプルはバッファーP6を用いて、1mg/mlのTNF−αの濃度に希釈する。280nmでの吸光度測定から計算したTNF−αの最終濃度は1.03mg/mlである。したがって、TNF−αの合計量は12.5mgである。最後のクロマトグラフィーステップの収率は80%である。TNF−αの単離の全体収率は33%(30〜35%)である。
精製タンパク質の特徴付け
SDS−PAGE
共有結合三量体は、標準的なSDS−PAGEで非還元性二量体として見られる。1μg、2μgおよび5μgのTNF−αを負荷してSDS−PAGEを実施する。クーマシー染色したゲル上において(図2)、5μgの負荷では、微量の非還元性二量体が、TNF−α単量体に属する主要バンド以外に目に見える状態である。非還元性二量体の量は1%未満である。TNF−αの分解産物に属するバンドは、この負荷では見られない。クーマシーブルー染色したSDS−PAGEゲルの濃度測定を使用することによって、最終純度を測定する。共有結合三量体の量は、以下の標準(純水TNF)負荷:0.05μg、0.1μg、0.25μgおよび0.5μgによって作製した検量線を用いて、5μgのサンプル負荷において非還元性二量体に属するバンドを比較することによって測定する。
ウエル当たり1μgのタンパク質負荷、および高感度銀染色において、TNF−α単量体に属する主要スポットおよび低強度の非還元性二量体以外に、目に見える状態である他のタンパク質バンドは存在しない。
インビトロでのTNF−αおよびその類似体の固有細胞毒性の測定−細胞を固定するための方法
固有細胞毒性活性を、FlickおよびGifford(Flick、D.A.、Gifford、G.E.1984 68:167〜175)の改変手順に従いL−929細胞系(マウス線維芽細胞)を使用して測定する。100Iの培養培地中に2×104個の細胞を、マイクロタイタープレートのそれぞれのウエル中に接種し、24時間インキュベートする(37C、5%CO2)。インキュベーション後、(WHO TNF−α標準87/650を使用して調製した)内TNF−α標準およびTNF−α類似体の一連の希釈液を、2g/mlのアクチノマイシンDの存在下においてウエルに加える。プレートを18〜20時間再度インキュベートする(37C、5%CO)。生命力のある細胞を次いで2.5%のグルタルアルデヒドを用いて固定し、20%メタノール中の0.5%クリスタルバイオレットを用いて染色する。プレートを乾燥させ、100lの1%SDSをそれぞれのウエルに加える。室温(25℃まで)で10分間の振盪後、570nmにおいて光学濃度を測定する。測定した光学濃度から、細胞濃度の自然対数を得る。TNF−αおよびその類似体の特異的細胞毒性活性は、最大細胞毒性の50%を生じる、すなわちタンパク質を含まない対照ウエル(陰性対照)中の細胞数に関して50%の細胞が生存しているサンプルと、標準の希釈液とを比較することによって測定する。L−929細胞において測定した固有細胞毒性は3〜4×10IU/mgである。
LK−805(E107K)の単離および/または精製
出発物質(バイオマス)の調製
以下の発現系:細菌菌株大腸菌、BL21(DE3)、類似体LK−805の適切に挿入された遺伝子を有するプラスミドpCydclを使用して、出発物質を調製する。発現プラスミドpCydclは、抑制遺伝子cl857を部分的に欠失させることによって市販のプラスミドpCYTEXP1(Medac、Hamburg)から調製する。pCydclを使用して、タンパク質の充分な蓄積をもたらす、低温での標的タンパク質の構成的発現が得られる(V.Menart et al.Biotech and Bioengineering、83、No.2、181〜190、2003)。
30℃において振盪フラスコ中の培養物(合計体積:2L)中で、タンパク質を発現させる。湿潤洗浄バイオマスの重量は17gまで(8,5g/L)である。
プレクロマトグラフィーステップ
細胞の破壊
バイオマスを、70ml(約4倍体積)のバッファーP50/30(50mMのトリス/HCl、30mMのNaCl)中に再懸濁させる。懸濁液はultraturax PT3100(Polytron)を使用して均質化する。作業圧力100000kPaで高圧ホモジェナイザーEmulsiFlex−C5(Avestin)を使用して、細胞を破壊する。破壊後、細胞タンパク質の固形細胞部分および不溶性部分を、15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離によって除去する。
核酸の沈殿
遠心分離後の上清において、ポリエチレンイミンを用いて核酸を沈殿させる。この上清に、磁気攪拌器で混合しながら、5%のポリエチレンイミンを最終濃度0.1%までゆっくり加える。15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離によって、沈殿を除去する。
可溶性タンパク質の沈殿
遠心分離後の上清において、硫酸アンモニウムを用いて可溶性タンパク質を沈殿させる。固形硫酸アンモニウムを65%の飽和度(430g/l)まで上清にゆっくり加え、pHを6.5と7.5の間の最終pHに同時に調整する。硫酸アンモニウム沈殿の懸濁液中のタンパク質の合計量は523mgである(湿潤バイオマス1g当たり約30mgのタンパク質)。硫酸アンモニウム沈殿の懸濁液は、50mgのタンパク質をそれぞれ含む等分試料に分ける。15000rpmおよび4℃での30分間の遠心分離後、上清を注ぎ出し、同じ条件下において30分間再度遠心分離し、上清の飛沫は濾過紙によって完全に吸い取る。生成した硫酸アンモニウム沈殿は4℃で保存する。
LK−805の含量の測定
可溶性分画中のLK−805の割合は、クーマシー染色したSDS−PAGEゲルの濃度分析を使用することによって、それぞれのプレクロマトグラフィーステップ後に測定する。細胞破壊後の上清中には約50%のLK−805が存在し、核酸の沈殿後の上清中には、約64%のLK−805が存在し、核酸の除去によって標的タンパク質が消失しないことを意味する。サンプルのさらなる富化は硫酸アンモニウム沈殿を調製することによって達成され、硫酸アンモニウム沈殿の溶液中のLK−805の割合は約66%である。
クロマトグラフィーステップ
クロマトグラフィー用のバッファー
P1a:10mMのK−リン酸、pH9.0
P2a:10mMのK−リン酸、pH9.0、1MのNaCl
P3:10mMのK−リン酸、pH6.0
P4:10mMのK−リン酸、pH6.0、1MのNaCl
DEAE−Sepharoseに負荷するためのサンプルの調製
硫酸アンモニウム沈殿の等分試料(タンパク質の合計量約100mg)を、10mlのバッファーP1aに溶かす。YM10膜を使用して50mlのAmiconセル(Millipore)中で脱塩することによって、硫酸アンモニウムを除去する。脱塩サンプル中のタンパク質の濃度は、ブラッドフォード法により測定して7.55mg/mlである。2つの18ml体積の脱塩サンプルをカラムに負荷する。
第1のクロマトグラフィーステップ
アニオンクロマトグラフィー、クロマトグラフィー用担体:DEAE−Sepharose
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=7.85ml)に、サンプル(約90mg)を約18ml負荷する。それぞれの負荷前に、開始バッファーP1aに対してカラムを平衡状態にする。流量は2ml/分に保ち、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温(22℃)で実施する。サンプルは完全に脱塩し、pHはタンパク質のpI値(pIVLK−805=8.56)を超えるが、LK−805はDEAE−Sepharoseと結合しない。しかしながら、大部分のE.コリタンパク質はこれらの条件下で結合する。非結合分画を集める。第1のクロマトグラフィーステップ後に集めた分画中のタンパク質の濃度は、ブラッドフォード法により測定して2.38mg/mlである。純度は80%と85%の間である。LK−805に関する第1のクロマトグラフィーステップの収率は95%である。
ヘパリン−Sepharoseへの負荷前のサンプルの酸性化
ヘパリン−Sepharoseへの負荷前に、100mMのHPOを用いてサンプルを酸性化する。段階的に、一定の攪拌中、サンプル30ml当たり3mlの酸を加える(100μL/サンプル1ml)。
第2のクロマトグラフィーステップ
親和性クロマトグラフィー、クロマトグラフィー用担体:ヘパリン−Sepharose6Fast Flow
カラム(Amersham Pharmacia Biotech、HR10/10、Vmatrix=8.60ml)を、それぞれの負荷前に開始バッファーP3を用いて平衡状態にする。約7mlのサンプルを3回カラムに負荷する。この型のクロマトグラフィーにおいて使用した、両方のバッファーのpHは6.0である。流量は2ml/分であり、2mlの分画を回収し、全プロセスを室温で実施する。1〜500mMのNaCl勾配は、5VKではなくTNF−α−10VKよりも漸進的である。タンパク質は200〜250mMのNaClで溶出させる。サンプル中のタンパク質の濃度は、ブラッドフォード法により測定して1.2mg/mlである。第2のクロマトグラフィーステップの収率は60%である。
プレクロマトグラフィーステップ後の、TNF−αを含む混合物のクーマシー染色したSDS−PAGEゲルを示す図である。矢印は、TNF−αを含むバンドを示す。 凡例 レーン1:分子量標準、Low Range(Bio Rad)、レーン2:細胞破壊後の上清、負荷5μg、レーン3:ポリエチレンイミンを用いた核酸の沈殿後の上清、負荷5μg、レーン4:硫酸アンモニウム沈殿の溶液、負荷5μg。 最終的な純粋TNF−αのクーマシー染色したSDS−PAGEゲルを示す図である。矢印は、TNF−αを含むバンドを示す。 凡例 レーン1:1μgのTNF−α、レーン2:2μgのTNF−α、レーン3:分子量標準、Low Range(Bio Rad)、レーン4:5μgのTNF−α。 アニオン担体DEAE−SepharoseFF(Amersham Pharmacia Biotech)を用いたカラムHR10/10を使用するクロマトグラフィーによる分離を示す図である。クロマトグラムは、時間(分)に従う280nmにおける吸光度の変化(A280)(───)およびバッファーP2の割合(---)を示す。 ピークA−E.コリタンパク質を含む流出分画;ピークB−TNF−αを含む結合タンパク質および残りのE.コリタンパク質。 ヘパリンSepharose6FF担体を用いたカラムHR10/10を使用するクロマトグラフィーによる分離を示す図である。クロマトグラムは、時間(分)に従う280nmにおける吸光度の変化(A280)(───)およびバッファーP4の割合(---)を示す。矢印は、TNF−αを含むピークを示す。 Superose12担体上でのクロマトグラフィーによる分離を示す図である。クロマトグラムは、280nmにおける吸光度の変化(A280)(───)を示す。矢印は、TNF−αを含むピークを示す。

Claims (18)

  1. 不純物の存在下でタンパク質を含む混合物を準備すること、および
    グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に前記混合物を負荷すること
    を含む、タンパク質を単離および/または精製する方法。
  2. 以下のステップ:
    a.不純物の存在下でタンパク質を含む前記混合物を、グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に負荷するステップ、
    b.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体に、タンパク質を選択的に結合させるステップ、および
    c.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体からタンパク質を溶出させて、タンパク質を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 負荷の前に前記混合物を酸性化して5.5〜7.5の範囲のpHを得る、請求項1および2に記載の方法。
  4. 前記混合物のpHが約6.0である、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項2に記載の方法の前または後に実施することができる、アニオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィーおよび親和性クロマトグラフィーからなる群から選択される1つまたは複数のクロマトグラフィーステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 以下のクロマトグラフィーステップ:
    a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
    b.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
    c.サイズ排除クロマトグラフィー
    を含む請求項5に記載の方法。
  7. グリコサミノグリカンがヘパラン硫酸およびヘパリンからなる群から選択される、請求項1、2および6に記載の方法。
  8. グリコサミノグリカンがヘパリンである、請求項7に記載の方法。
  9. 親和性クロマトグラフィー用担体がヘパリンSepharoseである、請求項1、2および6に記載の方法。
  10. アニオン交換クロマトグラフィーがDEAE−SepharoseFF担体上で実施される、請求項6に記載の方法。
  11. サイズ排除クロマトグラフィーがSuperose12上で実施される、請求項6に記載の方法。
  12. 前記タンパク質がタンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を含むタンパク質、および1つまたは複数のアミノ酸配列領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)が導入されたタンパク質からなる群から選択され、「(Arg/Lys)」はリシンまたはアルギニンを指し、X、YおよびZは、全ての可能な組合せで使用することができるSer、Gly、Ala、Thr、Pro、His、Lys、Arg、GlnおよびAsnを含む群から選択される、小さな、柔軟性のある、極性および/または荷電アミノ酸を指す、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. タンパク質がタンパク質構造中に1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)を生来含んでいる、請求項12に記載の方法。
  14. 1つまたは複数のアミノ酸領域(Arg/Lys)XYZ(Arg/Lys)がタンパク質構造中に導入されている、請求項12に記載の方法。
  15. タンパク質がTNF−αおよびTNF−α類似体を含む群から選択される、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 以下のクロマトグラフィーステップ:
    a.アニオン交換クロマトグラフィー、および
    b.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
    c.サイズ排除クロマトグラフィー
    を含む請求項15に記載の方法。
  17. 選択されたグリコサミノグリカンがヘパリンである、請求項16に記載の方法。
  18. 以下のクロマトグラフィーステップ:
    a.アニオン交換クロマトグラフィー、
    b.グリコサミノグリカンが結合している親和性クロマトグラフィー用担体を用いる親和性クロマトグラフィー、および
    c.サイズ排除クロマトグラフィー
    を含み、
    タンパク質がTNF−αおよびTNF−α類似体からなる群から選択され、グリコサミノグリカンがヘパリンである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
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