JP2008502627A - ヒドロキサム酸塩、その製造、および薬剤としての使用 - Google Patents

ヒドロキサム酸塩、その製造、および薬剤としての使用 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、式(I)の化合物、その薬剤学的に許容される塩、エナンチオマー型、ジアステレオ異性体およびラセミ体、上記化合物の調製、これらを含有する薬剤とその製造法、ならびに癌のような疾患の抑制または予防における上記化合物の使用である。

Description

本発明は、新規ヒドロキサム酸塩、およびその(R)-と(S)-エナンチオマーおよびラセミ体、これらの製造法、これらを含有する薬剤とこれらの製造、ならびに薬剤活性物質としてのこれらの化合物の使用に関する。
転写制御は、細胞分化、増殖、およびアポトーシスにおいて主要な事象である。遺伝子セットの転写活性化は細胞の運命を決定し、このため、転写は種々の因子により厳密に制御される。このプロセスに含まれる制御機構の1つは、DNAの3次構造の変化であり、これは、その標的DNAセグメントへの転写因子の近づき安さを調節することにより転写に影響を与える。ヌクレオソームの完全性は、コアヒストンのアセチル化状態により制御される。低アセチル化状態ではヌクレオソームはぎっしり圧縮されており、従って転写を許容しない。一方ヌクレオソームはコアヒストンのアセチル化により緩くなり、その結果転写が許容される。ヒストンのアセチル化状態は、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)およびヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の活性のバランスにより支配される。最近HDACインヒビターが、いくつかのタイプの癌細胞(結腸癌、T細胞リンパ腫、および赤白血病細胞を含む)の増殖とアポトーシスと阻止することが発見された。アポトーシスが癌進行の決定的に重要な因子であることを考えると、HDACインヒビターは、アポトーシスの有効なインデューサーとして癌治療法の有望な試薬である(Koyama, Y.ら、Blood 96 (2000) 1490-1495)。
いくつかの構造クラスのHDACインヒビターが同定されており、Marks, P.A.ら、J. Nat. Cancer Inst. 92 (2000) 1210-1216の総説がある。さらに詳しくは、WO98/55449、US5,369,108、WO01/38322、WO01/70675、WO02/22577、WO03/011851、WO03/066579、WO03/075929、WO03/076395、WO03/076400、WO03/076401、WO03/076421、WO03/076422、WO03/076430、WO03/076438、WO03/087066、およびWO2004/013130は、HDAC阻害活性を有するヒドロキサム酸アルカノイル、アルキレニル、アルケニレニル、アリール、ヘテロアリール、ベンジル、ビアリール、およびシナミルを報告している。
しかし、治療性(少し例を挙げると、増強された活性、低下した毒性、良好な溶解度、および改良された薬物動態プロフィール)が改良された新しい化合物に対するニーズがある。
本発明は、式I
Figure 2008502627
(式中、
R1はアルキルであり、これは1または数個のハロゲンにより随時置換され;
R2は-SF5
-O-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
-S(O)2-CF3
-S(O)-アルキル;
-S-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
-S(O)2-アリール;
-S(O)-アリール;
-S-アリール;
-S(O)2-ベンジル;
-S(O)-ベンジル;または
-S-ベンジルである)
のヒドロキサム酸塩およびその(R)-および(S)-エナンチオマーとラセミ体、およびその薬剤学的に許容される塩に関する。
本発明の1つの実施態様は、式I(式中、
R2は-SF5
-O-CF3
-O-CHF2
-S(O)2-CF3
-S(O)-アルキル;
-S-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
-S(O)2-アリール;
-S(O)-アリール;
-S-アリール;
-S(O)2-ベンジル;
-S(O)-ベンジル;または
-S-ベンジルである)
のヒドロキサム酸塩およびその(R)-および(S)-エナンチオマーとラセミ体、およびその薬剤学的に許容される塩に関する。
本発明の化合物はヒストンデアセチラーゼ(HDAC)のインヒビターであり、従って抗増殖活性を有する。本発明の目的は、式Iの化合物、およびその薬剤学的に許容される塩、ジアステレオ異性体、ラセミ体、および特にエナンチオマー型、これらの化合物の調製、これらの化合物を含有する薬剤、およびこれらの薬剤の製造、ならびに疾患(特に下記の疾患または障害)の抑制もしくは予防、または対応する薬剤の製造におけるこれらの化合物の使用である。
これらの化合物または薬剤で治療される腫瘍の例は、結腸癌、乳癌(進行性乳癌を含む)、肺癌(例えば、腺癌、および非小細胞肺癌を含む)、前立腺癌(進行性疾患を含む)、膵臓癌、リンパ系の造血器腫瘍(例えば、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫)、骨髄性白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML))、甲状腺濾胞癌、骨髄異形成症候群(MSD)、間葉性起源の腫瘍、黒色腫、奇形癌腫、神経芽腫、神経膠腫、皮膚の良性腫瘍(例えばケラトカントーマ(keratocanthoma))、腎臓癌、卵巣癌、膀胱癌、および表皮癌である。
本明細書において用語「アルキル」は、1〜6個、好ましくは1〜3個の炭素原子を含有する飽和の、直鎖または分岐鎖の炭化水素、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、t-ブチルを意味する。該アルキル基は、1つまたは数個のハロゲン原子、例えば塩素またはフッ素、好ましくはフッ素により随時置換される。置換アルキル基の例は、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、およびパーフルオロエチルである。
本明細書において用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、および臭素、好ましくはフッ素と塩素を示す。
本明細書において用語「アリール」は、アルキル、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-C(O)CH3、-NH2、-CH2NH2、-CH2OH、または-O-アルキル、好ましくは1〜3個のアルキルまたはハロゲンにより随時置換されたフェニルを意味する。アルキルとハロゲンは、上記で定義したものであり、アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される。
本明細書において用語「ベンジル」は、-CH2-フェニル基を意味し、ここでフェニルは、アルキル、ハロゲン、-CN、-C(O)OH、-C(O)CH3、-NH2、-CH2NH2、-CH2OH、または-O-アルキル、好ましくは1〜3個のアルキルまたはハロゲンにより随時置換され、アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される。アルキルとハロゲンは、上記で定義したものであり、アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される。
式Iの化合物において、R1は好ましくはメチル、エチル、またはトリフルオロメチルであり、特にメチルである。
さらなる実施態様は、R2がトリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルスルファニル、トリフルオロメチルスルフィニル、およびトリフルオロメチルスルホニルであり、特にトリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルスルファニルである式Iの化合物である。
本発明の化合物は、その薬剤学的に許容される塩の形で存在してもよい。用語「薬剤学的に許容される塩」は、式Iの化合物の生物学的有効性および性質を保持する通常の酸付加塩または塩基付加塩を意味し、適当な非毒性の有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基から生成される。酸付加塩の例には、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸)から得られるもの、および有機酸(例えば、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸など)から得られるものがある。塩基付加塩の例には、水酸化アンモニウム、カリウム、ナトリウム、および四級アンモニウム(例えば水酸化テトラメチルアンモニウム)から得られるものがある。医薬化合物(すなわち薬剤)から塩への化学修飾は、改良された物理的および化学安定性、吸湿性、流動性、および溶解度を得るための薬剤化学者に公知の技術である。例えば、Stahl, P.H.とWermuth, G.(編)、Handbook of Pharmaceutical Salts, Verlag Helvetica Chimica Acta (VHCA), チューリヒ、(2002)、またはBastin, R.J.ら、Organic Proc. Res. Dev. 4 (2000) 427-435を参照されたい。
本発明の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルである。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R2は-O-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される);および
-S-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される)である。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルであり;および
R2は-O-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される);および
-S-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される)である。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R2はSF5
-O-CF3
-O-CHF2
-S(O)2-CF3
-S(O)-アルキル;または
-S-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される)である。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R2は-S(O)2-アリール;
-S(O)-アリール;
-S-アリール;
-S(O)2-ベンジル;
-S(O)-ベンジル;または
-S-ベンジルである。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R2は-O-CF3
-S-CHF2;または
-SCH3である。
本発明のさらに別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルであり;そして
R2は-O-CF3
-S-CHF2;または
-SCH3である。
かかる化合物は、例えば以下である:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチル]-アミド};
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチル]-アミド};
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-メチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド};
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(3-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド};および
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド}。
本発明のさらに別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルであり;そして
R2はSF5
-O-CF3
-O-CHF2
-S(O)2-CF3;または
-S(O)-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される)である。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルであり;そして
R2は-S(O)2-アリール;
-S(O)-アリール;または
-S-アリールである。
かかる化合物は、例えば以下である:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-{[1-(4-ベンゼンスルホニル-フェニル)-エチル]-アミド}-5-ヒドロキシアミド。
本発明の別の実施態様は式Iの化合物であり、ここで
R1はメチルであり;そして
R2は-S(O)2-ベンジル;
-S(O)-ベンジル;または
-S-ベンジルである。
本発明のさらに別の実施態様は、式Iの化合物、特にその(R)-および(S)エナンチオマーの製造法であり、式IV
Figure 2008502627
(式中、
R3はアルキル基である)の化合物に、式III
Figure 2008502627
(式中、R1とR2は上記で定義したものである)のラセミ体、またはエナンチオマー的に純粋な(R)-もしくは(S)-アミンを、適当な活性物質の存在下で反応させて、式V
Figure 2008502627
の化合物を得て、これを次に、ヒドロキシルアミンにより処理して式Iの各化合物を得て;そして
所望であれば、該化合物をその薬剤学的に許容される塩に変換することを含む方法である。
式Iの本化合物またはその薬剤学的に許容される塩は、化学的に関連する化合物の調製に適用可能であることが知られている任意の方法により調製される。かかる方法は、式Iのヒドロキサム酸塩またはその薬剤学的に許容される塩を調製するのに使用される時、以下の代表例で示され、ここで特に明記しない場合は、R1とR2は後述されるいずれかの意味を有する。必要な出発物質は、有機化学の標準的方法により得られる。かかる出発物質の調製は、付随する実施例に記載されている。あるいは必要な出発物質は、有機化学者の通常の技術範囲内である、例示した方法と類似の方法により得られる。
式Iの化合物の製造のための1つの方法は、以下の一般的反応スキーム1に示され、これもまた本発明の実施態様である:
Figure 2008502627
スキーム1
スキーム1においてR1とR2は式Iについて定義したものであり、R3はアルキルまたは随時置換されたベンジルである。
一般式II(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のケトンは、対応するイミンを介して式IIIのアミンに還元される。式Vのアミドは、式IV(R3はMeである)のチオフェンジカルボン酸塩の活性化と式IIIのアミンによる以後の処理により生成される。最終生成物は、式Vのメチルエステルをヒドロキシルアミンまたはその塩酸塩で処理して式Iの各化合物を得ることにより得られる;所望であれば、該化合物はその薬剤学的に許容される塩に変換することができる。
(A) 式Iの化合物の製造法がここに例示される:
(A-1) 式II(R1とR2は上記で定義した意味を有する)のケトンは市販されているか、または例えば以下のように調製することができる:
(A-1-1) 式II(ここで、R1は上記で定義した意味を有し、R2はS(O)2-アリール基またはS-アリール基である)のケトンは、ハロゲン置換アセトフェノン(X-フェニル-C(O)-Me)からまたはアセチル置換塩化フェニルスルホニル(Cl-S(O)2-フェニル-C(O)-Me)から、適当なアリール-チオールで処理することにより、または例えばV.G.ら、J. Org. Chem. 68 (2003) 5422-5425またはMarquie, J.ら、J. Org. Chem. 66 (2001) 421に記載のようにフリーデルクラフト型の反応により前記の適当なアリール化合物を適用することにより調製される。
(A-1-2) 式II(ここでR1は上記で定義した意味を有し、R2はS-ベンジル基である)は、ハロゲン置換アセトフェノン(X-フェニル-C(O)-Me)から、Howbert, J.J.ら, Synthetic Commun. 20 (1990) 3193-3200に記載のように適当なベンジル-チオールで処理することにより調製することができる。
式II(ここでR1は上記で定義した意味を有し、R2はS(O)2-ベンジル基である)は、アセチル塩化フェニルスルホニル(Cl-S(O)2-フェニル-C(O)-Me)から、Sun, X.H.ら、Synthetic Commun. 28 (1998) 1785-1791;Gilman, Hら、J. Am. Chem. Soc. 51 (1929) 3501-3508、またはAlo, B.I.ら、J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (1990) 1611-1614に記載のように、適当なベンジル-ハロゲニド、ベンジル-グリニャール試薬またはトルエン誘導体で処理することにより調製することができる。
(A-2) 式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のアミンは、例えば一般式IIの対応するケトンの還元アミノ化により調製することができるが、他の方法も有用であり、当業者に公知である。
この反応は、典型的にはイミンの生成と以後のアミンの還元が同じ反応容器で起きるワンポット反応として行われる。反応混合物は通常、例えば(特に限定されないが)NH4OAcをアンモニア源として、そして例えば(特に限定されないが)シアノ水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として含有し、適当な溶媒(例えばメタノール)中で加熱される。
一般式IIIのアミンの調製のための他の方法は、グリニャール試薬R1-MgBrまたは有機リチウム化合物Li-R1(R1は上記で定義したものである)の、一般式R1-Ph-CNの芳香族ニトリルへの添加と、以後のイミンの還元である(例えば、Synth. Commun. 28 (1998) 4067に記載されている)。
(A-3) 式V(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)の化合物は、式IIIの化合物および式IVの化合物(ここでR3はアルキルまたはベンジルである)から調製することができる。
この反応は、典型的には2工程のワンポット法を含む。
第1の工程において、式IVのカルボン酸が活性化される。活性化反応は、不活性溶媒または希釈剤(例えばジクロロメタン、ジオキサン、またはテトラヒドロフラン)中で、活性化剤の存在下で行われる。かかる活性化酸誘導体は、例えば酸と無機酸塩化物(例えば塩化チオニル)との反応により生成されるハロゲン化アシル(例えば塩化アシル);例えば酸とクロロ蟻酸塩(例えばクロロ蟻酸イソブチル)との反応により生成される混合無水物;例えば酸とフェノール(例えばペンタフルオロフェノール)との反応により生成される活性エステル;例えば酸とN-ヒドロキシベンゾトリアゾールとの反応により生成される活性エステル;例えば酸とアジ化物(例えばアジ化ジフェニルホスホリル)との反応により生成されるアジ化アシル;例えば酸とシアノ化物(例えばシアン化ジエチルホスホリル)との反応により生成されるシアン化アシル;または酸とカルボジイミド(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド)との反応の生成物、または酸と塩化ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスホリルとの反応の生成物である。反応は、-30〜60℃、通常は0℃またはそれ以下で行われる。
第2の工程において、一般式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のアミンは、活性化で使用される温度で溶液に添加され、温度はゆっくり周囲温度に調整される。適切なスカベンジャー塩基(例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)を反応混合物に加えてもよい。これらの方法は当業者に公知である。原則として、例えばHouben-Weyl「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、第XV/1およびXV/2巻(Gerorg thieme Verlag、シュツットガルト)に記載のようにペプチド化学で使用されるアミドの合成のためのすべての方法が適用可能である。
式IVの化合物は、例えばUS2,680,731およびGoddard, C.J.ら、J. Heterocycl. Chem. 28 (1991) 17のような文献に記載されている。これらのモノエステルは、通常ジエステルの選択的ケン化または対応するアルデヒドの酸化により調製されるが、他の方法も使用でき、当業者に公知である。
(A-4) 式I(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)の化合物は、式Vの化合物から適切な塩基の存在下でヒドロキシルアミンとともに調製することができる。反応は不活性溶媒または希釈剤(例えばメタノールまたはエタノール)中で0℃〜100℃の温度で、通常は周囲温度またはその近くで、およびpH10〜12で行われる。適当な塩基は、例えばアルコラート、例えばナトリウムメトキシドまたは無機塩基(例えば水酸化カリウム)である。インサイチュでヒドロキシルアミンを生成する代わりに、これは別に放出することができ、有機溶媒(例えばメタノールまたはエタノールのようなアルコール)中の溶液として添加することができる。
(B) 式Iの化合物の調製のための別の方法を以下の反応スキーム2に例示する:
Figure 2008502627
スキーム2
スキーム2では、R1とR2は式Iについて定義したものであり、R3はアルキルまたは随時置換されたベンジルである。FGは、ハロゲンのような官能基を意味する。PGは保護基であり、例えばベンジル−、p-メトキシベンジル−、tert-ブトキシカルボニル−、トリチル−、またはシリル基(例えば、トリメチルシリル−またはジメチル-tert-ブチルシリル基)である。
(B-1) 式VIIの化合物は、式VI(ここでR1は上記で定義した意味を有し、FGは適当な官能基、好ましくはハロゲンである)の化合物、および式VI(ここでセクション(A-3)に記載したようにR3はアルキルまたはベンジルである)の化合物から得ることができる。
(B-2) 式VIII(ここでR1は上記で定義した意味を有し、FGは適当な官能基、好ましくはハロゲンであり、R3はアルキルまたはベンジルである)の化合物は、式VIIの化合物から加水分解により調製される。加水分解が行われる条件は、基R3の性質に依存する。R3がメチルまたはエチル基である時、反応は塩基(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム)の存在下で不活性溶媒もしくは希釈剤(例えばメタノールまたはエタノール)中で行われる。R3がtert-ブチル基である時、反応は、不活性溶媒(ジエチルエーテルまたはジオキサン)中の塩酸、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の存在下で行われる。R3がベンジル基である時、反応は適当な担体(例えば炭素)上の希金属触媒(例えばパラジウムまたは白金)の存在下で水素化分解により行われる。必ずしも加水分解のすべての方法が、すべての基R1およびR2と適合するものではない。これらの基の特徴が、ある加水分解法を許容しない場合、他の調製法を適用する必要がある。
(B-3) 式IX(ここでR1は上記で定義した意味を有し、FGは適当な官能基、好ましくはハロゲンであり、PGは適当な保護基を示す)は、式VIIIの化合物をO-保護ヒドロキシルアミンで処理することにより調製される。この反応は、典型的には2工程のワンポット法を含む。
第1の工程において式VIIIのカルボン酸は、セクション(A-3)の式IVの酸と同様に活性化される。
第2の工程においてO-保護ヒドロキシルアミンは、活性化に使用される温度で溶液に添加され、温度はゆっくり周囲温度に調整される。これらの方法は当業者に公知である。原則として、例えばHouben-Weyl「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、第XV/1およびXV/2巻(Gerorg thieme Verlag、シュツットガルト)に記載のようにペプチド化学で使用されるアミドの合成のためのすべての方法が適用可能である。
適当な保護基PGは、ベンジル−、p-メトキシベンジル−、tert-ブチルオキシカルボニル−、トリチル−、またはシリル基(例えば、トリメチルシリルまたはジメチルtert-ブチルシリル基)でもよい。行われる反応は、保護基の種類に依存する。保護基がベンジルまたはp-メトキシベンジル基である時、行われる反応は、不活性溶媒(例えばメタノールまたはエタノールのようなアルコール)中で、適当な担体(例えば炭素、硫酸バリウム、または炭酸バリウム)上の希金属触媒(例えばパラジウム)の存在下で周囲温度と圧力で行われる水素化分解である。保護基がt-ブチルオキシカルボニル−、トリチル−、またはシリル基(例えば、トリメチルシリルまたはジメチルtert-ブチルシリル基)である時、反応は酸の存在下で-20℃〜60℃、好ましくは0℃〜周囲温度で行われる。酸は、不活性溶媒(例えばジエチルエーテルまたはジオキサン)中の塩酸、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸でもよい。保護基がシリル基(例えば、トリメチルシリルまたはジメチルtert-ブチルシリル基)である時、反応はまたフッ素源(例えばフッ化ントまたはフッ化テトラブチルアンモニウム)の存在下で、ジクロロメタンのような不活性溶媒中で行われる。必ずしもすべての保護基PGが、すべての基R1と適合するものではない。これらの基の特徴が、ある保護基の使用を許容しない場合、他の保護基Yまたは他の調製法を適用する必要がある。
(B-4) 式X(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有し、PGは適当な保護基、例えばハロゲン、特にヨウ素を意味する)の化合物は、式IXの化合物から、例えばShukla, V.G.ら、J. Org. Chem. 68 (2003) 5422-5425;Howbert, J.J.ら, Synthetic Commun. 20 (1990) 3193-3200、およびSteven V. Leyら、Angew. Chem. Inter.編、43 (2003) 5400に記載のように、アリール−チオールまたはベンジル−チオールで処理することにより調製される。
(B-5) 一般式I(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)の最終生成物は、式VIIの化合物の脱保護後に得られる。
(C) 式Iの化合物の別の調製法は、以下の反応スキーム3(ここでR1とR2は式Iについて定義したものであり、R3はアルキルまたは随時置換されたベンジルである)に例示したように、式XI(これは式Vの化合物の加水分解により容易に得られる;セクション(B-2)を参照)の化合物とヒドロキシルアミンとの反応である。
Figure 2008502627
スキーム3
この反応は典型的には、2工程ワンポット法を含む。
第1の工程において式XIのカルボン酸は、セクション(A-3)の式IVの酸と同様に活性化される。
第2の工程において、ヒドロキシルアミンが、活性化に使用される温度で溶液に添加され、温度はゆっくり周囲温度に調整される。これらの方法は当業者に公知である。原則として、例えばHouben-Weyl「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、第XV/1およびXV/2巻(Gerorg thieme Verlag、シュツットガルト)に記載のようにペプチド化学で使用されるアミドの合成のためのすべての方法が適用可能である。
(D) 式Iの化合物はまた、固相支持合成法を用いて調製することができる。樹脂、例えばワング(Wang)樹脂(Wang-O-NH2樹脂、例えばヒドロキシルアミンワング樹脂またはヒドロキシルアミン2-クロロトリチル樹脂)に結合したヒドロキシルアミン成分(-O-NH2)に2,5-チオフェンジカルボン酸を反応させて、樹脂結合ヒドロキサム酸を生成する。第2のカルボン酸成分を式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のアミンと、例えばHouben-Weyl「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、第XV/1およびXV/2巻に記載のようなアミド結合生成の標準的方法により反応させる。この後に、ヒドロキサム酸を固相から遊離させる。これは、例えばTFAを用いて行われる。典型的にはヒドロキサム酸の切断は、トリイソプロピルシランの存在下で周囲温度でジクロロメタン中50% TFAで樹脂を処理することにより行われる。粗生成物は、必要であればLC-MSにより精製することができる。
式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のエナンチオマー的に純粋なアミンは、異なる方法を使用して調製することができ、こうして一般式Iの化合物の純粋なエナンチオマーの合成のための出発物質として機能する:
i. 例えばJ. Am. Chem. Soc. 64 (1942) 477;Smith, H.E.ら、J. Am. Chem. Soc. 105 (1983) 1578-1584;Hanano, T.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett. 10 (2000) 881-884、またはMukade, T.ら、J. Comb. Chem. 5 (2003) 590-596に記載のように合成化学の標準的方法により、式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のラセミ体アミンから出発して、
ii. 例えばRasor, P.とVoss, E., Applied Catalysis A 221 (2001) 145-158、およびIglesias, L.E.ら、Tetrahedron: Asymmetry 8 (1997) 2675-2677に記載のように、ラセミ体の酵素的分解のような公知の方法により、式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のラセミ体アミンをそのエナンチオマーに分離することにより、
iii. 適当な光学活性固定相に適当な溶離液を用いて分析的、半分取的または分取的スケールのクロマトグラフィーにより、式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のラセミ体アミンをそのエナンチオマーに分離することにより。適当な光学活性固定相には、特に限定されないが、シリカ(例えば、キラスパー(ChiraSper)、メルク(Merck);キラルパック(Chiralpak)OT/OP、ベーカー(Baker))、セルロースエステルまたはカルバメート(例えば、キラセル(Chracel)OB/OY、ベーカー(Baker))、その他(例えば、クロウパック(Crowpak)、ダイセル(Daicel)またはキラセル(Chracel)OJ-R、ベーカー(Baker))がある;
iv. 式IIIの化合物と他の光学活性化合物(例えば樟脳スルホン酸またはブルシン)からのジアステレオ異性体化合物の生成、およびこれらのジアステレオ異性体化合物の分離、次に光学活性物質からの遊離により、
v. コレイ−バクシ−シバタ(Corey-Bakshi-Shibata)試薬(例えば、Corey, E.J., J. Am. Chem. Soc. 109 (1987) 7925-7926)のような試薬を使用して、一般式IIのケトンのエナンチオ選択的還元と、生成されたエナンチオマー的に純粋なアルコールから対応するアジドの変換(ミツノブ(Mitsunobu)反応による立体配置の転換)と、エナンチオマー的に純粋なアミンへの以後の還元により。
一般式Iの化合物の純粋なエナンチオマーの調製のための他の方法は、式III(ここでR1とR2は上記で定義した意味を有する)のラセミ体アミンを応用する方法(A)、(B)、(C)、または(D)のラセミ化合物の合成である。ラセミ体は、最終生成物Iの段階かまたは前駆体VまたはXの段階で両方のエナンチオマーに分離することができる。分離は、適当な光学活性固定相に適当な溶離液を用いて分析的、半分取的または分取的スケールのクロマトグラフィーにより行われる。適当な光学活性固定相には、特に限定されないが、シリカ(例えば、キラスパー(ChiraSper)、メルク(Merck);キラルパック(Chiralpak)OT/OP、ベーカー(Baker))、セルロースエステルまたはカルバメート(例えば、キラセル(Chracel)OB/OY、ベーカー(Baker))、その他(例えば、クロウパック(Crowpak)、ダイセル(Daicel)またはキラセル(Chracel)OJ-R、ベーカー(Baker))がある。式Iまたは式Vの化合物と他の光学活性化合物(例えば樟脳スルホン酸またはブルシン)からのジアステレオ異性体化合物の生成、およびこれらのジアステレオ異性体化合物の分離、次に光学活性物質からの遊離のような、エナンチオマーの分離のための他の方法を応用することもできる。
本発明の化合物(ここでR2は、随時ハロゲン化されたアルキルスルフィニル基、特に-S(O)-CF3および-S(O)-CH3、または随時置換されたフェニル−スルフィニル基または随時置換されたベンジル−スルフィニル基である)は、対応するチオールエーテル誘導体の酸化により調製することができる。この酸化反応は、好ましくは不活性溶媒中で過酸のような酸化剤(例えば、ジクロロメタン中の3-クロロ-ベンゼンカルボペルオキソ酸、またはクロロホルム中の2-ヨード安息香酸、またはトルエン中のヨードソベンゼン)で行い、対応する随時ハロゲン化されたアルキルスルフィニルを得る。
対応するスルホニル誘導体への酸化は、より激しい条件、例えば水性メタノール中の酸化クロム(VI)もしくはオキソンの触媒下でアセトニトリル中の過ヨウ素酸、または過剰の3-クロロ-ベンゼンカルボペルオキソ酸と延長された反応時間を必要とする。
本発明の目的は、1つ以上の式Iの化合物の薬剤学的に有効な量を薬剤学的に許容される賦形剤および/または希釈剤との混合物として含有する医薬組成物である。
本発明のさらなる態様において、活性成分として1つ以上の式Iの化合物を薬剤学的に許容されるアジュバントとともに含有する薬剤が提供される。かかる薬剤または医薬組成物は、経口投与に適した形、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、エマルジョン、または懸濁剤;例えば無菌溶液、懸濁液またはエマルジョンとして非経口注入(静脈内、皮下、筋肉内;血管内、または注入を含む)に適した形、;例えば軟膏剤またはクリーム剤として局所的投与に適した形、または坐剤として直腸投与に適した形、でもよい。これらの薬剤調製物は、薬理学的に不活性な無機または有機担体で本発明の化合物を処理することにより得られる。乳糖、コーンスターチ、またはこれらの誘導体、タルク、ステアリン酸、またはその塩などは、例えば錠剤、コーティング錠剤、糖衣錠、および硬ゼラチンカプセル剤用のかかる担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適した担体は、例えば植物油、蝋、脂肪、半固体、および液体ポリオールなどである。しかし活性物質の性質に依存して、軟ゼラチンカプセル剤の場合は通常担体が必要無い。液剤およびシロップ剤の製造に適した担体は、例えば水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤に適した担体は、例えば天然のまたは硬化油、蝋、脂肪、半液体、または液体ポリオールなどである。
さらに薬剤調製物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、または抗酸化剤を含むことができる。これらはまた、さらに別の治療的に価値のある物質を含有することができる。
医薬組成物は以下を含むことができる:
Figure 2008502627
方法:
1. 適当なミキサー中で品目1、2および3を15分間混合する。
2. 20%のポビドンK30溶液(品目4)を用いて工程1からの粉末混合物を顆粒化する。
3. 工程2からの顆粒を50℃で乾燥する。
4. 工程3からの顆粒を適当な製粉装置に通す。
5. 品目5を工程4からの粉砕した顆粒に加え、3分間混合する。
6. 工程5からの顆粒を適当なプレスで圧縮する。
他の薬剤調製物は、例えば式Iの化合物のマイクロ懸濁物である。マイクロ懸濁物を得るために以下の材料が使用される:
注入当たり7.5%改質ゼラチンXF20(ブラウン(Braun))の水溶液(溶解し、孔径0.45μmでろ過し、オートクレーブする)、フィルター(注文品、メッシュサイズ 100μm)、フィルターホルダー、カプリング、直径0.25mmの洗浄したガラスビーズ、および加熱滅菌したレッシュ(Retsch)ミル。
典型的なバッチの調製のために、6244mgの式(I)の化合物を30gのガラスビーズを含む50mlのビンフラスコ中に計量し、スパテラで分散させ、ボルテックス混合した。10mlのゼラチンビヒクルを各ビンに加えた。ビンをボルテックス混合し、キャップをし、軽く保護するためにアルミニウム箔で包んだ。内容物をレッシュ(Retsch)ミルで30/sで14時間粉砕した。次にマイクロ懸濁物を、受容バイアルに連結したフィルターホルダー上の2層のフィルター(100μm)を用いて、400gで2分間、6回の洗浄工程を含めて遠心分離し、ビーズから抽出して最終容量130mlを得た。
ホモジナイズ後、内容物をHPLCにより45.7mg/mlであると測定され、これは収率95%に相当する。マイクロ懸濁物を18.6mlで希釈して、最終濃度40mg/mlを得た。得られた球形の顆粒状の粒子は、顕微鏡で測定すると直径は1〜5μmであった。保存のために、マイクロ懸濁物を無菌バイアルに充填し、キャップをし、名前を付けて、-20℃で保存した。マイクロ懸濁物は使用前に激しく攪拌しなければならない。
式Iのヒドロキサム酸塩は通常、温血動物に動物の体面積1平方メートル当たり5〜5000mgの範囲内、すなわち約0.1〜100mg/kgの単位用量で投与され、これは通常治療的有効量を与える。錠剤またはカプセル剤のような単位投与剤型は通常、例えば1〜250mgの活性成分を含有する。好ましくは1〜100mg/kgの1日用量が使用される。しかし1日用量は、治療される宿主、具体的な投与経路、および治療される疾患の重症度により必ず変化する。従って最適用量は、具体的な患者を治療している医師により決定される。
薬理活性
本発明の化合物の活性を証明するために、ヒト結腸癌細胞株に対する作用を標準的MTTアッセイを使用して評価した。MTT(臭化3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウム)は、腫瘍細胞の細胞障害作用またはインビトロ化学感受性の定量測定のために広く使用されている。このアッセイは、代謝活性のある細胞により黄色のテトラゾリウム塩(MTT)を切断して紫色のホルマザン結晶に秒することに基づく。詳細は、Rubinstein, L.V.ら、J. Natl. Cancer Inst. 82 (1990) 1113-1118を参照されたい。
我々は以下のように進めた:HT-29細胞(ヒト結腸癌細胞株、ATCC-No. HTB-38)を、GlutaMAX(登録商標)I(インビトロゲン(Invitrogen)、カタログ番号61870-010)、2.5%胎児牛血清(FCS、シグマ(Sigma)、カタログ番号F4135(FBS))、2mMグルタミン、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(=インビトロゲン(Invitrogen)のPen/Strep、カタログ番号15140)を含むRPMI1640培地で培養した。アッセイのために細胞を384ウェルプレートに、同じ培地中でウェル当たり900個の細胞で接種した。翌日、化合物(DMSO中に10mMで溶解した)を30μM〜1.5nMの範囲の種々の濃度で加えた。5日後、主に製造業者の説明書(細胞増殖キットI、MTT、ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals))に従ってMTTアッセイを行った。簡単に説明すると、MTT標識試薬を最終濃度0.5mg/mlで加え、37℃、5%CO2で4時間インキュベートした。このインキュベーション時間中に、紫色のホルマザン結晶が生成する。可溶化溶液(0.02MのHCl中20%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))の添加後、プレートを37℃、5%CO2でインキュベートした。注意深く混合後、プレートをビクター(Victor)2(走査マルチウェル分光光度計、ワラック(Wallac))で550nmで測定した。
生きた細胞の数の減少により、試料中の総代謝活性が低下する。この低下は、紫色のホルマザン結晶の可溶化により生じた紫色の量に正比例する。IC90の測定は、XL-fit(XLfitソフトウェア(アイディービジネスソルーション社(ID Business Solution Ltd.)、ギルフォード(Guilford)、スレイ(Surrey)、英国))を使用して行った。
参照化合物は以下の構造を有する。
Figure 2008502627
Figure 2008502627
本発明の化合物のHDACインヒビターとしての活性をさらに証明するために、ヒストンデアセチラーゼ阻害に対するその作用を以下の生化学的クエンチアッセイを使用して評価した:
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の機能は、例えばヒストンH4中のリジンの脱アセチル化である。ヒストンH4から得られる17アミノ酸のペプチドをテトラメチルローダミン(タムラ(TAMRA)、蛍光物質、インビトロゲン(Invitrogen))でC末端に、QSY-7(登録商標)(クエンチャー色素、インビトロゲン(Invitrogen))でN末端に標識し、基質として使用した(タムラ(TAMRA)−ヒストンH4の最初の17aa−QSY7)。HDACによる脱アセチル化後に、酵素LysCはリジンの後のペプチドを切断する。これによりクエンチ作用と高蛍光シグナルが消失する。LysCは基質を切断できないため、化合物によるHDACの阻害によりシグナルは小さくなり、クエンチ作用が持続する。
用量応答曲線のために、30μMから始めて10個の濃度を1:3に希釈した。10μlの化合物希釈物を384プレートの各ウェルに入れた。10μlのHDACを加えた(HEK293細胞(アデノウイルス5断片により形質転換したヒト胎児腎細胞株、ATCC-No. CRL1573)から精製した組換えHDAC-1;酵素活性は各調製について評価しなければならない)。10μlのペプチド基質を加えた(1μM 最終濃度、試験緩衝液で1:1000希釈した1mMストック溶液から得られる)。室温で90分インキュベーション後、3μg/ml LysCと0.075%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含有する20μlの試験緩衝液を加えて反応を停止させた。一晩インキュベーション後、タムラ(TAMRA)の蛍光シグナルを測定した(ビクター(Victor)2、ワラック(Wallac)、吸収544nm、発光590nm)。DMSO(ジメチルスルホキシド)処理対照ウェルのO.D.を100%とし、化合物処理細胞の%阻害を100%に対して算出する。10個の濃度を基にして、XL-fit(XLfitソフトウェア(アイディービジネスソルーション社(ID Business Solution Ltd.)、ギルフォード(Guilford)、スレイ(Surrey)、英国))を使用してIC50曲線を作成する。
使用した試験緩衝液:10mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)pH8、10mM NaCl、10%グリセロール、0.005%トリトンX-100(登録商標)、0.1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.1mM トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の混合液。使用したプレート:384ウェルプレート(黒、グレイナー(Greiner)、781077)。
参照化合物は以下の構造を有する。
Figure 2008502627
Figure 2008502627
本発明の実施態様は、腫瘍細胞中のヒストンアセチル化の誘導による腫瘍細胞増殖の阻害のための前記の薬剤である。
本発明の別の実施態様は、造血系とリンパ系の新生物の治療のための、前記の薬剤である。
本発明のさらに別の実施態様は、癌の治療のための、前記の薬剤である。
本発明のさらに別の実施態様は、結腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、直腸癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、または卵巣癌の治療のための、前記の薬剤である。
本発明のさらに別の実施態様は、腫瘍細胞中のヒストンアセチル化の誘導による腫瘍細胞増殖の阻害用の薬剤を製造するための、1つ以上の式Iの化合物の使用である。
本発明のさらに別の実施態様は、癌の治療用の薬剤を製造するための、1つ以上の式Iの化合物の使用である。
本発明のさらに別の実施態様は、結腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、直腸癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、または卵巣癌の治療用の薬剤を製造するための、1つ以上の式Iの化合物の使用である。
本発明のさらに別の実施態様は、造血系とリンパ系の新生物の治療用の薬剤を製造するための、1つ以上の式Iの化合物の使用である。
本発明のさらに別の実施態様は、腫瘍細胞に有効量の1つ以上の式Iの化合物を投与して、腫瘍細胞中のヒストンアセチル化を誘導することにより腫瘍細胞増殖を阻害する方法である。本発明のこの態様のさらなる特徴により、治療の必要な温血動物(例えばヒト)の抗細胞増殖作用を生成する方法であって、前記ヒドロキサム酸塩の有効量を該動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
従って本発明のさらに別の実施態様は、腫瘍が結腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、直腸癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、または卵巣癌である、前記方法である。
本発明のさらに好適な態様において、ヒトまたは動物の体の治療法に使用するための前記式Iの化合物が提供される。我々は、本発明の該化合物が、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性から生じると考えられる抗細胞増殖性を有することを見いだした。従って本発明の化合物は、悪性腫瘍細胞の増殖を治療するための方法を提供する。従って本発明の化合物は、特に結腸癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、直腸癌、胃癌、膀胱癌、膵臓癌、または卵巣癌の治療において、抗増殖作用を提供することにより癌を治療するのに有用であると予測される。さらに、本発明の誘導体は、ある範囲の白血病、リンパ系悪性腫瘍、および組織(例えば肝臓、腎臓、前立腺および膵臓)の癌腫や肉腫のような固形腫瘍に対する活性を有すると予測される。
前記の抗細胞増殖処理は唯一の治療法として適用されるか、または本発明のヒドロキサム酸塩以外に、1つ以上の他の抗腫瘍物質、例えば有糸分裂インヒビター、例えばビンブラスチン;アルキル化剤、例えばシスプラチン、カルボプラスチンおよびシクロホスファミド;微小管アセンブリーのインヒビター、例えばパクリタキセルまたは他のタキサン;代謝拮抗物質、例えば5-フルオロウラシル、カペシタビン、シトシンアラビノシドおよびヒドロキシ尿素、または例えばインターカレーティング抗生物質、例えばアドリアマイシンおよびブレオマイシン;免疫刺激物質、例えばトラスツマブ;DNA合成インヒビター、例えばゲンシタビン;酵素、例えばアスパラギナーゼ;トポイソメラーゼインヒビター、例えばエトポシド;生物学的応答調節物質、例えばインターフェロン;および抗ホルモン剤、例えば抗エストロゲン(例えばタモキシフェン)、または例えば抗アンドロゲン、例えば(4'-シアノ-3-(4-フルオロフェニルスルホニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-3'-(トリフルオロメチル)-プロピオンアニリド、または他の治療薬、および、例えば「癌:腫瘍学の原理と実践(Cancer: Principles & Practice of Oncology)」、Vincent T. DeVita, Jr., Samuel Hellmann, Steven A. Rosenberg;第5版、リッピンコット−ラーベンパブリッシャーズ(Lippencott-Raven Publishers)、1997に記載のような成分から選択されるものがある。かかる併用療法は、個々の治療成分の同時、逐次、または別々の投与により行われる。本発明のこの態様において、前記の式Iのヒドロキサム酸塩と、癌の併用療法のための前記で定義した追加の抗腫瘍物質とを含む、医薬組成物が提供される。
以下の例および参照は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、その真の範囲は請求の範囲に記載される。本発明の精神を逸脱することなくその修飾が可能であることを理解されたい。
実施例
実施例1:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド}
工程1:1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルアミンの合成
20mlのメタノール中の1.1g(0.005モル)の1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エタノンとモレキュラーシーブの混合物に、3.9g(0.05モル)の酢酸アンモニウムと315mg(0.005モル)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応混合物を50℃で2日間(HPLC対照)攪拌した。室温(rt)まで冷却後、モレキュラーシーブをろ過して除去し、メタノールで洗浄した。一緒にしたろ液の溶媒を留去し、残渣にジクロロメタンと水を加えた。攪拌しながら、6N塩酸で混合物を酸性にした。水相を分離し、有機相を1N塩酸で2回抽出した。一緒にした水相に酢酸エチルを加え、混合物を6N NaOHで塩基性にした。有機相を分離し、水相を酢酸エチルでさらに2回抽出した。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去して粗生成物を得て、これをシリカと酢酸エチル/メタノール/トリエチルアミン溶離液を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、470mg(0.0021モル)の1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルアミンを得た。
工程2:5-[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルカルバモイル]-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルの合成
15mlのジクロロメタン中の395mg(2.1mmol)のチオフェン-2,5-ジカルボン酸モノメチルエステルの溶液に、428mg(2.5mmol)のN'-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩を加えた。室温で30分後、5mlのジクロロメタン中の470mg(2.1mmol)の1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルアミンを加えた。反応混合物を5時間攪拌し、次に1N塩酸、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、そして水で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物をシリカとジクロロメタン/メタノール溶離液を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、360mg(0.92mmol)の5-[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルカルバモイル]-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルを得た。
工程3:チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド}の合成
10mlのメタノール中の60mg(0.15mmol)の5-[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチルカルバモイル]-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルの溶液に、メタノール中の0.77ml(1.5mmol)の2Mヒドロキシルアミン溶液と少量のメタノール中の10mg(0.15mmol)の水酸化カリウムを加えた。室温で4時間後、反応混合物をろ過し、メタノールで固体を洗浄した。ろ液をドライアイスで処理してpH値をほとんど中性まで下げた。攪拌を15分続け、生成した沈殿物をろ過して除去した。固体をメタノールで洗浄し、一緒にした有機ろ液の溶媒を留去した。残渣を分取逆相クロマトグラフィーにより精製して、11mg(0.028mmol)のチオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル)-エチル]-アミド}(化合物1)を得た。
化合物1:MW計算値 390.41、MW実測値(M+H)391.0;1H-NMR(400MHz, d6-DMSO):δ=8.81 (d, 1H), 7.74-7.66 (m, 3H), 7.55-7.51 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 1.48 (d, 3H)
実施例2:
実施例1の調製法に従って、適切なフェニルアルキルケトンから出発して以下の一般式Iのチオフェンヒドロキサム酸誘導体を調製した。
Figure 2008502627
実施例3:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチル]-アミド}
工程1:1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチルアミンの合成
エムリスプロセスバイアル(Emrys Process Vial)(2〜5ml)に、420mg(2mmol)の1-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エタノン、メタノール中の酢酸アンモニウム(4.0mlの5M溶液、20mmol)、およびメタノール中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.440mlの5M溶液、2.2mmol)を充填した。反応容器を密封し、エムリスオプティマイザー(Emrys Optimizer)中で120℃で5分加熱した。冷却して残存する圧力を用手的に放出後、容器のキャップを取り、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEt2O(10ml)に溶解し、2M 塩酸(3×5ml)で抽出した。一緒にした水相を10M 水酸化カリウム水溶液でpH9に調整し、ジクロロメタン(4×10ml)で抽出した。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去して1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチルアミンを得て、これを粗生成物として工程2で使用する。
工程2:5-[1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチルカルバモイル]-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルの合成
実施例1の工程2に記載の方法と同様に1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチルアミンとチオフェン-2,5-ジカルボン酸モノメチルエステルから、標題化合物を調製した。
工程3:チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-ヒドロキシアミド5-{[1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチル]-アミド}の合成
実施例1の工程3に記載の方法と同様に5-[1-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-エチルカルバモイル]-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルから、標題化合物を調製した。化合物3:MW計算値 374.34、MW実測値(M+H)375.10;1H-NMR(400MHz, d6-DMSO):δ=11.36 (bs, 1H), 9.24 (bs, 1H), 8.99 (d, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.50-7.39 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.26-7.21 (m, 1H), 5.16 (m, 1H), 1.48 (d, 3H)
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Claims (10)

  1. 式I
    Figure 2008502627
    (式中、
    R1はアルキルであり、これは1または数個のハロゲンにより随時置換され;
    R2は-SF5
    -O-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
    -S(O)2-CF3
    -S(O)-アルキル;
    -S-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
    -S(O)2-アリール;
    -S(O)-アリール;
    -S-アリール;
    -S(O)2-ベンジル;
    -S(O)-ベンジル;または
    -S-ベンジルである)
    の化合物、およびその薬剤学的に許容される塩、および(R)-および(S)-エナンチオマー。
  2. R2は-SF5
    -O-CF3
    -O-CHF2
    -S(O)2-CF3
    -S(O)-アルキル;
    -S-アルキル(アルキル基は1または数個のハロゲンにより随時置換される);
    -S(O)2-アリール;
    -S(O)-アリール;
    -S-アリール;
    -S(O)2-ベンジル;
    -S(O)-ベンジル;または
    -S-ベンジルである、
    請求項1の化合物。
  3. R1はメチルである、請求項1または2の化合物。
  4. R2は-O-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される);および
    -S-アルキル(ここでアルキル基は、1〜3個のフッ素により置換される)である、
    請求項1〜3の化合物。
  5. R2は-O-CF3;および
    -S-CHF2である、
    請求項1〜3の化合物。
  6. 請求項1〜4のいずれかの化合物、特にその(R)-および(S)エナンチオマーの製造法であって、式IV
    Figure 2008502627
    (式中、
    R3はアルキル基である)の化合物に、式III
    Figure 2008502627
    (式中、R1とR2は請求項1で定義したものである)のラセミ体、またはエナンチオマー的に純粋な(R)-もしくは(S)-アミンを、適当な活性物質の存在下で反応させて、式V
    Figure 2008502627
    (式中、R1とR2は請求項1で定義したものであり、R3はアルキルである)の化合物を得て、これは次に、ヒドロキシルアミンにより処理されて式Iの各化合物を与え;そして
    所望であれば、該化合物をその薬剤学的に許容される塩に変換することを含む方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかの1つ以上の化合物を活性成分として、薬剤学的に許容されるアジュバントとともに含有する薬剤。
  8. 腫瘍細胞増殖の阻害のための請求項7の薬剤。
  9. 腫瘍細胞中のヒストンアセチル化の誘導により腫瘍細胞増殖を阻害する薬剤の製造のための、請求項1〜5のいずれかの1つ以上の化合物の使用。
  10. 請求項1〜5のいずれかの1つ以上の化合物の有効量を腫瘍細胞に投与することにより、腫瘍細胞中のヒストンアセチル化を誘導して腫瘍細胞増殖を阻害する方法。
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