JP2008502097A - イオントラップ質量分析器 - Google Patents

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Abstract

イオントラップ質量分析器は、壁部、長軸及び内部空間を有した長形トンネルを含んでいる。壁部は基板と導電トレースパターンとを含んでいる。導電トレースパターンに接続され、電位を提供する可変電位手段も提供されている。導電トレースパターンと可変電位手段はトンネルの内部空間に可変電界を提供し、イオンを伝送、保存及び分析させる。

Description

本発明はイオントラップ質量分析器に関する。さらに限定すれば、プリント回路ボードを使用して製造されるイオントラップ質量分析器に関する。
四重極電界は様々な種類の四重極イオン光学機器で発生できる。RF電圧で駆動されるそれら四重極イオン光学機器は、異なる目的、例えば、イオン伝送のためのイオンガイド、質量分析あるいはイオン選択のための四重極質量フィルター及びイオンの保存と分析のためのイオントラップに使用される。
これら装置の間では、四重極質量フィルターはその性能を発揮するには通常において高真空度を必要とするが、イオンガイドとイオントラップは低真空度で機能する。イオントラップ質量分析計はイオンガイドとイオントラップを組み合わせ、それらをイオン源にカップリングさせることで提供される。MS−MSとしても知られるタンデム質量分析計は2つの質量分析計をそれらの間で衝突セルとタンデム式に組み合わせて提供される。タンデム質量分析計は複雑な分子の構造を解明する機会を提供し、分析化学の分野でますます多くの新規な適用法を発見している。
従来のイオントラップ質量分析計は高精度の機械装置であり、マシン加工された双曲線状面を含んでいる。そのような装置の製造組立ては非常にコストがかかる。なぜなら、双曲線状面に高精度が求められるために生産効率が低下するからである。高圧イオンガイドはそれほどの精度を必要としないが、分析装置としては利用できない。イオントラップ式質量選択放出操作モードの実用化以来、不完全なイオントラップ電極構造でも良好な分析結果の達成のために利用できること認識されてきた。例えば、延長されたイオントラップは良好な信号強度及び高質量解析を提供する。さらに、低生産コストとするため、複雑な回転式双極線形態とする代わりに、イオントラップの構築ではさらに単純な円筒形態が考案された。この低コストイオントラップは、例えばシリンダーの内径及び注入/放出開口部の内径並びにエンドプレート間の間隔等、重要な寸法の比の適切な決定により1000以上の質量分解能を達成できる。
立体イオントラップ分析計の1つの弱点はその小荷電性能である。多数のイオン(106以上)がトラップに保存されるとき、トラップ内の空間電荷はその分析性能を台無しにするであろう。近年、空間電荷限界に到達する前に線形イオントラップが立体イオントラップよりも少なくとも10倍のイオンを保持できることが分かってきた。ジェイ・シュワルツにより2003年2月3日に出願された米国特許出願公開US2003/0183759A1で開示されているもののごとき線形イオントラップ形態はますます注目されており、商業化も実現している。図1で図示するような従来の線形イオントラップの構造は3分割式四重極質量分析器に類似する。この分析器では前方分割部分と後方分割部分は中央分割部分のDC電位よりも高いDC電位で維持される。四重極の安定条件を満たすイオン(この場合は正イオン)は、トラップの長軸に沿ったDC電界と、その長軸に垂直な方向のRFトラップ電界とで閉じ込められる。質量分析はそのようなトラップ条件で提供される。
しかし、線形イオントラップの製造は困難である。分割ロッドのマシン加工と全ロッドの精密な並列整合並びに対称整合は製造コストを押し上げてきた。
中国特許CN85102274は四重極レンズ構造を開示する。そこでは、境界に沿って連続変動電位を発生させるために正方形状の境界が抵抗材料により製造されている。理論的には、この方法はレンズ構造物内に理想的な四重極電界を発生させる。しかし、実際には高熱安定性を備えた高抵抗コーティングを得ることは困難である。高周波の高電圧がその抵抗材料に印加されると、電力消散は温度上昇をもたらす。その結果、装置のインピーダンスが変動する。これでRF発生器の同調が外れる。四重極電界を駆動するスイッチ回路はPCT/GB00/03964(ディン他;2000年10月16日出願)で教示するようにこの問題の回避のために使用できるが、不均等な温度上昇はイオン光学構造内の四重極電界分布を変更することがあり、分析性能は失われたままになることがある。
質量分析計の製造のために使用する新規な物質の求められている。2001年11月13日にアラン・ロックウッド他に付与された米国特許6316768はプリント回路板(PCB)材料で構成された飛行時間式(TOF)質量分析計を開示する。この特許では、PCBを使用してRF多重極イオンガイドを提供し、軸電圧勾配が存在できるようにPCB上のトレースが提供される。しかし、開示されたPCB構造はイオントラップとしては使えない。なぜなら、軸に沿って構造物からのイオンの逃避を阻止する手段が提供されないからである。さらに、トレース形状により誘起された八重極電界量が質量分析に好都合なトラップ電界の形成を妨害するからである。
よって、本発明の1目的は、良好な質量分析を提供する低コストイオントラップ質量分析器を製造する技術の提供である。本発明の別目的は、イオン導入と質量分析をするために光学機器を組み合わせ、装置質量分析精度を保ちつつ製造が簡単な光学機器を提供することである。本発明のさらに別な目的は、製造コストを低く抑えながら、イオントラップを並列に組み合わせることで高感度並びに高効率なイオントラップ式質量分析計を提供することである。
本発明の1特徴によれば、長形トンネルを含んだイオントラップ質量分析器が提供される。この長形トンネルは壁部を含んでおり、長軸と内部空間を有している。壁部は基板と導電トレースパターンを含んでいる。導電トレースパターンに接続され、電位を提供する可変電位手段も含まれている。導電トレースパターンと可変電位手段は、イオンの伝送、保存及び分析のため、トンネルの内部空間内に可変電界を提供する。
本発明の別な特徴によれば、上述のイオントラップ質量分析器はイオン伝送セクションとイオントラップ・分析セクションとを有しており、イオンはイオン伝送セクションからイオントラップ・分析セクション内に噴射される。
本発明の別な特徴によれば、複数のイオントラップ・分析セクションを含んだイオントラップ質量分析器が提供される。それぞれのイオントラップ・分析セクションは長形トンネルを有している。長形トンネルは壁部を含み、長軸と内部空間とを有している。壁部は基板と導電トレースパターンとを含んでいる。それぞれのイオントラップ・分析セクションはイオントラップ・分析セクションのそれぞれに隣接して沿うように延びる。可変電位手段も提供され、イオントラップ・分析セクションのそれぞれの導電トレースパターンに接続された電位を提供する。
本発明の別な特徴によれば、複数のイオントラップ・分析セクションを有したイオントラップ質量分析器を使用したタンデム式質量分析法が提供される。それぞれのイオントラップ・分析セクションは長形トンネルを含み、壁部、長軸及び内部空間を有している。壁部は基板と導電トレースパターンとを含んでいる。それぞれのイオントラップ・分析セクションはそれぞれに隣接するイオントラップ・分析セクションに沿って延びる。この方法は高周波電圧を導電トレースパターンに印加し、それぞれのイオントラップ・分析セクションで四重極電界をトラップするステップと、第1のイオントラップ・分析セクションにイオンを提供するステップと、バッファガスを用いて第1のイオントラップ・分析セクションのイオンを冷却するステップと、第1のイオントラップ・分析セクションの導電トレースパターンに励起電圧を印加し、共鳴放出手段によって選択プレカーサイオンを第1のイオントラップ・分析セクションに隣接する第2のイオントラップ・分析セクションに放出するステップと、第2のイオントラップ・分析セクションのプレカーサイオンを細分するステップと、第2のイオントラップ・分析セクションから分裂したイオンを集めて放出するステップとを含んでいる。
本発明の別な特徴によれば、イオントラップ質量分析器の製造方法が提供される。この方法は、トレースパターンを有した多層プリント回路ボード製造するステップと、プリント回路ボードを使用して多角トンネルを形成するステップと、プリント回路ボードを多角トンネル内の金属板と接着させるステップとを含んでいる。プリント回路ボードのトンネル側のトレースパターンは、適した電圧がトレースに印加されると、イオンの伝送、保存及び分析に必要な電界を多角トンネル内に発生させるようにデザインされている。
図2と図3で示すイオントラップ質量分析器20は壁部24のオリフィス22を通って延びる。壁部24は真空チャンバ26と28とを分離する。真空チャンバ26と28は異なる環境圧に維持されている。イオントラップ質量分析器20は長形で管状の構造体27と検出器31とを有している。
長形構造体27は壁部25を有し、壁部25は絶縁基板を有している。他の実施例では壁部25は他タイプの基板、例えば半導体基板を含むことができる。この実施例では壁部25は4体の長形プリント回路ボード(PCB)15、17、19、21を含んでいる。それらは図3において最良に図示されている。PCB15、17、19、21は長軸に沿って並べられ、それぞれは実質的にそれぞれの隣接PCBに対して垂直に配置されている。従って、長形構造体27は長軸63と箱型内部空間とを有したトンネル29の形態である。
図2に図示するように、第1、第2及び第3金属プレート32、33、35がトンネル29をイオンガイドセクション34とイオントラップ・分析セクション36に分離しており、PCB15、17、19、21を共に拘束する機能を果たす。金属プレート32、33、35はそれぞれ中央オリフィス37を有する。イオンガイドセクション34はイオン源(図示せず)からイオンを受領する。イオン源は通常は高環境圧下に置かれ、イオンをイオントラップ・分析セクション36にガイドする。イオントラップ・分析セクション36は通常は低環境圧を必要とし、時にはイオンガイドセクション34とは異なる含有ガスを必要とする。セクション34と36の間の第2金属プレート33も、環境圧差あるいはセクション34と36の間の含有ガス差で引き起こされる侵入ガス流を制限するように機能する。
それぞれの真空チャンバ26と28は自身のポンプ手段(図示せず)を有している。好適には真空チャンバ28は検出器31の必要性のために環境圧を約10-5ミリバールに維持する。検出器は普通、電子増倍器を含む。イオンガイドセクション34とイオントラップ・分析セクション36の環境圧は、それぞれの真空チャンバ26と28のポンプ手段のポンプ速度、金属プレート32、33、35のオリフィス37の径、及び、PCB15、17、19、21に切り込まれたスリットまたは穴部38で提供される開口部により決定される。この詳細を後述する。
図2で示すイオントラップ質量分析器20は異なる環境圧の2つの真空チャンバ26と28との間でだけ延びる。他の実施例ではイオントラップ質量分析器20は3以上の真空チャンバを通過して延びることができる。各チャンバは対応するポンプ手段で維持される独自の環境圧を有するであろう。イオン源の環境圧がイオントラップ・分析セクション36の環境圧よりも大幅に高いとき(例えば大気圧まで)、イオン源とイオントラップ・分析セクション36の間にはいくつかのチャンバが存在するであろう。これらの別実施例ではチャンバはそれぞれの壁部で分離されている。イオントラップ質量分析器のPCBはそれら全部のチャンバと壁部を通過して延び、対応する金属プレートはイオントラップ質量分析器をセクションに分割し、それぞれの壁部でそれらセクションのそれぞれ間に圧力を提供する。
図3に示すそれぞれのPCB15、17、19、21は外面40と内面42をPCB17に関して示すように有している。外面40は外側金属層を有しており、そこから外側導電トレースパターン44が形成される。内面42は内側金属層を有しており、そこから内側導電トレースパターン46が形成される。PCB製造の標準印刷・エッチングプロセスはこれら外側と内側のトレースパターン44、46の形成に利用できる。
内側トレースパターン46はパターン化されて、トンネル29内に必要な電界を形成する。そこで内側トレースパターン46には所定の電圧が印加される。外側トレースパターン44は、電子信号の伝達と、外面40に搭載された電気コンポーネントの相互接続に使用される。これら電気コンポーネントは電圧分割と電圧源の信号カプリングを提供し、イオントラップ質量分析器と真空チャンバ26、28の外部のDC・AC電圧源の間に必要であるリード線の数を最少にする。この点に関して詳細を後述する。内面トレースパターン46はバイアホールによって外側トレースパターン44に電気的に接続される。このバイアはメッキされたバイアスまたは充填されたバイアスでよい。
本発明の他の実施例では、PCB15、17、18、21は複数のメッキ層と、対応する複数のトレースパターンを有した多層PCBでよい。
それぞれの金属プレート32、33、35は図3で示すような8つの突起50を有している。それぞれの突起50は内面42から外面40にPCB15、17、19、21のそれぞれ対応する穴52を通過して延び出る。その後に突起50はハンダ部54で外側トレースパターン44の選択されたものにハンダ付けされる。突起50は金属プレート32、3、35をPCB15、17、19、21に固定させるのに利用される。
PCB15、17、19、21の1つの内側トレースパターン46を図4で詳細に示す。他の実施例では異なるトレースパターンが使用可能である。それぞれのPCB15、17、19、21はイオンガイドセクション34とイオントラップ・分析セクション36の両方の一部を形成する。内側トレースパターン46はそれぞれ、金属プレート32、33、35の突起50を受領する2つの穴52を有した3つの帯体56を有している。
イオンガイドセクション34では内側トレースパターン46は互いに電気的に絶縁された3つの帯体領域55、57、59を含んでいる。それぞれの帯体領域55、57、59は、中央列の帯体58と側列ペアの帯体61を含んだ3つの対応する帯体列を有している。それらも電気的に互いに絶縁されている。高周波電圧が中央列帯体58に印加され、側列帯体61が接地されると、4重極電界が形成され、12重極電界のごときさらに多い重極電界と混合される。この電界はイオンガイドセクション34を移動するイオンを焦点させる。そこでは外気との衝突は回避不能である。DC電圧バイアスはそれぞれの帯体領域55、57、59に印加され、イオンがイオンガイドセクション3を通過し、イオントラップ・分析セクション36に進入するのを助ける。DC電圧バイアスは、イオントラップ・分析セクション36への放出前のイオンの蓄積にも使用できる。あるいは、衝突による分裂を引き起こすためにトンネル29の長軸63に沿って所定の方向にイオンを加速させるために利用可能である。他の実施例では、イオンガイドセクション34の内側トレースパターン46は帯体の3つ以上の領域55、57、59を含むことができる。各帯体領域は同じ高周波電圧分布ではあるが異なるDCバイアスを有するであろう。
イオントラップ・分析セクション36で、内側トレースパターン46は互いに電気的に絶縁されたゲート領域60、トラップ領域62、及びストップ領域64を含む。それぞれの領域60、62、64は、互いに電気的に絶縁された中央列帯体66、内側列帯体ペア68及び側列帯体ペア70を含んだ対応する5つの帯列を有する。帯体66、68または70の各列の帯体は同一高周波電圧に電気的に接続されている。中央列帯体66は高周波電圧の最高値でバイアスされている。側列ペア帯体70は高周波電圧の最低値またはゼロ高周波電圧でバイアスされている。
高周波電圧に加えて、それぞれの領域60、62、64はそれぞれに印加されたDC電圧バイアスを有する。それぞれの領域60、62、64に対して帯体の列66、68、70は同じ印加DC電圧バイアスを有する。ゲート領域とストップ領域60、64に印加されたDC電圧バイアスはトラップ領域62に印加されたDCバイアスよりも通常は高く、イオントラップ・分析セクション36内に長軸63と実質的平行なDC電位井戸を創出する。ゲート領域60のDC電圧バイアスは、イオンガイドセクション34(開ゲート)からイオンを進入させるように減少でき、セクション34から入るイオンあるいはセクション34(閉ゲート)に戻るようにセクション36から逃避するのを防止するように増加させることができる。図5はイオンガイドセクションの帯体領域55、57、59から領域60、62、64に印加されたDC電圧で引き起こされたトンネル29の長軸63に沿ったDC電位を示す。実線はゲート閉鎖形態を示し、破線はゲート開放形態時のゲート領域60のDC電位を示す。
図6で示す電圧分布ネットワークはPCB15の外面40に提供されている。それぞれのPCB17、19、21も同様な構造を有している。電圧分布ネットワークはRCネットワーク72である。これは高周波電圧とDC電圧バイアスを、イオントラップ・分析セクション36の外側及び内側トレースパターン44、46に分配するように作用する。RCネットワークは外面40上に提供されたキャパシタ74とレジスタ76を含んでいる。図6の円は外側トレースパターン44から内側トレースパターン44に電気的に信号をカップリングするバイアス78を表す。高周波AC電源80は高周波電圧を提供し、3つのDC電源82a、82b、82cは、ゲート領域60、トラップ領域62及びストップ領域64それぞれのためのゲートバイアス、トラップバイアス及びストップバイアスを表す電圧レベルVG、VT、VSを提供する。高周波AC電源80、3つのDC電源82a、82b、82c及び電圧分布ネットワーク(例えば、RCネットワーク72)は可変電位を内側トレースパターン46に提供する。
RCネットワーク72は高周波電圧勾配が横軸65に沿って発生するように接続される(図2参照)。これはトンネル29の長軸63と垂直である。また、ゲート領域60、トラップ領域62及びストップ領域64がそれぞれDC電圧バイアスを有するように接続される。トンネル29のイオントラップ・分析セクション36には高周波電界がトンネル29の長軸63と垂直に方向に存在する。電界は長軸63に沿って均等に分布される。トンネル29のイオントラップ・分析セクション36の内側の高周波電界は、電圧分割レジスタ76を適正に選択することで平面四重極電界にすることができる。平面四重極電界はイオンをトンネル29の長軸63からの放射線に沿って閉じ込める(放射方向閉込)。同時に、長軸63に実質的に平行なDC電界も存在し、イオンがイオントラップ・分析セクション36の両端から逃避するのを防止する(軸方向閉込)。
イオントラップ・分析セクション36に理想的な四重極電界を形成する目的は、必ずしも最良の分析性能を提供することではない。本発明は純粋な四重極電界を提供しない。従って、電界は高次の複重極電界を意図的に追加し、電界誤差を補整するように調整される。電界調整を実行するため、調整式レジスタ77が使用され、レジスタ76の電圧分配比を調整する。調整式レジスタは真空チャンバ28の外部に配置されるが、他の実施例ではそうでなくてもよい。調整式レジスタ77はレジスタ76に、真空チャンバの外側に位置する調整式レジスタ77とレジスタ76との間を延びるリード線によって直列または並列に接続される。調整式レジスタ77は製造後のイオントラップ・分析セクション36の性能を最良化する。従って、PCB15、17、19、21の製造に要求される精度は通常のイオントラップ質量分析器に較べて緩和される。電界誤差を補整するために調整式レジスタ77を使うことは必ずしも必要ではない。
イオンガイドセクション34は電圧分布ネットワーク(図示せず)も有している。これはRCネットワーク72に類似し、高次の複重極を導入することで電界を改質するために調整式レジスを含むこともできる。電圧分布ネットワークのコンポーネントであるレジスタ76とキャパシタ74は好適には表面搭載型コンポーネントであり、これらコンポーネントの一部はPCB15、17、19、21の外面40に直接的に搭載できる。
図2から図7にかけて示すイオントラップ質量分析器20の操作をイオンの質量分析法を説明することでさらに詳細に解説する。イオントラップ質量分析器20の外部のイオン源で発生したイオンは、第1金属プレート32のオリフィス37を通じて分析器20のイオンガイドセクション34に引き付けられる。イオンガイドセクション34の内側トレースパターン46に印加された高周波電圧の強度と周波数を制御することで、質量と電荷の比の範囲内のイオンは安定した振動軌道で伝送される。イオンガイドセクション34の高環境圧のため、イオンの運動エネルギーは周りのガス分子との衝突で徐々に失われ、振動強度(振幅)は徐々に減少する。帯体領域55、57、59に印加されるDC電圧バイアスはイオンガイドセクション34を通ってトンネル29の長軸63に沿ってDC電力勾配を発生させる。これでイオンの軸方向速度が維持され、イオンは軸に沿ってイオントラップ・分析セクション36の方向に移動する。
イオン導入期間中、イオントラップ・分析セクション36のゲート領域60の内側トレースパターン46のDC電圧バイアスは降下し、電位レベルがイオンガイドセクション34に類似する(図4参照、図5の破線)。イオンは第2金属プレート33のオリフィス37を通過する。これはゲート領域60と同じ電位である。さらにイオントラップ・分析セクション36のゲート領域60を通過し、イオントラップ・分析セクション36のストップ領域64の内側トレースパターン46に印加されるDC電圧バイアスによって発生する電位で妨害されるまで前進する。イオントラップ・分析セクション36の内側トレースパターン46に印加される高周波電圧は質量と電荷の比の範囲内でイオンの安定性を維持するようにセットされる。
導入期間後、イオントラップ・分析セクション36のゲート領域60の内側トレースパターン46に印加されるDC電圧バイアスは上昇され、電位井戸がトンネル29の長軸63に沿ってゲート領域60とストップ領域64の間で創出される。これで、さらなるイオンのイオントラップ・分析セクション36への出入りが妨害される。イオンがイオントラップ・分析セクション36に存在する間、イオンはゲート領域60とストップ領域64の間の電位井戸内で前後に移動し、RCネットワーク72に印加される高周波電圧によって創出される四重極電界によって放射方向に規制される。イオンは衝突によって徐々にエネルギーを失う。冷却されたイオンはイオントラップ・分析セクション36のトンネル29の中央長軸63周囲に集まり、トラップセクション62の内側トレースパターン46より少々短い距離で軸方向に分布する。
続いて、トラップ電圧とも呼称される高周波電圧は高周波AC電源80を制御することでスキャニングされる。このスキャニングは強度(振幅)スキャニングでよく、電源80の振幅は時間の経過によって変動するが、その周波数は一定に保たれる。あるいはスキャニングは周波数スキャニングでよく、振幅が一定に保たれるが周波数は時間の経過で変動する。どちらの場合であても、当初は安定状態であるイオンは不安定になり、イオントラップ・分析セクション36から放出される。放出されたイオンの一部はPCB15、17、19、21の1つのスリット38を通過し、イオントラップ・分析セクション36の側部に搭載された検出器31で検出される。イオンがスリット38と検出器31の方向に確実に放出されるように、印加された四重極電界は小DCコンポーネントを含む。その結果、まずスリット38の方向で不安定となり、スリット38の方向でイオンの振幅を増大させる。小DCコンポーネントは様々な方法で追加できる。イオン不安定性を制御する原理は「四重極イオントラップ質量分析の特徴」のごとき本で教示されている。図7で示すその1方法は、高周波AC電源80の1相に直列に接続された2つの制御可能なDC源90を使用する。
イオン放出に利用される別な方法は共鳴放出である。イオントラップ・分析セクション36で共鳴放出モードを達成する汎用回路トポロジーは図7に図示されている。電圧分布ネットワーク、すなわち、RCネットワーク72の全コンポーネントが図7で示されているわけではない。AC電圧電源92は補助的四重極電界駆動を提供するのに使用される。AC電源92の励起電圧は、励起電圧をトランスフォーマ94を介してカップリングすることで左右のPCB17、21にそれぞれ差動的にカップリングされる。そのようなアレンジで、トラップ四重極電界と双極励起電界の両方がイオントラップ・分析セクション36で発生可能になる。イオントラップ・分析セクション36のイオンの動きは、共鳴条件がマッチすると励起できる。共鳴励起の理論はよく確立されている。高周波電源80と92がスキャニングされると、イオンはスリット38から放出され、質量と電荷の比で検出される。その結果、質量スペクトルが得られる。
共鳴効果は、タンデム式MSがイオントラップ・分析セクション36で得られるようにペアレントイオンの選択及び分離にも利用できる。ペアレントイオン隔離(全部の不都合なイオンを放出)のメカニズムとCIDの質量選択活性化は従来のイオントラップ質量分析形のものと同じでよい。
高周波電源80の波形は必ずしも正弦波である必要はない。これは通常はRF共鳴器で発生される。イオントラップ質量分析器20は切り替え電源用として利用できる。すなわち平方波形を採用できる。そのような場合、PCB15、17、19、21の材料の誘電性能はRCネットワーク72、すなわち電圧分布ネットワークにほとんど影響を及ぼさない。なぜなら、操作中に高度にチューニングされたLC共鳴器は存在しないからである。RCネットワーク72のチューニングの問題がなければ、イオントラップ・分析セクション36の電圧分布ネットワークのパラメータとコンポーネントの選択は単純化される。
図8に示すのは共鳴放出のシミュレーションである。このシミュレーションではイオントラップ・分析セクション36(図2)はPCB15、17、19、21で形成されたトラップ体積物体10mx10mm2を有する。それぞれのPCBは中央列帯体66、内側列帯体ペア68及び側列帯体ペア70を含んだ5列の帯体を有している。隣接するPCBの側列帯体70は電気的に連結され、接地されている。イオントラップ・分析セクション36のトラップ物体20の電極で囲まれているが、実際的には16の電極である。なぜなら、隣接する側列帯体70は電気的に連結されており、電極は部分的に四重極トラップ電界と双極励起電界を形成するからである。各PCB15、17、19、21の中央列帯体66は500ボルトの正方波形に荷電されている。8つの内側列帯体68は中央列帯体66の電圧値の72%から80%に荷電されている。可変比はRCネットワーク72で調整式レジスタ77と関連する調整を表す。四重極電界のために高周波電源80が460kHzの周波数を有するとき、並びに双極励起電界のために補助電源92(図7参照)が115kHzの周波数を有するとき、共鳴イオン120はそれらの振幅を広げてスリット38から放出する。20の電極形態は完全な四重極電界を形成しないが、シミュレーション結果は共鳴放出スキャニングを800AMU/秒の速度で使用して2500以上の質量分解能が得られることを示す。
PCB15、17、19、21の基板材料は好適には、堅牢で非孔質な材料であり、装置の使用時に寸法の変化やガスまたは蒸気の吸収及び排出が防止される材料である。標準RF−4ガラス繊維エポキシボードがイオントラップ質量分析器20のためのPCBの基板材料として使用できる。この場合、分析器20はさらに特殊なPCB材料製のイオントラップ質量分析器と較べれば使用寿命はさほど長くはなく、精度も普通である。他の実施例では、PCB15、17、19、21の基板材料はPTFEまたはセラミクス等でよい。その他の材料でも可能である。
PCB基板の裸部分の表面電荷蓄積を回避するため、金属トレース間は好適には高抵抗材料でコーティングされる。その材料の抵抗性は好適には充分に高く、指定された信号分布への影響は無視できる程度であるが、材料は蓄積される表面電荷を放出することができるものである。基板材料を改変することも可能である。すなわち、少なくとも内側表面42(図3参照)を有効なドープ材料でドープ処理し、抵抗性を減少させる。
図10を説明する。例えば図2で示すイオントラップ・分析セクション36に高精度電界を必要とするイオントラップ質量分析器20の領域では、内側面42の内側トレースパターン46の帯体間でエッチングガスの代わりにメッキされたスロット100を使用するのが望ましい。PCB15、17、19、21の内面42の金属層は好適には金メッキされた銅であり、厚みは0.1mm以上である。放出スリット38は好適には導電材料でメッキされている。金属メッシュ96は電界の歪みを減じるため、幅広いスリット38をカバーするのに使用できる。
上述のトレースパターン(図4参照)は、本発明のイオントラップ質量分析器20の構築に使用できる可能なトレースパターンの1実施例に過ぎない。事実、PCB15、17、19、21の内側トレースパターン46をイオンガイドセクション34のイオン伝送及びイオントラップ・分析セクション36でのイオン分析に必要な電界を形成するようにデザインする多くの異なる方法が存在する。
図9ではイオントラップ・分析セクション36.2の内側トレースパターン46.2の別実施例が図示されている。イオントラップ・分析セクション36.2は本実施例では4つのPCB15.2、17.2、19.2、21.2を有する。それらPCBは展開平面図で示されており、正方形トンネルを形成する。反対側のペア15.2と19.2の内側トレースパターン46.2は長円形であり、反対側ペア17.2と21.2の内側トレースパターン46.2は双曲線形状である。制御可能なDC電圧バイアスを供給されるゲート領域60.2は前述したようにイオン導入機能とブロック機能とを発揮する。トラップ領域62.2はイオンをトラップして分析するところである。少なくとも1つのPCB(本例ではPCB19.2)はイオン放出用の長形穴あるいはスリット38.2を有する。もしスリット38.2が大きければ、電界の歪みを最少にするために金属メッシュ96.2でカバーできる。従来の長円形イオントラップはマシン加工では形成が非常に困難であるが、他の従来型立体イオントラップと比較すると独自の性能を有する。従来のPCB製造技術を使用して、複雑な長円並びに双曲線パターンがPCB上に容易にエッチング加工できる。従って、イオントラップ・分析セクション36.2の複雑な電界構造は非常に安価に創出できる。
イオントラップ質量分析器20と20.2に関する上記の説明は1つのトンネル29を有したPCB構造体に基づいていた。しかし、幾つかのトンネルを高処理能力と高感度を達成するように複数ステージのタンデム式質量分析器MSnに組み入れることができる。通常は、従来の1イオントラップは順次的に時間をずらしたステージを利用してMSnをそのトラップ体積物体内で運用することができる。各ステージにおいて、選択されたペアレントイオン以外の全てのイオンはトラップから除外される。もし別なペアレントイオンを処理する必要が生じたら、サンプルイオンをイオントラップに再導入する必要があり、長分析時間及び低サンプル効率となる。
図11ではイオントラップ質量分析器20.3の別実施例が図示されている。イオントラップ質量分析器20.3はイオンガイドセクション34.3と並列イオントラップ・分析セクション36.3a、36.3b、36.3cを有している。これらはPCB30で提供される。ペアレントイオンの選択のため、全部の不要なイオンを放出する代わりに、イオンクラウド110内の選択ペアレントイオンがイオントラップ・分析セクション36.3bに共鳴放出によって放出される。本実施例における共鳴放出法は質量スキャニングに関して前述した方法と類似するが、本例ではイオントラップ・分析セクション36.3bが検出器31と置き換わっている。イオントラップ・分析セクション36.1bでは、イオントラップ・分析セクション36.3aで利用される高周波電圧値と同じ値を印加することが一般的である。イオントラップ・分析セクション36.1bの双極励起電圧は、イオンをさらに励起して続くトンネルに放出するか、イオンを大きな振幅でトラップ状態に保持し、イオンを周囲ガスと衝突させて分裂させ、あるいはイオンの動きを減速させるようにフェーズと強度の組み合わせを有するようにセットできる。分裂の場合には、“ドータ”イオンクラウド112が発生し、イオントラップ・分析セクション36.3bでトラップされる。
次のステップではドータイオンクラウド112からのドータイオンの1つをさらに選択し、イオントラップ・分析セクション36.3cに放出できる。そこでドータイオンは分離し、“グランドドータ”イオン114となる。最後に、グランドドータイオン114をイオントラップ・分析セクション36.3c内でのスキャニングされた放出プロセスで検出器31.3に放出することでMS3が得られる。
イオントラップ・分析セクション36.3aから36.3cの中の2つセクション間のPCB30の両側はトラップする電界を形成するために使用される。従って、電圧分布ネットワーク72.3はPCB30の延長されたエッジに搭載できる。
このMSn法の従来法との相違は、全ての選択ステップにおいて、非選択イオン種はそれでもソースイオントラップ・分析セクション36.3a、36.3b、36.3cに保存されることである。保存イオンの1つは再び選択され、下流のイオントラップ・分析セクション36.3a、36.3b、36.3cに放出されて分裂する。従って、全分裂チャンネルは第1イオントラップ・分析セクション36.3aを再充填せずとも分析できる。この新規なPCBデザインのため、複数ステージのイオントラップ・分析セクション36.3a、36.3b、36.3cの大型トラップ能力は良好な信号強度を提供する。よって高効率が提供される。さらに、PCB30の低製造コストにより、この複数ステージのイオトラップ質量分析器20.3は安価であり、活用性が高い。
第2イオントラップ・分析セクション36.3bの放出プレカーサはスローなスキャニング形態で操作できる。高圧な衝突ガスの適用されている第2イオントラップ・分析セクション36.3b内にスキャニング処理された各イオンは急激に分裂し、ドータイオン112が迅速に形成されるであろう。第1イオントラップ・分析セクション36.3aの各スキャニングステップに対して、全ドータイオンイオン112のスキャニングが続く。第1イオントラップ・分析セクション36.3aのスローなスキャニングが完了すると、二次元の質量スペクトルが得られる。
図12には本発明のイオントラップ質量分析器の別実施例が図示されている。この実施例では、イオントラップ・分析セクション36.4は隣接するPCB15.4と21.3のエッジ間にスリット38.4を有している。イオントラップ・分析セクション36.4のイオン120.4は前述のように開口部38.4を通って放出でき、検出器31.4で検出できる。本実施例では、側列帯体70.4は最高値高周波電圧で荷電され、それぞれ帯体68.4と66.4の列の各側部に沿って実質的直線状に分配される。双極励起が左右のコーナ間に印加されると、イオン120.4は検出器31.l4に開口部38.4を通って放出される。開口部38.4は電界の歪みを最少とするためにスリットあるいはメッシュを有した金属プレートを有することができる。
以上の実施例には様々な変更が可能である。例えば、トンネル29の断面は必ずしも方形である必要がなく、他の形状であっても構わず、5以上のPCBを含んでいてもよい。
本発明のイオントラップ質量分析器の性能を改良するために、PCBの製造で使用される全ても従来技術が利用できる。例えば、高周波PCBのレイアウトで一般的に使用される埋設接地層を利用し、高周波妨害を排除し、PCBの外面の局部的電圧分布ネットワークによって発生する熱を放熱して分散させるヒートシンクとして作用させることができ、PCBの温度勾配をさらに均等に分布させることができる。さらに、ブラインドバイアスを使用してトンネル内に侵入する外部電界を避けることができる。
この装置の低製造コストのおかげで、ToFシステムのソースのごとき複雑な機器の消耗部品及びモジュール部品としても使用できる。有害な物質が分析される場合にはモジュール式の使い捨て部品は特に望ましい。
図1は従来の線形イオントラップの斜視図である。 図2は本発明の1実施例によるイオントラップ質量分析器の断面図である。 図3は図2のイオントラップ質量分析器の3−3線に沿った断面図であり、チャンンバー間の壁部は省略されている。 図4は図2のイオントラップ質量分析器のプリント回路ボードの内面を示す平面図である。 図5は図4のプリント回路ボードの長軸に沿ったDC電位のグラフである。 図6は図2のイオントラップ質量分析器のイオントラップ部分の電圧分布ネットワークの概略図である。 図7は図2のイオントラップ質量分析器の共鳴励起・放出回路の概略図である。 図8は図2のイオントラップ質量分析器のイオントラップから放出されるトラップされたイオンの模擬図である。 図9は本発明の別実施例によるプリント回路ボードのトレースパターンの平面図である。 図10は本発明の別実施例による、表面荷電問題を回避するためのコーティングされたスロット部及びメッシュを図示するプリント回路ボードの断面図である。 図11は本発明の別実施例による複数のイオントラップを有したイオントラップ質量分析器の断面図である。 図12は本発明の別実施例によるイオントラップ質量分析器の断面図である。

Claims (36)

  1. イオントラップ質量分析器であって、
    基板と導電トレースパターンとを含んだ壁部、長軸及び内部空間を有した長形トンネルと、
    前記導電トレースパターンと接続しており、電位を提供する可変電位手段と、
    を含んでおり、前記導電トレースパターンと前記可変電位手段とは前記トンネルの内部空間内に可変電界を提供してイオンを伝送、保存並びに分析させることを特徴とする分析器。
  2. 壁部はプリント回路ボードを含んでいることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  3. プリント回路ボードはグラスファイバー材料を有した基板を含んでいることを特徴とする請求項2記載の分析器。
  4. 可変電位手段は可変電位源と電圧分布ネットワークとを含んでいることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  5. 可変電位手段はDC電位源、AC電位源及び電圧分布ネットワークを含んでいることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  6. 電圧分布ネットワークはRCネットワークを含んでいることを特徴とする請求項4記載の分析器。
  7. 電圧分布ネットワークは調整式レジスタをさらに含んでおり、該調整式レジスタはRCネットワークのインピーダンスを調整できることを特徴とする請求項6記載の分析器。
  8. イオン伝送セクション及びイオントラップ・分析セクションとを含み、イオンを該イオン伝送セクションから該イオントラップ・分析セクション内に放出することを特徴とする請求項1記載の分析器。
  9. 壁部は複数のプリント回路ボードを含んでおり、該プリント回路ボードはそれぞれ隣接した状態で長軸に沿って延びており、トンネルを形成していることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  10. オリフィスを有したプレートをさらに含んでおり、該プレートは長軸に対して実質的に垂直であり、プリント回路ボードを共に接続していることを特徴とする請求項9記載の分析器。
  11. 4体のプリント回路ボードが存在することを特徴とする請求項10記載の分析器。
  12. 導電トレースパターンと可変電位手段とが、四重極電界により長軸に対して垂直な方向に可変電界を提供することを特徴とする請求項1記載の分析器。
  13. 導電トレースパターンは複数の並列導電帯体を含んでおり、該導電帯体は長軸に対して実質的に平行であることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  14. 導電トレースパターンは複数の導電トレースパターン領域を長軸に沿って含んでおり、それぞれの導電トレースパターン領域は隣接しており、それぞれの導電トレースパターン領域からは電気的に絶縁されており、並列導電帯体を含んでいることを特徴とする請求項13記載の分析器。
  15. 可変電位手段はDC電位を提供し、それぞれの導電トレース領域の並列導電帯体は該DC電位の1つを有することを特徴とする請求項14記載の分析器。
  16. 可変電位手段はAC電位を提供し、それぞれの並列導電帯体は印加された該AC電位の1つを有することを特徴とする請求項13記載の分析器。
  17. 壁部は、第1ペアの対面するプリント回路ボード並びに第2ペアの対面するプリント回路ボードを含んだ4体のプリント回路ボードを含んでおり、該プリント回路ボードはそれぞれ隣接した状態で長軸に沿って延び、トンネルを形成しており、前記第1ペアの対面プリント回路ボードは同心長円形導電トレースパターンを有しており、前記第2ペアの対面プリント回路ボードは双曲線状導電トレースパターンを有していることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  18. 壁部は開口部をさらに含んでおり、該開口部を介してイオンをイオントラップ質量分析器から放出できることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  19. 開口部に隣接するイオン検出器をさらに含んでいることを特徴とする請求項18記載の分析器。
  20. 開口部をカバーする金属メッシュをさらに含んでいることを特徴とする請求項18記載の分析器。
  21. 可変電位手段は双極AC電界手段を含んでおり、該双極AC電界手段は双極AC電界をトンネルの長軸に対して垂直に提供していることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  22. イオントラップ質量分析器であって、
    基板と導電トレースパターンとを含んだ壁部、長軸及び内部空間を有した長形トンネルをそれぞれ含み、隣接状態で延びる複数のイオントラップ・分析セクションと、
    それぞれの前記イオントラップ・分析セクションの前記導電トレースパターンと接続した電位を提供する可変電位手段と、
    を含んでいることを特徴とする分析器。
  23. イオントラップ質量分析器を利用したタンデム質量分析法であって、該イオントラップ質量分析器は、基板と導電トレースパターンとを含んだ壁部、長軸及び内部空間を有した長形トンネルをそれぞれ含み、隣接状態で延びる複数のイオントラップ・分析セクションを有しており、本分析法は、
    前記導電トレースパターンに高周波電圧を印加し、それぞれのイオントラップ・分析セクションにトラップ用四重極電界を発生させるステップと、
    前記イオントラップ・分析セクションの第1セクションにイオンを提供するステップと、
    バッファガスを使用して前記第1セクションを冷却するステップと、
    該第1セクションの導電トレースパターンに励起電圧を印加し、選択されたプレカーサイオンを共鳴放出によって前記イオントラップ・分析セクションの前記第1セクションに隣接する第2セクションに放出するステップと、
    該第2セクションの前記プレカーサイオンを分裂させるステップと、
    該第2セクションから前記分裂イオンを集めて放出するステップと、
    を含んでいることを特徴とする分析法。
  24. 分裂イオンを放出するステップはさらに、
    追加AC電圧を第2セクションに印加し、双極AC電界を発生させるステップと、
    該AC電圧をスキャニング処理して分裂イオンを放出するステップと、
    質量と荷電の比を得る目的で前記放出された分裂イオンを検出するステップと、
    を含んでいることを特徴とする請求項23記載の分析法。
  25. 分裂イオンの放出ステップはさらに、
    追加AC電圧を第2セクションの導電トレースパターンに印加し、双極AC電界を発生させるステップと、
    前記第2セクションの高周波電圧をスキャニング処理して分裂イオンを放出するステップと、
    質量と荷電の比を得る目的で前記放出された分裂イオンを検出するステップと、
    を含んでいることを特徴とする請求項23記載の分析法。
  26. イオントラップ質量分析器の製造法であって、
    トレースパターンを有した多層プリント回路ボードを準備するステップと、
    該プリント回路ボードを使用して多角トンネルを形成するステップと、
    該多角トンネル内で前記プリント回路ボードを金属プレートと接着させるステップと、
    を含んでおり、前記プリント回路ボードのトンネル側のトレースパターンは、適した電圧が該トレースパターンに印加されると、イオンの伝送、保存及び分析のために前記多角トンネル内で必要な電界を発生させるように設計されていることを特徴とする製造法。
  27. プリント回路ボードに電圧分配コンポーネントを提供するステップと、
    該電圧分配コンポーネントを導電トレースパターンと接続させるステップと、
    電源リード線を該導電トレースパターンと接続するステップと、
    をさらに含んでいることを特徴とする請求項26記載の製造法。
  28. プリント回路ボードにその第1面から第2面に延びるスロットを提供するステップと、
    該スロットを導電材料でコーティングするステップと、
    前記導電材料の一部を利用して前記第1面の導電トレースパターンを前記第2面の導電トレースパターンと接続するステップと、
    をさらに含んでいることを特徴とする請求項26記載の製造法。
  29. 半導体材料をプリント回路ボードの表面に被膜させるステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項26記載の製造法。
  30. 表面はプリント回路ボードのトンネル側であることを特徴とする請求項29記載の製造法。
  31. 四重極電界が提供される比率で電位がトレースパターンに分配されるように電圧分配コンポーネントのパラメータを選択するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項27記載の製造法。
  32. 電圧分配コンポーネントはレジスタとキャパシタとを含んでいることを特徴とする請求項27記載の製造法。
  33. 電圧分配コンポーネントは表面搭載コンポーネントであることを特徴とする請求項27記載の製造法。
  34. 少量の高次多重極電界を四重極に選択的に重ねさせる外部調整装置を提供するステップをさらに含んでいることを特徴とする請求項31記載の製造法。
  35. 基板は絶縁体を含んでいることを特徴とする請求項1記載の分析器。
  36. 基板は半導体を含んでいることを特徴とする請求項1記載の分析器。
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