JP2008501792A - 3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシドおよびその使用 - Google Patents

3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシドおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、免疫調節活性を有する3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシドおよび該化合物を含有する医薬組成物を対象とする。本発明はまた、該化合物および組成物の治療的使用または予防的使用、ならびに有効量の該化合物を投与することによって本明細書に記載の疾病および疾患を処置する方法を対象とする。

Description

本願は2004年6月7日にDevron R. Averett, Stephen E. Webber, Joseph R. Lennox, Erik J. RuedenおよびDavid L. Clark(全て米国国民であるとともに米国在住者である)の名でPCT国際特許出願として出願されたものである。
本発明は3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシド、および免疫調節活性を有するこのような化合物を含有する医薬組成物を対象とする。本発明はまた、このような化合物および組成物の治療的使用または予防的使用、ならびに有効量のこのような化合物を投与することにより、本明細書に記載の疾病および疾患を処置する方法も対象とする。
ここ2、30年の間、D−およびL−プリンヌクレオシド類似体の治療的使用の可能性を探索するべく多大な努力がなされてきた。現在、HIV逆転写酵素阻害剤(AZT、ddI、ddC、d4Tおよび3TC)をはじめとする数多くのヌクレオシド類似体が抗ウイルス薬として市販されている。
免疫調節剤の探索においても、種々のD−およびL−プリンヌクレオシド類似体が開拓されてきた。例えば、7位および/または8位に置換基を有するグアノシン類似体は免疫系を刺激することが示されている。Reitz et al, J. Med. Chem., 37, 3561-78 (1994); Michael et al., J. Med. Chem., 36, 3431-36 (1993)参照。他の研究では、Krenitskyらの米国特許第5,821,236号に、腫瘍の治療に有用なアラビノフラノシルプリン誘導体の6−アルコキシ誘導体が開示されている。また、Krenitskyらの米国特許第5,539,098号には、2−アミノ−6−メトキシ−9−(β−D−アラビノフラノシル)−9H−プリンの5'−O−プロピオニルおよび5'−O−ブチリルエステルをはじめとする水痘帯状疱疹ウイルス阻害剤が報告されている。7−デアザグアノシンおよび類似体は、細胞培養では抗ウイルス特性が無かったにもかかわらず、マウスでは種々のRNAウイルスに対して抗ウイルス活性を発揮することが示されている。また、3−デアザグアニンヌクレオシドおよびヌクレオチドは、ある種のDNAおよびRNAウイルスに対してかなり広域の抗ウイルス活性を示すことが実証されている。Revankar et al., J. Med. Chem., 27, 1489-96 (1984)。ある種の7−および9−デアザグアニンC−ヌクレオシドは、セムリキ森林ウイルスの致死的な攻撃を防御する能力を発揮する。Girgis et al., J. Med. Chem., 33, 2750-55 (1990)。Robinsらの米国特許第4,328,336号では、選択された6−スルフェンアミドおよび6−スルフィンアミドプリンヌクレオシドが著しい抗腫瘍活性が実証されたとして開示されている。
Robinsらの米国特許第5,041,542号では、ある種のピリミド[4,5−d]ピリミジンヌクレオシドがBDF1マウスのL1210に対する処置に有効であるとして開示されている。これらの特定のヌクレオシドは免疫調節剤としての役割の結果であるものとして示唆されている。Bonnet et al., J. Med. Chem., 36, 635-53 (1993)参照。また、Wangら(WIPO国際公開番号WO98/16184)は、プリンL−ヌクレオシド化合物およびその類似体は、感染症、侵襲、新生物、自己免疫疾患の処置、または免疫系の状態を調節するために使用したと報告している。さらに、Robinsらの米国特許第5,041,426号および同第4,880,784号には、マウス脾細胞増殖およびセムリキ森林ウイルスに対するin vivo活性をはじめとする著しい免疫活性を示す3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンが開示されている。
免疫調節の1つの可能性あるターゲットとして、Th1およびTh2リンフォカインの刺激または抑制がある。I型(Th1)細胞はインターロイキン2(IL−2)、腫瘍壊死因子(TNFα)およびインターフェロンγ(IFNγ)を生成し、主として遅延型過敏症および抗ウイルス免疫などの細胞媒介性の免疫を担う。2型(Th2)細胞はインターロイキンIL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10およびIL−13を生成し、主としてアレルゲンに対する応答において見られるような体液性の免疫応答を助けることに関与する。例えば、Mosmann, Annu. Rev. Immunol, 7, 145-73 (1989)参照。D−グアノシン類似体は、in vitroにおいて(Goodman, Int. J. Immunopharmacol, 10, 579-88 (1988); Goodmanの米国特許第4,746,651号)、また、in vivoにおいて(Smee et al., Antiviral Res., 15, 229 (1991); Smee et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 33, 1487-92 (1989))、リンフォカインIL−1、IL−6、INFαおよびTNFαに対して(間接的に)種々の作用を惹起することが示されている。しかしながら、7−チオ−8−オキソグアノシンなどのD−グアノシン類似体が1型または2型サイトカインをT細胞において直接調節する能力は有効でないか、または記載されていない。
さらに、酸性もしくはアルカリ性条件、または酵素の作用、および/またはこれらの事象の組合せの結果として、吸収性が低いこと、溶解度が低いこと、または消化管で分解がされることが原因で多くのプリンヌクレオシド類似体の経口投与は困難であることが知られている。このように、免疫系の状態を調節するために用いる、経口アベイラビリティ、許容性および投与性が改善されたプリンヌクレオシド類似体の必要性が依然としてある。
本発明は、免疫調節剤として有用な、下記の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシド、その医薬上許容されるプロドラッグ、医薬上活性な代謝産物、医薬上許容される塩および医薬上許容される溶媒和物(このような化合物、プロドラッグ、代謝産物、塩および溶媒和物をまとめて「薬剤」と呼ぶ)の発見によってこの必要性に取り組んだものである。
他の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者においてC型肝炎ウイルス感染症を処置または予防する方法を含み、その方法は、患者に治療上または予防上有効な量の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンヌクレオシドを投与することを含む。
一般的な態様において、本発明は式I:
Figure 2008501792
[式中、R1a、R1b、およびR1cは独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CHNHR、−C(O)CH(C1−6アルキル)NHRであるか、またはR1bおよびR1cは共同で−C(O)−であり、これは酸素原子と一緒になって5員のカーボネート環を形成し;
はH、OR、またはN(Rであり;
はC1−18アルキルであり;
はH、−C(O)CH(C1−6アルキル)NH、または−C(O)CH(CH−アリール)NHであり;
は独立にH、C1−6アルキル、C3−7アルケニル、C3−7アルキニル、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(C−C10シクロアルキル)、−(CR(C−C10複素環式)、−(CRt>1OH、−(CRt>0CO1−18アルキル、および−(CRt>0N(R)CO1−18アルキル、およびSO(アリール)であり、ここでtは特に断りのない限り0〜6の整数であり、前記の基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環式部分は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−N(アルキル)(アリール)、−N(アリール)、−NHCHO、−NHC(O)アルキル、−NHC(O)アリール、−N(アルキル)C(O)H、−N(アルキル)C(O)アルキル、−N(アリール)C(O)H、−N(アリール)C(O)アルキル、−NHCOアルキル、−N(アルキル)COアルキル、−NHC(O)NH、−N(アルキル)C(O)NH、−NHC(O)NH−アルキル、−NHC(O)N(アルキル)、−N(アルキル)C(O)NH−アルキル、N(アルキル)C(O)N(アルキル)、−NHSO−アルキル、−N(アルキル)SO−アルキル、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CO−アルキル、−CO−アリール、−COH、−C(O)NH、−C(O)NH−アルキル、−C(O)N(アルキル)、−C(O)NH−アリール、−C(O)N(アリール)、−C(O)N(アルキル)(アリール)、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SOアルキル、−SOアリール、−SONH2、−SONH−アルキル、および−SON(アルキル)から独立に選択される置換基で任意に置換されていてもよく;
は独立にH、C1−6アルキル、C−C10シクロアルキルであるか、または窒素と一緒になって5員または6員の複素環式環を形成し;
およびRは独立にH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、またはC2−6アルキニルであり;そして
はH、C1−6アルキル、または−CH−アリールである]
で示される化合物に関する。
一実施形態では、本発明は、RがHまたはORであり、ただし、Rは−CHではなく、さらに、RがHである場合には、R1a、R1bおよびR1cのうち少なくとも1つがHでない式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明は、R1a、R1b、およびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(C1−6アルキル)NHであり;RがORであり;RがC1−18アルキルであり;Rが独立にC1−6アルキル、C3−7アルケニル、C3−7アルキニル、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(C−C10複素環式)、および−(CRt>0N(R)CO1−18アルキルであり、ここで、tは特に断りのない限り0〜4の整数であり、前記の基のアルキル、アルケニル、アリール、および複素環式部分が、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−CO−アルキル、−CO−アリール、−OC(O)アルキル、および−OC(O)アリールから独立に選択される1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;RおよびRが独立にH、C1−6アルキル、またはC2−6アルケニルであり;そして、RがH、−CH、または−CHCHである式Iの化合物に関する。
本発明の他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は
Figure 2008501792
から選択される。
他の実施形態では、本発明は、RがHであり;R1a、R1b、およびR1cのうち少なくとも1つがHでない式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明は、R1a、R1b、およびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(C1−6アルキル)NHであり;RがHであり;そして、RがC1−18アルキルであり;R1a、R1b、およびR1cのうち少なくとも1つがHでない式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明は、R1a、R1b、およびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(CH(CH)NHであり;RがHであり;そして、RがCHであり;R1a、R1b、およびR1cのうち少なくとも1つがHでない式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明は、R1a、R1b、およびR1cが独立にHまたは−C(O)Rであり;RがHであり;そして、RがCHであり;R1a、R1b、およびR1cのうち少なくとも1つがHでない式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明は、R1aがHであって、R1bおよびR1cが−C(O)Rであり;RがHであり;そして、RがCHである式Iの化合物に関する。
他の実施形態では、本発明の化合物は
Figure 2008501792
から選択される。
さらに他の実施形態では、本発明の化合物は
Figure 2008501792
である。
本発明はまた、式Iの化合物、プロドラッグ、または代謝産物の医薬上許容されるプロドラッグ、医薬上活性な代謝産物、医薬上許容される塩および医薬上許容される溶媒和物も対象とする。式Iの化合物を製造する有利な方法も記載される。
式Iの化合物は免疫系増強剤として有用であり、調節、有糸分裂促進性、増加および/または増強をはじめとするある種の免疫系特性を有しているか、あるいはこれらの特性を有する化合物の中間体である。これらの化合物は、宿主の免疫系の、少なくとも天然のキラー、マクロファージおよびリンパ球細胞細胞に対して効果を発揮することが期待されている。これらの特性により、これらの化合物は抗ウイルス剤および抗腫瘍剤として、または抗ウイルス剤および抗腫瘍剤の中間体として有用である。これらの化合物は、好適な医薬組成物の有効成分として働くことにより、罹患した宿主を処置するのに用いることができる。
本発明の一態様では、式Iの化合物は、ヒトをはじめとする哺乳類において、その哺乳類に治療上有効な量の化合物を投与することにより、ウイルス性疾患全般を処置するのに用いられる。式Iの化合物での処置が想定されるウイルス性疾患としては、RNAウイルスおよびDNAウイルスの双方により引き起こされる急性および慢性感染症が挙げられる。処置可能なウイルス性感染症の範囲を何ら限定するものではないが、式Iの化合物は、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV);黄熱ウイルスおよびC型肝炎ウイルス(HCV)をはじめとするフラビウイルス;1型および2型単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹、ヒトヘルペスウイルス6、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、麻疹、パラインフルエンザウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス(天然痘ウイルスおよびサル痘ウイルスを含む)、ライノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV);アレナウイルス(LCM、フニンウイルス、マチュポウイルス、グアナリトウイルスおよびラッサ熱)、ブニヤウイルス(ハンタウイルスおよびリフトバレー熱)およびフィロウイルス(エボラおよびマールブルグウイルス)をはじめとする出血熱を引き起こすウイルスの多彩なファミリー;西ナイルウイルス、ラクロスウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、および、クリミア−コンゴ出血熱ウイルスなどのダニ媒介ウイルスをはじめとするある種のウイルス性脳炎により引き起こされる感染症の処置に特に有用である。
本発明の他の態様では、式Iの化合物は、哺乳類に治療上有効な量の化合物を投与することにより、哺乳類における細菌感染、真菌感染および原虫感染を処置するために用いられる。限定されるものではないが抗生物質耐性の生物を含む病原性微生物全般が本発明の化合物により処置できるものと考えられる。式Iの化合物は免疫系の多様な成分を活性化することができることから、一般的に抗生物質に対する感受性を低下させることが分かっている耐性メカニズムが回避され、従って、このような耐性微生物により引き起こされる哺乳類における感染症の、式Iの化合物による処置が本発明の特に有用な点となる。
本発明の他の態様では、式Iの化合物は、治療上有効な量の化合物を哺乳類に投与することにより、哺乳類における腫瘍を処置するために用いられる。処置が意図される腫瘍または癌としてはウイルスにより引き起こされるものが含まれ、その作用には、ウイルスに感染した細胞の新生物状態への悪性転換を阻害すること、悪性転換した細胞から他の正常細胞へのウイルスの拡散を阻害すること、および/またはウイルスにより悪性転換した細胞の増殖を阻止することを含むと考えられる。式Iの化合物は、限定されるものではないが、癌腫、肉腫、白血病をはじめとする広範囲の腫瘍に対して有用であるものと期待される。このようなクラスには、乳癌、結腸癌、膀胱癌、肺癌、前立腺癌、胃癌および膵臓癌、ならびにリンパ芽球性白血病および骨髄性白血病が含まれる。
本発明の他の態様では、哺乳類を処置する方法は、本発明の化合物を含有する薬剤の治療上および/または予防上有効な量を投与することを含む。この態様において、その作用は、哺乳類の免疫系のある部分の調節、特に、限定されるものではないが、例えばIL−1からIL−12までのインターロイキンファミリー、およびTNFαなどの他のサイトカイン類、インターフェロンα、インターフェロンθおよびインターフェロンγなどのインターフェロン類、ならびにそれらの下流エフェクターをはじめとする、Th1およびTh2のサイトカイン活性の調節に関連があるものと思われる。Th1およびTh2サイトカインの調節が起こる場合、その調節には、Th1およびTh2双方の刺激、Th1およびTh2双方の抑制、Th1もしくはTh2のいずれかの刺激と他方の抑制、または高濃度ではTh1/Th2レベルに対するある作用(例えば、全体的な抑制)が生じ、一方、低濃度では別の作用(例えば、Th1またはTh2のいずれかの刺激と他方の抑制)が起こる二方式の調節が含まれ得ると考えられる。
本発明の他の態様では、式Iの化合物を含有する医薬組成物は、式Iには含まれない抗感染症薬を服用している哺乳類に治療上有効な量で投与される。本発明の好ましい態様では、式Iの化合物を含有する医薬組成物は、感染性病原体に直接作用してその感染性病原体の増殖を阻害するか、またはその感染性病原体を死滅させる抗感染症薬とともに治療上有効な量で投与される。
別の態様では、本発明は、それを必要とする哺乳類、好ましくはそれを必要とするヒトにおけるC型肝炎ウイルス感染症を処置または予防するための方法を包含する。
別の態様では、本発明は、それを必要とする患者においてC型肝炎ウイルス感染症を処置または予防するための方法を包含し、その方法は、患者に治療上または予防上有効な量の式Iの化合物および医薬上許容される賦形剤、担体、またはビヒクルを投与することを含む。
別の態様では、本発明は、それを必要とする患者においてC型肝炎ウイルス感染症を処置または予防するための方法を包含し、その方法は、患者に治療上または予防上有効な量の式Iの化合物および付加的な治療薬、好ましくは付加的な抗ウイルス剤を投与することを含む。
本発明の好ましい態様では、治療上有効な量の式Iの化合物を含む医薬組成物により、免疫調節剤としての経口アベイラビリティおよび投与性が改善される。本発明の別の好ましい態様では、治療上有効な量の式Iの化合物を含む医薬組成物により、薬剤が胃を覆っているリンパ組織を通過する際の能動的な構造がマスクされ、それによりこの組織の活性化が最小限となり、経口許容性が改善される。
図面の簡単な説明
図1はマウスにおけるイサトリビン(isatoribine)(1)およびインターフェロンαの血漿レベルを示したグラフである。
図2はイサトリビン(1)を服用しているHCV感染患者におけるウイルス量の変化を示したグラフである。
本発明の詳細な説明および好ましい実施態様
本明細書において以下の用語が用いられる場合、それらは以下に定義されるものとして使用される。
「含む(comprising, and including)」とは、本明細書では開かれた、非限定的な意味で用いられる。
「ヌクレオシド」とは、複素環の特定の位置、またはプリン(9位)もしくはピリミジン(1位)の通常の位置、または類似体の等価な位置に結合しているペントースまたは修飾ペントース部分のいずれかから構成される化合物を指す。
「プリン」とは、窒素系二環式複素環を指す。
「ピリミジン」とは、窒素系単環式複素環を指す。
「D−ヌクレオシド」とは、D−リボース糖部分を有するヌクレオシド化合物(例えば、アデノシン)を指す。
「L−ヌクレオシド」とは、L−リボース糖部分を有するヌクレオシド化合物を指す。
本明細書において「アルキル」とは、特に断りのない限り、直鎖、分枝、または環状部分(縮合および架橋二環式およびスピロ環式部分など)、または前記の部分の組合せを有する飽和一価炭化水素基を含む。アルキル基が環状部分を有するためには、少なくとも3個の炭素原子を持たなければならない。
本明細書において「アルケニル」とは、特に断りのない限り、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するアルキル部分を含み、ここでアルキルは上記定義の通りであり、前記アルケニル部分のE型およびZ型異性体が含まれる。
本明細書において「アルキニル」とは、特に断りのない限り、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合をを有するアルキル部分を含む、ここでアルキルは上記定義の通りである。
本明細書において「アルコキシ」とは、特に断りのない限り、O−アルキル基を含み、ここでアルキルは上記定義の通りである。
「Me」とはメチルを意味し、「Et」とはエチルを意味し、「Ac」とはアセチルを意味する。
本明細書において「シクロアルキル」とは、特に断りのない限り、本明細書に示される、3〜10個の炭素原子、好ましくは5〜8個の環炭素原子を含む非芳香族、飽和もしくは部分飽和、単環式もしくは縮合、スピロまたは非縮合二環式もしくは三環式炭化水素を指す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど、3〜7個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有する単環式環が挙げられる。シクロアルキルの例としては、限定されるものではないが、下記に由来するものがある。
Figure 2008501792
本明細書において「アリール」とは、特に断りのない限り、フェニルまたはナフチルなど、水素1個を除去することによる芳香族炭化水素に由来する有機基を含む。
本明細書において「4〜10員複素環式」とは、特に断りのない限り、各々O、SおよびNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む芳香族および非芳香族複素環式基を含み、ここで各複素環式基はその環構造に4〜10個の原子を有し、ただし、この基の環は2個の隣接するOまたはS原子は含まない。非芳香族複素環式基はその環構造に原子4個のみを有する基を含むが、芳香族複素環式基はその環構造に少なくとも5個の原子を有していなければならない。複素環式基にはベンゾ縮合環構造も含まれる。4員複素環式基の一例として、アゼチジニル(アゼチジン由来)がある。5員複素環式基の一例としてはチアゾリルがあり、10員複素環式基の一例としてキノリニルがある。非芳香族複素環式基の例としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H−インドリルおよびキノリジニルが挙げられる。芳香族複素環式基の例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルが挙げられる。上記に挙げた基に由来するものである場合、上記の基は可能である限りC−結合であってもN−結合であってもよい。例えば、ピロール由来の基であれば、ピロール−1−イル(N−結合)またはピロール−3−イル(C−結合)であり得る。さらに、イミダゾール由来の基であれば、イミダゾール−1−イル(N−結合)またはイミダゾール−3−イル(C−結合)であり得る。この4〜10員の複素環式は、1環につき1〜2個までのオキソであれば、いずれの環炭素、硫黄、または窒素原子上で任意に置換されていてもよい。2個の環炭素がオキソ部分で置換されている複素環式基の一例として、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルがある。4〜10員の複素環式の他の例としては、限定されるものではないが、下記に由来するものが挙げられる。
Figure 2008501792
式Iの化合物において、(CRなどと用いる場合、RおよびRは、各々1を超えるt回の反復で可変である。例えば、tが2である場合、(CRは−CHCH−、または−CH(CH)C(CHCH)(CHCHCH)−に相当するか、あるいはRおよびRの定義の範囲内にある何個の同部分であってもよい。
「免疫調節剤」とは、刺激または抑制を通して正常なまたは異常な免疫系を修飾することのできる天然または合成生成物を指す。
「予防する」とは、疾病を有すると診断されたか、またはそのような疾病を発症するリスクがある患者における、上記疾病を予防する本発明の化合物または組成物の能力を指す。また、この用語には、そのような疾病に既に罹患しているか、またはそのような疾病の徴候を有している患者における疾病のそれ以上の進行を予防することも含まれる。
「患者」または「対象」とは、動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなど)または哺乳類を意味し、キメラおよびトランスジェニック動物および哺乳類も含む。HCV感染の処置または予防において「患者」または「対象」とは、好ましくはサルまたはヒト、最も好ましくはヒトを意味する。特定の実施形態では、患者または対象はC型肝炎ウイルスに感染しているか、またはC型肝炎ウイルスに曝されている。ある実施形態では、患者はヒト乳幼児(0〜2歳)、小児(2〜17歳)、青年(12〜17)、成人(18歳以上)または高齢者(70歳以上)の患者である。さらに、患者には、HIV陽性患者、癌患者、免疫療法または化学療法を受けている患者などの免疫不全患者も含まれる。特定の実施形態では、患者は健常者、すなわち他のウイルス感染の状態を示さない個体である。
「治療上有効な量」とは、ウイルス性疾患の処置または予防に利益をもたらすか、ウイルス感染に関連する状態もしくはウイルスにより誘発される疾病を遅延させるか、もしくは最小限とするか、または疾病もしくは感染もしくはその原因を治癒させるか、もしくは改善するのに十分な本発明の化合物の量を指す。特に、治療上有効な量は、in vivoにおいて治療利益をもたらすために十分な量を意味する。本発明の化合物の量に関して用いる場合、好ましくは、治療全般を改善するか、疾病の状態もしくは原因を軽減もしくは回避するか、または別の治療薬の治療効力もしくは別の治療薬との相乗作用を増強する無毒な量を包含する。
「予防上有効な量」とは、感染、ウイルス感染の再発または拡散の予防をもたらすのに十分な本発明の化合物またはその他の有効成分の量を指す。予防上有効な量は、初期感染、または感染の再発もしくは拡散、または感染に関連する疾病を予防するのに十分な量も指し得る。本発明の化合物の量に関して用いる場合、好ましくは、予防全般を改善するか、または別の予防薬もしくは治療薬の予防効力もしくは別の予防薬もしくは治療薬との相乗作用を増強する無毒な量を包含する。
「併用」とは、1種類を超える予防薬および/または治療薬の同時または逐次に、それら個々の作用が相加的または相乗的となるように用いることを指す。
「処置する」とは、
(i)疾病、疾患および/または状態に対して素因を持ち得るが、そうであるとはまだ診断されていない動物において、疾病、疾患および/または状態の発生を防ぐこと;
(ii)疾病、疾患、または状態を抑制すること、すなわち、その発症を阻止すること;
(iii)疾病、疾患、または状態を軽減すること、すなわち、疾病、疾患、または状態を退縮させること
を指す。
「α」および「β」とは、示されている化学構造中の不斉炭素における置換基の特定の立体化学配置を示す。本明細書に記載される化合物は全てD−フラノシル配置である。
本発明の化合物は互変異性化現象を生じることがある。式Iの可能性のある全ての互変異性体を明示することはできないが、式Iは示されている化合物のいずれの互変異性体も表すものとし、単に化学式によって示されている特定の化合物形態に限定されないとして理解すべきである。例えば、式Iに関して置換基がエノール体で示されているかケト体で示されているかに関わらず、それらは同じ化合物を表しているものとして理解される(下記の例に示す通りである)。
Figure 2008501792
本発明の化合物は、単一の立体異性体(すなわち、本質的に他の立体異性体を含まない)、ラセミ化合物、ならびに/または鏡像異性体および/もしくはジアステレオマーの混合物として存在し得る。このような単一の立体異性体、ラセミ化合物およびその混合物は本発明の範囲内にあるものとする。光学的に活性な本発明の化合物は光学的に純粋な形で使用するのが好ましい。
当業者が一般に理解しているように、1つのキラル中心(すなわち、1つの不斉炭素原子)を有する光学的に純粋な化合物は、2つの可能性のある鏡像異性体のうちの1つから本質的になるもの(すなわち、鏡像異性体的に純粋)であり、1を超えるキラル中心を有する光学的に純粋な化合物はジアステレオマー的にも鏡像異性体的にも純粋なものである。本発明の化合物は好ましくは少なくとも90%の光学純度の形、すなわち、単一の異性体を少なくとも90%(鏡像体過剰率(「e.e.」)またはジアステレオマー過剰率(「d.e.」)80%)、より好ましくは少なくとも95%(e.e.またはd.e.90%)、さらにより好ましくは少なくとも97.5%(e.e.またはd.e.95%)、最も好ましくは少なくとも99%(e.e.またはd.e.98%)含有する形で使用する。
さらに、式Iは指定の構造の溶媒和形態ならびに非溶媒和形態も含むものとする。例えば、式Iには、指定した構造の化合物の水和形態および非水和形態の双方が含まれる。溶媒和物の他の例としては、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンと結びついた構造が挙げられる。
式Iの化合物に加え、本発明にはそのような化合物および代謝産物の医薬上許容されるプロドラッグ、医薬上活性な代謝産物、ならびに医薬上許容される塩が含まれる。
「医薬上許容されるプロドラッグ」とは、その薬理学的作用を発揮する前に生理学的条件下でまたは加溶媒分解によって所定の化合物またはそのような化合物の医薬上許容される塩に変換し得る化合物である。一般に、プロドラッグは化学安定性を改良するため、患者の許容性およびコンプライアンスを改善するため、バイオアベイラビリティを改善するため、作用の持続時間を延長するため、臓器選択性を改善するため、処方性を改善するため(例えば、水への溶解性を高めるため)、および/または副作用(例えば、毒性)を減らすために処方される。プロドラッグは、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Chemistry, 1, 172-178, 949-982 (1995)に記載されているものなど、当技術分野で公知の方法を用いて式Iの化合物から容易に調製することができる。Bertolini et al., J. Med. Chem., 40, 2011-2016 (1997); Shan, et al., J. Pharm. Sci., 86 (7), 765-767; Bagshawe, Drug Dev. Res., 34, 220-230 (1995); Bodor, Advances in Drug Res., 13, 224-331 (1984); Bundgaard, Design of Prodrugs (Elsevier Press 1985); Larsen, Design and Application of Prodrugs, Drug Design and Development (Krogsgaard-Larsen et al., eds., Harwood Academic Publishers, 1991); Dear et al., J. Chromatogr. B, 748, 281-293 (2000); Spraul et al., J. Pharmaceutical & Biomedical Analysis, 10, 601-605 (1992);およびProx et al., Xenobiol., 3, 103-112 (1992)も参照。
「医薬上活性な代謝産物」とは、所定の化合物またはその塩の、体内での代謝を通して生成される薬理学上活性な産物を意味するものとする。体内に入った後は、ほとんどの薬剤はその物理的特性および生物学的作用を変化させ得る化学反応に対する基質となる。式Iの化合物の極性に通常影響を与えるこれらの代謝性変換は、薬剤の体内分布や体外排泄を変化させる。しかし、場合によっては薬剤の代謝産物に治療作用が要求されることがある。例えば、代謝拮抗薬種の坑癌剤は癌細胞に輸送された後に活性型に変換されなければならない。
ほとんどの薬剤が何らかの代謝変換を受けるので、薬剤の代謝において役割を果たす生化学反応は数も多く、多様であると考えられる。薬剤代謝の主な部位は肝臓であるが、他の組織も関与する場合がある。
極性の高い薬剤が極性の低い生成物を生じることもあるが、これらの変換の多くの特徴的な特性は代謝生成物または「代謝産物」が親薬剤よりも極性が高いことである。また、脂質/水分配係数が高い物質も、膜を容易に通過し、尿管から尿細管細胞を通って血漿中へ容易に逆拡散する。このように、上記物質の腎臓でのクリアランスは低い傾向にあり、体内滞留が長い。もし薬剤がより極性が高く、分配係数の低い化合物に代謝されれば、尿細管での再吸収は著しく低下する。また、近位尿細管および肝実質細胞でのアニオンおよびカチオンの特定の分泌メカニズムは極性の高い物質に対して働く。
具体例としては、フェナセチン(アセトフェネチジン)およびアセトアニリドはいずれも緩効性の鎮痛・解熱剤であるが、より極性が高く、有効性の高い代謝産物であり、現在広く使用されているp−ヒドロキシアセトアニリド(アセトアミノフェン)に体内で変換される。一定量のアセトアニリドをヒトに投与すると、血漿において一連のピーク到達と減衰が段階的におこる。最初の1時間では、アセトアニリドは血漿中の主成分である。2時間では、アセトアニリドレベルが減少するにつれて、代謝産物であるアセトアミノフェンの濃度がピークに達する。最終的に、2〜3時間後、血漿中の主成分は、不活性で、かつ、体外に排出できるさらなる代謝産物となる。このように、薬剤そのもののみならず、1種類以上の代謝産物の血漿濃度は薬理学上重要であることがある。
「医薬上許容される塩」とは、所定の化合物の遊離酸および遊離塩基の生物学的有効性を保持し、かつ、生物学的または他の点で不都合がない塩を意味するものとする。本発明の化合物は十分に酸性の基、十分に塩基性の基またはその両方の官能基を有し、従って、多くの無機塩基または有機塩基および無機酸または有機酸のいずれかと反応して医薬上許容される塩を形成することができる。医薬上許容される塩の例としては、本発明の化合物と鉱酸もしくは有機酸、または無機塩基との反応により形成される塩が含まれ、このような塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩およびマンデル酸塩が挙げられる。
本発明の化合物が塩基である場合、目的の医薬上許容される塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(グルクロン酸もしくはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(クエン酸もしくは酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸もしくはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸もしくはケイ皮酸な)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸など)などの有機酸で遊離塩基を処理するなど、当技術分野で利用可能な好適ないずれかの方法によって作製することができる。
本発明の化合物が酸である場合、目的の医薬上許容される塩は、例えば、アミン(第一級、第二級および第三級)、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの無機または有機塩基で遊離酸を処理するなど、好適ないずれかの方法によって作製することができる。好適な塩の例としては、アミノ酸(グリシンおよびアルギニンなど)、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、および環状アミン(ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなど)に由来する有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が挙げられる。
固体の薬剤の場合、当業者ならば、本発明の化合物および塩は種々の結晶型または多形型で存在する場合があることが分かるであろう。その全てが本発明および所定の化学式の範囲内にあるものとする。
C型肝炎ウイルス感染の処置および予防方法
本発明は、それを必要とする患者においてC型肝炎ウイルス感染を処置または予防するための方法を提供する。
本発明はさらに、C型肝炎ウイルス感染の処置および/または予防において、治療上有効な量の式Iの化合物またはそのような化合物の組合せを患者の血流中に導入するための方法を提供する。
しかしながら、感染の急性または慢性処置または予防における本発明の式Iの化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の予防上または治療上の用量の大きさは、感染の性質および重篤度、ならびに有効成分を投与する経路によって異なる。用量、および場合によって投与頻度は、また、処置する感染、個々の患者の齢、体重、および応答によっても異なる。当業者ならばこのような因子を考慮して好適な投与計画を容易に選択することができる。
本発明の方法は特にヒト患者に十分適している。特に、本発明の方法および用量は、限定されるものではないが、癌患者、HIV感染患者、および免疫変性性疾患患者をはじめとする免疫不全患者に有用であり得る。さらに、これらの方法は現状で緩解状態にある免疫不全患者にも有用であり得る。本発明の方法および用量は、他の抗ウイルス処置を受けている患者にも有用である。本発明の予防方法は特にウイルス感染のリスクのある患者に有用である。これらの患者としては、限定されるものではないが、医療従事者、例えば、医師、看護士、ホスピス介護士;軍人;教師;保育士;社会援助従事者、使節、および外交官をはじめとする外国、特に第三世界への旅行者または在住者が挙げられる。最後に、これらの方法および組成物は逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤などに対する耐性などの難治性患者または処置耐性患者の処置を含む。
用量
本発明の化合物の毒性および有効性は、例えば、LD50(集団の50%致死量)およびED50(集団の50%で治療上有効な量)など、細胞培養および実験動物における標準的な薬学的手順により判定することができる。有毒作用と治療作用の間の用量比が治療係数であり、LD50/ED50比として表すことができる。
この細胞培養および動物実験から得られたデータをヒトで用いる化合物の用量範囲を処方する際に使用できる。このような化合物の用量は、ほとんどまたは全く毒性なくED50を含む循環濃度範囲内にあることが好ましい。この範囲内で用量は、用いる投与形および用いる投与経路によって可変である。本発明の方法で用いるいずれの化合物についても、治療上有効な用量はまず細胞培養アッセイから評価することができる。用量は、細胞培養で判定されたIC50(すなわち、状態の最大の半分の抑制を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度を達成するように動物モデルにおいて処方してもよいし、あるいは、式Iの化合物の用量は、一定の応答の大きさを達成するのに必要な濃度に相当する化合物の循環血漿濃度範囲を達成するよう動物モデルにおいて処方してもよい。このような情報を用いれば、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中でのレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
本発明のプロトコールおよび組成物は、ヒトで用いる前に、目的の治療活性または予防活性に関してin vitroで、その後in vivoで試験することが好ましい。例えば、特定の治療プロトコールの投与が指示されるかどうかを判定するために使用可能なin vitroアッセイとしては、式Iの化合物の作用に対して応答性のある細胞をそのリガンドに曝し、応答の大きさを適当な技術により測定するin vitro細胞培養アッセイがある。その後、式Iの化合物を式Iの化合物の効力および式Iの化合物のプロドラッグの変換程度に関して評価する。本発明の方法で用いる化合物は、ヒトにおける試験の前に、限定されるものではないが、ラット、マウス、ニワトリ、ウシ、サル、ウサギ、ハムスターなどをはじめとする好適な動物モデル系で試験することができる。その後、これらの化合物を適当な臨床試験で用いることができる。
感染または状態の急性もしくは慢性処置または予防における本発明の式Iの化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは水和物のプロドラッグの予防的用量または治療的用量の大きさは、感染の性質および重篤度、ならびに有効成分を投与する経路によって異なる。用量、および場合によって投与頻度は、また、処置する感染、個々の患者の齢、体重、および応答によっても異なる。当業者ならばこのような因子を考慮して好適な投与計画を容易に選択することができる。一実施形態では、投与量は用いる特定の化合物、ならびに患者の体重および状態によって異なる。また、用量は種々の特定の式Iの化合物に対して異なり、上述のin vitro測定に基づき、特に式Iの化合物が関連するイサトリビン(1)のこのような測定により、また、動物実験に基づいて好適な用量を推定することができ、その結果、本明細書に記載または引用される系で測定した場合に他の式Iの化合物よりも低い濃度で有効に示す、式Iの化合物のより少ない用量が適当である。一般的に、1日用量は、約0.001〜100mg/kg、好ましくは約1〜25mg/kg、より好ましくは約5〜15mg/kgの範囲である。C型肝炎ウイルスに感染したヒトの処置では、約0.1mg〜約15g/日を1日に約1〜4回に分けて投与し、好ましくは100mg〜12g/日、より好ましくは100mg〜8000mg/日を投与する。
好ましい実施形態では、3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンのプロドラッグなどの化合物については、200mg〜8000mg/日を1日に約1〜4回に分けて投与する。さらに、推奨されるこの一日量は単剤として周期的に投与することもできるし、他の治療薬と組み合わせて投与することもできる。一実施形態では、一日量は1回量として投与するか、または等分の分割量で投与する。関連の実施形態では、推奨される一日量は1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回または1週間に5回投与することができる。
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、患者に化合物を全身分布させるために投与する。関連の実施形態では、本発明の化合物は、身体に全身作用をもたらすために投与する。
別の実施形態では、本発明の化合物は、経口投与、粘膜投与(舌下、頬側、直腸、鼻腔、または膣投与を含む)、非経口投与(皮下、筋肉内、ボーラス注射、動脈内、または静脈内投与を含む)、経皮投与、または局所投与により投与する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、粘膜投与(舌下、頬側、直腸、鼻腔、または膣投与を含む)、非経口投与(皮下、筋肉内、ボーラス注射、動脈内、または静脈内投与を含む)、経皮投与、または局所投与により投与する。さらなる特定の実施形態では、本発明の化合物は経口投与により投与する。さらなる特定の実施形態では、本発明の化合物は経口投与によっては投与しない。
当業者には容易に分かるであろうが、異なる感染には異なる治療上有効な量を適用できる。同様に、このような感染を処置または予防するには十分な量であるが、従来の治療法に伴う副作用を引き起こすには至らないか、またはその副作用を軽減するのに十分な量も、上記の投与量および投与頻度計画に包含される。
併用療法
本発明の特定の方法はさらに、付加的な治療薬(すなわち、本発明の化合物以外の治療薬)の投与を含む。本発明のある実施形態では、本発明の化合物は少なくとも1種類の他の治療薬と併用することができる。治療薬としては、限定されるものではないが、抗生物質、制吐薬、抗鬱薬、および抗真菌薬、抗炎症薬、抗ウイルス薬、抗癌薬、免疫調節剤、β−インターフェロン、アルキル化剤、ホルモンまたはサイトカインが挙げられる。好ましい実施形態では、本発明は、HCV特異的であるか、または抗HCV活性を示す付加的治療薬の投与を包含する。
本発明の式Iの化合物は、抗生物質と組み合わせて投与または処方することができる。例えば、式Iの化合物はマクロライド(例えば、トブラマイシン(Tobi(登録商標))、セファロスポリン(例えば、セファレキシン(Keflex(登録商標))、セファラジン(Velosef(登録商標))、セフロキシム(Ceftin(登録商標))、セフロジル(Cefzil(登録商標))、セファクロール(Ceclor(登録商標))、セフィキシム(Suprax(登録商標))またはセファドロキシル(Duricef(登録商標)))、クラリスロマイシン(例えば、クラリスロマイシン(Biaxin(登録商標)))、エリスロマイシン(例えば、エリスロマイシン(EMycin(登録商標)))、ペニシリン(例えば、ペニシリンV(V−Cillin K(登録商標)またはPen Vee K(登録商標)))またはキノロン(例えば、オフロキサシン(Floxin(登録商標))、シプロフロキサシン(Cipro(登録商標))またはノルフロキサシン(Noroxin(登録商標)))、アミノグリコシド系抗生物質(例えば、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレン酸、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、およびスペクチノマイシン)、アムフェニコール系抗生物質(例えば、アジドアムフェニコール、クロラムフェニコール、フロルフェニコール、およびチアムフェニコール)、アンサマイシン系抗生物質(例えば、リファミドおよびリファンピン)、カルバセフェム系(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム系(例えば、ビアペネムおよびイミペネム)、セファロスポリン系(例えば、セファクロール、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、およびセフピロム)、セファマイシン系 (例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、およびセフミノクス)、モノバクタム系(例えば、アズトレオナム、カルモナム、およびチゲモナム)、オキサセフェム系(例えば、フロモキセフ、およびモキサラクタム)、ペニシリン系(例えば、アムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ペナムシリン、ヨウ化水素酸ペネタメート、ペニシリンo−ベネタミン、ペニシリン0、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピサイクリン(penimepicycline)、およびフェンチヒシリン(phencihicillin)カリウム)、リンコサミド系(クリンダマイシン、およびリンコマイシン)、アンフォマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンドウラシジン(enduracidin)、エンビオマイシン、テトラサイクリン系(例えば、アピサイクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン、およびデメクロサイクリン)、2,4−ジアミノピリミジン系(例えば、ブロジモプリム)、ニトロフラン系(例えば、フラルタドン、および塩化フラゾリウム)、キノロン系およびその類似体(例えば、シノキサシン、シナフロキサシン、フルメキン、およびグレパグロキサシン)、スルホンアミド系(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスルファミド、フタリルスルフアセトアミド、スルファクリソイジン、およびスルファシチン)、スルホン系(例えば、ジアチモスルホン、グルコスルホンナトリウム、およびソラスルホン)、サイクロセリン、ムピロシンおよびチュベリンとともに処方することができる。
また、本発明の式Iの化合物は、制吐薬と組み合わせて投与または処方することもできる。好適な制吐薬としては、限定されるものではないが、メトクロプロミド、ドンペリドン、プロクロルペラジン、プロメタジン、クロルプロマジン、トリメトベンザミド、オンダンセトロン、グラニセトロン、ヒドロキシジン、アセチルロイシンモノエタノールアミン、アリザプリド、アザセトロン、ベンズキナミド、ビエタノーチン(bietanautine)、ブロモプリド、ブクリジン、クレボプリド、サイクリジン、ジメンヒドリネート、ジフェニドール、ドラセトロン、メクリジン、メタルラタル、メトピマジン、ナビロン、オキシペルンジル(oxyperndyl)、ピパマジン、スコポラミン、スルピリド、テトラヒドロカンナビノール、チエチルペラジン、チオプロペラジン、トロピセトロン、およびその混合物が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、抗鬱薬と組み合わせて投与または処方することができる。好適な抗鬱薬としては、限定されるものではないが、ビネダリン、カロキサゾン、シタロプラム、ジメタザン(dimethazan)、フェンカミン、インダルピン、塩酸インデロキサジン、ネフォパム、ノミフェンシン、オキシトリプタン、オキシペルチン、パロキセチン、セルトラリン、チアゼシム、トラゾドン、ベンモキシン、イプロクロジド、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、オクタモキシン、フェネルジン、コチニン、ロリシプリン、ロリプラム、マプロチリン、メトラリンドール、ミアンセリン、ミルタゼピン、アジナゾラム、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デメキシプチリン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドチエピン、ドキセピン、フルアシジン、イミプラミン、イミプラミンN−オキシド、イプリンドール、ロフェプラミン、メリトラセン、メタプラミン、ノルトリプチン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピゾチリン、プロピゼピン(propizepine)、プロトリプチリン、キヌプラミン、チアネプチン、トリミプラミン、アドラフィニル、ベナクチジン、ブプロピオン、ブタセチン(butacetin)、ジオキサドロール、デュロキセチン、エトペリドン、フェバルバマート、フェモキセチン、フェンペンタジオール、フルオキセチン、フルボキサミン、ヘマトポルフィリン、ヒペリシン、レボファセトペラン、メジホキサミン、ミルナシプラン、ミナプリン、モクロベミド、ネファゾドン、オキサフロザン、ピベラリン、プロリンタン、ピリスクシデアノール(pyrisuccideanol)、リタンセリン、ロキシンドール、塩化ルビジウム、スルピリド、タンドスピロン、トザリノン(thozalinone)、トフェナシン、トロキサトン、トラニルシプラミン、L−トリプトファン、ベンラファキシン、ビロキサジン、およびジメルジンが挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、抗真菌薬と組み合わせて投与または処方することができる。好適な抗真菌薬としては、限定されるものではないが、アムホテリシンB、イトラコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、くも膜下腔内(intrathecal)、フルシトシン、ミコナゾール、ブトコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、テルコナゾール、チオコナゾール、シクロピロクス、エコナゾール、ハロプログリン(haloprogrin)、ナフチフィン、テルビナフィン、ウンデシレン酸、およびグリセオフルジン(griseofuldin)が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、抗炎症薬と組み合わせて投与または処方することができる。有用な抗炎症薬としては、限定されるものではないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサレート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビンプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、ナブメトム(nabumetome)、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾンおよびニメスリドなどの非ステロイド系抗炎症薬;限定されるものではないが、ジレウトン、金チオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウムおよびオーラノフィンをはじめとするロイコトリエン拮抗薬;限定されるものではないが、二プロプリオン酸アルクロメタゾン(alclometasone diproprionate)、アムシノニド、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、二プロプリオン酸ベタメタゾン(betamethasone diproprionate)、リン酸ベタメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール(clobetasol proprionate)、ピバリン酸クロコルトロン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、フルコキシノリド(flucoxinolide)、フルランドレノリド、ハルシノシド(halcinocide)、メドリソン、メチルプレドニゾロン、酢酸メトプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フロ酸モメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンテブエテート(prednisolone tebuatate)、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、およびトリアムシノロンヘキサアセトニドをはじめとするステロイド;ならびに限定されるものではないが、メトトレキサート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロンをはじめとする他の抗炎症薬が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、他の抗ウイルス薬と組み合わせて投与または処方することができる。有用な抗ウイルス薬としては、限定されるものではないが、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤およびヌクレオシド類似体が挙げられる。抗ウイルス薬としては、限定されるものではないが、ジドブジン、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、イドクスウリジン、トリフルリジン、レボビリン、ビラミジン(viramidine)およびリバビリン、ならびにホスカルネット、アマンタジン、リマンタジン、サキナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル、リトナビル;α−インターフェロン;β−インターフェロン;アデホビル、クレバジン(clevadine)、エンテカビル、プレコナリルが挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、免疫調節剤と組み合わせて投与または処方することができる。免疫調節剤としては、限定されるものではないが、メトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスパガリン、ブレキナル、マロノニトリロアミド(例えば、レフルナミド(leflunamide))、T細胞受容体調節剤、およびサイトカイン受容体調節剤、ペプチドミメティクス、ならびに抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、FabまたはF(ab)2フラグメントまたはエピトープ結合フラグメント)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子および三重らせん)、小分子、有機化合物、および無機化合物が挙げられる。T細胞受容体調節剤の例としては、限定されるものではないが、抗T細胞受容体抗体(例えば、抗CD4抗体(例えば、cM−T412(Boeringer)、IDEC−CE9.1(登録商標)(IDECおよびSKB)、mAB 4162W94、OrthocloneおよびOKTcdr4a(Janssen−Cilag))、抗CD3抗体(例えば、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson & Johnson)、またはRituxan(IDEC))、抗CD5抗体(例えば、抗CD5リシン結合免疫複合体)、抗CD7抗体(例えば、CHH−380(Novartis))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、IDEC−131(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体、抗CD11a抗体(例えば、Xanelim(Genentech))、および抗B7抗体(例えば、IDEC−114(IDEC))およびCTLA4−免疫グロブリンが挙げられる。サイトカイン受容体調節剤の例としては、限定されるものではないが、可溶性サイトカイン受容体(例えば、TNF−α受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント、IL−1β受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント、およびIL−6受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント)、サイトカインまたはそのフラグメント(例えば、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF)、抗サイトカイン受容体抗体(例えば、抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体(例えば、Zenapax(Protein Design Labs))、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、および抗IL−12受容体抗体)、抗サイトカイン抗体(例えば、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(例えば、ABX−IL−8(Abgenix))、および抗IL−12抗体)が挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、限定されるものではないが、BILN 2061などのHCVプロテアーゼの阻害剤、ならびにNM107およびそのプロドラッグNM283(Idenix Pharmaceuticals,Inc.,Cambridge,MA)などのNS5bポリメラーゼの阻害剤をはじめ、ウイルスの酵素を阻害する薬剤と組み合わせて投与または処方することができる。
本発明の式Iの化合物は、Wu, Curr Drug Targets Infect Disord. 2003;3(3):207-19に記載されているものなどのHCVポリメラーゼを阻害する薬剤と組み合わせて、またはBretner M, et al Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids. 2003;22(5-8):1531に記載されているものなどのウイルスのヘリカーゼ機能を阻害する化合物と組み合わせて、またはZhang X. IDrugs. 2002;5(2):154-8に記載されているものなどの他のHCV特異的標的の阻害剤と組み合わせて投与または処方することができる。
本発明の式Iの化合物は、ウイルスの複製を阻害する薬剤と組み合わせて投与または処方することができる。
本発明の式Iの化合物は、サイトカインと組み合わせて投与または処方することができる。サイトカインの例としては、限定されるものではないが、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−5(IL−5)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−9(IL−9)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン15(IL−15)、インターロイキン18(IL−18)、血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(Epo)、上皮細胞増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、プロラクチン、およびインターフェロン(IFN)、例えば、IFN−αおよびIFN−γが挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、ホルモンと組み合わせて投与または処方することができる。ホルモンの例としては、限定されるものではないが、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、成長ホルモン(GH)、成長ホルモン放出ホルモン、ACTH、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、視床下部放出因子、インスリン、グルカゴン、エンケファリン、バソプレシン、カルシトニン、ヘパリン、低分子ヘパリン、ヘパリノイド、合成および天然オピオイド、インスリン甲状腺刺激ホルモン、およびエンドルフィンが挙げられる。
本発明の式Iの化合物は、限定されるものではないが、インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1bを含むβ−インターフェロンと組み合わせて投与または処方することができる。
本発明の式Iの化合物は、限定されるものではないが、インターフェロンα−1、インターフェロンα−2a(ロフェロン)、インターフェロンα−2b、イントロン、Peg−イントロン、Pegasys、コンセンサスインターフェロン(インファゲン)およびアルブフェロンを含むα−インターフェロンと組み合わせて投与または処方することができる。
本発明の式Iの化合物は、限定されるものではないが、グリココール酸ナトリウム;カプリン酸ナトリウム;N−ラウリル−y−D−マルトピラノシド;EDTA;混合ミセル;および出典明示によりそのまま本明細書に一部とされるMuranishi Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst., 7-1-33に報告されているものをはじめとする、特にリンパ系を標的とする吸収促進剤と組み合わせて投与または処方することができる。他の既知の吸収促進剤も使用可能である。よって、本発明はまた、本発明の1種類以上の式Iの化合物と1種類以上の吸収促進剤とを含む医薬組成物を包含する。
本発明の式Iの化合物は、アルキル化剤と組み合わせて投与または処方することができる。アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン、メチルメラミン、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素、トリアゼン、メクロレタミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、ブスルファン、カルムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジンおよびテモゾロマイドが挙げられる。
本発明の化合物と他の治療薬は相加的、またはより好ましくは相乗的に作用し得る。好ましい実施形態では、本発明の化合物を含む組成物は他の治療薬の投与と同時に投与し、他の治療薬は本発明の化合物を含む同一の組成物の一部とすることもできるし、あるいは異なる組成物とすることもできる。他の実施形態では、本発明の化合物は他の治療薬の投与の前または後に投与する。別の実施形態では、本発明の化合物は、他の治療薬、特に抗ウイルス薬による処置をこれまでに受けたことがないか、またはその時受けていない患者に投与する。
一実施形態では、本発明の方法は、付加的な治療薬を用いずに本発明の1種類以上の式Iの化合物を投与することを含む。
医薬組成物および投与形
本発明の式Iの化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含む医薬組成物および単位投与形もまた本発明に包含される。本発明の個々の投与形は経口投与、粘膜投与(舌下、頬側、直腸、鼻腔、または膣投与を含む)、非経口投与(皮下、筋肉内、ボーラス注射、動脈内、または静脈内投与を含む)、経皮投与、または局所投与に好適であり得る。本発明の医薬組成物および投与形は一般に1以上の医薬上許容される賦形剤も含む。無菌投与形も意図される。
別の実施形態では、この実施形態に含まれる医薬組成物は、本発明の式Iの化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは水和物と少なくとも1種類の付加的治療薬を含む。付加的治療薬の例としては、限定されるものではないが、前記第5.2.2節に挙げられたものを含む。
本発明の投与形の組成、形状および種類は一般にそれらの用途によって異なる。例えば、ある疾病または関連の疾病の急性処置に用いる投与形は、同じ疾病の慢性処置に用いる投与形よりも高用量の1以上の有効成分を含んでもよい。同様に、非経口投与形は、同じ疾病または疾患を処置するのに用いる経口投与形よりも低用量の1以上の有効成分を含んでもよい。本発明に包含される特定の投与形が互いに異なるこれら、またその他の事項は当業者には容易に分かるであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton PA (1990)参照。投与形の例としては、限定されるものではないが、錠剤;カプレット;ゼラチン軟カプセル剤などのカプセル剤;カシェ剤;トローチ;ロゼンジ;分散剤;坐剤;軟膏;パップ剤(湿布);ペースト;散剤;包帯;クリーム;硬膏;溶液;パッチ剤;エアゾール(例えば、鼻腔スプレーまたは吸入剤);ゲル;懸濁液(例えば、水性または非水性液懸濁液、水中油型エマルション、または油中水液体エマルション)、溶液、およびエリキシル剤をはじめとする患者への経口または粘膜投与に好適な液体投与形;患者への非経口投与に好適な液体投与形;および再構成して患者への非経口投与に好適な液体投与形を得ることができる無菌固体(例えば、結晶性固体または非晶質固体)が挙げられる。
典型的な医薬組成物および投与形は1以上の担体、賦形剤または希釈剤を含む。好適な賦形剤は製薬業者には周知のものであり、好適な賦形剤の限定されない例が本明細書に示されている。ある特定の賦形剤をある医薬組成物または投与形に配合するのに好適かどうかは限定されるものではないが、その投与形を患者に投与する方法をはじめ、当業者に周知の種々の因子によって異なる。例えば、錠剤などの経口投与形は、非経口投与形に用いるには適さない賦形剤を含んでもよい。ある特定の賦形剤が適切かどうかはまた、その投与形中の特定の有効成分によっても異なる。
本発明はさらに有効成分を含む無水医薬組成物および投与形も包含するが、これは水が数種の化合物の分解を助長するためである。例えば、貯蔵寿命または製剤の経時的安定性などの特性を決定するために長期保存をシミュレーションする手段として水を添加すること(例えば5%)が製薬業界で広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80参照。効果としては、水および熱は数種の化合物の分解を加速化する。従って、製造、取扱い、パッケージング、保存、出荷および製剤の使用過程で水分および/または湿気にあうのが通常であるので、製剤に対する水の作用は極めて重要なことであり得る。
本発明の無水医薬組成物および投与形は無水または低水分成分と低水分または低湿度条件を用いて製造することができる。
無水医薬組成物は、その無水特性を維持するように製造および保存すべきである。よって、無水組成物は、好適な製剤キットに含めることができる水との接触を防ぐことが知られている材料を用いてパッケージングするのが好ましい。好適なパッケージングの例としては、限定されるものではないが、密閉ホイル、プラスチック、単位量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
本発明はさらに、有効成分が分解する速度を低下させる1種類以上の化合物を含む医薬組成物および投与形を包含する。本明細書で「安定剤」と呼ばれるこのような化合物としては、限定されるものではないが、アスコルビン酸などの抗酸化薬、pH緩衝剤、または塩緩衝剤が挙げられる。
賦形剤の量および種類同様、投与形の有効成分の量および特定の種類は、限定されるものではないが、患者に投与する経路などの因子によって異なり得る。しかし、本発明の典型的な投与形は、本発明の式Iの化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは水和物を含み、約0.01〜200mg/kg/日の用量を提供するために0.1mg〜1500mg/単位を含む。
経口投与形
経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、限定されるものではないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル剤、および液体(例えば、フレーバーを加えたシロップ)などの個別投与形として提供することができる。このような投与形は所定量の有効成分を含有し、当業者に周知の製薬法によって製造することができる。一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing, Easton PA (1990)参照。
本発明の典型的な経口投与形は、通常の医薬配合技術に従い、緊密混合物としての有効成分と少なくとも1種類の賦形剤とを合わせることによって製造する。賦形剤は、投与に求められる剤形によって多様な形態を採り得る。例えば、経口液体投与形またはエアゾール投与形に用いるのに好適な賦形剤としては、限定されるものではないが、水、グリコール、オイル、アルコール、香味剤、保存剤、および着色剤が挙げられる。固体経口投与形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、およびカプレット)に用いるのに好適な賦形剤の例としては、限定されるものではないが、デンプン、糖類、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤が挙げられる。
投与が容易なことから錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口単位投与形であり、この場合には固形賦形剤が用いられる。所望により錠剤は標準的な水性または非水性技術によってコーティングすることができる。このような投与形はいずれの製薬法で製造してもよい。一般に、医薬組成物および投与形は、有効成分と液体担体、微粉固形担体、またはその双方を均一かつ緊密に混合した後、必要であれば所望の剤形に生成物を成形することにより製造する。
例えば、錠剤は打錠または注形により製造することができる。打錠錠剤は、所望により賦形剤と混合した粉末または顆粒などの流動形態の有効成分を好適な機械で打錠することにより製造することができる。注形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を好適な機械で注形することにより製造することができる。本発明の経口投与形で使用可能な賦形剤の例としては、限定されるものではないが、結合剤、増量剤、崩壊剤、および滑沢剤が挙げられる。医薬組成物および投与形での使用に好適な結合剤としては、限定されるものではないが、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガカントガム、グアーガムなどの天然および合成ガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、2208番、2906番、2910番)、微晶質セルロース、およびその混合物が挙げられる。
本明細書に開示される医薬組成物および投与形に用いるのに好適な増量剤の例としては、限定されるものではないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微晶質セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファー化デンプン、およびその混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物中の結合剤または増量剤は一般に医薬組成物または投与形の約50〜約99重量%で存在する。
微晶質セルロースの好適な形態としては、限定されるものではないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PAから入手できる)およびその混合物が挙げられる。特定の結合剤としては、AVICEL RC−581として販売されている微晶質セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物がある。好適な無水または低水分賦形剤または添加剤としては、AVICEL−PH−103TMおよびStarch 1500 LMがある。
崩壊剤は、水分のある環境に曝された際に崩壊する錠剤を提供するために本発明の組成物に用いられる。崩壊剤含量が多すぎる錠剤は保存中に崩壊することがあり、一方、崩壊剤含量が少なすぎると所望の速度で崩壊しないことや所望の条件下で崩壊しないことがある。従って、本発明の固体経口投与形を作製するには、有効成分の放出を損なうことがないよう、多すぎもせず少なすぎもしない十分量の崩壊剤を用いなければならない。崩壊剤の使用量は製剤の種類によって異なり、当業者ならば容易に分かる。典型的な医薬組成物としては、約0.5〜約15重量%の崩壊剤、特に約1〜約5重量%の崩壊剤を含む。
本発明の医薬組成物および投与形に使用可能な崩壊剤としては、限定されるものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルファー化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、およびその混合物が挙げられる。
本発明の医薬組成物および投与形に使用可能な滑沢剤としては、限定されるものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびその混合物が挙げられる。さらなる滑沢剤としては、例えば、シロイドシリカゲル(W.R. Grace Co., Baltimore, MD製のAEROSIL 200)、合成シリカの凝固エアゾール(Degussa Co., Plano, TXから市販)、CAB−O−SIL(Cabot Co., Boston, MAから市販されている熱処理した(pyrogenic)二酸化ケイ素製品)、およびその混合物が挙げられる。滑沢剤は、用いるとしても、それらが配合される医薬組成物または投与形の約1重量%未満の量で使用するのが一般的である。
遅延放出投与形
本発明の有効成分は、当業者に周知の徐放性手段または送達装置によって投与することができる。例としては、限定されるものではないが、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;および同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、および同第5,733,566号に記載されているものが挙げられ、これらは各々出典明示により本明細書の一部とされる。このような投与形は、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他の高分子マトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはその組合せを所望の放出特性を得るために様々な割合で用いて1以上の有効成分の緩慢放出または徐放性を提供するために使用できる。本明細書に記載のものを含め、本発明の有効成分と併用するための、当業者に公知の好適な徐放性製剤は容易に選択することができる。よって、本発明は、限定されるものではないが、徐放性に適合された錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ、およびカプレットなどの経口投与に好適な単位投与形を包含する。
全ての徐放性医薬品は、それらの非徐放性品により達成されるものよりも薬剤治療性を改善するという共通の目標を持つ。理想的には、医学的処置で最適な設計の徐放性製剤を用いるということは、最小限の薬剤物質を用いて最短の時間で状態を治癒または抑制することを特徴とする。徐放性製剤の利点としては、薬物活性を延長すること、投与頻度を減らすこと、および患者のコンプライアンスを高めることがある。さらに、徐放性製剤は作用の開始時間または血中の薬物レベルといった他の特徴に影響を与えるため、ひいては副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を与え得るためにも使用できる。
ほとんどの徐放性製剤は、まず、目的の治療効果を即時にもたらす一定量の薬剤(有効成分)を放出し、このレベルの治療効果または予防効果を長期間維持するために別量の薬剤を徐々にかつ持続的に放出するよう設計される。体内でこの一定レベルの薬剤を維持するためには、代謝され、体外排泄される薬剤の量を補填する速度で投与形から薬剤が放出されなければならない。有効成分の徐放性は、限定されるものではないが、pH、温度、酵素、水、もしくは他の生理条件、または化合物をはじめとする種々の条件によって刺激することができる。
非経口投与形
非経口投与形は、限定されるものではないが、皮下、静脈内(ボーラス注射)、筋肉内、および動脈内をはじめとする種々の経路によって患者に投与することができる。それらの投与は一般に混入物に対する患者の生得的防御を迂回するので、非経口投与形は患者に投与する前に無菌であるか、または滅菌できることが好ましい。非経口投与形の例としては、限定されるものではないが、調製済み注射液、医薬上許容される注射用ビヒクルに溶解または懸濁させるだけの乾燥および/または凍結乾燥製品(再構成粉末)、調製済み注射懸濁液、およびエマルションが挙げられる。
本発明の非経口投与形を提供するために使用できる好適なビヒクルは当業者に周知のものである。限定されるものではないが、例としては、USP注射水;限定されるものではないが、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、ならびに乳酸リンゲル注射液などの水性ビヒクル;限定されるものではないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの水混和性ビヒクル;ならびに限定されるものではないが、コーン油、綿実油、ラッカセイ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジルなどの非水性ビヒクルが挙げられる。また、本明細書に開示される1以上の有効成分の溶解度を高める化合物も本発明の非経口投与形に配合することができる。
経皮投与形
経皮投与形としては、皮膚に貼り付け、所望の量の有効成分を浸透させる特定時間の間装着することができる「リザーバー型」または「マトリックス型」パッチが挙げられる。
本発明に包含される経皮および局所投与形を提供するのに使用可能な好適な賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および他の材料は製薬業者に周知のものであり、所与の医薬組成物または投与形を適用する特定の組織によって異なる。このことを考慮すれば、典型的な賦形剤としては、限定されるものではないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびその混合物が挙げられる。処置する特定の組織によって、本発明の有効成分で処置する前に、または本発明の有効成分で処置するとともに、または本発明の有効成分で処置した後に付加的な成分を用いてもよい。例えば、有効成分の組織送達を助けるために浸透促進剤を使用することができる。好適な浸透促進剤としては、限定されるものではないが、アセトン;エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリルなどの種々のアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドン系(ポビドン、ポリビドン);尿素;ならびにTween80(ポリソルベート80)およびSpan60(モノステアリン酸ソルビタン)などの種々の水溶性または水不溶性の糖エステルが挙げられる。
また、1以上の有効成分の送達を向上させるために、医薬組成物または投与形のpH、または医薬組成物または投与形を適用する組織のpHを調整することもできる。同様に、送達性を向上させるために、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または張力を調整することもできる。また、1以上の有効成分の親水性または親油性を送達性の向上に有利に変化させるため、医薬組成物または投与形にステアリン酸塩などの化合物を添加することもできる。この場合、ステアリン酸塩は製剤の脂質ビヒクルとしても、かつ、乳化剤または界面活性剤としても、かつ、送達促進剤または浸透促進剤としても働き得る。得られた組成物の特性をさらに調整するためには、有効成分の種々の塩、水和物または溶媒和物を使用することができる。
局所投与形
本発明の局所投与形としては、限定されるものではないが、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、エマルション、懸濁液、または当業者に公知の他の形態が挙げられる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1990);およびIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)参照。
本発明に包含される経皮および局所投与形を提供するのに使用可能な好適な賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および他の材料は製薬業者に周知のものであり、所与の医薬組成物または投与形を適用する特定の組織によって異なる。このことを考慮すれば、典型的な賦形剤としては、限定されるものではないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびその混合物が挙げられる。
処置する特定の組織に応じて、付加的成分は本発明の有効成分で処置する前、または本発明の有効成分とともに、または本発明の有効成分で処置した後に用い得る。例えば、浸透促進剤を用いて組織への有効成分の送達を助けることができる。好適な浸透促進剤としては、限定されるものではないが、アセトン;エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリルなどの種々のアルコール;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン;コリドン級(ポビドン、ポリビドン);尿素;ならびにTween 80(ポリソルベート80)およびSpan 60(モノステアリン酸ソルビタン)などの種々の水溶性または水不溶性の糖エステルが挙げられる。
粘膜投与形
本発明の粘膜投与形としては、限定されるものではないが、眼用の溶液、スプレーおよびエアゾール、または当業者に公知の他の形態が挙げられる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1990);およびIntroduction to Pharmaceutical Dosages, 4th ed., Lea & Febiger, Philadelphia (1985)参照。口腔内の粘膜組織を処置するのに好適な投与形は口内洗浄剤としてまたは口内用ゲルとして処方することができる。一実施形態では、エアゾールは担体を含む。他の実施形態では、エアゾールは担体を含まない。
本発明の式Iの化合物はまた、吸入により肺へ直接投与することもできる。吸入による投与では、式Iの化合物はいくつかの異なる装置により肺へ便宜に送達することができる。式Iの化合物を肺へ直接送達するためには、例えば、好適な低沸点噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスを含むキャニスターを利用する定量噴霧式吸入器(「MDI」)を使用することができる。MDI装置は3M Corporation、Aventis、Boehringer Ingleheim、Forest Laboratories、Glaxo-Wellcome、Schering Plough and Vecturaなどのいくつかの供給者から入手できる。
あるいは、式Iの化合物を肺へ投与するためにドライパウダー吸入器(DPI)も使用できる(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるRaleigh et al., Proc. Amer. Assoc. Cancer Research Annual Meeting, 1999, 40, 397参照)。DPI装置は一般に、容器内に乾燥粉末の曇り(その後、患者がこれを吸入できる)を作り出し、すためにガスを噴射するなどのメカニズムを用いる。DPI装置も当技術分野で周知のものであり、例えば、Fisons、Glaxo-Wellcome、Inhale Therapeutic Systems、ML Laboratories、Qdose and Vecturaを含むいくつかの販売者から入手することができる。よく用いられるものは、2回以上の治療的用量を考慮した多用量DPI(「MDDPI」)システムである。MDDPI装置は、AstraZeneca、GlaxoWellcome、IVAX、Schering Plough、SkyePharmaおよびVecturaなどの各社から入手できる。例えば、吸入器または通気器に用いるゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物の粉末混合物とラクトースまたはデンプンなど、これらのシステムに好適な粉末基剤を含有させて製造することができる。
式Iの化合物を肺へ送達するのに使用可能な別のタイプの装置として、例えば、Aradigm Corporationから供給されている液体噴霧装置がある。液体噴霧装置は、極めて小さなノズル孔を用いて液体薬剤製剤をエアゾール化する(これはその後、肺へ直接吸入され得る)。
好ましい実施形態では、式Iの化合物を肺へ送達するためにネブライザー装置が用いられる。ネブライザーは、例えば、容易に吸入することができる微粒子を形成するために超音波エネルギーを用いることにより、液体薬剤製剤からエアゾールを作り出す(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるVerschoyle et al., British J. Cancer, 1999, 80, Suppl 2, 96参照)。ネブライザーの例としては、Sheffield/Systemic Pulmonary Delivery Ltd. (出典明示により本明細書の一部とされるArmer et al., 米国特許第5,954,047号; van der Linden et al., 米国特許第5,950,619号; van der Linden et al., 米国特許第5,970,974号参照)、AventisおよびBatelle Pumonary Therapeuticsが供給している装置が挙げられる。
特定の好ましい実施形態では、式Iの化合物を肺へ送達するために電気流体力学的(「EHD」)エアゾール装置が用いられる。EHDエアゾール装置は液体薬剤溶液または懸濁液をエアゾール化するために電気エネルギーを用いる(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるNoakes et al., 米国特許第4,765,539号; Coffee, 米国特許第4,962,885号; Coffee, PCT出願WO94/12285; Coffee, PCT出願WO94/14543; Coffee, PCT出願WO95/26234、Coffee, PCT出願WO95/26235、Coffee, PCT出願WO95/32807参照)。式Iの化合物製剤の電気化学的特性は、EHDエアゾール装置を用いてこの化合物を肺へ送達する際に至適化すべき重要なパラメータであり、このような至適化は当業者が通常に行っていることである。EHDエアゾール装置は、既存の肺送達技術よりも効率的に肺へ薬剤を送達し得る。式Iの化合物の肺送達の他の方法は当業者に公知のものであり、本発明の範囲内である。
ネブライザーおよび液体噴霧装置およびEHDエアゾール装置とともに用いるのに好適な液体薬剤製剤は一般に式Iの化合物を医薬上許容される担体とともに含む。好ましくは、この医薬上許容される担体はアルコール、水、ポリエチレングリコールまたはペルフルオロカーボンなどの液体である。所望により、式Iの化合物の溶液または懸濁液のエアゾール特性を変化させるために別の材料を加えてもよい。好ましくは、この材料は、アルコール、グリコール、ポリグリコールまたは脂肪酸などの液体である。エアゾール装置で用いるのに好適な液体薬剤溶液または懸濁液を製造する他の方法は当業者に公知のものである(例えば、出典明示により本明細書の一部とされるBiesalski, 米国特許第5,112,598号; Biesalski, 同第5,556,611号参照)。式Iの化合物は、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤を含有する坐剤または保留浣腸といった直腸用または膣用組成物として処方することもできる。
これまでに記載した製剤の他、式Iの化合物はまたデポー製剤として処方することもできる。このような長期作用製剤は移植により(例えば、皮下もしくは筋肉内)または筋肉注射により投与することができる。従って、例えば、これらの化合物は好適な高分子材料または疎水性組成物(例えば、許容される油中のエマルションとして)もしくはイオン交換樹脂とともに、または難溶性の誘導体として、例えば難溶性の塩として処方することができる。
あるいは、他の医薬送達系も使用可能である。リポソームおよびエマルションは式Iの化合物を送達するために使用可能な送達ビヒクルのよく知られた例である。ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒も使用可能であるが、通常、毒性がより高い。また、式Iの化合物は徐放系で送達することもできる。一実施形態では、ポンプが使用可能である(Sefton, CRC Crit. Ref Biomed Eng., 1987, 14, 201; Buchwald et al., Surgery, 1980, 88, 507; Saudek et al., N. Engl. J. Med., 1989, 321, 574)。他の実施形態では、高分子材料が使用可能である(Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Fla. (1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984); Ranger and Peppas, J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem., 1983, 23, 61参照、また、Levy et al., Science, 1985, 228, 190; During et al., Ann. Neurol., 1989,25,351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71, 105も参照)。さらに他の実施形態では、徐放系を本発明の化合物の標的、例えば、肺に近接して置くことができるので、全身用量の一部しか必要としない(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, 前掲, vol. 2, pp. 115 (1984)参照)。他の徐放系も使用可能である(例えば、Langer, Science, 1990, 249, 1527)。
好適な賦形剤(例えば、担体および希釈剤)および本発明に包含される粘膜投与形を提供するのに使用可能な他の材料は製薬業者に周知のものであり、所与の医薬組成物または投与形を投与する特定の部位または方法によって異なる。このことを考慮すれば、典型的な賦形剤としては、限定されるものではないが、水、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびその混合物が挙げられ、これらは無毒で医薬上許容されるものである。このような付加的成分の例は当技術分野で周知のものである。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th eds., Mack Publishing, Easton PA (1990)参照。
また、1以上の有効成分の送達を向上させるために、医薬組成物または投与形のpH、または医薬組成物または投与形を適用する組織のpHを調整することもできる。同様に、送達性を向上させるために、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または張力を調整することもできる。また、1以上の有効成分の親水性または親油性を送達性の向上に有利に変化させるため、医薬組成物または投与形にステアリン酸塩などの化合物を添加することもできる。この場合、ステアリン酸塩は製剤の脂質ビヒクルとしても、かつ、乳化剤または界面活性剤としても、かつ、送達促進剤または浸透促進剤としても働き得る。得られた組成物の特性をさらに調整するためには、有効成分の種々の塩、水和物または溶媒和物を使用することができる。
キット
本発明は、C型肝炎ウイルス感染の処置または予防に有用な式Iの化合物を含む1以上の容器を含んだ医薬パックまたはキットを提供する。他の実施形態では、本発明は、C型肝炎ウイルス感染の処置または予防に有用な式Iの化合物を含む1以上の容器と、限定されるものではないが、上記の第5.2.2節に挙げたもの、特に抗ウイルス薬、インターフェロン、ウイルス酵素を阻害する薬剤、またはウイルス複製を阻害する薬剤をはじめとする付加的な治療薬(好ましくは、この付加的な治療薬はHCV特異的であるか、または抗HCV活性を示す)を含む1以上の容器とを含んだ医薬パックまたはキットを提供する。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の1以上の成分を含む1以上の容器を含んだ医薬パックまたはキットを提供する。所望により、このような容器に、医薬品または生物製品の製造、使用または販売を規制する政府機関が示した書式で、ヒト投与用に製造、使用または販売が当局により認可されたものであることを示す表示を添えることもできる。
本発明薬剤は、容易に入手できる出発材料を用い、当技術分野で公知の一般技術を使用し、下記の反応経路および合成スキームを用いて製造することができる。本発明の非限定的化合物の合成は、例えば、干渉基を適宜保護すること、当技術分野で公知の他の好適な試薬に変更すること、あるいは反応条件の通常の改変を行うことなど、当業者に明らかな改変によって首尾よく行うことができる。あるいは、本明細書に開示されているか、または当技術分野で一般に公知の他の反応を、本発明の他の化合物を製造するためにも適用可能であるものと認識される。
化合物の製造
下記の合成スキームでは、特に断りのない限り、温度は全て摂氏で示し、部およびパーセンテージは全て重量に対するものである。試薬はAldrich Chemical CompanyまたはLancaster Synthesis Ltd.などの商業的供給者から購入し、特に断りのない限りさらに精製することなく使用した。テトラヒドロフラン(THF)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)はAldrichから密封瓶(Sure Seal bottle)で購入し、そのまま使用した。特に断りのない限り、以下の溶媒および試薬は、乾燥窒素ブランケット下で蒸留した。THFおよびEtOはNa−ベンゾフェノンケチルから蒸留し;CHCl、ジイソプロピルアミン、ピリジンおよびEtNはCaHから蒸留し;MeCNはまずPから蒸留した後にCaHから蒸留し;MeOHはMgから蒸留し;PhMe、EtOAcおよびi−PrOAcはCaHから蒸留し;TFAAは乾燥アルゴン下で単に大気圧蒸留することにより精製した。
下記に示す反応は、一般に、無水溶媒中にて(特に断りのない限り)周囲温度、アルゴン加圧下で行い、反応フラスコには、シリンジを通じて基質および試薬を導入するためのゴムセプタムを取り付けた。ガラス製品はオーブン乾燥させ、かつ/または、熱乾燥させた。反応はTLCによって評価し、出発材料が消費されたと判断された際に停止させた。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アルミニウムで裏打ちされたシリカゲル60 F254 0.2mmプレート(EM Science)上で行い、UV光(254nm)で可視化した後、市販のエタノール性リンモリブデン酸とともに加熱した。分取薄層クロマトグラフィー(TLC)は、アルミニウムで裏打ちされたシリカゲル60 F254 1.0mmプレート(EM Science)上で行い、UV光(254nm)で可視化した。
後処理は、一般に反応溶媒または抽出溶媒で反応体積を2倍量とした後、特に断りのない限り抽出体積の25容量%を用いて指定の水性溶液で洗浄することにより行った。生成物の溶液を、無水NaSOおよび/またはMgSOで乾燥させた後、濾過し、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧蒸発させ、溶媒を真空除去した。カラムクロマトグラフィーは、230〜400メッシュシリカゲルまたは50〜200メッシュ中性アルミナを用いて加圧下で行った。水素化分解は実施例に示された圧力または常圧で行った。
H−NMRスペクトルはVarian Mercury-VX400装置にて、400MHzで作動させて記録したものであり、13C−NMRスペクトルは75MHzで作動させて記録したものである。NMRスペクトルは、参照標準としてクロロホルム(7.27ppmおよび77.00ppm)、CDOD(3.4および4.8ppm、ならびに49.3ppm)、DMSO−d、あるいは適当であれば内部標準としてテトラメチルシラン(0.00ppm)を用いて、CDC1溶液として得た(ppmで表示)。必要に応じて他のNMR溶媒も使用した。ピーク多重度が示されている場合には、次の略号を用いている:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br(ブロード)、dd(ダブル二重項)、dt(ダブル三重項)。カップリング定数が示されている場合はヘルツ(Hz)で表示されている。
赤外スペクトル(IR)は、ニートオイルとして、KBrペレットとして、またはCDCl溶液としてFT−IR分光計で記録し、示されている場合には波数(cm−1)で表示されている。表示されている質量スペクトルはAnadys Pharmaceuticals, Inc.の分析化学部門によって行なわれた(+)−ES LC/MSである。元素分析はジョージア州ノークロスのAtlantic Microlab, Inc.により行われたものである。融点(mp)はオープンキャピラリー装置で測定したものであり、補正は行っていない。
記載の合成経路および実験手順では多くの一般的な化学略号を用いている。THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EtOAc(酢酸エチル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン)、DCM(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン)、MCPBA(3−クロロペルオキシ安息香酸)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル))−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物)、TFAA(無水トリフルオロ酢酸)、pyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、BOC(tert−ブトキシカルボニル)、2,2−DMP(2,2−ジメトキシプロパン)、IPA(イソプロピルアルコール)、TEA(トリエチルアミン)、DCE(1,2−ジクロロエタン)、PPTS(p−トルエンスルホン酸ピリジニウム)、DEAD(ジエチルアゾジカルボキシレート)、PS(ポリマー支持)、HF(フッ化水素)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、Val(バリン)、Phe(フェニルアラニン)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、TLC(薄層クロマトグラフィー)など。
スキーム1は、5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンの5'−アミノ酸エステルを製造するための一般的な手順を示している。
スキーム1
Figure 2008501792
典型的な合成経路においては、まず、5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンのβ−D−リボース部分の2',3'−ヒドロキシル基を、好ましくは2で示されているようにアセトニドで保護する。次に、遊離の5'−ヒドロキシルに対してN−保護アミノ酸を用いた種々のエステル化法を行い、IIaを形成する。その後、アミノ酸エステルの窒素およびリボースユニットの2',3'−ヒドロキシルに種々の脱保護条件を行った(好ましくは同時に)後、IIで示されるアミノ酸エステルの遊離アミンの塩を形成する。
実施例1: 5−アミノ−3−(5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン二塩酸塩(3)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)の製造
250mLのモートンフラスコに入った、アセトン(40mL)中、1(5.37g、17.0mmol、出典明示によりそのまま本明細書の一部とされる米国特許第5,041,426号(実施例2)に示されている手順に従って製造されたもの)の不均一な混合物に、室温で2,2−DMP(6.26mL、50.9mmol)、DMSO(6.6mL)およびMeSOH(220μL、3.39mmol)を連続的に加えた。反応混合物を激しく攪拌すると、ジオールが消費されるにつれ均一で黄金色になった。TLC分析(SiO、10%MeOH−CHCl)により、反応の完了が6時間後であることが示された。溶解していない固体を溝付きのワットマン1型濾紙を用いて重力濾過により除去した。この後、濾液を10倍量の氷水(〜400mL)中に注ぎ込んだところ、すぐに白色固体が沈澱した。短時間攪拌した後、水(10mL)に溶解させたNaHCO(285mg、3.39mmol)を加えてこのMeSOHを中和した。モートン反応器中で激しく15分間攪拌を続けた後、この混合物を目の粗い焼結ガラス漏斗で濾過した。固体材料を氷水(100mL)で洗浄し、風乾させた後、高真空下65℃でさらに乾燥させ、5.36g(88%)のアセトニド2を白色固体として得た。融点280〜81℃。1H (DMSO-d6) δ1.28 (s, 3H), 1.47 (s, 3H), 3.43-3.55 (m, 2H), 3.95-3.99 (m, 1H), 4.77-4.80 (m, 1H), 4.88-4.91 (m, 1H), 5.24-5.26 (m, 1H), 5.99 (s, 1H), 6.97 (br s, 2H), 11.25 (s, 1H)。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(4)の製造
THF(9mL)中、N−ブトキシカルボニル−(L)−バリン(671mg、2.81mmol)の溶液に、0℃でEDC(588mg、3.07mmol)を加えた。得られた不均一混合物を0℃で45分攪拌したところ、その時点で均一になり、上記工程1の固体アセトニド2(1.00g、2.81mmol)を一度に加えた。その後、固体DMAP(522mg、4.27mmol)を加えた。反応混合物を室温にし、さらに5時間攪拌し、その後、25℃にてロータリーエバポレーターで濃縮して黄色シロップとした。残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、1N HCl(10mL)で分液した後、飽和NaHCO水溶液(10mL)で酸を中和した。酸性水相をさらにEtOAc(2×50mL)で抽出した後、塩基性水相で分液した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、SiOのショートパッドで濾過し、濃縮し、1.480g(96%)のBoc−保護アミノ酸エステル4を泡沫としてを得た。融点158℃(分解)。1H (CDCl3)δ0.86 (d, J = 7.0, 3H), 0.95 (d, J = 7.0, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.44 (s, 9H), 1.56 (s, 3H), 1.75 (br s, 1H), 2.08-2.19 (m, 1H), 4.20-4.24 (m, 2H), 4.30-4.37 (m, 1H), 4.56 (dd, J = 11.0, 5.9, 1H), 4.96 (dd, J = 6.2, 3.7, 1H), 5.11 (br d, J = 8.8, 1H), 5.29 (br d, J = 6.6, 1H), 5.88 (br s, 2H), 6.23 (s, 1H)。
工程3: 5−アミノ−3−(5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン二塩酸塩(3)の製造
HClガス流を濃HSOのバブラーに通した後、0℃で、飽和溶液が得られるまで乾燥酢酸イソプロピル(80mL)の入った250mlの三つ口モートンフラスコ中へ(フリット付き散布管を介して)送った。これに、酢酸イソプロピル(30mL)中、上記工程2から得られたBoc−アミノ酸エステル(5.53g,9.95mmol)の溶液を加えると、5分以内に白色固体沈澱が生じた。これに10%(v/v)IPA(11mL)を加えた。反応混合物を室温まで昇温した後、12時間攪拌した。この不均一な反応混合物を乾燥トルエン(100mL)で希釈した。N下で、空隙が中程度の焼結ガラス漏斗を用いて濾過することで灰白色の非晶質固体を得た。この固体を乾燥THF中でトリチュレーションした後、濾過し、65℃で真空乾燥させ、3.677g(81%)の標題化合物3を白色固体として得た。融点166〜68℃(分解)。1H (DMSO-d6) δ0.90 (d, J = 7.0, 3H), 0.94 (d, J = 7.0, 3H), 2.14-2.18 (m, 1H), 3.83-3.85 (m, 1H), 3.96-4.00 (m, 1H), 4.23-4.28 (m, 2H), 4.42 (dd, J = 11.7, 3.4, 1H), 4.75 (dd, J = 10.3, 5.5, 1H), 5.81 (d, J = 4.4, 1H), 6.46 (br s, 3H), 7.23 (br s, 2H), 8.47 (s, 3H), 11.5 (br s, 1H)。C15H21N5O7S・2HClに関する元素分析:理論値: C, 36.89; H, 4.75; Cl, 14.52; N, 14.34; S, 6.57; 実測値: C, 37.03: H, 4.74; Cl, 14.26; N, 14.24; S, 6.42。
実施例2: 5−アミノ−3−(5'−O−L−イソロイシル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン3/2塩酸塩(5)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジニン−2,7−ジオン(6)の製造
実施例1の工程2と同様の方法で、5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン2およびN−tert−ブトキシ−L−イソロイシン7から、5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−L−イソロイシル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン6を収率93%で灰白色の泡沫として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.29 (s, 1H), 7.09 (d, J = 8.0, 1H), 7.02 (br s, 1H), 6.02 (s, 1H), 5.28 (d, J = 6.2, 1H), 5.06 (br s, 1H), 4.16-4.22 (m, 2H), 3.85 (dd, J = 8.0, 6.6, 1H), 1.68 (br s, 1H), 1.47 (s, 3H), 1.34 (s, 9H), 1.29 (s, 3H), 0.71-0.89 (m, 5H)。
工程2: 5−アミノ−3−(5'−O−L−イソロイシル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン二塩酸塩(5)の製造
実施例2の工程3と同様の方法で、標題化合物を上記中間体から収率80%で白色固体として製造した。融点173〜174℃(分解)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.41 (br s, 1H), 8.41 (br s, 3H), 7.15 (br s, 2H), 5.82 (d, J = 4.8, 1H), 4.50-5.00 (m, 2H), 4.40 (dd, J = 11.7, 3.3, 1H), 4.21-4.30 (m, 2H), 3.91-4.0 (m, 2H), 1.84-1.91 (m, 1H), 1.37-1.44 (m, 1H), 1.19-1.27 (m, 1H), 0.80-0.87 (m, 6H)。C16H23N5O7S・3/2HClに関する元素分析:理論値: C, 39.69; H, 5.10; N, 14.47; Cl, 10.98; S, 6.62; 実測値: C, 39.05; H, 5.13; N, 13.73; Cl, 11.08; S, 6.02。
実施例3: 5−アミノ−3−(5'−O−[α−L−tert−ブチルグリシニル]−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(8)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシ−カルボニル−[α−L−tert−ブチルグリシル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(9)の製造
実施例1の工程2と同様の方法で、5−アミノ−3−(2,3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン2およびN−α−L−tert−ブトキシグリシンから、5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−[α−L−tert−ブチルグリシニル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン10を収率66%で灰白色の泡沫として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.28 (br s, 1H), 6.70-7.40 (m, 3H), 6.02 (s, 1H), 5.30 (d, J = 6.2, 1H), 5.05 (br s, 1H), 4.17-4.24 (m, 3 H), 3.77 (d, J = 8.4, 1H), 1.47 (s, 3H), 1.33 (s, 9H), 1.29 (s, 3H), 0.85 (s, 9H)。
工程2: 5−アミノ−3−(5'−O−[α−L−tert−ブチルグリシル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン (8)の製造
実施例1の工程3と同様の方法で、標題化合物8を上記中間体から収率80%で白色固体として製造した。融点202〜203℃(分解)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.35 (br s, 1H), 8.31 (br s, 3H), 7.08 (br s, 2H), 5.83 (d, J = 4.0, 1H), 5.45 (br s, 1H), 5.21 (br s, 1H), 4.77-4.82 (m, 1H), 4.42 (dd, J = 11.4, 2.6, 1H), 4.23-4.28 (m, 1H), 3.96-4.04 (m, 1H), 3.74 (s, 1H), 0.97 (s, 9H)。 C16H23N5O7S・HClに関する元素分析:理論値: C, 41.25; H, 5.19; N, 15.03; Cl, 7.61; S, 6.88; 実測値: C, 40.41; H, 5.41; N, 14.16; Cl, 7.01; S, 6.23。
実施例4: 5−アミノ−3−(5'−O−[α−L−N−メチルバレニル]−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(11)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−[α−L−N−メチルバレニル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(12)の製造
実施例1の工程2と同様の方法で、5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン2およびN−tert−ブトキシ−L−N−メチルバリン13から、5−アミノ−3−(2',3'−O−イソプロピリデン−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−[α−L−N−メチルバリニル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン12を収率63%で灰白色の泡沫として製造した。1H NMR(400MHz, d6-DMSO)回転異性体のカルバミン酸δ11.28 (br s, 1H), 7.00 (br s, 2H), 6.02 (s, 1H), 5.27 (d, J = 6.6, 1H), 5.04 (br s, 1H), 4.14-4.28 (m, 3H), 3.91 (d, J = 9.5, 1H), 2.79 (br s, 3H), 2.09 (br s, 1H), 1.46 (s, 3H), 1.36 (s, 4.5H), 1.32 (s, 4.5H), 1.28 (s, 3H), 0.78-0.89 (m, 6H)。
工程2: 5−アミノ−3−(5'−O−[α−L−N−メチルバレニル]−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(11)
実施例1の工程3と同様の方法で、標題化合物11を上記中間体から収率60%でわずかに不純物を含んだ白色固体として製造した。融点>180℃(分解)。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.31 (br s, 1H), 9.05 (br s, 2H), 7.05 (br s, 2H), 5.83 (d, J = 4.4, 1H), 5.46 (br s, 1H), 5.21 (br s, 1H), 4.76-4.82 (m, 1H), 4.42-4.48 (m, 1H), 4.28-4.38 (m, 1H), 4.22-4.28 (m, 1H), 3.94-4.04 (m, 2H), 2.54 (br s, 3H), 2.23 (br s, 1H), 0.98 (d, J = 7.0, 3H), 0.88 (d, J = 7.0, 3H)。C16H23N5O7S・HClに関する元素分析: 理論値: C, 41.25; H, 5.02; N, 15.03; S, 6.88; Cl, 7.61;実測値: C, 40.57; H, 5.37; N, 13.57; S, 6.16; Cl, 7.29。
スキーム2
スキーム2は、5−アミノ−7−メトキシ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンおよび5,7−ジアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを製造するための一般的な手順を示している。
Figure 2008501792
実施例5: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−7−メトキシ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(14)
無水の1(2.0g、6.3mmol)をアルゴン雰囲気下で乾燥ピリジンに溶解させた。この溶液を0℃に冷却し、その混合物にTFAA(13.3g、63mmol)を滴下した。5分後、この反応物を60℃の油浴中に1.5時間入れ、ピリジニウム陽イオンが形成されているかどうかをTLC(SiO、20%MeOH−CHCl)によりモニタリングした。0.2Rの出発材料は、254nmのUV光を当てた際に青色の蛍光を発するベースラインスポットに変換されていた。活性型の中間体へ変換されたところで、その反応物に新しく調製したナトリウムメトキシド(1.8gNa、78mmol、300mlメタノール)溶液を0℃で加えた。この反応物を室温まで昇温し、2日間反応を進行させた。その後、この混合物を1M NHCl(100mL)でクエンチし、25%IPA−CHCl(5×100mL)で抽出した。この粗材料をシリカゲルプラグで濾過した後、濃縮し、1.6g(75%)の標題化合物14を得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水:メタノール:酢酸エチル 5:10:85)によって白色固体として得た。融点>160℃(分解)。[M+H]+ 330.9, [2M+H]+ 661.1, [3M+H]+ 991.0; Rf = 0.6 (20% MeOH-CHCl3); 融点200.4℃〜200.9℃; 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ6.92 (s, 2H), 5.86 (d, J = 5.2, 1H), 5.28 (d, J = 5.6, 1H), 4.96 (d, J = 5.2, 1H), 4.78 (dd, J = 10.8, 5.6, 1H), 4.67 (t, J = 6.0, 1H), 4.07-4.10 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.70-3.80 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 3.40-3.45 (m, 1H)。C11H14N4O6Sに関する元素分析: 理論値: C, 40.00; H, 4.27; N, 16.96; S, 9.71; 実測値: C, 40.07; H, 4.43; N, 16.71; S, 9.53。
実施例6: 5,7−ジアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(15)
無水の1(0.3g、0.9mmol)をアルゴン雰囲気下で乾燥ピリジンに溶解させた。この溶液を0℃に冷却した後、その混合物にTFAA(1.2mL、9.5mmol)を滴下した。5分後、この反応物を60℃の油浴中に1.5時間入れ、ピリジニウム陽イオンが形成されているかどうかをTLC(20%MeOH−CHCl)によりモニタリングした。0.2Rの出発材料は、254nmのUV光を当てた際に青色の蛍光を発するベースラインスポットに変換されていた。活性型の中間体へ変換されたところで、この反応フラスコを氷浴中に入れた。温度が平衡状態になった後、30%NH水溶液(25mL)を、発熱が終わるまで滴下し、その後残りを加えた。分析TLC R0.25(SiO、20%MeOH−CHCl)により示されるように、数分以内に生成物が生じていた。このフラスコを室温まで30分かけて温めた後、この水溶液を回転真空下で脱気し、その後、25%IPA−CHCl(5×100mL)で抽出した。この生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10%MeOH−CHCl)に付し、55mg(17%)の、わずかに不純物を含んだ標題化合物15を得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc、5:10:85)により白色固体として得た。融点>155℃(分解)。[M+H]+ 316.0; Rf = 0.25 (SiO2, 20% MeOH-CHCl3); 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ6.76 (s, 2H), 6.14(s, 2H), 5.85 (d, J = 5.2, 1H), 5.22 (d, J = 4.8, 1H), 4.92 (d, J = 2.8, 1H), 4.70-4.83 (m, 2H), 4.05-4.10 (m, 1H), 3.65-3.80 (m, 1H), 3.52-3.62 (m, 1H) 3.40-3.50 (m, 1H)。C10H13N5O5S・1/2H2Oに関する元素分析: 理論値: C, 37.03; H, 4.35; N, 21.59; S, 9.89; 実測値: C, 37.27; H, 4.32; N, 20.43; S, 10.11。
スキーム3
Figure 2008501792
実施例7: 5−アミノ−7−メチルアミノ−3−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(18)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7(6H)−ジオン(16)の製造
無水の1(8.0g、39.5mmol)を乾燥ピリジン(65mL)に溶解させた。DMAP(3.1g、25.3mmol)および無水酢酸(19.1mL、202.4mmol)を順次加えた。室温で2時間反応を進行させたところで、飽和NaHCO(100mL)でクエンチし、DCM(3×200mL)で抽出した。有機相を濃縮した後、エーテルでトリチュレーションした。これにより12.5g(103%)の、わずかに不純物を含む5−アセチルアミノ−3−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2,7(6H)−ジオン(16)を白色固体として得た。融点246.7〜248.1℃; Rf = 0.20 (SiO2, 50% EtOAc-CHCl3); 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ12.23 (s, 1H), 11.85 (s, 1H), 5.97 (m, 2H), 5.48 (t, J = 6, 1H), 4.35-4.40 (m, 1H), 4.25-4.31 (m, 1H), 4.08-4.18 (m, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 2.00 (s, 3H)。
工程2: 5−アセチルアミノ−7−(2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼンスルホニルオキシ)−3−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(17)の製造
上記工程1から得られた中間体(500mg、0.98mmol)を周囲温度でDCM(15mL)に溶解させた。この溶液にDMAP(7.3mg、0.06mmol)およびTEA(16ml、11mmol)を加えた後に2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド(454mg、1.5mmol)を加えた。1時間後反応は完了し、この粗混合物を濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(SiO,10%EtOAc−CHCl)により精製し、690mg(92%)の5−アセチルアミノ−7−(2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼンスルホニルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを泡状の白色固体17として得た。74.5〜76.3℃; Rf = 0.7 (SiO2, 20% EtOAc-CHCl3); 1H (400MHz, d6-DMSO)δ10.83 (s, 1H), 7.39 (s, 2H), 6.03 (d, J = 4.0, 1H), 5.91-5.96 (m, 1H), 5.69 (t, J = 6.4, 1H), 4.30-4.70 (m, 1H), 4.22-4.26 (m, 1H), 4.16-4.20 (m, 1H), 3.90-4.00 (m, 2H), 2.97-3.01 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.88 (s, 3H), 1.17-1.25 (m, 18H)。
工程3: 5−アセチルアミノ−7−メチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(19)の製造
上記工程2から得られた中間体(1.7g、2.27mmol)を周囲温度でジオキサン(20mL)に溶解させた。これにメタノール中2.0Mのメチルアミン溶液(3.4mL、6.8mmol)を加えた。2時間後、出発材料が消費された。この反応混合物を濃縮した後、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、勾配溶出、20〜80%EtOAc−CHCl)により精製し、945mg(83%)の純粋な標題化合物を黄色オイル状物として得た。[M+H]+ 498.2, [2M+H]+ 995.4; Rf = 0.55 (10% CH3OH-CHCl3); 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ10.13 (s, 1H), 7.70 (d, J = 4.41, 1H), 5.95-6.02 (m, 2H), 5.69 (s, 1H), 4.35-4.39 (m, 1H), 4.16-4.23 (m, 2H), 2.90 (d, J = 4.8, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.00 (s, 3H)。
工程4: 5−アミノ−7−メチルアミノ−3−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(18)の製造
上記工程3から得られた中間体(420mg、0.85mmol)をジオキサン(4mL)に溶解させ、この溶液に1M LiOH(8.5mL、8.5mmol)を加えた。O−アセチル基を40分以内に除去し、R=0.15(SiO,5%MeOH−EtOAc)で中間体を得た。2時間後、TLC R=0.20(SiO,5%MeOH−EtOAc)に示されたように、N−アセチル基が除去されていた。この反応混合物を化学量論量の酢酸で中和し、25%IPA−CHClで抽出した後に濃縮し、195mg(70%)の18を得た。標題化合物18の分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc、10:20:70)により白色固体として得た。[M+H]+ 330.0; Rf = 0.20 (5% MeOH-EtOAc);融点>108℃;1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ7.06 (d, J = 3.6, 1H), 6.24 (s, 2H), 5.85 (d, J = 5.2, 1H), 5.22 (d, J = 4.8, 1H), 4.93 (d, J = 5.2, 1H), 4.70-4.80 (m, 2H), 4.07 (d, J = 4.8, 1H), 3.75 (d, J = 4.4, 1H), 3.5-3.6 (m, 1H), 3.40-3.50 (m, 1H), 2.82 (d, J = 4.4, 3H)。
実施例8: 5−アミノ−7−ジメチルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(20)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−ジメチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程2と同様の方法で、5−アセチルアミノ−7−ジメチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを収率80%で黄色オイル状物として得た。M+ 511.14; Rf = 0.70 (SiO2, 10% MeOH-CHCl3); 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ10.15 (s, 1H), 6.10-6.15 (m, 1H), 5.98-6.09 (m, 1H), 5.5.66-5.70 (m, 1H), 4.35-4.40 (m, 1H), 4.22-4.27 (m, 1H), 4.14-4.08 (m, 1H), 3.18 (s, 6H), 2.19 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.99 (s, 3H)。
工程2: 5−アミノ−7−ジメチルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(20)の製造
実施例7の工程3と同様の方法で、標題化合物20を収率82%で得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc,10:20:70)により白色固体として得た。[M+H]+ 344.0; [2M+H]+ 687.4;融点>112℃;Rf = 0.20 (5% MeOH-EtOAc); 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ6.27 (s, 2H), 5.91 (d, J = 4.8, 1H), 5.22 (d, J = 6.0, 1H), 4.93 (d, J = 5.2, 1H), 4.71-4.76 (m, 2H), 4.07-4.09 (m, 1H), 3.7-3.8 (m, 1H), 3.5-3.6 (m, 1H), 3.5-3.6 (m, 1H), 3.09 (s, 6H)。C12H17N5O5Sに関する元素分析:理論値: C, 41.98; H, 4.99; N, 20.40; 実測値: C, 41.32; H, 5.14; N, 18.59。
実施例9: 5−アミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン一塩酸塩(21)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例3の工程2と同様の方法で、5−アセチルアミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを収率80%で黄色オイル状物として得た。Rf = 0.45 (SiO2, 75% EtOAc-CHCl3); 1H NMR (400MHz, D6-DMSO)δ10.11 (s, 1H), 7.87 (d, J = 2.8, 1H), 5.98-6.01 (m, 1H), 5.70-5.76 (s, 1H), 4.32-4.39 (m, 1H), 4.16-4.30 (m, 2H), 3.85 (s, 1H), 2.87 (s, 1H), 2.25 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 0.73-0.76 (m, 2H), 0.57-0.60 (m, 2H)。
工程2: 5−アミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程3と同様の方法で、5−アミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを収率79%で得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc,10:20:70)により白色固体として得た。Rf = 0.20 (5% MeOH-EtOAc);融点>100℃;[M+H]+ 356.0; 1H (400MHz, d6-DMSO)δ7.24 (s, 1H), 6.28 (s, 2H), 5.86 (d, J = 5.6, 1H), 5.22 (d, J = 6, 1H), 4.92 (d, J = 5.2, 1H), 4.70-4.80 (m, 2H), 4.05-4.10 (m, 1H), 3.7-3.8 (m, 1H), 3.5-3.6 (m, 1H), 3.45-3.50 (m, 1H), 2.8 (s, 1H), 0.68-0.70 (m, 2H), 0.54-0.57 (m, 2H)。
工程3: 5−アミノ−7−シクロプロピルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン塩酸塩(21)の製造
激しく攪拌しているジオキサン中4MのHClに上記工程2で製造した固体材料を添加することにより標題化合物を白色固体として得た。融点>99℃;1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ7.25 (d, 1H, J = 2.8, 1H), 6.23 (s, 2H), 5.87 (d, J = 5.2, 1H), 5.21 (bs, 1H), 4.98 (bs, 1H), 4.73-4.79 (m, 2H), 4.09 (t, J = 5.6, 1H), 3.72-3.79 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 3.45-3.37 (m, 1H), 2.75-2.82 (m, 1H), 0.72-0.79 (m, 2H), 0.55-0.63 (m, 2H)。C13H17N5O5S・HClに関する元素分析:理論値: C, 39.85; H, 4.63; N, 17.87; Cl, 9.05;実測値: C, 39.66; H, 4.85; N, 16.57; Cl, 8.13。
実施例10: 5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(22)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−ピロリジノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程2と同様の方法で、5−アセチルアミノ−7−ピロリジノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを収率70%で得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc,10:20:70)により白色固体として得た。融点>108℃(分解)。Rf = 0.80(酢酸エチル中、水10%およびメタノール20%);[M+H]+ 384.0; 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ7.00 (d, J = 7.2, 1H), 6.17 (s, 2H), 5.18 (d, J = 5.2, 1H), 5.21 (d, J = 5.6, 1H), 4.92 (d, J = 5.6, 1H), 4.74-4.80 (m, 2H), 4.30-4.35 (m, 1H), 4.05-4.10 (m, 1H), 3.70-3.80 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 3.30-3.45 (m, 1H), 1.40-2.0 (m, 8H)。
工程2: 5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程3と同様の方法で、標題化合物22を収率70%で得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc,10:20:70)により白色固体として得た。融点>108℃(分解); Rf = 0.80 (酢酸エチル中、水10%およびメタノール20%);[M+H]+ 384.0; 1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ7.00 (d, J = 7.2, 1H), 6.17 (s, 2H), 5.18 (d, J = 5.2, 1H), 5.21 (d, J = 5.6, 1H), 4.92 (d, J = 5.6, 1H), 4.74-4.80 (m, 2H), 4.30-4.35 (m, 1H), 4.05-4.10 (m, 1H), 3.70-3.80 (m, 1H), 3.55-3.60 (m, 1H), 3.30-3.45 (m, 1H), 1.40-2.0 (m, 8H)。
実施例11: 5−アミノ−7−ピロリジノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(23)
Figure 2008501792
工程1): 5−アセチルアミノ−7−ピロリジノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程2と同様の方法で、5−アセチルアミノ−7−ピロリジノ−3−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを収率79%で黄色オイル状物として得た。[M+H]+ 538.1; Rf = 0.80 (SiO2, 水-MeOH-EtOAc, 10:20:70); 1H (400MHz, D6-DMSO)δ10.04 (s, 1H), 5.97-6.02 (m, 2H), 5.68 (s, 1H), 4.38 (dd, J = 11.6, 3.6, 1H), 4.15-4.23 (m, 2H), 3.58 (s, 4H), 2.23 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.89 (s, 4H)。
工程2: 5−アミノ−7−ピロリジノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例7の工程3と同様の方法で、標題化合物23を収率81%で得た。分析用サンプルは分取TLC(SiO;水−MeOH−EtOAc,10:20:70)により白色固体として得た。融点>112.4℃(分解);[M+H]+ 370.3; 1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.22 (s, 2H), 5.90 (d, J = 4.8, 1H), 5.23 (d, J = 5.2, 1H), 4.94 (d, J = 4.4, 1H), 4.68-4.75 (m, 2H), 4.08 (d, J = 4.8, 1H), 3.71-3.76 (m, 1H), 3.55 (bs, 5H), 3.38-3.54 (m, 1H), 1.87 (s, 4H)。
スキーム4
Figure 2008501792
実施例12: 5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−(5'−O−L−バレニル)−B−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン塩酸塩(24)
酢酸イソプロピル中、無水塩化水素の溶液に、0℃で激しく攪拌しながら、中間体Bを溶解させ、室温まで昇温する。この不均一混合物に酢酸イソプロピルを追加する。この反応混合物をさらに12時間攪拌する。トルエンを加え、生成物を濾過し、真空乾燥させ、目的の二塩酸塩24を得る。
中間体は次のようにして製造した。
5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−(2',3'−O−イゾプロピリデン−B−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(A)
化合物Aは、Kiniらの手順に従い、5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−B−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン22とアセトン、DMSO、メタンスルホン酸および過剰量のジメトキシプロパンの混合物を、出発材料が消費されるまで0℃で攪拌することにより製造する。この反応混合物を氷水に加え、飽和NaHCOでpH7まで中和し、EtOAcで抽出する。有機層を濃縮し、シリカカラムクロマトグラフィーに付し、2',3'−保護ジオール生成物を得る。
5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−(5'−O−(N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリニル)−2',3'−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(B)
0℃下、THF中、1.0当量の(N−tert−ブトキシカルボニル)−L−バリンの溶液に1.1当量のEDCを加える。30分攪拌した後、1.0当量の5−アミノ−7−シクロペンチルアミノ−3−(2',3'−O−イゾプロピリデン−β−D−リボフラノシル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンAと1.5当量のDMAPを加える。この反応混合物を室温まで昇温し、5時間攪拌し、濃縮する。残渣をEtOAcに溶解させ、1N HClで分液し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で中和する。水相をさらにEtOAcで抽出する。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて中間体Bを得、これをシリカカラムクロマトグラフィーにより精製する。
スキーム5a〜5c
スキーム5a〜cは、5−アミノ−7−アルコキシ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを製造するための一般的な手順を示している。
スキーム5a
Figure 2008501792
スキーム5b
Figure 2008501792
スキーム5c
Figure 2008501792
典型的な合成経路では、まず、β−D−リボース部分の2',3',5'−ヒドロキシル基および/または5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンの5−アミノ基を、好ましくは16、25および26に関して示したようにシリルまたはアシル基で保護する。次に、7位のカルボニルに対して種々のアルコールを用いる種々のアルキル化法を行ってIVa、IVb、およびIVcを形成する。次に、このリボースユニットの2',3',5'−ヒドロキシルおよび/または5−アミノ基の窒素を適当な脱保護条件下に置いてVを生じさせる。必要があれば、Vをさらに適宜修飾する。
スキーム6a〜6e
スキーム6a〜6eは、5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを製造するための一般的な手法を示している。
スキーム6a
Figure 2008501792
スキーム6b
Figure 2008501792
スキーム6c
Figure 2008501792
スキーム6d
Figure 2008501792
スキーム6e
Figure 2008501792
他の典型的な合成経路では、そのβ−D−リボースの2',3',5'−ヒドロキシル基および/または5−アミノ基において好ましくは16または25に関して示したようにアシル基で保護した5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン1を、7位のC−7カルボニルを、限定されるものではないがメルカプトおよびハロゲンをはじめとする反応を受けやすい種々の基に変換するための種々の条件下に置くことができる。不均一または均一な反応条件下で反応させた後、リボースユニットの2',3',5'−ヒドロキシルおよび/または5−アミノ基の窒素を適当な脱保護条件下に置いて79を生成する。化合物79は、必要があれば、さらに修飾することができる。別法では、5−アミノ−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンを合成し、さらに適当なβ−D−リボース誘導体を種々のグリコシル化条件下に置く。
スキーム7は、5−アミノ−7置換および7−非置換−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンのエステルを製造するための一般的な手順を示している。
スキーム7
Figure 2008501792
典型的な合成経路では、まず、β−D−リボース部分5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンの5'−ヒドロキシル基を、好ましくは、VIIに関して示したように、適当なシリル基で選択的に保護する。次に、2'−および3'−ヒドロキシル基に対して種々のエステル化法を行ってVIIIを形成することができる。その後、リボースユニットの5'−ヒドロキシルを適当な脱保護条件下に置いてIXを生成する。IXは、必要があれば、さらに適宜修飾することができる。
スキーム8は、5−アミノ−3−(5'−O−アミノ酸エステル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンのエステル化のための一般的な手順を示している。
スキーム8
Figure 2008501792
典型的な合成経路では、まず、IIの5'−アミノ酸エステルのN末端アミンを、好ましくは適当なアルコキシ−カルボニル基で選択的に保護した後、XIに関して示したように2'および3'ヒドロキシル基のエステル化を行う。その後、このN末端アミンを適当な脱保護条件下に置いてXIIを生成する。
スキーム9は、5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオンをその5'−ヒドロキシルにおいてN末端保護ペプチドでエステル化するための一般的な手順を示している。
スキーム9
Figure 2008501792
典型的な合成経路では、2のような5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンの2',3'−ヒドロキシ保護β−D−リボース部分の5'−ヒドロキシル基をN−保護末端アミン(好ましくは、適当なアルコキシ−カルボニル基)ペプチドでエステル化して5'−アミノ酸エステルXIIIを形成する。その後、このN末端アミンと2',3'−ヒドロキシ基は両者とも同時に適当な脱保護条件下に置いてXIVを生成する。
スキーム10は、5−アミノ−7置換および7−非置換−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの5'−エステルを製造するための一般的な手順を示している。
スキーム10
Figure 2008501792
典型的な合成経路では、VIIの場合のように5'−ヒドロキシル保護5−アミノ−3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジンの2'−および3'−ヒドロキシル基を保護する。理想的には、遊離の5'−ヒドロキシル基を、XVで示されるような2'−および3'−ヒドロキシル基を保護する条件下で脱保護する。次に、このリボースユニットの5'−ヒドロキシルを適当なカルボン酸またはその誘導体とともに種々のエステル化条件下に置いてXVIを生成する。その後、このリボースユニットの2',3'−ヒドロキシル基を適当な脱保護条件下に置いてXVIIを生成する。XVIIは、必要があれば、さらに適宜修飾することができる。
実施例13: 5−アミノ−7−イソプロポキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(28)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(16)の製造
無水の1(8.17g、25.7mmol)およびDMAP(3.13g、25.7mmol)を乾燥アセトニトリル(125ml)に懸濁させた。この懸濁液に無水酢酸(24.5ml、257mmol)をゆっくり加えた。この反応フラスコに水冷還流冷却器を取り付け、4.5時間還流させた。次に、この反応混合物を水600ml中に注ぎ込んだ。1時間固体を析出させた。この固体を回収し、乾燥させ、エチルエーテル(80ml)中で18時間トリチュレーションを行った。これにより10.3g(82.5%)の化合物16を黄褐色固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ12.19 (s, 1H), 11.81 (s, 1H), 5.95 (m, 2H), 5.49 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.25 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.00 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 485。Rf = 0.45 (75%酢酸エチル-CHCl3)。C18H20N4O10Sに関する元素分析:理論値: C, 44.63; H, 4.16; N, 11.57; S, 6.62。実測値: C, 44.40; H, 4.18; N, 11.58; S, 6.56。
工程2: 5−アセチルアミノ−7−イソプロポキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(27)の製造
乾燥窒素雰囲気下、火炎乾燥したフラスコに化合物16(650mg、1.34mmol)およびアルゴノート(Argonaut)PS−トリフェニルホスフィン樹脂(4.02mmol、1.86g)を入れた後、乾燥THF(20ml)を加えた。次に、このフラスコを氷浴中で0℃まで冷却した。イソプロパノール(IPA)(0.20ml、2.68mmol)を加えた後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)(0.366ml、2.0mmol)を滴下した。氷浴からフラスコを取り出し、周囲温度まで昇温した。この反応混合物を化合物16が消失したかどうかTLCによりモニタリングした。16が消費されたところで、この固相支持材料を濾去した。粗反応混合物を、クロロホルム中15〜60%の酢酸エチル勾配を用い、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。溶媒を除去し、460mg(64.9%)の27を白色泡沫として得た。MS (+)-ES [M+H]+ m/z 527。Rf = 0.7 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程3: 5−アミノ−7−イソプロポキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(28)の製造
化合物27(600mg、1.14mmol)を乾燥窒素雰囲気下でメタノール(15ml)に溶解させた。KCO(31.5mg、0.2mmol)を加え、この混合物を、定期的にTLC(1:1 THF:クロロホルム)によりモニタリングしながら、18時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(クロロホルム中3%メタノール)により精製した。単離した固体をエチルエーテルでトリチュレーションし、210mg(51%)の純粋な28を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.83 (s, 2H), 5.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.34 (m, 1H), 5.26 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.95 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.67 (m, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.58 (m,1H), 3.43 (m,1H), 1.29 (d, J = 6.4 Hz, 6H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 359, [2M+H]+ m/z 717.3。Rf = 0.2 (50% THF-CHCl3)。C13H18N4O16Sに関する元素分析:理論値: C, 43.57; H, 5.06; N, 15.63; S, 8.95。実測値: C, 43.39; H, 5.07; N, 15.45; S, 8.82。
実施例14: 5−アミノ−7−エトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(30)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−エトキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(29)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびエタノールから29を収率72%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ m/z 513。Rf = 0.45 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−エトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(30)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、29から標題化合物を収率65%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.87 (s, 2H), 5.85 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.78 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.36 (m, 2H), 4.09 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 3.58 (m,1H), 3.40 (m, 1H), 1.29 (m, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 445, [2M+H]+ m/z 689。Rf = 0.2 (50% THF-CHCl3)。C12H16N4O6S・0.25 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 41.31; H, 4.77; N, 16.06; S, 9.19。実測値: C, 41.24; H, 4.71; N, 15.89; S, 9.06。
実施例15: 5−アミノ−7−ベンジルオキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(32)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−ベンジルオキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(31)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびベンジルアルコールから31を収率77%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 575。Rf = 0.55 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−ベンジルオキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(32)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、31から標題化合物を収率62%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.39 (bm, 5H), 6.95 (s, 2H), 5.86 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.43 (s, 2H), 5.28 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.66 (m,1H), 4.09 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.42 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 407, [2M+H] 813。Rf = 0.15 (50% THF-CHCl3)。C17H18N4O16Sに関する元素分析:理論値: C, 50.24; H, 4.46; N, 13.79; S, 7.89。実測値: C, 49.97; H, 4.55; N, 13.44; S, 7.70。
実施例16: 5−アミノ−7−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(34)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オンの製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および4−メトキシル−ベンジルアルコールから33を収率72%で白色泡沫として得た。[M+H]+ 605。Rf = 0.5 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(34)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、33から標題化合物を収率68%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.38 (dd, J = 8,4, 2.0 Hz, 2H), 6.93 (s, 2H), 6.91 (dd, J = 6.8, 2.0 Hz, 2H), 5.85 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 5.27 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2, 1H), 4.78 (m, 2H), 4.65 (m, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.74 (m, 3H), 3.55 (m, 1H), 3.41 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 437, [2M+H]+ 873。Rf = 0.3 (50% THF-CHCl3)。C18H20N4O7S・1.0 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 47.57; H, 4.88; N, 12.33; S, 7.06。実測値: C, 47.28; H, 4.91; N, 12.36; S, 7.10。
実施例17: 7−アリルオキシ−5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(36)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−アリルオキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(35)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびアリルアルコールから35を収率73%で白色泡沫として製造した。[M+H]+ 525。Rf = 0.6 (75%酢酸エチル/CHCl3)。
工程2: 7−アリルオキシ−5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(36)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、35から収率69%で標題化合物白色泡沫として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.90 (s, 2H), 6.04 (m, 1H), 5.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.26 (m, 2H), 4.96 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.86 (m, 1H), 4.79 (m, 2H), 4.66 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.45 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 357, [2M+H]+ 713。Rf = 0.3 (50% THF-CHCl3)。C13H16N4O6Sに関する元素分析:理論値: C, 43.82; H, 4.53; N, 15.72; S, 9.00。実測値: C, 43.65; H, 4.65; N, 15.64; S, 8.96。
実施例18: 5−アミノ−7−(3−メチル−ブト−2−エニルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(38)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(3−メチル−ブト−2−エニルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(37)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および3−メチル−ブト−2−エン−1−オールから37を収率76%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 553。Rf = 0.8 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−(3−メチル−ブト−2−エニルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(38)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、37から標題化合物を収率68%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.86 (s, 1H), 5.85 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.41 (m, 1H), 5.27 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.78 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.41 (m, 2H), 1.73 (s, 3H), 1.70 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ 385。Rf = 0.35 (50% THF-CHCl3)。C15H20N4O6Sに関する元素分析:理論値: C, 46.87; H, 5.24; N, 14.57; S, 8.34。実測値: C, 46.86; H, 5.24; N, 14.62; S, 8.34。
実施例19: 5−アミノ−7−(プロプ−2−イニルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(40)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(プロプ−2−イニルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−3−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(39)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびプロパルギルアルコールから39を収率62%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 523。Rf = 0.7 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−(プロプ−2−イニルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(40)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、39から標題化合物を収率68%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.99 (s, 2H), 5.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.97 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.78 (m, 1H), 4.65 (m, 2H), 4.08 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.28 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 355。Rf = 0.25 (50% THF-CHCl3)。C13H14N4O6S・0.5 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 42.97; H, 4.16; N, 15.42; S, 9.82; 実測値: C, 43.22; H, 4.27; N, 14.80; S, 8.47。
実施例20: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−酢酸メチルエステル(42)
Figure 2008501792
工程1: [5−アセチルアミノ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−3−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ]−酢酸メチルエステル(41)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびヒドロキシル−酢酸メチルエステルから41を収率58%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 556。Rf = 0.45 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−酢酸メチルエステル(42)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、41から標題化合物を収率57%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.93 (s, 3H), 5.86 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.28 (m, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.95 (s, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.65 (m, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.55 (m, 1H), 3.42 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 389, [2M+H]+ 777.3。Rf = 0.15 (75% THF-CHCl3)。C13H16N4O8Sに関する元素分析:理論値: C, 40.21; H, 4.15; N, 14.43; S, 8.26。実測値: C, 40.07; H, 4.25; N, 14.20; S, 8.11。
実施例21: 2−(5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−プロピオン酸メチルエステル(44)
Figure 2008501792
工程1: 2−[5−アセチルアミノ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−3−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ]−プロピオン酸メチルエステル(43)
実施例13工程2と同様の方法で、16および(±)2−ヒドロキシ−プロピオン酸メチルエステルから43を収率55%で白色固体として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 571。Rf = 0.4 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 2−(5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−プロピオン酸メチルエステル(44)
実施例13工程3と同様の方法で、43から収率63%で白色固体として標題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.88 (s, 2H), 5.84 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.39 (m, 1H), 5.29 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.97 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 3.56 (m, 1H), 3.43(m, 1H), 1.51 (d, J = 6.8 Hz, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ 403, [2M+H]+ 805。Rf = 0.15 (50% THF-CHCl3)。C14H18N4O8Sに関する元素分析:理論値: C, 41.79; H, 4.51; N, 13.92; S, 7.97。実測値: C, 41.77; H, 4.50; N, 13.88; S, 7.94。
実施例22: 5−アミノ−7−メトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(14)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−メトキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(45)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびメタノールから45を収率65%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 499。Rf = 0.5 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−メトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(14)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、45から標題化合物を収率78%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.91 (s, 2H), 5.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.75 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.43 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 331。Rf = 0.2 (50% THF-CHCl3)。C11H14N4O6S・0.25 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 39.46; H, 4.37; N, 16.73; S, 9.58。実測値: C, 39.59; H, 4.17; N, 16.55; S, 9.52。
実施例23: 5−アミノ−7−プロポキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(47)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−プロポキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(46)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびN−プロパノールから46を収率65%で白色泡沫として製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 527。Rf = 0.55 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−プロポキシ−3−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(47)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、47から標題化合物を収率70%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.87 (s, 2H), 5.85 (J = 5.2 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 4.80 (m, 1H), 4.66 (m, 1H), 4.29 (m, 2H), 4.08 (m, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 3.42 (m, 1H), 1.71 (m, 2H), 0.92 (m, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ 359。Rf = 0.3 (50% THF-CHCl3)。C13H18N4O6Sに関する元素分析:理論値: C, 43.57; H, 5.06; N, 15.63; S, 8.95。実測値: C, 43.77; H, 5.29; N, 15.39; S, 8.81。
実施例24: 5−アミノ−7−ブトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(49)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−ブトキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(48)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16およびN−ブタノールから48を収率64%で白色ペーストとして製造した。MS (+)-ES [M+H]+ 541。Rf = 0.65 (75%酢酸エチル-CHCl3)。
工程2: 5−アミノ−7−ブトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(49)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、48から標題化合物を収率72%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.87 (s, 2H), 5.85 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.77 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 4.07 (m, 1H), 3.74 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 1.63 (m, 2H), 1.31 (m, 2H), 0.92 (m, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ 373。Rf = 0.25 (50% THF-CHCl3)。C14H20N4O6Sに関する元素分析:理論値: C, 45.15; H, 5.41; N, 15.04; S, 8.61。実測値: C, 44.79; H, 5.34; N, 15.02; S, 8.60。
実施例25: 5−アミノ−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(51)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(50)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および4−フルオロベンジルアルコールから50を製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20 (m, 1H), 7.44 (m, 1H), 7.06 (m, 1H), 6.10 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 3.0, 6.0 Hz, 1H), 5.92 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 5.48 (s, 2H), 4.51 (dd, J = 4.0, 6.0 Hz, 1H), 4.34 (m, 1), 4.23 (dd, J = 4.0, 8.0 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.04 (s, 3H)。
工程2: 5−アミノ−7−(4−フルオロベンジルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(51)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、50から標題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.50 (m, 2H), 7.19 (m, 2H), 6.96 (s, 2H), 5.86 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.41 (s, 2H), 5.28 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.78 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.66 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.75 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.42 (m, 1H)。
実施例26: 5−アミノ−7−(3−ヒドロキシ−1−プロポキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(53)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(3−アセトキシ−1−プロポキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(52)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および1,3−プロパンジオールモノアセテート(Dittmer, JACS, 79, 4431-35) (1957))から52を製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.17 (s, 1H), 6.10 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 2.8, 6.0 Hz, 1H), 5.89 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.56-4.89 (m, 3H), 4.34 (m, 1H), 4.26-4.20 (m, 3H), 2.46 (s, 3H), 2.15 (m, 2H), 2.13 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H)。
工程2: 5−アミノ−7−(3−ヒドロキシ−1−プロポキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(53)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、52から標題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.87 (s, 2), 5.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.78 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.67 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.53 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.40 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.09 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.75 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.50 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.42 (m, 1H), 1.83 (m, 2H)。
実施例27: 5−アミノ−7−(4−ヒドロキシ−1−ブトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(55)
Figure 2008501792
工程1: 5−アセチルアミノ−7−(4−アセトキシ−1−ブトキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(54)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および1,4−ブタンジオールモノアセテート(Clarke, Tet. Lett., 43(27), 4761-64 (2002))から54を製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.15 (s, 1H), 6.10 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.02 (dd, J = 3.2, 6.4 Hz, 1H), 5.89 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.50 (m, 3H), 4.32 (m, 1H), 4.24 (dd, J = 6.4, 12.0 Hz, 1H), 4.13 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 2.45 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.88 (s, 3H), 1.78 (m, 2H).
工程2: 5−アミノ−7−(4−ヒドロキシ−1−ブトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(55)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、54から標題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.87 (s, 2H), 5.85 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.29 (s, 1H), 4.98 (s, 1H), 4.79 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.67 (s, 1H), 4.43 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.35 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 3.75 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.57 (m, 1H), 3.42 (m, 3H), 1.72 (m, 2H), 1.50 (m, 2H)。
実施例28: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−エチル−カルバミン酸エチルエステル(58)
Figure 2008501792
工程1: N−エチル−N−(ヒドロキシメチル)ウレタン(56)の製造
Kelper, JOC, 52, 453-55 (1987)が報告している一般的な実験条件下で、水(480μL)中、Ba(OH)(46.0mg、266μmol)のスラリーを、N−エチルウレタン(2.04mL、17.1mmol)と37%ホルマリン水溶液(1.28mL、17.1mmol)の混合物に攪拌しながら一度に加えた。混合物が冷めるにつれ、徐々に曇りのある溶液となった。この混合物を室温で攪拌し、N−エチルウレタンの消失をTLC分析によりモニタリングした。2時間後、固体COを加えることにより反応をクエンチし、30分攪拌し、濾過して沈殿した炭酸バリウムを除去した。真空下で溶媒を除去して油性の残渣を得た。ベンゼン(3×100mL)との共沸蒸留により微量の水を除去して56を透明なオイル状物として得た(2.50g、定量的)。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ4.88 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.79 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.18 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 3.40 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.19 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
工程2: 5−アセチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−エチル−カルバミン酸エチルエステル(57)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および56から化合物57を収率24%で白色固体として製造した。Rf = 0.4 (33% EtOAc-CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ11.49 (br s, 1H), 6.08 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.75 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.53 (s, 2H), 4.49 (dd, J = 13.5, 8.4 Hz, 1H), 4.30 (m, 5H), 3.62 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.36 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.20 (t, J = 6.8 Hz, 3H); [M+H]+ 614.2。
工程3: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−エチル−カルバミン酸エチルエステル(58)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、57から標題化合物を収率30%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.89 (br s, 2H), 5.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.49 (m, 3H), 5.32 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.82 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.69 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.20 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.11 (q, J = 5.6 Hz, 2H), 3.78 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.09 (t, J = 6.0 Hz, 3H); [M+H]+ 446.3。
実施例29: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−メチル−カルバミン酸エチルエステル(61)
Figure 2008501792
工程1: N−メチル−N−(ヒドロキシメチル)ウレタン(59)の製造
実施例28工程1と同様の方法で、N−メチルウレタンおよびホルマリンから化合物59を定量的収率で粘稠なオイルとして製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ5.02 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.79 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 4.18 (q, J = 4.4 Hz, 2H), 3.01 (s, 3H), 1.30 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
工程2: (5−アミノ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−メチル−カルバミン酸エチルエステル(60)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、16および59から化合物60を収率24%で白色固体として製造した。Rf = 0.4 (33% EtOAc-CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ11.49 (br s, 1H), 6.08 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.75 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.53 (s, 2H), 4.49 (dd, J = 13.5, 8.4 Hz, 1H), 4.30 (m, 5H), 3.62 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.36 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.20 (t, J = 6.8 Hz, 3H); [M+H]+ 614.2。
工程3: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−メチル−カルバミン酸エチルエステル(61)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、60から標題化合物を収率20%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.86 (br s, 2H), 5.82 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.47 (s, 2H), 5.31 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.82 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.67 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.18 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 4.12 (m, 1H), 3.78 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 1.27 (t, J = 6.8 Hz, 3H); [M+H]+ 432.3。
実施例30: 5−アミノ−7−シクロプロピルメトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(63)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(25)の製造
0℃下、アセトニトリル(160mL)中、1(5.00g、15.8mmol)の懸濁液にEtN(11.0mL、79.0mmol)、DMAP(195mg、1.59mmol)、およびAcO(4.47mL、47.4mmol)を連続的に加えた。この反応混合物を室温で2時間攪拌したところで濃縮して褐色のシロップとした。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl=1〜10%)により精製し、6.22g(89%)のトリアセテート25を白色固体として得た。融点198〜199℃。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.34 (s, 1H), 7.02 (br s, 2H), 5.90 (m, 2H), 5.51 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 12.4, 3.2 Hz, 1H), 4.21 (m, 1H), 4.08 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.00 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 443.3。
工程2: 5−アミノ−7−シクロプロピルメトキシ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(62)の製造
0℃下、THF(70mL)中、上記のトリアセテート25(1.49g、3.37mmol)、アルゴノートポリマー支持トリフェニルホスフィン樹脂(5.98g、10.1mmol)、およびシクロプロピルメチルカルビノール(546μL、6.74mmol)の不均一混合物に、DEAD(742μL、4.72mmol)を加えた。この反応混合物を室温まで昇温し、16時間攪拌した後、SiOのショートパッドで濾過した。この濃縮濾液をクロマトグラフィー(SiO、勾配溶出、0〜5%EtOAc−CHCl)に付し、680mg(42%)の白色固体を得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ6.95 (s, 2H), 5.99 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.91 (dd, J = 6.2, 4.0 Hz, 1H), 5.55 (dd, J = 6.6, 6.2 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 12.1, 3.7 Hz, 1H), 4.22-4.26 (m, 1H), 4.19 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.09 (dd, J = 11.7, 5.9 Hz, 1H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.20-1.26 (m, 1H), 0.53-0.58 (m, 2H), 0.31-0.35 (m, 2H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 497。C20H24N4O9Sに関する元素分析:理論値: C, 48.38; H, 4.87; N, 11.28; S, 6.46。実測値: C, 48.53; H, 4.99; N, 11.27; S, 6.18。
工程3: 5−アミノ−7−シクロプロピルメトキシ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(63)の製造
MeOH中、62(570mg、1.18mmol)の懸濁液に、室温でKCO(50mg、0.36mmol)を加えた。この反応混合物を1時間攪拌し、濃縮し、20%IPA−CHClと水で分液した後、EtOでトリチュレーションし、128mg(29%)の63を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ6.86 (s, 2H), 5.85 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.77 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 4.66 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.18 (dd, J = 7.3, 1.1 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 3.75 (q, J = 5.1 Hz, 1H), 3.39-3.60 (m, 2H), 1.20-1.27 (m, 1H), 0.53-0.57 (m, 2H), 0.31-0.34 (m, 2H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 371。C14H18N4O6S に関する元素分析:理論値: C, 45.40; H, 4.90; N, 15.13; S, 8.66。実測値: C, 44.98; H, 4.92; N, 14.92; S, 8.49。
実施例31: 5−アミノ−7−(3−フェニル−アリルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(66)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−7−(3−フェニル−アリルオキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(64)の製造
実施例25工程2と同様の方法で、25およびシンナミルアルコールから化合物64を収率69%で製造した。MS (+)-ES [M+H]+ m/z 601。
工程2: 5−アミノ−7−(3−フェニル−アリルオキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(65)の製造
実施例25工程3と同様の方法で、64から標題化合物を収率19%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ7.46 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.23-7.27 (m, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.74 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 6.45-6.53 (m, 1H), 5.86 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.04 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.79 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 4.67 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 5.1 Hz, 1H), 3.76 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.30-3.60 (m, 2H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 433。C19H20N4O6Sの元素分析:理論値: C, 52.77; H, 4.66; N, 12.96; S, 7.41。実測値: C, 52.28; H, 4.66; N, 12.66; S, 7.27。
実施例32: 5−アミノ−7−(5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメトキシ)−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(66)
Figure 2008501792
0℃下、THF(50mL)中、トリアセテート25(1.55g、3.50mmol)の溶液に、ポリマー支持トリフェニルホスフィン(4.95g、10.50mmol、アルゴノート)を加えた。この混合物に、Alepegiani, Syn. Comm., 22(9), 1277-82 (1992)の手順に従って4−ヒドロキシメチル−5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オン(0.91g、7.00mmol)を加えた後、アゾジカルボン酸ジエチル(0.73ml、4.60mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で48時間攪拌し、濾過し、MeOHおよびCHClで洗浄した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、アセトン/CHCl=10〜20%)により精製し、ジオキソロン誘導体66(1.38g、71%)を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO) 66;δ7.06 (s, 2H), 6.00 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.92 (dd, J = 6.6, 4.4 Hz, 1H), 5.56 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 5.30 (s, 2H), 4.38 (dd, J = 11.6, 3.6 Hz, 1H), 4.25 (t, J = 3.6 Hz, 1H), 4.10 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.00 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 555.3。C21H22N4O12S・Me2COに関する元素分析:理論値: C, 47.06; H, 4.61; N, 9.15; S, 5.23。実測値: C, 47.25; H, 4.37; N, 9.53; S, 5.52。
実施例33: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−カルバミン酸エチルエステル(68)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(26)の製造
室温で、DMF(20mL)中、1(1.00g、3.16mmol)の懸濁液に、イミダゾール(753mg、11.06mmol)、DMAP(39mg、0.32mmol)、およびクロロトリエチルシラン(1.64mL、9.80mmol)を連続的に加えた。この反応混合物を室温で2時間攪拌したところで、飽和NaHCO溶液(20mL)で反応をクエンチした。この混合物をCHCl(3×20mL)で抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl=1〜5%)により精製し、1.91g(92%)の化合物26を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ5.99 (s, 1H), 5.62 (br s, 2H), 5.19 (dd, J = 4.4, 6.0 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 2.8, 4.4 Hz, 1H), 3.99 (m, 1H), 3.77 (dd, J = 7.6, 10.8 Hz, 1H), 3.68 (dd, J = 4.8, 10.4 Hz, 1H), 1.10 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 0.68 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 0.54 (m, 2H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 660.0。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−カルバミン酸エチルエステル(67)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、26およびN−エチルウレタンから化合物67を収率31%で白色固体として製造した。[M+H]+ 760.5; 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.43 (br s, 2H), 6.09 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 5.19 (dd, J = 6.0, 4.8 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 4.19 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.98 (m, 1H), 3.76 (dd, J = 10.8, 7.6 Hz, 1H), 3.68 (dd, J = 10.4, 4.8 Hz, 1H), 1.29 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.90 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.69 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 0.55 (m, 2H); [M+H]+ 760.5。
工程3: (5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシメチル)−カルバミン酸エチルエステル(68)の製造
67(244mg、321μmol)、ピリジン中5MのHF(321μL、1.60mmol)およびTHF(3.20mL)の溶液を室温で5時間攪拌した。真空下で溶媒を除去すると残渣が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10%MeOH−CHCl)により精製し、68(119mg、90%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ8.43 (br s, 1H), 7.76 (br s, 2H), 5.82 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.78 (s, 2H), 5.32 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.24 (dd, J = 6.0, 4.8 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.82 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.68 (t, J = 6.0, 1H), 4.11 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.78 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.46 (m, 1H), 1.21 (t, J = 7.2 Hz, 3H); [M+H]+ 418.2。
実施例34: 5−アミノ−7−(5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(70)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−7−(5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメトキシ)−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(69)の製造
実施例32と同様の方法で、26および4−ヒドロキシメチル−5−メチル−[1,3]ジオキソール−2−オンから化合物69を収率45%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.06 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.21 (dd, J = 6.0, 4.8 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 3.2 Hz, 2H), 4.94 (br s, 2H), 4.38 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.79 (dd, J = 11.2, 8.0 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 10.8, 5.2 Hz, 1H), 2.23 (s, 3H), 1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.89 (t, J = 8.4 Hz, 3H), 0.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 0.53 (m, 2H); [M+H]+ 771.5。
工程2: 5−アミノ−7−(5−メチル−2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イルメトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(70)の製造
実施例33工程3と同様の方法で、69から標題化合物を収率89%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ7.03 (br s, 2H), 5.90 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.02 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.83 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.14 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.80 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.27 (s, 3H); [M+H]+ 429.2。
実施例35: 4−(5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−酪酸tert−ブチルエステル(72)
Figure 2008501792
工程1: 4−(5−アミノ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−酪酸tert−ブチル−エステル(71)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、26および4−ヒドロキシ−酪酸tert−ブチル−エステル(Lui, JOC, 68(17), 6679-6684 (2003))から化合物71を収率92%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.06 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.22 (dd, J = 6.0, 4.8 Hz, 1H), 4.98 (br s, 2H), 4.42 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.38 (dd, J = 6.0, 4.8 Hz, 1H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 10.8, 7.6 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 10.8, 5.2 Hz, 1H), 2.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.06 (quint, J = 7.2 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H), 1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 0.53 (m, 2H); [M+H]+ 801.5。
工程2: 4−(5−アミノ−2−オキソ−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イルオキシ)−酪酸tert−ブチル−エステル(72)の製造
実施例33工程3と同様の方法で、71から標題化合物を収率66%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.93 (br s, 2H), 5.90 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.83 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.38 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.13 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 3.80 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.35 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.96 (quint, J = 6.8 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H); [M+H]+ 459.3。
実施例36: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−ブトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(74)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−ブトキシ)−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(73)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、26および1,4−ブタンジオールモノアセテートから73を収率81%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.06 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 5.23 (dd, J = 5.6, 5.2 Hz, 1H), 4.93 (br s, 2H), 4.41 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.37 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 4.14 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 11.2, 7.6 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 10.8, 4.8 Hz, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.85 (m, 2H), 1.78 (m, 2H), 1.02 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 0.70 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 0.56 (m, 2H); [M+H]+ 773.5。
工程2: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−ブトキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(74)の製造
アセトニトリル(1.22mL、1.22mmol)中、73(188mg、243μmol)および1M HFの溶液を室温18時間攪拌した。真空下で溶媒を除去すると残渣が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10%MeOH−CHCl)により精製し、74(91.1mg、88%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.93 (br s, 2H), 5.90 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.83 (q, J = 5.6 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.41 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 4.14 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 4.07 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.80 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 2.04 (s, 3H), 1.80 (m, 2H), 1.71 (m, 2H); [M+H]+ 431.3。
実施例37: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−プロポキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(76)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−プロポキシ)−3−(2',3',5'−トリス−O−トリエチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(75)の製造
実施例13工程2と同様の方法で、26および1,3−プロパンジオールモノアセテートから75を収率70%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.06 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 5.23 (dd, J = 6.4, 4.8 Hz, 1H), 4.93 (br s, 2H), 4.46 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.38 (dd, J = 4.4, 2.4 Hz, 1H), 4.22 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.00 (m, 1H), 3.80 (dd, J = 10.8, 7.6 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 10.8, 5.2 Hz, 1H), 2.12 (quint, J = 6.4 Hz, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.96 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.88 (t, J = 8.0 Hz, 3H), 0.70 (q, J = 8.4 Hz, 2H), 0.61 (q, J = 8.4 Hz, 2H), 0.54 (m, 2H); [M+H]+ 759.5。
工程2: 5−アミノ−7−(4−アセトキシ−1−プロポキシ)−3−β−D−リボフラノシル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(76)の製造
実施例36工程2と同様の方法で、75から76を収率92%で白色固体として製造した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ6.94 (br s, 2H), 5.90 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.32 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.83 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 4.71 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.46 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.14 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.80 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.62 (dd, J = 11.2, 8.0 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 11.2, 6.0 Hz, 1H), 2.06 (quint, J = 6.4 Hz, 2H), 2.04 (s, 3H); [M+H]+ 417.2。
実施例38: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−7−チオキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(77)の製造
ピリジン(50mL)中、25(1g、2.26mmol)の溶液に室温でP(2.13g、4.79mmol)を加えた。この溶液を29時間、穏やかに還流させた(浴温130〜140℃)。この反応混合物を真空下で蒸発乾固させた。60℃でHO(40mL)を加えることによって過剰なPを分解した。この混合物を60℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却した。この混合物をCHCl(3×40mL)で抽出した。乾燥させた(MgSO)有機層を蒸発させてシロップを得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、アセトン/CHCl=15%)により精製し、0.93g(90%)の77を黄色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ12.50 (s, 1H), 7.35 (br s, 2H), 5.89 (m, 2H), 5.51 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 12.0, 4.0 Hz, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.10 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.01 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 459.3。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(78)の製造
アセトン(50mL)中、ラネー(登録商標)2800ニッケル(HO、MeOHおよびアセトンで予め洗浄したもの、スパチュラ大さじ3杯)の懸濁液を還流下で1時間攪拌した。次に、還流下で上記の懸濁液にトリアセテート77(0.93g、2.03mmol)を加えた。この混合物を5分攪拌し、30分かけて室温まで冷却した。この混合物に2時間、HS(g)気泡を通じることにより反応をクエンチした。得られた混合物をセライト(登録商標)のショートパッドで濾過し、EtOHで洗浄した。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl=1〜2%)により精製し、0.52g(60%)の78を白色固体として得た。融点121〜123℃。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ8.38 (s, 1H), 6.93 (s, 2H), 6.03 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.93 (dd, J = 6.4, 3.6 Hz, 1H), 5.58 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.38 (dd, J = 11.6, 3.6 Hz, 1H), 4.26 (m, 1H), 4.11 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 2.08 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.00 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 427.2。C16H18N4O8S・0.5 CH3OH・0.25 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 44.34; H, 4.62; N, 12.54; S 7.17。実測値: C, 44.54; H, 4.88; N, 12.16; S, 7.17。
工程3: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)の製造
MeOH(20mL)中、78(0.52g、1.22mmol)の溶液に、KCO(25mg、0.18mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩攪拌した後、AcOH(21μL、0.36mmol)で中和した。得られた混合物を室温でさらに30分攪拌し、濃縮し、HO(2ml)でトリチュレーションし、0.33gの化合物79(89%)を白色固体として得た。融点220℃(分解)。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ8.34 (s, 1H), 6.85 (s, 2H), 5.90 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.31 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.81 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.67 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.11 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.77 (dd, J = 10.8, 4.8 Hz, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.44 (m, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 301.1。C10H12N4O5S・0.3 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 39.29; H, 4.15; N, 18.33; S 10.49。実測値: C, 39.51; H, 4.18; N, 17.95; S, 10.27。
実施例39: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)
別法合成経路A
工程1: 5−アミノ−7−クロロ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(80)の製造
CHCl(9mL)中、25(0.84g、1.90mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol)およびPOCl(1.60mL、17.1mmol)を加えた。16時間加熱還流した後、反応混合物を室温まで冷却し、氷と飽和NaHCO水溶液(150mL)に注ぎ込んだ。得られた混合物をCHCl(3×75mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させた(MgSO)。濃縮後にフラッシュクロマトグラフィー(9:1/CHCl:EtOAc)に付し、708mg(87%)の生成物を白色固体として得た。融点101〜103℃。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ6.10 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.01 (dd, J = 5.6, 3.2 Hz, 1H), 5.92 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.42 (s, 2), 4.97 (dd, J = 11.6, 3.6 Hz, 1H), 4.32 (m, 1), 4.21 (dd, J = 12.0, 5.2 Hz, 1H), 2.12 (s, 6H), 2.06 (s, 3H)。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(78)の製造
火炎乾燥した丸底フラスコに80(4.37g、9.48mmol)および氷酢酸(61mL)を入れた。フラスコをセプタムで密閉し、窒素でフラッシュした。亜鉛−銅合金(6.07g、Aldrich)を加え、この反応物を室温で21時間攪拌した。次に、この反応物を1時間80℃まで加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過し、EtOAc(200mL)で洗浄し、真空濃縮した。得られた白色固体(残渣)をCHCl(250mL)で希釈し、0.5M NaOH(500mL)で洗浄した。水層をCHCl(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過および濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%アセトン−CHCl)により精製し、78(3.64g、90%)を、全ての点で実施例38工程2で単離された物質と一致する白色粉末として得た。
工程3: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)の製造
標題化合物の製造については実施例38工程3に記載されている。
実施例40: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)
別法合成経路B
工程1: 5−アセチルアミノ−7−クロロ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(81)の製造
窒素下、室温で、16(3.40g、7.02mmol)、トリエチルアミン(1.96mL、14.04mmol)、およびクロロホルム(14mL)の溶液にオキシ塩化リン(6.42mL、70.2mmol)を30分かけて滴下した。次に、この反応混合物を30時間70℃に加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、0℃で飽和NaHCO水溶液(500mL)に2時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌した。層を分離し、水層を塩化メチレン(2×100mL)で逆抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過および濃縮して黄色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%アセトン−CHCl)により精製を行い、81(3.17g、90%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ11.08 (s, 1H), 6.09 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.99 (dd, J = 6.0, 4.0 Hz, 1H), 5.76 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 11.2, 3.2 Hz, 1H), 4.32 (td, J = 7.2, 3.2 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 11.6, 6.8 Hz, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.03 (s, 3H); [M+H]+ 503.3。
工程2: 5−アセチルアミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(82)の製造
窒素下、81(2.07mg、4.12mmol)、酢酸ナトリウム(675mg、8.23mmol)および無水エタノール(100mL)の溶液に10%パラジウム/カーボン(862mg)を加えた。この混合物をボンベ内、250〜300psi H(g)下で48時間攪拌した。この混合物をセライト(登録商標)で濾過し、酢酸エチル(200mL)で洗浄および濃縮して黄色固体を得た。この混合物をHO(200mL)で希釈し、CHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過および濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10%アセトン−CHCl)により精製し、82(1.74g、90%)を白色粉末として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ10.78 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 6.10 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.04 (dd, J = 6.0, 4.0 Hz, 1H), 5.77 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.41 (dd, J = 11.6, 3.2 Hz, 1H), 4.30 (m, 1H), 4.23 (dd, J = 12.0, 6.8 Hz, 1H), 2.20 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.03 (s, 3H); [M+H]+ 469.4。
工程3: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)の製造
実施例13工程3と同様の方法で、82から標題化合物を製造した。
実施例41: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)
別法合成経路C
工程1: N'−(7−クロロ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)−N,N−ジメチル−ホルムアミジン(83a)の製造
下、室温で、CHCl(28mL)中、16(500mg、1.03mmol)およびDMF(1.29mL、16.7mmol)の混合物に、塩化チオニル(2.58mL、35.4mmol)を1時間かけて滴下した。この反応混合物を60℃まで23時間加熱した。この混合物を氷冷飽和NaHCO溶液に注意深く注ぎ、30分攪拌した。層を分離し、水層をCHCl(2×80mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮し、83a(519mg、定量的)を白色泡沫として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ8.65 (s, 1H), 6.14 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.97 (dd, J = 6.4, 3.6 Hz, 1H), 5.62 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 12.0, 3.6 Hz, 1H), 4.32 (m, 1H), 4.16 (dd, J = 12.0, 5.2 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 3.11 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 3H); [M+H]+ 516.1。
工程1a: N'−(7−ブロモ−2−オキソ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)−N,N−ジメチル−ホルムアミジン(83b)の製造
下、室温で、16(2.34g、4.83mmol)、DMF(5.61mL、72.5mmol)、CHCl(50mL)、およびトルエン(55mL)の混合物に、臭化チオニル(11.2mL、145mmol)を1時間かけて滴下した。この反応混合物を110℃まで20時間加熱した。この混合物を氷冷飽和NaHCO溶液に注意深く注ぎ、1時間攪拌した。層を分離し、水層をCHCl(2×80mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮して黄色残渣を得た。この生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、20%アセトン−CHCl)により精製し、83b(1.53g、57%)を白色泡沫として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ8.64 (s, 1H), 6.12 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.96 (dd, J = 6.4, 3.2 Hz, 1H), 5.61 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 8.8, 3.2 Hz, 1H), 4.31 (m, 1H), 4.16 (dd, J = 12.4, 5.6 Hz, 1H), 3.23 (s, 3H), 3.11 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.02 (s, 3H); [M+H]+ 560.2。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(78)の製造
火炎乾燥した丸底フラスコに83a(1.08g、2.11mmol)および氷酢酸(21mL)を入れた。フラスコをセプタムで密閉し、窒素でフラッシュした。亜鉛末(1.38g、21.1mmol)を加え、この反応物を80℃まで48時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)パッドで濾過し、EtOAc(100mL)で洗浄し、真空濃縮した。得られた白色固体(残渣)をCHCl(100mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(500mL)で洗浄した。水層をCHCl(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過および濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、5%アセトン−CHCl)により精製し、78(464mg、52%)を、全ての点で実施例38工程2で単離した物質と一致する白色粉末として得た。
工程3: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)の製造
標題化合物の製造については実施例38工程3に記載されている。
実施例42: 5−アミノ−3−β−D−リボフラノシル−3H−チアゾロ−[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)
別法合成経路D
工程1: 4−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−チアゾール−5−カルバルデヒド(85)の製造
化合物85はBaranov, et al, Chem. Het. Compounds (Engl. Trsl.), 1975, 11, p.73により最初に合成されたものであるが、報告されている手順を改変して製造した。市販の2,4−チアゾリジンジオン84(25.0g、213mmol)を、冷却のための氷浴を用いて0℃に冷却したPOCl(59ml、641mmol)に懸濁させた。この反応物にDMF(24.8mL、320mmol)を15分かけて滴下した。この反応物を90℃まで2時間、さらに115℃で20分加熱した。20分後、反応物を90℃まで冷却し、さらに1時間維持した。1時間後、この混合物を115℃まで15分加熱した。この熱い反応混合物を激しく攪拌しながら水1L中に注ぎ込んだ。10分後、この混合物を濾過した。水相をエチルエーテル(600mL)で5回抽出し、有機相を分離し、真空濃縮した。固体残渣を最少量の飽和NaHCO水溶液に溶解させた。この混合物を6M HClでpH=2まで注意深く酸性化したところ、約30分後に沈殿が生じた。濾過して20.9gの化合物85を収率62%で得た。Rf = 0.3 (2%H2O, 8%メタノール, 90%酢酸エチル); 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ9.79 (s, 1H), 8.95 (s, 1H); MS (+)-ES [M+H]+ 164。
工程2: 5−アミノ−3H−チアゾール[4,5−d]ピリミジン−2−オン (86)の製造
化合物85(1.22g、7.47mmol)、塩酸グアニジン(2.13g、22.4mmol)、KCO(1.03g、7.47mmol)、およびNaHCO(1.88g、22.3mmol)をDMFに懸濁させ、110℃で2日間加熱した。TLCにより判定して出発材料が消費された際に溶媒を真空除去した。この固体残渣を水でトリチュレーションした。86の分析上純粋なサンプルがHPLC(ODS−A C18;3〜97%CHCN/HO勾配;1.0mL/分)により得られた。黄褐色固体: HPLC Rt = 1.63分; Rf = 0.45 (2% H2O, 8%メタノール, 90%酢酸エチル);1H NMR (400 MHz, d6-DMSO)δ8.11 (s, 1H), 6.67 (s, 2H); MS (+)-ES [M+H]+ 169; C5H4N4OS・0.1 CH3CN・0.1 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 35.88; H, 2.61; N, 32.99; S, 18.42。実測値: C, 35.96; H, 2.75; N, 32.56; S, 18.42。
工程3: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(79)の製造
化合物86(62mg、0.4mmol)、1,2,3,5−テトラ−O−アセチル−β−D−リボフラノーステトラアセテート(128mg、0.4mmol)、および触媒リン酸水素ビス(p−ニトロフェニル)(13mg、0.04mmol)を混合し、500mlフラスコ中に入れた。この反応容器を注意深く真空下(〜5.0mmHg)に置き、150℃に加熱した油浴中に10分置いた。室温まで冷却した後、その固体を酢酸エチルで洗浄した。粗生成物をフラッシュカラム(シリカ、クロロホルム中5〜35%酢酸エチル勾配)により精製し、68mgの化合物79(40%)を、全ての点で実施例38工程2で単離した物質と一致する白色固体として白色粉末として得た。
実施例43: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(89)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(5'−O−tert−ブチル−ジメチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(87)の製造
DMF(10mL)中、79(0.68g、2.28mmol)の溶液に、イミダゾール(0.54g、7.93mmol)および塩化tert−ブチルジメチルシリル(0.68g、4.56mmol)を順次加えた。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、その時点でこれを濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl;勾配=5〜20%)により精製し、0.49g(52%)の87を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ8.33 (s, 1H), 6.87 (s, 2H), 5.90 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.79 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 4.16 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.77 (m, 2H), 3.64 (dd, J = 12.0, 7.2 Hz, 1H), 0.84 (s, 9H), 0.00 (s, 6H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 415.4。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル,5'−O−tert−ブチル−ジメチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(88)の製造
0℃のアセトニトリル(5mL)中、87(0.20g、0.48mmol)の溶液に、EtN(0.26mL、1.86mmol)およびAcO(91μL、0.96mmol)を連続的に加えた。この反応混合物を室温で24時間攪拌し、この時点でこれを濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、アセトン/CHCl:勾配=5〜10%)により精製し、0.22g(92%)の88を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ8.36 (s, 1H), 6.90 (s, 2H), 6.00 (m, 2H), 5.57 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.07 (q, J = 5.2 Hz, 1H), 3.77 (m, 2H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 0.00 (d, J = 2.4 Hz, 6H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 499.5。
工程3: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(89)の製造
プラスチックバイアル内、THF(5mL)中、88(0.22g、0.44mmol)の溶液にHF/ピリジン(0.70mL)を加えた。この反応物を2時間攪拌し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH/CHCl:勾配=5〜10%)により精製し、0.17g(100%)の標題化合物を白色固体として得た。融点109〜111℃。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ8.37 (s, 1H), 6.91 (s, 2H), 6.00 (m, 2H), 5.48 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.91 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 4.04 (dd, J = 10.4, 6.0 Hz, 1H), 3.64 (m, 1H), 3.52 (m, 1H), 2.08 (s, 3H), 2.05 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 385.3。C14H16N4O7S・0.5 CH3OH・0.2 CHCl3に関する元素分析:理論値: C, 41.61; H, 4.32; N, 13.21; S 7.56: 実測値: C, 41.73; H, 4.29; N, 12.86; S, 7.33。
実施例44: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(89)
別法合成経路A
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−3H−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−オン(89)の製造
アセトン(5mL)中、78(500mg)の透明溶液に、リン酸ナトリウムバッファー(pH=7.0、0.1M、25mL)を加えたところ、溶液に曇りが生じた(白色沈殿)。この混合物にカンジダ・アンタルクチカリパーゼ樹脂(250mg)を加えた後、この懸濁液を室温で10時間穏やかに振盪した。得られた透明な混合物を濾過し、真空下で有機溶媒を除去した。次に、この水溶液を酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、濃縮した。得られた固体は実施例43工程3に記載したものと同様の方法でさらに精製することができた。
実施例45: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(92)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(5'−O−tert−ブチル−ジメチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(90)の製造
DMF中、1(12.0g、37.9mmol)およびイミダゾール(7.75g、114mmol)の混合物に、塩化tert−ブチルジメチルシリル1(5.72g、37.9mmol)をDMF溶液(25mL)として加えた。TLC分析(20%MeOH−CHCl)によれば、この反応は〜60%消費まで進行していたことが示された。反応が完了するまで、追加の塩化tert−ブチルジメチルシリル(5.72g、37.9mmol)を滴下したところで、MeOH(10mL)でクエンチした後、濃縮して褐色の残渣を得た。この残渣をEtOAc(800mL)に溶解させた後、水(3×200mL)で洗浄した。有機相を無水NaSO−炭で乾燥させた後、SiOのショートパッドで濾過して溶液を得、これを濃縮して黄褐色固体を得た。この粗生成物をEtOでトリチュレーションし、12.41g(76%)の90を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.16 (s, 1H), 6.92 (br s, 2H), 5.77 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.27 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.73 (dd, J = 9.9, 5.1 Hz, 1H), 4.11 (dd, J = 10.6, 5.1 Hz, 1H), 3.70-3.76 (m, 2H), 3.59-3.64 (m, 1H), 0.84 (s, 9H), 0.0 (s, 6H)。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル,5'−O−tert−ブチル−ジメチルシラニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(91)の製造
MeCN(40mL)中、ジオール90(2.44g、5.67mmol)およびEtN(2.37mL、17.0mmol)の均一な溶液に、AcO(1.06mL、11.3mmol)およびDMAP(69mg、0.57mmol)を順次加えた。この反応混合物を3時間攪拌した後、濃縮し、クロマトグラフィー(SiO、勾配溶出、40〜60%EtOAc−CHCl)に付し、1.2g(41%)の91を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.25 (s, 1H), 7.96-8.00 (m, 1H), 7.54-7.57 (m, 2H), 7.24-7.28 (m, 2H) 6.96 (br s, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.39-5.41 (m, 1H), 5.01-5.04 (m, 1H), 4.12-4.17 (m, 1H), 3.48-3.59 (m, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 515。
工程3: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(92)の製造
THF(20mL)中、91(1.2g、2.3mmol)の均一な溶液に、THF中1.0Mのフッ化テトラブチルアンモニウム(4.7mL、4.7mmol)を加えた。この反応混合物を16時間攪拌した後、濃縮し、クロマトグラフィーに付し、800mg(86%)の白色固体を得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.25 (s, 1H), 6.97 (br s, 2H), 5.95 (dd, J = 5.9, 4.4 Hz, 1H), 5.89 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.41 (t, J = 6.2 Hz, 1H), 4.90 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 4.00 (q, J = 5.9 Hz, 1H), 3.48-3.64 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 401。
実施例46: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−ピバリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(93)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−ピバリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(93)の製造
実施例30工程1と同様の方法で、92および無水ピバル酸から化合物93を収率21%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.27 (s, 1H), 6.98 (br s, 2H), 5.88-5.91 (m, 2H), 5.55 (dd, J = 7.0, 5.9 Hz, 1H), 4.29 (dd, J = 12.1, 4.0 Hz, 1H), 4.18-4.27 (m, 1H), 4.11 (dd, J = 12.1, 5.1 Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.13 (s, 9H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 485。C19H24N4O9S・0.75 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 45.82; H, 5.16; N, 11.25; S, 6.44。実測値: C, 45.93; H, 5.20; N, 11.29; S, 6.44。
実施例47: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−ラウリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(94)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−ラウリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(94)の製造
実施例30工程1と同様の方法で、92および無水ラウリン酸から化合物94を収率59%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.26 (s, 1H), 6.97 (br s, 2H), 5.87-5.91 (m, 2H), 5.51 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 12.1, 3.5 Hz, 1H), 4.18-4.22 (m, 1H), 4.08 (dd, J = 12.1, 5.9 Hz, 1H), 2.27 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 2.06 (s, 6H), 1.46-1.50 (m, 1H), 1.17-1.28 (m, 16H), 0.85 (t, J = 6.0 Hz, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 583。C26H38N4O9Sに関する元素分析:理論値: C, 52.55; H, 6.49; N, 9.25; S, 5.29。実測値: C, 52.58; H, 6.57; N, 9.49; S, 5.38。
実施例48: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−ブチリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(95)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−ブチリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(95)の製造
実施例30工程1と同様の方法で、1および無水酪酸から化合物95を製造した。カラムクロマトグラフィー(SiO、40%EtOAc−CHCl)により精製し、EtO−ヘキサンでトリチュレーションし、収率17%で白色固体を得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.27 (s, 1H), 6.97 (br s, 2H), 5.87-5.91 (m, 2H), 5.54 (dd, J = 12.8, 6.2 Hz, 1H), 4.37 (dd, J = 12.1, 3.7 Hz, 1H), 4.18-4.22 (m, 1H), 4.10 (dd, J = 12.1, 5.9 Hz, 1H), 2.25-2.38 (m, 6H), 1.47-1.59 (m, 6H), 0.84-0.91 (m, 9H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 527。C22H30N4O9Sに関する元素分析:理論値: C, 50.18; H, 5.74; N, 10.64; S, 6.09。実測値: C, 50.18; H, 5.64; N, 10.56; S, 6.02。
実施例49: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−カプリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(96)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−カプリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(96)の製造
実施例30工程1と同様の方法で、1および無水カプリル酸から化合物96を収率30%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.28 (s, 1H), 6.96 (br s, 2H), 5.87-5.92 (m, 2H), 5.35 (dd, J = 12.8, 6.2 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 11.7, 3.3 Hz, 1H), 4.17-4.21 (m, 1H), 4.09 (dd, J = 11.7, 5.9 Hz, 1H), 2.24-2.39 (m, 6H), 1.48-1.53 (m, 6H), 1.22-1.25 (m, 2H), 0.82-0.87 (m, 9H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 695。C34H54N4O9Sに関する元素分析:理論値: C, 58.77; H, 7.83; N, 8.06; S, 4.61。実測値: C, 58.65; N, 7.92; N, 7.98; S, 4.55。
実施例50: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(98)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−[2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バレニル])−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(97)の製造
室温で、MeCN(10mL)中、3(2.00g、4.09mmol)の懸濁液に、EtN(1.14mL、8.19mmol)を加えた。得られた混合物を30分攪拌し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(894mg、4.09mmol)で処理した後、16時間攪拌した。この混合物にEtN(1.40mL、10.0mmol)およびAcO(950μL、10.0mmol)を順次加えた。3時間後、混合物を濃縮し、EtOAc(200mL)と水(100mL)とで分液し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮した後、クロマトグラフィー(SiO、80%EtOAc−CHCl)に付し、白色泡沫を得た。この泡沫をCHCl−EtO−ヘキサン中でトリチュレーションし、1.38gの二酢酸塩97を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.29 (s, 1H), 7.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.99 (br s, 2H), 5.91 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.50 (s, 1H), 4.34 (dd, J = 11.0, 2.2 Hz, 1H), 4.13-4.23 (m, 2H), 3.84 (dd, J = 8.1, 6.6 Hz, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.97-2.03 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 0.82 (d, J = 6.6 Hz, 6H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 598。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−アセチル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(98)の製造
ジオキサン(50mL)中4MのHClとi−PrOAcの混合物に固体の97(1.35g、2.25mmol)を加えた。得られた溶液は数分以内に不均一な混合物となった。1時間後、この懸濁液を濾過し、EtOで洗浄した後、高真空下で乾燥させ、0.66g(55%)の白色固体を得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.46 (s, 1H), 8.40 (s, 3H), 7.19 (br s, 2H), 4.46 (dd, J = 12.5, 3.7 Hz, 1H), 4.28-4.44 (m, 2H), 3.85 (s, 1H), 3.68 (br s, 1H), 2.13-2.24 (m, 1H), 2.08 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 0.95 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 6.6 Hz, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 498。元素分析C19H25N5O9S・1.0 HCl・1.0 H2Oに関する理論値: C, 41.19; H, 5.09; Cl, 6.40; N, 12.64; S, 5.79.実測値: C, 41.52; H, 5.01; Cl, 6.64; N, 12.85; S, 5.85。
実施例51: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−ブチリル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(100)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−ブチリル−5'−N−tert−ブトキシカルボニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(99)の製造
実施例49工程1と同様の方法で、3および無水酪酸から99を収率62%で白色蝋状固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.27 (s, 1H), 7.05 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.97 (br s, 2H), 5.92 (dd, J = 6.6, 3.7 Hz, 1H), 5.88 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 11.7, 2.9 Hz, 1H), 4.13-4.23 (m, 2H), 3.84 (dd, J = 8.1, 6.6 Hz, 1H), 2.24-2.39 (m, 4H), 1.98-2.03 (m, 1H), 1.46-1.59 (m, 4H), 1.35 (s, 9H), 0.85-0.91 (m, 12H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 654。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−ジ−O−ブチリル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(100)の製造
実施例49工程2と同様の方法で、標題化合物を収率60%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.48 (s, 1H), 8.42 (s, 3H), 7.19 (br s, 2H), 6.00 (dd, J = 6.6, 4.4 Hz, 1H), 5.92 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.57 (dd, J = 12.5, 5.9 Hz, 1H), 4.47 (dd, J = 12.5, 2.9 Hz, 1H), 4.35-4.40 (m, 1H), 4.27-4.31 (m, 1H), 3.83-3.85 (m, 1H), 2.28-2.40 (m, 4H), 2.14-2.25 (m, 1H), 1.46-1.60 (m, 4H), 0.83-0.96 (m, 12H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 554。C23H33N5O9S・1.1 HCl・0.5 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 45.68; H, 5.85; Cl, 6.45; N, 11.58; S, 5.30。実測値: C, 45.34; H, 5.70; Cl, 6.59; N, 11.62; S, 5.42。
実施例52: 5−アミノ−3−(2',3'−O−カルボニル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(102)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−[2',3'−O−カルボニル−5'−O−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル)]−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(101)の製造
実施例49工程1と同様の方法で、3およびトリホスゲンから101を収率54%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.34 (s, 1H), 7.09 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.06 (br s, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.83 (d, J = 8.1, 1H), 5.67-5.72 (m, 1H), 4.46-4.51 (m, 1H), 4.23-4.32 (m, 2H), 3.82 (dd, J = 13.9, 5.9 Hz, 1H), 1.94-1.99 (m, 1H), 1.34 (s, 9H), 0.81 (d, J = 6.6 Hz, 6H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 540。
工程2: 5−アミノ−3−(2',3'−O−カルボニル−5'−O−L−バレニル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(102)の製造
実施例49工程2と同様の方法で、102を収率65%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.51 (s, 1H), 8.36 (s, 3H), 7.25 (br s, 2H), 6.13 (s, 1H), 5.88 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.76-5.82 (m, 2H), 4.39 (dd, J = 10.3, 2.9 Hz, 1H), 3.86 (s, 1H), 3.41-3.54 (m, 1H), 2.01-2.32 (m, 1H), 0.91 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 6.6 Hz, 3H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 440。C16H19N5O8S・1.1 HCl・0.5 H2O・0.75 Et2Oに関する元素分析:理論値: C, 40.21; H, 4.22; Cl, 7.42; N, 14.66; S, 6.71。実測値: C, 41.48; H, 5.08; Cl, 7.16; N, 12.75; S, 5.79。
実施例53: 5−アミノ−3−(5'−O−(L−バレニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(104)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−[2',3'−O−イソプロピリデン−5'−O−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−バレニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル]−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(103)の製造
室温で、DCE(22.5mL)中、Boc−Val−Val−OH(3.00g、9.48mmol)とEDC(1.82g、9.48mmol)の不均一な混合物にピリジン(7.5mL)を加えた。均一になったところでこの混合物を室温で1時間攪拌し、その後、0℃まで冷却した。この溶液に2(3.07g、8.62mmol)およびDMAP(1.16g、9.48mmol)を順次加えた。この反応混合物を0℃で30分攪拌した後、室温で16時間攪拌した。この混合物を蒸発乾固した後、EtOAc(200mL)と水(100mL)とで分液した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、クロマトグラフィー(SiO、勾配溶出60%EtOAc−CHCl〜100%EtOAc)に付し、濃縮して粘稠な固体を得た。この固体をEtO−CHCl中でトリチュレーションし、2.048g(36%)の103を結晶性固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.63 (s, 1H), 11.37 (s, 1H), 11.25 (s, 1H), 7.92 (dd, J = 13.2, 8.1 Hz, 1H), 6.98 (br s, 2H), 6.61 (dd, J = 11.7, 8.8 Hz, 1H), 6.01 (s, 1H), 5.23-5.27 (m, 1H), 5.05 (br s, 1H), 4.10-4.35 (m, 3H), 3.76-3.90 (m, 2H), 3.57-3.60 (m, 1H), 1.80-2.06 (m, 2H), 1.47 (s, 3H), 1.36 (s, 3H), 1.35 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 0.77-0.86 (m, 12 H); [M-H]+ m/z 653。
工程2: 5−アミノ−3−(5'−O−[L−バレニル−L−バレニル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(104)の製造
ジオキサン中4MのHCl(50mL)とi−PrOAcの混合物に固体103(1.48g、2.26mmol)を加えた。得られた溶液は数分以内に不均一な混合物となった。1時間後、この懸濁液を濾過し、EtOで洗浄した後、高真空下で乾燥させ、948mg(74%)の104を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.29 (s, 1H), 8.52 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.06 (br s, 3H), 7.03 (br s, 2H), 5.79 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.42 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 4.71 (dd, J = 9.9, 5.5 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 11.7, 3.3 Hz, 1H), 4.18-4.22 (m, 2H), 4.06 (dd, J = 11.7, 8.0 Hz, 1H), 3.88-3.92 (m, 1H), 3.69 (s, 1H), 2.02-2.13 (m, 2H), 0.87-0.92 (m, 12H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 513。
実施例54: 5−アミノ−3−(5'−O−(L−フェニルアリニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(106)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−[2',3'−O−イソプロピリデン−5'−O−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアリニル−L−バレニル)−β−D−リボフラノシル]−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(105)の製造
実施例52工程1と同様の方法で、標題化合物を収率64%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.24 (s, 1H), 8.00-8.08 (m, 1H), 7.22-7.23 (m, 4H), 7.13-7.16 (m, 1H), 6.98 (br s, 2H), 6.83-6.87 (m, 1H), 6.02 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.25-5.28 (m, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.12-4.34 (m, 4H), 2.88-2.94 (m, 1H), 2.66-2.75 (m, 1H), 1.97-2.04 (m, 1H), 1.46 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 1.17-1.28 (m, 14H), 0.77-0.85 (m, 6H); MS (-)-ES [M-H]+ m/z 701。
工程2: 5−アミノ−3−(5'−O−[L−フェニルアリニル−L−バレニル]−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(106)の製造
実施例52工程2と同様の方法で、標題化合物を収率74%で白色固体として製造した。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.32 (s, 1H), 8.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.16 (br s, 3H), 7.19-7.28 (m, 5H), 7.09 (br s, 2H), 5.79 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.20 (br s, 3H), 4.70 (dd, J = 5.5, 4.4 Hz, 1H), 4.36 (dd, J = 11.7, 3.3 Hz, 1H), 4.03-4.24 (m, 3H), 3.90-3.94 (m, 1H), 3.09 (dd, J = 14.0, 5.9 Hz, 1H), 2.92 (dd, J = 14.0, 7.7 Hz, 1H), 2.01-2.10 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.6 Hz, 3H); MS (-)-ES M+ m/z 562。
実施例55: 5−アミノ−3−(5'−O−カプリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン塩酸塩(109)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−[2',3'−O−(4−フルオロベンジリデン)−β−D−リボフラノシル]−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(107)の製造
THF中、90(750mg、1.74mmol)および4−フルオロベンズアルデヒド(1.86mL、17.4mmol)の均一な溶液にHSO(1滴)を加えた。得られた混合物を16時間攪拌したところ沈殿が生じた。濾過し、360mg(49%)のベンジリデンアセタール107を黄色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.24 (s, 1H), 7.96-8.00 (m, 1H), 7.54-7.57 (m, 2H), 7.24-7.28 (m, 2H), 6.96 (br s, 2H), 6.12 (s, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.39-5.41 (m, 1H), 5.01-5.04 (m, 1H), 4.12-4.17 (m, 1H), 3.48-3.59 (m, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 423。
工程2: 5−アミノ−3−[2',3'−O−(4−フルオロベンジリデン)−5'−カプリルオキシ−β−D−リボフラノシル]−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(108)の製造
MeCN(5mL)中、107(360mg、0.605mmol)、EtN(278μL、2.00mmol)、およびDMAP(5mg、0.04mmol)の不均一な混合物に、無水カプリル酸(180μL、0.605mmol)を加えた。この反応混合物を16時間攪拌したところで、これを濃縮し、クロマトグラフィー(SiO、勾配溶出40〜60%EtOAc−CHCl)に付し、407mg(87%)の108を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.28 (s, 1H), 7.56 (dd, J = 8.4, 6.2 Hz, 2H), 7.25 (dd, J = 9.2, 8.8 Hz, 2H), 7.00 (br s, 2H), 6.14 (s, 1H), 5.97 (s, 1H), 5.39 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 5.15-5.18 (m, 1H), 4.27-4.35 (m, 2H), 4.14 (dd, J = 11.4, 7.7 Hz, 1H), 2.26 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 1.45-1.47 (m, 2H), 1.20-1.23 (m, 8H), 0.82 (t, J = 5.9 Hz, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 549。
工程4: 5−アミノ−3−(5'−O−カプリル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2,7−ジオン(109)の製造
MeOH(40mL)中、108(200mg、0.365mmol)とPPTS(5mg、0.02mmol)の混合物を45℃まで20分加熱し、濃縮し、HPLC精製を行い、69mg(43%)の標題化合物を白色固体として得た。1H (400 MHz, d6-DMSO)δ11.18 (s, 1H), 6.93 (br s, 2H), 5.77 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 5.08 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 9.9, 5.3 Hz, 1H), 4.30 (dd, J = 11.9, 3.7 Hz, 1H), 4.21 (dd, J = 12.1, 6.4 Hz, 1H), 3.98 (dd, J = 11.9, 6.8 Hz, 1H), 3.84-3.88 (m, 1H), 2.27 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 1.47-.150 (m, 2H), 1.19-1.25 (m, 8H), 0.84 (t, J = 6.8 Hz, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ m/z 443。C18H26N4O7S・1.0 H2Oに関する元素分析:理論値: C, 46.71; H, 5.78; N, 11.47; S, 6.56。実測値: C, 46.62; H, 6.09; N, 12.01; S, 6.89。
実施例56: (5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−2,3−ジヒドロ−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)−トルエン−4−スルホン酸−エステル(110)
Figure 2008501792
工程1: 5−アミノ−3−(2',3',5'−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−オン(110)
CHCl(10mL)に化合物25(250mg、0.56mmol)を溶解させ、DMAP(3.4mg、0.028mmol)およびTEA(0.24mL、1.70mmol)を加えた。この混合物を塩化p−トルエンスルホニル(21.5mg、113mmol)を40ごとに1当量の5分の1ずつ加えた。反応の進行をTLCによりモニタリングした。3時間後、出発材料の大部分が消費された。この粗反応混合物をシリカプラグに通し、濃縮し、クロロホルム中25%の酢酸エチルを用いてフラッシュカラムにより精製した。この生成物をエチルエーテルに溶解させ、ヘキサンを加えると化合物16(190mg、0.32mmol)が白色固体として沈殿した。1H NMR (400MHz, d6-DMSO)δ8.00 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 5.97 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.86 (m, 1H), 5.52 (m, 1H), 4.35 (m, 1H), 4.24 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (s, 3H); MS (+)-ES [M+H]+ 597. Rf = 0.65 (75% 酢酸エチル-CHCl3)。C23H24N4O11Sに関する元素分析: 理論値: C, 46.30; H, 4.05; N, 9.39; S, 10.75。実測値: C, 46.54; H, 4.27; N, 9.19; S, 10.44。
生物学的試験
式Iの化合物の、有利な経口送達特性を示す能力および選択した経路で投与した場合に免疫応答を誘導する能力は、マウスおよびビーグル犬での実験で容易に実証された。式Iの化合物に対するこのような測定の結果を、本開示中に引用されている文献(例えば、米国特許第5,041,426号および同第4,880,784号)に記載の化合物を用いた同様の実験の結果と比較して、薬物動態学的特性および薬力学的特性に関しての式Iの化合物の有利な点を明らかにすることができる。
マウスにおけるインターフェロンα(Mu−IFN−α)濃度
標準マウスは、本明細書に記載の発明が1(イサトリビン)の経口送達においてどの程度の物質改善をもたらすか評価するのに有用な系を提供する。上記プロドラッグの経口投与から生じるイサトリビンの血漿濃度を測定することができるだけでなく、マウスで実施される広範囲にわたる免疫学的研究により、イサトリビンの所望の生物活性の一つを反映する、注目されるサイトカインであるインターフェロンαのレベルを測定するのに好適な試薬が提供されてきた。
発明者らは、3、すなわち1の5'−バリンエステル(val−イサトリビン)がイサトリビンそれ自体の投与の結果生じるものよりも実質的に高いインターフェロン応答を惹起すことを実証する一連の実験においてこのマウス系を用いた。
表1は、経口経路によって、重炭酸塩として50mg/kgのレベルで配合されたイサトリビンを2回投与したマウスの血漿中のマウスインターフェロンαに関する検定に関する結果を示している。4時間間隔で投与を繰り返してもインターフェロンは全く測定できなかったことが明らかである。
Figure 2008501792
BQLn−引き上げた定量限界未満<npg/mL
表2は、まず重炭酸塩を投与し、次いで4時間後に重炭酸塩として50mg/kgのレベルで配合されたイサトリビンを経口投与したマウスの血漿中におけるマウスインターフェロンαのアッセイ結果を示している。インターフェロンは、重炭酸塩ビヒクル投与を施したもの2個体を含むマウス4個体から得た血漿において記録したものである。この実験で報告した値は全て低く、報告したインターフェロンレベルは各時点で評価した3個体のマウス全てについて一貫して報告されたものではなく、これらのシグナルがアッセイ下限付近で測定されたために生じる人的なものかもしれないことを示唆している。
Figure 2008501792
BQLn−引き上げた定量限界未満<npg/mL
NR−報告不可
表3は、重炭酸塩中に溶解させたval−イサトリビンを、モル基準でイサトリビン50mg/kg相当の用量で経口投与したマウスの血漿中のマウスインターフェロンαに関するアッセイ結果を示している。投与1.0時間後、1.5時間後、および2.0時間後においてインターフェロンが容易に測定できたのは明らかである。インターフェロンは各時点でアッセイした全てのマウスで検出されており、このことからval−イサトリビン投与後の効果の信頼性が示される。よって、val−イサトリビンの単回投与はイサトリビンの単回投与または反復投与よりも優れていた。
Figure 2008501792
BQL−定量限界未満<12.5pg/mL
BQLn−引き上げた定量限界未満<npg/mL
NR−報告不可
また、表1、2および3に示したデータは測定可能なインターフェロンレベルの出現率の点から考慮されたものであってもよい。イサトリビンの検討では、用いたマウス114個体中4個体の血漿にしかインターフェロンが検出されなかったのに対し、val−イサトリビンを投与した場合ではマウス30個体中10個体で血漿中にインターフェロンが検出できた。よって、プロドラッグはインターフェロン応答を示すマウスの割合を4%から30%に引き上げ、平均応答とピーク応答の双方を2倍に増大させた。
他の実験で、静脈経路によりイサトリビンを投与したマウスにおいてイサトリビンおよびインターフェロンαの血漿レベルを測定し、これらのレベルをval−イサトリビンの経口投与後に生じるイサトリビンおよびインターフェロンαのレベルと比較した。これらのデータを図1にまとめる。この図において、経口val−イサトリビン(「val−isator」)(50mg/kgのイサトリビンモル当量)によって誘導されたインターフェロンαのレベルは、25mg/kgの静脈イサトリビン(「isator」)から生じるものと同等であることが明らかである。よって、経口val−イサトリビンは、イサトリビンそのものの静脈投与後に観察されるものの約50%のイサトリビンおよびインターフェロンレベルを与えるに過ぎない。
ビーグル犬
プロドラッグ(val−イサトリビン、3)をビーグル犬に経口投与した後の、イサトリビン(1)への全身曝露に対する効果を調べた。イサトリビンは重炭酸ナトリウム溶液として調製した。Val−イサトリビンおよびイサトリビンは、溶解性を確保するために選択した次の処方に従って調製した。
処方1:イサトリビンの重炭酸ナトリウム溶液、1mg/mLおよび4mg/mL。
処方2:リン酸緩衝生理食塩水中のval−イサトリビン、1.62mg/mLおよび6.48mg/mL(モル基準でイサトリビン1mg/mLおよび4mg/mL相当)。
体重15〜27kg、約1〜2歳のビーグル犬成犬の雄4個体と雌4個体を試験開始時に用いた。これらのビーグル犬を各雄2個体と雌2個体の2群に分けた。試験物質を、投与と投与の間に7日間の洗浄期間を設け、1日目と8日目に強制経口投与した。投与前と、各投与の15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、8時間後および10時間後に各個体から血液サンプル(2mL)をリチウムヘパリン管へ採取した。血漿は分析まで−70℃で冷凍した。血漿はHPLC−MS/MSアッセイによってイサトリビンに関して分析した。
各個体におけるイサトリビンまたはval−イサトリビンから生じるイサトリビンに対する薬物動態パラメータを表4および表5にまとめる。50mg/kg用量のプロドラッグおよび重炭酸塩溶液に対する最大濃度(Cmax)と時間−濃度曲線下面積(AUC)によって測定される総曝露量を決定する重要な薬物動態パラメータに対する比率を表6にまとめる。プロドラッグ3では、Cmax比は2.98±0.695で、AUC比は2.38±0.485であった。これらの結果は、50mg/kg用量では、重炭酸塩溶液としてのイサトリビンよりもプロドラッグであるval−イサトリビンの方が実質的に高いCmaxと高いバイオアベイラビリティをもたらしたことを示す。
10mg/kg用量についての、重炭酸塩溶液に対するプロドラッグのCmaxおよびAUCの比率を表7にまとめる。プロドラッグでは、Cmax比は2.24±0.249で、AUC比は1.82±0.529であった。これらの結果は、10mg/kg用量では、重炭酸溶液としてのイサトリビンよりもプロドラッグであるval−イサトリビンの方が実質的に高いCmaxと高いバイオアベイラビリティをもたらしたことを示す。
よって、10mg/kg用量でも50mg/kg用量でも、イサトリビンそのものと比較して、プロドラッグであるval−イサトリビンの経口投与の後には、経口投与後に達するイサトリビンの最大濃度が少なくとも2倍であり、イサトリビンに対する全身曝露量は約2倍に高まる。
Figure 2008501792
Figure 2008501792
Figure 2008501792
Figure 2008501792
このプロドラッグはいくつかの理由から好ましい。第一に、このプロドラッグは高い割合で有効薬剤が得られるよう処方するのが容易である。これにより、所定の用量とするのに小さなカプセルサイズで済み、経口品として有利である。第二に、このプロドラッグは薬剤が腸を覆っているリンパ組織を通過する際に活性構造をマスクするものと期待でき、この組織の活性化が最小限となるはずであり、これにより経口許容性が改善される。最後に、試験した用量では、val−イサトリビンにより、経口投与後のイサトリビンの血漿レベルは生物学的作用にとって望ましい範囲となるが、イサトリビンそのものの場合ではそうはならない。
胃腸管刺激の軽減
また、本発明の式Iの化合物は毒性学的作用の予期しなかった、そして大幅な軽減、特にGI刺激の軽減も示す。胃腸(「GI」)管は実質的な免疫組織(例えば、パイエル板など)で覆われている。式Iの化合物は、薬剤が腸を覆うリンパ組織を通過する際に活性構造をマスクするものと期待でき、この組織の活性化が最小限となるはずであり、これによりGI刺激が軽減される。
Robinsらは、イサトリビンヌクレオシドの5'−ヒドロキシルを除去すると活性がなくなることを示している。Robins et al., Adv. Enzyme Regul., 29, 97-121 (1989)参照。特定の理論に縛られるものではないが、エステル置換によってこのヒドロキシル部位がブロックされると同様に活性がなくなるが、全身循環への輸送は可能であり、そこでこのバリンエステルが開裂し、その結果、イサトリビンに曝されるのではないかという仮説が得られた。
発明者らは、この仮説が確かなものであることを見出した。静脈投与したイサトリビンと経口投与したイサトリビンおよびval−イサトリビンの一定形式の毒性学的研究をビーグル犬で行った。経口投与イサトリビンの毒性学的結果は、ICN/Nucleic Acid Research Instituteが実施した研究から得られたものである。
発明者らは、このビーグル犬において1および3の経口毒性と1の静脈毒性を比較した。発明者らは、3の経口毒性は、1の経口投与に似ているというより、1の静脈投与にはるかに似ていることを観察した。特に、3の経口投与の用量制限毒性は1の静脈投与の場合に性質が似ており、血液暴露において起こり、これは1の静脈投与後に見られたものと同じであった。これに対し、1の経口投与では制限毒性は違ったものであり(胃腸変性)、この毒性は1の静脈投与または3の経口投与のいずれの毒性用量よりも低い用量で見られた。また、1の経口投与で処置した犬では、嘔吐を生じた3の経口投与量よりも低い用量で嘔吐が見られた。表8参照。化合物の経口投与と静脈投与を比較可能な嘔吐評価用の他の系も知られている(フェレットなど)。例えば、Strominger N. et al., Brain Res. Bull, 5, 445-451 (2001)参照。
各場合とも、化合物は溶液として、または強制経口投与により、または静脈注入により投与した。毒性研究の通例に従い、複数のパラメータを評価した。イサトリビン暴露ポテンシャルのもっと高い試験では、イサトリビンの血漿濃度をLC/MS法により評価した。顕著なGI所見を等級分けし、表8に示す。
Figure 2008501792
経口投与したイサトリビンでは、主要な所見はGI刺激によって評価されるGI許容性に関するものであった。表8に示した臨床徴候は嘔吐および/または軟便である。これらの臨床徴候は10mg/kg群において頻度が高く、ある個体ではこの用量で血便が見られた。GI管の全体的な組織病理学的評価では、10mg/kg群で8個体中4個体の犬で腸管粘膜に複数の瘢痕状の赤い変性が示され、顕微鏡評価から、進行中の局部的炎症過程であると思われる細胞のうっ血や出血が明らかになった。GI作用では、無毒性量(NOAEL)は5mg/kgであると確定された。
静脈投与したイサトリビンでは、どの犬にも共通する所見として嘔吐および/または軟便が生じ、この作用は経口投与したイサトリビンよりも実質的に高い適用量で生じた。剖検でも組織の組織病理学的評価でもGI管において変性は全く見られなかった。GI毒性は無毒性量(NOAEL)に影響を与えず、無毒性量は他の所見を基準として12.5mg/kgであることが確定された。
経口投与したval−イサトリビンは、静脈投与したイサトリビンと同様の毒性プロフィールを示した。より高い適用量では嘔吐および軟便が見られた。GI変性は見られなかったが、これは本研究の評価の焦点であった。静脈投与したイサトリビンについては、無毒性量(NOAEL)は他の所見をもとにして確定した。本研究において、見られた毒性とイサトリビンの全身暴露の一致は興味深い点であり、嘔吐および軟便の所見に対するイサトリビンAUCの閾値は、静脈投与イサトリビンと経口投与val−イサトリビンの場合と同等である(表8)。
表8のデータは、経口投与val−イサトリビンが経口投与イサトリビンよりも改善された毒性プロフィールを示すことを示唆しており、イサトリビンの活性の化学的マスキングがそのヌクレオシドのヒドロキシルの1個をエステルで化学的に置換することにより、好ましくはヌクレオシドの5'−ヒドロキシル位においてエステルで化学的に置換することにより得られるという仮説と合致する。この置換が体内に入った際に開裂可能なように操作すれば、GI管の解剖学的構造から生じる制限GI毒性なくその化合物の有用な活性に対する全身暴露が得られる。これにより、そうでない場合に許容されるものよりもモル基準で実質的に高い用量を投与することができ、その結果、「マスクされていない」親化合物単独を投与する場合に比べて、効果が大きくなり、かつ、副作用が軽減される。
式Iの化合物の経口投与後の1(イサトリビン)に対する全身暴露の評価
Figure 2008501792
Caco2アッセイ
候補薬剤化合物の、腸管上皮細胞バリアを通る吸収率を推定するためには、分化し、P−糖タンパク質を発現するCaco2細胞単層を用いたin vitro薬剤輸送アッセイが広く用いられている。例えば、Hilgers, A. R. et al., Pharm. Res., 20(8), 1149-55 (Aug. 2003)参照。
Caco−2細胞(ATCCから入手)を透過膜上で、膜の上面側にも下面側にもアクセスできるチャンバー内で密集するまで増殖させる。得られた細胞の膜が完全なものであることを経上皮電気抵抗値を用いて評価する。試験化合物を膜の上面側に既知の濃度で加え、膜の下面側における化合物の出現率をHPLCまたはLC−MS/MSのいずれかを用いた分析により評価する。Caco−2細胞での輸送率の高さは、胃腸管吸収の高さと関連がある。
この系において化合物79、89、および78を評価する目的は、89と78が79よりも高い程度で輸送されるかどうかを判定することであった。これらの知見により、89と78は79よりも有意に高い輸送を示すことが確認される。
一次肝細胞
本発明の化合物は効果的なプロドラッグとして働くとすれば、体内で1に変換されなければならない。ある化合物が動物の体内で変換される程度を評価するには、肝細胞がよく用いられ、このような変換はその動物個体の代謝を反映して、異なる種に由来する肝細胞では異なり得ることが知られている。Seddon T. et al., Biochem Pharmacol., 38(10), 1657-65 (May 1989)参照。
カニクイザル肝細胞は商業的供給者から購入し、調製して48時間以内に用いた。化合物は培地中、10μM/mlの濃度で調製し、標準的な系にて生肝細胞1,000,000個/mlを用いて、37℃で2時間インキュベーションした。インキュベーション終了時に変換程度を、LC−MS/MSにより1を測定することによって評価した。
この系において化合物79、89、および78を評価する目的は、1への変換程度を判定することであった。これらの知見により、89と78が79の場合よりもより著しく1に変換されることが確認される。
動物PK試験
本発明の化合物の、経口投与後に全身循環へ1を送達する能力の評価は、当技術分野で周知の方法によって行った。表9および10では、各試験化合物を、pH3のPBSなどの水性バッファーまたはCremaphor、Tween80、もしくはPEG400などの可溶化剤を含有する溶液に化合物を溶解させることにより、経口投与用の溶液として製造した。一般に、各試験につき3個体の動物群を用い、この化合物溶液をSprague−Dawleyラットまたはカニクイザルに強制経口投与により投与した。6〜24時間内のいくつかの時点(通常、6〜12時点を用いた)で各動物から血漿サンプルを採取した。これらの血漿サンプルは採取後すぐに冷凍し、生物分析用にサンプル調製する直前に解凍した。
化合物1に関する参照値は経口投与後または静脈投与後のいずれかに同様の手順により得られたものである。1の静脈投与の結果、投与した量のうち大部分(>75%)が尿中に完全な1として回収されたことから、尿中の1の測定値は1に対する全身暴露の便宜的尺度となった。このため、試験によっては、投与後24時間を超えて採取した尿中の1の量を化合物の評価に用いたものもある。
生物分析
動物PK試験またはin vitro試験で採取した各サンプルのアリコート(通常50μL)を、内部標準(通常ネブラリン)を含有するアセトニトリル(アセトニトリル:血漿比3:1)でクエンチした。この懸濁液を14,000rpmで5〜10分遠心分離した。得られた上清のアリコートを清浄なバイアルに移し、窒素下で乾燥させた。乾燥させたサンプルを再構成し、MRM(multiple reaction monitoring)法によりLC−MS/MS分析を行った。較正標準は、分析物の最初の濃縮標準を動物血漿または細胞培養培地のいずれかで連続希釈することにより調製した。較正標準は、動物PKサンプルに関して上記したLC−MS/MS分析用に調製した。LC−MS/MS分析は、試験サンプルをブラケットする(bracketing)少なくとも2セットの較正標準を用い、バッチモードで行った。分析物と内部標準の双方のLC−MS/MSトレースを積分し、それらのピーク面積の比を用いて、試験サンプルと較正標準の双方における分析物の相対的応答を算出した。較正標準から得られた応答に曲線の当てはめを行うことで合成較正曲線を作成した。当てはめた較正曲線を用いて、サンプル中の分析物の量を算出した。この較正曲線の有用な動的範囲は1〜5ng/mLから2,000〜10,000ng/mLであった。
PKの算出
既知用量の化合物を経口投与した後の1の血漿濃度−時間プロフィールを用い、全身循環中の1のAUC(曲線下面積(area-under-the-curve))を算出した。このAUCを、分子量に基づき、化合物中の1の総理論含量に従ってノーマライズした。表8では、AUCをさらに用量1mg/kgに対してノーマライズした。
表8からAUCデータは、化合物89と78が経口投与後、79よりも多くの1を全身循環に送達する(44%〜69%増)ことを示す。
Figure 2008501792
Figure 2008501792
Figure 2008501792
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化合物の抗ウイルス活性
細胞培養、動物モデル、およびヒト被験者への投与など、本発明の化合物の抗ウイルス活性の程度を判定するためには、本発明に従っていくつかのアッセイを使用することができる。本発明の化合物の存在下でウイルスの増殖特性を判定するために経時的にウイルス増殖をアッセイするには、本明細書に記載のアッセイを使用することができる。
他の実施形態では、ウイルス感染に感受性のある動物対象にウイルスと本発明の化合物を投与する。感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率などを、対象にウイルス単独を投与した場合(本発明の化合物の不在下)で見られた感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率などと比較することができる。本発明の化合物の抗ウイルス活性は、本発明の化合物の存在下での感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率などの低下により実証される。特定の実施形態では、ウイルスと本発明の化合物を動物対象に同時に投与する。別の特定の実施形態では、本発明の化合物の前に動物対象にウイルスを投与する。また別の特定の実施形態では、ウイルスの前に動物対象に本発明の化合物を投与する。
他の実施形態では、ウイルスの増殖率は、本発明の化合物の存在下または不在下において感染後の複数の時点でヒトまたは動物対象から体液/臨床サンプル(例えば、鼻腔吸引物、咽喉スワブ、痰、気管支肺胞洗液、尿、唾液、血液、または血清)をサンプリングし、ウイルスのレベルを測定することにより試験することができる。特定の実施形態では、ウイルスの増殖率は、細胞培養で増殖させた後、または許容される増殖培地上で増殖させた後、または対象内で増殖させた後のサンプルにおけるウイルスの存在を、例えば、限定されるものではないが、アッセイするウイルスを免疫特異的に認識する抗体を用いた、イムノアッセイ(例えば、ELISA;ELISAに関する考察としては、例えば、Ausubel et al., eds, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. I, John Wiley & Sons, Inc., New York at 11.2.1を参照)、免疫蛍光染色、またはイムノブロット分析、あるいはウイルス特異的な核酸の検出(例えば、サザンブロットまたはRT−PCR分析などによる)などの当技術分野で周知のいずれかの方法を用いて評価することによりアッセイする。
特定の実施形態では、ウイルス力価は、感染細胞または感染対象から体液/臨床サンプルを得、そのサンプルの連続希釈液を調製し、ウイルス感染に感受性のある細胞(例えば、一次細胞、形質転換細胞株、患者の組織サンプルなど)の単層を、単一プラークの出現が可能なウイルス希釈液で感染させることにより測定することができる。次に、これらのプラークを計数し、ウイルス力価をプラーク形成単位/mlサンプルとして表すことができる。
ある特定の実施形態では、対象におけるウイルス増殖率は、対象における、そのウイルスに対する抗体の力価によって評価することができる。抗体血清力価は当技術分野で周知のいずれかの方法によって測定することができ、例えば、限定されるものではないが、血清サンプル中の抗体または抗体フラグメントの量は、例えばELISAにより定量することができる。さらに、式Iの化合物のin vivo活性は、化合物を試験動物に直接投与し、体液(例えば、鼻腔吸引物、咽喉スワブ、痰、気管支肺胞洗液、尿、唾液、血液、または血清)を採取し、その体液を抗ウイルス活性に関して試験することにより測定することができる。
ウイルスレベルをアッセイするサンプルが体液/臨床サンプル(例えば、鼻腔吸引物、咽喉スワブ、痰、気管支肺胞洗液、尿、唾液、血液、または血清)である実施形態では、これらのサンプルは無傷な細胞を含んでも含まなくてもよい。無傷な細胞を含む対象由来サンプルは直接処理することができ、一方、無傷な細胞を含まない単離物は、まず、許容細胞株(例えば、一次細胞、形質転換細胞株、患者の組織サンプルなど)または増殖培地(例えば、LB培養液/寒天、YT培養液/寒天、血液寒天培地など)で培養しても培養しなくてもよい。細胞懸濁液は、例えば室温にて300×gで5分遠心分離した後、同じ条件下でPBS、pH7.4(Ca++およびMg++フリー)洗浄を行うことにより明澄化することができる。細胞ペレットを分析のために少量のPBSに再懸濁させることができる。無傷な細胞を含む一次臨床単離物は、PBSと混合し、室温にて300×gで5分遠心分離することができる。無菌のピペットチップで界面から粘液を除去し、細胞ペレットを同じ条件下、PBSでもう一度洗浄することができる。その後、ペレットを分析のために少量のPBSに再懸濁させることができる。
他の実施形態では、本発明の化合物をウイルスに感染したヒト被験者に投与する。感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率などを、本発明の化合物の不在下またはプラセボの存在下で、ウイルスに感染したヒト対象で見られた感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率となどと比較することができる。本発明の化合物の抗ウイルス活性は、本発明の化合物の存在下での感染の罹患率、重篤度、長さ、ウイルス量、死亡率などの低下により実証される。これまでに記載したものなど、当技術分野で公知のいずれかの方法を用い、対象における抗ウイルス活性を測定することができる。
さらに、式Iの化合物のin vivo活性は、化合物を動物またはヒト対象に直接投与し、体液/臨床サンプル(例えば、鼻腔吸引物、咽喉スワブ、痰、気管支肺胞洗液、尿、唾液、血液、または血清)を採取し、その体液/臨床サンプルを抗ウイルス活性に関して試験する(例えば、ウイルスの存在下、培養細胞に添加することによる)ことにより測定することができる。
図2: イサトリビンの1日1回IV投与に対するウイルス量の変化
イサトリビン治験薬品は、50mLバイアルに入った無菌の通常の生理食塩水中、1mg/mL溶液として提供した。イサトリビンは、7日間1日1回、1回当たり200、400、600または800mgを静脈注入により投与した。800mg用量は80分にわたって投与したことを除き、どの用量も60分にわたって一定速度で注入することにより投与した。各用量の流速は次の通りである:200mg用量は3.33mL/分;400mg用量は6.67mL/分;500mg用量は8.33mL/分;または600mgおよび800mg用量は10.0mL/分。
各用量群(1回当たり200mg、400mg、600mgおよび800mg)に4〜6名の患者を登録し、7日間1日1回の静脈注入を施した。HCVウイルスの遺伝子型を評価するため、投与前に各患者から血液サンプルを採取した。
これらの毎日(×7日)投与群では、ベースライン(−1日目すなわち処置前と1日目に得た2回の処置前測定値の平均)と、2日目から7日目については、最初の毎日イサトリビン静脈注入の開始前に1日1回、血漿HCV RNAを測定した。ウイルス量は、ブランチDNA法(Versant(商標)v3.0 bDNAアッセイ, Bayer Diagnostics)により測定した。血漿HCV RNAに関しては、処置前ベースラインからの最大変化を、対数変換値を用いて評価した。
例:経口組成物
表11はバッチ処方とval−イサトリビン100mgを含有する単位投与形の製造を示したものである。
Figure 2008501792
微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、およびval−イサトリビン成分を30番のメッシュスクリーン(約430μ〜約655μ)に通す。プルロニックF−68(登録商標)(カンザス州レネクサのJRH Biosciences, Inc.製)界面活性剤を20番のメッシュスクリーン(約457μ〜約1041μ)に通す。このプルロニックF−68(登録商標)界面活性剤と0.5kgのクロスカルメロースナトリウムを16qt.ツインシェル・タンブルブレンダーに装填し、約5分間混合する。次に、この混合物を3立方フィートのツインシェル・タンブルブレンダーに移し、微晶質セルロースを加え、約5分間ブレンドする。化合物を加え、さらに25分間ブレンドする。ブレンド済みのものを、その排出口にハンマーミルを取り付けたローラーコンパクターに通し、タンブルブレンダーに送り戻す。このタンブルブレンダーに残りのクロスカルメロースナトリウムとステアリン酸マグネシウムを加え、約3分間ブレンドする。最終的な混合物を1錠当たり250mgとして、回転打錠機で打錠する(200,000錠のバッチサイズ)。
例:粘膜用組成物
高剪断ミキサーを備えた密閉ステンレス鋼容器内でイサトリビンとトリクロロモノフルオロメタン12.6kg部とを合わせることで濃縮物を調製する。約20分間混合を行う。次に、21〜27℃に温度制御し、2.8〜4.0バールに圧力制御した大量生産タンク内で、この濃縮物と残部としての噴射剤とを合わせることにより、密閉容器内で大量の懸濁液を調製する。17ml用のエアゾール容器は、本発明の組成物100回分の吸入を提供するように設計した計量バルブを備えている。各容器には次のものが提供されている。
Figure 2008501792
例:静脈組成物
静脈製剤は、本発明の化合物を注射水(WFI)または5%デキストロース溶液などの適当な液体媒体で再構成することにより調製する。適当な量の本発明の化合物を適当な容量の液体媒体で再構成することにより、所望の濃度の静脈製剤を得ることができる。所望の濃度の静脈製剤は、治療上有効な量の本発明の化合物を、その静脈医薬製剤を必要とする患者、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトに提供し、その患者において本発明の化合物の治療上有効なレベルを維持する。治療上有効な用量は、その静脈製剤を患者に送達する速度、およびその静脈製剤の濃度によって異なる。例えば、組成物を含有するバイアル1本(例えば、バイアル1本当たり本発明の化合物50mg)を5%デキストロース溶液(バイアル1本当たり5%デキストロース溶液14ml)で再構成して総量25mLの溶液とする。この再構成溶液を点滴バッグ内のデキストロース溶液に配合して50mlとすると、静脈注入投与に好適な本発明の化合物1mg/mlを含有する溶液となる。点滴バッグ内の液体媒体中の本発明の化合物の好ましい濃度は、約0.001〜約3mg/ml、好ましくは約0.75〜約1mg/mlである。
上記の記載は例示的かつ説明的な性質のものであり、本発明およびその好ましい実施形態を説明することを意図したものであると理解すべきである。通常の実験を通して、当業者ならば本発明の精神を逸脱することなく成し得る明白な改変や変更が分かるであろう。よって、本発明は上記の記載によって定義されるのではなく、特許請求の範囲およびその均等物によって定義されるものとする。
マウスにおけるイサトリビン(isatoribine)(1)およびインターフェロンαの血漿レベルを示したグラフである。 イサトリビン(1)を服用しているHCV感染患者におけるウイルス量の変化を示したグラフである。

Claims (20)

  1. 式I
    Figure 2008501792
    [式中、R1a、R1b、およびR1cは独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CHNHR、−C(O)CH(C1−6アルキル)NHRであるか、またはR1bおよびR1cは共同で−C(O)−であり、これは酸素原子と一緒になって5員のカーボネート環を形成し;
    はHまたはORであり;
    はC1−18アルキルであり;
    はH、−C(O)CH(C1−6アルキル)NH、または−C(O)CH(CH−アリール)NHであり;
    は独立にH、C1−6アルキル、C3−7アルケニル、C3−7アルキニル、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(C−C10シクロアルキル)、−(CR(C−C10複素環式)、−(CRt>1OH、−(CRt>0CO1−18アルキル、および−(CRt>0N(R)CO1−18アルキル、およびSO(アリール)であり、ここでtは特に断りのない限り0〜6の整数であり、前記の基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、および複素環式部分は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−NH、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−N(アルキル)(アリール)、−N(アリール)、−NHCHO、−NHC(O)アルキル、−NHC(O)アリール、−N(アルキル)C(O)H、−N(アルキル)C(O)アルキル、−N(アリール)C(O)H、−N(アリール)C(O)アルキル、−NHCOアルキル、−N(アルキル)COアルキル、−NHC(O)NH、−N(アルキル)C(O)NH、−NHC(O)NH−アルキル、−NHC(O)N(アルキル)、−N(アルキル)C(O)NH−アルキル、N(アルキル)C(O)N(アルキル)、−NHSO−アルキル、−N(アルキル)SO−アルキル、−C(O)アルキル、−C(O)アリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、−CO−アルキル、−CO−アリール、−COH、−C(O)NH、−C(O)NH−アルキル、−C(O)N(アルキル)、−C(O)NH−アリール、−C(O)N(アリール)、−C(O)N(アルキル)(アリール)、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−SOアルキル、−SOアリール、−SONH2、−SONH−アルキル、および−SON(アルキル)から独立に選択される置換基で任意に置換されていてもよく;
    およびRは独立にH、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、またはC2−6アルキニルであり;そして
    はH、C1−6アルキル、または−CH−アリールであり;
    ただし、Rは−CHではなく、さらに、RがHである場合には、R1a、R1bおよびR1cのうち少なくとも1つがHでない]
    で示される化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  2. がORである、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  3. 1a、R1bおよびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(C1−6アルキル)NHであり;
    がORであり;
    がC1−18アルキルであり;
    が独立にC1−6アルキル、C3−7アルケニル、C3−7アルキニル、−(CR(C−C10アリール)、−(CR(C−C10複素環式)、および−(CRt>0N(R)CO1−18アルキルであり、ここでtが特に断りのない限り0〜4の整数であり、前記の基のアルキル、アルケニル、アリール、および複素環式部分が、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−CO−アルキル、−CO−アリール、−OC(O)アルキル、および−OC(O)アリールから独立に選択される1〜3個の置換基で任意に置換されていてもよく;
    およびRが独立にH、C1−6アルキル、またはC2−6アルケニルであり;そして
    がH、−CH、または−CHCHである、
    請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  4. Figure 2008501792
    で示される、請求項2に記載の化合物または医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  5. がHである、請求項1に記載の化合物または医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  6. 1a、R1b、およびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(C1−6アルキル)NHであり、そして
    がC1−18アルキルである、
    請求項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  7. 1a、R1b、およびR1cが独立にH、−C(O)R、ラセミ、L−もしくはD−アミノ酸基−C(O)CH(CH(CH)NHであり、そして
    がCHである、
    請求項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  8. 1a、R1b、およびR1cが独立にHまたは−C(O)Rであり、そして
    がCHである、
    請求項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  9. 1aがHであって、R1bおよびR1cが−C(O)Rであり、そして
    がCHである、
    請求項5に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  10. Figure 2008501792
    から選択される、化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  11. Figure 2008501792
    を含む、化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  12. 医薬上許容される担体と請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物。
  13. 化合物が
    Figure 2008501792
    から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 化合物が
    Figure 2008501792
    である、請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 患者において免疫サイトカイン活性を調節する方法であって、患者に治療上または予防上有効な量の請求項1に記載の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、方法。
  16. 化合物が
    Figure 2008501792
    から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 化合物が
    Figure 2008501792
    である、請求項15に記載の方法。
  18. 患者においてC型肝炎ウイルス感染症を処置する方法であって、患者に治療上または予防上有効な量の請求項1に記載の化合物、またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与することを含む、方法。
  19. 化合物が
    Figure 2008501792
    から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 化合物が
    Figure 2008501792
    である、請求項18に記載の方法。
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