JP2008312392A - 電動機制御装置とその制御方法 - Google Patents

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護 高木
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Abstract

【課題】d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させて、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にした電動機制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】d軸電流指令とq軸電流指令どおりに電動機に電流を流すように電圧指令を生成する電流制御部(5)と、前記電圧指令基づいて電動機電圧を生成するPWM制御部(6)と、電動機の位相θを検出する位置検出部とを備え、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する前記電動機を制御する電動機制御装置において、トルク指令または速度フィードバックに基づいてもとめた電流位相βを生成する電流位相生成部(12)と、前記トルク指令と前記電流位相βからd軸電流指令を生成するd軸電流指令生成部(2)と、前記d軸電流指令と前記トルク指令をもとにq軸電流指令を生成するq軸電流指令生成部(4)と、を備えた
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機を電流あたりのトルクを最大にする電動機制御装置とその制御方法に関する。
従来の電動機制御装置は、IPMモータの検出速度信号と速度指令信号との速度偏差に基いて算出された電流指令IcをId=|Ic|・cosβとIq=Ic・sinβの式(ただし、βはd軸と電流指令Icとの間の電気角)により、2つの直交するベクトル成分であるd軸電流指令Idとq軸電流指令Iqに分配している。(例えば、特許文献1参照)。また、最大トルク/電流制御を実現するための電流位相βを(1)式で求めるものもある。(例えば非特許文献1参照)

(1)式において、ψaは永久磁石による鎖交磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Iaは電流ベクトルの振幅である。
図6において、IPMモータ101は複数の永久磁石がロータコアに埋め込まれているロータを備え、永久磁石の直軸であるd軸のインダクタンスLdと直軸と電気角で直交する直交軸であるq軸のインダクタンスLqとの関係がLd<Lqとなる逆突極性の埋込磁石形同期電動機である。IPMモータ101はPWM電力変換器102を用いて可変速制御される。制御装置は、IPMモータ101の駆動軸の回転を検知するエンコーダ103からの信号と速度指令ωmcとを入力として、IPMモータの回転速度と速度指令ωmcとの速度偏差に基づいて電流制御信号を作成し、PWM電力変換器102にPWM制御信号を出力するPWM制御部104に電流制御信号を出力する。
この制御装置は、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqとに基づいて電流制御信号を出力する電流制御部105と、速度偏差に基づいてd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqを作成する速度制御部106とを備えている。
電流制御部105は、積分制御器151及び152とsin信号とcos信号とを発生する信号発生回路(OSC)153と、dq軸座標変換器154と、三相座標変換器155と、電流制御器156とから構成される。積分制御器151及び152は、速度制御部106から入力されたd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqと、d軸電流フィードバックIdf及びq軸電流フィードバックIqfとのぞれぞれの差からそれぞれの積分補償値を作成する。OSC153は、エンコーダ103により検出されるIPMモータ101のロータの回転位置θmに基いてsin、cos信号を作成する。dq座標変換器154は、PWM電力変換器102の出力電流の電流フィードバックIuf、IvfをOSC153から入力されたsin、cos信号に従ってdq座標変換し、d軸電流フィードバックIdF及びq軸電流フィードバックIqFを出力する。三相座標変換器155は、積分制御器151,152によりそれぞれ作成された積分補償値を含んだd軸電流指令Id’及びq軸電流指令Iq’を、OSC153から入力されたsin、cos信号に従って三相座標変換し、三相電流指令Iuc、Ivc及びIwcを出力する。電流制御装置156は、三相電流指令Iuc、Ivc及びIwcと電流フィードバックIuf、Ivfとの偏差をとり、比例演算して電圧指令Vuc、Vvc、Vwcを得てPWM制御器104に出力する。以上のような電流制御器の構成及び動作はすでに公知であるから詳細な説明は省略する。
速度制御部106は速度検出器161と、速度制御器162と、電流指令演算器163と、リミッタ164と、q軸電流指令演算器165と、絶対値化器166と、d軸電流指令演算器167とから構成される。q軸電流指令演算器165、絶対値化器166及びd軸電流指令演算器167は、d軸・q軸電流指令演算手段を構成する。速度検出器161は、エンコーダ103からの信号を受け取ってIPMモータ101の回転速度を検出して検出速度信号ωmを出力する。速度制御器162は、速度指令信号ωmcと検出速度信号ωmとの速度偏差からトルク指令Tcを演算する。電流指令演算器163は、トルク指令Tcに電流指令換算係数KTIを乗算して電流指令Icを演算する。リミッタ164は、電流指令Icを一定値にリミットする。q軸電流指令演算器165は、リミッタ164から出力された電流指令Icをsinβ倍してq軸電流指令Iqを算出する。d軸電流指令演算器167は、絶対値化器166により絶対値化された電流指令Icをcosβ倍してd軸電流指令Idを算出する。すなわちd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqはそれぞれ、
Id = |Ic|・cosβ
Iq = |Ic|・sinβ
の式(ただし、βはd軸と電流指令Icとの間の電気角)により算出される。
この制御装置においては、IPMモータ101は可変速制御するPWM電力変換器102にPWM制御器104からPWM制御信号が入力される。PWM制御器104には電流制御部105から電圧指令Vuc、Vvc、Vwcが入力され、これらはd軸電流指令Idとq軸電流指令Iqに基いて作成される。そしてd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqは速度制御部106において作成される。
まず速度検出器161がエンコーダ103からのエンコーダ値によりIPMモータ101の回転速度を検出し、検出速度信号ωmを出力する。速度指令信号ωmcと検出速度信号ωmとの速度偏差は速度制御器162により演算を施され、トルク指令Tcが算出される。トルク指令Tcには、電流指令演算器163により電流指令換算係数KTIが乗算されて電流指令Icが得られる。さらにリミッタ164により電流指令演算手段から出力された電流指令Icは一定値にリミットされる。
次に電流指令Icは、q軸電流指令演算器165、絶対値化器166及びd軸電流指令演算部からなるd軸・q軸電流指令演算装置においてd軸電流指令Id及びq軸電流指令Iqに分配される。すなわち電流指令Icは図7の電流ベクトル図に示すようにq軸成分とd軸成分とに分配される。このとき使用されるsinβ及びcosβの数値は、電流制御部105のOSC153においてdq座標変換に用いられるsinテーブルから読み出される。本実施の形態においては従来の制御装置内に記憶されているsinテーブルを参照してd軸・q軸電流指令演算を行うようにしたので、特別にメモリを増やす必要がない。またsinテーブルを参照することにより演算量が少なく、演算時間も短くて済む。
βの値は所望のトルクを最大トルク効率で得られるように調整される。例えば、低速時のトルク定数調整は、電流指令Icを定格電流とし、この状態でβを変化させ、最大のトルクが発生した角度をβの最適値とすることにより容易に実行される。このようにある一定電流の元でd軸・q軸電流指令を分配すればよいため、トルク定数の調整が非常に容易である。
このように、従来の電動機制御装置は、IPMモータの検出速度信号と速度指令信号との速度偏差に基いて算出された電流指令IcをId=|Ic|・cosβとIq=Ic・sinβの式(ただし、βはd軸と電流指令Icとの間の電気角)により、2つの直交するベクトル成分であるd軸電流指令Idとq軸電流指令Iqに分配して電動機を駆動するのである。
特開2000−341983号公報(第3−6頁、図1) 武田洋次・松井信行・森本茂雄・本田幸夫著「埋込磁石同期モータの設計と制御」オーム社出版、2001年10月25日、p.23−26
従来の電動機制御装置は、電流指令Icが定格電流の状態でd軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを変化させ、最大のトルクが発生した角度をβの最適値とするようになっていて、電流の大きさまたはトルクの大きさによりβを変化させないので、Icが定格電流の状態、すなわちβの最適値を調整した状態以外では、最大トルク/電流制御を実現できないという問題があった。また、負荷状態が変化し、電動機に流れる電流が変化するような場合は、インダクタンスが変化し、モータに発生するリラクタンストルクが変化するので、インダクタンスの変化を考慮していない従来の電動機制御装置では、トルク指令と実トルクが一致しないのでトルク制御できないというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるとともに、電流により変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクが最大で、電動機に流れる電流が変化しインダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差が小さい電動機制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載の発明は、d軸電流指令とq軸電流指令どおりに電動機に電流を流すように電圧指令を生成する電流制御部と、前記電圧指令に基づいて電動機電圧を生成するPWM制御部と、電動機の位相θを検出する位置検出部とを備え、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する前記電動機を制御する電動機制御装置において、トルク指または速度フィードバックに基づいて求めた電流位相βを生成する電流位相生成部と、前記トルク指令と前記電流位相βからd軸電流指令を生成するd軸電流指令生成部と、前記d軸電流指令と、前記トルク指令をもとにq軸電流指令を生成するq軸電流指令生成部と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記d軸電流指令生成部は、前記電流位相βと前記トルク指令に基づき、d軸電流算出式を用いてd軸電流指令を算出することを特徴とするものである。
ただし、d軸電流算出式は、
Id_ref=−T_ref/(Kt・sinβ)
であり、Id_refはd軸電流指令、T_refはトルク指令、Ktは電動機トルク定数である。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記電流位相生成部は、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、あるトルクを発生するために必要な電流が最小になるように決定し、前記電流位相βはテーブルあるいは近似式を用いて求めることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記q軸電流指令生成部は、前記d軸電流指令と、前記トルク指令に基づいて、電流の変化に応じて変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いてq軸電流指令を生成することを特徴とするものである。
ただし、q軸電流算出式は、
Iq_ref=T_ref/(Ke+K(Ld−Lq)I_dref)
であり、Iq_refはq軸電流指令、Keは電動機の誘起電圧定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置において、前記q軸電流指令生成部は、前記d軸電流指令と、前記トルク指令に基づいて、d軸電流の変化に応じて変化する係数Kd、q軸電流の変化に応じて変化する係数Kqを用いたq軸電流算出式を用いてq軸電流指令を生成することを特徴とするものである。
ただし、q軸電流指令算出式は、
Iq_ref=T_ref/(Ke+(KdLd−KqLq)Id_ref)
である。
請求項6記載の発明は、d軸電流指令とq軸電流指令どおりに電動機に電流を流すように電圧指令を生成する電流制御部と前記電圧指令に基づいて電動機電圧を生成するPWM制御部と、電動機の位相θを検出する位置検出部とを備え、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する前記電動機を制御する電動機制御装置の制御方法において、トルク指令から電流位相を生成するステップと、前記トルク指令と前記電流位相に基づいて、d軸電流指令を生成するステップと、前記d軸電流指令と前記トルク指令を用いてq軸電流指令を生成するステップと、前記d軸電流指令と前記q軸電流指令を用いて電動機を駆動するステップと、備えたことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、前記d軸電流指令は、請求項6に記載の電動機制御装置の制御方法において、前記電流位相βと前記トルク指令に基づいて、d軸電流算出式を用い、トルク定数Ktを最大トルクが発生するときのトルクと電流の関係から変化させて算出することを特徴とするものである。
ただし、d軸電流算出式は、
Id_ref=−T_ref/(Kt・sinβ)
であり、Id_refはd軸電流指令、T_refはトルク指令、Ktは電動機トルク定数である。
請求項1に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるとともに、電流により変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にする制御を実現でき、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さくした電動機制御装置を提供できる。
また、請求項2に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるので、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にした電動機制御装置を提供できる。
また、請求項3に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるので、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にした電動機制御装置を提供できる。
また、請求項4に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるとともに、電流により変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にでき、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さくした電動機制御装置を提供できる。
また、請求項5に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるとともに、電流により変化する係数

を用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にでき、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さくした電動機制御装置を提供できる。
また、請求項6に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるとともに、電流により変化する係数

を用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にでき、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さくした電動機制御装置の制御方法を提供できる。
また、請求項7に記載の発明によると、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、トルクの大きさにより変化させるので、電動機を駆動するトルクが変化しても、電流あたりのトルクを最大にした電動機制御装置の制御方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す電動機制御装置のブロック図である。図において、1はトルク指令T_ref、2はd軸電流指令生成部、4はq軸電流指令生成部、5は電流制御部、6はPWM制御部、7はモータ、8は位置検出器、9は電動機の位相θ、10はd軸電流指令Id_ref、11はq軸電流指令Iq_ref、12は電流位相生成部、13はd軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βである。
モータ7はd軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する電動機であり、例えば、IPMモータのようにマグネットトルクとリラクタンストルクの両方を利用できるモータで、発生するトルクは、マグネットトルクとリラクタンストルクの合計になる。そのため、d軸電流を0とすると、リラクタンストルクは発生せず、d軸電流を流すとリラクタンストルクが発生し、発生するトルクが変化する。つまり、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクは決定される。
モータ7をトルク指令T_ref1で駆動する場合、まず、あるトルクを発生させるための電流を最小にする、つまり最大トルク/電流制御を実現するために、電流位相β(13)をトルク指令T_ref1と以下の近似式(2)、(3)式を用いて変化させる。この処理は電流位相生成部12で行う。

(2)式、(3)式は電流位相β(13)のトルク指令T_ref1による変化を近似した式である。トルク指令T_ref1による変化は2直線で近似している。(2)式、(3)式の切替には設定した基準トルクを用いる。また、最大トルク/電流制御を実現するための電流位相13が、速度の変化も影響を受ける場合、速度フィードバックV_fbを用いた(4)式を用いて、電流位相13を変化させる。

(4)式は電流位相β(13)の速度フィードバックV_fbによる変化を近似した式である。また、速度フィードバックの変わりに速度指令を用いてもよい。
(2)式、(3)式、(4)式における係数A、B、C、D、β_offset1、β_offset2はモータ7の特性より求めたものである。電流位相生成部12では、近似式ではなくテーブルを用いてもよい。
次に電流位相生成部12で生成された電流位相β(13)とトルク指令T_ref1に基づき、d軸電流指令生成部2で以下の(5)式を用いてd軸電流指令Id_ref10を生成する。

(5)式において、Ktはトルク定数である。このトルク定数Ktは、図6に示すように固定値もしくは、テーブルまたは近似式を用いたものを用いる。トルク定数Ktは、最大トルクが発生するときのトルクと電流の関係から変化させる。また、電流位相βは図2に示す電流ベクトル図のように定義しているためd軸電流指令Id_ref10はsinβで算出される。トルク定数Ktまたは、電流位相βをテーブルあるいは近似式で求めると最大トルク/電流制御を実現できる。d軸電流指令生成部2で生成されたd軸電流指令Id_ref10とトルク指令T_ref1とq軸電流算出式(6)式を用いて、q軸電流指令生成部4においてq軸電流指令Iq_ref11を生成する。

(6)式において、Keは誘起電圧定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Kは電流の変化に対してインダクタンスが変化することを考慮した係数で、電流の変化に応じて変化する係数である。この係数Kは、電流が流れた場合、電流の大きさによりLd、Lqがともに変化するというモータ7の特性を考慮したものである。係数Kを持たない式でIq_refを算出した場合、モータ7に流れる電流が大きく変化すれば、モータ7のLd、Lqが変化するため、Ld,Lqの設定値と誤差が生じる。そのためトルク指令どおりにトルクを発生させるのに必要なIq_refが算出されず、トルク指令T_ref1とモータ7の実トルクに誤差が生じる。そのため、トルク制御が正しくできないという問題が発生する。係数

を用いると、トルク指令T_ref1とモータ7の実トルクの誤差を小さくできる、つまりトルク精度を向上することができ、トルク制御ができるようになる。
また、電流による変化量はLdに比べてLqが非常に大きい場合、係数Kは、Lqの変化のみを考慮した(7)式で算出する。

(7)式はモータ7の特性である、電流に対するインダクタンスの変化より求めた式である。さらにトルク指令とモータ7の実トルクの誤差を小さくするためには、Lqの変化だけでなく、Ldの変化も考慮した(8)式、(9)式、、(10)式、を用いるとよい。

d軸電流指令生成部2で生成されたd軸電流指令Id_ref10とq軸電流指令生成部4で生成されたq軸電流指令Iq_ref11は、電流制御部5に入力され、電流制御部5において、PI制御など行われ、d軸電流指令Id_ref10とq軸電流指令Iq―ref11どおりにモータ7に電流を流すようにU相,V相、W相の電圧指令Vuref、Vv_ref、Vw_refが生成される。このとき、位置検出器8より検出された電動機の位相9を用いる。電流制御部5で生成された電圧指令Vu_ref、Vv_ref、Vw_refは、PWM制御部6に入力され、電圧指令どおりにモータ7に電圧が与えられ、モータ7はトルク指令T_ref1で駆動される。ここで、駆動したモータ7は、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する電動機である。
本発明が従来技術と異なる部分は、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、あるトルクを発生するために必要な電流を最小になるように決定し、トルクの大きさにより電流位相βを変化させて、電動機を駆動するトルクが変化しても、最大トルク/電流制御を実現できることである。また、電流に応じて変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さしトルク制御ができることである。
図4は、本発明の第2実施例を示す電動機制御装置のブロック図である。図4において、3は、定出力制御部である。
定出力制御部3では、モータに与える電圧がある電圧を越えないようにd軸電流を大きくするために、Id_ref2を生成する。d軸電流指令生成部2で生成されたd軸電流指令をId_ref1とし、前記Id_ref1と前記Id_ref2を用いて、q軸電流指令生成部4に与えられるd軸電流指令Id_refを示すと、以下の(11)式となる。

トルク指令T-_ref1でモータ7で駆動するときは、d軸電流指令Id_refとq軸電流指令Iq_refを用いて駆動する。
このように、定出力制御部からのd軸電流指令とd軸電流指令生成部からのd軸電流指令を加算しているので、定出力制御を行ってもトルク精度を向上できる。
図3は、本発明の方法の処理手順を示すフローチャートである。
トルク指令T_ref11でモータ7を駆動する場合、トルク指令T_refを入力するステップ30で、トルク指令を入力する。この場合、トルク指令は外部などから入力したトルク指令でも、速度制御部からの出力であるトルク指令でもよい。トルク指令T_refを入力するステップ30で入力されたトルク指令が、電流位相β14のトルク指令T_ref1による変化を近似した式(2)式、(3)式を切り替える基準トルクより大きいか、小さいかを電流位相β近似式切替判断ステップ31で判断する。基準トルクより小さい場合、電流位相β近似式1処理ステップ32により、(2)式の処理を行い電流位相β’を算出する。基準トルクより大きい場合、電流位相β近似式用オフセット2(β_offset2)を算出するステップ33で、β_offset2を算出し、β_offset2とトルク指令T_ref1を用いて、電流位相β近似式2処理ステップ34で、電流位相β’を算出する。次に、電流位相β近似式3処理ステップ35において、電流位相β’と速度フィードバックV_fbを用いて、電流位相β14を速度フィードバックV_fbにより変化させる。このとき、速度フィードバックV_fbの代わりに速度指令を用いてもよい。電流位相β近似式3処理ステップ35で算出された電流位相βとトルク指令T_refを用いて、d軸電流指令Id_refを算出するステップ36にて、(5)式を用いてd軸電流指令Id_ref10を算出する。d軸電流指令Id_refを算出するステップ36で算出されたd軸電流指令Id_ref10とトルク指令T_ref1とq軸電流算出式(6)式を用いて、q軸電流指令Iq_refを算出するステップ37にて、q軸電流指令Iq_ref11を算出する。モータを駆動するステップ38で、d軸電流指令Id_ref10とq軸電流指令Iq_ref11でモータを駆動する。
電動機に流れる電流に応じて変化する係数

を用いたq軸電流算出式を用いるため、電動機に流れる電流が変化し、インダクタンスが変化しても、トルク指令と実トルクの誤差を小さくでき、トルク制御を行う電動機という用途にも適用できる。
本発明の第1実施例を示す電動機制御装置のブロック図 本発明の電流位相βの定義を示す電流ベクトル図 本発明の方法の処理手順を示すフローチャート 本発明の第2実施例を示す電動機制御装置のブロック図 本発明のトルク定数Ktを示した図 従来の電動機制御装置のブロック図 従来の電流指令のdq軸電流への分配の原理を示す電流ベクトル図
符号の説明
1 トルク指令T_ref
2 d軸電流指令生成部
3 定出力制御部
4 q軸電流指令生成部
5 電流制御部
6 PWM制御部
7 モータ
8 位置検出器
9 電動機の位相θ
10 d軸電流指令Id_ref
11 q軸電流指令Iq_ref
12 電流位相生成部
13 電流位相β

Claims (7)

  1. d軸電流指令とq軸電流指令どおりに電動機に電流を流すように電圧指令を生成する電流制御部と、前記電圧指令に基づいて電動機電圧を生成するPWM制御部と、電動機の位相θを検出する位置検出部とを備え、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する前記電動機を制御する電動機制御装置において、
    トルク指令または速度フィードバックに基づいて求めた電流位相βを生成する電流位相生成部と、
    前記トルク指令と前記電流位相βからd軸電流指令を生成するd軸電流指令生成部と、
    前記d軸電流指令と前記トルク指令をもとにq軸電流指令を生成するq軸電流指令生成部と、
    を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記d軸電流指令生成部は、前記電流位相βと前記トルク指令に基づき、d軸電流算出式を用いてd軸電流指令を算出することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
    ただし、d軸電流算出式は、
    Id_ref=−T_ref/(Kt・sinβ)
    であり、Id_refはd軸電流指令、T_refはトルク指令、Ktは電動機トルク定数である。
  3. 前記電流位相生成部は、d軸電流とq軸電流の分配量を決定する電流位相βを、あるトルクを発生するために必要な電流が最小になるように決定し、前記電流位相βはテーブルあるいは近似式を用いて求めることを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  4. 前記q軸電流指令生成部は、前記d軸電流指令と、前記トルク指令に基づいて、電流の変化に応じて変化する係数Kを用いたq軸電流算出式を用いてq軸電流指令を生成することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
    ただし、q軸電流算出式は、
    Iq_ref=T_ref/(Ke+K(Ld−Lq)Id_ref)
    であり、Iq_refはq軸電流指令、Keは電動機の誘起電圧定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンスである。
  5. 前記q軸電流指令生成部は、前記d軸電流指令と、前記トルク指令に基づいて、d軸電流の変化に応じて変化する係数Kd、q軸電流の変化に応じて変化する係数Kqを用いたq軸電流算出式を用いてq軸電流指令を生成することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
    ただし、q軸電流指令算出式は、
    Iq_ref=T_ref/(Ke+(KdLd−KqLq)Id_ref)
    である。
  6. d軸電流指令とq軸電流指令どおりに電動機に電流を流すように電圧指令を生成する電流制御部と、前記電圧指令に基づいて電動機電圧を生成するPWM制御部と、電動機の位相θを検出する位置検出部とを備え、d軸電流とq軸電流の分配量で発生するトルクが変化する前記電動機を制御する電動機制御装置の制御方法において、
    トルク指令から電流位相を生成するステップと、
    前記トルク指令と前記電流位相に基づいて、d軸電流指令を生成するステップと、
    前記d軸電流指令と前記トルク指令を用いてq軸電流指令を生成するステップと、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令を用いて電動機を駆動するステップと、
    を備えたことを特徴とする電動機制御装置の制御方法。
  7. 前記d軸電流指令は、前記電流位相βと前記トルク指令に基づいて、d軸電流算出式を用い、トルク定数Ktを最大トルクが発生するときのトルクと電流の関係から変化させて算出することを特徴とする電動機制御装置の制御方法。
    ただし、d軸電流算出式は、
    Id_ref=−T_ref/(Kt・sinβ)
    であり、Id_refはd軸電流指令、T_refはトルク指令、Ktは電動機トルク定数である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013017329A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Toyota Motor Corp 交流電動機の制御装置および制御方法
JP2016136840A (ja) * 2016-04-27 2016-07-28 ダイキン工業株式会社 インバータ制御装置

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