JP2008311278A - 光半導体装置 - Google Patents

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強 高橋
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Abstract

【課題】光半導体装置において、光の侵入による増幅素子の誤動作を効果的に防止するとともにパターン面積を小さくすることを目的とする。
【解決手段】半導体基板2上には、半導体基板2の外周に沿って環状に形成された受光素子領域3と、当該受光素子領域3で囲まれた増幅素子領域4とが形成されている。受光素子領域3は、入射された光を電気信号に変換するためのホトダイオードが形成された領域であり、増幅素子領域4は、ホトダイオードで変換された電気信号を増幅するための素子が形成された領域である。ホトダイオードと増幅素子は、不図示の配線で相互に接続されている。増幅素子領域4には、増幅素子への光の入射を防止するための遮光層5が増幅素子を被覆して形成されている。光半導体装置1の側面から入射する光は、ホトダイオードのアノード領域及びカソード領域で吸収される。
【選択図】図1

Description

本発明は光半導装置に関し、特に不要な光電流の影響を低減する光半導体装置に関するものである。
従来から、光の吸収により光信号を電気信号に変換するための素子としてホトダイオードが知られている。そして、ホトダイオードと、当該ホトダイオードで変換された電気信号を増幅するためのバイポーラトランジスタ等が一体化されて成る光半導装置がある。従来の光半導体装置について図面を参照しながら説明する。図3は、従来の光半導体装置100の概略を示す平面図である。
従来の光半導体装置100では、図3に示すようにホトダイオードが形成された領域(受光素子領域101)と、ホトダイオードからの電気信号を増幅させるための増幅素子(例えばバイポーラトランジスタ)が形成された領域(増幅素子領域102)とを備えている。増幅素子領域102には遮光層103が形成されており、基板面に対して垂直方向からの光の入射が増幅素子の動作に影響を与えないようにしている。つまり、増幅素子のPN接合領域での光電流の発生を抑えている。遮光層103としては、例えば半導体基板上に形成された多層配線の最上層の配線層が用いられる。
しかしながら、光半導体装置100の上面端部及び側面には製造プロセス上遮光層103で覆われない部分があるため、当該部分から光が増幅素子に侵入し、不要な光電変換動作を起こしてしまう。
そこで従来は、増幅素子領域102の最外周と光半導体装置100の端部とを、増幅素子が光電変換動作を起こさない程度に離間させる方法や、増幅素子領域102と光半導体装置100の端部との間に、実際の回路動作に影響を与えないダミーホトダイオード領域104を設け、ここで光を吸収して増幅素子に誤動作を与えないようにする方法があった。
本発明に関連した技術は、例えば以下の特許文献に記載されている。
特開平10−107242号公報
しかしながら、上述したいずれの方法においても、一つの光半導体装置当りのパターン面積が大きくなるという問題があった。
そこで本発明は、光の侵入による増幅素子の誤動作を効果的に防止するとともに、光半導体装置のパターン面積を小さくすることを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な特徴は以下のとおりである。すなわち、本発明の光半導体装置は、入射された光を電気信号に変換するための受光素子が環状に形成された第1の領域と、前記電気信号を増幅させるための増幅素子が形成された第2の領域とを備え、前記第2の領域は、前記第1の領域でその周囲が囲まれていることを特徴とする。
本発明では、増幅素子が形成された領域を受光素子が形成された領域で囲むように装置のレイアウトがなされている。そのため、光半導体装置の上面端部及び側面側から入射した光を受光素子で吸収して増幅素子に誤動作を与えないようにすることができる。また、ダミーホトダイオードのように本来的な回路動作に影響を与えないスペースを設ける必要がないため、光半導体装置のパターン面積を小さくすることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る光半導体装置1の概略を示す平面図であり、図2はそのX−X線に沿った断面図の概略である。
シリコン等から成る半導体基板2上には、半導体基板2の外周に沿って環状に形成された受光素子領域3と、受光素子領域3でその全周囲が囲まれている増幅素子領域4とが形成されている。
受光素子領域3は、入射された光信号を電気信号に変換するためのホトダイオードが形成された領域であり、増幅素子領域4は、受光素子領域3で変換された電気信号を増幅するための素子(増幅素子)が形成された領域である。ホトダイオードと増幅素子は、不図示の配線を介して相互に接続されており、ホトダイオードで変換された電気信号が増幅素子に入力されるようになっている。
増幅素子領域4では、増幅素子への光の入射を防止するための遮光層5が増幅素子を被覆して形成されており、一方ホトダイオードの受光領域上では遮光層5が形成されないようになっている。遮光層5は、例えばアルミニウム等の金属材料から成り、半導体基板2上に形成される多層配線層の一部(例えば最上の配線層)を利用して形成することができる。また、遮光層5は光を吸収する性状を有する樹脂から成るものでもよい。
次に、図2を用いて、図1に示す光半導体装置1のX−X線に沿った断面構造について説明する。なお、増幅素子領域4については、抵抗(拡散抵抗やポリシリコン抵抗)、容量、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタ等の各種のトランジスタ、ボンディングパッド等が多数集積されているが、便宜上NPNトランジスタ10の形成領域についてのみ説明する。
P型の半導体基板2上には、ノンドープのエピタキシャル層11、及びエピタキシャル層11を複数の島状の領域に分離するためのP分離層12が形成されている。エピタキシャル層11は、公知のエピタキシャル結晶成長法にて形成することができる。また、P分離層12は、P型不純物から成る上分離層12a及び下分離層12bがエピタキシャル層11内で重畳して一体化した構成になっており、半導体基板2の外周に沿って環状に形成されている。上分離層12aは、エピタキシャル層11の上面からボロン(B)等のP型不純物を下方拡散することにより形成される。一方、下分離層12bは、半導体基板2の底部側からボロン(B)等のP型不純物を上方拡散することにより形成される。P分離層12によって隣り合う受光素子領域3及び増幅素子領域4は電気的に分離される。
受光素子領域3におけるエピタキシャル層11の表面には、ホトダイオード30の受光部と成るN半導体層13が形成されている。N半導体層13は、エピタキシャル層11の所定領域上に開口部を有するレジスト層(不図示)を形成し、当該レジスト層をマスクとしてヒ素(As)等のN型不純物をイオン注入することで形成される。
エピタキシャル層11上には絶縁膜14(例えば、熱酸化法によるシリコン酸化膜とCVD法によるシリコン窒化膜との積層膜)が形成されており、当該絶縁膜14に部分的に形成されたコンタクトホールを介してアルミニウム等から成るカソード電極15がN半導体層13と接続して形成されている。また、P分離層12の所定領域上にもアノード電極16が形成され、半導体基板2及びP分離層12がアノード領域として用いられる。
一方、増幅素子領域4における半導体基板2の底部とエピタキシャル層11と界面付近には、N型の埋め込み層17が形成されている。埋め込み層17は、半導体基板1にN型不純物(例えばアンチモン(Sb))を高濃度に注入し、エピタキシャル成長することで形成される。埋め込み層17上方のエピタキシャル層11の表面には、P型のベース層18、及びN型のコレクタ層19が形成され、ベース層18の表面にはN型のエミッタ層20が形成されている。そして、絶縁膜14にはベース層18,コレクタ層19,エミッタ層20に至るコンタクトホールがそれぞれ形成され、各コンタクトホール内にはアルミニウム等から成るベース電極21,コレクタ電極22,エミッタ電極23が形成されている。
そして、絶縁膜14上には上記各電極を被覆するようにして絶縁膜24(例えば、CVD法によるシリコン窒化膜)が形成されている。また、増幅素子領域4における絶縁膜24上には遮光層5が形成され、半導体基板2の垂直方向からの光の入射が増幅素子の動作に影響を与えないようにしている。
また、絶縁膜24及び遮光層5を被覆するようにして保護層25が形成されている。保護層25は、例えばシリコン窒化膜等から成り、光半導体装置1の表面全体を保護するとともに、ホトダイオード30が受光すべき波長の光を透過する層である。
以上のように、受光素子領域3にはホトダイオード30が形成され、増幅素子領域4にはNPNトランジスタ10等の増幅素子が形成されている。
ホトダイオード30は、カソード電極15とアノード電極16に所定の電位(例えば、カソード電極15に電源電位、アノード電極16に接地電位)を印加して、逆バイアス状態で動作させる。この逆バイアスによって空乏層が形成され、光の入射を受けた際、光の量に応じて電流が発生する。
本実施形態に係る光半導体装置1では、NPNトランジスタ10等の増幅素子が形成された領域(増幅素子領域4)をホトダイオード30が形成された領域(受光素子領域3)で囲むようにしてレイアウトがなされている。そのため、光半導体装置1の上面端部及び側面側から入射した光(光半導体装置1の上面端部から斜め方向に入射した光も含む)をホトダイオード30で吸収し、その結果として増幅素子に誤動作を与えないようにすることができる。つまり、光半導体装置1の上面端部及び側面側から入射した光の大部分は、ホトダイオード30のアノード領域(受光素子領域3におけるP分離層12及び半導体基板2)及びカソード領域(受光素子領域3におけるN半導体層13及びエピタキシャル層11)で吸収される。そして、生成されたキャリアの殆どは当該ホトダイオード30の電流となるため、受光素子領域3の内側に形成された増幅素子領域4には光の影響が及ばず、増幅素子領域4に形成されたNPNトランジスタ10等の増幅素子の誤動作を防止することができる。なお、光半導体装置1の主面に対して垂直方向から増幅素子側への光の侵入は遮光層5で防ぐことができる。
また、ホトダイオード30は光半導体装置1の外周に沿って環状に形成されているため、光半導体装置1の上面端部及び側面から入射される光の全てを実際の回路動作(例えば、照度検知動作)に用いることができる。また、従来のダミーホトダイオード領域104(図3参照)のように、本来的な回路動作に影響を与えないスペースを設ける必要がないため、光半導体装置のパターン面積を小さくすることができる。また、光半導体装置のほぼ中央に増幅素子領域を配置することで、レイアウト設計が容易となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。例えば、上記実施形態ではP型の半導体基板1が用いられていたが、N型の半導体基板上に上記実施形態と同様のホトダイオードや容量,トランジスタ等の周辺回路を形成することも可能である。
本発明の実施形態に係る光半導体装置のレイアウトを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る光半導体装置を示す断面図である。 従来の光半導体装置のレイアウトを示す平面図である。
符号の説明
1 光半導体装置 2 半導体基板 3 受光素子領域 4 増幅素子領域
5 遮光層 10 NPNトランジスタ 11 エピタキシャル層
12 P分離層 12a 上分離層 12b 下分離層 13 N半導体層
14 絶縁膜 15 カソード電極 16 アノード電極 17 埋め込み層
18 ベース層 19 コレクタ層 20 エミッタ層 21 ベース電極
22 コレクタ電極 23 エミッタ電極 24 絶縁膜 25 保護層
30 ホトダイオード 100 光半導体装置 101 受光素子領域
102 増幅素子領域 103 遮光層 104 ダミーホトダイオード領域

Claims (2)

  1. 入射された光を電気信号に変換するための受光素子が環状に形成された第1の領域と、
    前記電気信号を増幅させるための増幅素子が形成された第2の領域とを備え、
    前記第2の領域は、前記第1の領域でその周囲が囲まれていることを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記第2の領域では、前記増幅素子への光の入射を防止するための遮光層が前記増幅素子を被覆して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019170611A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 セイコーエプソン株式会社 受光素子、受光モジュール、光電センサー及び生体情報測定装置

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