JP2008310620A - 移動端末に対する広告情報配信システムおよび配信方法 - Google Patents
移動端末に対する広告情報配信システムおよび配信方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 場所データベース100内に、各場所(店舗)の位置コードと特徴情報を用意する。位置情報収集蓄積部120が収集した各端末装置の時系列位置情報に基づき、場所遷移テーブル作成部130が、各端末ごとに、どの場所からどの場所へと移動したかを示す場所遷移テーブルを作成する。傾向分析部140は、この場所遷移テーブルと場所データベース100を参照して、各場所の直前に訪問した場所(先訪場所)の特徴を示す先訪場所特徴情報を求め、分析結果格納部150に格納する。配信先決定部160は、特定の場所に関する先訪場所特徴情報に合致する場所特徴情報をもった場所を、当該特定の場所に関する広告情報の配信場所と決定し、広告配信部110は、当該配信場所の近傍に位置する端末装置に広告情報の配信を行う。
【選択図】図1
Description
端末装置の移動範囲内に位置する複数の場所のそれぞれについて、当該場所を特定するための場所識別コードと、当該場所の位置座標を示す場所位置コードと、当該場所の特徴を示す場所特徴情報と、を互いに対応づけて登録した場所データベースと、
場所データベースに登録されている複数の場所のうちの広告対象となる場所に関する広告情報と、当該広告対象となる場所の場所識別コードと、をそれぞれ場所ごとに対応づけて格納する広告情報格納部と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を示す位置情報を時系列データとして収集し、これを蓄積する位置情報収集蓄積部と、
位置情報収集蓄積部に蓄積されている、個々の端末装置の所定時間枠内の位置情報に基づいて、個々の端末装置が所定時間枠内に場所データベースに登録されている場所間をどのように遷移したかを推測し、その推測結果に基づいて、場所データベースに登録されている複数の場所を時系列で掲載した場所遷移テーブルを作成する場所遷移テーブル作成部と、
場所遷移テーブル作成部が作成した多数の場所遷移テーブルに基づいて、ある着目場所について、当該着目場所への来訪前に来訪していた別な場所を先訪場所として認識し、場所データベースに登録されている場所特徴情報を参照して、当該着目場所について、先訪場所の特徴を示す先訪場所特徴情報を求める傾向分析部と、
広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所について傾向分析部によって求められた先訪場所特徴情報と、を対応づけた分析結果を格納する分析結果格納部と、
広告情報格納部に格納されている広告情報の配信先を決定するために、当該広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、分析結果格納部に格納されている分析結果により対応づけられている先訪場所特徴情報を抽出し、場所データベースを参照することにより、抽出した先訪場所特徴情報に対する合致度の高い場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定し、位置情報収集蓄積部に蓄積されている個々の端末装置の現時点もしくはその直近の位置情報に基づいて、配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を当該広告情報の配信先端末装置と決定する配信先決定部と、
広告情報格納部に格納されている広告情報を、配信先決定部で決定された配信先端末装置に対して配信する広告配信部と、
を設けるようにしたものである。
場所データベース内に登録する個々の場所として商業用店舗の場所を用い、当該店舗を特定するための店舗識別コードを場所識別コードとして用い、当該店舗の位置座標を示すコードを場所位置コードとして用い、当該店舗の特徴を示す情報を場所特徴情報として用い、
広告情報格納部内に格納する広告情報として、各店舗に関する商業広告の情報を用いるようにしたものである。
緯度経度を示すデータを場所位置コードとして用い、位置情報収集蓄積部が、GPSを利用して各端末装置の緯度経度を示すデータを位置情報として収集するようにしたものである。
位置情報収集蓄積部が、位置情報とともに、その取得日時を蓄積するようにし、
場所遷移テーブル作成部が、場所データベースに登録されている特定の場所に関して、その場所位置コードによって示される位置座標の近傍領域内に、所定の滞在時間だけ留まっていたことを条件として、当該特定の場所を場所遷移テーブルに掲載するようにしたものである。
1つの端末装置についての所定時間枠内の位置情報を示すN個の時系列データに基づいて、1つの場所遷移テーブルを作成するために、場所遷移テーブル作成部内に、
第n番目のデータが示す位置座標と第(n+1)番目のデータが示す位置座標との距離d(n,n+1)が、しきい値dthよりも小さいか否かを判定する第1の手段と、
第n番目のデータが示す位置座標と第(n+i)番目のデータが示す位置座標との距離d(n,n+i)が、しきい値dthよりも小さいか否かを判定する第2の手段と、
nを初期値1から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のnの値を用いて第1の手段に判定を実行させる処理を、nがN−1に到達する直前まで繰り返し行う第3の手段と、
第1の手段が肯定的な判定を行った場合に、iを初期値2から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のnおよびiの値を用いて第2の手段に判定を実行させる処理を、第2の手段が否定的な判定を行うまで繰り返し行い、(n+i)がNに到達しても肯定的な判定がなされたときには、iを更に1だけ増加させる処理を行う第4の手段と、
第2の手段が否定的な判定を行ったとき、もしくは(n+i)がNに到達したときに、そのときのnおよびiの値を用いて示される第n番目のデータの取得日時と第(n+i−1)番目のデータの取得日時との時間差ξが、しきい値ξthよりも大きいか否かを判定する第5の手段と、
第5の手段が肯定的な判定を行った場合に、そのときのnおよびiの値を用いて示される第n番目のデータ乃至第(n+i−1)番目のデータが示す位置座標の平均座標を求める第6の手段と、
場所データベースに登録されている場所の中から平均座標に対する最近接場所を抽出し、当該最近接場所の位置座標と平均座標との距離εが、しきい値εthよりも小さいか否かを判定する第7の手段と、
第7の手段が肯定的な判定を行った場合に、最近接場所を場所遷移テーブルに掲載する第8の手段と、
を設けるようにし、
第3の手段が、第8の手段が場所遷移テーブルへの掲載を行ったときは、nの値をn+iに更新して処理を続行するようにしたものである。
位置情報収集蓄積部が、位置情報とともに、その取得日時を蓄積するようにし、
配信先決定部が、現在に至るまで所定の滞在時間以上にわたって、特定の端末装置が配信場所の近傍領域内に留まっていることを条件として、当該特定の端末装置を配信先端末装置と決定するようにしたものである。
判定対象となる端末装置を、特定の配信場所についての配信先端末装置とすべきか否かを判定するために、配信先決定部内に、
判定対象となる端末装置についての現在までの位置情報を示す時系列データを読み込む第1の手段と、
読み込んだ時系列データの第N番目にある最新データが示す位置座標と特定の配信場所の位置座標との距離Dが、しきい値Dthよりも小さいか否かを判定する第2の手段と、
読み込んだ時系列データの第(N−i)番目のデータが示す位置座標と特定の配信場所の位置座標との距離Dが、しきい値Dthよりも小さいか否かを判定する第3の手段と、
第2の手段が肯定的な判定を行った場合に、iを初期値1から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のiの値を用いて第3の手段に判定を実行させる処理を、第3の手段が否定的な判定を行うまで、もしくはiがNに到達するまで、繰り返し行う第4の手段と、
第3の手段が否定的な判定を行ったとき、もしくはiがNに到達したときに、そのときのiの値を用いて示される第(N−i+1)番目のデータの取得日時と第N番目のデータの取得日時との時間差ξが、しきい値ξthよりも大きいか否かを判定する第5の手段と、
第5の手段が肯定的な判定を行った場合に、判定対象となる端末装置を配信先端末装置と決定する第6の手段と、
を設けるようにしたものである。
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の代表的な特徴を示す単一の特徴コードによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている特徴コードの出現頻度を調べ、最も出現頻度の高い特徴コードを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた特徴コードと、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、分析結果格納部内で対応づけられている特徴コードを抽出し、場所データベースを参照することにより、抽出した特徴コードに一致する場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定するようにしたものである。
個々の場所の代表的な特徴を示す単一の特徴コードとして、当該場所の名称を示す文字列もしくは当該場所の場所識別コードを用いるようにしたものである。
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の特徴を示す複数の特徴コードの組み合わせによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている各特徴コードの出現頻度を調べ、出現頻度の高い複数の特徴コードの組み合わせを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた複数の特徴コードの組み合わせと、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、分析結果格納部内で対応づけられている複数の特徴コードの組み合わせを抽出し、場所データベースを参照することにより、「抽出した特徴コードの組み合わせ」に対して選抜基準以上の合致度を示す「特徴コードの組み合わせ」が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定するようにしたものである。
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の特徴を示す複数H個の特徴コードとその重みづけを示す重み値とによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている各特徴コードの重み値の合計値を求め、この合計値が高い順に複数H個の特徴コードを選択し、選択された各特徴コードについて合計値に応じた新しい重み値を決定し、選択された複数H個の特徴コードとその新しい重み値とを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた複数H個の特徴コードおよびその重み値と、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、分析結果格納部内で対応づけられている複数H個の特徴コードおよび重み値からなる先訪場所特徴情報を抽出し、場所データベースを参照することにより、抽出した「先訪場所特徴情報」に対して選抜基準以上の合致度を示す「場所特徴情報」が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定するようにしたものである。
場所データベースに登録された1つの場所についての場所特徴情報を構成する複数H個の特徴コードの重み値の合計が所定の規格値となるような規格化が行われており、
分析結果格納部に格納された1つの場所についての先訪場所特徴情報を構成する複数H個の特徴コードの新しい重み値の合計が上記規格値となるような規格化を経て、傾向分析部による新しい重み値の決定が行われるようにしたものである。
配信先決定部が、「選抜基準以上の合致度を示す」と判定するための条件として、「複数H個の特徴コードを、重み値の大きい順に並べた場合に、上位h個(1≦h≦H)の特徴コードが一致する」という条件を設定するようにしたものである。
配信先決定部内に、配信場所の総数の上限値Mが設定されており、
配信先決定部が、「h=1なる最も緩い条件」から「h=Hなる最も厳しい条件」に至るまで、hの値を1ずつ増加させることにより条件設定を徐々に厳しくしながら、配信場所の総数が上限値M以下となるまで、配信場所の決定をやり直す処理を実行するようにしたものである。
配信先決定部が、「選抜基準以上の合致度を示す」と判定するための条件として、「複数H個の特徴コードがすべて一致し、かつ、これら各特徴コードをそれぞれ0〜規格値までの座標をもつ座標軸に対応させることにより、複数H本の座標軸からなるH次元座標空間を形成し、このH次元座標空間内に、各特徴コードの重み値を座標値として、両特徴情報をそれぞれ点としてプロットしたときに、両点間のユークリッド距離Lが所定値Lth以下になる」という条件を設定するようにしたものである。
配信先決定部内に、配信場所の総数の上限値Mが設定されており、
配信先決定部が、所定値Lthを初期値から徐々に減少させながら、配信場所の総数が上限値M以下となるまで、配信場所の決定をやり直す処理を実行するようにしたものである。
配信先決定部が、広告対象となる場所に対する地理的位置関係を考慮して、当該広告対象となる場所に関する広告情報についての配信場所を決定するようにしたものである。
広告情報格納部内に、個々の広告情報についての有効期限を格納するようにし、
広告配信部が、有効期限経過前の広告情報についてのみ配信を行うようにしたものである。
傾向分析部が、特定の場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、当該特定の場所について設定された特定の時間枠内の位置情報に基づいて作成された場所遷移テーブルのみを用いた先訪場所の認定を行うようにしたものである。
傾向分析部が、ある着目場所の直前に来訪した場所を、当該着目場所についての先訪場所として認識するようにしたものである。
傾向分析部が、ある着目場所のj番目前(j≧2)までに来訪した場所すべてを、当該着目場所についての先訪場所として認識し、より直前に近い来訪場所の場所特徴情報に対して、より大きな重みづけをして、当該着目場所についての先訪場所特徴情報を求めるようにしたものである。
場所データベースが、場所識別コードと場所位置コードは登録されているが、場所特徴情報は登録されていない不完全なデータを格納しており、端末装置を携帯するユーザからの指示入力に基づいて、不完全なデータにおける場所特徴情報を登録する機能を有するようにしたものである。
端末装置の移動範囲内に位置する複数の場所のそれぞれについて、当該場所を特定するための場所識別コードと、当該場所の位置座標を示す場所位置コードと、当該場所の特徴を示す場所特徴情報と、を互いに対応づけて登録した場所データベースを用意する段階と、
場所データベースに登録されている複数の場所のうちの広告対象となる場所に関する広告情報と、当該広告対象となる場所の場所識別コードと、をそれぞれ場所ごとに対応づけて用意する段階と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を示す位置情報を時系列データとして収集し、これを蓄積する段階と、
蓄積されている個々の端末装置の所定時間枠内の位置情報に基づいて、個々の端末装置が所定時間枠内に場所データベースに登録されている場所間をどのように遷移したかを推測し、その推測結果に基づいて、場所データベースに登録されている複数の場所を時系列で掲載した場所遷移テーブルを作成する段階と、
作成した多数の場所遷移テーブルに基づいて、ある着目場所について、当該着目場所への来訪前に来訪していた別な場所を先訪場所として認識し、場所データベースに登録されている場所特徴情報を参照して、当該着目場所について、先訪場所の特徴を示す先訪場所特徴情報を求める段階と、
広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所について求められた先訪場所特徴情報と、を対応づけた分析結果を用意する段階と、
広告情報の配信先を決定するために、当該広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、分析結果として対応づけられている先訪場所特徴情報を抽出し、場所データベースを参照することにより、抽出した先訪場所特徴情報に対する合致度の高い場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定し、蓄積されている個々の端末装置の現時点もしくはその直近の位置情報に基づいて、配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を当該広告情報の配信先端末装置と決定する段階と、
用意した広告情報を、当該広告情報の配信先として決定された配信先端末装置に対して配信する段階と、
を行うようにしたものである。
場所データベースを用意する際に、個々の場所の様々な特徴を示すキーワード群を用意し、これらキーワード群から選択した1つもしくは複数のキーワードを、1つの場所についての場所特徴情報とするようにしたものである。
端末装置の移動範囲内に位置する複数の店舗のそれぞれについて、位置座標と当該店舗の特徴を示す店舗特徴情報とを対応づけたデータベースを用意する段階と、
広告対象となる特定の店舗に関する広告情報を用意する段階と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を時系列データとして収集する段階と、
収集した時系列データに基づいて、個々の端末装置が訪問した店舗を推測し、個々の端末装置ごとに、訪問した店舗を訪問順に掲載した遷移テーブルを作成する段階と、
作成した多数の遷移テーブルに基づいて、特定の店舗への来訪前に来訪していた別な店舗を先訪店舗として認識し、上記データベースを参照することにより、先訪店舗の特徴を示す先訪店舗特徴情報を求める段階と、
上記データベースを参照することにより、先訪店舗特徴情報に類似した店舗特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所を配信場所と決定する段階と、
収集した時系列データに基づいて、上記配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を配信先端末装置と決定する段階と、
用意した広告情報を、上記配信先端末装置に対して配信する段階と、
を行うようにしたものである。
図1は、本発明の基本的実施例に係る広告情報配信システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、携帯電話などの移動可能な端末装置に対して広告情報を配信するためのシステムである。図に示す端末装置T0000〜T9999(ここでは、説明の便宜上、合計1万台のGPS機能付きの端末装置が用いられているものとする)は、それぞれユーザが所持する携帯電話などの移動端末である。もちろん、端末装置は、必ずしも携帯電話である必要はなく、携帯型パソコンやPDA装置など、携帯が可能な通信装置としての機能を有する装置であればよい。
ここでは、§1で述べた基本的実施例における傾向分析処理の方法、すなわち、過去のユーザの行動を統計的に分析するための手順を、図示する単純な具体例に即して説明する。
ここでは、図1に示すシステムにおける位置情報収集蓄積部120が、各端末装置の位置情報を収集する具体的な方法を説明する。本発明を実施する上で、各端末装置の位置情報を収集するのに最も適した方法は、GPS(Global Positioning System)を利用して各端末装置の緯度経度を示すデータを位置情報として収集する方法である。
続いて、図1に示すシステムにおける場所遷移テーブル作成部130の具体的な処理手順の一例を説明する。この場所遷移テーブル作成部130が実行する処理は、図8に示すようなGPSログファイル125に基づいて、図2に示すような場所遷移テーブルを作成する処理である。GPSログファイル125が、位置座標を示すデータの羅列であるのに対して、場所遷移テーブルは、場所データベース100に登録されている場所を示すデータの羅列である。したがって、場所遷移テーブル作成部130は、位置座標を示すデータの羅列から、特定の場所(場所データベース100に登録されている場所)を示すデータを認識する処理を行わねばならない。
d(n,n+i)
=√((x(n+i)−x(n))2+(y(n+i)−y(n))2)
なる式で定義され、第n番目のデータが示す位置座標と第(n+i)番目のデータが示す位置座標との間の距離、すなわち、点P(n)と点P(n+i)との間のユークリッド距離を示す。
ユーザがいつ移動を再開したかを判定するために用いられる。そのために、次のステップS6において、d(n,n+i)の値と、しきい値dthとの大小関係が比較される。上述の例の場合、この時点ではn=3であるから、d(3,5)の値とdthの値とが比較される。図12に示すとおり、P(3)とP(5)との距離は、しきい値dthよりも小さいので、この時点でのステップS6の処理では、肯定的な判定がなされる。そこで、ステップS7を経てステップS8へと進み、iの値が1だけ増加され、再びステップS6の判定処理が実行される。ステップS7は、n+iの値がNに到達したか否かを判定する処理であり、n+iの値がNに到達した場合には、ステップS9において、iの値が1だけ増加され、ステップS10へと進むことになる。
x(av)=(x(n)+x(n+1)+......+x(n+i−1))/i
y(av)=(y(n)+y(n+1)+......+y(n+i−1))/i
となる。
続いて、図1に示すシステムにおける配信先決定部160による配信先の具体的な決定手順の一例を説明する。§1で述べたとおり、配信先決定部160は、場所データベース100内の情報と、分析結果格納部150内の情報とを参照することにより、広告情報格納部170内に格納されている個々の広告情報についての配信先を決定することができる。たとえば、前例の場合、「FileAAA」なる広告情報については、「フードコートE」なる場所が配信先として決定される。そこで、配信先決定部160は、「現在、『フードコートE』に居る端末装置」を配信先端末装置と決定する処理を行うことになる。
これまで述べてきた基本的実施例では、場所データベース100に登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の代表的な特徴を示す単一の特徴コードによって構成されていた。たとえば、図1に示す例の場合、「テアトルA」なる場所については、「映画」なる単一の特徴コードが登録されており、「リストランテB」なる場所については、「食事」なる単一の特徴コードが登録されている。
前述の§6では、複数の特徴コードの組み合わせによって、個々の場所の特徴を表現する実施例を述べた。ここで述べる実施例は、より柔軟な特徴表現を可能にするために、複数の特徴コードに重み付けを行うものである。
さて、§7では、複数の特徴コードに重み付けを行う実施例における、傾向分析部140による傾向分析処理の具体的な方法を述べた。当該方法によれば、たとえば、図18に示すような分析結果が得られ、分析結果格納部150内に格納される。
配信先決定部160が、「選抜基準以上の合致度を示す」と判定するための条件としては、「複数H個の特徴コードを、重み値の大きい順に並べた場合に、上位h個(1≦h≦H)の特徴コードが一致する」という条件を設定することができる。たとえば、上例の場合は、H=3であり、比較対照となる2つの特徴情報は、いずれも3つの特徴コードを有している。
前述したように、「複数H個の特徴コードを、重み値の大きい順に並べた場合に、上位h個(1≦h≦H)の特徴コードが一致する」という条件を選抜基準の条件として設定した場合、hの値を増やせば増やすほど条件は厳しくなり、合致する配信場所は絞られてくる。このような性質を利用すれば、配信場所の総数を所定の上限値M以下に制限する処理が可能になる。
これまで述べた選抜基準の条件は、各特徴コードの重み値を、相互の順位づけに利用し、個々の特徴コードの順位に着目して、相互の類似度を判定するというものであった。ここで述べる例は、個々の特徴コードの重み値を座標空間内での座標値に置き換えることにより、1つの場所についての特徴情報を座標空間内での1点として捉え、座標空間内でのユークリッド距離に基づいて相互の類似度を判定する方法をとるものである。
前述した座標空間内でのユークリッド距離に基づく判定手法を採る場合にも、所定値Lthによる絞り込みを行い、配信場所の総数を所定の上限値M以下に制限する処理が可能である。すなわち、所定値Lthの値を大きな値に設定すれば、配信場所と決定するための判定基準は緩くなり、配信場所の総数は多くなる。逆に、所定値Lthの値を小さな値に設定すれば、配信場所と決定するための判定基準は厳しくなり、配信場所の総数は少なくなる。そこで、配信先決定部160内に、予め配信場所の総数の上限値Mを設定しておき、所定値Lthを初期値から徐々に減少させながら、配信場所の総数が上限値M以下となるまで、配信場所の決定をやり直す処理を実行すれば、配信場所の総数を上限値M以下に抑えた配信先決定処理が可能になる。
これまで、本発明に係る広告配信システムをいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明を移動可能な端末装置に対して広告情報を配信する方法の発明として捉えると、当該方法は、次の各段階から構成されることになる。
端末装置の移動範囲内に位置する複数の店舗のそれぞれについて、位置座標と当該店舗の特徴を示す店舗特徴情報とを対応づけたデータベースを用意する段階と、
広告対象となる特定の店舗に関する広告情報を用意する段階と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を時系列データとして収集する段階と、
収集した時系列データに基づいて、個々の端末装置が訪問した店舗を推測し、個々の端末装置ごとに、訪問した店舗を訪問順に掲載した遷移テーブルを作成する段階と、
作成した多数の遷移テーブルに基づいて、特定の店舗への来訪前に来訪していた別な店舗を先訪店舗として認識し、上記データベースを参照することにより、先訪店舗の特徴を示す先訪店舗特徴情報を求める段階と、
上記データベースを参照することにより、先訪店舗特徴情報に類似した店舗特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所を配信場所と決定する段階と、
収集した時系列データに基づいて、上記配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を配信先端末装置と決定する段階と、
用意した広告情報を、上記配信先端末装置に対して配信する段階と、
を有することになる。
最後に、本発明のいくつかの変形例を述べる。
これまで述べた実施例では、配信先決定部160は、分析結果格納部150内の先訪場所特徴情報と場所データベース100内の場所特徴情報との合致度(類似度)に基づいて、特定の場所を配信場所と決定する処理を行っていた。もちろん、場所データベース100に登録される場所が、たとえば、東京23区内といった限定された地区内の場所であれば、これまでの実施例で述べた配信場所の決定処理をそのまま適用しても支障はない。しかしながら、本発明に係るシステムを全国規模に広げて利用する場合、場所データベース100内には、全国の場所が登録されることになるので、その場合は、配信先決定部160が、広告対象となる場所に対する地理的位置関係を考慮して、当該広告対象となる場所に関する広告情報についての配信場所を決定するようにするのが好ましい。
一般に、店舗に関する広告情報には鮮度が必要であり、ある特定の時期や時間帯に配信しなければ、意味がなくなるケースが少なくない。そこで、実用上は、広告情報格納部170内に、個々の広告情報についての有効期限を格納しておくようにし、広告配信部110は、有効期限経過前の広告情報についてのみ配信を行うようにするのが好ましい。
§2で述べた実施例では、位置情報収集蓄積部120に蓄積された時系列の位置データについて、2007年3月8日午前5時〜翌3月9日午前5時までの24時間枠を設定して場所遷移テーブルを作成する例を述べた。通常、人間の行動は、朝から夜までの1日単位で行われるので、一般的な傾向分析を行う上では、午前5時〜翌日の午前5時というような24時間枠で切り出した時系列データを分析対象とすれば十分である。しかしながら、ある特定の店舗がある特定の広告情報を配信する場合に、特別に設定された固有の時間枠で切り出した時系列データを分析対象とした方が好ましい場合がある。
これまで述べた実施例では、ある着目場所について、その直前に来訪した場所を「先訪場所」と認識して、傾向分析部140による分析処理を行っていた。たとえば、図2の左端に示す端末装置T0000についての場所遷移テーブルにおいて、「テアトルA」に着目した「先訪場所」を、1行上に掲載されている「フードコートE」と定義する取り扱いを行っていた。
これまで、場所データベース100内への各種情報の登録は、この広告情報配信システムを運営する事業体の担当者によるデータ入力操作や、個々の店舗の経営者や責任者の自己申告による入力操作による、との説明を行ったが、この登録作業を、端末装置を所持する一般ユーザに公開することも可能である。
これまで述べた実施例では、場所データベース100への登録対象となる「場所」は、いずれも商業店舗の場所であったが、この場所データベース100への登録対象となる「場所」は、必ずしも商業店舗に限定されるものではない。たとえば、「○○駅前」、「○○公園」、「○○広場」といった公共の場所を、場所データベース100へ登録することも可能である。このような公共の場所それ自身は、通常、商業広告の対象にはならないが、本願にいう「広告情報」とは、文字どおり「広く告げるための情報」を意味するものであり、必ずしも商業的な宣伝に限定されるものではない。たとえば、「○○駅前での選挙演説のおしらせ」、「○○公園のゴミ拾いのおさそい」、「○○広場での献血のおしらせ」といった情報も、本願にいう「広告情報」である。もちろん、傾向分析部140による傾向分析のプロセスにおいて、これらの公共の場所が、「先訪場所」となるケースは十分にあり得る。たとえば、「○○公園」で待ち合わせをしたアベックが、「テアトルA」で映画を観る傾向がある場合、傾向分析のプロセスでは、「○○公園」は「テアトルA」についての「先訪場所」として認識されることになる。このような意味において、場所データベース100に、公共の場所を登録することは商業的にも有用である。
110:広告配信部
120:位置情報収集蓄積部
121:衛星
122:基地局
123:インターネット
125:GPSログファイル
130:場所遷移テーブル作成部
140:傾向分析部
150:分析結果格納部
160:配信先決定部
170:広告情報格納部
C:P(3)の近傍領域を示す円
d(n,n+i):距離関数
L:2点間のユークリッド距離
P(1)〜P(N):GPSデータが示す位置
Q:最近接場所の位置
S1〜S40:流れ図の各ステップ
T0000〜T9999:端末装置
t(1)〜t(N):GPSデータの取得日時
x(1)〜x(N):GPSデータに含まれる座標値
y(1)〜y(N):GPSデータに含まれる座標値
α,β:座標系上の点
Claims (25)
- 移動可能な端末装置に対して広告情報を配信するシステムであって、
端末装置の移動範囲内に位置する複数の場所のそれぞれについて、当該場所を特定するための場所識別コードと、当該場所の位置座標を示す場所位置コードと、当該場所の特徴を示す場所特徴情報と、を互いに対応づけて登録した場所データベースと、
前記場所データベースに登録されている複数の場所のうちの広告対象となる場所に関する広告情報と、当該広告対象となる場所の場所識別コードと、をそれぞれ場所ごとに対応づけて格納する広告情報格納部と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を示す位置情報を時系列データとして収集し、これを蓄積する位置情報収集蓄積部と、
前記位置情報収集蓄積部に蓄積されている、個々の端末装置の所定時間枠内の位置情報に基づいて、個々の端末装置が前記所定時間枠内に前記場所データベースに登録されている場所間をどのように遷移したかを推測し、その推測結果に基づいて、前記場所データベースに登録されている複数の場所を時系列で掲載した場所遷移テーブルを作成する場所遷移テーブル作成部と、
前記場所遷移テーブル作成部が作成した多数の場所遷移テーブルに基づいて、ある着目場所について、当該着目場所への来訪前に来訪していた別な場所を先訪場所として認識し、前記場所データベースに登録されている場所特徴情報を参照して、当該着目場所について、前記先訪場所の特徴を示す先訪場所特徴情報を求める傾向分析部と、
前記広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所について前記傾向分析部によって求められた先訪場所特徴情報と、を対応づけた分析結果を格納する分析結果格納部と、
前記広告情報格納部に格納されている広告情報の配信先を決定するために、当該広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、前記分析結果格納部に格納されている分析結果により対応づけられている先訪場所特徴情報を抽出し、前記場所データベースを参照することにより、抽出した先訪場所特徴情報に対する合致度の高い場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定し、前記位置情報収集蓄積部に蓄積されている個々の端末装置の現時点もしくはその直近の位置情報に基づいて、前記配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を当該広告情報の配信先端末装置と決定する配信先決定部と、
前記広告情報格納部に格納されている広告情報を、前記配信先決定部で決定された配信先端末装置に対して配信する広告配信部と、
を備えることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1に記載のシステムにおいて、
場所データベース内に登録する個々の場所として商業用店舗の場所が用いられており、当該店舗を特定するための店舗識別コードが場所識別コードとして用いられており、当該店舗の位置座標を示すコードが場所位置コードとして用いられており、当該店舗の特徴を示す情報が場所特徴情報として用いられており、
広告情報格納部内に格納する広告情報として、各店舗に関する商業広告の情報が用いられていることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
緯度経度を示すデータが場所位置コードとして用いられており、位置情報収集蓄積部が、GPSを利用して各端末装置の緯度経度を示すデータを位置情報として収集することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
位置情報収集蓄積部が、位置情報とともに、その取得日時を蓄積し、
場所遷移テーブル作成部が、場所データベースに登録されている特定の場所に関して、その場所位置コードによって示される位置座標の近傍領域内に、所定の滞在時間だけ留まっていたことを条件として、当該特定の場所を場所遷移テーブルに掲載することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項4に記載のシステムにおいて、
場所遷移テーブル作成部が、1つの端末装置についての所定時間枠内の位置情報を示すN個の時系列データに基づいて、1つの場所遷移テーブルを作成するために、
第n番目のデータが示す位置座標と第(n+1)番目のデータが示す位置座標との距離d(n,n+1)が、しきい値dthよりも小さいか否かを判定する第1の手段と、
第n番目のデータが示す位置座標と第(n+i)番目のデータが示す位置座標との距離d(n,n+i)が、しきい値dthよりも小さいか否かを判定する第2の手段と、
nを初期値1から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のnの値を用いて前記第1の手段に判定を実行させる処理を、nがN−1に到達する直前まで繰り返し行う第3の手段と、
前記第1の手段が肯定的な判定を行った場合に、iを初期値2から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のnおよびiの値を用いて前記第2の手段に判定を実行させる処理を、前記第2の手段が否定的な判定を行うまで繰り返し行い、(n+i)がNに到達しても肯定的な判定がなされたときには、iを更に1だけ増加させる処理を行う第4の手段と、
前記第2の手段が否定的な判定を行ったとき、もしくは(n+i)がNに到達したときに、そのときのnおよびiの値を用いて示される第n番目のデータの取得日時と第(n+i−1)番目のデータの取得日時との時間差ξが、しきい値ξthよりも大きいか否かを判定する第5の手段と、
前記第5の手段が肯定的な判定を行った場合に、そのときのnおよびiの値を用いて示される第n番目のデータ乃至第(n+i−1)番目のデータが示す位置座標の平均座標を求める第6の手段と、
場所データベースに登録されている場所の中から前記平均座標に対する最近接場所を抽出し、当該最近接場所の位置座標と前記平均座標との距離εが、しきい値εthよりも小さいか否かを判定する第7の手段と、
前記第7の手段が肯定的な判定を行った場合に、前記最近接場所を場所遷移テーブルに掲載する第8の手段と、
を有し、
前記第3の手段は、前記第8の手段が場所遷移テーブルへの掲載を行ったときは、nの値をn+iに更新して処理を続行することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のシステムにおいて、
位置情報収集蓄積部が、位置情報とともに、その取得日時を蓄積し、
配信先決定部が、現在に至るまで所定の滞在時間以上にわたって、特定の端末装置が配信場所の近傍領域内に留まっていることを条件として、当該特定の端末装置を配信先端末装置と決定することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項6に記載のシステムにおいて、
配信先決定部が、判定対象となる端末装置を、特定の配信場所についての配信先端末装置とすべきか否かを判定するために、
判定対象となる端末装置についての現在までの位置情報を示す時系列データを読み込む第1の手段と、
読み込んだ時系列データの第N番目にある最新データが示す位置座標と前記特定の配信場所の位置座標との距離Dが、しきい値Dthよりも小さいか否かを判定する第2の手段と、
読み込んだ時系列データの第(N−i)番目のデータが示す位置座標と前記特定の配信場所の位置座標との距離Dが、しきい値Dthよりも小さいか否かを判定する第3の手段と、
前記第2の手段が肯定的な判定を行った場合に、iを初期値1から1ずつ増加させて更新しながら、各更新時点のiの値を用いて前記第3の手段に判定を実行させる処理を、前記第3の手段が否定的な判定を行うまで、もしくはiがNに到達するまで、繰り返し行う第4の手段と、
前記第3の手段が否定的な判定を行ったとき、もしくはiがNに到達したときに、そのときのiの値を用いて示される第(N−i+1)番目のデータの取得日時と第N番目のデータの取得日時との時間差ξが、しきい値ξthよりも大きいか否かを判定する第5の手段と、
前記第5の手段が肯定的な判定を行った場合に、前記判定対象となる端末装置を配信先端末装置と決定する第6の手段と、
を有することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の代表的な特徴を示す単一の特徴コードによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている特徴コードの出現頻度を調べ、最も出現頻度の高い特徴コードを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた特徴コードと、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、前記分析結果格納部内で対応づけられている特徴コードを抽出し、前記場所データベースを参照することにより、抽出した特徴コードに一致する場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項8に記載のシステムにおいて、
個々の場所の代表的な特徴を示す単一の特徴コードとして、当該場所の名称を示す文字列もしくは当該場所の場所識別コードが用いられていることを特徴とする広告情報配信システム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の特徴を示す複数の特徴コードの組み合わせによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている各特徴コードの出現頻度を調べ、出現頻度の高い複数の特徴コードの組み合わせを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた複数の特徴コードの組み合わせと、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、前記分析結果格納部内で対応づけられている複数の特徴コードの組み合わせを抽出し、前記場所データベースを参照することにより、「抽出した特徴コードの組み合わせ」に対して選抜基準以上の合致度を示す「特徴コードの組み合わせ」が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
場所データベースに登録された各場所についての場所特徴情報が、それぞれ当該場所の特徴を示す複数H個の特徴コードとその重みづけを示す重み値とによって構成されており、
傾向分析部が、ある着目場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、各場所遷移テーブルに掲載されている当該着目場所の1つ1つについて、それぞれ先訪場所を調べ、これら各先訪場所についての場所特徴情報として登録されている各特徴コードの重み値の合計値を求め、前記合計値が高い順に複数H個の特徴コードを選択し、選択された各特徴コードについて前記合計値に応じた新しい重み値を決定し、選択された複数H個の特徴コードとその新しい重み値とを、当該着目場所についての先訪場所特徴情報とする処理を行い、
分析結果格納部が、個々の広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所についての先訪場所特徴情報として求められた複数H個の特徴コードおよびその重み値と、を対応づけた分析結果を格納し、
配信先決定部が、配信先を決定する対象となる広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、前記分析結果格納部内で対応づけられている複数H個の特徴コードおよび重み値からなる先訪場所特徴情報を抽出し、前記場所データベースを参照することにより、抽出した「先訪場所特徴情報」に対して選抜基準以上の合致度を示す「場所特徴情報」が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項11に記載のシステムにおいて、
場所データベースに登録された1つの場所についての場所特徴情報を構成する複数H個の特徴コードの重み値の合計が所定の規格値となるような規格化が行われており、
分析結果格納部に格納された1つの場所についての先訪場所特徴情報を構成する複数H個の特徴コードの新しい重み値の合計が前記規格値となるような規格化を経て、傾向分析部による新しい重み値の決定が行われることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項11または12に記載のシステムにおいて、
配信先決定部が、「選抜基準以上の合致度を示す」と判定するための条件として、「複数H個の特徴コードを、重み値の大きい順に並べた場合に、上位h個(1≦h≦H)の特徴コードが一致する」という条件が設定されていることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項13に記載のシステムにおいて、
配信先決定部内に、配信場所の総数の上限値Mが設定されており、
配信先決定部が、「h=1なる最も緩い条件」から「h=Hなる最も厳しい条件」に至るまで、hの値を1ずつ増加させることにより条件設定を徐々に厳しくしながら、配信場所の総数が前記上限値M以下となるまで、配信場所の決定をやり直す処理を実行することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項12に記載のシステムにおいて、
配信先決定部が、「選抜基準以上の合致度を示す」と判定するための条件として、「複数H個の特徴コードがすべて一致し、かつ、これら各特徴コードをそれぞれ0〜規格値までの座標をもつ座標軸に対応させることにより、複数H本の座標軸からなるH次元座標空間を形成し、このH次元座標空間内に、各特徴コードの重み値を座標値として、両特徴情報をそれぞれ点としてプロットしたときに、両点間のユークリッド距離Lが所定値Lth以下になる」という条件が設定されていることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項15に記載のシステムにおいて、
配信先決定部内に、配信場所の総数の上限値Mが設定されており、
配信先決定部が、所定値Lthを初期値から徐々に減少させながら、配信場所の総数が前記上限値M以下となるまで、配信場所の決定をやり直す処理を実行することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜16のいずれかに記載のシステムにおいて、
配信先決定部が、広告対象となる場所に対する地理的位置関係を考慮して、当該広告対象となる場所に関する広告情報についての配信場所を決定することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜17のいずれかに記載のシステムにおいて、
広告情報格納部内に、個々の広告情報についての有効期限が格納されており、
広告配信部は、有効期限経過前の広告情報についてのみ配信を行うことを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜18のいずれかに記載のシステムにおいて、
傾向分析部が、特定の場所についての先訪場所特徴情報を求める際に、当該特定の場所について設定された特定の時間枠内の位置情報に基づいて作成された場所遷移テーブルのみを用いた先訪場所の認定を行うことを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜19のいずれかに記載のシステムにおいて、
傾向分析部が、ある着目場所の直前に来訪した場所を、当該着目場所についての先訪場所として認識することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜19のいずれかに記載のシステムにおいて、
傾向分析部が、ある着目場所のj番目前(j≧2)までに来訪した場所すべてを、当該着目場所についての先訪場所として認識し、より直前に近い来訪場所の場所特徴情報に対して、より大きな重みづけをして、当該着目場所についての先訪場所特徴情報を求めることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 請求項1〜21のいずれかに記載のシステムにおいて、
場所データベースが、場所識別コードと場所位置コードは登録されているが、場所特徴情報は登録されていない不完全なデータを格納しており、端末装置を携帯するユーザからの指示入力に基づいて、前記不完全なデータにおける場所特徴情報を登録する機能を有していることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信システム。 - 移動可能な端末装置に対して広告情報を配信する方法であって、
端末装置の移動範囲内に位置する複数の場所のそれぞれについて、当該場所を特定するための場所識別コードと、当該場所の位置座標を示す場所位置コードと、当該場所の特徴を示す場所特徴情報と、を互いに対応づけて登録した場所データベースを用意する段階と、
前記場所データベースに登録されている複数の場所のうちの広告対象となる場所に関する広告情報と、当該広告対象となる場所の場所識別コードと、をそれぞれ場所ごとに対応づけて用意する段階と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を示す位置情報を時系列データとして収集し、これを蓄積する段階と、
蓄積されている個々の端末装置の所定時間枠内の位置情報に基づいて、個々の端末装置が前記所定時間枠内に前記場所データベースに登録されている場所間をどのように遷移したかを推測し、その推測結果に基づいて、前記場所データベースに登録されている複数の場所を時系列で掲載した場所遷移テーブルを作成する段階と、
作成した多数の場所遷移テーブルに基づいて、ある着目場所について、当該着目場所への来訪前に来訪していた別な場所を先訪場所として認識し、前記場所データベースに登録されている場所特徴情報を参照して、当該着目場所について、前記先訪場所の特徴を示す先訪場所特徴情報を求める段階と、
前記広告対象となる場所について、その場所識別コードと、その場所について求められた先訪場所特徴情報と、を対応づけた分析結果を用意する段階と、
前記広告情報の配信先を決定するために、当該広告情報に対応づけられた場所識別コードについて、前記分析結果として対応づけられている先訪場所特徴情報を抽出し、前記場所データベースを参照することにより、抽出した先訪場所特徴情報に対する合致度の高い場所特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所識別コードで特定される場所を配信場所と決定し、蓄積されている個々の端末装置の現時点もしくはその直近の位置情報に基づいて、前記配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を当該広告情報の配信先端末装置と決定する段階と、
前記広告情報を、前記広告情報の配信先として決定された配信先端末装置に対して配信する段階と、
を有することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信方法。 - 請求項23に記載の広告情報配信方法において、
場所データベースを用意する際に、個々の場所の様々な特徴を示すキーワード群を用意し、これらキーワード群から選択した1つもしくは複数のキーワードを、1つの場所についての場所特徴情報とすることを特徴とする移動端末に対する広告情報配信方法。 - 移動可能な端末装置に対して店舗に関する広告情報を配信する方法であって、
端末装置の移動範囲内に位置する複数の店舗のそれぞれについて、位置座標と当該店舗の特徴を示す店舗特徴情報とを対応づけたデータベースを用意する段階と、
広告対象となる特定の店舗に関する広告情報を用意する段階と、
個々の端末装置の各時点の位置座標を時系列データとして収集する段階と、
前記時系列データに基づいて、個々の端末装置が訪問した店舗を推測し、個々の端末装置ごとに、訪問した店舗を訪問順に掲載した遷移テーブルを作成する段階と、
作成した多数の遷移テーブルに基づいて、前記特定の店舗への来訪前に来訪していた別な店舗を先訪店舗として認識し、前記データベースを参照することにより、前記先訪店舗の特徴を示す先訪店舗特徴情報を求める段階と、
前記データベースを参照することにより、前記先訪店舗特徴情報に類似した店舗特徴情報が対応づけられている1つもしくは複数の場所を配信場所と決定する段階と、
前記時系列データに基づいて、前記配信場所の近傍領域に位置すると判定された端末装置を配信先端末装置と決定する段階と、
前記広告情報を、前記配信先端末装置に対して配信する段階と、
を有することを特徴とする移動端末に対する広告情報配信方法。
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