JP2008310277A - 光ファイバ融着接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダブルクラッドファイバとシングルクラッドファイバとの融着接続構造において、融着接続点を、各ファイバが通る隙間を除いて高熱伝導材からなるブロックで覆ったことを特徴とする光ファイバ融着接続構造。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、ダブルクラッドファイバからの残留光が1Wでも保護被膜が損傷しない構造が開示され、この従来技術では、被覆材に耐熱性の高い材料を使用している。
特許文献2には、ファイバ被覆材に透明な紫外線硬化型樹脂を用いて曲げによる漏れ光の吸収を抑制することが開示されている。この従来技術では、各層の屈折率が、クラッド<1次被覆<2次被覆の関係になっている。
特許文献3には、ダブルクラッドの被覆を一部除去して第1クラッドより屈折率の高い材料を塗布する構造が開示されている。
特許文献4には、内側壁に、アルマイト、金・銀蒸着などで光吸収する加工が開示されている。
特許文献5には、黒アルマイト加工で光を吸収することが開示されている。
特許文献6には、軟質の接着剤で第1と第2の補強基板を固定すること、及びファイバの両側と第1の補強基板は接着剤で固定する構造が開示されている。
以下、図面を参照して本発明の光ファイバ融着接続構造の実施形態を説明する。
図1は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第1実施形態を示す断面図である。図中、符号10はダブルクラッドファイバ、10Aはその被覆、10Bは被覆除去部、11はシングルクラッドファイバ、11Aはその被覆、11Bは被覆除去部、12は融着接続点、13はアルミブロック、14は樹脂、15は第1接着部、16は第2接着部である。
放射された励起光が全て樹脂に吸収されると仮定すると、樹脂の温度上昇と樹脂の吸収率の関係は以下の式のようになる。
V・ρ・Cp・ΔT=p・t・α(前記式中、Vは樹脂容量、ρは密度、Cpは比熱、Tは温度、pは励起漏れ光量、tは熱平衡時間、αは吸収率をそれぞれ表す。)
図2は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第2実施形態を示す断面図である。本実施形態の光ファイバ融着接続構造は、前述した第1実施形態の接続構造と同じ構成要素を備えて構成され、同じ構成要素には同一符号を付してある。本実施形態の光ファイバ融着接続構造では、融着接続点12の手前(ダブルクラッドファイバ側)のC領域において、アルミブロック13内にダブルクラッドファイバ10の第1クラッドが露出した被覆除去部10Bを収容し、この被覆除去部10Bを、第1クラッドより高い屈折率を持つ樹脂14で被覆し、さらに赤外線吸収層として機能する黒アルマイトが内側に形成されたアルミブロック13で該樹脂14を囲んだ構成になっている。
さらに本実施形態では、融着接続点12の手前のC領域に屈折率がクラッドより高い樹脂14を充填し、励起光を放射させる構成としたので、融着接続点12からは励起光が放射されなくなり、融着接続点12を樹脂14で補強することが可能となり、より信頼性の高い融着接続構造を提供できる。
図3は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第3実施形態を示す断面図である。本実施形態の光ファイバ融着接続構造は、前述した第1実施形態の接続構造と同じ構成要素を備えて構成され、同じ構成要素には同一符号を付してある。本実施形態の光ファイバ融着接続構造では、アルミブロック13の長手方向に沿って、融着接続点12よりもダブルクラッドファイバ10側のE領域、融着接続点12のあるF領域、及び融着接続点12よりもシングルクラッドファイバ11側のG領域の3領域で、段階的に励起光を放射させ、発熱する領域を分散させた構成になっている。
なお、段階的に励起光を放射させる本実施形態において、3つの領域に限定する必要はなく、励起光出力とアルミブロック13の温度上昇の関係から、さらに領域を増やすことも可能である。この場合には、図3のE領域をさらに細かい領域に分けて、NAを段階的に小さくしていくことが好ましい。
図4は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第4実施形態を示す断面図である。図4中、符号20は希土類元素が添加されたダブルクラッドファイバ、21はシングルクラッドファイバ、22は融着接続点、23は金属ブロック、24は樹脂、25はダブルクラッドファイバ固定用のゴム状樹脂、26はシングルクラッドファイバ固定用のUV硬化樹脂である。
また、樹脂24を介して、信号光や励起光は熱エネルギーとなって、熱伝導率の良好な金属ブロック23に直接吸収されるため、放熱効率が高い。
図5は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第5実施形態を示す断面図である。本実施形態の光ファイバ融着接続構造において、図4に示す第4実施形態の光ファイバ融着接続構造と同一の構成要素には同一符号を付してある。
図6は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第6実施形態を示す断面図である。本実施形態の光ファイバ融着接続構造において、図4に示す第4実施形態の光ファイバ融着接続構造と同一の構成要素には同一符号を付してある。
図7は、本発明の光ファイバ融着接続構造の第7実施形態を示す断面図である。本実施形態の光ファイバ融着接続構造において、図4に示す第4実施形態の光ファイバ融着接続構造と同一の構成要素には同一符号を付してある。
また図1〜3に示す光ファイバ融着接続構造においてファイバ被覆の温度上昇を測定した結果、従来法に比べ、ファイバ被覆の温度上昇を90%以上低減することができた。この温度上昇を予測した結果、樹脂の寿命が30000時間から50000時間程度までとなり、従来法に比べて信頼性が大幅に向上できることがわかった。
この図3の実施形態において、NA変換領域であるE領域を分割して、NAを80%から30%程度まで段階的に小さくしていくと、さらに効率よく放熱できる。
NAを変化させるためには、樹脂の屈折率を変えることが良いが、それぞれの屈折率に合う樹脂を選定することは、樹脂の種類が多くなり、評価や保管の手間がかかる。この手間を省くために、NAが80%程度になる屈折率を有する樹脂をあらかじめ選定しておき、別途用意したコロイダルシリカを混合する。コロイダルシリカの混合量を変えることで、簡単にNAを変えることができるため、上記の手間を省略することができる。
Claims (8)
- ダブルクラッドファイバとシングルクラッドファイバとの融着接続構造において、
融着接続点を、各ファイバが通る隙間を除いて高熱伝導材からなるブロックで覆ったことを特徴とする光ファイバ融着接続構造。 - 融着接続点付近のシングルクラッドファイバとダブルクラッドファイバを、波長800〜1100nmの範囲で透過率が90%以上ある樹脂で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ融着接続構造。
- 融着接続点付近のシングルクラッドファイバとダブルクラッドファイバを、波長800〜1100nmの範囲で透過率が90%以上あり、且つクラッドの屈折率より高い屈折率をもつ樹脂で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ融着接続構造。
- ダブルクラッドファイバの第1クラッドを、該クラッドの屈折率より高い屈折率をもつ樹脂で被覆し、該樹脂の周りを高熱伝導材に赤外線吸収層が設けられたブロックで覆ったことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ融着接続構造。
- 前記ブロックのそれぞれの端部にダブルクラッドファイバとシングルクラッドファイバとのいずれかを接着し、それらの接着部のうちいずれか一方を硬質樹脂で接着し、他方を軟質のエラストマーで接着し、その先を強接着し、軟接着と強接着の間のファイバはテンションがかからないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバ融着接続構造。
- 融着接続点が補強用の透明樹脂で覆われていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ファイバ融着接続構造。
- 融着接続点手前のダブルクラッドファイバの第1クラッドを覆う樹脂の屈折率が、クラッドの屈折率より小さく、光の進行方向に対して段階的に屈折率を大きくして、ダブルクラッドファイバの開口数を段階的に小さくしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ファイバ融着接続構造。
- 放射された励起光量の20〜90%程度が最初に金属ブロックと反射する領域には、金属ブロック表面に赤外吸収材料が形成されておらず、該領域以外の領域の金属表面に赤外吸収材料が形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバ融着接続構造。
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