JP2017120282A - 融着接続部補強構造および融着接続部補強構造の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化に伴う融着接続部の負荷を軽減する融着接続部補強構造を提供する。
【解決手段】一対の光ファイバ41、42を融着接続した融着接続部43を含む融着光ファイバ40と、融着光ファイバを収容する収容溝61が設けられた収容部材60と、収容溝内に位置し融着接続部の両側において融着光ファイバを支持する第1の支持樹脂部10と第2の支持樹脂部20と、第1の支持樹脂部と第2の支持樹脂部との間で収容溝に樹脂を充填して形成された保護樹脂部30と、を備え、収容部材の熱膨張係数が光ファイバの熱膨張係数より高く、保護樹脂部のヤング率が、第1の支持樹脂部および第2の支持樹脂部のヤング率より低い融着接続部補強構造1。
【選択図】図2

Description

本発明は、融着接続部補強構造および融着接続部補強構造の製造方法に関する。
光ファイバ同士を融着接続した融着接続部は、他の部分より強度が低い。融着接続部を保護して融着接続部における破断を防止する補強構造が知られている(例えば特許文献1)。
特開2009−116076号公報
融着接続部では、漏れ光として光のロスが発生する場合がある。漏れた光は融着接続部周辺の部材に吸収され、光ファイバおよびその周辺部材の温度を高める。このような温度上昇によって補強構造と光ファイバとの熱膨張係数の差に起因する負荷が融着接続部に加わった結果、融着接続部を伝搬する光のビーム品質の劣化や融着接続部の破断が生じる虞がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、融着接続部周囲の温度変化に伴う融着接続部への負荷を軽減する融着接続部補強構造の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の融着接続部補強構造は、一対の光ファイバを融着接続した融着接続部を含む融着光ファイバと、前記融着光ファイバを収容する収容溝が設けられた収容部材と、前記収容溝内に位置し、前記融着接続部の両側において前記融着光ファイバを支持する第1の支持樹脂部と第2の支持樹脂部と、前記第1の支持樹脂部と前記第2の支持樹脂部との間で前記収容溝に樹脂材料が充填されて形成された保護樹脂部と、を備え、前記収容部材の熱膨張係数が前記光ファイバの熱膨張係数より高く、前記保護樹脂部のヤング率が、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部のヤング率より低い。
上記構成によれば、融着接続部補強構造は、第1および第2の支持樹脂部により融着接続部を挟んで融着光ファイバを支持する。これにより、第1および第2の支持樹脂部のうち何れか一方又は両方の弾性変形で融着光ファイバの伸縮を吸収できる。したがって、温度変化に起因して融着光ファイバが熱膨張又は熱収縮した場合であっても、融着接続部への負荷を軽減することができる。
また、上記構成によれば、保護樹脂部のヤング率は、第1および第2の支持樹脂部のヤング率よりも低い。すなわち、保護樹脂部は、第1および第2の支持樹脂部と比較して、弾性変形しやすく周囲の変形に追随しやすい。したがって、保護樹脂部は、第1および第2の支持樹脂部の弾性変形に追随する構成とすることができ、融着接続部への負荷を軽減しつつ融着接続部を保護できる。
また、上記構成によれば、収容部材の熱膨張係数は、光ファイバの熱膨張係数より高い。融着接続部からの漏れ光に起因して融着接続部補強構造の温度が上昇した場合、融着光ファイバには、第1および第2の支持樹脂部が介して引張方向の応力が付与される。したがって、使用時に融着光ファイバが弛むことがなく、融着光ファイバを伝搬する光のビーム品質を確保するとともに、座屈に起因する破断を抑制できる。また、低温環境下における保管などで融着接続部構造の温度が低下した場合には、第1および第2の支持樹脂部の弾性変形により、融着光ファイバに弛み方向の負荷が生じることが抑制される。
また、一般的に、熱膨張係数の高い材料は熱伝導率も高く、これにより高い放熱作用を有する。収容部材の熱膨張係数を光ファイバの熱膨張係数より高くすることにより、収容部材の放熱効果を高め、漏れ光に起因する熱を収容部材から外部に逃がすことができる。
本発明の一つの態様の融着接続部補強構造において、前記融着光ファイバの光の入力側に前記第1の支持樹脂部が配置され、光の出力側に前記第2の支持樹脂部が配置され、前記第1の支持樹脂部のヤング率が、前記第2の支持樹脂部のヤング率より高い構成としてもよい。
融着接続部からは、漏れ光が生じる場合がある。漏れ光は、融着接続部周辺の部材に吸収され、融着接続部補強構造の温度を高める。融着接続部の漏れ光は、融着接続部から出力側に向かって照射される光が支配的である。このため、融着接続部補強構造は、融着接続部に対して出力側が高温となりやすい。上記の構成によれば、光の出力側に低ヤング率の第2の支持樹脂部が配置される。すなわち、高温となり融着光ファイバと収容部材との熱膨張の差が大きい領域に近接して低ヤング率の第2の支持樹脂部が位置する。これにより、第2の支持樹脂部において、熱膨張差を吸収して、融着接続部に変位が及ぶことがなく融着接続部への負荷を軽減できる。したがって、融着光ファイバを伝搬する光のビーム品質を確保するとともに、座屈に起因する破断をさらに抑制できる。
本発明の一つの態様の融着接続部補強構造において、前記収容溝の長さ方向の中心に対して前記融着接続部が前記第1の支持樹脂部側に配置され、前記第1の支持樹脂部のヤング率が、前記第2の支持樹脂部のヤング率より高い構成としてもよい。
上記の構成によれば、第1の支持樹脂部のヤング率が、第2の支持樹脂部のヤング率より高い。これにより、融着光ファイバと収容部材との熱膨張又は熱収縮の差は、第1の支持樹脂部より第2の支持樹脂部の弾性変形でより大きく吸収される。また上記構成によれば、融着接続部が変形量の少ない第1の支持樹脂部に近接させて配置される。これにより、第1の支持樹脂部の弾性変形量が小さくなり、第1の支持樹脂部を起点とする融着接続部と融着接続部を囲む保護樹脂部の伸び量が小さくなる。結果として、融着接続部とその周囲の保護樹脂部との相対的な伸び量の差を抑制して、保護樹脂部から融着接続部に加わる負荷を小さくすることができる。これにより、融着光ファイバを伝搬する光のビーム品質を確保するとともに、座屈に起因する破断をさらに抑制できる。
また、本発明の一つの態様の融着接続部補強構造は、前記融着光ファイバを前記収容溝に配置するとともに、未硬化の樹脂材料を供給および硬化させて、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部を形成する支持樹脂部形成工程と、前記第1の支持樹脂部と前記第2の支持樹脂部との間で前記収容溝に未硬化の樹脂材料を供給し硬化させて、前記保護樹脂部を形成する保護樹脂部形成工程と、を有し、前記保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度が、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度より低い。
上記の構成によれば、第1および第2の支持樹脂部を形成した後に、保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料を収容溝に供給する。これにより、第1および第2の支持樹脂部は、保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料が収容溝から流出することを防ぐダムとして機能する。したがって、保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度を、第1の支持樹脂部および第2の支持樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度より低くして、融着光ファイバの周囲に確実に保護樹脂部を回り込ませることができる。保護樹脂部に空隙が生じると、融着接続部からの漏れ光が屈折し収容部材の収容溝の内壁に集光して局所的に加熱される虞がある。保護樹脂部を融着光ファイバの周囲に確実に回り込ませることで、局所的な加熱を防ぎ、収容部材による効率的な放熱が可能となる。
本発明の一つの態様の融着接続部補強構造の製造方法において、前記支持樹脂部形成工程が、前記収容溝に未硬化の前記樹脂材料を供給する第1供給工程と、未硬化の前記樹脂材料の上方に前記融着光ファイバを配置する工程と、前記融着光ファイバの上方からさらに未硬化の前記樹脂材料を供給する第2供給工程と、未硬化の前記樹脂材料を硬化させる硬化工程と、を含む構成としてもよい。
上記の構成によれば、支持樹脂部形成工程において収容溝に融着光ファイバを配置する前後に、2回に分けて未硬化の前記樹脂材料を供給する。第1および第2の支持樹脂部材を構成する未硬化の樹脂材料は、保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料より粘度が高い。このため、融着光ファイバの周囲に樹脂材料が確実に回り込まない虞がある。第1および第2の支持樹脂部に空隙が生じると、ダムとしての機能が損なわれる。融着光ファイバを収容溝に配置する前に、予め、未硬化の樹脂材料を収容溝に供給しておくことで、融着光ファイバの下側に確実に樹脂材料を回り込ませることができる。これにより、第1および第2の支持樹脂部に空隙が生じることを抑制できる。
本発明によれば、融着接続部周囲の温度変化に伴う融着接続部への負荷を軽減することが可能な融着接続部補強構造を提供できる。
第1実施形態の融着接続部補強構造の斜視図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の平面図である。 温度上昇時の融着接続部補強構造1の平面図である。 温度下降時の融着接続部補強構造1の平面図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の製造工程を示す模式図であり、予備工程を示す図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の製造工程を示す模式図であり、第1供給工程を示す図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の製造工程を示す模式図であり、融着光ファイバを収容溝に収容する工程を示す図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の製造工程を示す模式図であり、第2供給工程を示す図である。 第1実施形態の融着接続部補強構造の製造工程を示す模式図であり、収容溝に保護樹脂部を形成する工程を示す図である。 第2実施形態の融着接続部補強構造の平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一例としての実施形態について説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示している場合がある。
<<第1実施形態>>
第1実施形態の融着接続部補強構造1について説明する。
図1は、融着接続部補強構造1の斜視図であり、図2は、融着接続部補強構造1の平面図である。
融着接続部補強構造1は、融着光ファイバ40と、収容部材60と、第1の支持樹脂部10と、第2の支持樹脂部20と、保護樹脂部30と、冷却部材50と、を備えている。融着光ファイバ40は、収容部材60の収容溝61内に収容され、収容溝61の両端に樹脂を充填して形成した第1および第2の支持樹脂部10、20に支持されている。また、第1および第2の支持樹脂部10、20の間の収容溝61においては保護樹脂部30が充填されている。
以下、各部について詳細に説明する。
<融着光ファイバ>
融着光ファイバ40は、第1の光ファイバ41と第2の光ファイバ42と、第1および第2の光ファイバ41、42を融着接続した融着接続部43と、を有する。第1および第2の光ファイバ41、42は、融着接続部43において融着接続されている。
第1および第2の光ファイバ41、42は、裸線45と裸線45の外周を覆う被覆44とを有する。第1および第2の光ファイバ41、42は、融着接続された先端から所定の距離だけ被覆44が除去されている。すなわち、融着接続部43から両側に延びる第1および第2の光ファイバ41、42の一定領域は、裸線45が露出している。
裸線45は、円柱状のコアとコアの外側面を覆うクラッドとを有する。クラッドは、屈折率の異なる複数の層を有していてもよい。第1の光ファイバ41と第2の光ファイバ42とは、同数のクラッドを有する同じ種類の光ファイバであってもよく、異なる種類の光ファイバであってもよい。すなわち、第1の光ファイバ41と第2の光ファイバ42とは、シングルクラッドファイバ、ダブルクラッドファイバ、トリプルクラッドファイバの何れの組み合わせであってもよい。
融着光ファイバ40は、収容部材60の収容溝61に収容される。融着光ファイバ40は、収容溝61内において、第1の光ファイバ41が第1の支持樹脂部10によって支持され、第2の支持樹脂部20によって支持される。
融着光ファイバ40は、第1の光ファイバ41が光の入力側に配置され、第2の光ファイバ42が光の出力側に配置されている。
図2に示すように、融着接続部補強構造1において、融着接続部43より第1の光ファイバ41側に位置する領域を第1領域A1とし、第2の光ファイバ42側に位置する領域を第2領域A2とする。融着接続部補強構造1の長さ方向に沿う第1領域A1の長さと第2領域A2の長さは、略同じである。すなわち、融着接続部43は、融着接続部補強構造1の略中央に位置している。
<収容部材>
収容部材60は、融着光ファイバ40の長さ方向に延びるブロック状の部材である。収容部材60には、収容溝61が設けられている。収容溝61は、長さ方向の両端部として、第1端部61aと第2端部61bとを有する。収容溝61には、融着光ファイバ40が収容されている。融着光ファイバ40は、第1端部61a側に第1の光ファイバ41が配置され、第2端部61bに第2の光ファイバ42が配置される。また第1端部61aには、第1の光ファイバ41の被覆44の外周を囲んで樹脂を充填することで第1の支持樹脂部10が形成されている。同様に、第2端部61bには、第2の光ファイバ42の被覆44の外周を囲んで樹脂を充填することで第2の支持樹脂部20が形成されている。さらに、収容溝61には、第1および第2の支持樹脂部10、20の間において、融着光ファイバ40の外周を囲んで樹脂が充填され保護樹脂部30が形成されている。
収容溝61の形状、並びに幅寸法および深さ寸法は、融着光ファイバ40を収容できるものであれば特に限定されるものではない。一方、放熱性の観点からは、融着光ファイバ40の収容溝61への収容作業性を確保できる範囲において、収容溝61の幅を狭くすることが好ましい。一例として、収容溝61の幅寸法を0.8mm、深さ寸法を1mmとすることができる。なお、本実施形態において、収容溝61の断面形状は矩形状であるが、例えば断面U字形状やV字形状であってもよい。
収容溝61の長さ方向の両側には、第1および第2の支持樹脂部10、20が位置している。第1および第2の支持樹脂部10、20は、収容溝61の内壁および底部に接着固定されている。また、第1および第2の支持樹脂部10、20は、融着光ファイバ40の両端に位置する被覆44の外周を取り囲み、収容溝61の内壁および底部に接着固定されている。これにより、第1および第2の支持樹脂部10、20は、収容溝61内に設けられた融着接続部43の両側において融着光ファイバ40を支持する。
収容部材60の熱膨張係数は、第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数より高い。したがって、融着接続部補強構造1の温度が上昇した場合、収容部材60の熱膨張は、融着光ファイバ40の熱膨張より大きくなる。また、融着接続部補強構造1の温度が低下した場合、収容部材60の収縮量は、融着光ファイバ40の収縮量より大きくなる。
一般的に、熱膨張係数の高い材料は熱伝導率も高く、これにより高い放熱作用を有する。収容部材60の熱膨張係数を第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数より高くすることにより、収容部材60の放熱効果を高め、漏れ光に起因する熱を収容部材60から外部に逃がすことができる。
収容部材60としては、例えば窒化アルミニウムなどのセラミックを採用することが好ましい。上述したように、収容部材60の熱膨張係数は、第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数より高いことが好ましい。しかしながら、収容部材60の熱膨張係数が大きすぎる場合には、温度が高まった際の融着光ファイバ40の伸び量に対して収容部材60の伸び量が過大となる。これにより、融着光ファイバ40の張力が大きくなりすぎる虞がある。このため、収容部材60を構成する材料として熱膨張係数が、第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数に近いセラミックが好適に採用される。
<冷却部材>
冷却部材50は、収容部材60を冷却するヒートシンクとして機能する。冷却部材50は、アルミニウム合金等の金属材料からなるブロック状の部材である。冷却部材50は、収容部材60の長さ方向に沿って延びている。冷却部材50は、収容部材60を収容する凹溝部51を有している。収容部材60は、凹溝部51の内壁および底部に接着剤により固定されている。接着剤としては、例えば熱電伝導性の高いものを用いることが好ましい。
<第1および第2の支持樹脂部>
第1の支持樹脂部10は、光の入力側に位置する第1の光ファイバ41を支持する。また、第2の支持樹脂部20は、光の出力側に位置する第2の光ファイバ42を支持する。
第1および第2の支持樹脂部10、20は、常温環境下(例えば20℃〜25℃)において融着光ファイバ40に張力を付与した状態で支持している。すなわち、融着光ファイバ40は、仕様環境温度範囲内において融着光ファイバ40が弛まないように予め計算された張力が印加されている。これにより、融着接続部補強構造1が低温環境で保管されて融着光ファイバ40に対し収容部材60が大きく収縮した場合であっても、融着光ファイバ40に弛みが生じることを抑制できる。これにより、低温環境下において融着光ファイバ40が伝搬する光のビーム品質を維持することができる。
第1および第2の支持樹脂部10、20のヤング率は、0.5MPa以上40MPa以下とすることが好ましい。第1および第2の支持樹脂部10、20のヤング率を0.5MPa以上とすることで、収容部材60と融着光ファイバ40との熱膨張率の差に起因する伸び量又は収縮量の差を吸収する程度に弾性変形することができる。第1および第2の支持樹脂部10、20のヤング率を40MPa以下とすることで、第1および第2の支持樹脂部10、20は、融着接続部43からの漏れ光に起因して温度が高まった場合に、融着光ファイバ40と収容部材60との熱膨張係数の差に起因する伸び量の差に追随して弾性変形することができる。
また、第1の支持樹脂部10のヤング率は、第2の支持樹脂部20のヤング率より高いことが好ましい。融着接続部43からの漏れ光は、融着接続部43を起点として出力側に向かって射出されやすい。漏れ光は、融着接続部補強構造1の第2領域A2を優先的に加熱し、第2領域A2において、融着光ファイバ40と収容部材60との伸び量の差が大きくなる。第1の支持樹脂部10よりもヤング率が低い第2の支持樹脂部20を第2領域A2の端部に配置することで、第2の支持樹脂部20において第2領域A2で生じた膨張量の差を吸収し、融着接続部43に膨張差の影響が及びにくくなる。これにより、融着接続部43への負荷を軽減でき、融着接続部43の破断を防止できる。
第1および第2の支持樹脂部10、20は、未硬化の樹脂材料を収容溝61の両端にそれぞれ供給した後に硬化させることで形成される。第1および第2の支持樹脂部10、20を形成した後に、保護樹脂部30を構成する未硬化の樹脂材料が第1および第2の支持樹脂部10、20の間で収容溝61に供給される。このとき第1および第2の支持樹脂部10、20は、未硬化の保護樹脂部30が収容溝61の流出することを防ぐダムとして機能する。
第1および第2の支持樹脂部10、20を構成する未硬化の樹脂材料の粘度は、例えば20Pa・s以上100Pa・s以下とすることが好ましい。未硬化の樹脂材料の粘度を20Pa・s以上とすることで、未硬化の樹脂材料は十分に流動しにくく、収容溝61の内部に留まる。すなわち、未硬化の樹脂材料が収容溝61の両端から流出することがない。また、未硬化の樹脂材料の粘度を100Pa・s以下とすることで、融着光ファイバ40の周囲に回り込むための十分な流動性を確保できる。
第1および第2の支持樹脂部10、20は、アクリレート系の樹脂、シリコーン系の樹脂又はエポキシ系の樹脂などから構成される。
<保護樹脂部>
保護樹脂部30は、第1の支持樹脂部10、第2の支持樹脂部20および収容溝61に囲まれた領域に樹脂を充填することで形成されている。保護樹脂部30は、収容溝61の内部において融着光ファイバ40の周囲を囲む。保護樹脂部30は、融着光ファイバ40を保護する。また、融着光ファイバ40と収容溝61との間に位置して融着光ファイバ40を収容溝61内で支持する。
保護樹脂部30は、光透過性を有することが好ましい。これにより、融着接続部43からの漏れ光は、保護樹脂部30を透過して収容部材60の収容溝61の内壁に照射される。照射された光は、収容部材60の内壁で熱に変換される。融着接続部43からの漏れ光が幅広い範囲に照射され、漏れ光に起因する熱を、収容部材60を介し効率的に放熱できる。
保護樹脂部30のヤング率は、第1の支持樹脂部10および第2の支持樹脂部20のヤング率より低い。これにより保護樹脂部30は、柔軟性が高くなり融着光ファイバ40および収容部材60の変形に追従しやすくなる。このため、融着光ファイバ40および収容部材60の熱膨張の差は、主に第1および第2の支持樹脂部10、20のうち何れか一方又は両方の弾性変形で吸収され、保護樹脂部30は、これに追随する構成とすることができる。第1および第2の支持樹脂部10、20は、弾性変形することにより、温度変化に起因して融着光ファイバ40が熱膨張又は熱収縮した場合であっても、融着接続部43への負荷を軽減することができる。また、保護樹脂部30は、第1および第2の支持樹脂部10、20の弾性変形に追随する構成とすることができ、融着接続部43への負荷を軽減しつつ保護できる。なお、本実施形態において、第1の支持樹脂部10と第2の支持樹脂部20とは、互いに異なるヤング率を有する。しかしながら、第1および第2の支持樹脂部10、20のヤング率が同じであっても、この効果を奏することができる。
<作用効果>
図3は、温度が上昇した場合の融着接続部補強構造1の挙動を示す平面図である。また、図4は、寒冷地における保管などの低温環境下における融着接続部補強構造1の挙動を示す平面図である。なお、図3および図4において、各部の膨張および収縮は、実際より強調して図示されている。
図3に示すように、融着接続部補強構造1の温度上昇に伴い、収容部材60および融着光ファイバ40は、それぞれの熱膨張係数に応じて長さ方向に伸長する。収容部材60の熱膨張係数は、第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数より高いため、融着光ファイバ40の伸び量に対し、収容部材60の伸び量が大きくなる。このとき、融着光ファイバ40には、第1および第2の支持樹脂部10、20を介し引張方向の張力が付与される。本実施形態の融着接続部補強構造1によれば、温度が上昇した場合であっても融着光ファイバ40が弛むことを抑制でき、融着光ファイバ40を通過する光のビーム品質を確保できる。加えて、融着接続部43における座屈の発生を抑制して、融着光ファイバ40の破断を防止できる。また、融着光ファイバ40への引っ張り応力は、第1および第2の支持樹脂部10、20の弾性変形により緩和されて、融着接続部43への応力負荷を軽減できる。したがって、融着光ファイバ40の引っ張り方向の破断を抑制できる。
なお、融着接続部補強構造1は、例えば、融着接続部43からの漏れ光により温度が上昇する。より厳密には、保護樹脂部30が光透過性を有し、保護樹脂部30よりも収容部材60の光の吸収率が高い場合に、保護樹脂部30を透過した漏れ光が収容部材60で吸収されて収容部材60で発熱が生じる。これにより収容部材60の温度が、融着光ファイバ40の温度より高くなり、収容部材60の伸び量が、融着光ファイバ40の伸び量より大きくなる。
また、融着接続部43からの漏れ光の融着光ファイバの光軸に対する漏えい角度が小さい場合には、保護樹脂部30又は融着光ファイバ40の被覆44で漏れ光が主に吸収される。このような場合には、収容部材60の温度が、第1および第2の光ファイバ41、42の温度より低くても、収容部材60と第1および第2の光ファイバ41、42との熱膨張係数の差が極端に大きいと収容部材60の伸び量が融着光ファイバ40の伸び量より大きくなる。
図4に示すように、低温環境下における融着接続部補強構造1において、収容部材60および融着光ファイバ40は、それぞれの熱膨張係数に応じて長さ方向に収縮する。収容部材60の熱膨張係数は、第1および第2の光ファイバ41、42の熱膨張係数より高いため、低温環境下における収容部材60の収縮量は、融着光ファイバ40の収縮量より大きくなる。このとき、融着光ファイバ40には、第1および第2の支持樹脂部10、20を介し収縮方向に応力が加わる。しかしながら、融着光ファイバ40には予め引張応力が付与されているため、融着光ファイバ40に弛みが生じることを抑制できる。また、図4に示すように第1および第2の支持樹脂部10、20は、弾性変形により融着光ファイバ40に収縮方向の応力を緩和して、融着接続部43に弛みが生じることを抑制する。これにより、融着光ファイバ40の弛みに起因する破断を抑制できる。
また、本実施形態の融着接続部補強構造1によれば、光の入力側に高ヤング率の第1の支持樹脂部10が配置され、光の出力側に低ヤング率の第2の支持樹脂部20が配置される。融着接続部43の漏れ光は、融着接続部43から出力側に向かって照射される光が支配的であるため、第2領域A2が高温となりやすい。融着光ファイバ40と収容部材60との熱膨張の差が大きい第2領域A2側に低ヤング率の第2の支持樹脂部20が位置する。これにより、第2の支持樹脂部20において、第2の支持樹脂部20が弾性変形することで融着光ファイバ40と収容部材60の熱膨張差を吸収して、融着接続部43に変位が及びにくく融着接続部43への負荷を軽減できる。これにより、融着光ファイバ40内を導波する光のビーム品質を確保するとともに、弛みに起因する座屈による破断を抑制できる。
<製造方法>
次に、第1実施形態の融着接続部補強構造1の製造方法について、図5〜図9を基に説明する。なお、図5〜図9において、収容部材60を模式的な断面図として示す。
まず、製造工程のうち予備工程を行う。収容部材60を治具(図示略)に装着して、収容部材60が移動しないように固定する。また、予め第1および第2の光ファイバ41、42の先端近傍の被覆44を除去して融着接続した融着光ファイバ40を用意する。
さらに、図5に示すように、融着光ファイバ40の第1の光ファイバ41を第1のファイバ保持具71により保持し、第2の光ファイバ42を第2のファイバ保持具72により保持する。第2のファイバ保持部には、第2の光ファイバ42側に張力を付与する張力保持手段73が設けられている。張力保持手段73としては、例えば、第2のファイバ保持具72に取り付けられたワイヤを、滑車に巻き掛けて先端に錘を吊下げる方法が採用される。
次に、融着光ファイバ40を収容溝61に配置するとともに、第1の支持樹脂部10および第2の支持樹脂部20を形成する支持樹脂部形成工程を行う。
支持樹脂部形成工程は、第1供給工程と、融着光ファイバ40を収容溝61に収容する工程と、第2供給工程と、硬化工程と、を含む。以下に順を追って説明する。
まず、第1供給工程を行う。図6に示すように、収容部材60の収容溝61の第1端部61aに第1の支持樹脂部10を構成する未硬化の樹脂材料である第1の樹脂材料10Aを供給する。同様に、収容溝61の第2端部61bに第2の支持樹脂部20を構成する未硬化の樹脂材料である第2の樹脂材料20Aを供給する。第1供給工程において、第1の樹脂材料10Aおよび第2の樹脂材料20Aは、収容溝61の深さに対し略半分の高さまで供給される。
次に、図7に示すように、未硬化の第1の樹脂材料10Aおよび第2の樹脂材料20Aの上方から融着光ファイバ40を配置する。これにより、収容溝61の内部において、融着光ファイバ40の下側に確実に第1の樹脂材料10Aおよび第2の樹脂材料20Aを充填させることができる。
次に、第2供給工程を行う。図8に示すように、収容溝61の第1端部61aおよび第2端部61bにおいて融着光ファイバ40の上方から未硬化の第1の樹脂材料10Aおよび第2の樹脂材料20Aを供給する。これにより、第1端部61aおよび第2端部61bにおいて、融着光ファイバ40の外周を第1の樹脂材料10Aおよび第2の樹脂材料20Aにより確実に囲むことができる。
次に、第1および第2の樹脂材料10A、20Aを硬化させる硬化工程を行う。硬化工程においては、第1の樹脂材料10Aを硬化させて第1の支持樹脂部10を形成した後に、第2の樹脂材料20Aを硬化させて第2の支持樹脂部20を形成する。融着光ファイバ40は、第1の光ファイバ41が保持され、第2の光ファイバ42に張力が付与されている。したがって、第1の支持樹脂部10を硬化して第1の光ファイバ41を収容溝61固定した後に第2の支持樹脂部20を硬化して第2の光ファイバ42を収容溝61に固定することで、第1の支持樹脂部10と第2の支持樹脂部20との間で、融着光ファイバ40に確実に張力を付与できる。
第1の樹脂材料10Aを第2の樹脂材料20Aより先に硬化させるために、第1の樹脂材料10Aと第2の樹脂材料20Aとは、硬化方式が異なる樹脂材料とすることが好ましい。第1の樹脂材料10Aとしては、例えばUV硬化型(紫外線硬化型)等の硬化速度が速い樹脂材料を用いることが好ましい。また、第2の樹脂材料20Aとしては、例えば熱硬化式、湿気硬化型などの樹脂材料を用いることができる。
なお、第1の樹脂材料10Aと第2の樹脂材料20Aの硬化方式が互いに同じであってもよい。一例として、第1および第2の樹脂材料10A、20AがともにUV硬化型の樹脂材料である場合には、仕切り壁等を用いて第1の樹脂材料10Aの硬化のための紫外線が第2の樹脂材料20Aに照射されないようにすればよい。また、第1の樹脂材料10Aを供給、硬化して第1の支持樹脂部10を形成した後に、第2の樹脂材料20Aを供給してもよい。
以上の工程を経て、支持樹脂部形成工程が完了する。
次に、図9に示すように、第1の支持樹脂部10と第2の支持樹脂部20との間で収容溝61に、保護樹脂部30を構成する未硬化の樹脂材料30Aを供給し硬化させる(保護樹脂部形成工程)。
次に、収容部材60を予め接着剤を塗布した冷却部材50の凹溝部51に収容する(図1参照)。これにより、収容部材60が冷却部材50に固定される。
以上の工程を経て、本実施形態の融着接続部補強構造1を製造することができる。
上記において説明した第1実施形態の融着接続部補強構造1の製造方法は、以下の構成を有する。
融着接続部補強構造の製造方法は、一対の光ファイバを融着接続した融着接続部を含む融着光ファイバを、収容部材の収容溝に配置するとともに、前記収容溝の両端部で未硬化の樹脂材料を供給および硬化させて、前記融着接続部の両側において前記融着光ファイバを支持する第1の支持樹脂部と第2の支持樹脂部とを形成する支持樹脂部形成工程と、前記第1の支持樹脂部と前記第2の支持樹脂部との間で前記収容溝に未硬化の樹脂材料を供給し硬化させて、前記融着光ファイバの周囲を囲む保護樹脂部を形成する保護樹脂部形成工程と、を有し、前記保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度が、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度より低い。
また、上記の融着接続部補強構造の製造方法は、前記支持樹脂部形成工程が、前記収容溝に未硬化の前記樹脂材料を供給する第1供給工程と、未硬化の前記樹脂材料の上方に前記融着光ファイバを配置する工程と、前記融着光ファイバの上方からさらに未硬化の前記樹脂材料を供給する第2供給工程と、未硬化の前記樹脂材料を硬化させる硬化工程と、を含む構成としてもよい。
本実施形態の融着接続部補強構造1の製造方法によれば、第1および第2の支持樹脂部10、20を形成した後に、保護樹脂部30を構成する未硬化の樹脂材料30Aを収容溝61に供給する。これにより、第1および第2の支持樹脂部10、20は、樹脂材料30Aが収容溝61の両端部61a、61bから流出することを防ぐダムとして機能する。したがって、未硬化の樹脂材料30Aの粘度を低くして、融着光ファイバ40の周囲に確実に保護樹脂部30を回り込ませることができる。
また、本実施形態の融着接続部補強構造1の製造方法によれば、融着光ファイバ40は、第1および第2の支持樹脂部10、20により張力を付与した状態で収容溝61に収容されている。これにより、融着接続部補強構造1が低温環境で保管されて融着光ファイバ40に対し収容部材60が大きく収縮した場合であっても、融着光ファイバ40に弛みが生じることを抑制できる。したがって、融着光ファイバ40が、低温環境下において座屈することを抑制し、破断を防止できる。
また、本実施形態の融着接続部補強構造1の製造方法によれば、支持樹脂部形成工程において収容溝61に融着光ファイバ40を配置する前後に、2回に分けて未硬化の樹脂材料10A、20Aを供給する。未硬化の樹脂材料10A、20Aは、保護樹脂部30の樹脂材料30Aより粘度が高い。このため、融着光ファイバ40の周囲に樹脂材料が確実に回り込まない虞がある。第1および第2の支持樹脂部10、20に空隙が生じると、ダムとしての機能が損なわれる。融着光ファイバ40を収容溝61に配置する前に、予め、未硬化の樹脂材料10A、20Aを収容溝61に供給しておくことで、融着光ファイバ40の下側に確実に樹脂材料10A、20Aを回り込ませることができる。これにより、第1および第2の支持樹脂部10、20に空隙が生じることを抑制できる。
<<第2実施形態>>
第2実施形態の融着接続部補強構造101について図10を基に説明する。
図10は、融着接続部補強構造101の平面図である。
本実施形態の融着接続部補強構造101は、第1実施形態と比較して、融着接続部43が収容溝61の長さ方向の中心に対し第1の支持樹脂部110側に配置されている点が主に異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
融着接続部補強構造101は、融着光ファイバ40と、冷却部材50と、収容部材60と、第1の支持樹脂部110と、第2の支持樹脂部120と、保護樹脂部30と、を備えている。
融着接続部補強構造101において、融着接続部43を基準として第1の光ファイバ41側に位置する領域を第1領域B1とし第2の光ファイバ42側に位置する領域を第2領域B2とする。融着接続部43は、収容溝61の長さ方向の中心に対し第1端部61a側に配置されている。したがって、融着接続部補強構造101の長さ方向に沿う第1領域B1の長さは、第2領域B2の長さに対して短い。
第1および第2の支持樹脂部110、120は、収容溝61の長さ方向の両側に位置し、収容溝61の内壁および底部に接着固定されている。また、第1および第2の支持樹脂部110、120は、融着光ファイバ40の両端に位置する被覆44の外周にそれぞれ接着固定されており、収容凹部内部に融着光ファイバ40を保持させる。これにより、第1および第2の支持樹脂部110、120は、収容溝61内に設けられ融着接続部43の両側において融着光ファイバ40を支持する。
保護樹脂部30のヤング率は、第1の支持樹脂部110および第2の支持樹脂部120のヤング率より低い。このため、温度上昇に伴い収容部材60が融着光ファイバ40より大きく熱膨張した場合に、融着光ファイバ40と収容部材60との伸び量の差は、第1および第2の支持樹脂部110、120のうち何れか一方又は両方が弾性変形すること吸収される。
第1の支持樹脂部110のヤング率は、第2の支持樹脂部120のヤング率より高い。融着接続部43の漏れ光に起因して融着接続部補強構造101が加熱された場合、収容部材60は、融着光ファイバ40に対し大きく伸長する。このとき、第1および第2の支持樹脂部110、120が弾性変形することで熱膨張差を吸収する。融着接続部43は、第1の支持樹脂部110の近くに配置されている。したがって、第1の支持樹脂部110の変形量を小さくすることで、第1の支持樹脂部110側から、融着接続部43までの距離に依存する保護樹脂部30と融着接続部43の熱膨張の差を少なくすることができる。これにより、融着接続部43に加わる負荷を軽減できる。
本実施形態の融着接続部補強構造101によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の融着接続部補強構造101は、融着接続部43が高ヤング率の第1の支持樹脂部110に近く、低ヤング率の第2の支持樹脂部120から離れて配置されている。第1の支持樹脂部110は、弾性変形量が少ないため、第1の支持樹脂部110を起点とする融着接続部43および融着接続部43を囲む保護樹脂部30の伸び量が小さくなる。結果として、融着接続部43とその周囲の保護樹脂部30との伸び量の差を抑制して、保護樹脂部30から融着接続部43に加わる負荷を小さくすることができる。これにより、融着光ファイバ40内を導波する光のビーム品質を確保するとともに、弛みに起因する座屈による破断を抑制できる。
なお、本実施形態の融着接続部補強構造101は、第1実施形態と同様に光の入力側に第1の支持樹脂部110が設けられることが好ましい。これにより、漏れ光により加熱される第2領域B2における熱膨張に起因する第2領域B2の膨張差をヤング率の低い第1および第2の支持樹脂部110、120で効率的に吸収できる。
さらに、第2領域B2を長くすることで、漏れ光により加熱される領域を広く確保して、放熱効率を高めることができる。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態において、融着接続部補強構造1、101は、収容部材60を囲む冷却部材50を有している。しかしながら冷却部材50は、省略することができる。
本発明は、例えば材料加工等に用いるファイバレーザ装置に利用が可能である。
1、101…融着接続部補強構造、10、110…第1の支持樹脂部、10A、20A、30A…(未硬化の)樹脂材料、20、120…第2の支持樹脂部、30…保護樹脂部、40…融着光ファイバ、41、42…光ファイバ、43…融着接続部、50…冷却部材、60…収容部材、61…収容溝、A1…第1領域、A2…第2領域、B1…第1領域、B2…第2領域

Claims (5)

  1. 一対の光ファイバを融着接続した融着接続部を含む融着光ファイバと、
    前記融着光ファイバを収容する収容溝が設けられた収容部材と、
    前記収容溝内に位置し、前記融着接続部の両側において前記融着光ファイバを支持する第1の支持樹脂部と第2の支持樹脂部と、
    前記第1の支持樹脂部と前記第2の支持樹脂部との間で前記収容溝に樹脂材料が充填されて形成された保護樹脂部と、を備え、
    前記収容部材の熱膨張係数が前記光ファイバの熱膨張係数より高く、
    前記保護樹脂部のヤング率が、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部のヤング率より低い、融着接続部補強構造。
  2. 前記融着光ファイバの光の入力側に前記第1の支持樹脂部が配置され、光の出力側に前記第2の支持樹脂部が配置され、
    前記第1の支持樹脂部のヤング率が、前記第2の支持樹脂部のヤング率より高い、請求項1に記載の融着接続部補強構造。
  3. 前記収容溝の長さ方向の中心に対して前記融着接続部が前記第1の支持樹脂部側に配置され、
    前記第1の支持樹脂部のヤング率が、前記第2の支持樹脂部のヤング率より高い、請求項1又は2に記載の融着接続部補強構造。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の融着接続部補強構造の製造方法であり、
    前記融着光ファイバを前記収容溝に配置するとともに、未硬化の樹脂材料を供給および硬化させて、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部を形成する支持樹脂部形成工程と、
    前記第1の支持樹脂部と前記第2の支持樹脂部との間で前記収容溝に未硬化の樹脂材料を供給し硬化させて、前記保護樹脂部を形成する保護樹脂部形成工程と、を有し、
    前記保護樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度が、前記第1の支持樹脂部および前記第2の支持樹脂部を構成する未硬化の樹脂材料の粘度より低い、融着接続部補強構造の製造方法。
  5. 前記支持樹脂部形成工程が、
    前記収容溝に未硬化の前記樹脂材料を供給する第1供給工程と、
    未硬化の前記樹脂材料の上方に前記融着光ファイバを配置する工程と、
    前記融着光ファイバの上方からさらに未硬化の前記樹脂材料を供給する第2供給工程と、
    未硬化の前記樹脂材料を硬化させる硬化工程と、を含む、請求項4に記載の融着接続部補強構造の製造方法。
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