JP2008309214A - 油圧緩衝器の減衰力発生構造 - Google Patents
油圧緩衝器の減衰力発生構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008309214A JP2008309214A JP2007156234A JP2007156234A JP2008309214A JP 2008309214 A JP2008309214 A JP 2008309214A JP 2007156234 A JP2007156234 A JP 2007156234A JP 2007156234 A JP2007156234 A JP 2007156234A JP 2008309214 A JP2008309214 A JP 2008309214A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- leaf valve
- valve
- damping force
- oil chamber
- port
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Abstract
【課題】ピストン速度が低速域における減衰力を発生するチョーク通路が簡便に構成される油圧緩衝器の減衰力発生構造を提供すること。
【解決手段】作動油が封入されたシリンダ内を画成するバルブディスク2と、バルブディスク2にて画成された油室3,4間を連通するポート6aと、ポート6aを閉塞して配置され、油室3,4間の圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁する積層リーフバルブ13とを備え、積層リーフバルブ13は、ポート6aに連通する貫通孔21と、貫通孔21と連通すると共に下流側の油室4に連通する切り欠き溝22とを有する第1リーフバルブ20を備え、第1リーフバルブ20の切り欠き溝22が第2リーフバルブ25によって覆われることによって、ポート6aから流出する作動油を下流側の油室4に導くチョーク通路26が構成される。
【選択図】図1
【解決手段】作動油が封入されたシリンダ内を画成するバルブディスク2と、バルブディスク2にて画成された油室3,4間を連通するポート6aと、ポート6aを閉塞して配置され、油室3,4間の圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁する積層リーフバルブ13とを備え、積層リーフバルブ13は、ポート6aに連通する貫通孔21と、貫通孔21と連通すると共に下流側の油室4に連通する切り欠き溝22とを有する第1リーフバルブ20を備え、第1リーフバルブ20の切り欠き溝22が第2リーフバルブ25によって覆われることによって、ポート6aから流出する作動油を下流側の油室4に導くチョーク通路26が構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、油圧緩衝器の減衰力発生構造に関するものである。
自動車等の車両に搭載される油圧緩衝器として、ピストン速度が低速域の場合には、チョーク通路にて減衰力を発生させることによって、油圧緩衝器の伸縮速度が低速域における減衰力特性を改善するものが知られている。
特許文献1に記載の油圧緩衝器は、スプリングシート上に支持された下側リーフバルブと、放射状の切り欠き溝を備えたリーフ状スペーサと、切り欠き溝に連通するオリフィスを備えた窓側リーフバルブとを備え、チョーク通路は、これら3枚のリーフバルブを積層させることによって構成される(特許文献1、図1参照)。
特開平11−294515号公報
特許文献1における油圧緩衝器は、チョーク通路を構成するために3枚のリーフバルブを必要とするため、部品点数が多いという問題点がある。
また、リーフ状スペーサと窓側リーフバルブとの重なり具合によっては、リーフ状スペーサの連結部が窓側リーフバルブのオリフィスを塞いでしまうため、流路面積が変化してしまう。したがって、所望の減衰力特性に設定するには、リーフ状スペーサと窓側リーフバルブとの組み付けを行うに際して大変な労力を必要とする。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ピストン速度が低速域における減衰力を発生するチョーク通路が簡便に構成される油圧緩衝器の減衰力発生構造を提供することを目的とする。
本発明は、作動油が封入されたシリンダ内を画成するバルブディスクと、前記バルブディスクに形成され、前記バルブディスクにて画成された油室間を連通するポートと、前記ポートを閉塞して配置され、上流側の油室と下流側の油室との圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁する積層リーフバルブと、を備える油圧緩衝器の減衰力発生構造であって、前記積層リーフバルブは、前記ポートに連通する貫通孔と、下流側の表面に形成され前記貫通孔と連通すると共に前記下流側の油室に連通する切り欠き溝と、を有する第1リーフバルブと、前記第1リーフバルブに積層して配置される第2リーフバルブとを備え、前記第1リーフバルブの前記切り欠き溝が前記第2リーフバルブによって覆われることによって、前記ポートから流出する作動油を前記下流側の油室に導くチョーク通路が構成されることを特徴とする。
本発明によれば、第1リーフバルブと第2リーフバルブの2枚のリーフバルブによって、ピストン速度が低速域における減衰力を発生するチョーク通路が構成され、少ない部品点数でチョーク通路を構成することができる。また、貫通孔とチョーク通路を構成する切り欠き溝とは、共に第1リーフバルブに形成されるため、リーフバルブの組み付けによって流路面積が変化することがない。このように、本発明に係る油圧緩衝器の減衰力発生構造は、チョーク通路が簡便に構成される。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態である減衰力発生構造について説明する。本発明の第1の実施の形態である減衰力発生構造は、図1に示す油圧緩衝器100に適用される。図1(a)は油圧緩衝器100の断面図であり、図1(b)は図1(a)における領域Bの部分拡大図であり、図2は積層リーフバルブを構成する各リーフバルブの平面図である。
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態である減衰力発生構造について説明する。本発明の第1の実施の形態である減衰力発生構造は、図1に示す油圧緩衝器100に適用される。図1(a)は油圧緩衝器100の断面図であり、図1(b)は図1(a)における領域Bの部分拡大図であり、図2は積層リーフバルブを構成する各リーフバルブの平面図である。
油圧緩衝器100は、自動車等の車両における車体と車軸との間に介装され、車体姿勢の変化を抑制する機能を有するものである。
油圧緩衝器100は、図1(a)に示すように、作動油が封入された筒状のシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に配置されシリンダ1内を二つの油室3,4に画成するピストン2と、一端にピストン2が固定され他端はシリンダ1の外部に延在するロッド5とを備える。本第1の実施の形態では、ピストン2がバルブディスクに該当する。
シリンダ1内には、ロッド5の侵入、退出によるシリンダ1内の容積変化を補償するガス室(図示せず)が設けられる。
ピストン2は、ロッド5が挿通する円筒形状のコア部2aと、外周に装着されたバンド8を介してシリンダ1の内周と摺動する環状のリング部2bとを有する。リング部2bは、軸方向の寸法がコア部2aと比較して大きく形成される。これにより、ピストン2には、リング部2bにて囲まれた収容部2cが形成される。
ピストン2には、ロッド側の油室3に常時連通する複数の内周ポート6aと、反ロッド側の油室4に常時連通する複数の外周ポート6bが形成される。シリンダ1内の作動油は、内周ポート6a及び外周ポート6bを介して油室3と油室4との間を行き来する。具体的には、内周ポート6aは、油圧緩衝器100の伸長動作時に油室3の作動油を油室4へと導く流路であり、外周ポート6bは、油圧緩衝器100の圧縮動作時に油室4の作動油を油室3へと導く流路である。
ピストン2における内周ポート6aの出口部には、複数の内周ポート6aから流出した作動油が合流する環状溝2dが形成され、また、外周ポート6bの出口部には、複数の外周ポート6bから流出した作動油が合流する環状溝2eが形成される。
バンド8は樹脂製であり、ピストン2がバンド8を介してシリンダ1内周に沿って摺動することによって、シリンダ1内周の磨耗が抑制され、また、シリンダ1内周とピストン2外周との間の作動油の通過が防止され良好なシール性能が得られる。
ロッド5は、ロッド本体部5aと、先端側に形成されロッド本体部5aと比較して小径のインロー部5bとを有し、インロー部5bには、ピストン2を含む各部材が組み付けられる。
インロー部5bに組み付けられる部材について説明する。
ロッド5におけるロッド本体部5aとインロー部5bとの境界には段部5cが形成され、段部5cには環状のバルブストッパ10が係止される。バルブストッパ10には、作動油が通過する複数の貫通孔10aが形成される。
バルブストッパ10には間座11を介して積層リーフバルブ12の内周側が当接して配置され、積層リーフバルブ12にはピストン2が当接して配置される。このように、積層リーフバルブ12は、バルブストッパ10とピストン2との間で、その内周側を支持され、外周ポート6bの出口部である環状溝2eを閉塞して配置される。
ピストン2の収容部2cには積層リーフバルブ13がコア部2aに当接して収容され、積層リーフバルブ13の内周側には、間座14を介してインロー部5b先端の雄ねじ部5dに螺合するナット15が当接して配置される。このように、積層リーフバルブ13は、ピストン2とナット15との間で、その内周側を支持され、内周ポート6aの出口部である環状溝2dを閉塞して配置される。
以上のように、インロー部5bには、バルブストッパ10、間座11、積層リーフバルブ12、ピストン2、積層リーフバルブ13、間座14、及びナット15が順次に嵌挿され、これらの各部材は、ナット15を締め付けることによってインロー部5bに固定される。なお、ロッド5の先端は、ナット15の外れ止めのため、符号17に示すような形状にかしめられる。
積層リーフバルブ12,13は、複数の環状のリーフバルブが積層して構成され、上流側の油室と下流側の油室との圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁するものである。
具体的には、積層リーフバルブ12は、内周側が支持されると共に、外周側である自由端側がピストン2のシート部2f,2hに着座し外周ポート6bを閉塞して配置される。したがって、油圧緩衝器100が圧縮動作し、油室4の圧力が上昇し油室3と油室4との圧力差が所定値を超えた場合には外周側が撓み開弁する。これにより、積層リーフバルブ12とシート部2f,2hとの間には隙間が発生し、その隙間を作動油が通過する際に生じる流れ抵抗によって減衰力が発生する。このように、積層リーフバルブ12は、圧縮行程用の減衰バルブである。
同様に、積層リーフバルブ13も、内周側が支持されると共に、外周側である自由端側がピストン2のシート部2gに着座し内周ポート6aを閉塞して配置される。したがって、油圧緩衝器100が伸長動作し、油室3の圧力が上昇し油室3と油室4との圧力差が所定値を超えた場合には外周側が撓み開弁する。このように、積層リーフバルブ13は、伸長行程用の減衰バルブである。なお、積層リーフバルブ12には、内周ポート6aに作動油を導くための貫通路12aが形成され、また、内周ポート6aの入口部には、貫通路12aと内周ポート6aとを連通するための環状溝2iが形成され、内周ポート6aは環状溝2i及び貫通路12aを介して油室3と常時連通している。
積層リーフバルブ12及び13が撓んで開弁し減衰力を発生するのは、ピストン速度が主に中高速域の場合である。以下では、主に図1(b)及び図2を参照して、積層リーフバルブ12及び13が撓む前のピストン速度が低速域における減衰力を発生する減衰力発生構造について説明する。なお、以下では、伸長行程用の積層リーフバルブ13を例にとって説明する。
図1(b)に示すように、積層リーフバルブ13は、環状のリーフバルブが複数個重畳されて構成される。複数のリーフバルブのうち、ピストン2のシート部2gに着座して配置される第1リーフバルブ20には、環状溝2dを介して内周ポート6aに連通する貫通孔21と、貫通孔21と連通すると共に外周面に開口部22aを有する切り欠き溝22とが形成される。
図2(a)は、第1リーフバルブ20における下流側の表面を示した平面図である(油室4側から見た図)。図2(a)に示すように、貫通孔21は、円形状に軸方向に貫通して形成される貫通路である。また、貫通孔21は同一円周状に複数(本実施の形態では4個)形成される。
切り欠き溝22は、第1リーフバルブ20における下流側の表面に溝状に形成され、貫通孔21に対応する位置から第1リーフバルブ20の外周まで径方向に直線状に形成される。
図2(b)は、第1リーフバルブ20に積層して配置される第2リーフバルブ25を示す平面図である。第2リーフバルブ25は、両表面が共に平滑状に形成され、図1(b)に示すように、第1リーフバルブ20の切り欠き溝22を覆うようにして、第1リーフバルブ20における下流側の表面に積層される。
第1リーフバルブ20と第2リーフバルブ25をこのように積層することによって、第1リーフバルブ20の切り欠き溝22と第2リーフバルブ25の表面とによって、積層リーフバルブ13には、外周面に出口開口部22aを有する複数のチョーク通路26(本実施の形態では4個)が放射状に形成される。
このように、チョーク通路26は、貫通孔21に連通すると共に、開口部22aを通じて油室4に連通する。したがって、内周ポート6aは、貫通孔21及びチョーク通路26を介して油室4と常時連通することになり、内周ポート6aから流出する作動油はチョーク通路26によって油室4に導かれる。つまり、油室3と油室4とは常時連通した状態となる。
第1リーフバルブ20と第2リーフバルブ25によって構成されるチョーク通路26の作用について説明する。
油圧緩衝器100の伸長動作時において、ピストン速度が低速域である場合には、積層リーフバルブ13は撓まず、作動油はチョーク通路26を介して油室3から油室4へと導かれる。
具体的には、油圧緩衝器100の伸長動作時には、油室3が圧縮されるため、油室3の作動油は、積層リーフバルブ12の貫通路12a、内周ポート6a、環状溝2d、及び貫通孔21を通じてチョーク通路26に流れ込み、チョーク通路26から油室4へと導かれる。このように、油圧緩衝器100の伸長動作時には、油室3が上流側となり、油室4が下流側となる。
チョーク通路26は、通路長さが断面積に較べて長く形成されるため、作動油が通過する際、作動油の粘性によって流れ抵抗が生じ、それにより減衰力が発生する。このように、ピストン速度が低速域における減衰力をチョーク通路26の流体抵抗によって発生するように構成したため、ピストン速度が低速域における減衰力をピストン速度にほぼ比例してリニアに立ち上げることができる。したがって、油圧緩衝器100の伸縮速度が低速域の場合においても、車両の上下振動を速やかに減衰させることができ、乗り心地を改善することができる。
以下に、本第1の実施の形態の他の態様を示す。
図3に第1リーフバルブ20の他の態様を示す。図3(a)に示すように、第1リーフバルブ20の表面の切り欠き溝22を湾曲して形成してもよい。これにより、積層リーフバルブ13に形成されるチョーク通路26も湾曲して形成されることになる。チョーク通路26を湾曲して形成することによって、作動油がチョーク通路26を通過する際に発生する減衰力を大きくすることができる。このように、チョーク通路26の形状は、第1リーフバルブ20に形成する切り欠き溝22の形状を変更することによって所望の形状に設定することができる。
また、図3(b)に示すように、第1リーフバルブ20の貫通孔21を円弧状に軸方向に貫通して形成してもよい。貫通孔21を円弧状に形成することによって、貫通孔21の流路面積を大きくすることができる。これにより、貫通孔21を通過する際に発生する減衰力は極力小さくなり、チョーク通路26で発生する減衰力に与える影響は小さくなる。
また、上記では、チョーク通路26を伸長行程用の積層リーフバルブ13に適用する場合について示したが、第1リーフバルブ20及び第2リーフバルブ25を圧縮行程用の積層リーフバルブ12に用い、チョーク通路26を積層リーフバルブ12に適用することも当然可能である。
また、積層リーフバルブ12、13における積層するリーフバルブの枚数は、必要とする減衰力によって決められるが、本第1の実施の形態では、第1リーフバルブ20と第2リーフバルブ25の2枚が最低限必要であり、積層リーフバルブ12、13をこの2枚のみで構成することも可能である。
さらに、上記では、本発明の減衰力発生構造を、シリンダ1内を摺動するピストン2を挟持する積層リーフバルブ12、13に対して適用する場合について示した。しかし、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、シリンダ1の底部に固定して配置されるベースバルブ(図示省略)を挟持する積層リーフバルブに対して適用することも可能である。
具体的には、ベースバルブは、シリンダ1内の反ロッド側の油室4をさらに二つの油室に画成し、ベースバルブには、その二つの油室間を連通するポートが形成される。そして、積層リーフバルブをベースバルブのポートを閉塞して配置する。この積層リーフバルブは、二つの油室間の圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁する。本態様においては、ベースバルブがバルブディスクに該当する。
以上の本第1の実施の形態によれば以下に示す効果を奏する。
第1リーフバルブ20と第2リーフバルブ25の2枚のリーフバルブによって、ピストン速度が低速域における減衰力を発生するチョーク通路26が構成される。このように、チョーク通路26を少ない部品点数で構成することができる。
また、貫通孔21とチョーク通路26を構成する切り欠き溝22とは、共に第1リーフバルブ20に形成されるため、リーフバルブの組み付けによって貫通孔21及びチョーク通路26の流路面積が変化することがない。つまり、ピストン2、第1リーフバルブ20、及び第2リーフバルブ25の相対位置をどのように設定しても流路面積が変化することがない。
このように、チョーク通路26は簡便に構成され、積層リーフバルブ12、13の組み付けに必要な労力は大幅に軽減される。
(第2の実施の形態)
図4及び図5を参照して、本発明の第2の実施の形態である減衰力発生構造について説明する。本発明の第2の実施の形態である減衰力発生構造は、図4に示す油圧緩衝器200に適用される。図4(a)は油圧緩衝器100の断面図であり、図4(b)は図4(a)における領域Bの部分拡大図であり、図5は積層リーフバルブを構成する各リーフバルブの平面図である。
図4及び図5を参照して、本発明の第2の実施の形態である減衰力発生構造について説明する。本発明の第2の実施の形態である減衰力発生構造は、図4に示す油圧緩衝器200に適用される。図4(a)は油圧緩衝器100の断面図であり、図4(b)は図4(a)における領域Bの部分拡大図であり、図5は積層リーフバルブを構成する各リーフバルブの平面図である。
本第2の実施の形態の油圧緩衝器200において、上記第1の実施の形態の油圧緩衝器100と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。以下では、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
インロー部5bに組み付けられる部材について説明する。
ロッド5の段部5cには、作動油が通過する通路31aが胴部に形成されたキャップ31が係止され、キャップ31にはインロー部5bに嵌挿された筒状のスペーサ30が介装される。
キャップ31の内側には、スペーサ30の外周に沿って摺動可能な環状のディスク32と、キャップ31とディスク32との間に圧縮して配置されるスプリング(付勢部材)33とが収装される。
ディスク32には、作動油が通過する複数の第1ポート34aが形成される。第1ポート34aは、油圧緩衝器200の伸長動作時に油室3の作動油を油室4へと導く流路である。第1ポート34aの出口部には、複数の第1ポート34aから流出した作動油が合流する環状溝32aが形成される。
ディスク32には、油圧緩衝器200の伸長動作時に撓んで開弁する積層リーフバルブ13が当接して配置され、積層リーフバルブ13の外周側にはピストン2が当接して配置される。そして、インロー部5b先端の雄ねじ部5dには、ナット15が螺合して配置される。このナット15を締め付けることによって、各部材がロッド5のインロー部5bに固定される。
積層リーフバルブ13は、ディスク32とピストン2との間にて外周側が支持されると共に、内周側である自由端側がディスク32のシート部32bに着座し第1ポート34aの出口部である環状溝32aを閉塞して配置される。
したがって、積層リーフバルブ13は、油圧緩衝器200が伸長動作し、油室3の圧力が上昇し油室3と油室4との圧力差が所定値を超えた場合には内周側が撓み開弁する。これにより、積層リーフバルブ13とシート部32bとの間には隙間が発生し、その隙間を作動油が通過する際に生じる流れ抵抗によって減衰力が発生する。
このように、本第2の実施の形態は、積層リーフバルブ13の内周側から作動油を開放するものであり、この点において、積層リーフバルブ13の外周側から作動油を開放するものである上記第1の実施の形態と相違する。
ピストン2には、作動油が通過する複数の第2ポート34bが形成され、積層リーフバルブ13が開弁することによって通過した作動油は、第2ポート34bを介して油室4に導かれる。
なお、油圧緩衝器200が圧縮動作した場合には、油室4の圧力が上昇するため、積層リーフバルブ13は、スプリング33の付勢力に抗してディスク32を押圧する。これにより、ディスク32及び積層リーフバルブ13は、スペーサ30の外周に沿って移動し、積層リーフバルブ13がピストン2の端面から離れ、第2ポート34bとキャップ31の通路31aとが連通する。これにより、油室4の作動油は油室3へと導かれる。
以下では、主に図4(b)及び図5を参照して、積層リーフバルブ13を構成するリーフバルブ、つまり、ピストン速度が低速域における減衰力を発生する減衰力発生構造について説明する。図5(a)は、積層リーフバルブ13を構成する複数のリーフバルブのうち、ディスク32のシート部32bに着座して配置される第1リーフバルブ40における下流側の表面を示した平面図である(ピストン2側から見た図)。また、図5(b)は、第1リーフバルブ40に積層して配置される第2リーフバルブ45を示す平面図である。
第1リーフバルブ40は、環状溝32aを介して第1ポート34aに連通する貫通孔41と、貫通孔41と連通すると共に内周面に開口部42aを有する切り欠き溝42とが形成される。
貫通孔41は、上記第1の実施の形態と同様に、円形状に軸方向に貫通して形成される。
切り欠き溝42は、第1リーフバルブ40における下流側の表面に溝状に形成され、貫通孔41に対応する位置から第1リーフバルブ40の内周まで径方向に直線状に形成される。
第2リーフバルブ45は、両表面が共に平滑状に形成され、第1リーフバルブ40の切り欠き溝42を覆うようにして、第2リーフバルブ45における下流側の表面に積層される。
第1リーフバルブ40と第2リーフバルブ45をこのように積層することによって、第1リーフバルブ40の切り欠き溝42と第2リーフバルブ45の表面とによって、積層リーフバルブ13には、内周面に出口開口部42aを有する複数のチョーク通路26(本実施の形態では4個)が放射状に形成される。
このように、本第2の実施の形態は、積層リーフバルブ13の内周面に開口部42aを有するものであり、この点において、積層リーフバルブ13の外周面に開口部22aを有する上記第1の実施の形態と相違する。
チョーク通路26の開口部42aは、第2ポート34bを介して油室4に連通している。このように、チョーク通路26は、貫通孔41に連通すると共に、開口部42aを通じて油室4に連通する。
したがって、第1ポート34aは、貫通孔41、チョーク通路26、及び第2ポート34bを介して油室4と常時連通することになり、第1ポート34aから流出する作動油はチョーク通路26によって油室4に導かれる。つまり、油室3と油室4とは常時連通した状態となる。
油圧緩衝器100の伸長動作時において、ピストン速度が低速域である場合には、積層リーフバルブ13は撓まず、作動油はチョーク通路26を介して油室3から油室4へと導かれる。
具体的には、油室3の作動油は、キャップ31の通路31a、第1ポート34a、環状溝32a、及び貫通孔41を通じてチョーク通路26に流れ込み、チョーク通路26から第2ポート34bを介して油室4へと導かれる。作動油がチョーク通路26を通過する際、作動油の粘性による流れ抵抗によって減衰力が発生する。
以上のように構成される本第2の実施の形態における油圧緩衝器200においても、上記第1の実施の形態における油圧緩衝器100と同様の作用効果を奏する。
なお、本第2の実施の形態では、ディスク32及びピストン2がバルブディスクに該当する。
以上の本第2の実施の形態は、チョーク通路26を伸長行程用の積層リーフバルブ13に適用する構成について示したが、チョーク通路26を圧縮行程用の積層リーフバルブに適用することも可能である。この場合には、圧縮行程用の積層リーフバルブはシリンダ1の底部に固定して配置されるベースバルブ(バルブディスク)に配置される。
また、上記第1の実施の形態と同様に、第1リーフバルブ40の表面の切り欠き溝42を湾曲して形成してもよく、第1リーフバルブ40の貫通孔41を円弧状に軸方向に貫通して形成してもよい。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明は、車両に搭載される緩衝器に適用することができる。
100,200 油圧緩衝器
1 シリンダ
2 ピストン
2f,2g シート部
3,4 油室
5 ロッド
6a 内周ポート
6b 外周ポート
12,13 積層リーフバルブ
20 第1リーフバルブ
21 貫通孔
22 切り欠き溝
22a 開口部
25 第2リーフバルブ
26 チョーク通路
32 ディスク
32b シート部
34a 第1ポート
34b 第2ポート
40 第1リーフバルブ
41 貫通孔
42 切り欠き溝
42a 開口部
45 第2リーフバルブ
1 シリンダ
2 ピストン
2f,2g シート部
3,4 油室
5 ロッド
6a 内周ポート
6b 外周ポート
12,13 積層リーフバルブ
20 第1リーフバルブ
21 貫通孔
22 切り欠き溝
22a 開口部
25 第2リーフバルブ
26 チョーク通路
32 ディスク
32b シート部
34a 第1ポート
34b 第2ポート
40 第1リーフバルブ
41 貫通孔
42 切り欠き溝
42a 開口部
45 第2リーフバルブ
Claims (4)
- 作動油が封入されたシリンダ内を画成するバルブディスクと、
前記バルブディスクに形成され、前記バルブディスクにて画成された油室間を連通するポートと、
前記ポートを閉塞して配置され、上流側の油室と下流側の油室との圧力差が所定値を超えた場合に撓んで開弁する積層リーフバルブと、を備える油圧緩衝器の減衰力発生構造であって、
前記積層リーフバルブは、
前記ポートに連通する貫通孔と、表面に形成され前記貫通孔と連通すると共に前記下流側の油室に連通する切り欠き溝と、を有する第1リーフバルブと、
前記第1リーフバルブに積層して配置される第2リーフバルブと、を備え、
前記第1リーフバルブの前記切り欠き溝が前記第2リーフバルブによって覆われることによって、前記ポートから流出する作動油を前記下流側の油室に導くチョーク通路が構成されることを特徴とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。 - 前記チョーク通路は、前記積層リーフバルブの外周面又は内周面に形成された開口部を通じて前記下流側の油室に連通することを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
- 前記チョーク通路は、湾曲して形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
- 前記貫通孔は、円弧状に形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007156234A JP2008309214A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007156234A JP2008309214A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008309214A true JP2008309214A (ja) | 2008-12-25 |
Family
ID=40237002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007156234A Pending JP2008309214A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008309214A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013142467A (ja) * | 2012-01-13 | 2013-07-22 | Kyb Co Ltd | 油圧緩衝器 |
WO2014024765A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-13 | カヤバ工業株式会社 | バルブ及び緩衝器 |
JP2020002976A (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-09 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 緩衝器 |
US12031605B2 (en) | 2019-03-26 | 2024-07-09 | Hitachi Astemo, Ltd. | Shock absorber |
-
2007
- 2007-06-13 JP JP2007156234A patent/JP2008309214A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013142467A (ja) * | 2012-01-13 | 2013-07-22 | Kyb Co Ltd | 油圧緩衝器 |
WO2014024765A1 (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-13 | カヤバ工業株式会社 | バルブ及び緩衝器 |
JP2014035050A (ja) * | 2012-08-10 | 2014-02-24 | Kayaba Ind Co Ltd | バルブおよび緩衝器 |
US9297436B2 (en) | 2012-08-10 | 2016-03-29 | Kyb Corporation | Valve and shock absorber |
JP2020002976A (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-09 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 緩衝器 |
JP7038613B2 (ja) | 2018-06-27 | 2022-03-18 | 日立Astemo株式会社 | 緩衝器 |
US12031605B2 (en) | 2019-03-26 | 2024-07-09 | Hitachi Astemo, Ltd. | Shock absorber |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10995813B2 (en) | Shock absorber | |
JP4523485B2 (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP6838220B2 (ja) | 緩衝器 | |
JP2005344911A (ja) | 油圧緩衝器 | |
WO2014024765A1 (ja) | バルブ及び緩衝器 | |
JP2022132595A (ja) | 緩衝器 | |
US8757336B2 (en) | Damping mechanism | |
JP2014194259A (ja) | 緩衝器 | |
JP2008309214A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 | |
JP4944676B2 (ja) | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 | |
JP7038613B2 (ja) | 緩衝器 | |
JP2017180550A (ja) | 緩衝器 | |
JP2009299768A (ja) | バルブ | |
JP6526247B2 (ja) | シリンダ装置 | |
JP2017096453A (ja) | 緩衝器 | |
JP2008309213A (ja) | 油圧緩衝器の減衰力発生構造 | |
JP2009030789A (ja) | 空圧緩衝器のバルブ構造 | |
WO2022024759A1 (ja) | 緩衝器 | |
JP5307739B2 (ja) | 緩衝器のバルブ構造 | |
JP2006183775A (ja) | 油圧緩衝器 | |
JP7055236B2 (ja) | 緩衝器 | |
US20230279920A1 (en) | Shock absorber | |
US20230287954A1 (en) | Shock absorber | |
JP6949123B2 (ja) | 緩衝器 | |
JP6836422B2 (ja) | ショックアブソーバ |