JP2008309169A - ノズルフラッパ弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルフラッパ弁において、フラッパの駆動装置に用いられるコイルの引出線の影響を抑制することである。
【解決手段】ノズルフラッパ弁10は、気密構造の筐体12の中に、リニアモータ60と、リニアモータ60に一体として移動するフラッパ20と、リニアモータ60の移動軸24を両端で支持する第1雲形ばね78、第2雲形ばね80と、フラッパ20に噴き出し開口を向けるノズル22と、気体供給源からの供給圧Psを絞ってノズル22と負荷に供給する気体流路の絞り装置30とが備えられる。導電体である第2雲形ばね80の内周側にはコイル中継端子72が設けられ、外周側には外部中継端子74が設けられる。コイル中継端子72にはコイル66からの信号線70が接続され、外部中継端子74には外部からの信号線76が接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルフラッパ弁に係り、特に駆動機構により軸方向に移動駆動されるフラッパを有するノズルフラッパ弁に関する。
気体圧回路やガス供給回路において管路の圧力制御や流量調整を行うために、フィードバック機構を内蔵した制御弁装置が用いられる。流体制御弁装置に用いられる機構として、ノズルフラッパ機構が知られている。ノズルフラッパ機構とは、モータ等によって変位するフラッパと、フラッパに向かい合って配置され流体を噴出するノズルとを備える機構で、ノズルフラッパ弁とも呼ばれる。
例えば、特許文献1には、ヒステリシス特性を改善するノズルフラッパ弁として、気密構造の筐体の中に、リニアモータと、リニアモータに一体として移動するフラッパと、リニアモータ及びフラッパを支持する雲形ばねと、フラッパに噴き出し開口を向けるノズルと、気体供給源からの供給圧Psを絞ってノズルと負荷に供給する気体流路の絞り装置が備えられる構成を開示している。ここでリニアモータは、筐体に固定される磁石、移動体、移動体に取り付けられるコイルを有しており、固定子の磁気ギャップが可動子の移動する軸方向に配置されるため、可動子であるフラッパの移動によって磁気ギャップが変動することがなく、これによってフラッパの駆動におけるヒステリシスを抑制できる、と述べられている。
また、この構成において、雲形ばねは、薄板に例えば雲形のような曲線形状を有するスリットを設けた板ばねで、軸周りの回転を抑制し、軸方向の移動を可能とするラジアル支持ばねである。したがって、フラッパは、ラジアル支持ばねでいわば宙吊りで支持され、摺動摩擦や回転軸の摩擦を伴わずに軽い負荷で軸方向にのみ駆動でき、精度よくフラッパを駆動でき、出力圧力を精度よく制御できる、と述べられている。
特開2006−57719号公報
近年、位置決め装置において、その精度、分解能の向上の要求が著しい。例えば、半導体装置の露光装置では、半導体デバイスの最小寸法が100nmを切る。したがって、半導体デバイスの寸法精度の要求は10nm以下となり、そのための位置決めアクチュエータの位置決め精度は1nm以下、つまりサブnmのものが要望される。また、その高速性も同様に要求される。このような精密位置決め装置や、精密移動機構等に気体アクチュエータを用いることが期待されている。すなわち、気体圧アクチュエータを用いる移動機構は、他の機構に較べ、コンタミネーションの発生が少ないほか、電磁的ノイズを発生せず、振動、騒音も少ないからである。
特許文献1のノズルフラッパ弁を気体圧制御弁として用い、これにより制御され多岐耐圧を気体アクチュエータに供給することで精度のよい気体圧アクチュエータ移動機構を構成することが可能である。
ところで、特許文献1のノズルフラッパは、フラッパの駆動装置としてリニアアクチュエータを用い、移動体にコイルが取り付けられる。そのため、コイルからの信号線を外部に引き出すことを要し、その引出線が移動体に対する負荷となる。引出線は、その質量等による固定的な負荷のみならず、移動体の移動に伴ってその曲率を変化させるので、移動体の移動に伴って負荷量が変化し、移動制御の精度に影響を及ぼす可能性がある。
本発明の目的は、フラッパの駆動装置に用いられるコイルの引出線の影響を抑制することができるノズルフラッパ弁を提供することである。
本発明に係るノズルフラッパ弁は、駆動機構により軸方向に移動駆動されるフラッパと、フラッパの軸周りの回転を抑制し、フラッパの軸方向の移動を自在とするラジアル支持ばねと、フラッパに向けて気体噴き出し開口を有し、フラッパとの間の距離に応じて気体の噴き出しが変化するノズルと、1次側より圧力気体が供給され、これを絞って2次側よりノズルと負荷とに供給する気体流路の絞り装置と、を有し、フラッパの移動を制御して負荷に供給される気体圧を制御するノズルフラッパ弁において、駆動機構は、軸方向に配置された固定子の磁気ギャップと、信号線により駆動信号が入力されるコイルを有し、固定子の磁気ギャップと協働して軸方向に駆動される可動子と、を含み、ラジアル支持ばねは、固定子及び可動子と電気的に絶縁されて接続される導電体のばね材で構成され、外部からの信号線を中継する外部中継端子と、コイルへの信号線とを中継するコイル中継端子を有し、外部中継端子とコイル中継端子との間がばね材によって導通することを特徴とする。
また、本発明に係るノズルフラッパ弁において、ラジアル支持ばねは、信号線の数に応じて複数に分離されることが好ましい。
また、本発明に係るノズルフラッパ弁において、ラジアル支持ばねは、薄板に雲形曲線で構成されるスリットを有し、外周側を固定子に、内周側を可動子にそれぞれ接続される板ばねであることが好ましい。
また、本発明に係るノズルフラッパ弁において、ラジアル支持ばねは、固定子に取り付けられる外周側に外部中継端子が設けられ、可動子の軸方向の動きを伝える内周側にコイル中継端子が設けられることが好ましい。
また、本発明に係るノズルフラッパ弁において、気体流路の絞り装置は、一方端に1次側供給口を有し、他方端に2次側出力口を有するハウジングと、気体の流れ方向に沿い、所定の間隔を有する平行隙間を含む絞り部と、を備え、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成することが好ましい。
上記構成により、ノズルフラッパ弁において、軸方向に配置された固定子磁気ギャップと、可動子とを含む駆動機構により、フラッパが軸方向に移動駆動される。この駆動機構は、いわゆるリニアモータ又はフォースモータと呼ばれるものであるが、固定子磁気ギャップは、可動子の移動方向である軸方向に配置され、可動子すなわちフラッパの移動により磁気ギャップが変動することがなく、したがって、フラッパの駆動においてヒステリシスを抑制することができる。また、フラッパは、軸周りの回転を抑制し、軸方向の移動を可能とするラジアル支持ばねで支持される。つまり、フラッパは、ラジアルばねでいわば宙吊りで支持され、摺動摩擦や、回転軸の摩擦等を伴わずに、軽い負荷で軸方向にのみ移動できる。したがって、精度よくフラッパを駆動でき、出力圧力を精度よく制御できる。
そして、ラジアル支持ばねは、固定子及び可動子と電気的に絶縁されて接続される導電体のばね材で構成され、外部からの信号線を中継する外部中継端子と、コイルへの信号線とを中継するコイル中継端子を有し、外部中継端子とコイル中継端子との間がばね材によって導通する。これによって、可動子のコイルから直接信号線が引き出されるのではなく、コイルからラジアル支持ばねを経由して信号線が外部に引き出される。したがって、コイルから直接信号線が引き出されることに比較し、可動子が軸方向に変位したときの引出線の長さ、形状の変化を少なくできる。これにより、フラッパの駆動装置に用いられるコイルの引出線の影響を抑制することができる。
また、ラジアル支持ばねは、信号線の数に応じて複数に分離されるので、複数の信号線がある場合でも、コイルの引出線である信号線の影響を抑制することができる。
また、ラジアル支持ばねは、薄板に雲形曲線で構成されるスリットを有し、外周側を固定子に、内周側を可動子にそれぞれ接続される板ばねである。したがって、例えば薄板にエッチング加工またはプレス加工を行うことで、雲形ばねを容易に得ることができる。
また、ラジアル支持ばねは、固定子に取り付けられる外周側に外部中継端子を設け、可動子の軸方向の動きを伝える内周側にコイル中継端子が設けられる。これにより、可動子が軸方向に変位しても、外部中継端子はあまり軸方向に変位せず、コイル中継端子は可動子とほぼ同じ変位をする。したがって、外部中継端子からの引出線、コイルとコイル中継端子までの引出線のいずれも、可動子の軸方向の変位に対し、その長さ、形状をほとんど変化させない。これにより、フラッパの駆動装置に用いられるコイルの引出線の影響を抑制することができる。
また、ノズルの1次側に設けられる気体の絞り装置は、供給口と出力口を有するハウジング内に、所定の間隔を有する平行隙間を含む絞り部を備え、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する。乱れなく形成された気体は、乱流、渦流を含まず、衝撃波を生ずることもない。したがって、出力圧力のノイズを抑制することができる。
以下に図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる寸法等の数値は、1例であり、ノズルフラッパ弁に要求される性能、および全体の大きさ等を考慮して適宜変更することができる。
図1は、微小移動機構において、ノズルフラッパ弁10の用いられ方を説明する図である。最初に、ノズルフラッパ弁10により気体圧が制御されて微小移動機構に供給される様子の概略を説明し、ついでノズルフラッパ弁10の詳細内容を説明する。
微小移動機構のアクチュエータ2は、案内部4と、案内部4により軸方向の移動を案内される可動体6から構成される。可動体6は段つき構造となっており、図1において紙面の右側の面である底面側で制御された気体圧Paを受け、段つきの面で別途供給される押し付け圧P1を受ける。押し付け圧は図1の−X方向に可動体6を付勢し押し付ける。
ノズルフラッパ弁10は、外部から供給圧Psを有する気体を供給し、制御部100の制御の下で、所望の気体圧Paの気体に調整して出力し、一部は大気P0に排気する機能を有する制御弁である。ノズルフラッパ弁10は、リニアモータ60と、リニアモータ60により図1のX方向である軸方向に駆動移動されるフラッパ20と、フラッパ20に開口部を向けて配置されるノズル22を備える。気体圧Paの気体は、気体流路の絞り装置30により流れる気体を整流して絞られ、ノズル22と負荷、すなわちアクチュエータ2に供給される。つまり、ノズル22からは、フラッパ20に向けて気体が噴き出している。
ここで、制御部100よりリニアモータ60に駆動信号が供給されると、リニアモータ60及びこれと一体に移動するフラッパ20は、X方向に移動する。すると、ノズル22とフラッパ20との距離が変わり、ノズル22とフラッパ20の間の流体抵抗が変化する。したがって、ノズル22から噴出す気体の流量及び気体圧が変わり、これに応じて負荷に供給される気体圧Paも変化する。つまり、リニアモータ60への駆動信号によって、出力圧力である気体圧Paを調整することができる。例えば、リニアモータ60を−X方向に移動させれば、ノズル22からの噴出が抑制され、その分、出力圧力である気体圧Paが高くなる。
調整された気体圧Paは、アクチュエータ2に供給される。可動体6は、供給された気体圧Paと押し付け圧P1とのバランスで移動するので、上記の例で気体圧Paが高くなれば、+X方向へ移動する。これを総合すれば、制御部100がリニアモータ60への駆動信号を制御することで、ノズルフラッパ弁10により気体圧Paが調整されて出力され、これを用いてアクチュエータ2において可動体6の移動を制御できることになる。
次にノズルフラッパ弁10の構成を詳細に説明する。ここで、図示されていない気体供給源からの供給圧Ps、大気P0、負荷に供給される出力圧力である気体圧Paは、図1と同じ記号として示す。ノズルフラッパ弁10は、上記のように、気密構造の筐体12の中に、リニアモータ60と、リニアモータ60の移動軸24の一方側に設けられるフラッパ20と、フラッパ20に噴き出し開口を向けるノズル22と、図示されていない気体供給源からの供給圧Psを絞ってノズル22と負荷に供給する気体流路の絞り装置30が備えられるほか、フラッパ20を支持する第1雲形ばね78と、リニアモータ60の移動軸24においてフラッパ20が設けられる側の反対側である他方側を支持する第2雲形ばね80とを含んで構成される。
筐体12は、内部にノズルフラッパ弁10の各構成要素を収納し、供給圧Psの供給口、大気P0の排気口、気体圧Paの負荷口の気体ポートを除いて気密であるケース体で、数個のブロックを組み立てて得ることができる。図1の例では、第1雲形ばね78、第2雲形ばね80を取り付けやすいように、3個の筐体ブロック14,16,18に分けられている。かかる筐体12は、適当な金属ブロックを加工し、適当な気密シーリングを用いながら気密に組み立て、適当な固定手段で固定して得ることができる。材質は、気密性、堅牢性等を満たせば金属以外のものを一部用いることができるが、少なくともリニアモータ60のヨークを構成する部分は、磁性体であることを要する。図1の例では、筐体ブロック16が磁性体で構成される。
リニアモータ60は、軸方向、すなわち図2のX方向に沿って配置される固定子磁気ギャップと、その固定子磁気ギャップの中を軸方向に移動する可動子を含む直線駆動装置で、フラッパ20を軸方向に移動駆動する機能を有する。具体的には、磁性体である筐体ブロック16の一部に、X方向を軸方向とする円環状のギャップが設けられ、そのギャップの一方側に磁石62が取り付けられる。このことで、ギャップが、軸方向に配置された固定子磁気ギャップとなる。可動子は、この固定子磁気ギャップの中を軸方向に移動できる円環状の部分を有する移動ブロック体64と、移動ブロック体64の円環状の部分に軸方向に配列されたコイル66を含んで構成される。移動ブロック体64は、フラッパ20が一方端に設けられる移動軸24に取り付けられる。
このような固定子磁気ギャップと可動子の組み合わせにより、コイル66に駆動電流を流すことで、この電流と、コイル66を鎖交する固定子磁気ギャップの磁束との協働作用により、コイル66に軸方向の駆動力が与えられる。そして、このような構造において一般には、固定子磁気ギャップの中の磁束密度は、軸方向の場所により変化しない。したがって、固定子磁気ギャップの中をコイル66が軸方向に移動する分には、磁気ギャップとの協働作用に大きな変化がなく、いわゆる移動についてのヒステリシスがほとんど生じない。
磁石62は、固定子磁気ギャップを形成し、コイル66に鎖交する磁束を発生するためのものである。磁石62は、上記の円環状ギャップに合わせ、円環状としてもよく、また必要なトルクを得る程度に、円管状ギャップの一部に設けてもよい。かかる磁石としては、高性能の永久磁石を用いることができる。筐体ブロック16に磁石62を取り付けるには、適当な接着材を用いてもよく、あるいは、磁性体と磁石の吸引力のみで保持することもできる。
移動ブロック体64は、固定子磁気ギャップと協働して駆動力を発生するコイル66を搭載し、また、上記のように、フラッパ20が一方端に取り付けられる移動軸24と一体化される部品である。移動ブロック体64は、概略お椀形の形状のもので、お椀形の円環状側面にコイル66が円周方向に沿って巻きつけられる。お椀形の底にあたる部分の中心には、お椀形の円環状側面に平行に上記の移動軸24が突き出すように設けられる。
かかる移動ブロック体64及び移動軸24は、適当な強度を有する金属又は樹脂を用い、成形により得ることができる。移動ブロック体64及び移動軸24は、一体成形で形成してもよく、別々のものを組み立ててもよい。また、必要なトルクを得られるならば、移動ブロック体64を完全な円環状とせずに、円環状の一部の形状として、そこにコイル66を巻回するものとしてもよい。
コイル66は、絶縁被服導線を移動ブロック体64の円環状側面に円周状に複数回巻回されたもので、導線の抵抗、巻数等は、固定子磁気ギャップの特性設定とともに、リニアモータ60の速度や応答性性能の面から設定される。なお、コイル66と外部の信号線76との接続については、第2雲形ばね80の説明のところで詳述する。
フラッパ20は、ノズル22の噴き出し開口に向かい合い、ノズル22から噴出す気体を受け止める気体受面を有する部品である。フラッパ20は移動軸24の一方端に取り付けられ、移動軸24及び移動ブロック体64とともに軸方向に移動できる。そして、受け止めた気体の噴き出し力と、リニアモータ60の軸方向の推力とをバランスさせることで、フラッパ20の軸方向の位置が定まり、その位置におけるノズル22からの気体の噴き出し状態により、負荷への出力圧力である気体圧Paが定まる。気体受面は、軸方向に垂直が好ましい。かかるフラッパ20は、適当な金属材料又は樹脂材料を加工又は成形して得ることができる。また、移動軸24と一体構造、あるいは移動ブロック体64及び移動軸24と一体構造として成形して得ることとしてもよい。
移動軸24回りの構成をまとめると、移動ブロック体64の円環状部分にX方向と直交する円周方向にコイル66が巻回され、この円環状の中心軸に沿って移動軸24がノズル22の方向に延び、移動軸24の先端である一方端にフラッパ20が、気体受面を軸方向に垂直となるように設けられる。このようにして、上記のように、移動ブロック体64、移動軸24、フラッパ20は、一体として軸方向に移動する。
移動軸24の両端部は、第1雲形ばね78、第2雲形ばね80を介して筐体12に支持される。ここで、雲形ばねとは、薄板に例えば雲形のスリットを設けた板ばねで、その中心に物体を接続し、周辺を固定端とすることで、物体の軸周りの回転を規制し、軸方向の移動を可能にして物体を支持できるラジアル支持ばねとしての機能を有する。
第1雲形ばね78は、移動軸24のフラッパ20が設けられる一方端において移動軸24について、軸周りの回転を規制し、軸方向の移動を可能にして、支持するラジアル支持ばねである。ここでは、第1雲形ばね78は、移動軸24をいわば宙吊りとするように支持する典型的なラジアル支持ばねとして用いられている。
これに対し、第2雲形ばね80は、移動軸24の他方端において移動軸24について、軸周りの回転を規制し、軸方向の移動を可能にして、支持するラジアル支持ばねであるが、このほかに、コイル66からの引出線と、外部からの信号線とを中継して接続する機能を有する。そのために、第2雲形ばね80は、導電性の金属薄板で構成され、コイル中継端子72と外部中継端子74が設けられる。そして、コイル66からの信号線70がコイル中継端子72に接続され、外部からの信号線76が外部中継端子74に接続される。したがって、第2雲形ばねのばね材の導電性により、コイル66−信号線70−コイル中継端子72−ばね材−外部中継端子74−信号線76が電気的に接続されることになる。
第1雲形ばね78に用いることのできる雲形ばねの例示的形状のいくつかが図2に示されている。雲形ばねは、バネ性を有する金属薄板をエッチング又はプレス穴あけ加工又は放電加工等で複数の円環状あるいは複雑な雲形のスリットを設けたものである。スリットの形状は、雲形ばねの外周側を固定し、内周側に設けられる中心軸に変位を与えたとき、軸方向の変位、すなわち板ばねの表面に垂直な方向の直線変位に対する剛性に比べ、軸周りの変位、すなわち板ばねの表面に平行な面内での回転変位に対する剛性が大きくなるように工夫される。
図2の例では、板厚、外径、材質を同じとして、静的な状態、すなわち、軸方向に変位が小さいときで、軸周りの変位に対する剛性と、軸方向の変位に対する剛性の比として、
図2(a)は約110倍、図2(b)は約80倍、図2(c)は約60倍の剛性差を得ることができる。したがって、要求される精度に応じて、適当なスリットの形状、例えば図2(b)を選択することで、移動軸24等の不必要なねじり振動等を抑制することができる。
ラジアル支持ばねとしての機能を用いることは、第2雲形ばね80も第1雲形ばね78と同様であるので、これらの雲形ばねの内周側を、それぞれ移動軸24の一方端及び他方端に取り付け、それぞれの雲形ばねが変形しないように、それぞれの外周側を筐体12にそれぞれ固定する。こうすることで、移動軸24は、両端がいわば2つの雲形ばねにより宙吊りの形で支持され、上記の雲形ばねの特性により、軸周りの回転が抑制され、これに比べ軸方向の移動を自由に行うことができる。したがって、摺動による支持や、回転軸受による支持に比べ、負荷を少なくして、フラッパ20の軸方向の移動を行うことができる。
第2雲形ばね80の構造及び信号線の中継機能について、図3から図6を用いて説明する。以下では、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、以下では、図1の符号も用いて説明する。
図3は、図1における筐体ブロック18を取り外して第2雲形ばね80について−X方向から+X方向に向かってみた図である。この図3では、第2雲形ばね80の外周部を押えるための取付リング86が見えている。図4は、取付リング86も取り外し、第2雲形ばね80のみを図示したものである。図4に示されるように、第2雲形ばね80は、2つの雲形ばね片82,84から構成される。図5は、第2雲形ばね80にコイル66からの信号線70が接続される様子を示す拡大図である。図6は、第2雲形ばね80に外部からの信号線76が接続される様子を示す図である。
第2雲形ばね80は、図4に示されるように、2つの雲形ばね片82,84から構成されるが、この2つの雲形ばね片82,84は、図2(b)で説明した雲形ばねを互いに対称形となるように2分割したものに相当する。したがって、図4に示される第2雲形ばね80の形状は、一例であって、図2で説明した他の形状の雲形ばね等を互いに対称形となるように2分割したものを用いることができる。
第2雲形ばね80が2つの雲形ばね片82,84から構成されるのは、コイル66からの信号線70が2本あるためである。この2本の信号線70が伝達する信号は相互に異なっている。コイル66からの2本の信号線70に対応し、2つの雲形ばね片82,84には、それぞれの内周側にコイル中継端子72が取り付けられる穴が設けられる。また、2つの雲形ばね片82,84には、それぞれの外周側に外部中継端子74が取り付けられる穴がそれぞれ設けられる。外部中継端子74は、コイル66からの2本の信号線70に対応し、外部の制御部100に接続される2本の信号線76に接続される。
このように、第2雲形ばね80が2つの雲形ばね片82,84から構成されるのは、コイル66からの信号線70が2本あるためであるので、信号線の数によって、第2雲形ばね80の分割数が異なる。例えば、コイル66の2本の端子のうち、一本が接地電位に接続されるものとし、コイル66には外部から1つの信号の伝送で足りるときは、第2雲形ばね80は2つに分割する必要がない。これとは別に、第2雲形ばね80に対し、フラッパ20側から筐体12のフタ側に相当する筐体ブロック18側に3本以上の信号線を通したいときに、第2雲形ばね80を中継する場合には、3つ以上に第2雲形ばね80を分割するものとできる。
いずれにせよ、信号の中継として第2雲形ばね80を用いるときは、第2雲形ばね80は、他の導電体と絶縁される必要がある。図3から図6においては、移動軸24、筐体部ロック16が導電体で構成されるものとして、第2雲形ばね80と、移動軸24、筐体ブロック16との間の絶縁の様子が次のように示されている。
まず、第2雲形ばね80の中心部には、移動軸24と接触しないように、移動軸24の外形よりやや大きめの穴が設けられる。図4では、その穴が2分割された様子が示され、図5では、第2雲形ばね80と移動軸24とが接触していない様子が示されている。
第2雲形ばね80と移動軸24との取り付けは、絶縁体を介して行われる。ここでは、移動ブロック体64が絶縁体で構成され、その移動ブロック体64と移動軸24とが一体化され、第2雲形ばね80は、導電体である移動軸24から分離絶縁されるように配置されて絶縁体である移動ブロック体64に固定して取り付けられる。
なお、コイル中継端子72は、移動ブロック体64に挿入されて、先端が第2雲形ばね80と電気的に接続される。ここでも、コイル中継端子72と移動軸24との間の絶縁は、絶縁体である移動ブロック体64によって行われているが、さらにコイル中継端子72の周囲に絶縁ブッシュを配置することが望ましい。
第2雲形ばね80と筐体ブロック16との間の取り付けも絶縁体を介して行われる。第2雲形ばね80は、その外周部において適当なボルト90あるいはネジを用いて筐体ブロック16に固定される。ボルト90等が金属である場合、絶縁リングと絶縁ブッシュとを用いて、ボルト90等と第2雲形ばね80との間が電気的に接触することがないようにされる。すなわち、第2雲形ばね80の外周部の表裏には、絶縁体で構成される取付リング86,88が設けられる。これによって、第2雲形ばね80の外周部は、表側と裏側の両側において、絶縁体である取付リング86,88で挟まれて保持されることになる。そして、第2雲形ばね80の外周部には、ボルト90の外径に嵌め込まれた絶縁リングの外径よりも大きめの穴が開けられ、この穴に、絶縁リングを介してボルト90が挿入される。
図3には、ボルト90、取付リング86が示され、図5、図6には、取付リング86,88が第2雲形ばね80を表裏から挟み込む様子が示されている。なお、図1では、ボルト90の箇所を除き、取付リング86,88の表示を省略してある。
図5には、コイル中継端子72の周辺の様子が示されている。図5は、図3のA−A線に相当する断面線におけるノズルフラッパ弁10の断面図である。ここで示されるように、コイル中継端子72は、第2雲形ばね80の内周側において、移動軸24に近接した部位に、移動軸24と絶縁されて、取り付けられる。そして、コイル66から引き出された信号線70は、移動ブロック体64の円環状部分に沿って固定されて這わされ、コイル中継端子72の頭部に電気的に接続される。
ここで、コイル中継端子72は、第2雲形ばね80の内周側で移動軸24に近接した部位、すなわち、第2雲形ばね80が変形したときでも移動軸24と第2雲形ばね80との間の変位が最も少ない部位に固定される。したがって、コイル中継端子72は、移動軸24の軸方向の変位、すなわちコイルの軸方向の変位とほとんど同じように軸方向に変位する。すなわち、コイル66とコイル中継端子72の相対的位置関係は、移動軸24の変位によってほとんど変化しない。したがって、コイル66から引き出された信号線70は、移動軸24の変位によってその長さ、形状をほとんど変化させない。
図6には、外部中継端子74の周辺の様子が示されている。図6は、図3のB−B線に相当する断面線におけるノズルフラッパ弁10の断面図である。したがって、ここでは、筐体ブロック16の外周側における様子が示されている。図3、図4でも既に説明したように、外部中継端子74は、第2雲形ばね80の外周側にピンの形状で電気的に接続されて固定され、その先端、すなわち筐体ブロック18の側に突き出る先端に、外部からの信号線76が接続される。図6には、互いに分離される雲形ばね片82,84のそれぞれに外部中継端子74が設けられ、それぞれの先端に、2本の信号線76が電気的に接続される様子が示される。なお、外部中継端子74が筐体ブロック16と接触しないように配置され、電気的に筐体ブロック16と絶縁分離される。
ここで、外部中継端子74は、第2雲形ばね80の外周側で、筐体ブロック16に固定される部位に近接した部位、すなわち、第2雲形ばね80が変形したとしても、筐体ブロック16と第2雲形ばね80との間の変位がほとんどない部位に固定されるので、移動軸24の軸方向の変位があっても、外部中継端子74と筐体12との間の相対的位置関係は、移動軸24の変位によってほとんど変化しない。したがって、外部からの信号線76は、移動軸24の変位によってその長さ、形状をほとんど変化させない。
従来技術においては、リニアモータ60のコイル66からの信号線が外部に直接引き出されていたので、移動軸24の移動に伴い、引出線の長さ、曲率形状が変化する。したがって、従来技術においては、移動軸24の変位量に応じて、引出線による負荷が変動する。上記のように、コイル66からの信号線70を、第2雲形ばね80に一旦接続し、第2雲形ばね80と外部の信号線76と接続するようにすることで、移動軸24の移動による信号線70、76の長さ、形状の変化を大幅に抑制することができる。そして、上記のように、コイル66からの信号線70を接続するコイル中継端子72を第2雲形ばね80の内周側に設け、外部の信号線76を接続する外部中継端子74を第2雲形ばね80の外周側に設けることで、移動軸24の移動による信号線70、76の長さ、形状の変化がほとんどないようにできる。
このようにして、第2雲形ばね80に、信号線の中継を行う機能をもたせることで、ノズルフラッパ弁10の移動軸24の移動制御において、コイル66からの引出線の影響を抑制することができる。
以上がリニアモータ60に関する説明である。ここで再び図1に戻り、ノズル22とフラッパ20に関する気体圧制御の説明を行う。
図1におけるノズル22は、先端の開口部が後端の開口に比べ絞られた筒状の素子で、後端開口に供給された気体を絞って先端の開口部から細い流れとして噴出させる絞り機能を有する。ノズル22の気体流の方向は、軸方向に取られ、より詳しくは、リニアモータ60の移動軸24と同軸に設定される。したがって、図1の構成に従えば、ノズル22の中心軸は、フラッパ20及び移動軸24の中心軸と同軸に取られる。かかるノズル22は、金属材料等を加工して得ることができる。
このように配置されたノズル22とフラッパ20を有するノズルフラッパ弁10の内部における気体の流れについて説明する。ノズルフラッパ弁10は、筐体12の外壁に3つの気体の出入りポートを有する。1つは、図示されていない気体供給源から一定高圧の供給圧Psに調整された気体が供給される供給口又は供給ポートである。また、ノズルフラッパ弁10で使用済みの気体を大気P0に放出する排気口又は排気ポートが設けられる。もう1つが、ノズル22とフラッパ20の協働作用により調整された気体圧Paを出力し負荷に供給する負荷口又は負荷ポートである。
気体の流れと、各ポートとの関係は、以下のとおりである。供給口からの供給圧Psの気体は、気体流路の絞り装置30の1次側に供給される。気体流路の絞り装置30の内部構成については、次に図3、図4を用いて詳述する。気体流路の絞り装置30の2次側は、ノズル22の後端の開口に接続されるとともに、負荷口に接続される。ノズル22の先端の開口から噴き出し、フラッパ20に当たった後の気体は使用済みのものとして、排気口に導かれる。すなわち、気体流路の絞り装置30の2次側からの気体は、ノズル22と負荷口の先の負荷とに並列に供給される。したがって、ノズル22から噴き出す状態、すなわちノズル22とフラッパ20との間隔に応じ、負荷口の出力圧力である気体圧Paが変化する。これを利用し、上記のように、リニアモータ60の駆動によりフラッパ20の軸方向の位置を変え、ノズル22からの噴き出しを変化させ、気体圧Paを所望の値に制御できる。
次に気体流路の絞り装置30の内部構成について、図7、図8を用いて説明する。以下では、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、以下では、図1の符号も用いて説明する。図7は、ノズルフラッパ弁10における気体の絞り装置30の拡大断面図であり、図8は、気体の絞り装置30の分解図である。
気体流路の絞り装置30は、内部に平行隙間を有する絞り装置で、平行隙間を気体が流れることで気体の流れを整流し、乱れのない気体流として2次側に出力する機能を有する。図7に示されるように、気体の絞り装置30は、ノズルフラッパ弁10の筐体ブロック14に組み込まれ、隙間形成蓋32と隙間保持ベース34と外側リング36から構成される。
図7に矢印で示されるように、気体の絞り装置30において気体流路は、「気体圧Psの供給口−隙間形成蓋32の貫通穴40−隙間形成蓋32と隙間保持ベース34との間に形成される平行隙間42−外側リング36の外側窓部44−隙間保持ベース34の内側窓部46−隙間保持ベース34の穴48−気体圧Paの出力口」のように構成され、平行隙間42において気体が絞られ、乱れなく形成される。
平行隙間42以外の気体流路においては、その流体抵抗が平行隙間42における流体抵抗に比べ無視できる程度となるように、流路の大きさが設定される。例えば、1次側圧力気体の圧力を5×105Pa(パスカル)、流速を30m/secとし、これを流速300m/secの層流に絞って2次側に出力するときは、1つの例示として、平行隙間42の隙間を約50μm、その長さを5〜10mm程度とし、平行隙間42以外の気体流路についてその寸法を数mm程度のものとすることが好ましい。
図8(c)に示す隙間形成蓋32は、中央部に貫通穴40を有するリングで、下面は筐体ブロック14の合わせ面に向かい合う面となり、状面は隙間保持ベース34に向かい合う面となる。したがって、気体の絞り装置30において、貫通穴40を介して1次側圧力気体である気体圧Psを有する気体を隙間保持ベース34に導く機能を有する。隙間形成蓋32の大きさは、上記の例において、外径を約10mm、厚みを約2mm、貫通穴40の直径を約3mmとすることができる。
図8(b)に示す隙間保持ベース34は、上部の段差付円板であるディスク部と、ディスク部の下部の円環状部材であるリング部と、ディスク部とリング部とを接続する4個の支え脚部とを含む部材である。その外径は隙間形成蓋32の外径と同じ大きさの約10mmである。また隙間保持ベース34全体の高さは約4mm、その中でディスク部の厚みを約0.8mmとすることができる。隙間保持ベース34は、機械加工等によりディスク部と支え脚部とリング部とを一体に形成してもよく、あるいはこれらを個別に製作して組み合わせた組立体とすることもできる。
隙間保持ベース34におけるディスク部は、その下面側に4箇所の部分扇形部分50を備える。4箇所の部分扇形部分50の外径は、ディスク部の直径と同じ約10mmに、その内径は、隙間形成蓋32の貫通穴40の直径と同じ約3mmに形成される。部分扇形部分50の下側の外形面は、隙間形成蓋32の上面と接触する面で、その高さ、すなわちディスク部における段差は、上記の例で約50μmとすることができる。この約50μmの段差は機械加工で得ることができる。したがって、別の見方をすれば、ディスク部の下面側は、周囲の部分扇形部分50から約50μm低い円筒状の凹部52を有する。この凹部52は、中心部の円形状凹部と、その円形状凹部から外周側に向けて放射状に広がる4個の扇形凹部を備えていることになる。
ここで、隙間保持ベース34の下面と隙間形成蓋32の上面とを合わせて組み合わせると、隙間保持ベース34のディスク部の凹部52と隙間形成蓋32の上面の間に、隙間が約50μmの4個の平行隙間42が形成される。そして、隙間形成蓋32の貫通穴40は、ディスク部の中央部における円形状凹部を介してこの平行隙間42に通ずることとなる。
隙間保持ベース34のリング部は、隙間形成蓋32と同じ外径と内径と高さとを有するリングである。上記の例で、外径を約10mm、内径を約3mm、高さを約2mmとすることができる。各支え脚部は、各部分扇形部分50に対応する外径と内径と扇形形状を有し、その高さは上記の例で約1.2mmとすることができる。したがって、別の見方をすれば、リング部と各支え脚部は、ディスク部の上部にあって、ディスク部の下面側における4個の平行隙間42に対応する位置に4個の内側窓部46を有し、その内側窓部46は、隙間保持ベース34の外周から内部に向かって開けられており、さらに内部には、ディスク部の上部を突き当たりとし、リング部の上面に開口を有する穴48が備えられていることになる。この穴48の直径は上記のように隙間形成蓋32の貫通穴40の直径と同じである。
図8(a)に示す外側リング36は、隙間保持ベース34の高さに隙間形成蓋32の高さを加えた値の高さを有し、筐体ブロック14における円筒状の凹部の内径に対応する外径と、隙間形成蓋32及び隙間保持ベース34の外径に対応する内径を有するリングである。上記の例では、高さを約(4+2)=6mm、内径を約10mmとし、外径を約12mmとすることができる。そして、リング外周には、隙間形成蓋32及び隙間保持ベース34を組み合わせたときに形成される平行隙間42及び内側窓部46に対応して4個の外側窓部44が設けられる。各外側窓部44の大きさは、平行隙間42及び内側窓部46を十分望める大きさに設定される。上記の例で、内側窓部46の高さは約1.2mmであり、ディスク部の厚みは約0.8mmであるので、外側窓部44の高さは約(1.2mm+0.8mm)=2mmを十分超えた大きさの約2.5mmに設定される。
そして、外側リング36の内側にまず隙間形成蓋32を収納し、その上に隙間保持ベース34を設置し、各外側窓部44を、それぞれ対応する内側窓部46と平行隙間42とを望む位置に位置決めして配置し、その状態で、筐体ブロック14における円筒状の凹部に収納することで気体の絞り装置30がノズルフラッパ弁10の内部に組み込まれる。
このように気体の絞り装置30が筐体ブロック14における円筒状の凹部に組み込まれると、その円筒状の凹部の内壁によって、気体の絞り装置30の各外側窓部44がそれぞれ蓋をされる状態になり、各外側窓部44は、開放端でなく、閉じた流路となる。このことで、「平行隙間42−外側窓部44−内側窓部46−穴48」という流路が形成される。したがって、気体の絞り装置30の貫通穴40に気体圧Psを供給することで、上記のように、「気体圧Psの供給口−隙間形成蓋32の貫通穴40−隙間形成蓋32と隙間保持ベース34との間に形成される平行隙間42−外側リング36の外側窓部44−隙間保持ベース34の内側窓部46−隙間保持ベース34の穴48−気体圧Paの出力口」の気体流路が形成される。
供給された気体圧Psの1次側圧力気体は、この気体流路を通り、平行隙間42において絞られる。この平行隙間42は約50μmの隙間で長さは数mmであるので、その整流作用により、ここを流れる気体は乱れなく形成されて2次側の気体として、ノズルフラッパ弁10のノズル22に供給される。また、平行隙間42は、ディスク部の中央部における円形凹部からディスク部の外周側に向けて放射状に広がる4個の扇形凹部により形成されるので、流れは急拡大せずに徐々に広がり、さらに滑らかな流れとすることができる。このようにして乱れなく形成された気体は、乱流、渦流を含まず、衝撃波を生ずることもない。したがって、気体の絞り装置30において、高圧気体の出力圧力のノイズを抑制することができる。
上記のように、気体の絞り装置30において平行隙間42は、隙間形成蓋32の上面と、隙間保持ベース34の下面の凹部52との間で形成される。そして、平行隙間42の所定間隔、上記の例で約50μmは、隙間保持ベース34の上面における部分扇形部分50と凹部52との間の段差を利用し、部分扇形部分50の下面に隙間形成蓋32の上面が接触することで確保されている。この平行隙間42を確保するための段差は、上記のように隙間保持ベース34の上面における機械加工等で得ることができるが、部分扇形状を有するスペーサを別部材として用意し、一様厚さの円板状のディスク部にこのスペーサを組み合わせて、段差を形成することもできる。スペーサは、薄板のプレス加工等で得ることができるので、段差を有するディスク部の加工に比べ、コストを低減することが可能である。
図9は、気体の絞り部として、一般的なオリフィス絞り31を用いる例を示す図である。オリフィス絞りは、気体の供給側の流路断面積に比べ、出力側の流路断面積を小さくする構造を有し、この流路断面積の差に応じて気体の流れが絞られる。オリフィス絞り31の具体的な例としては、出力側の流路の直径を約0.4mmから約1mm程度とすることができる。
本発明に係るノズルフラッパ弁は、以下の気体アクチュエータに供給する気体圧を制御するのに用いることができる。すなわち、微小移動機構用の気体アクチュエータ、粗動及び微小移動可能な機構の気体アクチュエータ、アクティブ除振用の気体アクチュエータ、精密位置決め装置の気体アクチュエータ、容器内の精密な圧力制御等に、精密に制御された気体圧を供給するのに用いることができる。
本発明に係る実施の形態のノズルフラッパ弁の構成と、ノズルフラッパ弁が微小移動機構において用いられる様子を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、雲形ばねの例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、第2雲形ばねが取り付けられる様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、第2雲形ばねを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、コイル中継端子周辺を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、外部中継端子周辺を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、気体の絞り装置の構成を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、気体の絞り装置の分解図である。 本発明に係る実施の形態において、他の気体の絞り装置の例を示す図である。
符号の説明
2 アクチュエータ、4 案内部、6 可動体、10 ノズルフラッパ弁、12 筐体、14,16,18 筐体ブロック、20 フラッパ、22 ノズル、24 移動軸、30 絞り装置、31 オリフィス絞り、32 隙間形成蓋、34 隙間保持ベース、36 外側リング、40 貫通穴、42 平行隙間、44 外側窓部、46 内側窓部、48 穴、50 部分扇形部分、52 凹部、60 リニアモータ、62 磁石、64 移動ブロック体、66 コイル、70,76 信号線、72 コイル中継端子、74 外部中継端子、78 第1雲形ばね、80 第2雲形ばね、82,84 雲形ばね片、86,88 取付リング、90 ボルト、100 制御部。

Claims (5)

  1. 駆動機構により軸方向に移動駆動されるフラッパと、
    フラッパの軸周りの回転を抑制し、フラッパの軸方向の移動を自在とするラジアル支持ばねと、
    フラッパに向けて気体噴き出し開口を有し、フラッパとの間の距離に応じて気体の噴き出しが変化するノズルと、
    1次側より圧力気体が供給され、これを絞って2次側よりノズルと負荷とに供給する気体流路の絞り装置と、
    を有し、フラッパの移動を制御して負荷に供給される気体圧を制御するノズルフラッパ弁において、
    駆動機構は、
    軸方向に配置された固定子の磁気ギャップと、
    信号線により駆動信号が入力されるコイルを有し、固定子の磁気ギャップと協働して軸方向に駆動される可動子と、
    を含み、
    ラジアル支持ばねは、
    固定子及び可動子と電気的に絶縁されて接続される導電体のばね材で構成され、外部からの信号線を中継する外部中継端子と、コイルへの信号線とを中継するコイル中継端子を有し、外部中継端子とコイル中継端子との間がばね材によって導通することを特徴とするノズルフラッパ弁。
  2. 請求項1に記載のノズルフラッパ弁において、
    ラジアル支持ばねは、信号線の数に応じて複数に分離されることを特徴とするノズルフラッパ弁。
  3. 請求項1に記載のノズルフラッパ弁において、
    ラジアル支持ばねは、
    薄板に雲形曲線で構成されるスリットを有し、外周側を固定子に、内周側を可動子にそれぞれ接続される板ばねであることを特徴とするノズルフラッパ弁。
  4. 請求項1に記載のノズルフラッパ弁において、
    ラジアル支持ばねは、固定子に取り付けられる外周側に外部中継端子が設けられ、可動子の軸方向の動きを伝える内周側にコイル中継端子が設けられることを特徴とするノズルフラッパ弁。
  5. 請求項1に記載のノズルフラッパ弁において、
    気体流路の絞り装置は、
    一方端に1次側供給口を有し、他方端に2次側出力口を有するハウジングと、
    気体の流れ方向に沿い、所定の間隔を有する平行隙間を含む絞り部と、
    を備え、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成することを特徴とするノズルフラッパ弁。
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