JP2008308951A - 複合ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】建築物に設置し、地震、風等の外力に対する建築物の応答を低減させる、履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを組合わせた複合ダンパーを提供する。
【解決手段】建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備え,前記履歴ダンパーは前記構面を構成する左右の柱間に配置するエネルギー吸収部位と柱材からなる間柱型ダンパーであり,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位は前記履歴ダンパーの一方の端部側に配置され,前記粘弾性ダンパーは,前記履歴ダンパーと前記構面を形成する左側柱または右側柱の間の少なくとも一方に,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で、かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置する。
【選択図】図1
【解決手段】建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備え,前記履歴ダンパーは前記構面を構成する左右の柱間に配置するエネルギー吸収部位と柱材からなる間柱型ダンパーであり,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位は前記履歴ダンパーの一方の端部側に配置され,前記粘弾性ダンパーは,前記履歴ダンパーと前記構面を形成する左側柱または右側柱の間の少なくとも一方に,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で、かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物に設置し、地震、風等の外力に対する建築物の応答を低減させる、履歴ダンパー(弾塑性ダンパー)と粘弾性ダンパーを組合わせた複合ダンパーに関する。
建築物などの構造物では、地震や強風等の振動入力に対し、快適な居住性や安全性を確保するため耐震性・制振性が要求され、種々の制振ダンパーが提案されている。
例えば、粘弾性ダンパーは、対向する剛性材料間に粘弾性体を接着介在させた構成で、粘弾性体のせん断変形により低振幅からエネルギー吸収を行い、ブレース材等として使用され、地震応答・風応答に作用する。鋼製ダンパーは弾塑性ダンパーとも呼ばれ、塑性変形により振動エネルギーを吸収する。
特許文献1は、制震鋼板ユニットおよび制震壁に関し、柱梁に囲まれた構面内に制震鋼板ユニット(鋼製ダンパー)を配置し、鋼製ダンパーを主架構よりも早期に降伏させて構造物の応答を低減することが記載されている。
特許文献2は、耐震建築物に関し、大減衰力を有する高剛性かつ高靭性の粘性耐震壁を備え、該粘性耐震壁に地震荷重を負担させ、柱および梁は長期荷重のみを負担させる耐震建築物が記載されている。
しかし、鋼製ダンパーは強風による振動等、居住性が問題となる程度の振幅では作用せず、強風による振動等の風応答が構造物の安全性にかかわるほど大きな場合であっても数時間連続するような場合には振動エネルギーを吸収させるには不向きである。
粘弾性ダンパーは数十年に一回の確率で発生する大地震に対してエネルギー吸収が行えるように設計すると粘弾性体量が多くなり経済性が損なわれる。
そこで、鋼製ダンパーと粘弾性ダンパーを組合わせた、両者の特性を備えた複合ダンパーが提案されている。粘性ダンパーと、鋼製ダンパーとを、並列に配置した場合、外乱による振動は弾塑性ダンパーと粘弾性ダンパーのそれぞれに外力が入力され、入力が微小振動の場合は粘弾性ダンパーの変位が剛性の高い弾塑性ダンパーにより拘束され制震効果が得られない。
一方、鋼製ダンパーが塑性化する大振幅では粘弾性ダンパーが損傷するようになるので、大変形でも破損しないように粘弾性体の厚さを増すことが必要となる。
特許文献3は、粘弾性ダンパーまたは粘性ダンパーと弾塑性ダンパーを力学経路的に直列に配置した複合ダンパーに関し、弾塑性ダンパー部と粘弾性ダンパー部を同心円状に配置した構造であることを特徴とする。
特許文献4には,弾塑性ダンパーと粘弾性ダンパーを直並列に組合わせた,両者を直列,並列に配置した場合よりも制振効果の高い複合ダンパーが開示されている。図10は特許文献4記載の発明に係る複合ダンパーを示し、一対の間柱ダンパー3を連結する剛部材(貫梁)32を上梁2a側に寄せて、剛部材(貫梁)32と下梁2b間にのみ粘弾性ダンパー4を配置している。剛部材(貫梁)32は間柱ダンパー3のエネルギー吸収部位5a,5bに接するように配置する。
特開平10−147999号公報
特開平11−141177号公報
特開2002−221252号公報
特開2005−133443号公報
しかしながら、特許文献3に記載されている複合ダンパーは鋼製ダンパー部と粘弾性ダンパー部を力学的に完全な直列配置としているため、粘弾性ダンパー部の耐力を鋼製ダンパー部の耐力以上にしなければならず、粘弾性ダンパー部の断面積を大きくとることを必要とする。また、特許文献4記載の複合ダンパーは、接合部数が多く、設置コストが上昇する。
そこで、本発明は構造が簡便で且つ制振効果に優れる複合ダンパーを提供することを目的とする。
本発明の課題は以下の手段により達成可能である。
1.建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備えた複合ダンパーであって,前記履歴ダンパーは前記構面を構成する左右の柱間に配置するエネルギー吸収部位と柱材からなる間柱型ダンパーであり,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位は前記履歴ダンパーの一方の端部側に配置され,前記粘弾性ダンパーは,前記履歴ダンパーと前記構面を形成する左側柱または右側柱の間の少なくとも一方に,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で、かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置されていることを特徴とする複合ダンパー。
2.前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの、前記粘弾性ダンパーが配置される側のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の接合部と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする1記載の複合ダンパー。
3.前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で前記構面に対し鉛直な部位が,前記履歴ダンパーのH形断面のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の境界部に接合されて、前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする2記載の複合ダンパー。
4.前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする1記載の複合ダンパー。
5.前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で、柱梁に囲まれる構面に対し鉛直な部位が,前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差するように、前記履歴ダンパーのH形断面のフランジに接合されて前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする4記載の複合ダンパー。
6.前記履歴ダンパーと前記粘弾性ダンパーの接合部にスチフナまたはパネル増設部を有することを特徴とする1乃至5のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
7.前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする1乃至6のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
8.前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材とパネル増設部のエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする6に記載の複合ダンパー。
1.建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備えた複合ダンパーであって,前記履歴ダンパーは前記構面を構成する左右の柱間に配置するエネルギー吸収部位と柱材からなる間柱型ダンパーであり,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位は前記履歴ダンパーの一方の端部側に配置され,前記粘弾性ダンパーは,前記履歴ダンパーと前記構面を形成する左側柱または右側柱の間の少なくとも一方に,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で、かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置されていることを特徴とする複合ダンパー。
2.前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの、前記粘弾性ダンパーが配置される側のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の接合部と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする1記載の複合ダンパー。
3.前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で前記構面に対し鉛直な部位が,前記履歴ダンパーのH形断面のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の境界部に接合されて、前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする2記載の複合ダンパー。
4.前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする1記載の複合ダンパー。
5.前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で、柱梁に囲まれる構面に対し鉛直な部位が,前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差するように、前記履歴ダンパーのH形断面のフランジに接合されて前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする4記載の複合ダンパー。
6.前記履歴ダンパーと前記粘弾性ダンパーの接合部にスチフナまたはパネル増設部を有することを特徴とする1乃至5のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
7.前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする1乃至6のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
8.前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材とパネル増設部のエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする6に記載の複合ダンパー。
本発明に係る複合ダンパーは、居住性の指標となる小振幅の振動から、構造物の機能、安全性に影響する地震時の大振幅の振動まで効果的にエネルギーを吸収することが可能である。
また、粘弾性ダンパーを小振幅に限定して設計できるため,接合部数が少なくコストパフォーマンスに優れ、且つ設置スペースが少なく開口部の確保が容易である。
本発明は、建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備えた複合ダンパーにおいて、履歴ダンパーは間柱ダンパーで、前記粘弾性ダンパーは、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で,かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置されていることを特徴とする。尚、本発明で力学的経路とは、外力の伝達経路を指す。以下、本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る複合ダンパーの鉛直構面図、図2は粘弾性ダンパーの端部構造を説明する模式図で(a)は端部固定用部材と端部接合用部材が十字に組合わされ、その交点を粘弾性ダンパーの軸中心とする十字型断面端部構造の場合、(b)は端部固定用部材と端部接合用部材がT字に組合わされ、その交点を粘弾性ダンパーの軸中心とするT字型断面端部構造を示す。
図3は図1に示す複合ダンパーにおける粘弾性ダンパーと間柱ダンパーの取り付け部の構成を説明する斜視外観図である。
これらの図において1a,1bは柱、2aは上梁,2bは下梁、3は履歴ダンパー(弾塑性ダンパー)で、H形鋼からなる間柱ダンパー、4は粘弾性ダンパー、5、5cはエネルギー吸収部材、6はパネル増設部、7は間柱ダンパーのフランジ、8はスチフナ、9は粘弾性ダンパーの取り付け用部材、31は間柱ダンパー3の柱材、41は粘弾性ダンパーの十字型端部構造をなす部材で、41は粘弾性ダンパー4を取り付け用部材9にボルト結合するためのボルト孔を有し、柱梁構面に水平に配置される端部固定用部材、cは間柱ダンパー3の柱材31とエネルギー吸収部材5の境界部、c1はフランジ7における柱材31とエネルギー吸収部材5の境界部を示す。
左右の柱1a,1bと上梁2a,下梁2bに囲まれた構面内に、間柱型ダンパー3を配置し、その側方に粘弾性ダンパー4を併設する。間柱型ダンパー3はH形鋼で、溶接構造用鋼(SM)、建築構造用鋼(SN)、または高強度鋼などを用いた通常のH形鋼部(以下,柱材31)と.H形鋼のウェブにエネルギー吸収部位を有するエネルギー吸収部材5から構成される。間柱型ダンパー3の剛性を高めるため、柱材31とエネルギー吸収部材5の境界部cにおいてウェブと左右のフランジ間にスチフナ8を接合する。
粘弾性ダンパー4は上梁2a,下梁2bと間柱ダンパー3と左側の柱1aまたは右側の柱1bで囲まれる構面の少なくとも一方に,一端を上梁2aと柱1aの柱梁接合部に取り付け、他端を間柱ダンパー3のエネルギー吸収部材5と直列をなすように間柱ダンパー3に取り付け、間柱ダンパー3の柱材31とは別系統の力学的経路を構成する。
粘弾性ダンパー4は前記柱梁接合部に、前記柱梁接合部に固定した取り付け用部材9に端部固定用部材41をボルト結合する。
粘弾性ダンパー4と間柱ダンパー3の取り付けは間柱ダンパー3に固定した取り付け用部材9に端部固定用部材41をボルト結合し、端部接合用部材42を間柱ダンパー3のフランジ7に溶接などで固定する。固定する際に、端部接合用部材42と取り付け用部材9が干渉しないように端部接合用部材42には切欠部43を設ける。
間柱ダンパー3への取り付け用部材9の取り付け位置、取り付け用部材9の寸法および端部固定用部材41とボルト結合する位置は、端部固定用部材41をボルト結合した際、粘弾性ダンパー4の軸中心が間柱ダンパー3のフランジ7における柱材31とエネルギー吸収部材5の境界部C1のフランジ7の幅中心と一致するよう適宜調整する。
上述したように粘弾性ダンパー4を間柱ダンパー3に取り付けた場合、粘弾性ダンパー4は間柱ダンパー3のエネルギー吸収部材5と直列に配置され、かつ間柱ダンパー3の柱材31とは別系統の力学的経路を有する。
境界部C1のフランジ7の幅中心はウェブの延長線上となるため、粘弾性ダンパー4から間柱ダンパー3のエネルギー吸収部材5へ円滑に応力が伝達される。
更に、粘弾性ダンパー4から間柱ダンパー3のエネルギー吸収部材5への応力伝達を円滑とする場合は、パネル増設部6を設けて間柱ダンパー3と粘弾性ダンパー4の取り付け部を補強する。
パネル増設部6は、取り付け用部材9の下端に、取り付け用部材9と直角をなすように取り付けた水平部材62と、間柱ダンパー3のフランジ7と平行で水平部材62と直角をなすように下梁2bに取り付けた鉛直部材61を有し、水平部材62と鉛直部材61と間柱ダンパー3のフランジ7で囲まれる領域で、間柱型ダンパー3のウェブの延長線上となる位置にエネルギー吸収部材5cを配置する。
粘弾性ダンパー4の耐力が小さい場合はパネル増設部は取り付けず、図4に示すように取り付け部材9をスチフナを兼ねる形状としたり、図5に示すように略矩形の取り付け部材9の下方に、柱梁構面に対して鉛直となるようにスチフナ8aを取り付ける。
本発明は、粘弾性ダンパー4が、間柱型ダンパー3のエネルギー吸収部材5と直列で,かつ間柱型ダンパー3の柱材31とは別系統の力学的経路を有するように配置されていれば良く、図3の配置に限定されない。
図8は、図1に示した建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される複合ダンパーにおいて、粘弾性ダンパー4を、その軸中心aの延長線が、間柱型ダンパー3の軸中心bと、間柱ダンパー3の柱材31とエネルギー吸収部材5の境界部cで交差(交差位置d)するように配置した場合を示す。図において図1と同じ符号のものは同じものを指す。
柱材31の内側には、粘弾性ダンパー4の軸中心aの延長線上にスチフナ8bを交差位置dまで取り付け、粘弾性ダンパー4からエネルギ吸収部材5への応力伝達を円滑とする。
図9は、図8に示す、粘弾性ダンパー4と間柱ダンパー3の取り付け部の構成を説明する斜視外観図で、間柱ダンパー3への取り付け用部材9の取り付けは、端部固定用部材41をボルト結合した際、粘弾性ダンパー4の軸中心が間柱ダンパー3のウェブにおける境界部Cのウェブ中心dと交差するように行う。尚、図では、粘弾性ダンパー4の軸中心と境界部Cのウェブ中心dが交差(交差位置d)している様子を示すため、スチフナ8bは省略した。
本発明では、間柱ダンパー3、粘弾性ダンパー4の本数や、粘弾性ダンパー4の柱梁架構における取り付け位置は特に規定しない。
図6は、本発明の他の実施例に係る複合ダンパーの鉛直構面図を示し、2本の間柱ダンパー3を横方向に連結し,粘弾性ダンパー4を連結された2本の間柱ダンパー3の両側に配置する。高い耐力が必要な場合に採用される。必要とされる耐力に応じて間柱ダンパー3の本数を増減し、粘弾性ダンパー4の配置を両側または片側としても良い。
尚、図では粘弾性ダンパー4の間柱ダンパー3への取り付け方法を図1に示す取り付け方法としたが、図8に示した取り付け方法を用いても良い。
図7は、本発明の他の実施例に係る複合ダンパーの鉛直構面図を示し、粘弾性ダンパー4を梁2aの中間に接合した場合を示す。柱1a,1bと上梁2a,下梁2bに囲まれる構面内において粘弾性ダンパー4と柱1a,上梁2a,下梁2bで囲まれる領域を広くし,左右両側に通行等のための開口を確保する。
尚、図6,7では粘弾性ダンパー4の間柱ダンパー3への取り付け方法を図1に示す取り付け方法としたが、図8に示した取り付け方法としても良い。
本発明で、エネルギー吸収部材5、5cは低降伏点鋼とすることが望ましい。
以上の説明では、柱梁接合部または間柱ダンパー3に固定した取り付け用部材9と端部固定用部材41の結合をボルト結合(剛結合)としたが、ピン結合としても良い。
1a,1b 柱
2a 上梁
2b 下梁
3 間柱ダンパー
4 粘弾性ダンパー
5、5c エネルギー吸収部材(低降伏比鋼パネル)
6 パネル増設部
7 フランジ
8、8a、8b スチフナ
9 取り付け用部材
31 柱材
32 剛部材(貫梁)
41 端部固定用部材
61 鉛直部材
62 水平部材
c、c1 境界部
d 交差位置
2a 上梁
2b 下梁
3 間柱ダンパー
4 粘弾性ダンパー
5、5c エネルギー吸収部材(低降伏比鋼パネル)
6 パネル増設部
7 フランジ
8、8a、8b スチフナ
9 取り付け用部材
31 柱材
32 剛部材(貫梁)
41 端部固定用部材
61 鉛直部材
62 水平部材
c、c1 境界部
d 交差位置
Claims (8)
- 建物の柱梁架構を構成する構面内に配置される履歴ダンパーと粘弾性ダンパーを備えた複合ダンパーであって,前記履歴ダンパーは前記構面を構成する左右の柱間に配置するエネルギー吸収部位と柱材からなる間柱型ダンパーであり,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位は前記履歴ダンパーの一方の端部側に配置され,前記粘弾性ダンパーは,前記履歴ダンパーと前記構面を形成する左側柱または右側柱の間の少なくとも一方に,前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部位と直列で、かつ前記履歴ダンパーの柱材とは別系統の力学的経路を有するように配置されていることを特徴とする複合ダンパー。
- 前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの、前記粘弾性ダンパーが配置される側のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の接合部と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする請求項1記載の複合ダンパー。
- 前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で前記構面に対し鉛直な部位が,前記履歴ダンパーのH形断面のフランジにおける柱材とエネルギー吸収部位の境界部に接合されて、前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする請求項2記載の複合ダンパー。
- 前記粘弾性ダンパーと前記履歴ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差して直列をなすように配置されていることを特徴とする請求項1記載の複合ダンパー。
- 前記履歴ダンパーはH型断面を有し、前記粘弾性ダンパーは、少なくとも前記履歴ダンパーと結合する端部が軸中心を同じくする十字型またはT字型断面で、前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部と前記粘弾性ダンパーは、前記粘弾性ダンパーの前記十字型断面またはT字型断面の端部で、柱梁に囲まれる構面に対し鉛直な部位が,前記粘弾性ダンパーの軸中心が、前記履歴ダンパーの柱材とエネルギー吸収部位の境界部におけるウェブ中心と交差するように、前記履歴ダンパーのH形断面のフランジに接合されて前記履歴ダンパーと前記エネルギー吸収部位が直列をなすように配置されていることを特徴とする請求項4記載の複合ダンパー。
- 前記履歴ダンパーと前記粘弾性ダンパーの接合部にスチフナまたはパネル増設部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
- 前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の複合ダンパー。
- 前記履歴ダンパーのエネルギー吸収部材とパネル増設部のエネルギー吸収部材が低降伏点鋼であることを特徴とする請求項6に記載の複合ダンパー。
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