JP2008308112A - 車両の電源搭載構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電源装置の放熱性を確保するとともに、電源装置が過度に冷却されるのを抑制することのできる電源搭載構造を提供する。
【解決手段】 電気自動車やハイブリッド自動車の電源装置(1)と、電源装置及び車両本体(5)の間であって、電源装置及び車両本体と隣り合う位置に、外部と仕切られた密閉空間(B)を形成するための仕切り部材(3)とを有し、密閉空間には、温度の上昇に応じて熱伝導率が増加する熱交換媒体が充填されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 電気自動車やハイブリッド自動車の電源装置(1)と、電源装置及び車両本体(5)の間であって、電源装置及び車両本体と隣り合う位置に、外部と仕切られた密閉空間(B)を形成するための仕切り部材(3)とを有し、密閉空間には、温度の上昇に応じて熱伝導率が増加する熱交換媒体が充填されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電源装置を車両に搭載するための電源搭載構造に関するものである。
従来、電動機を駆動源として用いた電気自動車や、駆動源としての電動機および他の駆動源とを組み合わせた、いわゆるハイブリッド電気自動車が実用化されている。この車両においては、電動機にエネルギである電力を供給するためのバッテリ(例えば、ニッケル−水素電池等の二次電池)が搭載されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
ここで、二次電池の性能や寿命は、環境温度に大きく依存し、特に、高温時に充放電を行うと、二次電池が著しく劣化してしまうことがある。そこで、二次電池の劣化を抑制するために、二次電池を冷却するための構成が提案されている。
具体的には、図3に示すように、ケース101内に二次電池102及び冷却液103を収容した電池パック100を、車両本体(例えば、フロアパネル)200に接触させたものがある。この構成では、二次電池102で発生した熱を、冷却液103を介してケース101に伝達させ、ケース101から大気中に放出させたり、ケース101に接触した車両本体200に伝達させたりしている。これにより、二次電池102の温度上昇を抑制することができる。
特開平08−276752号公報
特開2005−178732号公報
特開2000−108687号公報
特開平08−169242号公報
しかしながら、電池パック100を車両本体200の表面に接触させた状態で搭載した場合には、以下に説明する不具合が生じてしまう。
図3に示す構成において、充放電等によって二次電池102が発熱した場合には、この熱が冷却液103及びケース101を介して車両本体200に伝達されることにより、二次電池102の温度上昇を抑制することができる。しかし、車両本体200が過度に冷却された場合には、この車両本体200に接触している電池パック100も過度に冷却されてしまうことがある。すなわち、電池パック100(二次電池102)の熱が、過度に冷却された車両本体200によって奪われてしまう。
このように、二次電池102が過度に冷却された場合には、二次電池102の出力特性が低下してしまう。
本発明である車両の電源搭載構造は、電源装置と、電源装置及び車両本体の間であって、電源装置及び車両本体と隣り合う位置に、外部と仕切られた密閉空間を形成するための仕切り部材とを有し、密閉空間には、温度の上昇に応じて熱伝導率が増加する熱交換媒体が充填されていることを特徴とする。
ここで、電源装置が、電源体と、電源体を収容するケースとで構成されている場合には、仕切り部材及びケースを一体的に形成することができる。すなわち、電源体を収容するケースの一部を用いることにより、密閉空間を形成することができる。
また、仕切り部材として、電源装置を車両本体から離れた位置で支持する部材を用いることができる。具体的には、電源装置を支持する部材を用いることにより、密閉空間を形成することができる。
なお、熱交換媒体としては、空気を用いることができる。また、電源装置としては、二次電池や電気二重層キャパシタ(コンデンサ)等といった蓄電装置や、燃料電池を用いることができる。
本発明によれば、電源装置及び車両本体の間に形成された密閉空間内に、温度の上昇に応じて熱伝導率が増加する熱交換媒体を収容することにより、電源装置の放熱を効率良く行ったり、過度に冷却された車両本体によって電源装置も過度に冷却されるのを抑制したりすることができる。
すなわち、電源装置の温度が上昇した場合には、これに伴い熱交換媒体の熱伝導率も上昇することになり、電源装置の熱を車両本体に効率良く導くことができる。言い換えれば、電源装置の放熱を効率良く行うことができる。
また、車両本体が過度に冷却された場合には、車両本体と隣接する密閉空間内における熱交換媒体の熱伝導率が低下し、電源装置の熱が車両本体に逃げてしまうのを抑制することができる。言い換えれば、車両本体の過度の冷却に伴って、電源装置も過度に冷却されてしまうのを抑制することができる。
しかも、電源装置及び車両本体の間に、密閉空間を形成しているため、電源装置及び車両本体の間のスペースに熱交換媒体を留まらせておくことができ、上述した電源装置の温度上昇に伴う放熱や、車両本体の過度の冷却に対する断熱を効率良く行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の実施例1である電池パック搭載構造(電源搭載構造)について、図1を用いて説明する。ここで、図1(A)は、本実施例の電池パック搭載構造の断面を示す概略図であり、図1(B)は、本実施例の電池パック搭載構造を上方(図1(A)の矢印X方向)から見たときの概略図である。
電池パック1は、電気的に直列に接続された複数の単電池2aからなる組電池2と、この組電池2を収容するためのケース3とを有している。この電池パック1は、車両に搭載される。ここで、組電池2は、不図示の配線を介して電子機器(例えば、車両の走行に用いられるモータ)に接続されている。ケース3内の領域は、仕切り部3aによって、組電池2が収容される領域Aと、空気が充填された領域Bとに仕切られている。領域A,Bは、密閉空間となっている。
領域A内には、組電池2の他に、組電池2の冷却に用いられる冷却液4が充填されている。この冷却液4としては、絶縁性の油や不活性液体を用いることができる。絶縁性の油としては、シリコンオイル等が用いられる。また、不活性液体としては、フッ素系不活性液体である、フロリナート、Novec HFE(hydrofluoroether)、Novec1230(スリーエム社製)等を用いることができる。
ここで、ケース3のうち領域Aを形成する部分と、領域A内に収容された組電池2及び冷却液4とが、特許請求の範囲に記載の電源装置に相当する。また、ケース3のうち領域B(特に、領域Bの側面)を形成する部分が、特許請求の範囲に記載の仕切り部材に相当する。本実施例では、仕切り部材がケース3の一部として構成されている。
ケース3は、熱伝導性や耐食性等に優れた材料、例えば、冷却液4の熱伝導率と同等又はこれよりも高い熱伝導率を有する材料で形成することができる。具体的には、ケース3を金属(銅、鉄、アルミ等)で形成することができる。また、ケース3の表面における放熱効率を向上させるために、ケース3の外表面に突条の放熱フィンを設けることもできる。
ここで、本実施例では、単電池2aとして、円筒型の二次電池を用いている。二次電池としては、ニッケル−水素電池やリチウムイオン電池等がある。なお、単電池の形状は、円筒型に限るものではなく、角型等の他の形状であってもよい。また、本実施例では、二次電池を用いているが、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)や燃料電池を用いることもできる。ここでいう、二次電池等は、車両に搭載された電子機器の電源となる。
また、ケース3の領域A内に、領域A内の冷却液4を強制的に流動(循環)させるための撹拌部材(いわゆる、ファン)を設けることができる。これにより、冷却液4による組電池2の冷却効率を向上させることができる。
電池パック1(ケース3)は、車両本体(例えば、フロアパネルやフレーム)5に対して、ブラケット6により固定されている。ここで、電池パック1の底面は、車両本体5の表面に接触している。なお、本実施例では、ブラケット6を用いて、電池パック1を車両本体5に固定しているが、電池パック1を車両本体5に固定できるものであればいかなる構成であってもよい。例えば、ケース3を溶接等によって車両本体5に固定することもできる。
本実施例によれば、組電池2を収容する領域Aが車両本体5から離れた位置にあるため、車両本体5が過度に冷却された場合に、領域A内の組電池2が車両本体5によって過度に冷却されてしまうのを抑制することができる。ここで、密閉空間としての領域B内に存在する空気の熱伝導率は、温度が低くなるほど小さくなるため、車両本体5が過度に冷却されると、車両本体5に隣接する領域B内における空気の熱伝導率が小さくなる。このため、領域B内の空気を介して、領域A内の熱(すなわち、組電池2の熱)が車両本体5側に伝達するのを抑制することができる。
一方、充放電等によって組電池2が発熱した場合において、組電池2の熱は、冷却液4を介してケース3に伝達された後、ケース3の外表面を介して外部(大気中)に放出されたり、仕切り部3aを介して領域B内に伝達されたりする。ここで、密閉空間としての領域B内に存在する空気の熱伝導率は、温度が高くなるほど大きくなる。
したがって、領域B内の空気が、組電池2からの熱を仕切り部3aを介して受けた場合には、この空気の熱伝導率が上昇し、仕切り部3aからの熱を車両本体5側に導きやすくなる。
ここで、上述した特許文献2,4には、電池パックを車両本体から離した位置で保持する構成が記載されており、この構成では、電池パック及び車両本体の間に空気層が形成されていることになる。この構成では、空気層が存在することによって、車両本体が過度に冷却された場合でも、この車両本体によって電池パックが過度に冷却されるのを抑制することができる。しかしながら、特許文献2,4に記載の構成では、電池パック及び車両本体の間の領域が開放された空間となっており、この開放空間では、空気が自然対流することになる。
このような場合には、空気の自然対流によって、電池パックで発生した熱を、効率良く車両本体側に導くことができなくなってしまう。
例えば、電池パックで発生した熱が、電池パック及び車両本体の間に位置する空気に伝達されても、この空気が自然対流によって、電池パック及び車両本体の間以外の外部に移動してしまうことがある。この場合には、電池パック及び車両本体の間に位置する空気が電池パックからの熱を受けて、この熱伝導率が上昇したとしても、他の空気(電池パックからの熱を受けてない空気)と入れ替わることで、電池パック及び車両本体の間に位置する空気の熱伝導率は上昇し難くなってしまう。
本実施例では、領域A及び車両本体5の間に空気層を形成するものの、空気層が形成される領域Bが密閉空間となっているため、空気の自然対流は領域B内だけとなる。すなわち、領域Bと外部との間においては、空気の自然対流が生じないようになっている。これにより、領域B内の空気は、電池パック1からの熱を受け続けることができ、この熱伝導率を上昇させることができる。したがって、電池パック1からの熱を、領域B内の空気を介して車両本体5側に効率良く導くことができる。
このように、本実施例によれば、組電池2を収容した領域Aと車両本体5との間に、密閉空間を形成しただけの簡単な構成において、領域A内に収容された組電池2の温度調整を効率良く行うことができる。
なお、本実施例では、ケース3内に仕切り部3aを設け、組電池2を収容する領域A及び密閉空間を形成する領域Bを形成しているが、組電池2を収容する第1のケースと、密閉空間を形成する第2のケース(第1のケースとは別体)とを用意し、第1及び第2のケースを重ねるようにしてもよい。この場合には、車両本体5上に第2のケースが配置され、第2のケース上に第1のケースが配置される。
また、領域Aを形成するケースを用意するとともに、このケース及び車両本体5の間に、領域Bの側面を形成する部材(いわゆる仕切り部材)を配置することもできる。ここでいう仕切り部材は、4つの側面を有する枠体となる。この枠体は、領域Aを形成するケースと車両本体とに固定される。
さらに、本実施例において、領域A及び領域Bは、図1のX方向から見たときに、略等しい大きさとなっているが、領域Bを領域Aよりも小さくしたり、大きくしたりすることもできる。
次に、本発明の実施例2である電池パック搭載構造の構成について、図2を用いて説明する。ここで、図2(A)は、本実施例の電池パック搭載構造の断面を示す概略図であり、図2(B)は、本実施例の電池パック搭載構造を上方(図2(A)の矢印X方向)から見たときの正面図である。なお、本実施例において、上述した実施例1(図1)で説明した部材と同一の機能を有する部材については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
実施例1では、組電池2を収容するケース3(仕切り部3a)を用いることにより、組電池2を収容する領域Aと車両本体5との間に密閉空間(領域B)を形成しているが、本実施例では、電池パック1を支持するためのブラケット6を用いて、電池パック1及び車両本体5の間に密閉空間を形成するものである。以下、上述した実施例(図1)とは異なる部分について説明する。
ケース3内には、複数の単電池2aからなる組電池2と、組電池2の冷却に用いられる冷却液4とが収容されている。このケース3は、図2(B)に示すように、4つの外側面においてブラケット6により支持されている。ケース3の外側面を支持する各ブラケット6は、この両端部において他のブラケット6の両端部と当接している。
上述したように複数のブラケット6を配置することにより、ケース3は、車両本体5の表面から離れた位置で保持され、ケース3及び車両本体5の間には密閉空間としての領域Bが形成される。このように密閉空間を形成することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。ここで、本実施例におけるブラケット6は、特許請求の範囲に記載の仕切り部材に相当する。
上述した実施例1,2では、組電池2を収容する領域Aと車両本体5との間に形成された密閉空間内(領域B内)に空気を充填しているが、空気以外の気体を用いることもできる。具体的には、空気と同様の熱特性を有する気体を用いることができる。言い換えれば、温度の上昇に応じて熱伝導率が大きくなる特性を有する気体を用いることができる。
また、気体だけではなく、上述した熱特性を有する液体を用いることもできる。液体を用いる場合には、領域Bからの液漏れを防止するために、シール材を用いることが好ましい。上述した熱特性を有する気体や液体を用いても、上述した実施例1,2と同様の効果を得ることができる。
さらに、上述した実施例1,2では、ケース3を用いて領域Bを形成したり、ブラケット6を用いて領域Bを形成したりしているが、これに限るものではなく、領域A及び車両本体5の間に、密閉空間としての領域Bを形成できるものであれば、いかなる構造であってもよい。具体的には、領域Bと外部とを仕切る機能を有する部材(仕切り部材)を用いて密閉空間を形成すればよい。
1:電池パック
2:組電池
2a:単電池
3:ケース
4:冷却液
6:ブラケット
A:領域(組電池の収容領域)
B:領域(密閉空間)
2:組電池
2a:単電池
3:ケース
4:冷却液
6:ブラケット
A:領域(組電池の収容領域)
B:領域(密閉空間)
Claims (4)
- 電源装置と、
該電源装置及び車両本体の間であって、前記電源装置及び前記車両本体と隣り合う位置に、外部と仕切られた密閉空間を形成するための仕切り部材とを有し、
前記密閉空間には、温度の上昇に応じて熱伝導率が増加する熱交換媒体が充填されていることを特徴とする車両の電源搭載構造。 - 前記電源装置は、電源体と、該電源体を収容するケースとを有しており、
前記仕切り部材は、前記ケースと一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の電源搭載構造。 - 前記仕切り部材は、前記電源装置を前記車両本体から離れた位置で支持する部材であることを特徴とする請求項1に記載の車両の電源搭載構造。
- 前記熱交換媒体が空気であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の車両の電源搭載構造。
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CN105742751A (zh) * | 2014-12-26 | 2016-07-06 | 丰田自动车株式会社 | 电池组 |
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