JP2008307975A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルク信号系の異常発生後に正常に復帰したとき、アシストトルクの急変を抑えて操向ハンドル操作に違和感を与えない電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 操舵トルクTA のA点でメイントルクセンサに異常が発生すると、異常なメイントルク信号Tmeと正常なサブトルク信号(反転値)Tsaが出力される。|Tm −Ts |が正常復帰条件を示す閾値である所定値α以下(|Tm −Ts |α)で、且つ、その状態が所定時間w以上継続したこと(第1の正常復帰条件)に加えて、メイントルク信号Tm の絶対値|Tm |が所定値γより小さく(|Tm |<γ)又はサブトルク信号Tsの絶対値|Ts |が所定値γより小さく(|Ts |<γ)、且つ、その状態が所定時間x以上継続したことを条件(第2の正常復帰条件)として、初めてトルク信号系は正常復帰したと判定する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特にトルク信号系の異常の発生後に正常復帰した場合に発生するアシストトルクの急変を抑え、操向ハンドル操作に違和感を与えない制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置は、操向ハンドルの操作によりステアリングシヤフトに発生する操舵トルクと車速を検出し、その検出信号に基づいてモータを駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものである。このような電動式パワーステアリング装置の制御はマイクロコンピュータで構成された制御装置で実行されるが、その制御の概要は、トルクセンサで検出された操舵トルクと車速センサで検出された車速に基づいてモータに供給する電流の大きさを演算し、その演算結果に基づいてモータに供給する電流を制御する。
即ち、制御装置は操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生しているとき、検出された車速が零あるいは低速の場合は大きな操舵補助力を供給し、検出された車速が速い場合は小さな操舵補助力を供給するように操舵トルクと車速に応じてモータ電流の制御目標値を演算し、実際にモータに流れる電流がモータ電流の制御目標値に一致するようフイードバツク制御を行ない、走行状態に応じた最適の操舵補助力を与えている。
何等かの原因により、トルク信号系に異常が発生すると、モータ電流の制御目標値を演算できず、ステアリング装置に最適の操舵補助力を与えることができなくなってしまう。この場合、従来の装置ではモータによる操舵補助を停止することで、ステアリング装置の誤動作を防止し、危険を回避していた(特許文献1・段落0003参照)。
また、トルク信号系に異常が発生した後に正常な状態に復帰した場合は、異常発生により供給を停止した操舵補助力を再び規定値まで立上げる制御が行われる場合があるが、このような場合は、トルク信号系の異常発生の前後で操舵に必要な操舵トルクが大幅に異なるため、運転者に操向ハンドル操作に違和感を与える場合がある。
この対策として、トルク信号系に異常が発生した後に正常な状態に復帰した場合は、トルクの急変を防止する手段を設けることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−200842号公報 特許第3397065号公報
従来の電動パワーステアリング装置は、トルク信号系、即ちトルクセンサやハーネス等に異常の発生が検出された場合でも、その後に正常状態を示す信号が検出されたような場合は、操舵補助を継続させるために正常復帰したものとして操舵補助制御を継続するように構成されていた。しかし、発生した異常の内容と操舵状態によっては、異常状態が継続しているにも拘らず正常状態に復帰したものと誤って判定することがあり、異常検出と正常復帰が繰り返されることがあった。
以下、図5及び図6を参照して、従来の電動パワーステアリング装置において、上記異常検出と正常復帰が繰り返される理由を説明する。なお、ここでは、互いに反転特性を有するメイントルクセンサ及びサブトルクセンサが使用されているものとし、トルクセンサの異常検出は、メイントルク信号とサブトルク信号との差の絶対値が所定値を越えた状態が所定時間継続したとき、メイントルクセンサ(或いはサブトルクセンサ)の異常として検出されるものとする。
図5は、正常状態における操舵トルクとメイントルクセンサ及びサブトルクセンサの出力電圧の関係を説明する図で、横軸は操舵トルク、縦軸はセンサ出力電圧である。図5に示されるように、正常状態においてはセンサ出力電圧は操舵トルクの大きさに比例した電圧が出力される。なお、「左切り」「右切り」は操向ハンドルの操作方向である。
図6は、異常状態が発生したときの操舵トルクとメイントルクセンサ及びサブトルクセンサの出力電圧の関係を説明する図で、横軸は操舵トルク、縦軸はセンサ出力電圧である。操舵トルクTA のA点において、メイントルクセンサに異常が発生した状態を示す。メイントルクセンサからは一定値に固定された異常なメイントルク信号Tmeが出力され、サブトルクセンサからは正常なサブトルク信号(反転値)Tsaが出力される。
この後、異常発生時のメイントルク信号Tmeとサブトルク信号(反転値)Tsaとの差の絶対値|Tsa−Tme|が、正常復帰条件を示す閾値である所定値αを越える状態が所定時間t継続すると異常と判定し、操舵補助用のモータに供給するモータ電流の漸減が開始される。異常と判定されたときにアシストトルクを突然零にすると危険なため、モータ電流の漸減してアシストトルクを徐々に減少させる。
アシストトルクが徐々に減少すると、操舵トルク(操向ハンドルの操作により発生する操舵トルク)は増加し、操舵トルクTB のB点に移動する。この結果、サブトルク信号(反転値)Tsbが出力(図6では異常発生時のメイントルク信号Tmeと重なる)されるが、サブトルク信号TsbはTsaよりも小さな信号のため、異常発生時のメイントルク信号Tmeとの差の絶対値|Tsb−Tme|が前記した|Tsa−Tme|よりも小さくなって、正常復帰条件を示す閾値である所定値α以下となる状態が所定時間継続すると、異常が発生しているにも拘らず正常復帰したと誤判断されてしまう。
上記のように誤判断であっても正常復帰したと判断された後は、操舵補助用のモータに供給するモータ電流の漸増が開始される。このとき異常が発生したときメイントルク信号が大きい値に固定されている程、モータ電流は増加して、異常発生後と正常復帰後との間のトルク変動は大きくなる。
アシストトルクの増加に伴い、操舵トルク(操向ハンドルの操作により発生する操舵トルク)は減少して再びA点に移動し、サブトルク信号は減少する。再びメイントルク信号とサブトルク信号との差が正常復帰条件を示す閾値である所定値αを越えるため、異常の発生と判定される。
以上は、トルクセンサの異常発生と正常復帰したとき、モータ電流の漸減/漸増処理により発生する例であるが、これ以外に運転者の操向ハンドルの操作により操舵トルクが変動しても、トルクセンサの異常発生と正常復帰が繰り返し発生する。
上記した従来の異常判定条件及び正常復帰条件を整理すれば、以下のとおりとなる。
メイントルク信号Tm とサブトルク信号(反転値)Ts との差の絶対値|Tm −Ts |が、正常復帰条件を示す閾値である所定値αを越え、且つ、所定値αを越えた状態が所定時間tだけ継続したとき。この条件が満されたときトルクセンサは異常と判定される。
メイントルク信号Tm とサブトルク信号(反転値)Ts との差の絶対値|Tm −Ts |が、正常復帰条件を示す閾値である所定値α以下(|Tm −Ts |≦α)の状態が所定時間継続したとき、トルクセンサは正常に復帰したと判定される。
以上説明したように、従来の異常判定条件及び正常復帰条件によっては、トルクセンサに異常が発生した場合、モータ電流の漸減/漸増処理の仕方によっては、異常検出と正常復帰が繰り返されて操向ハンドルが運転者の意図しない動きをしてしまい、運転者に違和感を与えてしまう不都合が発生することがある。この発明は、上記した課題の解決を目的とするものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、ステアリングシャフトに結合された操舵補助用のモータと、検出された操舵トルクに基づいてモータに供給する電流指令値を演算する電流指令値演算手段と前記トルクセンサで検出されたトルク信号の異常を判定する異常判定手段及びモータから供給されるアシスト力を漸減・漸増する漸減・漸増演算手段とを有する制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記制御装置は、前記トルクセンサで検出されたトルク信号が予め設定されたトルク信号系の異常判定条件と正常復帰判定条件の充足状況に基づいて、トルク信号系の異常、及び異常状態からの正常復帰を判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、異常判定条件が充足されないことに加えて、所定の条件が充足されたとき正常復帰したとする条件である。
そして、前記トルク信号系の異常判定条件は、メイントルク信号とサブトルク信号との差の絶対値が予め設定された所定値αを越え、且つ、所定値αを越えた状態が所定時間t以上継続したときを異常とする判定条件である。
また、前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、以下に記載する第1の条件と、第2の条件とが同時に充足されていることを要件とする。
第1の条件:メイントルク信号とサブトルク信号との差の絶対値が予め設定された所定値α以下であり、且つ、その状態が所定時間w以上継続していること、
第2の条件:メイントルク信号とサブトルク信号がトルク中立付近で、且つ、その状態が所定時間x以上継続していること。
ここで、前記トルク中立付近とは、メイントルク信号とサブトルク信号の少なくとも一方の絶対値が所定値γより小さいときを、トルク中立付近とする。
また、前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、異常判定条件成立後、検出されたトルクの方向が異常判定されたトルクの方向と反転し、且つ、その状態が所定時間xだけ継続したときを正常復帰とする判定条件でもある。
そして、前記制御装置は、トルク信号系が前記異常判定条件を満たしたときはモータから供給されるアシスト力を漸減させるものとする。
そして、前記制御装置は、トルク信号系が前記正常復帰判定条件を満たしたときはモータから供給されるアシスト力を漸増させるものとする。
この発明によれば、トルクセンサで検出されたトルク信号が、予め設定されたトルク信号系の異常判定条件と正常復帰判定条件を充足しているか否かに基づいて、トルク信号系の異常、及び異常状態からの正常復帰を判定するから、誤判定を防ぎ、アシストトルクの急変を抑えて操向ハンドル操作に違和感を与えることがない制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明を実施するに適した電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア4、ユニバーサルジョイント5a、5b、ピニオンラツク機構7を経て操向車輪のタイロツド8に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が設けられており、また、操舵力を補助するモータ9が減速ギア4を介して軸2に結合している。
電動パワーステアリング装置を制御する制御装置10は、バツテリ14からイグニッシヨンキー11を経て、イグニッシヨンキー信号が供給されるとともに、並列の電源ラインから電力が供給される。制御装置10はトルクセンサ3で検出された操舵トルクと車速センサ12で検出された車速に基づいて電流指令値の演算を行い、演算された電流指令値に基づいてモータ9に供給する電流iを制御する。
図2は、電動パワーステアリング装置の制御装置10とその周辺回路要素を説明するブロツク図である。この実施の形態では、制御装置10の主要部分はCPUから構成されるが、ここではそのCPU内部においてプログラムで実行される機能を示してある。例えば、異常判定部10aは独立したハードウエアとしての異常判定部10aを示すものではなく、CPUで実行されるトルク信号の異常を判定する機能を示す。なお、制御装置10をCPUで構成せず、これらの機能要素をそれぞれ独立したハードウエア(電子回路)で構成できることは言うまでもない。
以下、図2を参照して制御装置10の機能と動作を説明する。トルクセンサ3はステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出するもので、ステアリングシャフトの右回転と左回転に応じて一方のインダクタンスが増加するとき他方のインダクタンスが減少するように構成された2つの検出コイルから構成され、検出されたメイントルク信号Tm 及びサブトルク信号Ts は異常判定部10aに出力される。
異常判定部10aは入力されたメイントルク信号Tm とサブトルク信号Ts (反転値)とを比較し、トルクセンサ3の異常を判定するもので、例えば、メイントルク信号Tm とサブトルク信号Ts (反転値)とを比較し、所定の許容誤差範囲内で一致すれば正常、一致しなければ異常と判定する。正常なメイントルク信号Tm は、電流指令演算部10bに出力される。なお、以下の説明では、サブトルク信号Ts は特に断りがなくても反転値を指すものとする。
電流指令演算部10bは、入力された正常なメイントルク信号Tm と、車速センサ12から入力された車速信号に基づいて所定の演算式によりモータ9に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iを演算する。例えば、電流指令演算部10bは、トルクと車速に応じて予め決定されている電流指令値を示す特性マップに基づいて電流指令値Iを算出し、漸減・漸増演算部10cに出力する。
漸減・漸増演算部10cは、演算された電流指令値Iを入力として電流指令値Iを漸減・漸増するもので、入力されたトルク信号が異常であると判定されたときは、異常であると判定される前に演算、又は記憶された電流指令値Iに、時間と共に徐々に減少するゲインを乗算して出力する。また、トルク信号が異常状態から正常に復帰したと判定されたときは、時間と共に徐々に増加するゲインを乗算して出力する。
漸減・漸増演算部10cの後段には加算器10dが備えられており、後述するモータ電流検出回路22で検出されたモータ電流検出値iが加算器10dにフィードバックされ、フィードバック制御が行なわれる。
特性補償部10eは、前記漸減・漸増され、モータ電流検出値iがフィードバックされた電流指令値に対して所定の特性補償(例えば、PID補正)を行うもので、特性補償された電流指令値Dはモータ駆動回路21に出力される。
なお、この実施の形態では、アシスト力の漸減・漸増手段として、電流指令値Iを漸減・漸増させる構成で説明したが、操舵トルクを漸減・漸増させる構成や、半導体スイッチング素子を駆動制御するデューテイ比を漸減・漸増させる構成としてもよい。
モータ駆動回路21は、例えば半導体スイッチング素子をブリッジ接続した公知のHブリッジ回路であって、特性補償された電流指令値Dに基づいて半導体スイッチング素子を駆動制御するデューテイ比を演算し、演算されたデューテイ比とモータ回転方向信号に基づいて半導体スイッチング素子をON/OFF制御して電源であるバッテリ14から供給される電流を制御し、モータ9を駆動する。
モータ電流検出回路22は、モータ9に流れるモータ電流を検出するもので、検出されたモータ電流iは前記した加算器10dにフイードバックされる。
以上の構成により、検出された操舵トルクが大きく、また検出された車速が零あるいは低速の場合は電流指令値Iが大きく設定され、検出された操舵トルクが小さく、また検出された車速が速い場合は電流指令値Iが小さく設定されるから、走行状態に応じた最適のアシスト力をステアリングシャフトに与えることができる。
次に、図3を参照して、この発明によるトルク信号系に異常が発生した場合の処理を説明する。ここでは、メイントルクセンサに異常状態が発生したときの処理を例に説明する。この処理は、先に図6で説明した従来のメイントルクセンサに異常状態が発生したときに発生する不都合を解決することができる。以下の説明は、先に説明した図6とその記載と対比すると理解しやすい。
図3は、この発明によるメイントルクセンサに異常状態が発生したときの状態と処理を説明する図で、横軸は操舵トルク、縦軸はセンサ出力電圧である。
操舵トルクTA のA点において、メイントルクセンサに異常が発生した状態を示す。メイントルクセンサからは一定値に固定された異常なメイントルク信号Tmeが出力され、サブトルクセンサからは正常なサブトルク信号(反転値)Tsaが出力される。
異常発生時の、メイントルク信号Tmeとサブトルク信号(反転値)Tsaとの差の絶対値|Tsa−Tme|が正常復帰条件を示す閾値である所定値αを越える状態が所定時間t継続したときは異常発生と判定され、操舵補助用のモータに供給する電流を減少させてアシスト力の漸減が開始されてアシスト力は徐々に減少する。
アシスト力が徐々に減少すると、操舵トルク(操向ハンドルの操作により発生する操舵トルク)は増加し、操舵トルクTB のB点に移動する。この結果、サブトルク信号(反転値)Tsbが出力(図3では異常発生時のメイントルク信号Tmeと重なる)され、サブトルク信号TsbはTsaよりも小さな信号のため、異常発生時のメイントルク信号Tmeとの差の絶対値|Tsb−Tme|が前記した|Tsa−Tme|よりも小さくなって、正常復帰条件を示す閾値である所定値α以下となる。
ここまでは、先に図6で説明した従来のメイントルクセンサに異常状態が発生した後に正常復帰したと判断される状態と変らない。
以下は、この発明の特徴とする異常発生後の正常復帰の判定条件である。
この発明では、従来の正常復帰条件である「メイントルク信号Tm とサブトルク信号(反転値)Ts との差の絶対値|Tm −Ts |が、正常復帰条件を示す閾値である所定値α以下(|Tm −Ts |≦α)で、且つ、その状態が所定時間w以上継続したこと(第1の正常復帰条件)に加えて、メイントルク信号Tm の絶対値|Tm |が所定値γより小さく(|Tm |<γ)、又はサブトルク信号(反転値)Ts の絶対値|Ts |が所定値γより小さく(|Ts |<γ)、且つ、その状態が所定時間x以上継続したことを条件(第2の正常復帰条件)として、初めて正常復帰したと判定する。
正常復帰条件を整理すれば、以下のとおりとなる。
(1) |Tm −Ts |α、且つ、その状態が所定時間wだけ継続し、且つ、
(2) (|Tm |<γ)又は(|Ts |<γ)の状態が所定時間x以上継続したとき。
上記(|Tm |<γ)又は(|Ts |<γ)の条件は、所定値γが小さいときはトルク中立付近(操舵トルクが殆ど発生していない付近)を意味する。図3において、正常復帰範囲を示した線は、この範囲を示している。
上記した正常復帰条件において、上記(2) の条件(第2の正常復帰条件)が満たされるときは、上記(1) の条件(第1の正常復帰条件)で規定される所定時間wは零とすることも可能である。
以上の説明では、メイントルクセンサに異常が発生したものとして説明したが、サブトルクセンサに異常が発生した場合も同様である。
図4は、制御装置10において実行されるトルク信号の異常検出と、異常が検出されたときにモータから供給されるアシスト力の漸減・漸増処理を説明するフローチャートである。まず、メイントルク信号Tm とサブトルク信号Ts を読み取り(ステップP1、P2)、メイントルク信号Tm とサブトルク信号Ts (反転値)とを比較する異常判定の演算を行う(ステップP3)。
異常判定条件が成立したか否かを判定し(ステップP4)、異常判定条件が成立しない場合は、異常フラグがONか否かを判定する(ステップP5)。異常フラグがONでない場合は、トルクセンサは正常で、トルク信号も正常であるから、通常時の処理を行い(ステップP6)、主ルーチンに戻る。
ステップP5の判定で異常フラグがONの場合は、異常発生後の正常復帰時の処理を行う。即ち、従来の正常復帰条件である(|Tm −Ts |α)が満たされ、且つその状態が所定時間w以上継続したか否か、即ち第1の正常復帰条件が成立したか否かを判定する(ステップP10)。
第1の正常復帰条件が成立している場合は、第2の正常復帰条件であるメイントルク信号Tm の絶対値|Tm |が正常復帰条件を示す閾値である所定値γより小さい(|Tm |<γ)か否か(ステップP11)、又はサブトルク信号Ts の絶対値|Ts |が所定値γより小さい(|Ts |<γ)か否かを判定する(ステップP12)。ステップP11又はステップP12の判定が成立するときは、更に所定時間xの経過を計時するタイマを設定して計時を開始し(ステップP13)、所定時間xが経過したか否かを判定し(ステップP14)、所定時間xが経過していないときはステップP23に進む。また、ステップP14の判定で所定時間xが経過したときは、ステップP10からP12、及びP14の条件が成立し、正常復帰したものと決定して異常フラグをOFFとし(ステップP15)、正常復帰時の処理、即ち、モータ電流を増加させてアシスト力の漸増などの処理を行い(ステップP16)、主ルーチンに戻る。
ステップP4の判定で、異常判定条件が成立した場合は、異常フラグをONとし(ステップP21)、タイマをOFFとし(ステップP22)、異常時の処理、即ち、モータ電流を減らしてアシスト力の漸減処理を行い(ステップP23)、主ルーチンに戻る。
また、ステップP10からP12までの条件が成立しない時はステップP22に移り、以降の異常時の処理を行う。
この発明の実施の形態で説明した正常復帰条件は以下の通りである。
(1) |Tm −Ts |α、且つ、その状態が所定時間wだけ継続し、且つ、
(2) (|Tm |<γ)又は(|Ts |<γ)の状態が所定時間x以上継続したとき。
上記(1) は第1の正常復帰条件、上記(2) は第2の正常復帰条件である。上記第2の正常復帰条件(2) は、所定値γが小さいときはトルク中立付近(操舵トルクが殆ど発生していない付近)を意味するから、上記(2) の条件は、「トルク中立付近で、且つ、その状態が所定時間xだけ継続したとき」と言うこともできる。
また、メイントルクセンサ或いはサブトルクセンサ(以下、トルクセンサという)に異常が発生したことが判明した場合は、検出された異常なトルクの方向(右切り(+)、左切り(−))を記憶しておき、以後、検出されたトルクの方向(右切り(+)、左切り(−))が記憶されているトルクの方向(右切り(+)、左切り(−))と反転し、その状態が所定時間x以上継続したとき、トルクセンサは正常復帰したものと判定することもできる。
即ち、「異常判定条件成立後、検出されたトルクの方向(右切り(+)、左切り(−))が異常判定されたトルクの方向(右切り(+)、左切り(−))と反転し、その状態が所定時間x以上継続したとき」、を正常復帰条件とすることもできる。
この発明は、特にトルク信号系に異常が発生した後に正常に復帰したとき、アシストトルクの急変を抑えて操向ハンドル操作に違和感を与えることがない制御装置を備えた電動パワーステアリング装置である。
電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図。 電動パワーステアリング装置の制御装置とその周辺回路要素を説明するブロツク図。 この発明によるメイントルクセンサ異常状態が発生したときの操舵トルクとメイントルクセンサ及びサブトルクセンサの出力電圧の関係を説明する図。 制御装置で実行されるトルク信号の異常検出と異常が検出されたときの漸減・漸増処理を説明するフローチャートである。 正常状態における操舵トルクとメイントルクセンサ及びサブトルクセンサの出力電圧の関係を説明する図。 従来の電動パワーステアリング装置における異常状態の発生と正常復帰時の操舵トルクとメイントルクセンサ及びサブトルクセンサの出力電圧の関係を説明する図。
符号の説明
1 操向ハンドル
2 軸
3 トルクセンサ
4 減速ギア
5a、5b ユニバーサルジョイント
7 ピニオンラツク機構
8 タイロツド
9 モータ
10 制御装置
10a 異常判定部
10b 電流指令演算部
10c 漸減・漸増演算部
10d 加算器
10e 特性補償部
11 イグニッシヨンキー
12 車速センサ
21 モータ駆動回路
22 モータ電流検出回路

Claims (8)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出するトルクセンサと、ステアリングシャフトに結合された操舵補助用のモータと、検出された操舵トルクに基づいてモータに供給する電流指令値を演算する電流指令値演算手段と前記トルクセンサで検出されたトルク信号の異常を判定する異常判定手段及びモータから供給されるアシスト力を漸減・漸増する漸減・漸増演算手段とを有する制御装置とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、前記トルクセンサで検出されたトルク信号が予め設定されたトルク信号系の異常判定条件と正常復帰判定条件の充足状況に基づいて、トルク信号系の異常、及び異常状態からの正常復帰を判定すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、異常判定条件が充足されないことに加えて、所定の条件が充足されたとき正常復帰したとする条件であること
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記トルク信号系の異常判定条件は、メイントルク信号とサブトルク信号との差の絶対値が予め設定された所定値αを越え、且つ、所定値αを越えた状態が所定時間t以上継続したときを異常とする判定条件であること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、以下に記載する第1の条件と、第2の条件とが同時に充足されていることを要件とすること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
    第1の条件:メイントルク信号とサブトルク信号との差の絶対値が予め設定された所定値α以下であり、且つ、その状態が所定時間w以上継続していること、
    第2の条件:メイントルク信号とサブトルク信号がトルク中立付近にあり、且つ、その状態が所定時間x以上継続していること。
  5. 前記トルク中立付近とは、メイントルク信号とサブトルク信号の少なくとも一方の絶対値が所定値γより小さいとき、トルク中立付近と判定すること
    を特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記トルク信号系の正常復帰判定条件は、異常判定条件成立後、検出されたトルクの方向が異常判定されたトルクの方向と反転し、且つ、その状態が所定時間xだけ継続したときを正常復帰とする判定条件であること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記制御装置は、トルク信号系が前記異常判定条件を満たしたときはモータから供給されるアシスト力を漸減させること
    を特徴とする請求項1又は3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記制御装置は、トルク信号系が前記正常復帰判定条件を満たしたときはモータから供給されるアシスト力を漸増させること
    を特徴とする請求項1又は2、及び4乃至6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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