JP2008307923A - 駆動力分配装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】横置きエンジンのFF車をベースとした4輪駆動車において、簡素かつ安価な構造でありながら、後輪に常に駆動力を分配できる駆動力分配装置を提供する。
【解決手段】フロントデフケース31とトランスファ入力軸53との間に、差動歯車対としてのディファレンシャルベベルピニオン34,34及びディファレンシャルベベルギヤ35,35が前輪に向けて動力伝達を行う際に発生するギヤ反力、すなわちフロントディファレンシャル装置30の駆動反力によってフロントデフケース31とトランスファ入力軸53とを結合して、後輪に向けて動力伝達を行うトランスファ装置60への駆動力の調節を行う多板クラッチ52を備えるようにする。
【選択図】図2

Description

この発明は、駆動力分配装置に関し、特に、横置きエンジンのFF車をベースとした4輪駆動車の駆動力分配装置に関する。
従来、横置きエンジンのFF車をベースとした4輪駆動車にあっては、前車軸前方に横置きされたエンジンに一体化されたトランスミッションケース内のフロントデフケースからトランスファ装置を介して後輪へ駆動力を伝達するように構成されている。
後輪への駆動力は、フロントデフとリヤデフとの間に設けたビスカスカップリングや電子制御カップリングによって調節したり、フロントデフケースとトランスファ入力軸とを結合させるようにフロントデフケースに内蔵された多板クラッチによって調節するようになっている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭64−85814号公報 特開平01−153841号公報
しかしながら、上記したビスカスカップリングは前後輪に回転差が生じないと駆動力の伝達を行わないので、雪道等の滑りやすい路面での発進時に前輪がスリップしやすい。また、電子制御カップリングはコストが高く、価格を低く抑えたい軽自動車などには不向きである。
また、上記特許文献1及び2に記載のものにあっては、多板クラッチを油圧(前者)または電動モータ(後者)によって動作させているため、フロントデフケース内部が複雑化すると共にコストがかかり、価格を低く抑えたい軽自動車などには不向きである。
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、横置きエンジンのFF車をベースとした4輪駆動車において、簡素かつ安価な構造でありながら、後輪に常に駆動力を分配できる駆動力分配装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、横置きエンジンに一体化された変速装置から出力される駆動力によって回転し、かつ前車軸に連なった差動歯車対を介して前輪に駆動力を伝達するフロントデフケース内に配設され、前記フロントデフケースに伝達された駆動力を、前記前車軸上に相対回転可能に設けられたトランスファ入力軸を介して、後輪へ駆動力を伝達するトランスファ装置に分配する駆動力分配装置において、
前記フロントデフケースと前記トランスファ入力軸との間に、前記差動歯車対が動力伝達を行う際に発生するギヤ反力によって前記フロントデフケースと前記トランスファ入力軸とを結合して、前記トランスファ装置への駆動力の調節を行う多板クラッチを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、多板クラッチは、駆動力を前輪に伝達する際に差動歯車対が発生するギヤ反力によって、フロントデフケースとトランスファ入力軸とを結合して、トランスファ装置への駆動力の調節を行う。これにより、多板クラッチを調節するため従来は必要とされていた油圧回路または駆動モータが不要となるので、フロントデフケース内部を簡素化することができると共に、安価に構成することができる。
上記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記多板クラッチは、前記ギヤ反力がかかっていない状態では半クラッチ状態であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、多板クラッチは、ギヤ反力がかからないアクセル状態では半クラッチ状態となる。これにより、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、ギヤ反力がかからないアクセル状態であっても、多板クラッチの引きずり分ぐらいの動力伝達は行うので、常に後輪に駆動力を伝達することが可能となる。
上記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の構成に加えて、前記駆動力分配装置は、前記前輪のスリップを検出する検出手段と、前記前輪のスリップを検出すると直ちにスリップ輪にブレーキをかけるブレーキ制御手段とを備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、検出手段が前輪のスリップを検出し、ブレーキ制御手段がスリップ輪に直ちにブレーキをかけるとスリップ輪に擬似的にLSD作用が働いてスリップが止まるようになる。これにより、請求項1または2に記載の発明の作用効果に加えて、前輪スリップによるギヤ反力の低下が未然に防止され、後輪に安定した駆動力を伝達することができるようになる。
本発明の駆動力分配装置によれば、フロントデフケースに内蔵させた多板クラッチは、差動歯車対が動力伝達を行う際に発生するギヤ反力、すなわちフロントディファレンシャル装置の駆動反力を用いて動力伝達力を調節するので、簡素かつ安価な構造でありながら、後輪に常に駆動力を分配することが可能となる。その結果、価格を低く抑えたい軽自動車や排気量の小さい自動車などに好適である。
本発明の実施の形態に係る駆動力分配装置を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る駆動力分配装置を備えた動力伝達装置の内部構造を示した平断面図、図2は、本駆動力分配装置構造を示した拡大図、図3は、図2のスケルトン図である。
まず、動力伝達装置100について説明する。
動力伝達装置100は、図1に示されるように、前車軸前方に横置きされたエンジン(図示せず)から前後輪に動力を伝達するように構成されているものであって、クラッチ10、変速装置20、フロントディファレンシャル装置30、前車軸としての左右の出力軸40,41、駆動力分配装置50、トランスファ装置60を備えている。
詳述すると、クラッチ10は、フライホイール11、クラッチディスク12、クラッチカバー13、レリーズフォーク14、レリーズベアリング15を備えている。
フライホイール11は、エンジン出力軸(クランク軸)に連なっていると共に、クラッチディスク12は、変速装置20の入力軸22に連なっている。そして、クラッチペダル操作に追従するケーブル(図示せず)が、レリーズフォーク14を介してレリーズベアリング15を左右方向に往復動させることにより、エンジンから変速装置20に伝達される動力の接断を行う。つまり、レリーズベアリング15が、クラッチカバー13に一体化されたダイヤフラムスプリング16の中央部を押圧していない状態にあっては、フライホイール11、クラッチディスク12、クラッチカバー13に一体化されたプレッシャプレート17が互いに圧着して動力伝達がなされる。これに対し、レリーズベアリング15がダイヤフラムスプリング16の中央部を押して反り返えらせた状態にあっては、プレッシャプレート17にかかっていた押圧力がなくなり、フライホイール11、クラッチディスク12、プレッシャプレート17が離れて動力伝達が遮断される。
変速装置20(本実施形態にあってはMT)は、トランスミッションケース21、入力軸22、第1〜第5速の駆動ギヤ230〜234、リバースギヤ235、出力軸24、第1〜第5速の従動ギヤ250〜254、シンクロメッシュ機構260〜262を備えている。
入力軸22は、トランスミッションケース21に回転可能に支持されると共に、右軸部にはクラッチディスク12が連なっている。また、この入力軸22には、第1〜第5速の駆動ギヤ230〜234及びリバースギヤ235が一体形成されている。また、出力軸24は、トランスミッションケース21に回転可能に支持されると共に入力軸22に並行した状態で配置されている。この出力軸24上には、第1〜第5速の従動ギヤ250〜254が、第1〜第5速の駆動ギヤ230〜234と常時噛み合った状態で空転かつ固定可能に設けられている。これら第1〜第5速の従動ギヤ250〜254は、シンクロメッシュ機構260〜262によって出力軸24に固定される。
クラッチ10から入力軸22に伝わった駆動力は、入力軸22上の駆動ギヤから、ギヤチェンジ操作にしたがったシンクロメッシュ機構260〜262の何れか1つにより固定された出力軸24上の従動ギヤに伝達されて出力軸24を回転させる。この出力軸24の右軸部には、ドライブギヤ241が一体的に形成されており、変速装置20からフロントディファレンシャル装置30に向かって駆動力が伝達されるようになっている。
なお、トランスミッションケース21にはクラッチハウジング211が一体形成されており、ケース21内の潤滑油(ギヤオイル)がクラッチ10に流れ込まないようになっている。
フロントディファレンシャル装置30は、フロントデフケース31(以下、デフケース)、ストレートピン32、ピニオンシャフト33、差動歯車対としてのディファレンシャルベベルピニオン34,34(差動小歯車)及びディファレンシャルベベルギヤ35,35(差動大歯車)を備えている。
デフケース31は、トランスミッションケース21に一体形成された膨出部212(内部は図示しない油路で変速装置20側と連通している)に回転可能に支持されると共に、ドライブギヤ241に噛み合うドリブンギヤ311が一体的に結合固定されている。ストレートピン32は、デフケース31と一体的に回転するピニオンシャフト33の抜け止め固定を行っている。ピニオンシャフト33の軸両端部には、ディファレンシャルベベルピニオン34,34が回転可能に支持されている。これらディファレンシャルベベルピニオン34,34に噛み合う左右一対のディファレンシャルベベルギヤ35,35は、それぞれ左右の出力軸40,41の軸端部に連なっている。
そして、図3中の実線で示されるように、ドリブンギヤ311からデフケース31に伝達された駆動力は、図3中の一点鎖線で示されるように、デフケース31と一体的に回転するピニオンシャフト33から一対のディファレンシャルベベルピニオン34,34に伝達されたのち、これらディファレンシャルベベルピニオン34,34に噛み合う左右一対のディファレンシャルベベルギヤ35,35から左右の出力軸40,41に伝達されることによって、図示しない左右の前輪が回転する。
ところで、ディファレンシャルベベルピニオン34,34からディファレンシャルベベルギヤ35,35に動力伝達が行われると、各ギヤ共に側面視台形のため、ギヤ同士が離れようとするギヤ反力が発生する(フロントデフの駆動反力)。ギヤ反力が発生すると、左右の出力軸40,41は互いに離反する方向に移動するため、従来ではこのようなギヤ反力(軸移動)は平板状のスラストワッシャをかませてデフケースに受容させていた。
しかし、本実施形態にあっては、デフケース31内部に、そのようなギヤ反力、つまりフロントディファレンシャル装置30の駆動反力を用いて多板クラッチの結合力(圧着力)を調節し、常に後輪に駆動力を伝達する駆動力分配装置50を備えている。
駆動力分配装置50は、多板クラッチ結合用スラストワッシャ51、多板クラッチ52、トランスファ入力軸53を備えている。
多板クラッチ結合用スラストワッシャ51は、図2に示されるように、図中右側のディファレンシャルベベルギヤ35(以下、同様)の背面側が接合する本体部510と、多板クラッチ52を押圧するように本体部510から突設された押圧部511とを備え、ディファレンシャルベベルギヤ35と多板クラッチ52との間の出力軸41上に移動可能に設けられている。そして、この多板クラッチ結合用スラストワッシャ51は、ディファレンシャルベベルピニオン34からディファレンシャルベベルギヤ35に動力伝達が行われる際に発生するギヤ反力によって出力軸41が右方向(ディファレンシャルベベルピニオン34,34から離脱する方向)に移動(移動量はごくわずか)すると、本体部510の左側面にデイファレンシャルベベルギヤ35の背面側が接合した状態で押圧されることにより右方向に移動する。すると、押圧面部511が多板クラッチ52を結合させるようになっている。
多板クラッチ結合用スラストワッシャ51が多板クラッチ52を結合させる圧力は、ギヤ反力に比例していると共に、ギヤ反力は、デフケース31の回転数ではなく、デフケース31に伝達される駆動力に比例して一定の割合で増減するトルク感応となる。このため、多板クラッチ結合用スラストワッシャ51は、駆動力が少しでもデフケース31に伝達されれば多板クラッチ52を結合させるように動作する。
多板クラッチ52は、図2に示されるように、交互に組み合わされたアウタプレート520とインナプレート521とを備え、アウタプレート520の外周部はデフケース31内側にスプライン嵌合していると共に、インナプレート521の内周部はトランスファ入力軸53外側にスプライン嵌合している。隣り合ったアウタプレート520とインナプレート521との間隔は、離れてはいるが隙間は狭く、ギヤ反力がかかっていない状態であっても互いに擦れるようになっている。このため、多板クラッチ52は、多板クラッチ結合用スラストワッシャ51に押圧されなくても、アウタプレート520とインナプレート521とには引きずりが発生し、半クラッチ状態となるので、常に後輪へ動力を伝達することができるようになっている。
多板クラッチ52の枚数は、油圧式多板クラッチを用いた場合とほぼ同等の動力伝達力が得られるように、油圧式多板クラッチの枚数よりも増やされている。例えば、軽自動車等の小排気量エンジンの場合は約1.5〜2倍程度であり、この倍率はエンジン出力に応じて増減される。
また、多板クラッチ52のフェーシング材の材質は、変速装置がMTかATかで異なっている(例えば、変速装置がMTの場合は金属、ATの場合は紙)。これは、デフケース31には、フロントディファレンシャル装置30を組み立てたり、内部に駆動力分配装置50を組付けるための図示しない作業孔が複数設けられており、それら作業孔からトランスミッションケース21内の潤滑油(ギヤオイル、ATの場合はATF)がフロントディファレンシャル装置30内部に潤滑するためである。
さらにまた、多板クラッチ52は、デフケース31内においてトランスファ装置60に近接して配置されているので、デフケース31内部の簡素化や、トランスファ装置60のレイアウトの自由度の向上が図られている。
トランスファ入力軸53は、多板クラッチ52からトランスファ装置60に動力伝達がなされるように、出力軸41上に相対回転可能かつ進退移動可能に設けられている。トランスファ入力軸53の左端部は多板クラッチ52のインナプレート521がスプライン嵌合している共に、右端部はトランスファ装置60のリングギヤ61が一体的に固定された回転支持部材64の左端部に対して進退移動可能にスプライン嵌合している。また、このトランスファ入力軸53上には、トランスミッションケース21内部とトランスファ装置60内部とをそれぞれ封止する環状のオイルシール54が設けられている。このため、トランスミッションケース21内部の潤滑油(ギヤオイル)と、トランスファケース61内部の潤滑油(ハイポイドギヤオイル)との行き来が防止されている。
トランスファ装置60は、トランスファケース61、リングギヤ62、ハイポイドギヤ63、回転支持部材64、トランスファ出力軸65を備えている。
リングギヤ62は、回転支持部材64の外周面にボルト固定されることによってトランスファ入力軸53に連なっている。また、このリングギヤ62に噛み合うハイポイドギヤ63は、出力軸41に対して直交配置されたトランスファ出力軸65の前端部に一体形成されている。このトランスファ出力軸65の後方には、左右の後輪を差動させるリヤディファレンシャル装置が連なるようになっている。また、トランスファケース61は、トランスミッションケース21の膨出部212の所定位置に連なった状態でボルト固定されていると共に、その内部にはハイポイドギヤオイルが入れられている。
ところで、図1,2に示されるように、デフケース31と図中左のディファレンシャルベベルギヤ35との間の出力軸40上には平板状のスラストワッシャ36が移動可能に設けられている。そして、このスラストワッシャ36は、ディファレンシャルベベルピニオン34,34から図中左側のディファレンシャルベベルギヤ35に動力伝達が行われる際に発生するギヤ反力をデフケース31に受容させるようになっている。
そして、エンジンから出力された駆動力は、図3中の一点鎖線で示されるように、変速装置20を経てデフケース31に伝達され、デフケース31内のフロントディファレンシャル装置30から前輪に伝達されると共に、図3中の破線で示されるように、駆動力を前輪に伝達する際にディファレンシャルベベルピニオン34,34とディファレンシャルベベルギヤ35,35との間に発生するギヤ反力によって多板クラッチ用スラストワッシャ51が右方向に移動して多板クラッチ52を押圧する。すると、図3中に二点鎖線で示されたように、押圧された多板クラッチ52はアウタプレート520とインナプレート521とが結合することにより、駆動力は、多板クラッチ52からトランスファ入力軸53、回転支持部材64を介してトランスファ装置60のリングギヤ62、ハイポイドギヤ63に伝達されて90度曲げられたのちトランスファ出力軸65から出力されて、図示しないプロペラシャフト、リヤデフを介して左右の後輪を回転駆動することとなる。
そして、アクセルが踏み込まれて駆動力が増大すると、増大された駆動力が前輪に伝達されると共に、ディファレンシャルベベルピニオン34,34とディファレンシャルベベルギヤ35,35との間に発生するギヤ反力も増大し、多板クラッチ52の結合力も増大することにより、増大された駆動力が後輪にも伝達される。また、アクセルが戻されると前輪にエンジンブレーキがかかるのと同時にギヤ反力も増大するので、後輪にもエンジンブレーキがかかる。このように、後輪への駆動力伝達がギヤ反力、つまりフロントディファレンシャル装置31の駆動反力に比例する(トルク感応)場合には、後輪へ常に一定割合の駆動力が伝達される。さらには、車速が高くても加速も減速も行わないような状態、つまり、ギヤ反力がかからないアクセル状態では、多板クラッチ52の引きずり分ぐらいの動力伝達が行われる。すなわち、常に後輪に駆動力が伝達されることとなる。
ところで、本実施形態の駆動力分配装置100にあっては、前輪がスリップすると、ギヤ反力が低下するのに伴って後輪へ伝達される駆動力が低下する虞がある。
そこで、本駆動力分配装置100は、図示はしないが、前輪のスリップを検出する検出手段(車輪速センサ、左右の出力軸用回転数センサ等の車載センサ)と、前輪のスリップを検出すると直ちにスリップ輪にブレーキをかけるブレーキ制御手段(VSC制御ユニット、TRC制御ユニット等の制御ユニット)とを備えている。そして、検出手段が前輪のスリップを検出し、ブレーキ制御手段がスリップ輪に直ちにブレーキをかけるとスリップ輪に擬似的にLSD作用が働き、スリップが止まるようになっている。これにより、前輪スリップによるギヤ反力の低下が防止され、後輪に安定した駆動力を伝達することができるようになる。
以上述べたように本発明の駆動力分配装置100によれば、多板クラッチ52は、駆動力を前輪に伝達する際にディファレンシャルベベルピニオン34,34とディファレンシャルベベルギヤ35,35とが発生するギヤ反力によって、デフケース31とトランスファ入力軸53とを結合して、トランスファ装置60への駆動力の調節を行う。これにより、多板クラッチ52を調節するため従来は必要とされていた油圧回路または駆動モータが不要となるので、デフケース31の内部を簡素化することができると共に、安価に構成することができる。
また、本発明によれば、多板クラッチ52は、ギヤ反力がかからないアクセル状態では半クラッチ状態となる。これにより、ギヤ反力がかからないアクセル状態であっても、多板クラッチ52の引きずり分ぐらいの動力伝達は行うので、常に後輪に駆動力を伝達することが可能となる。
また、本発明によれば、検出手段が前輪のスリップを検出し、ブレーキ制御手段がスリップ輪に直ちにブレーキをかけるとスリップ輪に擬似的にLSD作用が働き、スリップが止まるようになっている。これにより、前輪スリップによるギヤ反力の低下が防止され、後輪に安定した駆動力を伝達することができるようになる。これらの結果、価格を低く抑えたい軽自動車などに好適である。
なお、本実施形態にあっては、横置きエンジンのFF車をベースとした4輪駆動車について説明したが、これに限定されるものではなく、横置きエンジンのRR車をベースとした4輪駆動車にも適用することができる。
また、ギヤ反力を受けた多板クラッチ結合用スラストワッシャ51が多板クラッチ52の結合力を調節するように構成したが、これに限定されるものではなく、ディファレンシャルベベルギヤ35が直接、多板クラッチ52を押圧して結合力を調節するように構成してもよい。
本実施形態に係る駆動力分配装置を備えた動力伝達装置の内部構造を示した平断面図である。 本駆動力分配装置構造を示した拡大図である。 図2のスケルトン図である。
符号の説明
20…変速装置
30…フロントディファレンシャル装置
31…デフケース(フロントデフケース)
34,34…ディファレンシャルベベルピニオン(差動歯車対)
35,35…ディファレンシャルベベルギヤ(差動歯車対)
40,41…左右の出力軸(前車軸)
50…駆動力分配装置
52…多板クラッチ
53…トランスファ入力軸
60…トランスファ装置

Claims (3)

  1. 横置きエンジンに一体化された変速装置から出力される駆動力によって回転し、かつ前車軸に連なった差動歯車対を介して前輪に駆動力を伝達するフロントデフケース内に配設され、前記フロントデフケースに伝達された駆動力を、前記前車軸上に相対回転可能に設けられたトランスファ入力軸を介して、後輪へ駆動力を伝達するトランスファ装置に分配する駆動力分配装置において、
    前記フロントデフケースと前記トランスファ入力軸との間に、前記差動歯車対が動力伝達を行う際に発生するギヤ反力によって前記フロントデフケースと前記トランスファ入力軸とを結合して、前記トランスファ装置への駆動力の調節を行う多板クラッチを備えたことを特徴とする駆動力分配装置。
  2. 前記多板クラッチは、前記ギヤ反力がかかっていない状態では半クラッチ状態であることを特徴とする請求項1に記載の駆動力分配装置。
  3. 前記駆動力分配装置は、前記前輪のスリップを検出する検出手段と、前記前輪のスリップを検出すると直ちにスリップ輪にブレーキをかけるブレーキ制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動力分配装置。
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