JPH11118022A - デファレンシャル装置及びその操作方法 - Google Patents

デファレンシャル装置及びその操作方法

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JPH11118022A
JPH11118022A JP27925297A JP27925297A JPH11118022A JP H11118022 A JPH11118022 A JP H11118022A JP 27925297 A JP27925297 A JP 27925297A JP 27925297 A JP27925297 A JP 27925297A JP H11118022 A JPH11118022 A JP H11118022A
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JP
Japan
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clutch
differential
spring
actuator
pressing
Prior art date
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Application number
JP27925297A
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English (en)
Inventor
Takuo Kimura
拓夫 木村
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Publication of JPH11118022A publication Critical patent/JPH11118022A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 C.S.D機能と差動ロック機能とを同一の
操作系で制御可能にし、構造簡単、軽量、低コストにす
る。 【解決手段】 デフケース3の回転を出力側サイドギヤ
39、41を介して分配する差動機構5と、サイドギヤ
39、41とデフケース3との間に配置された摩擦クラ
ッチ7と、これを押圧し締結させるアクチュエータ9
と、サイドギヤ39、41側のクラッチ部材55とデフ
ケース3側のクラッチ部材45との間に設けられた噛み
合いクラッチ11と、両クラッチ部材45、55の間に
配置されこれらを噛み合いクラッチ11の噛み合い解除
方向に付勢するスプリング13とを備え、摩擦クラッチ
7の押圧過程でスプリング13が圧縮されると、噛み合
いクラッチ11が噛み合い差動がロックされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のデファレ
ンシャル装置と、その操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−366047号公報に図3の
ようなデファレンシャル装置201が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置201は、ベベ
ルギヤ式の差動機構203と、そのサイドギヤ205、
207側とデフケース209との間にそれぞれ配置され
た差動制限用の多板クラッチ211と、各多板クラッチ
211をそれぞれ押圧する油圧アクチュエータ213な
どから構成されている。
【0004】油圧アクチュエータ213はベアリング2
15と押圧部材217とを介して多板クラッチ211を
押圧して締結し、差動機構203の差動を制限する。多
板クラッチ211の差動制限力は油圧アクチュエータ2
13の押圧力によって自由に制御できるから(C.S.
D機能)、その差動制限機能は、伝達トルクに応じて制
御すればトルク感応型相当の差動制限機能になり、差動
回転速度に応じて制御すれば速度感応型相当の差動制限
機能になる。
【0005】車両は、このような差動制限機能によっ
て、発進時や加速時は駆動輪の差動回転が防止されて車
体の安定性と操縦性が向上し、悪路などで片輪が空転す
ると、グリップ側の駆動輪にトルクが送られて悪路の走
破性と脱出性が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
制御可能な差動制限機能に加えて、四輪駆動(4WD)
車やR.V.(レクレーショナル・ビークル)、レース
車両のような車種では、強大な駆動トルクを得るため差
動をロックする機構が必要な場合がある。
【0007】一般に、差動ロック機構はサイドギヤとデ
フケースとの間に設けられるが、差動ロック機構にもア
クチュエータが必要であるから、デファレンシャル装置
201のように油圧アクチュエータ213と多板クラッ
チ211からなる差動制限機構を用いるデファレンシャ
ル装置に、差動ロック機構を組み込むと、2種類の操作
系(アクチュエータ)が必要になって、構造が極めて複
雑になり、重くなり、コスト高になる。
【0008】そこで、この発明は、制御可能な差動制限
機能(コントロールスリップデファレンシャル/C.
S.D機能)と差動ロック機能とを同一の操作系で制御
可能であり、構造簡単で、軽量で、低コストのデファレ
ンシャル装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデファレ
ンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動さ
れるデフケースと、デフケースの回転をピニオンギヤか
ら一対の出力側サイドギヤを介して出力軸側に配分する
差動機構と、サイドギヤとデフケースとの間に配置され
た差動制限用の摩擦クラッチと、この摩擦クラッチを押
圧し締結させるアクチュエータと、摩擦クラッチのサイ
ドギヤ側に移動自在に係合したクラッチ部材とデフケー
スと一体に回転するクラッチ部材との間に設けられた噛
み合いクラッチと、両クラッチ部材の間に配置されこれ
らを噛み合いクラッチの噛み合い解除方向に付勢するス
プリングとを備えると共に、前記噛み合いクラッチとス
プリングとがアクチュエータによる摩擦クラッチ押圧経
路内に直列配置され、摩擦クラッチの押圧過程でスプリ
ングが圧縮されると、噛み合いクラッチが噛み合って差
動がロックされることを特徴とする。
【0010】アクチュエータは摩擦クラッチを締結して
差動機構の差動を制限すると共に、この差動制限力はア
クチュエータの押圧力を調整すことによって任意に制御
可能であり、C.S.D機能が得られる。
【0011】又、サイドギヤ側のクラッチ部材とデフケ
ース側のクラッチ部材との間に設けた噛み合いクラッチ
と、各クラッチ部材の間に配置したスプリングとをアク
チュエータによる摩擦クラッチの押圧経路内に直列配置
したことにより、摩擦クラッチを押圧すると、その過程
でスプリングが圧縮され、噛み合いクラッチが噛み合っ
て差動がロックされる。
【0012】又、運転席にロックアップボタンを設け、
このロックアップボタンを押すとアクチュエータの押圧
力が増大しスプリングを圧縮して噛み合いクラッチを噛
み合わせるように構成すれば、C.S.D領域内であっ
ても、必要なときは何時でも作動をロックさせることが
できる。
【0013】こうして、本発明のデファレンシャル装置
は、同一のアクチュエータと押圧系とで摩擦クラッチと
差動ロック機構の両方を操作できるから、差動ロック機
能と制御可能な差動制限機能とを持ちながら、構造簡単
で、軽量で、低コストである。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、摩擦クラッチとアクチュ
エータとが両サイドギヤ側にそれぞれ配置されていると
共に、噛み合いクラッチとスプリングとをいずれか一方
のサイドギヤ側にだけ設けたことを特徴とし、請求項1
と同等の効果を得る。
【0015】これに加えて、噛み合いクラッチとスプリ
ングとを一方のサイドギヤ側にだけ設けたことにより、
差動ロック機能を持ちながら、それだけ軽量に構成でき
る。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載のデファレンシャル装置であって、摩擦クラッ
チが、出力軸を介してこのサイドギヤに連結されたサイ
ドギヤ側部材上に設けられていることを特徴とし、請求
項1又は請求項2と同等の効果を得る。
【0017】これに加えて、摩擦クラッチと差動ロック
機構とをサイドギヤ側の別部材上に設けたこの構成は、
これらをサイドギヤに直接設けた構成に較べて、通常の
デファレンシャル装置との間でサイドギヤの共用が可能
であり、互換性が高く保たれて有利である。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であ
って、差動機構が、デフケースと一体に回転するピニオ
ンシャフトと、このピニオンシャフト上で回転自在に支
承されたピニオンギヤと、このピニオンギヤとそれぞれ
噛み合った一対の出力側サイドギヤとを有するベベルギ
ヤ式の差動機構であることを特徴とし、請求項1乃至請
求項3のいずれかと同等の効果を得る。
【0019】これに加えて、ベベルギヤ式の差動機構を
用いたことにより、サイドギヤの周囲に摩擦クラッチと
差動ロック機構の配置スペースを設け易くなるから、本
発明のデファレンシャル装置を実施し易い。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であ
って、スプリングが、皿ばね又はコイルばねであること
を特徴とし、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の
効果を得る。
【0021】これに加えて、スプリングに用いた皿ばね
又はコイルばねは、リング状にしてサイドギヤと同軸配
置することが容易であるから、噛み合いクラッチとスプ
リングとからなる差動ロック機構とサイドギヤと同軸配
置された摩擦クラッチとを、アクチュエータの押圧経路
内で直列に配置する本発明のデファレンシャル装置が構
成し易い。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求
項5のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置にお
いて、アクチュエータの押圧力からスプリングの撓み量
及び各クラッチ部材の間隔を検知し、この間隔が一定値
以下になると、噛み合いクラッチが完全に噛み合うまで
アクチュエータの押圧力を増大させることを特徴とする
操作方法である。
【0023】請求項1乃至請求項5のいずれかデファレ
ンシャル装置では、スプリングの撓み量がある程度増加
すると、噛み合いクラッチが噛み合わない状態で各クラ
ッチ部材が断続的に接触を繰り返すラチェッティングが
生じることがある。
【0024】そこで、この操作方法によれば、例えば、
アクチュエータの押圧力とスプリングの撓み量とのグラ
フをコントローラに予め記憶させておき、アクチュエー
タの押圧力からスプリングの撓み量及び各クラッチ部材
の間隔を検知して、この間隔が一定値以下になると、ア
クチュエータの押圧力を増大させ、噛み合いクラッチを
一気に噛み合わせるから、ラチェッティングが未然に防
止され、これに伴う噛み合いクラッチの破損や騒音が防
止される。
【0025】
【発明の実施の形態】図1と図2によって本発明の一実
施形態を説明する。この実施形態は請求項1、3、4、
5、6の特徴を備えている。図1はこの実施形態のデフ
ァレンシャル装置1を示し、左右の方向は図1での左右
の方向である。又、符号を与えていない部材等は図示さ
れていない。
【0026】デファレンシャル装置1は4WD車の後輪
車軸上に配置されており(リヤデフ)、デフケース3、
ベベルギヤ式の差動機構5、多板クラッチ7、7(摩擦
クラッチ)、油圧アクチュエータ9、9(アクチュエー
タ)、噛み合いクラッチ11、11(差動ロック機
構)、複数枚の皿ばね13、13などから構成されてい
る。
【0027】デファレンシャル装置1はオイル溜りが設
けられたデフキャリヤ15の内部に配置されている。デ
フケース3はケーシング本体17の左右にカバー19を
ボルトで固定して形成されており、ベアリング21によ
って左右のボス部23をデフキャリヤ15に支承されて
いる。
【0028】デフケース3にはリングギヤ25がボルト
27によって固定されており、このリングギヤ25はド
ライブピニオンギヤ29と噛み合っている。ドライブピ
ニオンギヤ29はドライブピニオンシャフト31の後端
に一体形成されており、このドライブピニオンシャフト
31は継ぎ手を介して後輪側のプロペラシャフトに連結
されている。
【0029】こうして、デフケース3はエンジンの駆動
力によって回転駆動される。
【0030】ベベルギヤ式の差動機構5は、中空のボス
部33を介して放射状に配置された複数本のピニオンシ
ャフト35と、各ピニオンシャフト35上に回転自在に
配置されたピニオンギヤ37と、これらのピニオンギヤ
37と左右から噛み合った一対の出力側サイドギヤ3
9、41とから構成されている。
【0031】各ピニオンシャフト35はピン43によっ
てケーシング本体17に固定されて廻り止めされてお
り、ケーシング本体17には各ピニオンギヤ37の噛み
合い反力を受ける球面ワッシャ45が固定されている。
【0032】又、各サイドギヤ39、41はそれぞれ左
右の後輪側出力軸47、49にスプライン連結され、止
め輪51によって位置決めされている。
【0033】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト35とピニオンギヤ37からサ
イドギヤ39、41を介して左右の後輪側に分配され
る。又、後輪間に駆動抵抗差が生じるとエンジンの駆動
力はピニオンギヤ37の自転によって左右各側に差動分
配される。
【0034】左右の後輪側出力軸47、49にはそれぞ
れクラッチハブ53(サイドギヤ側部材)がスプライン
連結されており、各多板クラッチ7は、このクラッチハ
ブ53とデフケース3との間に配置されている。
【0035】又、各噛み合いクラッチ11は、クラッチ
ハブ53にスプライン連結されたクラッチ部材55(サ
イドギヤ側クラッチ部材)に形成された噛み合い歯57
と、球面ワッシャ45(デフケース側クラッチ部材)に
形成された噛み合い歯59とで構成されている。
【0036】皿ばね13は、球面ワッシャ45とクラッ
チ部材55との間に配置され、クラッチ部材55を各噛
み合いクラッチ11の噛み合い解除側に付勢している。
【0037】下記のように、噛み合いクラッチ11と皿
ばね13は油圧アクチュエータ9による多板クラッチ7
の押圧経路内に直列配置されている。
【0038】デフキャリヤ15の左右両端部にはシリン
ダハウジング61がボルト63で固定されており、各シ
リンダハウジング61とデフキャリヤ15との間には0
リング65が配置されオイル洩れを防止している。各シ
リンダハウジング61には油圧アクチュエータ9のシリ
ンダ67が設けられている。油圧アクチュエータ9のピ
ストン69はXリング71、73(断面がX字状のシー
ル)を介してシリンダ67に係合しており、ピン75に
よって廻り止めされている。
【0039】各出力軸47、49とデフケース3のボス
部23との間には多板クラッチ7の押圧部材77が配置
されており、各押圧部材77は出力軸47、49にそれ
ぞれスプライン連結されている。押圧部材77とピスト
ン69との間にはベアリング79が配置され、静止側の
ピストン69と回転側の押圧部材77との摺動を防止し
ている。
【0040】シリンダ67には外部のオイルポンプから
オイルプラグ81を介して油圧が送られる。この作動圧
はコントローラによって制御される。
【0041】シリンダ67に作動圧が与えられると、ピ
ストン69はベアリング79と押圧部材77とを介して
多板クラッチ7を押圧し締結させる。このとき、クラッ
チ部材55と皿ばね13と球面ワッシャ45は多板クラ
ッチ7の受圧側になる。
【0042】このように、噛み合いクラッチ11と皿ば
ね13は油圧アクチュエータ9による多板クラッチ7の
押圧経路に直列配置されている。
【0043】各多板クラッチ7が締結されると、サイド
ギヤ39、41とデフケース3との間で差動機構5の差
動が制限される。
【0044】作動圧を更に大きくすると、皿ばね13が
撓み、噛み合いクラッチ11が噛み合う。
【0045】各噛み合いクラッチ11が噛み合うと、サ
イドギヤ39、41とデフケース3との間で差動機構5
の差動がロックされる。
【0046】コントローラは車体各部に配置された各種
センサーによって検知したアクセル開度、舵角、車輪速
度、ヨーレート、前後G、左右Gなどに応じて油圧アク
チュエータ9の作動圧を調整し、各多板クラッチ7によ
る差動制限機能を制御すると共に、各噛み合いクラッチ
11によって差動をロックする。
【0047】車両は、この差動制限機能及び差動ロック
機能によって、例えば、発進時や加速時は駆動輪の差動
回転が防止されて車体の安定性と操縦性が向上し、悪路
などで片輪が空転すると、グリップ側の駆動輪にトルク
が送られて悪路の走破性と脱出性が向上する。
【0048】図2のグラフ83は、油圧アクチュエータ
9に作動圧を与えたときの、ピストン69のストローク
と皿ばね13の荷重(撓み量)との変化を示している。
【0049】領域85は各多板クラッチ7が締結され、
各噛み合いクラッチ11が噛み合っていない差動制限力
可変領域(C.S.D領域)である。領域87は各噛み
合いクラッチ11が噛み合い寸前の状態で、クラッチ部
材55と球面ワッシャ45との間でラチェッティングが
生じる恐れのある過渡的な領域である。領域89は各噛
み合いクラッチ11が噛み合った差動ロック領域であ
る。
【0050】コントローラには油圧アクチュエータ9の
作動圧と皿ばね13の撓み量との函数を予め記憶させて
ある。コントローラはそのときの作動圧から皿ばね13
の撓み量を検知し、更に、この撓み量から各噛み合いク
ラッチ11のクラッチ部材55と球面ワッシャ45との
間隔を検知し、この間隔が一定値以下になると、ラチェ
ッティングを未然に防止するために、作動圧を増大して
噛み合いクラッチ11を一気に噛み合わせる。
【0051】この操作方法によって、グラフ83は、ラ
チェッティングの恐れがある破線部分91を辿らずに、
実線部分93上を差動ロック領域89に入るから、噛み
合いクラッチ11のラチェッティングと、これに伴う破
損と騒音が防止される。
【0052】更に、運転席にはロックアップボタンが設
けられており、コントローラはこのロックアップボタン
が押されるとその信号を受けてアクチュエータの押圧力
を増大させ皿ばね13を圧縮して噛み合いクラッチ11
を噛み合わせるようにプログラムされている。
【0053】従って、このロックアップボタンを押せ
ば、必要なときは、C.S.D領域内であっても、何時
でも作動をロックさせることができる。
【0054】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0055】上記のように、デファレンシャル装置1
は、クラッチ部材55と球面ワッシャ45との間に設け
た噛み合いクラッチ11と皿ばね13とを多板クラッチ
7の押圧経路内に直列配置したから、多板クラッチ7を
押圧すると、その押圧過程で皿ばね13が圧縮され、噛
み合いクラッチ11が噛み合って差動がロックされる。
【0056】このように、デファレンシャル装置1は、
同一の油圧アクチュエータ9と押圧系(押圧部材77と
ベアリング79)とで多板クラッチ7と噛み合いクラッ
チ11の両方を操作できるから、差動ロック機能と差動
制限力制御機能(C.S.D機能)とを持ちながら、構
造簡単で、軽量で、低コストである。
【0057】又、多板クラッチ7と噛み合いクラッチ1
1とをサイドギヤ39、41側のクラッチハブ53上に
設けた構成は、これらをサイドギヤ39、41上に直接
設ける構成に較べて、通常のデファレンシャル装置との
間でサイドギヤ39、41を共用できるから、互換性が
高く保たれて有利である。
【0058】又、ベベルギヤ式の差動機構5を用いたこ
とにより、サイドギヤ39、41の周囲に多板クラッチ
7と噛み合いクラッチ11などを配置するスペースを設
け易い。
【0059】又、皿ばね13は、リング状にしてサイド
ギヤ39、41と同軸に配置することが容易であるか
ら、油圧アクチュエータ9の押圧経路内で、噛み合いク
ラッチ11と皿ばね13とを多板クラッチ7と直列に配
置する本発明の構成を実施し易い。
【0060】又、請求項6の操作方法によれば、噛み合
いクラッチ11の間隔が一定値以下になりラチェッティ
ングが起こり易くなると、油圧アクチュエータ9の作動
圧を増大させて噛み合いクラッチ11を一気に噛み合わ
せるから、噛み合いクラッチ11のラチェッティングと
破損と騒音とが防止される。
【0061】なお、本発明において、摩擦クラッチは多
板クラッチに限らず、例えば、円錐クラッチのように他
の形式の摩擦クラッチでもよい。
【0062】又、スプリングにコイルばねを用いて、サ
イドギヤと同軸に配置してもよい。又、複数個の小径の
コイルばねを各クラッチ部材の間で周方向に配置しても
よい。
【0063】又、摩擦クラッチは、実施形態と異なっ
て、サイドギヤ側の別部材(クラッチハブ53)ではな
く、サイドギヤ上に直接設けてもよい。
【0064】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分する
デファレンシャル装置)と、リヤデフ(エンジンの駆動
力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)と、
センターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分す
るデファレンシャル装置)のいずれにも用いることがで
きる。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載のデファレンシャル装置で
は、クラッチ部材の間に設けた差動ロック用の噛み合い
クラッチと、クラッチ部材の間に配置したスプリングと
を摩擦クラッチの押圧経路内に直列配置したことによ
り、摩擦クラッチを押圧すると、その過程でスプリング
が圧縮され、噛み合いクラッチが噛み合って差動がロッ
クされる。
【0066】こうして、同一のアクチュエータと押圧系
とで摩擦クラッチと差動ロック機構の両方を操作できる
から、このデファレンシャル装置は、差動ロック機能と
C.S.D機能とを持ちながら、構造簡単で、軽量で、
低コストである。
【0067】請求項2記載の発明は、請求項1と同等の
効果を得ると共に、噛み合いクラッチとスプリングとを
一方のサイドギヤ側にだけ設けたから、差動ロック機能
を持ちながら、それだけ軽量になる。
【0068】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2と同等の効果を得ると共に、摩擦クラッチと差動ロ
ック機構とをサイドギヤ側の別部材上に設けた構成は、
これらをサイドギヤに直接設けた構成に較べて、通常の
デファレンシャル装置との間でサイドギヤを共用できる
から、互換性が高く保たれる。
【0069】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれかと同等の効果を得ると共に、ベベルギヤ
式の差動機構を用いたことにより、サイドギヤの周囲に
摩擦クラッチと差動ロック機構とを配置するスペースを
設け易い。
【0070】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれかと同等の効果を得ると共に、皿ばね又は
コイルばねは、リング状にしてサイドギヤと同軸配置す
ることが容易であるから、アクチュエータの押圧経路内
で、噛み合いクラッチとスプリングとを摩擦クラッチと
直列に配置する本発明を実施し易い。
【0071】請求項6記載の操作方法によれば、噛み合
いクラッチの間隔が一定値以下になると、アクチュエー
タによって噛み合いクラッチを一気に噛み合わせるか
ら、噛み合いクラッチのラチェッティングと破損と騒音
とが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の実施形態において、ピストンストローク
とスプリング荷重との変化を示すグラフである。
【図3】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 5 ベベルギヤ式の差動機構 7 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 9 油圧アクチュエータ(アクチュエータ) 11 噛み合いクラッチ 13 皿ばね(スプリング) 35 ピニオンシャフト 37 ピニオンギヤ 39、41 出力側サイドギヤ 45 球面ワッシャ(デフケース側クラッチ部材) 53 クラッチハブ(サイドギヤ側部材) 55 クラッチ部材(サイドギヤ側クラッチ部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケースと、デフケースの回転をピニオンギヤから
    一対の出力側サイドギヤを介して出力軸側に配分する差
    動機構と、サイドギヤとデフケースとの間に配置された
    差動制限用の摩擦クラッチと、この摩擦クラッチを押圧
    し締結させるアクチュエータと、摩擦クラッチのサイド
    ギヤ側に移動自在に係合したクラッチ部材とデフケース
    と一体に回転するクラッチ部材との間に設けられた噛み
    合いクラッチと、両クラッチ部材の間に配置されこれら
    を噛み合いクラッチの噛み合い解除方向に付勢するスプ
    リングとを備えると共に、前記噛み合いクラッチとスプ
    リングとがアクチュエータによる摩擦クラッチ押圧経路
    内に直列配置され、摩擦クラッチの押圧過程でスプリン
    グが圧縮されると、噛み合いクラッチが噛み合って差動
    がロックされることを特徴とするデファレンシャル装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、摩擦クラ
    ッチとアクチュエータとが両サイドギヤ側にそれぞれ配
    置されていると共に、噛み合いクラッチとスプリングと
    をいずれか一方のサイドギヤ側にだけ設けたことを特徴
    とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、摩擦クラッチが、出力軸を介してこのサイドギヤに
    連結されたサイドギヤ側部材上に設けられていることを
    特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の発明であって、差動機構が、デフケースと一体に
    回転するピニオンシャフトと、このピニオンシャフト上
    で回転自在に支承されたピニオンギヤと、このピニオン
    ギヤとそれぞれ噛み合った一対の出力側サイドギヤとを
    有するベベルギヤ式の差動機構であることを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の発明であって、スプリングが、皿ばね又はコイル
    ばねであることを特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の発明において、アクチュエータの押圧力からスプ
    リングの撓み量及び各クラッチ部材の間隔を検知し、こ
    の間隔が一定値以下になると、噛み合いクラッチが完全
    に噛み合うまでアクチュエータの押圧力を増大させるこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置の操作方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024001082A1 (zh) * 2022-06-30 2024-01-04 浙江春风动力股份有限公司 全地形车

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