JP2008307123A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源基板にバックアップ電源が設けられている場合でも、不正な遊技を防止することができる技術を提供する。
【解決手段】当たり判定用乱数生成手段31cは、当たり判定用乱数33aを、第1の範囲内の第1の初期値から第1の範囲内の1周期に亘って順次更新する処理を、1周期毎に第1の初期値を更新しながら実行する。当たり初期値用乱数生成手段31dは、当たり初期値用乱数33bを、第1の範囲内である第2の範囲内の第2の初期値から順次更新する。乱数生成回路34は、遊技機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて乱数を生成する。当たり判定用乱数生成手段31cは、RAM33が初期化される場合には、RAM33が初期化されてから、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される期間が経過した時点で当たり判定用乱数33aの更新処理を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊技機に関し、特に、遊技に伴って変化する遊技情報を記憶する記憶回路を有する遊技機に関する。
遊技機、例えば、パチンコ機には、種々の遊技用機器、各遊技用機器を制御する制御回路が設けられている。例えば、始動入賞口開閉部材、大入賞口開閉部材、払出装置等が遊技用機器として設けられ、主制御回路、払出制御回路等が制御回路として設けられている。また、制御回路や遊技用機器に電力を供給する電源回路が設けられている。電源回路としては、例えば、交流の商用電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路が用いられる。
このようなパチンコ機では、遊技者が遊技を行っている時に、停電によって電源回路からの直流電力の供給が停止すると、制御回路や遊技用機器の処理が中断される。例えば、払出装置が賞球の払い出しを行っている時に電源回路からの直流電力の供給が停止すると、賞球を払い出している途中で払出装置が停止する。この時、主制御回路や払出制御回路も動作を停止するため、未払いの賞球数の情報も消去されてしまう。
そこで、停電が発生した時点の遊技情報を記憶し、停電復旧時に、停電発生により中断された遊技状態から遊技を再開するように構成されている。例えば、停電が発生すると、制御回路は、停電処理を実行する。停電処理では、停電が発生した時点に記憶回路(RAM)に記憶されている遊技情報に基づいて判定情報を作成して記憶回路に記憶する。停電中は、記憶回路に記憶されている遊技情報と判定情報は、バックアップ電源から供給されるバックアップ電力によって保持される。そして、停電が復旧する(復電する)と、制御回路は、復帰処理を実行する。復帰処理では、記憶回路に記憶されている遊技情報に基づいて判定情報を作成し、作成した判定情報と記憶回路に記憶されている判定情報を比較することによって、記憶回路に記憶されている遊技情報が正常であるか否か(停電中に変化しているか否か)を判定する。記憶回路に記憶されている遊技情報が正常であることを判定した場合には、記憶回路に記憶されている、停電発生時の遊技情報に基づいて遊技を再開する。すなわち、停電の発生により中断された遊技状態から遊技を再開する。一方、記憶回路に記憶されている遊技情報が異常であることを判定した場合には、記憶回路を初期化する。すなわち、初期状態の遊技情報に基づいて遊技を開始する。
従来の遊技機では、記憶回路にバックアップ電力を供給するバックアップ電源は、電源回路とともに電源基板に設けられている(特許文献1参照)
特開2000−279579号公報
パチンコ機では、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号が入力されると、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させるか否かを決定するための抽選が行われる。例えば、大当たり遊技状態(大入賞口を開閉する大入賞口開閉部材を開制御あるいは開閉制御する)を発生させるか否かを決定するための大当たり判定用乱数を取得し、取得した大当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致するか否かを判別する。大当たり判定用乱数としては、例えば、「0」から「299」までの間で繰り返し更新(カウント)される大当たり判定用カウント値が用いられる。ここで、大当たり判定用カウント値が、常に、「0」と「299」の間で繰り返し更新(カウント)される場合には、大当たり判定用カウント値が設定値と一致するタイミングが等間隔に発生する。このため、大当たり判定用カウント値が設定値と一致するタイミングを知らせる体感器を用いた不正や、大当たり判定用カウント値が設定値と一致するタイミングで不正に始動入賞球信号を入力させる不正基板を用いた不正が行われる虞がある。
そこで、大当たり判定用乱数として、初期値更新型の大当たり判定用カウント値が用いられている。初期値更新型の大当たり判定用カウント値は、大当たり判定用カウント値の1周期(1サイクル)毎に、大当たり初期値用乱数を初期値として1周期(1サイクル)に亘って繰り返し更新(カウント)される。大当たり初期値用乱数としては、大当たり初期値用カウント値が用いられる。初期値更新型の大当たり判定用カウント値は、例えば、図8に示すように変化する。時点t21で記憶回路(RAM)が初期化された場合、大当たり初期値用カウント値は初期値「0」に設定される。このため、大当たり判定用カウント値は、初期値「0」から1サイクル目の更新(カウント)が開始される。時点t22で、大当たり判定用カウント値が「299」(「0」を初期値とする1サイクルの最後の値)に達すると、1サイクル目の更新が終了する。ここで、大当たり初期値用カウント値を取得する(図8では、「60」を取得している)。大当たり判定用カウント値は、取得した大当たり初期値用カウント値「60」を初期値として2サイクル目のカウント(更新)が開始される。時点t23で、大当たり判定用カウント値が「299」に達すると、「0」に戻ってカウントを続ける。そして、時点t24で、大当たり判定用カウント値が「59」(「60」を初期値とする1サイクルの最後の値)に達すると、2サイクル目の更新が終了する。以後、同様にして、大当たり判定用カウント値は、1サイクル毎に大当たり初期値用カウント値を用いて更新される初期値から、「0」と「299」の範囲内の1サイクルに亘って更新(カウント)される。
このように、大当たり判定用カウント値として初期値更新型の大当たり判定用カウント値を用いることにより、大当たり判定用カウント値が設定値(当たり値)と一致するタイミングが等間隔に発生するのを防止することができる。
しかしながら、初期値更新型の大当たり判定用カウント値を用いた場合でも、記憶回路(RAM)が初期化された直後の大当たり初期値用カウント値は初期値「0」であるため、大当たり判定用カウント値は、初期値「0」から更新(カウント)が開始される。このため、大当たり判定用カウント値の更新間隔(カウント間隔)と設定値(当たり値)が分かれば、大当たり判定用カウント値が初期値「0」から設定値(当たり値)に達するまでの期間(大当たり判定用カウント値が設定値と一致するタイミング)を予測することができる。
ここで、従来の遊技機では、バックアップ電源が電源基板に設けられているため、電源基板と制御基板の間に、バックアップ電力を制御基板に設けられている記憶回路に供給するための電力線が接続されている。この場合、バックアップ電力を供給するための電力線を短絡あるいは断線させた状態で、制御基板への直流電力の供給を一定期間停止させる不正が行われると、制御基板への直流電力の供給が停止されている間、バックアップ電源から記憶回路にバックアップ電力が供給されないため、記憶回路に記憶されている遊技情報が消去する。このため、制御回路への直流電力の供給が再開された後の制御回路での復帰処理において、記憶回路が初期化されて大当たり判定用カウント値は初期値「0」から更新(カウント)が開始される。
このような不正を防止するために、バックアップ電源を制御基板に設けることが考えられる。しかしながら、制御基板にバックアップ電源を設けると、制御基板が遊技機から不正に取り外され、記憶回路に記憶されている遊技情報が不正に書き替えられる虞がある。例えば、主制御基板を遊技機から取り外し、確率変動状態(抽選結果が当たりとなる確率が通常より高い状態)になるまで主制御回路に始動入賞球信号を入力した後、遊技機に取り付ける不正が行われる。この場合、不正に設定された確率変動状態で遊技が行われる。このため、制御基板にバックアップ電源を設ける方法を採用し難い。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、電源基板にバックアップ電源が設けられていても、不正な遊技を防止することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の遊技機は、制御基板と電源基板を有している。
電源基板には、制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている。電源手段としては、例えば、AC24V電源をDC34V電源とDC12V電源に変換するAC−DC変換回路が用いられる。
制御基板には、処理手段、抽選手段、当たり判定用乱数生成手段、初期値用乱数生成手段、乱数生成手段、記憶手段、電圧変換手段、停電検出手段が設けられている。典型的には、処理手段、抽選手段、当たり判定用乱数生成手段、初期値用乱数生成手段の処理は、共通の制御回路によって実行され、乱数生成手段の処理は、乱数生成回路によって実行される。
記憶手段には、処理手段、抽選手段、当たり判定用乱数生成手段、初期値用乱数生成手段等の処理を実行するための動作プログラム、遊技に伴って変化する遊技情報、当たり判定用乱数、初期値用乱数、遊技機毎に固有な固有識別情報等が記憶される。遊技情報としては、例えば、パチンコ機では、遊技媒体が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号の数、当たり遊技状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態等)が発生していることを示す当たり遊技情報、払出装置から払い出す賞球数を示す賞球情報等が記憶される。固有識別情報としては、典型的には、遊技機に用いられている回路あるいは素子、例えば、処理手段、抽選手段、当たり判定用乱数生成手段、初期値用乱数生成手段、記憶手段が設けられているICチップの識別情報(製造番号等)が用いられる。記憶手段としては、ROMやRAMが用いられる。典型的には、記憶手段は、遊技情報、当たり判定用乱数、初期値用乱数等の遊技中に変化する情報を記憶するRAMと、動作プログラムや固有識別情報等の固定の情報を記憶するROMにより構成される。
当たり判定用乱数生成手段は、当たり判定用乱数を、第1の値と第2の値の間の第1の範囲内の第1の初期値から、第1の値から第2の値の方向に第1の更新値ずつ第1の範囲内の1周期に亘って順次更新する処理(生成する処理)を、1周期毎に第1の初期値を更新しながら実行する。典型的には、当たり判定用乱数生成手段は、第1の初期値から第1の更新値ずつ第1の範囲内の1周期に亘って順次カウント(更新)する当たり判定用カウンタとして構成され、記憶手段に記憶される当たり判定用乱数は、第1の初期値から第1の更新値ずつ第1の範囲内で順次カウント(更新)される当たり判定用カウント値で表される。第1の値、第2の値、第1の更新値および更新方向(カウント方向)は、適宜選択可能である。第1の更新値および更新方向としては、典型的には、「1」および加算方向が用いられる。「第1の範囲内の1周期」は、第1の初期値が第1の値である場合には、第1の値から第2の値までの範囲を意味し、第1の初期値が第1の値以外の値である場合には、第1の初期値から第2の値の方向に更新(カウント)し、第2の値に達すると第1の値から更新(カウント)を続け、第1の初期値の直前の値(例えば、[第1の初期値−1])までの範囲を意味する。当たり判定用乱数の第1の初期値を更新する方法としては、例えば、記憶手段に記憶されている初期値用乱数を当たり判定用乱数の第1の初期値として設定する方法が用いられる。
初期値用乱数生成手段は、初期値用乱数を、第3の値と第4の値の間の第2の範囲内の初期値から、第2の更新値ずつ第2の範囲内に亘って順次更新する処理(生成する処理)を実行する。第2の範囲は、第1の範囲の中から設定される。すなわち、第3の値と第4の値は第1の範囲内から選択される。勿論、第3の値と第4の値として第1の値と第2の値を設定し、第2の範囲を第1の範囲と一致させてもよい。典型的には、初期値用乱数生成手段は、第2の値から第2の更新値ずつ第2の範囲内で順次更新する初期値用カウンタとして構成され、初期値用乱数は、第2の初期値から第2の更新値ずつ第2の範囲内で順次カウント(更新)される初期値用カウント値で表される。第2の初期値は、適宜設定可能であるが、典型的には、記憶手段が初期化された時に、記憶手段の初期値用乱数記憶領域に設定される初期値用乱数の初期値(例えば、「0」)が用いられる。第2の更新値および更新方向は、適宜設定可能であるが、典型的には、「1」と加算方向が用いられる。なお、初期値用乱数生成手段の更新間隔は当たり判定用乱数生成手段の更新間隔より短く設定されている。これにより、当たり判定用乱数の1周期毎に初期値用乱数を当たり判定用乱数の第1の初期値として用いた場合(初期値更新型の当たり判定用乱数を用いた場合)、当たり判定用乱数はランダムに変化する。
なお、遊技機が複数の当たり遊技状態を有している場合には、複数の当たり判定用乱数と、複数の当たり判定用乱数それぞれを生成する複数の当たり判定用乱数生成手段が用いられる。例えば、遊技球の始動入賞口への入球に起因して行われる抽選の結果によって、大入賞口を開閉する大入賞口開閉部材を開制御あるいは開閉制御する大当たり遊技状態と、大当たり遊技状態が発生したことを表示装置に表示する際に用いられる当たり図柄によって、大当たり遊技状態が発生する確率が通常時に比べて高い確変遊技状態を発生させるパチンコ機では、当たり判定用乱数として、大当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための大当たり判定用乱数と、確変遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための当たり図柄判定用乱数が用いられ、当たり判定用乱数生成手段として、大当たり判定用乱数生成手段と当たり図柄判定用乱数生成手段が用いられる。さらに、当たり初期値用乱数や当たり初期値用乱数生成手段も、複数の当たり判定用乱数それぞれに対応して複数用いることができる。
乱数生成手段は、記憶手段に記憶されている固有識別情報に基づいて乱数を生成する。乱数生成手段は、M系列乱数等の公知の乱数を生成する。
抽選手段は、抽選条件の成立に起因して、記憶手段に記憶されている当たり判定用乱数を取得して設定値(当たり値)と比較する抽選処理を実行する。抽選条件としては、例えば、パチンコ機では、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号が入力された条件が用いられる。
処理手段は、抽選手段の抽選結果が、当たり判定用乱数が設定値と一致していること(当たりであること)を示している場合に、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させる。遊技者に有利な当たり遊技状態は、遊技機に応じて適宜設定される。
また、処理手段は、停電が発生したことを示す停電検出信号が入力された場合には、停電処理を実行する。停電処理では、記憶回路に記憶されている遊技情報等に基づいて判定情報を生成して記憶回路に記憶する処理が実行される。判定情報としては、例えば、記憶回路に記憶されている遊技情報等のチェックサム値が用いられる。一方、処理手段に駆動電力が供給された場合には、復帰処理を実行する。復帰処理では、記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて記憶手段に記憶されている遊技情報等が正常であるか否かを判定する。例えば、記憶手段に記憶されている遊技情報等のチェックサム値を算出し、算出したチェックサム値と記憶手段に記憶されている、前回の停電処理時に算出されたチェックサム値を比較することによって、記憶手段に記憶されている遊技情報等が正常であるか否かを判定する。記憶手段に記憶されている遊技情報等が正常であることを判定した場合には、記憶手段に記憶されている遊技情報に基づいて遊技を再開し、記憶手段に記憶されている遊技情報等が異常であることを判定した場合には、記憶手段を初期化し、遊技情報等の初期値に基づいて遊技を開始する。
さらに、本発明では、当たり判定用乱数生成手段は、処理手段によって記憶手段が初期化された場合には、記憶手段が初期化されてから、乱数生成手段で生成されている乱数に基づいて決定される期間が経過した後に、1周期毎の第1の初期値を当たり初期値用乱数を用いて更新しながら当たり判定用乱数を更新する処理を開始する。当たり判定用乱数生成手段が当たり判定用乱数の生成処理を開始する時点の第1の初期値は限定されない。例えば、初期値用乱数生成手段による初期値用乱数の更新処理を当たり判定用乱数生成手段による当り判定用乱数の更新処理と同時に開示させる場合には、記憶手段が初期化された時に、記憶手段の初期値用乱数記憶領域に設定される初期値(例えば、「0」)が第1の初期値として設定される。
電圧変換手段は、電源手段(電源基板)から制御基板に供給される電力の電圧を、制御基板に設けられている処理手段等の駆動電力の電圧に対応した電圧に変換する。電圧変換手段としては、例えば、DC12V電源をDC5V電源に変換するスイッチング回路や3端子レギュレータが用いられる。
停電検出手段は、電源手段(電源基板)から制御基板に供給される電力が低下していることを検出した場合に、停電が発生したことを示す停電検出信号を出力する。制御基板に供給される電力が低下していることを検出する方法としては、例えば、制御基板に供給されるDC12V電源の電圧が停電検出設定値より低下していることを検出する方法を用いることができる。停電検出設定値は、停電検出手段から停電検出信号が出力されてから処理手段が停電処理を完了するまで、電圧変換手段から供給される電力の電圧が処理手段の動作電圧以上に保持される値に設定される。
本発明では、制御基板に設けられている電圧変換手段によって、制御基板に供給された電力の電圧を、制御基板に設けられている処理手段等の駆動電力の電圧に対応する電圧に変換している。これにより、処理手段等の駆動電力(駆動電力に対応する電圧を有する電力)を供給するための電力線を制御基板に接続する必要がない。このため、処理手段等の駆動電力を供給する電力線を短期間短絡させて、記憶手段を初期化させる不正を防止することができる。
また、停電検出手段を制御基板に設けているため、停電検出信号を伝送するための信号線を制御基板に接続する必要がない。このため、停電検出信号を伝送するための信号線を短絡あるいは断線させた状態で処理手段等への駆動電力の供給を一定期間遮断させることによって、記憶手段を初期化させる不正を防止することができる。
また、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させることを決定するための当たり判定用乱数の初期値を当たり判定用乱数の1周期毎に更新しているため、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのが困難である。また、記憶手段が初期化された場合には、記憶手段が初期化されてから、乱数生成手段によって生成されている乱数に基づいて決定される期間が経過した後に、当たり判定用乱数生成手段による当たり判定用乱数の更新処理(生成処理)を開始している。さらに、乱数生成手段により生成されている乱数は、遊技機毎に固有の固有識別情報に基づいている。このため、記憶手段が不正に初期化された場合でも、記憶手段が初期化された後、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点(記憶手段が初期化されてから当たり判定用乱数が設定値と一致するまでの期間)を予測するのが非常に困難である。したがって、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測した不正な遊技を確実に防止することができる。
本発明を用いることにより、電源基板にバックアップ電源が設けられている場合でも、不正な遊技を防止することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態の要部の構成を図1に示す。本実施の形態は、本発明をパチンコ機として構成したものである。
本実施の形態は、電源基板10と、主制御基板20を有している。なお、図1には示されていないが、本実施の形態のパチンコ機は、主制御基板20以外の種々の基板や遊技用機器を有している。
電源基板10は、本発明の「電源基板」に対応し、主制御基板20は、本発明の「制御基板」に対応する。
電源基板10には、遊技機内の制御回路や遊技用機器等に電力を供給する電源回路11が設けられている。電源回路11としては、交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換回路が用いられている。本実施の形態では、電源回路11は、電源基板10の端子10aに供給されたAC24V電力をDC34V電力、DC12V電力に変換する。
電源回路11は、本発明の「電源手段」に対応する。
ここで、制御回路や記憶回路の駆動電力であるDC5V電力を電源基板10から各制御基板に供給するためには、DC5V電力を供給する電力線を電源基板10や各制御基板に接続する必要がある。DC5V電力は電圧が低いため、電力線による電圧降下や、電力線に混入したノイズによる影響が大きい。また、電源基板10や各制御基板に接続されているDC5V電力を供給する電力線が単期間短絡された場合、各制御基板に配設されている制御回路は、停電処理を実行することなく動作を停止した後、復帰処理を行う。この場合、停電処理が行われていないため、制御回路は、記憶回路を初期化する。このように、電源基板10や各制御基板にDC5V電力を供給する電力線が接続されていると、この電力線を単期間短絡させて記憶回路を初期化させる不正が行われる虞がある。
そこで、本実施の形態では、電力線による電圧降下や電力線に混入したノイズによる影響が少なく、不正が行われ難いDC34V電力とDC12V電力を電源基板10から各制御基板に供給している。例えば、電源回路11で変換されたDC34V電力は、電源基板10の端子10b、電力線L1を介して主制御基板20の端子20aに供給され、DC12V電力は、電源基板10の端子10c、電力線L2を介して主制御基板20の端子20bに供給されている。
また、停電時(主制御回路31等への駆動電力の供給が遮断されている時)には、停電が復旧した後(復電後)に停電前の状態から遊技を再開できるように、RAM33に記憶されている遊技情報等を保持させるためのバックアップ電力を供給する必要がある。本実施の形態では、電源基板10に、バックアップ電力を供給するためのバックアップコンデンサ12が設けられている。バックアップコンデンサ12は、電源回路11から電力が供給されている状態において、主制御基板20に設けられている電圧変換回路21で変換されたDC5V電力がダイオード24、電力線パターンm3、主制御基板20の端子20e、電力線L3、電源基板の端子10dを介して供給されることによって充電される。
バックアップコンデンサ12は、本発明の「バックアップ電源」に対応する。
前述したように、制御基板にバックアップ電源を設けた場合には、制御基板を遊技機から取り外し、制御基板に設けられている記憶回路に記憶されている遊技情報を不正に書き替えた後に遊技機に取り付ける不正が行われる虞がある。本実施の形態では、バックアップ電力を供給するバックアップコンデンサ12を電源基板10に設けている。このため、例えば、主制御基板20を遊技機から取り外した場合には、記憶回路(RAM33)に駆動電力が供給されなくなり、記憶回路(RAM33)に対するこのような不正が行われるのを防止することができる。
主制御基板20には、電圧変換回路21、停電検出回路22、RAMクリアスイッチ23、ダイオード24、主制御回路31、ROM32、RAM33、乱数生成回路34等が設けられている。なお、本実施の形態では、主制御回路31、ROM32、RAM33、乱数生成回路34は、一体化された主制御回路IC30として構成されている。主制御基板20には、これ以外の素子や回路が設けられている。
また、主制御基板20には、端子20a〜20gが設けられている。電源基板10の端子10b、10cと主制御基板20の端子20a、20bの間には、DC34V電力を供給するためのDC34V電力線L1、DC12V電力を供給するためのDC12V電力線L2が接続されている。端子20aと端子20cの間には、DC34V電力を供給するための電力線パターンm1が設けられており、端子20bと端子20dの間には、DC12V電力を供給するための電力線パターンm2が設けられている。電力線パターンm1、m2から、主制御基板20に設けられているDC34V負荷、DC12V負荷にDC34V電力、DC12V電力が供給される。主制御基板10の端子20fには種々の信号(例えば、始動入賞球信号)が入力される。端子20fに入力された信号は、主制御回路IC30の端子30cを介して主制御回路31に入力される。主制御回路31からの信号(例えば、主コマンド信号や駆動信号等の主制御信号)は、主制御回路IC30の端子30d、主制御基板10の端子20gを介して出力される。
電圧変換回路21は、DC12V電力を、主制御回路31やRAM33等の駆動電力として用いられるDC5V電力に変換する。電圧変換回路21としては、例えば、スイッチングレギュレータや3端子レギュレータが用いられる。
電圧変換回路21は、本発明の「電圧変換手段」に対応する。
電圧変換回路21で変換されたDC5V電力は、ダイオード24、電力線パターンm3を介して主制御回路IC30の端子30bに供給される。また、主制御基板20の端子20eと電源基板10の端子10dの間に接続されている電力線L3を介して、電源基板10に設けられているバックアップコンデンサ12にも供給されている。
停電検出回路22は、主制御基板20に供給される電力が低下したことを検出して停電検出信号(「停電予告信号」と呼ばれることもある)を出力する。本実施の形態では、電力が低下したことを電力の電圧が低下したことによって検出している。例えば、停電検出回路22は、電圧変換回路21に供給されるDC12V電力の電圧が停電検出設定値以下に低下したことを検出して、主制御基板20に供給される電力の電圧(すなわち、主制御回路31やRAM33に供給する駆動電力の電圧)が低下したことを示す停電検出信号を出力する。停電検出信号は、主制御回路IC30の端子30aを介して主制御回路31に入力される。
停電検出回路22は、本発明の「停電検出手段」に対応する。
ここで、前述したように、主制御回路31への駆動電力の供給が停止される場合には、主制御回路31に停電処理を実行させる必要がある。このため、停電検出設定値としては、停電等によって主制御基板20に供給されるDC12V電力が低下し、停電検出回路22から停電検出信号が出力されてから主制御回路31が停電処理を実行するまでの期間、電圧変換回路21から供給されるDC5V電力の電圧が、主制御回路31やRAM33が動作可能な電圧(例えば、5Vの駆動電力を用いる主制御回路31に対しては4.75V)以上に保持されるように設定される。
RAMクリアスイッチ23は、RAM33を初期化する際に用いられる。RAMクリアスイッチ23が操作されると、初期化指示信号が主制御回路IC30の端子30eを介して主制御回路31に入力される。
RAMクリアスイッチ23は、本発明の「初期化指示手段」に対応する。
本実施の形態では、停電等が発生して停電検出信号が入力された場合には、バックアップコンデンサ13からバックアップ電力を主制御回路用IC30に供給することによって、停電発生時にRAM33に記憶されている遊技情報を保持させている。そして、停電が復旧した時(復電時)に、RAM33に記憶されている遊技情報に基づいて、停電発生時の遊技状態から遊技を再開させている。
しかしながら、遊技店の開店時等では、各遊技機の制御基板に設けられているRAMを初期化し、初期値の遊技情報から遊技を開始させる必要がある場合がある。RAMクリアスイッチ23は、このように、主制御基板20に設けられているRAM33を強制的に初期化する場合に用いられる。例えば、RAM33を初期化する場合には、RAMクリアスイッチ23を操作(オン)した状態で、遊技機の電源スイッチを投入する。主制御回路31(処理手段31a)は、RAMクリアスイッチ23が操作されている状態(初期化指示信号が入力されている状態)で駆動電力が供給された場合には、RAM33を強制的に初期化する。
主制御回路31は、CPUにより構成されている。主制御回路31は、ROM32に記憶されている動作プログラムやRAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて動作し、処理手段31a、抽選手段31b、当たり判定用乱数生成手段31c、当たり初期値用乱数生成手段31dの処理を実行する。すなわち、本実施の形態は、処理手段31a、抽選手段31b、当たり判定用乱数生成手段31c、当たり初期値用乱数生成手段31dを有している。各手段の動作については後述する。
処理手段31aは、本発明の「処理手段」に対応し、抽選手段31bは、本発明の「抽選手段」に対応し、当たり判定用乱数生成手段31cは、本発明の「当たり判定用乱数生成手段」に対応し、当たり初期値用乱数生成手段31dは、本発明の「初期値用乱数生成手段」に対応する。
ROM32は、主制御回路31の各手段の動作プログラム、固有識別情報(固有ID)32a等が記憶されている。固有識別情報としては、遊技機に固有な識別情報、例えば、遊技機に設けられている素子や回路の識別情報が用いられる。本実施の形態では、主制御基板30に設けられている、ROM32が一体に成形されている主制御回路IC30の識別情報(例えば、製造時に付与される主制御回路IC30毎の製造番号)が用いられている。
ROM33に記憶されている主制御回路IC30の識別情報は、本発明の「遊技機毎に固有な固有識別情報」に対応する。
RAM33には、遊技に伴って変化する遊技情報や主制御回路31の各手段の動作情報、当たり判定用乱数33a、当たり初期値用乱数33bが記憶される。当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは、それぞれ、RAM33の当たり判定用乱数記憶領域および当たり初期値用記憶領域に記憶される。
遊技に伴って変化する遊技情報としては、例えば、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号の数、遊技球が入賞口に入球したことを示す入賞球信号(例えば、普通入賞口に入球したことを示す普通入賞球信号、大入賞口に入球したことを示す大入賞球信号)の数、払出装置に払い出しを指示した賞球数、大当たり遊技状態が発生していることを示す大当たり遊技情報等が記憶される。
当たり判定用乱数33aは、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ために用いられる。本実施の形態では、当たり判定用乱数33aとして、初期値更新型の当たり判定用カウント値を用いている。すなわち、当たり判定用乱数33aは、第1の値と第2の値の間の範囲内(以下、「第1の範囲内」という)の初期値(以下、「第1の初期値」という)から、第1の値から第2の値の方向に第1の更新値ずつ第1の範囲内の1周期(1サイクル)に亘って、1周期毎に第1の初期値が更新されながら、順次更新される。第1の更新値と更新方向は、適宜設定可能である。例えば、当たり判定用乱数33aは、第1の値「0」と第2の値「299」の第1の範囲内の第1の初期値から、第1の範囲内の1周期に亘って第1の更新値「1」ずつ順次加算される(更新方向が加算方向)カウント値で表される。この場合、第1の範囲内の1周期(1サイクル)は、第1の範囲内の第1の初期値から、第1の更新値「1」を加算する処理(更新処理)を「300」回行うまでの範囲である。なお、1周期(1サイクル)内で第2の値「299」に達すると、第1の値「0」に戻ってカウント(更新)が継続される。
当たり初期値用乱数33bは、当たり判定用乱数33aの1周期(1サイクル)毎の第1の初期値を決定するために用いられる。本実施の形態では、当たり初期値用乱数33bとして、初期値用カウント値を用いている。すなわち、当たり初期値用乱数33bは、第3の値と第4の値の間の範囲内(以下、「第2の範囲内」という)の初期値(以下、「第2の初期値」という)から、第3の値から第4の値の方向に第2の更新値ずつ第2の範囲に亘って順次更新される。第2の範囲は、第1の範囲に含まれるように(第3の値と第4の値が第1の範囲内の値となるように)設定される。好適には、第2の範囲は、第1の範囲と同じ範囲(第3の値および第4の値が第1の値および第2の値と等しい)に設定される。第2の更新値と更新方向は、適宜設定可能である。例えば、当たり初期値用乱数33bは、第3の値「0」(=第1の値)と第4の値「299」(=第2の値)の第2の範囲(=第1の範囲)内の第2の初期値から、第2の範囲に亘って第2の更新値「1」(=第1の更新値)ずつ順次加算される(更新方向が加算方向)カウント値で表される。なお、第4の値「299」に達すると、第1の値「0」に戻って更新される。また、当たり初期値用乱数33bの第2の初期値としては、適宜選択可能であるが、RAM33が初期化された時に、RAM33の当たり初期値用乱数記憶領域に設定される初期値(例えば「0」)を用いるのが好ましい。
なお、パチンコ機が複数の当たり遊技状態を有している場合には、RAM33には複数の当たり判定用乱数33aが記憶される。例えば、大入賞口を開閉する大入賞口開閉部材を開制御あるいは開閉制御する大当たり遊技状態と、大当たり遊技状態が発生することを表示装置に表示する際に用いる当たり図柄によって、大当たり遊技状態が発生する確率が通常時に比べて高い確変遊技状態を発生させる場合には、当たり判定用乱数33aとして、大当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための大当たり判定用乱数と、確変遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための当たり図柄判定用乱数が記憶される。
また、複数の当たり判定用乱数33aをRAM33に記憶する場合、複数の当たり判定用乱数33aそれぞれに対応する当たり初期値用乱数をRAM33に記憶することもできる。
当たり判定用乱数33aは、本発明の「当たり判定用乱数」に対応し、当たり初期値用乱数33bは、本発明の「初期値用乱数」に対応する。また、ROM32とRAM33は、本発明の「記憶手段」に対応する。
乱数生成回路34は、ROM32に記憶されている遊技機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて(固有識別情報を初期値として)乱数を生成する。乱数生成回路34としては、M系列乱数等の公知の乱数を生成する乱数生成回路を用いることができる。
ここで、後述するように、乱数生成回路34で生成されている乱数は、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aの生成処理が開始されるまでの期間(開始期間T)や、RAM33が初期化された直後の(1サイクル目の)当たり判定用乱数の第1の初期値(開始値S)を決定する際に用いられる。このため、乱数生成回路34で生成されている乱数を用いて当たり判定用乱数33aの生成処理(更新処理)を開始する開始期間Tや当たり判定用乱数33aの1サイクル目の開始値Sを容易に決定することができるように構成するのが好ましい。例えば、乱数生成回路34で生成される乱数の変化範囲が当たり判定用乱数33aの変化範囲と同じとなるように設定可能に構成する。あるいは、乱数生成回路34で生成されている乱数を当たり判定用乱数33aの生成処理(更新処理)を開始する開始期間Tや当たり判定用乱数33aの1サイクル目の開始値Sに変換する方法を設定する。
なお、乱数生成回路34での乱数生成周期(乱数更新周期)は、適宜設定可能である。
主制御回路31の各手段を説明する。
当たり判定用乱数生成手段31cは、RAM33に記憶される当たり判定用乱数33aを生成する。本実施の形態では、当たり判定用乱数生成手段31cとして初期値更新型の当たり判定用カウンタを用いている。すなわち、当たり判定用乱数生成手段31cは、第1の範囲内の第1の初期値から、第1の値から第2の値の方向に第1の更新値ずつ第1の範囲内の1周期(1サイクル)に亘って、1周期毎に第1の初期値を更新しながら、順次更新することによって当たり判定用乱数33aを生成している。第1の更新値と更新方向は、適宜設定可能である。なお、当たり判定用乱数生成手段31cは、1サイクル毎に、RAM33に記憶されている初期値用乱数33bを当たり判定用乱数33aの第1の初期値として用いる。
本実施の形態では、当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数の更新処理は、処理手段31aのメイン処理内のタイマ割り込み周期(例えば、4ms)毎のタイマ割り込み処理内で行われる。
初期値用乱数生成手段31dは、RAM33に記憶される当たり初期値用乱数33bを生成する。本実施の形態では、当たり初期値用乱数生成手段31dとして当たり初期値用カウンタを用いている。すなわち、当たり初期値用乱数生成手段31dは、第3の値と第4の値の間の第2の範囲内の第2の初期値から、第3の値から第4の値の方向に第2の更新値ずつ第2の範囲に亘って順次更新することによって当たり初期値用乱数33bを生成している。第2の更新値と更新方向は、適宜設定可能である。
本実施の形態では、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理は、処理手段31aのメイン処理内および処理手段31aのメイン処理内のタイマ割り込み周期(例えば、4ms)毎のタイマ割り込み処理内で行われる。
当たり判定用乱数33aの更新処理を処理手段31aのメイン処理内のタイマ割り込み周期内で行い、初期値用乱数33dの更新処理を処理手段31aのメイン処理内およびメイン処理内のタイマ割り込み周期内で行うことにより、初期値用乱数33bは、初期値用乱数33dの更新処理を処理手段31aのメイン処理内のタイマ割り込み周期内でのみ行う場合に比べてよりランダムに変化する。なお、当たり初期値用乱数33bの更新処理を処理手段31aのメイン処理内でのみ行うように構成することもできる。
なお、パチンコ機が複数の当たり遊技状態を有する場合には、複数の遊技状態それぞれを発生させるか否かを決定するための当たり判定用乱数33aを生成する複数の当たり判定用乱数生成手段31cと、複数の当たり判定用乱数33aそれぞれに対応する当たり初期値用乱数33bを生成する複数の当たり初期値用乱数生成手段31dを設けることができる。例えば、前述した、大当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための大当たり判定用乱数と確変遊技状態を発生させるか否かを決定する(抽選する)ための当たり図柄判定用乱数を用いる場合には、当たり判定用乱数生成手段31cとして、大当たり判定用乱数を生成する大当たり判定用乱数生成手段と当たり図柄判定用乱数を生成する当たり図柄判定用乱数生成手段を設け、当たり初期値用乱数生成手段31dとして、大当たり初期値用乱数を生成する大当たり初期値用乱数生成手段と当たり図柄初期値用乱数を生成する当たり図柄初期値用乱数生成手段を設ける。
抽選手段31bは、抽選条件の成立に起因して、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する抽選処理を行う。
抽選処理では、まず、RAM33に記憶されている当たり判定用乱数(本実施の形態では当たり判定用カウント値)33aを取得する(読み取る)。抽選条件としては、種々の条件を用いることができる。例えば、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号が入力された条件が用いられる。そして、取得した当たり判定用乱数33aとROM32に記憶されている設定値(当たり値)とを比較し(抽選を行い)、比較結果(抽選結果)を出力する。
パチンコ機が複数の当たり遊技状態を有している場合には、抽選手段31bは、複数の当たり遊技状態それぞれに対する抽選処理を実行する。例えば、まず、大当たり判定用乱数と設定値(当たり設定値)を比較する。大当たり判定用乱数が設定値と一致する(当たり)場合には、当り図柄判定用乱数と設定値(確変図柄設定値)を比較する。なお、大当たり判定用乱数が設定値と一致しない(はずれ)場合には、はずれ図柄判定用乱数を抽出する。
処理手段31aは、種々の処理を実行する。
処理手段31aは、抽選手段31bによる抽選処理の結果(抽選結果)に基づいて、遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かを決定する。すなわち、抽選結果が、取得した当たり判定用乱数33aが設定値と一致していることを示している場合には、当たり遊技状態を発生させることを決定する。抽選手段31bは、パチンコ機が複数の当たり遊技状態を有している場合には、複数の当たり遊技状態それぞれを発生させるか否かを決定する。例えば、抽選結果が、大当たり判定用乱数が設定値(当たり設定値)と一致していることを示している場合には、大当たり遊技状態を発生させることを決定する。さらに、抽選結果が、当り図柄判定用乱数が設定値(確変図柄設定値)と一致していることを示している場合には、確変遊技状態を発生させることを決定する。
また、停電検出回路22から、電圧変換回路21に供給されているDC12V電力の電圧が停電検出設定値より低下していることを示す停電検出信号(停電予告信号)が出力されると、停電処理を実行する。停電処理では、例えば、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて判定情報を算出し、算出した判定情報と遊技情報等をRAM33の退避領域に記憶する。判定情報としては、例えば、RAM33に記憶されている遊技情報等のチェックサム値が用いられる。
また、電圧変換回路21から供給されるDC5V電力(駆動電力)の電圧が主制御回路31(処理手段31a)が動作可能な動作電圧に達すると、復帰処理を実行する。復帰処理では、例えば、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて判定情報を算出し、算出した判定情報とRAM33に記憶されている判定情報(前回の停電処理時に算出された判定情報)を比較する。そして、算出した判定情報とRAM33に記憶されている判定情報が一致する場合には、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常である(停電中に変化していない)ことを判定し、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて遊技を再開する。一方、算出した判定情報とRAM33に記憶されている判定情報が一致しない場合には、RAM33に記憶されている遊技情報等が異常である(停電中に変化している虞がある)ことを判定し、RAM33を初期化する。この場合には、初期化された遊技情報等に基づいて遊技を開始する。なお、RAM33が初期化されると、RAM33の当たり判定用乱数記憶領域の当たり判定用乱数(当り判定用カウント値)33aおよび当たり初期値用乱数記憶領域の当たり初期値用乱数(当たり初期値用カウント値)33bも初期化される。本実施の形態では、RAM33が初期化されると、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは「0」に初期化される。
また、RAMクリアスイッチ23が操作された状態(初期化指示信号が入力されている状態)で、電圧変換回路21から供給されるDC5V電力が主制御回路31(処理手段31a)の動作電圧以上になると、RAM33に記憶されている判定情報に無関係に、RAM33を強制的に初期化する。
処理手段31aは、これ以外の種々の処理を実行する。
次に、本実施の形態の主制御回路31(処理手段31a、抽選手段31b、当たり判定用乱数生成手段31c、当たり初期値用乱数生成手段31d)の処理を、図2〜図4に示すフローチャートを用いて説明する。図2および図3は、主制御回路31の電源投入時処理(メイン処理を含む)の概略を説明するフローチャートであり、図4は、主制御回路31のタイマ割り込み処理の概略を説明するフローチャートである。なお、図2〜図4に示すフローチャートの大部分の処理は、主制御機回路31の処理手段31aによって実行される。
先ず、主制御回路31の電源投入時処理について説明する。図2および図3に示す電源投入時処理は、電源の投入等によって、主制御基板20に設けられている電圧変換回路21から供給されるDC5V電力の電圧が、主制御回路31が動作可能な動作電圧に達した時点で開始される。
ステップS1では、スタックポインタを設定する。スタックポインタは、例えば、データを一時記憶するスタックのアドレス、サブルーチンからメインルーチンに復帰する時のメインルーチンの復帰アドレスを一時記憶するスタックのアドレス等を示す。ステップS1では、スタックポインタにスタックの初期アドレスを設定する。これにより、データや復帰アドレスは初期アドレスから順次スタックに記憶される。
ステップS2では、停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号によって、主制御回路31からの主制御信号の出力が禁止される。
ステップS3では、ウェイトタイマ処理1を実行する。
ステップS4では、停電予告信号(停電検出回路22からの停電検出信号)が入力されているか否かを判断する。停電予告信号が入力されている場合にはステップS3に戻り、停電予告信号が入力されていない場合にはステップS5に進む。
ここで、電源投入等によってDC12V電力の供給が開始されてから、DC12V電力の電圧が停電電圧検出回路22に設定されている停電検出設定値に達するまでに時間がかかるため、主制御回路31が動作可能な状態になった時(DC5V電力の電圧が主制御回路31の動作電圧以上になった時)、DC12V電力の電圧が停電検出回路22に設定されている停電検出設定値に達していないことがある。この場合、停電検出回路22から出力される停電予告信号(停電検出信号)によって主制御回路31が誤動作する虞がある。ステップS3とステップS4の処理は、電源投入時等において、DC12V電力の電圧が安定するまで(停電検出設定値以上になるまで)待機するための処理である。本実施の形態では、ウェイトタイマ処理1のウェイトタイム1として200msが設定されている。DC12V電力の電圧が、ウェイトタイム1内に停電検出設定値に達しない場合には、異常が発生していると判断し、異常処理を実行する。例えば、発光器、スピーカ、液晶表示装置等を用いて異常が発生していることを報知する。
ステップS5では、停電クリア信号の出力を停止する。これにより、主制御回路31からの信号の出力が可能となる。
ステップS6では、RAMクリアスイッチ23が操作されているか否かを判断する。RAMクリアスイッチ23が操作されているか否かは、例えば、初期化指示信号が入力されているか否かによって判断する。RAMクリアスイッチ23が操作されている場合にはステップS7に進み、RAMクリアスイッチ23が操作されていない場合にはステップS8に進む。
ステップS7では、RAMクリアフラグRCLを「1」に設定する。
ステップS8では、RAMクリアフラグRCLを「0」に設定する。
ステップS9では、ウェイトタイマ処理2を実行する。ここで、電源が投入されてから液晶表示装置に画像情報を表示可能となるまで期間を要する。ステップS9のウェイトタイマ処理2は、液晶表示装置に画像情報を表示することができるようになるまで待機するための処理である。
ステップS10では、RAMクリアフラグRCLが「0」に設定されているか否かを判断する。RAMクリアフラグRCLが「0」に設定されている場合(RAMクリアスイッチ23が操作されていない状態で主制御回路31が動作状態となった場合)にはステップS11に進み、RAMクリアフラグRCLが「0」に設定されていない場合、すなわち、「1」に設定されている場合(RAMクリアスイッチ23が操作された状態で主制御回路31が動作状態となった場合)にはステップS17に進む。
ステップS11では、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常であるか否か(RAM33に記憶されている遊技情報が停電中に変化しているか否か)を判定するための判定情報を算出する。本実施の形態では、RAM33に記憶されている遊技情報等のチェックサム値を判定情報として算出している。
ステップS12では、ステップS11で算出した判定情報を用いて、RAM33に記憶されている情報が正常であるか否か(AM33に記憶されている遊技情報等が停電中に変化しているか否か)を判定する。本実施の形態では、ステップS11で算出したチェックサム値とRAM33に記憶されているチェックサム値(前回の停電処理時に算出したチェックサム値)が一致しているか否かを判断する。算出したチェックサム値とRAM33に記憶されているチェックサム値が一致している場合にはステップS14に進み、一致していない場合にはステップS17に進む。
ステップS13では、バックアップフラグBKが「1」に設定されているか否かを判断する。バックアップフラグBKは、前回の停電処理時に、停電処理が正常に終了したか否かを示すフラグである。すなわち、前回の停電処理が正常に終了した場合には「1」が設定され、正常に終了していない場合には「0」が設定される。バックアップフラグBKが「1」に設定されている場合にはステップS14に進み、「0」に設定されている場合にはステップS17に進む。
ステップS14では、RAMクリアスイッチ23が操作されてない状態(初期化指示信号が入力されていない状態)で主制御回路31が動作状態となり、また、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常であり、さらに、前回の停電処理が正常に終了したことを判別し、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて遊技を再開する(停電発生時の遊技状態から遊技を再開する)。すなわち、RAM33の作業領域の復電時設定を行う。例えば、RAM33の退避領域に記憶されている遊技情報等をRAM33の作業領域に書き込む。
ステップS15では、復電時処理を実行する。復電時処理では、例えば、RAM33に記憶されている遊技情報等に対応する信号(主コマンド信号や駆動信号)をRAM33の所定領域に記憶する。ステップS15の処理が終了するとステップS16に進む。
ステップS17では、RAMクリアスイッチ23が操作されている状態(初期化指示信号が入力されている状態)で主制御回路31が動作状態となったこと、あるいは、RAM33に記憶されている遊技情報等が異常であること、あるいは、前回の停電処理が正常に終了していないことを判別し、RAM33の全領域をクリア(初期化)する。例えば、RAM33の全領域に初期値「0」を設定する。なお、ROM32に記憶されている初期値を読み出してRAM33に設定する方法を用いることもできる。
ステップS18では、RAM33の作業領域を初期設定する。この初期設定では、ROM32に記憶されている初期値を読み出し、読み出した初期値をRAM33の作業領域に設定する。
ステップS19では、乱数生成回路34で生成されている乱数を取得してRAM33に記憶する。前述したように、乱数生成回路34は、ROM32に記憶されている固有識別情報32aを初期値とする乱数を生成している。ステップS19で取得した乱数は、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新処理を開始するまでの期間(開始期間T)やRAM33が初期化された後の当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数の33aのサイクル目の初期値(開始値S)を設定する際に用いられる。本実施の形態では、ステップS19で取得した乱数は、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新処理を開始するまでの期間(開始期間T)を決定するために用いられる。
ステップS20では、RAMクリア時処理を実行する。RAMクリア時処理では、例えば、RAM33を初期化したことを示すRAMクリア報知コマンド、各制御回路や遊技用機器の検査を行うためのテストコマンドを作成し、RAMの送信領域に記憶する。なお、主制御回路31からRAMクリア報知コマンド信号が出力されると、液晶表示装置にRAM33が初期化されたことを報知する画像情報が表示される。また、主制御回路31からテストコマンドが出力されると、各制御回路や各遊技用機器の検査が行われる。
なお、ステップS11〜ステップS14、ステップS17、ステップS18の処理によって、主制御回路31(処理手段31a)の、電源投入時等における復帰処理が実行される。
ステップS16では、割り込み初期設定を行う。割り込み初期設定では、処理手段31aのメイン処理内でタイマ割り込み処理を行う割り込み周期が設定される。本実施形態では、割り込み周期として4msが設定される。勿論、メイン処理の処理周期は、タイマ割り込み周期より短い。
ステップS21では、割り込み許可設定を行う。割り込み許可設定により、ステップS16で設定したタイマ割り込み周期毎のタイマ割り込み処理が実行される。
ステップS22では、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに「A」を設定する。なお、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに「A」、「B」、「C」が順に設定されると、ウォッチドックタイマがクリアされる。
ステップS23では、停電検出回路22からの停電予告信号(停電検出信号)が入力されているか否かを判断する。停電予告信号が入力されていない場合にはステオップS24に進み、停電予告信号が入力された場合にはステップS25に進む。
ステップS24では、当たり判定用乱数33aの1サイクル毎の第1の初期値を決定するための当たり初期値用乱数33bの更新処理が行われる。ここで、RAM33が初期化された場合には、当たり初期値用乱数33bは、第2の初期値から更新が開始される。第2の初期値としては、典型的には、RAM33が初期化された時の、RAM33の当たり初期値用乱数記憶領域の当たり初期値用乱数33bの初期値(例えば「0」)が用いられる。この場合には、当たり初期値用乱数33bの更新を開始する時、RAM33に記憶されている当たり初期値用乱数33bの初期値から第2の更新値ずつ更新するだけでよい。
なお、ステップS24では、当たり初期値用乱数以外の、遊技者に有利な当たり遊技状態を発生させるか否かを決定する抽選で用いられる当たり判定用乱数を除く非当たり判定用乱数の更新処理を行うこともできる。非当たり判定用乱数には、抽選結果を表示する表示態様としてリーチ表示を含む表示態様を選択するか否かを決定するためのリーチ表示判定用乱数や、抽選結果の変動表示パターンを決定するための変動表示パターン判定用乱数等が含まれる。非当たり判定用乱数は、非当たり判定用乱数それぞれに対応する非当たり判定用乱数生成手段によって生成される。
ステップS24での当たり初期値用乱数33aの更新は、当たり初期値用乱数生成手段31dによって実行される。
ステップS24の処理を終了した後ステップS22に戻る。
なお、ステップS22〜ステップS24の処理によって、主制御回路31(処理手段31a)のメイン処理が実行される。
このメイン処理内で、タイマ割り込み周期(例えば、4ms)毎に図4に示すタイマ割り込み処理が実行される。
ステップS25では、割り込み禁止設定を行う。割り込み禁止設定により、以後のタイマ割り込み処理が禁止され、RAM33に記憶されている遊技情報等の書き換えが禁止される。
ステップS26では、停電クリア信号の出力を開始する。これにより、主制御回路31からの信号の出力が停止され、遊技用機器の駆動が停止する。遊技用機器の駆動が停止されることによって、電力消費が抑制され、主制御回路31(処理手段31a)による停止処理のための電力が確保される。
ステップS27では、次回の主制御回路32(処理手段31a)の復帰処理時に、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常であるか否か(RAM33に記憶されている遊技情報等が停電中に変化しているか否か)を判定するための判定情報を作成する。本実施の形態では、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて判定情報を算出する。本実施の形態では、RAM33に記憶されている情報のチェックサム値を算出している。そして、RAM33に記憶されている遊技情報等(バックアップ情報)と算出したチェックサム値をRAM33の退避領域に記憶する。RAM33に記憶されている情報が正常であるか否か(RAM33に記憶されている情報が停電中に変化しているか否か)を判定する判定情報は、チャックサム値に限定されず、例えば、パリティデータ等の他の判定情報を用いることもできる。
ステップS28では、ステップS27の処理(RAM33に記憶されている遊技情報等と算出したチェックサム値をRAM33の退避領域に記憶する処理)を正常に終了した場合に、バックアップフラグBKを、停電処理を正常に終了したことを示す「1」に設定する。なお、ステップS27の処理が正常に終了しなかった場合には、バックアップフラグBKは、停電処理が正常に終了しなかったことを示す「0」の状態(RAM33が初期化された時の状態)に保持される。
ステップS29では、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う。例えば、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに「A」、「B」、「C」を順に設定する。ステップS29でウォッチドックタイマがクリア設定されると、主制御回路31(処理手段31a)は、再度電源投入等によって、電圧変換回路21から供給されるDC5V電力の電圧が主制御回路31(処理手段31a)の動作電圧以上になるまで(復電するまで)待機する。
なお、ステップS25〜ステップS29の処理によって、主制御回路31(処理手段31a)の停電処理が実行される。
次に、主制御側回路31(処理手段31a)のタイマ割り込み処理について説明する。図4に示す、タイマ割り込み処理は、図3に示したメイン処理内で、ステップS16で設定されたタイマ割り込み周期(本実施の形態では、4ms)毎に実行される。
ステップT1では、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに「B」を設定する。この時、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLは、図3のステップS22(メイン処理)での「A」の設定に続いて、「B」が設定されたことになる。
ステップT2では、割り込みフラグのクリアを行う。割り込みフラグのクリアによって、次のタイマ割り込み処理の処理タイミングを決定するタイマ割り込み周期の計時が開始される。
ステップT3では、各種信号の入力処理を行う。入力された信号は、入力情報としてRAM33の入力領域に記憶される。入力される信号としては、例えば、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す始動入賞球信号、遊技球が大入賞口に入球したことを示す大入賞球信号等が用いられる。
ステップT4では、タイマ減算処理を行う。例えば、液晶表示装置に図柄を変動表示する際に、図柄の変動表示期間を減算する。この場合、変動表示期間が「0」になることによって、液晶表示装置への図柄の変動表示が終了する時点を判別することができる。あるいは、信号を出力した後のACK信号(応答信号)の入力判定期間を減算する。これにより、入力判定期間が「0」に達するまでにACK信号が入力されなかったことにより、異常が発生していることを判別することができる。なお、本実施の形態では、4ms毎にタイマ割り込み処理を実行しているため、各期間は、4msずつ減算される。
ステップT5では、RAM33に記憶されている当たり判定用乱数の更新処理を行う。複数の当たり判定用乱数を用いている場合には、RAM33に記憶されている複数の当たり判定用乱数を更新する。
RAM33が初期化されてから1サイクル目の1回目の当たり判定用乱数33aの更新処理の場合には、ステップS19で取得した乱数を用いて、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新処理を開始するまでの期間(開始期間T)を決定する。そして、RAM33が初期化されてから、決定された開始期間Tが経過するまで待機する。RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過したか否かの判定は、ステップT4でのタイマ減算処理で行うことができる。RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過すると、当たり判定用乱数33aの1サイクル目(1周期目)の第1の初期値を設定する。ここで、本実施の形態では、RAM33に記憶されている当たり初期値用乱数33bを用いて当たり判定用乱数33aの各サイクルの第1の初期値を決定するように構成されている。また、本実施の形態では、RAM33が初期化された後の、当たり初期値用乱数33bの更新処理の開始時期を、当たり判定用乱数33aの更新処理の開始時期と一致させている。このため、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過した時点では、RAM33に記憶されている当たり初期値用乱数33bは、RAM33が初期化された時の初期値(本実施の形態では「0」)に設定されている。したがって、当たり判定用乱数33aは、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過した時点で、当たり初期値用乱数33bの初期値「0」を1サイクル目の第1の初期値として更新が開始される。
なお、当たり判定用乱数33aが当該サイクル内で第2の値に達すると、第1の値から更新処理が継続される。
また、当たり判定用乱数33aが、当該サイクル内の第1の初期値の直前の値に達した場合には、RAM33に記憶されている当たり初期値用乱数33bの値を用いて当たり判定用乱数33aの次のサイクルの第1の初期値を決定し、当たり判定用乱数33aの次のサイクルの更新処理が行われる。以後同様にして、当たり判定用乱数33aの1サイクル(1周期)毎に、当たり初期値用乱数33bを用いて当たり判定用乱数33aの次のサイクルの第1の初期値を更新しながら)、当たり判定用乱数33aが1サイクル(1周期)毎に更新される。
主制御回路31(処理手段31a)が動作を開始した時点でRAM33の初期化が行われなかった場合には、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bの初期化も行われない。RAM33が初期化されなかった場合には、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは、停電前の値から更新される。
なお、ステップT5では、ステップS24での当たり初期値用乱数33bの更新処理と同様の更新処理も行われる。すなわち、非当たり判定用乱数の更新処理も行われる。このように、当たり初期値用乱数の更新処理を、メイン処理内およびメイン処理内のタイマ割り込み処理内それぞれで行うことにより、当たり初期値用乱数のランダム性がより高まる。ステップT5での当たり判定用乱数33bの更新処理は、当たり判定用乱数生成手段31cによって実行され、当たり初期値用乱数33bの更新処理は、当たり初期値用乱数生成手段31dによって実行される。
ステップT6では、賞球制御処理を行う。賞球制御処理では、RAM33の入力領域から遊技球が入賞口(一般入賞口、始動入賞口、大入賞口等)に入球したことを示している入力情報を読み出し、読み出した入力情報に対応する(遊技球が入球した入賞口に対応する)賞球数を示す信号(賞球コマンド信号)をRAM33の送信領域に記憶する。
ステップT7では、不正検出処理を行う。例えば、RAM33の入力領域から入力情報を読み出し、大入賞口を開閉する大入賞口開閉部材を開制御あるいは開閉制御する大当たり遊技状態が発生していることを示す入力情報が入力されていない状態で、遊技球が大入賞口に入球したことを示している入力情報が入力されているか否かを判別する。不正を検出した場合には、賞球異常情報をRAM33の送信領域に記憶する。
ステップT8では、抽選処理を行う。例えば、RAM33の入力領域から入力情報を読み出し、遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う条件を示している入力情報が入力されている場合には、RAM33に記憶されている当たり判定用乱数33aを取得する(読み出す)。そして、取得した当たり判定用乱数33aとROM32に記憶されている設定値(当たり値)を比較し(抽選し)、比較結果を出力する(抽選結果を出力する)抽選処理を実行する(当たりであるか否かを判定する)。例えば、大当たり遊技状態と確変遊技状態を発生させる場合には、遊技球が始動入賞口に入球したことを示す入力情報が入力されると、大当たり判定用乱数および当たり図柄判定用乱数を取得し、取得した大当たり判定用乱数および当たり図柄判定用乱数とROM33に記憶されている設定値(当たり値)を比較する。
そして、抽選結果(取得した当たり判定用乱数33aと設定値との比較結果)に基づいて出力情報を設定しRAM33の出力領域に記憶する。例えば、大当たり判定用乱数生成手段31cで生成されている大当たり判定用乱数が設定値(大当たり値)と一致する場合(抽選結果が当たりである場合)には、大当たり遊技状態を発生させることを決定する。さらに、当り図柄判定用乱数が設定値(確変図柄設定値)と一致する場合には、確変遊技状態を発生させることを決定する。なお、当たり変動表示パターン用乱数生成手段で生成されている当たり変動表示パターン用乱数に基づいて当たり変動表示パターンを決定する。そして、決定した当たり図柄を示す当たり図柄情報および当たり変動表示パターンを示す当たり変動表示パターン情報をRAM33の出力領域に記憶する。また、大当たり遊技状態を発生させるための情報(例えば、大入賞口開閉部材を駆動する駆動情報)と確変遊技状態を発生させるための情報(例えば、高確率テーブル選択情報)をRAM33の出力領域に記憶する。一方、大当たり判定用乱数生成手段31cで生成されている大当たり判定用乱数が設定値(大当たり値)と一致しない場合(抽選結果がはずれである場合)には、はずれ図柄判定用乱数生成手段で生成されているはずれ図柄判定用乱数に基づいてはずれ図柄を決定するとともに、はずれ変動表示パターン用乱数生成手段で生成されているはずれ変動表示パターン用乱数に基づいてはずれ変動表示パターンを決定する。そして、決定したはずれ図柄を示すはずれ図柄情報およびはずれ変動表示パターンを示すはずれ変動表示パターン情報をRAM33の出力領域に記憶する。
ステップT8での当たり判定用乱数33aと設定値との比較は、抽選手段31bによって実行される。
ステップT9では、信号出力処理を行う。例えば、RAM33の出力領域に記憶されている情報を読み出し、読み出した情報に基づいて各種信号(主コマンド信号や駆動信号)を出力する。
ステップT10では、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに「C」を設定する。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、「A」、「B」、「C」が順に設定されるため、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップT11では、レジスタの切替(復帰)を行う。ここで、タイマ割り込み処理が開始されると、主制御回路31(処理手段31a)は、レジスタに記憶されている情報をスタックに退避し、メイン処理で使用していたレジスタに記憶されている情報が破壊されるのを防止している。ステップT11では、タイマ割り込み処理が終了したため、スタックに退避していた情報を読み出したレジスタに記憶する。
次に、本実施の形態の動作を、当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図5を参照して説明する。以下では、1つの当たり判定用乱数33aと、1つの当たり初期値用乱数33bが用いられている場合について説明する。また、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bの変化状態に関係する動作を主に説明し、他の動作の説明は省略する。また、図5では、当たり判定用乱数は実線で示され、当たり初期値用乱数は破線で示されている。
本実施の形態では、RAM33が初期化された場合には、当たり判定用乱数生成手段31による当たり判定用乱数31aの更新処理および当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を、RAM33が初期化されてから、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される期間(開始期間T)経過した後に開始するように構成されている。
また、当たり判定用乱数(当たり判定用カウント値)33aは、リセット値「0」を第1の値、折返し値「299」を第2の値とする第1の範囲「0」〜「299」内で、リセット値「0」から折返し値「299」の方向(加算方向)に第1の更新値「1」ずつ更新(加算)され、当たり初期値用乱数33bは、リセット値「0」を第3の値、折り返し値「299」を第4の値とする第2の範囲「0」〜「299」内で、リセット値「0」から折り返し値「299」の方向(加算方向)に第2の更新値「1」ずつ更新(加算)されるものとする。この場合、当たり判定用乱数33aの1周期(1サイクル)は、第1の初期値からの「1」ずつの更新(加算)処理を「300」回行うまでの範囲である。また、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは、折返し値「299」に達すると、リセット値「0」から更新(加算)が継続される。
パチンコ機の電源が投入されてAC24V電力が電源回路11(電源基板10)に供給されると、電源回路11は、AC24V電力をDC34V電力およびDC12V電力に変換する。AC24V電力及びAC12V電力は、電源基板10から電力線L1及びL2を介して主制御基板20に供給される。主制御基板20に設けられている電圧変換回路21は、主制御基板20に供給されるDC12V電力をDC5V電力に変換し、主制御回路IC30の端子30bを介して主制御回路31やRAM33等の駆動電力として供給する。
主制御回路31(処理手段31a)は、DC5V電力の電圧が動作電圧に達すると、復帰処理を行う。まず、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常であるか否か(停電中に変化しているか否か)を判定する。例えば、RAM33の退避領域に記憶されている遊技情報等に基づいて判定情報(例えば、チェックサム値)を算出し、算出した判定情報とRAM33の退避領域に記憶されている判定情報(例えば、前回の停電処理時に算出されたチェックサム値)が一致しているか否かを判定する(ステップS11、S12)。
算出した判定情報とRAM33に記憶されている判定情報が一致する場合には、RAM33に記憶されている遊技情報等が正常である(停電中に変化していない)ことを判別し、RAM33に記憶されている遊技情報等に基づいて遊技を継続する(ステップS14)。即ち、前回の停電時の遊技状態から遊技を再開する。
一方、算出した判定情報とRAM33に記憶されている判定情報が一致しない場合には、RAM33に記憶されている遊技情報等が異常である(停電中に変化している虞がある)ことを判別し、RAM33を初期化する。この時、RAM33の当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは初期値に設定される(ステップS17、S18)。図5では、RAM33が初期化された時点t1で、当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bは「0」(=リセット値)に設定される。
なお、RAMクリアスイッチ23が操作された状態(初期化指示信号が入力されている状態)で、主制御回路31(処理手段31a)の復帰処理が実行される場合には、RAM33に記憶されている判定情報に関係なくRAM33が初期化される(ステップS7、S10、S17)。
RAM33が初期化されると当たり初期値用乱数33bがリセット値「0」に設定されるため、RAM33が初期化された後直ちに当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの更新を開始すると、当たり判定用乱数33aは、リセット値「0」から更新が開始される。この場合、前述したように、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aが設定値(図5では、当たり値「140」)と一致するまでの期間を予測することができる。
本実施の形態では、RAM33を初期化する場合には、乱数生成回路34によって、パチンコ機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて生成されている乱数を取得し、取得した乱数に基づいて開始期間Tを決定する(ステッS19)。なお、乱数生成回路34は、開始期間Tの変化範囲内で乱数が変化するように構成されるのが好ましい。例えば、主制御回路31(処理手段321a)から乱数生成回路34に、乱数の変化範囲を示す変化範囲情報(例えば、開始期間Tの変化範囲を示す第5の値と第6の値)を出力し、乱数生成回路34で生成される乱数の変化範囲を設定可能に構成する。
そして、RAM33が初期化された時点t1から、乱数生成回路34から取得した乱数に基づいて決定された開始期間Tが経過した時点t2で、当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの更新処理を開始させるとともに(ステップT5)、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させる(ステップS24、T5)。
図5に示すように、当たり初期値用乱数33bは、時点t2において、リセット値「0」を第2の初期値として更新が開始される。ここで、時点t2では、当たり初期値用乱数33bはリセット値「0」である。このため、当たり判定用乱数33aは、時点t2において、リセット値「0」が第1の初期値として設定され、第1の初期値「0」から1サイクル目(1周期目)の更新が開始される。当たり判定用乱数33aは、時点t2で1サイクル目の更新を開始した後、1サイクル分(1周期分)の更新(カウント)(リセット値「0」と折り返し値「299」の間の第1の範囲の場合、「300」回の更新)が行われた時点t3で、折り返し値「299」に達する。これにより、当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新(カウント)が終了する。なお、この間、当たり初期値用乱数33bは、当たり判定用乱数33aより短い更新周期で更新されている。
当たり判定用乱数33aは、時点t3で1サイクル目の更新が終了すると、2サイクル目の更新が開始される。ここで、当たり初期値用乱数33bが2サイクル目の第1の初期値として設定される。図5では、時点t3では当たり初期値用乱数33bが「130」であり、当たり判定用乱数33aの2サイクル目の第1の初期値として「130」が設定され、第1の初期値「130」から2サイクル目の更新が開始される。
当たり判定用乱数33aが時点t4で折り返し値「299」に達すると、2サイクル目の更新が終了してないため、リセット値「0」からの更新が継続される。そして、初期値「130」から1サイクル分(1周期分)の更新(「300」回の更新)が行われた時点t5で、当たり判定用乱数33aが、2サイクル目の第1の初期値「130」の直前の値「129」に達する。これにより、当たり判定用乱数33aの2サイクル目の更新(カウント)が終了する。
以後、同様にして、当たり判定用乱数33aは、1サイクル毎(1周期毎)に第1の初期値を当たり初期値用乱数33bを用いて更新しながら、第1の範囲内で更新される。
以上のように、本実施の形態では、当たり判定用乱数33aとして初期値更新型の当たり判定用乱数を用いるとともに、RAM33が初期化された場合には、RAM33が初期化されてから、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始期間Tが経過した後に当たり判定用乱数33aの更新処理を開始している。ここで、乱数生成回路34は、遊技機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて乱数を生成しているため、乱数生成回路34で生成されている乱数32aに基づいて決定される開始期間Tは、遊技機毎に異なる。
これにより、当たり判定用乱数33aが、RAM33が初期化された後第1の値(例えば、「0」)から更新が開始される場合でも、RAM33が初期化されてから、当たり判定用乱数33aが設定値(当たり値)と一致するまでの期間(当たり判定用乱数33aが設定値と一致する時点)を予測するのが困難となる。したがって、RAM33の不正な初期化による不正な遊技を防止することができる。
第1の実施の形態では、RAM33が初期化されてから、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始期間Tが経過した後に、当たり判定用乱数生成回路31cによる当たり判定用乱数33aの更新処理および当たり初期値用乱数生成回路31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させたが、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を当たり判定用乱数生成回路31cによる当たり判定用乱数33aの更新処理より前に開始させるように構成することもできる。
以下に、RAM33が初期化された場合、当たり初期値用乱数の更新処理を開始させ、その後、当たり判定用乱数の更新処理を開始させる第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態の遊技機は、図1と同様に構成することができる。
また、第2の実施の形態の処理は、ステップS24での当たり初期値用乱数33bの更新処理と、ステップT5での当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bの更新処理を除いて、図2〜図4に示されているフローチャートと同様の処理を実行する。
第2の実施の形態の動作を、当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図6を参照して説明する。以下では、各条件は、図5で説明した場合と同様である。また、図6では、当たり判定用乱数は実線で示され、当たり初期値用乱数は破線で示されている。なお、第2の実施の形態は、ステップS24での当たり初期値用乱数33bの更新処理と、ステップT5での当たり判定用乱数33aの更新処理および当たり初期値用乱数33bの更新処理が第1の実施の形態と異なるだけであるため、以下では、当たり初期値用乱数33bの更新処理と当たり判定用乱数33aの更新処理についてのみ説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、RAM33を初期化する場合には、乱数生成回路34によって、パチンコ機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて生成されている乱数を取得し、取得した乱数に基づいて開始期間Tを決定する(ステッS19)。
第1の実施の形態では、RAM33が初期化された時点t1から開始期間Tが経過した後に、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させたが、本実施の形態では、RAM33が初期化された時点t1で、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させている(ステップS24、ステップT5)。なお、当たり初期値用乱数33bの更新処理の開始時点は、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過する以前(当たり判定用乱数33aの更新が開始される前)であればよい。
これにより、図6に示すように、当たり初期値用乱数33bは、RAM33が初期化された時点t1において、リセット値「0」を第2の初期値として更新が開始される。
そして、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過した時点t2で、当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの更新処理が開始する(ステップT5)。
当たり初期値用乱数33bは、RAM33が初期化された時点t1で更新処理が開始されているため、時点t1から開始期間Tが経過した時点t2では、リセット値「0」と折り返し値「299」の範囲内の任意の値となる。これにより、当たり判定用乱数33aは、時点t2において、更新処理が開始されている当たり初期値用乱数31bの値が第1の初期値として設定され、設定された第1の初期値から1サイクル目(1周期目)の更新が開始される。図6では、当たり判定用乱数33aは、時点t2で、当たり初期値用乱数「60」が1サイクル目の第1の初期値として設定され、第1の初期値「60」から1サイクル目の更新が開始される。
当たり判定用乱数33aは、時点t2で第1の初期値「60」から1サイクル目の更新を開始した後、時点t3で折り返し値「299」に達するが、1サイクル目の更新が終了してないため、リセット値「0」からの更新が継続される。そして、初期値「60」から1サイクル分(1周期分)の更新(「300」回の更新)が行われた時点t4で、当たり判定用乱数33aが、1サイクル目の第1の初期値「60」の直前の値「59」に達する。これにより、当たり判定用乱数33aの2サイクル目の更新(カウント)が終了する。
当たり判定用乱数33aは、時点t4で1サイクル目の更新が終了すると、2サイクル目の更新が開始される。ここで、当たり初期値用乱数33bが2サイクル目の第1の初期値として設定される。図6では、時点t4では当たり初期値用乱数33bが「170」であり、当たり判定用乱数33aの2サイクル目の第1の初期値として「170」が設定され、第1の初期値「170」から2サイクル目の更新が開始される。
以後、同様にして、当たり判定用乱数33aは、1サイクル毎(1周期毎)に第1の初期値を当たり初期値用乱数33bを用いて更新しながら、第1の範囲内で更新される。
以上のように、本実施の形態では、当たり判定用乱数33aとして初期値更新型の当たり判定用乱数を用いるとともに、RAM33が初期化された場合には、RAM33が初期化されてから、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始期間Tが経過した後に当たり判定用乱数33aの更新処理を開始している。前述したように、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始期間Tは、遊技機毎に異なる。
さらに、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過する前に(RAM33が初期化された時点を含む)当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させている。このため、RAM33が初期化されてから開始期間Tが経過した時点における当たり初期値用乱数はランダムな値となる。これにより、RAM33が初期化された後の当たり判定用乱数の1サイクル目(1周期目)の第1の初期値は、遊技機毎に異なる値が設定される。
したがって、RAM33の不正な初期化による不正な遊技をより確実に防止することができる。
第1および第2の実施の形態では、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数が設定値と一致するまでの期間(一致する時期)の予測を困難にする手法として、遊技機毎に固有な固有識別情報に基づいて決定された(例えば、遊技機毎に固有な固有識別情報に基づいて生成されている乱数に基づいて決定された)開始期間Tが経過した後に当たり判定用乱数の更新処理を開始させる手法を用いたが、遊技機毎に固有な固有識別情報を用いて、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数が設定値と一致するまでの期間(一致する時期)の予測を困難にする手法はこれに限定されない。
以下に、RAM33が初期化された後の、当たり判定用乱数の1サイクル目(1周期目)の第1の初期値(開始値S)を、遊技機毎に固有な固有識別情報に基づいて設定することにより、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数が設定値と一致するまでの期間(一致する時期)の予測を困難にする手法を用いた第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態の遊技機は、図1と同様に構成することができる。
また、第3の実施の形態の処理は、ステップS19での乱数に基づいた設定値処理と、ステップS24での当たり初期値用乱数33bの更新処理と、ステップT5での当たり判定用乱数33aおよび当たり初期値用乱数33bの更新処理を除いて、図2〜図4に示されているフローチャートと同様の処理を実行する。
第3の実施の形態の動作を、当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図7を参照して説明する。以下では、各条件は、図5で説明した場合と同様である。また、図7では、当たり判定用乱数は実線で示され、当たり初期値用乱数は破線で示されている。なお、第3の実施の形態は、ステップS19での乱数に基づいた設定値処理と、ステップS24での当たり初期値用乱数33bの更新処理と、ステップT5での当たり判定用乱数33aの更新処理および当たり初期値用乱数33bの更新処理が第1の実施の形態と異なるだけであるため、以下では、乱数に基づいて設定値処理、当たり初期値用乱数33bの更新処理と当たり判定用乱数33aの更新処理についてのみ説明する。
本実施の形態では、RAM33を初期化する場合には、乱数生成回路34によって、パチンコ機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて生成されている乱数を取得し、取得した乱数に基づいて、当り判定用乱数33aの開始値Sを決定する(ステッS19)。
第1および第2の実施の形態では、RAM33が初期化された時点t1から、固有識別情報32aに基づいて決定された開始期間Tが経過した後に、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させたが、本実施の形態では、RAM33が初期化された時点t1で、当たり初期値用乱数生成手段31dによる当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始させるとともに、当たり判定用乱数生成手段31cによる当たり判定用乱数33aの更新処理を、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定された開始値Sを1サイクル目(1周期目)の第1の初期値として開始させている(ステップS24、ステップT5)。
なお、乱数生成回路34は、当たり判定用乱数33aの変化範囲、すなわち、第1の値であるリセット値「0」と第2の値である折返し値「299」の間の第1の範囲内で乱数が変化するように構成されるのが好ましい。例えば、主制御回路31(処理手段321a)から乱数生成回路34に、乱数の変化範囲を示す変化範囲情報(例えば、変化範囲を示す第5の値「0」と第6の値「299」)を出力し、乱数生成回路34で生成される乱数の変化範囲を設定可能に構成する。
当たり初期値用乱数生成手段31cは、RAM33が初期化された時点t1で当たり初期値用乱数33bの更新処理を開始する。この場合、当たり初期値用乱数33bは、図7に示されているように、リセット値「0」を第2の初期値として更新が開始される。
また、当たり判定用乱数生成手段31cも、RAM33が初期化された時点t1で、当り判定用乱数33aの更新処理を開始する。ここで、当り判定用乱数生成手段31cは、図7に示されているように、RAM33が初期化された場合には、当たり判定用乱数33aの1サイクル目の第1の初期値を、乱数生成回路34によって生成されている乱数に基づいて決定された開始値Sを用いて更新し(設定し)、当たり判定用乱数33aの1サイクル目(1周期目)の更新を開始する。
当たり判定用乱数33aは、時点t1で乱数に基づいて決定された開始値Sを第1の初期値として1サイクル目の更新が開始された後、時点t2で折り返し値「299」に達するが、1サイクル目の更新が終了してないため、リセット値「0」からの更新が継続される。そして、初期値「S」から1サイクル分(1周期分)の更新(「300」回の更新)が行われた時点t3で、当たり判定用乱数33aは、1サイクル目の第1の初期値「S」の直前の値に達する。これにより、当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新(カウント)が終了する。
当たり判定用乱数33aは、時点t3で当たり判定用乱数33aの1サイクル目の更新処理が終了すると、2サイクル目の更新が行われる。ここで、当たり判定用乱数生成手段31cは、RAM33が初期化された場合、当り判定用乱数33aの2サイクル目の第1の初期値は、当り初期値用乱数33bを用いて更新する(設定する)。したがって、当り判定用乱数33aの2サイクル目の第1の初期値は、当たり初期値用乱数33bを用いて更新される。図7では、時点t3で当たり初期値用乱数33bが「120」であり、当たり判定用乱数33aの2サイクル目の第1の初期値として「120」が設定され、第1の初期値「120」から2サイクル目の更新が開始される。
以後、同様にして、当たり判定用乱数33aは、1サイクル毎(1周期毎)に第1の初期値を当たり初期値用乱数33bを用いて更新しながら、第1の範囲内で更新される。
以上のように、本実施の形態では、当たり判定用乱数33aとして初期値更新型の当たり判定用乱数を用いるとともに、RAM33が初期化された場合には、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始値Sを、RAM33が初期化された後の当たり判定用乱数33aの1サイクル目(1周期目)の第1の初期値として設定し、当たり判定用乱数33aの更新処理を開始している。乱数生成回路34は、遊技機毎に固有な固有識別情報32aに基づいて乱数を生成している。このため、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される開始値Sは、遊技機毎に異なる。
これにより、RAM33が初期化された後当たり判定用乱数の更新が開始される場合でも、RAM33が初期化されてから、当たり判定用乱数33aが設定値(当たり値)と一致するまでの期間(当たり判定用乱数33aが設定値と一致する時点)を予測するのが困難となる。したがって、RAM33の不正な初期化による不正な遊技を防止することができる。
なお、第1〜第3の実施の形態では、バックアップコンデンサ12からのバックアップ電力を供給するために、電源基板10や主制御基板20に電力線L3が接続されている。このため、電力線L3を短絡あるいは切断した状態で電源線L2を短絡させると、RAM33に記憶されている遊技情報が消去することがある。この場合、電源線L2の短絡を解除してDC12V電力の供給を開始させると、主制御回路31の復帰処理でRAM33が初期化される。この場合でも、前述したように、当たり判定用乱数が設定値と等しくなる時期を予測するのが困難であるため、不正な遊技が行われるのを防止することができる。
また、第1〜第3の実施の形態では、RAMクリアスイッチ23が主制御基板20に設けられているため、RAMクリアスイッチの操作信号(初期化指示信号)を伝送する信号線を主制御基板20に接続する必要がない。初期化指示信号を伝送する信号線が主制御基板20に接続されていないため、信号線に初期化指示信号を挿入した状態で電力線L2を短時間短絡させることによってRAM33が不正に初期化されるのを防止することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
RAM(記憶回路)を初期化した後に、当たり判定用乱数が設定値と一致するまでの期間を遊技機に固有な固有識別情報(固有ID)に基づいて変更する手法としては、実施の形態で説明した手法に限定されず種々の手法を用いることができる。例えば、当たり判定用乱数33aの第1の初期値を、当たり初期値用乱数33bあるいは乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値のいずれかを用いて更新するように構成することができる。当たり初期値用乱数33bあるいは乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値のいずれを用いるかは、抽選等の適宜の方法を用いて決定される。あるいは、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aがn周期(n;正の整数)更新されるまで(好適には、1周期更新されるまで)は、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値を用いて当たり判定用乱数33aの第1の初期値を更新し、n周期更新された後は、当たり初期値用乱数33bあるいは乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値のいずれかを用いて当たり判定用乱数33aの第1の初期値を更新するように構成することができる。あるいは、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aがn周期(n;正の整数)更新されるまで(好適には、1周期更新されるまで)は、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値を用いて当たり判定用乱数33aの第1の初期値を更新し、n周期更新された後は、当たり初期値用乱数33bを用いて当たり判定用乱数33aの第1の初期値を更新するように構成することができる。あるいは、乱数生成回路34で生成されている乱数に基づいて決定される値を用いて当たり判定用乱数33aの1周期毎の第1の初期値を更新するように構成することができる。いずれの手法を用いた場合でも、RAM33が初期化されてから当たり判定用乱数33aが設定値と一致するまでの期間を予測するのが困難である。
電源基板10の構成や、主制御基板20の構成は実施の形態で説明した構成に限定されない。
本発明は、実施の形態で説明した各構成を個別にあるいは複数を適宜組み合わせて構成することができる。
主制御基板20に供給する直流電力の電圧値は、適宜選択可能である。
主制御回路31が設けられている主制御基板20について説明したが、本発明は、他の制御回路が設けられている他の制御基板にも適用することができる。
パチンコ機として構成した場合について説明したが、本発明はパチンコ機以外の種々の遊技機として構成することができる。
本発明は、以下のように構成することができる。
例えば、「(態様1)請求項1の遊技機であって、前記初期値用乱数生成手段は、前記処理手段によって前記記憶手段が初期化された場合には、前記当たり判定用乱数生成手段が前記当たり判定用乱数を更新する処理を開始する前に、前記初期値用乱数を更新する処理を開始することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、記憶手段が初期化された場合には、初期値用乱数生成手段による当たり初期値用乱数の更新処理を、当たり判定用乱数生成手段による当たり判定用乱数の更新処理が開始される前に開始する。初期値用乱数の更新処理の開始時期は、当たり判定用乱数の更新処理が開始される前であればよく、記憶手段が初期化された時点でもよい。
本発明では、記憶手段が初期化されてから、遊技機毎に固有な固有識別情報に基づいて決定された開始期間が経過した後に当たり判定用乱数の更新処理を開始するとともに、更新が開始されている初期値用乱数を用いて当たり判定用乱数の第1の初期値が更新されるため、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのがより困難である。したがって、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測した不正な遊技をより確実に防止することができる。
また、「(態様2)処理手段と、抽選手段と、当たり判定用乱数生成手段および記憶手段が設けられている制御基板と、前記制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている電源基板を備え、前記記憶手段には、当たり判定用乱数が記憶され、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記当たり判定用乱数を、第1の値と第2の値の間の第1の範囲内の第1の初期値から、前記第1の値から前記第2の値の方向に第1の更新値ずつ前記第1の範囲の1周期に亘って順次更新する処理を、1周期毎に前記第1の初期値を更新しながら実行し、前記抽選手段は、抽選条件の成立に起因して前記当たり判定用乱数と設定値を比較する抽選処理を実行し、前記処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が、前記当たり判定用乱数が前記設定値と一致していることを示している場合に当たり遊技状態を発生させ、また、停電が発生したことを示す停電検出信号が入力された場合には、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて判定情報を生成して前記記憶手段に記憶し、駆動電力が供給された場合には、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が正常であるか否かを判定し、前記記憶手段に記憶されている情報が異常であることを判定すると前記記憶手段を初期化する遊技機であって、前記制御基板には、初期値用乱数生成手段と、乱数生成手段と、電圧変換手段および停電検出手段が設けられているとともに、前記記憶手段には、初期値用乱数および遊技機毎に固有な固有識別情報が記憶され、前記初期値用乱数生成手段は、前記初期値用乱数を、前記第1の範囲内である第2の範囲内の第2の初期値から第2の更新値ずつ前記第2の範囲に亘って順次更新する処理を実行し、前記乱数生成手段は、前記記憶手段に記憶されている固有識別情報に基づいて乱数を生成し、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記1周期毎の第1の初期値を前記初期値用乱数あるいは前記乱数生成手段で生成されている乱数のいずれかを用いて更新しながら前記当たり判定用乱数を更新する処理を実行し、前記電圧変換手段は、前記電源手段から供給される電力の電圧を前記処理手段の駆動電力の電圧に対応する電圧に変換し、前記停電検出手段は、前記電源手段から供給される電力が低下していることを検出した場合に前記停電検出信号を出力することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、請求項1の遊技機と同様に、処理手段と、抽選手段と、当たり判定用乱数生成手段と、初期値用乱数生成手段と、乱数生成手段と、記憶手段と、電圧変換手段および停電検出手段が設けられている制御基板と、制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている電源基板を備えている。処理手段、抽選手段、初期値用乱数生成手段、乱数生成手段、電圧変換手段および停電検出手段は、請求項1の遊技機と同様の処理を実行する。また、記憶手段には、請求項1の遊技機と同様に、当たり判定用乱数、当たり初期値用乱数が記憶される。
そして、本態様では、当たり判定用乱数生成手段は、当たり判定用乱数の1周期毎の第1の初期値を、初期値用乱数あるいは乱数生成手段で生成されている乱数のいずれかを用いて更新しながら当たり判定用乱数を更新する処理を実行する。初期値用乱数あるいは乱数生成手段で生成されている乱数のいずれを用いるかは、例えば、抽選等の適宜の方法を用いて決定することができる。
本態様では、初期値用乱数あるいは乱数生成手段で生成されている乱数のいずれかを用いて当たり判定用乱数の1周期毎の第1の初期値を更新しているため、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのが困難である。したがって、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測した不正な遊技を防止することができる。
また、「(態様3)態様2の遊技機であって、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記処理手段によって前記記憶手段が初期化された場合には、前記記憶手段が初期化されてから前記当たり判定用乱数がn周期(n:正の整数)更新されるまでは、前記1周期毎の第1の初期値を前記乱数生成手段で生成されている乱数を用いて更新することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、当たり判定用乱数生成手段は、記憶手段が初期化された場合には、記憶手段が初期化されてから当たり判定用乱数がn周期(n:正の整数)更新されるまで、好適には1周期更新されるまでは、当たり判定用乱数の1周期毎の第1の初期値を、乱数生成手段で生成されている乱数を用いて更新する。
本態様を用いることにより、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのがより困難となる。
また、「(態様4)態様2の遊技機であって、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記処理手段によって前記記憶手段が初期化された場合には、前記記憶手段が初期化されてから前記当たり判定用乱数がn周期(n:正の整数)更新されるまでは、前記1周期毎の第1の初期値を前記乱数生成手段で生成されている乱数を用いて更新し、前記当たり判定用乱数がn周期更新された後は、前記1周期毎の第1の初期値を前記初期値用乱数を用いて更新することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数がn周期更新されるまでは、乱数生成手段で生成されている乱数を用いて当たり判定用乱数の各周期毎の第1の初期値を更新し、n周期更新された後は、初期値用乱数を用いて当たり判定用乱数の各周期毎の第1の初期値を更新している。
本態様を用いることにより、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのが困難となる。
また、「(態様5)請求項1、態様1〜4のいずれかの遊技機であって、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記処理手段のメイン処理内で前記当たり判定用乱数を更新する処理を実行し、前記初期値用乱数生成手段は、前記処理手段のメイン処理内および前記処理手段のメイン処理内のタイマ割り込み処理内で前記初期値用乱数を更新する処理を実行することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、当たり判定用乱数生成手段は、処理手段のメイン処理内で当たり判定用乱数を更新する処理を実行し、初期値用乱数生成手段は、処理手段のメイン処理内および処理手段のメイン処理内のタイマ割り込み処理内で初期値用乱数を更新する処理を実行する。
本態様では、当たり判定用乱数の1周期内における初期値用乱数の更新処理回数を増大することができるため、当たり判定用乱数の更新値をよりランダムに更新することができる。
また、「(態様6)処理手段と、抽選手段と、当たり判定用乱数生成手段および記憶手段が設けられている制御基板と、前記制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている電源基板を備え、前記記憶手段には、当たり判定用乱数が記憶され、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記当たり判定用乱数を、第1の値と第2の値の間の第1の範囲内の第1の初期値から、前記第1の値から前記第2の値の方向に第1の更新値ずつ前記第1の範囲の1周期に亘って順次更新する処理を、1周期毎に前記第1の初期値を更新しながら実行し、前記抽選手段は、抽選条件の成立に起因して前記当たり判定用乱数と設定値を比較する抽選処理を実行し、前記処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が、前記当たり判定用乱数が前記設定値と一致していることを示している場合に当たり遊技状態を発生させ、また、停電が発生したことを示す停電検出信号が入力された場合には、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて判定情報を生成して前記記憶手段に記憶し、駆動電力が供給された場合には、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が正常であるか否かを判定し、前記記憶手段に記憶されている情報が異常であることを判定すると前記記憶手段を初期化する遊技機であって、前記制御基板には、乱数生成手段と、電圧変換手段および停電検出手段が設けられており、前記乱数生成手段は、前記記憶手段に記憶されている固有識別情報に基づいて乱数を生成し、前記当たり判定用乱数生成手段は、前記第1の初期値を前記乱数生成手段で生成されている乱数を用いて更新し、前記電圧変換手段は、前記電源手段から供給される電力の電圧を前記処理手段の駆動電力の電圧に対応する電圧に変換し、前記停電検出手段は、前記電源手段から供給される電力が低下していることを検出した場合に前記停電検出信号を出力することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、処理手段と、抽選手段と、当たり判定用乱数生成手段と、乱数生成手段と、記憶手段と、電圧変換手段および停電検出手段が設けられている制御基板と、制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている電源基板を備えている。処理手段、抽選手段、乱数生成手段、電圧変換手段および停電検出手段は、請求項1の遊技機と同様の処理を実行する。また、記憶手段には、当たり判定用乱数が記憶される。
そして、本態様では、当たり判定用乱数生成手段は、当たり判定用乱数の1周期毎の第1の初期値を、乱数生成手段で生成されている乱数を用いて更新しながら当たり判定用乱数を更新する処理を実行する。
本態様では、乱数生成手段で生成されている乱数を用いて当たり判定用乱数の1周期毎の第1の初期値を更新しているため、簡単な構成で、記憶手段が初期化されてから、当たり判定用乱数が設定値(当たり値)と一致する時点を予測するのが困難となる。
また、「(態様7)請求項1、態様1〜6のいずれかの遊技機であって、前記制御基板には、前記記憶手段の初期化を指示する初期化指示信号を出力する初期化指示手段が設けられており、前記処理手段は、前記初期化指示手段から初期化信号が出力されている状態で駆動電力が供給された場合には、前記記憶手段を初期化することを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、記憶回路の初期化を指示する初期化指示信号を出力する初期化指示手段を制御基板に設けている。処理手段は、初期化指示手段から初期化指示信号が出力されている状態で動作した場合に記憶手段を初期化する。
本態様では、初期化指示手段からの初期化指示信号を伝送するための信号線を制御基板に接続する必要がないため、初期化指示信号を伝送するための信号線に対する不正操作を防止することができる。
また、「(態様8)請求項1、態様1〜7のいずれかの遊技機であって、前記電源基板には、前記制御基板に設けられている前記記憶手段にバックアップ電力を供給するバックアップ電源が設けられていることを特徴とする遊技機。」として構成することができる。
本態様では、記憶手段にバックアップ電力を供給するバックアップ電源を電源基板に設けている。
これにより、バックアップ電源を制御基板に設けた場合のように、制御基板を取り外して故意に不正な遊技状態に設定する不正を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の電源投入時処理(メイン処理を含む)の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の電源投入時処理(メイン処理を含む)の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態のタイマ割り込み処理の概略を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図である。 本発明の第3の実施の形態の当たり判定用乱数と当たり初期値用乱数の変化状態を示す図である。 従来例の当たり判定用乱数の変化状態を示す図である。
符号の説明
10 電源基板
11 電源回路(電源手段)
12 バックアップコンデンサ(バックアップ電源)
20 主制御基板
21 電圧変換回路(電圧変換手段)
22 停電検出回路(停電検出手段)
23 RAMクリアスイッチ(初期化指示手段)
30 主制御回路IC
31 主制御回路
31a 処理手段
31b 抽選手段
31c 当たり判定用乱数生成手段
31d 初期値用乱数生成手段
32 ROM
32a 固有識別情報
33 RAM
33a 当たり判定用乱数
33b 初期値用乱数
34 乱数生成回路(乱数生成手段)

Claims (1)

  1. 処理手段と、抽選手段と、当たり判定用乱数生成手段および記憶手段が設けられている制御基板と、前記制御基板に電力を供給する電源手段が設けられている電源基板を備え、
    前記記憶手段には、当たり判定用乱数が記憶され、
    前記当たり判定用乱数生成手段は、前記当たり判定用乱数を、第1の値と第2の値の間の第1の範囲内の第1の初期値から、前記第1の値から前記第2の値の方向に第1の更新値ずつ前記第1の範囲内の1周期に亘って順次更新する処理を、1周期毎に前記第1の初期値を更新しながら実行し、
    前記抽選手段は、抽選条件の成立に起因して前記当たり判定用乱数と設定値を比較する抽選処理を実行し、
    前記処理手段は、前記抽選手段による抽選結果が、前記当たり判定用乱数が前記設定値と一致していることを示している場合に当たり遊技状態を発生させ、また、停電が発生したことを示す停電検出信号が入力された場合には、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて判定情報を生成して前記記憶手段に記憶し、駆動電力が供給された場合には、前記記憶手段に記憶されている判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が正常であるか否かを判定し、前記記憶手段に記憶されている情報が異常であることを判定すると前記記憶手段を初期化する遊技機であって、
    前記制御基板には、初期値用乱数生成手段と、乱数生成手段と、電圧変換手段および停電検出手段が設けられているとともに、前記記憶手段には、初期値用乱数および遊技機毎に固有な固有識別情報が記憶され、
    前記初期値用乱数生成手段は、前記初期値用乱数を、前記第1の範囲内である第2の範囲内の第2の初期値から第2の更新値ずつ前記第2の範囲に亘って順次更新する処理を実行し、
    前記乱数生成手段は、前記記憶手段に記憶されている固有識別情報に基づいて乱数を生成し、
    前記当たり判定用乱数生成手段は、前記処理手段によって前記記憶手段が初期化された場合には、前記記憶手段が初期化されてから前記乱数生成手段で生成された乱数に基づいて決定される期間が経過した後に、前記1周期毎の第1の初期値を前記初期値用乱数を用いて更新しながら前記当たり判定用乱数を更新する処理を開始し、
    前記電圧変換手段は、前記電源手段から供給される電力の電圧を前記処理手段の駆動電力の電圧に対応する電圧に変換し、
    前記停電検出手段は、前記電源手段から供給される電力が低下していることを検出した場合に前記停電検出信号を出力することを特徴とする遊技機。
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