JP2008305627A - 燃料電池スタックシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】MEAを有する燃料電池スタックシステムの高出力密度化と冷却性能向上を図る。
【解決手段】燃料電池スタックの冷却媒体入口マニホールド流路を冷却媒体が循環することによる顕熱冷却と、その冷却媒体の一部がセパレータの冷却媒体流路を通過して蒸発することによる潜熱冷却が行われるようにした。この燃料電池スタックシステムにおいて、冷却媒体出口マニホールド流路とカソードガス入口マニホールド流路を流体力学的に連結し、また、カソードガス出口マニホールド流路に気体ポンプまたはブロアを接続することにより、セパレータ流路内の冷却媒体の蒸発を一層促進することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、膜電極接合体とセパレータを有し、これらが複数積層された燃料電池スタックを具備する燃料電池スタックシステムに係り、特に固体高分子型燃料電池システムに関する。
燃料電池には、例えば、車載用の燃料電池のように高出力密度化が求められている。このためには、セパレータのうち発電に直接寄与しない部分の面積を削減するしかない。この手段として最も有効なのが、冷却媒体として用いられている冷却水の使用量を減らし、マニホールドの開口部を小さくして、体積当たりの出力を高めることである。
冷却水を減らすには、冷却水の比熱を利用する顕熱冷却でなく、蒸発熱を利用する潜熱冷却を行う必要がある。潜熱冷却は、顕熱冷却に比べて水の量が理論的には2%で済む。
潜熱冷却を推進するには、蒸発しやすいように、微細水滴状にするか、或いは、電気伝導媒体かつ伝熱媒体として多孔質状のように体積あたりの表面積の大きい物質に水を接触させて、水の体積当たりの表面積を増やす必要がある。
しかし、微細水滴を発生させ、冷却場所まで微細水滴を運搬する場合、微細水滴が流路の急に縮小する部分でお互いに衝突し、合体して大きな水滴になり、体積あたりの表面積が減少してしまうという問題があり、伝熱媒体として体積あたりの表面積を増やすには、結局、多孔質体を使用する必要がある。
また、水滴を移動させる手段及び蒸発場を提供する媒体としては気体が必要であり、カソードガスである空気が量的にも十分な量があるので望ましい。現状、カソードガスは、セパレータに供給する前に、電解質膜を乾燥させて劣化するのを防ぐため加湿している。このため、そのまま加湿カソードガスを使うと、冷却用の水と併せると、水蒸気濃度は飽和蒸気圧に近いので蒸発できず、冷却効果が発揮できないばかりでなく、水管理上過多の水分となり、反応発生水の除去が困難になる。これを解決するには、加湿と冷却をシステム的にまとめることが必須となる。
なお、水の潜熱により単セルが冷却されるようにした燃料電池は、特許文献1に記載されている。
特開2004−39504号公報
燃料電池では、下記の式に示す反応により、アノードガスである水素とカソードガスである空気中の酸素が消費されて、水と熱と電力が発生する。
2H+O→2HO+(熱)+(電力)
この反応は、従来、セパレータ内反応ガス流路に沿って上流から下流に流れる間に生じているので、下流に流れるに従い反応ガス流量が減り、カソードガス側であれば反応発生水蒸気が流入し、アノードガス側でも濃度拡散及び電気浸透に基づく水が流入する。このため、水蒸気濃度は増大し、飽和濃度を超えれば凝縮水が発生して凝縮水によるフラディングを生じて、セル電圧の低下や寿命の低下を招くという課題がある。同時に、凝縮水発生により潜熱が解放され、温度の不均一を招いて、温度分布も偏りが生じて最高温度が上がり、膜電極接合体(以下、MEAという)を保護する観点から燃料利用率を下げ低出力化しなければならなかった。
ところが、出力密度を極限まで上げて高効率化、すなわち高出力密度化を図るには、燃料利用率を100%近くまで高めざるを得ない。また、同時に、セパレータのマニホールドを含む額縁部分の面積を減らして、体積削減による高出力密度化を図らねばならない。この場合、温度分布の均一化と冷却性能向上が必須であり、水の潜熱冷却を利用して必要水量を減らして高出力密度化を図らなければならない。また同時に、この冷却水によりフラディングを加速しない工夫が必要になる。
潜熱冷却に100%依存することは、固体高分子型燃料電池の作動温度が100℃以下であるので飽和濃度が大気圧以下、すなわち、沸騰状態とならないことと、潜熱必要冷却媒体量が微量のため温度制御への影響が大きく、そのため、温度制御安定性が悪くなり、膜電極接合体の劣化や寿命短縮を招くという課題がある。
本発明の目的は、高出力密度化と冷却性能向上が図れるようにした燃料電池スタックシステムを提供することにある。
本発明は、複数の膜電極接合体と複数のセパレータとが交互に積層された燃料電池スタックを具備し、隣接する前記膜電極接合体の間に、表面側にカソードガス流路を有する第1セパレータと、表面側にアノードガス流路を有する第2セパレータとが、それぞれの裏面側が対向し、その間に冷却媒体流路が形成されるように配置され、前記膜電極接合体の両端部分に補強板が設けられている構造の燃料電池スタックシステムにおいて、前記第1セパレータと前記第2セパレータおよび前記補強板の積層により形成された冷却媒体入口マニホールド流路内を冷却媒体の一部が循環することによる顕熱冷却と、前記冷却媒体入口マニホールド流路内を循環する前記冷却媒体の一部が前記第1セパレータと前記第2セパレータの間に形成された前記冷却媒体流路を通過し蒸発することによる潜熱冷却とが行われるようにしたものである。
上記の燃料電池スタックシステムにおいて、第1セパレータと第2セパレータの間の冷却媒体流路を通過する過程で蒸発した冷却媒体の排出口を、カソードガス入口マニホールド流路と流体力学的に接続することは望ましく、冷却媒体流路内の冷却媒体の蒸発を促進することができる。
また、上記の燃料電池スタックシステムにおいて、カソードガス入口マニホールド流路内を負圧にすることも望ましく、第1セパレータと第2セパレータ間の冷却媒体流路に流入した冷却媒体の蒸発を促進させることができる。
また、上記の燃料電池スタックシステムにおいて、第1セパレータのカソードガス入口マニホールドに外気を吸引することも望ましく、第1セパレータと第2セパレータ間の冷却媒体流路に流入した冷却媒体の蒸発を促進させることができる。
上記の燃料電池スタックシステムにおいて、第1セパレータに形成されたカソードガス流路と第2セパレータに成されたアノードガス流路および第1セパレータと第2セパレータの間に形成された冷却媒体流路のうち少なくとも1つを多孔質にすることも望ましい。
上記の燃料電池スタックシステムにおいて、冷却媒体入口マニホールド流路内に入る冷却媒体に気体を吹き込み、気体交じり冷却媒体が生成されるようにすることも望ましい。
上記の燃料電池スタックシステムにおいて、第1セパレータと第2セパレータの間に形成された冷却媒体流路を、孔径の大きい多孔質体と孔径の小さい疎水性の多孔質体を組み合わせたものとすることも望ましく、冷却媒体流路内の冷却媒体の蒸発を促進させることができる。
顕熱冷却と潜熱冷却を統合して、セパレータ内を潜熱冷却、スタック内を顕熱冷却できるようにしたことで、高出力密度化と冷却性能の向上が図れる。また、冷却媒体マニホールド面積を小さくできるのでコンパクト化も図れる。
以下、本発明の燃料電池スタックシステムの実施例を、図面を用いて説明する。
図1と図2はいずれも隣接する膜電極接合体の間に配置されるセパレータを示している。
まず、図1の第1セパレ−タ1−aの構成について説明する。図1(a)は冷却媒体流路2側であり、図1(b)はカソードガス流路3側である。冷却媒体流路2側の左右いずれか一方、図1(a)では左に3つのマニホールドがある。これらのマニホールドの1つは、排カソードガスを排出するためのカソードガス出口マニホールド5である。残りの2つは、冷却媒体を第1セパレータ1−a上の冷却媒体流路2に供給するための冷却媒体入口マニホールド6と、アノードガスを第2セパレータ1−b上のアノードガス流路13に供給することにより、ガス拡散層(以下、GDLという)を介してMEAに供給し、発電するためのアノードガス入口マニホールド7である。
図1(a)の右には、2つのマニホールドがあり、それぞれアノードガス流路13から排ガスを送り出すアノードガス出口マニホールド8、外気19を外部から取り込むと同時に冷却媒体流路2から水蒸気を取り込み、カソードガス流路3に供給するためのカソードガス入口マニホールド9で構成されている。
第1セパレータ1−aの冷却媒体側はシール10−aにより4つの部分に区分されている。この面の主な働きである冷却媒体の流れ場は、冷却媒体の供給口である冷却媒体入口マニホールド6、多孔質から構成され、下流に向かって流れながら冷却媒体が蒸発する冷却媒体流路2、及び負圧になるように設定されて冷却媒体及び外気19を吸引するカソードガス入口マニホールド9よりなる部分で、残りの部分は、それぞれシール10−aにより独立したマニホールドとして仕切られている。
図1(b)は、第1セパレータ1−aのカソードガス流路側であり、マニホールドの構成は、裏面から見ているだけなので同じである。これもシール10−bによって4つに分かれている。この面の主な働きであるカソードガスの流れ場は、カソードガスが外部に排出されるためのカソードガス出口マニホールド5、カソードガスが流れる間にMEAに供給するためのカソードガス流路3、及びカソードガスと水蒸気が供給されるカソードガス入口マニホールド9により構成される。残りの部分は、シール10−bにより、それぞれ独立したマニホールドとして仕切られている。
図1(a)で示すように、冷却媒体入口マニホールド6内の冷却媒体は、カソードガスの作り出す負圧に引かれて冷却媒体流路2を流れる。この際、MEAが作り出す熱を受けるとともに、カソードガス入口マニホールド9内の負圧を受けて蒸発しながら、カソードガス入口マニホールド9に向かって流れる。
このとき、カソードガス入口マニホールド9は外部から空気を吸引するので、水蒸気と空気が混合した空気が、図1(b)に示すように、カソードガス出口マニホールド5に接続している空気ポンプによる負圧で引かれて、水蒸気を含んだ加湿された空気としてカソードガス入口マニホールド9からカソードガス流路3を流れて、カソードガス出口マニホールド5に向かう。図示していないが、この面に接するGDLを介してMEAにカソードガスを供給して発電に寄与する。
以上、一面が冷却媒体流路2、もう一面がカソードガス流路3を形成する第1セパレータ1−aについて説明した。
図2に、一面が冷却媒体流路2、もう一面がアノードガス流路11を形成する第2セパレータ1−bを示す。
図2(a)は、冷却媒体流路2側である。この面は、図1(a)の冷却媒体流路側と向かい合っており、図1のシール10−a及び冷却媒体流路2を共有するので、図2(a)にはシールも流路構成部品もなく、対応する空間が開いている。
図2(b)は、アノードガス流路13側を示す。図2(b)のアノードガス流路側のマニホールドの構成は、図1(b)と基本的に同じであり、この面の主な働きは、アノードガスの流れ場を提供することである。そのため、アノードガスを第2セパレータ1−bに分配して供給するためのアノードガス入口マニホールド7、アノードガスが流れながら消費されて発電するためのアノードガス流路13及び排アノードガスが集合するためのアノードガス出口マニホールド8から構成される。その残りのマニホールドはシール10−cにより仕切られ、それぞれ独立している。
この中で、アノードガスは、アノードガス入口マニホールド7からアノードガス流路13に入り、GDLを介してMEAにアノードガスを送り、発電に寄与しながらアノードガス出口マニホールド8からアノードガス出口マニホールド流路に集合し排出される。
図3は、図1、図2のA−A断面で運転中のスタックを見たもので、スタックは、冷却媒体とカソードガス及びアノードガスが直接接触するのを防ぐ第1セパレータ1−a、第2セパレータ1−b、電極と電解質膜により構成された膜電極接合体で、発電に寄与する電気化学反応を行うMEA17、導電性を保ちつつ電解質に必要な湿分を保持し反応ガスを透過させるGDL18、MEA17を保護するとともに組立性を向上させるMEA補強板24及びシール10−a、10−b、10−cにより構成される。
発電部分に注目すると、スタックの上部から順に、多孔質で構成されるアノードガス流路13、第2セパレータ1−b、冷却媒体流路2、第1セパレータ1−a、カソードガス流路3、GDL18、MEA17、GDL18、アノードガス流路13という具合に、この順番で繰り返し積層されている。
発電以外の部分で左の部分を見ると、第2セパレータ1−b、第1セパレータ1−a、MEA補強板24、第2セパレータ1−b、第1セパレータ1−aという具合に、この順番で繰り返し積層されている。また、第2セパレータ1−bと第1セパレータ1−a及びMEA補強板24に同じ面形状で開けられた冷却媒体入口マニホールド6とシール10−a、10−b、10−cにより、スタック積層時に、冷却媒体入口マニホールド流路14が形成される。
冷却媒体入口マニホールド流路14では、積層された金属製の第1及び第2セパレータが伝熱流路のフィンを構成している。このため、非常に伝熱効率が高いので、これを利用して、この冷却媒体入口マニホールド流路14と、冷却ポンプ15、放熱器16で図示のように循環冷却系を組むと、伝熱効率の高い顕熱冷却系が構成できる。
また、発電部以外の右の部分を見ると、第2セパレータ1−b、第1セパレータ1−a及びMEA補強板24に、同じ面形状で開けられたカソードガス入口マニホールド9とシール10−a、10−b、10−cにより、スタック積層時に、カソードガス入口マニホールド流路22が形成される。
このカソードガス入口マニホールド流路22では、あとで述べる空気ポンプ11の作用で負圧になっており、外部から空気そして冷却媒体流路2で発生した水蒸気を吸引し、この水蒸気混合空気、すなわち、カソードガスとして好適な加湿空気が発生する。なお、この際、一部の冷却媒体が、カソードガス入口マニホールド流路22の負圧に吸引されて、多孔質で構成された冷却媒体流路2に送り込まれて、MEA17の発熱を受けて多孔質の作用を受けて蒸発しながらカソードガス入口マニホールド流路22に吸引される。
図4は、図1、図2のB−B断面で運転中のスタックを見たもので、スタックの発電部分の構成は図3と同じである。発電以外の部分で左の部分を見ると、第1セパレータ1−a、第2セパレータ1−b及びMEA補強板24に同じ面形状で開けられたカソードガス出口マニホールド5とシール10−a,10−b、10−cにより、スタック積層時に、カソードガス出口マニホールド流路21が形成される。
このカソードガス出口マニホールド流路21には、加湿と潜熱冷却の動力源となる空気ポンプ11、排カソードガス中の水分を分離して再利用するための気水分離器20で、図示のようにカソードガス排気系を組んでいる。ここの必要な負圧については後述する。
発電部以外の右の部分を見ると、図3と共用部分であるため、全く同じである。すなわち、第1セパレータ1−a、第セパレータ1−b及びMEA補強板24に同じ面形状で開けられたカソードガス入口マニホールド9とシール10−a、10−b、10−cにより、スタック積層時に、カソードガス入口マニホールド流路22が形成される。
カソードガス入口マニホールド流路22では、空気ポンプ11の作用で負圧になっており、外部から空気そして冷却媒体流路2で発生した水蒸気を吸引し、この水蒸気混合空気、すなわち、カソードガスとして好適な加湿空気を発生させる。この加湿空気は、多孔質で構成されたカソードガス流路3に送り込まれ、MEA17及びGDL18を介して発電に寄与して酸素が消費されながら、カソードガス出口マニホールド21に達し、各セパレータからの排カソードガスがカソードガス出口マニホールド21にて合流しながら、空気ポンプ11に吸引されて、最終的に気水分離器20で水分を分離した後、排出される。
図5は、図1、図2のC−C断面で運転中のスタックを見たもので、スタックの発電部分の構成は同じである。発電部分では、アノードガス入口マニホールド流路23から流れ込んだアノードガスが、アノードガス流路を流れる際、GDL18を介してMEA17により消費されて電力と熱を発生させながら、アノードガス出口マニホールド流路25に集合する。
発電以外の部分で左の部分を見ると、第1セパレータ1−a、第2セパレータ1−b及びMEA補強板24に、同じ面形状で開けられたアノードガス入口マニホールド7とシール10−a、10−b、10−cにより、スタック積層時に、アノードガス入口マニホールド流路23が形成される。このアノードガス入口マニホールド流路23には、加圧されたアノードガスガスが流れ込み、分配されてアノードガスガス流路13に流れ込む。
発電部以外の右の部分を見ると、第1セパレータ1−a、第2セパレータ1−b及びMEA補強板24に、同じ面形状で開けられたアノードガス出口マニホールド8とシール10−a,10−b、10−cにより、スタック積層時に、アノードガス出口マニホールド流路25が形成される。
このアノードガス出口マニホールド流路25には、アノードガス流路13を通過する際に、MEA17の電気化学反応による発電によって消費されたアノードガスが流れ込み、集合されてアノードガス出口マニホールド流路25に流れ込む。
このようにしてアノードガス系統は、アノードガスを各MEAに分配し、また、排アノードガスを集合することで、発電燃料を等分配する役目を担っている。このアノードガス流路13も多孔質で構成して、冷却媒体の潜熱冷却及び顕熱冷却の効果を、金属セパレータを通じて獲得する構成となっている。
図6は、潜熱冷却に係わる冷却媒体が通過する部分の圧力状態の模式図であり、絶対圧基準で記述してある。潜熱冷却に係わる冷却媒体は、冷却媒体入口マニホールド流路14から、冷却媒体流路2、カソードガス出口マニホールド流路22、カソードガス流路3、カソードガス出口マニホールド流路21を経て、図示していないが空気ポンプ11に吸引される。空気ポンプ11に最も近いカソードガス出口マニホールド5が最も低圧で、潜熱のみで冷却しようとすると、−70kPaG、少なくとも−50kPaGの負圧にする必要がある。
この理由は、図7に示すように、温度と水の蒸気圧の関係による。大気圧下の場合、飽和蒸気圧が大気圧、すなわち、約100kPaにならないと、水の100%の蒸発である沸騰が発生しない。このため、スタックの温度を81℃に保とうとすると、周りの圧力を絶対圧で50kPa、大気圧基準で−50kPa、70℃に保とうとすると、絶対圧で33kPa、大気圧基準で−67kPa必要となる。
しかし、本実施例のシステムでは、顕熱冷却も併用しているので、少なくとも−10kPaG、望ましくは−30kPaGで十分である。
図8は、本実施例を、スタックを含むシステムとしたときの構成図である。構成は、次のとおりである。すなわち、アノードガスを供給するアノードガス供給口112、カソードガスを供給するために吸引するカソードガス供給口111、冷却媒体を冷却する放熱器16、冷却媒体を供給する冷却ポンプ15、冷却媒体を供給する冷却媒体供給口110、両端にある絶縁板109、電力を外部に取り出すための集電板113、本発明の2枚のセパレータを冷却媒体流路2側を背中合わせにしたもの、電解質膜102を電極103とGDL18でサンドイッチ状に挟んだ発電部分105を交互に積層したスタック100、アノードガスを排出するアノードガス排出口104、カソードガスを排出するカソードガス排出口108、カソードガスを吸引する空気ポンプ11、空気ポンプ11から出た排カソードガス中から水分を分離する気水分離器20、循環冷却媒体を放熱器16に向け循環させるために排出する循環冷却媒体排出口101を有する。
発電部分105には、アノードガス流路13とカソードガス流路3が接して、発電部分105に水素と酸素を供給する。同時に、カソードガス流路3とアノードガス流路13の裏側に形成された冷却媒体流路2で発電部分105での発熱を吸収する。
この実施例の効果は、顕熱冷却と潜熱冷却の併用により、潜熱冷却に係わる水の微量制御の影響による温度変動の影響を緩和し、顕熱冷却によりMEAを保護するとともに顕熱単独に比べて冷却媒体量が低減できることである。これにより、冷却媒体マニホールド面積を小さくできるので安全にコンパクト化、高出力密度化及びこれにより低コスト化が図れる。
本実施例では、実施例1の顕熱冷却部分がセパレータの左側のみであったのを、右側にも追加したものである。このために、図9に示すように、冷却媒体第2マニホールド26を設けて、その分、カソードガス出口マニホールド9の面積を減らした。図9(a)は冷却媒体側であり、図9(b)はカソードガス側である。
図10は、図9(a)のA−A断面に沿ったスタック断面を示したもので、発電部分には実施例1との違いはなく、右の部分に図示するように、冷却媒体流路2とは直接に連結していない冷却媒体第2マニホールド26及び冷却媒体第2マニホールド流路27が増設されている。この増設された部分に、冷却媒体入口マニホールド流路14との並行流が冷却ポンプ15より供給されて循環するようになり、少なくとも実施例1の2倍の顕熱除熱効果と温度分布平均化効果がある。
図11は、図9(b)のB−B断面に沿ったスタック断面を示したものであり、実施例1と同じであり、カソードガス入口マニホールド流路22の流路面積が減少した以外は変化がない。
図12は、実施例2をシステム化したときの図で、冷却媒体供給口110と循環冷却媒体排出口101が二つとなった点が実施例1と異なる。図12では、二つの冷却媒体供口を符号110−a,110−bで示し、二つの循環冷却媒体排出口を符号101−a、101−bで示している。
このため、実施例2によれば、顕熱冷却と潜熱冷却の併用により潜熱冷却が多孔質の劣化等により除熱作用が劣化しても顕熱冷却によりMEAを保護するとともに顕熱単独に比べて冷却媒体量が低減できるので、冷却媒体マニホールド面積を小さくできる、安全にコンパクト化、高出力密度化及びこれにより低コスト化が図れる。また、顕熱冷却が強化されたことと、両側から顕熱冷却することから、温度分布の均一化が図られて出力向上が図れ、更なる高出力密度化が図れる。
図13は、実施例1の変形例で、図1、図2のA−A断面で運転中のスタックを見たものである。冷却媒体入口マニホールド流路14内で供給する冷却媒体中に空気ブロア28で気泡を混入させて、冷却媒体流路2中で多孔質及び気体の作用により冷却媒体の体積当たりの表面積を増やして、冷却媒体流路2、すなわち、発電部での均一蒸発の促進を図ったものである。
これにより潜熱蒸発の促進による冷却媒体の低減、発電性能向上による高出力密度化が図れる。
図14(a)(b)に示すスタック断面は、実施例1の変形例で、図1、図2のA−A断面で運転中のスタックを見たものである。冷却媒体流路2の部分は、図14(b)のA部拡大図に示すように、上が気孔径の大きい多孔質層30、下が気孔径の小さい疎水性多孔層29の2層構造になっている。多孔質層30の孔径は100μm程度がよく、疎水性多孔質層29の孔径は20μm程度がよい。これにより、カソード入口マニホールドの空気が下の層を通って冷却媒体流路2に入り込み、負圧に引かれて、上の冷却媒体と空気とが攪拌混合しながら冷却媒体が蒸発して潜熱冷却を促進するように図ったものである。
これにより、補機を増加させずに潜熱冷却を促進できるので、スタックとしてばかりでなく、システムとしても高出力密度化が図れるという効果がある。
なお、本発明は、燃料電池以外にも電力と熱が電気化学反応により発生する発電要素で、高出力化を図らなければならないものにも利用できる。
実施例1の第1セパレータの構成を示した平面図である。 実施例1の第2スタックの構成を示した平面図である。 図1、図2のA−A断面から見たスタックの構成図である。 図1、図2のB−B断面から見たスタックの構成図である。 図1、図2のC−C断面から見たスタックの構成図である。 スタック内の関連部分の圧力関係を示した説明図である。 水の温度−飽和蒸気圧を示した説明図である。 実施例1の燃料電池スタックシステムの構成図である。 実施例2の第1セパレータの構成を示した説明図である。 図9のA−A断面から見たスタックの構成図である。 図9のB−B断面から見たスタックの構成図である。 実施例2の燃料電池スタックシステムの構成図である。 実施例3のスタックの構成図である。 実施例4のスタックの構成図である。
符号の説明
1−a…第1セパレータ、1−b…第2セパレータ、2…冷却媒体流路、3…カソードガス流路、5…カソードガス出口マニホールド、6…冷却媒体入口マニホールド、7…アノードガス入口マニホールド、8…アノードガス出口マニホールド、9…カソードガス入口マニホールド、10−a…シール、10−b…シール、10−c…シール、11…空気ポンプ、13…アノードガス流路、14…冷却媒体入口マニホ−ルド流路、15…冷却ポンプ、16…放熱器、17…MEA、18…GDL、19…外気、20…気水分離器、21…カソードガス出口マニホールド流路、22…カソードガス入口マニホールド流路、23…アノードガス入口マニホールド流路、24…MEA補強板、25…アノードガス出口マニホールド流路、26…冷却媒体第2マニホ−ルド、27…冷却媒体第2マニホ−ルド流路、28…空気ブロア、29…疎水性多孔質層、30…多孔質層、100…スタック、101…循環冷却媒体排出口、102…電解質膜、103…電極、104…アノードガス排出口、105…発電部分、108…カソードガス排出口、109…絶縁板、110…冷却媒体供給口、111…カソードガス供給口、112…アノードガス供給口、113…集電板。

Claims (8)

  1. 複数の膜電極接合体と複数のセパレータとが交互に積層された燃料電池スタックを具備し、隣接する前記膜電極接合体の間に、表面側にカソードガス流路を有する第1セパレータと、表面側にアノードガス流路を有する第2セパレータとが、それぞれの裏面側が対向し、その間に冷却媒体流路が形成されるように配置され、前記膜電極接合体の両端部分に補強板が設けられている燃料電池スタックシステムにおいて、前記第1セパレータと前記第2セパレータおよび前記補強板の積層により形成された冷却媒体入口マニホールド流路内を冷却媒体の一部が循環することによる顕熱冷却と、前記冷却媒体入口マニホールド流路内を循環する前記冷却媒体の一部が前記第1セパレータと前記第2セパレータの間に形成された前記冷却媒体流路を通過し蒸発することによる潜熱冷却とが行われるようにしたことを特徴とする燃料電池スタックシステム。
  2. 前記燃料電池スタックにカソードガス入口マニホールド流路と排カソードガスを排出するカソードガス出口マニホールド流路を有し、前記第1セパレータと前記第2セパレータの間に形成された前記冷却媒体流路を通過する過程で蒸発した前記冷却媒体の排出口が、前記カソードガス入口マニホールド流路と流体力学的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックシステム。
  3. 前記カソードガス入口マニホールド流路内が負圧になっていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池スタックシステム。
  4. 前記カソードガス出口マニホールド流路に、空気ポンプを具備するカソードガス排気系が組み込まれ、これにより前記カソードガス入口マニホールド流路内が負圧にされることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタックシステム。
  5. 前記第1セパレータのカソードガス入口マニホールドに外気取込み口を有し、これにより前記カソードガス入口マニホールド流路内に外気が吸引されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタックシステム。
  6. 前記第1セパレータに形成された前記カソードガス流路と前記第2セパレータに形成された前記アノードガス流路、および前記第1セパレータと前記第2セパレータの間に形成された前記冷却媒体流路のうち少なくとも1つが、多孔質になっていることを特徴とする請求項3又は5に記載の燃料電池スタックシステム。
  7. 前記冷却媒体入口マニホールド流路に入る冷却媒体に気体を吹き込む気体吹込み口を有し、これにより気体交じり冷却媒体が生成されるようにしたことを特徴とする請求項3記載の燃料電池スタックシステム。
  8. 前記第1セパレータと前記第2セパレータの間に形成された前記冷却媒体流路が、孔径の大きい多孔質体と孔径の小さい疎水性の多孔質体を組み合わせたものからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタックシステム。
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