JP2008304744A - 液晶表示パネルの製造方法及び液晶表示パネル - Google Patents

液晶表示パネルの製造方法及び液晶表示パネル Download PDF

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隆幸 加藤
Takao Shintani
隆夫 新谷
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慎一郎 野村
Satoshi Morita
聡 森田
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Abstract

【課題】製造時の透明導電性材料からなる共通電極のダメージを減らして曇りの発生を減
少させ、明るい表示が得られる液晶表示パネルの製造方法及び液晶表示パネルを提供する
こと。
【解決手段】本発明の液晶表示パネルの製造方法は、透明基板11上に各画素毎に形成さ
れた透明導電性材料からなる共通電極14と、前記共通電極14上に形成された窒化珪素
からなる絶縁膜15と、前記共通電極14上の絶縁膜の表面に形成された互いに平行に設
けられた複数のスリット20を有する画素電極21と、を備える液晶表示パネル10の製
造に際し、前記窒化珪素からなる絶縁膜15を複層構造とし、少なくとも最下層の窒化珪
素からなる絶縁膜15aを共通電極14に対して他の層の絶縁膜15bよりも低ダメージ
条件のプラズマCVD法により形成したこと特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、所謂フリンジフィールドスイッチング(Fringe Field Switching:以下、「
FFS」という。)モードと呼ばれるような液晶表示パネル及びその製造方法に関し、特
に製造時の透明導電性材料からなる共通電極のダメージを減らして曇りの発生を減少させ
、明るい表示が得られる液晶表示パネルの製造方法及びこの製造方法により製造された液
晶表示パネルに関する。
液晶表示装置は、表面に電極等が形成された一対の透明基板と、この一対の基板間に挟
持された液晶層とを有し、両基板上の電極に電圧を印加することによって液晶を再配列さ
せて種々の情報を表示する縦方向電界方式のものが多く使用されている。このような縦方
向電界方式の液晶表示装置は、TN(Twisted Nematic)モードのものが一般的であるが
、視野角が狭いという問題点が存在するため、VA(Vertical Alignment)モードやMV
A(Multi-domain Vertical Alignment)モード等、種々の改良された縦方向電界方式の
液晶表示装置が開発されている。
一方、上述の縦方向電界方式の液晶表示装置とは異なり、一方の基板にのみ画素電極及
び共通電極からなる一対の電極を備えたIPS(In-Plane Switching)モードないしFF
Sモードの液晶表示装置も知られている。
このうちIPSモードの液晶表示装置は、一対の電極を同一層に配置し、液晶に印加す
る電界の方向を基板にほぼ平行な方向として液晶分子を基板に平行な方向に再配列するも
のである。そのため、このIPSモードの液晶表示装置は、横方向電界方式の液晶表示装
置ともいわれ、前述の縦方向電界方式の液晶表示装置と比すると非常に広視野角であると
いう利点を有している。しかしながら、IPSモードの液晶表示装置は、液晶に電界を印
加するため一対の電極が同一層に設けられているため、画素電極の上側に位置する液晶分
子は十分に駆動されず、透過率等の低下を招いてしまうといった問題点が存在している。
このようなIPSモードの液晶表示装置の問題点を解決するために、FFSモードの液
晶表示装置が開発されている(下記特許文献1及び2参照)。このFFSモードの液晶表
示装置は液晶層に電界を印加するための画素電極と共通電極をそれぞれ絶縁膜を介して異
なる層に配置したものである。
このFFSモードの液晶表示装置は、IPSモードの液晶表示装置よりも広視野角かつ
高コントラストであり、更に低電圧駆動ができると共により高透過率であるため明るい表
示が可能となるという特徴を備えている。加えて、FFSモードの液晶表示装置は、IP
Sモードの液晶表示装置よりも平面視で画素電極と共通電極との重複面積が大きいために
、より大きな保持容量が副次的に生じ、別途補助容量線を設ける必要がなくなるという長
所も存在している。
特開2001−235763号公報 特開2002−182230号公報
このFFSモードの液晶表示パネルは、透明基板上にそれぞれの画素毎に形成された透
明導電性材料からなる共通電極と、この共通電極の表面に形成された窒化珪素からなる絶
縁膜と、この共通電極に対応する位置の絶縁膜の表面に形成された複数の互いに平行に形
成されたスリットを有する透明電極材料からなる画素電極と、を備えている。このうち、
透明電極材料からなる共通電極及び画素電極は、ITO(Indium Thin Oxide)やIZO
(Indium Zink Oxide)から作成されている。また、共通電極の表面に形成される窒化珪
素からなる絶縁膜はプラズマ化学的気相成長法(以下、「プラズマCVD法」という。)
により形成されている。すなわち、原料ガスとしてシラン(SiH)ガス、アンモニア
(NH)ガス及び水素(H)ガスを用い、これらの混合ガス中でプラズマ反応を起こ
させ、透明電極材料からなる共通電極上に窒化珪素膜からなる絶縁膜を形成している。
FFSモードの液晶表示パネルにおいては、共通電極、この共通電極上に形成された窒
化珪素からなる絶縁膜及び画素電極は、それぞれバックライトからの光を透過させるため
に高い透明性が要求される。しかしながら、透明基板上に形成された共通電極は、単独の
状態では良好な透明性を備えているが、この共通電極の表面に窒化珪素からなる絶縁膜を
形成すると共通電極の表面に析出物が生じて曇った状態となり、透明性が低下するものが
見受けられた。そして、この共通電極の表面の析出物を元素分析すると、インジウム金属
が主成分であることが見出された。
このような共通電極の表面に窒化珪素からなる絶縁膜を形成した際に析出物が形成され
た部分の模式断面図を図6に示す。
この窒化珪素膜からなる絶縁膜は次のようにして形成されている。すなわち、図6に示
すように、最初にガラス等からなる透明基板51上に例えばスパッタリング法によりIT
Oからなる共通電極52が形成される。このとき得られた共通電極52は、表面は平らで
あり、透明度も高い。次いで、この共通電極52の表面に窒化珪素からなる絶縁膜53を
形成する。この絶縁膜53の形成は、透明基板51の表面に原料ガスとして所定流量でS
iHガス、NHガス及びHガスを流し、透明基板51の表面上にプラズマ54を発
生させることによって行われる。
このプラズマ54中では高エネルギーの各種励起分子ないし励起元素が発生し、この高
エネルギーの各種励起分子ないし励起元素が共通電極52の表面に衝突して共通電極52
の表面に窒化珪素からなる絶縁膜53が形成される。このとき、共通電極52の表面は、
衝突した高エネルギーの各種励起分子ないし励起元素によってダメージを受け、インジウ
ム元素に富んだ析出物55の粒子が形成されるものと推定される。
発明者等は、共通電極52の表面に窒化珪素からなる絶縁膜53を形成する際、上述の
ようなインジウム元素に富んだ析出物55の粒子が形成されない条件について種々探求を
続けた。その結果、最初に低ダメージ条件で薄い窒化珪素膜を形成した後、通常のプラズ
マCVD法によって所定厚さの窒化珪素膜を形成することにより上記条件を満たし得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、FFSモードの液晶表示パネルの製造に際し、透明導電性材料か
らなる共通電極のダメージを減らして曇りの発生を減少させ、明るい表示が得られる液晶
表示パネルの製造方法及びこの製造方法で製造された液晶表示パネルを提供することを目
的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、透明基板上の各画素
に透明導電性材料からなる第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の表面に窒化珪
素からなる絶縁膜をプラズマ化学的気相成長法によって形成する工程と、前記第1電極上
の絶縁膜の表面に互いに平行に形成された複数のスリットを有する第2の電極を形成する
工程と、を備える液晶表示パネルの製造方法において、前記窒化珪素からなる絶縁膜を形
成する工程を複数回に分けて行い、少なくとも最初の工程は前記第1の電極に対して他の
工程よりも低ダメージ条件でプラズマCVDを行うことを特徴とする。
本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、窒化珪素からなる絶縁膜を形成する工
程は複数回に分けて行い、少なくとも最初の工程は他の工程よりも第1の電極に対して低
ダメージ条件でプラズマCVDを行うことが必要である。他の工程よりも第1の電極に対
して低ダメージ条件でプラズマCVD法による成膜を行うと、窒化珪素からなる絶縁膜の
形成時に第1の電極の表面が受けるダメージが少なくなるので、第1の電極の表面に析出
物粒子が形成されることが少なくなる。そのため、本発明の液晶表示パネルの製造方法に
よれば、第1の電極の曇りが少ない、透明度の高い液晶表示パネルを製造することができ
る。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記最初の工程は他の工程より
も原料ガス中のSiHの流量を低くして行うことができる。
このように、原料ガス中のSiHの流量を低くすると、窒化珪素からなる絶縁膜の成
長速度が遅くなって相対的にプラズマCVD法による成膜条件が穏やかになる。そのため
、第1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物粒子が形
成されることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記最初の工程は他の工程より
も成膜時の透明基板の温度を低くして行うことができる。
このように、成膜時の透明基板の温度を低くしても、窒化珪素からなる絶縁膜の成長速
度が遅くなって相対的にプラズマCVD法による成膜条件が穏やかになる。そのため、第
1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物粒子が形成さ
れることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記最初の工程は他の工程より
もプラズマのパワーを低くして行うことができる。
このように、成膜時のプラズマのパワーを低くすると、プラズマCVD条件が穏やかに
なるので、第1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物
粒子が形成されることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記最初の工程は他の工程より
も圧力を低くして行うことができる。
このように、成膜時の圧力を低くすると、プラズマCVD条件が穏やかになるので、第
1電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1電極の表面に析出物粒子が形成される
ことが少なくなる。
更に、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、透明基板上の各画素に透明導電性材料か
らなる第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極の表面にスイッチング素子としての
薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を兼ねた窒化珪素からなる絶縁膜をプラズマCVD法に
よって形成する工程と、前記第1の電極上の絶縁膜の上方に互いに平行に形成された複数
のスリットを有する第2の電極を形成する工程と、を備える液晶表示パネルの製造方法に
おいて、前記窒化珪素からなる絶縁膜を形成する工程を2回に分けて行い、第1回目と第
2回目の工程においてプラズマCVD条件を変えて行い、第1回目のプラズマCVD条件
を前記第1の電極に対して第2回目よりも低ダメージ条件としたことを特徴とする。
本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、ゲート絶縁膜として機能する窒化珪素
からなる絶縁膜をプラズマCVD法により形成する工程を2回に分けて行い、少なくとも
第1回目のプラズマCVD条件を第1の電極に対して第2回目よりも低ダメージ条件とし
て行うことが必要である。第1回目のプラズマCVD条件を第1の電極に対して第2回目
よりも低ダメージ条件として窒化珪素からなる絶縁膜の成膜を行うと、第1の電極の表面
が受けるダメージが少なくなるので、第1の電極の表面に析出物粒子が形成されることが
少なくなる。そのため、本発明の液晶表示パネルの製造方法によれば、第1の電極の曇り
が少ない、透明度の高い液晶表示パネルを製造することができる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記第1回目の工程は第2回目
の工程よりも原料ガス中のSiHの流量を低くして行うことができる。
このように、原料ガス中のSiHの流量を低くすると、窒化珪素からなる絶縁膜の成
長速度が遅くなって相対的にプラズマCVD法による成膜条件が穏やかになる。そのため
、第1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物粒子が形
成されることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記第1回目の工程は第2回目
の工程よりも成膜時の透明基板の温度を低くして行うことができる。
このように、成膜時の透明基板の温度を低くしても、窒化珪素からなる絶縁膜の成長速
度が遅くなって相対的にプラズマCVD法による成膜条件が穏やかになる。そのため、第
1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物粒子が形成さ
れることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記第1回目の工程は第2回目
の工程よりもプラズマのパワーを低くして行うことができる。
このように、成膜時のプラズマのパワーを低くすると、プラズマCVD条件が穏やかに
なるので、第1の電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1の電極の表面に析出物
粒子が形成されることが少なくなる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法においては、前記第1回目の工程は第2回目
の工程よりも圧力を低くして行うことができる。
このように、成膜時の圧力を低くすると、プラズマCVD条件が穏やかになるので、第
1電極の表面が受けるダメージが少なくなり、第1電極の表面に析出物粒子が形成される
ことが少なくなる。
更に、本発明の液晶表示パネルは、透明基板上の各画素に形成された透明導電性材料か
らなる第1の電極と、前記第1の電極上に形成された窒化珪素からなる絶縁膜と、前記第
1の電極上の絶縁膜の表面に形成された互いに平行に設けられた複数のスリットを有する
第2の電極と、を備える液晶表示パネルにおいて、前記窒化珪素からなる絶縁膜は複層構
造からなり、少なくとも最下層の窒化珪素からなる絶縁膜は前記第1の電極に対して他の
層よりも低ダメージ条件で形成されたものであることを特徴とする
本発明においては、透明導電性材料からなる第1の電極上に形成される窒化珪素からな
る絶縁膜は、複層構造からなり、少なくとも最下層の絶縁膜は前記第1の電極に対して他
の層よりも低ダメージ条件で形成されたものであることが必要である。第1の電極は例え
ばITOやIZO等の透明導電性材料から形成されるが、この第1の電極の表面に接して
いる最下層の窒化珪素膜が他の層よりも低ダメージ条件で形成されていれば、第1の電極
の表面に析出物粒子が形成されることが少なくなる。そのため、本発明の液晶表示パネル
は、第1の電極の曇りが少ない(ヘイズ値が小さい)、透明度の高い液晶表示パネルとな
る。
なお、最下層の窒化珪素膜は、前記第1の電極に対して他の層よりも低ダメージ条件で
形成されているため、乾式エッチングすると他の層よりもエッチングされやすくなるので
、物理的な区別を付けることが可能となる。
本発明の液晶表示パネルにおいては、前記最下層の窒化珪素からなる絶縁膜は厚さが1
00Å〜200Åであることが好ましい。
最下層の窒化珪素からなる絶縁膜は、他の層よりも低ダメージ条件で形成されているた
め、より激しい条件で形成された他の層よりもエッチングされやすくなる。そのため、最
下層の窒化珪素からなる絶縁膜の厚さが厚いとアンダーカットされやすくなるので、最下
層の窒化珪素からなる絶縁膜の厚さの上限は200Åとすることが好ましい。また、最下
層の窒化珪素からなる絶縁膜の厚さが100Å未満であると、第1の電極の表面の保護効
果が表れない。
以下、実施例及び図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。しか
しながら、以下に示す実施例は、本発明をここに記載したものに限定することを意図する
ものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更
を行ったものにも均しく適用し得るものである。
なお、図1は実施例のFFSモードの液晶表示装置のアレイ基板の2画素分の概略平面
図である。図2は図1のII−II線に沿った概略断面図である。図3は図1のIII−III線に
沿った概略断面図である。図4は実施例のFFSモードの液晶表示装置のアレイ基板の製
造工程を順を追って示す図1のII−II線に沿った部分の断面図である。また、図5Aは複
層構造の窒化珪素層からなるゲート絶縁膜にコンタクトホールを形成した際のコンタクト
ホール部分の電子顕微鏡写真であり、図5Bは図5Aの模式的な線画である。
この実施例のFFSモードの液晶表示パネル10の構成を製造工程順に図1〜図3を用
いて説明する。このFFSモードの液晶表示パネル10のアレイ基板ARは、ガラス基板
等の透明基板11の表面全体に亘って下部がAl金属からなり、表面がMo金属からなる
2層膜を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、Mo/Alの
2層配線からなる複数の走査線12及び複数のコモン配線13を互いに平行になるように
形成する(図4A)。アルミニウムは抵抗値が小さいという長所を持っているが、その反
面、腐食しやすい、ITOとの接触抵抗が高いなどの欠点があるため、アルミニウムをモ
リブデンで覆った多層構造にすることでそうした欠点を改善できる。なお、ここではコモ
ン配線13を走査線12に沿って設けた例を示したが、隣り合う走査線12の中間に設け
てもよい。
次いで、走査線12及びコモン配線13を形成した透明基板11の表面全体に亘って例
えばITOからなる透明導電性層を被覆し、同じくフォトリソグラフィー法及びエッチン
グ法によって第1の電極となる共通電極14を形成する(図4B)。この共通電極14は
コモン配線13とは電気的に接続されているが、走査線12ないしゲート電極Gとは接続
されていない。
更に、この表面全体に、プラズマCVD法によって2層の窒化硅素層15a及び15b
からなるゲート絶縁膜15を被覆する(図4C、図4D)。このゲート絶縁膜15の詳細
については後述する。
次いで、CVD法によりたとえばアモルファス・シリコン(以下「a−Si」という。
)層及びna−Si層をゲート絶縁膜15の表面全体に亘って被覆した後に、同じくフ
ォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、TFT形成領域にa−Si層及びn
a−Si層からなる半導体層16を形成する。この半導体層16が形成されている位置の
走査線12の領域がTFTのゲート電極Gを形成する。
次いで、例えばMo/Al/Moの3層構造の導電性層を半導体層16を形成した透明
基板11の表面全体に亘って被覆し、同じくフォトリソグラフィー法及びエッチング法に
よって、信号線17及びドレイン電極Dを形成する(図4E)。この信号線17のソース
電極S部分及びドレイン電極D部分は、いずれも半導体層16の表面に部分的に重なって
いる。
更に、この基板の表面全体に窒化硅素層からなる絶縁膜18を被覆した後、ドレイン電
極Dに対応する位置の絶縁膜18にコンタクトホール19を形成してドレイン電極Dの一
部を露出させる(図4G)。次いで、この表面全体に亘って例えばITOからなる透明導
電性層を被覆し、同じくフォトリソグラフィー法及びエッチング法によって、図1に示し
たパターンとなるように、走査線12及び信号線17で囲まれた領域の絶縁膜18上に、
互いに平行にフリンジフィールド効果を発生させるための複数のスリット20を有する画
素電極21を形成する(図4H)。この画素電極21は、第2の電極であり、コンタクト
ホール19を介してドレイン電極Dと電気的に接続されている。
更に、この表面全体に亘り所定の配向膜(図示せず)を形成することによりアレイ基板
ARが完成される。そして、このようにして製造されたアレイ基板ARと別途製造された
カラーフィルタ基板とを対向させ、周囲をシール材でシールして両基板間に液晶を注入す
ることにより実施例に係るFFSモードの液晶表示パネル10が得られる。なお、カラー
フィルタ基板は、図示省略したが、ガラス基板等の透明基板の表面に順次カラーフィルタ
層、オーバーコート層及び配向膜が設けられており、共通電極が設けられていない外は従
来のTN(Twisted Nematic)方式の液晶表示パネル用のものと実質的に同一の構成を備
えている。
次に、本発明の特徴点である2層の窒化硅素層15a及び15bからなるゲート絶縁膜
15について説明する。このゲート絶縁膜15は、原料ガスとして所定流量でSiH
ス、NHガス及びHガスを流し、ITO等からなる共通電極14が形成された透明基
板11の表面上にプラズマを発生させ、プラズマCVD法によって形成される。このプラ
ズマCVD法による窒化珪素膜の成膜時の最適なSiHガス、NHガス及びHガス
の流量、圧力、基板温度、プラズマ発生に使用する電力等の成膜条件は、プラズマCVD
装置の大きさ、基板の大きさ、要求される成長速度等によって種々変化する。そのため、
最適な成膜条件は、それぞれのプラズマCVD装置毎に実験的に決定されており、各種の
プラズマCVD装置に共通する統一的な基準となる成膜条件は存在しない。そこで、以下
では使用されるプラズマCVD装置において、窒化珪素膜形成時に普通に採用されている
成膜条件を「通常の成膜条件」と称することにする。
本実施例のFFSモードの液晶表示パネル10においては、ITO等の透明導電性材料
からなる共通電極14の表面に窒化珪素からなる絶縁膜が第1回目の工程として形成され
る。このときの成膜条件を通常の成膜条件とすると、図6に示したように、インジウム元
素に富んだ析出物55の粒子が形成され、共通電極14に曇りが生じ(ヘイズ値が大きく
なる)、共通電極14の透明度が低くなってしまうことがある。そこで、本発明では窒化
珪素層からなるゲート絶縁膜15を複層構造のものとし、共通電極14に直接成膜される
最下層の窒化珪素層15aを通常の成膜条件よりも穏やかな成膜条件で形成することとし
た。
このように、共通電極14に直接成膜される最下層の窒化珪素層15aを通常の成膜条
件よりも穏やかな成膜条件で形成すると、下層の共通電極14に与えるダメージを少なく
することができるから、図6に示したようなインジウム元素に富んだ析出物55の粒子の
形成を大幅に減少させることができる。このような通常の成膜条件よりも穏やかな成膜条
件としては、通常の成膜条件よりも原料ガス中のSiHの流量を低くして行うこと、通
常の成膜条件よりも成膜時の透明基板の温度を低くして行うこと、通常の成膜条件よりも
プラズマのパワーを低くして行うこと等が採用できる。これらのうちの何れを採用しても
、窒化珪素膜の成膜速度が遅くなり、共通電極14が受けるダメージが小さくなるので、
図6に示したようなインジウム元素に富んだ析出物55の粒子の形成を大幅に減少させる
ことができる。そして、一旦最下層の窒化珪素層15aを所定厚さに形成した後は、第2
回目の工程として通常の成膜条件で窒化珪素層15bを形成することができる。
この第1回目の工程で形成された最下層の窒化珪素層15aの厚さは、100Å以上で
あればインジウムに富んだ析出物の粒子の形成を抑制できる。しかしながら、このような
穏やかな成膜条件で成膜された最下層の窒化珪素層15aは、第2回目の工程で通常の成
膜条件で成膜された窒化珪素層15bよりもエッチングされやすい性質を有している。そ
のため、例えばゲート絶縁膜15に共通電極14と直接電気的コンタクトを取るためにコ
ンタクトホールを形成した際(具体的には、本願の出願人の先願である、特願2006−
216510号における、走査線上の絶縁膜の表面に共通電極と電気的に接続するシール
ド電極を形成した際の、共通電極とシールド電極とをつなぐコンタクトホールなど)、最
下層の窒化珪素層15aの厚さが厚すぎると最下層の窒化珪素層15aがその表面の窒化
珪素層15bよりも過大にエッチングされてアンダーカットと呼ばれるような、逆テーパ
ー形状の侵食が生じてしまう。この最下層の窒化珪素層15aにアンダーカットが生じた
状態を図5を用いて説明する。
なお、図5Aは上述のような複層構造の窒化珪素層15a、15bからなるゲート絶縁
膜15にコンタクトホールCHを形成した際のコンタクトホールCH部分の電子顕微鏡写
真であり、図5Bは図5Aの模式的な線画である。
図5A及び図5Bに示すように、上述のような複層構造の窒化珪素層15a、15bか
らなるゲート絶縁膜15の表面からSF/O(例えば流量70/180sccm)の
混合ガスを用いてプラズマエッチングすることによりコンタクトホールCHを形成すると
、下層の窒化珪素層15aの膜厚が厚い場合、下層の窒化珪素層15aが余分にエッチン
グされてアンダーカットUC部分が生じている。このアンダーカットUC部分が生じてい
ると、コンタクトホールCH部分を透明導電性材料で被覆した際にアンダーカットUC部
分で膜切れする可能性がある。
そのため、このようなアンダーカットUC部分が生じ難くするために、下層の窒化珪素
層15aの厚さは、300Å以下とすることが好ましい。インジウムに富んだ析出物の粒
子の抑制効果とアンダーカットの抑制効果の両者を考慮したより好ましい下層の窒化珪素
層の厚さは、100Å以上200Å以下である。
なお、上記実施例では共通電極としてITOを用いた例を示したが、IZOを用いても
同様の作用・効果を奏する。また、上記実施例では窒化珪素層からなる絶縁膜15として
2層構造のものを示したが、少なくとも最下層窒化珪素層15aが通常の成膜条件よりも
穏やかな成膜条件、すなわち、共通電極に対してダメージが低い成膜条件で形成されてい
れば、3層以上のものであってもよい。
実施例のFFSモードの液晶表示装置のアレイ基板の2画素分の概略平面図である。 図1のII−II線に沿った概略断面図である。 図1のIII−III線に沿った概略断面図である。 実施例のFFSモードの液晶表示装置のアレイ基板の製造工程を順を追って示す図1のII−II線に沿った部分の断面図である。 図5Aは複層構造の窒化珪素層からなるゲート絶縁膜にコンタクトホールを形成した際のコンタクトホール部分の電子顕微鏡写真であり、図5Bは図5Aの模式的な線画である。 共通電極の表面に窒化珪素からなる絶縁膜を形成した際に析出物が形成された部分の模式断面図である。
符号の説明
10:FFSモードの液晶表示パネル 11:透明基板 12:走査線 13:コモン
配線 14:共通電極 15:ゲート絶縁膜 15a、15b:窒化硅素層 16:半導
体層 17:信号線 18:絶縁膜 19:コンタクトホール 20:スリット 21:
画素電極 AR:アレイ基板

Claims (12)

  1. 透明基板上の各画素に透明導電性材料からなる第1の電極を形成する工程と、前記第1
    の電極の表面に窒化珪素からなる絶縁膜をプラズマ化学的気相成長法によって形成する工
    程と、前記第1電極上の絶縁膜の表面に互いに平行に形成された複数のスリットを有する
    第2の電極を形成する工程と、を備える液晶表示パネルの製造方法において、
    前記窒化珪素からなる絶縁膜を形成する工程を複数回に分けて行い、少なくとも最初の
    工程は前記第1の電極に対して他の工程よりも低ダメージ条件でプラズマ化学的気相成長
    法により行うことを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  2. 前記最初の工程は他の工程よりも原料ガス中のSiHの流量を低くしたことを特徴と
    する請求項1に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  3. 前記最初の工程は他の工程よりも成膜時の透明基板の温度を低くしたことを特徴とする
    請求項1に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  4. 前記最初の工程は他の工程よりもプラズマのパワーを低くしたことを特徴する請求項1
    に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  5. 前記最初の工程は他の工程よりも圧力を低くしたことを特徴する請求項1に記載の液晶
    表示パネルの製造方法。
  6. 透明基板上の各画素に透明導電性材料からなる第1の電極を形成する工程と、前記第1
    の電極の表面にスイッチング素子としての薄膜トランジスタのゲート絶縁膜を兼ねた窒化
    珪素からなる絶縁膜をプラズマ化学的気相成長法によって形成する工程と、前記第1の電
    極上の絶縁膜の上方に互いに平行に形成された複数のスリットを有する第2の電極を形成
    する工程と、を備える液晶表示パネルの製造方法において、
    前記窒化珪素からなる絶縁膜を形成する工程を2回に分けて行い、第1回目と第2回目
    の工程においてプラズマ化学的気相成長条件を変えて行い、第1回目のプラズマ化学的気
    相成長条件を前記第1の電極に対して第2回目よりも低ダメージ条件としたことを特徴と
    する液晶表示パネルの製造方法。
  7. 前記第1回目の工程は第2回目の工程よりも原料ガス中SiHの流量を低くしたこと
    を特徴とする請求項6に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  8. 前記第1回目の工程は第2回目の工程よりも成膜時の透明基板の温度を低くしたことを
    特徴とする請求項6に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  9. 前記第1回目の工程は第2回目の工程よりもプラズマのパワーを低くしたことを特徴す
    る請求項6に記載の液晶表示パネルの製造方法。
  10. 前記第1回目の工程は第2回目の工程よりも圧力を低くしたことを特徴する請求項6に
    記載の液晶表示パネルの製造方法。
  11. 透明基板上の各画素に形成された透明導電性材料からなる第1の電極と、前記第1の電
    極上に形成された窒化珪素からなる絶縁膜と、前記第1の電極上の絶縁膜の表面に形成さ
    れた互いに平行に設けられた複数のスリットを有する第2の電極と、を備える液晶表示パ
    ネルにおいて、
    前記窒化珪素からなる絶縁膜は複層構造からなり、少なくとも最下層の窒化珪素からな
    る絶縁膜は前記第1の電極に対して他の層よりも低ダメージ条件で形成されたものである
    ことを特徴とする液晶表示パネル。
  12. 前記最下層の窒化珪素からなる絶縁膜は厚さが100Å〜200Åであることを特徴と
    する請求項11に記載の液晶表示パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010061912A1 (ja) 2008-11-28 2010-06-03 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 超音波トランスデューサ、電子機器及び超音波内視鏡
JP2010197927A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Epson Imaging Devices Corp 電気光学装置の製造方法
CN102244036A (zh) * 2011-07-08 2011-11-16 信利半导体有限公司 一种广视角液晶显示器的电极绝缘层的制作方法

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