JP2008304037A - 軸受潤滑機構、及び多段式圧延機 - Google Patents

軸受潤滑機構、及び多段式圧延機 Download PDF

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Abstract

【課題】直流電源装置及び転がり軸受で構成された回路における通電状態を監視することで、転がり軸受に対する各種の損傷(焼き付きなど)を確実に回避可能な軸受潤滑機構、及び多段式圧延機を提供する。
【解決手段】非回転状態に維持された静止輪14、静止輪に対向して回転する回転輪16、複数の転動体18、軸受内部を軸受外部から密封するための密封機構21を備えた転がり軸受12に対し、軸受内部へ圧縮エアとともに潤滑剤を供給して潤滑を行う軸受潤滑機構であって、静止輪には、直流電源装置DCにそれぞれ接続されたプラス電極80とマイナス電極82のうち、いずれか一方の電極が取り付けられているのに対し、回転輪には他方の電極が摺接され、直流電源装置及び転がり軸受によって回路Cが構成されており、回路における通電状態を監視することで、軸受内部に形成される油膜の状態を監視し、転がり軸受に対する潤滑剤の供給が制御されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非回転状態に維持された静止輪と、静止輪に対向して回転する回転輪とを備えた転がり軸受に対し、その内部へ潤滑剤を供給するための軸受潤滑機構の改良に関し、特に鉄鋼材を圧延する多段式圧延機において、バッキングロールに使用される転がり軸受の潤滑機構を改良するための技術に関する。
従来から、鉄鋼材を製作するための圧延設備として、種々の多段式圧延機が知られている。その一例として、図2(a),(b)に示された多段式圧延機は、ハウジング2内に複数種の圧延ロール群が設けられており、挿入口2aから挿入された鉄鋼材(図示しない)をパスライン2pに沿って搬送する間に、圧延ロール群によって均一な厚みに圧延した後、排出口2bから排出する構造となっている。
ここで、圧延ロール群は、鉄鋼材を圧延する一対のワークロール4と、一対のワークロール4を回転自在に支持する複数の第1中間ロール6と、これら第1中間ロール6を回転自在に支持する複数の第2中間ロール8とを備えており、各第2中間ロール8は、複数のバッキングロール軸10に組み付けられた各転がり軸受12によって回転自在に支持されている。なお、各バッキングロール軸10は、常時静止した状態(非回転状態)に維持されている。
転がり軸受12は、図3(a),(b)に例示するように、バッキングロール軸10に嵌合(固定)される内輪(静止輪)14と、内輪(静止輪)14に対向して回転可能に配置された外輪(回転輪)16と、内外輪14,16間に複列で組み込まれた複数の転動体18と、各転動体18を1つずつ等間隔に保持する保持器20とを備えている。これにより、転がり軸受12は、外輪回転の軸受構造を成している。
なお、図面上においては、転動体18として円筒ころを例示したが、円すいころが適用される場合もある。また、内外輪14,16及び転動体18の材質は特に限定されず、例えば、合金鋼などの鋼材でこれらを形成することができる。さらに、図面では一例として、2つの内輪14と1つの外輪16とを対向配置させた軸受構造を示している。
図2(a)に示すような多段式圧延機において、転がり軸受12の外輪(回転輪)16は、複数の第2中間ロール8に圧接しており、当該第2中間ロール8と共に回転可能に位置決めされている。この場合、各外輪16からの圧力が第2中間ロール8から第1中間ロール6を介して一対のワークロール4に作用することで、当該ワークロール4の撓みが防止されている。これにより、パスライン2pに沿って搬送される鉄鋼材は、一対のワークロール4によって均一な厚みに圧延される。
また、この場合、転がり軸受12には、軸受外部から軸受内部への異物(例えば、塵埃、圧延油)の侵入防止を図るために、軸受内部を軸受外部から密封する密封機構が設けられている。
例えば、非特許文献1及び特許文献1〜3には、図3〜6に示すように、複列の転動体18の両側の内外輪14,16間に密封機構が設けられた構成がそれぞれ開示されている。
かかる密封機構は、基端22e,40e,41e,48eが内輪(静止輪)14に固定(圧入)され、且つ先端22t,40t,41t,48tが外輪(回転輪)16に対して非接触状態に位置決めされた環状のシールド22,40,41,48と、当該シールド22,40,41,48よりも軸受内部側に配置された環状のシール24,42、あるいは環状のシールド(以下、内側シールドという)43,50とを備えている。ここで、図3(a),(b)(非特許文献1)、及び図4(a),(b)(特許文献1)に示すように、シール24,42は、基端24e,42eが外輪(回転輪)16に固定され、且つ先端24t,42tが内輪(静止輪)14に向けて延出し、その延出端がシールド22,40に対して摺接した状態となるように位置決めされている。
なお、図3(a),(b)に示す密封機構において、シール24は、心金24aにゴム材24bを被覆して形成されており、その先端24t(延出端)には、シールド22に向けて略V字状に突出したゴム製のリップLpが一体成形されており、当該リップLpがシールド22に摺接している。また、シール24の基端24eは、環状の止め輪26によって外輪(回転輪)16に嵌め合わせて固定されている。
また、図4(a),(b)に示す密封機構において、シール42は、外輪(回転輪)16に固定されたホルダ42aと、シールド40に向けて略V字状に突出したリップLpを有するリップシール42bとから構成されており、当該リップLpがシールド40に摺接している。また、シール42(ホルダ42a)には、潤滑剤や当該潤滑剤を軸受内部に供給するための圧縮エアを軸受外部へ放出するための小孔Hが周方向に沿って1個、又は所定間隔で複数個設けられている。なお、シール42の基端42eは、環状の止め輪44によって外輪(回転輪)16に嵌め合わせて固定されている。
これに対し、図5(特許文献2)、及び図6(a),(b)(特許文献3)に示すように、内側シールド43,50は、基端43e,50eが外輪(回転輪)16に固定され、且つ先端43t,50tが内輪(静止輪)14に向けて延出し、その延出端がシールド(以下、同図において外側シールドという)41,48に対して摺接した状態となるように位置決めされている。この場合、内側シールド43,50の基端43e,50eは、環状の止め輪45,52によって外輪(回転輪)16に嵌め合わせて固定されている。なお、これらの図面には、内側シールド43,50の基端43e,50eと外輪(回転輪)16との間にOリング47,54を介在させた構成を例示しているが、当該Oリング47,54以外のシール材などを介在させた構成とされる場合もある。
また、内輪(静止輪)14に固定された外側シールド41,48には、その基端41e,48e側にシール構造体49(49a,49b),56が設けられており、当該シール構造体49(49a,49b),56は、内側シールド43,50に対して摺接した状態となるように位置決めされている。具体的には、シール構造体49a,56には、内側シールド43,50に向けて略V字状に突出したリップLpa,Lpが一体成形されており、当該リップLpa,Lpが内側シールド43,50に摺接している。
なお、図5に示す密封機構においては、シール構造体49aのリップLpaに加えて、内側シールド43に向けて略筒状に突出したリップLpbがシール構造体49bに一体成形され、当該リップLpbも内側シールド43に摺接している。
また、図6(a),(b)に示す密封機構においては、内側シールド50には、潤滑剤や当該潤滑剤を軸受内部に供給するための圧縮エアを軸受外部へ放出するための小孔Hが周方向に沿って1個、又は所定間隔で複数個設けられている。
ところで、上述したような多段式圧延機には、転がり軸受12の回転性能や潤滑性能を一定に維持するために、その運転中、潤滑剤(一例として、潤滑油)を軸受内部に供給して潤滑を行うための軸受潤滑機構が構築されている。その一例が図2(b)に示されており、かかる軸受潤滑機構において、バッキングロール軸10には、これを軸心に沿って貫通して形成され、潤滑油供給源(図示しない)と連通する潤滑油供給孔(以下、軸孔という)28と、バッキングロール軸10の外周を周方向に沿って一部窪ませて形成された複数の潤滑油供給溝(以下、軸溝という)30とが設けられている。
この場合、各軸溝30と軸孔28とは、軸孔28から径方向に沿って放射状に穿孔された複数の貫通孔(以下、連通孔という)32を介して互いに連通されている。また、各軸溝30は、各転がり軸受12の内輪14相互間に対向して配置されている。具体的には、図3〜6に示すように、内輪14相互間には、その内周に沿って周方向に連続した潤滑油供給溝(以下、軸受溝という)34が形成され、当該軸受溝34と軸溝30とが対向して配置される構造を成す。これにより、軸溝30と軸受溝34とで囲まれた領域には、周方向に沿って環状に延出した環状孔(特に、参照符号は付さない)が形成される。また、内輪14相互間には、当該環状孔と軸受内部とを連通させる潤滑油供給孔(以下、軸受孔という)36が形成されている。
これにより、軸孔28、連通孔32、環状孔(軸溝30及び軸受溝34)、並びに軸受孔36を相互に連通して構成される潤滑油供給路(以下、供給路という)が構築される。
このような供給路を有する軸受潤滑機構によれば、潤滑油供給源(図示しない)から軸孔28に供給された潤滑油は、連通孔32を通って軸溝30と軸受溝34とで囲まれた環状孔に導入された後、当該環状孔から軸受孔36を通って軸受内部に供給される。この場合、軸受内部に供給する潤滑油を搬送するために、潤滑油供給源(図示しない)から軸孔28に圧縮エアが送出されており、当該圧縮エアは、潤滑油とともに連通孔32から上記環状孔及び軸受孔36を通って軸受内部に供給された後、複列の転動体18相互間を通って密封機構に達する。
このとき、密封機構に達した圧縮エアは、図3,4,6に示すように、シール24,42及び内側シールド50の先端24t,42t,50tと内輪(静止輪)14との隙間S1からリップLpとシールド22,40,50との間を通り抜けた後、あるいは小孔Hを通り抜けた後、シールド22,40,48の先端22t,40t,48tと外輪(回転輪)16との隙間S2から軸受外部へ排出される。これにより、軸受内部と軸受外部との間の気圧調整が行われている(非特許文献1、特許文献1,3)。
なお、図5に示す転がり軸受12において、内輪14の内周には、軸受溝34よりも軸受外部寄りに周方向へ沿って凹状に連続した潤滑油回収溝(以下、回収溝という)38が形成され、潤滑油を循環させるための図示しない潤滑油循環経路と連通されている。また、内輪14には、回収溝38と軸受内部とを連通させる潤滑油回収孔(以下、回収孔という)39が内径側から外径側までを貫通して形成されている。これにより、軸受孔36から軸受内部へ供給された潤滑油は、その一部が圧縮エアとともに回収孔39から回収溝38へ入り、上記潤滑油循環経路を経由して循環されている(特許文献2)。
製品カタログ(株式会社ジェイテクト 製品カタログ 多段圧延機 バックアップロール用円筒ころ軸受 CAT.NO.246 P5 図例4) 特開2005−140147号公報 実公平7−52425号公報 特開2004−278660号公報
しかしながら、図3及び図4に示す密封機構において、例えば、転がり軸受12の内圧の低下時に、シール24,42のリップLpがシールド22,40に強く圧接した状態で当該シールド22,40に対して摺動すると、その圧接状態の程度によっては、圧縮エアの押圧力では当該圧縮エアがリップLpとシールド22,40との間をスムーズに通り抜けられなくなる場合がある。この場合、圧縮エアが軸受外部へ排出され難くなるため、圧縮エアの流動性が悪くなり、潤滑油を軸受内部へ安定して供給することができなくなってしまう。
また、図5に示す密封機構において、回収孔39が異物(例えば、塵埃、圧延油)、あるいは潤滑油の粘度や表面張力などにより塞がれた場合、圧縮エアがスムーズに循環されないため、圧縮エアの流動性が悪くなり、潤滑油を軸受内部へ安定して供給することができなくなってしまう。
同様に、図4及び図6に示す密封機構において、小孔Hが異物(例えば、塵埃、圧延油)、あるいは潤滑油の粘度や表面張力などにより塞がれた場合、圧縮エアが軸受外部へスムーズに排出されないため、圧縮エアの流動性が悪くなり、潤滑油を軸受内部へ安定して供給することができなくなってしまう。
結果として、図3〜6に示す密封機構においては、いずれも軸受内部の潤滑油の量が不足して転がり軸受12が潤滑不良となる虞があり、この状態が継続されると、当該転がり軸受12に対して焼き付きなどの損傷が生じてしまう場合がある。
さらに、上述したような圧縮エアにより潤滑油を軸受内部に供給する軸受潤滑機構においては、潤滑油供給源(図示しない)に近い上流部に位置する転がり軸受12と比較し、当該潤滑油供給源から離れた下流部に位置する転がり軸受12は、供給路における減圧などの影響により圧縮エアの流動性が低下し、当該軸受内部への潤滑油の供給量が減少してしまう場合がある。この場合、下流部に位置する転がり軸受12は、その内部の潤滑油量が不足して潤滑不良となり、この状態が継続されると、当該転がり軸受12に対して焼き付きなどの損傷が生じてしまう場合がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、直流電源装置及び転がり軸受(静止輪、回転輪、転動体及び保持器)で構成された回路における通電状態を監視することで、軸受内部の潤滑不良を要因として生じる転がり軸受に対する各種の損傷(焼き付きなど)を確実に回避することが可能な軸受潤滑機構、及び多段式圧延機を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の軸受潤滑機構は、非回転状態に維持された静止輪と、静止輪に対向して回転する回転輪と、静止輪と回転輪との間に転動自在に組み込まれた複数の転動体と、静止輪と回転輪との間に区画される軸受内部を軸受外部から密封するための密封機構とを備えた転がり軸受に対し、その軸受内部へ圧縮エアとともに潤滑剤を供給して潤滑を行っている。かかる軸受潤滑機構において、静止輪には、直流電源装置にそれぞれ接続されたプラス電極とマイナス電極のうち、いずれか一方の電極が取り付けられているのに対し、回転輪には他方の電極が摺接され、当該直流電源装置及び転がり軸受によって回路が構成されており、当該回路における通電状態を監視することで、軸受内部に形成される油膜の状態を監視し、転がり軸受に対する潤滑剤の供給が制御されている。
これにより、転がり軸受に対する潤滑剤の供給量を常時一定に保つことができるのみならず、回路における通電状態、すなわち潤滑剤の供給量に異変が生じた場合には、速やかにかかる転がり軸受を停止させ、当該転がり軸受が潤滑不良により損傷(例えば、焼き付きなど)を起こすことを未然に防止することができる。この結果、転がり軸受を長期に亘って一定の精度で安定して回転させ続けることが可能となる。
その際、例えば、前記回路に対し、前記プラス電極とマイナス電極との間の電圧を測定する電極電圧測定装置を接続し、当該電極電圧測定装置によって電極間の電圧を測定することで、当該回路の通電状態を監視すればよい。
これにより、回路Cにおけるプラス電極とマイナス電極との間の電圧を測定することができ、転がり軸受の軸受内部に形成される油膜の状態(すなわち、軸受内部へ供給される潤滑油の量)を監視することができる。
さらに、前記回路に対し、前記直流電源装置とプラス電極との間、あるいは当該直流電源装置とマイナス電極との間の少なくとも一方の間に抵抗器を組み込むとともに、当該抵抗器の電圧を測定する抵抗器電圧測定装置を接続し、当該抵抗器電圧測定装置によって抵抗器の電圧を測定することで、当該回路の通電状態を監視してもよい。
これにより、回路Cにおける抵抗器の電圧を測定することができ、転がり軸受の軸受内部に形成される油膜の状態(すなわち、軸受内部へ供給される潤滑油の量)を高精度に監視することができる。
なお、軸受潤滑機構は、前記転がり軸受の静止輪に導電性の部材を設け、前記一方の電極を当該静止輪に設けた導電性部材を介して取り付けるとともに、回転輪に導電性の部材を設け、前記他方の電極を当該回転輪に設けた導電性部材を介して摺接させた構成としてもよい。
これにより、軸受潤滑機構が導入される各種の装置の大きさや形状などによる制約を受けることなく、回路を構成することができるとともに、電極電圧測定装置あるいは、抵抗器電圧測定装置の配設部位に対する自由度を確保することができる。
また、転がり軸受は、静止輪を回転輪の内側に対向配置した内輪として構成し、回転輪を内輪の外側に対向配置した外輪として構成すればよい。
これにより、内輪が回転せず、外輪が回転する外輪回転転がり軸受に対する潤滑剤(潤滑油)の供給量を常時一定に保つとともに、当該外輪回転転がり軸受を長期に亘って一定の精度で安定して回転させ続けることができる。
ここで、本発明にかかる軸受潤滑機構は、鉄鋼材を圧延するための圧延ロール群を備えた多段式圧延機に導入し、当該圧延ロール群のバッキングロール軸に組み付けられている転がり軸受に対して潤滑を行うことができる。
これにより、かかる圧延ロール群を長期に亘って安定して回転させることができ、多段式圧延機によって常に安定して鉄鋼材を均一な厚みに圧延することができる。
本発明によれば、直流電源装置及び転がり軸受(静止輪、回転輪、転動体及び保持器)で構成された回路における通電状態を監視することで、軸受内部の潤滑不良を要因として生じる転がり軸受に対する各種の損傷(焼き付きなど)を確実に回避することが可能な軸受潤滑機構、及び多段式圧延機を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る軸受潤滑機構について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の軸受潤滑機構は、各種の機械装置における転がり軸受を潤滑するための潤滑機構として適用することができるが、ここでは、かかる軸受潤滑機構を上述したような鉄鋼材を圧延する多段式圧延機(図1(b)及び図2(a))に導入し、バッキングロールに使用される外輪回転の転がり軸受の潤滑を行う場合を一例として想定し、その構成について以下、説明する。
その際、多段式圧延機、及びそのバッキングロールに使用される転がり軸受の基本的な構成は、上述した多段式圧延機(図2(a),(b))及び転がり軸受12(図3〜6)と同様であるため、これらと同一若しくは類似の部材には、図面上で同一符号を付して、その説明を省略若しくは簡略化する。
図1(a),(b)には、本発明の一実施形態に係る軸受潤滑機構が示されており、当該軸受潤滑機構による潤滑対象の転がり軸受は、非回転状態に維持された静止輪(以下、内輪という)14と、内輪14に対向して回転する回転輪(以下、外輪という)16と、内輪14と外輪16との間に転動自在に組み込まれた複数の転動体18と、内輪14と外輪16との間に区画される軸受内部を軸受外部から密封するための密封機構21とを備えている。この場合、各転動体18は、環状を成す保持器20のポケットに1つずつ回転自在に保持された状態で内外輪14,16間に組み込まれ、当該内外輪14,16間で等間隔を保ったまま保持器20とともに回転(公転)している。これにより、各転動体18がその転動面を相互に接触させることなく、内外輪14,16間をスムーズに転動することができる。
ここで、図1(a),(b)には、転がり軸受12が、転動体18として円筒ころを軸方向(同図の左右方向)に2列で配列した複列の円筒ころ軸受である場合の構成を一例として示しているが、軸受型式はこれに特に限定されない。例えば、転動体として円錐ころや球面ころを適用した円錐ころ軸受や球面ころ軸受であってもよいし、転動体として玉を適用した玉軸受であってもよい。また、転がり軸受は、各種の転動体(円筒ころ、円錐ころ及び球面ころ、あるいは玉など)を軸方向に1列のみ配列した単列構成であってもよいし、当該転動体を軸方向に3列以上配列した多数列構成であってもよい。また、バッキングロール軸10に対して組み付けられる転がり軸受12の数は、多段式圧延機の大きさなどに応じて任意に設定すればよいため、ここでは特に限定しない。
さらに、図1(a),(b)に示す構成においては、内輪14を2つの分割構成とし、これらを1つの外輪16と対向配置させた軸受構造としているが、内輪14は分割構成でなくともよい。なお、保持器の型式は、転動体の形状に応じて任意のタイプを選択して適用すればよく特に限定されない。例えば、転動体が各種のころ(円筒ころ、円錐ころ及び球面ころなど)である場合、図1(a),(b)に例示した所謂くし型の他、かご型及びもみ抜き型などのタイプを適用することができ、転動体が玉である場合、波型や冠型などのタイプを適用することができる。
そして、軸受潤滑機構は、かかる転がり軸受12がバッキングロール軸10に対し、その軸方向へ所定間隔で複数個組み付けられた多段式圧延機において、これらの軸受内部へ圧縮エアとともに潤滑剤を供給して潤滑を行っている。この際、潤滑方式としては、潤滑剤に潤滑油を使用し、当該潤滑油を空気の圧力差(差圧)を利用してミスト化させ、圧縮エアと混合させるとともに当該圧縮エアによって搬送させることで、当該ミスト化された潤滑油(オイルミスト)を転がり軸受に対して供給するオイルミスト方式が採用されている場合を一例として想定する。
この場合、潤滑剤(潤滑油)は、図示しない潤滑剤供給源(潤滑油供給源)から圧縮エアとともに送出され、当該潤滑油供給源から軸受内部まで連通する供給路(軸孔28、連通孔32、環状孔(軸溝30及び軸受溝34)、並びに軸受孔36)を圧縮エアによって搬送されることで、転がり軸受12に対して供給されている。なお、潤滑油供給源(図示しない)においては、潤滑油及び圧縮エアが同時に一定量だけ噴出されており、潤滑油は、その噴出の際に圧縮エアと混合されてミスト化した状態、すなわちオイルミストとして当該潤滑油供給源から圧縮エアとともに供給路へ送出され、転がり軸受12に対して供給されている。また、軸受孔36が開口し、軸受内部へオイルミストが供給(放出)される部位を以下の説明においては、便宜上、潤滑点という。
なお、潤滑方式は、上述したようなオイルミスト方式には特に限定されず、潤滑油を圧縮エアの流れによって分散された油滴状とし、当該油滴を供給路の路面に沿って搬送することで、転がり軸受12に対して給油するオイルエア方式を採用してもよい。その際、各転がり軸受12ごとに分配器を設け、当該分配器によって供給路を分岐させるとともに、その分岐後は、当該潤滑点ごとに供給路を独立させた構成とすればよい。
本実施形態において、転がり軸受12は、静止輪である内輪14に直流電源装置(以下、単に電源という)DCと接続した電極(一例として、プラス電極)80が取り付けられているとともに、回転輪である外輪16に電源DCと接続した電極(一例として、マイナス電極)82が摺接された構造を成している。また、図1(a)に示す構成においては、電源DCとプラス電極80との間に抵抗器Rが組み込まれ、これにより、電源DC、抵抗器R及び転がり軸受12によって回路Cが構成され、当該回路Cにおける通電状態が監視されている。その際、転がり軸受12は、内外輪14,16間に組み込まれた転動体18及び保持器20を介して内輪14と外輪16が接続されることで、回路Cの一部を構成している。
なお、図1(a)には、一例として、内輪14にプラス電極80を取り付けるとともに、外輪16にマイナス電極82を摺接させた回路Cの構成を示しているが、これとは逆に、内輪14にマイナス電極82を取り付けるとともに、外輪16にプラス電極80を摺接させて、回路Cを構成してもよい。また、図1(a)には、一例として、電源DCとプラス電極80との間に抵抗器Rを組み込んだ回路Cの構成を示しているが、抵抗器Rを電源DCとマイナス電極82との間に組み込んで回路Cを構成してもよい。
いずれの場合においても、回路Cには、プラス電極80とマイナス電極82との間の電圧(両電極80,82の電位差)、すなわち、内外輪14,16間の電圧(内外輪14,16の電位差)(以下、電位Aという)を測定する測定装置(以下、電極電圧測定装置という)Vaが接続されているとともに、抵抗器Rの電圧(以下、電位Bという)を測定する測定装置(以下、抵抗器電圧測定装置という)Vbが接続されている。
このような回路Cにおいては、電源DCによって所定の電圧で電力が供給されており、電極電圧測定装置Vaにより電位Aを測定するとともに、抵抗器電圧測定装置Vbにより電位Bを測定することで、当該回路Cにおける通電状態が監視される。この場合、電源DCが負荷する電圧の大きさは、転がり軸受12及び圧延ロール群圧延ロール群(ワークロール4、第1中間ロール6、第2中間ロール8(図2(a))の回転などに影響を及ぼすことのない限り特に限定されず、任意に設定すればよいが、本実施形態においては、当該電圧が1Vである場合を一例として想定する。
ここで、上述したように、潤滑油はミスト化された状態で供給路を流れる圧縮エアによって搬送され、転がり軸受12に対して供給されており、当該潤滑油(オイルミスト)が適正に供給されている場合、当該転がり軸受12の軸受内部、具体的には、内外輪14,16の軌道面、転動体(円筒ころ)18の転動面、保持器20のポケット面に対して油膜が形成されている。かかる油膜は電気を通さず、この状態においては、当該油膜が抵抗(絶縁体)となって内輪14と外輪16との間の接続を遮断し、内外輪14,16間で回路Cを開放するため、転がり軸受12(内外輪14,16、転動体18及び保持器20)は通電することがない。したがって、その際、電極電圧測定装置Vaによって測定される電位Aは、電源DCによる負荷電圧に相当する1Vであり、抵抗器電圧測定装置Vbで測定される電位Bは、0Vとなる。
一方、転がり軸受12に対して供給される潤滑油(オイルミスト)の量が不足し、軸受内部が潤滑不良となっている場合、内外輪14,16の軌道面、転動体(円筒ころ)18の転動面、保持器20のポケット面に対して形成された油膜が不安定な状態(例えば、部分的に失われた状態など)となる。この状態においては、かかる油膜による抵抗が低下し、内輪14と外輪16とが転動体18及び保持器20を介して接続され、内外輪14,16間で回路Cが閉じるようになるため、転がり軸受12(内外輪14,16、転動体18及び保持器20)が通電され始める。したがって、その際、電極電圧測定装置Vaによって測定される電位Aは、1Vから徐々に低下変動するのに対し、抵抗器電圧測定装置Vbで測定される電位Bは、0Vから徐々に上昇変動する。
そして、転がり軸受12に対して供給される潤滑油(オイルミスト)の量が継続的に不足し、軸受内部が完全に潤滑不良となった場合、内外輪14,16の軌道面、転動体(円筒ころ)18の転動面、保持器20のポケット面に対して形成されていた油膜が完全に失われた状態となる。この状態においては、かかる油膜による抵抗は全くなく、内輪14と外輪16とが転動体18及び保持器20を介して常時接続され、内外輪14,16間で回路Cが閉じるため、転がり軸受12(内外輪14,16、転動体18及び保持器20)が完全に通電される。したがって、その際、電極電圧測定装置Vaによって測定される電位Aは0Vとなり、逆に、抵抗器電圧測定装置Vbで測定される電位Bは、電源DCによる負荷電圧に相当する1Vとなる。
このため、回路Cにおける通電状態、具体的には、電極電圧測定装置Vaによって測定される電位Aの値、あるいは抵抗器電圧測定装置Vbによって測定される電位Bの値を監視することで、各転がり軸受12の軸受内部に形成される油膜の状態(すなわち、潤滑点へ供給される潤滑油の量)を監視することができ、当該転がり軸受12に対する潤滑油(オイルミスト)の供給を制御することが可能となる。
なお、電極電圧測定装置Va及び抵抗器電圧測定装置Vbは、バッキングロール軸10に組み付けられた各転がり軸受12に対して構成される回路Cに少なくともいずれか一方を1つ配設すればよい。これにより、個別の電極電圧測定装置Va、あるいは抵抗器電圧測定装置Vbによって各回路Cの電位Aあるいは電位Bをそれぞれ測定することができ、各転がり軸受12の軸受内部に形成される油膜の状態(すなわち、潤滑点へ供給される潤滑油の量)を高精度に監視することができる。
一例として、電極電圧測定装置Vaによって、転がり軸受12の軸受内部に形成される油膜の状態(すなわち、潤滑点へ供給される潤滑油の量)を監視する場合を想定し、以下、具体的に説明する。かかる電極電圧測定装置Vaは、電位Aを測定し、当該電位Aが予め設定された範囲内にある場合、転がり軸受12の軸受内部に形成された油膜の状態が正常であること、すなわち、潤滑点から供給されるオイルミストの量が適正であり、転がり軸受12に対する潤滑が正常に行われていることを示す正常信号を出力する。
これに対し、電位Aが予め設定された下限値よりも低下した場合、電極電圧測定装置Vaは、当該軸受内部の油膜状態が異常であること、すなわち、潤滑点から供給されるオイルミストの量が不足しており、転がり軸受12に対する潤滑が正常に行われていないことを示す異常信号を出力する。
電極電圧測定装置Vaから出力された正常信号及び異常信号は、制御回路(例えば、リレー回路など)が組み込まれた信号制御装置(図示しない)へ通信ケーブルなどを介して送信され、当該信号制御装置によって正常あるいは異常の信号種別が判別される。判別の結果、異常信号であった場合、圧延ロール制御装置(図示しない)へ当該異常信号を送信し、当該圧延ロール制御装置によって圧延ロール群(ワークロール4、第1中間ロール6、第2中間ロール8(図2(a))の運転を停止させる。この結果、各転がり軸受12も同時に停止されるため、当該転がり軸受12が潤滑不良の状態で回転され続けることを事前に回避し、焼き付きなどの損傷が生じることを確実に防止することができる。
なお、圧延ロール制御装置は、多段式圧延機の運転を制御するための装置であり、信号制御装置から送信される信号(正常信号あるいは異常信号)を随時受信し、当該信号種別に応じて圧延ロール群の回転・停止の切り換えを行っている。
ここで、電極電圧測定装置Vaから出力された信号種別の判別を行う装置は、上述したような信号制御装置(図示しない)には限定されない。例えば、電極電圧測定装置Va自身で当該信号種別の判別を行ってもよいし、圧延ロール制御装置(図示しない)で当該信号種別の判別を行ってもよい。また、別途の信号判別装置を設け、当該装置により判別を行ってもよい。
また、信号制御装置(図示しない)と圧延ロール制御装置(図示しない)を1つの装置に統合し、これらの機能を当該統合装置によって実現する構成としてもよい。
さらに、各種のインターフェース装置を設けることで、当該インターフェース装置により転がり軸受12に対する潤滑状態を確認することが可能な構成とすることができる。例えば、各種の表示器(信号制御装置や圧延ロール制御装置に内蔵させたLED、外部ディスプレイ(液晶パネルやCRTなど))に潤滑状態が正常であること、あるいは潤滑状態が異常であることを示すメッセージを表示させることで、潤滑状態を目視により確認することができる。また、アラームの鳴動やランプの点滅などにより、潤滑異常の発生を通知する各種の警報器(アラーム鳴動装置、ランプ点滅装置、あるいはバイブレーション装置など)を併せて設けることで、より確実に、且つリアルタイムに潤滑異常の発生を認知することができる。
なお、上述した本実施形態においては、一例として、電極電圧測定装置Vaによって転がり軸受12の潤滑状態を示す正常信号及び異常信号を出力させる構成としているが、これらの信号は、電極電圧測定装置Vaに代えて、あるいはこれに加えて、抵抗器電圧測定装置Vbによって出力させる構成としてもよい。
かかる構成において、抵抗器電圧測定装置Vbは、電位Bを測定し、当該電位Bが予め設定された範囲内にある場合、転がり軸受12の軸受内部に形成された油膜の状態が正常であること、すなわち、潤滑点から供給されるオイルミストの量が適正であり、転がり軸受12に対する潤滑が正常に行われていることを示す正常信号を出力する。これに対し、電位Bが予め設定された上限値よりも上昇した場合、抵抗器電圧測定装置Vbは、当該軸受内部の油膜状態が異常であること、すなわち、潤滑点から供給されるオイルミストの量が不足しており、転がり軸受12に対する潤滑が正常に行われていないことを示す異常信号を出力する。
そして、抵抗器電圧測定装置Vbから出力された正常信号及び異常信号は、信号制御装置(図示しない)などによって正常あるいは異常の信号種別の判別を行えばよい。
なお、抵抗器Rの電圧(電位B)を測定する代わりに、当該抵抗器Rの抵抗値や電流値を、回路Cに接続した測定装置によって測定する構成としてもよい。
ここで、上述した本実施形態においては、一例として、電源DCに接続された電極80,82を内外輪14,16に直接接続することで回路Cを構成しているが、例えば、内輪14及び外輪16に設けられた導電性の部材を介してこれらの電極80,82を内外輪14,16に接続し、回路Cを構成してもよい。
一例として、図1(b)に示す構成においては、内輪14が固定されるバッキングロール軸10及び当該バッキングロール軸10を固定する台座90、及びこれらを連結固定する固定部材92をいずれも導電性を有する金属製(例えば、鉄製や銅製、あるいはこれらの合金製など)とし、当該台座90にプラス電極80が取り付けられている。すなわち、内輪14が台座90、固定部材92及びバッキングロール軸10を介してプラス電極80に接続される構成となる。
これに対し、外輪16には、当該外輪16とともに回転し、導電性を有する金属製(例えば、鉄製や銅製、あるいはこれらの合金製など)のカバー部材94を設け、当該カバー部材94にマイナス電極82が摺接されている。すなわち、外輪16がカバー部材94を介してマイナス電極82に接続される構成となる。
これにより、電源DC、抵抗器R及び転がり軸受12に加え、台座90、固定部材92、バッキングロール軸10及びカバー部材94によって回路Cが構成されることになる。
ここで、図1(b)には、一例として、台座90にプラス電極80を取り付けるとともに、カバー部材94にマイナス電極82を摺接させた回路Cの構成を示しているが、これとは逆に、台座90にマイナス電極82を取り付けるとともに、カバー部材94にプラス電極80を摺接させて、回路Cを構成してもよい。
このとき、カバー部材94は、バッキングロール軸10に取り付けられている固定具96との接触部98に絶縁体を設けることにより、あるいは当該接触部98に絶縁材の被膜を形成することにより、かかる固定具96との間で絶縁構造を成す。
なお、電極電圧測定装置Va及び抵抗器電圧測定装置Vbは、図1(a)に示す構成と同様に回路Cに対して接続し、それぞれ電位A及び電位Bを測定させればよい。
以上、本実施形態に係る軸受潤滑機構によれば、回路Cにおける通電状態を電極電圧測定装置Va、あるいは抵抗器電圧測定装置Vbにより監視することで、軸受内部の潤滑不良を要因として生じる転がり軸受12に対する各種の損傷(焼き付きなど)を確実に回避することができる。これにより、転がり軸受12を長期に亘って適正な潤滑状態に保ち、一定の精度で安定してスムーズに回転させ続けることができる。
また、多段式圧延機のバッキングロール軸10に組み付けられた転がり軸受12に対する潤滑を本発明に係る軸受潤滑機構により行うことで、当該多段式圧延機の圧延ロール群(ワークロール4、第1中間ロール6、第2中間ロール8(図2(a))を長期に亘って一定の精度で安定してスムーズに回転させることができ、鉄鋼材を常に均一の厚みに圧延することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る軸受潤滑機構の構成例を示す図であって、(a)は、転がり軸受を回路に組み込んだ状態の構成を示す回路構成概念図、(b)は、軸受潤滑機構が導入された多段式圧延機の全体構成例を示す平面図。 (a)は、多段式圧延機の圧延ロール群の構成例を示す平面図、(b)は、バッキングロール軸まわりの構成例を示す側面図。 (a)は、従来の軸受潤滑機構の潤滑対象となる転がり軸受の構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、同図(a)に示す転がり軸受において、軸受内部と軸受外部との間の気圧調整を説明するための密封機構の断面図。 (a)は、従来の軸受潤滑機構の潤滑対象となる転がり軸受の構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、同図(a)に示す転がり軸受において、軸受内部と軸受外部との間の気圧調整を説明するための密封機構の断面図。 従来の軸受潤滑機構の潤滑対象となる転がり軸受の構成を一部拡大して示す断面図。 (a)は、従来の軸受潤滑機構の潤滑対象となる転がり軸受の構成を一部拡大して示す断面図、(b)は、同図(a)に示す転がり軸受において、軸受内部と軸受外部との間の気圧調整を説明するための密封機構の断面図。
符号の説明
10 バッキングロール軸
12 転がり軸受
14 内輪(静止輪)
16 外輪(回転輪)
18 転動体(円筒ころ)
21 密封機構
80 プラス電極
82 マイナス電極
C 回路
DC 直流電源装置
Va 電極電圧測定装置
Vb 抵抗器電圧測定装置

Claims (6)

  1. 非回転状態に維持された静止輪と、静止輪に対向して回転する回転輪と、静止輪と回転輪との間に転動自在に組み込まれた複数の転動体と、静止輪と回転輪との間に区画される軸受内部を軸受外部から密封するための密封機構とを備えた転がり軸受に対し、その軸受内部へ圧縮エアとともに潤滑剤を供給して潤滑を行う軸受潤滑機構であって、
    静止輪には、直流電源装置にそれぞれ接続されたプラス電極とマイナス電極のうち、いずれか一方の電極が取り付けられているのに対し、回転輪には他方の電極が摺接され、当該直流電源装置及び転がり軸受によって回路が構成されており、当該回路における通電状態を監視することで、軸受内部に形成される油膜の状態を監視し、転がり軸受に対する潤滑剤の供給が制御されていることを特徴とする軸受潤滑機構。
  2. 前記回路には、前記プラス電極とマイナス電極との間の電圧を測定する電極電圧測定装置が接続されており、当該電極間の電圧を測定することで、当該回路の通電状態が監視されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受潤滑機構。
  3. 前記回路には、前記直流電源装置とプラス電極との間、あるいは当該直流電源装置とマイナス電極との間の少なくとも一方の間に抵抗器が組み込まれ、当該抵抗器の電圧を測定する抵抗器電圧測定装置が接続されており、当該抵抗器の電圧を測定することで、当該回路の通電状態が監視されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受潤滑機構。
  4. 前記転がり軸受の静止輪には、導電性の部材が設けられ、前記一方の電極が当該静止輪に設けられた導電性部材を介して取り付けられているのに対し、回転輪には、導電性の部材が設けられ、前記他方の電極が当該回転輪に設けられた導電性部材を介して摺接されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軸受潤滑機構。
  5. 静止輪は、回転輪の内側に対向配置された内輪として構成されており、回転輪は、内輪の外側に対向配置された外輪として構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軸受潤滑機構。
  6. 鉄鋼材を圧延するための圧延ローラ群を備えた多段式圧延機であって、当該圧延ローラ群のバッキングロール軸に組み付けられている転がり軸受に対し、請求項1〜5のいずれかに記載の軸受潤滑機構によって潤滑が行われていることを特徴とする多段式圧延機。
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